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('A`)はドクトラセブンのようです

1名無しさん:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』

地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が

( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」

( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」

( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」

( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」

このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。

403名無しさん:2018/10/26(金) 22:52:50 ID:fRcSXe1I0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

404名無しさん:2018/10/26(金) 23:10:58 ID:f/VW831g0
セントジョーンズ……

405名無しさん:2018/10/26(金) 23:35:26 ID:kkuWeS060
いつもながら素晴らしいな
ドクオが少しずつ成長してるのが良い

406名無しさん:2018/10/27(土) 18:49:36 ID:W6FCnulA0
>>399
ここクソワロタwww

407名無しさん:2018/10/27(土) 21:49:39 ID:CZNe5Y2w0
ツンが量産の暁には宇宙人なぞあっという間に叩いてくれるわ

408名無しさん:2018/10/28(日) 19:08:41 ID:DFUoMimM0
きたきたw
いやー、このジョルジュ一緒にいたら楽しそうで好きだわ。ドクオのセリフの変化からも徐々にヒーローとしての自覚や成長がみてとれるな
そろそろ急成長する話もでてくるのかしら?

409名無しさん:2018/10/28(日) 22:10:16 ID:jwSnLeHo0
今日発見して一気に読んでしまった
これからも期待してます

410名無しさん:2018/11/14(水) 22:33:40 ID:0Sx6YJI20
第十四話『宇宙一のラーメン』

上司「ちょっといいかいトソンくん。」

(゚、゚トソン「はい、なんでしょうか?」

仕事の途中、上司に呼び出されるトソン。
彼女の働いている会社は雑誌編集部で芸能関係からオカルト雑誌まで幅広く出版している。
その中でオカルト雑誌を担当している。トソン自身は芸能関係を担当したかったようだが、人生そううまくはいかない。

上司「忙しいとこ申し訳ないんだが……」

(゚、゚トソン「?」

上司「来週から別の雑誌の編集部に行ってもらうこととなった。」

(゚、゚トソン「は?」

上司「最近うちはだいぶ売り上げが落ちてね。しかも取材に行った記者が何人も行方不明になるし。」

上司「だからオカルト雑誌は廃刊して人材は他の部署に異動することになったんだよ。」

(゚、゚トソン「え!じゃぁ私芸能関係に移動できるんですか!!」

目を輝かせながら質問する。
願ってもない話だ。やっと自分でやりたかった仕事ができる。
今までまったく興味もわかないオカルト話の記事とか書いていたが、やっと報われる時が来たのだ。
トソンの目には希望であふれていた。

上司「その…悪いんだが……」

上司「ラーメン雑誌に方に移動になったんだ。」

(゚、゚トソン「は?」

一瞬にして絶望に変わる。
希望というものはあまりいだかない方がいい。

411名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:07 ID:0Sx6YJI20
その日の仕事を雑に終わらせて職場を後にする。
こんな仕事本当にやってられない。やめてやろうか?
……今は我慢のときだ。いつか必ず芸能関係の編集部に行ってやるんだ。
子供の頃からの夢だったじゃないか。私が芸能人の秘密を暴いて記事にして連日ワイドショーを賑わせる。
記者会見で汗を滝のように流しながら、しどろもどろに返事をする光景を見て酒を飲むと。
その昔からの夢を叶えるために今まで頑張ってきたんじゃないか。もう少し耐えなくちゃ。

(゚、゚#トソン「……」

そう思ってもイライラが止まらない。感情のコントロールって難しい。
でも私は知っている。こういうときはなにをすればいいかを。きっと社会人ならみんな知っている。
酒!飲まずにはいられない!

いつもの行きつけの飲み屋を目指す。そしてこういう時は一人で飲むよりもう一人はいた方がいい。
うるさく騒げれる親友が。
いつでも簡単に呼び出せて飲みに行ける素晴らしい親友だ。

(゚、゚トソン「さてと。」

バックにしまっていたスマホを取り出すとすぐに電話をかける。

prrr

prrr

prrr

(゚、゚トソン「?」

いつもはワンコールで出るのだが、今回はなかなか出ない。
珍しく仕事でもしてるのか?

ξメ゚⊿゚)ξ「もしもしどうしたの?」

412名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:38 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「ごめん仕事中だった?」

ξメ゚⊿゚)ξ「いやー、久しぶりに骨のあるやつと戦っててね!やっぱ戦いってこうお互いの実力が近くないとつまんないわよね。」

(゚、゚トソン「そう。ならお仕事頑張ってね。」

ξメ゚⊿゚)ξ「おう!」

そう言って電話を切る。

ξメ゚⊿゚)ξ「すまなかったな。急に電話がきたもんだから。」

ξメ゚∀゚)ξ「さあ続きと行こうぜ!まだまだこれからだろ私たちの死闘は!!」

ξメ゚∀゚)ξ「調子が上がってきた!行くぜオラァ!!」

顔には傷が付き服もボロボロになってもまだ元気そうに突っ込んでいくツンヌ。

強い宇宙人(嘘だろこの地球人!俺の全力の攻撃を受けてピンピンしてる)

今しがた全力を出し切ってしまい、もう絶望しかない宇宙人。
その二人のやり取りを近くで見ているだけのドクオ。

(;'A`)(こいつマジでおかしいだろ……)

ツンヌ優勢でボコボコにしていく。
改めて地球の神秘をその目で見届けるのであった。

413名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:05 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「はー」

ため息をつきながら、居酒屋まで歩く。
仕方ない今日は一人で飲みまくるしかない。
そう思っているうちにもう目的地まで付いた。
さぁやけ酒だ。

(`ェ´)「今日はパチンコ勝ちに勝ったぜ!」

≫(‘♀’)≪「やったな佐藤君!」

(`ェ´)「奢ってやるから感謝しろよ人さん。」

≫(‘♀’)≪「あざっす!マジ感謝!」

≫(‘♀’)≪「アンコウ料理のフルコース食おうぜ!!」

(`ェ´)「そんなコースこの店に無いでしょ。」

≫(‘♀’)≪「そうだった。」

アハハハハ!

同じタイミングで反対方向から楽しそうに飲みに来た客がやってきた。
このイライラしている時にこうも楽しそうにふざけあっている連中を見ると腹の底から怒りが込み上げてきた。

(゚、゚#トソン「チッ」

舌打ちをしながらにらめつける。

(`ェ´;) ≫(‘♀’;)≪

すぐさまおとなしくなる二人組。
威嚇した連中を置いて店に入りひたすら酒を注文した。

(゚、゚#トソン「あのクソ上司がぁ……」

もう既にどのくらい飲んだのか覚えていない。
それと同じくらいどれほどの愚痴をこぼしたのかも……

414名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:33 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「ヒック……」

店長「お客さんそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

居酒屋の申し出になんて答えたかすら覚えていないが、気づくと自分が住むマンションがある駅の近くまで来ていた。

(゚、゚*トソン「ヒック…わたしゃ酔ってなんかないよ……」

千鳥足で何とかマンションの方へと向かう。
その時だった。美味しそうなラーメンのニオイが。

(゚、゚*トソン「あぁん?らーめん?」

まさしく今見たくないランキング一位のものだ。
なんでラーメン雑誌になんて……
でもものすごく美味しそうなニオイだ。
こんなところにラーメン屋なんてあったっけ?好奇心から足がニオイのする方へと向かっていく。

(゚、゚*トソン「屋台のラーメンかぁ。」

珍しくこんなところで屋台を出しているみたいだ。
好奇心と美味しそうなニオイのせいで席についてしまった。

( `ハ´)「イラッシャイネー。」

中華服を着たその男は片言の日本語をしゃべっていた。
昭和くらいの漫画とかである中国人キャラみたいな見た目であるが、すぐさまこいつが地球の者でないのが分かった。

(゚、゚*トソン「おっさん宇宙人かー」

( `ハ´)「そうアルよ。ワタシ宇宙人ネ!」

(゚、゚*トソン「口調もいつの時代だよー」

( `ハ´)「ワタシは宇宙人でも味は確かネ!」

常連客A「おうよ!嬢ちゃんシナーさんの作るここのラーメンは宇宙一だぜ。」

隣に座る酔っ払いのおっさんが絡んできた。

415名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:00 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「宇宙一ねー。言うじゃない。それなら一杯頼もうかしら。」

( `ハ´)「アイヨ!」

すぐさま麺を湯で始め、ささっと具をのせれば完成だ。
差し出される味噌ラーメン。

(゚、゚*トソン「ではいただきます!」

ズズズッ

(゚、゚*トソン「!!」

(゚、゚*トソン「うまい!!」

(゚、゚*トソン「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせて煮込み豚足と背脂を加えた濃厚スープに、味噌の芳醇なコクが融合しやみつきの美味しさ!」

(゚、゚*トソン「濃厚なスープと太麺が合うこと合うこと!」

(゚、゚*トソン「チャーシュー、卵、ネギに至るまでひと手間加えることで最高の味を引き出している!」

(゚、゚*トソン「こんなうまいラーメンを食べたは生まれて初めて!!」

常連客A「だろだろwww宇宙一の看板は伊達じゃないぜwww」

( `ハ´)「そう言ってもらえると幸せアルよ。」

(゚、゚*トソン「おっさん名前は?」

( `ハ´)「ワタシはシナー星人のシナーアルよ。」

(゚、゚*トソン「私はこういう者なんだけど。」

416名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:32 ID:0Sx6YJI20
急いでバックから名刺を取り出して渡す。
まだオカルト雑誌の記者の奴だが。

(゚、゚*トソン「来週からラーメン雑誌の記者になるからシナーさんの記事書かせてよ。」

( `ハ´)「それはうれしい申し出アルね。」

( `ハ´)「でもこの店のことハ内緒にして欲しいヨ。」

(゚、゚*トソン「なんで?!有名になればお客さんもいっぱいでシナーさんウハウハじゃない。」

( `ハ´)「ワタシは所詮宇宙人ネ。」

( `ハ´)「なんの許可もなく勝手二店してるネ。」

( `ハ´)「そんなヤツハいつ始末されても文句言えナイ。この宇宙の常識的ルールネ。」

常連客A「そうだからシナーさんの屋台はいつどこで開くかわからないんだよ。今日は久しぶりに見つけられてよかったよ。」

(゚、゚*トソン「そんなもったいない……」

( `ハ´)「ワタシはこの宇宙デ究極の料理を作ルために旅してたアル。」

( `ハ´)「そんな中この地球ヲ見つけたネ。地球はスバラシイヨ。」

( `ハ´)「こんなにイロイロな食材アル星他にないネ。」

( `ハ´)「だからワタシ細々トデモお客さんに自慢のラーメン食べてホシイ。」

(゚、゚*トソン「そう言われちゃ私も黙ってるしかないじゃん。」

( `ハ´)「アリガトウアル。」

(゚、゚*トソン「今度は友達といるときに見つけれたらいいな―。」

美味しいものを食べるといらいらした気分も吹き飛ぶ。
これなら明日も頑張れるかな。

417名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:07 ID:0Sx6YJI20
('A`)「ツンヌってマジに地球人なん?」

( ^ω^)「あれだよ、突然変異種とかだよ。」
  _
( ゚∀゚)「いや俺は自分を地球人だと思い込んでいる異星人説を押すね。」

(,,゚Д゚)「それだけ鍛錬したということだろ。俺たちも負けてられないな。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私のいる高みまで来るがいい敗北者どもよ!」

('A`)「化け物め。」

爪'ー`)「おっともうこんな時間か。それでは俺は会議に行ってくるから後のことはよろしく頼むぞ。」

( ^ω^)「了解です隊長!帰りは何時ですか?」

爪'ー`)「あー、今日は帰ってこれんと思う。また明日の朝な。」

( ^ω^)「そういうことですか、どうぞ楽しんできてください。」

爪'ー`)「いつも言っているが、くれぐれもヴィプトラ警備隊の隊員だということを忘れないで節度ある行動をするように。」

足早に作戦室から出ていく。

ξ゚⊿゚)ξ「ケッ!いいよな上の連中は。堂々と飲んで騒いでしに行けてよ。」

('A`)「ツンヌも堂々と飲んで騒いでしてると思うよ。」

( ^ω^)「まあまあ。そういった飲みの席は人付き合いで重要だぜ。」

418名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:39 ID:0Sx6YJI20
爪*'ー`)「いやーおひさー元気にしてた?」

キャバ嬢「フォッちゃんひっさー!」

もうかなり飲んで二次会かも三次会かもわからない中、気づけばお気に入りの嬢がいるキャバクラへ。

爪*'ー`)「寂しくしてたー?はいこれプレゼント!」

キャバ嬢「ありがとー!寂しかったー!もうフォッちゃん来なかったからずっとつまんなかったもん!!」

爪*'ー`)「ごめーん!お仕事忙しくて―これなかったーのぉ。」

キャバ嬢「じゃあ今日はいっぱい甘えてやるー!」

爪*'ー`)「甘えて甘えて!もう本当は毎日会いに来たいのに!」

キャバ嬢「そんなに防衛任務って大変なんだね!」

爪*'ー`)「そんなのホントは部下に任せっきりだからほとんど何もしてないけどねwww」

キャバ嬢「もうフォッちゃんたらぁ!でもまたヴィプトラホーク1号乗りたいなぁー。」

爪*'ー`)「任して任して!また一緒に日本の上空を散歩しよう!」

キャッキャウフフと楽しい時間を過ごす。
他の長官たちも自分のお気に入りの嬢と楽しんでいる。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、自宅への帰路に就く。

爪*'ー`)「ヒック……ウェー……」

フラフラと歩いているといい匂いがしてきた。
旨そうなラーメンのニオイだ。
そういえば締めのラーメンを食べていないことに気が付き、ニオイの元へと歩く。

爪*'ー`)「味噌ラーメン一杯。」

419名無しさん:2018/11/14(水) 22:39:37 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「ハイヨ!」

元気よく返事をし、作業に取り掛かる店主をまじまじと見つめる。
いつの時代の中国人キャラだ?というかこいつ宇宙人では?

爪*'ー`)「あれぇ?あんたちょっとしてぇ。」

いや、酔っ払っているせいなのかもしれない。
そう思いながら質問をしようとしたら隣の席の酔っ払った若い女性が話しかけてきた。

(゚、゚*トソン「おっさんおっさん!シナーさんは宇宙人だけど料理の腕は確かだぜ!」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

(゚、゚*トソン「あれこのおっさんどっかで見たことあるな。」

(゚、゚*トソン「まぁ常連のこの私のいうことを信じなさい。」

(゚、゚*トソン「ここのラーメンは宇宙一よ!」

爪*'ー`)「ふぁぃ……」

酔っ払いすぎて思考が回らない。

( `ハ´)「どうゾ!自慢の味噌ラーメンアルよ!」

爪*'ー`)「いただきまふ。」

ズズズッ

爪*'ー`)「!!」

爪*'ー`)「何といううまさ!」

爪*'ー`)「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせt(゚、゚*トソン「もうその説明は私がしたからいいよ。」

爪*'ー`)「いやでもうますぎる!!」

( `ハ´)「そう言ってもらえれば料理人としてシアワセアルよ。」

(゚、゚*トソン「常連から忠告だけどこの屋台のことは誰にも言うなよ。」

(゚、゚*トソン「シナーさん宇宙人だから見つかったら始末されちまうよ。」

( `ハ´)「ヴィプトラ警備隊にだけはナイショにしてほしいアルネ。」

(゚、゚*トソン「いいか絶対に黙っとけよおっさん。」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

420名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:15 ID:0Sx6YJI20
どうやって帰ったのかわからないが次に意識が戻った時には自宅のベットだった。

爪; ー )「頭イテー……」

激しい頭痛が襲う。二日酔いだ。だいぶ飲んだようだ。
昨日の夜の出来事がかなりあいまいで何とか顔を上げると嫁が鬼のような形相で睨んでくる。

从#'ー'从「あなた昨日また遅くまで飲んでいたでしょ!今朝玄関の戸が開けっぱなしでしたよ。」

从#'ー'从「それに脱いだ服がそのままになってるし、煙草の臭いはするし!」

爪; ー )「はい…ごめんなさい……」

从#'ー'从「もう一度やったら煙草だけじゃなくてお酒も禁止します!!」

爪; ー )「そ、それだけは……」

ただでさえ痛む頭にさらに怒りの怒鳴り声が響く。
天下のヴィプトラ警備隊隊長も奥様には頭が上がらないのだ。

爪;'ー`)「おはよう諸君……」

フラフラしながら作戦室に入っていくフォックス。

( ^ω^)「おはようございます。おや、どうやら昨日はだいぶ飲んだみたいですね。」

(,,゚Д゚)「だいぶ顔色悪いですよ。」

爪;'ー`)「歳のことを考えずに飲んでしまったよ。」

何とか椅子に座り一息つく。

爪'ー`)「……」

( ^ω^)「何か考え事ですか?」

爪'ー`)「いや、何でもないよ……」

爪'ー`)(何か大事なことを忘れている気がする)

爪'ー`)(そう、何かとてつもなくうまいものを食べたはずだ)

舌の上で確かに残る何かの味。
それのことばかり考えながら数日数週間が過ぎていく。
あの日以来夜は一人でパトロールに回っていた。

421名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:53 ID:0Sx6YJI20
そんなある日、たまたま夜私服で出る私用があり一人で街中をうろついていた。
そうしていると何やら嗅いだことのある旨そうなニオイが……
ニオイを頼りに向かう。

爪'ー`)(このニオイだ!俺が探していたのは!)

気づけば屋台の席に座っていた。

( `ハ´)「イラッシャイアル!」

( `ハ´)「お!お客さんまた会ったアルネ!」

(゚、゚*トソン「ようよう!久しぶりじゃんおっさん!元気してたか?」

(゚、゚*トソン「あんたもここの常連になれたようだな!」

上機嫌な酔っ払いが絡んでくる。

爪;'ー`)「あ……」

欠けていたピースがはまるようにあの時の記憶がよみがえる。

爪'ー`)「み、味噌ラーメン一杯……」

( `ハ´)「ハイヨアル!」

爪;'ー`)「……」

(゚、゚*トソン「おっさんどうよ最近は?」

爪;'ー`)「え?」

(゚、゚*トソン「その感じだと仕事もできなさそうな窓際族のサラリーマンぽいけど、ちゃんと仕事行ってるか?」

422名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:21 ID:0Sx6YJI20
爪;'ー`)「そりゃまぁ一応……」

( `ハ´)「お客さん元気ナイネ。ワタシのラーメン食べて元気出すヨ!」

差し出される味噌ラーメン。宇宙一のラーメンだ。
しかしここで葛藤が……
確かにこれは自分が探し求めていたものだが、相手は宇宙人。そして自分はヴィプトラ警備隊の隊長なのだ。
普段から隊員たちに厳しく防衛の心得を説いてきた。
その自分が宇宙人の作ったラーメンを美味しそうに食べているのはどうか。

爪;'ー`)「……」

( `ハ´)「どうしたアルか?食べないと冷めるヨ。」

(゚、゚*トソン「さてはおっさん今日は嫌なことがあったな!上司の怒られたとか?」

(゚、゚*トソン「あれか?その上司が一回りも年下でみんなの前でどやされたとか?」

(゚、゚*トソン「おっさん仕事できなさそうだもんなぁ。」

(゚、゚*トソン「いいかおっさん、そんなときはこれだ。」

そう言いながら日本酒を差し出す。

(゚、゚*トソン「同じ店の常連だからな。今日は私がおごってやるよ。」

爪;'ー`)「いや今日まだ仕事があるんで……」

(゚、゚*トソン「いいよいいよそんなこと!ほらグイッといって!」

勢いに飲まれていただくことにした。

爪*'ー`)「やっぱここのラーメンは最高だな!宇宙一だよ!」

爪*'ー`)(今は制服着てないからいいよな)

(゚、゚*トソン「だろだろwww」

( `ハ´)「お客さん元気になってワタシうれしいヨ。」

替え玉を頼み酒もさらに飲む。
こんな幸せなひと時があろうか。

423名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:47 ID:0Sx6YJI20
一方その頃、ドクオ、ブーン、ツンヌはヴィプンターでこの近くをパトロールしていた。

ξ゚⊿゚)ξ「平和すぎて暇。」

('A`)「平和ならいいことじゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「定期的に体動かさないとなまっちゃうのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならあんたサンドバックになる?」

(;'A`)「遠慮しときます……」

( ^ω^)「なあ二人とも腹減らね?」

運転しながらブーンが二人に聞いてきた。

ξ゚⊿゚)ξ「確かにこの時間は小腹がすいてくるわね。」

('A`)「ちょっと何か食べてくか。」

( ^ω^)「よし!食い行くか!ここら辺て飲食店あったっけ?」

('A`)「オイ見ろあそこ!屋台があるじゃん!」

( ^ω^)「ラーメンみたいだな。行ってみようぜ!」

屋台の近くにヴィプンターを停め屋台の座席に座る三人。

( `ハ´)「イラッシャイヨー!」

(;`ハ´)「あ……」

( ^ω^)「貴様宇宙人だな!ここで何やってる!」

(;`ハ´)「アイヤー!!」

すぐさま逃げ出すシナー星人。

424名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:21 ID:0Sx6YJI20
('A`)「待てこらぁ!!」

その後を追いかけるドクオとブーン。
その光景を席に座りながら見ているツンヌ。

ξ゚⊿゚)ξ「ちくしょう。せっかくラーメンが食べられると思ったのに。」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

爪;'ー`)「……」

ツンヌの隣で黙って座っているだけのフォックス。

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁん?」

隣のフォックスに気づく。

(゚、゚*トソン「あれ、ツンヌじゃん!」

ξ゚⊿゚)ξ「お!トソン!」

厄介な二人に囲まれるフォックス。

(;`ハ´)「アイェェェェ!!」

('A`)「止まれコラァ!!」

(;^ω^)「ウオォォォ!」

猛ダッシュで鬼ごっこを繰り広げる三人。

肥満体の宇宙人を追うドクオ。その二人を追う肥満体ブーン。
ドクオがシナー星人につかみかかれそうな瞬間、シナー星人が突然しゃがむと足払い。

(;'A`)「グエェェ!」

壮大にスッ転ぶ。

( `ハ´)「足元は要注意アルよ!」

(; A )「うーん……」

(;^ω^)「コノヤロー!」

気絶しているドクオを置いて追いかける。
そのまま歩道橋を上がっていくシナー星人。

425名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:52 ID:0Sx6YJI20
(;^ω^)「はぁはぁ…ちょっと待て……」

( `ハ´)「マテと言われてマツヤツハいないアル。サヨナラー!」

そう言ってタイミングばっちりに通りかかった大型トレーラーの荷台に歩道橋から飛び降りる。

(;^ω^)「なんのぉ!!」

少し遅れてブーンも飛び降りた。

(;`ハ´)「なかなかしつこいアルね。」

(;^ω^)「うぉあぶね!」

飛び乗ったはいいが、ギリギリだったため上半身だけが荷台にぶら下がっている状態だ。
おまけにその衝撃で光線銃を落としてしまう。それでもよじ登るブーン。

(;^ω^)「げっ!銃落とした……こりゃ始末書もんだな。」

(;`ハ´)「ふー、こうなったら戦うしかないアル。」

戦闘向きでないシナー星人だが覚悟を決める。

( ^ω^)「逃げ場はないぜ!観念するんだな。」

( `ハ´)「イヤアァァ!」

( ^ω^)「ハイヤァァ!」

壮絶な徒手戦闘を繰り広げる。
互いにギリギリのところで躱したりさばいたりする。

( `ハ´)「ハイィィ!」

( ^ω^)「なんの!」

シナー星人の足払い。華麗に飛んでかわすブーン。
二人とも太ましい体格ではあるが、俊敏に動いている。
持久走などの体力勝負のものには弱いが、その脂肪の下に隠された筋肉は伊達ではないのだ。
動けるデブというやつだ。

( ^ω^)「ふー……ん?」

なかなか勝負がつかない中トレーラーの進行方向がわかるブーンが気付く。

(;^ω^)「ゲエェェェ!!!」

426名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:20 ID:0Sx6YJI20
どうやらこのトレーラーはトンネルを通るようだ。高さがギリギリの。
このままではすり下ろされてしまう。
慌てて反対方向へとダッシュ。

(;`ハ´)「アイヤー!!」

シナー星人も気づいて同じように猛ダッシュ。
トレーラーの後ろでジャンプするが、同じようなトレーラーが何台も連なっていた。
後ろにいたトレーラーの荷台にまた着地。

(;゚ω゚)(;`ハ´)「ああああああアアアアアアア!!」

ひたすら走る。ミンチにならないように。
走って飛んで着地を繰り返す。

(;゚ω゚)「ヒギイィィィ!」

(;`ハ´)「アイエェェェェ!」

体力の限界が近かったが、何とかトレーラー集団が終わりを迎えてその後ろにいた軽トラの荷台に着地した。

(;^ω^)「いやほんとう、本当に一生分走った……」

(;`ハ´)「こんなんなるならダイエットしとけばよかったアル。」

(;^ω^)「筋トレはしてきたが、ランニングはしてこなかったからなー。」

(;`ハ´)「何事モ好き嫌いはダメネ。」

(;^ω^)「自分のことを動けるデブだった思ってたが、やっぱ標準体形が一番だな。」

(;`ハ´)「本当アル。」

( ^ω^)( `ハ´)「ハハハハハ!」

(;^ω^)(;`ハ´)「……」

トンネルの中では息を整えながら沈黙が続く。

427名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:47 ID:0Sx6YJI20
ξ*゚⊿゚)ξ「ウンメー!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが本当にラーメンか!!こんなにうまいもん人生で初めて食た!」

(゚、゚*トソン「おっさんよかったのか?あれあんたの替え玉じゃん。」

爪;'ー`)「きゅ、急に食欲がなくなってしまってね……」

ξ*゚⊿゚)ξ「オラ私にも日本酒注げよおっさん。」

爪;'ー`)「あ、はい。」

ξ*゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!仕事中の酒はうまいよな!そうだろおっさん?」

爪;'ー`)「いや……そんな……」

ξ*゚⊿゚)ξ「おらおめーも飲めよ!」

爪;'ー`)「遠慮……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

爪;'ー`)「い、いただきます……」

(゚、゚*トソン「もうツンヌおっさんにあたらないの!かわいそうでしょ!!」

(゚、゚*トソン「今日も仕事でやらかしてつらい目にあってきたみたいなんだからねー。」

(゚、゚*トソン「だから能無しダメダメ窓際おっさんいじめちゃダメー!」

爪;'ー`)「……」

ξ*゚⊿゚)ξ  ジ―ッ

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

爪;'ー`)(助けて誰か)

恐ろしい宴は続く。

428名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:12 ID:0Sx6YJI20
トンネルを抜けると静かに立ち上がり戦闘態勢をとる二人。

( `ハ´)「ズドリャアァ!!」

ブーンめがけて飛びかかるシナー星人。

( ^ω^)「オリャアァ!」

その勢いを利用して巴投げで投げ飛ばす。

( `ハ´)「謝謝!アリガトウアルヨ!」

( ^ω^)「?!」

( `ハ´)「投げ飛ばされる。コレ狙い通りアル。」

投げ飛ばされ宙を舞っているシナー星人はそのまま反対車線の車に着地する。

(;^ω^)「しまった!」

( `ハ´)「サヨナラー!」

あっという間に離れていく見失う。

( `ハ´)「ふー、あぶなかったアルよ。」

適当なところで降り人気のない場所にたどり着く。
ここならもう安全だ。
――そう思った時だった。

(#'A`)「やってくれたじゃないか貴様!!」

(;`ハ´)「アイヤー!!ドクトラセブンナンデー!!」

('A`)「このドクトラセブン様の探索能力をなめるんじゃない!」

ドクトラセブンは空からずっと先ほどの光景を見ていたのだ。

('A`)「往生せい。!辞世の句くらいは読ませてやるぞ。」

( `ハ´)「……」

( `ハ´)「辞世の句なんて読ムキナイヨ。」

(#'A`)「ほう、抵抗するというのか。」

( `ハ´)「もとよりこうなることは覚悟の上。」

( `ハ´)「それならドクトラセブン、アナタワタシの最後のお客さんになるネ。」

429名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:42 ID:0Sx6YJI20
持っていた携帯端末を操作するとどこからともなく屋台が出てきた。
すぐさま作業に取り掛かりあっという間に自慢の味噌ラーメンができた。

( `ハ´)「ヘイお待ちアルよ。」

('A`)「な……」

罠か?
そう思ったが今まで嗅いだことがないような美味しそうなニオイ。

(;'A`)「ゴクリッ」

本能なのか?体が勝手に動く。
席に座ると理性は食べるべきでないと思っても手が箸を持ち麺を口へと運ぶ。

ズズズッ

(*'A`)「!!!」

(*'A`)「ウマーーー!!!」

(*'A`)「え?」

(*'A`)「ウマーーー!!!

ズズズッ

(*'A`)「これウマーーー!!!」

圧倒的語彙力のなさ。
出てくる感想がうまいしかない。

( `ハ´)「フフフ、そう言ってもらえればワタシも満足いく人生だったネ。」

あっという間に食べ終わってしまった。

(;'A`)「……」

( `ハ´)「ワタシは目標の宇宙一のラーメンを作れたアル。それどころかお客様に満足してもらえて最高だったヨ。」

( `ハ´)「他の星に異星人が勝手に来てたら何されても文句ハ言えナイ。それがこの宇宙のルール。」

( `ハ´)「さっき言った通り覚悟はできてるヨ。一思いにやるネ。」

(;'A`)「ぐ……」

430名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:10 ID:0Sx6YJI20
ルールや決まりごとは絶対だ。
それを破るやつがいたとしたらそいつが絶対に悪い。
だが、ルールや決まり事というのは完ぺきなものは少ない。
当たり前だ。所詮そんなものは人が作ったにすぎないのだから。

ならばたまには守らなくてもいいじゃないか……そうはいかない。
そうなればやがてみんな誰も守らなくなる。それでは無秩序な世界になってしまう。

寛容さは大切だ。ルール違反であったとしても、それを管理する者が判断して例外などを認めることなども時には必要。
だが何でも寛容であることは危険だ。今回のことで言えばシナー星人を見逃しても、もし誰かの命を奪ったりしたら……
責任を取ると言うことは簡単だ。誰かが責任をとるだろう。だがそれをしたところで失われた命は戻ってくることはないのだ絶対に。
そういった葛藤の中にドクトラセブンはいた。

(;'A`)(シナー星人を倒すことは簡単だ)

(;'A`)(だがそんなことをしたら……)

('A`)(宇宙一のラーメンが食えなくなる!!)

地球防衛任務とラーメンを天秤にかけていた。

(;'A`)(落ち着け俺!たかがラーメンだぞ!)

(;'A`)(どっちが大切か考えて見ろ!そんなの決まってるだろ)

('A`)(ラーメンだ!)

(;'A`)(……)

(;'A`)(落ち着け俺)

431名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:40 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「どうしたアル?」

( `ハ´)「顔色も悪いみたいアルよ。」

(;'A`)(宇宙人の地球滞在を許すわけには……)

(;'A`)(そうだ一人認めたら大量に湧いて出るぞ!)

(;'A`)(しかしまた食べたい!)

(;'A`)「グググググ……」

そんな時にドクトラセブンの脳裏に一人の人物がよぎった。

≫(‘♀’)≪

ああそういえば人さんいたしいいんじゃないかな。

( `ハ´)「体調がよくないカ?」

('A`)「まあ待て。」

ポンッとシナー星人の肩に手を置き優しくささやく。

('A`)「次に店を開く時間と場所を教えろ。」

( `ハ´)「は?」

('A`)「察しが悪いな。そうすりゃ見逃すって言ってんだよ。」

('A`)「見た感じお前は悪いことしそうな感じじゃないしな。」

(;`ハ´)「お前マジアルか?」

驚きを隠せない。星を防衛するにあたってそんな考えでいいのか?
それにヴィプトラの戦士はもっと容赦がない連中ばかりのはずなのだが……

('A`)「じゃあ何かあったらここに連絡くれ。」

連絡先を書いた紙を渡すとサッと空に飛び立っていくドクトラセブン。

(;`ハ´)「えぇ?こんなんアルか?」

432名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:06 ID:0Sx6YJI20
翌日。

(;^ω^)「やべー…昨日宇宙人取り逃がしたどころか光線銃紛失しちまったよ…」
  _
( ゚∀゚)「おいおい隊長がまたブチギレるぞ!『光線銃をなくすとは何事だ!!日頃のたるみが!!』みたいな感じかな。」

(,,゚Д゚)「ご愁傷様。」

prrr

('A`)「おっと携帯に電話だ。」

('A`)「はいもしもし……了解!」

('∀`)「ちょっとパトロール行ってくるからしっかりご説教受けとけ。」

(;^ω^)「クソォ…みんな他人事だと思いやがって……」

そんなこんなしている作戦室にフォックスが入ってくる。

(,,゚Д゚)「隊長、ブーン隊員がお話したいことがあるそうです!」

(;^ω^)「あ!ちょっと!」

爪'ー`)「なんだ?」
  _
( ゚∀゚)「ではではお二人でごゆっくり!」

そう言って二人から離れるギコとジョルジュ。

(;^ω^)「いや、それがその……光線銃を紛失してしまいまして……」

爪#'ー`)「なに!!光線銃を紛失しただと!!」

あっという間に怒りが頂点。
いつも通り怒鳴り散らすかと思われたときにフォックスは昨日の出来事を思い出す。
自分もヴィプトラ警備隊にあるまじき行為をしていたあの出来事を。

爪;'ー`)「ま、まぁそういうときもあるさ。今後気をつけるように……」

何という歯切れの悪さ。
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「???」

予想外のことで動揺する隊員たち。
それから数日フォックスはどんなことでも怒ることはなかったとか。

433名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:31 ID:0Sx6YJI20
昼間どこかの駅周辺の屋台。

('A`)「おら食いに来てやったぞ。」

( `ハ´)「イラッシャイ!」

( `ハ´)「味噌ラーメン一つネ!」

('A`)「いやー今日も食えるなんて幸せだな!」

('A`)「ん?」

ξ*゚⊿゚)ξ「おおドクオじゃん!」

昼間だというのに一杯やりながらラーメンを食べているツンヌ。

(゚、゚*トソン「なになにツンヌの知り合い?」

(゚、゚*トソン「ってブッサイクな面してんじゃん!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが前に言ったグロテスクな新人よ。」

(゚、゚*トソン「マジで人間?同じ生物とは思えないんですけどwww」

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

(;'A`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと二人とも失礼でしょ!!」

(*'A`)「あ!デレさんこんにちは!」

ζ(゚ー゚*ζ「すみませんドクオさん、二人ともだいぶお酒飲んでるみたいで。」

ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオお前も一杯飲んでけよ!」

(;'A`)「いやまだ勤務中だから……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

( `ハ´)「ハイヨ味噌ラーメンアル!」

宇宙一のラーメン。今日もどこかで開店中。
もしかしたらあなたの街にもやってくるかも。

第十四話『宇宙一のラーメン』

終わり

434名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:59 ID:0Sx6YJI20
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

435名無しさん:2018/11/15(木) 01:03:18 ID:u9Yed/qM0
乙!面白かった
めっちゃ味噌ラーメン食いたくなったわ……

436名無しさん:2018/11/15(木) 01:15:14 ID:WXIaQmec0
おつ
この時間に飯テロもどきはやめてくれよ…

437名無しさん:2018/11/16(金) 20:14:25 ID:YvO5tpUE0
乙です

438名無しさん:2018/11/16(金) 22:21:22 ID:ShRt8KvI0
シナーさんが無事でよかった。

439名無しさん:2018/11/16(金) 22:26:30 ID:ShRt8KvI0
おつんつん
シナーさんが無事でよかった

440名無しさん:2018/11/17(土) 02:14:13 ID:MBRIr2TY0
これだいすき

441名無しさん:2018/11/21(水) 19:42:03 ID:NEGEHMnk0
ツンが完全に人間やめてて草

442名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:09 ID:cGkZm8J.0
第十五話『正しさこそ正義』

ある日、日本列島では宇宙人に襲われるという事件が多発した。

不細工な女「白い全身タイツみたいな羽の生えたやつに襲われたのよ!」

不細工な女「『正義のヒーロー』のなんちゃらマンだって言ってたけど、そいつの光線浴びたらこんな顔にされたの!!」

不細工な女は涙ながらに語ると光線を浴びる前の写真を見せる。
そこにはすごい美人が映っていた。今は見る影もない。

( ^ω^)「こいつはひでぇ。」

ハゲたイケメン「俺はフサフサだった自慢の髪の毛がこのありさまだよ!」

その頭は無残にもハゲ散らかしていた。

('∀`)9m「プギャー!ざまぁ!イケメンざまぁ!」

胸が断崖絶壁の女「アーン、Fカップあった私の胸がぁ!!」
  _
(#゚∀゚)「これは許せん事態だ!!」
  _
( ゚∀゚)「ちなみにお嬢さん、俺は貧乳も大好きだよ!」

低身長の男性「180以上あった俺の身長が……」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはいはい。」

低身長の男性「ちょっと俺の話聞いてます?」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるせぇな!いまアプリのパワプロやってんだから黙ってろよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あ!このクソビッチレイリー!読心術失敗してんじゃねぇぇぇ!!」

低身長の男性「……」

女「私の自慢の彼ピッピがマッチョマンになっちゃった……」

女「ぽっちゃりが好きでいい感じに脂肪がついてたのにぃ!!こんなのヤダ!」

マッチョマン「……」

(,,゚Д゚)「君いい体してるじゃん!いつもどんなトレーニングしてるの?」

マッチョマン「あ、わかります?僕はいつも――」

女「ヤダヤダこんなマッチョマン!!前みたいな豚ちゃんに戻ってよー!!」

そんなような被害が多発していた。

443名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:39 ID:cGkZm8J.0
( ^ω^)「しかし、自称『正義のヒーロー』がひどいことしやがるよな。」
  _
(#゚∀゚)「まったくだ。おっぱいに手を出すなど男としてあるまじき行為だぞ。」

('A`)「だが目的がわからんな。『正義のヒーロー』とやらがなぜ人間を醜くしようってんだ?」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!自分で『正義のヒーロー』を名乗るやつに碌なのはいねぇよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「知ってるか?絶対英雄になれない条件。」

('A`)「?」

('A`)「そんなのあるのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「おぉよ!その条件ってのが……」

('A`)「うんうん。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、なんだっけ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、ウンチク博士!」
  _
(;゚∀゚)「いや、俺もそんなの知らないよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、こういう時に使えねぇ。」

爪'ー`)「あー、いいか諸君。現在『正義のヒーロー』と名乗る不届き者が事件を起こしている。」

爪'ー`)「我々ヴィプトラ警備隊の威信をかけてこれを排除するぞ!!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

444名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:08 ID:cGkZm8J.0
必死の捜索もむなしく、なかなか『正義のヒーロー』とやらを発見することができなかった。
そして後を絶たない被害者たち。そんな日が続いたある日、ドクオが一人でパトロールと街中で男の悲鳴が聞こえた。
急いで路地裏に向かうと一人の女性の格好をした人物がうずくまっていた。

('A`)「大丈夫ですか?」

(;'A`)「う……」

そのうずくまっている女性の恰好をした人の顔を見るとまるでおっさんのような顔になっていた。
さらにその声は野太い男の声。

うずくまる女性「ひどい…こんなんじゃ人前に出れないよ……」

(#'A`)「なんていうことだ!許せん!!」

(#'A`)「君をこんなにしたやつはどこに行った?」

スッと指をさす。

('A`)「必ず捕まえてやる!」

指をさされた方に走っていく。
ある程度行くと行き止まりになっていたが『正義のヒーロー』とやらの姿がない。

('A`)「逃げられたか。クソォ!!」

見失ったと思った時であった。

???「もしやこの私をお探しかな?」

トォッという掛け声とともにスーパーヒーロー着地を決めるその全身が白いタイツ。
着地をすると同時に決めポーズをビシッと決める。

(☆)「はるか遠くスター星からやってきた一つの流れ星!」

(☆)「『正義のヒーロー』ジャスティスマンここに見参!!」

445名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:46 ID:cGkZm8J.0
全身が白いタイツで覆われ、白い羽を生やし顔には大きな星が一つ。
そう彼こそがスター星からやってきたスター星人で『正義のヒーロー』ジャスティスマンなのだ。

('A`)「どちらかというと○ンタゴンでは?」

(☆)「?」

(☆)「何のことを言っているのかわからんが、このジャスティスマンの前では偽りの姿は許されない!!」

(☆)「必殺ジャスティスビーム!!」

そう言うと顔の星のマークからビームが発射されドクオに命中した。

(;'A`)「うわ!!」

(;'A`)「ってあれ?」

ドクトラアイを使っていないのにドクトラセブンに変身した。

(☆)「私のジャスティスビームはどんなものも本当の姿に戻すことができるのだよドクトラセブン。」

('A`)「そういえばスター星人にはそんな技があったな。」

('A`)「ん?」

('A`)「ということは……」

(☆)「まさかこの『正義のヒーロー』が地球人どもを醜い姿に変えたとでも思っていたのか?」

(☆)「逆だよ。化粧などで自分の顔を偽ったり、カツラでハゲ散らかした頭を隠したり。」

(☆)「シリコンで胸を大きく見せたり、シークレットシューズで高く見せたり。」

(☆)「脂肪の塊のような肉襦袢でマッチョな身体を隠したり、身体は男なのに心は女で性転換手術や整形で外見だけ女になったり。」

(☆)「そういった嘘をついた者を本来の姿にしただけさ。」

(☆)「そして私が解除するか死なない限りジャスティスビームを受けた地球人は嘘偽りがつけない。」

('A`)「なるほど。」

('A`)「しかし、ちとやりすぎなのでは?」

446名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:22 ID:cGkZm8J.0
(☆)「何を言っている。真実が一つのようにこの宇宙でも正義は一つなのだ。」

(☆)「この宇宙では嘘が多すぎる。それを正しに来たのだ私は。」

(☆)「そう、正しさこそが正義!!故にジャスティスマンは『正義のヒーロー』なのだ!!」

('A`)「いやだからやりすぎだって。化粧だとかそれくらい許してやれよ。」

(☆)「そうはいかんのだよ。地球のような未開でサルしか住んでないような星が宇宙連盟に認められるには正しくなくてはいけない。」

(☆)「だからこそこのジャスティスマンが嘘を排除して正しい星へと導かなくてはならない。」

('A`)「排除ってどうするつもりだよ。」

(☆)「嘘や偽りをするような奴は悪だ。私のこの警告も無視するような奴らは始末するに決まっているだろ。この『正義のヒーロー』に逆らうというのだからな。」

(☆)「悪は滅ぼさねばならない!!」

(;'A`)「始末ってやりすぎだろ!!そんなんじゃ侵略者と変わらないぞ。」

(#☆)「テメー!!誰が侵略者だ!!俺は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ!!」

今まで優しそうな感じでしゃべっていたジャスティスマンが怒鳴り散らす。

(#☆)「こちらとらこんな宇宙でも端の端、辺鄙な地球とやらに来てやってんだぜ。感謝こそされど侵略者扱いとは何事だ!!」

(#☆)「ぶちのめすぞテメー!!」

(;'A`)「ちょっと落ち着けって……」

(#☆)「チッ!」

煙草を一本吸って少し間を置く。
怒り狂っていたジャスティスマンも落ち着きをとり戻した。

(☆)「やはり宇宙ケシの実入りの煙草はうまい。」

('A`)「始末とかじゃなくてもう少し穏やかな方法とかないのか?」

(☆)「……」

(☆)「ドクトラセブン、君はなんでそこまで地球人ごときに肩入れするんだ?」

447名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:59 ID:cGkZm8J.0
('A`)「俺も最初はこんな星とか思っていたよ。」

('A`)「でもこの星を守っているうちに悪くないなって思うようになってさ。」

(☆)「ならばなぜ君は自分の存在を偽る?」

(;'A`)「え?」

(☆)「諸星ドクオとはなんだ。偽りの存在で接していてそれは本当に仲間だとでもいうのか?」

(;'A`)「そ、それは……」

(☆)「君もわかっているのだろ。所詮地球人など排他的で宇宙人を受け入れられないのだと。」

(;'A`)「……」

何も言い返せなかった。
正直なところ自分の正体をみんなに教えようかと考えたことは何度かある。
しかしそれが受け入れられなかったらと考えると……
初めてできた仲間に拒絶されるのが怖かったのだ。

(☆)「所詮地球人との絆なんてそんなもんだろ。」

(;'A`)「……」

(☆)「お互いスター星人とヴィプトラの戦士の仲ではないか。」

ヴィプトラの星とスター星はそれなりに友好的な関係なのだ。

(☆)「私が執行する正義を邪魔しないでくれ。」

('A`)「そうはいかん!!たかが化粧や嘘程度のことで地球人を始末なんかさせないぞ!!」

(☆)「おいおいマジかよテメー!」

448名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:25 ID:cGkZm8J.0
(☆)「俺はさっさとこんな星とおさらばしたいんだよ。こんな何もない星。」

(☆)「だかかもう少ししたら大々的に粛清したりして嘘をつくような連中は排除するつもりだ。」

(☆)「そうしてこの星を正しい方へと導いてやれば他の星でも正義が執行しやすい。」

(☆)「なにより私達スター星の評価がうなぎのぼりだ。そしてこの俺は称賛や名声を手に入れられる。」

(☆)「これこそが『正義のヒーロー』!!ドクトラセブン、君もだから目指しているんだろ『正義のヒーロー』を。」

('A`)「……」

('A`)「確かに目指していたな。そんな『正義のヒーロー』を。」

('A`)「かっこよくて強くてモテて人々から尊敬されてもてはやされる。そんな『正義のヒーロー』になろうだなんて思っていたな。」

(☆)「だろだろ!もう少しでそんな『正義のヒーロー』になれるんだぜ俺達は!だから手を貸してくれよ。」

('A`)「憧れていたよ。でもさ気づいたんだ。この星を守るために戦っているうちに。」

('A`)「昔憧れていた『正義のヒーロー』ってのはただ薄っぺらいだけの言葉だってことに。」

(☆)「は?」

(#☆)「テメー喧嘩売ってんのか!!『正義のヒーロー』が薄っぺらい言葉だと?取り消しやがれよコラァ!!」

(#☆)「所詮自分の正体を偽るような奴はこの地球人どもと同じで悪でしかないんだな!」

(#☆)「まずはテメーから排除してやるよ!!」

('A`)「短気すぎるのはよくないぜジャスティスマン。どうだ俺と少し地球を守ってみないか?」

(#☆)「こんなカスみて―な星守る価値なんてないだろ!!」

('A`)「やってもいないのに決めつけるのはよくないぞ。きっと驚くような経験ができるぞ。」

449名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:55 ID:cGkZm8J.0
(#☆)「真実が一つのようにこの宇宙で絶対的なことがある。」

(#☆)「この俺ジャスティスマンは『正義のヒーロー』で俺こそが正義なんだよ!!」

(#☆)「つまり俺に逆らうやつはみな悪なのだ!!」

(#☆)9m「その『正義のヒーロー』が断言する!お前は悪だドクトラセブン!!」

(;'A`)(こいつめんどくせぇ)

そんな風にドクトラセブンが思っている時だった。
冒頭で出てきた不細工な女がたまたまその近くを通りかかりジャスティスマンを見つけたのだ。

不細工な女「あ、テメーは!!」

(☆)「!」

ドクトラセブンの後方にいた不細工な女は猛ダッシュでジャスティスマンに向けて走っていく。
詰め寄っていろいろ文句を言おうとしているのだろう。
ジャスティスマンは面倒なのがきたとしか思っていないようだ。
ドクトラセブンも後ろをちらりと見てジャスティスマンに掴みかかるようなら引き離さないとな程度にしか考えていなかった。

地球人程度ではどんなに頑張っても宇宙人にダメージを与えられない。例外の人物を除いて。
それこそ武器がなければ無理な話だ。ただの一般市民がそんなものを持っているはずがない。
二人ともそう思って油断していた。それは一瞬だった。

不細工な女「テメーだけは許さねぇ!!」

ドクトラセブンとすれ違うその一瞬だった。
直感なのか本能なのなのかはわからないが、ドクトラセブンの頭アイス・ラッガーをつかみ取るとそのままジャスティスマンののど元に切りつける。

(;☆)「ガ……」

(;'A`)「!」

完全に油断していた。
緑色の血がジャスティスののどから噴き出した。

450名無しさん:2018/11/23(金) 02:12:37 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「き、貴様何をする……わ、私は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ……」

地面でのたうちながら必死に切られたのどを抑えるジャスティスマン。

(;☆)「私は嘘をつく地球人を正しく導こうとしていただけなのに……」

(;☆)「本来あるべき姿で他人と接しなくては何事も正しくないのだ……嘘偽りなど……」

不細工な女「確かにお前の言うことには一理あるかもな。」

(;☆)「そうだろ……私は『正義のヒーロー』絶対に正しいのだ……」

不細工な女「だがな!!テメーのそのくだらねぇ考えはテメーだけでやってろ!!他人にその考えを押し付けてんじゃねぇ!!」

(;☆)「正しいことを広めるのが『正義のヒーロー』の役目でもあるのだよ……」

不細工な女「なにが『正義のヒーロー』だ!!そんなの小学生のごっこ遊びで卒業しとけ!!」

不細工な女「大人になっても『正義のヒーロー』なんて言ってるやつはなぁ、心が子供のままの子供大人か」

不細工な女「ただ『正義のヒーロー』って言葉に酔いたいだけの自分が大好き野郎だけなんだよダボがぁぁ!!」

不細工な女「それにテメーが本当に『正義のヒーロー』だってんならなんで本当に困ってる人間を助けに行かねぇ!!」

(;☆)「困ってる人間……?」

不細工な女「紛争地域だとか災害地だとかで本当に困ってる人たちだよ!!」

不細工な女「なんでそういう人たちを差し置いて自分のくだらねぇ考えを強要してんだよ!!」

451名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:11 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「いや……」

地球人を完全に見下していたジャスティスマンにそんな考えは全く浮かばなかったのであった。

不細工な女「要するにテメーは後者なんだよ。『正義のヒーロー』に酔いしれてるだけの自己中!」

中指を立てながらまくしたてる。

不細工な女「私によくわからんビーム当てたときも長々と正しさがだとか正義がどうたらとか」

不細工な女「上から目線で説教しやがってよぉ!!テメーのくだらねー価値観なんてどうでもいいんだよ!!」

不細工な女「押しつけこそが悪だと知れよカスが!そんなに嘘つかれんのが怖いんならよぉ引きこもってろよ!!くだらねー考えもそのクソッタレの頭ん中で完結させとけ!!」

(;'A`)(AAも名前もないようなモブがやたらとしゃべるな……)

(;☆)「ゴ……」

(;☆)「」

『正義のヒーロー』は何も言い返せることができずに無様にも息を引き取った。

(;'A`)「……」

ジャスティスマンが死んだと同時に今までジャスティスビームを浴びた地球人たちが戻っていく。
偽りの姿に。

化粧で超絶美人「やった!元の顔に戻った!!」

フサフサなイケメン「俺の髪(カツラ)が戻ったぞ!」

女「やったあ!私の彼ピッピが元のぽっちゃりデブに戻ったあ!」

肉襦袢で覆われたマッチョマン(お!肉襦袢が元に戻った)

被害者たちは喜びの喚起を上げる。

化粧で超絶美人「よかったよかった。」

ニコニコしながら喜んでいる。
その近くをフサフサなイケメンが通りかかる。

452名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:46 ID:cGkZm8J.0
フサフサなイケメン「お!かわいいこちゃん見っけ!!」

それに気づいた化粧で超絶美人は慌てて手に持っていたアイス・ラッガーを捨ててフサフサなイケメンの元へと駆け寄る。

化粧で超絶美人「アーン、宇宙人に襲われて怖かったぁー!」

そう言いながらフサフサなイケメンに抱き着く。

化粧で超絶美人「ドクトラセブンがいなかったら危なかったのぉ!怖くて動けなーい!」

フサフサなイケメン「仕方ないな。どうこの近くで休んでかない?」

化粧で超絶美人「うん!どっかで休んでこ!」

そうして二人は手を握りながらどこかへと去っていった。
嘘や偽りがあろうと世の中というのは問題なく回っていくのだ。
そんなに無理して正そうなど無駄な労力でしかない。

('A`)「……」

ただ一人残されるドクトラセブン。

('A`)「だから言ったろ、驚くような経験だできるって。」

('A`)(そういえば真実はいつも一つだとか言っていたな)

真実が一つというが本当にそうなのだろうか?
車は道の左側を通る。
だがそれは日本での話だ。世界では右側が主流。

('A`)(そして宇宙では左だとか右だとかはない)

('A`)(弱い者が強い者に道を譲るのだ)

そういった様々な見方をすれば真実は本当に一つなのだろうか。

('A`)「だがお前の言う通りかもしれないな。」

そう、自分が諸星ドクオと偽る限りみんなと本当の仲間だといえないのかもしれない。
でもいつか本当の自分をみんなに打ち明けられる時が来るのだろうか……
いやうち開けなくてはならないのだ。地球人と本当の友になるためには。
そう遠くない未来に。

第十五話『正しさこそ正義』

終わり

453名無しさん:2018/11/23(金) 02:14:20 ID:cGkZm8J.0
今回は短いですが以上です。
いつもありがとうございます。

454名無しさん:2018/11/23(金) 07:43:46 ID:5kWSKTJM0
不細工な女ツンヌかと思ったわwww

乙!

455名無しさん:2018/11/23(金) 08:20:55 ID:.RMH2c2A0
>>454
たぶんつんぬだぞ

456名無しさん:2018/11/23(金) 12:50:47 ID:gX7HjT0Y0
恐らくツンヌ星人とかオーガ星人とかそんなのが混ざりまくってるだろ戦闘力高すぎだわ乙

457名無しさん:2018/11/24(土) 07:38:00 ID:rzLVRc5k0
おつ

458名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:01 ID:QOpG40xs0
第十六話『氷点下零度の戦い』

皆さんは人間の一番の武器は何だと思いますか?
知能を挙げる人がいれば道具を使えること挙げる人もいるでしょう。
現代ならば兵器だったり爆弾、核など凶悪なものも。

しかしそういった恐るべき兵器も悪天候だったり天災の前では無力だったりします。
さらには最新鋭の戦闘機であっても飛行中、エンジンにただの鳥を吸い込むだけで簡単に壊れてしまいます。
どんなものも使いようなのです。

今でこそ使い勝手のいいインターネットも元は軍事目的で開発されました。
それがあっという間に誰でも使えて便利なものに。
過去の戦争では殺虫用のガスが恐ろしい毒ガスに。恐ろしい毒ガスだったものが殺虫剤になったりしたのです。
どんなものでも生活に欠かせないようになったり、生活に欠かせないようなものが恐るべき侵略兵器にも――
今回はそんなお話。

459名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:51 ID:QOpG40xs0
ときは12月31日の大晦日、年の終わりに地球の危機が迫っていた。

('A`)「あー、今日で今年も終わりかー。」

('A`)「でもさすごく気になるんだけど、なんで今日は俺たちしかいないの?」

雪が降り積もる富士山。ここの地下数百メートルにヴィプトラ警備隊の基地がある。
いつもは数千人の隊員たちが忙しく働いているのだが、この日は静まり返っていた。

爪'ー`)「毎年恒例で大晦日は我々だけが防衛任務に就き、一般隊員はお休みだ。」

そう、この日は作戦室にいるフォックス、ドクオ、ブーン、ジョルジュ、ギコ、ツンヌのみなのだ。

(;'A`)「地球防衛に休みの日とかあっていいんですか?!」

爪'ー`)「一日くらいな。どうせ侵略者だって今日くらいは休みだろ。」

(;'A`)「いやいやいやいや!」

( ^ω^)「まあ、今日何か起きてもいいように我々がいるんじゃないか。」

(;'A`)「マジかよ……」

爪'ー`)「その代わり我々はクリスマスが休みだったんだからいいだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「確かに今年のクリスマスは楽しかったなー。」
  _
( ゚∀゚)「俺、ツンヌ、デレさん、トソンさん、佐藤君、人さんでだいぶ飲んださわいだしたよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「人ってやつずっとチョウチンアンコウの着ぐるみ着てて笑うわ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
  _
( ゚∀゚)「本当に楽しかったよ。」

460名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:16 ID:QOpG40xs0
(;'A`)「え……」

(;'A`)「何それ聞いてない……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、すまん!ドクオに言うの忘れてた。」

(#゚A゚)「おまえ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな過ぎたこと怒ってんなよ。今日は大晦日だぜ、のんびりしようや。」

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

( ^ω^)「いやー今年のクリスマスは久しぶりにハッスルしたから子供が増えるかも。」

(,,゚Д゚)「それはよかったじゃないか。俺はヴィプトラホーク2号に彼女と乗って宇宙ステーションVIP3で一晩明かしたよ。」

( ^ω^)「ヒュー!宇宙旅行とはやるじゃん。」

(,,゚Д゚)「そりゃぁもちろんヤりましたよ。」

( ^ω^)「おいおい、何の話だよ!」

ワハハハハハハ!

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

リア充が憎い!!
クリスマスだとかバレンタインとかそんなイベントは地球のローカルな行事でしかないのだ。
V78星雲でもそんな都市伝説があるようだが俺は知らん。
所詮は都市伝説なのだ!!だって俺は体験したことないんだもん……

461名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:42 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「つーかなんか寒くない?」

(,,゚Д゚)「確かに寒い。」

( ^ω^)「外は雪も降っているみたいだしな。」

爪'ー`)「そもそも暖房止まってない?」
  _
( ゚∀゚)「そういえば最近ボイラーの調子が悪いみたいなこと誰かが言ってたな。」

爪'ー`)「そうなると誰かが直してこないとな……」

突如として静まり帰る作戦室内。
さっきまで暖房が効いていたこの部屋でも寒くなってきたのに、暖房が全く効いていないであろうボイラー室に行くなどと……
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していた。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

ξ゚⊿゚)ξ「エーン、ツンヌボイラーの直し方がわかんなーい!ツンヌが下手に触ったらもっと悪くなっちゃうよー!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子だった。

(,,゚Д゚)「え?」

(#'A`)「は?」
  _
(;゚∀゚)「うわぁ……」

( ^ω^)「スタンド攻撃でも食らったか?」

爪'ー`)「これは悍ましい。何と悍ましい。」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、というわけで私を除いたお前らだけで何とかしてこいよ。」

(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」

462名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:14 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「仕方ない。こうなったら最年長である俺が行ってくるか。」

( ^ω^)「流石隊長!!」

('A`)「さす隊!!」

爪;'ー`)「う!」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)「?!」

爪'ー`)「いやー最近の激務とこの寒さじゃ年老いたこの体じゃムリかなー。」

わざとらしい咳をしたかと思うと頻りに四人の方をチラチラと目線を送る。

(,,゚Д゚)「あー、はいはいはい。」
  _
( ゚∀゚)「チッ」

('A`)「マジ老害。ホント老害。」

( ^ω^)「上司が仮病使ってくる件について。」

爪'ー`)「そういうわけだから若い連中でどうにかして。」

にらみ合う四人。

爪'ー`)「ボイラー室から戻ってきたら暖かいコーヒーを淹れてやるよ。」

463名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:44 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「なぁ、世の世で最も公平なものを知ってるか?」

( ^ω^)「ジャンケンだ。ジャンケン。」

( ^ω^)「これでけりをつけよう。」

('A`)「ほう、この主人公補正ありありなドクオ様にジャンケンで勝負を挑むというのか。」

('A`)「この№1主人公ドクオに!」

( ^ω^)「ジャンケンなんて所詮運よ運。」

( ^ω^)「いつだってこのラッキーマン・ブーンは幸運ですべて乗り切ってきた!!」

(,,゚Д゚)「ジャンケンをなめんな!これはれっきとしたスポーツだぜ!」

(,,゚Д゚)「反射神経といえばギコの動体視力をなめんなよ!」
  _
( ゚∀゚)「主人公補正だとか幸運だとか動体視力とか無駄なんだよ!」
  _
( ゚∀゚)「ミスターデータベースこと、このジョルジュに蓄積されたデータをもとにすれば塵に等しいぞ!!」

再びにらみ合う四人。
戦いの火蓋が切られた。

ジャーンケーン―――

地下深くにあるヴィプトラ警備隊の基地。
その廊下を一人の敗北者がボイラー室に向けて歩いていた。
その口はひたすら負け惜しみを吐いてより一層みじめさを醸し出していた。
そして寒さなのか負けて悔しいのか身体が小刻みに震えている。

464名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:10 ID:QOpG40xs0
('A`)「そもそも隊長やツンヌが参加してないのがおかしい。」

('A`)「全員参加でやるべきだったんだよ。」

('A`)「なにより機械いじりならジョルジュが行けばいいじゃんかよ。」

ブツブツとひたすらに文句を言っている。

('A`)「まあいい。さっさと直せば暖かいコーヒーが俺を待っているんだ。」

(('A`))「うぅ寒い。」

廊下の壁に取り付けられた温度計は零度を示していた。

('A`)「?!」

敗北者ドクオは廊下にある物が置かれているのに気付いた。
コタツだ。冬といえばこれがあればなんとかなる日用家具。
なんて変哲もないコタツが廊下に置かれている。
どう考えても罠だ。人が少ない今日を侵略者に狙われたのだ。

('A`)「うおぉぉぉぉぉ!!」

急いでコタツに近づく。
罠なのだからよく調べなくては。

('A`)「ふう。」

なんなくコタツに入りくつろぎだす。
何という恐ろしい侵略兵器だ。
一瞬にしてどドクオを無力化してしまった。

( <●><●>)「フッフッフ!貴様らがコタツを見つければ本能的に入ってしまうことはワカッテマス!」

凶悪な侵略者ワカッテマス星人だ。

( <●><●>)「愚かな地球人よそのコタツに入ったら最後、このバリア発生装置がある限り外には出れないのだよ!」

( <●><●>)「フハハハハハ!!泣いて喚いてももう遅いぞ!!」

('A`)「お!お茶あるじゃん!」

('A`)「茶がうめ―。」

( <●><●>)「……」

465名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:44 ID:QOpG40xs0
ドクオが出てからすでに数十分が経過していた。

( ;<●><●>)「お前もう少し焦りとかないの?」

('A`)「冷蔵庫に簡易トイレにテレビもあるしここから出る必要ある?」

( ;<●><●>)「ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」

('A`)「むしろ俺ここに住むわ。」

( ;<●><●>)「?!」

( ^ω^)「おいおいドクオ、まだ直らんのか?」

直るのが遅いのでしびれを切らしたブーンが様子を見に来たようだ。

( ^ω^)「!」

(#^ω^)「貴様ァァァ!!」

ブーンが猛ダッシュで向かってくる。

( ;<●><●>)「し、しまった!バリア発生装置はボタン一つで簡単に解除されてしまう!」

焦るワカッテマス星人。
まったく動揺しないドクオを相手していて次の作戦に移れなかったのだ。

(#^ω^)「オオオオオオ!」

雄たけびを上げながらコタツめがけてスライディング決める。

( ^ω^)「ふう。」

( ^ω^)「お!ミカンあるじゃん!」

( ;<●><●>)「……」

466名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も

(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」

(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「オラァァァ!」

(,,゚Д゚)「ふう。」

('A`)「せんべいあるけど食べる?」

(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」

爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」

( ;<●><●>)「……」

コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。

爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」

( ;<●><●>)「あの…みなさん?」

( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」

( ^ω^)「隊長!!」

爪'ー`)「どうした!」

( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」

爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」

( ;<●><●>)「こいつらマジ……」

467名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。

( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」

少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。

( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」

一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。

( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」

( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」

身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。

( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」

ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」

(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」

(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」

爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」

(*'A`)「あー、コタツ最高!!」

( <●><●>)「……」

ジョルジュの元に魔の手が迫る!

468名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
  _
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
  _
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」

一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。

( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」

手に持った端末からその様子を眺めている。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」

(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」

(*'A`)「俺も。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)

仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
  _
(  ∀ )「……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)

そうナイフで突き刺そうとした時だった。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」

あっけなくその場に倒れこむ。

( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」

469名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
  _
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
  _
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
  _
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
  _
(  ∀ )「許さねぇ!」
  _
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」

ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。

470名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」

( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」

('A`)「あいつやべえな。」

(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」

( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」

爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」

(,,゚Д゚)「了解!」

ブッ

オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!

( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」

( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」

そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。

(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」

(*'A`)「眼福眼福!」

(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」

そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。

ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」

(*'A`)「いいね注文しよう!」

(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」

471名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
  _
( ゚∀゚)「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」

悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry

先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。

( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」

( #<●><●>)「もう何も信じれん!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」

( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」

( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」

濃厚な接吻をし始める二人。

472名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」

(#'A`)「ケッ!リア充が!!」

(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」

爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」

ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」

( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ

すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
                                _
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」

有無を言わさず光線銃で打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
  _
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
  _
(#゚∀゚)「ペッ」

死体に唾を吐きかける。

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」

(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」

( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」

473名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」

ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
  _
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
  _
(;゚∀゚)「え?コタツ?」

そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。

( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
  _
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」

( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」

(,,゚Д゚)「つ、強い!」

( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」

ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」

爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」

('A`)「おら立て!殴り返せよ!」

('A`)「もっとこう……ああ!」

爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」

('A`)「俺も。」

( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」

(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」

474名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀゚)「うぅ……」

何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。

( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」

( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
  _
(; ∀ )「……」

一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌのおっぱいだった。

('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」

('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」

ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」

アァ!ヤメテェー!!

オラァァァ!!

ウギャァァァァ!!

475名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
  _
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」

( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
             _
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」

ジョルジョが全力で殴りつける。

( ;<●><●>)「グォ!!」

地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
  _
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「漢の!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」

( ;<●><●>)「グワァァ!!」

( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)

壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。

( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」

( <○><○>)「」
  _
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
  _
(;゚∀゚)「やったぜ!」
  _
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」

バリア発生装置のボタンを押して解除する。
  _
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」

476名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」

( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」

(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」

('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」

ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」

「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
  _
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」

みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」

(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」

爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」

(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」

(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
  _
(;゚∀゚)「あの……みんな?」

爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」

ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」

(; A )「OH……」

ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
  _
(;゚∀゚)「え……?」

477名無しさん:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」

(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」

爪'ー`)「いいねぇ乗った!」

ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
  _
(;゚∀゚)「……はい。」

一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。

心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。

(,,゚Д゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」

( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」

爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」

('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」

さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

478名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子。

爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」

爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」

突然の仮病。

( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」

('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」

(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」

( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」

いくぞ!ジャーンケーン――

( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」

( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」

( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」

( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」

ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。

( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」

( <●><●>)「フハハハハハ!」

( ;<●><●>)「?!」

ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。

('A`)

ドクトラセブンだ。

479名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」

必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。

('A`)「デュワ!」

必殺のドクリュウム光線を発射する。

( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ

あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。






こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……

どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。

第十六話『氷点下零度の戦い』

終わり

480名無しさん:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。

481名無しさん:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0


482名無しさん:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ

483名無しさん:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね

484名無しさん:2018/12/08(土) 19:30:14 ID:2BFQNR..0
乙です

485名無しさん:2019/01/06(日) 03:04:40 ID:SCd38K/s0
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
これから投下していきます。

486名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:19 ID:SCd38K/s0
第十七話『怪しい老人』

(´・_・`)「ああ、今日も疲れた。」

夕方、一人の社畜が帰路についていた。
今日も嫌いな上司に罵倒されこき使われて肉体も精神もボロボロだ。
しかし、そんな彼にも支えがあった。

(´・_・`)「今日も君のおかげで一日何とか頑張れたよタチャンカ!」

そう言いながら彼はスマホでアイドルの画像を気持ち悪い顔でニヤニヤしながら覗いていた。
タチャンカ、ゲームのキャラクターだ。
普通の人が見れば気持ち悪いだろうが、彼からしたら唯一心の支え。
そしてそのゲームを通じて知り合った人たちだけが彼の数少ない友達なのだ。
だから彼からしたらタチャンカこそが人生のすべてである。

(´・_・`)「でもいやだなぁ、あのうるさい上司さえいなければ……」

そう愚痴をこぼしながらいつも通る公園を歩いていると、見知らぬ老人がどこからともなく現れた。

/ ,' 3「もし、そこのお方。何かお困りのようですね。」

その老人は小汚い恰好をして、フードを深々とかぶっていたのでシワシワで歯が何本も抜けた口元くらいしか見ることができない。
しかし、この辺では全く見たことがない。ホームレスか何かか?そう思った。

(;´・_・`)「な、なんですあなた?」

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。この地球をフラフラ回りながら商いをしてましてね。」

/ ,' 3「あなたのような方にとっておきの商品があるのですよ。」

どこからともなく飴の入った袋を取り出すと、それを手渡してきた。

487名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:49 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「その飴をなめると幸運があなたに舞い降りるでしょう。」

/ ,' 3「一袋三十個入りなので毎朝忘れずに舐めてくだせぇ。」

(;´・_・`)「いやこんなのいらないよ。」

/ ,' 3「それはお試し品ですからお代は結構。次の袋からお代をいただきますので。」

/ ,' 3「それではあなたに幸あらんことを。」

(;´・_・`)「ちょっと!」

(;´・_・`)「?!」

スッと霧のように消え姿が見えなくなってしまった。

(;´・_・`)「なんだったんだ今の……?」

夢のような出来事であったが、確かに手にはあの飴が入った袋が握られていた。

(;´・_・`)「……」

不気味ではあったが、不思議とその飴を捨てることはできなかった。いつか必要になる気がして。
そのまま家に帰ったが、その飴をなめることはないまま数日が過ぎていく。
何も変わらない日常。仕事では上司に怒られては叩かれての繰り返しだ。
ただそんな仕事が忙しい日々を送っていたある日、珍しく寝坊をしてしまった。
朝食を用意している時間もなく急いで支度を済ませたが、何かエネルギーになるものをと思ってずっと置いてあったあの飴玉を一つなめることにした。

(;´・_・`)「変なもの入ってないよな?」

少し警戒したが時間が惜しいのでそのまま口の中へ。
なんともいえない味がしたが食えないことはない。

(´・_・`)「幸運が舞い降りる……か。」

488名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:17 ID:SCd38K/s0
数日前だが不思議とあの老人に言われたことを鮮明に覚えている。
しかし、ただの戯言だと思いそのまま出社した。
どうせ今日も上司にいろいろ言われてしんどいんだろうな――
そう思った。

(;´・_・`)「え?上司が事故で入院?」

会社に着くなりみんなその話題でもちきりだ。
何やら信号無視をした上司が車にひかれて大けがを負ったようだ。
命に別状はないようだが、当分会社には来れないそうだ。
それを聞いて小さくガッツポーズをした。

その日は本当にいい日であった。
いやな上司はいなくなり、休憩時間にたまたま会社に偉い人と雑談をする機会があるとえらく気にいられたのだ。
そのまま別の部署に異動することとなった。自分がずっと行きたかったところだ。

その後はあの飴をなめて会社に行くことにした。
それからはいいことばかりの毎日だ。
どこからどう見ても地味でさえてない上にキモオタの代表なような自分であったが、新しい部署の仲間は親切に接してくれた。
それどころかよく遊びに誘ってくれ、服のコーディネートまでやってくれたのだ。
彼らはどう見てもリア充で自分とは真逆な存在なはずなのに、なぜか会話が弾むのだ。頭の中に次になんてしゃべったらいいのか浮かんでくる。
これもあの飴の効果なのかな?

飴をなめるようになってから人生がまるで変った。
仕事終わりや休みの日はリア充の仲間たちと遊びに出かけ、ついには女の子ともデートに行くようになっていた。
今までの自分では考えられないようなことだ。女の子との会話もベストなセリフがスラスラ浮かんでくる。
そして頭に浮かんだことを行動するとすべて大正解というようになんでもうまくいった。

(´・_・`)「なんて幸せなんだ。」

これが幸せなんだということがよくわかる。
だが、その反面失われた時間があった。
今まで心の支えにしていたタチャンカだ。
タチャンカのゲームや動画を見る時間はなくなったし、そのつながりの友達ともまったく連絡を取っていなかったのだ。

489名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:43 ID:SCd38K/s0
(´・_・`)「……」

(´・_・`)「まぁいいか。」

(;´・_・`)「?!」

タチャンカのことをふと思い出した拍子に大事なことに気が付いた。
飴がもうないのだ。この飴がなくなったら自分はどうなるのだ?そう思うと恐怖でいてもたってもいられなかった。
夜遅かったが、慌てて家を飛び出してあの老人がいた公園へと向かう。

(;´・_・`)「はぁはぁ…」

真夜中の公園をひたすら探す。
だが冷静に考えればこんな時間にいるはずがないのだ。

(;´・_・`)「あ、明日の夕方ならいるかな?」

なんとしてもあの飴を手に入れなければ……
そう考えていた瞬間だ。

/ ,' 3「あっしをお探しですかいお客さん?」

突然背後から声がした。

(;´・_・`)「ヒッ?!」

馬鹿な周りには誰もいなかったのに?!

/ ,' 3「へっへっへ。お客さんはこれをお求めですかな?」

そう言うとあの飴の袋を取り出した。

(;´・_・`)「あ、あぁそれだ!それを売ってくれ。」

/ ,' 3「ええ、お売りしやしょう。でも今度はただじゃありやせんぜ。」

(;´・_・`)「いくらだ?」

たとえ数万だろうが払うつもりだ。それだけ出す価値があるのだあの飴には。

/ ,' 3「お金はいりやせん。」

(;´・_・`)「金は要らないだと?」

490名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ええ。たった一つの物をいただければこの飴を一生分差し上げやすよ。」

(;´・_・`)「何が欲しいって言うんだ?」

/ ,' 3「あなたの大事なものでっせ。それは命より大事なもの。」

命より大事なものだと?
何かとてつもなく恐ろしいものを盗られるのでは?
恐怖のあまり身体が強直する。

/ ,' 3「そう、あなたの心の支えの等身大のタチャンカフィギュアですな。」

(;´・_・`)「な!」

等身大のタチャンカフィギュア。
これは自分の人生で唯一誇れる持ち物だ。
世界でたった数体しか存在せず、一体数百万した代物だ。
借金をしてでも購入し、これのおかげでヴィプマス仲間ではかなり有名になれた。

背中のボタンを押せばタチャンカのメイン曲が流れそれ以外にもタチャンカやカリンカも聞くことができる。
毎日これを眺め、辛いときは何度も話を聞いてもらった。
一人暮らしも彼女がいれば寂しくなかったのだ。それくらいに自分にとって大切なものでこれこそ自分の誇りそのもの”だった”。

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「ほ……」

(;´・_・`)「本当に”そんなものでいいのか”?」

/ ,' 3「あっしはそれさえいただければ十分でっせお客さん。」

(´・_・`)「いやー助かる。最近はむしろ邪魔だったんだよあれ。無駄に場所取るし。何よりあんなのあったら女の子を家に上げられないよ。」

/ ,' 3「では取引成立でございますな。」

(´・_・`)「これでずっとあの飴が手に入るなら最高だよ!」

/ ,' 3「これから毎月この飴があなたの元へと届きますよ。たとえどこに引っ越そうそとね。」

ニヤリと笑う怪しい老人。

491名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:51 ID:SCd38K/s0
地味な青年の小練ショーンは喜んで自分の家へと帰っていった。
きっと彼のこれからは何一つ困らないで幸せな人生を歩んでいくことでしょう。
あの飴のおかげで。
そして気づくことなく一生を終えることでしょう。これから歩む人生は本当の彼自身のものではないことに。
何より彼は一番大切なものを永遠に失ったことに。

/ ,' 3「しかし困った。こんなデカい物どうしたものですかね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「ネットで売りやすか。」

そんな怪しい老人がいることも知らずに今日もヴィプトラ警備隊の作戦室は騒がしい。

('A`)「!!」

('A`)「オイ見ろジョルジョ!タチャンカの等身大フィギュアがネットオークションで売ってるぜ!!」
  _
( ゚∀゚)「な、なんだってー!!」
  _
( ゚∀゚)「ウオォォォ!!マジじゃん!」

('A`)「しかし今すでに500万円か……」
  _
(;゚∀゚)「ぐぅむ……だがたとえ借金をしてでも手に入れなければ!」

('A`)「二人で力を合わせれば行けるか?」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「お前ら仕事中に何してんだ?」

('A`)「隊長!仕事どころではありませんよ!なんたってあのタチャンカのフィギュアですよ!」
  _
( ゚∀゚)「地球防衛より大切なことです!!」

爪#'ー`)「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「フィギュアとかお前ら何キモイことしてんだよ。」

(#'A`)「お前にタチャンカの何がわかる!!ジョルジョ言ってやれ!」

492名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:10 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「本当、タチャンカのタの字もわからないやつが我々の高等な会話に入ってくるというのがおこがましい。タチャンカとはヴィプマスタ―という大人気アイドルプロデュースゲームに登場するキャラクターの一人。
     出身はロシア・サンクトペテルブルクでアイドルで公表されている年齢17。しかし本当の年齢は29だ。声優はヴィプ坂すみれ。タチャンカは愛称で、本名はアレクサンドル・セナフィエフ。男の名前だが、
     それは男のようにたくましく育ってほしいという軍人の父親の願いが込められてつけられた。事実、女であっても厳しく育てられ現在は身長/体重:183cm/99.8kにまで育つ。その肉体はまるで肉の鎧。
     偉大な父の跡を継ごうとロシア軍に入隊。そして特殊部隊:スペツナズに長年所属。彼女に転機が訪れたのは日本での作戦実行中にたまたま見たヴィプ海やヴィプ月が行うライブを見て心を奪われる。
     その後周りの反対を押し切り日本語を勉強して来日。念願だったヴィッププロダクションに所属するようになる。本名のアレクサンドル・セナフィエフではあまりにもイカツイということでヴィプ槻にタチャンカ
     の愛称を名付けられた。それからの彼女の活躍はすさまじく軍隊で鍛え上げた肉体から繰り広げられるダンスは誰よりも機敏でパワーあふれるパフォーマンスをする。コサックダンスを得意とするが、
     一番の得意なダンスはタチャンカダンス。密輸した彼女専用装備のRP-46軽機関銃をステージにセットして激しく銃身を上下左右に振りまくる。このキレッキレっぷりは彼女の人気の高さの秘訣だ。
     普段は空包だっが、アンコールやハイテンションの時は実弾をぶっ放して会場を沸かせる。ただこのタチャンカはステージ上だけでなく普段からフルフェイスマスクを被っており素顔を見たものはいない。
     そういったお茶目な面やミステリアスな一面のおかげでヴィプマスでも常に人気上位。そのため、彼女をメインに置いた映画が上映され賛否を呼んだ。なぜ賛否かというと、映画終盤でライブを行うはずであったが、
     ライブ会場がテロリストたちに占拠されてしまう。タチャンカはテロリストを皆殺しにしようとしたが、ヴィプ海やヴィプ月といったメンバーが歌で彼らの心を救おうと提案して対立。甘っちょろいことを言う他のメンバーに
     タチャンカがブチギレ乱闘騒ぎ。なお一方的にタチャンカが他メンバーをボコボコにしたもよう。そのせいで大量のタチャンカアンチを作ってしまったのだ。その後はたった一人でテロリストたちを一人一人始末していくが、
     ボロボロになった他のメンバーたちが最後の力を振り絞りライブを始める。それを聞いたタチャンカやテロリストたちは涙して心が浄化され手を取り合いステージ上の他のメンバーを応援した。
     その時に最初に見たアイドルのライブの光景を思い出したタチャンカは自分が間違っていたことに気が付いて他のメンバーに謝罪。アンコールでタチャンカダンスを披露。だがダンス中、間違って実弾で改心したテロリストたちを射殺。
     初の素顔見せをテヘペロっと最高の笑顔で締めた。銀髪で色白、透き通った青い瞳で頬には以前の戦闘で負った傷があるが、その傷を隠すためにマスクをしているのではなくただ単にいつ戦闘があっても頭を抜かれないようにするためと、
     大勢の人に見られるのが慣れておらず恥ずかしいからなのだ。映画自体は繁盛したが、ボコボコにされた他のメンバーファンがタチャンカを許せずにタチャンカファンと壮絶なレスバトルを長年続けた。さすがにまずいと思ったスタッフや
     タチャンカの中の人が謝罪して、DVDではその暴力シーンがカットされる事態が発生して終息した。今も大量のアンチはいるが、甘っちょろい考えに唾を吐きかけるくらい気嫌いして割と短気なところがタチャンカの魅力の一つ。
     最近あったテレビアニメシリーズでも生意気な後輩に対してはロシア方式のけじめをつけさせ病院送りにしたり。抜けているところはとことん抜けているが、いざというときは頼りになる。そういったところがおれは大好きですね。
     いつかタチャンカの故郷を聖地巡礼したいとは思うんですがなかなか時間が取れなくて。でも自分なりにタチャンカの機銃、RP-46軽機関銃を自作してみたりはしましたよ。ファンなら当たり前のことですが。でもタチャンカで一番重要な
     エピソードといえばあれは外せないですね。スマホのアプリでタチャンカに追加された一番最初のエピソードで――――

493名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:41 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「―――」
     
(;'A`)爪;'ー`)ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;゚Д゚)「……」

その後もジョルジョはしゃべることしゃべること。
よくその早口で下噛まないなとかお前いつ呼吸してんだというくらいしゃべる。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、うん、すごいねー、タチャンカすごいねー。」

あのツンヌが引いた。
いやさすがのツンヌでもこれは何も言う気になれないようだ。
  _
(#゚∀゚)「まったく何にも知らない素人風情がタチャンカのことで口を挟むな!これくらいむしろ一般常識だぞ!」
  _
(#゚∀゚)「だよなドクオ!」

(;'A`)「!!」

(;'A`)「……」

(;'A`)「……」

(;'∀`)「あ……あぁ、そうだな……」

必死の作り笑いをするしかなかった。
今まで自分はヴィプマスにおいてかなりのオタクだと思っていたのに……
ひょっとしたら上位にいるのではとか考えていたが間違いだったようだ。

494名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:18 ID:SCd38K/s0
(;'A`)(俺はただのニワカだ…)

(;'A`)(下手したら一般人に毛が生えた程度か?)

(;^ω^)「あ、隊長!ここの防衛範囲について質問がありまして……」

爪;'ー`)「うん、なにかな?」
  _
(#゚∀゚)「でもいいかタチャンカは―――」

いまだに一人で語っている。
仕方ないのでみんな違うことをし始めるのだ。

(,,゚Д゚)「よ、よし!ドクオ、パトロールに行こうぜ!」

('A`)「あぁ、行こう!」

ギコからの助け舟だ。
面倒な奴はほっとくのが一番。
ヴィプンターで適当にパトロールをして公園で一休み。

(,,゚Д゚)「フーッ平和はいいぜ!」

「もし、そこのお方。」

(,,゚Д゚)「?」

/ ,' 3「あなたはヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃありやせんか。」

495名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:50 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「何か用かじいさん?」

薄汚い老人がギコの前に現れた。
かなり匂うが、顔色一つ変えずに接するギコ。

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。どうですギコ隊員にいい商品がありやすぜ。」

(,,゚Д゚)「?」

老人は懐からおもちゃの光線銃のようなものを取り出しギコに差し出す。

/ ,' 3「これは不思議な銃でして狙った相手はたとえどんな奴であろうと一発でしかも確実に当てて仕留めることができる銃でございます。」

(,,゚Д゚)「は?」

/ ,' 3「これはお試し品ですから弾は十発。でももしギコ隊員のお持ちのその光線銃をいただけるなら無限に撃てる正規品をお渡ししやすぜ?」

(,,゚Д゚)「……」

ボケた老人のたわごとか?
いやだが目は本気だ。

(,,-Д-)「フーッ。」

(,,゚Д゚)「いいかじいさん、あんたの話が本当だったとしても俺はそんなものいらない。」

/ ,' 3「?!」

/ ,' 3「なぜですかい?!」

(,,゚Д゚)「もし俺がその銃で活躍したところでそれはおれの実力じゃない。その銃の力だ。」

(,,゚Д゚)「その銃に頼りきってちゃそれがなくなったとき俺は何もできなくなる。」

(,,゚Д゚)「だからいらない。むしろそんなものに頼らなくてもその銃に負けないくらいにならないとな。」

(,,゚Д゚)「何より俺の銃はヴィプトラ警備隊に入った時からの相棒だ。」

(,,-Д-)「こいつとはいくつもの死闘を戦って来たからな。血と汗が染みこんでるんだ。」

(,,゚Д゚)「これこそ俺の誇りなんだよ。そう簡単に誰かに渡せないね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「へっへっへ。あなたは本当のことを仰ってますね。目を見ればわかりやす。」

496名無しさん:2019/01/06(日) 03:11:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ではこちらの缶ジュースはどうです。今喉乾いてるでしょう。」

(,,゚Д゚)「おお、ありがたいね。いくら?」

/ ,' 3「500円です。」

(,,゚Д゚)「は?ちょっと高くない?」

/ ,' 3「いえいえ、あっしのような浮浪者はちょっと値を釣り上げて物を売らないと生きていけないのですよ。」

(,,゚Д゚)「いやでもそれくらいなら自販機で……」

/ ,' 3「そうですかい。ギコ隊員は地球は守っても、あっしのような弱者までは守るつもりはないということですかい。」

/ ,' 3「あぁ、今日も残飯をあさらなきゃなぁ……まともな食い物なんてもう何日も……」」

(;゚Д゚)「グググ……」

(,,゚Д゚)「ああ、もう仕方ない買ってやるよ!はい500円!」

/ ,' 3「へっへっへ。毎度ありギコ隊員。」

そう言うとスッと姿を消す老人。

(,,゚Д゚)「ちくしょういいようにやられたぜ。」

('A`)「どうしたギコ?」

トイレを済ませたドクオがギコの元へとやってきた。

(,, Д )「はぁ…カモられた……なんでああいう時ノーと言えないんだ……」

('A`)「?」

('A`)「ん?あれは?」

遠くへ歩いていく怪しい老人の背後が見える。

('∀`)「ほぅこれはこれは。」

497名無しさん:2019/01/06(日) 03:12:31 ID:SCd38K/s0
夕方先ほどの公園。

/ ,' 3「今日はもう商いは終いにしやしょう。」

あの老人が商売をやめて片付けをしている。

('∀`)「やあやあ、アラマキ星人さんよぉ商売繁盛かい?」

/ ,' 3「?!」

('A`)「おっと妙な動きをするなよ。この地球になんのようだ?侵略にでも来たのか?」

光線銃を構えながらドクオが問う。

/ ,' 3「これはこれはドクトラセブンの旦那、あっしのことはご存知じゃありやせんか?」

('A`)「ああ知ってるとも。アラマキ星人、宇宙で最弱な肉体を持ちどんなやつにもこびへつらう。」

('A`)「まさに下っ端も下っ端。強者や上の者たちに不思議な道具を売りながらなんとか生かしてもらえている哀れな連中さ。」

/ ,' 3「ええ、おっしゃる通りですよ。ですからこの星を侵略するつもりなんてこれっぽっちもありやせん。」

/ ,' 3「ただこの星で商いができればいいんですよ。」

('A`)「フーム、どうしたものかな。」

/ ,' 3「なら旦那にとびっきりの商品を差し上げましょう。」

('A`)「ほう、なんだ?」

/ ,' 3「このヴィプトラブレスレットですよ。」

('A`)「なんだこれ?」

/ ,' 3「これを付けたものは無敵になれるんですよ。」

/ ,' 3「あなたの同期にヴィプトラマン弱って方がいたでしょう。」

('A`)「ああいたな。」

/ ,' 3「その方はヒーローランキングで最下位争いをする程度だったんですが、これをつけたとたんに上位争いに食い込むほどの実力者になられたんです。」

498名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:03 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「な!まじか!」

('A`)「え、ちなみに俺はヒーローランキングで何位?」

/ ,' 3「旦那はランキング外でっせ。」

(;'A`)「え?」

/ ,' 3「圏外も圏外。存在自体知られてないんじゃないんですかい?」

(;'A`)「は、はー、ランキングとかどうでもいいし……そんなのにこだわってるのはまちがいだしー」

必死の負け犬の遠吠え。

/ ,' 3「それはさておきこのヴィプトラブレスレットを差し上げますからあっしが地球で商いするのを許してくだせぇ。」

/ ,' 3「もし少しでも侵略していると思ったのならその時始末してくれて結構ですから。」

('A`)「それならいいだろう。じゃあそれは貰っていくぞ。」

/ ,' 3「でも旦那、忘れないでくだせぇあっしとの約束を。」

/ ,' 3「商売において一番大切なことは信用でっせ。それがなきゃ商売できやせん。」

/ ,' 3「だからあっしは絶対地球を侵略しませんよ。なんで旦那もあっしが侵略していると思わない限り……」

/ ,' 3「あっしを攻撃したりするのはなしですよ。」

('A`)「OK、それでいこう。」

/ ,' 3「それではあっしは失礼させてもらいやす。」

/ ,' 3「でもお忘れないように。約束は絶対ですよ。」

とくにその時のことを気にしないで返事をした。
すでに左腕につけたヴィプトラブレスレットのことで頭がいっぱいだったのだ。
いいものを手に入れた。

それからのドクトラセブンの活躍はすさまじかった。

499名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:38 ID:SCd38K/s0
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」

一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」

町では忍者の宇宙人が建物を破壊していた。

|/゚U゚|「今日からこの星は拙者のものでござる。」

激しく忍者をする忍者星人。汚いなさすが忍者きたない。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

('A`)「デュワ!」

一般市民ABCD「ドクトラセブンだ!」

(#'A`)「ダァァァ!!」

有無を言わせない先手必勝。
アイス・ラッガーを忍者めがけて投げつける。

|/゚U゚|「ギャアァァ!!」

一瞬にして盾に真っ二つ。
がしかし、ボンッと音とともに丸太に変わる。
変わり身の術だ。

(;'A`)「な!」

慌てて左右を見渡すが忍者の姿がない。
その時ドクトラセブンの影が動き出す。

|/゚U゚|  ニヤリ

激しく忍者が影に化けていたのだ。
さっさと後ろから羽交い絞めにするとドラゴンスープレックスを決める。

(;'A`)「グワァァ!!」

すぐさまドクトラセブンと距離を置きクナイを大量に投げつける。
少しずつ削っていく作戦だ。
汚いなさすが忍者きたない。

500名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:15 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「ウググ……」

なかなか反撃できないドクトラセブンだがここで動いた。
左手首に付いているヴィプトラブレスレットを外し高々と掲げる。
ピカッと一瞬光ると激しく忍者の動きを封じる。

|;/゚U゚|「な、なんだ体が動かん?!」

('A`)「デュワァァァ!」

そして激しく忍者めがけてヴィプトラブレスレットを投げる。
投げられたヴィプトラブレスレットは光の刃となって激しく忍者をバラバラに解体した。

|;/゚U゚|「サヨナラーーー!!」

しめやかに爆発四散。

('A`)「ふぅ。」

('A`)「デュワ!」

一息つくと空へと旅立っていく。

一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」

一般市民C「今回もあっという間に瞬殺だったな。」

一般市民D「やっぱヒーローはこのくらい強くあってもらわないと。」

それから数日後。

一般市民A「うわー怪獣だ!!怪獣がでたぞー!」

一般市民E「ひぃぃいすごく寒いぃ!!」

雪だるまの怪獣「ゴオォォォ!!」

町で暴れる雪だるまの怪獣は冷凍ガスを吐き続ける。

雪だるまの宇宙人「いいぞ!我が雪だるま怪獣ユーキダルーマ!このまま地球を氷の星へと変えるのだ!!」

雪だるまの怪獣の足元には人間サイズの雪だるまの星人がわめいている。
どうやらこの雪だるまの宇宙人が連れてきた怪獣らしい。
そしてこの冷凍ガスのせいで町中は氷漬けだ。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

501名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:43 ID:SCd38K/s0
('A`)「デュワ!」

一般市民ACDE「ドクトラセブンだ!」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

有無を言わせない先手必勝。
雪だるまの怪獣の政党ガス攻撃だ。

(;'A`)「グワァァ!!」

一瞬にして氷漬けにされるドクトラセブン。

一般市民C「あぁドクトラセブンが…」

一般市民D「地球の終わりだぁ……」

雪だるまの星人「フハハハハハ!どうだ地球人ども!」

雪だるまの星人「お前たちの頼みの綱のドクトラセブンはこの様だ絶望するがいい!!」

雪だるまの星人「さぁユーキダルーマよ!氷漬けのドクトラセブンを粉々に粉砕してやれ!!」

ユーキダルーマ「ゴオォォォ!!」

勝利を確信した雪だるまの怪獣が氷漬けのドクトラセブンを攻撃しようとした時左手首のヴィプトラブレスレットが光る。
一瞬にして解凍されるドクトラセブン。

('A`)「デュワ!」

一般市民A「やった!ドクトラセブンが生き返ったぞ!!」

一般市民E「そうだよ怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」

ユーキダルーマ「ギギギ…」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

もう一度強力な冷凍ガスを噴き出す。

('A`)「デュワ!」

サッとヴィプトラブレスレットを盾に変身させて冷凍ガスを吸い始めるドクトラセブン。

502名無しさん:2019/01/06(日) 03:15:12 ID:SCd38K/s0
ユーキダルーマ「!!」

('A`)「デュワァ!」

吸い込んだ冷凍ガスを何倍にも強力にして盾から放出する。

ユーキダルーマ「ギィヤァァァ!!」

今度は逆に雪だるま怪獣ユーキダルーマが氷漬けになる。

(#'A`)「ダァァァ!」

盾に変身させたヴィプトラブレスレットを元に戻して怪獣めがけて投げつける。
エネルギー弾となったブレスレットが怪獣に当たると大爆発を起こした。

雪だるまの星人「バ、バカな!俺のユーキダルーマが……」

跡形もなく吹き飛んだ。

('A`)「デュワ。」

仕事を終えたブレスレットは投げつけたときよりも早くドクトラセブンの左手首に戻る。

('A`) ギロッ

雪だるまの星人「ひっ……」

(#'A`)「ダァァァ!」

ドクトラセブンの指先から放たれたレーザー光線が雪だるまの星人に直撃して焼き尽くす。

雪だるまの星人「ヒギィィィィ!!」

これがドクトラセブン必殺のハンドビームだ。

('A`)「デュワァ!」

一仕事終えたドクトラセブンは颯爽と空へと飛び立っていく。


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