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令和ジャンプキャラ・バトルロワイアル

1名無しさん:2021/12/20(月) 22:00:18 ID:wGipOzKA0
令和(2019年24号〜)に週刊少年ジャンプにて連載された作品のキャラクターでバトルロワイアルやろうぜ!って企画です。
SSによる匿名リレー方式です。ただし議論など円滑に行うため、投下する際にはトリップ必須とします。

【作品・キャラクター選出について】
基本的に投票による選出を予定しています。
規模としては10〜12作品、作品数×5人前後(50〜60人)を考えています。
詳しくは>>2を参照ください。

【まとめウィキ・避難所】
ウィキ:ttps://w.atwiki.jp/rwjbr/
したらば:ttps://jbbs.shitaraba.net/otaku/18370/


開始前議論の叩き台が以下のものになります。

>>2
作品・キャラクター投票について

>>3
参加作品候補について

>>4
基本ルール・能力制限などについて

>>5
今後の流れについて

54開(フーガ) ◆Il3y9e1bmo:2021/12/31(金) 15:31:13 ID:VM3Tmans0
派手な黄色で彩られた小部屋。
四隅には悪趣味な赤いカーテンが垂れ、家具の類は一切置かれていない。
照明もないのにどこからともなく光が差し込み、異様に眩しい。

緑がかった癖毛にソバカスの少年は、そんな部屋で目を覚ました。
少年の名は緑谷出久。雄英高校ヒーロー科1年に在籍するヒーローのたまごである。
彼はゆっくりと起き上がるとおぼろげな記憶を辿り、現在の状況を把握しようとした。

(たしかA組のみんなと雄英に帰ってきて、お風呂入った後にそのままソファーで寝ちゃったんだっけ……?)

しかし周囲を見回しても、小部屋にいるのは自分一人だけである。
すると出久は、妙なことに気づいた。

「この部屋、扉が無いぞ!?」

そう、檸檬色に塗られた壁のどこにもドアノブはおろか、隙間すら存在しないのである。
しかも、連絡を取ろうとポケットを探したが、どこにもスマホが入っていない。

出久の心をあっという間に困惑と不安が満たしていく。
部屋には気味が悪いほどの静寂が広がり、聞こえるのは激しく早鐘を打つ自身の心音だけだった。

しかし、しばらく続いたその静寂は、あっけないほど簡単に破られた。

「やあ、おはよう。みんな、目は覚めてるかい?」

どこか人を食ったような声だ、というのが第一印象だった。
その声は、我が子を諭すように、理解の及ばぬ者を小馬鹿にするように、そして、どこか愉悦を抑えきれぬように語り続ける。

「まずは自己紹介をしておこうかな。私の名は……まあ、『術師A』とでも呼んでくれ。
 突然だが、これから君たちには殺し合いをしてもらう。最後の1人になるまでのバトルロワイアルだ」

姿を見せない何者かの声だけが部屋に響き渡る中、出久はあまりにも現実感のない状況に自らの頬を抓った。

「参加者(プレイヤー)は全員で61名。最後まで生き残った1人には、何でも願いを叶えてあげよう。
 そして、これから数分後に君たちは実際に殺し合いの場に降り立つことになるわけだが、そうだな……。
 先にルールの説明をしておこうか。このバトルロワイヤルには3つの禁則事項が存在する」

出久が頬の痛みに悶える中、プロジェクター投影の要領だろうか。壁に下記の文言が浮き出る。


<禁則事項>
1、首輪を無理に取り外そうとする。
2、禁止エリア内に侵入する。
3、24時間死者が一人も出ない。


「これらの禁則事項を破った場合には……」

ぱちん、と指を鳴らすような音が聞こえると、部屋の四方を囲んでいた壁の一面が突如として剥がれ落ちたではないか。
剥がれた壁の向こうには、けばけばしい小部屋とは一転してモヤのようなものが立ち込める薄暗い空間がどこまでも広がっていた。

この部屋から出て暗闇の中に足を踏み出せば、脱出の手がかりがつかめるだろうか。
出久が逡巡していると、モヤの奥から一人の男が姿を現した。
袈裟を着た、頭に大きな傷跡のある長髪の男だ。
出久は、なぜかその男が今までこちらに語りかけていた『術師A』と同一人物であると確信できた。

男がモヤの奥に目をやると、手押し車が転がる時のような音とともに大きな影がこちらに近づいてくる。
よく見ると、下部に車輪のついた巨大なガラス製の箱のようだった。どうやらその中には人が入っているらしい。

55開(フーガ) ◆Il3y9e1bmo:2021/12/31(金) 15:31:44 ID:VM3Tmans0

ガラス製の箱が近づいて来て、中の人物をはっきりと認めた出久は、途端に目を見開き、悲鳴とも嗚咽ともつかない声をあげた。

「そんな……! 嘘でしょ、オールマイト……!!」

箱の中には、ヒーロースーツがところどころ破け、息も絶え絶えな出久の師――オールマイトが、あの象徴たる笑顔を浮かべながら立っていた。

「この男には、君たちにこれから支給するものと同じタイプの『首輪』を取り付けた」

オールマイトのものとは真逆の性質の邪悪な笑顔を浮かべ、袈裟を着た男は平和の象徴を指差した。
首元には確かに金属製の首輪のようなものが取り付けられている。

「それじゃ、今から見せしめとして君の首輪を起動したいんだけど、何か言い残すことはあるかい?」

OFAによって受け継いだ個性『危機感知』が壊れた警笛のように頭の中で鳴り響き、出久は必死で部屋から出ようともがく。
だが、部屋と外の間には、目には見えない強靭な仕切りのようなものがあり、いくら蹴ったり叩いたりしてもびくともしない。

「少年、すまなかった。一番最初に出会った頃に、平和の象徴は決して悪に屈してはならない、って言ったよな。
 そんな私がこんな醜態を晒すとは……。だが、また性懲りもなく言わせてほしい。君は、ヒーローになれる――――」

その言葉を最後に、オールマイトの頭が爆ぜた。仕切り越しにも分かる、爆音と爆風。そして、飛び散る脳漿。
今は亡きナチュラルボーンヒーローの首からは、血飛沫が噴水のように吹き出していた。

「ま、禁則事項を破るとこんな感じで頭が爆発する。もちろん、不死身だろうがなんだろうが爆発したら例外なく死ぬよ。
 あと、6時間ごとに死亡人数と生存人数、死亡者の名前の発表や禁止エリア等を知らせる放送を会場全体にかけるから聞き逃さないようにね」

目の前で人が死んだにも関わらず、何事もなかったかのようにスラスラと説明を続ける『術師A』。

「最後に、支給品について説明しておこう。水や食料、地図のほかにランダムなアイテムを数個、デイパックに入れて支給する。
 これらを上手く使って殺し合いを有利に進めてほしい。それでは、健闘を祈っているよ。……おやすみ」

『術師A』は踵を返すと再びモヤの中へと姿を消した。
しばらくして催眠ガスが室内に散布されたのか、はたまた精神の糸が切れてしまったのか。
平和の象徴の遺志を継いだ少年は、獣のような唸り声を上げながら意識を失った。


【令和ジャンプキャラ・バトルロワイアル 開始】

56 ◆Il3y9e1bmo:2021/12/31(金) 15:32:32 ID:VM3Tmans0
以上で投下終了です。
投票形式のロワは初めてなのでかなり不安ですが、お手柔らかによろしくお願いします。

57 ◆s5tC4j7VZY:2021/12/31(金) 17:24:17 ID:W2NkySG60
OP投下お疲れ様です!
オールマイトが見せしめとされたのはとてもインパクトがあり、読んでいて「オールマイトが……!!」と声をこぼしました。
そして袈裟を着た主催の術師A!!
あえて参加者達に名を名乗らないことで得体のしれない不気味さが伝わりました。
最後の緑谷の「獣のような唸り声を上げながら意識を失った。」にこれがロワの無常さだなと改めて思い知らされました。

私も令和ジャンプロワの盛り上がりになれたらと思い現在、OPを書いている最中です。
年明けになると思いますが、完成したら投下いたします。

OPの期限ですが、私も1月5日で良いのではと思っています。

58 ◆s5tC4j7VZY:2021/12/31(金) 19:28:54 ID:W2NkySG60
マキマさんの制限についてですが、とりあえず私の案としてまとめてみました。

能力の制限
①呪殺(遠方からの圧死)※特に制限するべき能力 27話で披露
原作では神社にて生贄である終身刑以上である犯罪者に目隠しをさせた状況で殺す相手の名前を復唱させた後にマキマが両手を合わせると、復唱させた相手を遠方から次々と圧死させた。(なお復唱した生贄も死亡)
本ロワでは一回のみかつ条件が揃えば発動可能とする
①特定の場所(UbXiS6g9Mcさんの地図が会場となった場合は”諏訪大社”)
②生贄 ③生贄に対象の名前を復唱させる+マキマが会場内で一度直接接触した経験がある参加者 ④両手を合わせる
本ロワでは↓
原作でも必中の殺す能力なので、使うとするならば一回のみか禁止技とするのが良いのではと個人的に思います。
また、本来は名前を復唱させるのみで発動していますが支給品に名簿があるため、縛りとしてマキマさんが直接出会っていることを条件に加えてみました。

②不死の秘密※制限した方が良い能力 84話で判明
総理大臣との契約で自身への攻撃は日本国民へ移る。
本ロワでは↓
UbXiS6g9Mcさんの提案にあったオーバーキルか残機制(数は3機ぐらいですかね)とする。

③支配する能力※制限したほうがいい能力 
支配されたものは記憶を失いマキマの命令に絶対服従。
また、契約悪魔の力を操る(複数同時も可能)ことが可能。
本ロワでは↓
対象参加者が精神的疲労(大)やマキマに屈服したなどといった特定の状態表のときでないと支配することはできない。また同時に支配できるのは最大2人まで。
マキマさんの強さは”ほぼ不死の状態と支配した悪魔の能力を同時に使用することができる”のが強さの元であると個人的に考えているため、1人ではなく2人ならいい塩梅なのではと……

④指鉄砲(81話等)
通称 パン
本ロワでは威力低下
「ばん」という掛け声を発すると指先から衝撃波を放ち射線上にある物体を丸く抉り取る。
大きさもコントロール可能で、掌に風穴を開ける程度の大きさから悪魔であるパワーの胴体を丸ごと消し飛ばすまで自由自在。
作中でのマキマの唯一といってもいい攻撃方法なので、威力の低下でどうでしょうか

⑤ネズミや鳥といった下等生物の耳を借りる
本ロワでは単独行動可能な意思を持った存在を支給することは禁止の方向となっておるので特に制限は無し。
それに伴い、52話でレゼの前に現れた瞬間移動(ネズミの中から登場)めいた行動は不可。

⑥寿命武器
支配した天使の悪魔の能力
本ロワでは使用不可
作中では、上記の不死を活用して1000分の寿命を惜しげもなく使用していましたが、会場内に天使の悪魔がいないため、使用不可でよいのでは……

⑦物事を掌握する能力
支配する能力の派生でこの世から消されてしまった存在をしばらくの間覚えていることができる。
いわゆる歴史修正に対する耐性ですが、特に本ロワでは意味はなさそうなのでそのまま。

皆様の考えよろしくお願いします。

59名無しさん:2022/01/01(土) 05:12:29 ID:zGHBrHOU0
マキマの不死は初期は0で参加者(基本は支配した相手になりそう)と個別に契約して(させて)残機扱いにするとか思い付いた
これなら契約って設定遵守出来るし復活=手駒を失う事になるんでバランスも取れてそうかなと

60名無しさん:2022/01/01(土) 07:54:45 ID:LY4d3/F60
一番縛る必要がありそうな呪殺は京都組の罰の悪魔の能力を使った説があるので
これを設定として採用するなら罰の悪魔がいない会場では使用不可にしてもいいと思います

謎な技もありますがマキマの戦法は基本、他者支配&支配した相手との契約で力を使う、が肝だと思うので
会場内で支配した相手の力メインで戦わせたほうがクロスとして面白くなるのかなとは

61 ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:13:28 ID:W2NkySG60
明けましておめでとうございます。
モニター越しとなりますが、本年もよろしくお願いします。

マキマさんの皆さんの考えありがとうございます。
そうした説があるのならば呪殺は使用不可でもよいのではと私も思います。

OPを投下させていただきます。

62友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:14:26 ID:W2NkySG60
友情 努力 勝利
――――――週刊少年ジャンプ

63友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:15:07 ID:W2NkySG60
「倉石…! おまえを殺したやつらの陰謀はこのおれが きっと あばいてやるぜ!!」
「ああドブスン。この世に頭のハゲた天使がいるとしたらな」
「あ…悪魔にだって友情はあるんだーっ」
「死なせはせん…おまえはオレにとって弟だ!!」
「…しばらくの間地獄はさびしいかもしれんが すぐににぎやかにしてやるよ……槇村……!!」
「へっ、へへ……そんじゃそこらの橋よりがんじょうだぜ」
「今オレたちの生命を!!オレたちの小宇宙を!!ひとつに結集してハーデスを討つ時が来たんだ!」
「そのうちてめぇん家見つけ出してピンポンダッシュしてやらぁ」
「ムカつくまんま暴れるだけなら奴らと変わんねーぜ キタネェ奴らにも筋通して勝つからかっこいいんじゃねーか? 大将」
『俺を待っている馬… それがくり子への恩返し…』
「ほれた!腹の底からほれたぞ!!」
「それでいいのかよ!負けっぱなしでいいのかよ!! ミドリマキバオ―――!!!
「誰がつの丸(チンピラ)やねん!!」
「もう俺とおまえの殷は無くなっちまったんだ… もうねぇんだよ…」
「いやぁ――― ゴメン ゴメン もれちゃったさ―――――――!!!」
「キルアじゃなきゃだめなんだ」
「居場所がねぇならオレが居場所になってやる オレがシャーマンになったらお前がオレの持霊だせ」
『この三日後 俺達はコンビを結成する』
「一護が命をかけてるんだ 充分だ 俺が命をかけるのに それ以上の理由は必要ない」
「ただなぁ!一方的にいたぶってるアンタら 刀魔とやってる事変わんねーよ!! 生温い方信じてみたくなったんだ!!悪いか!!」
「友達が脱糞した時は あなたも脱糞しなさい新ちゃん」
「……いじわる… そんなの無理だもん…!」
「お前の強さは… ……。 お前は そんなもんなくても強えだろ」
「一人で勝ってもイミなんかないだろ 「キセキの世代」を倒すって言ったのに 彼らと同じ考えでどうするんだ」
「誰にも守られたことねー奴なんていねーだろ そーやって助け合ってくのが人間っつー奴だぜ」
「早く稼ぎ(あそび)に行くよ!」
「どっちが魔法帝になるか 勝負だ――――!!!」
「…おはようございます! コガラシさん!!」
「人の地元をッ 笑うなァァァ―――――!!!」
「ゆったじゃんか? なんでやらすのこんなこと? こういったノリ ニガテって私ずっと言ってるじゃんか?」
「オルフェと呼んでくれ 相棒」
「残りおよそ1時間 改めて手錠を狩りに出る 泥棒達の逆襲開始だ」

その世界には友情が確かにあった。

☆彡 ☆彡 ☆彡

64友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:15:43 ID:W2NkySG60
「これだ!!この色この輝き!これこそ本物だ!」
「根性だァ!!これがこの試合最後の顔面ブロックだァ」
『理乃ちゃんだけは絶対渡さんからな――― 悠矢なんかに負けてたまるか―――』
「入った……!」
『ひとつ 人知れず ふたつ 踏みしめ歩く みっつ 道の名は よっつ 世は知らぬ影の道 いつか花咲く 努力道 むっつ むなしさに ななつ 涙流しても やっつ やめるか ここのつ この手につかむまで 遠く輝く 努力道』
「努力が報われる時のよろこび 今度こそ味合わせてやる!」
「自分を信じない奴なんかに 努力する価値はない!!!」
「戻るさ 本物の栗見由奈を見つけ出してな きっとどこかで無事でいるさ 俺が何とか捜し出してみせる 理奈ちゃんのために」
「0.1秒縮めんのに 一年かかったぜ…!!」
「どんなに望みが薄くたって 何も確かなことが無くったって 僕は絶ッ対諦めない」
「だから手を抜いちゃいけないんだ より良いものにするため人生も漫画も同じ自分ならやれるってうぬぼれや運も必要だけど1番大切なのは……努力」
『並々ならぬ努力家か… きっと人にペラペラ話せる程度の努力など 努力の内に入らんのだろうな…』
「とりあえずいちごの真中ぐらいもてたいんでよろしく!!」
「俺…帰ってきたら 柊に話したいことがある 今は言えないんだけど すごく大事な事なんだ」
『まただ… また嫌われた もう慣れてるいつもの事だ 涙も出ない 当たり前だ僕には意志も必死になる理由もないから ただふらりと立ち寄って 偶然見て ちょっと夢見ただけ そんな事ありえないのに あんな風にうごけたらきっと気持ちいだろうって』
「僕は――― ヒーローになる!!!!」
「らっくんが…髪ば長い女の子らしか子が好き言いよるけん… 髪伸ばして 言葉遣いも直して… 頑張って変わりよったばい…!! やとに…!! らっくんは…!! 全部忘れたですませよるきか―――!!!」
「ところで平凡な俺よ 下を向いている暇はあるのか」
「今振り返ったら計祐のこと 一生軽蔑する!!!」
「殺すよ 殺す気じゃなきゃあの先生とは付き合えない」
「”虹の音”を目指してます」
「急に開けんなや 母上様(クソババア)」
「魔法はあなたの掌の中に」
「誰が相手だろうと一歩も引く気はねぇよ 相撲の神様? んなもんワシがぶん投げてやるわ!」
「次は絶対…!もっと上手くなろう…! 頑張って!頑張って!頑張れば…! 昔からやっている人達にもきっと追いつけると思うから…!」
「知らねぇよ… でも諦める方がずっと苦しいんだよ…!!」
「如是我聞一時仏在舎衛国祇樹給孤独園」
「あの人(桜さん)の夢を叶える為―――… 竜王になった私に 紅葉を挑戦させてみるよ」
「羽賀十三が 天童太星に勝ったっちゅー棋譜を残すためやから☆」
「救いたい魔女が目の前にいるのに目を背けたら この旅を始めた意味ないじゃない」
「私は犯罪そのものを推奨しているわけではありません 犯罪を犯す理由が犯罪者にはある そこに在る哀しい感情を私は肯定してあげたいんです」
「私決めた!!もう一度ここにクーロンズを取り戻してあげる!!」
「今は2人に全然敵わないけど 追う方が頑張れるタイプなので」
「俺は頑張るよ一生 歓喜(よろこび)のために」

その世界には努力が確かにあった。

☆彡 ☆彡 ☆彡

65友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:16:21 ID:W2NkySG60
「ヒートショック!」
「死ぬ前にせめてこれから生きる若者たちのために道しるべをつけてやるのが老兵の使命よ!」
「またな!」
「てめーはおれを怒らせた」
「少年マンガのコードを死守しつつ「勝利」女の命を救う為最善の「努力」敵の閉じた心を開き「友情」を育む 完璧だ!!!」
「駄駄ってんじゃねーよ!!」
「臆病で弱っちい… ただの人間さ…!!」
「男ならサシでやりな!! 男ならな…!!」
「無論 死ぬまで」
「受け取れ理都 指輪のかわりだ」
『術式 開始』
「いいか………この程度の雨なら 濡れるのも風情だ」
「WOW!!トムの勝ちデース!」
「ポンコツ野郎はオマエだろ」
「…いいや 俺は悪役(ヒール)さ ヒャハハハ… ヒャーッハ ハッハァ―――ッ!!!」
「千年」
「我々は単体ではなく群れで生きるもの 重要なの群れの生き死にだ 多少の犠牲を払ったところで女王・卵…そして巣を守れば それは勝利なのだ」
「フーン 俺20ゲームはいけるけど」
「金だ――――――!!!!!」
「リュウイチ殿を 守り抜くと!!!」
「行こう 鬼退治の旅立ちだ」
「好きだあああっ西野つかさちゃん!! お…っ俺とつきあってくださ…っっっ」
「粋じゃねぇにも 程があらぁっ!」
「オレはまがったことが大嫌いなんだよ!」
「オレの目的は世界征服だ!!!」
「やっぱり風天組は英雄(ヒーロー)だったんㇲ!! 普段のは世を忍ぶ仮の姿だったんㇲ!!」
「計画通り」
「靴を舐めろ その全身で」
「謝りに行こう…ティエンや…機道で死んだ人達に 私も一緒に謝るから… なぁ 父上」
「スマートにいこうぜ」
「何が嫌いかより 何が好きかで語れよ!!!」
『W螺煌斬』!!!!
「読書の邪魔した罪は重い」
「俺は 男にみとれる趣味はない」
「さぁ共に信長様の下へ参ろうか秀吉」
「俺の答えは融通のきかねぇてめぇの石頭だ」
「御粗末」
「愛と勇気は標準装備だろうよ」
「居るじゃねーか今」
「あ…また動揺して力を――― 0.2%も出しちゃった…」
「いや! いいよいいよやらなくて! キミのおちんちんなんか見たくないもん!」
「無敵なんで自分 かかってこいよ」
「まったく好きになれませんね 美学を持ち合わせない人は」
「何度踏みつけられ奪われても私たちは立ち上がる。人間は弱くない!」
「おぼえてるぜ キミのこと… 拳でつけた百の刻印の一つだ」
「千手… 言ったはずだ 僕は… 霊媒師だと!!!!」
「俺流!!かぁぁぁめぇぇぇはぁぁぁめぇぇぇ波あ!!」

その世界には勝利が確かにあった。

そして……

66友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:16:55 ID:W2NkySG60
☆彡 ☆彡 ☆彡

12の世界から 友情 努力 勝利が 奪われた

☆彡 ☆彡 ☆彡

67友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:17:34 ID:W2NkySG60
「ん……ここは?」
無機質な部屋の床から伝わる肌寒さに眼を覚ます一人の少女。
少女の名は宮薙流々。
とある海辺の田舎町に住む中学生。

「たしか、学校帰りにスーパーに寄っていたはずだよね?」
目覚めたての赤ん坊のように口を大きく開け、目をこすりながら記憶の扉を開く。
そう、冷蔵庫の備蓄が尽きかけてきているため、学校帰りにスーパーへ寄っていた。そこまでは鮮明に覚えているのだが、必要な食材をかごに入れてレジへ歩いている最中から記憶がない。
まさか、店内で眠りこけたのかと焦るが、レジはおろか品物の棚も見当たらない。
周りを見ると、スーツや学生服を纏う男女だけでなく、5mを超す大男やマンガのキャラのコスプレなのかそれともハロウィンの仮装なのかといった人物まで見受けられる。
エプロンを付けたお店の店員さんらしき人もいるにはいたが、やはり少なくとも、地元のスーパーの店内でないということだけは確実だ。

「マグちゃんはいないのかな……」
不安の気持ちに包まれる。
まるで、もう二度といつもの日常へ戻ることができなくなるのではないかと本能が警鐘を鳴らしているからだ。
そして、それは……最悪の形で的中する。

「ようやく目を覚ましよったか……」

頭上から声が聞こえ、振り向く。
すると、そこには檀上に一人の着物を着た少女らしき人が立っていた。
スポットライトが照らされ、身に纏う漆黒の着物が深淵を映し出すかのように見える。
だが、着物の黒よりも目に恐怖を怯える。
まるで、あたしを含めた全員を下賤と蔑んでいる目に。

「ここの場所は、わしの母上が特別にこしらえた間。意識を取り戻したのならさっさと、えりを正すがよい」

少女の物言いにざわざわと声が反響する。
無理もない。意識を取り戻したら突如、訳も分からず見知らぬ場所にいるのだから。
そして、開口一番がその言葉。
少女へ抗議を訴えようとする者。
周囲の出方を様子見する者。
自らの身体に装着されている物に気づき、おとなしくしている者。
そして、中には殺気を纏う者もいる。
しかし、少女はそれらの視線はどこ吹く風。

「それでは自己紹介をしておこう。……わしの名はニノ前御前。偉大なる母”夜桜つぼみ”の子にして夜桜2代目当主じゃ」
そう、少女は厳かに名乗る。

「さっそくじゃが、お主らに命令を下す」
その立ち振る舞いに口調は天上天下唯我独尊。
上に立つ者だと威光を放つ。

「これより、殺し合いをしてもらう」

☆彡 ☆彡 ☆彡

68友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:20:56 ID:W2NkySG60
「……」

ニノ前御前の宣言は部屋に立ち籠る空気を一瞬に殺した。
”殺し合い”その言葉は強烈過ぎる。

「えっと……これって何?……冗談だよね?」
現実味が帯びない。
それもそうだ、あたしの特技と言ったら”潮干狩り”に”釣り”。
当然、人を殺すような技術も経験もない。
そんな自分が殺し合うなんて冗談としか思えないのだ。
でも、ドッキリと書かれた看板は一向に現れない。

「それでは、ルール説明に……「火拳!!!」」
突如、一人の男が炎の腕を放出する。
それは、殺し合いに対する明確なNOを突きつける攻撃の証。

「空風」
突然の横やり。それも自身に向けられている攻撃。
そんな状況でもニノ前御前は涼しげな顔で人体を燃やし尽くすほどの巨大な炎を合気を駆使した空気の圧でいなす。
いなされた炎は会場の壁に当たるとその威力を証明するがごとく業火に燃やす。
その炎の威力に感心する者や表情を変えぬ者の姿が見えた。

「やるじゃねぇか……だけどな。蛍火!!!」
己の異名である炎拳をいなされたが、即座に次の攻撃の構えに移す。
ポポポと男の両の掌から小さな炎の粒が多数出現する。
そして、粒はニノ前御前を取り逃がすものかと多い囲む。

「綺麗……」
あたしはその技名に恥じない綺麗な翠色に見惚れる。
だけど、掌から炎を出すなんて、明らかに普通じゃない。

(もしかして、イズマくんのお友達なのかな?)
あたしの脳裏に浮かぶのはイズマ=キサラギくん
邪神達を封印した聖騎士団の末裔で世界観がガチな人。
そうこう考えているうちに事態はあたしが想像していた展開とは大きくズレていく。

「今すぐ、この場に集められている者を開放しな。でなきゃ、その身体、一瞬で火達磨になるぜ?……いっておくが、俺はマジだ」
男はこの場に集められた者全てを解放するよう睨みつけながら要求する。
男の名はエース。
白ひげ海賊団2番隊隊長にして海賊王ゴール・D・ロジャーの息子。

自由を追い求め海へ出て海賊となったエースが他人により強制される殺し合いに”はいそうですか”と素直に従うはずがないのだ。

「ふ、ふふ……」
「何がおかしい」
絶体絶命の状況のはずだが、やはり余裕を見せる。
そんなニノ前御前から目を離さず、直ぐに攻撃へ移れるように警戒を怠らない。

「いや、本当にお主はわしの思惑通りに動く駒だなと。本来なら頂上戦争で助かるはずった命を安い挑発に反応したために死んだのなら当然じゃが」
フッと見下す目でエースを貫く。

『エースを開放して即退散とは とんだ腰抜けの集まりじゃのう白ひげ海賊団 船長が船長…それも仕方ねぇか………!! 白ひげは所詮…先の時代の”敗北者”じゃけぇ』

エースの脳裏に浮かぶのは赤犬の言葉。

『人間は正しくなけりゃあ生きる価値なし!!! お前ら海賊に生き場所はいらん!!!』

何度聞いても絶対に否定する言葉だ。

『”白ひげ”は敗北者として死ぬ!!! ゴミ山の大将にゃあ誂え向きじゃろうが』

「そうじゃろう?敗北者白ひげの息子気取りの海賊よ」

69友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:22:32 ID:W2NkySG60
「ッテメェ!!!火達「クン」」

ズン……!!

「がぁあ!?」
見えぬ空気の圧によりエースは首を下に向け跪く。
そして蛍火もその強烈な圧により消失していた。
ただ、指先を下へ向けただけ。
だが、その行動だけでエースは制圧されてしまった。

「ぐ……がぁ……ああ!!」
必死に抗おうと試みるが、肉体一つ動かすことはできず、ミシミシミシと床が軋む音が止まらない。

(ち……ちくしょう……)
抵抗することが出来ず、悔しさを抱くエース。
すると、エースの脳裏に声が聞こえてきた。

『グララララ………まだ立つか… 今死ぬには惜しいな小僧』

(オヤジ……!!!)

『まだ暴れたきゃこの海でおれの名を背負って好きなだけ暴れてみろ……!!!

『おれの息子になれ』

(ありがとよ……オヤジ)
強大な圧に押しつぶされるのを耐えきる。

『おれの愛する息子は 無事なんだろうな………!!!』
オヤジと慕う白ひげの言葉がエースを奮い立たせる。

(正直、死んだオレがどうしてこの場にいるかは分からねぇ……だが、一つ分かるのは兄貴として弟を守ることだ!)
カッと目を開く。
なんとかこの圧を吹き飛ばして反撃開始だ!と意気込む。
しかし次の一手はニノ前御前の言葉で塞がれる。

「ところで、どうして死んだはずの自分が生きていることに疑問を抱かぬのだ?そして首元の首輪の存在に警戒しないのだ?」
「な、何だと……!?」
エースは首に嵌められた首輪に気づく。
だが、それは時遅し。
死神の鎌を代用するかのごとく音が鳴りだす。

―――ピピピピピ

無機質なエースの首輪から流れる無機質な機械音。
それは、会場全体に反響する程の音。
耳から脳へ伝わる不快……いや呪いか。

「エース!!!」

麦わら帽子を被る青年が近寄ろうとする。
今度こそ守るために。
兄と慕う存在を再び失うことだけは防ぐために。
しかし、その歩みは止められる。
足元に無数の火の弾丸が着弾したからだ。
そして、その弾丸の出先はなんとか、指先だけでも動かすことができた救おうとしたエースからだった。

「来るな!!ルフィ〜〜〜〜〜!!!」
弟を危険な目に合わせたくない兄の魂の叫び。
指先から火の弾を弾丸のように発射して弟を守ったのだ。

―――――ボォン!

その叫びと同時にエースの首輪が爆発すると、首と胴が離れた死体と化す。

【エース@ONE PIECE 死亡】

70友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:23:37 ID:W2NkySG60
「兄弟の絆というやつか?……くだらん」
事切れたエースを侮辱する言葉。
麦わら帽子の青年は膝から崩れ落ちて微動だにしない。
ぐるぐるまゆげの金髪の男の人が必死に呼びかけているが、放心しているのだろうか反応を見せない。

一部の人はその様子に同情の視線を麦わらさんに向けているが、多くの周囲の人達は微動だにせず、ニノ前御前から視線を外さない。

「……と、まぁお主らの首に繋がれた畜生の証はあらゆる者に死を与える。先の敗北者のような悪魔の実の能力者であろうが、否定者であろうが、個性を持つ者であろうが、鬼・悪魔・呪霊といった人ならざる者に混沌の邪神でも……じゃ」
ニノ前御前の兆発ともいえる対象者の参加者は一人ひとり様々な感情を抱いておるだろう。

「さて、それではルールの説明を行う」

エースにより中断された殺し合いのルール説明が再開される。
もう、それを邪魔する行動をとる者はいない。
首輪があるということがどういうことか理解したからだ。

「この後、お主らを殺し合いを行う島へ転送する。殺し合う期間は3日間。参加人数は61人。3日目の24時に優勝者が決まらなければ、その時点で生き残っている者全員の首輪を爆破して終了となる。なお定時報告を6時間ごとに流す。状況に応じて立場を変えるのも良しということじゃ」
クククと小さな笑みをこぼす。

「そして、広い島なため定時報告の際に禁止エリアを順次設ける。当然だが禁止エリアに留まるもしくは侵入した者は首輪で死ぬので夢忘れぬように。そしてデイパックを支給してやろう。中には食料や名簿。それに加えて武器等といったランダム支給品が1〜2個入っている。運も実力のうち……精々当たりが入っていることを祈っておくがよい」
説明は続く。

「なお、少しでも公平を期すために一部の参加者には能力等の制限をかけてある。本来なら到底敵うはずがない弱者でも強者に勝てる可能性は十分にあると言う訳じゃ。わしの優しさに感謝せよ」
今の言葉に”余計なことを……!”と怨嗟の顔を見せる者もいる。
フッフッフッと妙な口癖の声やウロロロロと苛立つ唸り声らしきのも聞こえた。

「そして、見事殺し合いを勝ち抜き優勝した者には元の世界へ戻すだけでは余りにも不憫。よって”あらゆる願いを一つ”叶えてやろう」
あやゆる願い。
まるで七つの球から出現する龍がいいそうな言葉。
だけど、多くの人はその言葉に喜びといった反応を見せない。むしろそれに懐疑的だ。
無理もない。あたしだってそうだ。

「ふふ、その顔は信じておらぬといった様子じゃな。しかし、それは想定の範囲内じゃ。見ておれ」
ごそごそと着物の袖から下部が尖っている玉を取り出す

「死返玉」
言葉と共に死んだエースの身体が光ると驚愕な出来事が起きた。
それは、死んだはずのエースが蘇ったのだ。

【エース@ONE PIECE 蘇生】

71友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:24:09 ID:W2NkySG60
死者の復活という奇跡にニノ前御前を除いた参加者全員の顔色が変わる。
死者が蘇ったことに安堵する者。
本当に蘇ったのかと訝る者。
死者を想起する者。
あらゆる願いを叶えるのが本当なのかと驚愕する者。

(あの人生き返ったんだ!よかった……)
あたしはのん気なことを心の中にで言っていた。
けど、やっぱりそのあたしののん気な考えはニノ前御前の手で吹き飛ばされる。

「一体……俺は?」
唖然とした表情で身体を眺めている。
先ほど2度目の死を迎えたはずが、また生を得た。

「蘇ったところ悪いが、お主の役割は終えた。再び黄泉へ帰れ」
ピト……エースの胸に手を置く。

「木枯らし」
「がぁ!?あああ!!!???」
強烈な合気で作られた空気の圧がエースの身体を破壊する。
ブチブチブチィィィと耳をふさぎたくなる音が鳴り響く。

哀れエースは八つに引き裂かれて沈黙となった。

【エース@ONE PIECE 死亡】

72友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:24:40 ID:W2NkySG60
エースは元の世界での死を含めると三度死んだ。
そして、彼らの手で蘇ることはもうないだろう。
なぜなら、ここでのエースの役割は無事に終わったのだから。

「見たであろう。このようにわしらは”死者蘇生”をも可能とすることができる。……もう一度言う。この殺し合いの優勝者には”あらゆる願い”を一つ叶えると約束しよう」
言葉と同時にニノ前御前の傍に顔上半身が賽子のいでだちをする怪物が出現した。

「ムーブよ、奴らを島へ送るのだ」
「ああ……」

空間にヒビが入ると一人、また一人と次々と殺し合う部隊の島へ送られる参加者達。
これから始まる殺し合いに喜びを見せる者。
”願い”に心揺らぐ者
立ち振る舞いをどうするか思考する者。
ニノ前御前を睨みつける者。

「マグちゃん……」
これから始まる殺し合いに身体を震わせながらあたしも送られた。

そして……転送はつつがなく完了を迎えた。

☆彡 ☆彡 ☆彡

静寂。
しかし、その静寂は直ぐに破られる。

「いやぁ、司会役が板についていたよ」
「お主か……」
開幕の幕が下りたのを見計らい飄々と現れる。
五条袈裟を纏う男。

男の名は羂索。
史上最悪の術師と忌み嫌われている加茂憲倫といった名を持つ術師。
さらに付け加えるのならその肉体は本来の彼のではない。
術師夏油傑の肉体だ。
百鬼夜行で死んだ夏油の遺体の脳を入れ替え手にした肉体。

「ね、見せしめは敗北者のバカ息子で正解だったろう」
そう、エースは初めから見せしめとする為だけに事前に蘇らせた。
メラメラの実の能力者としてそこそこの実力は殺し合いに刃向かう者の末路として相応しい。

「……ふん。それよりも島の結界は抜かりないな」
パチパチと拍手をされて褒めたたえられたが、喜びを見せない。
むしろ、計画の綻びはないのかと問う。

「そこは問題ないよ。自分で言うのも何だけど私の結界術は天元に次ぐと自負している」
「なら良いが」
ニノ前御前の問いに答えた羂索は視線をムーブにむける。

「私の結界術よりも転移の方は抜かりないのかい」
「抜かりない……”面白いもの”が見られるからな」
ムーヴ。
世界の理『移動』を司るUMA。
そもそも”面白いもの(イベント)を見せてもらう”の条件で組織(ユニオン)に協力する好き者。
幾多の世界から一堂に集めて殺し合わせるバトルロワイアル(イベント)が彼の琴線に触れるのは必然。
故にムーブは組織ではなく夜桜つぼみを選択した。

「外部からの介入が入らないようにしっかりたのむよ?」
「それは、こちらの台詞だ……」
互いに落ち度を出すなよと牽制し合っている。
羂索の呪力の結界にムーブの空間転移が盤石ならこの殺し合いが破たんする可能性は万に一つもないからだ。

(まったく……悪趣味にも程があるぜ)
一方、幕の裏。バトルロワイアルの開催に大手を振って喜んでいない者もいた。
その女性の名は五輪太夫。
夜桜製糸工場の最盛期を支えた夜桜家5代目当主。

夜桜家の歴代当主の一人であるため、つぼみの手により蘇っていた。もっとも本人は望んでおらず、傀儡と化した蘇生に不満を抱えている。
そして、首魁が初代党首ならば当然5代目も主催に否応なしにも関わる。
五輪太夫の役割は参加者達に支給されるデイバックの中身。

(可愛い孫たちよ……おれが言えた義理じゃないが、生きのびろよな)
参加者名簿に記された一族の名を見て、呟くと、別の部屋へ一人移動した。

「……」
(まったく、油断ならぬ男にUMAよ……まぁよい。母上の為に精々働くがよい)
ひっそりと移動した五輪太夫に気づかず、やり取りを眺めるニノ前御前。
異なる世界軸の連合。
油断すればそれぞれ寝首をかかれる危険な綱渡り。
それでも、各自の己の思惑が合致している。
故に成り立つ。
それが”バトルロワイアル”として証に現れた。

「ですが、貴方達との出会いは私にとって本当に僥倖です。羂索さんにムーブさん」
投げかけられる言葉に振り向く。
三人の視線の先にある大木。そこに一人の女性が埋め込まれている。

女性の名は夜桜つぼみ。
初代夜桜家当主にして此度のバトルロワイアルの首魁。

73友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:25:31 ID:W2NkySG60
「こちらもだよ。夜桜の血は実に興味深い。私の長年仕込んでいた”死滅回遊”を一時中断するほどだからね」
「それを言うなら私も同じです。”あの子”を取り込む以外の道が見つかりました。私の望みを叶えるにはこちらの方がよいと判断しました」
互いに本来行うはずだった計画はムーブを起点とした出会いにより大きく変更された。
夜桜の血と呪力の融合により創られた”死返玉”は一つの好例だ。

死返玉。史書「先代旧事本紀」に記されている天璽瑞宝十種と称される神器の一つ。
神話で出てくる存在を創り上げたのだ。
計画変更は必然である。

「それでは、大願成就を心待ちするとしましょう」

果たして歪められた物語が”元の世界”にとって幸か不幸かはまだ分からない。
ただ一つだけ言えることがある。

それは……

74友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:26:17 ID:W2NkySG60
☆彡 ☆彡 ☆彡

少年が読んで心躍るような週刊漫画のような物語は記されない。

☆彡 ☆彡 ☆彡

75友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:26:53 ID:W2NkySG60
【令和ジャンプバトルロワイアル 開幕】

残り61人

☆彡 ☆彡 ☆彡

現時点で判明している主催

【首魁】
夜桜つぼみ@夜桜さんちの大作戦

【司会進行】
ニノ前御前@夜桜さんちの大作戦

【結界担当】
羂索@呪術廻戦

【空間転移担当】
ムーブ@アンデットアンラック

【デイパック担当】
五輪太夫@夜桜さんちの大作戦

76友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY:2022/01/01(土) 11:32:41 ID:W2NkySG60
以上で投稿を終了します。
私も投票形式のロワかつOPを書いたのは初めて緊張しました。
一つの案として楽しく読んでいただけたら幸いです。

77名無しさん:2022/01/02(日) 12:27:21 ID:VM3Tmans0
>>58
まとめありがとうございます。
こちらをたたき台に私もまとめさせていただきます。

1:呪殺
生贄を捕縛した上で対象の名前を呼ばせるという点がロワという特殊な環境下だとかなりキツイのでアリでもいいかもしれません。

2:ダメージ転移
残機制だと状態表での管理がややこしくなりそうなのでオーバーキルで死亡のほうがいいかもです。

3:支配の悪魔としての能力
◆s5tC4j7VZY氏の提案にあった「精神的に錯乱したり屈服したりしていないと洗脳できない」でいいと思います。
数には具体的な制限を設けず、「大量に洗脳しすぎるとキャパオーバーするよ」くらいのぼやっとした感じがリレーしやすそう。

4:指鉄砲
肉弾戦で闘うマキマさんが想像できないので威力低下、乱発不可の制限かな?

5:下等生物の感覚共有
島にはネズミや鳥などはいるかもしれませんが、島全体にまで感覚共有を広げられない制限ではどうでしょうか。
具体的には半径5キロくらい?

6:支配した悪魔の能力を使える
これが一番難しいですね……。
クロスオーバー好きとしてはマキマさんに支配された異能力者(悪魔の実も?)は能力を無断借用されてしまうという仕様にしたいが〜。
ナシのほうが丸そうだけど、洗脳の方にに制限を設けたらいけなくもない感じしませんか?

7:歴史修正への耐性
これはあってもなくてもいいかな?
個人的にはチェンソーマンに食い殺された参加者が名簿自体から名前が消去されて、マキマさんだけが覚えてるっていう展開が見たいわッ!


最後の方は案というか、ただの願望になってしまった気がしますが、こんな感じでどうでしょうか……?
ご意見、代替案等ありましたらよろしくお願いします。

【まとめ】
1:呪殺
あり

2:ダメージ転移
オーバーキルで死亡

3:支配の悪魔としての能力
制限付きであり

4:指鉄砲
制限付きであり

5:下等生物の感覚共有
制限付きであり

6:支配した悪魔の能力を使える
ありがいいな……

7:歴史修正への耐性
ありがいいな……

78 ◆GOn9rNo1ts:2022/01/02(日) 20:10:16 ID:CXflkQqQ0
OP案を投下いたします

79死滅跳躍 ◆GOn9rNo1ts:2022/01/02(日) 20:10:51 ID:CXflkQqQ0
まず、闇があった。

「おはよう」

突然目の前に広がった暗い空間。
まるで夜のとばりが落ちてしまったような世界で、話しかけてくる男だけが冗談のように鮮明に見えた。
男。坊主のように袈裟を着飾り、整った顔の上部に存在する傷跡だけが歪に醜く見える男だ。

「これから君たち一人一人にルール説明を行う。
いやあ、本当は本丸とは別にもう一つの場に集めて、なんて方法の方が手っ取り早いのだけど、これも『縛り』の一つでね。
会場は一つしか用意できなかった。だから今君が見ているこれは夢のようなものだと思ってくれて良い。
忌々しい六眼に介入されないためとはいえ、我ながら面倒な結界を作ったものだよ」

結界と男は言った。
続けて、この話を聞いている「自分」はとある結界に閉じ込められていること、自分の他におおよそ60の『参加者』が同じ結界に存在していること、
『参加者』には他の参加者の載っている名簿やランダムに1つから3つの支給品などが配られること、ゲーム開始から6時間ごとに放送が行われ『脱落者』が読み上げられること、
6時間ごとに会場のいずれかのエリアが3つ禁止エリアと化し、放送から1時間の猶予の後、そのエリアに存在するものは必ず死亡すること、
本来は死なない者も大きすぎる損傷を受けた場合は死んでしまうこと、他にも参加者によってはいくつかの制限が設けられていること、
そういった細々としたルールが袈裟の男から淡々と告げられる。
『脱落者』『そのエリアに存在するものは必ず死亡する』『本来は死なない者も大きすぎる損傷を受けた場合は死んでしまう』
この時点でどう考えてもロクなことではないことが分かったが、これは夢の世界だ。
暴れることも泣くことも、笑うことさえ「自分」には許されない。


「さて、それでは本題に入ろうか」


「君たちにはこれから殺し合いをしてもらう」


予想以上に、ロクでもないにもほどがあった。

80死滅跳躍 ◆GOn9rNo1ts:2022/01/02(日) 20:11:47 ID:CXflkQqQ0
「ルールは簡単。一人殺せば5ポイント。50ポイントを集めた参加者はこの結界からの脱出を許され、更に願いを一つだけなんでも叶えてあげよう。
金、権力、力、死者蘇生だって、殺したいやつを殺すことだって簡単に出来る」


つまり10人殺せばいいのだよ、と、とても簡単そうに男は囁く。


「更に、25ポイントを消費することで会場全体に一つ新しいルールを追加することができる。
ただし、そのルールが適用できるかどうかはGM(ゲームマスター)の私の裁量によるものとし、
また適用そのものも、君がルール追加を決定した時間帯の次の放送で実施させてもらう。
新たなルールが追加された瞬間にルールを追加した参加者だけに一方的に有利な状態になる、といった悪用を防ぐためだね」


たった5人殺すだけでいいのだよ、と、とても楽しそうに男は囁く。


「それでは最後に。『私が述べた言葉はすべて真実であることを誓う』
分かるものは分かるだろうが、これは呪術における『縛り』だ。
この無茶な結界を作るにあたって私にだって相当なリスクなペナルティがかかっているということさ。私だって神ではないのでね」

『私が述べた言葉はすべて真実であることを誓う』
その言霊は「自分」の魂にまで浸透するように真実だと理解できた。
呪術を知る者も、似たような異能を知る者も、何も知らない者でさえも、袈裟の男の今までの言葉が嘘ではないことを理解させられた。

つまり。本当に。

10人殺せば、なんでも願いが叶う。

「さあ、今から10数えると君は私の結界内で目が覚める。
そこから先はよーいドン、だ。くれぐれも、まごまごしているうちに死ぬなんて醜態を見せないでおくれ。
私が選んだ選りすぐりの精鋭(モルモット)たちよ」

81死滅跳躍 ◆GOn9rNo1ts:2022/01/02(日) 20:12:26 ID:CXflkQqQ0
そうして殺し合いは始まった。
ヒトも鬼も霊も悪魔も否定者も邪神さえも巻き込んだ『史上最悪の術師』羂索による一世一代の大結界。


その名も。



「結界術、死滅跳躍(ジャンプ・バトルロワイヤル)はじまり、はじまり」



【主催 羂索@呪術廻戦】

82 ◆GOn9rNo1ts:2022/01/02(日) 20:13:05 ID:CXflkQqQ0
以上で投下を終了します。

83 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:16:32 ID:vyUMmJYk0
皆様投下乙です
OP候補話投下します

84遊戯:椅子取り合戦 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:18:22 ID:vyUMmJYk0
ここはどこだ?

意識が戻ると共に男・小笠原貞宗はキョロキョロと周囲を見回す。

(見えぬ)

千里眼を自称するほどの視力と観察力を有する彼に見通せぬものはない。
その彼が何も見えない。
当然だ。
周囲は星一つなく漆黒に包まれているからだ。

(動けぬ)

両手足を縄で縛られたかのように自由が利かない。
首や指だけならば動かせるが、これではどうしようもない。

(聞こえぬ)

自分一人だけこんな状況に陥っているのであろうか。
周囲からはなにも聞こえず、ただ己の呟きと衣擦れの音しか耳に届かない。

(なにが起きている!?儂は確かに床に着いたはずだが...!?)

焦燥する貞宗に答えるかのように、突如、周囲が明るくなり視界が晴れ渡る。
彼の視線の先には様々な男女が椅子に座っていた。
5メートルはあろう巨体の大男。
制服に身を包んだ少年や少女。
顔に文様が浮かんだ男。
角の生えた女。
顔から炎が揺らめている男。
太り眼鏡をかけた中年。
全体的にもちもちとしている小型の妖精のような異形。

とにかく、広い見識を有する貞宗ですら見たことのない者たちが一様にひじ掛け付き椅子に着席し、中央の円卓を囲み収束するように螺旋状に並べられていた。

「何者だ」

ひとまず誰とも選ばず問いかけるも、反応はない。
いや、何人かはこちらに呼びかけているようだが、全く聞こえない。

85遊戯:椅子取り合戦 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:19:07 ID:vyUMmJYk0

(なるほど、そういうことか)

貞宗は理解する。
ここにいる者たちは皆、己のように突如ここに連れてこられ、奇怪なことに身体が動かせず、且つ声も届かぬ状況にあると。

(北条の残党の仕業か?否、ならばなぜ儂を早々に殺さぬ)

如何にしてこの状況を作ったのか、こんなことをしでかしたのは何者か。
貞宗の脳内で疑問がぐるぐると渦巻き始める。

―――コロン。

ふと、貞宗の足元に一本の万年筆が転がった。

なんぞこれは。
疑問に思うも、万年筆はコロコロと貞宗のもとに転がって行き、ほどなくして彼のつま先に触れる。

―――瞬間、貞宗の脳内に溢れ出した存在しない記憶。

そこには

大勢の前で意気揚々と殺し合えと命じる男の姿があった。
血まみれの少女が立っている姿があった。
血に濡れた剣を片手に屍に背を向ける少年の姿があった。
泣きながら少女に何度もナイフを突き立てる少女の姿があった。
男の号令で首輪が爆発し頭部が四散した男の姿があった。
弓矢でこめかみを射抜かれた男女の姿があった。
顔を腫れあがらせ流血しながらも殴り合う男たちの姿があった。
背後から銃を突きつけられ脳漿を撒き散らされた女の姿があった。
食したものを撒き散らしながら息絶える者の姿があった。
誰も死なせぬと奮戦した者たちの姿があった。
勝利し他者の蘇生を願い涙ながらに抱き合った者たちの姿があった。
時間切れのブザーと共に首輪が爆発し死に絶えた者たちの姿があった。
etc、etc...


生が。死が。血が。戦いが。謀略が。欲望が。混沌が。秩序が。生きざまが。信念が。

人が関わることで生み出される愛憎入り乱れる数多の物語があった。






「―――カハッ」

貞宗は、目と口を見開き溜まったモノを吐き出し、大きく肩で息をする。

(なんだいまの記憶は!?儂に見覚えのないあの記憶は!?)

過った膨大な記憶に貞宗はかつてない嫌悪と焦燥と困惑を抱く。
あの地獄のような光景、あれはいったい―――?



『いま、参加資格は満たされた』

86遊戯:椅子取り合戦 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:20:41 ID:vyUMmJYk0

響き渡る悍ましき声。
その出どころは、中央の円卓の机上。
そこには、いつの間にか一冊の本が浮かんでいた。

ギョロリ、と本の表紙に大きな眼が浮かび上がり、背が裂け鋭利な牙が立ち並ぶ口を覗かせる。

貞宗が驚愕するも、知ったことかと言わんばかりに本は扉を開き空中へと数多のページを射出。
ページは貞宗含む他の人間たちの眼前に3枚ずつピタリと静止する。

『これより遊戯【バトルロワイアル】を開始する』

本が意気揚々と告げたソレに貞宗はゴクリとつばを飲み込む。
バトルロワイアルという単語は貞宗の生きた時代にはまだない。
しかし、拘束しこんな場所にまで拉致してきて、しかもあんな悍ましい記憶を見せられたとあらば誰でも理解する。

―――これからお前たちには殺し合いをしてもらう。

あの本はそう言っているのだと。

『参加人数は61人。課題、円卓に座る者の餞別。報酬、達成者の如何な願いもの成就』

浮かび上がるページの一枚に、下層にある円卓と同じものが描かれた図が載っている。
円卓には『I』『Ⅱ』『Ⅲ』『Ⅳ』『Ⅴ』『Ⅵ』『Ⅶ』『Ⅷ』『Ⅸ』『Ⅹ』の文字が刻まれ、その数字の前にはそれぞれ一つずつの空席が用意されている。
貞宗の時代にはこのローマ数字はないが、雰囲気から10人座れるのだな、と解釈する。

『期限は三日。課題をこなせぬ場合―――罰として』

本はそこで言葉を切り、にたりと口角を釣り上げ心底愉快気に長い舌を垂れ流しながら告げた。

『参加者全員及びそれらに関わる全ての存在を抹消する』

貞宗は心臓が凍てつくほどの悪寒を抱く。
普段ならばなにを世迷言をと一蹴するだろう。

だが、先ほど見せられた記憶にあったのだ。
殺し合いの課題を達成できず、参加者たちどころかそれに関わる民や愛人、宿敵までもが一様に消滅させられたのを。

「ふざけるな...ふざけるなッ!!」

怒りでぶるぶると貞宗の手が震えだす。
ここで自分が死ぬだけでなく課題すら達成されなければ、信濃守護としての地位も領土も財も後世に引き継がれることなく消え去ってしまう。
そんなこと容認できるはずもない。
だがなにもできない。
未だに身体の自由は効かず、いくら叫んでもなにも届かず。
ただただ、本が「いとおかし」と言わんばかりに笑みを浮かべているだけだ。

87遊戯:椅子取り合戦 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:21:46 ID:vyUMmJYk0

(落ち着け...儂がこれからすべきことを考えよ)

貞宗は憤怒を腹に沈め、情報を整理する。

いま考えるべきは、参加者61名の内生き残れるのは10名だけ、という課題だ。

見せられた映像の中には他者を殺すまいと必死に奮闘する者たちの姿があった。
己の生死がかかっている中でなぜそうまで抗ったのか―――それは、その多くの者たちが大切な知人が同じく殺し合いに巻き込まれていたからだ。
大切な者と生き残りたいから殺すよりも脱出を図る。わかりやすい動機である。
だが今回の殺し合いではそうはいくまい。
生還できる者が複数いる上に罰が執行されれば己の関わった者すべてが消え去ってしまう。
然らば、参加者全員よりも己の身内を護るのを優先する者たちが増えるのも必定。
むしろ反目し続ける方が異端だ。

だが、このような催しを強制する輩共がお題を達成し願いを叶えたからといって素直に帰してくれるかも怪しいものだ。

(くっ...儂は死ぬわけにはいかんのだ。どう動くべきだ!?儂は...!)

『時間だ。これより会場に送らせてもらう』

貞宗が決めあぐねている間にも物語は進んでしまう。

突如の浮遊感。

身動き一つ出来ぬままに貞宗の視界は一瞬だけ暗転し、再び光を取り戻す。
同時に、今まで一切動かなかった身体が自由を取り戻し、その両足でしっかりと大地を踏みしめていた。
拘束から解放された喜びよりも、己の血が底冷えするような感覚が勝る。
否が応でも理解してしまう。

これから始まるのは乱世でも体験することのない凌ぎ合い。
血と暴力と生と死が入り乱れる、悍ましき席の取り合いだと。


【主催 黙示録@アンデッドアンラック】

88 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/02(日) 22:23:15 ID:vyUMmJYk0
投下終了です

89 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/02(日) 23:43:31 ID:wGipOzKA0
皆さまあけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

年末年始の忙しさにかまけてしまいレスが滞ってしまい申し訳ありません。
皆さんのオープニング案ですが、どれも楽しく読ませていただきました。

>>開(フーガ)
ヒロアカ世界の象徴でもあるオールマイトが見せしめとは、かなり影響が大きくなりそうですね……!
ヒロアカからは参加者も多いしオールマイトに並々ならぬ感情を抱いている人物も多く、波乱の展開になりそうです。
術師Aこと羂索(?)、原作でもバトロワを開催してますがこっちでもか!

>>友■・■力・■■
ジャンプ愛がふんだんに盛り込まれた始まりから有名なフレーズを反転させる、とても読み応えのあるオープニングでした。
主催陣営も夜桜家の歴代当主に羂索、ムーブと盛りだくさんですね。
原作でも死に、ここでは生き返って二度死に、エースが不憫すぎる……

>>死滅跳躍
これも羂索が主催ですが、より呪術原作の死滅回游に近い特殊ルールが入っていて、新鮮で面白そうですね。
見せしめや首輪がないのも最後の一人になるまで殺し合う必要がないのも珍しい……
”縛り”を使うことで参加者が主催の言葉を信じやすくなるのも原作設定の面白い使い方!

>>遊戯:椅子取り合戦
今度の主催はアポカリプス! 視点になっている貞宗も珍しい時代の珍しい立ち位置のキャラってことで語り口が面白いですね。
10名を選別するためのバトルロワイアルというのが新しい……というか、ロワが終わって円卓のメンバーが決まってからがまた盛り上がりそうな。
生き残りが多いとなると奉仕マーダーが現実的に狙えたり、ただ逃げているだけでも最終生存者を狙えたり、目新しい展開にも繋げられそうですね。

90 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/02(日) 23:56:14 ID:wGipOzKA0
>>58
>>77
マキマさんの能力まとめと制限案、ありがとうございます!
非常に助かりました。
自分としては>>77でまとめられている案で大丈夫じゃないかと思っています。
制限の大体の方向性は見えてきたと思いますので、あとは厳密に数字を決めたりせず、
書き手のやりたい展開を優先して柔軟に考えてもいいんじゃないかと。


もしも仮にマキマさんの耐久制限について「オーバーキルで死亡」を採用するなら、
他の不死・高耐久キャラについてもオーバーキルを採用したいと思っています。
片方のキャラはオーバーキル、片方のキャラは残機制などになると混乱のもとになってしまうと思うので。

他にも制限をしたほうがよさそうなキャラがいれば挙げてもらえると助かります。

91 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/03(月) 00:26:49 ID:wGipOzKA0
私もオープニング候補話を投下します。

92終わりの始まり ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/03(月) 00:28:04 ID:wGipOzKA0
断絶していた意識が、不意に明瞭を取り戻した。
――分からない。何故自分は、このような場所にいる?

まるで時を切り取られたかのように。場所を切り離されたかのように。
各々の「それまで」とは不連続の、異質な空間に――数十の存在が、集められていた。
おそらくは皆一様に意識を取り戻したのだろう。初めは静寂に包まれていた空間に徐々に困惑が広がり、騒々しい声が響き始めた。

だが、彼らの中に立ち上がり、動き出すものは誰一人として存在しない。
彼らは皆、椅子に座らされていた。そして見えない力によってそこに縛り付けられている。
数十の椅子は、円を作るように配置されている。円の内側には、巨大な円卓が鎮座していた。

「これは……【円卓】か? だが、これは……」

誰かが呟く声が聞こえた。だがその声は、他の誰かに届く前に喧騒にかき消されていく。
混乱する者、怒る者、口をつぐんだままの者――多様な声が響いては消えていく。
しかし誰が何を言っているのか、その判別までは出来なかった。
多くの人間が集められた空間は不自然なほどに暗く、隣の椅子に座る者の顔すら朧気にしか見えない。
自分と同じ状況に陥った人間が、数十人単位で存在している――ただそれだけが、この空間に集められた全員に通ずる、唯一の認識だった。

その時。円卓の中心に、一筋の光が差した。
光の中に在ったのは、一冊の本。薄っぺらな文庫本とは違う、重厚さを感じさせる装丁。
だがそれが只の本ではないということは、その姿を見れば一目でわかる。
その本には、目があった。ぎょろりと眼を見開き、円卓に座らされた者たちの顔を見る。
そして、獣のような牙をぬらりと光らせながら、口を開く。

「あァ……全員、席についたな」

本から放たれる声は不気味にしわがれており、聞くものに嫌悪感を与えた。
ざわめいていた空間が、ふと静かになる。誰もが本の声に耳を傾けていた。

「今回の課題(クエスト)は一つ。
 参加人数61人――目的は、『最後の一人になるまで殺し合う』!」

本は、そう言った。聞いた者の多くが、こう思った。
これは何かの冗談か?
その心の声を知ってか知らずか、本は――黙示録(アポカリプス)は言葉を続ける。

「今からテメーらを殺し合いの会場へ転送する。会場へついたらテメーらは自由だ。
 参加者の間に違反はない! オレは何も否定しない! 最後の一人になるまで、存分に殺し合いなァ!
 あぁ……だが。殺し合いを円滑に進めるために、こちらでいくつかのルールを用意させてもらったぜ」

「まず一つ。テメーらには殺し合いのためのアイテムを支給してやる。
 とはいえ、ゼンブが殺し合いの役に立つもんだとは限らねーがな! ギャハハ!」

「二つ目だ。今回のクエストの経過報告は、六時間ごとに放送してやる。
 誰が死んだか、何人生き残っているかは大事な情報だぜ。聞き逃さないようにしろよ?
 それと、隅っこでガタガタ震えて隠れっぱなしの臆病モンが出ねーように放送のたびに禁止エリアを設置する。
 禁止エリアに入ったやつには……デス・ペナルティだ。そんなツマラネー死に方しないように気をつけとけよ!」

「三つ目。ある意味、これが一番重要なルールだな。
 このクエストを『公平』にするために、会場の理(ルール)を変えさせてもらった!
 オメーらの中にいるだろ? 自分が死ぬことなんかありえないって思ってるヤツらがよぉ!
 ザンネンだったな! オメーらにも平等に死は訪れる!! ギャハハ、サイコーの気分だぜ!!
 おっと、オメーらにとって都合が悪いことばかりじゃないぜ、たとえば……」


――そこまで本の言葉を聞いて。
『私』――鬼舞辻無惨の我慢は、限度を迎えた。

93終わりの始まり ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/03(月) 00:28:59 ID:wGipOzKA0
「巫山戯るな、何様のつもりだ……!」

見えない力で椅子に縛り付けられてた身体を、それを更に超える膂力で無理矢理に引き剥がす。
二つの巨大な力に挟まれる形となった肉と骨が、およそ生物が出してはいけない異音を軋ませ、爆ぜる寸前まで膨張する。

「私に指図をするだと? どこのガラクタかは知らんが……ただですむと思うなよ」

人間を超越した種、鬼の首魁として最強最悪の力を持っていた鬼舞辻無惨。
彼がひとたび腕を振るえば、人間は紙屑のように肉塊へと姿を変えた。
膨張し変化した無惨の肉と骨は異形の牙と爪となり、向かう先は円卓の中央に浮かぶ黙示録。
破壊という概念がそのまま物理化したかのような無惨の攻撃は――しかし、黙示録に届くことはなかった。
参加者たちを椅子に縛り付けていた見えない力と同種か、或いは更に強い力によって、黙示録の周囲には不可視の防壁が築かれていた。

「おいおい、話の途中に行儀が悪いぜ! まぁ丁度いいさ、今から説明しようとしてたところだ。
 優しい優しいオレから――鬼の皆さんへのプレゼントだ!!」

黙示録の声と同時に、一筋の光が鬼舞辻無惨を照らした。瞬間、無惨の全身を耐え難い苦痛が襲う。
地獄の業火で灼かれて爛れた傷口に、苦しみを与えるためだけに作られた薬物を塗り込められたような、筆舌に尽くしがたい苦しみ。

「ぐぅ、ぅぅう!? この光は……忌々しい……! がぁぁぁぁっ!!」

人間を超越した鬼が、唯一恐れるもの――それが太陽。陽の光だ。暖かな陽光が、鬼舞辻無惨の全身を包んでいた。
だが――本来ならば。太陽の光に包まれた鬼は、苦痛を感じる暇すらなく一瞬で塵になるはずだ。鬼舞辻無惨とて例外ではない。
だからこそ無惨は太陽を克服するために、数百年の歳月をかけてその術を探していたのだから。
憤怒の表情を浮かべながら悶え苦しむ無惨の姿を見て、黙示録はより一層口角を上げて言葉を続ける。

「今からオメーらが殺し合う場所にも、太陽と月がある。当然、朝も昼も夜も存在する。
 だがオメーらの中には太陽の下じゃあ即座にオダブツって連中もいる――だけどそれじゃあ、殺し合いには不向きすぎる。
 だから会場の太陽には理(ルール)を追加した……よかったなぁ鬼さんども! これで真っ昼間からお外で鬼ごっこも出来るぜ!
 ま、死ぬほど痛ぇーだろうけどな! ギャハハハハハ!!」

黙示録のしゃがれた笑い声と鬼舞辻無惨の苦悶の叫びが響く、異様な空間。
他の参加者の誰も、口を挟めずにいた。
いや、いつしか――彼らを縛る見えない力はより強大となり、身動きどころか声一つ発することすら出来なくなっていた。

「最後に今回のクエストの『報酬』と『罰』を発表する!
 最後の一人になった参加者の『報酬』は――「望む世界」!
 金だろうが力だろうがなんだろうが……望むものが全て在る世界へ御招待だ!!」

「だが……もしもこのクエストが達成されなかった場合には、『罰』がある。
 期限は三日。それまでに最後の一人が決まらないようなら……」

「『罰』として、会場に【太陽(サン)】を追加する」

その言葉が指す現象を、即座にイメージできる参加者はいなかった。
しかしそれが、絶対の「死」をもたらす何かであろうことは、その場の誰もが理解していた。

「それじゃ……課題開始(クエストスタート)だ」

一人、また一人と参加者たちは円卓から姿を消していく。
これより始まる殺戮遊戯、生き残るのは唯一人――或いは、ゼロ。
これが終わりの、始まりだった。


【進行役 黙示録(アポカリプス)@アンデッドアンラック】

94 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/03(月) 00:30:15 ID:wGipOzKA0
以上で投下終了です。
まとめwikiのほうにオープニング候補話のページを作成予定です。
収録までしばしお待ち下さい。

95 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/03(月) 01:03:55 ID:vyUMmJYk0
すみません、>>87に参加者に知らされる共通ルールの情報を加えます。


●参加者のデイバックにも付属されているルール説明書。
①前参加者61名の内、円卓に座れる10名を選抜する。
②死者は6時間毎の放送で判明する。
③参加者10名の選抜は放送で死者が判明し生存者が10名以下になった時に決定する。
なので、放送前に10人になってもロワは終わらない。また、10名以下になっても課題達成とみなしてロワは終了。
④禁止エリアは毎回の放送ごとに3エリア指定される。
⑤円卓メンバーに選抜された者には、それぞれ如何な願いも叶える権利を与えられる。死者の蘇生なども可。
ただし、「この殺し合いにおける死者」に関しては一人だけしか蘇生できない。
⑥期限は三日。それまでに10人以下にならなければ参加者全員及び、参加者の関わる世界そのものが全て消滅する。

96 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/04(火) 15:32:32 ID:wGipOzKA0
能力制限についてですが、具体的に話し合うべきことは他にはなさそうですので、簡単に全体の方向性についてまとめておきますね。

・高耐久キャラ(鬼、アンディなど)はオーバーキルで物理的に死亡する。
・高威力技は威力低下、消耗増大。
・マキマの支配能力は対象を屈服させないと不可。支配できる数も制限。支配した対象の能力は使用可能。

というような感じで、他の能力や展開については実際に本編で描かれてから随時議論をすることにしたいと思います。


オープニング投票についてですが、5日いっぱいで締め切った直後に6日を投票日にしようと思います。
投票の際のルールについてはのちほどまとめますのでしばしお待ち下さい。


また、オープニングが投票で決定したあとは8日0時ぐらいを目処に本編の予約を開始できればと思っております。
予約期限は一週間を考えています。

本編スレを立てる板についてですが、俺ロワ・トキワ荘に立てさせていただき、形式上は自分が企画主ということにさせていただこうと思います。
ただし企画主だからといって特権的な立場にあるわけではなく、住民の一人として関わっていくような形にしたいと考えています。
基本的には議論等で住民の総意をまとめ、進行していく企画にしたいと思っていますので、皆さまのご参加をお待ちしております。

97 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/05(水) 22:01:56 ID:wGipOzKA0
【オープニング投票について】
・期間 1月6日(木曜日)0:00〜23:59
・持ち票→1票
・投票候補→ttps://w.atwiki.jp/rwjbr/pages/19.html
1.開(フーガ) ◆Il3y9e1bmo
 主催陣営:術師A(羂索?)
 見せしめ:オールマイト
 首輪:あり
 備考:24時間死者が出ない場合全員死亡。

2.友■・■力・■■ ◆s5tC4j7VZY
 主催陣営:夜桜つぼみ、二ノ前御前、羂索、ムーブ、五輪太夫
 見せしめ:エース
 首輪:あり
 備考:OP内で死者蘇生あり。

3.死滅跳躍 ◆GOn9rNo1ts
 主催陣営:羂索
 見せしめ:なし(『縛り』によって主催者の言葉は真実であると参加者は理解している)
 首輪:なし
 備考:殺害で獲得するポイントによって脱出&報酬(10人殺害)、ロワ内ルール追加(5人殺害)が可能。

4.遊戯:椅子取り合戦 ◆dKv6nbYMB.
 主催陣営:黙示録
 見せしめ:なし(遺物を用いて参加者に過去のロワの記録を見せている)
 首輪:あり
 備考:最大10名まで生還可能。3日以内に終了しなかった場合、参加者全員及び元の世界が消滅。

5.終わりの始まり ◆UbXiS6g9Mc
 主催陣営:黙示録
 見せしめ:なし(鬼舞辻無惨への制裁あり)
 首輪:なし
 備考:3日以内に終了しなかった場合、会場に太陽を追加。鬼が太陽光を浴びても即死しないルールになっている。

投票例)
1(1〜5の数字だけでOK。時間ギリギリに投下があった場合、投下順に6から番号を振る)

98 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/05(水) 23:30:49 ID:vyUMmJYk0
OP案を投下します

99葦を啣む ◆dKv6nbYMB.:2022/01/05(水) 23:33:18 ID:vyUMmJYk0
―――べん

薄暗い部屋の中、三味線の音と共に彼等は目を覚ました。
彼等の中の誰一人として、このような場所に連れてこられた覚えはなかった。
故に、彼等の大半はたちまち混乱に陥り、部屋中がざわめきに包まれる。

「目を覚ましたようだな」

しかし、それもすぐに男の声に収められた。
一同が声のした方へと意識を向けると、いつの間にいたのかそこには片膝を立てて座る壮年がいた。
腰に差した刀と時代がかった着物は見るものに歴戦の剣士を思わせる風貌である。

「私の名前は禪院扇。これより貴様らが執り行う儀式の管理者となる者だ」

儀式。その言葉に一部から動揺の声が漏れるも、男・扇は構わず淡々と続ける。

「貴様らが行うのは蠱毒の陣―――謂わば殺し合いだ。最後の1人が決まるまでのな」

殺し合い。その言葉に響めきが走る。が、しかし。意味を理解しているのかしていないのか、響めきに反して恐怖や狼狽の悲鳴は殆ど無かった。

「流石にこの程度で恐れ慄く者はそうはおらんな。手間が省けるというものだ。では、これよりルールを説明する。これより貴様らをある会場に送り、最後の1人になるまで殺し合いをしてもらう。食糧は成人男性が普通に使って1日分と、いくつかのランダム支給品を配る。それは武器かもしれないし医療道具や何かに使える道具かもしれん。
また、基本的に禁則事項は無い。だが、ある禁則を犯した場合にのみ罰を与える...こんな風にな」

扇が立ち上がると、その背後には、顔と両腕に痛々しい火傷が刻まれた女性が両手足を縛られ床に転がされていた。

「これより貴様を贄とするが...何か遺す言葉はあるか出来損ない」

扇は女を汚物を見るような目で見下ろし吐き捨てるように言う。
女は憎々しげに目だけ見上げながら、堂々と言ってのけた。

「くたばりやがれ、クソ親父」

100葦を啣む ◆dKv6nbYMB.:2022/01/05(水) 23:34:11 ID:vyUMmJYk0

その言葉を最後に。
ボン、と小さな音と共に彼女の首元が爆ぜーーー鮮血と共に、女の首が胴から離れ転がった。

「―――ァッ」

誰かが叫びをあげようとしたその時、一同は金縛りにあったかのように全身が硬直し喉元から出かけた声すら阻まれる。

「これが罰だ。貴様らにもこの出来損ないと同じ首輪が嵌められており、罰が執行されれば如何なる者でも死に至る。それこそ、千年生きても朽ちず、如何なる傷すら忽ち治る体質を持つ鬼ですらな」

鬼―――その単語に一部の者が反応するも、扇は構わず続ける。

「禁則事項は四つ。一つ、この首輪に強い衝撃を与えること。一つ、6時間毎に死者の提示と共に指定する禁止エリアに一定時間留まること。一つ、三日以内に優勝者が決まらなかった場合。最後の一つ、明確に私に逆らうことだ」

そこまで説明し終えると、扇はくたびれたようにふぅ、と息を吐く。

「さて、そろそろ時間だ。これより貴様らを会場に送る。―――鳴女」

―――べべんッ

扇が呟くのと同時、再び三味線の音が鳴り響き、皆の足元に襖が現れ1人残らず吸い込んでいく。

「最後のルールだ。この殺し合いで生き残った者は如何なる願いも叶えることが出来る。莫大な富でも、永久なる幸福でもーーー死者の蘇生でもだ」

その言葉を聞き遂げた参加者達は襖に吸い込まれながら意識を失った。

死体と共に残された扇は1人呟く。

「真に当主に相応しいのは兄でも甚壱でも直哉でも甚爾でも、ましてや外様の小僧や出来損ないの汚点ではない―――この私だ」



【主催:禪院扇@呪術廻戦】
【主催:鳴女@鬼滅の刃】

101 ◆dKv6nbYMB.:2022/01/05(水) 23:34:46 ID:vyUMmJYk0
投下終了です

102 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/07(金) 00:07:24 ID:wGipOzKA0
オープニング案の投票の結果ですが、最多の5票を獲得した『3.死滅跳躍』が当選となります。
こちらのオープニングの内容をもとにルールを整備し、俺ロワ・トキワ荘に本編スレを立てようと思います。
本編の予約解禁は1月8日(土曜日)0時を予定しています。

長らくの開始前議論にお付き合いいただき、まことにありがとうございました。
本編でみなさんとリレーできるのを楽しみにしています!

103 ◆UbXiS6g9Mc:2022/01/07(金) 14:50:16 ID:GiJHBZtY0
俺ロワ・トキワ荘に本編スレを立てました。今後は新しいスレのほうに書き込みをお願いします。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1641486452/


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