そんな新大久保は、小説家Min Jin Lee(イ・ミンジン)氏と会うのにぴったりな場所だった。韓国のソウルで生まれ、幼いころに家族でアメリカに移住した彼女は、去年『Pachinko(パチンコ)』という小説を出版。この歴史小説はまたたく間に話題となり、アメリカで最も権威のある文学賞のひとつ、「全米図書賞」にノミネートされた。
彼女は10年前にも韓国系移民を題材とした小説を出している。その『Free Food for Millionaires(億万長者のただ食らい)』ではニューヨークを舞台に設定し、彼女と同じような韓国系アメリカ人を描いたが、今度の『パチンコ』では地球の反対側、つまり日本と朝鮮半島が舞台となっている。