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令和ジャンプキャラ・バトルロワイアル
92
:
終わりの始まり
◆UbXiS6g9Mc
:2022/01/03(月) 00:28:04 ID:wGipOzKA0
断絶していた意識が、不意に明瞭を取り戻した。
――分からない。何故自分は、このような場所にいる?
まるで時を切り取られたかのように。場所を切り離されたかのように。
各々の「それまで」とは不連続の、異質な空間に――数十の存在が、集められていた。
おそらくは皆一様に意識を取り戻したのだろう。初めは静寂に包まれていた空間に徐々に困惑が広がり、騒々しい声が響き始めた。
だが、彼らの中に立ち上がり、動き出すものは誰一人として存在しない。
彼らは皆、椅子に座らされていた。そして見えない力によってそこに縛り付けられている。
数十の椅子は、円を作るように配置されている。円の内側には、巨大な円卓が鎮座していた。
「これは……【円卓】か? だが、これは……」
誰かが呟く声が聞こえた。だがその声は、他の誰かに届く前に喧騒にかき消されていく。
混乱する者、怒る者、口をつぐんだままの者――多様な声が響いては消えていく。
しかし誰が何を言っているのか、その判別までは出来なかった。
多くの人間が集められた空間は不自然なほどに暗く、隣の椅子に座る者の顔すら朧気にしか見えない。
自分と同じ状況に陥った人間が、数十人単位で存在している――ただそれだけが、この空間に集められた全員に通ずる、唯一の認識だった。
その時。円卓の中心に、一筋の光が差した。
光の中に在ったのは、一冊の本。薄っぺらな文庫本とは違う、重厚さを感じさせる装丁。
だがそれが只の本ではないということは、その姿を見れば一目でわかる。
その本には、目があった。ぎょろりと眼を見開き、円卓に座らされた者たちの顔を見る。
そして、獣のような牙をぬらりと光らせながら、口を開く。
「あァ……全員、席についたな」
本から放たれる声は不気味にしわがれており、聞くものに嫌悪感を与えた。
ざわめいていた空間が、ふと静かになる。誰もが本の声に耳を傾けていた。
「今回の課題(クエスト)は一つ。
参加人数61人――目的は、『最後の一人になるまで殺し合う』!」
本は、そう言った。聞いた者の多くが、こう思った。
これは何かの冗談か?
その心の声を知ってか知らずか、本は――黙示録(アポカリプス)は言葉を続ける。
「今からテメーらを殺し合いの会場へ転送する。会場へついたらテメーらは自由だ。
参加者の間に違反はない! オレは何も否定しない! 最後の一人になるまで、存分に殺し合いなァ!
あぁ……だが。殺し合いを円滑に進めるために、こちらでいくつかのルールを用意させてもらったぜ」
「まず一つ。テメーらには殺し合いのためのアイテムを支給してやる。
とはいえ、ゼンブが殺し合いの役に立つもんだとは限らねーがな! ギャハハ!」
「二つ目だ。今回のクエストの経過報告は、六時間ごとに放送してやる。
誰が死んだか、何人生き残っているかは大事な情報だぜ。聞き逃さないようにしろよ?
それと、隅っこでガタガタ震えて隠れっぱなしの臆病モンが出ねーように放送のたびに禁止エリアを設置する。
禁止エリアに入ったやつには……デス・ペナルティだ。そんなツマラネー死に方しないように気をつけとけよ!」
「三つ目。ある意味、これが一番重要なルールだな。
このクエストを『公平』にするために、会場の理(ルール)を変えさせてもらった!
オメーらの中にいるだろ? 自分が死ぬことなんかありえないって思ってるヤツらがよぉ!
ザンネンだったな! オメーらにも平等に死は訪れる!! ギャハハ、サイコーの気分だぜ!!
おっと、オメーらにとって都合が悪いことばかりじゃないぜ、たとえば……」
――そこまで本の言葉を聞いて。
『私』――鬼舞辻無惨の我慢は、限度を迎えた。
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