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女子会 板

1995SAKURA:2012/10/29(月) 21:23:00 ID:jH5uEFzM
トキ様 へ
観覧者の皆様 へ
こんばんは…・・・ロ−マ字(大文字)の【SAKURA】で〜〜〜す。
>>1951>>1952>>1954>>1955>>1956>>1957>>1973>>1994投稿の続きです・…。

■第1章 『ロックの女王MIKAの話し』…

―――――  加藤さんとクリスとの間で  ―――――

 ポッとともった火種が、メラメラと燃えあがる事件が起きたのはその数日後のこと。当
時よく行っていた『ビブロス』で、私はやたらに派手な格好をして、つけマツゲを二重に
つけた女の子に声をかけられた。「あなたがミカ?」「ハイ、そうですけれど」「クリスに
聞いたんだけれど、今度クリスがあなたたちのプロデュースをするんですって」「ええ、
そうです」落ち着いて、ていねいにこたえたけれど、心のなかでは――なんだ、この気持ち
の悪い娘は。どうして見ず知らずのこんな娘に「あなたたち」なんて見下した言い方をさ
れなくちゃいけないの――とムッときていた。そう、これがクリスがつき合っていたとい
う「日本人の女の子」だったわけである。こうなったらもうダメ。相手に負けてなるもの
か、という牡羊座特有の戦いの精神に火がつき、私はこの子に負けない、と決心してし
まったのだ。加藤さんと結婚している、ということもすっかり忘れて……。

 クリスは、日本でのレコーディングの間、麻布のフラットを借りて暮らしていた。私は
自分の家の掃除もしないくせに、せっせとクリスの部屋の掃除に通った。と、そこで見つ
けたものは、イヤリングの片われや化粧品。あのつけマツゲ二重の女の子以外にもこの部
屋に出入りしているグルーピー(いまでいう“追っかけ”)の女の子がいるのだ。私は即
座に、「レコーディング中は一切電話を受けつけません」とマネジャーに言ってもらっ
たり、クリスが夜遊びできないようなスケジュールを組んだりと策を弄した。いまにして
思えば、ずいぶん私も子どもだったこと。でも、恋なんてこんなものである。

 水面下での大波乱はあったけれど、2枚目のアルバム『黒船』は無事にできあがった。プ
ロモーションのためロンドンに行かなければならなかったが、スケジュールの都合で、私
ひとりだけで出かけることになった。そこで数週間ぶりにクリスと再会、あくまでもスケ
ジュールの都合だったのだが、クリスは自分に合うためにきたのだと信じていた。もっと
も、クリスに合いたいという気持ちがあったのは事実だけれど。

 クリスは私に言った。「僕に合いにきてくれたのはうれしいけれど、お互いの立場を理
解しなければ。僕はたしかに女房とうまくいっていない。たぶん離婚することになるだろ
う。だけど、ミカはドノバンとうまくいっていなくて別れるならともかく、僕のためにド
ノバンと別れたりするのはやめてほしい。それはお互い一生後悔することになるから」

                    (つづく)


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