東電はいわば,日本においては「原子力村の核心をなす主導的な大会社」であった。この会社を簡単につぶすことはできないというわけである(「大きすぎて潰せない(too big to fail)」!)。かつて,バブル崩壊後においては日本の大企業(とくに金融機関を先頭に)がつぎつぎ破綻していったが,今回「3・11」のために,世紀の記録に残るような原発の大事故を起こした東電だけは,そうはさせじとする意気ごみだけはよく伝わってくる。
b) ここであらためて引用するが,「エネルギー資源が乏しいこの国で,使うリスクと,使わないリスクを比較考量して,やめると決めるのならよいたたみ方を考えるべきでしょう。ただ,再生可能エネルギーは急速に増えてはいますが,水力をのぞいた太陽光や風力がまかなう電気は,全体の約5%に過ぎません。日本は原発事故の前,電気全体の約3割を,原子力に頼っていました」という点については,こういっておく。