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令和ジャンプキャラ・バトルロワイアル

99葦を啣む ◆dKv6nbYMB.:2022/01/05(水) 23:33:18 ID:vyUMmJYk0
―――べん

薄暗い部屋の中、三味線の音と共に彼等は目を覚ました。
彼等の中の誰一人として、このような場所に連れてこられた覚えはなかった。
故に、彼等の大半はたちまち混乱に陥り、部屋中がざわめきに包まれる。

「目を覚ましたようだな」

しかし、それもすぐに男の声に収められた。
一同が声のした方へと意識を向けると、いつの間にいたのかそこには片膝を立てて座る壮年がいた。
腰に差した刀と時代がかった着物は見るものに歴戦の剣士を思わせる風貌である。

「私の名前は禪院扇。これより貴様らが執り行う儀式の管理者となる者だ」

儀式。その言葉に一部から動揺の声が漏れるも、男・扇は構わず淡々と続ける。

「貴様らが行うのは蠱毒の陣―――謂わば殺し合いだ。最後の1人が決まるまでのな」

殺し合い。その言葉に響めきが走る。が、しかし。意味を理解しているのかしていないのか、響めきに反して恐怖や狼狽の悲鳴は殆ど無かった。

「流石にこの程度で恐れ慄く者はそうはおらんな。手間が省けるというものだ。では、これよりルールを説明する。これより貴様らをある会場に送り、最後の1人になるまで殺し合いをしてもらう。食糧は成人男性が普通に使って1日分と、いくつかのランダム支給品を配る。それは武器かもしれないし医療道具や何かに使える道具かもしれん。
また、基本的に禁則事項は無い。だが、ある禁則を犯した場合にのみ罰を与える...こんな風にな」

扇が立ち上がると、その背後には、顔と両腕に痛々しい火傷が刻まれた女性が両手足を縛られ床に転がされていた。

「これより貴様を贄とするが...何か遺す言葉はあるか出来損ない」

扇は女を汚物を見るような目で見下ろし吐き捨てるように言う。
女は憎々しげに目だけ見上げながら、堂々と言ってのけた。

「くたばりやがれ、クソ親父」


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