元神経外科医のカーソン氏は1987年に頭部が結合した双生児を分離する手術を行った医療チームを率いたことで国際的に知られるようになった。最近ではオバマ政権の医療保険制度改革法(オバマケア)を批判したり、2013年の全米朝食祈祷(きとう)会でオバマ大統領を前に10%の一律課税を訴えたりするなど、政治的な発言でも目立っていた。カーソン氏は論客として長く知られた存在であり、近年はコメンテーターとしてフォックス・ニュースに出演していた。過去に選挙による公職に就いたことは一度もなく、政治の経験はないものの、2014年の「Draft Ben Carson(ベン・カーソンを公職に)」運動の際には、2016年の大統領選への出馬が予想されるどの共和党候補の政治活動委員会(PAC)よりも多額の資金を集めた。
しかし、たとえわずかな賃金差でも女性にとって損失だと活動家たちはいう。「女性は人生で何十万ドルも失っている」と、NPO「女性と家族のための全米パートナーシップ(National Partnership for Women & Families)のビッキー・シャボー(Vicki Shabo)氏はいう。
男女間格差は「たった7%、たった10%」だという人々にはいら立ちを覚えると、米国大学女性協会(American Association of University Women)の主任政策顧問のリサ・マーツ(Lisa Maatz)氏はいう。「働いて生活をやりくりしようとしている誰もにとって10%は大きな違いだ」