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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
253
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:41:31 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「どーいうこった。話が全然見えてこねぇが」
(゚、゚トソン「そうですね、順を追って説明しましょうか」
(゚、゚トソン「ヒーローやヴィランは、事前にその夢に望むことで、思った通りの特殊能力を得ることが出来る」
(゚、゚トソン「これは、様々な超常能力者たちに聞いてみた結果、明らかです」
(゚、゚トソン「ですが、その夢を見ることなく超常の力を得た人間が二人だけいるんです」
从 ゚∀从「誰だ、そいつは?」
(゚、゚トソン「それが、ビッグ・トレジャーと、恐らくファニー・フェイスもそうだと思います」
从 ゚∀从「……!!」
(゚、゚トソン「後者は推測に過ぎませんが、前者は確かな情報ですよ」
从 ゚∀从「待ちな、嬢ちゃん」
(゚、゚トソン「はい?何でしょうか」
从 ゚∀从「あんた一体、どこでそんな情報を手に入れたんだ?」
.
254
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:42:55 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「あんたの言っていることは、機密性が高すぎる情報ばっかだ」
从 ゚∀从「ましてやあのトレジャーが、自分の能力の秘密をそうそう明かすたぁ思えねぇ」
从 ゚∀从「テメェ、デマ吹いて俺を担ごうってんならそこら辺にしとけよ?」
(゚、゚トソン「デマなんかじゃありませんよ」
从 ゚∀从「なら、情報元を開示しな。でなきゃこの話はここまでだ」
(゚、゚トソン「……」フゥ
(゚、゚トソン「クォッサ=サリエリ博士です」
从 ゚∀从「……なに?」
(゚、゚トソン「彼女は、トレジャーの秘密を打ち明けられた数少ないうちの一人です」
(゚、゚トソン「私も交流があったので、彼のパワーについての意見を求められたんですよ」
从 ゚∀从「あの多忙な博士が、一介のエンバーマーごときと接触を持つたぁ考えにくいんだがな」
(゚、゚トソン「証拠ならありますよ」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「あの骨です。以前、私のおじがあなたにお渡しした、例の」
.
255
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:44:13 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「……あれか!」
(゚、゚トソン「あれは私が、クォッサ博士から譲り受けたものです」
从 ゚∀从「だからヴィランの骨だって断定してやがったのか……」
(゚、゚トソン「えぇ。エンバーマーの私なら、工学博士の彼女より人体に精通してますからね」
(゚、゚トソン「これで納得していただけましたか?」
从 ゚∀从「……まぁいい。完全に納得した訳じゃねぇが、話を続けな」
(゚、゚トソン「はい。骨の話が出たついでに話してしまいますが」
(゚、゚トソン「私がクォッサ博士から話を聞いたとき、引っ掛かりを感じたのがそこだったんです」
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン「彼女の話では、トレジャーはかつて雪山で遭難して、避難した先で七色に光る謎の石を発見したそうです」
(゚、゚トソン「それを握って眠りにつき、目覚めるとあの体になっていたと」
从;゚∀从「なんだそりゃ?どこの夢物語だよ」
从;゚∀从「じゃあ何か?トレジャーは寝て起きて一晩で、あのバカみてぇな体になったってのか?」
(゚、゚トソン「そうなりますね」
.
256
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:45:15 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「アホくせぇ。信じてやろうにも荒唐無稽が過ぎるぜ」
(゚、゚トソン「そうでしょうか?」
从 ゚∀从「あんたは今の話のどこに、信じる根拠を見つけたんだよ」
(゚、゚トソン「それが、さっきの骨です」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「覚えてませんか?おじがあの骨を折った時、その断面が何色だったかを」
从 ゚∀从「それは……」
从;゚∀从「……人の骨とは思えねぇ、綺麗な虹色だった」
(゚、゚トソン「それです」
(゚、゚トソン「トレジャーの言う石の色と、ヴィランの骨の色の類似」
(゚、゚トソン「それが私の引っ掛かりだったんです」
从;゚∀从「……」
.
257
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:46:28 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「そしてここが重要な点なのですが」
(゚、゚トソン「目を覚ました彼の手からは、その七色の石は消えてなくなっていたそうです」
(゚、゚トソン「そこで、私は考えました」
(゚、゚トソン「もしやその石は、彼の体内に融合してしまったのではないかと」
从 ゚∀从「……ほう?」
(゚、゚トソン「瀕死の彼の肉体を救うため、石は彼を超人化させた」
(゚、゚トソン「故に彼は、他のヒーローとヴィランを遥かに凌駕する力を手に入れたのでは……」
从 ゚∀从「……ない話じゃあねぇな」
(゚、゚トソン「もうひとつ、この説の裏付けになるエピソードがあります」
从 ゚∀从「なんだ?」
(゚、゚トソン「ファニーフェイスですよ」
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン「彼は幼い頃、大人から暴行を受けて瀕死の重傷を負ったそうです」
(゚、゚トソン「しかしその傷はたった一晩で完治し、その日から彼は恐るべき怪力を発揮しだしたということです」
从 ゚∀从「おいおい、まーた妙な情報引っ提げて来やがって」
从 ゚∀从「ファニーフェイスの話なんざ、誰から聞いたんだよ」
(゚、゚トソン「ミスターダスティから」
从 ゚∀从「あぁ!?」
(゚、゚トソン「経緯は省きますが、私は彼とも親交がありますので」
从 ゚∀从「そうかい。そりゃ顔の広いこったな」
.
258
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:47:47 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「だが、これまでの話を聞いて俺が思ったのは一つだけ」
从 ゚∀从「お前がクセェってことだけだ」
(゚、゚トソン「……!!」
从 ゚∀从「ダスティにしろクォッサ博士にしろ、用心深いタチなのは俺も知ってらぁ」
从 ゚∀从「どっちもそんなサクサク情報の得られる相手じゃねぇだろ?」
(゚、゚トソン「そうですね。時間はかかりました」
从 ゚∀从「だが、それを簡単にする推理がひとつだけある」
从 ゚∀从「お前がヴィランで、何らかの能力を使って情報を吐かせたとしたら?」
(゚、゚トソン「あら……お疑いになるんですね」
从 ゚∀从「そもそも、俺に会いに来てジョージに出くわしたってのも出来すぎてらぁ」
从 ゚∀从「お前の目的は分からんが、それが俺をたぶらかすことなら止めとけ」
从#゚∀从「俺ぁ身内に手ェ出した奴ァ、誰だろうと絶対ぇに許さねぇタチだからな」
.
259
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:49:04 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「どうだ、何か反論の余地はあるか?」
(゚、゚トソン「……復讐」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「したくありませんか?復讐」
(゚、゚トソン「あの、ファニーフェイスに」
从 ゚∀从「……どういうことだ」
(゚、゚トソン「先の話の二人は、どちらも人外の力で猛威を振るっています」
(゚、゚トソン「もし、あなたもその力を入れられるとしたら……」
(゚、゚トソン「たとえ私が悪魔でも、聞く価値のある話だとは思いませんか?」
从 ゚∀从「なんだと?」
(゚、゚トソン「ビッグトレジャーに関しては、謎の石があの力に関わり合いを持つということはハッキリしました」
(゚、゚トソン「そして彼らの共通項は、瀕死となることで能力に開花したということ」
(゚、゚トソン「そしてこれが、私の持つ最も重要な情報なのですが……」
(゚、゚トソン「もしこの街に、トレジャーの持った石と同じものがあるとしたら」
(゚、゚トソン「条件次第では、あなたもファニーフェイスに追いつけるかもしれませんよ?」
从 ゚∀从「……!!」
.
260
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:50:10 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「そんなもんが、本当にあるのか?」
(゚、゚トソン「お話はここまでです。これから先は私への疑念を捨ててくださらないと話せません」
从 ゚∀从「ほう?警察と一丁前に心理戦やろうってか?」
(゚、゚トソン「黙秘権を行使する権利は私にもありますので」
从 ゚∀从「言っておくが、もし弟に手を出したのがテメェなら、黙秘権なんてもんは関係なくヤッちまうぞ?」
(゚、゚トソン「その時は、法廷でお会いしましょう」
(゚、゚トソン「腕の立つ弁護士なら何人か知っていますので」
从 ゚∀从「いーい度胸だ。それならそのつもりでやってやってもいいぜ?」
(゚、゚トソン「ただ一つ、間違いなく言えることは」
(゚、゚トソン「この機を逃せば、あなたに復讐のチャンスは二度と訪れないということです」
从 ゚∀从「……ッ!」
(゚、゚トソン「それと、私は暴行の犯人ではありません。誓ってそう宣言しましょう」
(゚、゚トソン「……長くなりましたね、今日はこの辺りにしましょうか」
(゚、゚トソン「連絡を取りたくなったら、この番号に電話してくださいね」
(゚、゚トソン「では、また」ペコリ
从 ゚∀从「……」
.
261
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:51:19 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「……」ガチャ
_
( ゚∀゚)「おう、おかえり兄貴」
从 ゚∀从「あぁ。ケガはもういいのか、ジョージ?」
_
( ゚∀゚)「まだ体はズキズキすっけどな。起きて何かやれないほどじゃねーや」
从 ゚∀从「そうか……」
_
( ゚∀゚)「……どうかしたか、兄貴?妙な顔してんぜ?」
从 ゚∀从「なんでもねぇ。それよりお前、仕事に差し支えはなさそうか?」
_
(;゚∀゚)「んぁっ……ま、まだ復帰には時間かかりそうかな……?」
从 ゚∀从「そうか。じゃあ早めに治しとけ」
从 ゚∀从「俺ぁ明日一日、休みをもらうんでな」
_
( ゚∀゚)「えっ?」
.
262
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:52:25 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「ちっとばかし用事が出来た。お前も早く戦線に復帰して、俺の代わりに働きやがれ」
_
(;゚∀゚)「待てよ!なんでいきなり休みなんて……」
从 ゚∀从「俺が休み取っちゃいけねぇなんて法律はねーぞ?」
_
(;゚∀゚)「……トソンの姉ちゃんに、何か言われたのか?」
从 ゚∀从「あぁ?……バーカ、ちげぇよ」
从 ゚∀从「だったらなおさら警察の仕事なんざ休めねぇだろ?」
_
(;゚∀゚)「じゃあ、何の話をしてきたんだよ!」
从 ゚∀从「そいつぁ言えねぇな。まぁ、なんも悪い話じゃあねぇ」
从 ゚∀从「分かったらもう寝ろ。俺は飯はいらねぇからよ」
バタンッ
_
(;゚∀゚)「……」
.
263
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:53:27 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【翌日】
(゚、゚トソン「……」
从 ゚∀从 ザッ…
(^、^トソン「……」ニコッ
(^、^トソン「あなたなら、きっと連絡をくださると思ってましたよ。ハイドさん」
从 ゚∀从「うるせぇよ。見透かしたようなクチ聞いてんじゃねぇ」
从 ゚∀从「言っておくが、お前への疑いは晴れた訳じゃねぇぞ」
从 ゚∀从「道中ボロを出したら即刻逮捕してやる。いいな?」
(゚、゚トソン「構いませんよ。私も手に入れた情報を無駄にしたくないだけですから」
从 ゚∀从「あーそうかい、そいつぁ良かったな」
从 ゚∀从「それで、お前の言う例の石っつうのは、この街のどこにあるんだ?」
从 ゚∀从「そしてお前は、それを使って俺に何をさせたい?」
.
264
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:55:01 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「まぁそう焦らず。順を追って説明しますから」
(゚、゚トソン「まずはあなたの意思を確認したいのですが」
(゚、゚トソン「ハイド署長。あなたは、復讐に命を賭ける覚悟はおありですか?」
从 ゚∀从「さぁてな。俺が言えるのは、あのクソッタレのファニーフェイスの野郎は絶対許さねぇってことだけだ」
(゚、゚トソン「その程度では困りますね」
从 ゚∀从「あぁ?」
(゚、゚トソン「あなたは、私の情報へ本当に命を賭けることが出来ますか?」
(゚、゚トソン「私が望むのは、そのただ一点のみですので」
从 ゚∀从「そんなもん、お前が信用出来ねぇうちは出来るかってんだ」
(゚、゚トソン「でも、私へ電話して来たということは、その意思は少なからずあるのでは?」
从 ゚∀从「へっ……考えてみりゃ、こちとらヴィラン特別収容所とも結託してんだ」
从 ゚∀从「今さらどんな悪人にそそのかされたところで、どこ吹く風だわな」
从 ゚∀从「オメーがジョージに手さえ出してなきゃ、だがな」
(^、^トソン「えぇ、えぇ。とても良い判断です」
.
265
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:56:35 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「そこまで言えるのなら、私も最後のカードを切りましょう」
(゚、゚トソン「それを聞いてどうするかは、あなた次第ということです」
从 ゚∀从「勿体つけんじゃねぇ。早く言いやがれ」
(^、^トソン「フフフ……」
(゚、゚トソン「私の言うある石とは、あなたも絶対に見たことのある物です」
从 ゚∀从「なんだ、それは?」
(゚、゚トソン「このクラウン・シティの名前の由来ともなった、由緒正しき王冠」
(゚、゚トソン「市庁舎に飾られたあの王冠の宝石こそ、人を超人化させる力を持った石なんです」
从 ゚∀从「……!」
(゚、゚トソン「どうですか、この推理は?」
从 ゚∀从「俺ァまじまじと見たこたぁねぇが、言われてみりゃ確かに虹色の宝石だった気がするな……」
(゚、゚トソン「といっても現段階では、これは推測の域を出ませんがね」
(゚、゚トソン「そこであなたには、とある人物にアポイントメントを取って欲しいんです」
从 ゚∀从「あぁ?第三者に頼み事かよ?」
(゚、゚トソン「鉱物については私も門外漢ですので」
从 ゚∀从「まぁいい。それで、誰に連絡すりゃあいいんだ?」
(゚、゚トソン「ペニーナエレクトロニクスCEO、ペニーナ=カートレンですよ」
从;゚∀从「はぁ!?」
.
266
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:57:54 ID:yIsMsiPA0
.
从;゚∀从「ちょっと待てよ。俺はあの女とのコネなんざ持ってないぜ?」
(゚、゚トソン「警察の捜査権限があれば、呼び出すことくらいは出来るのでは?」
从;゚∀从「あのなぁ……警察が何でも出来ると思ったら大間違いだからな?」
(゚、゚トソン「ハイドさん。先ほどあなたは、どんな悪人にそそのかされようともと言いましたよね」
(゚、゚トソン「あの言葉は嘘だったんですか?」
从;゚∀从「……チッ」
(゚、゚トソン「あなたはすでに警察として、大きすぎる規範を人々に示してきました」
(゚、゚トソン「これからは多少足をはみ出しても、きっとみんな許してくれます」
(゚、゚トソン「と、私はそう思いますけどね?」
从;゚∀从「他人事だと思って好き勝手言ってくれるぜ、ったくよぉ……」
从 ゚∀从「分かったよ!連絡すりゃあいいんだろ、連絡すりゃあよ!」
.
267
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:00:04 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【一時間後……】
从 ゚∀从「……」ボケーッ
('、`*川 ツカツカ
('、`*川「ハァイ、クソッタレのミスターハイド」
('、`*川「こんな喫茶店に私を呼び出して、何のご用かしら?」ドサッ
从 ゚∀从「おーう、クイーン。真っ当に会社経営してやがるか」
('、`*川「そうね。おかげさまで清廉潔白明朗会計でやってるわよ」
('、`*川「こんなとこで警察に呼び出される覚え、ないくらいにはね?」
从 ゚∀从「はっ。美術品売りさばいたカネで建てた会社が清廉潔白ねぇ?」
('、`*川「あら?何がおっしゃりたいのかしら?」
从 ゚∀从「とぼけんなよ。十五年前に活躍したヴィラン、怪盗クイーンはテメェだろ?」
从 ゚∀从「ヴィラン犯罪に時効はねぇんだ。今からでも起訴は出来るぜ?」
.
268
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:01:02 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「その前に、自分のクビを心配された方がよろしいんじゃなくて?」
('、`*川「警察の名前を借りて私人である私を呼び出したの、明らかに職権濫用よ」
('、`*川「行きすぎた警察の捜査、最近ではよく問題になってるわよねぇ?」
从 ゚∀从「ケッ、んなこた分かってんだよ。けったクソ悪ぃ」
从 ゚∀从「これが捜査ならどれだけ気が楽だったかな……ったくよぉ!」
(゚、゚トソン「ハイドさん。お話はそれくらいにして、本題を切り出してくれませんか?」
('、`*川「……さっきから気になってたけど、あなただぁれ?ハイドおじさんの恋人?」
(゚、゚トソン「ハイドさんの友人の、トソンと申します。よろしく」
('、`*川「へぇ。朴念人の署長さんも、若い娘をはべらせたりするのねぇ」
从 ゚∀从「うるっせ、バァーカ」
.
269
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:02:14 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「我々がお聞きしたいのは、これのことなんです」
スッ…
('、`*川「これは……市庁舎の王冠?」
(゚、゚トソン「えぇ、そうです。写真しか用意出来ませんでしたが……」
从 ゚∀从「美術工芸品に造詣の深いお前なら、こいつについても詳しいかと思ってな」
从 ゚∀从「てかぶっちゃけ、なんで怪盗時代のお前は、この宝を盗もうとしなかった?」
('、`*川「何のつもりか知らないけど、これを利用して私を捕まえようって腹ならお門違いよ」
(゚、゚トソン「ハイドさん、刺激するような言い方はよしてください」
从 ゚∀从「ケッ……」
(゚、゚トソン「率直に聞きますが、この王冠に価値はあると思いますか?」
('、`*川「さぁ?それなりにあるんじゃないの?」
(゚、゚トソン「そうでしょうか」
从 ゚∀从「あ?」
.
270
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:03:30 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「この王冠、素人の私から見ても造りが粗悪なんです」
(゚、゚トソン「地の金は色がくすんでるし、繋ぎ目もガタガタで……」
('、`*川「へぇ〜、そんなこと分かるんだ?」
(゚、゚トソン「けれど、あくまでも素人判断ですから、プロのご意見も伺いたいと思いまして」
(゚、゚トソン「ペニーナさんから見て、この王冠はどのような出来なのでしょう」
('、`*川「そうねぇ……不勉強な誰かさんと違って勤勉だから、特別に教えてあげるわ」
从 ゚∀从「悪かったな、不勉強でよ」
('、`*川「簡単に言うとこの王冠、私に言わせれば一文の価値もないわね」
('、`*川「土台の金も十八金ですらない混ざり物の多い物みたいだし」
('、`*川「そもそも、派手な色の宝石に金を合わせるセンスが最悪ね!」
('、`*川「そんなことしたら宝石のカラーが死ぬだけよ」
('、`*川「本来絶対しないような色の合わせをしてる辺り、これ作ったのプロの彫金師ですらないんじゃないの?」
('、`*川「つまりこれは何の価値もない、ただの模造品ってコト」
从 ゚∀从「んだよ、じゃあクイーンが狙わなかったのもそれが原因か?」
('、`*川「そんなの、私の知ったこっちゃないわよ」
.
271
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:04:32 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「ま、こんなもの狙うなんて見る目がないって宣伝してるようなものね」
('、`*川「あんたたちも、これ盗むならリターンはないと思ってた方がよくてよ」
从 ゚∀从「人聞きの悪ぃこと言いやがる。そんなにポリが嫌いか?」
('、`*川「いいえ、私は清廉潔白ですもの。嫌いなのはアナタ個人よ」
从 ゚∀从「そうか、俺もオメェが嫌いなもんでな。気が合うじゃねぇか」
(゚、゚トソン「ハイドさん……!」
('、`*川「聞きたいことはそれだけ?なら、私帰るわよ」
(゚、゚トソン「待ってください。最後に、ひとつだけ」
('、`*川「なぁに?」
(゚、゚トソン「この王冠に使われてる宝石、ペニーナさんは何だと思いますか?」
('、`*川「……さぁ、何でしょうね」
(゚、゚トソン「それは、あなたでも判らなかったということですか?」
('、`*川「……イヤなとこ突いてくるわね、あなた」
.
272
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:05:08 ID:cth2sBBk0
支援んん!
273
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:05:38 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「これでも私、世界中の宝飾品を見てきたって自信はあるわ」
('、`*川「けど、これに類似該当するような石は見たことないわね」
('、`*川「オパールでもアレキサンドライトでも変色真珠でもない」
('、`*川「早い話、こんな石私にしても初めて見るのよ」
(゚、゚トソン「なるほど。分かりました、ありがとうございます」
('、`*川「これで満足かしら?じゃあ、帰るわね、署長サン」
从 ゚∀从「おう、帰れ帰れ。労いなんざ掛けてやらんからよ」
('、`*川「いらないわよ、横暴ねホント」
('、`*川「あ、それとお嬢さん?私からもひとついいかしら?」
(゚、゚トソン「はい?」
.
274
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:06:07 ID:w3nA2pBk0
トソンみたいなキャラ嫌いだわー
275
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:06:36 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「……いたずらも程々にすることね」ボソッ
(゚、゚;トソン「……!!」
('、`*川「じゃあね〜♪」スタスタ
从 ゚∀从「あん?あいつ、何だって?」
(゚、゚;トソン「……署長の子守りをよろしくと言ってました」
从 ゚∀从「はっ。去り際にイヤミかよ、いい性格してやがる」
(゚、゚;トソン「……」
.
276
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:07:35 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚;トソン「……ともかく、これでやはりあの石が怪しいと判明しましたね」
从 ゚∀从「まぁそうなるか……あのペニーナが見たことないってんじゃな」
从 ゚∀从「本当なら、より詳しい専門家に見てもらった方がいいんだろうが」
(゚、゚トソン「仕方ありませんよ。それはの王冠の持ち主が許さないことには……」
从 ゚∀从「……ん?」
(゚、゚トソン「はい?」
从 ゚∀从「王冠の持ち主ってなぁ誰だ?」
(゚、゚トソン「知らなかったんですか?」
(゚、゚トソン「次はその方に連絡を取ってもらうつもりだったんですが」
从;゚∀从「おいおい、また俺かよ!」
(゚、゚トソン「使えるコネはフルに使わないと勿体ないですから」
从 ゚∀从「……てことは、あの王冠の持ち主は俺の知ってる奴か?」
(゚、゚トソン「えぇ、そうです」
.
277
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:08:17 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「あの王冠の持ち主は、クラウン・シティ前市長」
(゚、゚トソン「ピーター=ショボンニ氏ですよ」
从 ゚∀从「……!!」
.
278
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:08:49 ID:yIsMsiPA0
十八話前編終わり
279
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:09:37 ID:w3nA2pBk0
乙乙
ヒーロー出なかったな
280
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:10:21 ID:yIsMsiPA0
【登場人物紹介】
(゚、゚トソン
トソン=コレーク
暗躍する謎多き女ヴィラン。その能力、目的は不明……。
.
281
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:18:41 ID:cth2sBBk0
こんなに笑顔がムカつくトソンなかなかいないぜ
乙
282
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 23:52:16 ID:E0rJbFs60
おつ
気になる終わり方
283
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 23:55:50 ID:27TvAKco0
笑顔トソンはなんでどの作品でもクッソムカつくんだろうか……
284
:
名無しさん
:2018/07/07(土) 17:05:16 ID:IPvzWcY60
臨海学校…
285
:
名無しさん
:2018/07/09(月) 11:41:39 ID:9StgCKDw0
おつ
嵐の前の静けさって感じだ
286
:
名無しさん
:2018/07/22(日) 07:22:39 ID:XU2vwPDE0
ショボンニか・・・
287
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:05:18 ID:kGtiVFWo0
.
第十八話『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL 〜中編〜』
.
288
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:05:46 ID:kGtiVFWo0
ビッグ1
─────
────
───
──
('、`*川「ハァイ♪お待たせアンディ」
(´・_ゝ・`)「別に待っちゃいないよ、君も忙しい身だろ?」
('、`*川「そうね。特に最近は警察に呼び出されたりしたし」
(´・_ゝ・`)「お?君もついに脱税か?」
('、`*川「変なこと言わないでよね。無実の罪よ」
(´・_ゝ・`)「ジョークだよ。君は仕事には人一倍熱心だから一層質が悪い」
('、`*川「ま、警察に呼び出されたのは本当よ。今日はそのことであなたに話があったの」
(´・_ゝ・`)「へぇ。わざわざ人を呼び出してまで、どういう話か興味があるね」
('、`*川「私を呼び出したのね、中央署のハイド署長だったのよ」
(´・_ゝ・`)「ほう?」
.
289
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:07:25 ID:kGtiVFWo0
.
(´・_ゝ・`)「あの署長が出てくるなんて、君よほどのことでもしでかしたのかい?」
('、`*川「やぁねぇ、なんでみんな人をワルモノ扱いしたがるのかしら」
(´・_ゝ・`)「前科があるからに決まってるだろ?」
('、`*川「ふふふ、そりゃそうね」
('、`*川「それでね、その署長が女の子つれてたんだけどさ」
('、`*川「なぁんかそれが引っ掛かるのよねぇ」
(´・_ゝ・`)「引っ掛かる、か……どの辺りが?」
('、`*川「あの頭が化石の署長が、仕事に刑事でもない女の子を連れ歩くと思って?」
(´・_ゝ・`)「……それは確かに考えにくいな」
('、`*川「といって、プライベートで私を呼び出してするような話でもなかったし」
(´・_ゝ・`)「何の話だったんだい?」
('、`*川「市庁舎に飾ってある王冠について知りたいって」
(´・_ゝ・`)「王冠?」
.
290
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:07:59 ID:kdjPbx.o0
おリアタイ支援
291
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:08:22 ID:kGtiVFWo0
.
('、`*川「あなたの経験からして、あの署長が女になびくと思う?」
(´・_ゝ・`)「ないだろうな。彼は職務に誇りを持ってる、確率はほぼゼロだ」
('、`*川「私もそう思うわ。だからこそ、あんな行動を取るのはおかしいと思ったの」
(´・_ゝ・`)「それは確かに気になるな……」
('、`*川「まぁ正直、警察がどうなろうと知ったこっちゃないんだけど」
('、`*川「お仕事柄、あなたにだけは伝えといた方がいいと思ってね」
(´・_ゝ・`)「協力、感謝するよ。それで、今回の情報提供料はいくらだい?」
.
292
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:09:15 ID:kGtiVFWo0
.
('、`*川「そうねぇ。20万ドルと言いたいところだけど、今回はロハでいいわよ」
(´・_ゝ・`)「おいおい。君がお代をロハにするなんて、何があったんだ?」
('、`*川「いつもは情報の裏を取るけど、今回は単純に怪しいってだけだから」
('、`*川「いわば女の勘ってやつ?」
('、`*川「その代わり、あなたの力でちょっと用意して欲しいものがあるの」
(´・_ゝ・`)「金より厄介なものでなければいいけどね」
('、`*川「安心なさい。あなたにしか用意出来ないけれど、難しいものじゃないわ」
(´・_ゝ・`)「意味深だね。一体何が望みなんだい?」
('、`*川「この街にかつて存在して、いまだに捕まってないヴィランをリストアップしてほしいの」
(´・_ゝ・`)「……!」
.
293
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:10:15 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【クラウン・シティ中央署、待合室……】
(゚、゚トソン スタスタ
从 ゚∀从「……よう」
(゚、゚トソン「お疲れ様です、署長」
从 ゚∀从「職場にまで押しかけてくんなっつーの」
(゚、゚トソン「すみません、進捗のほどを伺いたかったので」
(゚、゚トソン「それで、前市長は捕まりましたか?」
从 ゚∀从「ダメだ、電話じゃあのジジィ何度かけても捕まらねぇ」
从 ゚∀从「秘書だかハウスキーパーだかが、後から取り次ぎますだとよ」
(゚、゚トソン「ペニーナさんの時のように、警察の名前を出してもダメですか?」
从 ゚∀从「相手は一線を退いたとはいえ政治家だ。実業家のペニーナとはワケが違う」
从 ゚∀从「下手に警察の名前なんざ出したら、雲隠れしちまうに決まってら」
从 ゚∀从「だから今回は、あくまでも俺の私的な用事ってことにしねぇとな」
.
294
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:11:22 ID:kGtiVFWo0
.
(゚、゚トソン「では、あの王冠のことで話があると最初から伝えてみては?」
从 ゚∀从「なに?」
(゚、゚トソン「ショボンニさんは市長時代、あの王冠を由緒ある物として市庁舎に飾りました」
(゚、゚トソン「しかしあれが偽物の模造品であることは、もう明確です」
(゚、゚トソン「そこから彼を揺さぶって行けないですかね」
从 ゚∀从「なるほどな……いけるかもしれん。やってみよう」
(゚、゚トソン「お願いします。あなたの手腕にかかってますので」
从 ゚∀从「……ところでよ」
(゚、゚トソン「はい」
从 ゚∀从「あの王冠、結局お前はどうするつもりなんだ?」
从 ゚∀从「持ち主に掛け合ったってことは、何らかの交渉の余地があるんだよな?」
(゚、゚トソン「そうですね……最善手は我々があれを譲り受けること、次善が買い取ることでしょうか」
从 ゚∀从「それも叶わなかったらどーするんだよ」
(゚、゚トソン「最悪の場合、盗難も視野に入れてますが?」
从;゚∀从「やっぱりな……んなこと警察の俺が許すと思うか?」
(゚、゚トソン「あなたの是非はこの際関係ないのですよ」
从 ゚∀从「ああ?」
.
295
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:13:52 ID:kGtiVFWo0
.
(゚、゚トソン「問題なのはあなたが悪に手を染めてでも、ファニーフェイスへ復讐したいかどうかだけです」
(゚、゚トソン「力を得るための過程など、些末なことでしかないでしょう?」
从 ゚∀从「……お前やっぱ、信用ならねぇな」
从 ゚∀从「仮にそうだとして、お前がなんでそんなことするかの説明にゃなってねぇぜ」
从 ゚∀从「なぜ俺に白羽の矢を立てて、超人にしようとするんだ?」
(゚、゚トソン「私としては、石の力の証明が出来さえすればそれでいいんですがね」
从 ゚∀从「……お前まさか、俺の命を狙ってここまでしやがるなんてこたないよな?」
(゚、゚トソン「そんなことありませんよ。邪推もいいところです」
从 ゚∀从「どうだかな。俺がいなくなれば、警察のヴィラン捜査能力は格段に落ちる」
从 ゚∀从「それにお前、俺に命を懸ける覚悟があるか聞いてきたよな?」
从 ゚∀从「結果として俺の命が目的なら、俺に命を懸けさせる理由も分かるんだがな?」
(゚、゚トソン「……では、逆にお聞きしますが」
.
296
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:15:03 ID:kGtiVFWo0
.
(゚、゚トソン「仮に私のが狙いがあなたの命だとして、そうまでしてあなたを恐れる理由は?」
从 ゚∀从「今言ったろうが。警察の捜査能力の低下のため……」
(゚、゚トソン「では現在、警察はヴィランへの抑止力として正しく機能しているでしょうか」
从 ゚∀从「……!!」
(゚、゚トソン「多くはヒーローに取って変わられているのではないですか?」
从;゚∀从「……チッ。ぐうの音も出ねぇよ」
(゚、゚トソン「そんな状況で、署長であるあなた一人を、こんな回りくどい方法で殺して何になると思います?」
(゚、゚トソン「本当に殺しが必要なら、もっと合理的かつ簡単な方法があるでしょう」
(゚、゚トソン「例えばジョージさんを連れ帰ったあの夜、扉の隙間からあなたを撃つとかね?」
从 ゚∀从「……そら正論だな」
.
297
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:16:32 ID:kGtiVFWo0
.
(゚、゚トソン「それに、命を懸けていただくのは我々が石を手に入れてからですよ」
从 ゚∀从「なに?」
(゚、゚トソン「トレジャーもファニーも、瀕死の状態から復活したとき、あの肉体になっていました」
(゚、゚トソン「つまりあなたには、何らかの方法で死の縁に立っていただかなければならない」
(゚、゚トソン「石がないのにそんなことしても、滑稽の極みでしょう?」
从 ゚∀从「そこまでするなら、自分で力を手に入れた方が早いだろーが」
(゚、゚トソン「私は復讐に興味ありませんので」
(゚、゚トソン「それに、前市長やペニーナさんへのコネも、あなたしか持ち合わせてはいません」
从 ゚∀从「早い話が、俺が最適だったってことか?」
从 ゚∀从「オメーみてぇな怪しいのに身を任さないと、復讐も出来ねぇなんてな」
(゚、゚トソン「それだけ敵は強大ってことです」
从 ゚∀从「んなことは死ぬほど噛みしめてるっつーの」
(゚、゚トソン「では、話はこれくらいにしてまた後で」
从 ゚∀从「おう。とっとと帰れよ」
.
298
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:18:46 ID:K9Bn2jgY0
支援!!
299
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:18:54 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从 テクテク
_
(;゚∀゚)「兄貴!!」
从 ゚∀从「あ……?なんだ、ジョー」
_
(;゚∀゚)「仕事中にどこ行ってたんだよ」
从 ゚∀从「別にどこも行きゃしねーよ、小便だ小便」
_
(;゚∀゚)「……兄貴、なんか最近おかしいぜ?」
_
(;゚∀゚)「俺に隠れてコソコソしてるし、仕事にも集中してないだろ」
从 ゚∀从「ケッ、サボり魔のテメーに突っ込まれちゃおしまいだな」
_
(;゚∀゚)「茶化すなよ!俺がボコされて帰った日から、何があったんだよ!」
从 ゚∀从「なんもねーっつってんだろ?」
从 ゚∀从「それよりお前こそ、サウスガットとは縁が切れたんだろうな?」
_
(;゚∀゚)「うっ……そ、それは……まだ……」
.
300
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:20:11 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「んなこったろうと思ったぜ」
从 ゚∀从「まぁ、いい。こいつぁお前が自分でケジメつけにゃならねぇことだ」
从 ゚∀从「時間かけてでも、テメーでしっかりケツ拭うんだな」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「それより、デルタはどこにいる?」
_
(;゚∀゚)「あ、あぁ……特犯課の部署にいるけど……」
从 ゚∀从「そうか、ちょっくらあいつに話がある。お前は業務に戻れ」
_
(;゚∀゚)「待てよ、兄貴……!!」
从 ゚∀从「帰ったら好きなだけ話聞いてやんよ。お前もたまには真面目に仕事しろや」
_
(;゚∀゚)「……兄貴」
.
301
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:21:50 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「よーう、デルタいるか?」ドガバァンッ
(;"ゞ)「わっ!ドアは静かに開けてくださいって言ってるじゃないですか署長!」
£°ゞ°)「特犯課のドアー、署長のせいでいつもガタガタネー」
( ^ω^)「無駄ですお、デルタさん。署長の乱暴なのは生まれつきですから」
从 ゚∀从「オメーが俺の生まれの何を知ってるんだっつの」
从 ゚∀从「それよりデルタ、お前今時間あるか?」
( "ゞ)「え?えぇ、緊急の出動がなければ……」
从 ゚∀从「そうか、じゃあ署長室までツラ貸せ。話がある」
从 ゚∀从「先に戻って待ってんぜ」
(;"ゞ)「は、はぁ……」
(;^ω^)「何ですかおね、話って……?」
£°ゞ°)「何だロネー?借金のお願い?」
(;^ω^)「生々しいから止めてくださいお」
.
302
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:23:36 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【署長室……】
( "ゞ)「署長、ポール=デルタニアン参りました」
( "ゞ)「話とは何でしょうか」
从 ゚∀从「おう。ちょっと座れ、デルタ」
( "ゞ)「はい」ギシッ
从 ゚∀从「……お前と俺がバディ組んでたのは、何年前になるっけか」
( "ゞ)「確か……ヴィラン災害より前ですから、十七年くらい前ですかね」
从 ゚∀从「そうか。お互いに老けたもんだな」
从 ゚∀从「あの頃はお前もまだ、ぺーぺーの新人だったのによ」
( "ゞ)「何です、署長?まだ老け込むような年齢じゃないでしょう」
从 ゚∀从「フッ……まぁそうだがよ」
从 ゚∀从「よくまぁこの街で二十年近くも、ヴィラン相手にドンパチやって生き残ってたもんだな」
( "ゞ)「それは署長の、卓越した慧眼と手腕によるものですよ」
从 ゚∀从「ハッ、そらお褒めに預り光栄ってか?」
.
303
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:25:13 ID:kGtiVFWo0
.
( "ゞ)「署長、本当にどうかされたんですか?昔話から入るなんて、あなたらしくもない」
( "ゞ)「何だか、話を切り出しかねているような雰囲気を感じますが……」
从 ゚∀从「……お前にゃさすがに筒抜けだな」
从 ゚∀从「いいだろ、ごまかしや社交辞令はこの際ナシだ」
从 ゚∀从「デルタ、ジョージの奴をよろしく頼む」
( "ゞ)「頼む、とは……?」
从 ゚∀从「あいつは意気地無しで臆病な怠け者だがよ」
从 ゚∀从「十五年前、ここへ配属になってすぐヴィラン災害に遭ったのがトラウマになっちまっただけなんだ」
从 ゚∀从「本当なら人一倍正義感が強い、真面目なヤツだったんだがな……」
从 ゚∀从「転属させてやろうとも思ったが、甘やかすのもためにならねぇと思って時間だけが過ぎちまった」
从 ゚∀从「だからよ、お前があいつを手助けして、導いてやっちゃくんねーか?」
( "ゞ)「は、はい……ですが、署長。それは私でなく、署長ではいけないんですか?」
从 ゚∀从「……念のためだ。頭の隅っこにでも入れといてくれ」
从 ゚∀从「俺に次いでここのキャリアが長ぇのは、お前だからな」
.
304
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:26:12 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「本当ならこんなこと、お前に頼める筋合いじゃねーんだがな」
从 ゚∀从「まぁ、古いよしみだと思って聞いてやってくれ」
( "ゞ)「署長。何か思い詰めてらっしゃるなら、私で良ければ力になりますが……」
从 ゚∀从「心配すんな、跳ね馬ハイドはそんなヤワじゃねぇよ」
从 ゚∀从「ただ、あいつもいい加減性根入れ換えさせる時が来たかと思っただけよ」
从 ゚∀从「遅すぎるとかは言いっこ無しでな!」
(;"ゞ)「署長……」
从 ゚∀从「話はそれだけだ。悪かったなデルタ、仕事に戻りな」
(;"ゞ)「……分かりました、失礼します」
ガチャッ、バタン
从 ゚∀从「ふぅ……」
从 ゚∀从(これで万が一俺に何かあっても、後は任せられたか……)
.
305
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:27:58 ID:kGtiVFWo0
.
prrrr、prrrr……
从 ゚∀从「……あん?」
【通知:×××ー×××ー×××】
从 ゚∀从「誰だこんな時間に……知らねぇ番号から電話?」
ピッ
从 ゚∀从「おい誰だテメー。番号違いじゃねぇなら名を名乗りな」
『ハハハ、これはこれは。君から連絡してきたというのにずいぶんな態度だね?』
从;゚∀从「……その声、まさか!?」
『ピーターだよ。前市長のピーター=ショボンニさ』
『署長殿から連絡があったとたった今耳にしてね。取り次ぎミスで返事が遅れてすまなかったよ』
.
306
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:29:48 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「……まさか、VIP直々に電話してくるたぁ思わなかったぜ」
『君とはまんざら知らない仲でもないからね』
『どうだろう、手が空いてるなら今から出てこれないかい?』
从 ゚∀从「引退したご老体と違って、こっちゃ忙しいんスよ」
从 ゚∀从「……と、言いてぇとこだが、どうせ今しか会える時間がねぇってんだろ?」
『察しが良くて助かるよ。この後トニー君と面談があってね』
『ちょうど署の近くに寄るから、そのついでで良ければ君も来るといい』
从 ゚∀从「……オーケー、だがお互い暇な身じゃねぇんだ。手短に行きましょうや」
『では、場所はカフェサンセットで』
从 ゚∀从「了解。すぐ向かうよ」プツッ
.
307
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:32:03 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【カフェ・サンセット】
从 ゚∀从 ツカツカ
(´・ω・`)「やぁハイド君!こっちだよ!」
从 ゚∀从「うぃっす」ドカッ
(´・ω・`)「いやぁ、久しいね。君のそのふてぶてしさも変わらないようで何よりだよ」
从 ゚∀从「久しいもクソも、選挙演説の時に会ったじゃねーっスか」
(´・ω・`)「あれはお互い仕事だったからね。プライベートで顔合わせしたのは久しぶりだろう?」
从 ゚∀从「出来りゃあ、あんまり合わせたくねぇツラではあるけどな」
(´^ω^`)「ハハハ!君を見てると、憎まれっ子世に憚るという言葉を思い出すよ!」
(´・ω・`)「さすが不世出の逸材といったところかな?」
从 ゚∀从「俺が思い出すのは、年寄りの冷や水って言葉だがな」
(´^ω^`)「いいねぇその口振り!いかにも敏腕刑事といった感じだね」
.
308
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:34:10 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「君のような人間がこの街にいてくれたのは、この街にとって大きかったとつくづく思うよ」
从 ゚∀从「んなおべっかはどうでもいいんスよ」
从 ゚∀从「こっちも仕事の最中に抜け出して来てるんだ、サクッと本題に入らせてもらうぜ」
(´・ω・`)「ふむ、いいだろう。好きなように話したまえ」
从 ゚∀从「市庁舎に飾ってあるあの王冠、あれを俺に譲っちゃくんねーか?」
(´・ω・`)「ほう。これはまた、突拍子もないお願いをするね?」
(´・ω・`)「君はあれがどういう由来の物か、理解して言っているのかね?」
从 ゚∀从「あんたの話を信じるなら、この街の開発途中に地下から出土したモンらしいな」
(´・ω・`)「その通りだよ。あれはこの場所が特別な場所だという証明となるものだ」
(´・ω・`)「だからこそ、僕個人が持つのでなく、市民の誰しもが目にすることの出来る場所へ置いてあるんだよ」
从 ゚∀从「ウソつけよ」
(´・ω・`)「……!」
从 ゚∀从「由緒も由来も、真っ赤な嘘っぱちなんだろ?」
(´・ω・`)「そう断定する証拠はあるのかな?」
从 ゚∀从「土台の王冠は作りが粗悪、金も混ざりものが多くて純金ですらねぇ」
从 ゚∀从「一体これのどこが由緒あるモンなんすかねェ?」
.
309
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:36:43 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「君は、その知識をどこから?」
从 ゚∀从「宝飾品関係の人間が知り合いにいましてね」
从 ゚∀从「そっから聞き齧っただけの知識でさぁ」
(´・ω・`)「ならばそれは誤解だと言わねばなるまいね」
从 ゚∀从「はぁ?」
(´・ω・`)「あれは年代測定の結果、約五百年前の王族の王冠ということが判明している」
(´・ω・`)「五百年も前の時代に、そんな上等な金の錬成技術があると思うかね?」
从 ゚∀从「……」
(´・ω・`)「王冠の制作技術が粗末なのも、時代背景と合わせれば合点が行くはずだ」
(´・ω・`)「君の知り合いは、宝飾品の歴史的価値を加味していなかったと見える」
从 ゚∀从「歴史的価値ねぇ……」
从 ゚∀从(あのペニーナがそこを見落とすとは思えないが……)
.
310
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:38:55 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「それに君は大きな勘違いをしているよ」
从 ゚∀从「……なんスか?」
(´・ω・`)「あれがニセモノだろうと本物だろうと、所有権は私にあるということだ」
(´・ω・`)「たとえ君があれを贋作と吹聴したところで、私が手放さなければ君に譲る道理はないということだよ」
从 ゚∀从「ま、それはそうでしょうね」
从 ゚∀从「なら、あんたの言い値で俺がアレを買い取ると言ったら?」
(´・ω・`)「それもムリだ。もし言い値でと言うなら、支払いに三代はかかる額を提示させてもらう」
从 ゚∀从「そーなりますわなぁ……じゃ、最後は強行策しかねぇってこった」
(´・ω・`)「それも止しておいた方がいいね。あれは人目につきやすい分、セキュリティは厳重にしてある」
(´・ω・`)「下手に手を出せば、即座に警備が駆けつけて君を発砲するだろう」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「あんた、俺がなんでこんなに王冠を欲しがるかは聞かねぇんだな」
.
311
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:41:09 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「そりゃあ前市長としては、この街の歴史的財産に興味を持ってくれるのは有難いからね」
(´・ω・`)「実際、君ほどあの王冠について熱心に調べてくれる人間はこれまでいなかった」
从 ゚∀从「俺ァ今あの王冠には価値がねぇって言ったんだぜ?」
从 ゚∀从「なのにそんなもんを大枚はたいて買おうとする理由、気にならねぇのかよ?」
(´^ω^`)「ハハハ!人の趣味にとやかく言う無粋は持ち合わせてないんでね!」
(´・ω・`)「物の価値は相対的かつ流動的なものだ。違うかい?」
从 ゚∀从「……」
(´・ω・`)「もっとも、君が私に王冠を手放すよう仕向けるためにそう言っているなら、ムダと断ずるがね」
从 ゚∀从「……フゥーッ。元政治家相手に、化かしあいなんざするもんじゃねーな」
(´^ω^`)「君もまだまだ青いね。ピーター=ショボンニ、老いてますます健在といったところかな?」
从 ゚∀从「ならあんたは、どうすればあれを俺へ譲ってくれる?」
从 ゚∀从「カネも脅しも聞かねぇんなら、何であんたを動かせばいい?」
(´・ω・`)「それを本人に聞くかね。ならば私はこう答えるよ」
(´^ω^`)「私を楽しませてごらん、とね?」
.
312
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:42:54 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「おうおう、いかにも悪党の好きそうなセリフじゃねぇっすか」
从 ゚∀从「あんたを楽しませれば、王冠をいただけるのかい?」
(´・ω・`)「やぶさかではない、とだけ言っておこうか」
(´・ω・`)「ただ、並みの手腕では私は喜ばないとだけは言っておくよ」
从 ゚∀从「オーケー、肝に銘じておくよ」
从 ゚∀从「なら俺も、あんたへ一言宣言しておこう」
(´・ω・`)「なんだね?」
从 ゚∀从「あれは恐らく、今の俺にとって最も必要なモンだ」
从 ゚∀从「だから俺はどんな手段に訴えても、あれを手に入れる覚悟はあるぜ?」
(´・ω・`)「承知した。ならば私もそのゲームに乗るとしようか」
(´^ω^`)「君にとっては、些か分の悪い賭けになるかもしれないがね」
从 ゚∀从「ヘッ。確実に勝てる賭けなんざこの世に存在しねーよ」
从 ゚∀从「確実に負ける賭けがねーのと同じでな」
(´^ω^`)「ハハハ、まったくだね」
.
313
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:44:30 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「俺の用件はそれだけだ。そろそろ上がらせてもらうぜ」
(´・ω・`)「あぁ、ちょうどいい。私も面談の時間が近かったからね」
从 ゚∀从「そう遠くねぇうちにまた会いに来るぜ。あんたを楽しませるとっておきのネタを仕込んでな」
(´・ω・`)「そうしてくれたまえ。私も楽しみにしているよ」
从 ゚∀从「じゃーな、ボケジジィ。次に会うまでくたばるんじゃねーぜ」
(´・ω・`)「君も息災にな」
ザッ……
(´・ω・`)「……」
(´^ω^`) ニコッ
(´^ω^`)「王冠の真実にたどり着く者が、ついに現れたか」
(´^ω^`)「人生とはかくも楽しけり、だねぇ。ハハハ、ハハハハ!!」
.
314
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:46:17 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「……」カツカツ
从 ゚∀从(あのジジィ、俺が王冠を欲しがる理由については一切尋ねなかった……)
从 ゚∀从(そいつぁつまり、俺があれを欲しがる理由を知ってた……いや、『察していた』んだ)
从 ゚∀从(てことはまさか、ジジィはあの王冠がただの宝飾品じゃねぇと知ってるのか……?)
从 ゚∀从(あのジジィはどこまで知っていやがるのか、それとも全部ブラフなのか……)
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从 ピッピッ
prrrr、prrrr……
从 ゚∀从「あー、デルタか?俺だ、ハイドだ」
.
315
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:47:45 ID:kGtiVFWo0
.
『署長!?どこにいらっしゃるんですか!突然いなくなるから皆ビックリしてますよ!』
从 ゚∀从「悪ぃな、ちょっくら野暮用だ」
从 ゚∀从「ついでに事件の聞き込みもしてくるんで、しばらく帰らねぇからよ」
『事件って、何の事件ですか?』
从 ゚∀从「色々とだ、後はお前らで回せ。じゃーな」
『署長!!ちょっ……』
プツン、ツーッツーッ……
从 ゚∀从「……」ピッピッ
从 ゚∀从「もしもし。総合科学技術研究所か?」
从 ゚∀从「こちらはクラウンシティ中央警察署のハイドだ」
从 ゚∀从「今からそっちに向かうんで、クォッサ=サリエリ博士を呼び出してくれや」
.
316
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:49:14 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【総合科学技術研究所……】
从 ゚∀从 ウィーン
从 ゚∀从「よう、受付の姉ちゃん。ちょっといいか?」
从 ゚∀从「さっきアポを取ったハイドだが、クォッサ博士へ取り次いでくれ」
『ハイド様ですね、お話は伺っております。一番応接室へご案内しますのでどうぞ』
从 ゚∀从「あぁ、頼む」テクテク
『どうぞ、こちらでお待ちください。クォッサはすぐに参りますので』
从 ゚∀从「あぁ、分かった」ドサッ
.
317
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:51:35 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「……」カツカツ
川 ゚ -゚) ウィーン
从 ゚∀从「よう、姉ちゃん。元気してたか」
川 ゚ -゚)「お久しぶりです、署長。その節はどうも」ペコリ
从 ゚∀从「そうかしこまるなよ。俺もあんたも、あのヴィラン災害を生き残った身だ」
从 ゚∀从「礼儀なんざ忘れて、ざっくばらんに行こうぜ」
川 ゚ -゚)「そうですか、では忌憚のない意見を述べますが」
川 ゚ -゚)「人の就業時間中に、警察の名を名乗って来たからには、それなりの理由があると思って良いんですね?」
川 ゚ -゚)「それは警察の業務に関わりのあることですか、別件ですか」
川 ゚ -゚)「そこをまずは明確にしていただかねば」
从 ゚∀从「まぁ単なる世間話だ、ちょっくら付き合えよ」
川 ゚ -゚)「そうですか、では」スタスタ
从;゚∀从「待て待て!ジョークだ、ジョーク!」
从;゚∀从「ガチの世間話にこんな時間割くわけねーだろ!」
川 ゚ -゚)「ならば最初からそう仰ってください。こちらも多忙ですので」
从 ゚∀从「あーあー、悪かったよ姉ちゃん」
从 ゚∀从「冗談が通じねぇんだからよぉ、ったく……」
.
318
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:52:50 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「それで、用件は何ですか?」
川 ゚ -゚)「デミタスでなく私を呼び出したということは、重要性の高い情報と判断しますが」
从 ゚∀从「まぁそう焦れるなよ。二、三質問したら帰るからよ」
川 ゚ -゚)「あなたと駆け引きをしている時間が惜しい。簡潔に伝えるのが無理なら出直していただきたい」
从 ゚∀从「あーそーかい、じゃあバッサリ行かせてもらうがよ」
从 ゚∀从「あんたんとこから、トレジャーについての情報が漏洩している可能性はねぇか?」
川 ゚ -゚)「……それはたとえば、どのような情報ですか?」
从 ゚∀从「ある女から、トレジャーのパワーの源についての情報を聞いた」
从 ゚∀从「そしてそいつは、情報のリーク先をクォッサ=サリエリだと言っていた」
从 ゚∀从「それが本当なら、あんたが誰かにトレジャーの情報を漏らしたってことになるが」
从 ゚∀从「真偽のほどはどうなんだ?」
.
319
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:54:50 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「あり得ませんね。こう見えて口は固い方なので」
从 ゚∀从「どうだろうなぁ。たとえば、自白を強要するような能力を持ったヴィランがいたとしたら?」
川 ゚ -゚)「その場合、まずはそのような能力を持ったヴィランに情報が漏れたと周知される」
川 ゚ -゚)「そこから敵を確保し、情報の拡散を防ぐのはそう難しい問題ではありません」
从 ゚∀从「なるほどな……対策は講じてると」
川 ゚ -゚)「はい。今のところ、致命的な情報の漏洩が起こったことはありません」
从 ゚∀从「だろうなぁ……となるとやっぱりあの女の情報はガセだったか」
川 ゚ -゚)「逆に私からもあなたに聞きたい」
川 ゚ -゚)「その女性から聞いた情報というのは、一笑に付すことも叶わないほど信憑性のあるものだったのですか?」
从 ゚∀从「いや、俺も頭っから信じてた訳じゃねーよ」
从 ゚∀从「確か雪山で遭難して瀕死になって……とか何とか言ってたな」
川 ゚ -゚)「……ッ」ピクッ
从 ゚∀从「……!」
.
320
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:55:56 ID:kdjPbx.o0
トソン侮れないな
321
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:56:40 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「……そのような事実はありません。騙されたのでは?」
从 ゚∀从「そうか、それならいいんだがな」
川 ゚ -゚)「何にせよ、その女性が何らかの意図を持って署長へ近づいたのは明らかですね」
川 ゚ -゚)「その方の名前は分かりますか?」
从 ゚∀从「トソン=コレークだ。聞き覚えは?」
川 ゚ -゚)「トソン……いや、ありませんね」
从 ゚∀从「だが、何かと動きに不審が多い女だった」
从 ゚∀从「てめぇらも何か起こる前に、気をつけておいた方がいいぜ」
川 ゚ -゚)「ご忠告、感謝します」
川 ゚ -゚)「では私は仕事を残してますので、この辺りで」
从 ゚∀从「待てよ。まだ話は終わってねーぞ?」
川 ゚ -゚)「何か有益な情報が得られたら私までご連絡を。それでは」ウィーン
从 ゚∀从「……案外、感情の出やすい女なんだなあいつ」
从 ゚∀从「動揺してんのバレバレじゃねーか」
.
322
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:59:51 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【クラウンシティ・セントラルパーク】
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン テクテク
(゚、゚トソン「お呼びですか、ハイドさん」
(゚、゚トソン「今はまだ警察署にいる時間では?」
从 ゚∀从「よう、来たか。早かったな」
(゚、゚トソン「時間はありますので」
(゚、゚トソン「それで、何か進展があって私を呼び出したのですか?」
从 ゚∀从「あぁ、あったぜ」
从 ゚∀从「オメーはクロだって進展がな」
(゚、゚トソン「……!」
从 ゚∀从「今、クォッサ博士と顔合わせて話をしてきた」
从 ゚∀从「奴さん、お前の名前すら知らなかったが、あんたはどう弁明してくれるんだ?」
(゚、゚トソン「さぁ。匿名で話をしただけでしたので」
.
323
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:01:25 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「だがクォッサ博士は、お前の言う雪山で遭難したって話も否定してたぜ?」
从 ゚∀从「それについて、何か言うことはねぇのか?」
(゚、゚トソン「仲間内の秘密を、あのクォッサ博士がはいそうですと肯定するでしょうか」
从 ゚∀从「そういう問題じゃねぇんだよ。てめぇ、やっぱ何か俺に隠してるだろ?」
(゚、゚トソン「隠し事のない人間など、いませんよ」
从 ゚∀从「そういうこっちゃねぇんだよ!!」
从 ゚∀从「俺はてめぇが俺に取り入って、何しようとしてんのか聞いてんだぜ?」
从 ゚∀从「さっさと答えろよ、トソン=コレーク!!」
(゚、゚トソン「では、あなたはクォッサ博士の話を信じ、クォッサ博士の側に着くと?」
从 ゚∀从「当然だ。お前の目的が分からねぇ以上、行動を共にするのはリスクでしかねぇ」
(゚、゚トソン「ということは、王冠を奪取するのも諦めるのですね?」
从 ゚∀从「そうだよ。テメーの口車に乗せられてたまるかってんだ」
(゚、゚トソン「では、ここでお別れですね」
从 ゚∀从「……あ?」
(゚、゚トソン「私は情報を提供した上で協力してくれる方を必要としていましたので」
(゚、゚トソン「あなたがその定義から外れるなら深追いはしません」
(゚、゚トソン「そうなれば次はまた、別の方を探すだけです」
.
324
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:03:47 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「イヤにあっさり引き下がってくれるじゃねーか。却って怪しいぜ」
(゚、゚トソン「別に私には、あなたに執着するメリットがないというだけですよ」
(゚、゚トソン「あなたが私を選択するリスクを、負わなかったのと同じように」
从 ゚∀从「そうかい。なら俺とジョージに二度と近づくな」
从 ゚∀从「次に顔見たら、女だろうと問答無用でぶん殴らせてもらう」
(゚、゚トソン「分かりました。ではそのように計らいましょう」
(゚、゚トソン「今後あなたの前には現れないし連絡も取らない、それでいいですね?」
从 ゚∀从「いいだろう。それで手打ちだ」
(゚、゚トソン「では、ごきげんようミスターハイド」
(゚、゚トソン「あなたの前に、幸運が拓けますように」
从 ゚∀从「へっ。人のために白々しく祈ってんじゃねーよ」
从 ゚∀从「幸運なんてもんは、俺のやり方でこじ開けてやっからよ」
.
325
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:06:08 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从 カリカリ
从 ゚∀从(……今俺が手にしてる情報は、こんなもんか)
トソン=コレークから得た情報
・トレジャーはかつて雪山で遭難してあの力を得た。
・それには謎の七色の石が関与している。
・その情報の発信源はクォッサ=サリエリ。
・市庁舎の王冠にその石が使われている可能性がある。
・力を得るには石を持って瀕死になる必要がある。
ペニーナ=カートレンから得た情報
・王冠に金銭的価値は皆無。
・王冠に使われている宝石はペニーナにも判別出来ない。
ピーター=ショボンニから得た情報
・王冠は五百年前のもの。粗悪な造りはそのせい。
・彼は何をしようと王冠を譲渡する気はない。
クォッサ=サリエリから得た情報
・トレジャーが雪山で遭難したという事実はない。
・クォッサ本人はトソン=コレークを知らない。
.
326
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:09:02 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从(見れば見るほど、情報が錯綜してやがんな)
从 ゚∀从(一体誰を信じればいいのやら……)
从 ゚∀从(……順を追って整理するか)
从 ゚∀从(まず発端になったのは、トソン=コレークが俺を訪ねて来たこと)
从 ゚∀从(暴行されたジョージを介抱したって話だったが、そこがまず怪しい)
从 ゚∀从(それから奴に引き回されるように方々を回っていったが……)
从 ゚∀从(そもそもなんで俺は、違和感なくあいつを受け入れたんだ?)
从 ゚∀从(アルのジジィの姪っ子だからか?)
从 ゚∀从(いくら初対面じゃねぇからって、女を家に招き入れる?)
从 ゚∀从(ジョージが怪我してたなら、引き取って女はタクシーで返しても良かったんだ)
从 ゚∀从(てか、普段の俺ならそうしてる)
从 ゚∀从(あの時の俺がそうしなかったのは、何故だ……?)
从 ゚∀从(あのタイミングで何かされた……あの短い時間で……?)
从 ゚∀从「……!!」ハッ
从;゚∀从「まさか……記憶の改竄か……!?」
.
327
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:10:25 ID:kdjPbx.o0
気付くのか
トソンの能力がしょっぱいのかハイドが切れ者なのか
328
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:10:48 ID:kGtiVFWo0
.
从;゚∀从(そうだ、それなら辻褄が合う)
从;゚∀从(ジョージの暴行は俺への接触のきっかけ……その後記憶を操作されたとしたら……)
从;゚∀从(短時間に一切の違和感を排除して、俺へ近づくことができる)
从;゚∀从(クォッサの姉ちゃんは俺の話を聞いて動揺していた……デマならあんな動揺はしねぇ)
从;゚∀从(つまりトソンの話は、真実だったってぇことになる)
从;゚∀从(なのにトソンの名前を知らなかったのは、奴に記憶をいじられてたから……?)
从;゚∀从(待て。それが可能なら、奴がアルのジジィの姪っ子ってのも信用ならなくなんぞ)
从;゚∀从(奴は骨を俺に渡したあの時から、俺に何かさせようとしてたのか?)
从;゚∀从(何か……決まってる。王冠を手に入れされることだ!)
从;゚∀从「なんてこった……自分の行動を省みにゃ気づかねぇなんて……」
从;゚∀从「トソン=コレーク……一体どこまでがお前の意図なんだ……?」
.
329
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:12:28 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从(どうする……もしも全てが奴の掌の上なら、このまま踊り続けるのは危険だ)
从 ゚∀从(それとも全て承知の上で、奴の思惑に乗り続けるか……?)
从 ゚∀从「……」ピッピッピッ
prrr、prrr……
『もしもし?』
从 ゚∀从「おう、カフェオレのか。俺だ、ハイドだ」
『ハイド署長。僕に電話とは、珍しいですね』
从 ゚∀从「あぁ。普段なら絶対電話なんざしねぇがな」
『どうされました。先ほどクー博士とも面会されたようですが……』
从 ゚∀从「率直に聞くぞ。お前、記憶を操作するヴィランに心当たりねーか?」
.
330
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:15:01 ID:kGtiVFWo0
.
『記憶操作……いえ、今のところそのようなヴィランは記録にありませんね』
从 ゚∀从「そうか、なら気ぃつけな。俺はもしかしたら、もうやられちまったかもしれん」
『やられたというと……記憶を操作されたということですか?』
从 ゚∀从「あぁ。ついでに言うと、クォッサの姉ちゃんも記憶をやられてる可能性がある」
从 ゚∀从「トソン=コレークって女を見かけたら、問答無用で捕縛しろ。これは警告だ」
从 ゚∀从「身長160センチ程度、短めの黒髪を後ろで括った痩せ型で、瞳は鳶色の女だ」
『待ってください。あなたはその情報をどこから?』
从 ゚∀从「企業秘密だ。黙って聞いとけ」
从 ゚∀从「それともう一度聞くが、記憶操作かそれと同じような能力に、マジで覚えはねぇんだな?」
『ありません。今クォッサ博士とも話をしていますが、能力を使われた痕跡もない』
从 ゚∀从「そうか、分かった。思い出したらいつでも俺のケータイに連絡しろ」
『署長、よろしければこれから詳しい話を聞かせ……』
从 ゚∀从「……」プツンッ
从 ゚∀从 ザッ…
.
331
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:16:39 ID:kGtiVFWo0
.
【翌朝、中央警察署…】
( ^ω^)「おはようございますお!」
( "ゞ)「あぁ、おはよう」
£°ゞ°)「グモニー、ブーン!」
( ^ω^)「……あれ?署長はまだ来てないんですかお?」
( "ゞ)「来てないみたいだな。署長室にも捜査資料室にもいなかった」
£°ゞ°)「珍しいよネー。いつもなら署員の誰よりも早く来てるのに」
( ^ω^)「寝坊ですかおねー……珍しい」
_
(;゚∀゚)「おぉい!!お前ら!!」バァンッ
(;"ゞ)「わぁっ!?扉壊れるって!!」
£;°ゞ°)「どしたノー、ジョージさん?そんなに慌ててー」
_
(;゚∀゚)「兄貴はこっちに来てるか!?」
( "ゞ)「え。いや、来ていないが……」
( ^ω^)「ジョージさん、署長と一緒じゃないんですかお?」
_
(;゚∀゚)「昨日兄貴は、家に帰って来なかったんだよ……」
_
(;゚∀゚)「そんで今朝起きたら、机の上にこれが……」パサッ
( "ゞ)「それは?」
.
332
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:17:52 ID:kGtiVFWo0
.
【辞表】
ジョージへ
起きたらこいつを署まで届けてくれ。
これからはデルタたちと四人で協力するように。
ハイドより
(;"ゞ)「じっ、辞表!?」
£;°ゞ°)「嘘でショー!?」
(;^ω^)「そんな……突然過ぎますお!?」
_
(;゚∀゚)「俺だって信じらんねーよぉ……あの責任感の塊みたいな兄貴がこんないきなり……」
(;"ゞ)「……とりあえず、それを提出するのはまだ待ってくれ」
(;"ゞ)「もしかしたら署長は、何かの事件に巻き込まれたのかもしれない」
£;°ゞ°)「ショッキングネー……」
(;^ω^)「署長、まさかもう殺されてたり……」
_
(;゚∀゚)「縁起でもねぇこと言うんじゃねぇ!!」バンッ
(;^ω^)「す、すみませんお!!」
_
(;゚∀゚)(兄貴ィ……どうしたってんだよぉ……!!)
.
333
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:19:59 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【クラウン=シティ共同市営墓地…】
从 ゚∀从 ザッ…
从 ゚∀从「……フゥー」
从 ゚∀从「ここへ来るのはもう何度目だろうな」
从 ゚∀从「こうして、慰霊碑へ向けて手を合わせるのも」
从 ゚∀从「お前らは、あっちで元気にやってんのか?」
从 ゚∀从「窮屈な思いしてなきゃいいがな……」
.
334
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:21:30 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「チャーリー、てめぇは熱心なクリスチャンだったな」
从 ゚∀从「あっちでも神様の訓示を聞いて、目ぇ輝かせてやがんのか?」
从 ゚∀从「チャック。お前はバスケが好きだったな」
从 ゚∀从「お前の贔屓のデトロイトオリオンズ、今年も優勝争いには絡めなかったみてぇだぜ」
从 ゚∀从「マイケル、フォーリー、サム、ケイン、トーマス、ベル」
从 ゚∀从「キース、ベン、ウォルト、リチャード、ハロルド……」
从 ゚∀从「お前らのこたぁ、一瞬だって忘れたこたぁねぇよ」
从 ゚∀从「お前らが殉職してから、ただの一度もな」
.
335
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:23:16 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「なぁ、聞いてくれや。俺ァ一体どうすればいい?」
从 ゚∀从「このまま、奴の思い通りに動いちまっていいいと思うか?」
从 ゚∀从「俺はファニーフェイスへ復讐する。そいつぁいい」
从 ゚∀从「だが、トソン=コレークの目的も分からねぇうちに、それに乗っかっていいと思うかよ?」
从 ゚∀从「なぁ……誰か、教えちゃくれねぇか?」
ヒュゥッ……
从 ゚∀从「……ヘッ。そうだよな、分かってたんだよ」
从 ゚∀从「死人は結局、何も言っちゃくれねぇ。背中なんて押しちゃくれねぇんだ」
从 ゚∀从「お前らが望もうと望むまいと、答えは自分で出すっきゃねぇ」
从 ゚∀从「腹ァ括れよ、ハイド=ハートマン」
从 ゚∀从「てめぇは何のために警察官になった?」
从 ゚∀从「のさばる悪党をふん捕まえるためだろうが」
.
336
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:24:11 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「お前らの仇は、俺が絶対に取ってやらぁ」
从 ゚∀从「悪魔に魂を売り渡してでも、復讐は成就させてやる」
从 ゚∀从「だからお前らはそっちで、ファニーフェイスが来るのを待ってやがれ」
从 ゚∀从「そっちで好きなだけ奴を囲んで、タコ殴りにしてやんな」
从 ゚∀从「……」ザッ
.
337
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:25:06 ID:kGtiVFWo0
十八話中編終わり
338
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:25:30 ID:kGtiVFWo0
後編は明日の同じ時間帯に投下します。
339
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:26:06 ID:kdjPbx.o0
おつおつ
340
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:34:42 ID:K9Bn2jgY0
乙ぅ!
ハイド、このあとどうするんだろう
341
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 23:08:28 ID:S4g5aY3s0
乙!
ショボンニいいキャラしてる…!
342
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:52:01 ID:mViQHq660
乙
やはり一筋縄ではいかない署長
343
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 02:27:54 ID:5mIhdXj.0
かっこe
344
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:34:52 ID:dinXch2k0
.
第十八話『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL 〜後編〜』
.
345
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:36:47 ID:dinXch2k0
.
─────
────
───
──
【ハイド辞職から三日後の深夜、ショボンニ邸……】
(´ーωー`)「……」スピー
prrr、prrr……
(´ーω・`)「んっ……」パチ
(´・ω・`)「誰だ、こんな夜更けに……」
【通話:ハイドくん】
(´・ω・`)「……!」
(´・ω・`)「もしもし、ハイドくんかね?」ピッ
『よう、ジジィ。思ったより早く電話に出たな?』
『まさかまだ起きてやがったのか?』
(´・ω・`)「起こされたに決まってるだろう?……いや、今はそんなことどうでもいいな」
.
346
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:38:25 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「噂に聞いたよ。君、警察官を辞めたそうだね」
『ほう、もう話が届いてんのか。地獄耳なこって』
(´・ω・`)「君ほど仕事熱心な人間が辞めたとあれば、嫌でも耳に入るよ」
(´・ω・`)「それで、君は今何をしているんだい?」
『なぁに。この三日間、あんたを楽しませる方法をずっと考えてたのさ』
(´・ω・`)「それで電話してきたということは、何か算段がついたと考えても?」
『あぁ。あんた、今から市庁舎まで来れるか?』
(´・ω・`)「運転手はもう返してしまったんだがな……まぁ、何とか工面は出来るだろう」
『そうかい。なら、先にこっちで待ってるぜ』
(´・ω・`)「私がそちらに行かなかった場合、どうなるのかね?」
『あんたはただの証人だ。楽しみたくなけりゃ来なくても構わねぇさ』
(´^ω^`)「フフフ……そうかね。では、楽しみにそちらへ向かうとしよう」
.
347
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:39:51 ID:dinXch2k0
.
【市庁舎前…】
キキィッ……
(´・ω・`)「あー、運転手くん、君は先に帰りたまえ。私を待っていなくて構わないよ」
(´・ω・`)「少々時間がかかるかもしれないのでね」バタンッ
(´・ω・`)「さて……誘われて来たはいいが、ここからどうすればいいのかな」
prrr、prrr
(´・ω・`)「……!」ピッ
『来たか、ジジィ。なら裏口から入って、北側の非常ドアから中に入りな』
『中に入ったらそのまま正面エントランスまで来い。鍵は開いてる』
(´・ω・`)「なぜ鍵が開いてるのかは、聞かない方がいいのかな?」
『それも後で説明してやんよ。とりあえずお互いにツラ合わせようや』
(´・ω・`)「……承知した。ひとまずは君の言うとおりにしてみようか」
.
348
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:40:24 ID:dinXch2k0
.
カツ、カツ……
(´・ω・`)「やぁ、ハイドくん」
コツ、コツ……
从 ゚∀从「よう、ジジィ」
.
349
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:41:58 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「今日は突然のお誘い、どうもありがとう」
(´・ω・`)「まずは君がどうやってここまで来たのか、聞いてもいいかな?」
从 ゚∀从「知人に超優秀な鍵屋がいてな。そいつのおかげだ」
从 ゚∀从「複製を作るのに三日もかかっちまったが、その分仕事は上等だぜ?」
(´・ω・`)「ほほう。電子ロックのキーを複製するとは、生半可な腕前じゃないね」
(´・ω・`)「そこまでして呼び出してくれたんだ。さぞや楽しい話題を提供してくれるんだろう?」
从 ゚∀从「まぁ落ち着けよ。ジジィのクセに早漏かっての」
(´・ω・`)「わざわざ王冠の飾ってあるエントランスに呼んでくれたんだ。期待もするさ」
(´・ω・`)「それはつまり、どうあっても王冠を我が物にするということだね?」
从 ゚∀从「さてな……それより、ジジィが来るまでに王冠をじっくり観察させてもらったんだがよ」
(´・ω・`)「ふむ、どうかね?」
从 ゚∀从「俺にゃあやっぱり、この手のモノの価値なんざ分からねぇよ」
从 ゚∀从「どこがどう粗悪で最低なのか、サッパリ見当もつかねぇわ」
(´・ω・`)「君ももう少しいいものを見るようにすれば、分かるようになるさ」
从 ゚∀从「……」
.
350
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:43:38 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「……あんた、ここまで来ても俺が王冠を欲しがる理由、聞かねぇのか」
(´・ω・`)「言っただろう?そんなことは些末なことだ」
(´・ω・`)「大事なのは君が、どう私を楽しませてくれるかだけだよ」
从 ゚∀从「いいや、違うね。あんたは俺が王冠を欲しがる理由を、もう察してるんだろ」
(´・ω・`)「さぁね。皆目分からないな」
从 ゚∀从「とぼけるのも大概にしろよ」
从 ゚∀从「本当にその王冠が惜しいなら、偽物だと指摘された時点でそうだと言えばいいだけだ」
从 ゚∀从「王冠が無価値と分かりゃあ、普通の人間なら諦めるはずだからな」
从 ゚∀从「あんたがそうしなかったのは、その王冠に別の価値を見いだしているから」
从 ゚∀从「そして俺も、別の意味で王冠を欲しがっていると理解していたからじゃねぇのか?」
(´・ω・`)「想像力たくましいね、君は。うらやましい限りだ」
从 ゚∀从「ほーう?あくまでもシラ切ろうってのか?」
从 ゚∀从「ならこっちも、それなりの勝負札を切るっきゃねぇな」
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351
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:44:34 ID:dinXch2k0
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从 ゚∀从「この三日間、俺ァ散々考えつくしたよ」
从 ゚∀从「どうすりゃあんたの興味を惹く話が出来るかってな」
(´・ω・`)「勤勉なことだね、実に君らしい」
从 ゚∀从「そして、ひとつの結論に至った」
(´・ω・`)「それは?」
从 ゚∀从「あんたは百戦錬磨の政治家だ。並の手練じゃ動じねぇ」
从 ゚∀从「だからいっそのこと、全部本当のことを話しちまおうと思ったのよ」
(´・ω・`)「ほう!まさかそんなことを考えていたとはね」
(´・ω・`)「面白い……続けたまえ、ハイドくん」
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352
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:46:51 ID:dinXch2k0
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从 ゚∀从「あの王冠は……いや、王冠に収まってる石は、トレジャーのパワーの源となってるモンと恐らく同じだ」
(´・ω・`)「……!」
从 ゚∀从「奴はかつて、あれとそっくりな石を持ったまま雪山で遭難したらしい」
从 ゚∀从「そして生死の境をさ迷った末、起きた時に石は消え去り、今のバカげた体に成り果てたそうだ」
从 ゚∀从「恐らく石が体と同化したんじゃねぇかって話だったな……」
(´・ω・`)「その石が、王冠の石と同じものであるという証拠は?」
从 ゚∀从「ねぇよ。だからこれはバクチなんだ」
从 ゚∀从「見通しの効かねぇ、分の悪すぎるギャンブルよ」
(´・ω・`)「ふむ……全てを賭けたギャンブル、か」
(´・ω・`)「ならば私も、全てをさらけ出さないとフェアじゃないだろうね」
从 ゚∀从「なに?」
(´・ω・`)「君の話してくれたことは、私の持つ情報とはいささか違っていたようだ」
(´・ω・`)「私はてっきり、君がこの石を奪取して廃棄するつもりだと思っていたんだよ」
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