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142名無しさん:2021/04/11(日) 23:37:13 ID:SSUxwDII0




その日の朝。ベッドの上で、辺尼は己の過ちを悔いていた。

手視からの命令は、「脾都と接触し非記の情報を引き出すこと」
「可能であれば脾都と関わりのある人間を全員調べ上げること」。

しかし、これには当然の前提が存在する。
辺尼が「翠」であること。正体が向こうに知られていないこと。

自ら素性を明かした彼女は、生身の「辺尼」として、脾都にぶつかる他なかった。

これが...手視が忠告していたことだったのだ、と
彼女は痛感していた。


( 、 *川


しかし事態はそれだけには収まらなかった。
一週間前に彼女が見た不審な男もそうだ。以降、彼女の家のポストに悪質な悪戯が始まった。
部屋を荒らされた形跡もあった。警察に相談もした。取り合ってはもらえなかった。

頼れる者はいなかった。
思えば、生来彼女は孤独だった。

手視に相談しようとした。しかし、
あの夜...「送っていくよ」と言った彼の顔が脳裏に過った。

辺尼はあの表情に、何か気味の悪いものを感じていた。
彼を信用できなかった。
捻野や、ほかの同僚たちにも相談することができなかった。
あの不審な男が、手視か、同僚のうちの誰かかもしれないと思ったからだ。


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