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美
110
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:15:30 ID:L5sUrxV.0
.
111
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:16:20 ID:L5sUrxV.0
非記と出会ったのは、7年前になる。
焼けつくように暑い日。VIPの路上。
彼はあたしより5つ上だった。幼くして既に売人だった。
彼の瞳には何の光もなかった。
...あたしは彼と出会う前の記憶を、何一つ思い出せない。
(-_-) ...どうしたの。こんなとこで
ノパ⊿゚)
(-_-) ...歳は?
ノパ⊿゚) ...13
(-_-) ...他に誰か、いるのかい
ノパ⊿゚) わからない
(-_-) 思い出せないのか
112
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:17:19 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) あなたは、誰?
(-_-) 僕は非記。君は
ノパ⊿゚) あたしは....
ノパ⊿゚) ...脾都
(-_-) 脾都か。よろしくね
(-_-) ついてくるかい?
ノパ⊿゚) ...うん
そのまま、彼がVIPに持っていた「家」に招待された。
記憶もなく、あてもないあたしはそこに住み着くようになった。
荒れ果てた小屋だった。
酷く暑くて、一日中視界が白くぼやけてた。
あたしと同い年にして、薬物中毒でガリガリの子、幻覚を見てうわごとを言ってる子、
虚空を見つめながら一日中床に寝っ転がってる子...色んな子と出会った。
あぁ、あたしは、終着駅に来たんだ。
そう思った。
113
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:18:11 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) 非記は、どうしてこんなことを
(-_-) ...生きるため。って言ったら簡単だけど
(-_-) それだと、耐えられないから
(-_-) 生きがいだと、思うようにした
ノパ⊿゚) 生きがい...
(-_-) うん。僕と同じ境遇の子に...偽りでもいい。幸せを与えるのが、僕の生きがいだ
ノパ⊿゚)
(-_-) ああ、そうだ。新しい薬があるんだ
(-_-) ...君も使うかい?
ノパ⊿゚)
114
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:19:37 ID:L5sUrxV.0
あたしの初めては、彼に見守られてだった。
どうしてかな...あたしは誰でもない。と思ってたのに、
行ってる時だけはそのことが愛おしかった。
ノパ⊿゚) はっ.....
(-_-) おかえり
ノパ⊿゚) なんだ、これ...
(-_-) 君の世界だよ
ノパ⊿゚) あたしの...世界
(-_-) この薬には禁断症状がない。…君にはこれが必要だと、思ったんだ
ノパ⊿゚)
ノパ⊿゚) ...ありがとう
115
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:20:27 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) 非記は使わないの
(-_-) ...僕はいいんだ
ノパ⊿゚) あたし、非記が何を見るのか、興味あるよ
(-_-) ...。
ノパ⊿゚) いやなの?
(-_-) 僕は...薬は使わない。そう決めてるんだ
ノパ⊿゚) ....どうして
(-_-) ねえ
(-_-) この世界に生まれた僕らは、いつまで生きると思う?
ノパ⊿゚) ...わかんない
(-_-) 明日には死んでるかもしれない。ひょっとしたら何十年も生きるかも
(-_-) ...だけど、それに何の違いがある?
ノパ⊿゚)
(-_-) 僕は何もいらない。どうせ全部、無になるから
-
116
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:21:42 ID:L5sUrxV.0
1年後、診競と四威がやってきた。四威は「家」に住むことはなかった。彼女は、いつも診競と距離があった。
あたしたち3人は、ご飯を食べるのも、寝る時も常に一緒だった。
ただ取引する時、あたしたちは隠れるように言われていた。
彼なりの優しさだと思う。
あたしたちはしばしば、死んだ子たちを「家」の裏庭に埋めた。
最初は悲しかった。目の前が暗くなって、心臓がバクバクした。
だけど途中から何も思わなくなった。それから、何人埋めたか数えるのをやめた。
.
117
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:22:37 ID:L5sUrxV.0
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚)(-_-) .....。
ミセ*゚ー゚)リ ...ねぇ。非記は、あの子たちを何故放っておくの
(-_-) ...彼らが望んだものを与えたんだ
(-_-) ...それに、生きながらえたって
ミセ*゚ー゚)リ ...そんなことないよ
ミセ*゚ー゚)リ 何もなくても、私たちには美がある
(-_-) 死んだら全部おしまいだよ
ミセ*゚ー゚)リ ...ううん。美は消えない。絶対に
(-_-) ....。
118
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:23:19 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) ねえ
ノパ⊿゚) どうして、非記はあたしたちの面倒を見てくれるの
(-_-) ...他の子と同じように
(-_-) 皆が求めるものを、僕は与えてるだけだ
ノパ⊿゚) あたしが何を求めてるのか、わかるのね
(-_-) ...ああ
(-_-) 全部、わかるよ
ミセ*゚ー゚)リ ...あの子たちを、地獄から救い出すことはできないのかな
ノパ⊿゚) みっちゃん
(-_-) ....救い出すって、何だい?
ミセ*゚ー゚)リ それは...
(-_-) 救いって、何?
ミセ*゚ー゚)リ ....
ミセ*゚ー゚)リ 答えは私の中にも、きっと、誰の心の中にもある
ミセ*゚ー゚)リ 私は非記にそれを教えてもらったんだよ。だから、私が今度は救う番だと、思う
(-_-)
(-_-) ...それが、君が求めることなんだね
119
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:24:10 ID:L5sUrxV.0
ある嵐の夜。非記はあたしたちを起こして、奏柵に移ると告げた。
彼の友人が手配したトラックの荷台で、あたし、診競、四威、他の子は一週間近く、過ごした。
途中で、子どもたちは一人、二人と死んでいった。
ある子は薬物の打ち過ぎで、ある子は川に飛び込んで、ある子は衰弱して死んだ。
その度、診競と四威は涙を流した。
あたしは、泣けなかった。
奏柵に着く頃には、4人だけが残った。
.
120
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:26:02 ID:L5sUrxV.0
奏柵に着いた日の夜のことだった。
四人で荷台に仰向けに寝っ転がり、星を見ていた。
(*-ー-) スースー
四威は疲れてしまったのか、もう既に眠っていた。
非記が珍しく、あたしたちに話しかけてきた。
(-_-) ...ねえ
ノパ⊿゚) 何?非記
(-_-) 不思議なんだけど...
(-_-) さっきから、ずっと音がするんだ
ミセ*゚ー゚)リ ...音?
(-_-) 聴こえないかい?
ノパ⊿゚)ミセ*゚ー゚)リ ...うん
(-_-) これは...なんだろう
(-_-) あ、これは....賛美歌か....
(-_-) 遠くから、賛美歌が聴こえてくるよ、はは....
あたしたちにとって、彼が初めて笑う瞬間だった。
喜びでも、悲しみでもない。どこまでも皮肉めいた笑い。
だけどその笑顔を、あたしは忘れることができなかった。
その夜は、都会とは思えないほど星が綺麗だった。
彼は両手を大きく広げて、そのまま眠った。
.
121
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:26:53 ID:L5sUrxV.0
-
(-_-)
.
122
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:27:46 ID:L5sUrxV.0
ミセ ;ー; )リ うぅっ....えっぐ...
ミセ ;ー; )リ ひき...ごめん...ぅ...っ
(* ー ) ……非記さん
黒い地下室。
診競の嗚咽だけが静かに響き渡る。
棺に収められた非記。
もう生の色を僅かとも残していない状態。
しずかだ
しずかだ
ノハ ⊿ ) ...ねえ
ノハ ⊿ ) 非記は、あの夜、何を聴いたの?
('A`) ....。
ノハ ⊿ ) 聴かせてよ。皆に
ノハ ⊿ ) なんとかいってよ....非記....
123
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:29:06 ID:L5sUrxV.0
ミセ つー)リ
ミセ ー )リ
ミセ ー )リ 遠くで、歌が....聴こえる
(*゚ー゚) ...ほんとだ
('A`) これは...
ノハ ⊿ )
124
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:29:57 ID:L5sUrxV.0
-
.....ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
....ィィィ
....ァァァァァァァ
...ェェェェェェェェ
.
125
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:30:37 ID:L5sUrxV.0
-
それは、どこまでも静謐な歌声だった。
どこからともなく、果てしない遠方から聴こえてくる
もう何を言ってるのかも分からない、ぼんやりとした賛美歌。
.
126
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:31:21 ID:L5sUrxV.0
-
.....ロァァァァァァァ
....ィィィィィス
....ゥゥゥゥゥ
...ェェェェェ
.
127
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:32:14 ID:L5sUrxV.0
その時、あたしにはわかった。
歌声に溶かされた時間が、澄んだ流れになって
地下室から流れ落ちていく。
ずっと下、光のない場所をずっとずっと、降っていき...
はじまりもなく、おわりもない場所に合流した。
大きな時間。
この世界を世界たらしめている存在。
幾千年もの間、あたしたちに子供を残させ、この世界に生き続けさせている存在。
非記の時間が、そこに辿り着いたんだ。
.
128
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:33:05 ID:L5sUrxV.0
(-_-)
ノハ;⊿;)
.
129
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:33:44 ID:L5sUrxV.0
これが、あの夜あなたが聴いた声なんだね。
非記....。
.
130
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:34:18 ID:L5sUrxV.0
.
131
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:34:58 ID:L5sUrxV.0
…その夜、あたしたちは独生の住処で夜を明かした。
ノパ⊿゚) ...みっちゃん
ミセ*゚ー゚)リ ...なに?ひーと
ノパ⊿゚) ...辺尼って子と、会おうと思う
ミセ*゚ー゚)リ 誰...?
ノパ⊿゚) ...あたしを助けて、非記を殺した子
ミセ*゚ー゚)リ ...!
ミセ*゚ー゚)リ 皆には...言ったの
ノパ⊿゚) ...ううん。まだ
ノパ⊿゚) 昨日、道端で彼女に会ってさ。その時は断ったんだ
ノパ⊿゚) だけど、「私は待ってる。いつでもおいで」って...
ミセ*゚ー゚)リ
ノパ⊿゚) でも、彼女の心は、なんにもない
ノパ⊿゚) かわいそうだ..
132
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:35:41 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) 辺尼は敵だし...皆に危険が及ぶことも、わかってる
ノパ⊿゚) だけど...それ以上に、彼女は救いを求めてるんだと思う
ノパ⊿゚) 自覚すらない苦しみから、ね
ミセ*゚ー゚)リ 救い
ノパ⊿゚) うん
ミセ*゚ー゚)リ ...私も、行っていい?
ノパ⊿゚)
ノパ⊿゚) ...今のみっちゃんには、辛い時間になるよ
ミセ*゚ー゚)リ ...わかってる。けど
ミセ*゚ー゚)リ このままじゃ全部壊れる。もうそれは変えられない。きっと
ミセ*゚ー゚)リ 私は、それをただ待ちたくはないの
133
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:38:08 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) ねぇ...
ノパ⊿゚) 少し前に、あたしが言ったこと覚えてる?
ノパ⊿゚) 全てが終わってから、それからがあたしの仕事だ。って
ミセ*゚ー゚)リ ...うん
ノパ⊿゚) 今のみっちゃんには受け入れられないかも、しれないけど...
ノパ⊿゚) やっぱり、美はひとつじゃないよ
ミセ ー )リ ...そうかもしれない
ノパ⊿゚)
ミセ ー )リ でも、そこに私がいる資格はない
ミセ ー )リ 全部が壊れた時...美がなくなった時...私は誰でもなくなる。国籍も、性別も、
顔も、全部わからなくなる
ミセ ー )リ 誰でもない放浪者になって、どこに居着く権利もなくなるの
ノパ⊿゚) ...どうして
ノパ⊿゚) あたしを見てよ
134
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:39:01 ID:L5sUrxV.0
ノパ⊿゚) みっちゃんは、一人じゃないよ
ノパ⊿゚) あたしここに居るよ...見てよ
ミセ*゚ー゚)リ ...ごめん
ミセ*゚ー゚)リ 脾都
ノパ⊿゚)
ミセ*゚ー゚)リ いつか...脾都の中に行きたい
ノパ⊿゚) ...うん
ノパ⊿゚) いつか、ね
ノパ⊿゚) 全部終わったら、行こう
ミセ*゚ー゚)リ …約束だよ
.
135
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:40:59 ID:L5sUrxV.0
翌朝。
あたしたちは、奏柵の中央公園の広場に来た。
辺尼に会うために。
日が少し高くなってきていた。
朝の光で青く澄んだ広場には、壮麗な噴水が鎮座している。
人は少なく、無数の鳩が広場に集っていた。
辺尼は噴水の前にあるベンチに1人、座ってあたしたちを待っていた。
あの時と同じ黒いコート。
あたしたちが近付くと、鳩が一斉に飛んでいった。
('、`*川 …来たのね
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚)
('、`*川 そこにいるのは...診競ね
('、`*川 必ず来ると思ってた
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚) 辺尼
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚) 非記は死んだ。もういないよ
.
136
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:41:28 ID:L5sUrxV.0
五,了
137
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:42:40 ID:L5sUrxV.0
今後は辺尼、播院に関わるエピソードを中心に進めていきます
138
:
名無しさん
:2021/04/08(木) 20:46:50 ID:QHexV.s60
乙です
139
:
名無しさん
:2021/04/09(金) 09:44:42 ID:vUUCfGD60
乙!
140
:
名無しさん
:2021/04/10(土) 22:07:42 ID:GNcSB1hE0
相変わらず独特だな....乙
141
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:22:36 ID:SSUxwDII0
数分後に投下します
142
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:37:13 ID:SSUxwDII0
その日の朝。ベッドの上で、辺尼は己の過ちを悔いていた。
手視からの命令は、「脾都と接触し非記の情報を引き出すこと」
「可能であれば脾都と関わりのある人間を全員調べ上げること」。
しかし、これには当然の前提が存在する。
辺尼が「翠」であること。正体が向こうに知られていないこと。
自ら素性を明かした彼女は、生身の「辺尼」として、脾都にぶつかる他なかった。
これが...手視が忠告していたことだったのだ、と
彼女は痛感していた。
( 、 *川
しかし事態はそれだけには収まらなかった。
一週間前に彼女が見た不審な男もそうだ。以降、彼女の家のポストに悪質な悪戯が始まった。
部屋を荒らされた形跡もあった。警察に相談もした。取り合ってはもらえなかった。
頼れる者はいなかった。
思えば、生来彼女は孤独だった。
手視に相談しようとした。しかし、
あの夜...「送っていくよ」と言った彼の顔が脳裏に過った。
辺尼はあの表情に、何か気味の悪いものを感じていた。
彼を信用できなかった。
捻野や、ほかの同僚たちにも相談することができなかった。
あの不審な男が、手視か、同僚のうちの誰かかもしれないと思ったからだ。
143
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:46:20 ID:SSUxwDII0
そもそも、彼女は何かを根本的に見失ってしまったように感じていた。
いつから見失ったのか。それすら定かではない。
この仕事に就いてからのような気もするし、もっと遥か昔、子供の時からのような気もする。
( 、 *川 …どうして
数週間前までは何ともなかったはずだろう。そう考えるたび不安で胸が一杯になる。
理由も分からない、己ではどうすることもできない、不穏な感情がじわじわと自身を包んでいくのを感じていた。
もし。あの日持ち帰ったインジェクターを使えば。打てば。
何かが分かるだろうか。見失った物を見つけられるだろうか。
...と、ここまでの思考を、彼女はここ数日、数百数千と繰り返していた。
アラームが再び鳴った。
辺尼は重たい頭を持ち上げる。
144
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:49:26 ID:SSUxwDII0
('、`*川 (この状態じゃ...仕事を遂行するのも厳しい...なのに)
('、`*川 (私は脾都と直接ぶつからなきゃ、いけない...)
('、`*川 (それに、私がしたこと、インジェクターを持ち帰ったことは言い訳できない....)
彼女は瀬戸際に立たされていた。
私情を優先し、職責を踏みにじるか。償いを以って社会生活へと復帰するべきか。
しかしこの時を逃せば、見失ったものは永遠に見つからないと、半ば恐怖を伴い確信していた。
彼女は脾都の言った言葉を思い返す。
「あなたは何のために生きているの」。
('、`*川 (...家も金も、未来も...なんにもないあなたが)
( 、 *川 (どうしてあんなこと、言えるの.....)
( 、 *川 (なぜ、私の方が答えが出ないのよ....)
145
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:50:03 ID:SSUxwDII0
正義。
彼女がこの仕事に就いた時に抱いていた想いだ。今では、全く色を失い、ガラクタ同然と化していた。
食欲が全く湧かなかったため、辺尼はコップ一杯の水を飲み干した。
多肉にも水をやり、支度を進める。
部屋を覆い尽くす植物は、もはや彼女を慰めはしない。
例えれば、それらは不気味な触手を伸ばし、どこか恐ろしい場所へ手招いているような――また彼女の心の暗部で芽を出した邪悪のような――存在だった。
辺尼は最後に窓を閉め切った。
あの男が怖かった。
.
146
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:50:35 ID:SSUxwDII0
美
.
147
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:51:45 ID:SSUxwDII0
辺尼は、脾都を待っていた。
一度中央公園で声をかけたことがある。脾都は辺尼の顔を見ると、恋人らしき女の方へ走り去っていった。
調査を続けるうちに、女の名を診競ということが分かった。
辺尼はその日以来、午前中は公園で脾都を待つことにした。
そう遠くない日に彼女達はやって来る。そう直感していたからだ。
合理的な理由などない。ただどういうわけか、辺尼が一心に脾都を求め、
脾都が彼女に引き寄せられているのだ。
('、`*川 (...脾都)
148
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:52:15 ID:SSUxwDII0
1時間半ほど過ぎた頃、脾都と診競が広場に現れた。
('、`*川 …来たのね
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚)
('、`*川 そこにいるのは...診競ね
('、`*川 必ず来ると思ってた
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚) 辺尼
ミセ*゚ー゚)リノパ⊿゚) 非記は死んだ。もういないよ
149
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:53:42 ID:SSUxwDII0
('、`*川 …そう
ノパ⊿゚) あなたが聞きたかったのはそれでしょ?
('、`*川 ...。
ノパ⊿゚) そうでしょ
('、`*川 そうよ
('、`*川 誰に殺された?
ノパ⊿゚) ...非記と取引してた組織、ってのに
('、`*川 分かったわ
('、`*川 教えてくれてありがとう
ノパ⊿゚) はい。これでおしまい、かな?
('、`*川
ノパ⊿゚) ...あなたの仕事はこれで終わり。でも、本当は話したいことがあるんじゃないの
150
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:54:11 ID:SSUxwDII0
('、`*川 私のこと、恨んでる?
ノパ⊿゚) あたしは恨んでないよ。でも、仲間は恨んでる
ノパ⊿゚) あなたは知らないだろうけど、彼は凄く大切な人だったから
ノパ⊿゚) ...正直、非記にあなたと話したの、言わなきゃよかったって後悔してるよ
('、`*川 ...そう
('、`*川 ...皆に、ごめんなさい。って伝えてくれるかしら
ノパ⊿゚) わかった
ミセ*゚ー゚)リ ...辺尼は、どうして謝るの?
ミセ*゚ー゚)リ 私達を捕まえるのが、あなたの仕事なのに
('、`*川 ...っ
('、`*川 ...分からないの
151
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:56:09 ID:SSUxwDII0
('、`*川 分からない。あなた達がしていることが
ノパ⊿゚) ...あたし達は、美に誠実でいようとしてるだけ
ノパ⊿゚) あなた達は、それが違法だから追いかける
('、`*川 美なんて...
( 、 *川 美なんて信じない。それはただの...
ミセ*゚ー゚)リ ...美は、あなたの中にあるものだよ
ミセ*゚ー゚)リ あなただけが持っていて、他に何か持っていても、持ってなくても、変わらずあるもの
ノパ⊿゚) ねえ
ノパ⊿゚) ...あたしには分かるよ
ノパ⊿゚) 辺尼。あなたは助けて欲しいんでしょ
( 、 *川
( 、 *川 ...助けてほしい?
( 、 *川 笑わせないでよ...
152
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:57:01 ID:SSUxwDII0
( 、 *川 あなたみたいに、何もない、かわいそうな子を助けるのが私の仕事なの
( ∀ *川 助けてほしいのはそっちでしょ?薬に逃げてるのがその証拠...
ノパ⊿゚)
( ∀ ;川
( 、 ;川
( 、 ;川 ...何、その目は
ノパ⊿゚) 辺尼、
( 、 ;川 やめて
( 、 ;川 そんな、憐れむような目で見ないで
153
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:57:49 ID:SSUxwDII0
ノパ⊿゚) あなた達がしてくれたことなんて、あった?
ノパ⊿゚) 捕まえて、クソみたいな部屋に閉じ込めて、刑期が終わったら解放して、また捕まえて....
ノパ⊿゚) ...おまけに、あたしの親友を殺した
ミセ*゚ー゚)リ ...ひーと
ノハ ⊿ ) みっちゃんは黙ってて。別に怒ってない
ノハ ⊿ ) フー
ノパ⊿゚) ...それに、どうしてあの時あたしを逃したの?
( 、 ;川 ...それは、
ノパ⊿゚) 助けてほしかったんでしょ?
( 、 ;川 ....
154
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:58:36 ID:SSUxwDII0
( 、 ;川 あなたたちに...何ができるっていうの
ノパ⊿゚) あたしは
ノパ⊿゚) あなたがして欲しいことなら、なんでもする
( 、 ;川 っ....
ノパ⊿゚) あの日、インジェクターを持ち帰ったよね
ノパ⊿゚) 鞄じゃなくて、懐に入れたの見た
ノパ⊿゚) それで、どうするつもりだったの?
( 、 ;川
ノパ⊿゚) ...無理にとは言わないよ。「犯罪」だもんね
ノパ⊿゚) でも...美は。薬とは別物だよ
155
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:59:08 ID:SSUxwDII0
...暫し、沈黙が流れた。
辺尼の肌を、冷たい汗が流れていく。
信じようか?
とうに一線など越えていた。
辺尼は考えないようにしていた。脾都と話してどうなる?
およそ、行き着く先など分かるはずだった。つまり、彼女と共に薬を打ち、「行く」ということ。
常識的に考えれば、このような馬鹿げた話はあり得なかった。
美など...ただの幻想だ。心身を蝕む毒だ。破滅への案内人だ。
しかし、彼女は脾都の話に強く引き寄せられていた。
脾都なら、この理由の分からない苦しみの手がかりを教えてくれる。そうとしか思えなくなっていた。
今、彼女は選択を強いられていた。
彼女らを警察に引き渡し、良識ある生活に戻るのか。
自身の全てを投げ打ってでも、彼女についていくのか。
156
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:00:20 ID:hxc6LL6o0
( 、 *川
('、`*川
('、`*川 私が、持ち帰った?冗談でしょ
('、`*川 ...あなたの助けなんて必要ない
ノパ⊿゚)
('、`*川 あの時は、私がどうかしてたのよ
('、`*川 今、はっきり分かったわ。私は美なんていらない、助けなんて求めてない
ノパ⊿゚) ...そう
ノパ⊿゚) ...これ。あたしの携帯番号。いつでも電話かけて
ミセ*゚ー゚)リ いいの、脾都
ノパ⊿゚) うん。大丈夫
157
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:01:05 ID:hxc6LL6o0
('、`;川 どうして
ノパ⊿゚) 分かるよ。あなたが嘘ついてることくらい
('、`;川 ....!
('、`;川 後悔するわよ
ノパ⊿゚) ...しないよ
ノパ⊿゚) きっとまた会う
不意に、辺尼の後方で噴水が高く水を打ち上げた。
2時間おきに10分ほど続く水のオブジェクトであった。
太陽の光を浴び、銀色の礫が一面に降り注ぐ。
広場の拡声器から幽玄なる弦楽が流れ出し、それが空気をゆっくりと旋回させ、
情緒は青く沈澱した。
158
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:01:50 ID:hxc6LL6o0
…
(´・_ゝ・`) それで、どうだった
('、`*川 はい
('、`*川 非記は死んだようです
('、`*川 組織の犯行説が濃厚かと
(´・_ゝ・`) やはりか。特に驚きもないな
('、`*川 そうですね
(´・_ゝ・`) 脾都の繋がりは分かったか?
('、`*川 ええ。大体のところは
('、`*川 彼女は診競という女といつも行動を共にしています。非記の家がなくなった後は、独生という男の所に行き来しているようです
(´・_ゝ・`) 独生か。取調で聞いたな、その名は
(´・_ゝ・`) ということは、売人の捻余、臥名も居るのかい
('、`*川 はい
159
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:04:37 ID:hxc6LL6o0
('、`*川 独生達の住処も突き止めました
(´・_ゝ・`) そうか...
(´・_ゝ・`) 辺尼
(´・_ゝ・`) 顔色が悪いが
('、`*川 ...何でもありません。私は大丈夫です
(´・_ゝ・`)
(´^_ゝ^`) そう
('、`;川
(´・_ゝ・`) 入れ込むなと言ったよな
('、`;川 は...?
(´・_ゝ・`) ...なんでお前の名前が向こうに知れてるんだ?
('、`;川 ッ!
(´・_ゝ・`) さっき、取調でお前の名前が出たんで驚いたよ
(´・_ゝ・`) うっかり実名を喋ってしまった、なんて言い訳をするつもりか?
160
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:05:26 ID:hxc6LL6o0
( 、 ;川 そ、それは...
(´・_ゝ・`) 何を話した?
( 、 ;川 潜入捜査の時、同室になった脾都に私の名前と、捜査が入ることを、伝えました
( 、 ;川 全ては、私の個人的な理由によるものです
( 、 ;川 ...申し訳、ございませんッ!
(´・_ゝ・`) それだけか?
( 、 ;川
( 、 ;川 はい。それ以外は、何も
(´・_ゝ・`)
( 、 ;川
161
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:05:55 ID:hxc6LL6o0
(´・_ゝ・`) 辺尼
(´・_ゝ・`) お前がしたことは、重大な職務規律違反だ
(´・_ゝ・`) ...潜入に行かせたのは、女のお前なら、勘付かれる可能性が低くなると、思ってだ
(´・_ゝ・`) 結果、非記を逃し、手がかりを潰した。当然僕にも責任はある。
( 、 ;川 ...如何なる処罰もお受けします
(´・_ゝ・`)
(´-_ゝ-`)
162
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:06:27 ID:hxc6LL6o0
(´・_ゝ・`) 次はない。次、何かしたらお前はクビだ
( 、 ;川 ...はい
(´・_ゝ・`) 分かってるな、辺尼。僕らには守るべき家族と社会がある。あんな退廃的な反社連中とつるむなど
(´・_ゝ・`) 言語道断だよ
( 、 ;川 はい
(´・_ゝ・`) 今日はもう帰っていい。頭を冷やせ
( 、 ;川 ...失礼いたします
163
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:07:31 ID:hxc6LL6o0
ガチャ
( 、 ;川 スーー
( 、 *川 ハーーー
( 、 *川 (また、嘘をついた)
( 、 *川 (...手視への恐怖が遠のくと、不思議と何の罪悪感も湧いてこない)
( 、 *川 (最低。私は最低な人間だ..)
( `ー´)よう
('、`*川 !
( `ー´)話聞いたぜ。辺尼
164
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:08:22 ID:hxc6LL6o0
('、`*川 ...申し訳ありません
( `ー´)もうどうにもならんだろ。出視が責任を取ってくれるそうだ
('、`*川 ...はい
( `ー´)何か、悩みがあるんじゃねーの
('、`*川 ...。
( `ー´)
('、`*川 彼女らのことが、知りたかったんです...ただ、それだけです
( `ー´)...あそう
( `ー´)手視も言ってたと思うけど、深入りするなよ
('、`*川 はい
( `ー´)あいつらは犯罪者。俺らは取締官。割り切らねえと、やってけないって
('、`*川 はい
165
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:09:35 ID:hxc6LL6o0
( `ー´)まぁ、いいや。辺尼、これから食事でも行かないか?
('、`*川
('、`*川 食事...ですか
( `ー´)最近お前、色々溜め込んでるんだろ。出してけって
そう言って捻野は携帯を取り出し、レストランを検索し始める。
その時、画面上から通知が表示された。それを一瞥した捻野は電源を切り、辺尼に向き直った。
( `ー´)...スマン、別件が入っちまった。また今度な
('、`*川 はい
送信主の名前に「性奴2号」とあったことを、辺尼は見逃さなかった。
.
166
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:10:28 ID:hxc6LL6o0
彼女は極めて平静を装い、廊下で彼と別れた。
( 、 ;川 フルフル
庁舎を出て、夜の道を歩き始めた瞬間、彼女は全身の震えを抑えられなかった。
叫び出しそうになるのを、必死で堪えた。
.
167
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:11:09 ID:hxc6LL6o0
カチ......
ポシャ....
チチ......
パラ.....
カチ..... パラ......
ポシャ..... チチ....
カチ......
ポシャ....
チチ......
パラ.....
カチ..... パラ......
ポシャ..... チチ....
カチ......
ポシャ....
チチ......
パラ.....
カチ..... パラ......
ポシャ..... チチ....
カチ......
ポシャ....
チチ......
パラ.....
カチ.....
168
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:11:55 ID:hxc6LL6o0
それから、時間の感覚が飛んだ。
気付けば、辺尼はいつもの高架下に立っていた。
( 、 ;川
振り向く。電柱の影に、男の姿はない。
半ば走るようにして、家へと急いだ。
.
169
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:13:00 ID:hxc6LL6o0
街灯は少なく、道は真っ暗だ。
彼女は全身を何かに見つめられているような気がして、夢中で走った。
角。ひとつ、ふたつ、曲がって行く。
遠くに彼女のアパートが見えてくる。
がらんとしたコインパーキングの横を過ぎる。
アパートに辿り着く。
2階への階段を登る。
-
170
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:14:05 ID:hxc6LL6o0
玄関を開く。
息を殺す。電気を点ける。
何者かの気配がしないか、確認する。
彼女は恐る恐る、自室の扉を開いた。
部屋は、いつも通り夥しい数の、禍々しい多肉に囲まれていた。
彼女は、非常に何か、嫌なものが己の肉の中を駆け巡るのを感じた。
内側から何か壊れていく感覚がした。
彼女に帰る場所など、どこにもなかった。
.
171
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:15:09 ID:hxc6LL6o0
-
彼女はベッドに身を投げ、目を瞑る。
高鳴る鼓動は、未だ落ち着く様子がない。
恐ろしい予感が、どうしても晴れない。
ベ ラ ン ダ。
.
172
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:16:06 ID:hxc6LL6o0
( 、 ;川
彼女は、跳ね起きて、恐る恐る、目を開けた。
何もないことを祈りながら。
.
173
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:16:57 ID:hxc6LL6o0
(・∀ ・)
見知らぬ男が、ベランダの扉を開けて、こちらを見ていた。
その手に包丁を握りながら。
-
174
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:19:27 ID:hxc6LL6o0
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ...........................
.
175
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:19:52 ID:hxc6LL6o0
六,了
176
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 00:21:39 ID:lv13lLzY0
(((( ;゚Д゚)))
177
:
名無しさん
:2021/04/12(月) 20:11:30 ID:UvsrQjKs0
おぉ……唯一無二感がすごい
おもしろいです
178
:
名無しさん
:2021/04/13(火) 15:39:21 ID:V9pbAlDE0
ク̶̧̡̡̧̢̛̛̺͎̙̭̯̳͍̦͍͉͇̺͚͈̥̼̭͚͕̥̤̖̰͙͚͔̭̘̯̲͉̦̬̺̪͈̦̺̠͖̼͇̬̲̖̪̦̰̣̤̮̮͍̗̣́͂̏͛̈́̇̈́͂̽͂̏̓̉͌̀̇͊́͗͂̇̈̈͋̈́́̇͊̀̍̈́̔̈́̒̅͛́͂̋̈̈́͋͆̐́̿̃͆̃̂̎͋̚̚̚͝͠͝͝͠͠ソ̸̧̧̡̹̜̟̪͎̖̮̱̺̪̤̲͉̩͙̟͔̯͚̻͒̒̍̐̎̌̈́͌͒̇͒́͐͆͒̓̐̌͊͒̾̿̌̎̈́̀̿̍̅͘͜͜͝͝͠女̶̨̨̛̟͙͙̤̠̦͉͔̞͕̼̲̬̝̹͚͇̖͙̠͚͈̣̆̆͌̍̅̇͐̿͑̽̒̑̃̄͆͋͋̏̋̋̈́̇͆̊͐̍͌̽̽̊́͗̈͊̓͗͑͒́̀̽́͑́̆̚͘͝͠
179
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 20:56:32 ID:KZ3vL1s60
今夜投下します
180
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:09:02 ID:KZ3vL1s60
( Д ;川 ァ....ぁ...
(・∀ ・)
辺尼は、ベッドの上、上半身を起こしたまま
恐怖に固ま
り
、動けなくなった。
助けを求める声すら、上げられなかった。
男は、ゆっくりと、彼女との距離を詰めていく。
181
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:09:33 ID:KZ3vL1s60
( Д ;川 ァ....ヒュッ...カハッ!
男はベッドの上に膝立ちになり、辺尼に顔を近付ける。
そして、その手に持つ包丁を、彼女の首筋に、
ゆっくりとあてた。
( Д ;川 ヒュッ....ェ...ハッ...!
(・∀ ・)
( Д ;川 たす
(・∀ ・) 黙れ
182
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:10:28 ID:KZ3vL1s60
男はゆっくりと、柔らかく、辺尼の肩を掴み押し倒した。
男の大きな身体の影に、彼女は全身を包み込まれる。
彼女の視界から、光が消えた。
代わりに、真っ黒な男の巨体とその不気味な、人形のような顔が一面に広がった。
( Д ;川 まっ.....ね、たすけ...
彼女がそう言うと、じぐっ。と顎の右下辺りで水の濡れた音がした。
続く、鋭い痛み。触れていた冷たい刃が、なまぬるくなっていく感覚。
血が、首筋を垂れてシーツに流れていく感覚。
( Д ;川 .....ッ!!!!!!!!!!
(・∀ ・)
( Д ;川 は、はいっ....!
( Д ;川 ...はい、だじま...せん、こえ、
(・∀ ・) ...は?黙れって言ったんだが?
( Д ;川 ッッッ‼‼‼!?!
包丁を握る手の、親指が傷口に差し込まれた。
そのまま掻き回される。
鋭い痛みに声をあげそうになるが、必死で堪えた。
男は彼女の目を一度たりとも逸らさず、空いた片方の手で彼女の衣服を破り、
脱がしてい
く
。
.
183
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:11:44 ID:KZ3vL1s60
(・∀ ・)
(・∀ ・) ...ンだよ
ガブッ
( Д ;川 ッーーーーーーー!?
( 皿 ) ガブガブ....
( Д ;川 ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
( O ) プホーーー
(・∀ ・)
(・∀ ・) お前さ
184
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:13:15 ID:KZ3vL1s60
( Д ;川
(・∀ ・) 性格悪いだろ
( Д ;川 ...はい?
(・∀ ・)
ジグッ
( Д ;川 ッ⁉⁉
( Д ;川 フルフル...
(・∀ ・) ...いつも
(・∀ ・) いつもいつも、
185
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:14:13 ID:KZ3vL1s60
(・∀ ・) 能力がどうとか、デキるがなんとか
(・∀ ・) オレ無視しやがってよ。
( Д ;川
(・∀ ・) でもお前ら、結局ただの色仕掛けじゃん?
( Д ;川
(・∀ ・) お前らのさぁ、さぁ、大事な人なんて、大事な人じゃないのに
(・∀ ・) 大事なものなんてないだろ
(・∀ ・) 俺大事にされてないッ!
(・∀ ・) お前ら見てると足冷えるんだよ!頭痛くなるし
(・∀ ・) なんかうっさい音、ザラザラザラザラずっと聞こえんの!!!頭ん中で!!
( Д ;川 (な、何、言ってるの.....!?)
186
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:14:55 ID:KZ3vL1s60
(・∀ ・) 俺どこにもいないの!俺どこにもいないの!わかる!?
(・∀ ・) ...でも、本当は全員どこにもいないだろ
(#・∀ ・) なのに、「いる」みたいなツラしやがって、ムカつくんだよ!
(#・∀ ・) ....おいなんか答えろよォ!
.
187
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:15:50 ID:KZ3vL1s60
( Д ;川 ま、待ってッ...!
(#・∀ ・)
( Д ;川 ...悪かったから、私が悪かったから...!
(#・∀ ・)
( Д ;川
(#・∀ ・) なんだよ!続きねえのかよ!!!
(#・∀ ・) 黙って聞けよ!俺の話!!!!!
ジグッ
( Д ;川 ヒッ....!
188
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:16:32 ID:KZ3vL1s60
男は「力いっぱい」、天井を見上げた。
鼻息は荒く、胸は激しく上下している。
(# ∀ ) ハァっ....ハァっ....
(・∀ ・) スッ
( Д ;川 (包丁が、離れた....)
(・∀ ・)
( Д ;川 フルフル
(・∀ ・)
( 、 ;川
189
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:17:15 ID:KZ3vL1s60
しばし、嘘のような空白が挿入されていた。
男に馬乗りにされた状態の辺尼は、パニックを起こした頭で状況を整理していた。
当然、取るべき行動は一つ。
隙を見て男から凶器を奪い取り、無力化すること。
訓練で培った護身術を用いれば、可能な筈だった。
しかし、彼女の精神状態は、それを許してはくれなかった。
ならば、対話を試みるしかない。
この部屋は壁が薄い。先程の並々ならぬやり取りは、当然周囲に気付かれているだろう。誰かが警察を呼んだに違いない。
時間を、稼ぐのだ。
下手に出ようか。理由はわからないが、謝罪を続けようか。
思えば、その場を慮ること、取り繕うのは得意になっていた。
しかし、この狂人を相手にどうやって...?
.
190
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:17:44 ID:KZ3vL1s60
その時。
奇妙なことに、彼女の本能が、理性に押し戻された。
猛スピードで稼働し過熱していた反射的な思考、この場を切り抜き命を守る、という思考は
急激に何かによって冷却されていった。
彼女が近頃考えてきたことの蓄積によるものか。
(・∀ ・) はぁ....
(・∀ ・) 目、見せて
( 、 ;川
男は、人差し指と親指で辺尼の左瞼をこじ開けた。
辺尼は、何もせず、沈黙を貫いた。
男の顔が、彼女の目の数センチ上まで近付く。
.
191
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:18:11 ID:KZ3vL1s60
↑
← →
↓
192
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:18:52 ID:KZ3vL1s60
目。
白魚のような膜に、か細い血管が走り回っている。
恐怖で潤い、青白く湿った光沢を放つ膜。
その中心にある、色素の薄い、薄茶色をした瞳。
辺尼の精神状態を反映し、小刻みに動き回っている。
銀河のような虹彩が、中心の深く深く、終わりの見えない瞳孔に絶えず吸い込まれている。
彼女の外装は言葉になるけれど、その底知れない内面を言語は形容し得ない。
しかし、だ。
目は饒舌に「目の言葉」を用いて彼女を語る。もっと深く潜り、「彼女」を貫いた向こう側をも語る。
必然的に、辺尼も男の目を見た。言葉を聞いた。
193
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:19:41 ID:KZ3vL1s60
そして、気づいた。
男を狂人と片付け、警察が来るまで時間を稼ぐ。
これは、ありふれた手続だ。
辺尼が直接手を下さなくとも、全てが自動的に行われていく。
自動で、彼は居なくなる。
彼女は助けられる。
そう思えば、彼女が経験してきた事柄の殆どは、自動だった。
ただそれに気付いていなかっただけ。
辺尼には、何故自身が男に馬乗りにされているか、皆目検討もついていなかった。
理由を考えることすらしなかった。
なんという残酷。
これが自動操縦の結果だ。
己の為すこと全て、当然己が把握しているつもりだった。
それは間違いだ。
多くのことを見落としてしまった。だからこうして男に襲われ、男の目を覗いている。
襲われるのは彼女でなくてもよかったのだろう。しかしこれが偶然だとしても、畢竟、偶然ではないのだ。
つまり水路は、やはりとうに絶たれていた。
男の目の奥には、何もなかった。
残っていたのは、色もなく、光もない、ただ無限に広がる砂漠だった。
同じく、彼女の中にも何も残されていなかった。
.
194
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:21:22 ID:KZ3vL1s60
そのことを直感すると、意図するより先に、言葉が漏れた。
( 、 ;川 ...ねえ
( 、 ;川 私、ここにいないの
(・∀ ・)
( 、 ;川 いないのッ!
( 、 ;川 私、どこにもいないって
( Д ;川 いない、いない、いない、いない、いない、いない、いない......ッ!!
( ;∀ ; )
( ;∀ ; ) そうだよ
( 、 川
( ;∀ ; ) あーあ。
(つ∀ ) ゴシゴシ
( ∀ ) ハハ
( ∀ ) なんか、寒くね?
( ∀ ) ちょーー寒いんだけど....
( 川
.
195
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:22:06 ID:KZ3vL1s60
.
196
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:22:40 ID:KZ3vL1s60
<゚Д゚=> 警察だッ!その女性を離しなさい!
(・∀ ・) ...?
(・∀ ・)
( 川 ブツブツ.....
(#・∀ ・)
(#゜∀ ゜) ...オラァァァァァァァァァァァァ!?
(#゜∀ ゜) 近づくなよ!?ぶち殺すぞ!
197
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:23:40 ID:KZ3vL1s60
男の飛ばした怒号で、辺尼は我に帰った。
先程の奇妙な静寂は去り、再び恐怖が彼女を支配した。
男は彼女を盾にすると、既に血で赤く染まった首元に包丁を突きつけ、警察を威嚇する。
( Д ;川
( Д ;川 ...た、助けてッ!
.
198
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:24:32 ID:KZ3vL1s60
(#゜∀ ゜)
(#゜皿゜) .....なんなんだよォォォォォォォォォォォォ!どいつもこいつもよォォォォォォォ!
辺尼の声に反応した男は、怒り、悲しみ、失望...この世の全ての「負」をごった煮にした表情を浮かべた。
<゚Д゚=> 凶器を捨て、女性を解放しなさい!
(#゜皿゜) うるせえうるせえうるせえうるせえ!うっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
アマ
(#゜皿゜) もういい死ねよ!このクソ女!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
男は彼女を押し倒し、その腹に目掛けて包丁を振りかざす。
乾いた銃声が響いた。
男の肩に穴が空いた。
彼はそのままベッドの上へと倒れた。
<゚Д゚=> 確保しろ!
瞬く間もなく、彼女は警察に保護され、男は手錠をかけさせられていた。
<゚Д゚=> 大丈夫ですか
199
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:25:40 ID:KZ3vL1s60
( Д ;川 ....はい、私は....
<゚Д゚=> 被害者首に裂傷あり、応急処置!
( Д ;川 痛っ.....!
(#゜皿゜) クソ!クソ!クソぉぉぉぉぉ!
(#゜皿゜) 次会ったらただじゃおかねえからな、オイ!!八つ裂きにしてやるからよ!
( Д ;川 ッ!
<゚Д゚=> 早く連れてけ
/
裏切りやがって!チクショオオオオオオ!
\
.
200
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:26:54 ID:KZ3vL1s60
数時間後。
辺尼の傷は幸い軽傷であったため、病院で手当を受けた後署で事情聴取を受けた。
小一時間ほど、家族構成、生活状況、勤務状況などをつぶさに尋問されたあと、彼女は待合室に解放された。
待合室には、彼女を待つ人は居なかった。
一人、手視を除いて。
('、` 川
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`) 大丈夫か
('、` 川 はい
('、` 川 ご心配おかけして、すみません
(´・_ゝ・`) 警察は何やってんだ...届け出は出したのかい?
('、` 川 はい。...その時は取り合ってもらえませんでしたが
(´・_ゝ・`) そうか
201
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:27:26 ID:KZ3vL1s60
(´・_ゝ・`) 男の名は窓単木というらしい。検査で興奮剤の陽性反応が出た
(´・_ゝ・`) そのうち診断が下りるだろうが、統合失調症の疑いもありだそうだ
('、` 川 そうですか
(´・_ゝ・`) ...あの辺りに一人で住むのは危険じゃないか。家族とか、いないのかい
('、` 川 疎遠でして
('、` 川 近々引っ越します
(´・_ゝ・`) それがいい
202
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:28:47 ID:KZ3vL1s60
(´-_ゝ-`) ...災難だったね。全く
('、` 川
('、` 川 ええ。ほんとうに。災難でした
(´-_ゝ-`) 世の中、狂ってきてるよなぁ。やっぱり
(´・_ゝ・`) 訳わからない薬に続いてストーカー....まさか僕の部下が襲われるとは
(´・_ゝ・`) 君は少し、休んだほうがいいな
('、` 川 そうですか?
(´・_ゝ・`) ああ。この仕事は切り替えが大事なんだ。現実を正しく見据えるためにも...ね
('、` 川 現実ですか
203
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:29:46 ID:KZ3vL1s60
(´・_ゝ・`) ああ。君は思い詰め過ぎてる。今日の事件もあることだし...ゆっくり休め
('、` 川 現実
('、` 川 ...現実って何です?
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`) ...社会に生きる者として、確かな判断力を持つ。何が悪かどうか、
はっきり分かること
(´・_ゝ・`) それで現実が始めて認識できる
(´・_ゝ・`) 近頃、君は混乱してるようだ。連中の影響を受けてね
('、` 川
('、` 川 いいえ
(´・_ゝ・`)
204
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:31:58 ID:KZ3vL1s60
('、` 川 何をしたらどうなるか、全部わかってます
(´・_ゝ・`) どういう意味だ?
('、` 川 ...私のしたことで、結果どうなるのか、何を意味するのか
('、` 川 私はわかります。混乱なんてしてません
(´・_ゝ・`) ...あっそ
(´-_ゝ-`) ....じゃあ率直に言うけど
(´・_ゝ・`) 捜査の足手まといなんだよ
('、`川
(´・_ゝ・`) わかるよな?
(´・_ゝ・`) 御託とかはどうでもいい...明日から休んでくれ
('、` 川 ...はい
('、`川 本当に、申し訳ございませんでした
205
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:32:50 ID:KZ3vL1s60
その日から、彼女は休職扱いとなった。
産業医からは、抗不安剤を処方された。
効きはしなかった。
.
206
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:35:09 ID:KZ3vL1s60
辺尼はベッドの上、膝を抱えて座り込んでいる。
窓単木に襲われた日から、彼の目を見た時から、ー彼女の見えている世界は大きく変わった。
本当のことが見えてしまうようになった。
部屋を覆い尽くしていた多肉は、全て捨てた。
今は薄暗く殺風景な景色が広がるばかりだ。
窓は、ただの貼り付いた四角になった。
カーテンが不気味に揺れた。
207
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:36:01 ID:KZ3vL1s60
彼女の頭の中で常に不協和音が鳴っていた。
それが一過性のものではないことを知っていた。
もう、元には戻れまい。これが真実なのだから。
彼女を囲む全てが不穏になった。
部屋の角、暗くなって奥の見えない廊下。空っぽのグラス。床にのたうちまわるコード。
全てが彼女を破壊していく。
手視は休んで現実を見極めろと言った。
しかし彼女の現実は、これまで少しも歪むことはなかった。
( 、 川
人間とは彼女の恐怖そのものだった。
昔からそうだった。ただ考えないように、無害であるように振る舞ってきた。
手視、捻野...誰にも彼女は心を開かなかった。
208
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:37:14 ID:KZ3vL1s60
「最初から何もなかった」心の中に、黒いタールのような狂気が満ちていく。
朝食も抜き、昼食も抜き、気付けば日が落ち夜になった。
夜は不協和音が大きくなる。
( 、 川 ....。
ガタッ
( Д ;川 ッ!!!!!
( Д ;川 (まただ、また来た!!)
ゴソゴソ
( Д ∩ ;川 (嫌だ!聞きたくない!来ないで!)
ギシッ
(・∀ ・) ユラァ......
( Д ;川 ーーーーーーーッ!
209
:
名無しさん
:2021/04/14(水) 22:38:02 ID:KZ3vL1s60
(・∀ ・) 俺ら、どこにもいない
( Д ;川 ァ....ァ...
(・∀ ・) ねえ
(・∀ ・) 俺ら、どこにもいないよな??
( Д ;川 知らない...!あなたなんか...知らない!
(・∀ ・) 俺のこと無視しやがってよ。お前もどこにもいないって、俺知ってるんだぜ
( Д ;川 うるさい!うるさいッ!
( Д ;川 この世界は...私は空っぽなんかじゃない!
(・∀ ・)
(・∀ ・) おいおい...現実を見ろよ
( Д ;川 ッ....!
(:\)\;∀〜;-) ブブブッ
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