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お気に入りのローマ皇帝

1カイザー:2002/06/13(木) 23:16
人気投票にも、『ごく稀に』参加して頂いてる方もいらっしゃるようで
すので、ここでもカキコしてくれたら嬉しいです。

好き嫌いはともかく、オクタヴィアヌスはやっぱり偉大です。
アントニウスじゃ、どう考えてもライバルとしては役不足。いっそのこ
と、カエサルが暗殺されずに2人が天下を巡って争うという歴史IFの
方が面白そうです。

155マッティアス:2002/08/30(金) 00:30
そうか、セウェルス朝が元老院にとっての一大転換期なんですね。
五賢帝関係の本で知られる南川高志さんも、実はなにげにセウェルス朝に力入れて
いるのは、やはりそういう理由が…。

でも、ウィテッリウスを皇帝として認めちゃったりとか、ウェスパシアヌスにも
皇帝権を認めたりとか、充分情けないですよね。
もはや元首制なしに現実問題として、国政が立ち行かなかったのでしょうけど。
ピウスにも結局、屈してしまっているわけでしょう。そこで断固とした処置は、
取るだけの力がやっぱり無かったのかなあ、とか。
だって、ピウスはハドリアヌスを断罪するなら辞めてやるぅ〜、とか、かなり
自分の立場に自信をもった挑発的意見を述べてますよね。

カエサルやアウグストゥスが軍事力を背景に独裁者となったのは事実ですが、
とりあえず、見なかったフリをしていた元老院議員の方々に、結局は軍事力を
握ったもの勝ちだと認識させたのが、ネロ死後の内乱かな、と思うのですが。
それとも、ネルウァが弱腰にならざるを得なかったことのが、タキトゥス辺りには
印象深かったのでしょうかね。
最近、歴史家の記述に関する、彼の生きた時代の影響、というものについて、少し
考えるようになりました。

156カイザー:2002/08/30(金) 23:30
現実問題としては元老院は皇帝に従属してるんですが、建前としては元老院が皇帝
を選出してるという形式がありますよね。
少なくともユリウス朝〜五賢帝時代までは、その建前が実質的な意味も(ある程度
は)持っていたと思います。元老院からすれば、ガルバもウェスパシアヌスも俺達
が認めてやったから皇帝になれたんだろうという、認識だったんじゃないかなと。
アントニヌス・ピウスにしても、万一にもハドリアヌスの神格化を拒否させてしま
う(=帝位継承の正当性が否定される)訳にはいかないから、かなり必死の抵抗を
したという見方を私はしています。

タキトゥスは五賢帝時代の人ですからね。基本的にドミティアヌスは嫌いみたいで
すね。親父さん粛正されちゃってますし。

157マッティアス:2002/08/31(土) 21:47
えっと、タキトゥスの実父が粛清されたのですか?
舅のアグリコラは、皇帝の政治方針(ていうか帝国運営)と合わなかったから、
ゲルマニア総督から更迭されたけれども。別に罰せられたわけではないですからね。
そういえば、アグリコラもフラウィウス時代にパトリキに列せられた人でしたね。
タキトゥスにとって、ドミティアヌスが他の暴君より憎いのは、おもいっきり同世代
だってのがありますよね。4歳くらいしか違わない。
だから、ドミティアヌスが生きていた時は、コイツが死ぬのって、俺より後かもな〜、
とか、コイツが死ぬ頃にはじじいになっちゃうぜ、とか思っていたのでしょうね。
ネロが若くて健康な分だけ、不平分子が思いつめたのと一緒で。

158カイザー:2002/09/01(日) 02:27
タキトゥスの親父さん=アグリコラのつもりで書いてますね。実際は義父でした。
先日、眺めてた年表でアグリコラが更迭された翌年に殺されてると書いてあったん
で、ドミティアヌスがやっちゃったもんだと単純に思ってたんですが、ちゃんと調
べないとダメですね。
一応、手元のタキトゥスの「アグリコラ」を読み返しました。
アグリコラはドミティアヌスのアシア総督かアフリカ総督への就任要請を辞退した
直後に急死しており、毒殺されたという噂があってタキトゥス自身も疑いの目を持っ
ているように記述されています。タキトゥス本人はこの頃は地方の軍団で勤務して
て真相を直接見聞きしてた訳ではないようですが。

それにしても「ローマ皇帝伝」とか「ゲルマニア」とかの訳本関係は読んでも右か
ら左に情報が素通りしてしまってちっとも頭に内容が蓄積されません。カントとか
の哲学書なんかに比べれば全然マシですが。

159マッティアス:2002/09/02(月) 17:36
皇帝伝は、笑える部分だけ記憶に残るという、まさに週刊ポスト歴史版ってカンジ
ですよね。前兆だとかそういうのはあんまり覚えてないのですが。
オト〜ドミティアヌスはわりかし記憶に残っているのですが、それは愛(笑)?
岩波文庫版でいうと、上巻より下巻のほうが面白かった。とか言ってるから、到底
オクタウィアヌス・ファンには思われないんですよね(反省)。

160カイザー:2002/09/02(月) 21:39
「ローマ皇帝伝」の場合は訳者の国原先生に遊び心がなさすぎなのが惜しいところ
です。
『激報!!カエサルはオクタヴィアヌスの童貞を奪った!?』みたいな見出しがあ
るだけで、100倍は面白くなるのに。歴史史料なのに、本当にそんな内容ですも
んね。まともな部分もあるんですけど。
それにしても、スエトニウス自身は自分の記述について、どんな感想を持ってたの
か不思議。情報がゴミかどうかは、読み手が判断しなさいという挑戦状ということ
でしょうか?

161マッティアス:2002/09/02(月) 22:34
スエトニウスは、ただ自分の趣味に忠実だったんじゃないでしょうか?
国原先生は、タキトゥスには結構ピッタリですが、スエトニウスの内容とはどうか
とかつては思っていましたが。文体と内容のギャップが最近快感☆です。

でも、週刊誌風にやれば、「それどころか、ドミティアヌスはネルウァにだって
抱かれてたんですよ(事情に詳しい元老院議員Tさん談)」みたいなカンジで、
すっごい読みやすそうですよね。誰か超訳!とかやればいいのに。
風俗情報誌というか、すっごく下世話で面白いのが、マルティアリスなのですが、
一般に販売されていないようですね。残念。
ていうか、ゴシップ系のが、内容カスだろうと信憑性薄かろうと、面白いから
残るんですね。ポリオやリウィウスって残ってないのでしょう?
書物ってのは、昔から読者がいてナンボなんですね。つくづく思いました。

162カイザー:2002/09/03(火) 00:13
今、皇帝伝の訳者後書きを見返してみたんですが、国原先生の考えの固いこと。
もうちょっと、普通の読者への分かりやすい解説をつけてあげればいいのに。コル
ブロとアグリコラがさも有名人かのように名前があがってますが、普通の人は名前
も知らない思うんですけどねえ。
この解説だけを読んでると「ローマ皇帝伝」が普通の歴史史料に見えるから不思議
なもんです。

163マッティアス:2002/09/03(火) 09:49
大真面目な方が、キワモノ文学の訳をやると面白いですよね。後書きとかで、超☆
言い訳というか、もっともらしい解説をしているのが、微笑ましい。
国原先生は、「サテュリコン」の訳もやっていたと思うのですが、あれこそ甚だしい
ミスマッチですよね。後ろに載ってる「アポコロキュントシス」のほうがまだ、
国原ワールドにふさわしいような気がします。
マルティアリスのほうは、慶応の言語文化研究所で出しているため、言語学的解釈
が中心なのは仕方ないのですが。解説では性的用語を横文字で書かれるので、
何が何だかよくわかりません(笑)。稚児でも、どういう行為をするとか、年齢で、
元の言葉が違うみたいなんですよね。教授の苦しさが伝わってきます。

164カイザー:2002/09/03(火) 22:12
日本にいるとなかなか西欧の古典資料は読めませんもんね。英語ぐらいなら自力で
読めないとお話にもならないというのは、素人には手が出ない世界です。学者先生
には少しでも多くの資料を日本語に翻訳して欲しいですね。とりあえず、ディオ・
カシウスとプロコビウスあたりの日本語訳が読みたいです。
もしかして、マッティアスさんはアンナ・コムネナの書いたアレクシウス1世の伝
記を自力で読まれたんでしょうか?だとしたら、尊敬します。

165マッティアス:2002/09/03(火) 22:23
語学力の無さは半端じゃないので、アレクシウス伝なんて読めるわけはありません。
その力があるなら、イスラム側の資料をもっと読んでいたでしょうね。
ディオ・カシウスはともかく、以前も書きましたが、ヒストリア・アウグスタは
『五賢帝』の南川先生が訳しているようなので、その頃までローマ史飽きていなけ
れば、購読しようと思っています。
ていうか、塩野さんの去年出したインフラのやつすらまだ読んでいないのですが、
今年こそ哲人皇帝(とそのバカ息子?)の、出ると思います?
なんか、↑この人すっごく塩野さん的に萌え要素なさそげですが。
この後、塩野さんが恋できる人物が出てくるまで、時間かかりそうですし、女史
はキリスト教は結構ニガテそうなので、ちゃんと完結するのか心配です。

166カイザー:2002/09/05(木) 00:43
塩野七生は好き嫌いが露骨過ぎますね。
先日、デラさんも掲示板で書いておられましたが、彼女のカエサル贔屓は逆にカエ
サル嫌いの人間を産みだしてしまうと思います。とりあえず、私は「ルビコン以前」
「ルビコン以後」を読んでカエサルの評価がガタ落ちしました。それまでは、普通に
評価してたのに。
逆に塩野さんがやる気をなくしてる(って分かってしまうのも本当はどうかと思いま
すが)オクタヴィアヌス以降の比較的冷静な記述はいい感じです。歴史系の作品はや
っぱり、淡々と事実を語ってて、それでもさりげなく自分の意見をちりばめるという
作品の方が読んでてわくわくします。

167マッティアス:2002/09/05(木) 22:09
そうですね。あのカエサル贔屓はめっちゃ引きました。ていうか、もともとあまり
カエサルに興味を持っていなかったせいもあるのですが(←ローマ史ファンか?)。

塩野さんの、オクタウィアヌスを評価はしてるけど、愛は持てないの。でも、愛が
ないからって彼の功績は認めてないわけじゃないのよ?カエサルには及ばないけど。
ってカンジの文章が、すっごくオクタウィアヌス・ファンとして切ないなあ、と。
彼女が、好きなのかどうでもいいのかはっきりしない、ハドリアヌス、ティトゥス
あたりは、ときどき、適当書いてねぇか?などと思うのですが。
いちばん、いい加減というか愛がないと感じたのは、ネルウァですかね。
女の人ってわりと、好きか嫌いかどうでもいいか、文章に如実に出る気がします。

個人的には、海音寺潮五郎やアミン・マアルーフ、ブノワメシャンあたりの語り口
が結構好きなのですが、弓削先生のミョ〜に文学的な文章もドキドキ☆

168カイザー:2002/09/07(土) 11:30
カエサルは塩野七生に限らず、やたら高い評価を受けてる人物ですよね。
別段カエサルを貶めようとは思いませんが、世界史上における最重要人物みたいな
言われ方をされると違和感を感じます。
カエサルが生き残って皇帝となる方が、オクタヴィアヌスの築いた帝国より、短命
なんじゃないかなと思いますね。

そういえば、海音寺潮五郎って読んだことないんですよねえ。お奨め作品とかあり
ますでしょうか?ちょっと、気になるのが田中芳樹の中国歴史小説の類。地雷なん
で、近づかないのが一番という評判をしばしば見かけるのですが、読まれたことは
あるでしょうか?

169マッティアス:2002/09/07(土) 20:48
田中芳樹はアルスラーンしか読んだ事ありません。アルスラーンって名前が、
第一回十字軍の被害に真っ先にあったトルコの17歳のスルタンと同じだったので
何となく、だし(苦笑)。田中先生、マアルーフ大好きっぽいですね。後書き読むと。

海音寺は小説より、『悪人列伝』とか『武将列伝』あたりが読みやすくて好きです。
このノリでローマ皇帝についても書いて欲しかった。小説なら『平将門』とか。

カエサルは評価されてしかるべき人物だとは思いますが、破壊型の英雄で、建設型
ではないように思うのです。戦国武将でいえば、信長系で既存の秩序を一気に崩して
発想もすごいんだけど、ちょっとゴ〜インすぎるというか。彼の「寛容」についても
ほんとはいろいろ言いたい所ですが、控えます。
オクタウィアヌスはその点、建設型なんですよね。「ゆっくり急げ」じゃないですけど
長いスパンで物を見て、考えられるタイプかなあ、と。

170カイザー:2002/09/08(日) 00:15
そうそう、どっちかというと政治改革者としてはオクタヴィアヌスの方が向いてる
んじゃないかなと思うんですよね。カエサルはどっちかというと方向性を定めて人
を引っ張る力に優れてるとは思うんですが、パフォーマンスなしの地道な政治活動
をしたりするイメージがわき上がってこないんですよね。
三国志でいえば、董卓みたいなタイプが以外と近いかもしれないですね。ただ、董
卓と違ってカエサルにはオクタヴィアヌスという史上最高の後継者が控えていたの
が最大の違いでしょうか。オクタヴィアヌスがあっさりアントニウスに負けてたら
ローマ帝国の滅亡はメチャクチャ早そうです。

171マッティアス:2002/09/08(日) 11:03
ていうか、アントニウスが勝ち残っちゃったら、内乱がもう1世紀くらい延びたかも
知れないですよね。↑は対外戦争とかは得意そうだけど、政治的なアタマが全然、
ないですからね。
カエサルにはオクタウィアヌスという最高の後継者がいただけで、タイプ的には
董卓ですか(笑)。刺されても知りませんよ。ああ、でもアントニウスって呂布と
近いかも。(カイザーさん、怒ってます?)
こんな事を言うと、またまた刺されそうですが、カエサル贔屓の方って、オクタウィ
アヌスの功績まで、カエサルのおかげのように言うじゃないですか。そこら辺がね、
ちょっぴり引いたりするんですよ。

172カイザー:2002/09/08(日) 15:20
董卓かっこいいじゃないですか。黄巾の乱で温存した兵力を利用して、政権を奪取
し宦官を政治の場から追放して士大夫を登用するというのは、カエサルに通じるも
のを感じます。董卓には董卓なりの政治ビジョンがあった筈です。
その後、地方軍閥の反乱が起きて洛陽を放棄してからのやる気のなくしっぷりが、
過剰に記述されて非難を浴びまくってるわけですが。

カエサルはいい時に死んだなと、思うんですよね。独裁権を10年も持ち続けてれ
ば、絶対に元老院の反発を招いたでしょうし、必ずしもローマ市民がカエサルの味
方であったとも思えません。
カエサルの死は、敢えて反カエサル派を矢面に立たせて敵対勢力を一掃出来た上に、
カエサル派内部の分裂でアントニウス=反元老院派、オクタヴィアヌス=元老院派
という、都合のいい状況を作ることが出来た訳ですから。
とは言っても、必ずオクタヴィアヌスが勝利するという保証もなく、ブルートゥス
達がもっと有能で人望があれば、カエサルの野望を受け継ぐべき人間がいなくなっ
てしまうんですけどね。

173マッティアス:2002/09/08(日) 22:16
まあ、カエサルがイイカンジに政策を進めつつ、いい時期に亡くなったからこそ、
我らがオクタウィアヌスが登場できたわけですよね。ほんと、あと10年生きて
いたら、彼に対する反対勢力も育っていたと思うし、もしカルプルニアなり、他の
ローマ市民の女性(その場合はカルプルニアと別れて再婚しているのかな)との間なり
に子供ができていれば、オクタウィアヌスが後継者に指名される事は無かった、と
考えられますよね。
オクタウィアヌスが事実上の帝政を打ち立てたのって、カエサルの先見の明ってより、
偶然とオクタウィアヌス本人の努力に負う部分が大きいと思います。アグリッパと
いう、忠実にして有能な相棒に出会えたのも、素晴らしい幸運ですよね。

174カイザー:2002/09/09(月) 23:43
確かにカエサルが存命でカエサルの息子が成人してたとしてら、ちょっとオクタヴィ
アヌスが独裁者となれたとは考えにくそうですね。オクタヴィアヌス以外の人間でも
帝政の礎を築くことが出来るとは、思えないんですよね。始皇帝なみに有能な人間は
そうはいないでしょう。
オクタヴィアヌスにとってのカエサルは偉大な先駆者であると共に、失敗を犯した反
面教師でもあると思うのです。あまりにも、独裁者であることを露骨に表現しすぎた
カエサルをマネしてはまずいという気持ちは、間違いなくオクタヴィアヌスにあった
はずです。

175マッティアス:2002/09/09(月) 23:54
そうそう。カエサルに憧れ、尊敬はしていたけれど、何でもかんでも彼の真似とか、
継承ではないのですよ。
カエサルがいたからこそ、オクタウィアヌスも(歴史上の人物として)存在しえたと
いうことを否定する気はありません。カエサルの急ぎすぎた改革の良い面、悪い面
をキチっと見据えて行動するクールさ、現実的な視点、そういうところがオクタウィ
アヌスの偉大なところですよね。
地に足がついた改革者(もしくは再建者)としては、系列も功績も全然違いますが、
ウェスパシアヌスもすごいと思うのですよ。五賢帝以上に。
ていうか、前期のことしかまったく勉強してないから、ディオクレティアヌスとか
コンスタンティヌスのこととかは評価する知識のベースがないので、きっと異論や
不足点への指摘も多いと思いますが。

176カイザー:2002/09/11(水) 01:21
基本的に前期帝政の皇帝達って、恵まれてると思うんですよね。
蛮族に対しては軍事力で圧倒してるし、帝国内の政権も比較的安定していたお陰で、
(全くなかったわけではないですが)属州軍が皇帝を擁立し続けるという、危機的状
況に直面することもなかったわけですから。
コンスタンティヌスを例にすれば、クリス・スカーをざっと見れば分かるでしょうが、
ディオクレティアヌスの四分統治を力尽くで叩きつぶして、統一政権を作り上げて、
また一族で分割統治体制を行うという、いい意味でも悪い意味でも無茶苦茶なことを
やっています。
四世紀の皇帝達は基本的にメチャクチャ有能だと思うんですよね。ティベリウス級の
皇帝が統治してて、それでも破綻に向かいつつある時代なんじゃないかなと。その割
にホノリウスみたいな馬鹿タレが一生を全うしてるのが不思議な所なんですが。

177マッティアス:2002/09/11(水) 22:16
う〜ん…有能な人って行き急いでしまうのかなあ?
ティベリウス級ってめちゃめちゃ有能じゃないですか!ああ、でも敵を作りやすそう。

コンスタンティヌスは有能なのだろうと思いつつ、キリスト教がニガテなのと、
「背教者ユリアヌス」の怖いイメージで、まともに考えようとするとうなされそう
なんですよね。長男と妻の殺し方が怖いよう(T_T)。

178カイザー:2002/09/12(木) 23:15
皇帝達全員が有能という訳ではないですけどね。
とりあえず、ディオクレティアヌス、コンスタンティヌス1世、ヴァレンティニア
ヌス1世の3人は歴代皇帝の中でも屈指の実力者だと思います。

コンスタンティヌスの長子クリスプスと後妻のファウスティナの死は大帝の汚点に
数えられますね。同僚皇帝リキニウスも騙し討ちで滅ぼしてるし、生き残るという
のはきれい事ではないのでしょう。

クリスプスさえ生き残っていれば、あのモンタネッリも嘆き悲しんだことで有名な、
コンスタンティヌス2世、コンステンティウス2世、コンスタンス1世という、ロ
ーマ史上最も鬱陶しい名前の皇帝達の3分統治は実現しなかったと思うと、残念で
仕方ありません。(←論点が違う)

179マッティアス:2002/09/12(木) 23:23
はっはっは〜☆ 確かにウザいことこのうえないですよね。誰が誰やねん?てカンジで。
クリスプスと後妻の話って、中国にも似たようなのありますよね。
やはり、長男は大人になると、父にとって最大のライバルということでしょうか。

暗いし、良いイメージはないけれど、ユリアヌスを後継者にしたコンスタンティウスは
なかなか悪くないと思いますよ。なんだかんだで、うまいこと統治してますよね。
ユリアヌスの兄ガルスは影うすいっていうか、ビミョ〜にバカっぽいイメージなのは、
辻さんの作品のせいなのか、史実なのか。

180カイザー:2002/09/13(金) 23:40
ギボンでもガルスは雑魚キャラ扱いですね☆副帝に取り立てられて、すぐに解任&
謀殺というだけの記述でした。

コンスタンティウス2世は、何とも言い難い人物ですね。父コンスタンティヌスの
死後に起きた皇族の大量粛正事件の黒幕と言われていますが、具体的には根拠がな
さそうですね。
基本的にコンスタンティウスはラッキーマンですね。兄と弟は自滅で滅んでしまい、
反乱を起こした対立皇帝のヴェトラニオが一戦もせずに降伏したのも幸運です。
唯一のゲルマン皇帝マグネンティウス戦の間も修道院に閉じこもってお祈りに毎日
の時間を費やしていて、配下の軍がムルサで勝利を収めたそうです。
ローマ(に限ったことでもないでしょうが)では、君主たる者は自ら戦場で戦うべ
きだという考えが支配的なんで、自然と評価が低くなったというのはあると思いま
す。
偏見なんでしょうが、謀略とかが得意そうなイメージが固定観念になってます。

181マッティアス:2002/09/13(金) 23:48
謀略家って別に悪い事じゃないと思うのに、心理的嫌悪感を感じる人が多いせいか、
それだけで悪役決定ですよね。マキャベリストな私は、結果的に良い方向へもって
行けるなら、そして被害が最小限に押さえられたなら、全然アリだと思ってしまう
ほうですね。
「背教者ユリアヌス」を読みながら、怖い人だけど、コンスタンティウス2世のが
結果的にはユリアヌスより良い皇帝だったとしか思えませんものね。
そこは好き嫌いとは切り離せるのですが。それも人によりけりだから、いい加減。

182カイザー:2002/09/14(土) 11:58
ユリアヌスよりも、コンスタンティウスの方が無難な人物でしょうね。でも、何とな
くコンスタンティウスの帝国統一事業には結果オーライ的なイメージが根強く頭にあ
るんですよね。親父さんが凄すぎるだけなんですが。

ユリアヌスの異教復興政策はキリスト教に完全に侵されつつある帝国にとっては、マ
イナス面の影響しか与えてないんでしょうね。どう頭の中でシミュレーションしても
、最後はキリスト教が異教を駆逐してしまうという結果以外が思いつきません。
シャープール2世を相手にしたペルシア戦争で勝利してても、いずれは暗殺されちゃ
いそうですね。

183マッティアス:2002/09/14(土) 22:15
そうなんですよね。なんだろう、哲学は得意だけど、下々の心理学に疎いというか、
何かすがるものが欲しいけど、学問に費やすお金も時間もない一般民衆の存在が、
まったくあたまにないんですよね、ユリアヌスって。

コンスタンティヌスがホントに洗礼を受けたのかは、ちょっと疑問ですが、そのへん、
すっごいクールですよね。民衆にとっての宗教の重要性がちゃんとわかってる。
キリスト教徒を公認はしたけど、多神教を否定したわけではないし、ユダヤ教徒も
保護したりしているでしょう。そういうところはすごいと思います。

184カイザー:2002/09/16(月) 16:03
コンスタンティヌス大帝はキリスト教徒とは違うでしょうね。洗礼によって、洗礼前
の罪が許される(っていいのか!?)ということで、死の直前まで洗礼を受けなかっ
たというエピソードは功利的なコンスタンティヌス1世らしいですね。
ただ、コンスタンティヌス1世も自分が保護したキリスト教がローマの古代宗教を叩
き壊してしまうことになるとは予測出来てなかったような気がしますね。キリスト教
徒でありながら、異教にも寛容だったというヴァレンティニアヌス1世にも言えるこ
とですが。
民衆は皇帝が思ってるほど、理性的ではないんですよね。そういう意味でユリアヌス
異教復興政策には賛成なんですが、成功率が限りなくゼロに近かったとしか言えなく
なってしまいまうんですよね。

185マッティアス:2002/09/16(月) 22:22
う〜ん…やっぱり識字率が低い国と時代にあっては、最高の教育を受けられる特権階級と
一般民衆の精神世界はかなり違うでしょうね。
哲人皇帝なんて、民衆にはとても理解しがたい、知的で内省的な文章をお書きになって
いらっしゃいますが。(ていうか私もついていけません)
ユリアヌスには共感も同情もできるけど、皇帝として評価する場合、あの民情への疎さは
どうしてもマイナスにならざるをえませんよね。
理想家肌の人は、大体、失敗しますね。プラトンじゃないけれど。

186カイザー:2002/09/16(月) 23:14
考えれれば、ローマ皇帝史上最も潔癖好きとも言える、マルクス・アウレリウス帝が
20年以上に渡って帝位を保持し続けて軍隊からも支持を得ていたというのは、凄い
ことなんですよね。私なら3日ぐらいで妥協してしまいそうです。
そんな偉大なる哲人皇帝でもコンモドゥスの様な野獣の本性を見抜けなかったという
のは痛恨の極みです。息子は可愛いんでしょうねえ。
読んでないのですが、マルクス帝の著作は愚痴を小難しく書いてあるだけだと聞いて、
そんなもんなのかと勝手に納得しているのですが、違うんでしょうか?

187マッティアス:2002/09/17(火) 10:28
なんて直截的な表現(;^-^A。 でもそうかも。愚痴とノスタルジーかな。
マルクス・アウレリウスって14人くらい子供いたわりに、自分の死後まで生き残った
のがよりによってコンモドゥスとルキッラしかいなかったんですよね。
わりと有名ですが、彼はめっちゃ愛妻家だし。ファウスティナって肖像みる限り、
フェロモン系美人ですからね。わがままなとこも可愛かったのかなあ、とか。
コンモドゥスもね、多分母親と似たような愛らしいわがままさがあって、父親は
溺愛しちゃったんですよ(かなり強引な解釈)。
ていうか、自分の息子で健康体で成人したのがいるのに、わざわざ他を後継者には
普通しませんよね。そのへん、「グラディエーター」ちょっと不思議。

188カイザー:2002/09/17(火) 20:19
「グラディエーター」を見てても、何でマルクス帝がコンモドゥスを帝位候補者から
外したか理解出来ないですね。・・・というか、史実に忠実であればマルクス帝の死
ぬ前に正帝(アウグストゥス)に昇進してるのを製作陣は知らなかったのでしょうか?
せめて、マクシムスにアントニヌス家の血縁者と結婚させてコンモドゥスとの共同統
治体制を取らせようとしたというストーリーの方が、リアリティがありますね。

せめて「利家とまつ」ぐらいのリアリティが欲しかったです。
こんなとこに拘ってあの映画を見るのは多分普通じゃないんだろうなあ(笑)。

189マッティアス:2002/09/18(水) 22:17
まあ、モブがジーパンはいてたりする映画ですからね。ただのスペクタクルなんです。
グラディを観て、哲人皇帝のあまりのじじいっぷりに驚いた方も多そうですよね。
コンモドゥスは長身で美形で金髪だもん、という批判(?)もありましたよ☆
ホアキン・フェニックスはうまい役者だけど、体育会系には見えないので、ほんとに、
ネロとかカリグラとか、カラカラとかドミティアヌスあたりのほうがハマリかも。

でも、ハリウッドの歴史スペクタクルの史実無視を気にしていたら、オペラはもっと
びっくりですよ! モンテベルディ「ポッペアの戴冠」はアリなのか?

オクタウィアを厄介払いして、ポッペアはネロをゲットしました。愛の勝利だね!
メデタシメデタシ。(ネロとポッパエアの愛の二重唱で幕)

こんな展開、許されるのかなあ、と思うけど。一応、当時のコンセルヴァートリオ
(音楽院)ではプルタルコスとスエトニウスがほぼ必須だったらしいのに。

190カイザー:2002/09/19(木) 02:49
ジーパンを吐いてるエキストラがいてたのですか?全然、気付かなかったです。

「ポッペアの戴冠」というオペラがあるのですね。
ネロとポッパエアがカップルになってハッピーエンドというのはふざけてますね。
オクタヴィアはこの世から消され、ポッパエアの夫オトは離縁させられてるし、そ
もそも肝心のポッパエアがすぐに不審な死に方をしてるということを無視してると
いうのは、何でもありですね。
オペラとかミュージカルとは無縁の人生を歩んでいるので良くしらないのですが、
そんなもんなのでしょうか?プルタルコスとスエトニウスを読んでるのなら、悪女
ポッパエアの策略を見せたダークなお話にしても良さそうですよね。

191マッティアス:2002/09/19(木) 10:50
バロックの基本は愛のすべてへの超越、ですからね。
正義と貞淑の女神が幸運の女神とどちらが優れているか言い争っている所に、アモール
が現れて、愛がいちばんだろ?っていうのが序章ですから。ポッパエアはアモールの
恩寵を得ているわけです。貞淑の女神のひいきのオクタウィアに勝てちゃうのですよ。
オトはポッパエアの侍女で、もっと若くてオトに夢中の乙女(オトのためなら死ねる)と
くっついて、ネロに死罪一等を免れ追放刑(ていうかハネムーン?)になるから、全然
不幸じゃないのです。

まだ粗筋がよくわかっていない(図書館でリブレット入れ忘れられた)モーツァルト
の「皇帝ティートの慈悲」とか「ポントスの王ミトリダーテ」も多分、歴史人物に名を
借りたメロドラマでしょう。そういえば、ネロ時代ものは多いみたいですね。カエサル
とともに。やっぱり派手だから?「エラガバルス」なんてのもあるらしいです。

192カイザー:2002/09/19(木) 23:28
ティトゥスとベレニケの悲恋ネタはヨーロッパではポピュラーだと聞いたことはあり
ますね。モーツァルトもそれをモチーフにしてるんでしょうか?
タキトゥスがあれこれ書き残してるからでしょうが、フラウィウス朝あたりまでは、
比較的メジャーな時代なんでしょうね。

最近、東ローマと密接に関連してる、アヴァールとかブルガリアについて調べよう
と本屋さんの棚を眺めてるのですが、手頃な本が全くありません(涙)。世界の歴
史が一番詳細な記述がるというのは、寂しい限りです。もし、手頃な本とかご存じ
でしたら教えていただけると嬉しいです。

193マッティアス:2002/09/19(木) 23:45
ああ、わかりますよ、その気持ち。
かつてルーム・セルジューク朝に興味を持ったものの、「アラブが見た十字軍」以上の
記述はほっとんどなく、三橋先生の「トルコの歴史」ですら、2,3行みたいな。
大国の隣国って、実はあまり詳しくないですよね。戦争でもしないと取り上げてもらえ
ない気がします。
もし、書店でそれらしいのあったら、お伝えしますね。早稲田とか神田の古書街にも、
近いうちいく予定なので。

「ティートの慈悲」は、愛妾(たしかドルシッラとかいう名前)と寵臣がラブラブに
なってしまい、処刑ものだわ、とおびえる二人を皇帝が許し、祝福するとかいう筋だと
思います。ベレニケじゃあないんだな。部下の名前はセストだった。
ミトリダーテなんて、ミトリダテスとその愛妾、息子のファルナーチェの三角関係が
中心で、恋のために父を裏切りローマにつこうとした息子が、父と和解し、許婚と
よりをもどしてハッピー・エンドとかですよ、多分。
実の所、この二つのオペラは、いくつかのアリアを聴いた事がある程度。
その解説からの推測にすぎませんが、脚本がメタスタージオならこんなとこでしょう。

194カイザー:2002/09/21(土) 01:20
恥ずかしい話なのですが、私はオペラというものが全く分かっていません。歌と芝居
が合体したものというような認識をしているのですが、決まり事とか色々あるんでし
ょうね。

とりあえず、「ローマ人の愛と性」は読了しました。何かエロネタを俗っぽく記述し
てあって、個人的にポイント高かったです。

195マッティアス:2002/09/21(土) 23:31
「ローマ人の愛と性」も面白かったですけど、同じく本村先生の「薄闇のローマ
奴隷制と嬰児遺棄」も興味深い本ですよ。エジプトではセウェルス朝くらいまで、
普通に近親婚が行われていたらしい、とか。
「愛と性」は読んだあと、どうしてもマルティアリスを読まねばという使命感に
かられました(笑)。ドミティアヌス賛歌以外は面白いですよ。実はドミの禁令を
からかうネタも多いし。去勢禁止令とか特に。

196カイザー:2002/09/22(日) 08:21
「薄闇のローマ奴隷制と嬰児遺棄」というのは、本屋さんで見たことないですねえ。
帝政期以降に捨て子が増大し、離婚率がUPしたのがローマ衰退の原因の一つという
説を聞いた覚えがかすかにあるぐらいです。
セヴェルス朝以降に近親婚がなくなったというのは、やっぱり古来からの多神教崇拝
が衰えてしまった辺りも原因なんでしょうか?

197マッティアス:2002/09/22(日) 11:51
近親婚が無くなったのかよくわからないんですが、3世紀頃って碑文文化みたいのが
あるじゃないですか。それで確認される、という話です。
エジプトがわりにアラブとかと同化しやすかったのって、近親婚と関係ないかな、
とかふと思いました。キリスト教は、わりに血縁厳しいけれど(中世だけかな?)、
ムスリムというかアラブは、従兄妹が理想の結婚相手でしょう。わりに近い関係。
そういえば、ユダヤ教はそのへんどうなんでしょう?ヘロデ王の一族は、わりに
叔父と姪の結婚があるのですが、アグリッパ2世とベレニケの兄妹の近親相姦は
スキャンダルになったし。傍系は3親等以上離れればいいのかしら。

198カイザー:2002/09/23(月) 07:43
アラブ人というのも、それほど近親婚をタブー視していないのですね。そういえば、
アラブ人というのは、イスラム以前からアラビア半島に定住していたのでしょうか?

私も素人なので想像でしか言えないのですが、エジプトでは正統派信仰が主流でなく
コプト派やグノーシス派とかの異端信仰が有力だったような覚えがあります。
異端を平然と迫害する正統派のコンスタンティノープルに対する帰属意識も薄く、貢
納さえすれば宗教に寛容だったアラブ人に抵抗しなかったというように私は思ってい
ました。ホスロー2世のペルシア人の占領政策でも宗教政策は寛容だったようで、ヘ
ラクレイオス1世帝の再征服に伴う異端迫害の再開がシリアやエジプトのローマへの
忠誠心を著しく失わせたという様な話も聞いたことがあります。

ウマイヤ朝やアッバース朝の支配を受けた地域で、イスラムを駆逐したのはスペイン
ぐらいでしょうか?後は、今でもイスラム教国ですよね。イスラエルはおいとくとし
て。

199マッティアス:2002/09/23(月) 21:49
そうですね。イスラムって結構、根強いですね。アメリカでもブラック・ムスリムは
結構いるみたいだし。第二次大戦前は、別にユダヤ教徒とムスリムは仲悪いイメージ
ないんですけど、欧米のおかげで中近東は怖い事に。やっぱり鬼畜米英(笑)?
キリスト教徒は、仲間内の異端迫害がものすごいですが、イスラムもシーアとスンナ
はやっぱり険悪でしたが。異教徒には寛大なんですよね。近親憎悪ってヤツか?
アラブ人はアラム語系、のアラビア半島に住んでいた民族ってくらいしか憶えてません。

先日、ちょっとアブー・ヌワース(千一夜物語でおなじみ、ハールーンに使えた詩人)
を読んでみたんですけど、あの時代のバグダードではギリシア・ローマの研究がさかん
だった影響か、結構ラテン詩人と作風似ているんですよね。

200カイザー:2002/09/23(月) 23:04
200ゲット〜☆

元々、シオニズム運動はパレスチナに拘っていた訳ではなく、ユダヤ人国家の樹立を
目的としたものです。社会主義運動もこのシオニズム運動の展開の一つとして展開さ
れていて、スターリン以前のソビエト共産党の主導権をユダヤ人が持っていたという
事実もあります。スターリンの台頭とトロツキーの失脚で、ユダヤ人系の(というか
スターリン以前の)勢力は一掃されてしまうのですどね。

ハールーンの頃のローマというと、ちょうど女帝イレーネの頃ですね。イスラム帝国
への貢納と蛮族フランク人の皇帝即位宣言という、ローマ苦難の時代です。

201マッティアス:2002/09/23(月) 23:18
え!ビザンツって女帝OKなんですか?(←おいおい)
だから「緋色の皇女アンナ」(トレーシー・バレット、徳間書店BFTシリーズ)では
アンナが最初はアレクシオスから後継者に指名されていた、という筋なんですね。
(史実もそうなのかしら?)

それにしても、この対話編(ほかの人参加しないからなあ)もついに200突破ですか。

202カイザー:2002/09/25(水) 00:54
ローマ史における女帝の先駆者はパルミュラの女王ゼノビアですね。夫オダイナトゥ
ス(もアウグストゥスを名乗ったそうです)の死後に東方属州を支配し、アウレリア
ヌス帝と激闘を繰り広げたという女傑です。ガリア帝国の創始者ポストゥムス等と共
に軍人皇帝時代の30僭帝の一人に数えられているそうです。オダイナトゥスの方が
政治のバランス感覚は遙かに上に見えるんですけどね。

ローマ史のメインロードでは、テオドシウス2世の姉でマルキアヌスの妻として50
年に渡って権力を保持したプルケリアや、レオ1世の娘でレオ2世の母親として、ゼ
ノン、アナスタシウス1世の妻として帝位継承の決定権を持っていたアリアドネ、ユ
スティニアヌス1世の皇后テオドラ、ヘラクレイオス1世の後妻のマルティナといっ
た女性達は、一般的な評価はともかく実質的には共治帝として認めてもいいのではと
思います。(別に彼女たちが能力的に皇帝足りうると考えている訳ではないです)

ちなみに上記カキコのイレーネはコンスタンティヌス6世の母親で、小アグリッピナ
の様に息子を傀儡として実権を握っていたのが、コンスタンティヌス6世の成人によ
って権力を喪失しつつあったため、クーデターでコンスタンティヌス6世を捕らえて
目を潰して廃位。女帝として単独統治を行ったという経緯の持ち主です。

他には、コンスタンティヌス8世の娘のゾエと同じくテオドラがいます。ゾエはロマ
ヌス3世、ミカエル4世、ミカエル5世、コンスタンティヌス9世を自身の夫や養子
とすることで擁立。妹のテオドラはゾエの死後単独帝となり、ミカエル6世を皇帝に
指名しています。この辺のバシレイオス2世死後のマケドニア朝はややこしくて私に
も良く理解できていないのです。

203マッティアス:2002/09/25(水) 23:23
ううっ、ビザンツも勉強しようしようと思ってほったらかし状態がもはや10年近い
です(T_T)。ビザンツ聖歌CDとかも売っていたのですが、4枚組だったりで、
なんか挫けてしまったまま。

イレーネ女帝って、なんか則天武后みたいな人ですね。カッコいい。
ゼノビアは女王だとは思っていたけど、僭称とはいえ女帝に数えられていたのか。
個人的にはアウレリアヌスもちょっと気になっている人です☆

皇后や皇太后が、実質的には共治帝だったとしても、実際に皇帝として即位したか
どうか、っていうのはやはり問題が違うのではないかと。何となくそう思います。
西太后と則天武后では、一線を画すのと一緒で。

204カイザー:2002/09/26(木) 00:25
中国だと皇帝かどうかの違いというのは明白なのですが、ローマの場合は必ずしもそ
うでもないんですよね。

女帝=アウグスタなのですが、この称号自体は皇后にあたる女性や皇帝の近親者にも
与えられる称号なのはマッティアスさんもご存じの通りかと思います。ちょっと、ギ
ボンを読んでも詳しく書いていないので、考え違いなのかもしれませんがイレーネや
ゾエの法的地位は単独統治時も共同統治時も同じ筈です。
イレーネやゾエ、テオドラが女帝として一般的に認識されているのは、この単独統治
の時代があったかということのみがポイントなのだと私は認識しています。テオドシ
ウス2世の姉プルケリアはマルキアヌスと結婚するまでの短い期間が単独統治だった
為、女帝として書かれていることもあったりします。
いずれにしろ、これらの女帝の統治は前皇帝の近親者であることを拠り所にした一時
的なものなのですけどね。

205マッティアス:2002/09/26(木) 01:00
やっぱり一時的にしか単独統治はできないんですね。アイバクを立てるための、
シャジル・アル・ドゥッルくらいの地位かな?
アウグスタという、皇后とか皇太后とか内親王にあたる地位に用いられる称号は
甚だ曖昧ですね。アウグストゥスの女性形というビミョ〜さ。
ただ、中世以後の神聖ローマやロシアの女帝を表現するには、英語ではエンプリス
になるから、最高司令官=インペラトールにあたる女性として、もっとずっと女帝、
ってカンジがするんですよ。単に語感の問題かも。

206カイザー:2002/09/28(土) 12:34
日本でも称徳帝以外の女帝は一時的な存在としての即位ですからねえ。君主が軍事的
指導者を兼ね備えているような政権では、女帝(女王)が恒久的に存在するというの
は、難しいかと思いますね。そういう意味じゃ、女帝が何人も出現したロシアって変
わっていますね。

そういえば、イスラム世界の君主達の称号って、どういうものがあるのでしょうか?
カリフ、スルタン、シャー(イラン系?)ぐらいしか思いつかないのですが、今のア
ラブの王様達はどんな称号を自称してるんでしょうか?

207マッティアス:2002/09/29(日) 20:56
どうなんでしょうね。そういえば、スルタンってのも本当に名乗った人は少ないと、
昔ゼミの先生が言っていました。教科書などでスルタンとして扱われる人は、
カリフ(ハリーファ)から「ルクン・アッディン(信仰の柱)」という称号を与えられた
人なのだそうです。
あと、王ではないけど、中世ではトルコ系のアターベク(父侯)は実権を持ってたし。
シーア派のイマームとかいう称号もありますよね。
いまの王様たち(ヨルダン王国とかアラブ首長国連邦など)って何て称号なのでしょう。
近現代の歴史や世界情勢に興味を持っていない不届きものなので(爆)。

女王、女帝ということでは中世以降のヨーロッパの女主君はなかなか迫力ありますね。
スウェーデンのクリスティーナ女王とか、引退した後も格好良いんですけど。
教皇に嫌がらせしながら、イタリアで楽しく暮らしたりして。

208カイザー:2002/09/29(日) 23:29
日本でも、大王、天王、上皇、法皇、関白、太政大臣、征夷大将軍といった称号は
小学生でも区別していますが、海外から見れば、天武天皇も平清盛も源頼朝も織田
信長も豊臣秀吉もみんな、日本の王(皇帝?)として、同列に見えるのでしょうね。

そもそも、この辺の人物で世界的に有名な人っていてるんでしょうか?葛飾北斎とか
はおいとくとして。

209マッティアス:2002/10/01(火) 00:10
信長…とか?ルイス・フロイスのおかげで知られてたりしないのかしら?
あとは、伊藤マンショほか少年使節団あたり、有名だったりして☆
でも、日本の最高権力者って、ほんと称号違った所でどこまで差異があるかは、
外国人から見たらわかりづらいでしょうね。
まあしいていえば、天皇家はちょっと宗教的価値観が付与されていて、他とは違う、
くらいのものでしょうね、

東西の交流、っていっても、所詮は大陸内でしか行われてないから、ローマと中国
とかが限界ですよね。
未だに、マルクス・アウレリウスというと、大秦国王安敦、と書きたくなります。

210カイザー:2002/10/01(火) 22:22
大秦国王安敦がマルクス・アウレリウスだと主張する根拠って一体どこにあるんでし
ょうね?時代的にはマルクス帝の頃の様ですが、根拠となる資料って後漢書ぐらいし
かないんじゃ。
一応、歴史教科書的なストーリーで言えば、ネルヴァ時代に西域都護班超の部下甘英
がシリア辺りまで使者として、ローマに訪れたことに対する返礼にマルクスが使者を
送ったということのようですが、その間70年間もほったらかしだったというのは、
どういうことかという、素朴な疑問の答えは良く分からないです。

マルクス帝が使者を後漢に送ったのが事実だとしても、あんまり甘英とは関係ないん
じゃないかなという気がしますね。

211マッティアス:2002/10/02(水) 00:20
ローマの使者が後漢についたのが哲人皇帝の時代ってことかなあ?でも、治世初期
ならアントニヌス・ピウスだって安敦でしょう?とか思ったのですが。
ていうか、よりにもよってネルウァなんて短いマイナーな皇帝のときに行ったのか、
甘英。シリアに来たら会えそうな皇帝っていったらむしろ、トラヤヌスとか
ハドリアヌスのほうなんですけどね。
ほんとに、70年もたっちゃうと、甘英とは関係なさそげ。なんだろう、気まぐれ?

ぜんぜん、話変るんですけど、この間、「西洋古代史料集」という本を借りて
来ました。偶然、コンモドゥス時代の、皇帝と属州(?)の往復書簡みたいのが
載っているようです。
そこで訴えられているのが、請負人頭のアリウス・マクシムスとかいう人で。
「グラディエーター」でコンモドゥスに敵対する主人公にマクシムスという名が
つけられたのはここからか?とかふと思ってしまいました。
この史料ではどう考えても悪いのはマクシムスですけど。

212カイザー:2002/10/03(木) 00:45
ヴェトナムに大秦国王安敦の使いが訪れたのが166年。マルクス帝の治世が161
〜180年なので、年代的にはマルクス・アウレリウスの使いだという主張自体は分
からないでもないです。
ただ「後漢書」が書かれたのは三国志や西晋よりも後の六朝時代(宋だったかな?)
なんで、デタラメということではないにしても信用性には疑問符をつけざるを得な
いかと思います。

「西洋古代資料集」は昔にざっと目を通したことはありますね。コンモドゥスの書簡
なんて載ってたんですね。多分、当時は興味がなくて思いっきり読み飛ばしたんでしょ
うね。

213マッティアス:2002/10/03(木) 12:28
そういうものですよね。通史とか、その類って、読んだ時に興味あること以外、
結構読み飛ばしたり、読んでも頭入らなかったりしますよね。
スエトニウスも実は岩波文庫上巻のほうの内容って、あんまり頭に入ってません。
68〜69年の内乱とフラウィウス朝のほうが、いろいろ記憶に残ってます。

ともあれ、『西洋古代史料集』をちらっと眺めて思ったのは、コンモドゥスでさえ
一応、それなりに政治していたのだなあ、という。当たり前か。
でも、ヘリオガバルスとか、なんとなく政治しているイメージが全然わかない。
その点、ユリウス・クラウディウス朝の人たちは、ちゃんと仕事している姿が想像
できるんですけどね。カリグラだろうとなんだろうと。

214カイザー:2002/10/03(木) 23:01
性的倒錯者=怠け者というのは、根拠がないのですが、私もエラガバルスがマジメに
裁判の書類に目を通している姿が想像できません(笑)。『英雄色を好む』というの
とは、何かが(というか何もかもが)違うのです。

カリグラは何だかんだ言って、政治をしてますね。ブリタニア遠征(の未遂だけど)
をしたということは、細部はともかく大まかな軍隊の進軍とか補給の計画を立てたか
少なくとも部下の計画を吟味ぐらいはしたのか、不思議なところです。
塩野七生がカリグラに従来の只のキチ○イという風評と比べて、比較的前向きな評価
を与えているのも、分からなくはないです。

215マッティアス:2002/10/04(金) 11:15
塩野さんのは、やや夢見ているような気がしないでもないですが。頑張ってますよね。
金銭感覚がちょっとおかしかったのと、自己神格化妄想が激しかったことは、ちょっと
ついていけませんが。まあ、初期に人気取りをしてみたり、少しは政治をする気が
あったかなあ、とか。

エラガバルスは、完全に電波ですからね。色を好むとか、そういうレベルじゃない。
やっぱり、政治関係は母マンマエアとか祖母ソエミアスが、配慮してたのかなあ。
セウェルス朝はホント、最初だけですよね。マトモな皇帝。
何だかんだで、ユリウス・クラウディウス朝とフラウィウス朝はマトモ。
「ローマの平和」と教科書で言われてるのが、アウグストゥス〜五賢帝ですが、
その時代でまったくダメってのは、ウィテリウスくらいじゃないですかね。

216マッティアス:2002/10/04(金) 21:00
あ、上のカキコ、多分ユリア3人の名前ゴッチャになってますね。
よく考えたら、ソエミアスがお母さんだ。マンマエアが叔母さんでマエサがお祖母さん
だったような気がします。間違ってたらごめんなさい。

217カイザー:2002/10/05(土) 13:31
セヴェルス家のユリア軍団の名前を資料なしでスラスラと言える人が、日本に何人ぐ
らいいるのでしょう?私も思わず手元の本を確認していましました(笑)。

「敵の死体の臭いもいい臭いだが、味方の死体の方がもっといい臭いがする」という
有名なウィテリウス陛下の電波な発言は、何かの間違いか微妙に言葉のニュアンスが
違うんじゃないかと思っているのですが、どうなんでしょうか?
まあ、エラガバルスと比べればどんなダメ皇帝でも名君に見えてしまいますね。エラ
ガバルスって凄いなあ。

218マッティアス:2002/10/05(土) 14:12
偉大ですね、エラガバルス(笑)。あの人の壊れ方って何なんでしょう。
ウィテリウスの例の発言は、実際、ただの強がりだった説も有力ですね。史料も
そうだった気がします。ホントはこっそり吐き気を催していたという。
ヤツの悪行の数々って、スエトニウス読んでも、大食漢というか欠食児童というかで、
TPOをわきまえずに食っていた、っていう以外にあまり見当たらないのですが。
ネロ様の歌の大ファンだったのも、マジみたいですけどね。
でも、スポルスを自害に追い込むほど辱める必要は、一体どこにあったのでしょう?
嫉妬(笑)?実はネロのこと激ラヴだったの?とうがってしまいます。

219カイザー:2002/10/06(日) 10:57
ウィテリウスがネロに横恋慕してたなんて、想像力が貧困な私には思いもつかない
新説ですね。まあ、ネルヴァ時代ぐらいまではネロの部下だった連中が皇帝になっ
ているわけですから、ネロの評価というのも必ずしもマイナスだけではないんです
よね。
もし、ネロに子供がいたり他にユリウス家の血を受け継ぐ男子がいれば、ガルバの
クーデターも簡単には成功しそうにないですね。ユリウス家の皇帝達が代替わりに
度に皇族を粛正しまくってきたというのが、致命的ですね。

220マッティアス:2002/10/06(日) 21:44
本当にねえ。初期のオスマン帝国かって〜の☆
ああ、ウィテリウスがネロに横恋慕は、あんまし本気じゃないですけど(一応確認)。
ネロにラブなのはお前だろ、ってカンジですね(苦笑)。
ほんとに、スポルスを競技場で性転換したかどうか確認する見世物、なんて悪趣味
としか思えなくって。何でそんな発想が出たのか、頭開いて確認したいくらい。
スポルスはニュンフィディウスやらオトやらにも、愛されていたようなので、そうは
しなかったウィテリウスは、お稚児趣味も宦官趣味もなかったのかなあ、とか。
このヒトについても考え出すと、いろいろ怖い考えになります。

221カイザー:2002/10/06(日) 23:45
ウィテリウスの統治期間は1年にも満たないのに、色々やってますね〜。一番有名な
のはベドリアクムの戦い後の敗戦処理で、ドナウ軍の残党に強制労働&見せしめ的な
100人隊長生き埋め強制だと思うのですが、偽善的なパフォーマンスをさせたら天
下に並ぶ者なしのカエサルなら間違ってもしそうにないデタラメですね。

まあ、ウィテリウスがそこまでお粗末な皇帝だったからこそ、ウェスパシアヌスの出
番がやってくるんですけどね。もし、ベドリアクムでオトが勝利して鱈、ウェスパシ
アヌス&ムキアヌスはオトに忠誠を誓ったんでしょうか?

222マッティアス:2002/10/07(月) 01:03
確か、ティトゥスはオトに忠誠を誓うために派遣されたんですよね。
さすがにウィテリウスはどうよ、ってカンジでユダヤに帰ってきましたが。
そういえば、ユダヤ戦役当時にはトラヤヌス(父)がティトゥスと同格でしたね。
第十軍団長だったはず。『ユダヤ戦記』読んだらなにげに活躍してました。
まあ、そのおかげでパトリキに昇格できたんですけどね。

223カイザー:2002/10/07(月) 23:30
トラヤヌスの父親って、ティトゥスと同時代人なんですね。ブリタニクスのお友達だ
ったり、何げにティトゥスって有名人の親類と接点があるんですね。

テオドシウス1世の父親の大テオドシウスもイスパニア出身の軍人だったみたいで、
ヴァレンティニアヌス1世時代に活躍していたそうです。次代のグラティアヌスの時
に冤罪(?)で処刑されてしまうのですけどね。良く分からないのは、有能だとして
もそういう罪人の子をグラティアヌス自身が、西ゴート族との戦いでヴァレンスが戦
死した為に空位となった東の皇帝として指名してること。
ギボンにはこの辺の経緯がちゃんと書いてないんで、良く分かりません。塩野女史が
こういうマイナー時代をちゃんと書いてくれると、心底嬉しいなあ。

224マッティアス:2002/10/08(火) 00:20
そうですね。塩野女史が萌えてくれれば、かなり詳しく書いてくれるかな。
ギボンもそのうち、ちゃんと読まなくっちゃなあ。PHPのほうが読みやすそうだけど、
持ち運びには文庫なんですよね。その辺り、ジレンマ。

トラヤヌス父の生没年はまだ調べてませんが、おそらく66年時点で法務官経験者だった
と思われるので30代にはなっていたでしょう。ネルウァやオトくらいの年齢かと。
だから、ティトゥスより5〜10歳上じゃないかな、と推測してます。
もっとも、トラヤヌスがドミティアヌスと2歳しか違わない事、多くの議員が法務官級
どまりだったことを考えると、上の分にはいくらでもありえますね。
ちなみにティトゥスはまだ20代後半で財務官しか経験せずに、父親が特別司令官
になったから、法務官になる前に軍団長になってるんですよね。だから、
「同時代史」でもスエトニウスでも書いてあった気がしますが、ガルバへの恭順の
意を表明に赴いた時、法務官に立候補するため、という説があったくらいで。
よく本に載っている任官順序は、きっとフラウィウス朝か五賢帝時代に確立した
コースなんだな、となんとなく思ったものです。

225カイザー:2002/10/08(火) 17:33
そうか、ウェスパシアヌスのユダヤ(シリアも?)軍が忠誠を誓う代わりにティトゥ
スの法務官や執政官の就任を交換条件として持ち出すぐらいのことは、十二分にあり
そうですね。ウィテリウスがいなければ、オトの下でそれなりの安定政権が誕生した
のかもしれませんね。

「ローマ帝国衰亡史」のPHP版は省略しまくっているので、お奨めしません。初心
者でも比較的読みやすいという意味では悪くないのですが、折角なら全10巻のちく
ま文庫版を読んだ方がいいと思います。
博学なマッティアスさんなら多分大丈夫ですよ。私は読んだ端からどんどん忘れてし
まってますが(笑)。

226マッティアス:2002/10/08(火) 23:11
博学でも勤勉でもないから、学士どまりなんです。(←いばることじゃない)
本を読むのがマジでトロくさいので、友人に奨められた「ウェルギリウスの死」なる
小説に1ヶ月を要しましたからね。ギボンも2,3ヶ月必要かな。資金も。
ちくま文庫や中公文庫、講談社学術文庫って高いですよね。「アラブが見た十字軍」は
今は亡きリブロポートの写真付きの75%くらいの値段でした。

いま「ガラリヤからローマへ」という本を読んでいるのですが、なんとなく笑ったのが
コンモドゥス、エラガバルス、ウァレリアヌスの三人が古今東西のお約束暴君的行動を
取っていた事です。っていうか、有名なことなのかも知れませんけど。
少年をいけにえにしたり、妊婦の腹を開いて見る、というアレです。
やっぱり、ただの暴君と電波ではやることの格が違いますね。

227カイザー:2002/10/09(水) 00:26
「ローマ帝国衰亡史」のお値段はちくま文庫版なら、1300×10、PHP版なら
2,700ですね。文庫本を2、3ヶ月で読破出来たら、凄いと私は思います。時間
的には楽勝でしょうが、私なら気力が続きません。トルコで1人旅してる時に2、3
冊持っていったのですが、日本語が恋しくて仕方なかったのに1回通して読むのが精
一杯でした。

ヴァレリアヌスまで、そんなアホタレなのですか?
キリスト教徒の迫害をしてたことが、不当に評価されてるのではないかと思うのです
が、そうでもないのでしょうか?少なくともコンモドゥスやエラガバルスと比べられ
る様な、(結果はともかく)真のダメ皇帝とは違うと私は評価してるんですけどね。

228マッティアス:2002/10/09(水) 12:12
ダメ皇帝というより、残虐だったのかなあ。雄略天皇のようなカンジ?
キリスト教迫害に関しては、ネロ時代の大火以後、皇帝が率先して国家規模で行われた
のは、ディオクレティアヌスが最初らしいです。そうなんだ〜、って思いました。
松本宣郎先生と弓削達先生は、フラウィウス朝〜五賢帝は迫害の事実ナシ、という
主張ですね。ドミティアヌスの場合、むしろ対象ユダヤ教でしょ。

229カイザー:2002/10/09(水) 23:02
ディオクレティアヌスの時にしても、西の副帝コンスタンティウス・クロルスがキリ
スト教徒を保護していたりしてて(裏切りちゃうんか?)、全然徹底した迫害が出来
てないのですけどね。
基本的にローマのキリスト教迫害は手ぬるすぎますよね。踏み絵から始まり、蓑踊り
でケジメを取らせたという、江戸時代の鍋島班のキリシタン弾圧をもっと見習って欲
しいもんです。(←危険発言)

日本のキリシタン禁令政策はこれ以上ないというぐらい完璧に成功してますよね。歴
史の授業では、あたかも間違ったことをしたかのように教えられていましたが、基本
的には大正解の政策ですよね。確かにキリシタンの人達には同情しますが。

230マッティアス:2002/10/10(木) 00:57
あはは。確かに危険思想だと言われそう。授業とかで教えたら、始末書ものかも。
でも、ローマが日本くらい徹底してクリスティアノイを弾圧していれば、西欧世界も
もうちっと面白い事になっていたかも知れませんね。
実際、何であんまり迫害されなかったかといえば、キリスト教徒自体があまり数多く
なかったことと、初期には大した影響力もなかったことが原因でしょうね。
ユダヤ教徒のように反乱するでもなく、まあだからこそ気味悪いってのもありますが。
そうやって野放し(暴言)にしている間に、教会のシステムも整い、信者の数も増えた
わけですが、実はコンスタンティヌスが公認する前は、さほど多くなかったという、
最近の見解があるようです。↑が元凶か(笑)。

231カイザー:2002/10/10(木) 22:39
聖アンブロシウスがテオドシウス1世を破門して、皇帝が泣きついて許しを請うたと
いう情けないエピソードの頃にも、人数の上ではキリスト教徒は完全な少数派だった
ようです。
完全にキリスト教徒が多神教勢力を凌駕するのは、西ローマ帝国の消滅後ではないで
しょうか?絶えず、蛮族の襲撃にさらされ市場経済が失われると共に、地方共同体の
中核としての教会の存在意義が高まっていったとかいう論文(コラム?)に、成る程
と思っていたことがあります。

ヴァレンティニアヌス1世〜グラティアヌス時代に元老院議事堂でローマ古来神の彫
刻を撤去するかしないかで、キリスト教派と多神教派が散々揉めてたりとかもしてま
すね。最終的にキリスト教徒側の言い分が通るのですが。

232マッティアス:2002/10/10(木) 23:12
なんだよ〜、偉そうなコト言って、やってることイスラム過激派と一緒じゃん!
とか言うと、クレーム来そうですね(苦笑)。
キリスト教も初期は多神教の偶像を、徹底的に攻撃してましたからね。途中から
ずいぶん妥協したけれど。
キリスト教やイスラム教によって、ギリシア・ローマの彫像はだいぶ破壊されましたが、
アウグストゥス像は数も多かったので、結構残っているという話は有名ですよね。
肖像関連で、ふと思ったのですが、アウグストゥス像とアンティノオス像はどっちが
より多数作られたのでしょうね。ちょっと気になります。

233カイザー:2002/10/11(金) 22:34
イスラム教にはシーア派という、カトリックに対するプロテスタントの様な存在が
あるんですが、宗教改革らしきものがないのは不思議なところですよね。イスラム
世界では未だに教義解釈権の独占の様なものがあるのでしょうか?

アウグストゥスの石膏像はローマのテルミニ(中央)駅で買ったやつが、我が家に
飾られています。もちろんレプリカですが。(←当たり前)タオルにくるんで、旅
行中一月ほど持ち歩いてました。

234マッティアス:2002/10/14(月) 22:18
この間まで、うちの両親が会社の企画のイタリアツアーに行っていました。
母から見ても、アンティノオスは美形だったようです(笑)。
でも、ワタクシ的にはアグリッパかドミティアヌス(ありえねえ)が欲しいです。

イスラムも、シーア、スンニ両派ともまた細かい解釈の違いで、いっぱい教義が
あるんですよ。神学はムツカシイので、パス1です。
しょっちゅう新しい宗派ができたりしているところをみると、あんまり独占はない
と思われます。基本的に、個人の信仰ですからね、イスラムって。

スエトニウス岩波文庫下巻を見返しながら、ウィテリウスも電波なので好きではない
けれども、やはり面白いエピが多いなあ、と思いました。
彼が太ったのは、大食漢だったせいばかりではなく、カリグラとハマりまくった戦車
競技でのケガ(片足故障)による運動不足もあるんじゃないかと、ふと思いました。
ウェスパシアヌスも法務官時代、カリグラに追従してかなりえげつないことをやって
いるので、人間、やっぱ最後さえ良ければなんでもアリだと感慨深し。

235カイザー:2002/10/15(火) 20:58
イタリア旅行いいなあ。アグリッパの彫像のレプリカは私も欲しいです。(ドミティ
アヌスはどっちでも・・・ごめんなさい〜)
そういえば、大英博物館でローマ皇帝の生首の彫刻を写真に撮ってる筈です。もしか
したら、ドミティアヌスはその中にあったかもしれません。虫眼鏡で拡大しないと生
首の下に書いてる名前が何て書いてるか読めないのです(笑)。さすがに、顔では見
分けつかないなあ。

スエトニウスはあんまり、ウェスパシアヌスは好きじゃないのかな、とは思ってまし
た。カリグラ時代に出世してた筈ですから、相当おべっかはつかってそうですね。カ
リグラの機嫌を損ねたりしたら、命とりだからしょうがないとは思いますが。

236マッティアス:2002/10/15(火) 22:09
そうでしょうとも。しかも新人ですからね。いっそ小気味いいですよ。
友人と話していたんですが、一見ノンケなウェスパシアヌスも、カリグラやネロとの
付き合いにおいて、美少年と懇ろになったり、うっかりアグリッピナあたりと関係
したりしたかもですよ。なかなか見上げた根性ですよ。
ていうか、電波ともうまくやってけるのね、この人。
フラウィウス朝の人たちは、本宮ひろ志に描いてもらいたいものです。マジで。
いま読んでるホガード「さいごのとりでマサダ」という児童書は、ユダヤ少年視点
だからってのもありますが、卑怯なカンジのぬぐえないヨセフスと、凶悪なローマ
軍の最高司令官ティトゥス(言いすぎ)が、設定的に面白いです。

237カイザー:2002/10/16(水) 01:04
本宮ひろ志のドミティアヌス!?
見てみたいなあ(笑)。

どっちかというと、頑張って虚勢を張ってるという感じのドミティアヌスも本宮先生
お約束のビッグマンとして描かれるとどうなるのでしょうか?

「皇帝はなあ、自分が殺されるまで、己がテロの標的だなんてぬかすこたあできね
えんだよ!!文句ある奴ぁ、前に出てきやがれ!!」

というイメージでOKでしょうか(笑)?

238マッティアス:2002/10/16(水) 13:56
…私的にはティトゥス主人公で想像してました。ウェスパシアヌスは想像しやすい。
ドミティアヌスは「雲に乗る」の阿修羅王みたいの想像してました(爆)。
でも、↑のイメージも面白いかも。私は悪役かなあ、と思っていたので。
ドミティアとかフラウィア・ユリアあたりがすごそうだなあ。脱ぎっぷり良さそう。
ユリアちゃんをいびるドミティア(「赤竜王」の呂太后みたいなの)とか。

239カイザー:2002/10/17(木) 00:39
誰を主役にするかで、イメージは大夫変わりそうですね。

本宮ひろ志ではないのですが、「蒼天航路」の董卓の死ぬ間際のセリフを紹介します。

「天下万民!我を尊ぶべし!呂布!おまえごときにわかろうはずはない!およそ天下
の悉くを自らの手に有し、天下の悉くを意のままにふるまい、欲望・快楽を極め尽く
す!贅の限りをつくし、善悪さだかならぬ果てに届いてこそ尊重な王となるのだ!我
はその王の姿をかいま見たにすぎぬ!!」

長い〜。
これ、呂布(とその他大勢)に斬り殺されてる時にこんだけペラペラ喋ってるのです。
ドミティアヌスの死に様もかくあるべきではないかと(笑)。

ちゃんと覚えてないんですが、吉川英治版とかだったら、「裏切ったな、呂布!!」
ぐらいのセリフだったと思います(笑)。

240マッティアス:2002/10/17(木) 00:52
素敵…。少々太めすぎるけど、格好いいなあ。ボウクンスキー発動中。
「蒼天航路」はあまりにも演義の描写どおりのキャラ容姿(特に孫権)にびびって、
読んだ事ないのですよね。やはり必読ですか。

フラウィウスは少年漫画とか少女漫画じゃなくって、青年誌でやってほしいです。
劇画調が似合いそうだから。キラキラしくて細身のティトゥスはダウト!です。
ウェスパシアヌス主人公も、リーマン向けっぽくていいな、と思います。
ドミティア主人公で、女性誌(女性セブンとか)連載とかなら、まあアリかな。
ちゃんと絵を描く練習して、投稿してみようかしら(笑)。って、ドコに?

241カイザー:2002/10/17(木) 23:59
「蒼天航路」は必読です!!(断言)
曹操が死ぬほど嫌な奴なのを見ないことにして、敵役に感情移入するとグッドなの
です。袁尚(袁紹の三男)が微妙に格好良かったです。

ドミティアのマンガですか?私のHPで良ければ、デジカメで撮影して掲載させて
いただきますよ(笑)。

242マッティアス:2002/10/18(金) 00:14
じゃあまず、レディコミ(しかもやや古め)風の絵柄を身につけるため、3年ほど
修行をしてまいります(笑)。ドミティアヌスとの愛欲ドロ沼系(爆死)。
それともハーレクインでも読んで、ものすごい色ボケした話を書けるようになるべき
なのでしょうかね(イヤすぎ)。

「蒼天航路」読んでみます。昔、「東周英雄伝」なら読んでいたのですが、あれより
話はキツそうですね(笑)。孫策の髪型にもちょっとビビり気味☆
敵役がキャラ立っていないと、話は盛り上がらないッスよ兄貴(馴れ馴れしい)!
なので、今度気合入れて読んできます。ハイ。

敵役にされがちなオクタヴィアヌス(いきなり話題が変る)ですが、実は悪役の彼を
見てハマったんですよね、子供の頃(笑)。何でだったか忘れたけど。
でも実はガンダムで喩えると、カエサルはシャアでオクタはカミーユ系ですよね。

243カイザー:2002/10/19(土) 11:40
「蒼天航路」の諸葛亮は、今まで見てきたどの三国志ものよりインパクトでかかった
です。何をここで書いても信用して貰えそうにないので(笑)、実物を見るのが一番
だと思います。でも、エロ大魔人の孔明も、あの作品の中ではしっくりくるのが不思
議な所。

オクタヴィアヌスもののフィクションって、あんまりイメージ沸かないんですよねえ。
敵対者に情け容赦がなかった辺りは、悪役向きの人物ではありますよね。カエサルみ
たいなエセ善人より、余程人間らしいです、ハイ。

こう見えても、「ローマ皇帝伝」のハチャメチャな記述を読んで、ローマ史に傾倒す
るようになった経歴の持ち主なのです。その割には、皇帝伝の内容がすっぽり頭から
抜け落ちてますが(笑)。E・ギボンの「ローマ帝国衰亡史」にも同じことが言える
のです。(←あかんやろ)

244マッティアス:2002/10/19(土) 21:01
スエトニウスは面白いですよね。通史もわからず、これ読んでみよう、と思った
高校生時代はティベリウスの途中で挫折しましたが。
カエサルの「ビチュニア王の厩」ってのが生々しく頭に残っていました(笑)。
まともに(?)ローマ史関連の本を読むようになってからはまだ2年くらいですが、
何故か最初に手にとったのが「ローマ帝国愚帝列伝」というあたりで、私の進むべき
道が(笑)決まりました。

カエサルのことを「エセ善人」なんて言って、クレーム殺到しても知りませんよ。
私はもっと穏当に「偽善者」とよんでいますけど(笑)。←同じだよ。
カエサルファンは大勢いるし、熱そうですからね。

245カイザー:2002/10/19(土) 21:57
クレームが殺到するほど、ここを見てる方はいないので心配無用です(笑)。もちろ
ん、だから何を書いてもいいというつもりはありませんが。

ローマの本って、10年以上に渡ってちょっとずつ読み続けているので、きちんと頭
の中で整理が出来てないのですよね。それと、全時代を通史的に俯瞰出来るような本
がないんですよね。
それで、とりあえず全時代の概略史を簡単に見れるものを作って見ようかと思って作
成しているのが、「ローマ帝国史略」なのです。内容の薄さに割に時間がかかりすぎ
ていますが。
というか、共和制時代が完全に無視されてるのはダウトっぽいですね(笑)。

246マッティアス:2002/10/19(土) 22:13
共和政か帝政のどっちかにしないと、キリないですよ。アリ×2〜。
一番人気の時代が共和政末期ですから、その辺は他の方に任せておけばいいでしょう。
むしろ、帝国末期というかユリアヌスより後になると、やってる人も少なそうなので、
カイザーさんがそこは押さえるっていうことで。

ローマ関連、10年以上ですか。そりゃあ、昔に読んだのは忘れますよ。
その頃だと、私はイスラム中世というかヨーロッパ中世というか、十字軍関連の本を
漁っていた頃ですね。当時読んだ本、かなりウロです。
最近読んだ本でも、興味なかったりするとすぐ忘れちゃうし。基本的にいい加減。
でも、Webサイトだと多くの人の目に触れることが想定されるから、結構大変そう
ですよね。私にはできなそうです。

247カイザー:2002/10/19(土) 23:23
10年前なんていうと、高校生ですからねえ。当時のパソコンは98(もちろんPC
9801のこと(笑))の5インチフロッピードライブでハードディスクもなしとい
う、今からは想像も出来ない時代です。

どの分野の歴史でも言えることでしょうが、詳細に記述がある時代と、数百年の営み
をたったの1行で終わらされる時代があって、何か納得できないことありますよね。
確かに西ローマの皇帝全員の名前を空で言える人は、何かが間違っているのかもしれ
ません(笑)。

248マッティアス:2002/10/20(日) 00:18
すごい!言えるんですか?アンタ間違ってます(笑)!
一般人は受験の知識もウロになるので、五賢帝をさらさら言うだけで引くのに。
ちなみに私はコンモドゥスまででいっぱいいっぱいRev.です(爆)。

っていうか、↑の発言でカイザーさんの年齢が大体、わかりますね(笑)。
めっちゃ同世代(誤差は最大2歳)やないですか。急に親近感湧いたわ〜。
ちなみにその頃うちはまだ88でしたよ。10年近く使ったんじゃないかな。

249カイザー:2002/10/20(日) 16:41
言えるのは西ローマ皇帝だけですんで、ご心配なさらないように(←何の)お願いし
ます。軍人皇帝時代は結構あやふやなんで、そこさえクリア出来ればイサウリア朝ぐ
らいまでは大丈夫です。(多分)

結構、微妙なのがコンスタンティヌスという名前の皇帝達。
最後のブリタニア軍を率いてガリアとイスパニアを占領したコンスタンティヌス、第
4回十字軍にコンスタンティノポリスを占領される時に一夜だけ帝位にあったコンス
タンティヌス。この2人を皇帝として扱うかどうかで、最後のコンスタンティヌス・
パレオロゴスを何世にするかが変わってしまうのです。ちなみに私は前者は×で後者
は○なので、ラストエンペラーはコンスタンティヌス12世パレオロゴスと主張する
予定です。

250マッティアス:2002/10/20(日) 17:07
う〜ん。第4回十字軍、ロベール・ド・クラリとか読んだのに忘れてる…(汗)。
とりあえず、占領したコンスタンティノープルに、皇后としてフィリップ2世の妹が
いたことだけは憶えてるんですが。

軍人皇帝はもうゴチャゴチャでわかんないっす。(投げやり)
個人的にはアウレリアヌスにちょっと興味はあるけど。教科書に載ってなくていいよ。
ディオクレティアヌスも、皇帝4人とかややこしいことするなよ、っていうくらい、
暗記のニガテな学生でした(爆)。

ビザンツも末期頃だと、完全に私はイスラム方面しか教わった記憶がないです。
まあ、東洋史(西アジア史)専攻だったから、そういう講義だったんですが。
我らがアル・ファーティヒ、まだ21くらいだったんですね、ビザンツ終焉の時。

251カイザー:2002/10/20(日) 22:00
ラテン帝国の家系はあんまり私も分かってないんですが、アンジュー家とは建国当初
から(ボードワン1世でしたっけ?)血縁関係があったんでしょうか?
末期のラテン帝国がシャルル・ダンジューと姻戚関係を結んで同盟したりしてたイメ
ージは何となくあったのですが・・・。私も勉強が足りないです(汗)。

軍人皇帝時代の人名なんて、教科書に載ることはさすがにないでしょう。日本史でも
歴代全天皇を暗記させたりしませんもんね。(本当はしてもいいと思うけど)

ところで、アル・ファーティヒっていうのは、メフメト2世のことなんですか?

252マッティアス:2002/10/20(日) 23:20
そうです。すみません、イスラム仲間ではそう呼んでいます。征服王ってイミなんですが。
あと、フィリップの妹はどうもコムネノス朝だか何だかわからないけど、ビザンツの
皇帝だったか皇子に嫁いでいたみたいなんですよね。妹なんていたんだ、と思った。
ラテン帝国ではないんですよ。あんまり細かい事憶えてないんですけどね。

ビジュアル重視な意見で恐縮なのですが、ディオクレティアヌスの4皇帝共存を
イメージした像、キショいですよね?おっさんが4人ひしっと抱き合ってるヤツ。
スクール・ウォーズか?と思いました。

253カイザー:2002/10/21(月) 22:08
以前にも私は主張したことがありますが、あの4人は絶対に出来上がってます(笑)

ディオクレティアヌス、マクシムス、ガレリウス、コンスタンティウス・クロルス
の4人はイリリクム出身の軍人で、熱い友情パワー(笑)で結ばれていたそうです。
実際にディオクレティアヌスが主導権を握っていたころの四分統治は、良く機能して
いたようで、各国境での防衛や征服に成功しています。
史上名高いキリスト教の迫害を4人仲良く行ってれば良かったのに(←本当か?)西
方副帝のコンスタンティウス(1世)・クロルスは、逆にキリスト教徒を保護すると
いう裏切り行為に及んでます。

俗説ではあるのですが、このディオクレティアヌスの大迫害をマネージメントしたの
は、東方副帝のガレリウスでディオクレティアヌスの意志ではないという逸話もあっ
たりします。

254マッティアス:2002/10/21(月) 23:05
いや、やはり四人仲良く迫害すべきでしたよ!クロルスの裏切り者め。そして…
ディオ様(笑)が迷信深いナザレ人どもを保護なんてしようとしちゃダメ☆(←誰だよ!)
あの四人出来てるって兄さん、どうしてそんな面白い発想をなさるんですか!
私如き者の浅知恵では、到底そんなことは思いつきません。ダメ、負けました(笑)。

キリスト教迫害というと必ず出てくるユリアヌス。辻さんの小説で、アンブロシウスと
対話するシーンが結構好きだったんですよね。どちらも頑なでまっすぐで。
いい文章だったと思うんですが、だからってそれを引用するのはどうかと思うよ、
「ユダヤ教とローマ帝国」(とかいうタイトルの講談社現代新書)。
塩野さんもユルスナール「ハドリアヌス帝の回想」から引用しまくってたけど。




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