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小さい水泳部キャプテン-後編-

25ポロ:2011/04/18(月) 17:50:30
『写真Ⅲ』


写真を返した後も明己仁は少年の隣に座っていた。
怪しまれない程度にこの少年のことをもう少し知りたい。
そんな明己仁の思いが、彼をまだ屋上に残していた。

「君は何年生?」
「…どうしてそんなこと、あなたに言わなければならないんですか?」

先ほど少年が答えた「それは…俺の友達です」という返事に明己仁は疑問があった。
確かに答えとしては変ではない。
しかし、本人は気付いてはいないだろうが、「俺の友達です」と言うのに普通、頬を赤く染めるだろうか。
この少年はもしかして、いや、間違いないと明己仁は思っていた。


「まあ、今時の若者は初対面の相手にほいほい自分のことを言わないからなあ」
「…そうですね」
「でもな、俺は違うぞ」

そう言うと明己仁は足元に置いてある紙袋から一冊の本を取り出した。
ブックカバーがしてあるその本から紙製のしおりを取り出し、
ポケットに入っていたボールペンでそのしおりに何かを書き出した。
その様子を少年は不思議そうに見る。

「…何しているんですか?」
「俺の連絡先を書いているんだ」
「え?」

少年が驚いている間に、明己仁は自分の連絡先を書いたしおりを本に挟んで少年に差し出した。


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