(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーが2006年に開始した先駆的な中国投資ファンドの成績がさえない。
中国本土株に投資する米国で最初のクローズドエンド・ファンドだった「モルガン・スタンレー中国A株ファンド」は今年に入って9月18日までにトータルリターン・ベースで13%下落した。
これは同ファンドのベンチマークの6.2%下落を超える下げ。売りが膨らむ中で価格は保有資産の価値を24%下回り、ブルームバーグのデータによればアメリカン取引所で取引される500余りのクローズドエンド・ファンド中で最も割安になっている。
海外投資家が管理の厳しい中国株式市場に投資することを可能にした先駆的商品だったが、上海総合指数の今年6月半ばごろから40%の下落で中国資産の需要が後退したことに加えて、中国当局の資本市場開放策に伴い上場投資信託(ETF)などもっと低コストで効率の良い投資商品が登場した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「投資信託がCDでETFがデジタル音楽だとすれば、クローズドエンド・ファンドはカセットテープだ」と話している。
原題:Morgan Stanley’s Pioneer of China Investing Falls on Hard Times(抜粋)