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被害者捜し

1PON:2011/01/18(火) 01:14:03 ID:zJ3qrQkU
怪盗が指示した“レオンを知る人物”を捜すため、達也と美里は自習室へと移動した。
『ほら、ここだよ』
予想通り空室は多く、2〜3人で使用できる手頃な広さの部屋を押さえることができた。
『なるほどね。ここならば、落ち着いて相談できますね』
『でしょう?怪盗が潜めるような場所も無いし』
達也は、扉に付いた小窓のカーテンを閉める。これで、完全に二人きりの密室となった。

『怪盗のことを知っている生徒って、女子なのか男子なのか、それすらもわからないんだよな・・・』
『達也さんの知り合いなのか、そうでないのか・・・あまりにも漠然としすぎていて、絞りきれませんね』
『この場合、何を頼りに捜していけば良いのか迷うけど、闇雲に手当たり次第ってわけにはいかないから、しっかり検討しないと』
『うーん・・・難しい問題ですね・・・』
『でも・・・怪盗だって、僕たちがずっと被害者を見つけることを待っているはずだよな。それを踏まえれば、やっぱり僕と面識のある学生と仮定できるかも』
『あぁ・・・そうですね!達也さんの言う通りだわ』
達也の考えに、美里も同意した。
『それならば、達也さんの学友の方たちを書き連ねてみましょうよ!』
『学友かぁ・・・結構、多くなっちゃうよ?怪盗のことを知っている人っていうのが、男性か女性かもわからないわけだし』
『そういえば、“その人に変装したことがある”みたいなことは言っていなかったですね。だから、怪盗の被害者とはいえども、女性であるとは限らないと・・・?』
『うん、そういうことになるね』
『だけど、ここに居る学生の数の大半が達也さんと無関係なんですから、重要な手掛かりになるのには変わりないですよ!ねっ?』
『そうだね、手掛かりは多い方が良いもんね』
先の見えない問題にようやく明るい光明が射したようで、達也は手帳や携帯電話を取り出すと、大学ノートに思いつく名前を書いていった。

2PON:2011/01/18(火) 01:20:08 ID:zJ3qrQkU
『なんだか、ずいぶんと多いんですね?』
ノートに書かれた名前の数は、美里の想像よりも多かった。
『あははは・・・でも、どうしてもこれくらいにはなっちゃうんだよ。クラスメイトに、サークルの仲間、ゼミとか同じ学部での繋がりもできるし。それに、違う大学の人とだって交流を持ったりするから』
思いつくだけ名前を書いているわけだが、範囲を広げればそれだけキリが無い。
そして、書けば書くだけ気になるのは、二の腕が明日香のFカップ巨乳に触れて、柔らかな感触が伝わることだ。さらには、正面に座って覗き見ている美里の胸元が段々と無防備になって、90センチを誇る美巨乳の谷間が見えるのも気になっていた。
一方、美里は美里で気になることがあった。
最初は黙って見ているつもりだったが、こうして名前が次々と挙がってうちに、どうしても問い掛けてみたくなった。
『あの・・・ね、達也さん?えっと・・・私、達也さんの交流関係に口を挟むつもりはないんですけど・・・』
『あ・・・うん。言わなくても解ってる・・・』
質問の中身を聞かずとも、達也はそれを理解していた。そのうち、自分から言わなくてはと思っていたが、言い訳がましくなりそうで言い出せずにいたのだ。
『女の子の名前が多すぎないか?・・・ってことだよね?』
『え、えぇ・・・』
ノートにある名前は、100人まで達するのではないか?という数にまで及んでいる。そのうち、女性らしき名前は7〜8割ほどもあった。
『やっぱり、サークルの人が多いんですか?』
『いや、強ちそうとも言い切れないよ。文系の学部なら、男子よりも女子の方が多いのなんてザラだから』
『そう、ですか・・・むぅぅ・・・』
女性が多い、このことを隠すのに意味が無い。むしろ、隠そうとするほうが返って怪しくなる。だからというわけでもないが、達也は学部の女性には無関心であるように答えていた。
ただ、美里の小難しく考えているような表情は、もしかしたら嫉妬してくれていたのだろうかと思うと、それがまた嬉しくもあり、美里のことが愛らしく見えてくる。
だが、そのことを尋ねた所で、照れてしまうか、自惚れすぎだと注意されてしまうと思い、今は彼女のことを優しく見守るだけにした。

やがて、書き連ねた名前にランクを付ける。
達也との親密度とでも言うべきもので、高ければそれだけ怪盗との接点も増えそうだが、その中でも女性に関しては、怪盗が好みそうな条件を満たしているかが重要な材料になった。
『やってみたら、結構捗るもんだね。まぁ、知り合いに順序をつけるのは気が進まないけど・・・』
『うふふっ、優しいんですね。でも、私たちもこれが手掛かりになるわけですし、このノートを誰にも見せなければ問題は無いですよ』
『絶対に失くさないようにしなきゃ!』
『あと、怪盗に盗まれたりもしないように』
決意を新たにした二人は、挙がった名前を改めて確認した。
『・・・で、こうしてみると、やっぱりサークルの仲間の人が多そうですか?』
『大方の予想通り、ってところもあるけどね。良い友達連中が集まっているような場所だから』
達也は“友達連中”という言葉をさり気なく強調した。
松島美琴に桐原桃美など、美人女性が集まっているサークルだというのは、既に親友の柴田浩輔が話している。それでも、サークルには恋愛対象と考える女性は居ない、美里のことしか想っていないと伝えたかったからだ。
『ふぅーん・・・』
その想いが伝わったのか伝わらなかったのか、美里の反応はどちらとも取れない微妙なものだった。

3PON:2011/01/18(火) 01:25:11 ID:zJ3qrQkU
『ねぇ、柴田ぁ・・・早くセックスしようよぉ』
サークルの部室には、柴田浩輔と高原美奈子の二人が居た。
『早くしないと、皆が来ちゃうからさぁ〜』
美奈子は、甘えた声で浩輔にセックスをしようとせがんでいる。対する浩輔は、戸惑いを隠せないでいた。

『マ、マジでするのかよ?』
『こんなこと、冗談でするわけがないでしょう?メールで送ったとおり、私の方はすっかり出来上がってて、あれから火照ったままなんだから・・・』
美奈子は、自分の身体を抱きかかえる。その手は、自分の胸と股間を焦らすように艶かしく弄っていた。胸の形が、手の力によって様々な形に歪むのがハッキリと眺められる。
『メールで・・・って、さっき送ってきたやつのことかよ?あのメッセージって、マジだったのか?』
『ちゃんと、写メにして送ったでしょ?もおっ、見てなかったの?』
『い・・・いや、見たけどさ。顔が写っていなかったし、美奈子だって信じられなかったんだよ。まさか、お前がこんな大胆なことをするなんて思わないしよぉ』
それを聞いた美奈子は、クスッと笑うと、座った浩輔に良く見えるようにと、机に座って両脚をおもむろに上げた。M字開脚のポーズを取ろうとしているのだ。デニムのタイトミニスカートが突っ張ってしまい、脚が大股に開けないようだったが、裾を捲り上げてしまえばそれも簡単に開くことができた。
ハニーブラウンのストッキングと中に穿いたピンク色のインナーに浮かぶのは、小さく振動している擬似男根・・・即ち、美奈子は秘部にリモコンバイブを咥えているということだ。
それも、その円形の膨らみからして、美奈子の局部とはサイズが違いすぎるほどの大きさなのが想像できるのだが、実際にそれを咥え込んでいる状況が想像できない。それほどに、想像を超えるサイズのバイブが埋もれているのだ。
『ほらぁ・・・これならどう?写メのやつと同じでしょう?』
『あ、あぁ。全く同じだ・・・』
『ククッ、全く同じかしら?さっきのは、美奈子のエッチな汁がこんなにグッショリと溢れていなかったと思うわ♪』
ストッキングの上から、バイブを咥えたアソコを摩る美奈子の表情はとても淫らに映った。
彼女の指に付着した粘液は、指で弄るほどにネチャネチャと糸を引いている。
『そ、そうだな。そんなに濡れていなかったかも・・・』
『んふふっ、もしかしてストッキングが邪魔で下着の濡れ具合がよく見えない?それなら、これでよく見えるんじゃない?』
そのポーズのまま、美奈子はハニーベージュのストッキングをスルスルと膝まで脱いでやった。すると、鮮やかなピンク色をしたハイレグカットの下着と異物の膨らみが見え、その歪な膨らみの箇所には、確かに愛液の染みがじんわりと広がっていた。

机の上に座って、スカートをずり上げて脚を開き、下半身を曝け出している高原美奈子。それは、柴田浩輔のためだけにしている行為だ。
ハニーベージュのストッキングを膝下まで脱ぎ、部屋の電気によって光沢を放つ太腿と細かく振動を続ける秘部の膨らみは、より鮮明に浩輔の目に届いた。
『ねぇ、写メと同じって判ったらさ、あとは浩輔の手で脱がせてよ』
『脱がす・・・って、下着をか?』
『当たり前でしょ?ククッ・・・』
卑しい笑みを浮かべながら、美奈子は自分の股間を指でなぞる。もちろん、そこには本来見えているべき窪んだ縦スジの線は無く、逆にうっすらと太く丸い膨らみがある。
指に押し当てられた異物は、布地の奥でズリズリと動いているのだが、すぐにまた元の膨らみを浮かばせる。そこには、ストッキングのシームのラインも一緒になって浮かび上がっていた。

4PON:2011/01/18(火) 01:27:02 ID:zJ3qrQkU
『あ、あのさ・・・まさか、ドッキリでした!・・・なんてことないだろうな?』
『クスッ、案外心配性なんだね。浩輔ってば♪・・・何もしてないよ。ここには二人だけだし、隠しカメラなんてのも仕込んでいないわ。だいたい、そんなイタズラをするなら、私だってこんなふうにバイブを咥えて大股開くなんてできないよ。成功したとしても、それを他の誰かに見られちゃうんだもの』
『・・・いや、そこまで言うなら、美奈子のことを信じるけどさ』
美奈子の話を聞き、浩輔は机に座る彼女の側へ近付いた。

『私の胸もアソコも、好きに触ってよね♪この86センチのFカップ巨乳なんて、感度や造形とか私の身体の中でも自慢のパーツなんだから』
婉然と笑みを見せ、美奈子は花柄のチュニックの胸元をクイッと引っ張った。
ピンクのレザー生地のブラに包まれた美乳の谷間が、視界に飛び込んでくる。Fカップと言っていたが、そのボリュームと迫力からは、Gカップだと言われても全く不思議はない。
ブラを浮かせ、今にも乳首が見えそうにするが、今の時点では美奈子にしか見えないアングルだ。そこに目が釘付けになりそうになるのだが、その集中を逸らすように、秘部にズップリと埋もれているバイブの振動音が耳に届く。
『近くで見ると、すげぇ・・・美奈子さぁ、そんな太いの入れてよく笑っていられるよな』
『ふふふっ、ただ太いだけじゃないけどね。ちなみに、アソコの締め付けや絡み付き具合も、美奈子の自慢のパーツの一つだよ。私の膣圧だから、これくらいの小さな振動で済んでいる・・・ってこと、バイブを抜き取ったら思い知るはずよ?本当は、今にも喘ぎ声を上げちゃいそうなくらいなんだよね♪』
これほど余裕を見せているのでは、それも本当なのかやせ我慢なのかは見分けがつかない。
『そんなに自慢の身体なら、こっちの好きにさせてもらうぜ?あとで、やっぱり止めたなんて言わせないからな』
『クククッ・・・もちろんだよ♪それで、どっちから脱がせてくれるの?』
そう言って、美奈子は胸を突き出して全てを浩輔に委ねた。

『うぅん・・・服の上からいきなり?』
『好きにして良いんだろ?』
後ろに回りこんだ浩輔は、美奈子の服を脱がさずに胸を揉みしだいた。強く押し付けられているせいで、花柄のチュニックには乳首の突起が浮かんで見えるが、柄と色合いもあってハッキリと見えにくい。とはいえ、ピンク色のレザーブラには鮮明に浮かんでいるのであろう。それを思うと、浩輔の気持ちも次第に昂ぶっていった。
『やっぱり、デカいよなぁ・・・』
『うふふっ、褒め言葉として受け取っておくね♪』
弾力のある胸が、様々な形に歪む。
そのうち、浩輔の手は胸元からスルリと服の中に滑り込んだ。
『なによぉ、まだ脱がせてくれないの?』
『こういうのが好きなんだよ。服の内側で弄っていると、俺の手の動きが何となく見えるだろ?』
『うん・・・浩輔の手がモゾモゾ動いてる。でも、どうせならブラの中に入れて直に触れば良いのに』
『少しずつ、順序立てて行くのが良いんだよ。美奈子だって、まんざらでもなさそうじゃないか。乳首をこんなに固くしてさ』
『んもぉ・・・そんなこと言わないでよ。恥ずかしいじゃない・・・クククッ』
美奈子は、何が可笑しいのか、小さく挑発するような笑いを見せた。
だが、あいにく背後から手を回している浩輔には、口角を上げてニヤリと笑う美奈子の表情までは見えていなかった。

5PON:2011/01/18(火) 01:30:44 ID:zJ3qrQkU
『そろそろ脱がすぞ?』
『ん・・・っ』
艶っぽい表情を浮かべる美奈子は、浩輔の思うようにさせた。
すると、服から頭を抜こうかというところで動きは止まり、すかさず美奈子のビキニの中に手が滑り込んできた。
『あぅ・・んっ、何するのよぉ!これじゃあ、見えないじゃない』
『まぁまぁ、そんなに騒ぐなよ。視界が利かない中で触られるのも悪くないだろ?』
『やめてよ!私は、浩輔の顔を見ながら触られたいんだから』
『・・・とか言って、さっきからこんなに感じてるじゃないかよ。乳首なんて、さっきからずっとコリコリになってさ。・・・って、何だよこれ?』
胸を弄っている浩輔だったが、胸の突起に触れた瞬間に動きを止めた。
『浩輔、早く脱がせてよ!こんなの、私は全然気持ちよくないんだからね!』
『わかったよ、脱がせてやるよ』
浩輔の質問には答えず、美奈子はただ文句を言うばかりだ。
仕方無しに、浩輔は服を引っ張ってやった。すると、服がグイィィ・・と伸びていく。
『ちょっとぉ、無理矢理に引っ張らないでよ!・・・あんっ、髪が引っ掛かってるわ。このままだと、伸びちゃうじゃない!』
チュニックが美奈子の頭に引っ掛かっているようで、なかなか顔が抜けて来ない。
そうしている間も、浩輔は美奈子の胸に触れて何とも言えない甘美な感触を堪能することを忘れていなかった。
『浩輔・・・もしかして、わざとやってるんじゃないでしょうね?』
『そんなことねぇよ。でも、ただ脱がせるんじゃつまらないからな』
『美奈子のオッパイなんて、これからいくらでも揉ませて・・・んぐっ、触らせてあげるから、今は脱ぐのを手伝ってよぉ!コレ、私のお気に入りなんだからね。もし伸び切ったり穴が開いて使いモノにならなくなったら、浩輔に責任取ってもらうわよ!』
くぐもった声で、美奈子は抗議の言葉を漏らした。
『わかってるって。だから、じっとしててくれよな』
乳首にしては異質な感触が残っているのを感じたが、あまりにも文句を言うため、ひとまずは美奈子の言うことに従った。

『ほら、解けたぜ』
だが、引っ掛かりを解くとすぐさま首元から美奈子の巨乳に手を戻して乳首の正体が何なのかを確かめようとした。すると、そこで浩輔は不思議な感触を味わった。
ブラの中の胸に手を忍ばせるよりも前に、何かゴムのカーテンにでも触れたような感覚があったのだ。
『なによぉ、まだ解け切っていないじゃない!ったく、もぉっ・・・』
美奈子は、服の中でまだモゴついた声を出しつつ、モゾモゾと手を動かして頭を出そうとしている。
『何だ?今、首のあたりでゴムみたいなのに跳ね返されたぞ』
『んぐっ、何を訳のわからないこと言ってるの?・・・ふぅ、やっと脱ぐことができたわ』
『美奈子、お前の顔大丈夫・・・』
服から頭を抜き取り、上半身はビキニのトップスだけになった美奈子。
ボサボサになった髪を整える美奈子は、至っていつもと何も変わらない綺麗な顔である。浩輔の感じたゴムのような異物の存在など、どこにも見当たらない。
『あれっ、何とも無いな・・・?』
『私の顔がどうしたって言うのよ。何か、おかしな物でも付いてるの?それなら教えてよ。気持ち悪いからさぁ』
美奈子は、自分の顔に手を当てている。頬や額に手を押し当てて動かしたりもしているが、その表情にも異変など見られない。
『いや、何も無いや。気のせい、かな・・・?』
狐に摘まれたような様子で、考えを巡らせる浩輔。
『あーぁ、カップがズレちゃってるじゃない・・・』
それまで、美奈子の胸に固執していた浩輔だが、いつしか胸から手を離して、すっかりさっきの不思議な体験に気を取られていた。
そんな浩輔の考えをよそに、背中を向けている美奈子はブラの中に手を入れると、カップの中の乳房をグニュグニュと動かし、さらにはズレていた乳首の位置も直し、それまでの乱れた状態を元に戻していた。
『こっちも、無理矢理引っ張るからすっかり伸びちゃったよ』
それから、顔にも手を触れてグイグイと顔の皮を引き伸ばしているのだった。
そこには、浩輔が感じた凹凸の無いゴムのようなものが、美奈子の顔の造形を崩しながら伸びていた。しかし、一瞬の行為のうちでは、背後の浩輔からは美奈子の顔の異変に驚くことも無く、顔を向けた次の瞬間にはそれまでの美奈子の美しい顔が、ゴムの存在など感じさせぬように浩輔に向けられていた。

6PON:2011/01/18(火) 01:31:44 ID:zJ3qrQkU
『はい、元に戻せたよ。早く・・・』
美奈子は向かい合わせになるように向きを変えて座り、胸と股間の膨らみに手を当てながら、浩輔にねだって来た。
『あ・・・悪い、美奈子。なんか、そんな気分じゃなくなっちまったんだ』
『え・・・っ?』
あれほど乗り気だった浩輔だが、自分からこれ以上のことを拒んで来たことに、美奈子も拍子抜けしてしまった。
『今さら、何言ってるのよぉ!さんざん浩輔に愛撫されて、私だってもう我慢できないんだからね!』
こんなに半端な終わり方をされては困るとばかりに、美奈子は机の四つんばいになりながら浩輔に顔を接近させた。
ブラに支えられながらぶら下がる美奈子の乳房は、改めて目を見張る巨乳であると感じられる。
乳房を支えるブラには、不思議な感覚を感じた乳首の突起が浮かんでいるが、これがニプレスの上に貼った付け乳首とは浩輔には知られていない。
だからこそ、浩輔には美奈子の顔やFカップ巨乳の迫力だけでなく、乳首の突起にも目が行ってしまう。
『浩輔だって、私の乳首の正体とか、バイブを咥えたアソコがどんなふうにパックリ割れながら濡れているのか・・・とか。ずーっと、気になっているんでしょう?』
ビキニブラをクイッと下げ、ニセモノの乳首が見えるギリギリのところで止める。
股間からも、断続的に音が響いており、うっすらと浮かぶ膨らみを握ってグリグリと動かせば、
『くぅんん・・・っ!美奈子のアソコ、今にも壊れちゃいそうよ・・・クククッ♪』
と、鈍くなった音と共に喘ぎ声が美奈子の艶っぽい口元から零れ出た。
だが、そんな誘惑にも浩輔は動ずる様子も無く、
『いや、俺もそのつもりだったんだけどさぁ、さっきの美奈子の言葉遣いとか、変な感触を感じたら、すっかり萎えちまってさ。また、次の時に頼むわ』
そう伝えてさっさと出て行ってしまうのだった。
『ちょ、ちょっと!浩輔ぇ!』
美奈子は呼び止めようとしたが、ハイレグビキニにストッキング、それにバイブを咥えたままの格好では外に出ることもできず、そのまま残るしかなかった。

7PON:2011/01/18(火) 01:43:23 ID:zJ3qrQkU
『まったく、勝手な男ね・・・』
それまでのねだりぶりが嘘のように、早々に諦めた美奈子。
『まさか、私の誘いに乗って来ない男がいるとはね。・・・途中までは、俺様の予定通りに行っていたんだがな』
独り言を言いながら、美奈子はロッカーの扉へと移動する。そのボヤきぶりは、男が呟いているようにも思える口調であった。
『クククッ、それにしてもこの女も綺麗な脚をしてるぜ。この巨乳だって、俺様に盗んでくれと言っているようだもんな』
ビキニから伸びるチョコレートブラウンのストッキング脚が、怪しく光沢を放っているが、そんな際どい格好をした美奈子を見る者は誰も居ない。
『それでも、私が偽者だと気付いてたわけでも無さそうだし、まだ良しとするか。となれば、次はどの女に化けて誘惑してやるか・・・だが、今度はボロが出ないようにしないとだな。ねぇ、美奈子もそう思うでしょう?』
扉の中では、同じくハイレグビキニにストッキングを穿いた高原美奈子が、静かに眠っていた。
『あなたは、誰に変装したら浩輔が引っ掛かってくれると思う?あなたのFカップ巨乳にはとっても喰い付いて来たんだけれど、もしかしたら年上っぽい性格が合わなかったのかもしれないのよね〜』
腕を組み、胸を寄せ上げるポーズは確かに大人の色香を漂わせ、それが美奈子の雰囲気にも非常にマッチしている。
だからこそ、高原美奈子に変装したこの姿を偽者だと思う者はいないだろう。もし、疑われることがあるとすれば、浩輔のように僅かな違いに気付くか、こうして眠らされた美奈子と見比べられることがあった場合くらいのものだ。

『まっ、何にしろこのまま美奈子が二人いる状況は良くないな。浩輔が逃げた今、もうお前に変装している意味も無くなったし、誰かに見付かる前にコイツだけでも脱いでおくか』
そう呟いた美奈子は、髪で隠れた首の後ろに手を回したと思うと、そのままベリベリと顔を捲りとってしまった。そして、顔を剥いでから徐々にグラマラスな乳房、くびれ、太腿から下へと自分の身体を脱いでいく。高原美奈子という一人の若い女性の身体であると思われたモノは、ビキニやストッキングと一緒に皺くちゃな皮となって脱皮されてしまい、それまで美奈子だった人物は違う女性の身体を露にして立っていた。

8PON:2011/01/18(火) 01:47:37 ID:zJ3qrQkU
『これで、ひとまずは何とでも言い訳できる構図になったかな?・・・って、そんなワケないか。美奈子が二人じゃなくなっただけで、私が美奈子を監禁しているようにしか見えないもんね。それも、82−55−84のスタイルを晒して、Cカップのオッパイを揺らしているなんて、殆ど変態のすることよね♪クククク・・・』
美奈子のワレ目に刺さっていたバイブは、そのまま彼女の秘部までもを貫き、小刻みに膣口を震わせている。
そんな格好を平然として立つのは、平野亜里沙・・・美奈子と同じサークル仲間であるのだが、亜里沙がこのような脱皮行為などできるはずもない。即ち、この高原美奈子から平野亜里沙へと顔もスタイルも変えてしまったこの亜里沙こそ、怪盗レオンに間違い無かった。

『何にしても、美奈子が二人居るなんておかしなことがバレなきゃ良いのよ。私は、サークル連中にこの裸を見られても恥ずかしくもないんだから。むしろ、この顔も身体も平野亜里沙であることを認めてもらいたいくらいだよな』
自分の身体を眺め、亜里沙と全く見分けがつかないことを感じながら、レオンは美奈子をロッカーから引きずり出した。
乳首を尖らせる胸は小さく震えて、広がりきったワレ目の具合もどんなに動こうとも閉じることも無ければ、ソコをパックリと割っている双頭バイブがひり出されることも無い。そんな格好を露出したまま、完璧に亜里沙に化けるレオンはそれまで借りていたチュニックとスカートを、ハイレグ水着姿の美奈子に着せてやった。
『これで、美奈子は元通りに見えるな。となれば、今度は俺様が準備をする番か。柴田浩輔に逃げられたままっていうのも、気分が悪いからな。達也たちと遊ぶのはまだ後回しにして、もう少しからかってみるか』
美奈子を椅子に座らせ、亜里沙の顔に似合う裸体を晒したままのレオンは、ニヤリと亜里沙の顔に企みの笑みを浮かばせる。
『それなら、亜里沙も怪盗さんのこと応援してあげるわ。美奈子に恥をかかせるなんて、私だって許せないもの。女の子が、あんなに積極的に誘惑したのにね!』
ただの一人芝居ではあるが、亜里沙の口調まですっかりコピーしているレオンの変装は、本物の彼女にしか見えない。
『亜里沙のロッカーに、変装スーツとか衣装を用意してあげたからね。どれでも好きなのを使ってよ』
いつの間にか、亜里沙のロッカーを私物化していたレオンは、そこから事前に隠していたフィメールスーツを取り出した。ロッカーの扉の内側にあった小鏡に、自分の姿が映し出される。
『・・・平野亜里沙の変装も、カンペキだよね♪誰かに、バイブを咥えてる亜里沙の恥ずかしい姿を見せてやりたかったけど・・・きっと、まだいくらでも機会なんてあるよね。ククッ・・・』
亜里沙の首に手を押し当てると、皮膚がグニャッと潰れたようになって皺を作った。
そして、その皮の内側に手を埋めていき、ゆっくりと亜里沙マスクとスキンスーツを捲っていくレオンであった。

9PON:2011/01/18(火) 01:50:16 ID:zJ3qrQkU
『んっ・・・あれ?・・・やだっ!どうして、部室なんかで寝てるの?』
高原美奈子は、ようやく眠りから覚めた。
だが、怪盗に眠らされ、自分と入れ替わった怪盗が柴田浩輔とセックスをしようとしていたことなど知るはずもない。
『たしか、宮永つばさ・・・って女子高生に呼び止められた所までは覚えているんだけど・・・』
美奈子を捕まえた怪盗は、その時に宮永つばさに変装をしていた。それも、つばさの通う学校の制服に光沢のある肌色のストッキングを穿き、つばさの顔とスタイル、声、性格の全てをコピーしているのだから、クラスメイトが居ようとも見破られることは無かったであろう。
『あっ、メール入ってるじゃない。早く、西棟に戻らないと』
携帯を確認した美奈子は、急いで部室を出て行く。
レオンが浩輔に送った、バイブを咥えてM字開脚をした美奈子の痴態メールは、既に削除してあった。
『クククッ・・・何も知らずに出て行ったようだな。ハイレグTバックビキニに、ストッキングを重ね穿かされているとも知らずにな・・・』
美奈子が去り、誰も居なくなったはずの部室では、赤いハイレグレオタード着た女性がロッカーの中から姿を現した。そのロッカーは、さっきまで美奈子が眠らされていた場所だ。

『さーて・・・私も、早く私服に着替えるとしますか♪』
ヒップに埋もれたTバックのレオタードを引っ張る彼女は、後ろから手を忍ばせてストッキングの上から自分の股間をクチュクチュと摩る。すると、綺麗なその顔には次第に禍々しいほどの笑みが貼り付いていく。
『あなたの服・・・借りちゃうからね♪』
隣のロッカーには、高原美奈子とも平野亜里沙とも違う女性の姿があった。
『ククククッ・・・これで、美女サークルメンバーへの変装は何人目になるのかな?』
怪盗レオンの今の顔とスタイルは、その女性・・・松山鳴海のものを完璧に模していた。その衣装は、互いに同じ色とデザインをした赤いハイレグレオタードである。鳴海の変装をした怪盗は、これほどの際どい喰い込みと胸の露出があっても余裕の素振りだが、本物の鳴海が今の姿に気付いたら慌てふためきながら、股間の窮屈さに表情を歪めることだろう。
『上から、85−59−85で、胸はEカップ・・・高原美奈子と平野亜里沙の中間、ってところね。でも、ヒップラインと脚線美なら三人の中では・・・っていうより、サークル連中の中では群を抜いているかな?ミニスカートが似合いそうだけれど、今日みたいにショートパンツでも綺麗に映えるわね。特に、このチャコットの肌色具合が鳴海の脚とヒップを整えながら引き立たせてくれるから、それだけでも興奮してきちゃったな♪』
そんな興奮のせいか、レオタードを穿く鳴海の股間にはいつしか美奈子の時のような膨らみが浮かび出ていた。
『あぁーん、ストッキングとハイレグの重ね穿きのせいで、鳴海のアソコが疼いてきちゃったよ。バイブを咥えていたから余計になのかな?・・・こうなったら、興奮ついでにバイブオナニーでもしながら、もう一工夫しておこうか♪』
これでも十分に満足がいっていたはずだが、レオンは亜里沙のロッカーの隣から、さらに衣装とスーツを取り出した。

『クククッ、ここまですればヒクついた私のアソコも満足よね♪』
レオタードの下に穿いたチャコットのストッキングの上を、ショートパンツがスルスルと上がって股間を覆っていく。
それまで、鳴海の股間に浮かび出ていた歪な膨らみは、ワレ目の奥に埋め込まれたのか、どこにも見えなくなっていた。そして、パンツのボタンを留めて股間を一撫ですれば、本来女性が描くべきのっぺりとした曲線がショートパンツの上に表れているのが、鳴海の巨乳に遮られて見えなくとも、文字通り手にとるようにわかるのだった。

10PON:2011/01/26(水) 16:01:08 ID:4xPgxDrQ
『さっきの美奈子、明らかにヘンだったよな・・・あーぁ、あんなことの後だから腹減ったな』
部室を飛び出した浩輔は、狐につままれた思いを残しながらも、それ以上は深く気にすることなく学食へ向かった。

『もぉー、ようやく見つけたわよ。浩輔ぇー!?』
『おう、鳴海。何が、見つけたなんだ?』
昼食をとっている柴田に声を掛けたのは、同じサークル仲間の松山鳴海だった。人がまばらな時間帯なこともあって、声が響いても注目まではされていなかった。
『おう、ってアンタねぇ・・・』
柴田の座るテーブルの正面に立った鳴海は、両手をテーブルについて怒った様子を見せている。
『その顔だと、メール見てないでしょ?西棟にも部室にも居ないし、ずっと探してたんだからね!』
『いや、俺もそれどころじゃなくてさぁ』
『何がそれどころじゃないのよ?探し回ってたこっちの気も知らないで・・・』
『まぁ、その・・・色々とイベントみたいなことがあってさ』
『携帯も見られないくらい、忙しいイベントが続いて起こってたの?』
食事に夢中な柴田だったが、そこまで問い詰められるとシラを切る素振りをした。
『そうだな・・・鳴海の言ってることも間違ってないかもな』
のらりくらりとした態度をする浩輔に、鳴海は彼の顎を掴んでこちらに向けさせる。
『もおっ!人の話を聞くときは、こっちくらい向きなさいよね!』
可愛らしい鳴海の顔が、浩輔の視界にしっかりと収められた。
いや、視界に収まったのは鳴海の顔だけではなく、アイボリーカラーのトップスから覗くEカップ巨乳の谷間も含めて・・・だった。胸元から見える迫力のある胸のボリューム感は、前屈みになって覗く体勢だからこそ、浩輔の瞼に強烈に焼き付いた。
『鳴海さぁ・・・お前、今日ってノーブラだったか?』
浩輔は、鳴海の服の中のことをおくびも無く尋ねてくる。
『んなっ・・・いきなり、何言ってんのよ!?』
『だって、それを見る限り下着つけてないように見えるぞ?』
『そ、そんなわけないでしょ!ちゃんと着てるわよっ!!』
浩輔のペースに乗せられたのか、鳴海は浩輔の見ている目の前でトップスの胸元をクイッと引き下げて見せた。
すると、白いヒモと面積の小さなブラが、鳴海の乳首と乳輪を隠す程度に覆っているらしいのがわかった。それを見て、浩輔の喉がゴクリと動く。
『どぉ?・・・これでわかったでしょ?』
『あ、あぁ・・・そうだな』
『このとおり、乳首の突起がブラに浮かび出てトップスにまで見えないように準備もしてあるんだからね』
ウィンクをしながら、ブラもスルリと浮かせる鳴海。
すると、胸に貼り付けた肌色のニプレスが、鳴海の乳首と乳輪をしっかりと隠してあるのが見えた。
さすがに浩輔も、胸を隠すマイクロビキニの存在とニプレスを見せられては食事どころではなく、鳴海に見とれたまま手を止めている。
『それとも、自分の彼女がここまでしか見せてくれないのが不満?それなら、ニプレスも剥がしてノーブラになってあげてもいいよ?』
鳴海は、ニプレスに爪を立ててペリリ・・・と剥がそうとする。指が、乳房の中に埋もれていき、とても柔らかな感触が見ているだけでも伝わってくる。
『い、いいって!やめろよ。そんなことしたら、目立ってしょうがないだろ』
『そうなの?浩輔が望むなら、私はノーブラになっても構わないのに♪周りに人がいるのに、オッパイを見せるっていうのも、案外面白いかもよ?この、Gカップ巨乳をね。ククククッ・・・』
二プレスを少しだけ浮かて乳輪をチラつかせる鳴海。その表情には、ニヤッと挑発した笑みが滲み出た。

11PON:2011/01/26(水) 16:04:22 ID:4xPgxDrQ
『お前さぁ・・・ふざけるのも良いけど、あまりやり過ぎるとドン引きだぞ?』
『何でよぉ〜?可愛い彼女が、浩輔のために恥ずかしいのを我慢してここまでやってあげたのに』
鳴海は、不服そうに浩輔に詰め寄った。胸を思い切りアピールするポーズはそのままのため、彼女の巨乳が目の前に迫ってくる。
『物にも順序とか限度ってモノがあるだろ。せめて、一昨日くらいの感じでいてくれよな』
『ぶぅー、そんなこと言ったってぇ〜』
やけに甘えてくる鳴海に、浩輔は今までと違う雰囲気を感じていた。
だが、違うのはそれだけではない。それを感じていた浩輔は、直接彼女に問い掛けることにした。
『鳴海さぁ、もう一つ気になることがあるんだけどさ?』
『うん?』
尋ねられた鳴海は、向かいの椅子に座って浩輔の顔を覗き込んだ。よほど見てほしいのか、胸元に指を掛けて、谷間を見せるのは今までと変わっていない。
『お前、たしか胸のサイズEカップじゃなかったか?』
『えっ?この前教えたの、ちゃんと覚えてたの?』
『この前って言っても、つい一昨日の話だろ?』
『そりゃあ、そうだけどさぁ。じゃあ、浩輔は私の裸とか全部覚えてる?アソコの色とか、穴に挿入した感覚とかも』
そう言われ、浩輔は周りを気にしながら慌てふためいた。
『おい、鳴海。こんな所で裸とかグロいこと言うなよな』
『何よぉ、それって私とセックスしたのを全然覚えてないってこと?』
そう話す鳴海は、スッと浩輔の股間に脚を伸ばしてモノをスリスリと摩ってきた。
『お前・・・やめろって!見られたりしたらどうすんだよ』
チャコットの肌色ストッキングに彩られた脚が、的確に股間の膨らみを捕らえている。その脚使いといったら、指で触られているかのような細やかで柔らかい感触だ。
『ねぇ、本当にあの日のこと覚えてないの?レースクイーンのコスプレをしたままエッチしたじゃない。このストッキング、その時と同じのを穿いているんだよ?それに、ノーパンストッキングに、裸エプロンまでして・・・浩輔だって、大興奮だったでしょ?』
『覚えてるって・・・あそこまでしたんだから、お前の裸とかも忘れるわけないだろ?だからこそ、今日は自分でGカップだとか言ってて、しかもそのとおりに見えたのが不思議だったんだよ。女の胸って、たった二日の間でそんなに大きくなるものなのか?』
『クククッ・・・知りたい?だったら、私についてきてよ。その秘密を教えてあげるからさ♪』
脚を離した鳴海は、浩輔の手を引いて学食から連れ出した。
それまでの会話が嘘のように、腕に抱きついて仲むつまじく振舞いながら・・・

12PON:2011/01/26(水) 16:21:38 ID:4xPgxDrQ
『また、ここかよ・・・』
『何?浩輔、部室に来てたの?』
『ん、まぁな・・・』
まさか、高原美奈子からセックスの誘いがあったなどと言えるはずもなく、浩輔は適当にはぐらかした。
『ちゃんと、カギ掛けておいてね。誰かが来たらまずいから』
『お、おぉ・・・』
言われたとおりに、鍵を閉める。これで、部室には浩輔と鳴海の二人きりだ。
美奈子と一緒だった時と全く同じ構図なのが、何かうしろめたさを感じさせた。
『鳴海、カギまで掛けるってことはよぉ・・・まさか、ここで脱いで見せるつもりかよ?』
『もちろんだよ?そうじゃないと、私がGカップ巨乳になった理由がわかってもらえないでしょ?』
『そっか、それもそうだよなぁ・・・』
『この前だって裸を見せ合ったんだから、今さらオッパイを見せることくらい恥ずかしくなんてないよ。浩輔だってそうでしょう?ククッ・・・』
鳴海はニッコリと微笑むと、ためらいもなくトップスを脱ぎ去った。

鳴海の上半身は、マイクロビキニをあてがっただけの格好だ。
ショートパンツをスルリと脱ぎ下ろせば、白いマイクロビキニを穿いた下半身が見えた。ストッキングの腰のゴムが、所々でビキニの下から覗けてしまっている。
『な、鳴海さぁ?何も、下まで脱がなくても良いんじゃないか?』
『クスッ、こうしないと意味が無いのよ♪』
少しだけ身体を前に倒し、今にも零れ出そうに震えているGカップの膨らみと谷間をアピールしてくる。それにつれて、ビキニもストッキングごとキュッと股間に喰い込もうとしているのが見えた。ボリュームを感じさせるヒップには、既にビキニが見えぬほどに埋もれている。
『意味が無いって、どういうことだよ?』
『すぐにわかるよ。きっと、鳴海のことを見る目が一気に変わるはずだから☆』
そう告げた鳴海は、浩輔の見ている前でビキニとストッキングを脱ぎ去ってしまい、裸体を惜しげもなく晒した。
『こうやって見ると、やっぱりスタイルが・・・』
『ここからが本番だよ。浩輔クン?』
鳴海の声が、少しだけソプラノボイスに変わった気がした。
と思うと、鳴海は自分の顎下に手を当てて、グニュッと自分の顔の皮を歪めた。
『な、何だよ?それ・・・』
『クククッ・・・』
浩輔の驚きを見て、嬉しそうに笑う鳴海だが、その顔には既に生気を宿していなかった。目がポッカリと空洞になり、それまで鳴海の顔をしていたそれは剥がれたように無機質な一枚のマスクに変わり果てている。
しかし、彼女は顔が脱げ掛けていようともその手を止めることなく、メリメリとマスクを剥がし取ってしまうのだった。

13PON:2011/01/26(水) 16:40:01 ID:4xPgxDrQ
『な、鳴海!?』
松山鳴海と思われたその女性は、マスクを捲り上げると、長い髪を振り乱しながら鳴海とは全く異なる顔を露にした。
『ふふふっ、すっかり鳴海ちゃんだと思ってたわね。私の変装に、騙されてくれてありがとう。浩輔クン♪』
美しい顔に似合うGカップ巨乳を備えた女性は、鳴海の顔を模ったマスクを手に、愛らしく微笑んだ。

テレビで何度も見たことのあるその顔が、自分に向けられている。その現象が信じられないのは、その表情を見れば歴然だ。
『森下悠希、だよな・・・?』
『クスッ♪・・・私が、森下悠希以外の誰に見える?』
『でも、何でグラビアに出るようなアイドルがこんな所に?それも、鳴海に化けるなんてあり得るのかよ・・・』
茫然自失、そんな状況から抜け出せず、それまで鳴海だった相手をただ見つめるばかりだ。
『信じられないのも無理はないけどね。あなたの彼女が、私の変装だなんて思わないはずだもの。あと、もう一つ信じられないといえば、私のこのマイクロビキニ姿も、かな?』
ほとんど、ヒモと言っても良いビキニとトップスを、同時にクイッと引き上げる。
ビキニに、ストッキングのシームラインが鮮明に浮かび上がり、さらにキュッと股間に喰い込む様は、視線を股間に注がせる。だが、そこだけに目を奪わせはしないとばかりに、Gカップ巨乳に触れているビキニを浮かせて、剥がれ掛けの二プレスを貼った乳房を見せようとしている。その面積たるや、今にもトップスから出てしまうのではないかと思えるほど、彼女の巨乳には不似合いで、ムニュッ・・と胸に埋もれそうだ。
『ねぇ、浩輔くん。せっかくマイクロビキニでこんなに露出しているんだし、私のスリーサイズ、教えてあげようか?』
『スリーサイズ・・・か?でも、もう雑誌に載ってたの見てるしな』
『ふぅーん、さすがにチェックが早いのね♪でも、あれからさらにバストとヒップが成長したのまでは知らないでしょう?今は、上から92−59−91になっているの。このままだと、Hカップになるのも時間の問題だと思うわ』
トップスとビキニの内側に片手ずつ忍ばせ、モゾモゾと手を動かしている。
布地の少ないビキニでは、その指の動きを隠すことなどできはせず、リアルに自分の身体を弄っているのが拝めてしまう。
『このチャコットのブラウンストッキング、悠希のお気に入りでね♪脚とヒップラインをキュッて引き締めてくれるの。まっ、雑誌を見てくれているなら、私がストッキングのコレクターだってことも知っていたと思うけど、オールスルーのベージュや茶系のストッキングばかりを集めていることは知らなかったでしょう?』
自慢げに話す悠希は、ビキニを穿いたままストッキングをスルリと股間の所まで下ろした。
『!!!』
突如、股間を見せようとする悠希の行動に、声も出せずに驚く浩輔。
しかし、見えてしまうと思われた局部は、ベージュのナイロンに隠されて見ることはできない。
『こんなふうにね、チャコットの重ね穿きをしてさらにストッキングの締め付けを楽しんでいるの。悠希が特注したストッキングって、重ね穿きをしても模様が出ないように工夫してあるから、いくら際どいハイレグ衣装を着ていても、ストッキングが遮ってしまって絶対にアソコが見える心配なんて無いってことね♪』
わざわざ、穿いているインナーやストッキングを少しずつ脱いで解説までしてみせる悠希。
『いつも、そんなに重ねて穿いてたのか・・・?今だって、全く見分けがつかなかったんだから、雑誌なら余計にわからないな』
『そう思ってくれていたなら、私の思惑通りだってことね♪今度から、グラビア写真をよく凝視してみることをお奨めするわ。あいにく、ストッキングを穿いていないこともあるわよ?水に濡れる時なんて、モロにバレちゃうし。ただ、爪先が写っていなければストッキングを穿いてたりもするけど・・・つまり、それだけ私のストッキング好きはマニアックレベルだってことよ♪』
衣装を乱したまま、その場でクルリとジャンプをしながら回って見せる。振り乱れる髪と共に、92センチを誇る乳房が縦横に弾むのだが、童顔な彼女の微笑みとのミスマッチが浩輔の興奮をより高まらせていた。

14PON:2011/02/07(月) 01:36:06 ID:xg12QFhI
『んふふっ、随分とモッコリしていますね。私の水着姿に、興奮してくれているんですか?』
『当たり前だろ。森下悠希のダイナマイトボディを、間近に見ているんだからな』
股間には、ズボンの中ではちきれそうに大きくなったモノの膨らみがしっかりと浮かんでいる。
だが、それでも恥ずかしがって隠そうとはしなかった。
『それならば、私とエッチなこと・・・してみませんか?』
『おいおい、本気で言ってるのかよ?芸能人がこんな所でセックスなんてしたら、大騒ぎになるんじゃないのか?』
『クククッ・・・そんなの、誰にもバレなければ良いんですよ♪まさか、広めたりしませんよね?』
妖艶な笑みを漂わせ、悠希は少しずつ接近してきた。歩くだけでも、自慢の巨乳がたゆんたゆんと揺れている。もはや、顔か胸か股間か・・・どこを見たらよいのか視点が定まらない。
『そんなことしたら、森下悠希ファンに妬まれて一気に悪者になるんだぞ?できるはずもないだろ?』
『そう言ってもらえて、良かったです。浩輔さんとセックスをするの、ずっと前から望んでいたんだから』
『俺と??いつ、俺と会ったん・・・』
悠希は、浩輔の首に両手を回して抱きついてきた。
マイクロビキニに隠された胸が、浩輔にぶつかってグニュッ・・・と潰れている。そして、ストッキング脚が浩輔の脚を挟み、のっぺりと曲線を浮かべる股間をグリグリと擦り付けてきた。
『すげぇ、ボリューム感だな。さっきまで、鳴海の顔でこんなスタイルをしていたのが嘘みたいだ・・・』
悠希のボディに酔いしれる浩輔は、腰が砕けそうになるまま壁にもたれ掛かった。
しかし、密着したままの悠希は、器用にズボンを脱がせながら、浩輔のモノに自分の股間を重ねてゆっくりと腰を動かす。
『う・・・っ』
ビキニとストッキングの喰い込みでパックリと開いた悠希の恥肉に、肉棒がふにゅっ・・と挟まれるような感覚が感じられた。腰が上下にゆっくりと動かすと、恥肉の柔らかさにストッキングの質感が加わり、さらに甘美な快感が股間から全身に伝わる。
そんな激しいスキンシップのためか、悠希のGカップもの巨乳はトップスから零れ出てしまい、剥がれ掛けの二プレスが辛うじて胸の全容を隠していた。

『ここからは、浩輔さんが脱がせてくれます・・・よね?』
耳元に、悠希の吐息と声が吹きかかる。
さらには、胸と股間がグニュグニュと強く押し付けられ、浩輔の身体は硬直したようにビクッとなった。
『ねぇ、早くぅ・・・』
浩輔の手に手を重ね、自分のビキニの中に誘う。もう片方の手は、ゴムマリのような巨乳に埋もれるほど揉みしだいていた。
悠希の股間の曲線には浩輔の手がぴったりと沿い、中指だけがその形状に沿って深く埋もれていく。
『ストッキングとかインナーを全て脱がしてくれないと、悠希のアソコに挿入するどころか、クチュクチュって弄ることもできませんよ?』
『森下悠希って、こんなにスケベだったんだな・・・』
『憧れの浩輔さんに会っただけで、こんなにカンジているのに、衣装が邪魔してしまうなんて・・・こんなに重ね穿きしなければ良かったかしら?いっそのこと、ノーパンストッキングに裸エプロンくらいのシンプルなコスプレでね♪ククククク・・・』
重ねていた手を放した悠希は、浩輔の下着の中に手をスルリと入れた。直に性器に触れ、自分の股間を覆い隠す際どい衣装を纏めて脱がしてしまおうとする。浩輔の手が、ストッキング越しに秘部に触れているのを構いもせずに。
いよいよ、愛液に濡れた悠希の女性器が見えるかと思われたが、浩輔は咄嗟に悠希の手首を握り締めていた。
『ちょ、ちょっと待ってくれよ!そういえば、お前が森下悠希なら、何でこの前の鳴海と過ごしたことまで知ってるんだよ?』
それを言われた瞬間、それまでの穏やかな悠希の表情がニヤリと不敵な笑みに変わった。

15PON:2011/02/07(月) 14:28:37 ID:xg12QFhI
『何で・・・って、そんなの私が浩輔と一緒に居たからに決まってるじゃない?』
顔も声もスタイルも、至って森下悠希そのものだが、滲み出る雰囲気だけは悠希のものとは異なっていた。
『気付くのが遅すぎるよ?もう少しで、浩輔のが本当に悠希の中に挿入されちゃうところだったわ。・・・悠希のアソコのビラビラってすごい絡み付いてくるから、もう他の女のアソコじゃ満足できなくなってたかもね♪』
悠希の声は、次第に違う女性の声へと変化していた。
口調も、その声に似合う親しみのあるものになっており、外見さえ見なければ悠希とは違う女性の顔がすぐに浮かぶのだった。
『鳴海・・・か?・・・鳴海、だよな?』
『鳴海?それってあなたの彼女で、85−59−85のスリーサイズをした、私よりもオッパイの小さい松山鳴海ちゃんのことを言っているのかな?たしか、Eカップだって言ってたはずよね♪クスッ、クククククク・・・・』
鳴海の名を呼ばれた悠希は、その問いには答えず不敵な笑みを浩輔に向けている。果たして、これが悠希の演技なのか、それとも本当に鳴海なのか、どちらとも判断がつき切らないでいた。

『こんな所に芸能人が来るなんて、変だと思ってたんだよな・・・。なぁ、その姿っていったいどうなってるんだよ?』
これまでの緊迫感が一気に抜けて、浩輔はいつもの感覚に戻った。
とはいえ、悠希の顔は接近して、彼女の身体はまだ密着している。今にも露出しそうな悠希の股間にだって、ストッキングの上から触れているままだ。
『へへへっ☆これ、スゴイでしょ?“特メイ研”が作った、フィメールスキンスーツっていう代物なんだ♪』
『フィメール、スキン、スーツ・・・?女の、皮の、服、ってことかよ?』
『訳すと、そんな意味になるわね。見たまんまだけど、それ以外に言いようがないモノだし』
そう言って、彼女は自分の頬を摘んでみせる。
最初はただ摘んだだけと思ったが、力を入れて引っ張れば、その力の分だけ顔の皮がグーッと伸びた。幼さを残す悠希の綺麗な顔が無残に歪んでしまい、無機質なゴムマスクへと変わっていく。
胸の谷間の皮膚を同じ様に摘み上げてしまえば、ハリのある整った乳房の重さや質感はそのままで、ひとりでにグググ・・と、持ち上がっていくのだった。
『その伸び方、まるでゴムじゃないか・・・信じられないけど、つまりは、その顔も身体もニセモノの姿ってことなんだな?』
『そうよ、これがフィメールスキンスーツのすごさなの。コレさえ着ちゃえば、森下悠希だろうと松山鳴海だろうと、自由自在に変装できるってわけ♪』
崩れた悠希の顔の奥で鳴海の声が聞こえるのだが、本来鳴海の声が出るはずの口は横に長く広がるだけで全く動いてもいない。それは、ホラー映画でも見ているかのような、不気味な光景であった。

16PON:2011/02/15(火) 01:44:16 ID:xg12QFhI
『なぁ、鳴海。もうその顔やめていいからさ。それを作った、“特メイ研”って何なのか教えてくれよ?』
『うん?』
鳴海は、素直に顔から手を放した。
ポッカリと開いた目や口の空洞から、中に隠れた新たな目と口が見える。悠希の顔マスクの越しではそれが鳴海の顔とは断言できないが、若い女性らしきことだけは予想がつく。その僅かに覗いた顔は、まるで浩輔を嘲笑っているように見えた。

『“特メイ研”って言うのは、特殊メイク研究会の略だよ。特定の人物の顔とか身体をスキンスーツにして再現したこのフィメールスキンスーツは、研究会の中でも最高傑作と呼び声が高いの。元は、人型をした肌色の抜け殻なんだけど・・・』
顔に手を当てて、マスクを馴染ませる。
『こうして被るだけで、森下悠希だもんね♪で、コレのさらにスゴイ所は、なんと重ね着が可能だってことなの』
『あぁ、だからさっきのようなことも出来たってことか。鳴海が森下悠希の形をしたソレを着て、森下悠希の顔の上に鳴海の顔マスクを被ってるだなんて、想像もつかなかったぜ』
浩輔は、スキンスーツの完璧な出来栄えに感心するばかりだ。
『でも、よく鳴海のオッパイの違いに気付けたよね?私が正体を明かすまで、ずっと騙し通そうと思ってたのに。さすがは、オッパイ星人と呼ばれることはあるわね♪』
鳴海の声と話し方でウィンクをしたが、その顔は森下悠希のマスクが隙間無くピッタリと貼り付いており、どう見ても悠希が誘惑しているようにしか映らない。
その顔にドキリとする浩輔のことをよそに、悠希は胸の谷間に切れ目を入れてようやく偽物の身体を脱ぎに掛かり始める。
『でもね、浩輔・・・』
だが、悠希はブラを外した途端、豊満に膨らんだ左右の胸を握り、それを横に引き裂いた。
左右に離れた乳房の中から、色白な女性の乳房がプルンと零れ出る。悠希ほどのボリューム感は無いが、美乳と呼ぶに相応しい綺麗な胸であった。
『あなた、大きな勘違いをしているよ?・・・今、その証拠を見せてあげますね』
鳴海の声は、話の途中でまた違う女性の声に変わった。
胸の内側を這いずる手は、首から顔へと達していく。そして、悠希の顔が再びただのゴムマスクに変わり、ズルリと首の後ろに垂れ下がった。
『ククッ、残念でしたね。柴田浩輔さん?あなたの彼女ではなくて♪』
森下悠希のスキンスーツとその身体に着ていたストッキング全てを脱ぎ下ろし、スレンダーボディを堂々と晒して笑うのは、浩輔のサークル部員である西浦沙希だった。

17PON:2011/02/15(火) 01:50:45 ID:xg12QFhI
『森下悠希に化けていたのは、西浦さんだったのか?どうりで、今日は見掛けないわけだ・・・って、違う違う!そんなはずないじゃないか!』
『そんなはずないと言われても、私は私ですよ。柴田さんは、女の子のオッパイが大好きなんでしょう?私の、この80センチBカップのオッパイを見れば、鳴海ちゃんじゃないことくらい一目瞭然じゃないですか』
悠希の92センチを誇るGカップバストは、一体型のスキンスーツが脱げたことで、すっかり萎びた皮の一部でしかない。代わりに悠希の皮の中から現れた乳房は、それまでと全く異なった可愛らしいサイズになっている。スタイルの違いをアピールしようというのか、その場で小さくジャンプをして見せるが、思った通り軽く揺れる程度だった。
『それは、見ればわかるけどさ』
『あらっ、アッサリと認めるんですね。このオッパイから大事なトコロの形や色まで、私が西浦沙希だってことを』
『いや、そこまで細かくは知らないけど・・・だけど、一昨日のことを知っているんだから、その西浦さんの姿だって鳴海の悪戯だってわかりそうなものだろ?』
『それなら、柴田さんは大きな思い違いをしているかもしれませんよ?一昨日、あなたとコスプレセックスした松山鳴海が、本物の鳴海だとは限らないもの。さっきの悠希ちゃんみたいに、顔だけじゃなくてオッパイからアソコまで、鳴海に変装した私・・・西浦沙希かもしれない、そう考えられると思いません?』
『うーん、そう言われても信じろっていうのが無理なんだよな』
『クスッ、そんなこと言ってみたところで、沙希の胸のことくらいチェック入れているんでしょう?こうしたら少しだけできる胸の谷間とか、上を向いたコリコリな乳首も・・・』
西浦沙希の姿の相手は、自分が裸なのを忘れてでもいるかのように股を開き、片方の手で胸を抱えながら顔を覗き込んできた。
『おいっ、いくらなんでもそんな所まで知ってるわけ無いって!』
『あら、見せたこと無かったかしら?でも、私も鳴海さんに化けていた時にはこれくらい大胆になったんですよ?』
ワレ目に指を重ねた沙希は、指を開いてくぱぁ・・とクレバスを開いて見せた。
そこには、沙希のリアルな内襞が膣内に広がっているのがチラリとだけ見えている。
『いや・・・そうは言うけどさ、やっぱりナイーブな西浦さんがそこまでするのは信じられないだろ。合宿でも、水着になるのですら最後まで嫌がってたんだぞ?それが、こうやって俺の前で裸になってソコまで淫らになるなんて、さっきの抜け殻みたいなのを着ている誰か、ってことになるじゃないか』
沙希の裸体をここまで見せ付けられても、女性の裸を見慣れている浩輔には大きな動揺は無かった。
『むぅー・・・随分と、西浦さんの肩を持つのね。鳴海なら、これくらいエッチなことをしても不思議ないって言われてる気がして何か癪だけど』
沙希の口から、再び鳴海の声が聞こえてきた。

18PON:2011/02/15(火) 01:53:17 ID:xg12QFhI
『やっぱり、鳴海だったんだな?』
『今度こそ、完璧だと思ったのにな。話し方とか声もそうだけど、このスキンスーツの出来栄えだって、本物の西浦さんと何も違わなかったはずよ?なのに、何で見破れちゃうのよぉ』
沙希の顔はグイッと引っ張られて、綺麗な顔の存在など微塵も残していない。
それから、胸の膨らみも同様にゴムのように引き伸ばされて、顔と胸の一部がビリビリと破れ始めていた。
『お前なぁ・・・』
『アハッ、これもダメですかぁ〜?』
沙希の顔の所々が破け、その穴が次第に広がっている。
だが、中から出て来たのは思い描いた顔では無く、中野小夜子の顔であった。
『そんなことしても、もう通用しないって』
『せっかく、こんなにそっくりに作れたからぁ、浩輔くんにも見せてあげたくてぇ〜♪』
千切れた胸の下から、ボリュームのある乳房が覗く。
次第にボロボロに裂かれていく沙希の身体と、中から現れる新たな女性のスタイル。その身体の上に、小夜子の顔が乗っている。
『きっと、浩輔くんなら、このカラダが小夜子のものとは違っているってことも気付いていますよねぇ?せっかくだから、教えておいてあげますよぉ。小夜子のオッパイはAカップで、上から79−56−83ですからぁ〜。今度、小夜子の裸を見たときに思い出してくださいねぇ〜♪』
これまでのように、本当は自分は小夜子だったんだと主張することもなく、マスクは捲られていった。
『浩輔の眼力はさすがだね、これも鳴海のことをわかってくれているからこそだよね』
偽物の沙希のボディと、小夜子の顔をパサッと脱ぎ置くと、嬉しそうに笑う鳴海の顔が、アイボリーのトップスとショートパンツを穿いたボディスタイルと共に浩輔の前に晒されたのだった。

19PON:2011/02/18(金) 02:20:27 ID:xg12QFhI
『よく、西浦さんの裸の下に服なんて着れてたな。全然わからなかった・・・って、それより、いくらなんでもふざけ過ぎだぞ』
『へへへっ、ごめーん♪』
呆れた様子で、浩輔は鳴海のことをたしなめた。
『でも、私の凝った演出をもっと褒めて欲しいな。このために、同じ服を二着も用意していたんだよ?それにさぁ・・・』
それまで、裸を晒していたのが嘘のように、服を纏った鳴海が浩輔の顔を覗き込む。
下半身にピッタリと貼り付いたショートパンツから伸びる、チャコットの肌色ストッキング脚から、白いマイクロビキニに包まれた胸の谷間まで、食堂で見せたあの時の服装が再現されている。違うのは、鳴海の身体であるか、森下悠希のボディであるかの、それだけだ。
すると自分のスタイルをアピールするように、鳴海はトップスの上から胸の膨らみを撫でる。それから次第にその手は、くびれのある腰、ヒップライン、秘部の形状までもが浮かび出そうな股間のなだらかな曲線、太腿へと下半身に向かって流れていった。
『クスッ、クククク・・・』
そして、鳴海はパンツのボタンを外すと、ファスナーをジーッ・・と引き下ろす。中から少しだけ見えたマイクロビキニには、チャコットのシームラインが浮かんで見える。今度は、そのラインを指でなぞり始め、その指はパンツで隠れた秘部の上にまで達していく。
そんな、身体のラインを艶かしく辿る鳴海の指の動きを、浩輔はジッと見つめていた。
『そんなことしなくても、言いたいことくらいわかってるよ。ここまで見せられて、ソイツの凄さを認めないわけにはいかないからな』
『んふふふっ、ありがとっ♪』
脱帽したとも取れる言葉を聞いた鳴海はニッコリと微笑むと、浩輔にギュッと抱きついた。
鳴海のたわわな乳房が浩輔の上半身にぶつかり、グニュグニュと形を歪めている。それだけではなく、鳴海の股間は浩輔の脚に絡みつくようにしてグリグリと擦り付けられていた。

20PON:2011/02/25(金) 01:57:45 ID:xg12QFhI
『おっ、おい。鳴海・・・』
『ん?な〜に?』
鳴海からの激しいスキンシップにはさすがの浩輔もたじろいでしまい、話題を少しばかり変えることにした。
『ところで、本物の西浦さんと小夜子は無事にしているんだろうな?』
『ふーん。鳴海がこんなにセクシーなマイクロビキニで密着しているのに、彼女たちのことが心配になってるの?なんだか、ちょっと妬けてきちゃうかも・・・なーんて♪』
拗ねたような表情を見せた鳴海は、首に回していた手を解いて浩輔から離れた。それでも、次の瞬間にはいつもの明るい表情に戻っていた。
それまで感じていた鳴海の柔らかな巨乳や、のっぺりとした股間の感触が消えてしまったのはとても名残惜しくもあるのだが、浩輔はそれを表に出さないよう努める。
『だってよぉ、こういうのってドラマとか映画だと、本物と鉢合わせないように、その女性は捕らわれてるって設定だろ。だとしたら、やっぱり気になるじゃないか』
『へぇー、なかなか核心を突いてくるじゃない?でも、あいにく小夜子は無事だよ。まだ西棟で皆と一緒にいるかもね。ただ・・・』
鳴海は、ニコッと微笑みを浮かべるとロッカーの側へと歩き出した。
そして、含みのある言葉を残した後、そこの扉をゆっくりと開く。
『西浦さんは、このとおりだよ♪』
ロッカーでは、膝上丈のフレアスカートにカーディガンを羽織った西浦沙希が眠っていた。乱れたスカート裾から伸びる肌色のストッキング脚が艶かしい。
『げっ!本当に、そんな所に眠らせてたのかよ?』
『大丈夫だよ、最初は西浦さんもノリノリで協力してくれてたんだから』
ピースサインをして、最初からその予定でいたことを得意気に話す鳴海。
『ただ、起きたままだとバレちゃうかもって思ったから、油断した隙に背後から睡眠薬を嗅いでもらって・・・ね♪』
『・・・お前、やってることは誘拐犯と変わらないぞ?』
さすがにここまで徹底していると、浩輔も若干引いてしまう。
『コレも、浩輔に驚いてもらうためだよ』
『・・・もう、十分驚いてるよ。鳴海だと思った相手が森下悠希で、その彼女の変装の下に西浦さんの変装と小夜子の顔が隠れてたなんて思いもしなかったからな』
『フフフッ、その言葉を待ってたのよね♪じゃあ、コレが鳴海の顔と身体だって判ったところで、今度こそ本当にエッチする?森下悠希が迫ってから、ずっとお預け状態だったでしょ♪』
『おいおい、西浦さんがいつ目を覚ますか分からないこんな所でするのかよ?』
『別に私はそれでも構わないよ。鳴海の自慢のEカップ巨乳と、浩輔のアレをアソコのビラビラに絡ませて浩輔をイかせることができるなら・・・ね。それに、西浦さんに裸を見られるのも面白いかも。だって、浩輔お気に入りの、鳴海のボディがこんなに素晴らしいってことを他の女の子にも認めさせることができるのよ?悪くないじゃない♪』
今ここでセックスを始めるぞ。そう言わんばかりに、鳴海はトップスを捲り上げて胸の谷間を見せた。
『クスッ♪ほらぁ〜、浩輔の大好きな鳴海の美巨乳が、あなたのを挟み込みたがってこんなに揺れてるよ?それに、こっちのほうだってビキニを喰い込ませているだけじゃ物足りないみたいね・・・クククククッ』
ショートパンツの方は、ずっとファスナーが下りたままだったため、手を離して動き出した途端にズルッとずり落ちそうになった。マイクロビキニを喰い込ませた股間の曲線の横からは、ストッキングの股間にデザインされたマチまでが覗けている。そんな自分の身体を眺めながら、鳴海は噛み殺したような笑いを漏らしていた。
『・・・本当に、彼女起きないんだろうな?』
『そうね・・・案外起きちゃうかも。・・・って言ったところで、ギンギンになってるその性欲の塊、抑えることできるの?』
今までの女性は、全て鳴海の変装だった安心感と、今の彼女の格好を見て、浩輔は股間を膨らませたままである。
『いや、その自信は無いけどよぉ・・・』
『だろうね。大好きな浩輔のことだもん、それくらい分かってるわ。ククッ・・・』
『鳴海!おいっ、今そんなことされたらマジで我慢できなくなるって』
鳴海の手は、いまいち踏み切れないでいる浩輔の股間を優しく撫でていた。
浩輔のアレなど扱い慣れている、そう言わんばかりの艶かしい指の動きに、抵抗も無く身を任せてしまう。
『あーぁ、こんなにパンパンに膨らませちゃって。もう、服が破れちゃいそうじゃない♪でも、それを言ったら私だって負けてないかも』
鳴海は、ストッキングの中に手を忍ばせると、ワレ目の中に指を入れてクチュクチュと動かしていた。粘り気を含んだ淫猥な音は、浩輔の耳にもしっかりと届いていた。

21PON:2011/03/03(木) 02:44:09 ID:xg12QFhI
ストッキングをモゾモゾとパンツに掛かるまで脱ぎ下ろした鳴海は、マイクロビキニをグイッと引き上げていた。
恥肉に埋もれるほどに上げられた布地に、鳴海の愛液がじんわりと染み渡っている。
『ククッ、鳴海のアソコの中のビラビラまで貼り付いてるんじゃないかな?中の色まで見えてたりして・・・♪』
鳴海自身には見えていないが、彼女の言ったとおりの光景が浩輔の目に飛び込んでいた。
『すげぇな・・・そんなに興奮してるとは思わなかったぜ』
浩輔は、引き寄せられるように手を鳴海の秘部に伸ばしていった。
『これも、ぜーんぶ浩輔のせいよ?』
『何で俺のせいなんだよ?むしろ、こっちはずっと焦らされてたんだぜ?』
『ふふふっ、教えてあげなーい♪』
意味深な言葉と微笑みを見せてから、鳴海は浩輔のパンツを下ろして男のモノをキュッと握り締める。
『うっ!やけに、上手くなってないか?』
『それはそうだよ。だって、浩輔のことなら何でも知っている鳴海なんだからね。最近、色々と試させてもらったおかげで、浩輔のことがさらに良く分かった気がするんだよね〜』
その指が上下にゆっくりと動き、浩輔は優しく扱かれる感覚に腰を上ずらせた。
すると、そこで鳴海の携帯が鳴った。
『もおっ、何よぉ!これから良いコトしようって時にぃ・・』
携帯を取り、ディスプレイを確認すると、
『あっ、いっけなーい!もうこんな時間?』
何かを思い出したのか、鳴海は急いでストッキングを穿き上げるとマイクロビキニの皺を直し始めた。
『おい、鳴海。どうしたんだよ?』
そう尋ねる浩輔をよそに、ショートパンツをビキニの上に穿き、捲っていたトップスも戻していた。眼前に迫っていたEカップの乳房は、服の上にその存在感を浮かべる程度まで隠れている。
『このフィメールスーツ、特メイ研に返しに行かなきゃいけないの!だから、また後でね』
『ちょっと待ってくれよ、このままほっぽらかしかよ?』
『また、後で出してやるって♪このオッパイに、顔もアレも埋めたい放題にな』
鳴海は、回収した抜け殻を纏めて袋にしまうと、浩輔の目の前で胸のトップスを引き下げて浩輔の好きな胸の谷間を見せつけてやった。
『クククッ・・・じゃあね♪』
浩輔の顔を見てニヤッと笑うと、鳴海は慌しく部室を出て行った。
浩輔の股間には、鳴海の手のぬくもりと指の感触が僅かに残っていた。

22PON:2011/03/04(金) 23:46:39 ID:xg12QFhI
浩輔は、ぽかんとして鳴海が出ていった扉を見つめていた。
『あっ、しまった!鳴海のヤツ、西浦さんを・・・』
部室に残っているのは、浩輔だけではなかった。仲間の西浦沙希も、まだ鳴海に眠らされた時のままであった。
『どうするんだよ?まだ起きていないから良いようなものの、こんな時に目を覚まされたら、何を言われるかわからないぞ!?』
浩輔は、脱ぎおろされたままの下着とズボンを急いで履いた。
幸いにも、沙希が目を開けることが無ければ誰かが入室してくることも無く、あらぬ疑いを掛けられるようなハプニングは避けられた。

『まったく、さっきの鳴海の慌てぶりは何だったんだ・・・』
静かな部室に、時計の秒針の音と沙希の寝息がやけに大きく響いて聞こえる。
『そっか、いつまでも彼女をロッカーにもたれさせたままって訳にもいかないよな・・・目を覚まさないでくれよ・・・』
このまま沙希を置き去りにするのは気が引けた浩輔は、とりあえず座らせてやることにした。
お姫様だっこの要領で抱え上げたが、偶然、カーディガンの裾がパサッと肌蹴てしまった。中には、アイボリーカラーのトップスが、フレアスカートからはチャコットの肌色ストッキングの光沢が沙希の脚線に映えている。
『うん?この服は、鳴海のと同じじゃないか?』
トップスのデザインは、浩輔の記憶の通り、鳴海が着ていたものと全く同じだった。そして、鳴海がマイクロビキニの下に穿いていたものと同じ色のストッキングをスカートの中に穿いている。
『・・・鳴海の服と同じ服を着ているなんて、いくらなんでも出来すぎてるような気がするけど・・・』
浩輔は、何とも言えない妙な胸騒ぎを覚えた。そして、動かされても起きないままの沙希を、至近距離でジッと見つめるうちに、あることに気付く。
『そういえば、西浦さんの胸ってここまでのサイズじゃなかった気がするぞ!?この膨らみからして、DかEはあるだろ?それこそ、さっき鳴海が見せていたくらいのサイズだ・・・』
鳴海や部員たちが聞いたならば、セクハラだ!と非難を浴びそうではあるが、女子部員たちの胸に目を注いでいた浩輔だからこそ、その違いに気付くことができた。
そこからは、浩輔の興味が俄然スカートの中に注がれた。沙希はスカートを穿いているが、鳴海はショートパンツだった・・・もしかしたら、スカートの中にはマイクロビキニの上にショートパンツを重ね穿いた格好なのかもしれないと思ったのだ。
『・・・ここまで来たら、確かめない訳にはいかないだろ』
生唾を飲み、浩輔はスカートの裾を持ち上げようと試みた。
この瞬間を見られたりせぬよう、沙希の顔を小刻みに見ていたが、そこで沙希の首に異変があるのを確認した。
『皮が、弛んでるぞ・・・?』
本来、外的な力が加わらないとできるはずのない皺が、自然と首に浮かび出ている。摘んだら、今にも捲れてしまいそうなほどに。
スカートの中を気にしていた浩輔だが、元々下心から見ようとしたわけではない。スカートを捲るのも忘れ、取り憑かれたように沙希の首の歪みを摘もうとしていた。

23PON:2011/03/06(日) 00:01:49 ID:xg12QFhI
『マジ、かよ・・・』
浩輔は、沙希の顔を狐につままれたような思いで見ていた。
沙希の顔は、浩輔の指によって造形を崩されてしまい、今では見る影も無いほどの平坦なゴムマスクへと変貌している。
『やっぱり、西浦さんじゃなかったんだな。となると・・・』
この顔が偽物と判った以上、取るべき行動は決まっていた。
首の皮を掴んだ浩輔は、沙希の顔を模ったマスクを捲り上げた。
メリメリという感覚と、グニュグニュッ・・と柔らかな弾力の合わさったような不思議な感触を感じながら、生気を失った無機質なマスクとなったそれが、顔から脱がされていく。
口元から上へと捲れるマスクの下から見えてくるのは、沙希とは違った顔立ちの女性だった。浩輔にとっては、一部を見ただけで凡その想像がつくほど馴染みのある顔であったが、その予想が合っているのを確かめるべく、沙希マスクを全て脱がしてしまう。

『まさか、本当に鳴海だったとはな・・・』
予想は的中していたとはいえ、鳴海の顔が現れたのには素直に驚いていた。
しかし、もしや鳴海の顔とてマスクなのではないかと不安になり、首や頬を摘んでみる。だが、これ以上顔が歪むことはなかった。一方、鳴海はというと、そんなことをされようとも起きる気配も無く眠っている。
『さっきみたいに伸びないぞ?・・・ってことは、本物の鳴海なんだよな』
スカートを捲らずとも、沙希の顔をした相手は鳴海の変装だったことが証明された。
とはいえ、これで全ての疑問が解決したわけではない。
『この鳴海が本物の鳴海なら、さっき森下悠希に変装していた鳴海は誰だったんだ?あの、際どい水着を着た鳴海も、違う人間の変装だったってことなのか?確かに、アイツが本物か偽者かなんて調べるヒマもなかったが・・・』
どちらかが偽者であることは理解できても、まだあの時の鳴海が別人の変装だということまでは俄かには信じられないでいた。
『特殊メイク研究会とか言ってたな・・・いくら本物そっくりになれるからって言っても、どれだけアレを重ね着していられるんだよ。鳴海の姿だけでも、2回見せられたんだぞ?それに、森下悠希とか、西浦さんの顔と身体・・・あとは、小夜子の顔も隠れてたし。そういえばアイツ、一昨日に鳴海がコスプレしてたことも知ってたよな!?』
考えを遡らせるうちに、あの日の鳴海ですら本物ではなかったことも自ずと予測できてしまう。
ここまで来ると、浩輔の頭の中には驚きよりも不気味さだけが残った。
『いったい、誰が鳴海に変装してこんなことを仕掛けたっていうんだよ。特殊メイク研究会とかいう、得体のしれない研究サークルの人間の仕業か?』
真っ先に疑うべき存在は、研究会の連中だ。
『でも、何のために俺にこんなイタズラを・・・?何か恨みを買うようなことなんてしたか?』
思い当たるフシもないイタズラに、浩輔はただ不思議がるだけだ。
不思議といえば、机に置いてある一枚のフェイスマスクもそうだ。髪の備わったクシャクシャなゴムのようなマスクを被るだけで、西浦沙希の顔を手に入れられるとは想像し難いものである。
『コレ一枚で、鳴海が西浦さんの顔になってたんだよな。コレを被って・・・』
マスクを手にし、縦横にグイグイと引き伸ばしてみた。
かなりの伸縮性を持っているが、生気を失った状態ではただのゴムマスクにしか思えない。すると、好奇心に駆られた浩輔はそのマスクの入り口を拡げて顔へと近付けてみた。その裏側は、肌色をした世界の中に、顔のパーツ通りに刻み込まれた穴が広がっているだけだ。
『・・・・・』

その僅か後、ロッカーに備え付けられた小さな鏡には、浩輔の服を着た西浦沙希が驚いた様子で自分の顔を見ていた。
『すげぇぞ、コレ・・・声まで・・・』
浩輔の発した声は、完璧に沙希の声に変換されていた。
顔に触れてみれば、その手触りも本物の沙希の顔を弄っているような錯覚に陥る。その錯覚は、沙希の綺麗な顔を摘んでゴムのように引っ張ることで、漸く偽物であったんだと判断がつくほどの完璧なディテールを誇っていた。

24PON:2011/03/10(木) 00:53:18 ID:xg12QFhI
『ここが、サークルの・・・』
『やっぱり、ここに来ちゃうんだな』
部室の扉の前では、達也と美里が顔を見合わせていた。
リストアップした名前を頼りに被害者探しを試みたが、該当者は探し当てられなかった。女性もさることながら、数少ない男性の候補も悉く消去されていき、もうここまで来れば怪盗のことを知る人物とは、達也と同世代の女性と限定されたに等しかった。

『まっ、祝日で授業が無いんだから、こうなるのは自ずと想定はできたけど』
半ば諦め口調で、達也は扉を開けようとする。
『ちょっと待ってくださいよ、そんな簡単に開けてしまって良いんですか?』
怪盗の餌食になった女性の捜索が目的とはいえ、変装を得意とする神出鬼没の怪盗ともあろう者が、やすやすと達也の思い通りにさせるなどあり得ないと考えるからこそ、警戒心を持つよう諭す美里。
『あ、それもそうだよね、じゃあそーっと・・・』
覗き込むようにして、ゆっくりと扉を開ける。
すると、中では松山鳴海が机に伏しながら眠っているのが見えた。
『あれっ、松山さん一人だけか・・・?』
『あぁ、あの人が松山鳴海さんなんですね』
名前と顔まで一致していなかった美里は、顔を見てようやく彼女が鳴海なのかと理解した。
『でも、本物の彼女とは限らないけどね・・・』
『部員が松山さんだけで、しかも眠っているという状況は余計に怪しく見えてしまうわ』
辺りを警戒しながら、二人はゆっくりと部室に忍び込んでいく。
『うわっ!だ、誰だ??』
すると、奥から女性の声が聞こえた。
鳴海だけしかいないと思われたが、実際にはまだ誰かがいたようだ。その声の方を向くと、驚いた表情をした女性が達也のことを見ていた。

『げっ!キミはたしか、河原の・・・』
『ふぅ・・・なんだ、西浦さんだったのか』
達也たちのことを見ているのは、同じサークル仲間の西浦沙希だった。ただ、沙希は葛原明日香のことは知りもしないため、美里のほうにだけ気を取られていた。
『達也さん、本物の彼女と思わないほうが・・・そこで松山さんが眠っているのは、レオンが西浦さんに化けて睡眠薬でも嗅がせたからかもしれないですよ?』
『う、うん・・・この場合、西浦さんが怪盗だって可能性のほうが高そうだよな・・・』
『な、何だよ・・・ジッと見つめて・・・』
距離を置いて様子を窺う達也。それを見て、沙希はどうしたらよいかと動揺している。
そんな彼女を見る二人は、明らかな違和感を覚えていた。

25PON:2011/04/15(金) 00:56:56 ID:xg12QFhI
『お、おい!さっきから黙ってないで、何とか言ってくれよ』
学友の女性が、女性らしからぬ言葉遣いでフォローを求めて来た。
その顔も声も西浦沙希に違いは無いのだが、口調は本来の沙希が話す穏やかなものとはかけ離れている。しかも、彼女は男物の服を着ており、その服には女性の身体のラインが少しも浮かんでいなかった。
『達也さん・・・どう、思います?』
『いくらなんでも、違うよね・・・たぶん。レオンだったら、こんなに下手な変装するのはプライドが許さないだろうし』
『・・・ですよね』
本物の沙希とも、怪盗が変装した沙希ともつかず、となればこの沙希は誰なのか?二人は戸惑っていた。そして、戸惑うのは相手も同じであった。

『キミ・・・西浦さんじゃないよね?』
膠着状態にケリをつけるべく、達也は沙希に尋ねた。
『ギクッ!・・・やっぱり、バレるよな。顔が変わっただけで、さっきの鳴海みたいに身体や性格は真似できないもんなぁ・・・』
ぶつぶつと呟く沙希は、観念したように見える。
『なぁ、美里ちゃん!こんなこと、誰にも言わないでくれよ?もし、ウチの女子連中にでもバレたりしたらあとで何言われるかわかんねぇからよぉ!』
がっくりしたと思えば、今度はすがるように近づき、達也の手を握って真に迫る表情でそう訴えてきた。
『美里さん、この子・・・柴田かもしれない』
『えっ、柴田さん??達也さんの仲間の・・・?』
驚く二人をよそに、沙希は首の皮を掴み、グイッと引っ張り上げた。
沙希の顔がグニャッと歪み、そのまま剥ぎ取られた下からは、思ったとおりの顔が現れたのだった。

26PON:2011/04/15(金) 01:04:39 ID:xg12QFhI
『本当に、そうだったなんて・・・』
男性である浩輔が怪盗と繋がりがあるとは思わず、二人はとても困惑した。
『こっ、これは鳴海が被っていたものなんだよ!何でだか判らないけど、鳴海が西浦さんの顔になってて、でも鳴海はさっきまで水着姿で俺の側に立ってて・・・あーっ!もう、言ってる俺ですらも訳が解んねーよ!』
よく解らぬ弁明をしている様子からして、彼も困惑しているようだ。
沙希マスクの出来栄えもさることながら、彼女である松山鳴海が二人も居たのをついさっきまで目の当たりにしていたのだから、それも当然といえた。

『達也さん、どうしたら・・・』
『しーっ!美里さん、僕はここには居ないことになってるんだから・・・』
『あっ、そうでした・・・』
達也が葛原明日香に変装させられたことは、美里と怪盗レオンの二人しか知らないことだ。浩輔は、自分も怪盗に遭遇したとはいえ、達也に遭った境遇までは知る由も無い。
『達也・・・?マジかよ、達也まで来てるのか!?』
美里が達也のことを呼んだのは、浩輔の耳にも届いてしまったようだ。慌てて辺りを見回すが、ここに達也の姿などあるはずが無く、浩輔はホッと胸を撫で下ろした。
『何だよ、美里ちゃん・・・驚かさないでくれよ。アイツにまで見られたら、何言われるかわかんないんだからさぁ』
『え、えっと・・・すみませんでした。今の出来事があまりに衝撃的で、咄嗟に達也くんの名前を呼んでしまいました』
嘘をついたわけではないが、ひとまずは達也の存在に感付かれないよう、話を終わらせる美里だった。

27PON:2011/04/15(金) 01:12:55 ID:xg12QFhI
『ところで、達也が居なくてよくここに来られたな?』
とりあえず一息ついたところであったが、浩輔はいきなり核心を突く質問を投げかけた。
『それに、そっちの黄色いワンピースの彼女は?』
浩輔の興味は、美里の隣に居た明日香にも向けられていた。可愛らしさを残す抜群のルックスでありながら、胸元から覗く乳房のボリュームとのギャップは、やはり怪盗のターゲットにもなってしまうくらいの魅力が溢れ出ている。
『あ、えぇ・・・と、達也くんとはぐれてしまいまして、携帯も繋がらなかったので、彼を探すならサークルの皆さんを頼ったら見付かるかもしれないと思って・・・それで、そちらの葛原明日香さんにここまで連れて来て頂いたんです』
話に纏まりがないが、その場凌ぎにと何とかして言葉を繕った。だが、プレイボーイの浩輔にとっては、美里の苦し紛れの言葉など耳には届かなかったようで、完全に明日香のことをロックオンしていた。

『へぇ〜、明日香ちゃんて言うのか。なぁ、明日香ちゃんはドコのサークルに入ってるんだ?』
『へっ!?』
『どこにも入っていないなら、ウチのサークルにおいでよ。明日香ちゃんが来てくれたら、またウチは美人が増えちまうな・・・』
これまでのことも忘れ、浩輔は明日香の勧誘に動き始めた。
『まったく・・・こんな目に遭っても、女の子は狙ってるのかよ。これじゃあ、レオンと変わらないな・・・』
『ん?何か言った?』
『あ、いえ・・・何でもないです。ちょっと、独り言です。私、もう別の所に入部しているんで・・・』
明日香の素性など全く知らないが、達也は適当に嘘をついて勧誘から逃れることにした。
『そっか、残念だな・・・でも、気が変わるまでしつこく行かせてもらおうかな』
諦めの悪さは、達也も知っている。それが女性のこととなれば、尚更だということも。自分は本物の葛原明日香ではないが、とてもげんなりした気持ちになった。
『そうそう、あいにく達也は一度もここには顔を出してないぜ?ついさっきまでは、俺と鳴海の二人しか居なかったんだ。でも、ここに居るのが本当の鳴海なら、さっきの鳴海は・・・なぁ、二人とも。ここに来る前に、鳴海のこと見なかったか?』
『いえ、彼女のことは見ませんでしたが・・・』
美里は、正直に浩輔の問い掛けに答え、達也も同調してただ頷く。下手に喋ればボロが出てしまうかもしれないため、極力口数を少なくするために取った行動だ。
『でも、何故そんなことを聞くんです?鳴海さんなら、そこにいるじゃないですか』
『そりゃそうなんだけどさ。ちょっと気になることがあったから』
浩輔は、多くは語らずに答えを濁した。
『ちなみに、鳴海さんの服装というのはどんな感じでしたか?』
鳴海の姿を見たら達也がすぐに気付いたはずだが、彼女を見た覚えは無い。しかも、本物と思しき鳴海はここに居る、となれば、出て行った鳴海の方が怪盗の変装であることは決定的だ。
鳴海の顔で自分たちと出会えば、印象にも残ってしまう。だから、怪盗は服装はそのままでマスクを脱いで顔だけを変えてしまったと考え、美里は敢えてそう尋ねた。
『胸元の開いたアイボリーのトップスにショートパンツで、かなりピッチリした格好をしていたよ。その下に際どいビキニを着てあったけど、全然そんな重ね着をしているようには思えなかったな』
『重ね着ですか・・・ストッキングなんかも重ねてました?』
『あぁ、確かにストッキング穿いてたよ。でも、何でそんなことまで聞くんだ?』
『い、いえ・・・ただ何となく気になったので』
そんな会話を聞いていた達也は、その服装をした女性に心当たりがあった。
『(あの時に、軽く肩が触れた女性だ・・・格好も完全に一致しているし、彼女は怪盗の変装だったのか)』
ロングヘアを靡かせ、脚線美を達也の目に焼きつけさせたその女性は、城山いずみという、妹の亜衣が通う高校の生徒であった。だが、面識も無い顔であったのだから、どれほど達也の視線を注がせる胸元とストッキング脚をアピールしていても、怪盗であるとは判断がつかなかった。

28PON:2011/04/15(金) 01:20:33 ID:xg12QFhI
『ところで、他のお仲間の方々は・・・』
すっかり怪盗が起こした行動にペースを乱されてしまったが、一通り話を聞いた後で、美里たちは本来の目的に移ることにした。
元々ここへ来た目的とは、怪盗の被害に遭った人物を捜すためだ。色々と考えるうちに候補は一人ずつ消えていき、残るのはサークルに関係する学生・・・それも、女子学生に限られたと言って良かった。
『他の連中?あぁ、今は別々に行動しているよ。そのうち、メールで集合掛けてどこかへ行こうと思ってたけど、桃美たちはレポートの準備があるとか言ってたから、夕方頃になるかもな』
『うーん・・・夕方、か・・・』
達也は、小さく呟いた。
自分たちの予想通りならば、全員が集まる夕方を狙うのが一番手っ取り早いかもしれないが、それまでには時間がかなり空いているため、その分だけロスをすることになる。
今は、早く自分の姿に戻りたいのだから、それまで何もしないで待つなどできるはずもない。そして、美里も達也と同じ思いでいるからこそ、二人の選択は決まっていた。

『それでは、私たちはこれで失礼しようと思います。ところで、柴田さんはこれからどうするんですか?』
『そうだな・・・とりあえず、鳴海が起きるまでの間にどうするか考えるよ』
鳴海は、依然として机に伏して眠っている。どうやら、睡眠薬の効き目はまだ暫くは抜けないようだ。
『じゃあ、もし達也がここへ来たら、美里ちゃんに連絡しろって言っておくよ』
『ありがとうございます。それでは、明日香ちゃん。行きましょうか?』
『あ・・・うん』
何事も無く、ここを出られそうだ・・・そう思った拍子に、
『あっ、そうだ。明日香ちゃん!』
と、浩輔が達也に呼び掛けてきた。
だが、達也は自分が葛原明日香になっていることの自覚が乏しく、美里と浩輔の二人が自分の方を向いているのに気付いてから、漸く返事をした。
『・・・・・あっ、はい?』
『返事、おそっ!』
浩輔は思わず明日香に突っ込みを入れるが、その隣では美里が怪しまれなかったことにホッと胸を撫で下ろしている。
それにしても、美里のことをだけでなく、会ったばかりの明日香までも“ちゃん”付けで呼ぶのだから、浩輔の積極性には頭が下がる思いだった。
『明日香ちゃんは、ウチの大学に“特メイ研”ってサークルがあるのを聞いたことある?』
『“特メイ研”・・・?聞いたことないけど』
できれば、早く会話を終わらせてしまいたい。そんな思いから、達也は手短に素っ気無く答えた。
『“特殊メイク研究会”の略らしいんだけどさ。やっぱり、そんなアングラチックなの誰も知らないよなぁ〜。さっきの偽者の鳴海は、どうやら特メイ研とかいうサークルの連中が変装した姿ってことだろうけど、二度も鳴海に化けただじゃなくて森下悠希や西浦さんにまで化けられるなんてなぁ・・・』
ブツブツと呟く浩輔は、先程のことがまだ俄かには信じ難いようである。
二人も、初めの頃は浩輔と似たような驚きを露にしたものだ。しかし、それも今となっては遠い過去のような話と思うのだった。

『では、柴田さん。お邪魔しました』
怪盗が浩輔の前にまで現れたことは、この後話そうと目配せを送りつつ、二人は今度こそ部屋を出ることにした。
『・・・んっ?あぁ、またね』
浩輔もこれ以上は引き止めることもなく、二人を見送ってくれた。
というのも、お辞儀をした二人共が、胸の開いた服から豊かな膨らみを持つ乳房の谷間を覗かせていた為に、浩輔はそこへ視線を奪われて適当な生返事をした結果がそうなっていただけだ。
美里の方は、自分で選んだワンピースであったから大人しめに見えたものの、明日香の服は怪盗が選んだ服だけあって、胸のサイズでは美里が大きくとも、服からチラつくインパクトは美里の比にならなかった。

29PON:2011/04/23(土) 01:53:41 ID:xg12QFhI
『結局、特メイ研とやらの手掛かりは何も無しか・・・まっ、鳴海が目を覚ましたら聞いてみれば良いか。もし特メイ研の連中に眠らされたんだとしたら、その時のことを思い出すかもしれないしな』
西浦沙希の顔を模ったマスクを弄りながら、浩輔は鳴海の寝顔をぼんやりと見ていた。

『えっと、失礼しま〜す』
外から誰かが入室する声を聞き、浩輔はすぐに我に返って沙希マスクを隠した。
きっと、男性の声であったらばここまで瞬間的に動きはしなかっただろうが、聞こえた声は間違いなく若い女性のもので、それもついさっき聞いたばかりの声と気付いた。
そして入って来た相手を見ると、その予想が確かだったと分かる。
『あれっ、明日香ちゃん?』
入って来たのは、レモンイエローのワンピースを着た葛原明日香だ。
胸元のザックリと開いた衣装から覗く乳房の膨らみに、ミニの裾から伸びるストッキング脚、名残惜しく見送ったはずの彼女が再び目の前に姿を見せている。
『どうしたの?それに、美里ちゃんは?』
『何よぉ、せっかく良いことを教えに戻って来たのに、深浦美里のことを気にするなんて』
明日香は畳んであったイスを用意すると、浩輔の正面に出してドカッと座った。
『さっき、浩輔くんが言ってた“特メイ研”ってサークルの話で思い出したことがあったのよね〜』
脚を開いて浩輔の顔を覗き込む体勢だが、ワンピースの裾がその奥が見えるのを隠している。一方、胸元の方は魅力的な乳房の膨らみがユサッ・・と動いて谷間を強調させており、今にも胸が零れ出て来るのではないかという迫力を醸し出す。
浩輔の視線は自然と明日香の胸と脚元へと向いてしまうが、それを悟られないように苦心しつつ話を続けた。
『特メイ研のこと、何か知ってるのか!?』
『噂話程度だけどね。ココの生徒でもない美里に聞かれるわけにはいかないでしょ?だから、私だけ戻ってきたってわけよ』
身体を起こした明日香は、腕組みをしながらゆっくりと脚を組んだ。ストッキング脚をスリスリと擦らせつつ、乳房を寄せ上げる彼女の悠然とした態度に、美里と一緒に居たときの面影は無い。その豹変ぶりに、浩輔は呆気に取られた様子だ。
『何よ、さっきの私とは別人だとでも言いたそうね?言っておくけど、さっきのは言わば余所行きよ。だって、初めて会った人に本性を見せるなんて面白くないもの』
『面白くない・・・か。俺は、会うのが2回目だから良いってことか?』
『2回目・・・ね。そう思うなら、それでも良いけどね。別人だっていうのも否定するつもりは無いし。クククッ・・・』
意味ありげな言い振りをする明日香は、浩輔に向かって小さく、そして禍々しく微笑んだ。

30PON:2011/04/26(火) 01:47:01 ID:xg12QFhI
浩輔と明日香は、机を挟んで向かい合わせに座った。明日香の横では、鳴海が依然として眠り続けている。
『へぇー、コレが特メイ研の作ったマスク?まるでゴムみたいね』
明日香は、西浦沙希の顔をしたそれを弄り回している。
『こんなモノが、彼女の顔に被せてあったってこと?』
『あぁ・・』
『鳴海から脱がし取ったコレを、アンタも被ったの?』
『あぁ・・・』
『得体の知れないモノをいとも簡単に被るだなんて、頭ヘンなんじゃないの?』
『そうか・・・?』
彼女の豊かな乳房が、ユサッ・・と机の上に乗っかっている。そんな目を見張るような光景が眼前にあるのだから、浩輔の視線は明日香の美しい顔よりももっと下に落ちてしまい、明日香の質問も耳に届いていなかった。

『・・・で、明日香ちゃんは特メイ研の何を知っているんだ?』
『うふふっ、知りたいですか?柴田クン♪』
視線を元に戻し、明日香の顔を見た浩輔だったが、その顔と声にビクッと反応した。
『アハハハッ、そんなに驚かないでよ!私の胸ばっかり見て、マスクを被ってたことに気付かないのが悪いんだからね!』
浩輔を嘲笑う明日香の顔は、沙希のマスクにピッタリと覆われていいて、笑う声までも沙希の物に変わっていた。
『どう?西浦沙希が、こんなふうにオッパイをチラつかせながら浩輔を誘惑してきたりしたら・・・』
ワンピースの胸元を引き下げて、浩輔の視線を釘付けにする明日香。
ただでさえ胸元が開いている服なのに、さらに引き下げたものだから、胸を覆うトップスの存在までもが見えてしまう。その布地の少なさは、ブラジャーの役目をどれほど果たしているのかと思えた。
『なーんてね♪沙希がこんなに大きな乳を持ってるわけないわ。浩輔だって、すぐに偽者だって分かるほどギャップがあったら誘惑されても興奮なんてしないよね』
沙希の顔に小悪魔的ないたずらっぽい表情を見せたと思うと、明日香はマスクを脱ぎに掛かった。マスクをクシャッと掴んで顔を引き抜こうとしたようだが、上手くいかず少々手こずっているようだ。
『なに、コレ・・・簡単に脱げないよ。被った時に、すごいフィット感があるとは思ったけど、吸着力もハンパないじゃない』
沙希の綺麗な顔が崩れて、中から明日香の顔が見えると思いきや、強引に引っ張るばかりでは脱ぎ切れないようだった。口元まで捲れてきたものの、そこから先がなかなか脱げていかないでいる。
『イタタタタ・・・私の自慢の髪が痛んじゃうわ。ちょっとぉ、浩輔も手伝ってよ!まさか、まだ私の胸に見とれているんじゃないでしょうね?』
明日香が動くたび、胸もグニュグニュと縦横に弾んでいては、浩輔の目線は当然ながら下に向かってしまっていた。しかし、明日香には自分が見えていないのだからと、そのまま見ていなかったフリをして明日香の頭を支えて助けてやることにした。とはいえ、支えるということはそれだけ明日香の乳房がより近くに見ることができるわけで、これも役得といえた。
『あのなぁ、そんなに乱暴に脱ごうとするからいけないんだろ?ゆっくり丁寧にやったら、楽に脱げるはずだよ』
『もう、そんなに簡単にいくわけ・・・あれっ?』
首から上はゴムのように引っ張られて伸びているだけだったが、一旦被り直してから首の中に指を入れて捲り上げていくと、いともアッサリと脱げてしまった。
『ぷふぅ・・・何なのよ、いったい・・・』
抜け殻になった沙希マスクの下からは、赤茶色の髪と共に可愛らしくも美しい明日香の顔が元通りに現れたのだった。

31PON:2011/05/01(日) 01:44:43 ID:xg12QFhI
『興味本位なんかで被るから、そんなことになるんだよ。明日香ちゃんて、見掛けによらずガサツなんだな』
『ガサツとは失礼ね!これだけオープンで大らかな性格だからこそ、浩輔の大好きな巨乳がこんなに近くて拝めているとも知らないでさっ。どうせ、私を助けるのを口実にしてさんざん胸ばかり眺めてたんじゃないの?』
明日香は、自分の胸を持ち上げてユサユサと動かしている。
『ゴクッ・・・』
ハリと弾力を持った乳房が、今にも零れ出そうなくらいに揺さぶられるのを見て、思わず生唾を飲み込む浩輔。その喰い付きぶりが面白いのか、明日香はワンピースの胸元をクイッと引き下げた。元から開いているデザインであったため、もう横乳から下乳まで見えるほどになっている。
『クククッ・・・正直なんだね、浩輔は♪隣りで可愛い彼女が寝ていても、私のココが気になるんだ?』
ドタバタと明日香が動いていたにも関わらず、鳴海はまだ起きないでいる。
そんな鳴海に向けて、明日香は片手を伸ばした。その細い手は、迷うことなくアイボリーカラーのトップスの胸元に滑り込んでいく。
『おっ、おい!』
『ふぅーん、鳴海もなかなかの巨乳じゃない。でも、明日香様のFカップ美巨乳ほどではないわね』
明日香は、そう言いながら鳴海の乳房を直に揉みしだいていた。そして、もう片方の手は自らの胸を直に触っている。ふにゅっ、ふにゅっ・・・と音が聞こえてきそうな柔らかい弾力を感じ、浩輔はまたも唾を飲み込んだ。
『・・・あれっ、鳴海の乳首が立ってきたみたいよ?そういう明日香も、もうコリコリに硬くなっているんだけど。どうやら、私の愛撫もまんざらじゃないってことのようね♪』
明日香は自分の胸から手を離すと、今度はその手をワンピースの上から押し当てた。トップスと服の上からでも判るくらいに、硬くなった乳首の形が浮かんで見えた。

『明日香ちゃん、ヤバイって!鳴海が起きたらどうするんだよ』
『大丈夫よ、こんなに弄っても起きやしないんだから。・・・だいたい、そんなこと言ってる浩輔だって興奮してるんでしょ?』
靴を脱いだ明日香は、ストッキング脚を浩輔の股間に伸ばした。
『うおっ!?』
『ほらぁ、やっぱりね♪いつから、こんなに硬くしてたのかしら?』
明日香の行為を止めるべく、立ち上がろうと腰を浮かせた浩輔だったが、彼女の脚の滑らかな動きにストンと腰を落としてしまった。
『クククッ、脚コキは初めてなの?ねぇ、ストッキング脚で擦られるのも悪くないでしょ?』
サンタンブラウンのストッキングを穿いた両脚を巧みに動かしつつ、明日香は浩輔の股間の膨らみを刺激してくる。
脚は浩輔の股間に、手は自分の胸と鳴海の胸に触れて弄り回すだけでなく、快感まで与える器用ぶりは、経験豊富な浩輔の舌をも巻かせた。

32PON:2011/05/01(日) 01:52:32 ID:xg12QFhI
『ちょ、ちょっと!マジでヤバいって』
『何よぉ、まだ擦ってそんなに経ってないのにもうイクっていうの?』
浩輔とて多少の刺激ならば慣れているはずだったが、明日香の脚技はその想像を遥かにを超えていた。
『な、なぁ・・・服を着たままでなんてシャレになんないからさ』
さすがに我慢ができなくなり、浩輔は明日香の片脚を掴んだ。
『あっ、ちょっと何すんのよ!』
脚を握られた瞬間、明日香はすぐに脚を引っ込める。
力を込めて握った浩輔の手から、明日香の脚はいとも簡単にスルリと抜けた。
『あれっ!?』
楽にすり抜けるほど力を抜いたつもりはなかったが、手に握ってあるのはサンタンブラウンのストッキングだけだった。まるで、明日香の脚が脱皮したかのような錯覚をしてしまう。
『んもぉ、早く離してくれない?今日穿いてるストッキング、私のお気に入りなの!伝線したら浩輔に弁償してもらうからね!』
『あぁ、悪かったよ・・・』
浩輔は明日香のいたずらから身を守っただけなのだが、高圧的な彼女の物言いに、すっかり自分が悪いことをしたものと思い込まされてしまった。

『あーぁ、こんなに脱げちゃったわ』
座りながら椅子を後ろに引いた明日香は、その上に脚を置いてストッキングを穿き直す。絵面としては、ちょうど狭い椅子の上で片足だけ体育座りをしているポーズだ。
そんな格好をすれば、ワンピースの裾が捲れ上がってその奥まで見えそうになるのはもちろん、胸の谷間の奥深くまでもがそれと同時に見えてしまうのだから、浩輔の股間の反応が収まることは無かった。
『ふーん、明日香のFカップ巨乳だけじゃ飽き足らないみたいね?スカートの奥まで見たいだなんて♪・・・特メイ研のことは、どうでも良くなったの?』
『そりゃ知りたいけどさ。明日香ちゃんが、そうやって誘ってくるんだろ?』
浩輔の言う通り、明日香は聞きたいことをこうしてはぐらかすばかりだ。
『何よ、私のせいだっていうの?浩輔だって、まんざらじゃないくせに!』
明日香の強気な姿勢は相変わらずだ。だが、明日香の言っていることは図星でもあるのだから、それに反論することもできなかった。
『どうせ胸のことよりも、スカートの裾の奥が気になってしょうがないんでしょ?このワンピースなら、明日香の乳なんていくらでも拝むことができるもんね?・・・フン、別に見たければいくらでも見るが良いわ。どうせ、私の大事な所なんて少しも見えないんだから。クククク・・・』
明日香は、心の中を見透かしているぞと言わんばかりに浩輔のことを嘲笑うと、裾をわざと捲らせた。そして、ストッキングを一旦脱ぎ下ろしてから、丁寧に穿き上げていく。
ストッキングの上には、見せパンというには際どすぎるくらいの下着が穿いてあり、サンタンブラウンのストッキングの下にもナイロンの光沢が見えた。それを見た浩輔は、道理でいとも簡単に脚がすり抜けた訳だと納得した。
『うん、と・・・こんなモノかしら?』
明日香は、ストッキングを爪先から股間までしっかりと且つ丁寧に穿き上げると、そのシームの上に黒いハイレグ衣装を重ね穿いた。
布地がキュッと股間に喰い込むのが見えたが、すぐにワンピースの裾がそれを隠してしまった。その裾の奥でモゾモゾと手を動かし、最終調整とばかりに衣装を馴染ませている。ストッキングの皺もそうだが、股を覆う小さな布地のポイントにも細かなこだわりがあるようであった。

33PON:2011/05/01(日) 01:57:43 ID:xg12QFhI
『もう、おふざけは終わりにしてくれるよな?』
『フフフッ♪・・・そうね、色々と遊ばせてもらったから教えてあげようかな』
腰を浮かせて、ハイレグ衣装の喰い込みをクイッと直す素振りの後、やっと裾の奥から手を抜き取った。
その手は、今度は胸の谷間を見せ付けるようにまたもワンピースの胸元を引っ張っている。ブラの位置を直そうというのか、胸元の中で何やら手を動かしているが、明日香の話はそのまま続いた。

『浩輔は、ここのセンセイたちが止めている駐車場の場所がどこだか知ってる?』
『・・・駐車場?あぁ、キャンパスの一番端っこにある広いスペースだろ?ウチの生徒が出入りするようなエリアじゃないけどな』
『そうよ。じゃあ、その一番奥にプレハブ小屋のような寂れた建物があるのは知ってるかしら?』
『プレハブ小屋?教授たちの駐車場に行く用が無いんだから、そんな離れた場所に建物があるなんて知らないぞ』
『・・でしょうね。でも、私はここに来てから全部回ってみたからその場所も知っているけど。浩輔は、この大学のことについてはまだまだモグリのようね。行ったことの無い場所ほど、色々と利用価値ってあるものなのよ?よーく知っておくと良いわ。ククククク・・・』
皮肉を混じらせながら、明日香はニヤリと笑った。
その魅惑的な表情に目を奪われる浩輔だが、その下で胸を弄り回している手の動きにも気が向いてしまい、視線は上を向いたり下を向いたりと定まっていなかった。

『つまりは、特メイ研の活動場所はそこにあるってことか?』
『さぁーね。これ以上のことは、自分の目で確かめてみたら?所詮は噂話のレベルだし、明日香だってそこまで細かくは知らないもの。でも、興味があるなら行ってみる価値はあるかもよ?』
『興味って言っても、そんな気味の悪いモノを作っているサークルになんて入りたいとも思わないけどな。ただ、そんなモノを使って西浦さんとか鳴海に変装して俺に接触してきたんだから、実態くらいは知っておきたい・・・ただそれだけさ』
机の上に置かれた西浦沙希の顔を模ったマスクを見遣る浩輔。
胸を摩ってポジションを微調整していた明日香が、それを手に取った。
『気味の悪いコレを被っていたクセに、興味が無いって言うのはおかしいんじゃない?それに、特メイ研の場所まで知りたがるんだから、本当は興味アリアリなんだって正直に言ったらどう?素直に白状しないと、また私の脚ワザで刺激しちゃうわよ?ククッ・・・』
ハッと自分の下半身に目を遣ると、明日香のサンタンブラウンのストッキング脚がすぐ側にまで伸びて来ていた。

34PON:2011/05/02(月) 02:10:36 ID:xg12QFhI
『じゃあね。特メイ研探し、せいぜい頑張るといいわ』
『あ、あぁ・・・』
特メイ研に関するヒントは教えてもらえたが、妙なことに巻き込まれ、浩輔は浮かない気持ちであった。
もちろん、特メイ研の存在を無視すればそれで済むことではあるが、仲間の西浦沙希だけでなく彼女である松山鳴海にまで化けてしまったのを自分の目で確認している。しかも、顔や仕草、スタイルまで鳴海の姿に変装しつつ淫らな行為に及ぼうとしたのを振り返れば、そのまま野放しになどできるはずがない。気が進まないことに変わりはないが、浩輔が起こすべき行為はもう決まっていた。

『ねぇ、何をそんなにしょぼくれた顔してるのよ?』
部屋を出て行こうとした明日香だが、浩輔の様子が気になっているようだ。
『もぉっ!せっかく教えてあげたんだから、もう少し嬉しそうな顔をしなさいよね!こうでもしたら、もっと喜んでくれるのかしら?』
何を思ったのか、明日香はワンピースの裾を胸の上まで捲り上げた。
『柴田浩輔は、こんな巨乳が大好きなんでしょ?それに明日香のハイレグ水着姿まで見られるなんて、アンタは本当に運が良いわ。鳴海が眠ってくれていたことに感謝するのね!』
明日香は、ワンピースの下に黒の際どいハイレグビキニを着込んでおり、その姿を惜しげも無く見せつけてやった。
しかも、それだけで終わることはなく、腕で胸を抱えるとビキニのトップスをスルリと脱ぎ取ってしまう。腕に隠れて胸の先端まで見ることはできなかったが、グニュッと押しつぶされた柔らかそうな胸の質感は、萎んだ浩輔の気持ちを高ぶらせるには十分だった。
『気の抜け切ったアンタのために、このお気に入りのビキニをプレゼントしてあげるわ。オナニーのネタに使おうが何しようが、浩輔の勝手にして良いから』
胸を隠している腕を離したと同時に、捲っていたワンピースが明日香の身体を隠した。
そして、ワンピースの裾の中に手を忍ばせると、ビキニと一緒にストッキングも脱ぎ下ろしてしまう。ビキニの上下共にくれてやろうというつもりのようだ。
サンタンブラウンのストッキングから滑らかに脚を抜き取ると、光沢のあるベージュストッキングに包まれた脚が中から現れた。脚を上げた僅かな瞬間に、明日香の股間にはさらに深く切れ込む衣装の存在がチラリと見えていたが、浩輔はそちらの衣装よりも身体を倒した拍子にできる明日香の乳房の谷間の方ばかりを気にしていた。
ブラを外しているからこそ、ハリと弾力を備えた明日香の胸の深い谷間はさらに強調され、少し身体を動かすだけで気持ちよさげに揺れて弾んでいるのがよく見える。今にも乳首の突起が見えるのではないかと思えば自然と鼻の下が伸びてしまい、それまでの心配はどこへやら、随分とだらしのない顔になっていた。

『これでも腑抜けた顔をしてたら、ぶん殴ってやるんだからね!』
少し照れくさそうな表情を見せながら、明日香は浩輔に向かって水着とストッキングを放り投げた。
『お、おい・・・そんなことして良いのかよ!?』
浩輔は、明日香が水着の下にも重ね穿きしていたのも忘れて尋ねつつも、それをしっかりと受け取っていた。水着とストッキングの両方には、まだ明日香が穿いていた温もりが残っている。
『見ての通りよ。それよりも、明日香様のお気に入りの水着とストッキングまで受け取ったんだから、もっと喜びなさいよね!ったく・・・』
たくし上げたスカートの下からは、光沢のあるベージュストッキングに包まれた太腿から上が見え、そのストッキングの上にはピンク色のビキニが穿いてあった。先ほどよりも急角度に切れ込んでいるビキニには、ストッキングのシームラインがクッキリと浮かび出ていた。
『それだけ鼻の下が伸びてるってことは、少しはまともになったみたいね。でも、さっきから私のアソコを見すぎじゃないかしら?』
『へっ?そ、そんなことないぞ』
『フン!わざとらしい嘘なんてついて・・・今どき、超ハイレグビキニなんて珍しいものでも無いと思うけどね。マイクロビキニなんて物すらも普通に手に入るくらいだし。まっ、そんなに女の子のハイレグ衣装に興味があるなら、近いうちにまた見せにきてあげても良いわよ?私みたいな巨乳の娘なら、尚のこと嬉しいんだろうから・・・それじゃあねっ♪』
最後に見納めとばかりに身体を前に倒して巨乳の谷間をアピールしてニタァ・・・と微笑んで見せると、明日香はそのまま部屋を後にした。

35PON:2011/05/03(火) 01:17:39 ID:xg12QFhI
『うーん・・・』
浩輔は、机に残ったマスクを弄っていた。
そのマスクとは、西浦沙希の顔を模った物だけではない。もう一枚、葛原明日香のマスクも置いてあった。

『あの明日香ちゃんまで、特メイ研のヤツらの変装だったってことだよな?いや、それとも彼女自身が特メイ研のメンバーってことかもな・・・』
さすがに、何度も騙されたと思えばショックもそれだけ大きくなる。しかし、そのショックよりも、あれだけものの見事に変装をしてしまうことに感心したという気持ちの方が上だった。
『そういえば、西浦さんのマスクを脱いでる時に、やけに首の皮が伸びてた気がするぞ。となれば、あの明日香ちゃんは偽者だと考えるのが自然か・・・彼女に変装して、その上にもう一枚明日香ちゃんの顔をしたマスクを被っておいて、西浦さんのマスクを脱ぐ時に、一緒にこのマスクも脱いで・・・って、そんなことをする意味がさっぱりわかんねぇけど。それに、まだ明日香ちゃんがメンバーじゃないって答えが出た訳でもないし、もう謎だらけだな』
浩輔は、置き去りになったマスクと黒いビキニを眺めながら、この衣装にストッキングを穿いている明日香の姿を思い浮かべていた。

『まぁ、何にしろここに鳴海を置いたままって訳にはいかないな。また、特メイ研の連中が鳴海と入れ替わろうとする危険があるし』
鳴海を見遣れば、すやすやと寝息を立てたままだ。
その眠り方からして、明日香に胸を触られたことは影響していないようである。
『ふぅ、起きるまでしばらく待ってみるか。起こされた時の鳴海って、機嫌悪いもんなぁ・・・』
焦っても仕方が無い、それにここで衝動に駆られるまま動いてもしょうがないだろうと思い、浩輔はこの時間を利用して頭を冷やすことにした。

36PON:2011/05/04(水) 02:30:19 ID:xg12QFhI
『はぁ・・・浩輔の奴も、怪盗の手に掛かってたのか。でも、あの様子だと僕ほどの目には遭わされてなかったみたいだな』
部室を出た達也と美里は、当てもなくキャンパス内を歩いていた。
『でも、柴田さんは“特殊メイク研究会”というサークルに興味を抱いていたようですし、これから何が起こるのか心配ですよ』
『確かにそうだね。怪盗が次の手を打つ前に、被害者の女性を捜し当てなきゃ』
もう人数は、かなり絞り込まれている。ここまでくれば、残りのメンバー一人一人を当たっていくしかない。怪盗を連想させるキーワードでも言えば、相手は嫌でも怪盗レオンのことを思い出すはずだ。
二人は、いよいよ詰めの段階に差し迫ろうとしていた。

『じゃあ、ひとまずは・・・』
これからの行き先を話し合っていると、背後から美里の肩をポンと叩く人物がいた。
『えっ?』
『どーも。その様子だと、友達と一緒になれたみたいね?』
ダークグレーのカーディガンに、タイトなミニスカート、そして黒いストッキングを穿いた女子大生が、美里の横に並んだ。男性の視線を奪う長い脚に、胸元からチラリと覗く豊かな胸の谷間、そしてそのスタイルにも負けないほどの綺麗な顔立ちを讃える相手は、ここの生徒でもない美里のことを知っているようだ。
『あーっ!』
相手の顔を見るなり、美里は人目も憚らず声を上げた。
『あの時は、本当にありがとうございました!おかげさまで、こうして・・・』
そう言って、美里は深々とお辞儀をする。ワンピースの胸元からチラリと覗く胸の谷間のボリューム感は、二人とも良い勝負だ。
『そ、そんなに畏まらないでよ。ただ、購買の場所を教えただけじゃない・・・』
彼女は、栄養ドリンクを探していた美里を助けてくれた人物に違い無かった。服装も同じならば、あの時の出来事も知っている。つまりは、これほどの美人ではあるが、彼女は怪盗の変装ではないということが暗に証明されていた。

37PON:2011/05/05(木) 01:30:10 ID:xg12QFhI
『たつ・・・じゃなかった。明日香ちゃん、紹介しますね。この方は・・・』
美里は、すぐに達也に恩人とも言うべき彼女のことを紹介しようとした。だが、達也は美里の言葉を遮って、
『そうだった!すっかり忘れてた・・・彼女だって、知り合いの中に入れてなきゃいけなかったんじゃないか!』
何かを思い出したのを、思わず声に出してしまっていた。
その何かというのは、美里を助けてくれた彼女のこと・・・即ち、自分のサークルについ最近入部したばかりの秋村麗那のことだった。
『彼女・・・?明日香ちゃん、秋村さんのことを知っているんですか?』
『えっ?私、あなたと会うのは初めてだと思うけど・・・』
明日香の反応を見て、美里は驚き、麗那も別の意味で驚きを見せた。そして、麗那はまじまじと達也の顔を見つめてくる。
『え、あ・・・いや、あの・・・』
自分が葛原明日香の姿になっているのも忘れ、麗那のことを知っている口ぶりをした達也。ただ、思わず口走ったものの、どう取り繕って良いものか達也も焦ってしまった。しかも、麗那ほどの美女がこれほどまじまじと見てくるのだから、さすがに緊張してしまう。
『うーん、やっぱりあなたのこと知らないと思うわ。人違いでもして・・・』
麗那がそう話している途中、硬直していた達也は肩に掛けていた鞄をスルリと落としてしまった。すると、落ちた衝撃でファスナーが開き、鞄の中に詰め込まれていた中身が飛び出した。

38PON:2011/05/06(金) 01:38:34 ID:xg12QFhI
『た、達也さん!中身が・・・』
『わわっ、やばっ!』
美里の呼び掛けに反応した達也は、鞄を慌てて拾おうとしたが、
『何よ、これ。水着とかストッキングばかりじゃない。どこかでイベントでもするつもりだったの?』
麗那の方が先に、中から零れ出た衣装を集めてくれていた。すると、衣装の中にそれらとは違う質感をした何かを見付けた。
『うん?これは・・・ヒッ!!』
麗那が手に取った物は、女性の顔だけでなく乳房や股間の細部までもを再現した肌色の抜け殻だった。
『あっ!あの、コレは・・・そう、特殊メイク研究会の・・・!』
こんな得体の知れない物が怪盗レオンのスキンスーツだなどと説明できるはずもなく、達也は先ほど浩輔から聞いたばかりのサークル名を出した。
『こ・・・これって、まさか・・・あの時の愉快犯!?また、私のことを・・・?』
しかし、達也の言葉など耳にも届かない様子で、麗那は大きく動揺し始めている。
その途切れ途切れに出てくる言葉を聞いた達也は、麗那の様子を覗った。
『あ、秋村さん?今、なんて・・・?』
『いや、やめて・・・こっちに来ないで・・・ヒッ、ヒッ・・ヒック・・・』
『え?・・・えっ?僕、何もしてないぞ?』
それまでの落ち着きぶりが嘘のように、今にも泣きそうになっている麗那。今度は、達也が動揺してしまう。
『あ・・・あぅ・・・』
『秋村さん、秋村さん!?』
『いったいどうしたんだ、彼女・・・?』
美里の呼び掛けにも応えず、浅く小刻みな息遣いでひどくうろたえている様子だ。その反応を見て、美里は発作が起きているのに気付いた。
『いけない・・・達也さん!彼女、過呼吸を起こしてます!』
『過呼吸!?だったら、早くどこかで休ませないと!』
達也は、動けなくなってしまった麗那を担ぎ、急いで近くのベンチまで運ぶのだった。

39PON:2011/05/10(火) 01:09:20 ID:xg12QFhI
『すみませんでした、もう大丈夫みたいですから』
達也は、心配そうに集まった生徒たちに詫びをしている。いくら休日で生徒が少ないとはいえ、急病人が発生したとあっては目立つのも仕方が無かった。

『ふぅ・・・ふぅ・・っ』
『そう、ゆっくり落ち着いて袋の中に息を吐いてくださいね』
美里は、麗那の側に付き添って声を掛けていた。
『元々、過呼吸持ちなんですか?』
少しずつ息が整ってきた麗那は、コクリと頷いた。
『さっきはいきなりでビックリしたけれど、改めて考えると不思議ですよね。また、ここに戻って来て、こうして隣り合って座っているんですから』
今、休んでいる場所とは、美里が麗那とが出会った噴水広場のベンチであった。
時間が経つごとに、辺りに居た生徒たちの数は少しずつ減っている。そうして誰も居なくなった頃、達也もベンチに戻って来た。

『今の騒ぎで、アイツにも僕らの行動がバレちゃったかな・・・』
『どちらにしても、私たちには誰が怪盗なのか見分けがつかないんですから、同じことですよ』
『ちょっ、美里さん!』
『あっ・・・』
美里は口を滑らせて怪盗のことを言ってしまった。だが、慌てて口を押さえたところで言葉を飲み込めるわけでもなく、もうあとの祭りだった。

40PON:2011/05/10(火) 01:24:16 ID:xg12QFhI
『怪盗レオン・・・?』
『えぇ。あなたを酷い目に遭わせた謎の人物は、間違いなく怪盗レオンだわ。だいたい、変装手段を使って人を陥れるような卑怯なやり方は、怪盗の仕業しか有り得ないもの』
3人は、これまでにレオンから受けた被害を話し合った。
『・・・初めて怪盗が私の前に現れた時は、ありきたりなセールスレディの女性に変装していたの。それから次に現れた時には、バイト仲間の七香に変装していたわ。七香に襲い掛かられたと思ったら、七香の変装の下に隠してあった私の姿に化けて姿を晦ませたの。でもそれで終わりじゃなくて、その直後には後輩の女子高生に・・・七香から私に変装した時もそうだったけど、顔からスタイルまで全く違っている上に、学校の制服を着ていつものように甘えてくる千波ちゃんが怪盗の変装だなんてとても思えなかった・・・それこそ、過呼吸なんて起こしてる暇さえなかったくらいに驚いたの』
美里と達也は、その話を静かに聞いている。関係の無い人が聞けば信じるはずもない嘘のような話も、その内容に一切の脚色が無いことを解っているからだ。
『でも、あなたたち二人も私と同じように狙われて、同じ目に遭っているってことなのね?』
『えぇ・・・』
この話を聞いても、少しも奇妙な目で見て来ないのを感じ、麗那は少しずつ気を許していた。その安堵の表情が何よりの証拠だ。
『ねぇ、美里さんは何も無いようだけど・・・あなたは、河原君なんでしょ?』
麗那は、葛原明日香の正体が達也であることを言い当てた。正体を明かす前に当てられてしまい、達也は驚きを見せる。
『そんなに驚かないでよ・・・あっ、言っておくけど私は怪盗レオンなんかじゃなくて本物の私だからね。美里さんがあなたのことを河原君の名前で呼ばなかったら、絶対に気付けなかったわ』
そう言われなくても、二人とも麗那のことを疑うつもりなど最初から無かった。いくら怪盗でも、本当に過呼吸を起こすことまではできないはずと思っていたからだ。
『・・・そう、秋村さんの言うとおり、僕は河原達也だよ。さっき鞄の中から覗いてた、あの人の抜け殻みたいなのを着せられて、今はこうして全く違う姿になってしまったんだ』
『そうなんです。それで、元の姿に戻るためにはこの大学にいる怪盗レオンの被害者を捜し出せって条件を出されて・・・まさか、秋村さんが私たちの捜していた人だとは思いもしませんでしたが』
捜していた人物を見付けられたことは素直に喜ぶべきだが、それが麗那であったのに戸惑いもあった。

『秋村さんの場合、怪盗が姿を見せた時には、アルバイト仲間の人はとっくに狙われていたことを思い知らされたってことですね・・・』
『そうよ・・・怪盗に弄ばれた後、何とか脱出した私はファミレスの倉庫で眠っていた七香を助けだしたの。でも、きっと七香だけでは済まなかったはずね。二人の話を聞いていたら、私のバイト先は怪盗レオンが好みそうな場所であることは間違い無さそうだもの。だから、桃美だっておそらくは・・・』
『そっか、秋村さんと桐原さんはバイトが同じだったっけ』
達也は、桐原桃美が麗那のバイト仲間なのを思い出し、言いにくそうに続ける。
『・・・秋村さんの想像通り、怪盗は既に桐原さんにも変装して現れたよ・・・今の話を踏まえれば、怪盗はうちの大学に来る前に、とっくに桐原さんに化けられるようになっていたってことか・・・』
『当然、顔だけ桃美だったなんてことは・・・無いでしょうね』
『・・・・・』
二人ともその問いには無言だったが、それが答えになっていると麗那もすぐに理解した。ただ、初めて遭遇してから日にちはかなり経過しており、その間に辞めていった仲間が居れば新しく加わったアルバイトも居る。そう考えれば、あとどれだけの仲間が怪盗の手に堕ちたのかが気にはなった。

41PON:2011/05/11(水) 01:45:26 ID:xg12QFhI
『とにかく、これで河原くんは元に戻れるのね?』
確かに目的は果たせたし、約束通りなら明日香のスキンスーツは脱げるはずだ。
『そうなれば良いけれど・・・半信半疑、ってところかも』
『えっ?どうして・・・』
『怪盗レオンだからですよ。私たちのことをおもちゃとしか思っていない相手ですから、また次の罠とか要求を突きつけてくる可能性があるんです。ここまで来るのにも、回り道を強いられましたから』
デートをする話が、栄養ドリンクを買わされたり、麗那を捜すことになったりと色々な条件を出されてきた。だからこそ、これで全てが終わると思えないのも無理はなかった。

『えっと・・・二人にお願いがあるんだけど』
『うん?』
『あのね、私も一緒に行動させてもらいたいの。どうせ、サークルの集まりは夕方からだって話だから時間はあるし』
あとは、怪盗を捜して麗那を捜し当てたと伝えるだけになったのだが、ここで麗那から頼み事を受けることとなった。
『怪盗レオンが私を捜して来いって言ったわけでしょ?それって、怪盗が私にも何かを仕掛けてくる可能性があるわけだし・・・』
麗那の不安はもっともであった。ここで別行動をすれば、麗那に化けて接触を試みて来る恐れは十分にある。美里と達也の関係に気付いていない麗那だからこそ、そう頼むことができた。
『それもそうだけど・・・でも、怪盗に出会う可能性は秋村さんが一人で居るよりもすごく高くなるから覚悟しておいた方が良いかもしれないよ?』
『私たちは慣れてしまったから良いけれど、鞄の中から覗いていた人の皮だけでは済まないですよ?目の前で、あの皮を脱いで違う姿に変装してしまうのは何度も見せられてしまいましたから・・・』
『そ、それは怖いけれど、でも一人で居るよりはずっと心強いわ』
『そこまで言うなら、こっちは構わない・・・けど。ねぇ、美里さん?』
美里が不穏な様子も見せず素直に頷いたのを見て、達也はどこかでホッとした。

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