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Tohazugatali Medical Review

1とはずがたり:2004/10/17(日) 14:58
医学・病院・地域医療など今までTER http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1046080617/l10で扱ってた話題を独立させます。

医薬品・製薬関連はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1070807006/l10

自民党と結託し日本の成長に対する桎梏となってる医師会・歯科医師会の不祥事はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1067007932/l10

TERの過去レスは>>2-5あたり

1405とはずがたり:2010/06/23(水) 15:54:09
揺らぐ産科医療
子どもがいなくなる日

 いま、全国の産科医療が揺らいでいる。分娩(ぶんべん)を扱う病院が減り、産婦人科医を希望する学生も減っているのだ。飯田下伊那地方も同様。現状はそれ以上に厳しいかもしれない。産科施設は25年前の13施設(病院3、診療所10)から3施設になり、産婦人科医も減っている。飯伊地方の現状と見通し、今後の課題を探った。

■1
飯伊地方も産婦人科医不足
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/1.htm

 松川町の下伊那赤十字病院は、新たな産婦人科医の確保に頭を悩ませる。ことし4月、産婦人科医と小児科医の退職に伴って分娩(ぶんべん)を休止した。以来、国や県への陳情やホームページを使った募集を続けるが、いまだにめどは立っていない−。

 最近、全国的に産科施設不足が叫ばれている。ことし8月、奈良県では18病院が受け入れを拒否した結果、6時間後に妊婦が死亡するという痛ましい事故が起きた。県内でも上田市産院が産婦人科の休止を発表。住民と行政、医療関係者による話し合いが行われ、なんとか存続が決まった。

 飯田下伊那地方の産婦人科医は9人で、10年前と比べると6人も減っている。お産を扱うのは、飯田市立病院(同市八幡町)、椎名レディースクリニック(同市小伝馬町)、羽場医院(同市駄科)のわずか3施設に過ぎない。昨年8月に西沢病院(同市本町)、ことし2月に平岩産婦人科医院(同市川路)、4月に下伊那赤十字病院(松川町元大島)が相次いで分娩を中止、約800件のお産が受け入れ先を失った。

 飯田保健所管内における、2004年の飯伊地方の出生数は1561人に上る。03年は1621人、02年は1625人で、「ここ10年ぐらいを見ても、ゆるやかな減少傾向にある。増えていないが、極端に減っているわけではない」(同保健所)という。出生数の減少より先に、分娩のできる病院がなくなってしまっている。
■2
今の体制はどこかでミスが起きる
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/2.htm

 産科施設の減少に対し、飯田下伊那地方では飯田市立病院と開業医が連携する「セミオープンシステム」が始まった。分娩は市立病院を拠点とする3施設で、妊婦健診は分娩をやめた診療所を含む開業医を中心に行う。地域内の産科共通カルテを作り、活用を始めている。

 また、異常分娩や入院のほとんどを市立病院が受け持ち、開業医の緊急搬送先にした。その分、婦人科外来は紹介状を持参した人に限り、主に開業医が行うことになった。市立病院は「分娩や入院が増えたものの、医師の増員やベッド数の増加で対応できている。体制を整えた分、今の方が順調」と話す。

 ところが、開業医ではまったく逆のことが起きている。

 ある診療所では、外来患者が急増した。1日60〜70ある予約枠は前日でいっぱいになる。時間外診察や食事時間を使って対応しているものの、「予約が取れない」、「待ち時間が長過ぎる」など患者の不満が絶えない。

 同診療所の院長は「昨年から1割ぐらい増えた。今まで市立病院に行っていた人たちが集まってきている」と話し、思わぬ外来患者の増加に頭を悩ませる。

 開業医の多くは、妊婦健診から出産までを一人でこなす。産婦人科、小児科、麻酔科の三役。2004(平成16)年の厚生労働省調査では、医師一人あたりの出生数は県内平均105人に対し、飯伊地方は156人。平成18年には260人に上るとされ、他地域に比べても過酷な状況だ。

 「いっときなら頑張れるけれど、長く続けるのは無理。今の体制は長く続けてはいけない。どこかでミスが起きる」(椎名レディースクリニック、椎名一雄産婦人科医)。助産師や看護師への負担も大きく、何よりも母親に与える不安が大きい。「待ち時間を減らすためには、本来は休みの時間にも(診療を)入れざるを得ない。これ以上増えなければ何とかなるが、増えると大変」(羽場医院、羽場啓子産婦人科医)。

1406とはずがたり:2010/06/23(水) 15:55:03

■3
望むのは“安心なお産”
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/3.htm

 飯田下伊那地方のお産は、里帰り出産も含めて年間約1800件に上る。3施設で行うには、産婦人科医の協力体制が欠かせない。分娩と妊婦健診が役割分担によって行われるようになった。

 けれども、健診と出産で産婦人科医や助産師が変わることは、母親たちに戸惑いを与えている。

 飯田市内の開業医で妊婦健診を受けた後、岐阜県の病院で出産した石原良予さん(30)=根羽村=。健診と出産、2人の産婦人科医の考え方が異なり、戸惑ったという。「産む病院に行ったら、体重の増え方や食事の取り方などいろいろな面を注意された。前の先生の説明を必死に聞いてきたのに。泣きそうだった」

 第一子なので子どもを産むこと自体も不安だった。「健診をしながら産むときの話もしてもらえる、同じ病院の方が安心感があると思う」。最初から最後まで同じ医師、助産師にみてほしい−と、開業医を選ぶ母親も多い。望んでいるのは“安心なお産”だ。

 小嶋直美さん(37)=同市千代=は、第二子の出産前に、第一子を産んだ診療所が閉院した。どの病院にするか悩んだが、「上の子も一緒に泊まれないと困るから」と、自宅から一番近い飯田市立病院ではなく、市内の開業医で出産した。

 市立病院では母親の入院中、新生児以外の子どもの宿泊を行っていない。小嶋さんのように家族も働き、子どもの面倒を見てくれる人がいない人は、子どもと一緒に泊まれる開業医を選ぶことが多いという。
 「上の子の面倒をどうすればいいのか…。保育園も朝から晩まで面倒を見てくれるわけではないし、夫も父親も仕事がある。夫も私も母親を亡くしており、上の子を見てくれる人がいない」。少子化が深刻な地域だからこそ、こうした多様なニーズに応える必要がある。

■4
地域で医師を育てる
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/4.htm

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/medical/4.jpg
県内でもばらつく産科施設。
飯伊地方の人口は約17万人なのに、あまりにも少ない。

 現在は常勤4人、非常勤4人という飯田市立病院とて安心はできない。実は、常勤の4人は信州大学からの派遣医師。大学が引きあげる可能性もある。

 信州大学医学部付属病院でも、産婦人科医が非常に不足しているからだ。現在の産婦人科医は、常勤と医員、パートタイムを含めて24人。病棟で勤務する医師は連日、午後10時過ぎまで働く。また、育児中の女性医師は週2日勤務の非常勤医員で、主に外来を担当している。入院患者や当直は、他の医師が補い合っている。

 産婦人科医の不足に対し、同大学では、来年度から医学部の県内枠を5人から10人に増やす。県内枠の入学生が地域医療の現場で実習する「学外担任制度」や、県外で働く医師のUターン、女性医師の復帰なども進めていくという。しかし、一人前の医師に育つためには10年近い年月がかかる。それまで存続できる体制づくりを早急に考えなければならない。

 飯田市立病院の産婦人科科長、山崎輝行医師は「この地域の産科医療が10年後も存続するためには、病院が教育機能を持って研修医を集め、自力で医師を育てていくしかない。どこも医師不足なので、陳情しても無理」と話し、地域で医師を育てるという発想が必要だと訴える。「今の体制も、今うまくいっているだけで、いつ崩壊するか分からない。仮に、誰かがやめても補充できない。長い目でみて、今の体制で維持できる保証はない」(山崎氏)

1408とはずがたり:2010/06/23(水) 15:58:01

■5
高まる助産師への期待
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/5.htm

 産科医療を支える一つとして、助産師の活躍に期待が高まっている。

 助産師の業務は主に、正常な場合の助産と妊婦、じょく婦および新生児への保建指導。飯田下伊那地方には41人の助産師がおり、そのほとんどが勤務助産師だ(04年、県衛生部の資料)。

 県内では、母親一人ひとりに合わせたお産のため、または助産師にとって働きやすい環境をつくるため、開業助産師となる人もいる。日本助産師会長野県支部によると、同会に所属する助産師だけで扱った分娩件数は、昨年1年間で141件に上るという。

 開業助産師の多くは互いに連携し、複数体制で分娩を行う。助産所でのお産は、母親にとって「マイ助産師」を持つことになり、ずっと同じ助産師に見てもらえる安心感が大きいという。

 こうした将来の助産師を養成する学校として、飯田市には飯田女子短期大学=同市松尾代田=がある。同大学は、1999(平成11)年に「助産学専攻」を開設。毎年8人近い助産師が誕生し、ことしは市内から2人が学ぶ。

 助産学専攻の谷口美智子助教授は「産婦人科医と助産師が役割と責任を認識しながら協働することで、産婦人科医の負担を軽減できるのではないか」と期待を込める。

 一方、課題もある。開業には嘱託医を必要とする上、助産師一人の施設では月に1〜3人しか預かれない。近くに産婦人科医がいない場合、異常分娩による生命の危険も考えられる。

 力を生かしきれず、もどかしさを抱える助産師もいる。ことし4月、産婦人科医と小児科医の退職に伴って分娩を休止した下伊那赤十字病院の助産師たちは、資格を持ちながら看護師業務を行っている。「やはり命の誕生に関わりたい。母親になり、お産の楽しさ、喜びを改めて知った。(お産を扱う)仕組みをつくってもらえればやりたいし、皆諸手を挙げると思う」(同病院の助産師)

 飯伊地方にとって、「子どもがいなくなる日」は決して架空の話ではない。子どもを産みたくても産む場所がないという日は、案外近いかもしれない。

番外編
http://www.minamishinshu.co.jp/corner/sankai/6.htm

 飯田下伊那地方の産科問題に関する連載から1カ月が過ぎた。現状を改めて知ってもらうとともに、取り組むべき課題を考える。

■しわ寄せは母親に

 全国で相次ぐ産婦人科の休診。飯田下伊那地方では医療関係者や行政らが懇談会を設けるなどして、産科体制の崩壊は免れた。一方、現場の医師や助産師、大きなおなかを抱えた女性たちからは、不安や負担を訴える声が寄せられている。

 産科問題で、最も言われているのが、お産のできる病院が減ったこと。産婦人科医が少なくなり、分娩(ぶんべん)の取り扱いをやめる医療機関が全国各地で相次いでいるのだ。

1409とはずがたり:2010/06/23(水) 15:58:48
>>1405-1409
 飯田下伊那地方では現在、飯田市立病院と椎名レディースクリニック、羽場医院の3カ所でお産ができる。しかし、25年前の13カ所(病院3、診療所10)に比べて10カ所減少。産婦人科医は9人で、10年前より6人も減っている。

 これでは、例えば、第2子を妊娠した人が「第1子と同じ病院で産みたい」、他の地域で暮らしている人が「地元で里帰り出産をしたい」と望んでもなかなか難しい。

 次に、産婦人科医の労働環境も悪化している。特に市立病院のような二次医療を担う医師たちが過酷な状況に追い込まれ、病院離れが進んでいる。信州大学医学部付属病院のような三次医療を行う病院でも医師が不足し、「毎日10時より早く帰ることはない」(同病院総務課)という。

 飯田下伊那地方の医師も状況は似通っている。2004年の厚生労働省調査では、医師一人あたりの出生数が県内の平均105人に対して、飯伊地方は156人。今年度は260人に上るとされ、他地域に比べても過酷だ。

 産婦人科医は医療事故の訴訟も多い。04年の最高裁のまとめでは、全国の産婦人科医1000人あたりの訴訟件数は11・8件。次に多い外科9・8件や内科3・7件に比べても圧倒的に多い。

 そして、これらのしわ寄せは母親に向かう。「混んでいて妊婦健診の予約が取れない」(市内の開業医に通う妊婦)、「片道40分かけて通って、また待たされて1日が終わってしまう」(根羽村の妊婦)など、母親の負担は増している。

 行政や医療関係者らの話し合いで、「異常分娩などハイリスクなお産は市立病院、ローリスクや妊婦健診は開業医を中心に」と役割分担を進めた。産科医療崩壊の危機は免れたが、妊婦健診で診てもらう病院と出産する病院が異なるなど、母親にとって新たな不安も生まれた。“安全で安心なお産“はまだ遠い。


■医師が来やすい体制を

 このような状況に対し、飯田下伊那地方では地域をあげて▽飯田市立病院と開業医の連携を図る(カルテの共有化)▽市立病院の整備(病棟の改修、分娩台を1台増設、助産師外来の充実)▽新生児搬送用保育器の購入の検討−などに取り組んできた。

 中でも市立病院と開業医が連携する「セミオープンシステム」により、年間約1800のお産が無事地域内で行われている。しかし、開業医の多くが50歳以上であるのも事実。先を見据えた取り組みが求められる。

 現状を改善するために、一番は「医師、助産師を増やすことが必要」(飯田市立病院、山崎輝行産婦人科長)だという。研修医を呼び込むとともに、新人の医師が来やすい体制を整える」(同)ことや、「地域全体で何か新しいことを始め、(医師に)魅力を感じてもらう」(椎名レディースクリニック、椎名一雄院長)ことが産科体制の維持につながるというのだ。

 「助産師が力を発揮できるように、行政や医療者がサポートしてほしい」(心あるお産を求める会、松村道子代表)という意見もある。産婦人科医と小児科医の不足により産婦人科が休止された下伊那赤十字病院では、助産師が看護師業務を行っている。

 一方、開業医では助産師や看護師が不足。地域にある力を生かしながら、子どもを安心して産める環境を整えることが重要だ。(大場美歩)

製作・著作:南信州新聞社


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