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('A`)はドクトラセブンのようです

1名無しさん:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』

地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が

( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」

( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」

( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」

( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」

このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。

384名無しさん:2018/10/26(金) 22:43:28 ID:fRcSXe1I0
  _
( ゚∀゚)「ギコに無理やり連れてかれなければまだいろいろ話せたのに。」
  _
( ゚∀゚)「でも最後に名前が聞けて良かった。『西川デレ』さん、一生忘れないあの人は女神だ。」

(#゚A゚)「き、貴様あぁ!!」

(#゚A゚)「俺のデレさんに近寄るんじゃねぇ!!」
  _
( ゚∀゚)「なんだドクオ知り合いなのか!なら話が早い、連絡先を教えてくれ!」

(#゚A゚)「誰が貴様なんぞに教えるものか!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なるほどなジョルジョ、その下等生物にまですがるとは本気のようだな。」

ξ゚⊿゚)ξ「どれ、5万で教えてやってもいいぞ。」
  _
(;゚∀゚)「5、5万だと…いや5万でも安いもんだ。」

( ^ω^)「これはいよいよジョルジュにも春が来るかな。」

爪#'ー`)「お前ら浮かれた話もいい加減にしておけよ!!防衛任務をなんだと思っている!!」

久しぶりにフォックスの逆鱗が落ち、一旦その場は落ち着いた。
それからというのも、ジョルジュは仕事の合間に小説を読むとすぐさまスマホで誰かにメッセージを送っているようだ。
そしてドクオはというと、恨めしそうにその光景を見ることしかできなかった。

(#゚A゚)「ギギギギギ」

( ^ω^)「そんなに気になるなら自分でも読んだらどうだ。会話に入れるぞ。」

('A`)「小説なんてくだらないもんに興味はないんだよ俺は。」

('A`)「そうだ!ネットで結末を調べてネタバレしてやる!」

( ^ω^)(こいつマジで大人げねぇ)

385名無しさん:2018/10/26(金) 22:43:55 ID:fRcSXe1I0
(,,゚Д゚)「しかしそれは奇妙な事件ですね。」

爪'ー`)「ああ、だがまだそれが宇宙人の仕業なのかは見当もつかんがな。」

フォックスとギコが事件でもあったのか、神妙な趣で作戦室に入ってきた。

( ^ω^)「何か事件でもありましたか?」

爪'ー`)「最近謎の仮死事件が多数起きているようだ。」

( ^ω^)「仮死事件?」

(,,゚Д゚)「今まで元気だった人間が突然仮死状態になる事件が起きてるようだ。それも日常生活で突然。」

( ^ω^)「そりゃまた奇怪な。」

爪'ー`)「被害者の近くには一冊の本が落ちているようだ。」

爪;'ー`)「なんだっけあの…セント何とかってやつが書いた……」

( ^ω^)「あのサスペンスサイコホラーのあれですね。」

(;゚Д゚)「いや、セントジョーンズ著書の『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』っていう恋愛小説でしょ。」

爪'ー`)( ^ω^)「そうそれそれ!」

(,,゚Д゚)「いい加減覚えましょうよ。」

('A`)「じゃぁあれか?被害者は小説の出来が良すぎて昇天しちゃったってやつか?」

( ^ω^)「小説ごときにそんなこと起きるわけないだろ。」

( ^ω^)「その小説も所詮『アアオモシロカッタナ』程度だろ。なあジョルジュ!」
  _
(  ∀ )「……」

386名無しさん:2018/10/26(金) 22:44:27 ID:fRcSXe1I0
( ^ω^)「ジョルジュ?」

ブーンがやさしく触ると力なくジョルジュがその場に倒れこんだ。

爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「?!」

倒れたジョルジュの手には例の小説が握られていた。

(;'A`)「おい!しっかりしろジョルジュ!!」

フォックスは握られたいた本をとると軽くパラパラとめくってみる。

爪'ー`)「ブーン、この本を解析してみてくれ。ギコは本の出版社に問い合わせろ。」

( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」

すぐさま医療室に運ばれたが、はやり仮死状態とのことだった。
そして解析に回された本だが、恐るべきことが分かったのだ。

( ^ω^)「解析の結果、例の本は地球上に無い物質が使われているようですね。」

( ^ω^)「現在の地球の科学力では解析できない機械も組み込まれていたようで、こいつが事件にかかわっていたことは確かです。」

(,,゚Д゚)「本の出版社はどうやら実際には存在していないようです。しかし、なにやら書店やなどにはどこからともなく届けられていたとのことで。」

爪'ー`)「こうなったらセントジョーンズを直接とっちめるしかないようだな。」」

(,,゚Д゚)「セントジョーンズの潜伏場所と思われるべき場所は現在二か所に絞られています。」

('A`)「しかし敵もなかなか大胆なことをしますね。まさか有名人が宇宙人とは。」

爪'ー`)「だからいつも言っているだろ、いつどこで誰が侵略者なのかわからないと。」

ξ゚⊿゚)ξ「ああいう連中は性根が腐ってんな。本に小細工をはさむたぁ性格がひん曲がってるぜ。」

('A`)(ツンヌが言うのか?)

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説なんて書くやつって根暗で陰湿な野郎なんだろうな。姑息も姑息。きっと人に面と向かって意見だとか言えねぇタイプだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「恋人がいたこともなく童貞で、他の仕事してたらつかえない人間なんだろうな。いや、その小説ですら大したことないんだろうぜ。」

(;'A`)「ちょっと辛辣すぎやしませんかね。」

ξ゚⊿゚)ξ「だが私が連絡するのがもう少し遅かったらデレもやられていた。その落とし前はつけさせてもらおう。」

387名無しさん:2018/10/26(金) 22:44:53 ID:fRcSXe1I0
爪'ー`)「潜伏場所と思われるのは実家と…都内の廃工場?」

(,,゚Д゚)「ええ、度々そこでうろついている姿が目撃されているそうです。」

爪'ー`)「よし、なら二手に分かれて突入する。ブーンとギコは実家の方へ、ドクオとツンヌは廃工場の方へ行ってくれ。

( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

ヴィプンターで目的地の廃工場に向かうドクオとツンヌ。

('A`)「なあ敵の目的は何だと思う?」

ξ゚⊿゚)ξ「目的だぁ?そんなもんどうでもいいね。標的を見つけ次第ぶちのめす。簡単な話だろ。」

(;'A`)「いや、目的が分かれば敵の動きも考えられると思うんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「小難しいこと考えやがって。いいことを教えてやろう。戦いにおいて知能なんて必要ない。」

ξ゚⊿゚)ξ「心理戦だとか頭使うのは面倒だからな。直感で動くのが一番よ一番!」

('A`)(こいつは野生の生き物かなんかなのだろうか?)

('A`)(狩りをする動物ももう少し頭を使うと思うが)

('A`)「俺が思うに敵は永遠の命を求めているんだと思う。確かTVのインタビューではそこだけ食いついていたからな。」

('A`)「それに被害者が仮死状態になっていることも考えれば、奪った命を自分のものにしようとしているのかも。」

ξ゚⊿゚)ξ「永遠の命?また中二病みたいな。」

('A`)「だから早く何とかしないと大変なことになりそうだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならこう考えられえないか、死なないサンドバックが手に入ると。」

(;'A`)「君は何をする気?」

そうこうやっているうちに目的地の廃工場に着いた。
腰の光線銃を構えると静かに侵入する。

388名無しさん:2018/10/26(金) 22:45:19 ID:fRcSXe1I0
中は殆ど片付けなどされていないようだ。埃だらけで古い機械などがそのままになっている。
ただ、工場の真ん中には大きな金魚鉢のような装置が置いてある。
それだけが埃もかぶっておらず、新しめだ。何よりもそのまま装置の中には、ヒトダマのようなものが大量に入っていた。

('A`)(なんだあれは?)

ξ゚⊿゚)ξ(でっけえ金魚でも飼ってんのか?)

装置のそばで人影が動いた。
すぐに物陰へと隠れる二人。

(’e’)「……」

セントジョーンズだ。

装置のそばで何かを探している様子だ。
確保しよう物陰から飛び出そうとしたとき、誰かが工場に入ってきた。

(‘_L’)「先にいらしていたんですね先生。」

秘書の男が現れた。その手には何やら大きなアタッシュケースを持っている。

(‘_L’)「間一髪でしたね。ヴィプトラ警備隊も気づいたようですが先にここにたどり着くことができましたよ。」

(‘_L’)「やはり運命は我々の味方をしていますね。」

(’e’)「こんな方法で永遠の命を手に入れるなんて聞いていなかったぞ。」

(‘_L’)「犠牲になった人々にはそういう運命だったと諦めてもらうしかないですよ。何事にも犠牲はつきものでしょう。」

(’e’)「どうやら私と君では求める永遠の命は違ったようだ。」

(‘_L’)「何を言っているんです先生?」

(‘_L’)「いろんな出版社に小説を持ち込んでもまったく相手にされなかったあなたと、何か売れるものを探していた私がだよ。」

(‘_L’)「同じ目的である永遠の命を探し求めていた同志が運命的な出会いをしたというのに。」

389名無しさん:2018/10/26(金) 22:45:45 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「……」

('A`)(やはり永遠の命が目的だったか)

('A`)「そこまでだ二人とも!ヴィプトラ警備隊だ!」

光線銃を向けながら飛びだす。

(;‘_L’)「もう来ていたのかヴィプトラ警備隊!」

ξ゚⊿゚)ξ「こそこそと悪さをしてたみたいだが、サンドバッグになりたいのはどっちだ?」

(;‘_L’)「待ってくれ!話を聞いてくれ!」

('A`)「早く集めた命を元に戻すんだ。」

(‘_L’)「フィレンクト星人最後の生き残りなんだよ!」

('A`)「!?」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?何星人だって?」

(‘_L’)「フィレンクト星は急な気候変動や暴動などのせいで滅んでしまったんだ。私ははその最後の一人なんだよ。」

(‘_L’)「私が死ぬということは一つの種族が滅ぶということ。そんなかわいそうなことがあっていいのか!」

(‘_L’)「私は何としても生きてフィレンクト星人を再建させなくてはならないんだ。そのためにも永遠の命が必要なんだ。」

(‘_L’)「だから無駄にたくさんいる地球人が減ったところでいいだろ。見逃してくれ!」

390名無しさん:2018/10/26(金) 22:46:11 ID:fRcSXe1I0
('A`)「そうはいかない。まずは元に戻すんだ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!悪いが命乞いは私には通じねぇ。」

(‘_L’)「チッ、穏やかにすましてやろうと思ったのによ。」

すごい弱気だった表情が一変してフィレンクトの体が一瞬光る。
すると、全身紫色で頭には二本の角と鋭くとがった牙がある悪魔のような姿のフィレンクト星人が現れた。

(‘_L’)「地球人二人ぐらい始末するなんてわけないぜ!」

('A`)「な?!」

(;'A`)(まずい、ツンヌやセントジョーンズがいては変身できない)

ξ゚⊿゚)ξ「お!やる気になったか!」

(’e’)「私はな、フィレンクト。君がミセリと同じ心境だったから手を貸したんだよ。」

(‘_L’)「ミセリ?誰だそれは?」

(’e’)「彼女は最後の魔女だった。それでも彼女は気高く必死に自分の人生を生きようとしていた。」

(‘_L’)「何を言ってる?それは小説の話だろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おっさん、現実と夢想の区別もつかないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説書くやつって頭のネジが抜けてんじゃないの?」

('A`)(お前はそれどころじゃないがな)

391名無しさん:2018/10/26(金) 22:46:38 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「私の書いた小説は本当のことだよ。私が彼女と一緒に体験したことを書いたのがあの作品なんだ。」

(‘_L’)「何を馬鹿なことを言っているのだ。魔女なんかこの世にいるわけないだろ。」

(’e’)「フフフ、宇宙人の君がそんなことを言うのかい?事実は小説より奇なり、だよフィレンクト。」

(‘_L’)「だからどうしたと言うのだ!体験を書いたということはミセリは死んだということじゃないか!」

(’e’)「そうさ、魔女をよみがえらせこの世を支配しようとした連中と戦い散った。しかしそれでもミセリは自分で満足いく人生だと言ってくれたよ。」

(’e’)「私と出会えてよかったと言ったんだ。そして誰のためでもない自分のために生きた。」

(‘_L’)「ならセントはお前のことだったのか。ならばお前が永遠の命を手に入れようとするのはミセリを蘇らせることだろう。」

(‘_L’)「それこそ俺の目的と一緒じゃないか。この装置を使えば人間の命を分け与えてもらえる。お前にも使ってやろう。ともに頑張ろうではないかこれからも。」

(-e-)「……」

(’e’)「ミセリは言っていたよ、言葉や文字にはとてつもない力があると。その力は様々な効果を人に与えると。」

(‘_L’)「?」

(‘_L’)「お前も魔法が使えるのか?」

(’e’)「そんなものは使えないさ。私はただのひ弱な人間さ。」

(’e’)「その力というのは人のここをに作用する。人を喜ばしたり悲しませたりするとてつもない力さ。」

(’e’)「そしてそれは誰でも使うことができる。だからこそ使い方には気をつけなければならない。簡単に人を傷つけてしまうからね。」

(‘_L’)「無駄話が過ぎるぞ。何が言いたいんだ?」

392名無しさん:2018/10/26(金) 22:47:05 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「言っただろ言葉には力があると。その力の使い方や見方を変えれば違うものがわかるのさ。」

(’e’)「フィレンクト。君は嘘をついた。」

(‘_L’)「!!」

(’e’)「最初に会って君から話を聞いたとき二はすでに感ずいていたよ。」

(’e’)「星が滅んだ、これは本当のことだろう。だが君は同胞たちを蘇らせる気なんてないのだろう。」

(’e’)「永遠の命を手に入れてこの宇宙を支配する気なんだろ。」

(‘_L’)「……」

(‘_L’)「最初はイカれた奴だと思っていたが、無駄に勘のいい奴のようだな。そうさ俺の目的は永遠の命を手に入れこの宇宙を支配することさ。」

(‘_L’)「だが俺に手を貸すというのならミセリを蘇らせるのを手伝ってやってもいいぞ。」

(’e’)「君が地球を侵略しようが宇宙を支配しようが私にはどうでもいいことだ。だが、私の求める永遠の命を壊そうというのならそうはいかないのだ!」

そういうとセントジョーンズは何かのリモコンのようなものを取り出しボタンを押した。

(;‘_L’)「貴様それは!!」

装置を制御するリモコンだ。
さっき探していたのはこのリモコンのようで、操作すると閉じ込めていたヒトダマが解き放たれあるべき所へと戻っていく。

(;‘_L’)「なんということをする!!あれだけあれば数万数十万年年分の寿命が延びたのに!!」

(’e’)「求める永遠の命が違うと言ったはずだ。」

(’e’)「彼らは私が永遠の命を手に入れるためには生きていてもらう必要がある。」

(;‘_L’)「は?」

(’e’)「私が求める永遠の命とは人々の心の中で彼女とともに生き続けることさ。」

(;‘_L’)「??」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ頭イカれてるだろうテメー。」

393名無しさん:2018/10/26(金) 22:47:33 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「世の中のいろいろな作品というものは、良ければ良いほど人の心に残る。そしてそれが幸せな感情なら幸せな気持ちとともに私たちは生き続けられるのさ。」

(’e’)「人類が続く限り人々の心の中で生き続けること、これほどまでに素晴らしいことはないのだよ。」

('A`)「……」

(#‘_L’)「そんなくだらないことのために俺の計画を邪魔したというのか!!ただではおかんぞ!!」

(’e’)「君はそう思うだろうが、私に言わせれば君の言う永遠の命ほどくだらないものはないよ。」

(#‘_L’)「なんだと!!」

(’e’)「仮に君が永遠の命を手に入れたところで今日あったことなど数百万、数千万年もたたないうちに忘れるだろう。この先出会うであろう連中のことも忘れるであろう。」

(’e’)「ならばそういった出会いに意味はあるのか?君にとって何の意味がある出会いになるのだ?この先何億何兆と一人で生き続けてなんになるというのだ。」

(’e’)「長く生きれば生きるほど時間の流れは速くなるぞ。そんなの一人ぼっちで生きているのと変わらないではないか。」

(#‘_L’)「グ…グググ……」

(#‘_L’)「黙れ!地球人ごときが…下等生物ごときがぁ!俺の計画を邪魔しやがって!!」

フィレンクト星人の角から怪光線が発射した。
それは見事にセントジョーンズの胸元を貫いた。

('A`)ξ゚⊿゚)ξ「!!」

('A`)「セントジョーンズ!!」

ドクオが駆け寄るがもう手の施しようがなかった。

(;’e’)「ヴィプトラ警備隊か。なぁに気にするな、元々あの小説が完成したら生きるつもりなどなかったのだから。」

(;’e’)「最後に自分の目的を果たせて満足だよ。」

(;'A`)「くっ……!」

(; e )「そうさ、これでやっとミセリの元へ…と……」

( e )

(‘_L’)「ざまあねえなゴミクズめ。貴様はもともと俺にいいように使われる運命にあったんだよ!地獄で後悔してろ!」

394名無しさん:2018/10/26(金) 22:48:26 ID:fRcSXe1I0
ξ゚⊿゚)ξ「テメーやってくれるじゃねぇーか!」

ツンヌが戦闘態勢に入った。

(‘_L’)(地球人ごとき二人いようだどうということはない)

(‘_L’)(だがヴィプトラ警備隊他いうことを考えれば、万が一に備えて一人ずつ相手をした方がいいだろう)

(‘_L’)「ところで見たまえこれを。」

フィレンクト星人がアタッシュケースを高々と掲げる。

(‘_L’)「これにはそこのゴミが書いた売り上げの一億が入っている。」

(‘_L’)「これから先の資金にしようと持ってきたものだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?!」

(‘_L’)「欲しけりゃくれてやるぞ!」

そう言って投げ飛ばす。
アタッシュケースは窓ガラスを割りはるか遠くへと飛んで行った。

('A`)「馬鹿言えそんな手にだrξ¥⊿¥)ξ「ドクオ、奴が何か重要なものを投げた!私が確保してくるから時間を稼げ!」

そうですね。とんでもない馬鹿がここにいましたね。

(‘_L’)「クックック、やはり運命は俺に味方している!」

('A`)「フィレンクト星人、お前は負けていたよ。」

(‘_L’)「あぁ?なんだって?」

('A`)「お前はセントジョーンズに負けたんだ。精神的にな。だから物理的な攻撃で命を絶つしかなかったんだ。」

395名無しさん:2018/10/26(金) 22:48:55 ID:fRcSXe1I0
(#‘_L’)「精神的?何言ってやがる!結局死んでんなら俺の勝ちだ!」

('A`)「お前の気持ちもわかるよ。この星の連中は肉体的には弱いはずなのにとてつもなく強い奴が大勢いてビックリするよな!」

(‘_L’)「??」

('A`)「運命が味方してるだって?逆だ逆。ツンヌを追い払ったのは間違いだったな!」

('∀`)「おかげで変身できるぜ!」

胸元からドクトラアイを取り出し変身する。

(∞)「デュワ!」

(;‘_L’)「き、貴様はドクトラセブン!」

('A`)「お前の野望もここまでだ!!」

フィレンクト星人に飛び掛かるドクトラセブン。
相手も負けじと殴り返してくる。

('A`)「ウオォォォ!!」

(‘_L’)「負けるものか!!」

壮絶なラッシュの打ち合い。
打ち勝ったのは……

('A`)「オラァ!」

(;‘_L’)「ぐわぁぁ」

殴り飛ばされるフィレンクト星人。
追撃で飛び蹴りを放つドクトラセブン。
しかし、一瞬にして姿を消すフィレンクト星人。

396名無しさん:2018/10/26(金) 22:49:23 ID:fRcSXe1I0
('A`)「?!」

後ろにワープしたフィレンクト星人が光線を放つ。

(;'A`)「イデデデデ!」

反応が遅れ、背中に直撃してしまう。
隙を見逃さないフィレンクト星人は後ろからつかみかかり、バックドロップを決める。
美しい放物線だ。

(;'A`)「ぐぇ……」

受け身も取れずに後頭部を強打してしまう。
だがすぐさまクラッチを切り体勢を立て直して反撃する。
しかしまた背後にワープされてしまう。

(‘_L’)「間抜けがアホめ!!」

今度はバックドロップで蹴り飛ばす。

(;'A`)「うへぇ……」

吹き飛ばされながらもドクリュウム光線で反撃する。

(‘_L’)「そんな技が通じるか!」

また姿を消す。

('A`)「今だ!」

消えたと同時に後ろにローリングソバットを放つ。

(;‘_L’)「うぐぅ!!」

狙い通りみぞおちに命中する。
よろけたフィレンクト星人の頭を両手でつかむと膝蹴りの連打。
何発かぶち込んだら首投げを決める。
その後も激しい死闘が続いた。

397名無しさん:2018/10/26(金) 22:49:46 ID:fRcSXe1I0
お互いにフラフラとなんとか立っていられる程度だ。
そしてドクトラセブンの額のビームランプは激しく点滅している。活動限界が近いのだ。
決着をつけなくては互いに限界が近い。

('A`)「オリャァ!!」

(‘_L’)「ドリャァ!!」

同時に飛び蹴りを放つ両者。
空中で交差して着地する。

('A`)「……」

(‘_L’)「……」

(;‘_L’)「グ……」

片膝をつくフィレンクト星人。

( A )「ガハァ!」

その場に倒れこむドクトラセブン。

(;‘_L’)「危なかった。あともう少しでやられていたぞ。」

(‘_L’)「だがあと一人始末すれば俺の完全勝利だ!!」

(‘_L’)「フハハハハハ!!」

(;'A`)「ま…まだだ!!」

必死に立ち上がろうとするドクトラセブン。
とっくに限界を迎えている。どう考えても勝てるはずがない。
だがここで立ち上がるのがヒーローなのだ。

('A`)「俺はお前に負けるわけにはいかない!!この地球を守るため!!」

どこにそんな力が残されているのか徐々に立ち上がる。

(;‘_L’)「な?!」

398名無しさん:2018/10/26(金) 22:50:14 ID:fRcSXe1I0
('A`)「こっから逆転するのがヒーrξ゚⊿゚)ξ「おっと間に合ったか!私のサンドバックは生きてるな!」

(;'A`)「?!」

ξ゚⊿゚)ξ「アタッシュケース探すの苦労したぜ。あれ、ドクオの奴は?」

ξ#゚⊿゚)ξ「あの腰抜け野郎逃げやがったな!!」

ξ゚⊿゚)ξ「おお、ヘタレンダーZボロボロじゃないか。」

('A`)「俺はドクトラセブンだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな気を使わなくていいぜ、その名前つけたのはウチのキモイ奴だろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「私にはわかるよお前の本当の名前が。それがヘタレンダーZだろ。」

('A`)「いえ、本名はドクトラセブンです。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「まあいいヘタレンダーZ、後は私に任せろ!」

(;'A`)「よせ!お前の敵う相手じゃない!!」

(‘_L’)「やはり運命は俺の味方のようだ!」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

(‘_L’)「俺からして困る展開は応援を呼ばれることだったんだが、自分から出てきてくれるとはな。」

(‘_L’)「所詮お前らの運命はこうなることに決まっていたんだろう。」

(‘_L’)「フハハハハハ!!」

399名無しさん:2018/10/26(金) 22:50:45 ID:fRcSXe1I0
ξ゚∀゚)ξ「カーッカッカッカッ!!」

腹を抱えて笑い出すツンヌ。

(‘_L’)「何が可笑しい!!」

ξ゚∀゚)ξ「だってよ、いい歳したおっさんが運命だとか言ってんだぜ笑うしかないだろうよ!」

ξ゚∀゚)ξ9m「テメーにいいこと教えてやるよ!運命を信じてていいのはいたいけない少女か、いまだに白馬の王子を信じてるメンヘラ女だけだぜ!」

(#‘_L’)「ギ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「その運命なんて言葉は言い訳のための言葉だぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「何か失敗したやつがこうなる運命だったって言い訳するためのな!」

ξ゚∀゚)ξ9m「だからテメーはこの後『俺はこうなる運命だったんだぁ』って後悔しながら地獄に落ちるんだ!」

ξ゚⊿゚)ξ「さあかかってきな!!」

戦闘態勢をとるツンヌ。

(#‘_L’)「地球人ごときが舐めた口ききやがって!!」

(#‘_L’)「この俺を怒らせたことを後悔させてやるぞ!!」

(#‘_L’)「貧弱でただおびえることしかできない哀れな下等種族がぁ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なにゴチャゴチャ喚いてんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「さっきも言ったが私に命乞いは通じねぇぜ!ビビってんだったらこっちから行くぞ!」

(#‘_L’)「?!」

あとはツンヌさんが全部やってくれました。

400名無しさん:2018/10/26(金) 22:51:12 ID:fRcSXe1I0
一発ぶんなぐって動きを止めたら素早く後ろをに回ってチョークスリーパーで首を絞める。
そのまま簡単に首をへし折って終わった。

ξ゚⊿゚)ξ「準備運動にもならなかったな。」

( _L )

('A`)「は?」

確かにドクトラセブンと死闘を繰り広げて消耗していたはずだが、それでも地球人が瞬殺するなんて……

('A`)「は?」

今起きた現実を受け入れられないドクトラセブン。

ξ゚⊿゚)ξ「必殺メイプルリーフクラッチの練習台にしてやろうと思ったんだが、大したことなさすぎだろ。」

フィレンクト星人の死体の頭を踏みつけながらツンヌは余裕な表情だ。

ξ゚⊿゚)ξ「不完全燃焼。」

ムスッとすごく不満そうにする。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、でももう一人いいサンドバックがあったな。」

クルッとドクトラセブンの方を向くが、すでにドクトラセブンはいなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勘のいいやつめ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

(;'A`)「どうやら終わったようだな。」

スッと姿を現すドクオ。

401名無しさん:2018/10/26(金) 22:51:44 ID:fRcSXe1I0
ξ#゚⊿゚)ξ「腰抜け野郎どこに隠れてやがった!!」

(;'A`)「いや俺もいろいろ戦ってたんだよ。それで君を呼びに行こうと……。」

ξ゚⊿゚)ξ「まあいい。終わったからとっとと帰るぞ。」

('A`)「……」

黙ってセントジョーンズの亡骸を見つめる。

ξ゚⊿゚)ξ「まあこの仕事をしていれば助けられない命もあるさ。それくらい慣れろよ。」

慣れろ。言葉でいうのは簡単だが、実際にこの手で助けられない命を目の当たりにしてしまうと……

ξ-⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「私たちは全能な神様なわけじゃないんだぜ。どんなに頑張ったって所詮はただの人間でしかないんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「空も飛べなければ時間も巻き戻せない。ましてや人の命を蘇らせるなんてな。」

ξ゚⊿゚)ξ「だからこそいつも必死に生きてんだろ戦ってんだろ私達は。」

ξ゚⊿゚)ξ「今日起きたことは忘れるな。お前の記憶にしっかり刻め。それが私たちの義務だ。」

('A`)「ああ……そうするよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ早く運転お願い。私この後トソンと飲み行くから基地に行く前に居酒屋によってね。」

(;'A`)「切り替え早くない?」

ξ゚⊿゚)ξ「これだから新兵は適応力が遅い。必死に生きてるって言ったろ。だから私は人生を精一杯楽しく生きてるわけよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ヘボい精神力じゃこの先生き残れんぞ新兵。偉大な先輩を参考にしろよ。」

(;'A`)「……」

少しでも感心した自分が馬鹿だった。

402名無しさん:2018/10/26(金) 22:52:06 ID:fRcSXe1I0
でもあんたは永遠の命を手に入れたんだったよな。
人類が続く限りあんたは彼女とともに生き続けるなら俺は人類が滅ぶその瞬間まで守り続けるよ。
それなら文句はないだろ。

('A`)「永遠の命か……」

俺もこの先地球の教科書とか載るようになるのかな?
そうすれば地球人の心の中で永遠に生き続けるのかな?

('A`)「……」

いや違うな。
たとえ地球人の記憶に残らなくても俺は戦うよ。
永遠の命なんていらない。
俺はこの星が好きだ。だからこの星のために戦うんだ。
それは自分が決めたこと。人にまったく知られていなくてもいい。
この先戦いで命を落とそうと後悔はない。

('A`)「それじゃあ俺は行くよ。」

( e )

満足気に笑うセントジョーンズの亡骸を後にする。
きっと彼と彼女はこれからも生き続けるだろう。人々の心の中で。

第十三話『永遠の命』

終わり

403名無しさん:2018/10/26(金) 22:52:50 ID:fRcSXe1I0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

404名無しさん:2018/10/26(金) 23:10:58 ID:f/VW831g0
セントジョーンズ……

405名無しさん:2018/10/26(金) 23:35:26 ID:kkuWeS060
いつもながら素晴らしいな
ドクオが少しずつ成長してるのが良い

406名無しさん:2018/10/27(土) 18:49:36 ID:W6FCnulA0
>>399
ここクソワロタwww

407名無しさん:2018/10/27(土) 21:49:39 ID:CZNe5Y2w0
ツンが量産の暁には宇宙人なぞあっという間に叩いてくれるわ

408名無しさん:2018/10/28(日) 19:08:41 ID:DFUoMimM0
きたきたw
いやー、このジョルジュ一緒にいたら楽しそうで好きだわ。ドクオのセリフの変化からも徐々にヒーローとしての自覚や成長がみてとれるな
そろそろ急成長する話もでてくるのかしら?

409名無しさん:2018/10/28(日) 22:10:16 ID:jwSnLeHo0
今日発見して一気に読んでしまった
これからも期待してます

410名無しさん:2018/11/14(水) 22:33:40 ID:0Sx6YJI20
第十四話『宇宙一のラーメン』

上司「ちょっといいかいトソンくん。」

(゚、゚トソン「はい、なんでしょうか?」

仕事の途中、上司に呼び出されるトソン。
彼女の働いている会社は雑誌編集部で芸能関係からオカルト雑誌まで幅広く出版している。
その中でオカルト雑誌を担当している。トソン自身は芸能関係を担当したかったようだが、人生そううまくはいかない。

上司「忙しいとこ申し訳ないんだが……」

(゚、゚トソン「?」

上司「来週から別の雑誌の編集部に行ってもらうこととなった。」

(゚、゚トソン「は?」

上司「最近うちはだいぶ売り上げが落ちてね。しかも取材に行った記者が何人も行方不明になるし。」

上司「だからオカルト雑誌は廃刊して人材は他の部署に異動することになったんだよ。」

(゚、゚トソン「え!じゃぁ私芸能関係に移動できるんですか!!」

目を輝かせながら質問する。
願ってもない話だ。やっと自分でやりたかった仕事ができる。
今までまったく興味もわかないオカルト話の記事とか書いていたが、やっと報われる時が来たのだ。
トソンの目には希望であふれていた。

上司「その…悪いんだが……」

上司「ラーメン雑誌に方に移動になったんだ。」

(゚、゚トソン「は?」

一瞬にして絶望に変わる。
希望というものはあまりいだかない方がいい。

411名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:07 ID:0Sx6YJI20
その日の仕事を雑に終わらせて職場を後にする。
こんな仕事本当にやってられない。やめてやろうか?
……今は我慢のときだ。いつか必ず芸能関係の編集部に行ってやるんだ。
子供の頃からの夢だったじゃないか。私が芸能人の秘密を暴いて記事にして連日ワイドショーを賑わせる。
記者会見で汗を滝のように流しながら、しどろもどろに返事をする光景を見て酒を飲むと。
その昔からの夢を叶えるために今まで頑張ってきたんじゃないか。もう少し耐えなくちゃ。

(゚、゚#トソン「……」

そう思ってもイライラが止まらない。感情のコントロールって難しい。
でも私は知っている。こういうときはなにをすればいいかを。きっと社会人ならみんな知っている。
酒!飲まずにはいられない!

いつもの行きつけの飲み屋を目指す。そしてこういう時は一人で飲むよりもう一人はいた方がいい。
うるさく騒げれる親友が。
いつでも簡単に呼び出せて飲みに行ける素晴らしい親友だ。

(゚、゚トソン「さてと。」

バックにしまっていたスマホを取り出すとすぐに電話をかける。

prrr

prrr

prrr

(゚、゚トソン「?」

いつもはワンコールで出るのだが、今回はなかなか出ない。
珍しく仕事でもしてるのか?

ξメ゚⊿゚)ξ「もしもしどうしたの?」

412名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:38 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「ごめん仕事中だった?」

ξメ゚⊿゚)ξ「いやー、久しぶりに骨のあるやつと戦っててね!やっぱ戦いってこうお互いの実力が近くないとつまんないわよね。」

(゚、゚トソン「そう。ならお仕事頑張ってね。」

ξメ゚⊿゚)ξ「おう!」

そう言って電話を切る。

ξメ゚⊿゚)ξ「すまなかったな。急に電話がきたもんだから。」

ξメ゚∀゚)ξ「さあ続きと行こうぜ!まだまだこれからだろ私たちの死闘は!!」

ξメ゚∀゚)ξ「調子が上がってきた!行くぜオラァ!!」

顔には傷が付き服もボロボロになってもまだ元気そうに突っ込んでいくツンヌ。

強い宇宙人(嘘だろこの地球人!俺の全力の攻撃を受けてピンピンしてる)

今しがた全力を出し切ってしまい、もう絶望しかない宇宙人。
その二人のやり取りを近くで見ているだけのドクオ。

(;'A`)(こいつマジでおかしいだろ……)

ツンヌ優勢でボコボコにしていく。
改めて地球の神秘をその目で見届けるのであった。

413名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:05 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「はー」

ため息をつきながら、居酒屋まで歩く。
仕方ない今日は一人で飲みまくるしかない。
そう思っているうちにもう目的地まで付いた。
さぁやけ酒だ。

(`ェ´)「今日はパチンコ勝ちに勝ったぜ!」

≫(‘♀’)≪「やったな佐藤君!」

(`ェ´)「奢ってやるから感謝しろよ人さん。」

≫(‘♀’)≪「あざっす!マジ感謝!」

≫(‘♀’)≪「アンコウ料理のフルコース食おうぜ!!」

(`ェ´)「そんなコースこの店に無いでしょ。」

≫(‘♀’)≪「そうだった。」

アハハハハ!

同じタイミングで反対方向から楽しそうに飲みに来た客がやってきた。
このイライラしている時にこうも楽しそうにふざけあっている連中を見ると腹の底から怒りが込み上げてきた。

(゚、゚#トソン「チッ」

舌打ちをしながらにらめつける。

(`ェ´;) ≫(‘♀’;)≪

すぐさまおとなしくなる二人組。
威嚇した連中を置いて店に入りひたすら酒を注文した。

(゚、゚#トソン「あのクソ上司がぁ……」

もう既にどのくらい飲んだのか覚えていない。
それと同じくらいどれほどの愚痴をこぼしたのかも……

414名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:33 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「ヒック……」

店長「お客さんそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

居酒屋の申し出になんて答えたかすら覚えていないが、気づくと自分が住むマンションがある駅の近くまで来ていた。

(゚、゚*トソン「ヒック…わたしゃ酔ってなんかないよ……」

千鳥足で何とかマンションの方へと向かう。
その時だった。美味しそうなラーメンのニオイが。

(゚、゚*トソン「あぁん?らーめん?」

まさしく今見たくないランキング一位のものだ。
なんでラーメン雑誌になんて……
でもものすごく美味しそうなニオイだ。
こんなところにラーメン屋なんてあったっけ?好奇心から足がニオイのする方へと向かっていく。

(゚、゚*トソン「屋台のラーメンかぁ。」

珍しくこんなところで屋台を出しているみたいだ。
好奇心と美味しそうなニオイのせいで席についてしまった。

( `ハ´)「イラッシャイネー。」

中華服を着たその男は片言の日本語をしゃべっていた。
昭和くらいの漫画とかである中国人キャラみたいな見た目であるが、すぐさまこいつが地球の者でないのが分かった。

(゚、゚*トソン「おっさん宇宙人かー」

( `ハ´)「そうアルよ。ワタシ宇宙人ネ!」

(゚、゚*トソン「口調もいつの時代だよー」

( `ハ´)「ワタシは宇宙人でも味は確かネ!」

常連客A「おうよ!嬢ちゃんシナーさんの作るここのラーメンは宇宙一だぜ。」

隣に座る酔っ払いのおっさんが絡んできた。

415名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:00 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「宇宙一ねー。言うじゃない。それなら一杯頼もうかしら。」

( `ハ´)「アイヨ!」

すぐさま麺を湯で始め、ささっと具をのせれば完成だ。
差し出される味噌ラーメン。

(゚、゚*トソン「ではいただきます!」

ズズズッ

(゚、゚*トソン「!!」

(゚、゚*トソン「うまい!!」

(゚、゚*トソン「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせて煮込み豚足と背脂を加えた濃厚スープに、味噌の芳醇なコクが融合しやみつきの美味しさ!」

(゚、゚*トソン「濃厚なスープと太麺が合うこと合うこと!」

(゚、゚*トソン「チャーシュー、卵、ネギに至るまでひと手間加えることで最高の味を引き出している!」

(゚、゚*トソン「こんなうまいラーメンを食べたは生まれて初めて!!」

常連客A「だろだろwww宇宙一の看板は伊達じゃないぜwww」

( `ハ´)「そう言ってもらえると幸せアルよ。」

(゚、゚*トソン「おっさん名前は?」

( `ハ´)「ワタシはシナー星人のシナーアルよ。」

(゚、゚*トソン「私はこういう者なんだけど。」

416名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:32 ID:0Sx6YJI20
急いでバックから名刺を取り出して渡す。
まだオカルト雑誌の記者の奴だが。

(゚、゚*トソン「来週からラーメン雑誌の記者になるからシナーさんの記事書かせてよ。」

( `ハ´)「それはうれしい申し出アルね。」

( `ハ´)「でもこの店のことハ内緒にして欲しいヨ。」

(゚、゚*トソン「なんで?!有名になればお客さんもいっぱいでシナーさんウハウハじゃない。」

( `ハ´)「ワタシは所詮宇宙人ネ。」

( `ハ´)「なんの許可もなく勝手二店してるネ。」

( `ハ´)「そんなヤツハいつ始末されても文句言えナイ。この宇宙の常識的ルールネ。」

常連客A「そうだからシナーさんの屋台はいつどこで開くかわからないんだよ。今日は久しぶりに見つけられてよかったよ。」

(゚、゚*トソン「そんなもったいない……」

( `ハ´)「ワタシはこの宇宙デ究極の料理を作ルために旅してたアル。」

( `ハ´)「そんな中この地球ヲ見つけたネ。地球はスバラシイヨ。」

( `ハ´)「こんなにイロイロな食材アル星他にないネ。」

( `ハ´)「だからワタシ細々トデモお客さんに自慢のラーメン食べてホシイ。」

(゚、゚*トソン「そう言われちゃ私も黙ってるしかないじゃん。」

( `ハ´)「アリガトウアル。」

(゚、゚*トソン「今度は友達といるときに見つけれたらいいな―。」

美味しいものを食べるといらいらした気分も吹き飛ぶ。
これなら明日も頑張れるかな。

417名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:07 ID:0Sx6YJI20
('A`)「ツンヌってマジに地球人なん?」

( ^ω^)「あれだよ、突然変異種とかだよ。」
  _
( ゚∀゚)「いや俺は自分を地球人だと思い込んでいる異星人説を押すね。」

(,,゚Д゚)「それだけ鍛錬したということだろ。俺たちも負けてられないな。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私のいる高みまで来るがいい敗北者どもよ!」

('A`)「化け物め。」

爪'ー`)「おっともうこんな時間か。それでは俺は会議に行ってくるから後のことはよろしく頼むぞ。」

( ^ω^)「了解です隊長!帰りは何時ですか?」

爪'ー`)「あー、今日は帰ってこれんと思う。また明日の朝な。」

( ^ω^)「そういうことですか、どうぞ楽しんできてください。」

爪'ー`)「いつも言っているが、くれぐれもヴィプトラ警備隊の隊員だということを忘れないで節度ある行動をするように。」

足早に作戦室から出ていく。

ξ゚⊿゚)ξ「ケッ!いいよな上の連中は。堂々と飲んで騒いでしに行けてよ。」

('A`)「ツンヌも堂々と飲んで騒いでしてると思うよ。」

( ^ω^)「まあまあ。そういった飲みの席は人付き合いで重要だぜ。」

418名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:39 ID:0Sx6YJI20
爪*'ー`)「いやーおひさー元気にしてた?」

キャバ嬢「フォッちゃんひっさー!」

もうかなり飲んで二次会かも三次会かもわからない中、気づけばお気に入りの嬢がいるキャバクラへ。

爪*'ー`)「寂しくしてたー?はいこれプレゼント!」

キャバ嬢「ありがとー!寂しかったー!もうフォッちゃん来なかったからずっとつまんなかったもん!!」

爪*'ー`)「ごめーん!お仕事忙しくて―これなかったーのぉ。」

キャバ嬢「じゃあ今日はいっぱい甘えてやるー!」

爪*'ー`)「甘えて甘えて!もう本当は毎日会いに来たいのに!」

キャバ嬢「そんなに防衛任務って大変なんだね!」

爪*'ー`)「そんなのホントは部下に任せっきりだからほとんど何もしてないけどねwww」

キャバ嬢「もうフォッちゃんたらぁ!でもまたヴィプトラホーク1号乗りたいなぁー。」

爪*'ー`)「任して任して!また一緒に日本の上空を散歩しよう!」

キャッキャウフフと楽しい時間を過ごす。
他の長官たちも自分のお気に入りの嬢と楽しんでいる。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、自宅への帰路に就く。

爪*'ー`)「ヒック……ウェー……」

フラフラと歩いているといい匂いがしてきた。
旨そうなラーメンのニオイだ。
そういえば締めのラーメンを食べていないことに気が付き、ニオイの元へと歩く。

爪*'ー`)「味噌ラーメン一杯。」

419名無しさん:2018/11/14(水) 22:39:37 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「ハイヨ!」

元気よく返事をし、作業に取り掛かる店主をまじまじと見つめる。
いつの時代の中国人キャラだ?というかこいつ宇宙人では?

爪*'ー`)「あれぇ?あんたちょっとしてぇ。」

いや、酔っ払っているせいなのかもしれない。
そう思いながら質問をしようとしたら隣の席の酔っ払った若い女性が話しかけてきた。

(゚、゚*トソン「おっさんおっさん!シナーさんは宇宙人だけど料理の腕は確かだぜ!」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

(゚、゚*トソン「あれこのおっさんどっかで見たことあるな。」

(゚、゚*トソン「まぁ常連のこの私のいうことを信じなさい。」

(゚、゚*トソン「ここのラーメンは宇宙一よ!」

爪*'ー`)「ふぁぃ……」

酔っ払いすぎて思考が回らない。

( `ハ´)「どうゾ!自慢の味噌ラーメンアルよ!」

爪*'ー`)「いただきまふ。」

ズズズッ

爪*'ー`)「!!」

爪*'ー`)「何といううまさ!」

爪*'ー`)「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせt(゚、゚*トソン「もうその説明は私がしたからいいよ。」

爪*'ー`)「いやでもうますぎる!!」

( `ハ´)「そう言ってもらえれば料理人としてシアワセアルよ。」

(゚、゚*トソン「常連から忠告だけどこの屋台のことは誰にも言うなよ。」

(゚、゚*トソン「シナーさん宇宙人だから見つかったら始末されちまうよ。」

( `ハ´)「ヴィプトラ警備隊にだけはナイショにしてほしいアルネ。」

(゚、゚*トソン「いいか絶対に黙っとけよおっさん。」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

420名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:15 ID:0Sx6YJI20
どうやって帰ったのかわからないが次に意識が戻った時には自宅のベットだった。

爪; ー )「頭イテー……」

激しい頭痛が襲う。二日酔いだ。だいぶ飲んだようだ。
昨日の夜の出来事がかなりあいまいで何とか顔を上げると嫁が鬼のような形相で睨んでくる。

从#'ー'从「あなた昨日また遅くまで飲んでいたでしょ!今朝玄関の戸が開けっぱなしでしたよ。」

从#'ー'从「それに脱いだ服がそのままになってるし、煙草の臭いはするし!」

爪; ー )「はい…ごめんなさい……」

从#'ー'从「もう一度やったら煙草だけじゃなくてお酒も禁止します!!」

爪; ー )「そ、それだけは……」

ただでさえ痛む頭にさらに怒りの怒鳴り声が響く。
天下のヴィプトラ警備隊隊長も奥様には頭が上がらないのだ。

爪;'ー`)「おはよう諸君……」

フラフラしながら作戦室に入っていくフォックス。

( ^ω^)「おはようございます。おや、どうやら昨日はだいぶ飲んだみたいですね。」

(,,゚Д゚)「だいぶ顔色悪いですよ。」

爪;'ー`)「歳のことを考えずに飲んでしまったよ。」

何とか椅子に座り一息つく。

爪'ー`)「……」

( ^ω^)「何か考え事ですか?」

爪'ー`)「いや、何でもないよ……」

爪'ー`)(何か大事なことを忘れている気がする)

爪'ー`)(そう、何かとてつもなくうまいものを食べたはずだ)

舌の上で確かに残る何かの味。
それのことばかり考えながら数日数週間が過ぎていく。
あの日以来夜は一人でパトロールに回っていた。

421名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:53 ID:0Sx6YJI20
そんなある日、たまたま夜私服で出る私用があり一人で街中をうろついていた。
そうしていると何やら嗅いだことのある旨そうなニオイが……
ニオイを頼りに向かう。

爪'ー`)(このニオイだ!俺が探していたのは!)

気づけば屋台の席に座っていた。

( `ハ´)「イラッシャイアル!」

( `ハ´)「お!お客さんまた会ったアルネ!」

(゚、゚*トソン「ようよう!久しぶりじゃんおっさん!元気してたか?」

(゚、゚*トソン「あんたもここの常連になれたようだな!」

上機嫌な酔っ払いが絡んでくる。

爪;'ー`)「あ……」

欠けていたピースがはまるようにあの時の記憶がよみがえる。

爪'ー`)「み、味噌ラーメン一杯……」

( `ハ´)「ハイヨアル!」

爪;'ー`)「……」

(゚、゚*トソン「おっさんどうよ最近は?」

爪;'ー`)「え?」

(゚、゚*トソン「その感じだと仕事もできなさそうな窓際族のサラリーマンぽいけど、ちゃんと仕事行ってるか?」

422名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:21 ID:0Sx6YJI20
爪;'ー`)「そりゃまぁ一応……」

( `ハ´)「お客さん元気ナイネ。ワタシのラーメン食べて元気出すヨ!」

差し出される味噌ラーメン。宇宙一のラーメンだ。
しかしここで葛藤が……
確かにこれは自分が探し求めていたものだが、相手は宇宙人。そして自分はヴィプトラ警備隊の隊長なのだ。
普段から隊員たちに厳しく防衛の心得を説いてきた。
その自分が宇宙人の作ったラーメンを美味しそうに食べているのはどうか。

爪;'ー`)「……」

( `ハ´)「どうしたアルか?食べないと冷めるヨ。」

(゚、゚*トソン「さてはおっさん今日は嫌なことがあったな!上司の怒られたとか?」

(゚、゚*トソン「あれか?その上司が一回りも年下でみんなの前でどやされたとか?」

(゚、゚*トソン「おっさん仕事できなさそうだもんなぁ。」

(゚、゚*トソン「いいかおっさん、そんなときはこれだ。」

そう言いながら日本酒を差し出す。

(゚、゚*トソン「同じ店の常連だからな。今日は私がおごってやるよ。」

爪;'ー`)「いや今日まだ仕事があるんで……」

(゚、゚*トソン「いいよいいよそんなこと!ほらグイッといって!」

勢いに飲まれていただくことにした。

爪*'ー`)「やっぱここのラーメンは最高だな!宇宙一だよ!」

爪*'ー`)(今は制服着てないからいいよな)

(゚、゚*トソン「だろだろwww」

( `ハ´)「お客さん元気になってワタシうれしいヨ。」

替え玉を頼み酒もさらに飲む。
こんな幸せなひと時があろうか。

423名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:47 ID:0Sx6YJI20
一方その頃、ドクオ、ブーン、ツンヌはヴィプンターでこの近くをパトロールしていた。

ξ゚⊿゚)ξ「平和すぎて暇。」

('A`)「平和ならいいことじゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「定期的に体動かさないとなまっちゃうのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならあんたサンドバックになる?」

(;'A`)「遠慮しときます……」

( ^ω^)「なあ二人とも腹減らね?」

運転しながらブーンが二人に聞いてきた。

ξ゚⊿゚)ξ「確かにこの時間は小腹がすいてくるわね。」

('A`)「ちょっと何か食べてくか。」

( ^ω^)「よし!食い行くか!ここら辺て飲食店あったっけ?」

('A`)「オイ見ろあそこ!屋台があるじゃん!」

( ^ω^)「ラーメンみたいだな。行ってみようぜ!」

屋台の近くにヴィプンターを停め屋台の座席に座る三人。

( `ハ´)「イラッシャイヨー!」

(;`ハ´)「あ……」

( ^ω^)「貴様宇宙人だな!ここで何やってる!」

(;`ハ´)「アイヤー!!」

すぐさま逃げ出すシナー星人。

424名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:21 ID:0Sx6YJI20
('A`)「待てこらぁ!!」

その後を追いかけるドクオとブーン。
その光景を席に座りながら見ているツンヌ。

ξ゚⊿゚)ξ「ちくしょう。せっかくラーメンが食べられると思ったのに。」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

爪;'ー`)「……」

ツンヌの隣で黙って座っているだけのフォックス。

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁん?」

隣のフォックスに気づく。

(゚、゚*トソン「あれ、ツンヌじゃん!」

ξ゚⊿゚)ξ「お!トソン!」

厄介な二人に囲まれるフォックス。

(;`ハ´)「アイェェェェ!!」

('A`)「止まれコラァ!!」

(;^ω^)「ウオォォォ!」

猛ダッシュで鬼ごっこを繰り広げる三人。

肥満体の宇宙人を追うドクオ。その二人を追う肥満体ブーン。
ドクオがシナー星人につかみかかれそうな瞬間、シナー星人が突然しゃがむと足払い。

(;'A`)「グエェェ!」

壮大にスッ転ぶ。

( `ハ´)「足元は要注意アルよ!」

(; A )「うーん……」

(;^ω^)「コノヤロー!」

気絶しているドクオを置いて追いかける。
そのまま歩道橋を上がっていくシナー星人。

425名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:52 ID:0Sx6YJI20
(;^ω^)「はぁはぁ…ちょっと待て……」

( `ハ´)「マテと言われてマツヤツハいないアル。サヨナラー!」

そう言ってタイミングばっちりに通りかかった大型トレーラーの荷台に歩道橋から飛び降りる。

(;^ω^)「なんのぉ!!」

少し遅れてブーンも飛び降りた。

(;`ハ´)「なかなかしつこいアルね。」

(;^ω^)「うぉあぶね!」

飛び乗ったはいいが、ギリギリだったため上半身だけが荷台にぶら下がっている状態だ。
おまけにその衝撃で光線銃を落としてしまう。それでもよじ登るブーン。

(;^ω^)「げっ!銃落とした……こりゃ始末書もんだな。」

(;`ハ´)「ふー、こうなったら戦うしかないアル。」

戦闘向きでないシナー星人だが覚悟を決める。

( ^ω^)「逃げ場はないぜ!観念するんだな。」

( `ハ´)「イヤアァァ!」

( ^ω^)「ハイヤァァ!」

壮絶な徒手戦闘を繰り広げる。
互いにギリギリのところで躱したりさばいたりする。

( `ハ´)「ハイィィ!」

( ^ω^)「なんの!」

シナー星人の足払い。華麗に飛んでかわすブーン。
二人とも太ましい体格ではあるが、俊敏に動いている。
持久走などの体力勝負のものには弱いが、その脂肪の下に隠された筋肉は伊達ではないのだ。
動けるデブというやつだ。

( ^ω^)「ふー……ん?」

なかなか勝負がつかない中トレーラーの進行方向がわかるブーンが気付く。

(;^ω^)「ゲエェェェ!!!」

426名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:20 ID:0Sx6YJI20
どうやらこのトレーラーはトンネルを通るようだ。高さがギリギリの。
このままではすり下ろされてしまう。
慌てて反対方向へとダッシュ。

(;`ハ´)「アイヤー!!」

シナー星人も気づいて同じように猛ダッシュ。
トレーラーの後ろでジャンプするが、同じようなトレーラーが何台も連なっていた。
後ろにいたトレーラーの荷台にまた着地。

(;゚ω゚)(;`ハ´)「ああああああアアアアアアア!!」

ひたすら走る。ミンチにならないように。
走って飛んで着地を繰り返す。

(;゚ω゚)「ヒギイィィィ!」

(;`ハ´)「アイエェェェェ!」

体力の限界が近かったが、何とかトレーラー集団が終わりを迎えてその後ろにいた軽トラの荷台に着地した。

(;^ω^)「いやほんとう、本当に一生分走った……」

(;`ハ´)「こんなんなるならダイエットしとけばよかったアル。」

(;^ω^)「筋トレはしてきたが、ランニングはしてこなかったからなー。」

(;`ハ´)「何事モ好き嫌いはダメネ。」

(;^ω^)「自分のことを動けるデブだった思ってたが、やっぱ標準体形が一番だな。」

(;`ハ´)「本当アル。」

( ^ω^)( `ハ´)「ハハハハハ!」

(;^ω^)(;`ハ´)「……」

トンネルの中では息を整えながら沈黙が続く。

427名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:47 ID:0Sx6YJI20
ξ*゚⊿゚)ξ「ウンメー!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが本当にラーメンか!!こんなにうまいもん人生で初めて食た!」

(゚、゚*トソン「おっさんよかったのか?あれあんたの替え玉じゃん。」

爪;'ー`)「きゅ、急に食欲がなくなってしまってね……」

ξ*゚⊿゚)ξ「オラ私にも日本酒注げよおっさん。」

爪;'ー`)「あ、はい。」

ξ*゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!仕事中の酒はうまいよな!そうだろおっさん?」

爪;'ー`)「いや……そんな……」

ξ*゚⊿゚)ξ「おらおめーも飲めよ!」

爪;'ー`)「遠慮……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

爪;'ー`)「い、いただきます……」

(゚、゚*トソン「もうツンヌおっさんにあたらないの!かわいそうでしょ!!」

(゚、゚*トソン「今日も仕事でやらかしてつらい目にあってきたみたいなんだからねー。」

(゚、゚*トソン「だから能無しダメダメ窓際おっさんいじめちゃダメー!」

爪;'ー`)「……」

ξ*゚⊿゚)ξ  ジ―ッ

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

爪;'ー`)(助けて誰か)

恐ろしい宴は続く。

428名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:12 ID:0Sx6YJI20
トンネルを抜けると静かに立ち上がり戦闘態勢をとる二人。

( `ハ´)「ズドリャアァ!!」

ブーンめがけて飛びかかるシナー星人。

( ^ω^)「オリャアァ!」

その勢いを利用して巴投げで投げ飛ばす。

( `ハ´)「謝謝!アリガトウアルヨ!」

( ^ω^)「?!」

( `ハ´)「投げ飛ばされる。コレ狙い通りアル。」

投げ飛ばされ宙を舞っているシナー星人はそのまま反対車線の車に着地する。

(;^ω^)「しまった!」

( `ハ´)「サヨナラー!」

あっという間に離れていく見失う。

( `ハ´)「ふー、あぶなかったアルよ。」

適当なところで降り人気のない場所にたどり着く。
ここならもう安全だ。
――そう思った時だった。

(#'A`)「やってくれたじゃないか貴様!!」

(;`ハ´)「アイヤー!!ドクトラセブンナンデー!!」

('A`)「このドクトラセブン様の探索能力をなめるんじゃない!」

ドクトラセブンは空からずっと先ほどの光景を見ていたのだ。

('A`)「往生せい。!辞世の句くらいは読ませてやるぞ。」

( `ハ´)「……」

( `ハ´)「辞世の句なんて読ムキナイヨ。」

(#'A`)「ほう、抵抗するというのか。」

( `ハ´)「もとよりこうなることは覚悟の上。」

( `ハ´)「それならドクトラセブン、アナタワタシの最後のお客さんになるネ。」

429名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:42 ID:0Sx6YJI20
持っていた携帯端末を操作するとどこからともなく屋台が出てきた。
すぐさま作業に取り掛かりあっという間に自慢の味噌ラーメンができた。

( `ハ´)「ヘイお待ちアルよ。」

('A`)「な……」

罠か?
そう思ったが今まで嗅いだことがないような美味しそうなニオイ。

(;'A`)「ゴクリッ」

本能なのか?体が勝手に動く。
席に座ると理性は食べるべきでないと思っても手が箸を持ち麺を口へと運ぶ。

ズズズッ

(*'A`)「!!!」

(*'A`)「ウマーーー!!!」

(*'A`)「え?」

(*'A`)「ウマーーー!!!

ズズズッ

(*'A`)「これウマーーー!!!」

圧倒的語彙力のなさ。
出てくる感想がうまいしかない。

( `ハ´)「フフフ、そう言ってもらえればワタシも満足いく人生だったネ。」

あっという間に食べ終わってしまった。

(;'A`)「……」

( `ハ´)「ワタシは目標の宇宙一のラーメンを作れたアル。それどころかお客様に満足してもらえて最高だったヨ。」

( `ハ´)「他の星に異星人が勝手に来てたら何されても文句ハ言えナイ。それがこの宇宙のルール。」

( `ハ´)「さっき言った通り覚悟はできてるヨ。一思いにやるネ。」

(;'A`)「ぐ……」

430名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:10 ID:0Sx6YJI20
ルールや決まりごとは絶対だ。
それを破るやつがいたとしたらそいつが絶対に悪い。
だが、ルールや決まり事というのは完ぺきなものは少ない。
当たり前だ。所詮そんなものは人が作ったにすぎないのだから。

ならばたまには守らなくてもいいじゃないか……そうはいかない。
そうなればやがてみんな誰も守らなくなる。それでは無秩序な世界になってしまう。

寛容さは大切だ。ルール違反であったとしても、それを管理する者が判断して例外などを認めることなども時には必要。
だが何でも寛容であることは危険だ。今回のことで言えばシナー星人を見逃しても、もし誰かの命を奪ったりしたら……
責任を取ると言うことは簡単だ。誰かが責任をとるだろう。だがそれをしたところで失われた命は戻ってくることはないのだ絶対に。
そういった葛藤の中にドクトラセブンはいた。

(;'A`)(シナー星人を倒すことは簡単だ)

(;'A`)(だがそんなことをしたら……)

('A`)(宇宙一のラーメンが食えなくなる!!)

地球防衛任務とラーメンを天秤にかけていた。

(;'A`)(落ち着け俺!たかがラーメンだぞ!)

(;'A`)(どっちが大切か考えて見ろ!そんなの決まってるだろ)

('A`)(ラーメンだ!)

(;'A`)(……)

(;'A`)(落ち着け俺)

431名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:40 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「どうしたアル?」

( `ハ´)「顔色も悪いみたいアルよ。」

(;'A`)(宇宙人の地球滞在を許すわけには……)

(;'A`)(そうだ一人認めたら大量に湧いて出るぞ!)

(;'A`)(しかしまた食べたい!)

(;'A`)「グググググ……」

そんな時にドクトラセブンの脳裏に一人の人物がよぎった。

≫(‘♀’)≪

ああそういえば人さんいたしいいんじゃないかな。

( `ハ´)「体調がよくないカ?」

('A`)「まあ待て。」

ポンッとシナー星人の肩に手を置き優しくささやく。

('A`)「次に店を開く時間と場所を教えろ。」

( `ハ´)「は?」

('A`)「察しが悪いな。そうすりゃ見逃すって言ってんだよ。」

('A`)「見た感じお前は悪いことしそうな感じじゃないしな。」

(;`ハ´)「お前マジアルか?」

驚きを隠せない。星を防衛するにあたってそんな考えでいいのか?
それにヴィプトラの戦士はもっと容赦がない連中ばかりのはずなのだが……

('A`)「じゃあ何かあったらここに連絡くれ。」

連絡先を書いた紙を渡すとサッと空に飛び立っていくドクトラセブン。

(;`ハ´)「えぇ?こんなんアルか?」

432名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:06 ID:0Sx6YJI20
翌日。

(;^ω^)「やべー…昨日宇宙人取り逃がしたどころか光線銃紛失しちまったよ…」
  _
( ゚∀゚)「おいおい隊長がまたブチギレるぞ!『光線銃をなくすとは何事だ!!日頃のたるみが!!』みたいな感じかな。」

(,,゚Д゚)「ご愁傷様。」

prrr

('A`)「おっと携帯に電話だ。」

('A`)「はいもしもし……了解!」

('∀`)「ちょっとパトロール行ってくるからしっかりご説教受けとけ。」

(;^ω^)「クソォ…みんな他人事だと思いやがって……」

そんなこんなしている作戦室にフォックスが入ってくる。

(,,゚Д゚)「隊長、ブーン隊員がお話したいことがあるそうです!」

(;^ω^)「あ!ちょっと!」

爪'ー`)「なんだ?」
  _
( ゚∀゚)「ではではお二人でごゆっくり!」

そう言って二人から離れるギコとジョルジュ。

(;^ω^)「いや、それがその……光線銃を紛失してしまいまして……」

爪#'ー`)「なに!!光線銃を紛失しただと!!」

あっという間に怒りが頂点。
いつも通り怒鳴り散らすかと思われたときにフォックスは昨日の出来事を思い出す。
自分もヴィプトラ警備隊にあるまじき行為をしていたあの出来事を。

爪;'ー`)「ま、まぁそういうときもあるさ。今後気をつけるように……」

何という歯切れの悪さ。
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「???」

予想外のことで動揺する隊員たち。
それから数日フォックスはどんなことでも怒ることはなかったとか。

433名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:31 ID:0Sx6YJI20
昼間どこかの駅周辺の屋台。

('A`)「おら食いに来てやったぞ。」

( `ハ´)「イラッシャイ!」

( `ハ´)「味噌ラーメン一つネ!」

('A`)「いやー今日も食えるなんて幸せだな!」

('A`)「ん?」

ξ*゚⊿゚)ξ「おおドクオじゃん!」

昼間だというのに一杯やりながらラーメンを食べているツンヌ。

(゚、゚*トソン「なになにツンヌの知り合い?」

(゚、゚*トソン「ってブッサイクな面してんじゃん!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが前に言ったグロテスクな新人よ。」

(゚、゚*トソン「マジで人間?同じ生物とは思えないんですけどwww」

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

(;'A`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと二人とも失礼でしょ!!」

(*'A`)「あ!デレさんこんにちは!」

ζ(゚ー゚*ζ「すみませんドクオさん、二人ともだいぶお酒飲んでるみたいで。」

ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオお前も一杯飲んでけよ!」

(;'A`)「いやまだ勤務中だから……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

( `ハ´)「ハイヨ味噌ラーメンアル!」

宇宙一のラーメン。今日もどこかで開店中。
もしかしたらあなたの街にもやってくるかも。

第十四話『宇宙一のラーメン』

終わり

434名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:59 ID:0Sx6YJI20
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

435名無しさん:2018/11/15(木) 01:03:18 ID:u9Yed/qM0
乙!面白かった
めっちゃ味噌ラーメン食いたくなったわ……

436名無しさん:2018/11/15(木) 01:15:14 ID:WXIaQmec0
おつ
この時間に飯テロもどきはやめてくれよ…

437名無しさん:2018/11/16(金) 20:14:25 ID:YvO5tpUE0
乙です

438名無しさん:2018/11/16(金) 22:21:22 ID:ShRt8KvI0
シナーさんが無事でよかった。

439名無しさん:2018/11/16(金) 22:26:30 ID:ShRt8KvI0
おつんつん
シナーさんが無事でよかった

440名無しさん:2018/11/17(土) 02:14:13 ID:MBRIr2TY0
これだいすき

441名無しさん:2018/11/21(水) 19:42:03 ID:NEGEHMnk0
ツンが完全に人間やめてて草

442名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:09 ID:cGkZm8J.0
第十五話『正しさこそ正義』

ある日、日本列島では宇宙人に襲われるという事件が多発した。

不細工な女「白い全身タイツみたいな羽の生えたやつに襲われたのよ!」

不細工な女「『正義のヒーロー』のなんちゃらマンだって言ってたけど、そいつの光線浴びたらこんな顔にされたの!!」

不細工な女は涙ながらに語ると光線を浴びる前の写真を見せる。
そこにはすごい美人が映っていた。今は見る影もない。

( ^ω^)「こいつはひでぇ。」

ハゲたイケメン「俺はフサフサだった自慢の髪の毛がこのありさまだよ!」

その頭は無残にもハゲ散らかしていた。

('∀`)9m「プギャー!ざまぁ!イケメンざまぁ!」

胸が断崖絶壁の女「アーン、Fカップあった私の胸がぁ!!」
  _
(#゚∀゚)「これは許せん事態だ!!」
  _
( ゚∀゚)「ちなみにお嬢さん、俺は貧乳も大好きだよ!」

低身長の男性「180以上あった俺の身長が……」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはいはい。」

低身長の男性「ちょっと俺の話聞いてます?」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるせぇな!いまアプリのパワプロやってんだから黙ってろよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あ!このクソビッチレイリー!読心術失敗してんじゃねぇぇぇ!!」

低身長の男性「……」

女「私の自慢の彼ピッピがマッチョマンになっちゃった……」

女「ぽっちゃりが好きでいい感じに脂肪がついてたのにぃ!!こんなのヤダ!」

マッチョマン「……」

(,,゚Д゚)「君いい体してるじゃん!いつもどんなトレーニングしてるの?」

マッチョマン「あ、わかります?僕はいつも――」

女「ヤダヤダこんなマッチョマン!!前みたいな豚ちゃんに戻ってよー!!」

そんなような被害が多発していた。

443名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:39 ID:cGkZm8J.0
( ^ω^)「しかし、自称『正義のヒーロー』がひどいことしやがるよな。」
  _
(#゚∀゚)「まったくだ。おっぱいに手を出すなど男としてあるまじき行為だぞ。」

('A`)「だが目的がわからんな。『正義のヒーロー』とやらがなぜ人間を醜くしようってんだ?」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!自分で『正義のヒーロー』を名乗るやつに碌なのはいねぇよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「知ってるか?絶対英雄になれない条件。」

('A`)「?」

('A`)「そんなのあるのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「おぉよ!その条件ってのが……」

('A`)「うんうん。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、なんだっけ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、ウンチク博士!」
  _
(;゚∀゚)「いや、俺もそんなの知らないよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、こういう時に使えねぇ。」

爪'ー`)「あー、いいか諸君。現在『正義のヒーロー』と名乗る不届き者が事件を起こしている。」

爪'ー`)「我々ヴィプトラ警備隊の威信をかけてこれを排除するぞ!!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

444名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:08 ID:cGkZm8J.0
必死の捜索もむなしく、なかなか『正義のヒーロー』とやらを発見することができなかった。
そして後を絶たない被害者たち。そんな日が続いたある日、ドクオが一人でパトロールと街中で男の悲鳴が聞こえた。
急いで路地裏に向かうと一人の女性の格好をした人物がうずくまっていた。

('A`)「大丈夫ですか?」

(;'A`)「う……」

そのうずくまっている女性の恰好をした人の顔を見るとまるでおっさんのような顔になっていた。
さらにその声は野太い男の声。

うずくまる女性「ひどい…こんなんじゃ人前に出れないよ……」

(#'A`)「なんていうことだ!許せん!!」

(#'A`)「君をこんなにしたやつはどこに行った?」

スッと指をさす。

('A`)「必ず捕まえてやる!」

指をさされた方に走っていく。
ある程度行くと行き止まりになっていたが『正義のヒーロー』とやらの姿がない。

('A`)「逃げられたか。クソォ!!」

見失ったと思った時であった。

???「もしやこの私をお探しかな?」

トォッという掛け声とともにスーパーヒーロー着地を決めるその全身が白いタイツ。
着地をすると同時に決めポーズをビシッと決める。

(☆)「はるか遠くスター星からやってきた一つの流れ星!」

(☆)「『正義のヒーロー』ジャスティスマンここに見参!!」

445名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:46 ID:cGkZm8J.0
全身が白いタイツで覆われ、白い羽を生やし顔には大きな星が一つ。
そう彼こそがスター星からやってきたスター星人で『正義のヒーロー』ジャスティスマンなのだ。

('A`)「どちらかというと○ンタゴンでは?」

(☆)「?」

(☆)「何のことを言っているのかわからんが、このジャスティスマンの前では偽りの姿は許されない!!」

(☆)「必殺ジャスティスビーム!!」

そう言うと顔の星のマークからビームが発射されドクオに命中した。

(;'A`)「うわ!!」

(;'A`)「ってあれ?」

ドクトラアイを使っていないのにドクトラセブンに変身した。

(☆)「私のジャスティスビームはどんなものも本当の姿に戻すことができるのだよドクトラセブン。」

('A`)「そういえばスター星人にはそんな技があったな。」

('A`)「ん?」

('A`)「ということは……」

(☆)「まさかこの『正義のヒーロー』が地球人どもを醜い姿に変えたとでも思っていたのか?」

(☆)「逆だよ。化粧などで自分の顔を偽ったり、カツラでハゲ散らかした頭を隠したり。」

(☆)「シリコンで胸を大きく見せたり、シークレットシューズで高く見せたり。」

(☆)「脂肪の塊のような肉襦袢でマッチョな身体を隠したり、身体は男なのに心は女で性転換手術や整形で外見だけ女になったり。」

(☆)「そういった嘘をついた者を本来の姿にしただけさ。」

(☆)「そして私が解除するか死なない限りジャスティスビームを受けた地球人は嘘偽りがつけない。」

('A`)「なるほど。」

('A`)「しかし、ちとやりすぎなのでは?」

446名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:22 ID:cGkZm8J.0
(☆)「何を言っている。真実が一つのようにこの宇宙でも正義は一つなのだ。」

(☆)「この宇宙では嘘が多すぎる。それを正しに来たのだ私は。」

(☆)「そう、正しさこそが正義!!故にジャスティスマンは『正義のヒーロー』なのだ!!」

('A`)「いやだからやりすぎだって。化粧だとかそれくらい許してやれよ。」

(☆)「そうはいかんのだよ。地球のような未開でサルしか住んでないような星が宇宙連盟に認められるには正しくなくてはいけない。」

(☆)「だからこそこのジャスティスマンが嘘を排除して正しい星へと導かなくてはならない。」

('A`)「排除ってどうするつもりだよ。」

(☆)「嘘や偽りをするような奴は悪だ。私のこの警告も無視するような奴らは始末するに決まっているだろ。この『正義のヒーロー』に逆らうというのだからな。」

(☆)「悪は滅ぼさねばならない!!」

(;'A`)「始末ってやりすぎだろ!!そんなんじゃ侵略者と変わらないぞ。」

(#☆)「テメー!!誰が侵略者だ!!俺は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ!!」

今まで優しそうな感じでしゃべっていたジャスティスマンが怒鳴り散らす。

(#☆)「こちらとらこんな宇宙でも端の端、辺鄙な地球とやらに来てやってんだぜ。感謝こそされど侵略者扱いとは何事だ!!」

(#☆)「ぶちのめすぞテメー!!」

(;'A`)「ちょっと落ち着けって……」

(#☆)「チッ!」

煙草を一本吸って少し間を置く。
怒り狂っていたジャスティスマンも落ち着きをとり戻した。

(☆)「やはり宇宙ケシの実入りの煙草はうまい。」

('A`)「始末とかじゃなくてもう少し穏やかな方法とかないのか?」

(☆)「……」

(☆)「ドクトラセブン、君はなんでそこまで地球人ごときに肩入れするんだ?」

447名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:59 ID:cGkZm8J.0
('A`)「俺も最初はこんな星とか思っていたよ。」

('A`)「でもこの星を守っているうちに悪くないなって思うようになってさ。」

(☆)「ならばなぜ君は自分の存在を偽る?」

(;'A`)「え?」

(☆)「諸星ドクオとはなんだ。偽りの存在で接していてそれは本当に仲間だとでもいうのか?」

(;'A`)「そ、それは……」

(☆)「君もわかっているのだろ。所詮地球人など排他的で宇宙人を受け入れられないのだと。」

(;'A`)「……」

何も言い返せなかった。
正直なところ自分の正体をみんなに教えようかと考えたことは何度かある。
しかしそれが受け入れられなかったらと考えると……
初めてできた仲間に拒絶されるのが怖かったのだ。

(☆)「所詮地球人との絆なんてそんなもんだろ。」

(;'A`)「……」

(☆)「お互いスター星人とヴィプトラの戦士の仲ではないか。」

ヴィプトラの星とスター星はそれなりに友好的な関係なのだ。

(☆)「私が執行する正義を邪魔しないでくれ。」

('A`)「そうはいかん!!たかが化粧や嘘程度のことで地球人を始末なんかさせないぞ!!」

(☆)「おいおいマジかよテメー!」

448名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:25 ID:cGkZm8J.0
(☆)「俺はさっさとこんな星とおさらばしたいんだよ。こんな何もない星。」

(☆)「だかかもう少ししたら大々的に粛清したりして嘘をつくような連中は排除するつもりだ。」

(☆)「そうしてこの星を正しい方へと導いてやれば他の星でも正義が執行しやすい。」

(☆)「なにより私達スター星の評価がうなぎのぼりだ。そしてこの俺は称賛や名声を手に入れられる。」

(☆)「これこそが『正義のヒーロー』!!ドクトラセブン、君もだから目指しているんだろ『正義のヒーロー』を。」

('A`)「……」

('A`)「確かに目指していたな。そんな『正義のヒーロー』を。」

('A`)「かっこよくて強くてモテて人々から尊敬されてもてはやされる。そんな『正義のヒーロー』になろうだなんて思っていたな。」

(☆)「だろだろ!もう少しでそんな『正義のヒーロー』になれるんだぜ俺達は!だから手を貸してくれよ。」

('A`)「憧れていたよ。でもさ気づいたんだ。この星を守るために戦っているうちに。」

('A`)「昔憧れていた『正義のヒーロー』ってのはただ薄っぺらいだけの言葉だってことに。」

(☆)「は?」

(#☆)「テメー喧嘩売ってんのか!!『正義のヒーロー』が薄っぺらい言葉だと?取り消しやがれよコラァ!!」

(#☆)「所詮自分の正体を偽るような奴はこの地球人どもと同じで悪でしかないんだな!」

(#☆)「まずはテメーから排除してやるよ!!」

('A`)「短気すぎるのはよくないぜジャスティスマン。どうだ俺と少し地球を守ってみないか?」

(#☆)「こんなカスみて―な星守る価値なんてないだろ!!」

('A`)「やってもいないのに決めつけるのはよくないぞ。きっと驚くような経験ができるぞ。」

449名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:55 ID:cGkZm8J.0
(#☆)「真実が一つのようにこの宇宙で絶対的なことがある。」

(#☆)「この俺ジャスティスマンは『正義のヒーロー』で俺こそが正義なんだよ!!」

(#☆)「つまり俺に逆らうやつはみな悪なのだ!!」

(#☆)9m「その『正義のヒーロー』が断言する!お前は悪だドクトラセブン!!」

(;'A`)(こいつめんどくせぇ)

そんな風にドクトラセブンが思っている時だった。
冒頭で出てきた不細工な女がたまたまその近くを通りかかりジャスティスマンを見つけたのだ。

不細工な女「あ、テメーは!!」

(☆)「!」

ドクトラセブンの後方にいた不細工な女は猛ダッシュでジャスティスマンに向けて走っていく。
詰め寄っていろいろ文句を言おうとしているのだろう。
ジャスティスマンは面倒なのがきたとしか思っていないようだ。
ドクトラセブンも後ろをちらりと見てジャスティスマンに掴みかかるようなら引き離さないとな程度にしか考えていなかった。

地球人程度ではどんなに頑張っても宇宙人にダメージを与えられない。例外の人物を除いて。
それこそ武器がなければ無理な話だ。ただの一般市民がそんなものを持っているはずがない。
二人ともそう思って油断していた。それは一瞬だった。

不細工な女「テメーだけは許さねぇ!!」

ドクトラセブンとすれ違うその一瞬だった。
直感なのか本能なのなのかはわからないが、ドクトラセブンの頭アイス・ラッガーをつかみ取るとそのままジャスティスマンののど元に切りつける。

(;☆)「ガ……」

(;'A`)「!」

完全に油断していた。
緑色の血がジャスティスののどから噴き出した。

450名無しさん:2018/11/23(金) 02:12:37 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「き、貴様何をする……わ、私は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ……」

地面でのたうちながら必死に切られたのどを抑えるジャスティスマン。

(;☆)「私は嘘をつく地球人を正しく導こうとしていただけなのに……」

(;☆)「本来あるべき姿で他人と接しなくては何事も正しくないのだ……嘘偽りなど……」

不細工な女「確かにお前の言うことには一理あるかもな。」

(;☆)「そうだろ……私は『正義のヒーロー』絶対に正しいのだ……」

不細工な女「だがな!!テメーのそのくだらねぇ考えはテメーだけでやってろ!!他人にその考えを押し付けてんじゃねぇ!!」

(;☆)「正しいことを広めるのが『正義のヒーロー』の役目でもあるのだよ……」

不細工な女「なにが『正義のヒーロー』だ!!そんなの小学生のごっこ遊びで卒業しとけ!!」

不細工な女「大人になっても『正義のヒーロー』なんて言ってるやつはなぁ、心が子供のままの子供大人か」

不細工な女「ただ『正義のヒーロー』って言葉に酔いたいだけの自分が大好き野郎だけなんだよダボがぁぁ!!」

不細工な女「それにテメーが本当に『正義のヒーロー』だってんならなんで本当に困ってる人間を助けに行かねぇ!!」

(;☆)「困ってる人間……?」

不細工な女「紛争地域だとか災害地だとかで本当に困ってる人たちだよ!!」

不細工な女「なんでそういう人たちを差し置いて自分のくだらねぇ考えを強要してんだよ!!」

451名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:11 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「いや……」

地球人を完全に見下していたジャスティスマンにそんな考えは全く浮かばなかったのであった。

不細工な女「要するにテメーは後者なんだよ。『正義のヒーロー』に酔いしれてるだけの自己中!」

中指を立てながらまくしたてる。

不細工な女「私によくわからんビーム当てたときも長々と正しさがだとか正義がどうたらとか」

不細工な女「上から目線で説教しやがってよぉ!!テメーのくだらねー価値観なんてどうでもいいんだよ!!」

不細工な女「押しつけこそが悪だと知れよカスが!そんなに嘘つかれんのが怖いんならよぉ引きこもってろよ!!くだらねー考えもそのクソッタレの頭ん中で完結させとけ!!」

(;'A`)(AAも名前もないようなモブがやたらとしゃべるな……)

(;☆)「ゴ……」

(;☆)「」

『正義のヒーロー』は何も言い返せることができずに無様にも息を引き取った。

(;'A`)「……」

ジャスティスマンが死んだと同時に今までジャスティスビームを浴びた地球人たちが戻っていく。
偽りの姿に。

化粧で超絶美人「やった!元の顔に戻った!!」

フサフサなイケメン「俺の髪(カツラ)が戻ったぞ!」

女「やったあ!私の彼ピッピが元のぽっちゃりデブに戻ったあ!」

肉襦袢で覆われたマッチョマン(お!肉襦袢が元に戻った)

被害者たちは喜びの喚起を上げる。

化粧で超絶美人「よかったよかった。」

ニコニコしながら喜んでいる。
その近くをフサフサなイケメンが通りかかる。

452名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:46 ID:cGkZm8J.0
フサフサなイケメン「お!かわいいこちゃん見っけ!!」

それに気づいた化粧で超絶美人は慌てて手に持っていたアイス・ラッガーを捨ててフサフサなイケメンの元へと駆け寄る。

化粧で超絶美人「アーン、宇宙人に襲われて怖かったぁー!」

そう言いながらフサフサなイケメンに抱き着く。

化粧で超絶美人「ドクトラセブンがいなかったら危なかったのぉ!怖くて動けなーい!」

フサフサなイケメン「仕方ないな。どうこの近くで休んでかない?」

化粧で超絶美人「うん!どっかで休んでこ!」

そうして二人は手を握りながらどこかへと去っていった。
嘘や偽りがあろうと世の中というのは問題なく回っていくのだ。
そんなに無理して正そうなど無駄な労力でしかない。

('A`)「……」

ただ一人残されるドクトラセブン。

('A`)「だから言ったろ、驚くような経験だできるって。」

('A`)(そういえば真実はいつも一つだとか言っていたな)

真実が一つというが本当にそうなのだろうか?
車は道の左側を通る。
だがそれは日本での話だ。世界では右側が主流。

('A`)(そして宇宙では左だとか右だとかはない)

('A`)(弱い者が強い者に道を譲るのだ)

そういった様々な見方をすれば真実は本当に一つなのだろうか。

('A`)「だがお前の言う通りかもしれないな。」

そう、自分が諸星ドクオと偽る限りみんなと本当の仲間だといえないのかもしれない。
でもいつか本当の自分をみんなに打ち明けられる時が来るのだろうか……
いやうち開けなくてはならないのだ。地球人と本当の友になるためには。
そう遠くない未来に。

第十五話『正しさこそ正義』

終わり

453名無しさん:2018/11/23(金) 02:14:20 ID:cGkZm8J.0
今回は短いですが以上です。
いつもありがとうございます。

454名無しさん:2018/11/23(金) 07:43:46 ID:5kWSKTJM0
不細工な女ツンヌかと思ったわwww

乙!

455名無しさん:2018/11/23(金) 08:20:55 ID:.RMH2c2A0
>>454
たぶんつんぬだぞ

456名無しさん:2018/11/23(金) 12:50:47 ID:gX7HjT0Y0
恐らくツンヌ星人とかオーガ星人とかそんなのが混ざりまくってるだろ戦闘力高すぎだわ乙

457名無しさん:2018/11/24(土) 07:38:00 ID:rzLVRc5k0
おつ

458名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:01 ID:QOpG40xs0
第十六話『氷点下零度の戦い』

皆さんは人間の一番の武器は何だと思いますか?
知能を挙げる人がいれば道具を使えること挙げる人もいるでしょう。
現代ならば兵器だったり爆弾、核など凶悪なものも。

しかしそういった恐るべき兵器も悪天候だったり天災の前では無力だったりします。
さらには最新鋭の戦闘機であっても飛行中、エンジンにただの鳥を吸い込むだけで簡単に壊れてしまいます。
どんなものも使いようなのです。

今でこそ使い勝手のいいインターネットも元は軍事目的で開発されました。
それがあっという間に誰でも使えて便利なものに。
過去の戦争では殺虫用のガスが恐ろしい毒ガスに。恐ろしい毒ガスだったものが殺虫剤になったりしたのです。
どんなものでも生活に欠かせないようになったり、生活に欠かせないようなものが恐るべき侵略兵器にも――
今回はそんなお話。

459名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:51 ID:QOpG40xs0
ときは12月31日の大晦日、年の終わりに地球の危機が迫っていた。

('A`)「あー、今日で今年も終わりかー。」

('A`)「でもさすごく気になるんだけど、なんで今日は俺たちしかいないの?」

雪が降り積もる富士山。ここの地下数百メートルにヴィプトラ警備隊の基地がある。
いつもは数千人の隊員たちが忙しく働いているのだが、この日は静まり返っていた。

爪'ー`)「毎年恒例で大晦日は我々だけが防衛任務に就き、一般隊員はお休みだ。」

そう、この日は作戦室にいるフォックス、ドクオ、ブーン、ジョルジュ、ギコ、ツンヌのみなのだ。

(;'A`)「地球防衛に休みの日とかあっていいんですか?!」

爪'ー`)「一日くらいな。どうせ侵略者だって今日くらいは休みだろ。」

(;'A`)「いやいやいやいや!」

( ^ω^)「まあ、今日何か起きてもいいように我々がいるんじゃないか。」

(;'A`)「マジかよ……」

爪'ー`)「その代わり我々はクリスマスが休みだったんだからいいだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「確かに今年のクリスマスは楽しかったなー。」
  _
( ゚∀゚)「俺、ツンヌ、デレさん、トソンさん、佐藤君、人さんでだいぶ飲んださわいだしたよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「人ってやつずっとチョウチンアンコウの着ぐるみ着てて笑うわ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
  _
( ゚∀゚)「本当に楽しかったよ。」

460名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:16 ID:QOpG40xs0
(;'A`)「え……」

(;'A`)「何それ聞いてない……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、すまん!ドクオに言うの忘れてた。」

(#゚A゚)「おまえ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな過ぎたこと怒ってんなよ。今日は大晦日だぜ、のんびりしようや。」

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

( ^ω^)「いやー今年のクリスマスは久しぶりにハッスルしたから子供が増えるかも。」

(,,゚Д゚)「それはよかったじゃないか。俺はヴィプトラホーク2号に彼女と乗って宇宙ステーションVIP3で一晩明かしたよ。」

( ^ω^)「ヒュー!宇宙旅行とはやるじゃん。」

(,,゚Д゚)「そりゃぁもちろんヤりましたよ。」

( ^ω^)「おいおい、何の話だよ!」

ワハハハハハハ!

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

リア充が憎い!!
クリスマスだとかバレンタインとかそんなイベントは地球のローカルな行事でしかないのだ。
V78星雲でもそんな都市伝説があるようだが俺は知らん。
所詮は都市伝説なのだ!!だって俺は体験したことないんだもん……

461名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:42 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「つーかなんか寒くない?」

(,,゚Д゚)「確かに寒い。」

( ^ω^)「外は雪も降っているみたいだしな。」

爪'ー`)「そもそも暖房止まってない?」
  _
( ゚∀゚)「そういえば最近ボイラーの調子が悪いみたいなこと誰かが言ってたな。」

爪'ー`)「そうなると誰かが直してこないとな……」

突如として静まり帰る作戦室内。
さっきまで暖房が効いていたこの部屋でも寒くなってきたのに、暖房が全く効いていないであろうボイラー室に行くなどと……
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していた。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

ξ゚⊿゚)ξ「エーン、ツンヌボイラーの直し方がわかんなーい!ツンヌが下手に触ったらもっと悪くなっちゃうよー!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子だった。

(,,゚Д゚)「え?」

(#'A`)「は?」
  _
(;゚∀゚)「うわぁ……」

( ^ω^)「スタンド攻撃でも食らったか?」

爪'ー`)「これは悍ましい。何と悍ましい。」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、というわけで私を除いたお前らだけで何とかしてこいよ。」

(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」

462名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:14 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「仕方ない。こうなったら最年長である俺が行ってくるか。」

( ^ω^)「流石隊長!!」

('A`)「さす隊!!」

爪;'ー`)「う!」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)「?!」

爪'ー`)「いやー最近の激務とこの寒さじゃ年老いたこの体じゃムリかなー。」

わざとらしい咳をしたかと思うと頻りに四人の方をチラチラと目線を送る。

(,,゚Д゚)「あー、はいはいはい。」
  _
( ゚∀゚)「チッ」

('A`)「マジ老害。ホント老害。」

( ^ω^)「上司が仮病使ってくる件について。」

爪'ー`)「そういうわけだから若い連中でどうにかして。」

にらみ合う四人。

爪'ー`)「ボイラー室から戻ってきたら暖かいコーヒーを淹れてやるよ。」

463名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:44 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「なぁ、世の世で最も公平なものを知ってるか?」

( ^ω^)「ジャンケンだ。ジャンケン。」

( ^ω^)「これでけりをつけよう。」

('A`)「ほう、この主人公補正ありありなドクオ様にジャンケンで勝負を挑むというのか。」

('A`)「この№1主人公ドクオに!」

( ^ω^)「ジャンケンなんて所詮運よ運。」

( ^ω^)「いつだってこのラッキーマン・ブーンは幸運ですべて乗り切ってきた!!」

(,,゚Д゚)「ジャンケンをなめんな!これはれっきとしたスポーツだぜ!」

(,,゚Д゚)「反射神経といえばギコの動体視力をなめんなよ!」
  _
( ゚∀゚)「主人公補正だとか幸運だとか動体視力とか無駄なんだよ!」
  _
( ゚∀゚)「ミスターデータベースこと、このジョルジュに蓄積されたデータをもとにすれば塵に等しいぞ!!」

再びにらみ合う四人。
戦いの火蓋が切られた。

ジャーンケーン―――

地下深くにあるヴィプトラ警備隊の基地。
その廊下を一人の敗北者がボイラー室に向けて歩いていた。
その口はひたすら負け惜しみを吐いてより一層みじめさを醸し出していた。
そして寒さなのか負けて悔しいのか身体が小刻みに震えている。

464名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:10 ID:QOpG40xs0
('A`)「そもそも隊長やツンヌが参加してないのがおかしい。」

('A`)「全員参加でやるべきだったんだよ。」

('A`)「なにより機械いじりならジョルジュが行けばいいじゃんかよ。」

ブツブツとひたすらに文句を言っている。

('A`)「まあいい。さっさと直せば暖かいコーヒーが俺を待っているんだ。」

(('A`))「うぅ寒い。」

廊下の壁に取り付けられた温度計は零度を示していた。

('A`)「?!」

敗北者ドクオは廊下にある物が置かれているのに気付いた。
コタツだ。冬といえばこれがあればなんとかなる日用家具。
なんて変哲もないコタツが廊下に置かれている。
どう考えても罠だ。人が少ない今日を侵略者に狙われたのだ。

('A`)「うおぉぉぉぉぉ!!」

急いでコタツに近づく。
罠なのだからよく調べなくては。

('A`)「ふう。」

なんなくコタツに入りくつろぎだす。
何という恐ろしい侵略兵器だ。
一瞬にしてどドクオを無力化してしまった。

( <●><●>)「フッフッフ!貴様らがコタツを見つければ本能的に入ってしまうことはワカッテマス!」

凶悪な侵略者ワカッテマス星人だ。

( <●><●>)「愚かな地球人よそのコタツに入ったら最後、このバリア発生装置がある限り外には出れないのだよ!」

( <●><●>)「フハハハハハ!!泣いて喚いてももう遅いぞ!!」

('A`)「お!お茶あるじゃん!」

('A`)「茶がうめ―。」

( <●><●>)「……」

465名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:44 ID:QOpG40xs0
ドクオが出てからすでに数十分が経過していた。

( ;<●><●>)「お前もう少し焦りとかないの?」

('A`)「冷蔵庫に簡易トイレにテレビもあるしここから出る必要ある?」

( ;<●><●>)「ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」

('A`)「むしろ俺ここに住むわ。」

( ;<●><●>)「?!」

( ^ω^)「おいおいドクオ、まだ直らんのか?」

直るのが遅いのでしびれを切らしたブーンが様子を見に来たようだ。

( ^ω^)「!」

(#^ω^)「貴様ァァァ!!」

ブーンが猛ダッシュで向かってくる。

( ;<●><●>)「し、しまった!バリア発生装置はボタン一つで簡単に解除されてしまう!」

焦るワカッテマス星人。
まったく動揺しないドクオを相手していて次の作戦に移れなかったのだ。

(#^ω^)「オオオオオオ!」

雄たけびを上げながらコタツめがけてスライディング決める。

( ^ω^)「ふう。」

( ^ω^)「お!ミカンあるじゃん!」

( ;<●><●>)「……」

466名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も

(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」

(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「オラァァァ!」

(,,゚Д゚)「ふう。」

('A`)「せんべいあるけど食べる?」

(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」

爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」

( ;<●><●>)「……」

コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。

爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」

( ;<●><●>)「あの…みなさん?」

( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」

( ^ω^)「隊長!!」

爪'ー`)「どうした!」

( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」

爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」

( ;<●><●>)「こいつらマジ……」

467名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。

( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」

少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。

( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」

一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。

( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」

( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」

身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。

( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」

ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」

(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」

(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」

爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」

(*'A`)「あー、コタツ最高!!」

( <●><●>)「……」

ジョルジュの元に魔の手が迫る!

468名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
  _
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
  _
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」

一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。

( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」

手に持った端末からその様子を眺めている。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」

(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」

(*'A`)「俺も。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)

仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
  _
(  ∀ )「……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)

そうナイフで突き刺そうとした時だった。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」

あっけなくその場に倒れこむ。

( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」

469名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
  _
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
  _
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
  _
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
  _
(  ∀ )「許さねぇ!」
  _
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」

ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。

470名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」

( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」

('A`)「あいつやべえな。」

(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」

( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」

爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」

(,,゚Д゚)「了解!」

ブッ

オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!

( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」

( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」

そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。

(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」

(*'A`)「眼福眼福!」

(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」

そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。

ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」

(*'A`)「いいね注文しよう!」

(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」

471名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
  _
( ゚∀゚)「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」

悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry

先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。

( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」

( #<●><●>)「もう何も信じれん!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」

( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」

( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」

濃厚な接吻をし始める二人。

472名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」

(#'A`)「ケッ!リア充が!!」

(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」

爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」

ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」

( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ

すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
                                _
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」

有無を言わさず光線銃で打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
  _
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
  _
(#゚∀゚)「ペッ」

死体に唾を吐きかける。

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」

(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」

( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」

473名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」

ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
  _
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
  _
(;゚∀゚)「え?コタツ?」

そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。

( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
  _
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」

( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」

(,,゚Д゚)「つ、強い!」

( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」

ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」

爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」

('A`)「おら立て!殴り返せよ!」

('A`)「もっとこう……ああ!」

爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」

('A`)「俺も。」

( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」

(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」

474名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀゚)「うぅ……」

何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。

( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」

( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
  _
(; ∀ )「……」

一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌのおっぱいだった。

('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」

('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」

ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」

アァ!ヤメテェー!!

オラァァァ!!

ウギャァァァァ!!

475名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
  _
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」

( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
             _
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」

ジョルジョが全力で殴りつける。

( ;<●><●>)「グォ!!」

地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
  _
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「漢の!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」

( ;<●><●>)「グワァァ!!」

( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)

壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。

( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」

( <○><○>)「」
  _
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
  _
(;゚∀゚)「やったぜ!」
  _
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」

バリア発生装置のボタンを押して解除する。
  _
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」

476名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」

( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」

(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」

('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」

ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」

「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
  _
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」

みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」

(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」

爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」

(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」

(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
  _
(;゚∀゚)「あの……みんな?」

爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」

ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」

(; A )「OH……」

ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
  _
(;゚∀゚)「え……?」

477名無しさん:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」

(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」

爪'ー`)「いいねぇ乗った!」

ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
  _
(;゚∀゚)「……はい。」

一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。

心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。

(,,゚Д゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」

( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」

爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」

('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」

さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

478名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子。

爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」

爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」

突然の仮病。

( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」

('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」

(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」

( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」

いくぞ!ジャーンケーン――

( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」

( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」

( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」

( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」

ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。

( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」

( <●><●>)「フハハハハハ!」

( ;<●><●>)「?!」

ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。

('A`)

ドクトラセブンだ。

479名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」

必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。

('A`)「デュワ!」

必殺のドクリュウム光線を発射する。

( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ

あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。






こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……

どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。

第十六話『氷点下零度の戦い』

終わり

480名無しさん:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。

481名無しさん:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0


482名無しさん:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ

483名無しさん:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね


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