張さんは七年ほど前から行方不明の状態が続いており、色々と手配して探したのだが探し当てることが出来ず、音信不通の状態がこれまでずっと続いてきた。
読者に見せるために借りたChart of Essence of Fujiwara Axiomを台湾に持参し、返却しようとしたら「頭の中にあるのであげます」と言って渡してくれた。同じように玉井さんにも持ち合わせたチャートを全部渡したが、あれは彼にしたら形見分けだったのだろうか。
張良も晩年は山の中に姿を消して行方不明になり、羽化登仙で黄色い石と着物が道端にあっただけで、遺体や姿は消えていたと司馬遷は『史記』の中に書いている。私の手元には黄色の石や衣類ではなくて、隠士・天才倍育理論者、張錦春、仙人の雲遊四海と書いた、緑色の名刺とチャートが残っているだけである。
本来ならば張さんも恵森農場に住んでいただろうに、今では彼の姿は地上では見かけないとしたら、何とさびしいことだろうという感慨に包まれた。それにしても誰かが後継者として彼が残したMacocaMの思想を発展することで、不思議な回文の世界を継承と発展をして欲しいと思う。張さんとは実に不思議なめぐり合いであった。
研修のインスピレーションゲームに使う名前遊びということで、千々松さんが私の名前に関して想像力を発揮して、色んな興味深い展開をしてもらえて楽しく読みました。千々松さんは名前を文字の面から捉えて、その意味論を展開しているわけですが、同じように音の面から捉えても面白い結果が生まれ、それを言霊という形の神秘主義に結び付けないで、言語の持つ系統発生的な遺伝子みたいな形で考えたら、面白いと考えたことがありました。
なぜならば、文字の発生は官僚制度と結びついていて、記録をつけるために発達したと言われており、それ以前は言葉による伝達と記憶が主役で、ナレーションが文学や歴史の表現として活用されたというのが定説です。だから、『古事記』の太安万侶は暗記した語り部に属し、『平家物語』や『太平記』は琵琶法師が物語り、『イリアース』や『オデュッセア』のホメーロスも盲目の吟遊の語り師で、出雲大社の千家も口伝で物語るそうです。
ところで、長い海外生活を通じて感じたことは、名前の持つ音にはリゾーム的なものがあり、私の肇という名前をローマ字て書いてみると、HAJIMEにな真ん中にJIMがあるので、米国では私の俗名はジムということになるし、アラブ世界ではメッカ巡礼をし終えた人としてハッジと言い、スペイン語にはハイメという名前があるし、中東ではハイムとして呼ばれてきた経験があり、はじめは一として始まりの意味があるわけです。
だから、ファイを導関数で現すと総てが1で構成され、そのことはメタサイエンスの論文の二ページ目に書いておきました。
Holocosmics: Beyond the new horizon of a unified theory in the Meta-Sciences
一月八日に謝さんが台北から農場に戻ってきたが、「藤原さんかここに住んで楽しんでくれることで、私にとっては今後がとても楽しいし嬉しい」いって、正式な形で私に次のような確認の手紙を作ってくれた。
LETTER OF PROPOSAL
January 8th 2009.
Dear Dr. Hajime Fujiwara︰
The executive board of the ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎ Foundation is proud to nominate you as the Director General for the newly founded Research Institute of Cosmic Wisdom (RICW) [慧智研究中心] in Beipu‚ Taiwan‚ starting on April 15, 2009.
Your esteemed present knowledge and past research in the relationship between life and cosmic wisdom are high hopes that inspire our future study and activity. Moreover your concept for solving the current global warming problem is the most advanced in the world at the present time and your contribution could be very great. It is possible to say that it will be beyond our imagination.
Please accept our sincere offer. We will be very proud to invite you to our new institution to do further research in the relationship between nature and human lives with harmony and wisdom.
We deeply appreciate your consideration of our ideal. We hope your contribution and leadership will be great assets for not only our organization but also for human civilization. Sincerely,
こんな光栄なことはないので感激した私は文書をしたため、米国を引き揚げ四月からここに移り住むことを約束し、実り多い台湾訪問の旅行のクライマックスを迎えたが、ここに一月の体験として1,1,2,3,5,8,という実に不思議な序列に従った、フィボナッチ数列に支えられた地上巡礼が一段落したのである。
(注記::「英語版Japan's Zombie Politicsの出版について」の81),82)で慎重であれとのアドバイスがあったので、それを有難く受け入れることにして、正式な名称の代わりに◎◎◎Foundationという形の記述にした。)
>172 補足
「我々は、どこから来て、どこに行くのか?」は正確に引用すべきでした。
1897年 ポール・ゴーギャンが描いた有名な絵の中に書かれた疑問構文のメッセージから
(仏)D'ou venons-nous ? Que sommes-nous ? Ou allons-nous ?
(日)我々はどこから来たのか? 我々は何者か? 我々はどこへ行くのか?
(英)Where Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?