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小さい水泳部キャプテン-後編-

1ポロ:2011/04/01(金) 16:18:27
小さい水泳部キャプテン、土浦拓也。
土浦拓也のことが好きな男、村上勇介。
村上勇介を心の支えにしている男、佐野和弘。
お気楽だが芯はしっかりしている男、吉村健太。
高身長で土浦拓也の親友。ミステリアスな男、神山龍。
○○○が好きな水泳部顧問。物語のキーパーソン、神山明己仁。

彼ら6人が織りなす、ぬるいゲイ小説。

2ポロ:2011/04/01(金) 16:19:15
こんにちは。作者のポロです。
私のことを土星(saturn-tv.net)で既に知っている方もいるかと思います。

4月になり、ついに後編を書くことにしました。
以前と同じように更新は不定期です。
また、前編とは文体が違いますので、読みにくいかもしれません。ご了承ください。
こんな私ですが、『小さい水泳部キャプテン』を楽しんで読んでいただけたら幸いです。

3ポロ:2011/04/01(金) 16:20:23
『事故Ⅰ』

4連休前日の午後8時。
神山龍は自室のノートパソコンで日記を作成していた。
その日記のタイトルは『土浦拓也の記録日記』。
日記には、土浦拓也が休み時間に話していた人物や内容や、
授業中に発言した内容、給食でおかわりをしたメニュー等が事細かに書かれている。
2年前の4月から始まっているこの日記は、今日が今年4月最後の日記となっていた。

彼は両親と3人で住宅街の一軒家に暮らしている。
基本的に彼は食事や風呂以外は二階の自室にいることがほとんどであり、
両親も彼の自室に入る事はほとんどなかった。
なぜなら、彼は自分の服も布団も全て自分で掃除をし、
自分以外が自室に入る必要が無い状態を作っているからである。
いや、正確に言うと彼の自室は『誰も入れられない』状態であった。
彼は自室の壁に100枚以上の写真を貼っており、それら全てに土浦拓也が写っていた。

(もう少しで今年もお前の競パン姿を見られるよ、拓也)

4ポロ:2011/04/01(金) 16:23:41
『事故Ⅱ』

日記の作成が終わった後は、土浦拓也の写真を鑑賞するのが彼の習慣となっている。
特に部活で撮影した、競パン姿の土浦拓也の写真はお気に入りであった。
彼はVパンを『競パン』と呼ぶ。口に出して他人に言うことはないが、
つまりそれは、彼がそっちの方面の知識を持っている証拠なのである。



キキ―――!ドン!

窓の外から普段聞かないような音がした。
彼はカーテンを開き、窓を開けた。
彼は窓から下を見下ろすと、自宅の前の道で自動車が止まっており、その前で人が倒れていた。
それと同時に次から次へと人が集まってきて、事故現場を野次馬のように囲む。
誰がどう見てもこれは事故である。下の方からザワザワとした声が聞こえる。
「違う!俺は悪くない!この子供が勝手に飛び出してきたんだ!本当だ!」
車の運転手だと思われる人間が叫ぶ。その一方で、彼は顔色一つ変えずに二階からその様子を眺めていた。


数分後に救急車が到着すると、次第に近所の人たちは自宅へ戻っていき、彼も窓を閉めた。
何となくだが、これから始まる何かのきっかけの事故になる、そんな気分に浸りながら。

5名無しさん:2011/04/01(金) 19:20:15
更新されてる!
次回も楽しみに待ってます!

6ポロ:2011/04/04(月) 15:50:00
『事故Ⅲ』

4連休前日の午後8時30分。
村上勇介は右手に弁当が入った袋を持ちながら、
コンビニから自宅へと向かっている所だった。

彼は両親と3人で暮らしている。
ただし、父親は仕事の都合で県外のおり、
母親は看護師のため、夜勤などで自宅にいないことが多い。
そのため、朝食も夕食も一人で食べることは珍しくなかった。

(結局、和弘と話す機会がなかったなあ。明日からゴールデンウィークなのに…)

水泳部の先輩たちと銭湯に行った翌日から今日まで、和弘は学校を休んだ。
勇介は心配になり登校前や下校後に彼の自宅に行ってはみたものの、応答は無かった。
電話もしているのだが、ずっと留守電になっている。
勇介が和弘と何日も音信不通になることなんてこれまで無かった。

(大丈夫かな。明日の朝も和弘の家に行ってみるか)

そんなことを思いながら自宅に向かう勇介であったが、
この帰り道ですれ違った救急車の中に和弘がいるとは思いもいなかった―――



先に言ってしまいますが、和弘が亡くなるわけではありません。
私自身、死ネタは苦手なので(汗)
前編とは違うスタイルで始まった後編ですが、よろしくお願いします。

7ポロ:2011/04/04(月) 15:51:33
>>5 名無しさん
コメントありがとうございます。
読んでいる方が楽しみになるような話が書けるように頑張ります!

8Y:2011/04/04(月) 20:44:13
おお、更新お疲れ様です。
この掲示板って携帯から見れないかな?・・・。

9ナル:2011/04/04(月) 21:02:29
見れますよ?

現にオレも見てるし…

10Y:2011/04/04(月) 22:22:39
ほんとっすか?
じゃあ俺も見てみますw
ナルさんありがとうございます!

11黄色い夜空:2011/04/05(火) 13:05:05
ポロさん、こんにちわ
〈春空の思い出〉を書いている 黄色い夜空です
小さい水泳部キャプテン前後半(今さらでスミマセン)
読みました!
すっごいおもしろいです
これからもがんばってください応援してます!

12ポロ:2011/04/06(水) 17:47:51
『先生の趣味Ⅰ』

4連休2日目の午前10時30分。
神谷明己仁は病室のベッドで本を読んでいた。
本にはブックカバーがしてあるため何の本かは分からないが、
活字の多さと本の大きさからみて、おそらく文庫本であった。

「お、ようやく来たな」

今日、彼は待ち合わせをしていた。
その相手は自分が担当している部活の部長である土浦拓也である。
拓也が到着すると明己仁は本を閉じ、床に置いてある紙袋の中に読んでいた本を入れた。

「お久しぶりです。すみません、道に迷ってしまって…」

拓也は右手に数本の花を持ってやって来た。
顔が少し疲れており、呼吸が少し速い。急いでやって来たことが一目で分かる。

「はい、神谷先生。少ないですけど花束です」
「おお、ありがと。って、俺のことは名前で呼んでくれていいのに」
「そういうわけにはいきません。先生ですから」
「相変わらず優等生だねー」

明己仁は生徒との距離を少しでも縮めるために、
生徒たちに自分のことを『明己仁先生』と呼ぶように言っている。
また、学校ではスーツではなくカジュアルなシャツを着たりする等、
基本的にラフな恰好でいる。これも生徒との距離を少しでも縮めるためである。

13ポロ:2011/04/06(水) 17:48:23
『先生の趣味Ⅱ』

「そういえばもうすぐ退院なんですよね?」
「ああ。3日後には退院できるらしい。入院生活2ヶ月長かったなあー」
「まあ先生も…」
「年って言いたいのか?」
「あ、いえ、そんな…」
「俺はまだ33だからこれからですよー」

明己仁の相変わらずの親しみやすさに拓也は安心した。
特に面白いこともないであろう病室では、明己仁は凄く退屈だっただろう。

「ところで、どうして今日は俺を呼んだんですか?」
「ああ。着替えとかを職員室まででいいから持って行ってほしくてな。
 退院日だと拓也は学校だろから、今日来てもらったわけ」

俺は物運びの為に呼ばれたのか、と拓也は思った。
それと同時に、明己仁は優しいけれど人使いが少し荒い事を思い出した。
床を見ると服や下着などの着替えが入った紙袋が3つあり、
その内の1つはブックカバーがしている本がたくさん入っている。

14ポロ:2011/04/06(水) 17:55:25
>>8 Yさん
コメントありがとうございます。
既に答えが出ていますが、こちらの掲示板は携帯からも見れる設定にしていますのでご安心くださいね。

>>9 ナルさん
私に対してのコメントではないとは思いますが、
読者の方が一人でも多くいると思うと私のやる気も出るので、
変な言い方かもしれませんが、コメントありがとうございます。
これからもぜひ読んでいただけると幸いです。

>>11 黄色い夜空さん
コメントありがとうございます。
春空の思い出の続きを読みました。
私も『誰かに読んでもらえるってとてもうれしい』と思います。
お互い、自分のペースで話を展開できたらいいですね。

15ナル:2011/04/06(水) 21:24:01
あっ!
すいません(汗)

本来ならポロさんにコメしないといけないのに(汗)


でも、作者さんにはありきたりな言葉しかかけられなくて(汗)
自分はそういうの嫌な人なので(泣)

スッゴいありきたりですが…

この作品メッチャ面白いです!!
毎日更新を確認してます(笑)

あと聞きたいのですが、先生の名前って…なんて言うんですか…?
頭悪いので、読めなくて(泣)

16ポロ:2011/04/08(金) 16:01:02
『先生の趣味Ⅲ』

「じゃあこの3つを持って行けばいいんですね」
「あ、その本が入っているのはいいや。俺が退院したら持って帰る」
「そうですか。じゃあこの2つを持って帰りますね」
「ああ。よろしく頼む…ってもう帰るの?」
「午後から補講がありますから」
「相変わらず優等生だねー」

そんなことないです、と言って拓也は病室を出て行った。
一方、明己仁は水泳部に新入部員が入ったのか、
もし入ったならちゃんとVパンは買わせたのか等、
聞きたいことは色々あったのに聞きそびれてしまったことを悔んでいた。

(まあ退院したら分かる事だしな。さっきの本の続きを読もう)

あまりクヨクヨ考えないのも明己仁の良いところである。
彼は床に置いてある紙袋から先ほどまで読んでいた本を取りだした。
そして、ちょうどこの本の醍醐味ともいえる場面を読み始めた。


『あの、もしかしたら引いちゃうかもしれないけど、僕は、先輩のことが、す、す、好きです』
『………』
『あ、やっぱり引きますよね。すみません。無かったことにして下さい…』
『……俺もだよ』
『…え』
『俺もお前のことが好きだ。いつも一生懸命で、かわいいお前が大好きなんだ』
『え、そんな…本当…ですか?僕、男ですよ…?』
『俺も男だ。恋愛に性別なんて関係ない。好きになっちまったんだから仕方ないだろ』
『……!』
『告白ありがとう、勇助』


こんな本を読む男性教師がいるのか?っていう感じですね(汗)

17ポロ:2011/04/08(金) 16:10:35
>>15 ナルさん
コメントありがとうございます。
例えありきたりでも面白いと言われると嬉しいですし、照れますね(笑)

先生の名前は『あきひと』と読みます。
読みにくい名前ですよね。実はこれ、わざとです(笑)
メインキャラで唯一の大人なので、他のキャラと区別するために、
3文字で読みにくい名前にしたくて「明己仁」と名付けた…という裏エピソードがあります。

18黄色い夜空:2011/04/08(金) 19:45:50
ポロさんめっちゃ大人な感じでかっこいいです!
若輩者ながら自分のペースで書きたいと思います!

19ナル:2011/04/09(土) 22:26:03
ポロさん

返答ありがとうございます。
あきひと
かぁ!
自分の名前にも仁っていう字が入ってて
しかも読み方も一緒なのに
分からなかったというwww

20ポロ:2011/04/12(火) 18:20:05
『写真Ⅰ』

拓也を呼んでから3日後。
退院の手続きを済ませた神谷明己仁は、右手に紙袋を持って病院の屋上に向かっていた。
紙袋の中には、彼が大好きな本が10冊程度、ブックカバーをしている状態で入っている。

明己仁は2ヶ月の入院生活中、よく屋上にあるベンチに座って読書をしていた。
入院当初の屋上はまだ寒かったが、4月に入ると次第に暖かくなり、読書をするのは気持ちよかった。
退院当日である今日、最後の別れというほどのことではないが、明己仁は何となく屋上に来たくなっていた。

(いつ行っても屋上は人がいないからなあ。それもまたいいんだよな)

そんなことを思いながら屋上に着いた明己仁であった。
すると彼の目線の先に、白いベンチに座っている一人の少年が目に入ってきた。

(お?珍しい…)

青のチェックのパジャマを着た少年は、ベンチに座りながら右手に持った一枚の写真を見ている。
隣には松葉杖が置いてあり、足を怪我したために入院していることが一目で分かる。
松葉杖を使っているのにわざわざ屋上に来るなんて変わった奴もいるものだな思った明己仁は、
足元に本の入った紙袋を置き、少年の隣に座って話しかけた。

「足、怪我しているのか?」
「………」
「あ、俺は別に怪しい奴じゃないからな。今日この病院を退院する神谷明己仁っていうんだ。君は?」
「………」

少年は返事をせず、ずっと手元にある写真を見ている。
明己仁はその写真を覗き込んだ。
写真はおそらく運動会に撮られたものだろう。運動場をバックに、
今ここにいる少年と、もう一人、彼の友達だと思われる少年が、肩で腕を組んでいる。
二人の男が仲良さそうに密着している写真。こういう写真に明己仁は弱かった。

「とりゃ!」
「…!」

明己仁は少年から写真を奪い取った。

21ポロ:2011/04/12(火) 18:20:43
『写真Ⅱ』

「写真ばっか見てー。知らない人は無視するってか?」
「…あなた、誰なんですか」

少年はようやく返事をし、明己仁の顔を見た。
きれいな顔をしているけれど、顔の表情や声のトーンから、寂しそうな雰囲気をしているなと明己仁は思った。

「だからさっき言ったじゃん。今日退院する人だって」
「…俺に何か用ですか?」
「用?用ってわけではないけど、君は面白そうだなーって思ってな」
「…俺が面白そう?」
「そう。だって、松葉杖を使っている人が屋上にくるなんてなかなかいないよね。君こそ何でわざわざ屋上に?」
「…あなたには関係ありません。それより、写真を返して下さい」

明己仁にとって写真を返すことなんて構わなかった。
しかし彼は、不思議と目の前にいる少年をいじってみたいという衝動に駆られた。
どうしていじってみたくなったのか。それは少年が持っていた写真から『何か』を感じたためである。

「俺の質問に答えたら返してもいいよ?」
教師として自分と生徒との距離を少しでも縮めるよう心がけている明己仁にとって、
子供、しかも初めて会った少年に上から目線で話しかけることはそうそうあることではない。

「質問…ですか?」
「ああ。この写真に写っているもう一人の男は誰かな?」

明己仁は右手で写真を少年に見せながら、左手で写真に写っている少年を指差した。

「それは…俺の友達です」

少年は静かに答えた。頬を赤く染めながら。

「………」
「答えたから、写真、返して下さい」

22ポロ:2011/04/12(火) 18:21:33
ポロより2点お話があります。
(と言っても固い話ではないのでご安心ください)


今更ながら一番最初のレス、登場人物の名前にミスが(爆)。
『神山明己仁』ではなく、『神谷明己仁』が正しいです。
他の登場人物(神山龍)の名字と一緒になってしまったというw
そういえば二人共、名字に「神」が付くんですね。
作者なのに先ほど気が付きました…。


後編になり、文体を変えてから、明らかに更新のペースが落ちました。
頭の中ではあれこれ展開が思いつくのですが、
実力不足もあって文章化するのが難しくなっています。
早くあんな展開、こんな展開にしたいのに…!
(と言っても内容は期待はしないでくださいね)
とりあえず暖かい目で見守って下さると嬉しいです。

23ポロ:2011/04/12(火) 18:22:20
>>18 黄色い夜空さん
コメントありがとうございます。
めっちゃ大人な感じですか!そんな風に言われたのは人生で初めてですw
『春空の思い出 』も読んでいますよ。「あんなコト」とは何だろう…?続きを待っていますね。

>>19 ナルさん
コメントありがとうございます。
『仁』がナルさんの本名に入っている字だとは凄い偶然ですね!
これからもよろしくお願いします。

24黄色い夜空:2011/04/15(金) 17:15:09
ポロさんこんにちわ!
ちょっとだけ更新しました。
読んでもらえてるなんて光栄です☆

でもなんか自分が書いてると子供っぽくって
つまんないだろうなぁと思う今日この頃です…涙

あと、神谷先生ってメガネとかかけてるんですか?

25ポロ:2011/04/18(月) 17:50:30
『写真Ⅲ』


写真を返した後も明己仁は少年の隣に座っていた。
怪しまれない程度にこの少年のことをもう少し知りたい。
そんな明己仁の思いが、彼をまだ屋上に残していた。

「君は何年生?」
「…どうしてそんなこと、あなたに言わなければならないんですか?」

先ほど少年が答えた「それは…俺の友達です」という返事に明己仁は疑問があった。
確かに答えとしては変ではない。
しかし、本人は気付いてはいないだろうが、「俺の友達です」と言うのに普通、頬を赤く染めるだろうか。
この少年はもしかして、いや、間違いないと明己仁は思っていた。


「まあ、今時の若者は初対面の相手にほいほい自分のことを言わないからなあ」
「…そうですね」
「でもな、俺は違うぞ」

そう言うと明己仁は足元に置いてある紙袋から一冊の本を取り出した。
ブックカバーがしてあるその本から紙製のしおりを取り出し、
ポケットに入っていたボールペンでそのしおりに何かを書き出した。
その様子を少年は不思議そうに見る。

「…何しているんですか?」
「俺の連絡先を書いているんだ」
「え?」

少年が驚いている間に、明己仁は自分の連絡先を書いたしおりを本に挟んで少年に差し出した。

26ポロ:2011/04/18(月) 17:51:20
『写真Ⅳ』

「この本、やる」
「え?どうして…ですか?」
「これも何かの縁だ。この本は今の君が読むのに丁度いい」
「でも、知らない人からもらうわけには…」
「知らない人って。俺の名前は神谷明己仁、今日退院する人ってさっき言ったろ」
「あ、いや、そういうことじゃなくて…」
「じゃあ聞くけど、俺が怪しそうな奴に見える?」

この時、少年は戸惑った。
正直なところ、少年は目の前にいる男性がずっと怪しく見えて仕方がなかった。
しかし、男性の妙な親しみやすさと最近の自分自身の孤独さが重なり合って、
そんなことないです、と返事をし、差し出された本を受け取ってしまった。
最後には、さすがに本をもらうのは悪いから、本を読み終えたら明己仁に連絡して返すという話で落ち着いた。

「じゃあ俺は帰るわ」
「え?」
「俺、こう見えて先生をやっててな。さっさと帰らないといけないんだよ」
「あ、そうなんですか…」
「じゃあな。早く足、良くなるといいな」
「は、はい」

何だか寂しいです、と言いそうになった少年を背を向けて、明己仁は屋上を去って行った。
一方で、少年は神谷明己仁という男性への警戒心が薄れ、入院6日目にして孤独を感じ始めていた入院生活の中、
仲の悪い両親や、自分以外の男と仲良くしている友達がいる状況で、連絡すればまた出会える人の存在に少し安心していた。

27ポロ:2011/04/18(月) 17:51:51
『写真Ⅴ』

男同士の恋愛なんて現実には滅多にない。そんなこと、明己仁は百も承知だった。
しかし、絶対に無いとは言い切れない。世間一般には許されないであろう、アブノーマルな恋愛。
小説でも映画でもドラマでもない、友達の一線を越えた恋愛を一度は見てみたいと明己仁はずっと思っていた。
そのために、自分が勤めている中学校に水泳部を創部したとは、土浦拓也たちを始めとする水泳部員たちは思っていもいないだろう。
明己仁にとって、部活、裸、競パンは若い男の恋愛に欠かせない要素であった。


病院から出た明己仁は、先ほど出会った少年のことで頭がいっぱいであった。
名前は聞いてはいないが、写真に写っていた体操服の名札を明己仁は見逃してはいなかった。
少年、つまり先ほど出会った足を怪我している者の名前は『佐野和弘』。
そしてもう一人、佐野和弘と一緒に写っていた者の名前は『村上勇介』。

明己仁が和弘に小説を貸したことには理由があった。
先ほど和弘に渡した小説は、明己仁が入院中に呼んでいた同性愛小説の主人公であり、
『ゆうすけ』という中学一年生が、同じ部活の先輩に恋をしてしまう物語である。

明己仁が思うに、和弘は勇介のことを想っていながらも、友達関係を超えるアプローチはしていない。
だからこそ、和弘が小説の中の『ゆうすけ』を実在する『村上勇介』を重ね合わせ、
このままでは自分の大切な人が誰かに奪われてしまう、その前にアプローチをしないと、と思うことを望んでいた。
和弘が小説を読むことで『何か』が起こることを信じて。

(あの『超奥手男』の恋愛は期待できそうにないからなあ………。今度こそ男同士の恋愛が見られるといいなあ)

明己仁の願いが叶うかどうかは、まだ誰にも分からない。



分かりずらい話になっている気がするので、
何か意見や質問があったら遠慮なく書いてください。
(そもそも質問を受け付ないと分からない小説を書いてしまう自分が恥ずかしい…)

28ポロ:2011/04/18(月) 17:55:41
>>24 黄色い夜空さん
コメントありがとうございます。
私は黄色い夜空さんの文章が子供っぽいとは思いません。
書き方は人それぞれだと思いますよ。

神谷先生はメガネをかけていませんね。
主要キャラでメガネをかけているのは神山龍だけです。

29名無しさん:2011/04/18(月) 18:25:17
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30名無しさん:2011/04/19(火) 22:07:06
このサイトPSPから見れなくて
windowsCEで見れるのはPSPの設定がおかしいのですか?
なんかDNSエラーとか出てきて開けません
他のしたらばは見れるのに・・・

31名無しさん:2011/05/08(日) 20:31:52
もう書かないの?

32名無しさん:2011/05/13(金) 14:11:55
続き希望

33Y:2011/05/20(金) 07:49:12
お久しぶりです。
長い間顔を出せなかったのですが、お元気でしょうか…?

34saorin:2011/09/02(金) 03:07:37
世の中には簡単で儲かる仕事があるもんだ(#^^)b☆ ttp://tinyurl.k2i.me/Afjh

35saorin:2011/09/04(日) 05:43:51
不景気だと騒がれていますが・・・(;・ω・)。 ttp://tinyurl.k2i.me/Xxso

36誰か〜:2011/09/04(日) 23:25:43
誰か新しいの書いてください
ポロさん、黄色い夜空さんとかメッチャよかったです


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