通信霊は、F・W・H・マイヤース(Frederick William Henry Myers 1843-1901)生前は、古典学者、詩人。スピリチュアリズム初期の最も重要な心霊学者の一人でした。『人間個性とその死後存続』などの著書があり、「超常的(supernormal)」「テレパシー」などの言葉を造ったのもこの人です。SPR(英国心霊研究協会)の会長も勤めています。
死後、G.カミンズを通じて『永遠の大道』『個人的存在の彼方』などの霊界通信を送ってきました。
ある人(Aさん)がその個性的人格(自我)を保ったまま輪廻しつづけるの
ではなく、トータルセルフという超個人的存在が異なった時代で無数の人生
を過ごし、ある人生では A さんという個性・自我であり、次の人生では A'
という個性・自我で生きると見るようなのです。
そして A, A' という個性・自我は皆トータルセルフに含まれる属性の部分
的な反映であり、トータルセルフの進化の必要性に応じてその人生で過ごす
予定の個性・自我を微妙に修正、味付けされたりマージして新たに作り出さ
れたもの、こう想定しているようです。つまり、個々人の人生や自我はトー
タルセルフがあるレベルに進化するための仮の姿ともいえることになります。
図式化すれば次のようになります。現在のある人物、A さんが
(過去) A ⇒ A' ⇒ A'' ⇒ A''' ⇒ A''' (未来)
という輪廻の系列にある時、A,A',A'',A''' を貫く本質が A の中に魂のよ
うな実体として存在するとは考えず、個別のA,A',A'',A''' を生み出す基盤
となる実体(=トータルセルフ)にその本質があると見なすようです。
先の図を用いれば次のようになります。
(過去) A ⇒ A' ⇒ A'' ⇒ A''' ⇒ A''' (未来)
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トータルセルフ