したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

ソウルファッカーズ2のようです

1 ◆MxHvQqijkA:2022/06/09(木) 22:48:44 ID:1RVNRCnY0
25年前。

「グオオオオオオ…」

聖母マリアのように胸に両腕をクロスさせた異形が崩れる。
残るは巨大な電子の繭。


「マニトゥ……帰ろう…
アタシ達のいるべき世界へ…」

「そうすれば…
もう、こんなに苦しくないよ……」

銀髪の女が語りかける。

女が振り返る。

「ヒトミちゃんとも……
スプーキーズのみんなとも……
このままずっと一緒にいたかった。」

口ごもる。

「でも駄目なんだよ…
今の人のソウルは、私達には耐えられない……」

https://pbs.twimg.com/media/FUz_rUGaIAAX8RZ.jpg

ネミ;ー;)「今日は、アタシの……
最初の、誕生日かも知れない……
アタシ、忘れないよ……
アンタのこと…」

https://pbs.twimg.com/media/FU0GOoWagAIb0Je.png

「泣くんじゃねーよ!俺達はやる事全部やってきたろ。
最後のシメだ、お前がやりたいと思う事をやりな」


ネミ-ー-)「そうね…起きて、ヒトミちゃん。」

https://pbs.twimg.com/media/FUz_sj-agAYPAHR.jpg

少女が茶髪に戻る。
中から電霊がフワッと華麗に舞う。
繭に抱きつき、消滅していく。


「さよならは言わないぜ。またきっと会えるだろうよ」

2 ◆MxHvQqijkA:2022/06/09(木) 23:11:08 ID:1RVNRCnY0


ヒト゚ー゚)ξ「リーダー、調子いいみたいですね。」

く(’ー`)「心配かけたね。すまなかった。
あのレイさんとかいう人の妖しい術も効いたみたいだし、もう大丈夫だよ。ハハ。」

「みんな…お別れなんだね。オレ、スプーキーズ大好きだったのに…」

8(□□)「リーダーよぉ、スプーキーズを終わりにする件だけど…」

「やっぱり、解ッ散?」

(’ー`)「君達がスプーキーズを大事に思ってくれているのは嬉しい。僕も大事だ。
だけど、君達にはスプーキーズを終着点にしてもらいたくはないんだよ。」

「きっとみんな会えるさ。」

8(□□)「その時、この連中がどうなってんのか……楽しみだぜ。」

「…そうだよね。お別れじゃないよね。きっとまたいつか。」



ヒト゚ー゚)ξ「…みんな行っちゃったね。
ランチさんはお父さんについていって、記者を目指す。
シックスくんは親御さんと実家に引き上げてお店を開く。
ユーイチくんはリーダーみたいなスーパーハッカーに。ふふっ。
あなたはどうするの?」

「まだ決めちゃいねーよ。あかねモールでの親父の後遺症もなんとかしなきゃだしな。
軽いもんだからすぐ治るとは思うがな。」

ヒト゚ー゚)ξ「私は。父と一緒に、しばらくアメリカに行くつもりなの。
行ってみたいのよ。
ネミッサの生まれた所に…」

「へぇ」

ヒト゚ー゚)ξ「ネミッサが、私から離れる時、こう言ってたの。
『きっとまた会えるよね』……って。」

ヒト゚ー゚)ξ「だから私も、サヨナラは言わなかった。
あなたも、それ持っていくんでしょ?」

「まぁな。大事な戦友達がつまってる」

ヒト゚ー゚)ξ「そうね……全部、私達の中に生きてるもの。これからも、ずっと。
さあ、行こう。ここから歩き出すの。
まだ私達には、進む道があるから…」

3 ◆MxHvQqijkA:2022/06/09(木) 23:45:26 ID:1RVNRCnY0
序章 さだめの申し子
https://www.youtube.com/watch?v=D5elIQV56gM
1.25倍再生推奨




2022年。

二人の男が街をぶらついている。

(ー□-□)「ここがアマミシティか」

川д川「ああ。一度廃棄されたにしては小奇麗だな。人の気配も沢山ある」

(ー□-□)「まるで世界が5分前に作られたって気分だな。
昔の…アマミ市だったか?それとは全然趣が違う」

ネオンがあちらこちらを照らし、ネットワークが駆け巡る。
眠る事のない街だ。

https://pbs.twimg.com/media/FU0BkcQacAAKsgL.jpg

川д川「さっさと歩け。またトレーラーが動いたら面倒だ」

モサっ毛の男が急かす。

(ー□-□)「あーもうまたビーコン動いたぞ!
呼び出しときやがって、なんで転々と移動してんだよ!」

メガネの男はスマホを見る。
GPSがどんどん動く。

(ー□-□)「しかしよぉ、そのむき出しの剣しまったらどうだ?
通報されたらやべーだろ」

川д川「…問題はない。普通の人間なら痛いコスプレの類だと思うはずだ」

(ー□-□)「なな、ちょっと聞いていい?お前の言う普通の人間ってなんだよ」

川д川「悪魔の存在に気付かないような人間だ…来るぞ」

メガネを外す。




https://pbs.twimg.com/media/FU0Bi8qaAAEbO2n.png

( ゚∀゚)「フッ」

4 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 00:12:53 ID:VcRlLwjw0
https://pbs.twimg.com/media/ERMU_FpUUAELl7d.jpg

(д)「グゲゲゲェ」

( ゚∀゚)「妙法村正ァ!」
っ-l--゙

川д川「七星剣」
っ-l--゙

数秒のうちに、幽鬼ガキ数体は斬り刻まれ消し飛んだ。

川д川「結局お前も剣を抜いたじゃないか」

(ー□-□)「あのな、むき身と鞘に納めてるのは違うだろーがッ!
あー、どうせならいい女悪魔出ねーかな。ファックしてー。」

川д川「相変わらず品性を疑うな。親の顔を見てみたい」

(ー□-□)「うっせー!しかし昔のアマミシティは、道路にゃ悪魔は出ないって聞いたんだけどな。
親父の残した仲魔は一体だけだし、マグネタイトもおちおち使ってられねぇ」


(ー□-□)「おっ、コンビニだぁ!剣しまえ剣!飯だ!」




(ー□-□)「幕の内ィ弁当3000円、オニギリ一個800円かぁ…」

川д川「そっちは上級国民用だ。こっち」

袖を引かれる。

(ー□-□)「それでもオニギリ200円じゃねーか!どんだけ物価がたけーんだよ!」

川д川「その剣を売ればいいじゃないか。業物なのだろう?
凪婆の持たせてくれた金も残り少ない。そうそう奢ってはやれないぞ」

鞘を抱きしめる。

(ー□-□)「バッカこれ一本で俺は戦ってんだ!売ったら何もできねー!
…まぁ、親の遺伝か分からんが魔法もどきは使えるけど」






(ー□-□)「かぁー!オニギリとコーラは格別だなぁー!」

5 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 00:26:31 ID:VcRlLwjw0
川д川「…高くつくぞ。この貸しは」

二人して駐車場でオニギリを頬張る。

(ー□-□)「そう言うなって。ドカンとデカい稼ぎができたら借りは返してやるよ」







ペットボトルが吹き飛ばされる。

(ー□-□)「なんだァ…てめェ…」

https://pbs.twimg.com/media/FMmNRHpaUAIoLvj.jpg

(■ハ■)「貴様ら、サマナーだな。私と戦え」

川д川「ここでは迷惑がかかる。人目のつかないところで」

(ー□-□)「キョウ」








路地裏。

(;゚∀゚)「グハッ!」

川д川「…」

(■ハ■)「ガキどもが。ショートジャブで沈むとはな」
つつ

(;゚∀゚)「なめ…んな…相手が素手だから手加減してやっただけ…」

( ゚∀゚)「本気でっ、いくぜええええええ!」
っ-l--゙



男が拳を不規則に振る。

(■ハ■)「来い、ベルセルク」

6 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 00:37:35 ID:VcRlLwjw0
https://pbs.twimg.com/media/DoJwtmpV4AMslui.jpg

(;゚∀゚)「クソっ!剣が効かねえ!」
っ-l--゙

相手の悪魔に傷一つついていない。

川д川「どうやらあの男の手についているものが武器兼召喚器のようだな。
マハラギオン」

男が炎を投げつける。
悪魔は怯んだ。

( ゚∀゚)「弱点か!チャンス!逃げるは恥だが…」

(■ハ■)「役に立たん」

男に先回りされてみぞおちを殴られる。

(;゚∀゚)「グホッ!」




「マハブフーラ」

凍るような声が響く。

グラサン男の腕が凍り付く。

(■ハ■)「む…?」

「フィネガン様!まだお体が万全ではありません。お逃げください!」

(■ハ■)「分かった。ミラディ」

男は姿を消す。

(;゚∀゚)「待てッ!てめえから喧嘩けしかけといて…」

https://pbs.twimg.com/media/FU0jSg1agAED6Bg.png

「無事か。名前は」





( ゚∀゚)「あ?俺か?俺はマナコ。
遠野眼だッ!」

7名無しさん:2022/06/10(金) 11:14:57 ID:hP360pTA0
おつおつ
三つ同時連載とは頑張るなぁ
きつくなったらどれか一つに絞ってもいいからね

8 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 19:22:16 ID:VcRlLwjw0
>>7
ふざけるな…この程度できつくなるなら、今終わらせてやった方が幸せだ!

…というのは冗談で、早速ご愛読とご心配ありがとうございます。
こっちは8月までにサクッと終わらせる予定です。
筆が遅いのと、状態異常疲労のせいでなかなか書けませんが
好きこそものの…というわけで構想とインスピレーションはどんどん湧いてきます。
乙カジャをしてもらえるたびに、モチベも実はわいているのですよ。
ノーノーは本編進むまで一時休止にします。

こんごともよろしく…

9 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 21:23:37 ID:VcRlLwjw0
トレーラーの中。

(ー□-□)「…」

(´<_`  )「そんなに珍しいか…俺の顔が!」

助けてくれた男が立ち上がる。
マナコも負けずと立ち上がり返す。

(ー□-□)つと(´<_`  )



(#)゚∀゚)「ああ、めひゅらしいさ!
珍しいもんは見るのが普通だろ!」

川д川「お前の普通は何なんだ」

(´<_`  )「いいか!今度そういう目で見たなら、その目を潰すぞ」

( ゚∀゚)「お前の顔は珍しいんだよ!悪魔とも人間ともつかねえようなツラしやがって!
そして魔法まで平然と使いやがる!ハッキリ言って気色悪い!」



と(´<_`  )

強烈なアッパー。

(´<_`  )「物理攻撃も苦手じゃないが。ミンチが好きか?誰も食わんだろうがな」

(#゚∀゚)「なろ!」
つと

鼻血を出しながら強烈なタックル。

(´<_` #)「貴様」












(’/ー`)「おっと、ここ曲がるから注意ね」

10 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 22:20:04 ID:VcRlLwjw0
「うわっ!」

( ゚3゚)(´<_` ;)

絡み合っいた二人が倒れ込み、キスになる。

(´<_` #)「俺のファースト…」

( ゚∀゚)「あらら?童貞くんかぁ?」

(´<_`  )「殺す!」

川д川「無駄に煽─」

(*゚/ー゚)「やめなよカムイ。初対面なら物珍しがるのも仕方ないさ」

く(´<_`  )「芳賀司令」

川д川「申し訳ない。連れが狂暴で」

(ー□-□)「お前に言われたくねーわ!歩く公然銃刀法違反!
ん?…芳賀?あんたが芳賀 佑一か?」

(*゚/ー゚)「そうだよ。ユーイチでいいよ。
でもお父さんそっくりだねぇ。顔とか色々。
蝶野サナギくん…君のお父さんは元気?」

( ゚∀゚)「おー!話がわかるねぇ!
ジジイになったけど、悪魔も人も喰っちまう現役ヤリチンで元気にやってると思うよ。
ああ、スプーキーズ解散後に撮ったって写真あるんだけどさ、見る?」

(*゚/ー゚)「いいの?見る見る!」

川д川「…助けてくれたところ質問責めですまないが、あの人は…その…いつもああなのですか?
あのしましま帽子とか…」

(´<_`  )「ああ見えても43なんだ、あの人」

https://pbs.twimg.com/media/FU5I-_SVUAAjlmI.jpg

(*゚/ー゚)「おお、右がサナギだねぇ。やっぱりかっこいいなぁ。
左の人達は?」

( ゚∀゚)「時幻のナントカってとこで、ネミッサおばさんと再会できたらしいんだ。
そこで戦った凄腕サマナーらしいんだよなぁ。戦った後に記念撮影」




(’/ー`)「ついたよ」

11 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 22:50:26 ID:VcRlLwjw0
https://www.youtube.com/watch?v=ajJLjB5PZKo

(’/ー`)「改めて自己紹介。
僕は桜井雅宏、50歳。スプーキーでいいよ」

https://pbs.twimg.com/media/FU5TD8KUYAEEOsc.png

(´<_`  )「かつてこのアマミシティを救ったスプーキーズのリーダーだ。くれぐれも失礼のないように」

(’/ー`)y-「いいんだよ、カムイ。僕が呼んだお客さんだからね。
ちょっと失礼。この歳になってもタバコがやめられなくてね」

火をつける。

( ゚∀゚)「あれ?ランチとかシックスとかって奴らは?」

(;’/ー`)「家庭を持ったり、家業があったりするからね。無理には呼べないよ」

( ゚∀゚)「俺達はいいってか?まぁいいや。呼び出しが高校卒業直後で助かったぜ。
親父やおふくろからは、助けを求められたらあったら力になってやれって言われてるしな
二人とももう年だしな」



8(□□)「で、リーダーはどうすんのよ。」

(’ー`)y-「さて、どうするかな」

(*゚ー゚)「ハッカーやめちゃうの?」

(’ー`)y-「ハハハ、やめはしないさ。
だけど、これまでみたいな形じゃなくなるだろうな。」

(*゚ー゚)「どういうこと?」

(’ー`)y-「僕は門倉への劣等感による心の隙を突かれ、あやうくみんなを殺しそうになった。
自分をごまかすためなんかじゃなく、本当にやるべきことを、きちんと見つけてね…」

https://pbs.twimg.com/media/FUz_t6lakAAu3_p.jpg



(’/ー`)y-「…覚えていてくれたんだな、サナギ…」

川д川「甘いな。我が一門は書生を表向きにしてサマナーをしている」

( ゚∀゚)「るせー!ヒトには人の事情ってもんがあるんだよ!
で…まぁ。わざわざこんなとこまで呼び出したってことは!
サマナーとして雇ってくれるんだろ?スプーキーさん」

12 ◆MxHvQqijkA:2022/06/10(金) 23:33:53 ID:VcRlLwjw0
’/ー`)y-「もちろんだ。手厚い待遇を保障するよ。
とりあえずここまで来てくれた交通費を、何倍かにして返しておくね」

万札を数枚渡される。

( ゚∀゚)「わーお!気前いいね…オイ!何抜いてんだよ!」

川д川「ここまで来た奢りの貸しだ。二万で済むのをありがたく思え」
つ と

(’/ー`)y-「ああ、もちろん君にもだ。ええっと…葛葉…」

川д川「共助です。それと私には不要です。
うちの組織から資金は出ているので。
そちらの組織にも提供されているはずです」

(’/ー`)y-「そうか。わざわざ里から呼び寄せてすまなかったね。
確か、超國家機関ヤタガラス…」

目の奥がキ゜ッと光る。

川゚д川「おやめください。その名称はもはや形骸化しております。
かつての二度の世界大戦で日本を勝ちへ導けなかった、それによって政府からは見限られました。
今は『クズノハ』が通称です。
この時代においてヤタガラス所属を自称する者は、ハクをつけたいだけのはぐれサマナーだと思ってください」

(;’/ー`)y-「りょ、了解…。僕らの時代でもクズノハだったね、そういえば」

( ゚∀゚)「スプーキーさんも写真見とくかい?」

川д川「真ん中が十四代目葛葉ライドウ。幾度も帝都、今の東京を救った歴代最強とも言えるライドウ。
左は葛葉キョウジ。27年前に影ながら活躍した凄腕のデビルサマナー。
急に人格が変わったとか…」

https://pbs.twimg.com/media/FU5JAFLUcAA8sqT.jpg

フォルダから他の写真を見る。

( ゚∀゚)「これは確か女性陣の写真だな。この猫はオスかメスかわからんが。右はネミッサおばさん。
エロいよなぁ〜ヤリたいぜ。親父はやったのかな」

川д川「右は…わからんな。真ん中は業斗童子。ただの猫ではない。葛葉ライドウのお目付け役だ。
左は…」




(’/ー`)y-「!この人は…!」

左の栗色の女性に目が止まる。

13 ◆MxHvQqijkA:2022/06/11(土) 00:01:47 ID:Q0TSTd1.0
川д川「麗鈴舫ですか?先に説明した葛葉キョウジのパートナーを務めたクズノハの巫女ですが」

(;’/ー`)「そう、レイさんだ!昔の事件で僕が死にかけた時に助けてくれたんだ。
お礼がしたいんだが、まだ元気かな?」

川д川「麗様なら息災ですよ。相変わらず葛葉一族は老けや衰えを知らない。
組織から出ているのでお金には困っていないと思いますが、私が口添えしてお会いできるようにしてみましょうか?
幼馴染とよく一緒に食べていた中華料理とマンゴープリンが好物だったかと」

(’/ー`)「ありがとう!別にやましい気はないんだ。」

川д川「努力はしてみますが、私は下っ端ですから。過度な期待はしないでくださいね」



(´<_`  )「レイ・レイホゥの幼馴染…超級召喚師ナオミか。
ファントムの口車に乗り、神の領域に手を出して…ハジをかいたバカな女。
噂に聞いた通りの力なら、生きていたなら稀有の伝説になれていただろうよ」

胸倉を掴む。

( ゚∀゚)つ「てめー言っていい事も悪いこともわかんねーのか!
親父からの又聞きだけど、ナオミって人は騙されて捨て駒にされたんだよ!」

(´<_`  )「ふ、やたら死に敏感じゃないか。
親しい奴でも死んだか?」

(#゚∀゚)「両親もどっちのじーちゃんばーちゃんもトモコおばさんも元気だよ!
だから嫌なんじゃねえか!何かを喪うなんてよ!」

(´<_`  )「フン、これから俺達がやるのは、生きるか殺すか。
喪うか喪わせるかの命のやりとりだ。
そんなんでやっていけるのか?」

( ゚∀゚)「やっぱてめーは気にくわねーな。助けてもらったのには礼を言うけどな」

(’/ー`)「…静かに!」



着信音。
ユーイチのスマホからだ。

(*゚/ー゚)「はい。うん、うん、わかったよ。今連れて行く」

(;’/ー`)y-「彼からかい?」

(*゚/ー゚)「うん、スプーキー。5階だってさ。
じゃあ二人とも、行こうか。
まだ会わせたい人がいるんだ」

14 ◆MxHvQqijkA:2022/06/11(土) 00:26:26 ID:Q0TSTd1.0
とある場所。

ζ(@┏Д┓@)ζ「勝手に出撃とは、どういうことかね」

ミ(゚、゚;ラ「申し訳ございません。私の管理不足でした」

(■ハ■)「よいではありませんかランドウ様。
私の力を試すのに丁度よい機会でした。
それに…」

ζ(@┏Д┓@)ζ「申してみよ」

(■ハ■)「奴らが呼んだと思われるサマナーを見つけました。
見当違いでフリーサマナーだとしても、捕獲して素体にしてしまえばいいのでは」

ζ(#@┏Д┓@)ζつ「そういう簡単な問題ではない!
計画は常に盤石でなければならないのだからな」

机を叩いて怒る男。

ζ(@┏Д┓@)ζ「わしはかつて宇宙開発という名目で、金目当ての科学者、軍人集めた。
そして脳改造して科学兵士とし、秘密基地を次々と増やしていったのだ。
その中にヤツがいた…かつての貴様らファントムソサエティが取り逃した忘れ形見がな!」

脳裏に広がる、次々と破壊されていく兵士達と爆破されていく基地。

ζ(@┏Д┓@)ζ「やつ一人のため基地は翻弄され、わしの夢をかけた基地を次々と破壊しおったわ!!
やつはそれほど訓練された兵士だった。」

(■ハ■)「それほどの手練れが?名前はなんと…?」


















ζ(@┏Д┓@)ζ「奴の名はウラベ…」

15 ◆MxHvQqijkA:2022/06/11(土) 00:46:59 ID:Q0TSTd1.0
トレーラーを出ると夜の街だった。

(’/ー`)y-「ここは旧アルゴンNSビル。スプーキーズの最初の戦いが始まった場所だね」

(´<_` ;)「桜井司令、歩きタバコはおやめください」

(’/ー`)「そうだね。ビルの中に灰でも落としたら怒られちゃうや」

(’/ー`)「5階だっけ」

(*゚/ー゚)ニア「そうだよ」

エレベーターのボタンを押す。

(;’/ー`)「昔はビル一杯に悪魔がいたんだよ。
そして僕は地下に監禁されてしまったんだよな。もう二度とごめんだよ」

五階。
電算機室と書いてあるドアを開ける。

(*゚/ー゚)「きたよー。連れて」

「お疲れ様です」

見向きもせず、ひたすら同じ映像を繰り返し見ている男がいる。

(’/ー`)「蝶野サナギの息子さんと、クズノハから派遣されてきた共助くんだ」

「…」

(ー□-□)「顔くらい見せやがれ。誰だ、てめーは」
















https://pbs.twimg.com/media/FU5vi_nUsAEKgdt.jpg

「卜部浩二だ」

16 ◆MxHvQqijkA:2022/06/11(土) 21:55:04 ID:Q0TSTd1.0
レ ´_>`)「こっちは名乗ったんだ。貴様の名も聞かせろ」

(ー□-□)「俺は遠野マナコ。遠野瞳の息子だ。多分な」

(’/ー`)「…多分?」

(ー□-□)「親父はヤリチンだったからな。おふくろと、トモコおばさん両方とヤッてたんだ。
どっちから産まれたかは俺も知らねー。聞いてみたらコウノトリが運んできたってよく冗談かまされたもんだ」

(;゚/ー゚)「…あれ?トモコちゃんって確かサナギの…」

レ ´_>`)「そこに愛があるなら些細な事など、どうでもいい。
で、持ってきたんだろうな」

(ー□-□)「これだろ?しかし酔狂な依頼だな。こんな骨董品渡すだけで金くれるのかよ?」
っyつ

レ ´_>`)つ「これはほんの序の口に過ぎん。事が終われば万だろうが億だろうがくれてやる」

川;д川「マジで!?」

https://pbs.twimg.com/media/FU-NpcmaUAAWsCA.jpg

ガンタイプPCを渡す。
卜部と名乗った男は早速受け取り、トリガーを引く。

https://pbs.twimg.com/media/FU-NqbSagAAz9oT.jpg

レ ´_>`)「パスワードまで昔のままだ…感謝するぞ。小僧。
伊達メガネを外さず話をした事は不問にしてやる。
本来、メガネも外さず目上に話しかけるなど礼儀に欠く」

(ー□-□)「気付いてたのかよ。悪趣味で嫌味なおっさんだ。
マナコって名前を聞くと、どいつもこいつも裸眼を正視してきやがる。
おれにはそれが嫌なんだよ」

(´<_`  )「口を慎め!ウラベ総司令はこう見えてもまだ27だ!」

レ ´_>`)「フォローになっていないフォローありがとう。
親父が老け顔だったからな。遺伝と思えば仕方ない」

https://pbs.twimg.com/media/EW82COFUEAAehFh.jpg

レ ´_>`)つ「リャナンシーまで入っているのか!
気が利くじゃないか。前金だ、とっておけ」

999999円を渡される。

(ー□-□)「気前いいじゃねーの。悪魔野郎よりは少し気に入ったぜ。おっさん
まぁ親父からの口座にも999999円入ってるんだがな」

17 ◆MxHvQqijkA:2022/06/11(土) 23:43:08 ID:Q0TSTd1.0
レ ´_>`)「フッ、この街を出る事ができなければ使い道もないかもしれんがな」

川д川「これでコンビニ飯が食べ放題…
いやちょっと待て、じゃあお前なんで貯金あるなら僕にたかってたんだ!?」

(ー□-□)「親父の座右の銘だ。切り札は取っておけってな。
逆にオマエに手持ちがなけりゃ、俺がおごってたぜ?キョウ」

川д川「…信じておくぜ。相棒」



レ ;_>;)「パパ…やっと会えた…」

色あせたGUMPに泣きながら頬ずりする。

(*゚/ー゚)「よかったね、ウラベさん」

(ー□-□)「うえっ。いい歳したおっさんがやることかよ。
しかしよぉ、鬼女リャナンシーなんて言っちゃ悪いがよくて中堅どこの悪魔じゃねえか。
そんなもんが100万と引き換えに大事だってのかよ?」

https://pbs.twimg.com/media/FU-kWdZaAAI-xtR.png
https://pbs.twimg.com/media/FU-kZkRakAAfIx0.png
https://pbs.twimg.com/media/FU-keVJaIAAEMyp.png
https://pbs.twimg.com/media/FU-khIEaIAARXQe.png

レ ´_>`)「貴様はまだバカだが、きさまの親父、蝶野サナギには感謝しきれんよ。
俺の親父は、とある依頼でハジかいてくたばった。
それで連れていた仲魔も散り散りになってしまってな。」

( ゚∀゚)「んだとこら!バカだとぉ!?」

川д川「そういう瞬間沸騰なところがバカだというんだ」

レ ´_>`)「まぁ聞け。俺はある程度の歳になったら、親父の仲魔を必死こいて探した。
だが見つからずじまいで、やっと貴様の家に連絡がついた。
このGUMPはサナギ氏が愛用していたものだが、元々は俺の親父のものだ。
いわば親父の残骸だ。」

(’/ー`)y-「最初に捨てられてたそれ、見つけたの僕なんだけどね。ははは
まさかジャンク屋に売り飛ばされてるなんて思わないだろう」

レ ´_>`)「桜井さんにも感謝しております。あなたが偶然にも見つけてくださらなかったら、親父の命もムダになっていた。

小僧、そりゃリャナンシーなんて星の数ほどいるさ。
でもこのリャナンシーは特別だ。俺の祖母、母親、姉、妹のようなものだ。いわば家族なんだよ
他の仲魔のベス、プッソは見つからずじまいだったが…リャナンシーが生きていてくれただけで幸運だ」

男はGUMPをギュウっと握りしめる。

18 ◆MxHvQqijkA:2022/06/12(日) 01:02:15 ID:HwM3SIps0
(ー□-□)「悪魔が家族?おっさんのお袋はどうしたんだよ」


レ ´_>`)「死んだ。当時赤ん坊だった俺を逃がしてな」

(ー□-□)「…悪かった」

レ ´_>`)「気にするな。貴様がやったわけじゃない。
クズノハの小僧、貴様の身分証明を」

川д川「…僕はケータイを持っていないので、育ててくれた凪婆の写真でもいいですか」

https://pbs.twimg.com/media/FU-1degaAAAOcQX.jpg
https://pbs.twimg.com/media/ESLGSUbVAAA8kMr.jpg

モノクロとカラー写真。

レ ´_>`)「伝説のライドウと共闘したのち、十八代目葛葉ゲイリンを襲名した御方か。
最新の写真はないのか。それと貴様のCOMPを」

川д川「カラーが十数年前のものですが、今もあまり変わらないですよ」

懐から何か出す。

川д川「それと僕は管使いですので」
つっ

レ ´_>`)「もういいぞ。管による悪魔の仲魔化は生半可なやつにはできない。
十二分に証明になる」

川д川「ありがとうございます」

レ ´_>`)「さて、これから貴様らに戦ってもらう敵の紹介をしよう。
所詮は半壊した見苦しい出涸らしだがな」


リモコンを操作し、映画風の映像が流れ始める。







レ ´_>`)「…全てはここから始まった。俺の人生のターニングポイントだ」

https://pbs.twimg.com/media/FU-xm0caQAArrN_.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-xoHTaQAAFAf9.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-xpRvaAAACrbL.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-xrvpaIAAnwDu.jpg

19 ◆MxHvQqijkA:2022/06/12(日) 01:40:56 ID:HwM3SIps0
悪魔に喰い殺される警備員。

(ー□-□)「一般人を巻き込むのか。ひでぇな。
俺のじいちゃんもl被害を受けた事があるって聞いた。これがファントムソサエティってやつなのか」

レ ´_>`)「そうだ。貴様の父が壊滅させた虫けら組織だ。
当時のファントムはアマミシティ中にネットワークを利用した監視カメラを仕掛けていてな。
そのお陰でこれが見られる。憎悪が高まる」

https://pbs.twimg.com/media/FU-9dP0aQAAqVTY.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-9fDaagAAQa6B.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-9g7kaUAAiYid.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU-9wu4aAAAZcKs.jpg

川д川「ウラベさんのお父さんに縁があるから、この電算機室をアジトに使っているんですね」

(´<_`  )「よく見ろ。空気が変わるぞ」



https://pbs.twimg.com/media/FU_BFpqaAAADVNm.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_BG-RacAI7gwm.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_BIvQaUAAZyMT.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_BJ-yakAAipwi.jpg


(ー□-□)「…この髭野郎は!確か船岩とか…!」

レ ´_>`)「フィネガンだ。貴様らを襲った卑怯者だよ」

https://pbs.twimg.com/media/FU_ClTwakAEH3Qn.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_CmzeakAEhK25.jpg

(ー□-□)「このイキリメガネむかつくなぁ〜。仲魔がいない奴に対してこれかよ」

レ ´_>`)「安心しろ。このクソ野郎含めフィネガン信者どもは俺が逆に始末してやった。
ゴキブリみたいにしつこいのが一匹だけ残ってるがな」

https://pbs.twimg.com/media/FU_CoDkakAADEmf.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_CpboaQAMVSag.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_EqnNaUAAdI47.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_ErzlagAEaMbg.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_EtC2aQAA6tK0.jpg

(ー□-□)「結局、俺の親父のように虫けらみたいに潰されたのはこいつらだったみたいだがな!」

https://pbs.twimg.com/media/FU_EuW2aAAAoHj9.jpg


一発の銃声。ビル屋上から突き落とされる男。

20 ◆MxHvQqijkA:2022/06/12(日) 02:38:42 ID:HwM3SIps0
https://pbs.twimg.com/media/FU_GcrZakAAJAfq.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_Gd2gakAA9x4y.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_GfBraUAE4Zrr.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_GgUsaUAAOKQm.jpg

レ _>)「父さんも俺が生きていたと知っていたら、留まってくれたんだろうか」

(ー□-□)「…俺には何も言えねぇよ」

https://pbs.twimg.com/media/FU_Mtk8agAE-YGv.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_Mwd5akAAyP6j.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_Mx_6aQAElton.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_MzXSaAAENkx7.jpg

レ ´_>`)「奴は正々堂々とした戦士然としているが、実態は全く違う。
格下のサマナーに体力を削らせた悪魔にトドメを刺してドヤ顔したり、
芳賀さんを拉致、サナギ氏とタイマンすると言いつつ不意打ちで彼の仲魔をコピーして襲っている」

(ー□-□)「ネミッサおばさん煽り力たけぇなぁ」

https://pbs.twimg.com/media/FU_OfQYacAAVQrs.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_OhXKaMAAGn__.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_OkoPagAA4T_r.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_OnFwaIAEfx6A.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_Pl3WaIAAzOqD.jpg

川;д川「…なんて自分勝手なんだ」


https://pbs.twimg.com/media/FU_PpohaQAAe-61.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_PsnjaIAUca43.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_QWzVaUAAUOKR.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_QZClakAAIh4G.jpg
https://pbs.twimg.com/media/FU_QcwQaMAAjIHS.jpg

レ ´_>`)「挙句の果てにファントム内の不始末の尻拭いをサナギ氏に押しつけ
そこのボスを倒す前に戦いを挑み敗北、ネミッサ氏に回復してもらう。
独断専行でネミッサ氏の兄弟ともいえる電霊マルスムに無策で挑み、また助けてもらう」



(ー□-□)「あー、その先は聞いてるぜ。
最後の場所までついてきて、マニトゥとかいうドでかいのに
『ママ!』とか言って抱きついてグシャ!って抱き殺されたってな」




レ ´_>`)「そうだ。マニトゥに何を垣間見たのかは知らんが…
こんな愚者…間抜けに親父が殺されたなんて泣ける話だ」

21 ◆MxHvQqijkA:2022/06/12(日) 03:05:20 ID:HwM3SIps0
(ー□-□)「で、何でミンチになった野郎が生きて俺達を襲ったんだよ?」

川д川「あの男には生気を感じた。決してゾンビなどではない。」

https://pbs.twimg.com/media/FU_UutoaUAAQtKE.png

レ ´_>`)「俺が20くらいの時だったか。
プロフェッサー・ランドウというイカれた男が世界征服を企み、兵士や研究者をかき集め改造し超力兵団を作ろうとしていた」

川д川「かつて十四代目ライドウが阻止したという富国計画の事ですか」

レ ´_>`)「そう。どこで計画書を見つけたか知らんが、その悪魔の計画をトレースしようとしたわけだな。
俺はファントムの息がかかっている可能性を見て、改造素体にされる兵士として志願した。
そしてスキを見て、改造兵士や各基地を潰していったわけだ。俺一人でな。
恐らくフィネガンは超力兵団計画の副産物によって蘇ったのだろう。」


レ ´_>`)「で、ランドウはこのアマミシティまで逃げてきた。
ファントムの残党と手を組んで世界中の人間の脳をハックしようとしている。
これもかつてここが天海市と呼ばれていた頃にファントムがやろうとした来た事のトレースに過ぎない」

(ー□-□)「そうか!億でもくれてやるってのは、基地を破壊して資金を奪ったからか。
で、俺達は何をすればいい?」

レ ´_>`)「ファントムサマナーの虫けらどもを殲滅するのだ。
もちろん資金は惜しまん。暇な時は好きに遊ぶがいい」

川д川「それだけじゃ、ないんでしょう?」

レ ´_>`)「ああ。俺ももちろん戦うが、ある役目だけは俺に譲れ。」



















レ ´_>`)「フィネガンの抹殺だ!」




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板