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金融政策スレ

688とはずがたり:2015/06/16(火) 20:02:27
IMF改革がアメリカ議会の反対で進まないのがAIIB設立の一つの遠因となっているからアメリカは自業自得である。

存在感高まる人民元 中国が繰り出すAIIBの「次の一手」
http://news.goo.ne.jp/article/wedge/business/wedge_5060.html
06月15日 12:00Wedge

加藤隆俊(Takatoshi Kato)国際金融情報センター理事長。1964年東京大学法学部卒業後、大蔵省入省。アジア開発銀行(ADB)理事、国際金融局長、財務官等を歴任。退官後、米プリンストン大学客員教授等を経て、2004年から10年まで国際通貨基金(IMF)副専務理事。10年9月から現職。

世界が驚いたAIIB設立だが、これで完結しそうにない。ブレトンウッズ体制の中核を担うIMFの元副専務理事が語る「中国版IMF」設立の可能性とは―。

 ブレトンウッズ体制は、誕生した1944年からマイナーチェンジを繰り返してきたが、ドラスティックな改革が必要な時期に差し掛かっている。私は2004年から10年まで、IMFに在籍したが、その6年の間に日中の地位が逆転した。「従来の体制が許される最後の時代」だったと言えよう。それから「いよいよこの体制も限界にきているのでは」という思いを抱くようになってきた。

 IMF改革が遅れている影響は大きい。10年に合意した新興国の議決権を拡大させる改革案がアメリカ議会で通らない。アメリカ国民にとって、直接の利益に繋がらないことが改革を遅らせている。

 新興国の成長により、世界経済の勢力図が変化しているが、既存の国際金融機関はそれに対応できていない。これが中国のみならず、新興国の不満となっている。結果として設立されたのがAIIBだ。IMFがこのまま機能不全に陥っていると、中国はAIIBのような開発援助機関だけでなく、アジア版IMFのような機関を設立することも考えられる。

 IMFには危機感があるだろうが、各国の思惑が交錯する巨大な組織であり、アメリカ議会の反対もあることから、改革は一筋縄ではいかない。

 日本がADBを設立したときは、アジアの有力国ではあったものの、飛び抜けた存在ではなかった。本部も日本ではなく、フィリピンのマニラに置かれている。しかし、今の中国は、総裁は当然中国人で、本部も当然北京に置く、という状況だ。

 人民元の国際通貨化は間違いなく進んでいく。何をもって基軸通貨かという問題はさておき、基軸通貨になり得る可能性はゼロではないと、AIIB設立のプロセスを見ていて可能性を感じている。人民元が中国との取引で使用される割合は高まってくるだろう。ただ、人民元建ての預金をもつ、人民元建ての債券を発行する、ということになると、ドルに比べて魅力は落ちる、というのが現在の状況だ。

 基軸通貨になるには、金融市場の自由化、資本取引の自由化が課題となってくる。ドルへの信用はアメリカの経済力と安全保障上の地位があってのこと。中国がこうした地位に登りつめることができるか否かが課題でもある。

689とはずがたり:2015/06/16(火) 20:02:47
>>688-689

 今年はIMFが創設した国際準備資産であるSDR(特別引出権)の構成通貨見直しの年。SDRの構成通貨に選ばれれば、国際的な準備通貨として認知されたことになる。中国当局の発言ぶりをみると、非常に熱心だという印象をうける。現在はドル、ユーロ、ポンド、円が構成通貨だが、ここに人民元が加わるか否かについては、人民元が交換可能な通貨になるか、中国が資本取引の自由化にどう取り組んでいくかということにかかっている。

 AIIBでは、中国の出資割合に注目すべきだ。出資比率を決定するGDPの基準が、MER(実勢レート)になるのか、ppp(購買力平価)になるのかによっても相当変わってくる。域内国の出資割合を何割に設定するか、という点でも大きく出資比率は変動する。

見えづらい日本の参加メリット
 4月に行われた日中首脳会談で、習近平国家主席が日本の参加を歓迎する旨の発言をしたと報じられている。日本の参加は、AIIBにとっては格付け上、プラスとなり、メリットを享受できる。これもどの程度出資するのかにより、メリットも変動するが、日本の参加がプラスに働くのは間違いない。また、日本はADB発足以来、中心的に関わってきたこともあり、国際金融機関の運営に長けた人材が豊富にいる。中国はこうした人材も求めているはずだ。

  日本が仮にAIIBに参加することになれば、日本の国力に見合った発言権を求めていくことになる。そうなると、出資額も相当なものになる。これには、国民が納得するだけの利益が十分にあることが必須だ。現時点ではそれが見えていないため、様々な要素を適切に判断した上で、最終的に決断すべき。焦ってバスに乗り込む必要はない。日本が主導するADBのプロジェクトでさえ、日本企業はコスト高ということもあって、あまり受注できていない。こうした状況を考慮すれば、日本のAIIB参加のメリットは見えづらい。

 イギリスのAIIB参加は、ロンドンの金融街・シティをヨーロッパにおける人民元取引の中心的な市場にしたいとの強い思いを感じる。昨年9月、イギリスは先進国で初めて人民元建ての国債を発行すると発表している。本腰を入れて人民元の取り込みを図っていることの表れだろう。

 また、イギリスは、かつてキャメロン首相がダライ・ラマ14世と面会したため、他のヨーロッパの国に比べて、中国との関係構築に出遅れているという思いをもっている。ドイツのメルケル首相などは、中国と非常に良好な関係を築いている。放っておけば、実需を通じてフランクフルトにシティの座を奪われるのでは、という危機感もあるのだろう。

 中国の経済力の魅力が、世界中で抗しがたいものになっている。中国の掲げる「一帯一路」構想は、ヨーロッパ市場と中国市場を近付けるものだ。ヨーロッパ各国にとっては、日本と異なりAIIB加盟は経済的なメリットがあると言える。いずれにせよ、存在感を増した中国の動きがAIIB設立だけにとどまる保証はどこにもない。

(聞き手・構成/Wedge編集部)

◆Wedge2015年6月号より

690とはずがたり:2015/06/16(火) 21:07:06
米国から中国にパワーシフト 基軸通貨も「人民元」に?
http://dot.asahi.com/wa/2015041500080.html?relLink=org1
(更新 2015/4/16 07:00)

 世界の国々は今、中国が起こすインフラ・バブルの波に乗ろうと、国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加を表明している。取り残されたのは、強い拒否感を示すアメリカと、アメリカの顔色をうかがう日本。与党内から「日本は取り残される」といった懸念の声が上がっている。

 なぜ中国主導のAIIBになびくのか。

 各国の事情を垣間見ることができると言うのは、前「アジア開発銀行」(ADB)研究所長で東京大学公共政策大学院特任教授の河合正弘氏だ。

「ADB研究所などの試算によると、アジアでは10年から20年までの11年間で8.3兆ドル(約996兆円)ものインフラニーズが起こると予想しています。このうち世界銀行とADBがまかなっているのは1年間300億ドル(約3兆6千億円)程度。アジアでの膨大な需要に対して、世界銀行とADBだけでは支援が追いつかないのが現状なのです」

 さらに、世界銀行とADBが抱える事情もある。

 途上国にとっては、スピードこそ最も大事なポイントで、早く完成させるためには、資金がのどから手が出るほど欲しいのが実情。

 だが、世界銀行とADBは、環境や住民移転の影響評価など慎重に精査するのでインフラ建設を開始するまでに5年以上かかるケースもあるというのだ。

「これまで、援助を受ける側だった中国が経済的にも成長した。そこで新しく途上国を支援する金融機関を立ち上げ、途上国の受け皿にしようと考えたのです」(河合氏)

 その先には、ドルに代わって「人民元」を基軸通貨にしたいという思惑までもが見え隠れする。

 信州大学経済学部の真壁昭夫教授が言う。
「現在、国際的な取引・決済に使われる通貨『基軸通貨』はドルで、取引する際、為替の影響を受ける可能性があります。中国は今、4兆ドル近い外貨準備を保有しています。その規模は世界一。人民元は国際金融市場で他の通貨との交換に制約があるため、制限を緩和する狙いもあるのでしょう」

 アメリカと同盟国のイギリスは、ロンドンの金融市場では人民元で直接決済できるようにして、ビジネスを拡大させたいといった狙いがある。ドイツは中国への輸出を拡大することが目的。メルケル首相が05年就任以来、訪日は3回なのに対して、中国を8回も訪問している。

 経済が減速しているとはいえ、中国のGDPは、あと10年もすれば、アメリカに追いつき追い越す。それを見越して世界の各国が中国についていっているというのは、中国情勢に詳しい東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト。
「現在、日本のGDPは世界第3位ですが、中国との差は開くばかりです。IMFの予想を見ても19年にはその差は3倍になり、経済大国などと言っていられなくなります」
 インフラ・バブルの波に乗り、アベノミクス成長戦略を達成させるためにも、中国との関係を良好にする必要があると苦言を呈す。

 アメリカ国内からも、G7の4カ国がAIIBの創立メンバーに入ったことに危機感を抱く声が上がってきている。

「このままではアメリカは孤立する」と警鐘を鳴らすのは、アメリカのシンクタンク「外交問題評議会」(CFR)上級研究員のスチュワート・M・パトリック氏だ。国際関係の重力の中心、つまり「パワーシフト」が西から東に起きつつあるという。

「経済の影響力がアメリカから中国へシフトしていることを象徴しています。オバマ政権は過去にも国連人権理事会のような不備のあった多国籍間組織に対して、参加して内部から改善を推し進めるアプローチを取って成功しています。今回は、それをしないで同盟国にAIIBへの不参加を要請しています。この戦略は短絡的でアメリカは孤立してしまいます」

 アメリカ以外の主要先進国がAIIBに参加を表明したことは、中国の経済影響力の高まりを反映しているだけではない。オバマ政権のリーダーシップの欠如への不満が根底にあるとパトリック氏は斬る。

「10年にG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)で、途上国の融資額を倍にする、また中国などの主要な新興国にも議決権を許諾するといったIMFの改革が合意されました。ところが、5年たった今でも、これらの改革はアメリカ議会で引き延ばされたまま。IMF改革が頓挫している状況で、アメリカがヨーロッパの同盟国にAIIBに参加するなという説得はできない」

 イギリスが実利を追求する行為は、アメリカを西軍と見たてると、関ケ原の戦いで小早川秀秋が徳川方に寝返り、後に西軍が総崩れした姿を彷彿させる。

 国際社会でアメリカの一極体制が崩れ始めた今、日本は、アメリカ依存体質からの脱却が迫られている

※週刊朝日  2015年4月24日号より抜粋

691とはずがたり:2015/06/16(火) 21:07:46

ドル崩壊で日本沈没。中国主導のAIIBは「ノアの方舟」?
http://dot.asahi.com/dot/2015050800035.html
by 田中宇 (更新 2015/5/ 8 16:00)

 中国主導の国際開発金融機関であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の行方に注目が集まっている。米国と日本が参加を見送るなか、創設時加盟国の申請締め切りである3月末にかけて、英国をはじめ仏独など主要国が次々と参加を決めた。メディア上では様々な意見が飛び交っているが、“覇権の多極化”、“米国ドル覇権の崩壊”という世界史の大きな流れを踏まえると、どのような構図が見えてくるだろうか。
*  *  *
 北京に本部を置く「アジアインフラ投資銀行」(以下、AIIB)は、アジア地域の道路や港湾、発電所などのインフラ開発に国際投資する事業を行う予定で、中国が2013年秋から設立を提唱し、14年10月に正式発足した。当初、創設時加盟国の参加申し込みを14年末に締め切る予定だったが、欧州勢の参加する可能性があったためか、創設時加盟国の申し込みを今年3月末まで延長していた(創設時から加盟した方が、銀行の基本的な運営に対する発言権が大きくなる)。

 これまで、国際金融機関といえば国際通貨基金(以下、IMF)と世界銀行という「ブレトンウッズ機関」を筆頭に、米国の覇権運営を補佐する存在だった。アジアではIMF世銀体制下に、日本が歴代の総裁職を占めてきたアジア開発銀行(ADB)がある。近年、中国やインド、ロシア、ブラジルなどの新興諸国(BRICSなど)が経済力をつけ、米国とその傘下の日欧の発言力が圧倒的な国際金融機関の運営体制を変えてほしい、新興諸国の発言力を増加してほしいと要請していた。2010年、IMFで、中国など新興諸国の発言力(出資比率)を増やす改革の方針が決まり、米政府(民主党オバマ政権)も署名したが、共和党主導の米議会が批准を拒否したまま、改革が座礁している。

 経済協力として見ると、アジアへのインフラ投資が足りないのだから、設立者が中国だからという理由で米日がAIIBに入らないのはおかしい。中国は、日本にも米国にも、AIIBへの加盟を誘っている。国際協力の経験が豊富な米日など先進国がAIIBに入り、中国による運営の下手なところを助けてやるのが筋だ。

 しかし、この話を国際政治として見ると、これまで米国は中国が台頭して自国の覇権を崩すことを嫌い、IMFにおける中国の発言権拡大を拒否している。そこで、拡大を断られた中国がAIIBを創設したが、米国は関係諸国にAIIBに加盟するなと圧力をかけてきた。しかし、米国の衰退と中国の台頭を予測する欧州勢は米国の圧力を無視してAIIBに加盟し、対米従属と中国嫌悪に固執する日本だけが米国に追随してAIIBに入らない、という流れに納得がいく。

692とはずがたり:2015/06/16(火) 21:07:57
>>691-692
 歴代総裁が日本人であるADBは、米国が、自国の覇権下で対米従属の日本がアジアを主導するかたちをとった組織となっている。経済協力として見ると、AIIBができてもADBにマイナスでないが、国際政治として見ると、AIIB(中国)が拡大するほどADB(日本)が縮小する。日米以外の関連諸国がこぞってAIIBに入りそうな現状は、アジアの盟主が日本から中国に代わりそうなことを示している。

 フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、欧州などがAIIBに加盟する動きを、世界がドルよりも人民元を好むようになっていることを象徴するものだと書いている。通貨の分野では、中央銀行による債券買い支え(QE=Quantitative easing 量的金融緩和政策)がないと米国のドル基軸体制を維持できない状態になっている。中国などBRICSは、ドル崩壊に備え、各国の自国通貨を使った貿易体制を組んでいる。ドル基軸体制とIMF体制は同一のものだから、中国がIMFと別にAIIBを作ったのは、ドル崩壊への備えであるともいえる。ユーロ諸国が、ドルより人民元とのつながりを重視し、AIIBに入るのも自然な動きだ。

 AIIBは設立まで1年半の時間しかかけていない。ちょうど、米連銀がQEを続けられなくなり、代わりに日欧にQEをやらせる動きをしていた時に、中国は、AIIBやBRICS開発銀行などIMF世銀体制の代替組織の設立を急いで準備していた。

 日本は、ドルを延命させるため、日銀が新規発行の日本国債の全量を買い上げる過激なQEを続けている。いずれ日銀のQEは効果が下がる。日本国債の金利上昇とデフォルト(債務不履行)、超円安などの混乱が起こり、日本は経済破綻する可能性が増している。すでに、日銀がQEを減らして軟着陸的に終了させるのは非常に困難だ。出口はない。日本は自分を人身御供にしてドルを救おうとしているが、日本が破綻した後、ドルも延命策が尽きて破綻しそうだ。具体的に何が起きるか予測が困難だが、大変なことになる。

 このきたるべき大変な事態を予測して、中国などBRICSは、ドル崩壊の大惨事が起きても自分たちが溺死せずにすむ「ノアの方舟」的な、ドルに頼らない決済体制を準備している。その一つがAIIBだ。こうした通貨の面でも、日本は負け組で、中国が勝ち組だ。最近の日本では、中国を嫌悪、敵視、批判する言論が歓迎される半面、中国を客観的、肯定的にとらえて分析する言論は、誹謗中傷を受ける。日本人は、中国を嫌うばかりで、中国に負けないようにする方策を冷静に考えることを自分たちに禁じている。中国の台頭や日本の衰退を食い止めるには、まず中国を冷静に分析することが必要だ。

※「田中宇の国際ニュース解説」より抜粋、一部修正

693とはずがたり:2015/06/17(水) 20:11:09
日本が造ろうとしてアメリカに潰されたアジア通貨基金も中国に造って貰っても良いかもね。
アメリカの政治的不能(アメリカ議会の改革潰し)と云う政治問題の批判を読み取れない岡崎研究所は阿呆か?

ただ経済成長がこの4半世紀で大安売りになって誰もが購入出来る様になってしまって民主主義の裏打ちが必要なくなってしまって其処に中国はつけいる隙を見つけているんだけど,中国の経済力(専ら規模と潜在性だけど)に誰も逆らえない現状では保守派的な中国潰せと云う観点ではリアリストだという本人達の自覚とは正反対に夢物語である様に思える。

マクロ経済から見た
AIIB支持論の落とし穴
2015年05月18日(Mon)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4971

 米コロンビア大学教授でノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツが、4月13日付Project Syndicateのサイトで、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、援助の流れを多国間化し貯蓄と投資をグローバルな規模で仲介する試みであると評価し、米国による反対を非難しています。

 すなわち、AIIBの設立と、多くの国の政府によるそれに対する支持の決定は、IMF・世銀も含め、普遍的に祝福すべきことと思われるが、奇妙なことに、裕福な欧州の国々の参加は米当局者の怒りを触発した。

 米国のAIIBへの反対は、経済的優先順位をアジアに置いていると述べていることと矛盾する。

 中国が証明する通り、インフラ投資は大いに経済発展に貢献する。AIIBは、人、モノ、アイデアを自由に流入させ、投資を行き渡らせる効果を、アジアの他の地域にももたらすであろう。オバマ政権は貿易の価値を支持しているが、途上国では関税よりもインフラの欠如が遥かに深刻な障壁である。

 AIIBのような基金には、さらに重要なグローバルなメリットがある。現在、世界は総需要の不足に悩まされている。

 ベン・バーナンキは、FRB議長時代に、この問題を誤って「世界的貯蓄過剰」と言ったが、膨大なインフラ需要のある世界では、問題は、貯蓄過剰や投資機会の欠如ではなく、金融システムが貯蓄と投資をグローバルな規模で仲介できていないことである。それゆえ、AIIBは、グローバルな総需要に対し、ささやかながら大いに必要な後押しをし得る。

 我々は、資金の流れを多国間化しようとする、中国のイニシアチブを歓迎すべきである。それは、第二次大戦後、それまで圧倒的に米国から来ていた経済発展資金を世銀の設立により多国間化した、米国の政策の模倣である。

 昨年7月に設立されたBRICS銀行を含む、援助の流れを多国間化する新たな試みは、同様に、グローバルな発展に大きく寄与しよう。数年前、アジ開銀は競争的多様主義の価値を擁護したが、AIIBは、その考え方を開発金融において試す機会を提供する。

694とはずがたり:2015/06/17(水) 20:11:31
>>693-694
 米国のAIIBへの反対は、1990年代末期の「新宮沢構想」への反対に似ている。当時も今も、多極化が進む世界において、米国はG1であり続けたがっている。資金の欠如と、危機対応についての誤った考えへの米国の固執が相俟って、景気停滞を必要以上に深く長いものにさせてしまった。

 インフラ政策が他の政策領域よりも、イデオロギーと特別な利益の影響を遥かに受けないことを考えれば、米国のAIIBへの反対は、ますます理解し難い。さらに、インフラ投資における環境、社会保護の必要性は、多国間の枠組みにおいてこそ、より効果的に議論されることができよう。

英仏伊独、その他AIIBへの参加を決定した国々は祝福されるべきである。欧州とアジアの他の国々が参加することで、インフラ改善の助けとなり、中国と同様、アジアの他の地域の生活水準を上げ得ると期待される、と論じています。

出典:Joseph E. Stiglitz,‘Asia’s Multilateralism’(Project Syndicate, April 13, 2015)
http://www.project-syndicate.org/commentary/china-aiib-us-opposition-by-joseph-e--stiglitz-2015-04

* * *

 AIIBを専らマクロ経済問題の視点から論じた論説です。

 米国のAIIB反対に対するスティグリッツの批判のうち、米国が反対しているのは、米国が多極化が進む世界において、G1であり続けたがっているからであるという点は一理あります。中国は今や世界第二の経済大国であり、それが世界経済のガバナンスに反映されてしかるべきです。しかし、米国は、例えばIMFで中国により大きな議決権を与えることに反対しています。もっとも、反対したのは米政府ではなく米議会です。米国は世界経済に占める中国の地位に見合った役割を中国に認めるべきですが、世界経済の現実を直視しようとしないのは米議会なのかも知れません。

 AIIBがアジアの膨大な投資需要にささやかながら貢献するものであるという点は、その通りです。スティグリッツは、現在の世界経済の問題は、金融システムが世界的に過剰な貯蓄と過小な投資を仲介できていないことであると言い、その点AIIBは重要な役割を果たすと言っています。ただ、世界的な貯蓄過剰の中心は民間資金であり、AIIBが扱うのは公的資金です。AIIBが世界的貯蓄過剰の軽減にささやかながら貢献するというのはどうでしょうか。スティグリッツはノーベル賞を受賞した経済学者ですが、疑問を呈さざるを得ません。

 スティグリッツの論は、中国が専ら経済的観点からAIIBを創設すると言っているに等しいですが、やはり、中国によるAIIB創設の政治的意図が考察されなければなりません。中国の意図が、アジア地域での影響力の増大を目指していることは間違いありません。AIIBの創設自体、中国の影響力の増大を意味しますが、今後中国がさらに影響力を増すようにAIIBを運営しようとするか、注視しなければなりません。AIIBを専ら経済問題として捉える、スティグリッツの論は、片手落ちと言えるでしょう。

695とはずがたり:2015/06/17(水) 21:10:05
ドル消滅!?投資家は「7つのサイン」を見逃すな!
http://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2015061200072.html
06月13日 07:00dot.

 投資家は、経済がどの道に進んでいるのかを示す兆候や警告に常に注意を払わなければならない。では、具体的にどのような動向に注目すればよいのか? 全米ベストセラー『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』(原題:The Death of Money)の中で、投資銀行家でリスク管理の専門家でもある著者ジェームズ・リカーズは、ドルと国際通貨制度の崩壊を予見している。崩壊時の大混乱を乗り切れるのは、今のうちに準備しておく投資家だけだ。そのために注目すべき「7つのサイン」がある。

1.量的緩和とアベノミクスの終了
アメリカもしくは日本の資産買い入れが持続的に縮小されて、デフレに新たな勢いを与え、資産価格と成長を抑圧するだろう。これは、アメリカでQE1(量的緩和政策第1弾)とQE2(量的緩和政策第2弾)が終了したときに起こったことであり、2012年に日本銀行が約束していた金融緩和を実施しなかったときにも同じことが起こった。だが、資産買い入れが縮小されるとデフレ効果が発生するため、1年以内にふたたび買い入れが拡大されると考えるべきだ。

2.中国の崩壊
理財商品というポンジ・スキーム(詐欺の一種)の崩壊による、中国の金融崩壊だ。中国の金融部門の他国との相互接続の度合いは、アメリカやヨーロッパの主要銀行に比べると低い。そのため、中国の崩壊は主として国内の問題になり、共産党は政府系ファンドが保有している準備資産を使って、貯蓄者を落ち着かせ、銀行の資本を強化するだろう。

だが、その後は輸出を促進し、雇用を創出し、外国為替市場における人民元を下落させる努力を再開する。それにより、安価な中国の財がグローバル・サプライチェーンにふたたびどっと流れ込むので、短期的にはデフレをもたらし、長期的にはアメリカと日本のインフレをもたらすだろう。その時点で、完全には消え去っていなかった通貨戦争が、ふたたび燃え上がる。

3.金の価格
金の価格は中央銀行によって操作されているが、無秩序な価格変動は、操作の策動が崩壊しつつあるサインだ。1オンス=1500ドルという水準から2500ドルという水準に急上昇した場合、それはバブルではなく、実物買いのパニックが始まっている。逆に、1オンス=800ドル以下に下がった場合には、投資家に破壊的な影響をおよぼすおそれがあるデフレのサインだ。

4.中央銀行による金の継続的な取得
中国が4000トン以上の金を収得したと発表したら、それは諸国の中央銀行による金の取得というトレンドの重要なしるしであり、インフレの前触れになる。

5.IMFのガバナンス改革
IMF(国際通貨基金)の国際準備資産であるSDR(特別引き出し権)の通貨バスケットの構成がドルの比重を下げるように変えられたら、それはドル・インフレの早期警報である。あるいは、巨大グローバル企業がSDR建ての社債を発行し、それが政府系ファンドや地域開発銀行のポートフォリオに組み入れられたら、それはSDRを世界貨幣にする計画が加速しているサインだ。

6.金融規制改革の失敗
大手銀行の規模を制限し、銀行の資産集中を減らし、投資銀行活動を抑制しようとするアメリカの規制機関や議会の努力は、銀行のロビイストたちによってくじかれるだろう。銀行ロビイストは議会で圧倒的優位を占めており、改革の努力が表面的な成功以上のものを達成すると考えるのは難しい。改革が行われないかぎり、2008年のリーマン・ショック以来のシステム崩壊が、ふたたび起こるにちがいない。

7.システムの崩壊
2010年5月6日のフラッシュ・クラッシュ(瞬間暴落)、2012年8月1日のナイト・トレーディングのコンピューターによる誤発注、2013年8月22日のナスダックの一時閉鎖――。これらの混乱は、徹底的に自動化された高速大量取引マシンの悪質ないたずらだ。このような現象が増えた場合には、取引システムがぐらついているか、不均衡に向かっている、あるいは中国かイランがサイバー攻撃能力を完成させつつあることを示唆している可能性がある。そのうちに、問題が制御不能になって、市場閉鎖という事態を招くだろう。

 これらのサインは必ずしもすべてが現れるわけではないが、今すぐに発生してもおかしくはないものばかりである。いずれかのサインが実際に現れた場合は、その具体的な結果と投資にとっての意味合いに注意を払ってほしい。

696とはずがたり:2015/06/17(水) 21:15:16
10カ国超が新規参加意向 中国主導のアジア投資銀
共同通信 2015年6月17日 19時01分 (2015年6月17日 19時04分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20150617/Kyodo_BR_MN2015061701001783.html

 【北京共同】中国が主導して設立する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に、既に参加が決まった創設メンバー57カ国以外にも10カ国超が新たに参加意向を示していることが17日、分かった。参加国が70程度に拡大し、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を超える可能性がある。
 関係者によると、57カ国以外にも参加方針を中国側に伝えるなどした国が十数カ国はある。オセアニアや、中央アジアなどの国が多いもようだ。
 AIIBは組織の枠組みを定めた設立協定の署名式を29日に北京で開く。習近平国家主席や各国の閣僚が出席する見通し。

697とはずがたり:2015/06/22(月) 08:44:34
ギリシャ、増税軸の新提案検討へ ユーロ圏首脳会議目前
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/176/147ebdc58afc6ef29f8f922ef2030fb2.html
(朝日新聞) 05:34

 欧州連合(EU)との支援交渉で瀬戸際に追い込まれたギリシャは21日、付加価値税の増税を柱とする新たな提案についてEU側に伝えた。22日(日本時間23日未明)のブリュッセルでのユーロ圏首脳会議を目前にひかえ、ギリギリの調整が続いている。

 チプラス首相は21日、臨時閣議を開いた。ギリシャ政府関係者らによると、新提案では、新聞や雑誌に対する付加価値税を現在の倍にあたる13%に引き上げる一方、電気料金などの税率は現状維持。早期退職を制限し、年金コストを削減する移行期間を6年から3?4年に短縮することが柱という。

 22日のユーロ圏首脳会議の交渉が決裂した場合、ギリシャは債務不履行(デフォルト)に陥る可能性が高まり、ユーロ圏からの離脱も現実味が増す。

<ギリシャ>預金5880億円流出 さらに加速も
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150620k0000e030240000c.html
06月20日 10:37毎日新聞

 【ロンドン坂井隆之】財政破綻の瀬戸際にあるギリシャで、今週だけで全預金の約3%にあたる42億ユーロ(約5880億円)が銀行から引き出されたことが19日、わかった。欧州中央銀行(ECB)は同日、ギリシャ中銀の要請に応じ、銀行の資金繰りを支援する「緊急流動性支援(ELA)」の上限を急きょ、約18億ユーロ増額した。欧州連合(EU)が22日開催するユーロ圏首脳会議で金融支援に合意できない場合、預金流出がさらに加速するのは確実だ。

 ロイター通信が報じた。ギリシャの銀行は信用不安から金融市場でお金を十分調達できない状態が続いており、2月以降はELAに資金繰りを頼っている。ECBは17日にELAの上限を11億ユーロ引き上げたものの、支援交渉決裂への不安から預金流出が急増したため、異例の2度目の増額に踏み切った。ギリシャ中銀は19日、「金融システムの安定は中銀の行動で完全に確保されている」との声明を出し、冷静な行動を呼びかけた。

 EUのトゥスク欧州理事会常任議長(大統領)は同日夕、ビデオ声明を発表し、「ギリシャが(EUの)提案を受け入れるか、債務不履行に向かうか、選択の時が近づいている。時間は数日しかない」とギリシャ政府に緊縮策の受け入れを強く求めた。同時に「首脳会議に手品のような解決策があるとの幻想は持つべきではない」と述べ、トップ交渉による譲歩引き出しを狙うギリシャ政府をけん制した。

698とはずがたり:2015/06/23(火) 08:53:36
ユーロ圏首脳会議 ギリシャ支援今週中に合意を
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150623/k10010124311000.html
6月23日 6時52分

資金繰りがひっ迫しているギリシャへの金融支援について、ユーロ圏の首脳は22日、緊急の会議を開き、支援の条件となるギリシャの構造改革案についてさらに協議が必要だという認識で一致し、今週中に合意を目指すことになりました。
ユーロ圏の緊急の首脳会議は、日本時間の23日未明からベルギーの首都、ブリュッセルで始まりました。
ギリシャへの金融支援を巡っては、ユーロ圏各国などが年金の支出削減などの構造改革を求めているのに対し、ギリシャ側が反発し、対立が続いています。
首脳会議では、ギリシャ政府が年金の支出削減に向けて公務員の早期退職制度の見直しなどを含む新たな構造改革案を示したことから、その内容について3時間余りにわたって議論が交わされました。
その結果、ユーロ圏の首脳は、ギリシャ政府が歩み寄りを見せたとして一定の評価をしたものの、合意に至るまでにはさらに協議が必要だという認識で一致し、結論を先送りしました。
会議のあとの記者会見で、EU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領は「ギリシャの新しい提案は前向きな第一歩だ」と述べ、24日にユーロ圏財務相会議を開くなどして今週中に合意を目指す方針を示しました。
ギリシャは、金融支援がなければ、今月末に期限を迎えるIMF=国際通貨基金への巨額の債務の返済ができない見通しで、ギリシャの債務不履行を回避するため、支援の実施に向けて今後詰めの協議が行われることになります。

699とはずがたり:2015/06/25(木) 03:26:09

ギリシャ支援、大詰めの交渉=改革案判断へ―ユーロ圏財務相会合
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150624X807.html
06月24日 23:37時事通信

 【ブリュッセル時事】大詰めを迎えたギリシャ支援交渉で、欧州連合(EU)ユーロ圏19カ国は24日、ギリシャが提出した新たな財政改革案の可否を議論するため、ブリュッセルで財務相会合を開く。週内決着へ楽観論が広がる一方、ギリシャ国内では「譲歩」に反発する動きも台頭。月末の支援期限を控え、同会合が合意につながる判断を下せるかは予断を許さない。

 ギリシャのチプラス首相は国内の反発を意識して「債権団の一部は(改革案を)受け入れていない」と批判。同氏は会合前に、ユンケル欧州委員長や国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事ら債権団トップと会談し双方の努力を確認するとみられるが、先行きには不透明感も漂う。

 ギリシャの改革案は、焦点となっていた年金制度の見直しで支給開始年齢を早期に引き上げたり、一部品目に対する付加価値税率や法人税率を引き上げたりすることで財政再建を図る方針を盛り込んでいるもようだ。欧州メディアによると、債権団は改革案を一部修正した案を提示。事務レベルの調整が続いている。

 財務相会合が改革案にゴーサインを出せば、25、26両日に開催されるEU首脳会議で支援が承認される見込み。一方、交渉が決裂すると、ギリシャは15億ユーロのIMFへの債務を6月末の期限までに返済できず、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が一気に高まる。

700とはずがたり:2015/06/26(金) 08:16:10
720 名前:名無しさん[] 投稿日:2015/06/20(土) 22:30:15
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000011-ykf-int
英独も腰引ける やはりAIIBは中国“独裁” 拒否権、本部、総裁を独占
夕刊フジ 6月18日(木)16時56分配信

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)で、中国の独裁色が一段と強まった。懸念されていた通り、事実上の拒否権を握り、本部も総裁も自国で独占。参加のメリットをあおっていた欧州勢も、ドイツが理事ポストを敬遠し、英国も10番目の出資額となるなど腰が引けてしまっている。

 創設メンバー57カ国から閣僚級が集まり、設立協定署名式が29日、北京市内で開かれる見通しだが、参加に慎重な日米が不安視していた要因は何ら払拭されなかった。

 資本金1000億ドル(約12兆4000億円)で発足し、中国は単独で29・8%を出資する最大の出資国となる。

 議決権は85%が出資比率によって配分され、残り15%分は創設国に均等に配分される。中国の議決権は25%になり、事実上の拒否権を握る。

 本部を北京市内に置くほか、初代総裁は設立準備事務局長の金立群・元中国財政次官=元アジア開発銀行(ADB)副総裁=が有力視されるなど、国際金融機関とは名ばかりで、中国色が極めて強い。

 欧州各国も距離を置くような動きが目立つ。ドイツは出資額が中国、インド、ロシアに続く4番目にとどまり、単独での理事ポスト獲得も見送ったとされる。G7(先進7カ国)の先陣を切って参加表明した英国に至っては出資額が韓国やインドネシア、ブラジルなどを下回る10番目だ。

 中国財政省などは日本が歴代総裁を出しているADBなど国際金融機関から幹部級の人材を引き抜く動きをみせている。北京市内の高級住宅を提供するなど高待遇を提示しているという。人材不足も露呈したAIIBだが、このまま始動して大丈夫なのか。

721 名前:とはずがたり[] 投稿日:2015/06/25(木) 10:48:27
>>720

>事実上の拒否権を握り、本部も総裁も自国で独占。
これはなんら目新しいものではなくそもそも判っていた事ですよね。IMFもアメリカが拒否権握って機能不全に陥ってるし。。

>参加のメリットをあおっていた欧州勢も、ドイツが理事ポストを敬遠し、英国も10番目の出資額となるなど腰が引けてしまっている。
この辺は当初の予想と比べてどうなんかな?最初から域外国の出資比率は低いことは想定されてたし。

>残り15%分は創設国に均等に配分される
参加しなかった安倍の判断を擁護したいだけの記事に見えるけど,現実にはこのメリットを抛棄するだけのメリットがあるかどうかですね〜。
個人的にはまあ一旦見送ったのはそんなに悪くはないと思うけど。

701とはずがたり:2015/06/30(火) 11:10:04
国民が離脱を望まないと云う意思表示が必要でギリシャ政府の国民投票強行は評価出来るし,EUも離脱はマイナスだと知らしめる為に猶予しないと突っぱねたのも評価出来る。(どうも報道見てるとギリシャ政府はのらりくらり真面目に交渉してないと云う印象で,それにEU側がかなり苛々していると云う様にしか見えないけど,それもこれもギリシャ国民に納得させる為の壮大なギリシャ演劇である様に俺は思えるんだけど・・。勿論,国民が納得して(騙されて)呉れるかは未知数でまだ喜劇になるか悲劇に終わるかは判らないんだけど。。)

ギリシャ支援、期限迫る 債務不履行の懸念増大
共同通信 2015年6月29日 19時33分 (2015年6月29日 22時54分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20150629/Kyodo_BR_MN2015062901001962.html

 【ブリュッセル共同】財政危機に陥ったギリシャに対する欧州連合(EU)の支援が30日(日本時間7月1日)、期限を迎える。支援融資72億ユーロ(約9700億円)は凍結されたままで、同日には国際通貨基金(IMF)に対する債務約16億ユーロを返済しなければならない。現状では返済は困難とみられ、いずれデフォルト(債務不履行)となる懸念が高まっている。事態が緊迫する中、ギリシャとEU側は事態打開の糸口を探る。
 ギリシャ国内の銀行は29日、営業を停止した。現金自動預払機(ATM)も稼働を停止していたが、同日午後に入って一部の銀行で利用可能になった。

ギリシャのチプラス首相「返済できない」、デフォルト懸念強まる
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20150630/zuuonline_70698.html
ZUU Online 2015年6月30日 10時13分 (2015年6月30日 10時13分 更新)

 ギリシャのチプラス首相は6月29日、債務問題をめぐり30日に期限が迫ったIMF(国際通貨基金)への債務返済について、ギリシャのテレビ番組で「実現可能な合意ができない限り、返済はできない」と述べた。
 
 現地メディアなどが報じた。緊縮財政策の賛否を問う国民投票を7月4日に予定しているが、この国民投票で緊縮策が支持された場合は首相を辞任する意向も表明した。
 
 ギリシャの抱える債務のうち、IMFに対する約2100億円の返済期限が30日に迫る一方、27日に開かれたユーロ圏財務省会議は今月末の期限を延長せずに金融支援を終了する方針を示しており、デフォルト(債務不履行)への懸念が強まっている。ギリシャは欧州連合など債権団から金融支援の要求された緊縮財政策の賛否を問う国民投票を実施することにしている。(ZUU online 編集部)

702とはずがたり:2015/06/30(火) 12:50:04
ギリシャ大手4行「部分デフォルト」=国債も格下げ
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150630X600.html
07:28時事通信

 【ニューヨーク時事】格付け大手フィッチ・レーティングスは29日、ギリシャで預金引き出し制限などが導入されたことを受け、国内大手4銀行の格付けについて、破綻状態の一歩手前で「部分的なデフォルト(債務不履行)」を意味する「RD」に引き下げたと発表した。

 「RD」に格下げされたのは、ナショナル銀、ユーロバンク、ピレウス銀、アルファ銀。フィッチは、金融機関の営業休止や引き出し制限が「銀行の(返済が優先される)上級債務の重要な部分に影響を与える」と判断した。

 一方、格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も同日、ギリシャ国債の格付けを投機的水準の「CCC(トリプルC)」から「CCCマイナス」に1段階引き下げたと発表。今後、一段の格下げの可能性もあるという。

703とはずがたり:2015/06/30(火) 13:26:10
2010年のレポ。年金が一番センシティブだけど滅茶苦茶な制度なんだけどギリシャ人は被害者意識があるあたり現状のファクターを良く網羅している。

ギリシャ現地リポート
債務危機 そこに生きる人々
http://www.jiji.com/jc/v?p=new-special-greece0001
時事通信社フランクフルト特派員 高岡秀一郎

 どうしてここまで財政赤字が膨れたのだろうか。
 「ギリシャは過去30年間拡大的な財政政策が続いていたが、その政策に慎重さを欠いていたのが問題の根源」と、同国有力シンクタンクの計画経済研究センターでマクロ経済を担当するエコノミスト、ステラ・バルフシア氏は語る。
 同氏によると、歳出の大半が巨額の公共投資に回った。なるほど、こうした投資は経済成長を促したが、必ずしも効率的ではなかったという。

 巨額の公共投資は、同国における公的部門の肥大化につながり、就業者数の4分の1が公務員と言われるまでになった。
 アテネ商工会議所のミハロス会頭は、「人口規模に比べて公的部門が大き過ぎる。政府や野党も含めて誰も正確な数字を知らなかったが、われわれが最近調査したところでは、ギリシャの人口は約1100万人だが110万人の公務員がいる。ちなみに人口規模がだいたい同じくらいのオーストリア(約830万人)は30万人だ」と指摘した。

 加えて、公務員の給与水準は民間より高め。地元の旅行業者は、「公務員が月給2000〜3000ユーロもらっていることが今暴露されているが、この国ではあり得ない水準で異常」と話す。なお民間ならば、若年層では1000ユーロ前後もざらにあるそうだ。

年金制度が崩壊の恐れ

 公的部門以上に問題なのは、年金制度だ。ドイツの商銀大手コメルツバンクが最近公表したリポートによると、ここ数年の同国における年金引き上げはインフレ率を上回り、支給額も賃金水準の73%と、ユーロ圏内では図抜けて多い。

 リポートは「改革がなければ15年以降、同国の年金支払いは危機に陥る」と警告する。

 なおギリシャの年金受給の平均年齢は61歳で、55歳からの前倒し受給も可能。さらに「危険な職種」と言うことで、軍人や警官はさらに早期に受給できる。

 ギリシャ銀行大手アルファ銀行の主任エコノミスト、ミハイル・マスラキス氏は、「既に公務員の賃金カットは大きな反対もなく行われ、脱税阻止を目指した税制改革により、医者(同国では所得過少申告の代名詞)が以前より多く税金を払うようになっても、誰も気に留めない」としたが、皆が関わってくる「年金制度改革は極めてセンシティブ」と指摘する。

 同氏によると、多くの年金保険を払っているのに受け取りが少なかったり、一方で払い込み年数が少ないのに多くもらえたりと、現行制度は「極めて複雑で不公平なシステム」という。
 しかし、「社会の高齢化や制度破綻(はたん)の危機を踏まえれば、政治家は過去30年間国民に行ってきた約束を撤回せざるを得ない」とマスラキス氏はみる。

 だが年金制度の危うさは、高齢化が進む先進国共通の現象。さらに言えば、今やユーロ圏のみならず、日本や米国も大幅な財政赤字を抱えている。それなのに、なぜギリシャだけが危機なのか。

 アテネ商工会議所のミハロス会頭は、「確かにわれわれには問題があるが、なぜ大勢の中からつまみ出されたのか。それはわれわれの経済規模がEUの2%と小さいからだ」と嘆く。アテネ中小製造業団体のラバニス会長も、「他の国も大幅な債務を抱える中、こうはならないように戒めとして標的にされている」と残念そうに語った。

704とはずがたり:2015/07/01(水) 10:35:40
例え離脱したとしてもまともでないレベルの年金のばらまきや公務員の過剰雇用は是正されないとダメだろう。

「親EU派」2万人デモ=反緊縮勢力上回る―ギリシャ
http://news.goo.ne.jp/topstories/world/495/8824fd5a74a2d57de3b91efd82529d88.html
(時事通信) 06:07

 【アテネ時事】欧州連合(EU)など債権団からの支援打ち切りを目前に控えた30日のギリシャで、欧州通貨ユーロへの残留を求める「親EU派」の人々が各地でデモを行った。AFP通信によると、全国の参加者は2万人超。チプラス政権を支持し、債権団が求める緊縮財政に反対する人々が前日に行った集会の動員数約1万3000人を大幅に上回った。

 「国民投票でイエスを!」。首都アテネにある議会前のシンタグマ広場では、夕刻から欧州旗や国旗を手にした数千人が集結。7月5日の国民投票で緊縮財政を拒否する主張が通れば、ユーロ離脱で国内経済が壊滅的な打撃を受けると予想する参加者は現状を深刻に受け止めている。国民投票では緊縮策に賛成票を投じようと口々に訴えた。

705とはずがたり:2015/07/01(水) 14:53:40

AIIB創設決定、国際社会の信頼が鍵
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20150629001.html
06月30日 08:21フジサンケイビジネスアイ

 AIIBの創設メンバー57カ国のうち50カ国が設立協定に署名し、中国が主導する初めての国際金融機関の創設が決まった。日米欧が中心の世界銀行やADBなど貧困対策を支援してきた既存の国際金融機関とは異質な利益最優先の組織だ。銀行運営の「透明性」で、国際社会からいかに信頼を得られるかが鍵になっている。

 中国財政省が29日に公表したAIIB設立協定によると、資本金1000億ドルのうち、中国が約29.8%の298億ドルを拠出する最大出資国。これにインド8.4%、ロシア6.5%。ドイツ4.5%が続く。中国の議決権は出資比率よりやや下がって約26.1%だが、増資や新規出資国の承認など重要事項の決定には全体の75%以上の賛成が必要。中国は単独で「拒否権」を握る。

 中国が自らの意思を反映できる国際金融機関の創設に動いたのは、世銀やADBが融資案件に環境評価や人権保護などで厳格なコンディショナリティー(融資基準)を突き付け、柔軟性や迅速性に欠けると不満を抱いていたからだ。アジアや中東などの創設メンバー国も、これに同調した。

 AIIBは12人の非常駐の理事が電子メールなどで連絡を取り合う持ち回り会議でスピーディーな意思決定を売りにするが、北京に本部を置き、初代総裁も自国から出す中国の発言権が強まるのは明白だ。国際金融機関の名のもとで、習指導部の意向を受け、例えば軍事転用も可能な空港や港湾の建設などに簡単に融資が行われるリスクがある。

 ADBなどの厳格なルールの下で支援を受けてきた途上国が、手軽なAIIBに資金支援を求めてなびく懸念もある。「世銀やADBを既存の大手航空会社とすれば、AIIBは安全運航経験のない新参の格安航空会社(LCC)」(経済アナリスト)との指摘がある。安易な融資が焦げ付けば不良債権の山を生む。

 国内の個人消費や輸出が低迷し、経済成長のエンジンを周辺国に求めたい中国にとり、AIIB経由で鉄鋼製品や建設機械など国内過剰在庫が解消され、収益も上がるしくみは理想的と映る。しかしそこに、国際金融機関としての透明性や公平性は見えにくい。

 世銀やADBなどからの大口の借り入れ国の立場のまま、新たな貸し手になる矛盾もはらんだ中国が、年末の発足までにどこまでAIIBで説明責任を果たせるか。国際社会は注目している。(北京 河崎真澄)

706とはずがたり:2015/07/01(水) 19:22:17
【ギリシャ危機】IMFへの債務返済せず 先進国初の延滞国に  EU支援も失効 協議は継続
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-ecn1507010017.html
08:23産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】財政危機に陥ったギリシャに対する欧州連合(EU)の金融支援が7月1日午前0時(日本時間同日午前7時)、失効した。同時に返済期限を迎えた国際通貨基金(IMF)に対する約16億ユーロ(約2200億円)の債務も返済がなされず、IMFは同国を「延滞国」とすると発表した。ギリシャは事実上のデフォルト(債務不履行)状態となった。

 ギリシャへの金融支援が失効するのは、2010年の開始以来初めて。また、経済協力開発機構(OECD)加盟国であるギリシャが遅延国となるのは異例だ。財政が逼迫するギリシャの資金調達は一段と苦しくなる。

 IMFは延滞国のギリシャに対し、返済がなされるまで新たな融資は行わないとした。ギリシャから期限延長の要請もあり、今後、理事会に報告するとした。現在、IMFが遅延国とするのはスーダンとソマリア、ジンバブエの3カ国。

 ユーロ圏の財務相は6月30日夜、ギリシャの新支援要請を受けて緊急の電話会合を開催したが、要請を認めなかった。デイセルブルム議長(オランダ財務相)は会合後、1日午前に再び電話会合を開くとし、双方の協議は支援失効後も継続される。

 ただ、デイセルブルム氏は「ギリシャへの支援を続ける土台があるかを見る」と述べ、新支援などの協議はギリシャが5日に実施する国民投票終了後になるとした。EU側の財政再建策に対するギリシャの民意を見極めた上で、対応を検討する考えとみられる。

 ギリシャは支援の期限切れ直前の30日、EU側に対し、債務削減を含む2年間の新支援を要請し、債務不履行の回避のため短期間の支援延長も求めていた。従来の支援ではIMFも加わっていたが、新支援はユーロ圏のみに要請した。

707とはずがたり:2015/07/01(水) 19:58:30
solvent:溶媒・溶剤・解決方法・支払い能力のある・溶かす・溶解力のある

「溶かす」が「支払い能力がある」とは日本とは発想が逆だねw

ギリシャ「ユーロ離脱」への日程 Q&A
http://jp.wsj.com/articles/SB12090554170328684804804581080972466006428?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesSecond
By CHARLES FORELLE 2015 年 7 月 1 日 12:35 JST

 われわれは今、ギリシャ債務危機のクライマックスに差し掛かっている。危機はこれまでじわじわと進んできた。5年間に及ぶ退屈な交渉の節目ごとに債権団とギリシャ政府が激しく対立するということを繰り返してきたが、向こう3週間がヤマ場となる。ゲームの終わりは、ギリシャが欧州中央銀行(ECB)に国債を償還しなくてはならない7月20日だ。

 ギリシャのチプラス首相が土壇場で態度を翻し、さらなる救済融資供与の条件として債権団が要求している経済政策を受け入れない限り、ゲームは次のような日程をたどる。

Q: きょう6月30日に何が起こるか
A: 救済プログラムが正式に期限切れとなる。国際通貨基金(IMF)への15億5000万ユーロ(約2100億円)の返済が期限を迎える。

Q: それは問題か
A: 奇術の帽子からウサギが飛び出すように奇跡でも起こらない限り、ギリシャはIMFへのこの返済ができないだろう。IMFは怒るだろうが、支払えなくても、実際の影響はほとんどない。ユーロ圏の救済基金にはギリシャの救済融資のデフォルト(債務不履行)を宣言し、返済を急ぐよう要求するという選択肢がある。だが、それはいわゆる「nuclear option(禁じ手)」で、行使しない公算が大きく、少なくともすぐには行使しないだろう。救済基金についてはユーロ圏の財務相会合に権限がある。

Q: 救済プログラムの失効は
A: ここが厄介な点だ。失効すると、ギリシャの銀行(市中銀行)に対する緊急ライフラインに対するECBの見方が変わる可能性がある。ギリシャで最も脆弱なのはこれら市中銀行だ。

Q: なぜそうなのか
A: ギリシャの市中銀行は何カ月間にもわたり、ECBからの緊急融資に頼ってきた。市中銀行は現金に乏しく、すぐに売却できる資産がほとんどない。このため、預金者が現金の引き出しを求めているときは、ECBから資金を借りて、預金者に現金を渡せるようにしなければならない。

 直近の利用可能なデータによると、ギリシャ市民は年初から5月までに350億ユーロを引き出した。ギリシャ以外の銀行は新たに300億ユーロ近くの融資を引き揚げた。ギリシャの市中銀行に残っている現金は20億ユーロに満たない。

 ECBは28日、緊急ライフラインを890億ユーロ前後にとどめ置いた。ギリシャの市中銀行は、預金者に渡せる現金が手当てできないため、週明け29日休業した。市中銀行の営業再開のためには、このライフラインが復活する必要がある。

Q: ライフラインは復活するか
A: ギリシャ政府と欧州の債権団が合意に達することなしに、ECBがライフライン枠を増額するとは考えにくい。

 ECBは現在、中間的なコースをたどっている。市中銀行は引き出しに対応する資金を毎日もっと必要としている。このため、ライフラインの額を据え置くと、銀行は閉鎖されるが、銀行を殺すことにはならない。ライフラインは融資という形で市中銀行に提供され、定期的に更新される。つまり、ECBは、これ以上の融資はできないが、既存のものの更新はできると言っていることになる。

 より厳しい道は、ライフラインを全面的にストップし、期限が来たときにその融資を返済するよう要求することだろう。

Q: なぜライフラインがストップする恐れがあるか
A: このライフラインは、緊急流動性支援(ELA)と呼ばれるもので、極めて柔軟だ。規則では、これを受け取る市中銀行は「ソルベント(債務超過でない)でなければならないとされているが、それ以外ではECBは広い自由裁量を持っている。ECBはまたELAをただで貸し出しているわけではない。ギリシャの銀行に対しては担保として資産を差し出すよう義務付けている。

 したがって、2つのものがライフラインを殺す可能性がある。銀行のインソルベンシー(債務超過状態)、あるいは、彼らが差し出す担保が適切でないとのECBの判断だ。両方を一度に説明しよう。

708とはずがたり:2015/07/01(水) 19:58:54
>>707-708
 帳簿上では、ギリシャの市中銀行はソルベントだ。彼らには資産(主として融資の形態)があり、債務(主として預金と中銀貸し出し)を上回っているからだ。

 もちろん、それは変化し得る。恐らく彼ら市中銀行の融資の多くは償却するか、あるいは減価する必要があるだろうからだ。恐らく彼らが保有する繰延税金資産(基本的に、彼らがギリシャ政府から将来、税還付や税額控除を得るという約束)は、彼らの想定するほどの価値はないだろう。

 市中銀行はギリシャ政府債(国債)をそれほど多く保有していない。4000億ユーロの総資産のうち138億ユーロ程度だ。この国債の価値がたとえゼロになったとしても、彼らは債務超過にはならないだろう。

 だが担保は別問題だ。ELAは雑多な担保によって裏付けられている。市中銀行の一部の融資、一部のカバードボンド(社債のうち資産の裏付けのあるもの)、ほんのわずかな国債などだ。4大銀行にとって、特殊な形態の政府保証債が担保の大きな部分を占めている。

それは、ELAを継続させるために、ECBはギリシャ政府による担保への保証が十分に確固たるものであるかどうかを一義的に査定しなければならないことを意味する。それは主観的な判断だ。

Q: 救済の失効がライフラインを終了させるか
A: 恐らくそうならない。とりわけ、5日後に国民投票が予定されているのだからなおさらだ。ECBは政治に干渉しているとみられることを嫌悪する。救済プログラムの正式終了は、市中銀行のソルベンシーに直接影響しない。ECB理事会の一部は、それはギリシャ政府の保証を損ない、したがって特殊なボンドの適切性を損なうと主張するかもしれない。しかし、ECBは少なくとも国民投票まで、ライフライン凍結にとどめる公算が大きい。

Q: いつまでか
A: 7月20日だ。この日、ECBが保有しているギリシャ国債35億ユーロが満期を迎える。ギリシャが返済しなければ、ECBはELAをそのまま継続するよう強い圧力を受ける。だが、実際に返済できなければ、ギリシャ政府の保証に関する主観的な判断は、はるかに明快になるだろう。

Q:  ELAが全面的に終了したらどうなる
A: ギリシャの市中銀行はELA融資が満期を迎えるや否や破たんする。したがって差し出していた担保は没収されるだろう。銀行は融資1ユーロにつき、1ユーロ以上の担保を差し出しているから、破たんするのだ。

Q: 「Grexit(ギリシャのユーロ離脱)」はいつになるか
A: ちょうどその頃だろう。早ければ7月21日にそうなる。ELAに基づいて供与された融資がオーバーナイト(翌日物)ローンならばそうなる(厳密な満期は分からない)。ギリシャの市中銀行が破たんし、中銀の支援が一切ないならば、ギリシャ政府は金融システムを再開して返済するために、新しい通貨を創出しなければならないだろう。

Q: それは回避できるか
A: できる。しかし時間が極端に短い。国民投票は7月5日だ。「イエス」票になれば、チプラス氏は退陣することを示唆した。新政府を結成し、救済策に署名し、法案を通過させ、債権団から資金を確保して、7月20日の支払期日に間に合わせる必要がある。

国民投票が「ノー」となれば、チプラス首相は国民の支持を背に、よりよいディールを交渉で取り付けようと努力するだろう。そして合意に達し、法案を可決し、そして7月20日に間に合うように債権団から資金を確保する必要がある。

Q: ECBはGrexitを土壇場で阻止できるか
A: ECBが本当に、本当に、本当にナイス(よい子)になろうとすれば、7月20日の支払期限切れを大目に見る方策を見つけだして来るだろう。恐らくECBは猶予期間を喚起するかもしれない。そして格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、ECB保有の債券のデフォルトでは、ギリシャ政府をデフォルトだと宣言するには十分でないだろうと述べている(S&Pは、同社の格付けは商業的な債権者に対する借り手の返済のみを反映していると述べている)。恐らくそれは、ECBがギリシャ政府の保証は依然として良好だという言い訳として十分かもしれない。

しかし、これらは「Hail Mary pass(聖母マリアのパス=アメリカンフットボールで、「マリア様、頼む」と言いながら一発逆転を狙って放つロングパス)」で、ECBの理事会によってたたき落とされる公算が極めて大きいだろう。

原文(英語):What’s the Timetable to a Grexit?

709とはずがたり:2015/07/02(木) 01:14:15

ギリシャ首相、新譲歩案=留保付きで支援条件受諾―英FT紙報道
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/176/884c1cfd6dec79899776c873e4d6642b.html
(時事通信) 07月01日 20:27

 【ロンドン時事】英経済紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は1日、ギリシャのチプラス首相が前日夜に欧州連合(EU)欧州委員会などの債権団側に親書を出し、これまでに示された支援条件について、一定の留保付きで受け入れる譲歩案を提示したと報じた。同紙はこの親書をネット上で公表。ユーロ圏の財務相は1日夕に開く電話会議で、この案を議論する見通しという。

 同紙によると、手紙は欧州委と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)のトップに宛てたもので、2ページで構成。付加価値税(VAT)改革については離島部への特別待遇維持を求めたほか、年金改革に関しては支給開始年齢引き上げ時期の先送りを認めるよう要請した。

 同首相は親書の中で「われわれの修正提案は具体的であり、支援策全体の強固さと信頼性に配慮したものだ」と記し、債権団側に理解を求めている。ただ、EUなどはこれまでのギリシャ支援をめぐる交渉で、強硬姿勢を崩さないチプラス首相への不信感を強めている。また、今回の親書も留保付きであるため、財務相会議でどこまで評価されるか不透明だ。

710とはずがたり:2015/07/02(木) 12:06:02
「中央銀行がギリシャ救うだろう」…榊原英資氏
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150625-OYT1T50179.html?from=yartcl_outbrain1
2015年06月25日 23時06分
特集 深層NEWS
 榊原英資・青山学院大教授と維新の党の藤巻健史参院議員が25日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、ギリシャへの金融支援を巡る交渉について議論した。

 榊原氏は「ギリシャが破綻して他の国にも影響が出ると、ユーロ圏が破綻することになる。欧州中央銀行(ECB)が融資するなどして、ギリシャを救うことになるだろう」と述べた。藤巻氏は「(ユーロ圏が)崩壊するか、財政が一つになるか、どちらかしかない」と指摘し、ユーロの仕組みに構造的な問題があるとの認識を示した。

711とはずがたり:2015/07/02(木) 12:13:43
EU「裏切られた」…瀬戸際戦略ギリシャに翻弄
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150702-OYT1T50037.html?from=y10
2015年07月02日 08時54分

ギリシャの金融支援を巡る交渉は合意直前で破綻した
6月22日 ギリシャが増税を含む構造改革案を提示。EU側も評価
 24日 EU側が修正案を提示
 26日 EU側は,27日に合意し,11月まで155億ユーロの支援を行う意向を伝達
 27日 チプラス首相がEUの構造改革案への賛否を問う国民投票の実施を表明。EU側は支援を延長しないことを決定
 29日 ギリシャ政府が資本規制を導入
 30日 支援を終了

 【ブリュッセル=三好益史】2月から4か月余りに及ぶギリシャと欧州連合(EU)の交渉では、ギリシャの「瀬戸際戦略」にEU側が翻弄される展開が繰り返された。

 EU首脳らのギリシャに対する不信感は頂点に達しつつある。

 「協議のよい土台となる」(メルケル独首相)。支援期限まで残り8日となった6月22日、ブリュッセルに集まったユーロ圏19か国の首脳は一様に明るい表情を見せていた。ギリシャがこの日提出した構造改革案に、年金問題などで譲歩の姿勢が見られたからだ。

 ユーロ圏は24、25日と財務相会合を開催。EU側は「合意が近い」とみて、支援額をこれまでの約2倍の155億ユーロ(約2兆1000億円)に増やす「寛大な」(メルケル氏)案を提示した。27日の財務相会合での合意を目指し作業が続いた。

 しかし27日未明、チプラス首相の突然の「国民投票」宣言で流れは反転する。各国首脳らはみな「裏切られた」(ユンカー欧州委員長)と不快感をあらわにした。

712とはずがたり:2015/07/02(木) 12:46:52

ギリシャをEUは放り出せないと首相-ECBは残留可能示唆
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQQ8LE6K50YD01.html
2015/06/30 14:03 JST

  (ブルームバーグ):ギリシャの将来をめぐる同国のチプラス首相と欧州首脳の応酬は激しさを増した。ギリシャ政府が同国支援プログラムの失効に向け準備を進める中、同国の市民は資本規制への対応を迫られている。
ギリシャの首都アテネ中心部のシンタグマ広場には1万2000人の市民が集結。「われわれの生活は債権者のものではない」と記した横断幕もあった。チプラス首相はERTテレビとのインタビューで、ギリシャをユーロ圏から放り出せばそのコストは「膨大」であり、欧州首脳はそのような挙に出ることはないだろうとの考えを示した。一方、欧州中央銀行(ECB)の理事は7月5日の国民投票でチプラス首相の政策が拒否されれば同国のユーロ残留の道筋を見いだし得ると示唆した。
チプラス首相と欧州首脳は共に、各方面を驚かせた国民投票発表による情勢の変化を見極めようとしている。このまま行けばギリシャは今月30日に期日を迎える17億ドル(約2100億円)の国際通貨基金(IMF)への返済を行わない見通しで、同国支援プラグラムも月末で失効する。
ECBのクーレ理事は「これまで想定の1つでしかなかったユーロ離脱の可能性は残念ながらもはや排除できなくなった」と、29日遅く公表されたフランス紙レゼコーとのインタビューで発言した。
一方でチプラス首相は、威信を傷つけられたという怒りの感情が有権者を反対票を投じる方向に駆り立てると期待している。同首相は「国民投票により、交渉再開時のわれわれの立場は強まるだろう」と同テレビインタビューで発言。「投票率が高ければ高いほど、そして反対票が多ければ多いほど、われわれの立場は強くなる」と述べた。

早期選挙の可能性
大方の予想通り国民投票で緊縮策が承認されれば現政権は支持を失い、早期選挙で債権者の要求により柔軟な姿勢を取る新政権が発足する可能性がある。
UBSウェルス・マネジメントの南アジア太平洋担当最高投資責任者(CIO)、ケルビン・テイ氏(シンガポール在勤)は「有権者が救済策支持の判断を下す確率は60%とみている」と発言。「その場合、反対投票を積極的に呼び掛けていた現政権への退陣圧力が強まり、混乱の時期が続く可能性が高い」と予測した。同氏はまた、「退陣となれば、最終的な合意取りまとめと締結は新たな選挙の時期を経た後になるだろう。ただ7月20日に32億ユーロの支払いが控えていることを忘れてはならない」と指摘した。

アジア株
欧州株の指標、ストックス欧州600指数は29日、2.7%安で終了。イタリア、スペイン、ポルトガルの債券利回りは急上昇した。アテネ証券取引所の取引は停止されている。アジア時間30日午前の段階で、アジア株は一部値を戻した。香港時間午前10時10分(日本時間同11時10分)現在、前日に3カ月ぶり安値を付けたMSCIアジア太平洋指数は0.2%高となっている。ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.1202ドル。
ドイツのショイブレ財務相はARDテレビとのインタビューで、「ギリシャ政府の振る舞いは信じ難いものだった」と指摘。「ギリシャが欧州を破壊することはできない」と語った。
メルケル独首相とオランド仏大統領もギリシャへの譲歩の姿勢は見せなかった。ユンケル欧州委員長は、国民投票でギリシャ国民が緊縮策に「ノー」を表明すれば、同国が欧州に背を向けたと世界は理解するだろうと話した。
原題:Tsipras Says EU Won’t Eject Greece as ECB Signals Way Out (1)(抜粋)

713とはずがたり:2015/07/02(木) 20:12:47
<AIIB>世銀出身の8人が設立準備に協力
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150628k0000m020109000c.html
01:08毎日新聞

 【ワシントン清水憲司】中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)で、少なくとも8人の世界銀行の出身者が設立準備に協力していることが27日、AIIB関係者の話で分かった。これまでベールに包まれていたAIIBの設立準備態勢の一端が初めて明らかになった。世銀出身者らは、中国の依頼を受けて準備に参加。AIIBの運営体制などを盛り込んだ設立協定や、融資基準の作成などを主導している。中国は世銀など既存の国際金融機関に対抗する形でAIIB設立を決めたが、運営体制の構築には豊富な経験を持つ世銀出身者の力が必要と判断したとみられる。

 協力者8人のうちの1人、米ブルッキングス研究所のデビッド・ダラー上級研究員は毎日新聞の取材に対し、「主に組織のガバナンス(統治)について助言している」と明言。「今年に入り、中国側から依頼を受け無償で協力している」と経緯を話した。

 ダラー氏は、世銀に約20年間勤務。中国担当のディレクターなどを歴任し、2009年に世銀を退職した後は、米財務省の中国担当特使なども務めた。

 関係者によると、ダラー氏を含めて少なくとも8人の世銀出身者が、アドバイザーやコンサルタントといった立場でAIIBの設立協定の作成などに協力している。互いに日常的に連絡を取り合っているほか、数カ月に1度、北京に集まって会合を開いているという。また、アジア開発銀行(ADB)などの日本人職員にも中国側から熱心な勧誘があるという。

 AIIBは、世銀やADBなどと異なり、運営を監督する理事会のメンバーを本部所在地の北京に常駐させない方針。ダラー氏は、「世銀は、理事が常駐することで運営が官僚的で非効率になっている」と指摘。「新たな国際金融機関ができることで、(他の機関にも)効率化をもたらす効果が期待できる」と話すなど、AIIBへの協力の背景に世銀の運営体制への不満があることを示唆した。

 AIIBは、中国の習近平国家主席が13年10月に設立を提唱した。アジアなどへのインフラ整備資金の融資が目的で、14年10月に設立を決めた際の参加国は、東南アジアなど21カ国だった。ところが今年3月、主要7カ国(G7)の一角である英国の参加をきっかけに、欧州諸国や韓国、オーストラリアなども参加を決め、一挙に57カ国に拡大した。年内の設立、業務開始を目指しており、参加57カ国は29日、北京で設立協定の署名式を開く。日本と米国は不透明な運営体制や融資基準を不安視して参加を見送っている。

714とはずがたり:2015/07/03(金) 09:09:21
ユーロ離脱に不安がる国民の不安払拭にになんたる稚拙な理由を。。(;´Д`)
金融恐慌の際に日本は裏が白っ紙の紙幣を印刷しとんねん。チラシ用の印刷機でも首相官邸のレーザープリンターでもなんでも使えばええねんw

輪転機「既に壊した」=新通貨発券できず―ギリシャ財務相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150702-00000175-jij-eurp
時事通信 7月2日(木)22時1分配信

 【アテネ時事】ギリシャのバルファキス財務相は2日、国内にはユーロに代わる紙幣を印刷する輪転機がなく、「通貨を発券する能力はない」と説明した。オーストラリアのABC放送での発言として、AFP通信が報じた。
 バルファキス財務相は、ギリシャがユーロを導入する直前の2000年に、将来のユーロ圏脱退の可能性を排除するため当時の通貨ドラクマの輪転機をすべて処分する必要があったと主張、「輪転機は当時壊した。今も持っていない」と述べた。

716とはずがたり:2015/07/03(金) 10:37:45
>どこかの国がデフォルトしたら、その国の銀行は、そのデフォルトになった証券をECBの資金供給オペに担保として差し入れることができなくなる。これと同じルールは、ギリシャ政府の保証するほかの債務証券にも適用される。ギリシャの銀行は後者の類いの債務証券をかなり多く保有しており、もしギリシャ政府がデフォルトすれば、流動性の確保が困難になるかもしれない。
>従って、「ユーロ圏内での」デフォルトをするためには、ギリシャの銀行システムが沈没しない方法を別途編み出しさえすればよい。もし誰かが素晴らしい方法を考案すれば、グレグジットに踏み切る必要は生じないだろう。

ギリシャのデフォルトは必要だが、ユーロ離脱は不要
先の見えない債務交渉、ギリシャに残された選択肢とは?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43590http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43590
2015.4.21(火) Financial Times
(2015年4月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 …筆者の直観によれば、このショーはまだしばらく続く。
 ギリシャは現在の第2次金融支援プログラムの延長交渉と新しい第3次金融支援プログラムの交渉とを統合したいと考えている。(とは:何の為に??)

 この思惑通りに事を運ぶためには、今年の夏を乗り切るための一時的なつなぎ融資が必要になるだろう。
 このように書くと、誰かがすでに計画を立てているように聞こえるが、どうやらそうではないようだ。欧州の金融当局者があれほど途方に暮れている姿を、筆者はこれまで見たことがない。

大惨事を避ける唯一の方法

 ギリシャがユーロ圏を離脱するか否かという最大の問題は、依然答えが出せない状況にある。しかし筆者は今では、ギリシャはデフォルト(債務不履行)するだろうとほぼ確信している。

 ユーロ圏の当局者の一部は、ギリシャが「グレグジット(ユーロ圏からの離脱→とは:カタカナにせずGrexitと書いて貰った方がGreeceのexitかと解るのに。。)」をせずにデフォルトする可能性を少なくとも検討はしていると筆者は理解している。かなり複雑な話であり、当局者には具体案を練る時間がなかったかもしれないが、最悪の事態を避けるにはこれしかないかもしれない。

誰に対してデフォルトするか

 では、ギリシャは誰に対してデフォルトできるのだろうか。あるいは、すべきなのだろうか。

 まず、公務員給与の支払いや年金の支給を止めることにより国民に対してデフォルトすることは不可能ではないだろう。

 しかし、急進左派連合(SYRIZA→とは:ギリシャ語でΣΥΡΙΖΑかな?)主導の現政権にしてみれば、これは道徳的に抵抗があるだろうし、政治的にも自殺行為となるだろう。

 理屈の上では、ほかの欧州連合(EU)諸国から受けている2件の融資をデフォルトすることも可能だが、こちらは返済開始時期が2020年および2023年とかなり先だ。

 また、民間投資家がまだ保有している債券をデフォルトすることも可能だが、これは良案ではないだろう。民間投資家の力が今後必要になるかもしれないからだ。

 IMFや欧州中央銀行(ECB)に対する債務をデフォルトすることも考えられる。IMFはギリシャからの返済が近々始まることを期待しているし、ECBも、バランスシートに載せている債権を数カ月後に回収したいと思っている。
 このIMFとECBへの債務をデフォルトすることこそ、ギリシャに正真正銘の金融支援を短期的に行う唯一の選択肢になる(→とは註:実現)のだが、そのようなデフォルトはまだ行われたことがないし、グレグジットの引き金になる可能性もある。

717とはずがたり:2015/07/03(金) 10:38:11
>>716-717
デフォルト=エグジットではない

 ところが、引き金にならない可能性もある。デフォルトとエグジット(離脱)は同義語ではない。債務をデフォルトしたらユーロ圏を離脱しなければならないとの決まりはEUにはない。デフォルトとエグジットの関係は、あくまで間接的なものだ。

 どこかの国がデフォルトしたら、その国の銀行は、そのデフォルトになった証券をECBの資金供給オペに担保として差し入れることができなくなる。これと同じルールは、ギリシャ政府の保証するほかの債務証券にも適用される。ギリシャの銀行は後者の類いの債務証券をかなり多く保有しており、もしギリシャ政府がデフォルトすれば、流動性の確保が困難になるかもしれない。

 従って、「ユーロ圏内での」デフォルトをするためには、ギリシャの銀行システムが沈没しない方法を別途編み出しさえすればよい。もし誰かが素晴らしい方法を考案すれば、グレグジットに踏み切る必要は生じないだろう。

 経済の観点から言えば、デフォルト賛成論には圧倒的な説得力がある。
 ギリシャが合意通りに元本と利息を返済できるという状況は考えにくい。
 債権国側にも、ギリシャ政府の長期的な債務返済能力について幻想を抱いている人はほとんどいない。
 合意通りに返済するにはプライマリーバランス(債務の利払い前の基礎的財政収支)で大幅な黒字を計上しなければならないだろうが、もしそんなことが実現したら、ギリシャは債務デフレから長期間抜け出せなくなってしまう。
 2016年には対国内総生産(GDP)比で4.5%のプライマリーバランスの黒字を目指すとされているが、これなどはほとんど正気の沙汰ではない。ギリシャ政府は絶対にデフォルトする必要がある。

ギリシャの不可解な交渉戦略

 同時に、ギリシャはユーロ圏に残るべきだという主張にも説得力がある。実際、グレグジットは、計り知れない経済的リスクをギリシャ自身にもたらすことになるだろうし、EUの地政学的野心や国際社会での評判にも傷を付けることになる。

ギリシャ支援、ユーロ圏財務相が4か月延長で合意

 いま懸念されるのは、関係者間の対話が堂々巡りになっていることだ。
 今年の夏か秋には合意が成立するとの観測が流れてもなかなか安心できないのはそのためだ。とりわけ不可解なのは、ギリシャの交渉戦略だ。

 筆者は、ヤニス・バルファキス財務相には本質的に同意できることが多い。ユーロ圏の経済危機管理は確かにひどいものだし、今日の姿勢では根本的に持続不可能だと筆者も思う。

 しかし、バルファキス氏が好意的な雰囲気の権威ある会合に出席し、自分に賛同してくれることが多い人々に長広舌をふるうことにかなりの時間を費やしていることについては、理解できない。

 欧州の債権者との厳しい交渉や、2つあるプランBのシナリオ策定(→とは:これはなんだ?)にもっと時間を割くべきではないのだろうか。

 ユーロ圏内でのデフォルトという選択肢とグレグジットはともに、組織が最もしっかりしている政府をも疲弊させるだろう。

 為替管理、陸上の国境や空港の一時閉鎖、短期間での銀行資本増強、作戦予定日のA地点からB地点までの現金輸送計画など、軍隊式の準備が必要になる。

 果たしてギリシャ政府は、運命の瞬間がやって来るまでじっと待ち、この手続きすべてをリアルタイムで、それも台本なしで進行できるほど優秀なのだろうか。

 筆者は、その答えを知っているつもりでいる。そして、ギリシャ側と債権国側の両方に単なる計算違いをしている人がいるのではないかと思っている。我々は今、欧州史上何度かあったような、夢遊病者のごとく混迷に陥っていく局面に差し掛かったのかもしれない。

By Wolfgang Muncha

718とはずがたり:2015/07/03(金) 20:50:45
慌ててギリシャと離婚したら、後々後悔する
たとえユーロ圏から離脱しても関係を絶てない相手
2015.6.18(木) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44074

 第1次世界大戦が勃発した時、欧州諸国の国民は自信と歓喜の念を覚えながらその知らせを迎え入れたと言われている。ギリシャの経済危機と政治的混乱が何年も続いている今日も、それによく似たことが起きているようだ。

… ギリシャがデフォルト(債務不履行)に踏み切ってユーロから離脱し、新通貨を導入してその価値を切り下げる日は、かなり近い可能性がある。

 では、この高揚感は続くのだろうか。筆者は、続かないのではないかと危惧している。ユーロ圏には、「ギリシャは特異な事例であるうえに、罪深き人々がそれに見合った困難に直面すればほかの国々も行儀が良くなる」などと考えている向きもある。

 しかし、ギリシャがユーロから離脱すれば、欧州通貨同盟は脱退不可能な同盟ではなくなってしまう。新たな危機が起きるだろう。起きた時には、ギリシャの離脱の後では、欧州通貨同盟に対する信認は完全なものではなくなっている。

 市場を落ち着かせるために、欧州中央銀行(ECB)が2012年に打ち出したアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)プログラムを実行に移す必要が出てくるかもしれない。しかし、これも成功するとは限らない。自己成就的な投機のせいで、離婚を余儀なくされる国がさらに増える恐れもある。

 市場を落ち着かせるために、欧州中央銀行(ECB)が2012年に打ち出したアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)プログラムを実行に移す必要が出てくるかもしれない。しかし、これも成功するとは限らない。自己成就的な投機のせいで、離婚を余儀なくされる国がさらに増える恐れもある。


 デフォルトとユーロ離脱に踏み切れば、少なくともギリシャの状況ははるかに良くなるという主張もある。

 確かに、公的機関に対する債務をデフォルトし、新通貨を導入し、その為替レートを大幅に切り下げ(同時に健全な金融・財政政策を導入し)、開放経済を維持し、構造改革と諸制度の改善を行うことで事態が良い方向に向かうという展開は、理論的にはあり得る。

 だが現実には、混乱を招く可能性の方がはるかに高い。最悪の場合、破綻国家が誕生する恐れもある。そもそも、ユーロ離脱をうまく遂行できる国だったら、今日のような苦境も回避できていたはずだ。

ギリシャも欧州諸国もリスクを過小評価するべきではない。また、交渉がうまくいかずムシャクシャしている時にありがちな侮辱行為を避けることも重要だ。

甚大な経済的苦境を味わってきたギリシャ

ギリシャとドイツの首相が初顔合わせ、EU首脳会議 一致点を模索
ギリシャ・アテネ中心部で物乞いをする男性〔AFPBB News〕
 確かに、無責任は甚だしい欠点かもしれないが、ギリシャはそれについて甚だしい代償を払ってきた。

 アイルランドの経済学者カール・ウィーラン氏がジャヴァッツィ氏への激しい反論で指摘しているように、ギリシャ経済はすでにかなりの悪化に苦しんでいる。

 実質国内総生産(GDP)は直近の最高値から27%も減少し、実質ベースの支出も3分の1減った。景気循環調整後の財政収支は2009年から2014年にかけてGDP比で20%相当改善し、経常収支も2008年から2014年にかけて同16%改善した。

719とはずがたり:2015/07/03(金) 20:51:35
>>718-719

 一方で失業率は2013年には28%に達し、政府の雇用は2009年から2014年にかけて30%減少した。これほど過酷な調整が行われれば、どんな国でも政治はずたずたになってしまっただろう。

実際、公的機関によるギリシャ政府への貸し付けの大部分はギリシャのためではなく、民間の無責任な債権者のために行われたものだった。

 債権者の側にも注意する義務はある。不注意な債権者は、多額の損失を出すリスクを抱えるのだ。



 ギリシャ側も、年金制度や事業環境などの重要な改革をすでに実行している。しかし、ユーログループやIMFが主張しているように、こうした改革を撤回するのは大きな間違いだ。

 こうしたことから、すでにかなりの痛みに苦しんだこの段階で交渉決裂の可能性があることは悲劇的だ。まだ手遅れではない。改革の促進、追加的な財政緊縮の最小化、そして債務負担を対応可能なものにするという3点を目指した合意を交わすべきである。

ECBが下さねばならない判断

 その方が、当事者全員の長期的な利益にもかなう。そうした合意の要素も明らかだ。短期的にはプライマリーバランス(基礎的財政収支)を小幅な黒字にすること、IMFとECBに対するギリシャの債務をユーロ圏が返済すると決断すること(長期的な債務減免措置もセットにする)、ギリシャ政府が大胆な構造改革に必ず取り組むと約束することの3点である。

 ここではECBが中心的なプレーヤーになる。
 ECBは今後、ギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)の担保にギリシャ国債を用いることができなくなるのはいつなのかを判断しなければならない。

 もしギリシャが凍結されている支援金の支払い実行について合意できなければ、ECBはギリシャの銀行を切り捨てる公算が大きいように思われる。そうなれば、預金の引き出し規制の引き金が引かれることになるだろう。
 その際には、現金の代わりに預かり証を流通させる計画が示されるかもしれないし、最終的には新通貨がばたばたと導入されることになるかもしれない。

 しかし現時点ではまだ、冷静になって合意を目指さなければならない。怒りと非難の声が渦巻く今のムードでは、合意の可能性はこれまで以上に小さいように思われる。

 とはいえ、ここで話が終わるわけではない。欧州諸国は逃げられない。ギリシャがユーロから離脱してもしなくても、全く同じ難題がいずれ再び持ち上がる。その時になっても欧州諸国は、貸し付けた資金の大部分が回収できないことを認めなければならないし、ギリシャの破綻回避を支援しなければならないのだ。

結婚生活が終わっても関係は続く

 面倒なパートナーと別れることができれば、ほっとするかもしれない。しかし、そのパートナーは通貨同盟という結婚生活が終わった後もその場に居続ける。ギリシャという国が戦略的に重要な位置にあることに変わりはなく、欧州連合(EU)を脱退するわけでもないのだ。

 ギリシャも、そしてそのパートナーである欧州諸国も、完全な別れなど想像してはいけない。両者の関係は今後も続く。恐らく、それは気まずいものになるだろう。悲劇的ではあるが、それが避けられない運命であるのなら、その関係を非常に長期間にわたって何とか管理していくしかない。

720とはずがたり:2015/07/03(金) 21:01:59
グリグジット(Grexit:ギリシャのユーロ離脱)はユーロ崩壊の序曲?/注目トピックス 経済総合
2015年 01月 7日 14:03 JST
http://jp.reuters.com/article/TopicsComprehensiveAttentionEconomy/idJP00093300_20150107_00520150107


急進左派連合が1月25日のギリシャ議会総選挙で政権を獲得した場合、2月28日の期限に向けて、金融支援プログラムの条件である緊縮財政措置の緩和を要請する。

交渉が決裂した場合、ギリシャはデフォルトに陥り、ユーロ圏から追放される可能性が高まる。

ギリシャの2014年末の債務残高は3172億ユーロ、対GDP比で、175.5%となっている。

ドイツ政府は、ギリシャのユーロ圏離脱に向けて準備しており、デフォルトでも対応可能としている。
ギリシャ経済は、金融危機以来、国内総生産(GDP)は6年連続のリセッションにより25%減少し、失業率は25%程度、若者の失業率は50%程度と苦しんでいる。
ギリシャ経済が、ユーロ圏からの離脱で、国家の借金を棒引きにして、新通貨ドラクマの暴落にも関わらず最悪期を脱した場合、反ユーロを標榜しているユーロ圏各国の極左・右政党を躍進させ、ユーロ崩壊の幕が開けることになる。

722とはずがたり:2015/07/03(金) 21:11:26
>資本規制が導入され、手持ちのユーロが尽きてギリシャ政府が「IOU(借用書)」を発行し始めたとしても―

>今回のギリシャ危機では、どちらの側にも過失がある。とりわけ危機の発生当初は、ギリシャ債務の規模を一定の範囲内に収めようとする不毛な試みの中で、債権者は迅速な財政再建に過剰に重きを置いた。

>こうした施策はギリシャを必要以上に困窮させただけでなく(同国のGDPは2010年以降、21%縮小した)、本当の課題からの逸脱でもあった。真に必要だったのは、成長を妨げる構造的障壁、すなわち恩顧主義の蔓延、無能な行政、滑稽なほどひどい規制、無気力で信頼できない司法制度、国有化資産と寡占、柔軟性のない商品、サービス、労働市場といった問題の解消だ。

ギリシャとユーロ圏:非常に高くつく離婚
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44103
2015.6.23(火) The Economist
(英エコノミスト誌 2015年6月20日号)

ギリシャとユーロ圏は、お互いを痛めつける関係から抜け出せないでいる。

 どんなものであれ、関係が壊れるのを目にするのは、決して愉快ではない。ギリシャのアレクシス・チプラス首相は、自国に屈辱を与えようとしていると債権団を非難した。同首相はさらに、ギリシャの苦難に関して「犯罪的な責任」があると、国際通貨基金(IMF)を責めたこともあった。

 一方、ユーロ圏の有力政治家たちは、今後数日以内に救済資金の拠出で合意がまとまらなければ、ギリシャのデフォルト(債務不履行)とユーロ離脱(いわゆる「Grexit=グレグジット」)が現実味を帯びると公言している。

 事態が切迫しているのは、IMFへの15億ユーロの返済期限が6月30日に迫っているものの、ギリシャには返済する余裕がないと見られているうえに、欧州によるギリシャの救済プログラムも同日で失効することになっているからだ。

 こうした状況の中で、ユーロ圏の名物と化した土壇場での交渉が始まっている。…まだ合意の可能性はあるが、双方は互いに嫌悪感を抱くようになっている。これが結婚だとしたら、弁護士が走りまわっているところだ。

 ギリシャとユーロ圏が離婚すれば、すべての関係者にとって大惨事となるだろう。問題は、ギリシャとユーロ圏が両者の関係の条件を変えない限り、このまま一緒にいる方が離婚よりもはるかに良いとは言えない点だ。

極左政権の下、退場を迫られるギリシャ

 その理由を知るために、まずはデフォルトとユーロ離脱がもたらす結果を考えてみよう。断続的に議論が繰り返された腹立たしい5年間を経て、そうした展望を歓迎するようになった人もいる。だが、そう考える人々は間違っている。

 ギリシャにとって、デフォルトで得られるものはごくわずかな一方、代償は極めて大きくなる恐れがある。確かにデフォルトすれば、ギリシャは国内総生産(GDP)比180%近くに上る3170億ユーロの債務から逃れられる。

 だが、ギリシャにとって、その価値は見かけよりも低い。債務は多額だが、金利は格安で、数十年をかけた返済が可能だ。2020年初頭までの利子の支払い額は、年間でGDP比3%程度にすぎない。その程度なら、ギリシャでさえ何とかなる。

 ユーロからの離脱にも、あまり利点はない。理論上は、新たな通貨ドラクマと独自の中央銀行があれば、ギリシャは通貨を切り下げ、競争力を手に入れられるはずだ。だが、ギリシャの貿易額はささやかなものだ。しかも、すでに名目賃金は16%低下しているが、輸出が急増する気配はない。

 これに対して、ユーロ離脱の代償は途方もなく大きくなるだろう。銀行が破綻し、預金が削減され、契約が破棄され、信用は粉々になるはずだ。

 政治も混乱に陥る恐れがある。チプラス首相が率いる極左政党の急進左派連合(SYRIZA)は、反市場主義、反大企業を掲げている。現状で合わせて12%の票を得ているネオファシズム政党「黄金の夜明け」とギリシャ共産党が勢いを増すだろう。両党の中間に位置するほとんどの既成政党は、すでに信用を失っているが、さらに苦境に追いやられるはずだ。

723とはずがたり:2015/07/03(金) 21:11:42
>>722-723
 チプラス首相は19日に、ロシアで同国のウラジーミル・プーチン大統領と会談する予定だった。ユーロ圏から追い出され、場合によってはEUからも離脱すれば、長いクーデターの歴史を持つギリシャは、暴力的で今よりもさらに腐敗した国になる危険がある。

 ユーロ圏がギリシャの切り捨てを簡単に決めるべきではない理由の1つがこの点にある。エーゲ海沿岸の一国が破綻状態に陥れば、その国の政治家が受け取る賄賂がユーロ建てかドラクマ建てかに関係なく、これはEUの問題になるだろう。それどころか、現状のギリシャよりもさらに深刻で厄介な問題になるはずだ。

 加えて、通貨同盟は解消できないものであるはずだった。仮にユーロ加盟国が実際にギリシャ追放に踏み切れば、ポルトガルやキプロスといった、経済的に不安定なほかの国にも影響が伝染する可能性がある。今回の危機では無事でも、次回はどうなるか分からない。

 一部の人は、ギリシャ離脱の代償が極めて大きいことから、ギリシャはユーロ圏が土壇場で譲歩することを当てにできるとの結論に至っている。だが、これは無謀な考えだ。

 ユーロが存続していくには、そのルールは強制力を持たなければならない。主権国家の間で通貨同盟を結ぶ限り、同盟を解消不可能とする原則とルールに強制力を持たせる原則は相容れない。とはいえ、たとえその限度がどこにあるのか誰にも分からないとしても、ユーロ圏が許容できることに限度があることは確かなはずだ。

債務が両者を分かつまで

 結局のところ、グレグジットはプロセスであり、1度きりの出来事ではない。協議が決裂しても、ギリシャがデフォルトしたとしても、資本規制が導入され、手持ちのユーロが尽きてギリシャ政府が「IOU(借用書)」を発行し始めたとしても――たとえそうした段階に至っても、国民投票や新政府樹立といった手段を経れば、ギリシャにはまだ後戻りする道が残されている。

 だが、合意もまたプロセスだ。合意がまとまれば勝利と称えられるのは間違いないが、これはギリシャの最終的な債務再編に向けた1ステップにすぎない。信頼はあまりに低く、ギリシャが約束の履行を渋っているのは明白だ。したがって、救済資金を新たに拠出する際には、そのたびに、ギリシャが合意における自らの責任を果たしていることを証明する必要があるだろう。

 そうした融資条件は必須で、経済的にも望ましいが、現在の敵意に満ちた環境では高い代償を伴う。ユーロ圏とギリシャの関係は、それぞれが他方から搾り取る「譲歩」によって定義されている。結婚は維持されるかもしれないが、これまでよりもさらに不幸になるだろう。

思考の転換が求められている。今回のギリシャ危機では、どちらの側にも過失がある。とりわけ危機の発生当初は、ギリシャ債務の規模を一定の範囲内に収めようとする不毛な試みの中で、債権者は迅速な財政再建に過剰に重きを置いた。

 こうした施策はギリシャを必要以上に困窮させただけでなく(同国のGDPは2010年以降、21%縮小した)、本当の課題からの逸脱でもあった。真に必要だったのは、成長を妨げる構造的障壁、すなわち恩顧主義の蔓延、無能な行政、滑稽なほどひどい規制、無気力で信頼できない司法制度、国有化資産と寡占、柔軟性のない商品、サービス、労働市場といった問題の解消だ。

 だが、チプラス首相はもともと悪かった状況をさらに悪化させた。2014年には、ギリシャ経済は拡大した。だが今は再び縮小に転じている。

 その一因は、SYRIZAの無能さと、以前の政権よりもさらにひどい恩顧主義が明らかになったことにある。

 だが、それだけでなく、SYRIZAのすべての意識が交渉の場での駆け引きに注がれ、ギリシャが何年分も後戻りしてしまったためでもある。

 危機にあたり、協議を行きづまらせて相手から譲歩を搾り取る必要が生じたせいで、市場の信頼は崩壊した。資本は金融システムから流出している。投資家はギリシャに寄り付かない。あらゆる改革が、合意成立前には決して譲り渡してはならない交渉材料となり、ひとたび合意が成立した後は、切り札以上の意味を持たなくなる。改革が実際にギリシャのためになるという考え方は、失われてしまった。

 大半のギリシャ国民はユーロ圏残留を望んでいる。だがこの国の政治家たちは、国内の改革に目を向けるのではなく、いまだにドイツの救済を当てにしている。このような状況が変わらなければ、債権者がいずれ我慢できなくなることを、ギリシャは理解しなければならない。

 離婚を回避できるなら、誰にとってもその方が良い。だが、この結婚は、あらゆる犠牲を払ってまで救う価値のあるものではない。

724とはずがたり:2015/07/04(土) 08:41:54
デフォルト陥ると暴動や物々交換も…露など先例
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150703-OYT1T50204.html?from=y10
2015年07月04日 08時02分

 金融支援が失効したギリシャでは、市民生活の停滞が日に日に色濃くなっている。

 過去、債務不履行(デフォルト)に陥った国では、暴動が発生したり、物々交換が行われたりした。ギリシャもこのような日を迎えるのだろうか。

 ギリシャでは先月29日に導入された資本規制で、預金の引き出しや海外送金が制限されている。アテネ市内では、一部のホテルなどで現金しか受け付けなくなっているほか、病院では現金不足で薬代を払えない患者が出ている。地元紙によると、輸入に頼る医薬品の在庫が減り手術を延期する病院も出始めた。

 これまでデフォルトの中で、負債規模が大きい国の一つは、ロシア(約727億ドル)だ。

 ロシアは1998年8月、対外債務の返済繰り延べなどを宣言し、通貨ルーブルを大幅に切り下げた。大量の国債を抱えた銀行が相次いで破綻し、多くの人が預金を失った。

 ルーブルの価値が日ごとに落ちていくため、店頭の値段表示には実質的に米ドルを意味する「UE」という単位が登場した。給与を現金で払えない企業は、ナベや食器、雑貨などの現物を支給するようになった。街頭にはこうした品物を手に、食料品などを持つ人と交換する人々の姿が見られた。

 南米アルゼンチン(負債約822億ドル)は、大きく社会が混乱した典型だ。

 国内総生産(GDP)の約半分に及ぶ巨額債務の返済に窮した政府は、2001年12月、預金引き出し制限を発表した。首都ブエノスアイレスなど各地で商店や銀行への略奪・焼き打ちが相次ぎ、数十人が死亡した。当時の大統領は非常事態を宣言したが事態を収拾できず、辞意を表明。群衆に取り囲まれた官邸からヘリコプターで脱出した。

 その後、失業率は20%を超え、雇用不安から犯罪が急増。02年1月の殺人事件は200件近くに達した。

 1999年にデフォルトに陥ったエクアドルでは、職を求めて、以後3年間で約30万人が海外移住したという。

725とはずがたり:2015/07/05(日) 16:27:27

カネが流通しなくなりつつあるとこうなるようだ。
外国の銀行が通常通り営業すればいいんでないの?

ギリシャで高級外車人気「7割が現金一括払い」
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150621-OYT1T50066.html?from=yartcl_outbrain1
2015年06月22日 07時22分

 【アテネ=青木佐知子】ギリシャ国内では高級外車の売り上げが急増している。

 財政破綻が現実味を増す中で、富裕層に不安が広がっていることが背景にあるとみられる。

 今月19日、アテネ郊外の自動車販売店は客でにぎわっていた。価格が約7万ユーロ(約980万円)にも達する高級車が並ぶ同店の販売員は、「5月以降、『今すぐにでも買いたい』という客が増えた。顧客の7割が現金一括払いだ」と明かす。

 ギリシャ自動車輸入協会(SEAA)によると、5月の新車登録台数は9070台で、前年同月比で2割増。中でも目立つのは独メルセデスで販売台数は346台(前年同月比69%増)と高級車の躍進が目立つ。

 高級外車販売躍進の背景にあるのは、預金課税や引き出し制限に対する不安だ。近隣国のキプロスでは2013年の金融危機で、預金引き出しが制限された。ギリシャのバルファキス財務相は5月、現金自動預け払い機(ATM)からの現金引き出しへの課金や、申告漏れの預金への課税を検討中だと語ったことも影響しているとみられる。

 自動車販売店を訪れた経営者男性(58)は、「万が一の時のための『保険』だよ」と肩をすくめ、こう語った。「政府は預金を差し押さえることはできても、車の差し押さえはできないはずだから……」

728とは:2015/07/06(月) 05:09:38
反対が優勢のようだ。

729とはずがたり:2015/07/06(月) 08:40:24
予想以上の大差。
ギリシャに根城造ろうと港の建設にカネ出す中国が債務の一部を肩代わりすべきでわ?
個人的にはEUの統合が進む奇貨にして欲しいと思う(一時的なユーロ離脱が有っても良い)んじゃが。

ギリシャ国民投票、反対多数…首相が勝利宣言
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150706-OYT1T50012.html?from=ycont_top_txt
2015年07月06日 08時18分

 【アテネ=青木佐知子】ギリシャで5日、金融支援の条件として欧州連合(EU)などが示した構造改革案を受け入れるかどうかを問う国民投票が行われ、即日開票された。


 内務省の暫定集計(現地時間6日午前1時半現在、開票率95・66%)では、反対票が61・31%、賛成票は38・69%で、改革案への「拒否」が大差で示された。

 反対を呼びかけてきたチプラス首相は5日夜、テレビ演説で、「皆さんは勇気ある決断を下した」と語り、勝利を宣言した。さらに、「ギリシャは明日から交渉のテーブルに戻る」と述べ、EU側との支援協議の再開を急ぐ考えを示した。

730とはずがたり:2015/07/07(火) 07:38:16
パパスと云えばドラクエVだけどギリシャ語の名前だったのか。
>パパス首相府相

ギリシャ首相、EUに新提案…債務減免要求へ
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20150707-567-OYT1T50011.html
04:22読売新聞

 【アテネ=青木佐知子、ブリュッセル=三好益史】ギリシャのチプラス首相は7日に開かれるユーロ圏首脳会議で、金融支援の再開に向け新提案を行う。

 ギリシャの国民投票で欧州連合(EU)などが示した構造改革案が拒否されたのを受け、ドイツのメルケル首相と6日に行った電話会談で合意した。ギリシャ政府関係者が同日、明らかにした。債務減免を求めるとみられ、交渉の難航は避けられない。

 5日に行われたギリシャの国民投票では、緊縮財政を伴うEU案に対し、反対が61・31%、賛成が38・69%という結果だった。投票率は62・5%で、成立要件の40%を超えた。

 チプラス首相は5日夜のテレビ演説で、「交渉のテーブルに戻る」と述べ、債務の減免をEU側に求める考えを強調した。また、ギリシャ政府は6日、EU側と関係が悪化していたバルファキス財務相の辞任を発表した。

ギリシャ、新提案へ=財務相更迭で糸口探る―EUも交渉再開に意欲
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150706X668.html
07月06日 22:38時事通信

 【アテネ、ブリュッセル時事】ギリシャのチプラス首相は国民投票から一夜明けた6日、ドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領ら欧州連合(EU)主要国首脳と相次いで電話会談した。ロイター通信によると、チプラス首相はメルケル首相に対し、7日のユーロ圏首脳会議に新提案を示す考えを表明。中断している金融支援交渉が再開に向けて動き始めた。

 これに先立ちチプラス首相は、交渉の障害とみられていたバルファキス財務相を更迭した。バルファキス氏は歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで物議を醸し、EU側から不満が漏れていた。更迭は、歩み寄りへの意欲を示したものとみられている。

 EU側は「(国民投票の結果)複雑な状況下でも解決策を探るのは可能だ」(ドムブロフスキス欧州委員会副委員長)と、交渉の早期再開に応じる姿勢を示した。

 ユンケル欧州委員長は6日、ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁らと電話協議。今後の交渉方針や危機対応の在り方を確認したとみられる。メルケル首相とオランド大統領も6日にパリで会談する予定だ。

 ギリシャは、10日に20億ユーロ(約2700億円)の短期国債の償還期限を迎える。さらに13日に国際通貨基金(IMF)に対する4億5000万ユーロの債務返済期限、20日にはECBが保有するギリシャ国債35億ユーロの償還も控える。償還できなければECBからの資金供給がストップし、ユーロ圏離脱につながる公算が大きい。このためギリシャ側は遅くとも「20日までに支援合意を取りまとめる」(パパス首相府相)意向で、債権団との早期の交渉再開を望んでいる。

731とはずがたり:2015/07/07(火) 07:39:38
AIIB初代総裁候補に金立群氏…中国が指名
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/168/87b4c8aaecead9164e432b08c7a6e704.html
(読売新聞) 00:05

 【北京=鎌田秀男】中国財務省は6日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁の候補として、元財務次官の金立群氏を正式に指名したことを発表した。

 規定によると、AIIB総裁は創設メンバー国が今月末までに立候補者を指名した上で、8月下旬に開催される首席交渉官会合で選出されるが、指名された金氏が当選するのは確実と見られる。AIIBが運営を開始した段階で、正式に総裁に就任する。

 金氏はアジア開発銀行(ADB)副総裁の経験もある国際派。AIIBの設立準備事務局長として、多くの欧州先進国に参加を決断させた立役者だとされている。

732とはずがたり:2015/07/07(火) 11:15:06

欧州中銀、供給増に応じず=ギリシャ銀の資金逼迫
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150707X771.html
07:21時事通信

 【フランクフルト時事】欧州連合(EU)が金融支援の条件として求めた財政緊縮策がギリシャの国民投票で反対されたことを受け、欧州中央銀行(ECB)は6日、ギリシャの銀行への資金供給枠を増やさないことを決めた。供給時に要求する担保の査定基準も厳格化。同国政府にEU側との支援合意を促す圧力を強めた。

 預金流出が続くギリシャの銀行は供給枠をほぼ使い切っているとみられる。枠が拡大されなければ資金が近く枯渇する見通しで、同国は資金供給の増額を要請していた。EU側とギリシャは銀行が破綻する前に支援合意を目指す考えだが、残された時間は限られている。

 ギリシャのスタサキス経済相はこの日、追加資金がなくても「(資金繰りは)数日間持ちこたえられる」と説明した。ただ政府は、預金流出を防ぐため、銀行休業などの非常措置を少なくとも8日までは続ける方針だ。

733とはずがたり:2015/07/07(火) 11:15:47
<ギリシャ>ECBが銀行支援枠据え置き 担保査定も厳格化
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150707k0000e020171000c.html
10:55毎日新聞

 ◇ギリシャ銀行協会 銀行窓口の閉鎖、8日まで延長へ

 【ロンドン坂井隆之】欧州中央銀行(ECB)は6日、臨時の理事会を開き、ギリシャの銀行を支援するための資金供給枠を、現在の890億ユーロ(約12兆円)に据え置くことを決めた。資金供給の際に銀行が差し出す担保の査定を厳格化することも決定。預金引き出し制限の実施を強いられているギリシャ政府に対し、踏み込んだ支援を見合わせることで、欧州連合(EU)との合意を促した形だ。決定を受け、ギリシャ銀行協会は当初6日に終えるとしていた銀行窓口の閉鎖を、少なくとも8日まで延長する方針を示した。

 預金流出が続くギリシャの銀行はECBの資金供給枠をほぼ使い切っており、ギリシャ中銀が増額を要請していた。ギリシャのスタサキス経済相は銀行の資金は数日間分しか確保できていないと説明しており、ECBがこのまま増額に応じなければ、週内にも資金が枯渇する恐れがある。

 また、5日実施されたギリシャの国民投票でEUなど債権者側の財政再建案が否決されたことを受けて、ECBは、担保となるギリシャ国債の信用力が低下したと判断したとみられる。ギリシャの銀行は資金供給を継続して受ける際に、より多くの国債を差し出す必要があり、資金繰りは厳しくなりそうだ。

 ギリシャでは国民が預金を引き出せるのは原則、現金自動受払機(ATM)で1日60ユーロ(約8100円)までに制限されている。ギリシャ政府は、銀行が破綻する前にEUとの金融支援の合意を目指すが、綱渡りの交渉となりそうだ。

734とはずがたり:2015/07/07(火) 12:45:05
>後任のチャカロトス氏はEU側との交渉でギリシャ側の責任者を務めている。物静かで慎重な人柄で知られ、交渉で早期に妥協点を見つけたいチプラス首相の意向が反映されている。
演出上手だなぁ。。これで債務減免が通ればチプラス氏の圧勝だけど

ギリシャ首相、EUに新提案…債務減免要求へ
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20150707-567-OYT1T50011.html
04:22読売新聞

 【アテネ=青木佐知子、ブリュッセル=三好益史】ギリシャのチプラス首相は7日に開かれるユーロ圏首脳会議で、金融支援の再開に向け新提案を行う。

 ギリシャの国民投票で欧州連合(EU)などが示した構造改革案が拒否されたのを受け、ドイツのメルケル首相と6日に行った電話会談で合意した。ギリシャ政府関係者が同日、明らかにした。債務減免を求めるとみられ、交渉の難航は避けられない。

 5日に行われたギリシャの国民投票では、緊縮財政を伴うEU案に対し、反対が61・31%、賛成が38・69%という結果だった。投票率は62・5%で、成立要件の40%を超えた。

 チプラス首相は5日夜のテレビ演説で、「交渉のテーブルに戻る」と述べ、債務の減免をEU側に求める考えを強調した。また、ギリシャ政府は6日、EU側と関係が悪化していたバルファキス財務相の辞任を発表した。
<ギリシャ>財務相後任に穏健派のチャカロトス副外相
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150707k0000e020166000c.html
10:36毎日新聞

 ◇辞任の背景 チプラス首相がバルファキス氏言動を憂慮か

 【アテネ宮川裕章】6日に突然、辞任を表明したギリシャのバルファキス前財務相の後任に、穏健派のチャカロトス副外相が指名された。バルファキス氏の辞任の背景には、同氏と他のユーロ圏財務相との対立を嫌ったチプラス首相の判断があったとみられ、地元メディアでさまざまな臆測が飛び交っている。

 バルファキス氏は5日の国民投票で緊縮反対派が勝利した翌日の6日朝、自身のブログで辞任を表明。「欧州各国が私の交渉欠席を望んでいることを知った。首相もそれが交渉での合意に好都合だと判断した」と述べた。

 バルファキス氏は、ギリシャの債権国を「テロリスト」と呼ぶなど物議を醸し、ユーロ圏の他の財務相と激しく対立することも多かった。

 また5日の英紙によると、欧州中央銀行(ECB)からの資金供給が打ち切られた場合、将来の税収入などを担保にした「借用書を1週間以内に発行する」と述べ、すぐに撤回するなど軽率な発言が問題視されたこともあった。

 チプラス首相は、こうしたバルファキス氏の言動が、今後の欧州連合(EU)側との交渉に悪影響を及ぼすのを恐れ、辞任を求めたとみられる。

 一方、後任のチャカロトス氏はEU側との交渉でギリシャ側の責任者を務めている。物静かで慎重な人柄で知られ、交渉で早期に妥協点を見つけたいチプラス首相の意向が反映されている。

735とはずがたり:2015/07/07(火) 16:06:23
EU、ギリシャに圧力…独仏「適切な提案」要求
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150707-OYT1T50107.html?from=yrank_ycont
2015年07月07日 12時21分

 【ブリュッセル=三好益史、パリ=本間圭一】ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は6日、パリでギリシャへの対応策を協議した。

 両首脳は会談後の記者会見で、支援協議再開に前向きな姿勢を示し、メルケル首相はギリシャが「適切な提案」を行うよう求めた。欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で、ギリシャの民間銀行に対する緊急の資金供給枠の増額を見送った。7日のユーロ圏首脳会議を前に、欧州連合(EU)側はギリシャへの圧力を強めている。

 記者会見でメルケル首相は「ギリシャには寛大な提案を行ってきた」と強調。オランド大統領は「多くの時間は残されていない」と指摘し、協議の早期再開の必要性を強調した。

 ギリシャは7日、ブリュッセルで開かれるユーロ圏の首脳会議と財務相会合で、金融支援の再開に向けて新たな支援案を提案する予定。EUなどによる支援策は6月末にいったん失効したため、EU側はギリシャからの提案を受けた上で、新たな支援協議を始めるかどうか判断する。

736とはずがたり:2015/07/07(火) 21:30:46
橋下氏、大阪維新を「いつでも国政政党にする」
2015年07月05日 08時53分
 維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)は4日夜、大阪市内で開かれた大阪維新の会の会合で、地域政党である同会について「いざという時にはいつでも国政政党にする」と述べた。


 ただ、「今すぐに維新の党から独立するということではない」とも述べたといい、安全保障関連法案などを巡って溝が深まっている党執行部をけん制する狙いとみられる。

 会合には、馬場伸幸国会対策委員長ら大阪選出の同党国会議員と大阪府議、大阪市議らが出席した。

737とはずがたり:2015/07/07(火) 21:31:03
>IMFによると、1978〜89年に延滞国となったのは19か国
なんでそんな古い例を持ち出しているんだ??1990年以降に延滞国となったのは?

「ギリシャを巡る九つの疑問」IMF解説
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150704-OYT1T50078.html?from=yrank_ycont
2015年07月04日 20時45分

 国際通貨基金(IMF)がインターネットのホームページに開設した「ギリシャを巡る九つの疑問」と題する特設ページが話題を呼んでいる。

 「返済期限は先延ばしできる?」「罰則は?」「解決に向けた手段は?」などの設問に対して英語、ギリシャ語などでわかりやすく解説しており、5日の国民投票で決断を迫られるギリシャ国民向けにアピールする狙いもありそうだ。

 ホームページでは、ギリシャがこのまま延滞を続ければ最悪の場合は、IMFから「追放」されることもあり得ると指摘。その一方で、過去に延滞国が債務返済のために税制、社会保障制度などを改革した結果、国家財政の健全化を果たすことができた成功例を紹介し、IMFの優先事項は「ギリシャ国民が経済的な混乱を切り抜けることができるよう手助けすることだ」と訴えた。

 IMFによると、1978〜89年に延滞国となったのは19か国。その大半が、IMFからの提案、助言を受け入れて財政状況を改善し、債務も完済しているという。

738とはずがたり:2015/07/08(水) 11:51:31
自力で改革して頑張ったと云う自負があるのであろうけど,ドイツが多少は折れないと(=大国で経済的にも活況の度量を見せないと)話しが始まらないのかも。
ただ,ギリシャの野放図な国家運営が改まらないと始まらないってのは思う。
詰まり結局は両者の中間辺りに妥協点はある筈・・。

【社説】
ユーロ危機回避の策は ギリシャだけが悪いのか
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015070802000148.html?ref=rank
2015年7月8日

 ギリシャがいよいよ正念場だ。債権団が求めた緊縮策に国民は大差で「ノー」と答えたが、資金が枯渇しつつある。双方が歩み寄る決断が必要だ。
 ギリシャ問題は芥川龍之介の短編小説「藪(やぶ)の中」のようである。金の貸し借りなので問題点ははっきりしている。しかし、見る者、語る者によって自分の言い分が正しく、非は相手にあると映る。それぞれの主張は論理的で間違ってはいない。

◆債務削減は当然だ
 では協議行き詰まりの原因はどこにあるのか。ギリシャだけが悪いのか。債権者に問題はないのか。それとも支援策自体の問題か。
 解くヒントは「貸借文化の違い」にある。債権者の中心のドイツや欧州北部は「借りた金は返さなければならない」が常識である。日本人も同じだ。だから巨額の融資を受けながら、条件を守らず、返す努力も見えないギリシャを許すことができない。
 しかし、この貸借文化は世界的には主流でない。ギリシャなど南欧や南米では「返せないものは返さなくてもいい」との考えがなじむ。五年に及ぶ緊縮を受け入れ、高失業率と年金や給与の大幅減に苦しむギリシャ人は「返せないほどの金を貸した方が悪い」と考えるのだ。
 貸し手の権利を守る度合いが異なるが、どちらの言い分も金融の世界では間違っていない。だが、厳しい財政緊縮と追加金融支援をセットにした支援策はギリシャの債務残高を高止まりさせ、事態をより深刻化させた。ドイツ的考えに基づく支援策に問題があったのだ。
 過重債務に対しては、債務を削減(借金棒引き)して負担を軽くした方が経済が立ち直り、債務不履行(デフォルト)に追い込んでしまうより返済は大きくなる。債権団の一角を占める国際通貨基金(IMF)も認めたように、ギリシャ経済が持続可能となるためには大幅な債務削減は当然だ。

739とはずがたり:2015/07/08(水) 11:51:44
>>738-739
◆発祥の地として歓迎
 危機の原点にさかのぼると、ギリシャのユーロ加盟にまでたどりつく。一九九九年に発足した欧州単一通貨には「財政赤字が国内総生産(GDP)の3%以下」という加盟基準がある。ギリシャは明らかに基準を満たしていなかった。だが、欧州発祥の地であり、ロシアに近接したバルカン半島の突端という地政学的な要請から特例的にユーロに迎えられた経緯がある。
 EU各国はギリシャの欠陥を知りながら過剰な投資を続け、大いにもうけた。ギリシャもユーロ加盟で信用力が高まり資金を借りまくった。アテネ五輪(二〇〇四年)を機にバブル景気で高成長も実現した。
 しかし、身の丈以上の経済を謳歌(おうか)したため、債務が膨張。GDP比12%超の膨大な債務残高がありながら隠蔽(いんぺい)していたことが〇九年の政権交代で明らかになった。
 翌一〇年にまとまった第一次支援で債務削減が検討されたが、当時はポルトガルやアイルランドなど財政危機の国々への連鎖を恐れて見送られた。この抜本処理の先送りが、その後の危機拡大につながったのである。
 一二年の第二次支援ではドイツやフランスの民間銀行向けの債務が削減された。大半の債務はEUや欧州中央銀行(ECB)、欧州各国向けに置き換わった。このため、今回債務削減が実施されれば、各国の国民負担(税金)に直結する。
 負担が大きくなるドイツでは拒否感が強いが、これは実はおかしい。ユーロ導入で実力より安い通貨を手に入れ、ギリシャや東欧への輸出増などで恩恵を最も享受してきたのである。
 時間的な余裕がない中、実効性ある解決策をまとめられるのは、欧州統合をフランスとともにリードしてきたドイツである。
 経済規模がユーロ圏の2%に満たないギリシャが離脱しても、影響は軽微との見方はある。しかし、長い年月をかけて築き上げてきた通貨統合という歴史的試みを、小国への誤った対応で瓦解(がかい)させてはならない。

◆自らの意思で決める
 協議の土壇場で国民投票という奇策に打って出たチプラス首相の大衆迎合的な行為は、とても賛同できるものではない。とはいえ、ギリシャ人は大国に翻弄(ほんろう)されてきた経験から、自らの将来は自らの手で決める自尊心が強い国民である。ギリシャ人の悲痛な叫びには耳を傾けたい。
 ユーロ体制は、通貨は統合したが財政は各国ごとという矛盾を抱える。圏内格差を埋める調整機能に欠け、このままでは「第二のギリシャ」も生まれよう。平和と共存という理念に向け、再分配政策など統合深化を急ぐべきだ。
 世界経済を危うくする火種などになってはいけないのである。

740とはずがたり:2015/07/08(水) 15:15:44

ギリシャ、債務の3割減要求か EU側にきょう正式提示
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015070802000126.html?ref=rank
2015年7月8日 朝刊

 【ブリュッセル=小嶋麻友美】ギリシャへの金融支援をめぐる欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合が七日、ブリュッセルで開かれた。EUの緊縮策に「反対」とした国民投票後のギリシャの対応が注目されたが、ギリシャ側はこの日、新たな金融支援交渉の前提となる財政再建策について具体案を示さなかった。八日に正式に提示する。 
 デイセルブルム議長は会合終了後「ギリシャは八日までに(財政再建策を)提出する予定で、あらためて電話会談をする」と説明。欧州委員会と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の債権団が、まずはその内容を評価するとした。
 七日夜にはユーロ圏の緊急首脳会議が開かれ、チプラス首相がEU側に国民投票後初めて、ギリシャとしての考えを表明するとみられる。チプラス首相は八日には欧州議会で演説する。
 欧州メディアによると、新たな提案でギリシャ側はEUやIMFなどの債権団に債務元本の三割削減を求める見通しだが、一貫して債務カットを拒んできたEU側が応じるかは微妙。低年金受給者への上乗せ支給の維持や、物価が高い離島に対する付加価値税(消費税)の軽減税率の継続など、他にも対立点は残るとみられる。
 ユーロ圏財務相会合前、ドイツのショイブレ財務相は「国民投票の結果は尊重するが、再建策なしでは、支援の枠組みもない」と強調。債務削減をめぐっても各財務相からは否定的な見解が出た。
 一方、ECBの理事会が六日、ギリシャの銀行への資金供給の上限を、現状の八百九十億ユーロ(約十二兆円)のまま据え置いたことで、銀行の資金繰りは逼迫(ひっぱく)している。

741とはずがたり:2015/07/08(水) 15:16:49

ギリシャ救済 EU、12日に最終判断 財政再建策の提出要求
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015070802000247.html
2015年7月8日 夕刊

 【ブリュッセル=小嶋麻友美】欧州連合(EU)は七日、ブリュッセルで緊急のユーロ圏(十九カ国)首脳会議を開き、ギリシャへの金融支援とその前提となる財政再建策について、十二日にEU全二十八カ国の首脳会議を開いて最終判断することで一致した。
 トゥスクEU大統領は会議後に「最終合意まで残り五日しかない」と述べ、十二日で交渉は打ち切られると明言した。
 ギリシャは首脳会議に先立って開かれたユーロ圏財務相会合に財政再建策を提出しなかった。このため首脳会議は、遅くとも九日までに、具体的な財政再建策を含む新たな支援要請を提出するよう指示。EUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の債権団で内容を評価した上で、EU首脳会議が新たな支援に合意するかどうかを決める。
 ギリシャがEU側を納得させる再建案を示せなければ、EUやIMFによる金融支援は完全に終了し、ユーロ圏離脱を迫られる可能性がある。
 トゥスク氏は「五日間はEUとユーロ圏の歴史で最も重要な時間になる」とし、「悲観的なシナリオも排除できない」とギリシャに強く警告した。ドイツのメルケル首相は、EUの緊縮策に六割が「反対」だったギリシャの国民投票に触れ「投票は尊重するが、ユーロは一国だけの問題ではない」とくぎを刺した。
 一方、ギリシャのチプラス首相は「危機からの最終的な脱却を目指す」とEUへの提案に自信を見せた。

742とはずがたり:2015/07/08(水) 18:44:34
債務削減は簡単だけどそれによってモラルハザードが起きて債務削減派が欧州を席捲するのが阻止出来なくなるから困難なんだな。そこの構造的な問題がある限りなかなか難しい。。

コラム:ギリシャ、ユーロ圏残留は困難に
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0PG03R20150706?sp=true#7
2015年 07月 6日 10:54 JST
Hugo Dixon

[アテネ 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 5日のギリシャ国民投票の投票用紙には、ユーロへの言及はなかった。しかし、国民が債権団の財政再建策に強い口調で「ノー」を突き付けたことで、ギリシャがユーロ圏にとどまるのは難しくなるだろう。

もしとどまったとしても、経済的な困窮と社会的緊張を免れる道は存在しない。

ギリシャがユーロ圏以前の通貨制度に戻らなくて済む第1の方法は、ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)がチプラス首相に対して10日前よりもギリシャに有利な条件で交渉をまとめることだ。これこそまさにチプラス氏が「ノー」の投票でもたらされると主張してきた事態である。ギリシャ政府は48時間以内に交渉を妥結するとさえ約束した。

だが債権団は恐らく妥協しない。彼らとしても金融面と地政学面の両方の理由から、可能ならギリシャをユーロに留め置きたいと考えている。とはいえユーロ圏の多くの首脳は、ギリシャ政府の言い回しや交渉姿勢にはうんざりしている。例えば国民投票前日には、バルファキス財務相が債権団の姿勢をテロ呼ばわりした。ドイツなど一部の国の議会や有権者は、ギリシャへの支援条件緩和を認めることに断固反対している。

ユーロ圏諸国はこれまでの交渉が決裂した以上、「グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)」もあり得ると覚悟を決めたようにも見える。交渉決裂以降、ギリシャは銀行を休業させたとはいえ、金融面での影響の波及(コンテージョン)は最小限にとどまっている。ここでギリシャにより寛大な条件を与えると、スペインなどいくつかの国は国内急進派の勢力が強まる事態に神経を尖らせることになる。

さらにチプラス氏が国民投票実施を宣言して以来、既存の支援プログラムは失効し、ギリシャの経済見通しは悪化した。包括的な新しい支援措置は恐らく700億ユーロ前後の規模が必要になる。債権団がそんな巨額の支援を、信頼もできない政府に供与する理由を見出すのは難しい。

これはユーロ圏がギリシャとの交渉を拒絶するという意味ではない。それでも彼らは急に姿勢をあらためるよりは、慎重な態度で臨もうとする可能性の方が大きい。チプラス氏の主な要求の1つである債務減免を、債権団がすぐに提示することはないし、融資には多くの条件を付け、押し付け的な監視を主張するだろう。一方で欧州中央銀行(ECB)は、ギリシャの銀行向けの流動性支援額を拡大しそうにはない。

チプラス氏はこれらすべてに不満が募ることになる。銀行休業が既に社会に打撃を与えているばかりか、現金自動預払機(ATM)は数日中に資金が尽きる恐れがある。

743とはずがたり:2015/07/08(水) 18:44:55
>>742-743
それだけでなく、ECB保有の35億ユーロのギリシャ国債償還日に当たる20日には、事態がもっと大きく悪化しかねない。ギリシャが返済できないと、ECBは同国が破綻したと結論付け、同国の銀行も政府と結び付いている点から、支払い不能状態になったとみなすだろう。

銀行破綻は単なる銀行休業よりもずっと深刻な問題だ。国民はクレジットカードの使用や電子送金ができなくなる。現時点では資本規制の影響を免れている旅行者も、お金を下ろせなくなる。そうした事態はギリシャの基幹産業である観光にとって、与える印象が良いはずがない。経済全体が奈落の底へと落ちていくだろう。

銀行の営業が再開可能になるには、資本増強が不可欠だ。その1つの方法はギリシャがユーロ圏を離脱することで、それで政府は通貨ドラクマを発行して銀行に出資できる。別の選択肢は、預金者に一部のコストを負担してもらい、銀行資本に充当することだ。

チプラス氏はどちらの道も選ばないと約束しているので、非常な苦境に陥るとみられる。現実的に、重圧が相当大きくなって政権が崩壊する恐れもある。チプラス氏の与党の議席は半数をそれほど大きく上回っていないため、造反者が少し出れば不信任案が可決されてしまう。

ただ、国民投票の反対票の大きさを踏まえれば、チプラス氏の地位はしばらくは安定するとも見える。それゆえにユーロの代わりに新通貨を導入するか、ユーロと新通貨を併存させたくなるかもしれない。その場合、銀行を再開できるだけでなく、公務員の給与や年金も支払える。新通貨が発行されれば、その価値はたちまちユーロに対して大きく下落し、多分ユーロの半値になるだろう。

もしもチプラス氏がこうした措置を断行するとすれば、ユーロ圏の債権団は喜んで「ビロード離婚」(円満な分離)を協議するかもしれない。協議内容には、ギリシャに対して欧州連合(EU)にとどまることは認めつつ、最も深刻な人道上の問題を軽減するためのある意味で経過的な支援を提供することなどが含まれよう。

もっとも円満な分離に至る道のりは平たんではないだろう。1つには法的な面で泥沼に入り込む。つまりギリシャ国民はチプラス氏にドラクマへの復帰を許したかどうかは明確ではない。チプラス氏は国民投票がユーロに関するものでないと主張してきただけに、親欧州の反対派が首相にはドラクマ導入の権限はないと論じることになる。

チプラス氏としては、憲法がはっきりと規定してはいないものの、通貨制度変更には議会で60%の賛成票が必要になる可能性もある。だが、今のところ与党はそれだけの議席を有していない。チプラス氏が強引に通貨制度変更を主張すれば、大統領が辞任するケースも考えられる。そうなると新たな選挙を実施しなければならず、選挙までの間に起きる事態次第では、チプラス氏が退陣するかもしれない。チプラス氏が退けば、ギリシャはなおかろうじてユーロ圏に踏みとどまれるかもしれない。

いずれにせよ、何と多くの「不確定要素」や「可能性」が存在するのかと思うとすれば、それはギリシャ国民が反対票を投じたことで同国が未踏の領域へと踏み出したからにほかならない。はっきりしているのは、この先ギリシャには今よりずっと悲惨ないばらの道が続くということだ。

744とはずがたり:2015/07/08(水) 18:47:49
>>742

コラム:ギリシャ瀬戸際外交の敗北必至、ドル高持続へ=熊野英生氏
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0PG03020150706?sp=true
2015年 07月 6日 14:20 JST

[東京 6日] - ギリシャの国民投票は、緊縮受け入れに反対する意見が多数派になり、チプラス政権が勝利宣言を行った。ネガティブ・サプライズである。

まさかギリシャ国民は、自分の首を絞める選択はしないだろうと思っていた。間違った選択である。これで、ギリシャをめぐる金融支援交渉は、再び前途多難の方向に向かうだろう。

筆者は、ギリシャ国民の多数が緊縮反対と表明したことを受けて、ドイツ、フランスなどの欧州連合(EU)首脳が今後の交渉でギリシャの要求に表立って妥協することはしないと見る。それこそ、第二、第三のギリシャの事例を出さないための規律重視を示したいからだ。

ギリシャのチプラス政権は、緊縮反対という民意を、あたかも人質にとったかたちで、金融支援継続を求めている。EU首脳がギリシャの人質作戦に妥協すれば、今後の金融支援ルールが信用されなくなる。だから、人質をとった籠城策には妥協しない。

実のところ、EU首脳たちは、逆にギリシャに対する人質をとっている。欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援(ELA)である。もしもECBが保有するギリシャ国債が償還不能、実質デフォルト(債務不履行)と見なされて担保価値を失えば、ギリシャ中銀に対する支援を打ち切る可能性も現実味を帯びてくる。実際にそうなれば、ギリシャの民間銀行は破綻の道を歩む。

現状でもギリシャ政府は預金引き出しを1日60ユーロ(約8000円)に制限する資本規制、つまり事実上の預金封鎖を敷いている。この預金封鎖は恐らく長期化せざるを得ないだろう。

もしもECBがギリシャのユーロ離脱を覚悟すれば、ELAを打ち切って、ギリシャの銀行が資金繰りに窮するのを放置するだろう。ギリシャは6月30日に国際通貨基金(IMF)融資の実質的デフォルトを起こしている。当面、同じようなデフォルトが続いて不良債権は累増しかねない。

ギリシャ政府は、国内銀行破綻に際して、通貨発行権を持っていないので、現在、年金支払いに充てている借用証書(IOU)と同じものを預金者に渡して凌ぐしか選択肢はないだろう。このIOUは、新しい通貨(新ドラクマか)と同じ性格のものである。しかし、国民は新通貨を信用せず、低い価値しか認めないだろう。政府がIOUの支払いを乱発することでハイパーインフレに陥るリスクも高い。

結局、今回、緊縮反対に票を入れたと考えられる低所得者層が、ハイパーインフレの犠牲者になる。地下経済は拡大して、富裕層はさらなる資産保全に走る。こうした破滅のシナリオが見えているから、ECBがELAを絞り込むようなことはせず、EU首脳たちはチプラス政権が完全降伏するのを兵糧攻めで待つことになるだろう。

<大幅な円高は進まない>

筆者の読みでは、ギリシャの瀬戸際外交は勝利せず、EUの大国であるドイツやフランスの外交的勝利によって、ユーロの秩序は保たれる。ギリシャは、ユーロ離脱を選択できず、多かれ少なかれ緊縮財政を受け入れる命運にあると予想される。

短期的には、ギリシャ問題の解決が見えにくくなることで、リスク回避の円高という反応が表れるだろう。しかし、ギリシャへの兵糧攻めがユーロの秩序を回復させていく展望が見えていくと、事前には緊縮反対に傾いた国民投票はドル円レートを大幅な円高にするという懸念があったが、それほど大きな円高には進まないだろう。

ドル円レートのレンジは当面、120円から125円のレンジで推移するだろう。基調はドル高であり、国民投票で不確実性の霧が一部晴れた部分もある。日米株価に対するギリシャの波乱の悪影響もまた、ごく一時的なものにとどまり、短期間で乱高下は収束すると予想される。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。

745とはずがたり:2015/07/08(水) 18:52:45
>ドイツ離脱の未来図
流石にそれは。。

>債権者にとって最善の選択肢は結局、ギリシャが条件を飲むまで待ちつつ、同国のユーロ離脱に備えることだろう。その間、ECBはELAの上限引き上げに応じざるを得ないが、選挙という国民の審判を受けていないどころか、他国の運命を左右する決断を下す心理的なハードルは高いと考えられる(文意がよく解らん)。国際的な支援額が2015年3月末時点で2700億ユーロに達するなか、追加支援のコストは、ギリシャが今すぐにユーロ離脱に追い込まれることに伴うコストよりも安くなる可能性もある。

>そして、ELA上限の小幅な引き上げでは資本規制の解除は望めないが、それによって銀行休業が長期化すれば、反EU、反ユーロ勢力の主張の危険性や無謀さを浮き彫りにすることもできるだろう。逆説的ではあるが、事態悪化がギリシャ救済に否定的なEUやユーロ圏各国の世論を軟化させることも考えられる。

>ギリシャのユーロ残留は他国の構造改革路線に見直しを迫る。それはユーロ圏の危機対応能力の低下を通じて、ユーロの弱体化を招くリスクをはらむ。実際、チプラス首相の要求は、恵まれた年金制度の維持など独自の財政政策や、構造改革の先送りの許容を迫る一方、それによって低下する競争力を金融緩和や通貨安で解決しようとするものである。こうした方針は、少なくともドイツとは相容れないだろう。

コラム:ギリシャ残留ならドイツ離脱の未来図も=嶋津洋樹氏
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0PI0FN20150708?sp=true
2015年 07月 8日 15:57 JST

[東京 8日] - 5日実施された緊縮財政の受け入れに絡むギリシャの国民投票は、事前の賛否拮抗という大方の予想に反し、6割強が反対という結果に終わった。このことはすでに多くの識者が指摘しているとおり、ギリシャのユーロ離脱が現実のものとなりつつあることを示している。

もちろん、ギリシャのチプラス首相が国民に繰り返し説明したように、緊縮財政の受け入れを拒否したからといって、すぐにユーロ離脱に追い込まれることはないだろう。債権者のなかで最も影響力が大きいと見られるドイツのメルケル首相が、国民投票後も対話の扉は開かれているとの姿勢を変えておらず、欧州中央銀行(ECB)は緊急流動性支援(ELA)の残高を維持している。

国民投票で求心力を回復させたチプラス首相が債権者へ譲歩し、妥協が成立する可能性もゼロではない。それは、これまで交渉の障害となっていたバルファキス財務相を事実上更迭したこと、その後任に「首相の長年の盟友」とされ、直前までの交渉で指導的な役割を果たし、債権者の覚えも悪くないツァカロトス外務副大臣を指名したことからも言える。

しかも、交渉再開に際し、ギリシャの主要政党はチプラス首相への支持を表明。交渉の窓口が一本化されたことは、これまで二転三転してきたギリシャの立場が安定する可能性を示唆する。国民投票直前のギリシャと債権者との隔たりが6000万ユーロまで縮小していたと報じられていることも踏まえると、電撃的な合意の可能性を無視するわけにはいかない。

<債権者は損失確定を急ぐ必要はない>

もっとも、一連の混乱でギリシャ経済は大きな打撃を受けていると考えられる。国民投票直前の前提で必要資金を計算しても、実際には十分な金額が準備できない可能性がある。債権者側が、国民投票の実施で従来の救済の枠組みは失効し、次は新しい枠組みの下で実施されると主張していることは、ギリシャに新たに求められる条件が従来よりも厳しくなる可能性を示唆している。

それどころか、債権者がギリシャに一連の混乱の責任を取らせるべきと考えても不思議ではないだろう。今やドイツやフランスでも、反欧州連合(EU)、反ユーロを掲げる勢力が一定の支持を集めている。そうした国の政治家にとって、ギリシャ救済に自国の税金をつぎ込むような選択肢は取りにくいはずである。今回、これまでEUやユーロ圏が用意したセーフティネットの効果が証明され、混乱が拡大していないことは、債権者の多くにギリシャのユーロ離脱に伴うリスクを小さく感じさせているだろう。

とはいえ、ギリシャをユーロから今すぐに追い出すことは難しい。そもそも、法的な規定がない。また、セーフティネットが整備されたとはいえ、ギリシャや同国銀行のデフォルトの影響まで遮断できるかは誰も確信が持てないだろう。

746とはずがたり:2015/07/08(水) 18:53:21
>>745-746
加えて、今やギリシャ向け債権のすべてを回収できるというのはかなり楽観的と言わざるを得ないが、それを保有するのが国際通貨基金(IMF)やEU、ECB、各国政府である以上、ギリシャのユーロ離脱前にその損失確定を急ぐことも、それに伴う資本の毀損を懸念する必要もない。

このように考えると、債権者にとって最善の選択肢は結局、ギリシャが条件を飲むまで待ちつつ、同国のユーロ離脱に備えることだろう。その間、ECBはELAの上限引き上げに応じざるを得ないが、選挙という国民の審判を受けていないどころか、他国の運命を左右する決断を下す心理的なハードルは高いと考えられる。国際的な支援額が2015年3月末時点で2700億ユーロに達するなか、追加支援のコストは、ギリシャが今すぐにユーロ離脱に追い込まれることに伴うコストよりも安くなる可能性もある。

そして、ELA上限の小幅な引き上げでは資本規制の解除は望めないが、それによって銀行休業が長期化すれば、反EU、反ユーロ勢力の主張の危険性や無謀さを浮き彫りにすることもできるだろう。逆説的ではあるが、事態悪化がギリシャ救済に否定的なEUやユーロ圏各国の世論を軟化させることも考えられる。不幸なことではあるが、山一證券の破綻やリーマンショックが公的資金の金融システム救済への利用を後押ししたことは、これまでもしばしば指摘されていることである。

<離脱後のギリシャ経済が復活する可能性>

むろん、ギリシャ国内で資本規制などへの不満が高まり、自らユーロ離脱を選ぶことも考えられる。その影響がギリシャにとどまる限り、債権者は歓迎こそすれ、反対はしないだろう。

そこまで劇的ではなくても、資本規制が長期化するなかで、ギリシャ政府が年金や公務員給与の全部または一部を借用証書(IOU)で給付せざるを得なくなる可能性は十分にある。それがネットオークションで取引されるようにでもなれば、事実上の並行通貨の誕生である。IOUを「新ドラクマ」と言い換えれば、ギリシャは法的準備が整う前にユーロ離脱へ踏み出すことになる。筆者はギリシャのユーロ離脱の手法として、このパターンが最も現実的かつ悪影響が限られると考えている。

ただし、これで話が終わるとは思えない。たとえば、ユーロ離脱後のギリシャ経済が劇的な回復を見せた場合、新たにユーロ離脱を目指す国が出てくることは十分に想定される。ユーロは最終的にドイツを中心とする欧州北部の通貨となる可能性がある。それはドイツが望む強い通貨の誕生を意味するが、今ほどの影響力を維持できるとは思えない。

反対に、ユーロ離脱後のギリシャが破綻国家となるリスクもある。その場合、ユーロ加盟国の結束は強まる可能性が高いが、難民の流入、過激派の勢力拡大など、地政学リスクの高まりも避けられないだろう。それは結局、EUやユーロ圏の景気回復を妨げる。地中海のなかでもイオニア海やエーゲ海に面する国々は小国が多く、治安維持や国境警備などの歳出が嵩(かさ)めば、財政を圧迫するリスクもある。

破綻国家というほど深刻ではなくても、ギリシャ経済の停滞は歴史的、経済的な結びつきの強いキプロス経済に影響を及ぼしかねない。そうなれば、キプロスがギリシャに続いてユーロ離脱を選択することも考えられる。

一方、ギリシャのユーロ残留は他国の構造改革路線に見直しを迫る。それはユーロ圏の危機対応能力の低下を通じて、ユーロの弱体化を招くリスクをはらむ。実際、チプラス首相の要求は、恵まれた年金制度の維持など独自の財政政策や、構造改革の先送りの許容を迫る一方、それによって低下する競争力を金融緩和や通貨安で解決しようとするものである。こうした方針は、少なくともドイツとは相容れないだろう。

そして、ユーロ圏はこれまで、各国の構造改革を前提にドイツが資金や人材、ノウハウを提供することで、欧州通貨制度(EMS)の設立や金融監督の一元化などのセーフティネットを整備し、統合を深化させてきた。こうした流れが今回、ギリシャのユーロ残留で変わるとすれば、次にユーロ離脱を検討するのがドイツとなる可能性もある。債権者のギリシャに対する姿勢は、ユーロの将来を大きく左右すると筆者は考えている。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。

747とはずがたり:2015/07/08(水) 18:56:38
>>744
>ギリシャ政府は、国内銀行破綻に際して、通貨発行権を持っていないので、現在、年金支払いに充てている借用証書(IOU)と同じものを預金者に渡して凌ぐしか選択肢はないだろう。このIOUは、新しい通貨(新ドラクマか)と同じ性格のものである。しかし、国民は新通貨を信用せず、低い価値しか認めないだろう。政府がIOUの支払いを乱発することでハイパーインフレに陥るリスクも高い。
通貨発行権を抛棄してるのか。

>筆者の読みでは、ギリシャの瀬戸際外交は勝利せず、EUの大国であるドイツやフランスの外交的勝利によって、ユーロの秩序は保たれる。ギリシャは、ユーロ離脱を選択できず、多かれ少なかれ緊縮財政を受け入れる命運にあると予想される。
多かれ少なかれの財政支出の引き換えに債務減免を受けれるかな?

748とはずがたり:2015/07/08(水) 18:58:01
>>745-746
>ドイツ経済の屋台骨とも言える18万社の同族会社から成る「同族企業家─自営企業家業務共同体」
そんなものがあるのか。

アングル:「ユーロ圏から出ていけ」、ギリシャ見放す独産業界
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0PC0AP20150702?rpc=223&sp=true
2015年 07月 2日 14:03 JST

 7月1日、ドイツの産業界から、ギリシャのユーロ圏離脱を求める声が出始めている。ドイツ企業は、ギリシャ危機が長引いたほうが悪影響が大きいと見ているようだ。アテネで3月撮影(2015年 ロイター/Yannis Behrakis)
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[フランクフルト 1日 ロイター] - ドイツの産業界から、ギリシャのユーロ圏離脱を求める声が出始めている。ドイツ企業は既にギリシャ事業を大幅に縮小しているため、離脱となっても影響は限定的と考えており、むしろギリシャがユーロ圏にとどまり危機が長引いたほうが経済への悪影響が大きいと見ているようだ。

ドイツ自動車工業会(VDA)の会長で、ドイツ最大の経済団体であるドイツ産業連盟(BDI)の副会長を務めるマティアス・ウィスマン会長は「ギリシャのユーロ圏離脱はもはやタブーではない」と断言。「むしろユーロ圏の安定化に寄与するのではないか」と突き放した。

ギリシャは先月末、国際通貨基金(IMF)への融資返済ができず、事実上のデフォルト(債務不履行)状態になった。その後、新提案などの動きも出ているが、もはやドイツのメルケル首相ですらも、ギリシャをユーロ圏にとどめることはできない、との見方が広がっている。

ギリシャでは5日、債権団が示した財政構造改革案受け入れの是非を問う国民投票が実施されるが、欧州の政策当局者の大半は、事実上はユーロ圏から離脱するかどうかを問うものになる、と考えている。

ドイツ経済の屋台骨とも言える18万社の同族会社から成る「同族企業家─自営企業家業務共同体」は、最近のギリシャ情勢を見て、ギリシャ救済への反対姿勢が一段と強まった、と表明。「ギリシャがユーロ圏から秩序立って離脱できるよう尽力すべきときだ」としている。

同団体のエコノミスト、ダニエル・ミトレンガ氏は「ユーロ圏の先行きは独企業にも影響する」とし「グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)で他国も崩壊するような『ドミノ理論』は望まない」と述べた。

ドイツ企業のギリシャへの視線が変化した背景には、独企業が近年、ギリシャへのエクスポージャーを大幅に縮小していることがある。

ドイツのギリシャへの輸出額は昨年、わずか50億ユーロ(約56億ドル)と、ドイツの輸出全体の0.5%にも満たなかった。ドイツの輸出先ランキングでは、ギリシャは34位から38位に後退した。

<ドイツ企業、ギリシャ離脱への備え万全>

ドイツ機械工業連盟(VDMA)の会長は「純粋にマーケットの観点から見ると、ギリシャがユーロ圏から離脱してもドイツの機械・設備メーカーは対応できる」と強調。加盟企業の対ギリシャ輸出は昨年は3億6000万ユーロで、08年の6億8000万ユーロから急減した。

より目先には、取引相手のギリシャ企業が支払いを停止するのではないかという懸念があるが、独企業には失うものはあまりないという。

ドイツ貿易・投資振興機関アテネ事務所のミカエラ・バリス氏は「備えは万全だ。ギリシャで事業を行う独企業は2年前から、ギリシャに保有する現金を日々の業務に必要な額に制限している」と述べた。

ドイツテレコム(DTEGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)はギリシャ通信最大手OTEに40%出資、独企業ではギリシャへのエクスポージャーが最も大きい。ドイツテレコムは、OTEを独立企業として運営している、としており、株式取得に支出した42億ユーロのうち、26億ユーロが償却済みという。

1900年にギリシャに進出したシーメンス(SIEGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)もギリシャ事業を大幅に縮小。シーメンスのギリシャでの売上高は、前年度は1億2000万ユーロで、グループ全体の売上高の0.2%弱に過ぎない。

バイエル(BAYGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)は、ギリシャがユーロ圏から離脱しても「影響には対処できる。グループ売上高に占めるギリシャの比率はわずか1%だ。われわれは医薬品など不可欠な製品の供給は続ける」としている。

(Georgina Prodhan記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦)

749とはずがたり:2015/07/08(水) 19:35:14
>>708-709
ユーロ脱退の規定はないのだからギリシャでユーロと新ドラクマ(ギリシャ政府の借用証)が併存する事態になって形式上脱退しないまま解決を模索する形になりそうか。

ギリシャのユーロ離脱、早わかりQ&A
http://jp.wsj.com/articles/SB10608521192908353573604581094910374006894?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesSecond
By CHARLES FORELLE
2015年7月8日 10:49 JST

 Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)は、かつてユーロ悲観論者が抱く理論上の恐怖にすぎなかったが、近く現実に起こるかもしれない。ユーロは離脱を想定していない通貨だ。つまり、ある国がユーロの使用を停止するという手続きは、ユーロをめぐる規則や協定に全く記されていない。したがって、今後の見通しを描こうとしても臆測の域を出ないが、あえて臆測してみよう。

ギリシャの離脱はどのように起きるのか

 市中銀行を通じて到来する。ギリシャをユーロから「放逐」するための政治的・法的手続きはないし、ギリシャ政府は自発的に撤退しようと思わないと繰り返し述べている。これは、市中銀行の状態が極めて悪くなった場合に離脱がやって来ることをうかがわせる。

状況はどれほど悪くならねばならないのか

 率直に言って、それほど大幅には悪化する必要はない。市中銀行は流動性が欠如している。彼らは資産(大半が融資)を債権者(大半は預金者)が要求している現金に転換できない。市中銀行に緊急の資金を貸し付けることによってこの流動性を提供していた唯一の機関は、ギリシャの中央銀行だった。しかし欧州中央銀行(ECB)はギリシャ中銀に対する緊急貸付枠を凍結した。

 その結果、市中銀行は店を閉めた。市中銀行は最後に残った現金を預金者にATMを通じてちびちびと渡している。1日当たり60ユーロ(約8100円)に制限しているのだ。ユーロの電子的な海外送金は停止した。

 実質的に、ギリシャは既にユーロ圏から一歩踏み出したのだ。同国の企業や消費者は今、現金を保有したがっている。ギリシャの銀行口座にあるユーロは、ユーロの現金あるいはドイツの銀行口座にあるユーロと同一ではない。ギリシャ人は、自分の口座にある「通貨」を実はユーロではない、と考えている。

最終的にはどうなるのか

 ECB次第だ。ECBは緊急ライフラインを停止することも可能だ。既にECBはギリシャの市中銀行向け貸し付けのリスクに困惑気味であることを示唆している。ギリシャの市中銀行がこうした緊急融資の担保として差し出している資産の大きな部分が政府証券(国債)ないし政府保証証券で構成されているからだ。

 このライフラインが停止されれば、ギリシャの市中銀行は緊急融資を返済しなければならなくなろう。彼らは返済できないから、破たんするだろう。

その場合どうなる

 銀行システムを再スタートさせる必要があるだろう。生活に欠かせない物品やサービスが手に入るよう保証するためだけでも、それが必要だ。それには大規模な銀行システムの整理が必要だろう。中央銀行が担保を差し押さえれば、市中銀行の資産は枯渇するだろうし、残存資産は恐らく価値の大半を失っているだろう。それは、市中銀行の資産がおおむねギリシャ人に対する融資であることを想起したら分かる。

 銀行整理の過程で、生き残りが決定した市中銀行は自己資本の再編が必要だろう。銀行の資本は、その資産から負債を控除したものだ。本質的にその資本を増強するには2つの方法がある。資産を増やすか、あるいは負債を圧縮することだ。

それはユーロでできるだろうか

 できる。しかし、それには少なくともECBの手助けが不可欠だろう。おびえた預金者に対処するため、ユーロで流動性支援を提供できる唯一の機関がECBだ。ECBはライフラインを再開し、再編された市中銀行にユーロを貸し付けなければならないだろう。預金者の引き出しに対応できるようにECBは市中銀行の既存の資産を担保として受け入れ、貸し出すことになる。

 市中銀行はユーロ建て資産を追加するか、あるいはユーロ建て負債を圧縮しなければならない。資産を追加できる唯一の当事者はギリシャ政府だ。政府はユーロを全く持っていないから、そうするにはユーロ圏の債権者からの支援が必要だろう。それは何らかのディール(取り決め)の成立を意味する。あるいは、市中銀行が負債を圧縮することも可能だ。銀行の負債はおおむね預金者に対するものだ。それは「ヘアカット(減額)」を意味する。預金者に対して銀行預金の減額を通告することになる。

750とはずがたり:2015/07/08(水) 19:35:52
>>749-750

 これはすべて、耐え難いほどの痛みを伴う。他の選択肢は、ギリシャのユーロ離脱だ。

ユーロ離脱はどういうものだろうか

 政府が新通貨ドラクマを採用したら、銀行の資本再編のためにそれを使えるだろう。政府はドラクマの札束を印刷し、それを使って新しい銀行の株を購入できるだろう。市中銀行は新たな資産を手に入れるだろう。つまり、ドラクマの現金だ。ギリシャ銀行(中央銀行)はドラクマの流動性を提供できる。銀行に対して望むままにドラクマを貸し付けることもできるだろう。

その難点はなにか

 金融システムはドラクマに転換するだろう。したがって、預金者は自分の口座に例えば1万ユーロ持っていた場合、1万ドラクマを保有するだろう。それは数字の上では「ヘアカット」ではないが、1ドラクマは1ユーロよりも確実に価値が小さいだろう。

ギリシャ離脱の他のユーロ圏への影響は?

 予想するのは極端に難しい。ギリシャはユーロ圏の債権者に直接的に巨額のユーロ債務を負っている。ユーロ圏の救済ファンドに1310億ユーロ、他のユーロ圏参加諸国政府に530億ユーロだ。

 ギリシャはほぼ確実に、これらの債務についてデフォルト(返済不履行)に陥るだろうし、債務を再編する必要が出て来るだろう。ギリシャはまた、2012年の大型のデフォルトの一部として発行した債券を通じて民間投資家に340億ユーロの債務を負っている。ギリシャは恐らく、これについても債務再編を求めるだろう。そうなれば混乱する恐れがある。こうした債務は外国法の下で存在しており、ギリシャではなく外国の裁判所の管轄下にある。ギリシャは2012年のデフォルトの際と同じように、単純に債務上限を変更する法律を通過させることはできない。

そしてECBはどうなるか

 われわれが考えているECBは、実際には「ユーロシステム」だ。ECB本体とメンバーであるユーロ圏参加19カ国の中央銀行で構成されている。

 ギリシャの市中銀行が破たんすれば、ユーロシステムが彼らに貸し付けた390億ユーロが損失を被るだろう。しかしこの貸し出しは、極めて安全な債券の担保によって裏付けられており、ユーロシステムは大丈夫だ。890億ユーロの緊急資金供与は別のルールの下で運営されている。そのデフォルトリスクはギリシャ中銀が負担する。

 だが、ギリシャ中銀が、銀行間決済システム、いわゆる「ターゲット2」上に持っている債務がどうなるかはまったく予想がつかない。

それは何か

 簡単に言うと、各国の商業銀行は自国の中銀との間で資金のやり取りをしている。資金が2カ国の商銀間を移動する時は、2カ国の中銀がこれを扱う。あらゆる資金フローが毎日、合算される。このやり取りはターゲット2というシステムを通じて行われている。

 19カ国の中銀間の資金フローの合計は理論的にはゼロだが、一部の国の中銀はユーロシステム内でプラスの残高を持ち、一部はマイナスの残高を持つ。平時では、こうした残高はそれほど具合の悪いものではない。市中銀行が互いに国境を越えて資金を貸し出し、大半のフローが相殺される。

 しかし今は平時ではない。ギリシャ中銀は5月時点で1000億ユーロのマイナス残高を抱えている。これがターゲット2債務だ。ギリシャ中銀はその支払いを拒否する恐れがあり、そうなればユーロシステムはECBのバランスシートに損失を抱えてしまうだろう。しかしエコノミストのカール・ウィーラン(Karl Whelan)氏が論じるように、ギリシャがたとえユーロ圏から離脱しても、ギリシャ中銀はターゲット2のシステムにとどまろうと努めるかもしれない。ターゲット2債務に支払う金利は極めて小さく、現在0.05%だ。

 それはすべて、「離婚」がどれほど友好的かに左右されるだろう。

原文(英語):What Would Grexit Look Like?

751とはずがたり:2015/07/08(水) 19:53:50
ターゲット2問題 -ユーロ・システム
http://blogs.yahoo.co.jp/olympass/53433927.html
2012/12/3(月) 午前 2:08

ユーロ・システムの中央銀行はECBである。ここでユーロ圏全体の金融政策は決定される。しかし他方で各国にも中央銀行は存在する。ECBを中核としながらも各国の中央銀行は相互に決済を行うシステムで結ばれている。これがターゲット2である。問題は、PIIGSの中央銀行にドイツなどの中央銀行が資金を融通するということが日常的に行われている点である。もしPIIGSのどこかがデフォルトを引き起こすと、そこに貸し付けている、たとえばドイツの中央銀行などは4600億ユーロが一瞬にして資金回収が不可能になってしまう。こうした問題を抱えているから、ギリシアがたとえ小さな規模の国だといっても、それは巨像をも倒す力をもっているのである。だから、ドイツがギリシアをユーロ圏から追放したい、追放するとかいっても、それは原理的にできない話である。

PIIGS
https://ja.wikipedia.org/wiki/PIIGS

PIIGS(ピーグス[1][2][3]、英語発音: [pigz] ピグズ)またはPIGS(ピッグス、英語発音: [pigz] ピグズ)は、世界金融危機において金融・財政部門の改善が自国の力のみでは達成出来ない可能性のあるヨーロッパの国をまとめて表現するために、該当する国家群の英語の頭文字からつくられた頭字語である。経済状況の変化に従って該当するとされる国家も変化しているため、この記事では同種の頭字語も扱う。

PIGSは英語で「豚」を意味する。この頭字語は2008年(平成20年)から侮蔑的な意味を込めてイギリスおよび北アメリカの金融報道で使われるようになった[4]。
当初はユーロ圏の南ヨーロッパ4ヶ国、すなわち ポルトガルの旗 ポルトガル (Portugal)、イタリアの旗 イタリア (Italy)、ギリシャの旗 ギリシャ (Greece)、および スペインの旗 スペイン (Spain) を指していた[5]。また、これに アイルランドの旗 アイルランド (Ireland) を加えてPIIGSと呼ばれることもある[6]。2009年(平成21年)末からはイタリアを除いたポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペインの組み合わせでPIGSと呼ばれる場合が増えてきた[7][8][9]。

これらユーロ圏の国々は2008年の数年前までは国によりまちまちの経済状況を呈していたが[12]、2008年のリーマン・ショック前後から財政規律問題と経常収支問題が顕著になってきており、これがユーロの不安定要因になっているとみなされている[13]。また、雇用問題も抱えている[14]。2009年11月のドバイ・ショックでも信用格付け問題でゆすぶられることになった[8][15]。
PIIGSの中の一国と目されていたアイルランドについては、2013年12月15日をもってEUとIMFから受けてきた金融支援から脱却することに成功した[16]。

753とはずがたり:2015/07/08(水) 21:53:13
中国の大国主義にはむかつくけど,新しい国際秩序の形成に心躍らないでもない。
此処へ来ての中国経済の大コケは習執行部としても避けたい所だろうけどとりま株式恐慌を何処迄支えられて何処迄支えないのか注目。

AIIB、7か国署名せず…中国と対立の比など
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150629-OYT1T50068.html?from=yartcl_outbrain1
2015年06月29日 12時51分

 【北京=鎌田秀男】中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は29日、北京の人民大会堂で設立協定の調印式を開いた。

 創設メンバーとして参加を表明していた57か国のうち、フィリピンなど7か国が設立協定への署名を見送った。

 フィリピンは南シナ海の領有権を巡って中国と対立しているが、中国が埋め立てを強行したことで関係がさらに悪化し、署名見送りにつながったとの見方が出ている。関係者によると、フィリピン当局は「最終的にAIIBに加入するかどうかは、今後も検討を続ける」と含みを持たせている。中国との対立がこれ以上深まれば、経済にも影響する可能性があるためだ。

 このほか、デンマーク、クウェート、マレーシア、ポーランド、南アフリカ、タイが署名をしなかった。中国財務省は「手続きが終わっていない一部の国は、年末までに署名できる」と説明した。

 調印式には参加57か国の代表が集まり、中国の楼継偉ロウジーウェイ財務相は「AIIBの創設に向けた重要な一歩だ。協力に感謝する」と述べた。各国での承認手続きを経て、AIIBは年内にも運営を始める見通し。

754とはずがたり:2015/07/08(水) 22:02:59
具体的な構造改革案出す…ギリシャ首相
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150708-OYT1T50186.html?from=y10
2015年07月08日 21時07分

 【ブリュッセル=三好益史、五十棲忠史】欧州連合(EU)のユーロ圏は7日、ブリュッセルで首脳会議を開き、ギリシャへの追加金融支援を行うかどうかを判断する最終期限を、今月12日とすることを決めた。

 ギリシャは8日、財政難に陥った国や銀行などを支援するユーロ圏の支援基金「欧州安定メカニズム(ESM)」に対し、3年間の資金支援を要請した。

 EUは、12日に英国などユーロ圏以外の国も含む28か国による首脳会議を開き、最後の協議を行う。ギリシャのチプラス首相は8日、欧州議会で演説し、「EUとの衝突を望んでいない。具体的な(構造改革)案を出す」と述べた。

 EU側は支援に応じる条件として、増税や年金支出の抑制を含む構造改革の実施を求めているが、ギリシャ側は反発しており、協議が長引いている。7日のユーロ圏首脳会議はギリシャ側に、EU側が納得できる案を9日に出すよう要求。トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、「今週末が(合意の)最終期限だ」と強調した。

 ギリシャは、7〜8月にかけて、欧州中央銀行(ECB)が持つ約67億ユーロの国債を償還する必要がある。その後も、国債の償還や利払いが相次いで控えているため、多額の資金が必要だ。ESMから低利融資を受け、これらに対応する考えだ。

755とはずがたり:2015/07/09(木) 11:29:35
ギリシャは改革、EUは譲歩を…IMF専務理事
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150709-OYT1T50058.html?from=ycont_top_txt
2015年07月09日 11時21分

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は8日、ワシントン市内で講演し、ギリシャ政府に対して財政・経済危機の克服に向けた改革の断行を求めた。

 同時に、追加の金融支援を検討している欧州連合(EU)にも譲歩を促した。

 ラガルド氏は財政危機で金融支援を受けたポルトガルやアイルランドなどが改革に取り組んだことを踏まえ、ギリシャについても「財政健全化と重要な改革が必要だ」と強調した。EUに対しては「ギリシャのケースでは、財政持続のために債務の再編が必要だ」と述べ、借金の減免や返済期限の延期を促した。

 ギリシャは、IMFからの借金の返済を延滞している。ラガルド氏は「IMFはルールを曲げるわけにはいかない」と述べ、返済されるまでは新たな金融支援を行わない考えを改めて示した。

756とはずがたり:2015/07/10(金) 23:12:49
ギリシャ改革案、議会採決へ…EU側は協議開始
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150710-OYT1T50145.html?from=ycont_navr_os
2015年07月10日 22時32分

 【アテネ=青木佐知子、ブリュッセル=三好益史】ギリシャ政府は10日夜、欧州連合(EU)から新たな金融支援を受ける条件となる構造改革案を議会に提出する。

 改革案が増税や年金改革などEU側に大幅譲歩する内容であるため、議会の採決で承認を得ることで実現可能性を担保する。EUは12日の首脳会議で支援再開を最終判断する。

 ギリシャのチプラス首相は10日午前、自ら率いる与党・急進左派連合の議員総会で改革案への支持を訴えた。だが、5日の国民投票ではEUの緊縮策への反対が多数を占めた。2人の閣僚から反発する声が出ており、波乱が予想される。

 改革案の提出を受け、EUのユンカー欧州委員長は10日午後から、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁、ユーロ圏財務相会合のデイセルブルーム議長(オランダ財務相)と電話会談を始めた。受け入れ可能な改革案かどうか協議する。

付加価値税増税、年金も削減…ギリシャの改革案
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150710-OYT1T50005.html?from=yartcl_popin
2015年07月10日 11時52分

 【アテネ=青木佐知子、ブリュッセル=三好益史】ギリシャ政府は9日夜、欧州連合(EU)から新たな金融支援を受ける条件となる構造改革案をEU側に提出した。


 国営アテネ通信によると、改革案には同国が拒んできた増税や年金改革も含まれ、EU側に歩み寄りを見せた内容とみられる。EUは12日の首脳会議で支援再開について最終判断する。

 提出された改革案は、EUの執行機関、欧州委員会と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)が内容について査定を始め、11日のユーロ圏財務相会合に報告する。同会合は、12日のEU首脳会議に向けて事前協議を行う。

 国営アテネ通信によると、改革案では、付加価値税(日本の消費税に相当)の軽減税率対象である飲食店について税率を13%から23%に引き上げるなど、増税を行う。物価が高い離島で導入されている軽減税率も、平均所得が高い離島などで来年末までに撤廃する。年金は、低所得者向けの手当を2019年末までに段階的に廃止するなど、支出総額を削減する。ギリシャ紙カシメリニは、2年間で約120億ユーロ(約1兆6000億円)の財政再建効果があるとしている。

757とはずがたり:2015/07/10(金) 23:17:10
ギリシャの「借用証書」、早わかりQ&A
http://jp.wsj.com/articles/SB11807971170009143901604581097591663564906?mod=JWSJ_EditorsPicks
By STELIOS BOURAS
2015 年 7 月 9 日 18:51 JST

 ギリシャは急速に資金が枯渇しつつあるが、欧州連合(EU)など債権団による救済はまだメドが立たない状況だ。年金や給与の支払い手段として検討されているのが「借用証書(IOU)」という選択肢。IOUはギリシャ政府が直ちに発行できるが、将来的には危険が多いとされる。IOUについてQ&A形式でまとめた。

Q:どれほど簡単に始められるのか。

A:ロジスティクスの観点からすれば、ギリシャ政府は計画を日ごと展開することが可能だ。将来のある時点で金利を上乗せして支払うと約束し、減少していくユーロの代わりに使用することになる。

 英エジンバラ大学のエミリオス・アブゴウリアス教授(銀行法・金融学)は「始めるのは世界で最も簡単なことだ」と言う。

Q:実際にはどう機能するのか。

A:例えば、公務員や年金受給者は納税のような国への支払い時にIOUを使用できる。まず、これまで500ユーロ(約6万7400円)受け取っていた年金受給者が、将来のある時点で同額の支払いが約束されたIOUを受け取る。このIOUを納税などに使用できる。財務省はIOUを額面通りの金額で受け取ることが義務付けられる。

Q:どこが問題になるのか。

A:IOUは恐らく譲渡可能になることから、民間企業との取引に使用される場合に問題が生じ始める。

 アブゴウリアス教授は「スーパーマーケットやガソリンスタンドは大幅に割安な価格でないとIOUを受け取らないだろう」とみる。この場合、額面との差は、IOUという新たな国内通貨の切り下げを意味するという。

 政府はIOUを発行する前に、誰がIOUを受け入れるかを決めるために民間部門と協議する必要があるだろう。

Q:過去に事例はないのか。

A:ユーロ圏加盟国にとっては新たな概念かもしれないが、よそでは試されたことがある。

 米カリフォルニア州は2009年、景気後退で歳入が大幅に減少する中、現金不足の解決策として数十万の債権者にIOUを発行した。

 ギリシャ自体にも前例がある。1950年代初め、世界でも最悪級のハイパーインフレ(消費者物価の上昇が制御できなくなる状態)を経験していたときに、公務員への支払いのために同様のIOUを発行した。

Q:この計画の現実味は。

A:議論されていることは確かだ。特にギリシャのバルファキス前財務相が前向きで、先週末には政府が検討中していると国内紙に話した。当局者によると、この発言が同氏の辞任を後押しした。

 ギリシャの日刊紙カシメリニは8日、月末には給与や年金支払いのための資金が尽きることから、財務省がIOUを発行する計画を準備し始めていると伝えた。同省は「全く根拠がない」と報道を否定した。

Q:他の選択肢はあるか。

A:救済資金が枯渇すれば、自国通貨ドラクマに戻るという選択肢もある。しかし、これも単純ではない。一から始めなければならないことを考えると、複雑で時間がかかる選択肢だ。

 バルファキス氏は辞任直前、ギリシャがユーロ圏加盟1年前の2000年に紙幣印刷機を全て処分したと述べた。オーストラリアのテレビ局に対し、「われわれは紙幣印刷機を壊した。印刷機は1台もない」と語った。もっとも、ギリシャは10ユーロ紙幣を印刷する準備は整っている。

 銀行関係者らは、ギリシャが新紙幣を印刷し始めるには約4カ月かかる可能性があるとみている。

原文(英語): http://blogs.wsj.com/briefly/2015/07/08/how-would-greek-ious-work-the-short-answer/

758とはずがたり:2015/07/15(水) 12:45:04
【ギリシャ危機】禍根残したギリシャとドイツ 相互不信、ユーロ圏の結束に影
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-wor1507130033.html
07月13日 22:29産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)のユーロ圏首脳は約17時間に及ぶ異例の長時間協議の末、ギリシャの金融支援問題で合意にこぎ着けた。難航した協議で特に目立ったのが、ギリシャは財政再建策を実行するのか?というドイツ側の強い不信感だ。ギリシャに「ユーロ圏からの一時離脱」を迫ることも辞さない姿勢を示したほどで、今後のユーロ圏の結束に禍根を残す恐れがある。

 「メリットがデメリットを上回った」。ドイツのメルケル首相は13日、ユーロ圏首脳会議後の記者会見で、ギリシャとの支援交渉開始の合意についてこう分析した。記者団にギリシャが改革を履行すると思うかと問われると、「今回の交渉から判断すると、長くて困難なものになるだろう」と述べた。

 12日午後に始まった首脳会議は、日をまたいで約17時間に及んだ。事態打開のため、トゥスクEU大統領やオランド仏大統領は2回にわたってメルケル氏とギリシャのチプラス首相と4者会談を行った。

 難航の予兆は11、12日のユーロ圏財務相会合で表れていた。ギリシャの財政再建策を不十分とみるドイツのショイブレ財務相は、改善策受け入れを渋った場合、ギリシャは「ユーロ圏から5年間、離脱する」という異例の提案をしたからだ。最終的には首脳会議の声明には含まれなかったものの、各国メディアは相次いで速報し、衝撃の大きさを示した。

■    ■

 支援問題はこれまで、ギリシャとドイツの対立という側面が強かった。緊縮策をEUの押しつけと受けとめるギリシャは、その背後に財政規律を重視するドイツの存在があるとみて、攻撃の矛先を向けた。チプラス政権は第二次世界大戦中のナチス占領による賠償問題まで持ち出し抵抗した。

 一方、最大の支援負担国でありながら批判されたドイツ側では、ギリシャが一方的に国民投票を実行したことで、不信感が頂点に達した。国内世論だけでなく、メルケル氏の与党の多くの議員も新たなギリシャ支援を支持したくない?との意向を示していた。

 メルケル氏は首脳会議前、「是が非でも合意しようと思わない」と強調。こうした厳しい姿勢はフィンランドなど欧州北部の国々からも示された。

 一方で、フランスやイタリアなどは「ギリシャのユーロ残留のためにあらゆる手を尽くす」(オランド仏大統領)とし、ユーロ圏内の立場の相違が露呈した。

■    ■

 ドイツ側が「一時離脱」の選択肢を持ち出したのは、ギリシャに確実な財政再建を迫る圧力だった可能性もある。ただ、欧州統合の歴史上初めて、ユーロ離脱が現実味を持って語られた意味は大きい。

 支援を受ける道筋がついたとはいえ、ギリシャの財政再建はいばらの道が続く。ユーロ圏内部の経済格差も課題となる中、離脱の議論は、欧州の「連帯」に暗い影を落とす可能性がある。

759とはずがたり:2015/07/15(水) 12:45:58
【ギリシャ危機】EU首脳の調整難航 未明もなお協議続行 独は国家資産の委譲を強硬に要求
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor1507130013.html
07月13日 10:29産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)は12日、財政危機に陥るギリシャの金融支援問題をめぐり、ブリュッセルでユーロ圏首脳会議を開いた。首脳らは支援の前提としてギリシャが提出した財政再建策を基に支援交渉開始の可否を検討しているが、議論は難航。EUが判断の最終期限に設定した12日を超え、13日未明(日本時間同日午前)も、ぎりぎりの調整を続けている。

 EUは首脳会議に先立つ11、12日の連日でユーロ圏財務相会合を開催。だが、ドイツやフィンランドなどが厳しい態度を示し、支援交渉の開始について結論を得られず、判断をユーロ圏19カ国の首脳に委ねた。

 首脳らは財務相会合がまとめた支援の合意案について協議。合意案によると、支援の規模は3年間で最大860億ユーロ(約11兆7千億円)で、ギリシャ側の再建策に基づいてEU側が試算した必要額740億ユーロから増大。同国経済の一段の悪化を反映したとみられる。

 ユーロ圏側は支援交渉を始める条件として、再建策に盛り込まれた付加価値税(VAT)の増税や年金改革を15日までに法制化することなどを要求。EU側にはギリシャへの「不信」が根強く、改革履行の保証を求めている格好だ。

 また、ドイツはギリシャが債務返済のため500億ユーロ相当の国家資産を外部の独立基金に委譲することも要求し、議論の争点となっているもよう。ドイツは支援で合意できない場合、ギリシャが5年間、ユーロ圏から離脱することも提案したが、ユーロ圏諸国の間で意見は対立している。

 12日には、全てのEU加盟国による首脳会議が予定されたが、EUのトゥスク大統領は12日、財務相会合が長引いたことから、ユーロ圏首脳会議が協議する時間を確保するため、EU首脳会議をとりやめた。

760とはずがたり:2015/07/15(水) 12:48:59
ギリシャがユーロから離脱しかけた瞬間 マラソン会議の舞台裏、「この部屋から出すわけにはいかない」
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20150714193418184.html
07月14日 19:35フィナンシャル・タイムズ

(2015年7月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ギリシャがユーロ圏離脱の瞬間に最も近づいたのは昨日(7月13日)の午前6時前後、ブリュッセルでちょうど夜が明けた頃のことだった。

 ギリシャのアレクシス・チプラス首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相は過酷な話し合いを14時間続けた末に、行き詰まったと考えた。

 もう妥協の余地はなく、交渉を続ける理由も見当たらなかった。グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)だけが唯一の現実的な選択肢だった。

 2人が部屋のドアに向かって歩き始めた時、動いたのはドナルド・トゥスク欧州理事会議長だった。ユーロ圏の歴史に残る分裂の引き金が、疲労と苛立ちによって引かれるのを阻止しようとしたのだ。

 「悪いが、この部屋から出すわけにはいかないんだ」。ポーランドの前首相はこう言った。

最後までもめたギリシャ民営化基金

 もめていたのは、差し押さえたギリシャの国有資産を裏付けに設立する民営化ファンドの規模と目的だった。

 メルケル氏は、500億ユーロの資産を売却して債務の返済原資にしたいと考えていた。一方のチプラス氏は、ギリシャの国民所得の3分の1近い価値のある資産の支配権を差し出せというのは国家に対する侮辱だと見なした。

 そこで、同氏はファンドの規模をもっと小さくする、そして売却代金はギリシャに再投資されるようにするという代案を出した。

 いろいろな仕組みを1ダース近く、1時間以上かけて検討した結果、ようやく妥協点を見いだすことができた。

 そしてこれが、欧州連合(EU)に最大の試練をもたらしてきた出口のなかなか見えない危機において、最大級の疲労と不安を伴った週末の交渉を終結に導くこととなった。

土曜の財務相会合も大荒れ

 この前々日に当たる土曜日にはユーロ圏財務相会合が行われていた。9時間近くを議論しながら成果が得られなかったことから、財務相の半数以上は厳しい結論に達していた。残された選択肢の中ではギリシャのユーロ圏離脱こそが最も害が少ないかもしれない、という結論だ。

 フランスのミシェル・サパン財政相は、ガス抜きをするために、とにかく「洗いざらい、お互い本当のことをぶちまけよう」と提案した。部屋にいた多くの出席者がこの案に飛びついた。

 2人の出席者によれば、フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ財務相は、ギリシャはもう半世紀も改革できずにいるではないかと激しい批判を展開した。

 反論がなされ、それに対する反論もなされるうちに、ギリシャのユークリッド・ツァカロトス財務相は威圧され、おとなしくなってしまった。

761とはずがたり:2015/07/15(水) 12:49:15
>>760-761
 議論が最高潮に達したのは、一時的なグリグジットという案を提唱したドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相が、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ議長に怒った時だった。

「私は馬鹿じゃない」と声を荒げたショイブレ財務相

 ショイブレ氏はある時点で、自分の能力が過小評価されていると感じ、ECB議長に向かって「(私は)馬鹿じゃないぞ」と声を荒げたのだ。

 これを聞いたユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のイェルン・デイセルブルム議長は限界を超えたと判断し、会議を翌朝まで休会とした。

 「あれは本当に激しかった。暴力的ですらあった」。ある出席者はそう語った。
 土曜日には完全な合意に至らなかったため、ユーログループは日曜日、ユーロ圏の首脳会議にバトンを手渡した。首脳たちの徹夜の会議の始まりだ。

 複数の参加者の話によれば、時間が経ち、日曜から月曜へと日付が変わるにつれてグリグジットの可能性が高まっていくように思え、概ね不毛な交渉が6カ月続く間に生まれた、睡眠不足の政治家や外交官たちの間の亀裂がますます大きくなったという。

 同席していたある高級官僚は、不誠実に行動しているのは、もはやギリシャの首相ではなくドイツの方に見えると思っていたそうだ。
 また、チプラス氏がスロベニアのミロ・ツェラル首相のお説教に耐えなければならない場面があり、イタリアのマッテオ・レンツィ首相がこのお説教に反対したという。

オランド大統領は仲介に尽力

 ギリシャをユーロ圏にとどめておくために戦ってきたフランスのフランソワ・オランド大統領は民営化基金に関する妥協をまとめるためにメルケル氏とチプラス氏をトゥスク氏のオフィスに招き入れた。

 最後には成功したものの、この交渉は、長年欧州プロジェクトの核となってきた仏独関係を緊張させたように見えた。

 「ドイツには、グレグジットを求めるかなり強い圧力があった。私はその解決策を拒んだ」。オランド氏は合意に達した後にこう語った。

 特に民営化基金については、オランド氏はチプラス氏に後ろ盾を与え、これは「主権」の問題だと語った。「ギリシャに屈辱を与える以上にひどいことはなかった。ギリシャが求めていたのは施しではなく、ユーロ圏からの連帯だ」

 オランド氏はまた、ギリシャによる一時的なユーロ圏離脱――ショイブレ氏がユーログループの提案に盛り込ませた物議を醸す構想――の可能性を最終文書から削除するよう主張した。

「磔(はりつけ)」にされたチプラス首相

 結局、目をしょぼしょぼさせた外交官数人が、マラソン会議で誰が勝ったのか確信できないまま外に出てきた。だが、一番苦しんだのが誰かということについては、意見が一致していたようだ。

 「彼らは中でチプラスを磔(はりつけ)にした」。サミットに参加したあるユーロ圏政府高官はこう言った。「磔だ」

762とはずがたり:2015/07/15(水) 14:27:53

改革案、15日にも採決=可決公算も与党に造反か―ギリシャ議会
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150714X966.html
07月14日 20:14時事通信

 【アテネ時事】ギリシャ議会(定数300)は15日、欧州連合(EU)の金融支援を獲得するため、増税や年金制度の見直しなど、財政改革案の関連法案を採決する。最大野党・新民主主義党(ND)が賛成する方針で、法案は可決される可能性が高い。しかし、「反緊縮」を掲げる与党・急進左派連合(SYRIZA)内では不満が噴出。造反が相次ぎ、チプラス首相の求心力が低下する事態も予想される。

 改革案の法制化は、12日から13日にかけて行われたユーロ圏首脳会議で、チプラス首相が受け入れた。政府は採決に先立ち、税制関連部分を14日に議会に提出。離島に対する付加価値税(VAT)優遇措置の是正が含まれ、国内経済を支える観光産業への打撃が懸念されている。

 ギリシャ紙カティメリニ(電子版)によれば、首相の譲歩を受けてSYRIZAのニコス・フンティス議員が辞職。失望は与党内に広がり、連立パートナー「独立ギリシャ人党」党首のカメノス国防相は14日、記者団に「首相は脅迫され、緊縮策をのまされた」と不満をぶちまけた。

 議会で149議席を擁するSYRIZAは、独立ギリシャ人党(13議席)との連立で多数を維持している。わずか十数人の造反で過半数に届かなくなるが、76議席のNDの支持を得れば、不足はカバーできる計算だ。

763とはずがたり:2015/07/15(水) 14:31:26

ギリシャ首相、内閣改造検討か=改革法案へ賛成促す
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150715X017.html
08:16時事通信

 【アテネ時事】欧州連合(EU)からの金融支援再開に向けてギリシャ議会が15日に予定する財政改革関連法案の採決をめぐり、地元メディアは14日、チプラス首相が採決前後の内閣改造を検討していると報じた。与党内の反発に直面する首相としては、造反閣僚の更迭をちらつかせ、法案への賛成を促す狙いがあるとみられる。

 首相は同日、地元テレビの取材に対し、EUから要求された財政改革案について「国の破滅を避けるために受け入れた。すべての責任は自分が取る」と実現に向けた不退転の決意を表明した。

 ギリシャ政府は14日、増税や年金制度の見直しを柱とする財政改革の実行に必要な関連法案を議会に提出した。EUが課す財政緊縮策に反対してきた与党の急進左派連合(SYRIZA)では、緊縮策受け入れに不満が噴出。一部閣僚が首相を公然と批判しているほか、造反議員が30人に達するとの観測も出ている。

 一方、ロイター通信によると、ギリシャの調査機関カパが14日発表した世論調査では、70.1%が関連法案の成立を望んでいるとの結果が出た。ただ改革案を「評価する」と答えた人は51.5%にとどまり、国民が財政緊縮策に難色を示しながらも、ユーロ圏離脱を避けるため渋々容認している様子がうかがえる。

764とはずがたり:2015/07/15(水) 14:35:45
アテネで緊縮策反対デモ 公務員労組は15日にストへ
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASH7G23DNH7GULFA001.html
07月14日 13:55朝日新聞

 ギリシャと欧州連合(EU)が金融支援再開に向けて合意した13日、アテネ中心部のシンタグマ広場周辺で、支援の条件となる財政改革案に反対するデモがあった。公務員労働組合は同日、EU側が財政改革の関連法案の成立期限とした15日に12時間のストライキをすると発表。ギリシャ国内の混乱は続きそうだ。

 デモは与党の急進左翼進歩連合系の政治団体などが主催。1千人以上が参加し、緊縮策を含む新しい財政改革案について「民衆を救うものではない」「年金生活者、仕事のない若者が犠牲になる」と訴えた。

 デモに参加した小学校教員のアンドゥリアニさん(32)は「新たな緊縮策は我々の尊厳と暮らしを損なう。なぜ、EUにここまで介入されないといけないのか」と不満を口にした。最近は親が困窮し、学校に弁当を持ってこられない子どもも少なくないという。

 デミトゥリス・パパジャリリアスさん(29)は2月に失業した。「(緊縮策反対を掲げていた)チプラス首相に期待していたが、裏切られた」と話した。(アテネ=津阪直樹)

768とはずがたり:2015/07/25(土) 10:31:43
【コラム】経済ニュースの"ここがツボ" 第36回 ギリシャ・チプラス首相はなぜ"豹変"したのか!?--EU支援決定の舞台裏
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_1243536.html
07月21日 16:35マイナビニュース

○ギリシャ危機、ギリギリのところで破たんは回避

世界中をハラハラさせたギリシャ危機は、EU(欧州連合)による金融支援が正式に決まり、ギリギリのところで破たんは回避されました。

ギリシャ政府はEUが示した付加価値税の増税や年金改革、国有財産の売却などの財政改革案を受け入れ、これを受けてEUは今後3年間で820億?860億ユーロの金融支援を行うことを決めました。また当面の資金繰り対策として70億ユーロのつなぎ融資も行い、その資金を使ってギリシャ政府は元利合計で42億ユーロのECB(欧州中央銀行)への国債償還を20日に実行しました。延滞していたIMF(国際通貨基金)への返済も同時に行い、これで当面の借金返済はすべて済ませました。また20日にはギリシャ国内の銀行が再開して預金引き出し制限が緩和されるなど、正常化に向かい始めています。

世界の株式市場にも安心感が広がり、中国の株価下落が止まったことと合わせて各国の株価は上昇しています。何よりですが、ただそれにしても、あれだけ対立していたギリシャ政府とEUがなぜ一転して短期間で合意に達したのか、その経過は分かりにくいものでした。7月5日の国民投票以後の動きを振り返ってみましょう。

○EUが決めた金融支援の規模は、ギリシャが要請した金額より多い820億ユーロ

国民投票で「緊縮NO」が圧倒的大差で上回ったことから、チプラス首相はEUとの交渉で強気で臨むと思われていました。ところが9日夜、EUが要求していた財政緊縮案をほぼ受け入れる内容の財政改革案を提出したのです。それにより新たな金融支援500億ユーロ余りを要請するというものでした。

これに対しEUは13日、関連法案のギリシャ議会での可決を条件に金融支援することで合意しました。

チプラス政権は即座に動きます。緊縮反対を投じた国民や一部与党議員の反発が起きましたが、チプラス首相はそうした動きを抑え込み、財政改革実行のための関連法案を直ちに議会に提出しました。一部与党議員の造反が出ましたが、もともと緊縮派の野党の協力も取り付け、16日未明に法案を可決成立させました。

EUから期限とされていた「15日中」からは少しだけズレ込みましたが、この間わずか実質2日間。何事にも時間がかかるギリシャにしては異例の猛スピードでした。

支援する側のドイツなどEUの一部の国でも議会の承認を得て、正式に支援が決定したわけです。そして面白いことに、EUが決めた金融支援の規模はギリシャが要請した金額より多い820億ユーロとなったのです。

○「緊縮NO」で大勝利したチプラス首相、なぜ心変わりした!?

ここで不思議なのが、チプラス首相が国民投票で「緊縮NO」で大勝利したにもかかわらず、その直後に一転して緊縮受け入れに転換したことです。急に心変わりしたのでしょうか。本音は分かりませんが、その理由として3つの可能性が考えられます。

第1は、EU離脱に追い込まれることが現実味を帯びてきたため、それを避けるため緊縮を受け入れざるを得なくなったと判断した可能性です。チプラス首相は国民投票前に「国民投票はEU離脱を問うものではない」と繰り返し演説していましたが、EU側は国民投票の結果とチプラス政権への不信感から「EU離脱やむなし」との空気が増えたのは確かです。国民投票後の交渉の最終局面でドイツの財務相が「EUが求める条件に応じない場合、ギリシャは5年間ユーロを離脱すべきだ」との文書を配布したほどです。

2つ目の可能性は、ギリシャ国内の銀行が休業に追い込まれ、経済と国民生活の混乱が大きくなったため、チプラス首相は早期に譲歩せざるを得なくなったことです。あのままの状態が続けばギリシャは破たんし、その苦しみは財政緊縮どころではなくなる恐れを実感したのかもしれません。

そして3つ目は、チプラス首相はすでに国民投票前から緊縮受け入れやむなしと内心では決断していた可能性です。少しさかのぼると、6月21日にギリシャ政府は新たな財政改革案を提出し、それを受けてドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領がEU改革案を示し、ギリシャ政府とEUは合意に向けて協議中でした。つまり何らかの形での緊縮受け入れに傾いていたと解釈できるのです。

769とはずがたり:2015/07/25(土) 10:33:03
>>768-769
○国民投票で求心力高まり緊縮受け入れ成功、チプラス首相は相当な政治家!?

ところがその最中の6月27日に突然チプラス首相が国民投票実施を表明したため、すべてがいったん白紙になったのでした。その国民投票ではチプラス首相が呼び掛けた緊縮NOが大差で勝利し、ギリシャ国内ではチプラス首相への求心力が大きく高まったことは確かです。そうなったからこそ、多少の反対を押し切っても緊縮受け入れを決定できたのです。もしそこまで読んでいたとすれば、チプラス首相は相当な政治家だということになります。

いずれにしても最悪の事態は回避されました。しかしこれで問題解決というわけではありません。今回実施されるEUの金融支援はあくまで今後3年間でギリシャが必要とする借金返済や資金繰りのためのものです。したがって3年後にまた今回と同じようなことが繰り返される恐れがあります。ギリシャ政府は債務の減免、つまりこれまでに借りたおカネの元本や金利の一部棒引きなども要請していますが、今回は認められませんでした。ギリシャ政府としては今後もそれを要請してEU側と交渉を継続していくことになるでしょう。

○ギリシャ経済全体をどのようにして立て直すか?

そしてそれ以上に大きな課題は、ギリシャの経済全体をどのようにして立て直すかということです。ギリシャの実質GDPは2008年から2013年まで6年も連続でマイナス成長が続き、GDPに規模は4分の3に縮小してしまっています。2014年はわずかながらプラスとなりましたが、今年1?3月期もマイナス成長に逆戻りしており、この間の経済混乱や今後の財政緊縮実施の影響で今年は年間でもマイナス成長になる可能性が大きくなっています。失業率も25%を超える水準が3年近くも続いており、物価も2年以上にわたって下落が続き完全なデフレに陥っています。

このような経済状態のままでは、財政改革を実施してもむしろ税収がさらに減って財政再建が遠のく恐れもあります。逆に言えば、経済を立て直すことなしには財政再建も実現しないのです。そのためには経済を活性化して経済を成長軌道に乗せるよう、あらゆる政策を総動員する必要があります。いわば「成長戦略」です。

これまでは緊縮反対か受け入れかという議論に終始し、成長戦略という点はほとんど議論されていませんでした。チプラス政権だけでなく歴代の政権もさしたる努力をしてこなかったと言っていいでしょう。

その一例が旧アテネ空港の跡地開発です。これは本コラムで以前に書きましたが(第13回( http://news.mynavi.jp/column/economytsubo/013/ ))、アテネ五輪の開催に備えて新空港が開業したのと入れ替わりに2001年に旧空港は閉鎖され、民間に売却して跡地開発を進める計画でした。しかしその後10年以上も経った現在でも、跡地開発計画は手つかずの状態です。3年前にギリシャを訪れた際、広大な滑走路などの敷地や空港ビルが廃墟と化している光景を目にしました。アテネ中心部から車で20分ほどの便利な場所にあってエーゲ海を一望できる風光明媚な土地にもかかわらず、それを活用することなく無駄に放置しているのです。

何事もこの調子で、そのような非効率な経済運営と緩慢な政策遂行が長年にわたる経済低迷の一因となってきたのでした。ギリシャが今後こうした体質と経済構造を改革していけるかどうかが、経済再建のカギを握っていると言えるでしょう。

ちなみにアテネ旧空港をはじめ港湾や各種の国有財産は、EUの債権団の管理下に移して売却し、民間の手で活用を進めることが今回の合意に含まれています。その意味ではEUもギリシャに対して緊縮を求めるのと並行して、成長戦略の面でも支援することが重要となります。

○ユーロ圏の国々の間で拡大する経済格差をどのようにして是正できるのか?

今回のギリシャ危機はEUにとっても大きな課題を背負わせることになりました。ユーロという同じ通貨の国々の間で拡大する一方の経済格差をどのようにして是正することができるのか、また今回の危機を通じてあらわになったドイツなど“北”とギリシャなど“南”の「南北対立」、その溝を埋めることができるのか――これはEUとユーロのあり方にかかわる根本的なテーマです。統合の基本戦略が問われています。

○執筆者プロフィール : 岡田 晃(おかだ あきら)

1971年慶應義塾大学経済学部卒業、日本経済新聞入社。記者、編集委員を経て、1991年にテレビ東京に異動。経済部長、テレビ東京アメリカ社長、理事・解説委員長などを歴任。「ワールドビジネスサテライト(WBS)」など数多くの経済番組のコメンテーターやプロデューサーをつとめた。2006年テレビ東京を退職、大阪経済大学客員教授に就任。現在は同大学で教鞭をとりながら経済評論家として活動中。MXテレビ「東京マーケットワイド」に出演。

770とはずがたり:2015/08/01(土) 19:26:34

<ビットコイン>社長、自身の不正否定「ハッキングで消失」
毎日新聞社 2015年8月1日 11時45分 (2015年8月1日 15時42分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150801/Mainichi_20150801k0000e040208000c.html

マルク・カルプレス容疑者=東京都豊島区で2015年7月、深津誠撮影
[拡大写真]

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」を巡る事件の本格解明が始まった。私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕されたマルク・カルプレス容疑者(30)は、「運営する取引所のシステムから、巨額のビットコインがなくなった」と「被害者」として警視庁に相談してきた。しかし一転して「容疑者」の立場に回ることになった。カルプレス容疑者は先月、毎日新聞のインタビューに応じ、ビットコインの消失について「(何者かによる)ハッキングではないか」と自身の不正を否定していた。【福島祥、宮崎隆、斎川瞳】

 カルプレス容疑者が社長を務める取引所の運営会社「マウント・ゴックス」は、破綻した昨年2月、「外部から不正アクセスがあり、利用者から預かる85万ビットコインが消失した」と説明。顧客から預かった資金も最大28億円がなくなったとしていた。その後、20万ビットコインは見つかったと発表している。

 昨年3月、同社から接続記録(ログ)の提供を受けた警視庁が解析を進めたところ、不正な操作によって引き出されたのは2万7000ビットコインにとどまった。一方、同社の経理について捜査を進めたところ、カルプレス容疑者が口座残高を改ざんしていた疑いが浮上した。警視庁は、不正操作の実態解明を進めるとともに、世界最大級のビットコイン取引所が破綻した経緯についても調べている。

771とはずがたり:2015/08/01(土) 20:58:43

水増しドルでビットコイン=巨額取引システム私物化か―逮捕のマウント社社長
時事通信社 2015年8月1日 19時50分 (2015年8月1日 20時53分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150801/Jiji_20150801X686.html

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所を運営していた「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)から大量のBTCが消失した事件で、マウント社社長マルク・カルプレス容疑者(30)=私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕=が、現金口座の残高を水増ししたとされる100万ドル(約1億2400万円)の大半を使って、BTCを購入していたことが1日、警視庁への取材で分かった。BTCを売買し、現金化しようとしたとみられる。
 現金データなどを操作できる同社トップの立場を利用して、社内の巨額のBTCの取引を私物化していた可能性もあり、警視庁は実態解明を進める。
 カルプレス容疑者は米国のサーバーに開設された同社のBTC取引システム内にアクセスし、自分名義の口座のデータを改ざん。残高を100万ドル水増ししたとして、逮捕された。

772とはずがたり:2015/08/01(土) 22:39:54
売買を繰り返した後に現金化か 逮捕のビットコイン代表
共同通信 2015年8月1日 19時51分 (2015年8月1日 19時54分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150801/Kyodo_BR_MN2015080101001735.html

 仮想通貨ビットコインの取引所マウントゴックスのデータを改ざんしたとして逮捕された運営会社「MTGOX」代表マルク・カルプレス容疑者(30)が、不正操作で水増しした米ドルでビットコイン売買を繰り返した後に現金化していた疑いがあることが1日、捜査関係者への取材で分かった。不正発覚を防ぐ意図があったとみられる。
 同社は顧客からの預かり金が最大約28億円なくなっており、警視庁は内部で流用された疑いもあるとみて、業務上横領容疑でも捜査する。

773とはずがたり:2015/08/02(日) 10:49:09
ビットコインも水増し=口座データ改ざんか―マウント社社長送検・警視庁
時事通信社 2015年8月2日 05時03分 (2015年8月2日 10時44分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150802/Jiji_20150802X703.html

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所を運営していた「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)の社長マルク・カルプレス容疑者(30)=フランス国籍=が現金口座の残高を改ざんしたとして逮捕された事件で、同容疑者がBTC口座の残高も水増しした疑い強いことが2日、警視庁への取材で分かった。
 警視庁は水増しした現金やビットコインを使って取引を繰り返していたとみている。同庁はカルプレス容疑者を2日送検。大量のBTCが消失した経緯についても詳しく調べる。
 同庁によると、マウント社のシステムでは、顧客は自分のBTCの取引結果を見ることができるが、同社全体の取引の状況は分からなかったという。このため、カルプレス容疑者が現金やBTCの残高の水増しを繰り返しても、顧客は把握できないようになっていたとみられる。
 マウント社はこれまで、サイバー攻撃を受けて65万BTCが消失したと発表。しかし、警視庁の解析によると、サイバー攻撃による消失が確認されたのは2万7000BTCだけだった。

774とはずがたり:2015/08/02(日) 23:30:48
第2のギリシャか 米自治領プエルトリコ、財政破綻秒読み 債務総額約9兆円 米投資 直撃の恐れ
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-wor1508020028.html
20:59産経新聞

 【ラハイナ(米ハワイ州)=小雲規生】米自治領プエルトリコが財政破綻まで秒読み段階に入っている。プエルトリコは3日が支払期限の債務のうち約5800万ドル(約72億円)の支払いを行わないと表明しており、金融市場では債務不履行(デフォルト)が確実視されている。プエルトリコの債務総額は約730億ドル(約9兆円)で「第2のギリシャ」ともいわれており、市場への悪影響が懸念されている。

 問題の5800万ドルの正式な返済期限は1日だが、米通信社ブルームバーグによると、1日は土曜日で銀行が休業のため、「返済の遅れは月曜日(3日)まで認められる」という。

 しかし、スアレス知事首席補佐官は7月31日、「充当する資金がない」として支払いを行わないと表明。格付け会社大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は20日の段階で、プエルトリコが発行する債券の格付けを「トリプルCマイナス」から「ダブルC」に2段階引き下げ、8月1日の支払いが不履行となることは「事実上確定的だ」としていた。

 プエルトリコの債務は、2013年に米史上最大の自治体の財政破綻を招いたミシガン州デトロイト市の180億ドルの4倍以上。デフォルトとなれば、高利回りで人気のあるプエルトリコ債の価格が大幅に値下がりし、同債を保有する米国の投資家や、プエルトリコに投資している企業が損失を被る恐れがある。

 また、自治領は連邦破産法の適用が認められていないため、債務の整理や再編のためのプエルトリコと債権者の交渉手続きが混乱する可能性もある。

775とはずがたり:2015/08/04(火) 19:47:19
第2のギリシャか 米自治領プエルトリコ、財政破綻秒読み 債務総額約9兆円 米投資 直撃の恐れ
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor1508020028.html
08月02日 20:59産経新聞

 【ラハイナ(米ハワイ州)=小雲規生】米自治領プエルトリコが財政破綻まで秒読み段階に入っている。プエルトリコは3日が支払期限の債務のうち約5800万ドル(約72億円)の支払いを行わないと表明しており、金融市場では債務不履行(デフォルト)が確実視されている。プエルトリコの債務総額は約730億ドル(約9兆円)で「第2のギリシャ」ともいわれており、市場への悪影響が懸念されている。

 問題の5800万ドルの正式な返済期限は1日だが、米通信社ブルームバーグによると、1日は土曜日で銀行が休業のため、「返済の遅れは月曜日(3日)まで認められる」という。

 しかし、スアレス知事首席補佐官は7月31日、「充当する資金がない」として支払いを行わないと表明。格付け会社大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は20日の段階で、プエルトリコが発行する債券の格付けを「トリプルCマイナス」から「ダブルC」に2段階引き下げ、8月1日の支払いが不履行となることは「事実上確定的だ」としていた。

 プエルトリコの債務は、2013年に米史上最大の自治体の財政破綻を招いたミシガン州デトロイト市の180億ドルの4倍以上。デフォルトとなれば、高利回りで人気のあるプエルトリコ債の価格が大幅に値下がりし、同債を保有する米国の投資家や、プエルトリコに投資している企業が損失を被る恐れがある。

 また、自治領は連邦破産法の適用が認められていないため、債務の整理や再編のためのプエルトリコと債権者の交渉手続きが混乱する可能性もある。

776とはずがたり:2015/08/11(火) 09:35:00

独、ギリシャ危機で「利益」=金利低下で13.7兆円―民間調査
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/179/9a5013c790a879db17907c3577321aba.html
(時事通信) 06:17

 【フランクフルト時事】ギリシャへの金融支援に厳しい態度を見せるドイツが、「実際はギリシャ危機で1000億ユーロ(約13兆7000億円)の『利益』を得ている」。こんな調査結果をドイツの有力民間研究所が発表し、同国はギリシャ支援で配慮すべきだと呼び掛けている。

 発表したのは、「ハレ経済研究所」。調査によると、ギリシャ危機で金融市場に不安が高まるたびに、安全資産としてのドイツ国債の需要が高まり、利回りが低下(価格は上昇)。危機がなかったと仮定した場合と比べると、2010?15年に、ドイツは国債の利払い費を計1000億ユーロ削減できたという。

777とはずがたり:2015/08/11(火) 09:37:13
こんなのあるんか,滅茶苦茶だなぁ>議員向け減税

<ギリシャ>ユーロ圏と週内合意目指す 売却資産なお調整
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150811k0000m020092000c.html
08月10日 21:47毎日新聞

 【ロンドン坂井隆之】欧州連合(EU)のユーロ圏諸国によるギリシャへの金融支援について、ギリシャ政府高官は9日、週内の正式合意を目指す考えを示した。複数の欧米メディアが伝えた。早ければ11日にも実務者レベルで合意し、14日にユーロ圏財務相会合を開いて決定したい考えだ。ただ、最大の支援拠出国であるドイツはまだ慎重だ。

 ギリシャ高官はロイター通信に対し、「10日夜か11日朝までに決着させるための努力が行われている」と説明。EU高官も「(早期合意は)野心的だが実現可能だ」と述べた。

 ユーロ圏19カ国は7月、ギリシャへの金融支援交渉を開始することで合意。ギリシャ政府が年金削減や付加価値税(VAT)増税、500億ユーロ規模の国家資産売却に踏み切ることを条件に、3年間で最大860億ユーロ(約11兆7000億円)の金融支援を実施する内容で、詰めの協議が続いている。

 ギリシャ政府は、欧州中央銀行(ECB)が保有する国債32億ユーロの償還(借金返済)を20日に控えている。それまでに、ユーロ圏財務相会合で合意を得られれば、ドイツ議会やギリシャ議会などの承認を経て、20日までに最初の支援融資を受け取る考え。間に合わない場合は、債務不履行(デフォルト)を避けるため、新たなつなぎ融資が必要になる。

 ただ、売却する国家資産の選定を巡って意見に隔たりがある。また、支援額を圧縮したいユーロ圏側は、緊縮策の積み増しや銀行の不良債権抜本処理などを求め、調整が続いているという。ドイツは「性急(な合意)ではなく徹底的にやるべきだ」(スパーン副財務相)として、20日の返済期限はつなぎ融資で乗り切り、交渉を続けるよう主張している。

議員向け減税、撤廃方針=国民の理解得られず―ギリシャ首相
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-150811X892.html
05:23時事通信

 【パリ時事】ギリシャのチプラス首相は10日、国会議員に対する減税の撤廃や閣僚給与の15%削減を盛り込んだ法案を近く議会に提出する方針を明らかにした。厳しい緊縮財政で国民の負担が増す中、議員や閣僚に対する優遇措置の継続は、有権者の理解が得られないと判断した。

 地元メディアによると、ギリシャでは議員報酬の25%は所得税が非課税となるなどの優遇税制がある。首相は閣僚との会合で「国民に負担を課すのに、自らへの減税を放置することは許されない」と撤廃に向けた決意を表明した。

778とはずがたり:2015/08/13(木) 14:52:21
748 名前:とはずがたり[] 投稿日:2015/08/11(火) 16:06:28
人民元、事実上の切り下げ=算出方法変更で1.9%安―中国
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/159/737ebc2ca134c51f6607cd342b9b17df.html
(時事通信) 13:31

 【上海時事】中国人民銀行(中央銀行)は11日、同日から人民元取引の目安となる基準値の算出方法を変更するとともに、対ドル基準値を前日比1.9%近く引き下げた。低迷する輸出の回復を狙った事実上の人民元の切り下げとみられる。ロイター通信によると、基準値引き下げ幅は過去最大。

 人民銀は公式サイトで「人民元の基準値が市場のレートと乖離(かいり)し、基準値の地位と権威に影響を与えていた」と変更理由を説明。さらに、近く行われるとみられる米国の利上げでドル高が進むと見込まれることも、基準値引き下げの理由としている。

 この日の対ドル基準値は前日比1.86%安の1ドル=6.2298元で、基準値は2013年4月以来、約2年4カ月ぶりの安値となった。想定外の切り下げを受けて、市場では人民元が急落した。

中国、経済崩壊に焦り? 異例の人民元2%引き下げ 輸出低迷で「元安」誘導か 
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-wor1508110023.html
12:55産経新聞

 【上海=河崎真澄】中国人民銀行(中央銀行)は11日、外国為替レートの対ドル基準値を前日に比べ約2%切り下げる異例の措置を取った。成長エンジンだった輸出の低迷が続いている中で「元安」方向に誘導することで、国内の製造業などを支援し、景気を下支えする狙いがあるものとみられる。人民元の国際化には逆行する通貨保護的な政策だが、成長鈍化への対応策として踏み切った形だ。

 人民銀行は外国為替市場で営業日ごとに基準値を示し、1日あたり、その上下2%以内での変動しか認めていない。11日の基準値として人民銀行は100ドル=622・98元と発表。公式ホームページで人民銀行のスポークスマンの発言として、「基準値の算出方法を変更する」と公表した。

 1日あたりの切り下げ幅としては過去最大級だ。基準値は、2013年4月以来の安値となっている。

 人民銀行は05年7月21日に、それまで事実上の固定相場だった人民元に管理フロート(変動相場)制を導入し、同時に約2%切り上げた経緯がある。その後は欧米の元安批判などを受けておおむね元高傾向が続いてきた。しかし7月まで5カ月連続で輸出入総額が前年同月比でマイナスとなるなど、「当局内では行き過ぎた元高批判があった」(市場関係者)という。

749 自分:とはずがたり[] 投稿日:2015/08/12(水) 17:54:25

「通貨戦争」に発展も=ベトナム、取引幅拡大
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/159/533bf81808878cefb098e8ae127f9ef9.html
(時事通信) 15:25

 【ハノイ時事】ベトナム国家銀行(中央銀行)は12日、通貨ドンの対ドル取引幅を拡大すると発表した。これまでは、設定した中心レートからの変動幅を上下1%としてきたが、同日からは2%とした。中国の人民元切り下げ後、通貨政策の調整を決めたのはベトナムが初めて。自国経済に有利になるよう通貨を誘導する「通貨戦争」の先駆けとなる可能性もありそうだ。

 ベトナム国家銀は声明を発表し、今回の決定について、人民元切り下げによる同国経済への「大きな負の影響」を抑制するためと説明した。

779とはずがたり:2015/08/13(木) 14:53:37
人民元切り下げ、監視していく方針…米財務省
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20150812-567-OYT1T50080.html
08月12日 18:46読売新聞

 【ワシントン=安江邦彦】中国人民銀行(中央銀行)が人民元を切り下げたことに対し、米財務省は11日、人民元を監視していく方針を明らかにした。

 同省は「中国当局の動きを判断するには早すぎる」との声明を出し、「人民元の自由化を進める改革をしなければ、困難がつきまとう」とも指摘した。

 一方、国際通貨基金(IMF)は11日、「為替相場が市場原理に基づいて決まる歓迎すべき一歩になる」との声明を発表した。

 中国の人民元が市場の取引によって決まるためには「より大きな為替相場の柔軟性が不可欠だ」と訴え、「中国が2、3年のうちに市場に基づく為替相場へ移行できると信じている」と強調した。

<中国>「元安誘導」否定に躍起
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150813k0000m020110000c.html
08月12日 22:24毎日新聞

 【北京・井出晋平、ワシントン清水憲司】中国人民銀行が、人民元を大幅に引き下げたことで、国際的に「輸出拡大を狙った元安誘導」との批判が強まっている。特に、多額の対中貿易赤字を抱える米国は、今回の切り下げに懸念を表明。中国側は批判の打ち消しに躍起になっている。

 「人民元改革に逆行するなら、厄介なことになる」。米財務省は11日の声明で、今回の切り下げに懸念を示した。米国はこれまで、「人民元は過小評価されている」と批判。中国に対し、政府の管理を減らして市場で相場水準が決まる制度への移行を求めてきた。そのため、人民銀による突然の切り下げは、政府による株価下支え策に続く「改革の逆行」と映っており、米国内では「中国が通貨安で不公正な利益を得てきた歴史を考えると、懸念が高まる」(米民主党のレビン下院議員)といった批判が出ている。

 一方、人民銀は12日朝、前日に続いて声明を発表するなど、元安批判の打ち消しに追われた。人民銀は基準値を2日連続で大幅に引き下げた理由を「基準値の算出方法を前日の市場の終値を重視する方法に変更したため」と改めて説明。「貿易黒字の拡大など、元安が続く要素は存在しない」と反論した。また、「我が国が整備するのは市場を基礎にした制度だ」として、「切り下げは市場重視の改革の結果」との姿勢を示した。

780とはずがたり:2015/08/13(木) 19:26:32
>マレーシアやインドでは当局が自国通貨買いの為替介入で相場を下支えしているとの観測が浮上。「各国がそれぞれ自国に有利になるように通貨政策を実施し始めた」(みずほ証券の金岡直一FXストラテジスト)とみられる。

<中国>人民元、連日切り下げ…市場の動揺拡大
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20150813k0000m020108000c.html
08月12日 22:23毎日新聞

 中国が人民元を2日連続で大幅に切り下げたことで、世界に「中国ショック」が広がった。中国人民銀行(中央銀行)は12日、人民元の対ドル基準値を前日比で約1.6%安い水準に設定したと発表。中国経済の減速懸念の高まりを受け、東京株式市場の日経平均株価は、一時400円を超す下げ幅となり、外国為替市場では円や新興国の通貨が軒並み売られた。中国への輸出比率の高いブラジルなど新興国は大きな打撃を受ける可能性があり、事実上のゼロ金利政策からの「出口」を模索する米国の利上げの時期にも影響しそうだ。

 中国の人民元切り下げは、元安に誘導することで輸出を増やす狙いがある。日本にとっては、人民元に対し円高になるため、中国への輸出が減る可能性が出てくる。このため、12日の日経平均株価の終値は、前日比327円98銭安の2万392円77銭と大幅に下落。中国での売上高が多い鉄鋼や建設機械、訪日中国人客の「爆買い」の恩恵を受ける小売りなどの銘柄の下げが目立った。香港やシンガポール、インドネシア市場の株価も軒並み2%超下落。新興国だけでなく、米国やドイツ、フランスなど欧米の株式市場も大幅に下落した。

 人民元の切り下げで貿易相手国の交易条件が悪化するため、為替市場では、中国と関係の深い新興国の通貨を売ってドルを買う動きが広がった。東京外国為替市場では一時、1ドル=125円28銭まで円が下落し、約2カ月ぶりの円安水準となった。マレーシア通貨のリンギットは一時、1ドル=4リンギット台をつけ、約17年ぶりの安値水準になった。ベトナムは中国の人民元切り下げに対処するため、通貨ドンの対ドル変動幅を拡大、実質的な切り下げに踏み切った。

 一方、マレーシアやインドでは当局が自国通貨買いの為替介入で相場を下支えしているとの観測が浮上。「各国がそれぞれ自国に有利になるように通貨政策を実施し始めた」(みずほ証券の金岡直一FXストラテジスト)とみられる。

 中国経済の減速を背景に原油などの資源価格も軒並み下落しており、ブラジルなどの資源国は既に大きな影響を受けている。そこに人民元の切り下げが加われば、資源国はさらに大きな打撃を受けかねない。

 一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利上げに踏み切るとの観測もある。もしFRBが利上げを実施すれば、金利の高い新興国で運用されていた投資家のお金は米国などに逆流する可能性がある。投資家は中国経済の減速などを受けてリスクを回避する姿勢を強めており、みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは「新興国は『資源安』『人民元切り下げ』『米利上げ』の三重苦に陥っている」と指摘した。【鈴木一也】

781とはずがたり:2015/08/13(木) 19:26:42

御用学者しか出てこない中国の専門家のコメントなんぞ糞以下だが。。
まあこれで今年のIMFのSDRへの人民元の採用はなくなったな。

なぜ人民元を切り下げた?・・・「輸出促進でも経済疲弊でもない」と政府系専門家見解
http://news.goo.ne.jp/article/searchina/world/searchina-1584963.html
08月12日 15:25サーチナ

 中国人民銀行が11日、12日と2日連続で人民元を事実上、切り下げたことに対し、中国メディアの百度百家は12日、中国社会科学院金融研究所の易憲容研究員による手記を掲載し、中国が人民元を切り下げたのは「輸出の促進が目的ではなく、ましてや中国経済が疲弊しているためでもない」と論じた。

 記事は、中国人民銀行が11日に人民元の対ドル基準値(中間値)を引き下げると発表したことで、人民元が過去最大の下げ幅を記録したことを紹介し、「突然の急落は世界を驚かせ、世界の為替は大きく変動し、特に原油価格は一気に5%近くも急落した」と紹介した。

 続けて、人民元はいまだ自由化されておらず、中国の金融市場も完全に開放されてはいないとしながらも、人民元の切り下げが世界に大きな影響を与えたことについて、「中国経済の世界市場における地位が上昇したことが見て取れる」と主張。中国の一挙手一投足が世界に大きな影響を与えるようになったと喜びを示した。

 さらに、人民元の切り下げについては「市場は準備をしておくべきだった」と主張、中国国務院が以前に人民元の為替改革について言及し、「人民元レートの変動幅を拡大することで、市場化改革を加速させることを明確に示していた」と主張した。

 また、中国が人民元を切り下げたのは「多くの人が理解しているような輸出の促進が目的ではなく、ましてや中国経済が疲弊しているためでもない」とし、人民元を下落させることで為替の変動幅に弾力性をもたせ、人民元の価格形成のメカニズムを改善するためであると主張した。

 続けて記事は、人民元が国際通貨基金(IMF)の国際準備資産SDR(特別引出権)の通貨バスケットに採用されるか否かのタイミングで、中国が切り下げを行ったのは「国内外の経済環境の変化を考慮してのこと」と主張。中国株式市場における大規模な実験は「失敗に終わった」と伝え、中国は金融市場の改革の道筋を変えようとしているとし、「改革の新たな突破口こそ為替制度なのだ」と主張した。

 さらに、中国の金融市場の改革における新たな突破口が「良い成果を収められるようであれば改革を深化させるであろうし、危険を伴うようであれば為替を通じた改革も限定的にとどまるであろう」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

782とはずがたり:2015/08/13(木) 19:27:40

中国の元切り下げは、マイナス材料ではない 今中国がマーケットで行っていることは何か
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-80359.html
06:00東洋経済オンライン

「来るべくしてきた調整局面」。8月12日の市場に対する筆者の率直な感想である。

お盆の週に入り、夏休みをとる市場参加者が多いはずだが、その割に株式市場では活発な取引が行われていることから、「目先は堅調な相場が続く」ともみられていた。そこに中国が人民元を切り下げるというニュースが飛び込んできた。これに驚いた市場は売りが優勢となり、切り下げの発表があった11日と12日の日経平均株価の下落幅は415円に達した。

市場は静かに過熱していた
前回の本欄「米国が利上げなら円高、1ドル105円も」(8月6日配信)では、日本株の引け味の悪さを理由に、上昇に向かう前に一度は調整が入るとした。米雇用統計の発表を前に日経平均株価は上昇したが、その背景に空売り比率の高まりがあった。8月4日時点の空売り比率は36.2%と高率だったが、翌5日には33.6%にまで急低下した。

この動きからも、5日の株価上昇が買い戻し主体であったことが確認できる。米雇用統計を前に下落を見込んでいた投資家が、株価が下げ渋ったことから痺れを切らして買い戻したのである。

空売り比率が過去に36%台まで上昇した際には、かなり高い確率で買い戻しが入り、株価は反発していた。これは、株価上昇が空売りの買戻しが主体であり、腰の入った買いが入っていないことを意味する。

空売り比率が30%を超えた状態がすでに40日以上も続いているのは、日本株に対して強気になれない投資家が少なくないことを意味する。一方、この間に「騰落率」は静かに上昇していた。筆者はこの動きから、いずれ大幅な調整は不可避と考えていた。それが8月12日に起こった。中国が人民元の事実上の切り下げを実施したことが大幅安を誘発したといわれているが、それがなくとも過熱感から一定幅での調整は起きていただろう。

一般的に騰落率とは、日々の上昇銘柄と下落銘柄の数の比率の25日平均を指すことが多いが、6日や10日など短期間の騰落レシオは急速に水準を切り上げ、短期的には注意が必要な水準に達していた。特に6日平均は8月4日から11日まで6日連続で120%を超えていた。つまり、短期的には十分すぎるほど市場は過熱していたのである。
上記のような状況の中で、人民元の切り下げの報道は一定の影響はあったものと考えられる。

中国人民元の切り下げは「ポジティブ要因」
海外市場でも、これを材料に株価が下落したとの報道が目立った。人民元の切り下げの市場への直接的なさることながら、市場が懸念したのは、中国経済の実態の深刻さである。

つまり、同国が人民元の切り下げを2日連続で実施せざるを得ないほど、実態が悪化しているのではないかとの懸念である。事実、直近の中国の経済指標は「悪者」が目立つ。

例えば7月の輸出は前年同月比8.3%減となり、外需の弱さが不安定な状況が続く国内景気に影響を及ぼすとの懸念が高まった。また輸入も8.1%減となり、輸出依存型の経済構造の転換がうまく進んでいないことが浮き彫りになった。

783とはずがたり:2015/08/13(木) 19:28:02
>>782-783
さらに7月の鉱工業生産は前年同月比6.0%増、小売売上高も同10.5%増と、それぞれ市場予想を下回った。電力生産も同2%減、粗鋼生産も同4.6%減となるなど、生産活動の低迷が顕著となっている。自動車販売台数も同7.1%減と、株安や国内景気の減速の影響が見受けられる。

実態経済の悪化から、中国政府は人民元の切り下げでもしない限り、景気浮揚は難しいと判断したと考えられる。このような中国の政策は、自国の都合だけを優先しており、海外市場への影響を考慮していないとの批判が出るのが一般的である。

しかし、そもそも、中国に国際市場の秩序とルールを強要しても、今は仕方がない。むしろ、切り下げにより中国経済が浮揚すれば、これが他国にも好影響を与える可能性もある。株安対応の際にも感じたことだが、とにかく中国という国は、力技を用いてでも現状打破を図る国である。そう簡単ではないかもしれないが、これを常にネガティブに捉えているようでは、投資機会を逸すことになろう。

一方、中国景気への懸念を背景に資源価格が下落し、これが株式市場の悪材料になっている。原油価格の下落も、中国の需要減退懸念が背景にあるとの説明を聞く。

中国の原油買い、ドル高基調終了で相場は反転へ
しかし、実際には中国の石油会社はアジア市場で、最近の下落で割安になっている原油を戦略備蓄用に買い上げているという。輸入量が思いのほか減少していないのは、実需向け以外の原油購入が増えていることが背景にあるのかもしれない。これとよく似た状況が起きていたのが、2009年の第1四半期である。

リーマンショック後の急落した原油を安値で買い付けていたのは、ほかならぬ中国だった。中国は同時、原油や同などの非鉄金属、天然ゴムや大豆などを戦略備蓄用に安値で買い上げていた。明確な兆候は確認できないが、今回も同じような行動を取っているとすれば、現在の水準が底値だったということになろう。

これはひいては、資源価格の反発につながり、将来的な株価浮揚にもつながろう。これに9月の米利上げがドルのピークアウトを誘発し、6年ごとに重要な節目を迎えるドル建てコモディティ価格も底値を確認、反発に向かうだろう(6年前はコモディティが底打ちした2009年である)。これらの動きにより、売られていた資源株に買いが戻り、株式市場全体が本格的な上昇に向かうことになろう。

一方、7月の米雇用統計は堅調な内容で、9月利上げは確定的なものになったと筆者は考えている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は繰り返し、「年内利上げ」を言明している。また「早期に利上げしたあとは、ゆっくりとしたペースでの利上げになる」ともしている。これにより、ドル高基調が終了し、米国の多国籍企業の業績は改善に向かうだろう。

もともと、米大統領選挙の前年は米国株のパフォーマンスは安定する傾向がある。年初からの騰落率が伸び悩んだところは買い場であり、現在はそのタイミングにある。底値確認後は日本株にも積極的な買いが戻ってくるだろう。

今後1週間の日経平均は、1万9950円〜2万0550円の値動きを予想する。中国人民元の切り下げや原油安を織り込むまで、日本株も欧米株と同様に調整場面が続く可能性がある。ただし、これらの材料を織り込むまでの辛抱である。世界的にも株価には売られすぎ感が強まっている。来週以降の反発を想定しておきたい。

784とはずがたり:2015/08/14(金) 21:45:07
ギリシャ、財政改革法案を可決 与党の造反続出
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASH8G1VRJH8GUHBI001.html
19:17朝日新聞

 財政危機にあるギリシャの国会(定数300)は14日午前(日本時間同日午後)、欧州連合(EU)側からの金融支援の条件である財政改革の法案を採決し、賛成多数で可決した。同日午後にブリュッセルで開かれるユーロ圏財務相会合で支援を正式決定するか判断される。

 賛成は222票、反対は64票、白票は11票だった。今回も最大野党・新民主主義党(76議席)など3党がEUからの支援を得るために賛成に回った。だが、反緊縮を公約としてきた最大与党・急進左翼進歩連合(シリザ・149議席)は32人が反対、11人が白票を投じて造反した。政府関係者によると、チプラス首相は、EU側からの支援が決定し、20日の欧州中央銀行(ECB)が持つ約32億ユーロの国債の償還を終え次第、内閣信任投票を行う方針。信任を得られなければ、解散・総選挙へ進む可能性もある。

 ギリシャ政府筋によると、EU側からの支援は3年間で総額約850億ユーロ(約11兆7千億円)規模となる見通し。それと引き換えにギリシャは今回、農家への増税、年金を早くから受け取れる早期退職の段階的廃止、エネルギー市場の規制緩和、国有企業の民営化の推進などの緊縮策を法制化した。チプラス首相は14日、採決に先立つ演説で「妥協を選んだことを後悔してはいない」と述べ、ギリシャが生き残るためにはやむを得ない選択だったとして、議員らに理解を求めた。(アテネ=山尾有紀恵)

785とはずがたり:2015/08/16(日) 13:07:15

中国、早期に変動相場移行を=人民元切り下げ評価―IMF
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/159/f9bace7304474ec5f0a9fe295f35637d.html
(時事通信) 08月15日 10:43

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は14日、中国に対して早期に人民元を変動為替相場制に移行するよう改めて求めた。年次経済審査報告とともに担当者の見解として発表した。

 IMF担当者は、中国人民銀行(中央銀行)が11日から3日連続で実施した人民元の切り下げについて、市場に基づく相場形成につながると評価した。一方で、中国が国際金融市場に組み込まれるには「為替相場の柔軟性拡大が重要だ」と強調。「中国は2?3年以内に変動為替相場制に移行できるし、それを目指すべきだ」と指摘した。

 審査報告では、中国経済について「緩やかだが安定的、持続的な成長に移っている」と分析した。

786とはずがたり:2015/08/21(金) 09:44:33
7月の記事。その後署名を見送った7ヶ国はどうなったんだろ?

AIIBに参加して日本!・・・ぶっちゃけ「経験不足だから」=中国メディア
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%EF%BD%81%EF%BD%89%EF%BD%89%EF%BD%82%E3%81%AB%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E6%97%A5%E6%9C%AC%EF%BC%81%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%81%B6%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%91%E3%80%8C%E7%B5%8C%E9%A8%93%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8D%EF%BC%9D%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2/ar-AAcrXMh#page=2
サーチナ モーニングスター株式会社 2015/07/02

 中国メディアの環球網は6月29日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について「問題は中国に経験が不足していること」とする記事を掲載した。だからこそ「日本に参加してほしいと表明しつづけている」と論じた。

 記事はまず、米国に対する不信感を露骨に示した。世界銀行や国際通貨基金(IMF)は米国の利益と一体化していると主張。

 1997年のアジア通貨危機の際にIMFはマレーシア、インドネシア、韓国などに緊急支援を行ったが、極めて厳しい緊縮財政を強いたことで、支援を受けた国の経済が「さらに悪化したことは疑いない」と決めつけた。

 日本や米国がAIIB不参加の理由として、監督メカニズムや透明性の問題を挙げていることについて、「国際金融機関の監督メカニズムと透明度は規則や機構を1つ制定することでは保障できない」として、AIIBでは理事会が重要な役割りを担うと主張した。

 さらに、「現在に至るまで、世界のすべての国際金融機構は先進国が発足させたものだ」と指摘。AIIBは初めて新興国が提唱した国際金融機構であり、中国は援助を受けていた国であるからこそ、援助を受ける国の「本当の求め」を察知することができると主張。

 その上で、「問題は、中国はAIIBのような国際金融機構を運営する経験が不足しており、だからこそ、中国は日本の協力を必要としている。中国は日本に対して何度も、AIIB参加を希望している」と論じた。

 日本の不参加については、経済的な理由ではなく、安倍政権がアジア諸国との関係構築で、中国に主導権を取られたくないと考えているからと主張。日中両国の主導権争いは「アジアの発展できない国に手厚い“漁夫の利”をもたらす」との見方を示した。

 記事は最後の部分で「遺憾なのは第二次世界大戦が終結して70年もたつのに、中日両国は独仏のように、共に歩んで共に地域の経済的反映を構築できないことだ」と主張した。

**********

◆解説◆ 環球網は中国共産党機関紙の人民日報系のニュースサイト。愛国的な強硬論を「売り物」にする。上記記事は言い回しなどで強気な面があるが、「中国には国際金融機関の運営経験が不足」と認めている点で、環球網としてややや珍しい論調だ。

 6月29日に北京市内で行われたAIIBの設立協定署名式では、創立メンバー57カ国のうちフィリピン、デンマーク、クウェート、マレーシア、ポーランド、南アフリカ、タイの7カ国が署名を見送る「幸先の悪い異例のスタート」となった。中国当局は相当に危機感を高めている可能性がある。(編集担当:如月隼人)

787とはずがたり:2015/08/21(金) 10:02:54

ギリシャ、国債約4400億円を償還 EU側新支援受け
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/176/accff05fad1ec8a666e06d8e7afef361.html
(朝日新聞) 08月20日 23:02

 ギリシャ政府は20日、期限を迎えた欧州中央銀行(ECB)が持つ32億ユーロ(約4400億円)の国債を償還した。ギリシャ政府筋が明らかにした。欧州連合(EU)側の新たな支援にもとづいて同日、初回の130億ユーロの融資が行われたためだ。

 ユーロ圏の救済基金「欧州安定メカニズム(ESM)」は19日、3年間で最大860億ユーロ(約11兆8700億円)の新たな支援を行うことを理事会で承認。ESMは20日の融資分も含め11月末までに260億ユーロを融資する。EUなどは10月に改革の進み具合を審査し、今後の融資を決める。

 ギリシャはそれまでに、さらなる年金改革などを行う必要がある。ただ、今年は2%超のマイナス成長になる見通しで、景気が落ち込む中での痛みを伴う改革に国民からは反発が強まる可能性がある。国内総生産(GDP)比の政府の債務(借金)も来年には200%ほどに達する見通しで、国際通貨基金(IMF)はユーロ圏各国に借金の負担を軽減するように求めている。ドイツなどでは大幅な負担軽減に否定的な見方もあり、協議が難航する可能性もある。(ロンドン=寺西和男)


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