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美
145
:
名無しさん
:2021/04/11(日) 23:50:03 ID:SSUxwDII0
正義。
彼女がこの仕事に就いた時に抱いていた想いだ。今では、全く色を失い、ガラクタ同然と化していた。
食欲が全く湧かなかったため、辺尼はコップ一杯の水を飲み干した。
多肉にも水をやり、支度を進める。
部屋を覆い尽くす植物は、もはや彼女を慰めはしない。
例えれば、それらは不気味な触手を伸ばし、どこか恐ろしい場所へ手招いているような――また彼女の心の暗部で芽を出した邪悪のような――存在だった。
辺尼は最後に窓を閉め切った。
あの男が怖かった。
.
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