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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
153
:
名無しさん
:2018/04/05(木) 16:49:37 ID:.YQ3dMSE0
乙
ダスティいいキャラしてるな
154
:
名無しさん
:2018/04/06(金) 21:21:54 ID:F4iYmKvY0
数奇な半生だったんだなあ・・・自分もアヒャがかっこよく見えた
乙
155
:
名無しさん
:2018/04/07(土) 12:55:04 ID:gyHB9JK20
乙
156
:
名無しさん
:2018/06/02(土) 23:39:47 ID:tiLTnrk60
乙!
このテの昔話を陰鬱じゃなくカラカラ話すダスティ本当に良いキャラ
キャノンボールの文字で疾走感伝わるのとかモララーの叫び声好きです
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2525.jpg
157
:
名無しさん
:2018/06/03(日) 07:18:09 ID:GWvLHFsc0
迸る犯罪臭
158
:
名無しさん
:2018/06/03(日) 10:02:38 ID:PUigsnxw0
マッスル!!!
159
:
名無しさん
:2018/06/03(日) 11:13:49 ID:ZkVS1pQg0
パネェ……
160
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:37:16 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
(ヽ´_ゝ`)「……なぁ、弟者」
(´<_`/)「なんだ、兄者」
(ヽ´_ゝ`)「最後にまともな食事したのって、いつになるっけ……」
(´<_`/)「……かれこれ三日前、くらいかな」
(ヽ´_ゝ`)「……人間って、なかなか死なないんだな」
(´<_`/)「そうだな。このままだと遠からず死ぬがな」
(ヽ´_ゝ`)「俺なんとなく背が縮んだ気がするもん」
(´<_`/)「俺は体重減りすぎて空が飛べるかもしれん」
(ヽ´_ゝ`)「……」
(´<_`/)「……」
(ヽ´_ゝ`)「……腹減ったな」グゥー
(´<_`/)「……そうだな」キュルルル
.
161
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:38:25 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/)「兄者……意地張らずにもうそろそろ家帰ってもいいんじゃないか?」
(ヽ´_ゝ`)「それは駄目だ。今帰ったらもう二度とヴィランとして大成出来なくなるぞ」
(´<_`/)「現状、路上生活者と大差ない暮らしぶりなんですが」
(´<_`/)「今のところスリも恐喝も窃盗も失敗してるからな?」
(ヽ´_ゝ`)「万引きで何とか食いつなげてるじゃないか」
(´<_`/)「誇らしげに言わないでくれないか。悲しくなる」
(ヽ´_ゝ`)「……そろそろ潮時かなぁ」
(´<_`/)「だろう。ちゃんと母者に頭下げて、詫びを入れればいいさ」
(ヽ´_ゝ`)「……母者、ガッカリするだろうな」
(´<_`/)「……言うなよ、そういうこと」
.
162
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:38:57 ID:Sxk0hBsY0
.
(ヽ´_ゝ`)「結局俺たちは、悪党に向いてないってことだったのかな」
(´<_`/)「そうかもな。色々と凡庸なんだよ、俺たち」
(ヽ´_ゝ`)「……はぁ」
(´<_`/)「腐るなよ、兄者。きっとこれからいいことあるさ」
(ヽ´_ゝ`)「しょんぼりMAXやで」
(´<_`/)「しょんぼりMAXとは」
──ピロリロリン、ピロリロリン♪
(´<_`/)「あっ」
(ヽ´_ゝ`)「何の音だ?」
.
163
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:39:28 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/)「裏サイトに登録してたから求人が来たのかもしれんな。見てみよう」
(ヽ´_ゝ`)「スマホまだ生きてたのかよ……充電は?」
(´<_`/)「ゲーセンで盗電してた」
(ヽ´_ゝ`)「充電器は?」
(´<_`/)「ショップからパクった」
(ヽ´_ゝ`)「お前いつの間にそんなことしてたん?」
(´<_`/)「兄者が段ボールにくるまって寝てる間にな」
(ヽ´_ゝ`)「……地味に小悪党の素質あるよな、弟者って」
(´<_`/)「その褒め方は全っ然嬉しくないぞ」
.
164
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:40:19 ID:Sxk0hBsY0
.
===========================================
【急募案件】
運び屋補助募集。荷物を運ぶだけの簡単な仕事。
報酬:2000$〜応相談
条件:秘密厳守、口外無用。
連絡先:下記指定住所にて面談。先着順。
===========================================
(´<_`/)「……運び屋補助、だってよ」
(ヽ´_ゝ`)「ふむ。なんか楽しそうだな」
(´<_`/)「楽しそうって。秘密厳守ってとこ見てないのか?余裕でヤバそうだろ」
(´<_`/)「運ばされるのだって、ヤクか死体か、もっとヤバい物かも分からんぞ」
(ヽ´_ゝ`)「まぁまぁ。このままグズグズしてるよりは何倍もいいさ」
(ヽ´_ゝ`)「とりあえず先着順ってあるし、早めの行動あるのみだな」
(´<_`/)「……だな。やれるだけのことはやっておこうか」
.
165
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:41:09 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
(ヽ´_ゝ`)「弟者。面談場所ここで合ってるのか?」テクテク
(´<_`/)「住所は確かにここになってるぞ」スタスタ
(ヽ´_ゝ`)「俺には廃屋にしか見えないんだが……」
(´<_`/)「そりゃ、あかん仕事頼むのに普通の場所では出来んだろ」
(ヽ´_ゝ`)「それもそうか」
(´<_`/)「すみませーん、ネットで面談希望出したアーニーとオットーですがー」ドンドコドン
(ヽ´_ゝ`)「……」
(´<_`/)「……」
(ヽ´_ゝ`)「……へんじがない、ただのしかばねのようだ」
(´<_`/;)「あっれぇ、おかしいな?確かに指定された住所はここなんだが……」
.
166
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:42:11 ID:Sxk0hBsY0
.
( ゚∋゚)「……」ニュッ
(;ヽ´_ゝ`)「うぉっ!?」ビクッ
(´<_`/;)「あ、あの……」
( ゚∋゚)「面会希望者か」
(;ヽ´_ゝ`)「あ、はい」
( ゚∋゚)「入んな」クィッ
(´<_`/;)「ども」
(;ヽ´_ゝ`)(おい、なんかめちゃめちゃ強面のおっさん出てきたぞ)ヒソヒソ
(´<_`/;)(あ、当たり前だろ裏仕事なんだから)ヒソヒソ
(;ヽ´_ゝ`)(この仕事、本当に受けて大丈夫か?)
(´<_`/;)(今さらこれくらいでビビんないでくれよ兄者……)
(´<_`/;)(あれくらい、母者と比べたらどってことないだろ?)
(;ヽ´_ゝ`)(そりゃそうかもしれんが……)
( ゚∋゚)「私語は止めろ。黙ってついてこい」
(;ヽ´_ゝ`)「は、ハイ!」
(´<_`/;)「すみません……」
.
167
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:43:30 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「……」テクテク
(´<_`/;)「……」テクテク
( ゚∋゚)「……」ピタッ
(ヽ´_ゝ`)「……?」
( ゚∋゚)「依頼人はこの扉の先だ。あとはお前らだけで行け」
(´<_`/)「あっ……はい」
(ヽ´_ゝ`)(なんだよ、こいつが雇い主じゃなかったのか。あー良かった)
(´<_`/)(アホ。一緒に来ないってことは扉の前で見張りに立つってことだろ)
(´<_`/)(容易に部屋から出られるかも分からんぞ?)
(;ヽ´_ゝ`)(そ、そうか……それもそうだな)
( ゚∋゚)「どうした、さっさと入らねぇか」
(´<_`/;)「すみません!すぐに……」
(;ヽ´_ゝ`)「失礼します!」ガチャッ
.
168
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:45:08 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「よっ」
(;ヽ´_ゝ`)「……どうも」
(´<_`/;)「こんちわっす」
Σz ゚ー )リ「お前らが今回応募してきた若造どもか」
Σz ゚ー )リ「俺ぁダスティってもんだ。ヨロシクな」
(;ヽ´_ゝ`)「アーニー=カーマインです」
(´<_`/;)「オットー=カーマインです」
Σz ゚ー )リ「オーケー、カーマイン兄弟だな。それじゃ仕事の話に移ろうか」
(;ヽ´_ゝ`)「えっ、ちょ……早くないっすか!?」
(´<_`/;)「もっと話すこととか……」
Σz ゚ー )リ「こっちもヒマじゃねーの。面接じゃねぇんだからサクサク済まそうぜ」
(;ヽ´_ゝ`)「はぁ……」
(´<_`/)「そういうことなら……」
.
169
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:46:04 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「お前らに今回運んでもらいてぇのはコイツだ」ガシャンッ
Σz ゚ー )リ「このずだ袋を三つ、あるところまで運んでほしい」
Σz ゚ー )リ「本来なら俺の部下にやらせてるんだが、ケガで人手が足りなくなっちまってな」
Σz ゚ー )リ「急を要する案件なもんで、お前らに頼んだのよ」
(;ヽ´_ゝ`)(ヤバい仕事の末のケガなんだろうか)
(´<_`/;)「けっこう大きい袋ですね……」
Σz ゚ー )リ「重さもそれなりだから腰イワせんなよ?」
Σz ゚ー )リ「ま、うちのデュオと一緒ならさほど問題ねーと思うがな」
(;ヽ´_ゝ`)「デュオというと」
Σz ゚ー )リ「お前らをここまで連れてきた、バカデカい男だよ」
Σz ゚ー )リ「車も奴に運転させるから、お前らは袋を運ぶだけだ。簡単だろ?」
(;ヽ´_ゝ`)「ああ……やっぱりあの人も一緒なのか……」
Σz ゚ー )リ「ビビるのは分かるが、顔に似ず気の効く奴だ。そう嫌な顔すんなよ」
.
170
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:46:43 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「運ぶ場所はデュオが知ってる。お前らはそれに着いていけばいい」
Σz ゚ー )リ「それと、もうひとつ」
(;ヽ´_ゝ`)「なんでしょうか?」
Σz ゚ー )リ「袋の中身は見ても構わんが、どこに持っていったかは誰にも喋るんじゃねーぞ?」
Σz ゚ー )リ「お前らは何も聞かず、何も言わない。それが守られなかった場合は……分かってんな?」
(;ヽ´_ゝ`)「言いません!誰にも!」
(´<_`/;)「袋の中身も絶対見ません!」
Σz ゚ー )リ「そうかい、そりゃ良かった」
Σz ゚ー )リ「じゃ、さっそく仕事に取りかかってくれ。詳しいことはデュオに聞けや」
(´<_`/;)「よっこいしょ……」
(;ヽ´_ゝ`)「けっこう重いな〜……」
Σz ゚ー )リ「カカッ、じじぃかお前らは。じゃ、頼んだぞ〜」
.
171
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:47:47 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「しかしまぁ何だな、弟者……」
(´<_`/;)「なんだ、兄者」
(;ヽ´_ゝ`)「ボロい商売だと思ってた訳じゃないが、けっこうキツいな……」
(´<_`/;)「そりゃ楽に稼げる仕事なんかあるまい」
( ゚∋゚)「話は終わったか?」
(;ヽ´_ゝ`)「あ、ハイ」
( ゚∋゚)「ならその袋、車に詰みな」
(;ヽ´_ゝ`)「はひ……」ズルズル
( ゚∋゚)「おい、引きずるな!中身こぼれるだろ!」
(;ヽ´_ゝ`)「ご、ごめんなさい!!」
( ゚∋゚)「この程度の荷積みも出来ねぇのかよ……」ヒョイッ
(;ヽ´_ゝ`)「あ、すみません……」
( ゚∋゚)「お前が俺の部下ならぶん殴ってるとこだ。気をつけな」
(;ヽ´_ゝ`)(超死にてぇ……)
(´<_`/;)(兄者……)
.
172
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:49:00 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「ハァ、ハァ……よっこいしょお」
(´<_`/;)「兄者どんだけ体力ないんだよ」
(;ヽ´_ゝ`)「そういうお前こそ、汗だらっだらじゃないか」
( ゚∋゚)「おいおい。この程度で疲れてもらっちゃ困るんだがな」
( ゚∋゚)「まだまだ先は長ぇんだ。へばるのは後にしな」
(;ヽ´_ゝ`)「はーい……」
(´<_`/;)「前途多難だな」
( ゚∋゚)「まぁいい、乗れ」
( ゚∋゚)「今のうちに休めるだけ休んどけ。こっからはなおさら体力使うからな」
(;ヽ´_ゝ`)(本当に荷物運ばされるだけで終わるんだよな……?)
(´<_`/;)(地獄の行軍に赴く気分だ……)
.
173
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:50:12 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
ブロロロ…
(ヽ´_ゝ`)「……」
(´<_`/)「……」
( ゚∋゚)「……」
(ヽ´_ゝ`)(会話ねぇな……)
(´<_`/)(なんか喋った方がいいのだろうか)
(ヽ´_ゝ`)「……あのぉ〜、ちょっと聞きたいんですけど」
( ゚∋゚)「なんだ」
(ヽ´_ゝ`)「この荷物、どこへ持ってく予定なんです?」
( ゚∋゚)「お前らは余計なこと考えなくていい」
(;ヽ´_ゝ`)「す、すみません……」
(´<_`/;)「あのでも、念のため場所だけでも知りたいなーと……」
(´<_`/;)「俺たちの心構えも変わってくるんで……」
.
174
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:52:15 ID:Sxk0hBsY0
.
( ゚∋゚)「……マンホールだよ、マンホール」
(´<_`/)「マンホール……?」
( ゚∋゚)「クラウン・シティの外れにあるマンホールだ」
(ヽ´_ゝ`)「そこに何かあるんですか?」
( ゚∋゚)「なんだお前ら、そんなに死にたいのか?」
(;ヽ´_ゝ`)「いいえ!!」
(´<_`/;)「百まで生きたいです!!」
( ゚∋゚)「ならそれ以上聞くな。分かったな?」
(;ヽ´_ゝ`)「はーい……」
(´<_`/;)(なんでだろう、生きて帰れる気がしなくなってきた……)
.
175
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:53:15 ID:Sxk0hBsY0
.
(ヽ´_ゝ`)「……あれ?でも、てことは」
(;ヽ´_ゝ`)「これからこの大荷物持って、マンホールに降りるんですか!?」
( ゚∋゚)「そうだよ。だから人手がいるんだ」
( ゚∋゚)「いくら俺でもズダ袋三つ持ってマンホールには下りれんからな」
(´<_`/;)「この袋けっこうな重さなのに……」
( ゚∋゚)「それだけじゃねぇぜ」
(;ヽ´_ゝ`)「はい?」
( ゚∋゚)「マンホールに降りたら、そこから10㎞ほど歩いてもらう」
(;ヽ´_ゝ`)「ほぎゃー!?」
(´<_`/;)「つ、つら……」
( ゚∋゚)「あのよぉ……せいぜい3、40㎏の袋なんだから、それくらい文句言わずにやれや」
(;ヽ´_ゝ`)「は、はい……」
(´<_`/;)「頑張ります……」
( ゚∋゚)「……ダスティさんに今度から人を選ぶよう言っとかねぇとな」
(;ヽ´_ゝ`)(すでに見限られかけてる……)
(´<_`/;)(色んな意味でしんどい……)
.
176
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:53:57 ID:Sxk0hBsY0
.
( ゚∋゚)「しっかし、よりによってマンホールに双子たぁな」
( ゚∋゚)「Nintendoじゃあるまいに、笑えねぇギャグだぜ」
(;ヽ´_ゝ`)「は……?」
(´<_`/;)「どういう意味ですかそれは?」
( ゚∋゚)「マリオだよ、マ・リ・オ!やったことねぇのか?」
( ゚∋゚)「あいつら双子でいつも穴っぽこに潜ってるだろうがよ」
(;ヽ´_ゝ`)「な、なるほど……?」
(´<_`/;)「あれってマンホールじゃなくて土管じゃあ……」
( ゚∋゚)「チッ……ノリの悪いガキだな……ジョークに決まってんだろ」
(;ヽ´_ゝ`)(いかん、機嫌を損ねた!なんか話題を反らさないと……)
(;ヽ´_ゝ`)「あ、あのーところで!!」
( ゚∋゚)「あん?」
.
177
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:56:07 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「さっきからなんか閑散とした裏道ばっかり通ってますけど、なんでなんですか?」
( ゚∋゚)「なんだお前ら、知らねぇのか?」
( ゚∋゚)「この辺はクラウン・シティでも治安の悪い、北の労働者区域だ 」
( ゚∋゚)「閑散としてんのはそれだけ人がいねぇからだよ」
(;ヽ´_ゝ`)「あ、そうなんだ……」
(´<_`/;)「話には聞いてたけどこの辺がそうなのか……」
( ゚∋゚)「マンホールまでは、こっちの道から通った方が早いんでな」
( ゚∋゚)「まぁいつギャングどもの銃撃戦に巻き込まれてもおかしかない場所だがよ!!ハハハ!!」
(;ヽ´_ゝ`)「笑って言うことじゃねぇ〜〜〜……」
(´<_`/;)「頼むから安全な道通って……」
( ゚∋゚)「……む?」
キキィッ
(´<_`/)「どうしたんですか?」
( ゚∋゚)「……おい。そこの看板になんて書いてるか読めるか?」
(´<_`/)「看板……?」
.
178
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:57:01 ID:Sxk0hBsY0
.
【工事中につき通行止め。迂回路はこちら→】
(´<_`/)「あらま、工事中だって」
(ヽ´_ゝ`)「工事中なら仕方ないな」
( ゚∋゚)「そうか……俺の見間違いじゃあねぇんだな?」
(´<_`/)「しょうがないですよ。誘導員もいるし従いましょう」
( ゚∋゚)「あぁ」
『迂回路はこちらでーす。ご迷惑をおかけしてまーす』
( ゚∋゚)「おう、兄ちゃん」ウィーン
『はい、何でしょうか?』
( ゚∋゚)「この先でなんかあったのかい?」
『どうも先ほどガス管が破裂したらしくて、緊急工事をしてます』
( ゚∋゚)「ふーん、そうかい……」
.
179
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:57:50 ID:Sxk0hBsY0
.
( ゚∋゚)っy=― チャキッ
『はっ!?』
(;ヽ´_ゝ`)「ファッ!?」
(´<_`/;)「デュオさん!?」
タァンッ、タァンッ、タァンッ!!
『ぎゃっ……!!』ドサッ
(;ヽ´_ゝ`)「何してんすかあんたぁ!!」
(´<_`/;)「いきなり発砲……しかも無抵抗な一般人を……!!」
( ゚∋゚)「喋るな、舌噛むぞ」
ギャギャギャギャッ!!!
(;ヽ´_ゝ`)「ぎゃあーーーっ!!!」
(´<_`/;)「何なんだこの人はーーー!!!」
.
180
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 17:58:38 ID:Sxk0hBsY0
.
ブロロロロンッ!!!
( ゚∋゚)「〜♪」
(;ヽ´_ゝ`)「ちょ、ちょっとデュオさん!!あんた何してくれてんですか!!」
( ゚∋゚)「あぁ〜?」
(´<_`/;)「こんなことして、警察に追われたら一巻の終わりですよ!?」
( ゚∋゚)「はぁ……お前らとことん世間知らずだな」
( ゚∋゚)「今のはよくある強盗の手だ。それも古典的なやつな」
(;ヽ´_ゝ`)「えっ……?」
(´<_`/;)「嘘でしょう?」
( ゚∋゚)「しょうがねぇ奴らだな。俺は親切だから教えてやるよ」
( ゚∋゚)「あの誘導員は強盗の一味で、細い路地に誘い込んだところを他のメンバーが車を囲う」
( ゚∋゚)「こっちがスピードを出せないのをいいことに、数に任せて人力で車をボッコボコにして」
( ゚∋゚)「あとは中の人間を引きずり出して、金目のものをいただいて一丁上がり、ってな」
.
181
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:00:00 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「そんな手口が……」
(´<_`/;)「でも、なんでそれに気づいたんですか?」
( ゚∋゚)「考えてもみろ。こんな貧乏地区、たとえガス管が破裂しても工事なんざ後回しだ」
( ゚∋゚)「そう思って目を凝らせば、通行止めの向こうに工事車両が一台も見当たらなかった。それだけだ」
(;ヽ´_ゝ`)「なんてこった……」
(´<_`/;)「俺らとは注意力が違いすぎる……」
( ゚∋゚)「それに、だ」
(ヽ´_ゝ`)「それに?」
( ゚∋゚)「最近、うちのグループにちょっかいかけてくるバカどもがいてな」
( ゚∋゚)「お前らが雇われたのも、そのケンカで怪我人が出たせいだ」
( ゚∋゚)「今回もおそらく、そいつらの仕業だろーぜ……」
(;ヽ´_ゝ`)(ガチの抗争じゃないか……)
(´<_`/;)(すまん兄者……俺が裏サイトなんぞ覗いてたばかりに……)
.
182
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:02:01 ID:Sxk0hBsY0
.
( ゚∋゚)「ま、要するに敵の遣り口にバカ正直に乗ってやるこたぁないってこった」
( ゚∋゚)「このまま振り切って目的地まで走んぞ」
(;ヽ´_ゝ`)「は、はい!」
(´<_`/;)「でもなるべく安全運転で頼みます!」
( ゚∋゚)「そいつぁ聞けねぇな!!」
ブォォォォォォッ!!!
(;ヽ´_ゝ`)「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」
(´<_`/;)「穏便に、穏便にぃぃぃぃぃぃ!!!」
パァンッ!!
(;゚∋゚)「!!」
ギャギャギャギャッ!!!
(;ヽ´_ゝ`)「おんぎゃあぁぁぁぁ!!!」
(´<_`/;)「ぎぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
.
183
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:02:42 ID:Sxk0hBsY0
.
ギャギャギャギャッ、ドォンッ!!
(;ヽ´_ゝ`)「ぎゃっ!!」
(´<_`/;)「ぐぇぇっ!!」
(;゚∋゚)「クソッ……大丈夫かお前ら!?」
(;ヽ´_ゝ`)「大丈夫です……頭打ったけど……」
(;゚∋゚)「あいつら、ここまでやるかよ……」
(´<_`/;)「何なんですか、今の?」
(;゚∋゚)「スパイクベルトだ……車がパンクさせられちまった!!」
(※スパイクベルト…主に警察がカーチェイスの際に使う、車を止めるための防犯器具)
(;゚∋゚)「奴ら、この車をとことん襲う気だ!!来るぞ!!」
(;ヽ´_ゝ`)「うわぁ!?」
(´<_`/;)「ひぃっ!!」
.
184
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:05:05 ID:Sxk0hBsY0
.
ドガァンッ!!
(;ヽ´_ゝ`)「ひぇええ……」
ガンッ、ガンッ、ガァンッ!!!!
(´<_`/;)「こいつらどこから湧いてきたの!?」
(;゚∋゚)「言ったろが、路地で待機してるって!!」
(;゚∋゚)「お前ら絶対車から出るなよ!!タコ殴りにされんぞ!!」
(´<_`/;)「そんなこと言っても、これじゃジリ貧じゃないですか!!」
(;゚∋゚)「今から応援を呼ぶ!!仲間が来るまで大人しくしとけ!!」
(;゚∋゚)「この車は防弾だ、そう簡単にはぶっ壊されねぇ!!」
(;ヽ´_ゝ`)「あ……あ……」
(;ヽ´_ゝ`)「うわぁぁぁぁぁ!!!もうやだぁぁぁぁぁ!!!」ガチャガチャッ
(´<_`/;)「兄者!?」
(;゚∋゚)「おいバカ、パニクるな!!」
.
185
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:06:21 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「助けてーーーーーー!!!誰か!!!誰かぁぁぁぁぁ!!!」ガチャッ、ドタバタ
(´<_`/;)「兄者ーーーーーーー!?どこ行くんだ兄者ーーーーーーー!?」ガチャンッ
(;゚∋゚)「出ていくなっつってるだろ!?」
(;゚∋゚)「あのクソバカども……!!中から開けれないようにロックしときゃ良かった!!」
(;ヽ´_ゝ`)「ひぃ……ひぃ……!!」ゼェ、ゼェ
(´<_`/;)「あぁもうバカ兄者!!つられて俺まで飛び出しちまったじゃないか!!」
(;ヽ´_ゝ`)「弟者ぁ……!!」
(´<_`/;)「こうなったら限界まで走れ!!敵が追ってくるぞ!!」
(;ヽ´_ゝ`)「ひぃぃぃ!!!」
.
186
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:07:30 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
(;ヽ´_ゝ`)「はっ……はっ……」
(;ヽ´_ゝ`)「あぁ〜〜〜……」クテン
(´<_`/;)「自分から逃げといて疲れてるんじゃないよ!」
(;ヽ´_ゝ`)「誰も追ってきてないみたいだからいいかなって……」
(´<_`/;)「根性ねぇな!人のこと言えないけど!」
(;ヽ´_ゝ`)「なんか……結局俺たちのこと誰も追わなかったんだな」
(´<_`/;)「あぁ。部外者だから見逃してくれたのかも」
(;ヽ´_ゝ`)「……デュオさん、大丈夫かな」
(´<_`/;)「さぁ……防弾仕様らしいし大丈夫じゃね?」
(;ヽ´_ゝ`)「そうか……」
(´<_`/;)「何にせよ見捨てて逃げ出した俺たちが心配する筋合いじゃないと思うぞ」
(;ヽ´_ゝ`)「ド正論やめて……」
.
187
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:08:42 ID:Sxk0hBsY0
.
ドゴォォォォォォンンンッ!!!
(;ヽ´_ゝ`)「!?」
(´<_`/;)「!?」
(;ヽ´_ゝ`)「おい、弟者。車から煙が!!」
(´<_`/;)「まさか今の……爆弾!?」
(;ヽ´_ゝ`)「そんな、ウソだろ……」
(´<_`/;)「……」
(;ヽ´_ゝ`)「どうする、弟者?」
(´<_`/;)「……様子を見に行ってみよう」
(;ヽ´_ゝ`)「いっそのこと逃げた方が早くない?」
(´<_`/;)「どこまでドクズなんだ兄者は」
.
188
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:10:10 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「……」ソローッ
(´<_`/;)「誰もいない、かな……」
(;ヽ´_ゝ`)「大丈夫?ボコされない?」
(´<_`/;)「たぶん……もう近寄っても大丈夫じゃないかな」
(;ヽ´_ゝ`)「うわ車横転してる……」
(´<_`/;)「ガチの爆弾じゃんか」
(;ヽ´_ゝ`)「デュオさーん、生きてますかー……?」コンコン
( ∋ ) シーン…
(;ヽ´_ゝ`)「うわっ……血ぃいっぱい出てる……」
(´<_`/;)「……あれ、もう死んでね?」
(;ヽ´_ゝ`)「……」
(´<_`/;)「……」
(;ヽ´_ゝ`)「逃げてなかったら俺らもああなってたってこと?」
(´<_`/;)「……だな」
.
189
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:11:40 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「見た感じ、車が横転して頭打ったっぽいなぁ」
(;ヽ´_ゝ`)「どうする、助けるか?それとも見殺す?」
(´<_`/;)「そもそも生きてるのかも分からんし……」
(;ヽ´_ゝ`)「助けないと金の受け渡しもしてもらえんぞ」
(´<_`/;)「だなぁ……死んでたらどのみち無理だけど、やれるだけはやっとこうか」
(;ヽ´_ゝ`)「デュオさーん、開けますよー?」ガチャッ
( ∋ ) シィーン…
(;ヽ´_ゝ`)「……生の死体ってこんななんだ」
(´<_`/;)「勝手に殺すな、まだ生きてるかもしれんだろ」
(;ヽ´_ゝ`)「内臓とか出てたら一目散に逃げてたぞ」
(´<_`/;)「最低だな……と言いたいが、俺も逃げるかも分からんな……」
(´<_`/;)「内臓出てたらさすがにもう生きちゃいないだろうし」
.
190
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:13:27 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「デュオさん、デュオさーん……」
(;ヽ´_ゝ`)「応答はないなぁ」
(´<_`/;)「死んでるのかな……やっぱり……」
(;ヽ´_ゝ`)「そうかもしれん」
(´<_`/;)「まぁそれならそれで仕方ないか……」
(;ヽ´_ゝ`)「さっさと逃げようぜ。俺もう胃がもたねーよ」
(´<_`/;)「そうだな……」
( ∋ )「……」
(;゚∋ ) クワッ
(;゚∋ )「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!!」ガバッ
(;ヽ´_ゝ`)「ぎゃあーーー!!?」
(´<_`/;)「生きてた!?」
(;ヽ´_ゝ`)「ごめんなさいごめんなさい見捨てようとしてごめんなさい!!!」
.
191
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:14:12 ID:Sxk0hBsY0
.
(;゚∋゚)「おま……えら……」
(;ヽ´_ゝ`)「はっ!?な、なんすか!?」
(;゚∋゚)「にもつ………はこ…べ………マンホー………ル…………たの、む………」
(; ∋ ) ガクッ…
(;ヽ´_ゝ`)「ひぇぇぇぇ……成仏してくれぇぇぇぇぇ!!!」
(´<_`/;)「落ち着け兄者!!もう死んでる!!」
(´<_`/)「それにデュオさん、荷物運んでくれって言ってなかったか?」
(;ヽ´_ゝ`)「気のせいだろ……というかそれが正解でも運びたくない早く逃げたい」
(´<_`/;)「まぁそうだけど。とりあえず荷物だけでも車から持ち出そうぜ」
(;ヽ´_ゝ`)「おまっ!!それが原因でコイツが襲われたんだったらどうすんだよ!!」
(´<_`/;)「死人の願いだ、きいてやろうぜ……そして兄者のクズっぷり加速してんな……」
.
192
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:15:29 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/)「じゃあ折衷案だ。とりあえずこの場で荷物の中身を見て、ヤバそうな物だったら捨て置く」
(´<_`/)「そうでもなさそうなら持ってってやる、これでどうだ?」
(;ヽ´_ゝ`)「うぅーん……まぁ弟者が確認してくれるなら……」
(´<_`/;)「とことんクズかよ……まぁいいけど」
(´<_`/)「……デュオさん。荷物の中身、勝手に見るけど許してくださいね」ゴソゴソ
(´<_`/)「……は?」ゴソッ
(ヽ´_ゝ`)「どうした弟者。中身なんだった?」
(´<_`/)「……缶詰め」
(ヽ´_ゝ`)「はぁ?」
(´<_`/)「袋三つとも全部缶詰めが入ってる……」
(´<_`/)「オイルサーディン、スパム、ベーコン、コンビーフ……肉と魚ばっか」
(ヽ´_ゝ`)「なんで?マンホールの下にお料理教室でもあるのか?」
(´<_`/)「俺が知るかよ。アホんだら」
.
193
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:16:38 ID:Sxk0hBsY0
.
(;ヽ´_ゝ`)「あっ!もしかしてそれ缶詰めに見せかけた麻薬とか!?」
(´<_`/)「あー……可能性はあるなぁ。マフィアとかがよくやる奴だ」
(;ヽ´_ゝ`)「だとしたらさっさと捨てといた方が良くね?」
(´<_`/;)「うーん……でもどうしようか。ここで捨てたらデュオさんへの罪悪感ハンパないぞ」
(ヽ´_ゝ`)「……弟者」
(´<_`/)「なんだ、兄者」
(ヽ´_ゝ`)「実は俺、十徳ナイフ持ってるんだ」
(´<_`/)「えっ」
(ヽ´_ゝ`)「缶切りもついてるぞ」
(´<_`/)「……」
(ヽ´_ゝ`)「……」
(´<_`/)「……開けてみる?」
(ヽ´_ゝ`)「開けてみようぜ」
.
194
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:17:50 ID:Sxk0hBsY0
.
(ヽ´_ゝ`) キコキコキコ、パコン
(ヽ´_ゝ`)「……」クンクン
(ヽ´_ゝ`)「正真正銘の缶詰めだ」
(´<_`/)「マジかよ」
(ヽ´_ゝ`)「なんでこんなもんをマンホールの地下に?」
(´<_`/)「さぁ……浮浪者に施しでもしたかったのかな」
(ヽ´_ゝ`)「……」グーギュルルルルルル……
(´<_`/)「……」
(ヽ´_ゝ`)「……なぁ、弟者。開けちゃった分はどうしようもないし、食べてもいいよな」
(´<_`/)「……いいんじゃないかな」グゥゥ
(ヽ´_ゝ`)「……弟者も食う?」
(´<_`/)「二人で分けあってもろくな量にならないだろ」
(ヽ´_ゝ`)「だったらもう一缶開けよう」キコキコキコ
(´<_`/;)「兄者さぁ……デュオさんの死体の前でよくもそんな……」
(ヽ´_ゝ`)「義理立てるほどの知り合いでもないだろ?食べないなら俺が食うぞ」
(´<_`/)「……そりゃ食うけどさ」
.
195
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:19:06 ID:Sxk0hBsY0
.
(ヽ´_ゝ`)モグモグ
(´<_`/)ムグムグ
(ヽ´_ゝ`)「うまいなコレ」
(´<_`/)「あぁ」
(ヽ´_ゝ`)「まともな食事にありついたの久しぶりだな」
(´<_`/)「家を出て以来か」
(ヽ´_ゝ`)「そうなるな」キコキコ
(´<_`/;)「おい!!なに自然と缶詰め開けてんの!?」
(ヽ´_ゝ`)「こんだけあるんだから一個や二個減っても分からんよ」
(ヽ´_ゝ`)「それともお前、たった一個で足りるのか?」
(´<_`/;)「……正直、まだ腹は減ってるけど」
(ヽ´_ゝ`)「というか俺、考えたんだが」
(ヽ´_ゝ`)「もうこの缶詰め、全部もらってよくない?」
(´<_`/;)「何を名案考えたみたいに言ってんの!?」
.
196
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:19:58 ID:duZL/hFE0
しえん
197
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:20:54 ID:Sxk0hBsY0
.
(ヽ´_ゝ`)「だってさ、こっちには先方に連絡する手段もないし」
(ヽ´_ゝ`)「このままじゃあ俺たち報酬ももらえずに丸損だぞ?」
(´<_`/;)「いやでも……さすがにそれはなぁ……」
(ヽ´_ゝ`)「弟者、よく考えろ。俺たちが目指してるのは何だ?」
(´<_`/;)「……母者みたいなヴィラン」
(ヽ´_ゝ`)「だろう?だったら悪事に躊躇うことなんかないさ」
(´<_`/;)「母者を目標にするなら不義理は避けるものじゃないかな」
(ヽ´_ゝ`)「俺らと母者じゃレベルが違うだろ。まずはやれることからコツコツとだ」
(´<_`/;)「……兄者、悪いが俺はそれには加担できない」
(;ヽ´_ゝ`)「なんで!?」
.
198
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:22:48 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/)「俺はな、たとえ追いつけなくても、志だけはサウスガットの悪党になりたかったんだ」
(´<_`/)「弱者を虐げることなく、はびこる悪人だけを駆逐するような、そんなヴィランにな」
(´<_`/)「兄者もそうだと思ってたけど、残念だよ」スタスタ
(;ヽ´_ゝ`)「おい、どこ行くんだよ!?」
(´<_`/)「死体の持ち物漁るような奴とは組んでられない。あとは一人でやってくれ」
(;ヽ´_ゝ`)「バッカ、お前よく考え直せ!」
(´<_`/)「兄者こそ、よく考え直せよ?自分が何をしようとしてるか、泥を被るのは一体誰なのかをな」
(;ヽ´_ゝ`)「……なんだよ、あいつ。自分だけカッコつけやがって」
(;ヽ´_ゝ`)「……」
(;ヽ´_ゝ`)「とりあえず、一袋だけにしとくか。持ってくのは……」
そしてそれから五日間、弟者が兄者へ連絡を取ることは一切なかった……。
.
199
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:24:31 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
(´<_`/)「……」
(´<_`/)(兄者と別れてからもう五日か……)
(´<_`/)(あいつ、どこで何やってるんだか)
(´<_`/)(あの缶詰め、全部持ってったならしばらく食い詰めることはないだろうけど)
(´<_`/)(……)
(´<_`/)「ま、俺が探してやることもないな」
(´<_`/)「ゲスはゲスなりの人生を歩んでくたばればいいさ」
Prrrr、Prrrr…
(´<_`/)「ん」
【着信:兄者】
(´<_`/)「兄者から……?スマホの充電切れてたはずだが」
(´<_`/)「もしもし、俺だけど」ピッ
.
200
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:26:09 ID:Sxk0hBsY0
.
『……オットー=カーマインか?』
(´<_`/;)「……誰だあんた」
『質問してるのはこっちだ。オットー=カーマインで間違いないな』
(´<_`/;)「あぁ、そうだが……その電話、うちの兄貴の物のはずだけど」
『お前の兄貴の身柄は預かった。返して欲しければ北区の廃屋まで来い』プツッ
(´<_`/;)「……切れた」
(´<_`/;)「兄者のやつ、もろにとっ捕まってんじゃないか」
(´<_`/;)「……」
(´<_`/;)「行くしかねぇかぁ……」
.
201
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:27:49 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
(´<_`/)(北の廃屋っていったら、俺たちが裏サイトの面談受けた場所だ)
(´<_`/)(てことはもしかしなくても、兄者が捕まったのは例のギャングどもだよなぁ)
(´<_`/)(そうでなくても、カーマインの偽名を使ったのはあの時だけだったし)
(´<_`/;)(……兄者のやつ、下手なこと漏らしてなきゃいいけどな)
(´<_`/)「頼もー。オットー=カーマイン、兄者の身柄を引き受けに来ましたー」ドンドン
ギィッ、ガチャリ
Σz ゚ー )リ「……」
(´<_`/;)「……ちわっす」
.
202
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:30:17 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/)(中にはひーふーみーよー……五人か)
(´<_`/;)(でもこの五人だけってこたぁないんだろうなぁ……)
(´<_`/;)(あぁ、兄者のバカ……逃げ切る自信もないのに火事場泥棒なんかするからこうなるんだよ……)
Σz ゚ー )リ「よぉう、カーマイン弟。ご無沙汰だなぁ?」
(´<_`/;)「どうも……五日ぶりですね」
Σz ゚ー )リ「てめぇらが仕事おっぽり出してくれたおかげで、こっちゃえらいことになってたんだ」
(´<_`/;)「す、すみません。これにはやむにやまれぬ事情があって……」
Σz ゚ー )リ「言い訳は聞かねぇよ、カーマイン……」
Σz ゚ー )リ「いや、サウスガットって呼んだ方がいいか?」
(´<_`/;)「……!!」
.
203
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:30:59 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「何の因果か知らねぇが、あのサウスガットが俺らの仕事にケチつけるたぁな?」
Σz ゚ー )リ「一体どういう腹か、全部ぶちまけてもらおうか」
(´<_`/;)「ま、待ってくれ!!確かに俺たちはサウスガットファミリーだけど、今回のことにファミリーは何の関係もない!!」
Σz ゚ー )リ「それでハイそうですかと納得すると思ってんのか?ボケが」
Σz ゚ー )リ「こっちは人死にが出てんだ。あんまりバカにしてっと五体満足じゃ帰れねぇぞ」
(´<_`/;)(ダメだ、マジギレしてる……話を聞いてもらえそうにない……)
(´<_`/;)(けど……正直に言うしかないんだよな……)
(´<_`/;)「分かった、話すよ。あの日何があったか」
.
204
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:32:14 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「あの日俺たちは、物資を運ぶ途中で強盗に襲われたんだ」
Σz ゚ー )リ「強盗だぁ?」
(´<_`/;)「本当だよ!デュオさんが異変に気づいたけどすでに遅かった」
(´<_`/;)「あんたたち、どっかから嫌がらせ受けてたんだろ?きっとそいつらだ」
(´<_`/;)「最後にはデュオさんが俺らを逃がしてくれたけど、本人は逃げ遅れて……」
(´<_`/;)「俺たちはあんたの連絡先を知らなかったから、逃げ帰るしか出来なかったんだ」
(´<_`/;)(ということにしておこう)
Σz ゚ー )リ「……」フゥ
Σz ゚ー )リ「ほらよ、サウスガット」ポォン
(´<_`/;)「……?」
(´<_`/;)「これ……兄者のスマホ!?」
Σz ゚ー )リ「繋がってる。お前が出ろ」
(´<_`/;)「……もしもし?」
.
205
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:33:35 ID:Sxk0hBsY0
.
『おどじゃあぁぁぁぁぁ!!!!だずげでえぇぇぇぇぇ!!!!』
(´<_`/;)「兄者!!無事なのか!?」
『全然無事じゃな……ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』プツッ
(´<_`/;)「兄者ァーーーーーーー!!!?」
Σz ゚ー )リ「騒ぐな、指へし折っただけだ。いちいち大げさなんだよテメーの兄貴は」
Σz ゚ー )リ「ただしお前が嘘をつけば、指がアバラになり、最後は首を折ることになる」
(´<_`/;)「ほ、本当だってば!嘘なんか(ちょっとしか)ついてない!」
Σz ゚ー )リ「だったらなんで、お前の兄貴は地下へ運ぶはずの缶詰めを持ってたんだ?」
(´<_`/;)(ぎゃー!!あのバカ、缶詰め持ってったのバレやがったのか!!)
Σz ゚ー )リ「おう応えろよ。俺が全部に納得いくようにな?」
.
206
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:35:28 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「……く、食い詰めて魔が差したんだ!」
Σz ゚ー )リ「あ?」
(´<_`/;)「俺も兄者も貧乏でその日暮らししか出来なくて……」
(´<_`/;)「だが俺は、盗みなんか止めろって止めたんだ!!」
Σz ゚ー )リ「フーッ……そうかいそうかい」
(´<_`/;)「考えても見てくれ。サウスガットが裏にいるならそんなことする必要ないだろ!?」
(´<_`/;)「俺たちは家を出て独立しようとしてたんだ、だから……!!」
Σz# ゚ー )リ「ざっけんじゃねぇーーーーーーー!!!!!」
ガスッ!!
( <_ /;)「ごへっ……!?」
Σz# ゚ー )リ「理由なんざどーでもいい。お前らがしでかしたことは最悪もいいとこだったんだよ」
.
207
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:36:46 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz# ゚ー )リ「あの缶詰めはなぁ、地下にいる化け物の食糧になるはずだったもんなんだよ」
Σz# ゚ー )リ「だがその化け物は食糧が届かなかったせいで地上に現れ、大暴れして人を襲い、食っちまった」
(´<_`/;)「……!?」
Σz# ゚ー )リ「おかげで警察にもヒーローにも、奴が生きていると再び知れ渡った」
Σz# ゚ー )リ「俺が十年以上も隠匿し続けたことが、お前らのせいでパァになっちまったんだ!!」
Σz# ゚ー )リ「その落とし前、てめぇら二人の体で払ってもらうぜ?」
(´<_`/;)「あっ……あぁ……」
.
208
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:37:59 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「お前らが払うべき対価は二つ」
Σz ゚ー )リ「一つ目はお前らのせいで死んだデュオへの詫び」
Σz ゚ー )リ「二つ目は仕事を怠り俺たちの邪魔をしたことへの詫びだ」
(´<_`/;)「あぅぅ……」
Σz ゚ー )リ「償いは、お前らのせいで被害にあった人間の痛みの追体験で許してやる」
Σz ゚ー )リ「死なない程度に爆破して、切り刻んで魚のエサにでもしてやるよ」
Σz ゚ー )リ「義理を重んじるサウスガットなら、そうされても無理はねぇって理解するよなぁ?」
(´<_`/;)「まっ……待ってくれぇ!!」
Σz ゚ー )リ「命乞いもさせねぇよ。詫びて死ねバカ」
.
209
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:38:46 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「す、すまなかった!まさかそんなことになってるなんて……」
Σz ゚ー )リ「今さら謝罪はいらねぇよ。体で返せっつってんだろ?」
Σz ゚ー )リ「兄貴の方は取り乱して話にもならなかったがな」
(´<_`/;)「兄者……」
Σz ゚ー )リ「さぁて、俺もヒマな身じゃねぇんでね」
Σz ゚ー )リ「さっさと殺して、海にでも撒いてやるぜ」
(´<_`/;)「待った!!それなら俺たちをあんたの元で雇ってくれ!!」
Σz ゚ー )リ「ハァ?」
.
210
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:40:15 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「体で返せって言うなら、ただ殺すよりその方が有益だろ?違うか?」
Σz ゚ー )リ「ハァ〜……分かってねぇな?」
Σz ゚ー )リ「俺はお前らを殺して憂さ晴らしさせろって言ってるんだぜ?」
Σz ゚ー )リ「それに俺にはお前らを雇うメリットが何一つねぇな」
(´<_`/;)「デュオさんが死んで人手が足りてないだろう?」
(´<_`/;)「それにあんたら、抗争で怪我人が出たって聞いた!」
(´<_`/;)「その穴埋めだと思って、好きなように使ってくれればいい!」
Σz ゚ー )リ「お前らを使うくらいなら寄生虫でも腹に住まわせた方がマシだな」
Σz ゚ー )リ「お前らはデュオを殺した。それだけはどうあっても覆らねぇんだよ」
Σz ゚ー )リ「デュオを殺した男を、デュオの代わりに雇うと思うか?」
(´<_`/;)「そうだよな……」
Σz ゚ー )リ「分かったらさっさと、辞世の句でも読みやがれ」
(´<_`/;)「だったら、これで許しちゃくれないかな」
.
211
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:41:01 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「ぬっ……!!!」ガッ
Σz ゚ー )リ「おい、妙な真似はするんじゃねぇ……」
(´<_`/;)「ぬぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ボキィッ
Σz ゚ー )リ「……!!」
(´<_`/;)「ぎっ……やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
Σz ゚ー )リ「おいおい、バカかお前。こいつ自分の指自分で折りやがった」
(´<_`/;)「こっ……これで足りるとは思ってない……あとの四本はあんたらが折っていい……」
(´<_`/;)「反対の指と足の指もくれてやるっ……だから……!!」
Σz ゚ー )リ「だから?」
(´<_`/;)「……あの、ヘタレの兄者だけは……見逃してやってくれ……」
Σz ゚ー )リ「……ほう?」
.
212
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:42:49 ID:Sxk0hBsY0
.
(´<_`/;)「あいつは……勢いで家を出ただけの半端者だし……指を自分で折る度胸もない……」
(´<_`/;)「だから……俺があいつの代わりに謝るから……」
Σz ゚ー )リ「……」ポリポリ
Σz ゚ー )リ「言っておくが、俺は情にほだされて手加減するようなマヌケじゃねぇ」
Σz ゚ー )リ「やれってんならキッチリ指はいただくが、それで本当にいいんだな?」
(´<_`/;)「お……おう……」
Σz ゚ー )リ「よーし、お前らそいつを押さえとけ。いざとなって逃げられちゃ堪らんからな」
(´<_`/;)「……!!」ガシィッ
Σz ゚ー )リ「まずは中指の爪を剥いで、剥き出しの皮膚に砂利をすりこむ」
Σz ゚ー )リ「その上で指をへし折り、それを全ての指で繰り返す。いいな?」
(´<_`/;)「うぅっ……」
Σz ゚ー )リ「ま、今さら嫌だと言ってもやるんだがな」
Σz ゚ー )リ「恨むならこんなこと提案した自分を恨めよ」
パキッ…
( <_ /;)「ぎっ……!!」
<ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……
.
213
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:44:53 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
( <_ /;)「ぁ……ぅぅ……」
Σz ゚ー )リ「よーしお前ら、離していいぞ」
Σz ゚ー )リ「どうせその手じゃ、ロクな反抗も出来やしねーだろ」
( <_ /;)「や………約束だ………これで、兄者を……解放して………くれ………」
Σz ゚ー )リ「大したガッツだぜ。両手どころか足も耐えきるたぁな」
( <_ /;)「それじゃあ……」
.
214
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:45:19 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「だが、それとこれとは話が別だ」
Σz ゚ー )リ「俺ぁ一言も、お前の話に了承したとは言ってねぇぜ?」
( <_ /;)「……!!」
Σz ゚ー )リ「次は兄貴にも同じ罰を与える。何でもお前の思い通りに行くと思うなよ」
( <_ /;)「うっ……」
(´<_`/;)「うぁぁぁぁぁっ!!!」ドドッ
Σz ゚ー )リ「おうおう、その体でよく突っかかって来やがるぜ」
Σz ゚ー )リ「だが、ムダだ」ゲシッ
(´<_`/;)「ぎゃっ……!!」
Σz ゚ー )リ「自分の体の状態は理解しとけよ。お前は今、歩くのも難儀する体なんだぜ?」
(´<_`/;)「ぐぅぅぅっ……!!クソォ、クソォぉぉ……!!!」
.
215
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:46:28 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「悔しいか、ボーイ。テメーの覚悟を鼻で笑われ、約束を反故にされるのは」
Σz ゚ー )リ「悔しかったらもっと突っかかってこいや。なぁ?」クィクィ
(´<_`/;)「うぅぅぅぅ……!!」ジタバタ
Σz ゚ー )リ「ハッ。まるで死にかけたコックローチだな。しょーもない野郎だぜ」
(´<_`/;)「クッ……」
Σz ゚ー )リ「だが、ま、いいだろ」
Σz ゚ー )リ「合格だ、オットー=サウスガット。お前の根性、見届けたぜ」
(´<_`/;)「………は?」
Σz ゚ー )リ「まだ分からねぇのか?俺はお前を試してたんだよ」
.
216
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:48:01 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「お前らはかの有名なサウスガットファミリーの一員だ」
Σz ゚ー )リ「どんな能力持ってっか、完全な保証は出来ねぇからな」
Σz ゚ー )リ「だが、お前は最後まで能力を使って反抗する意思を見せなかった」
Σz ゚ー )リ「義理堅いサウスガットが、家族を殺されるかもしれねぇ危機に演技するなんざ有り得ねぇからな」
Σz ゚ー )リ「つまりお前は、無能力者の安牌ってこった」
(´<_`/;)「そ……それを確かめるために……俺の指を……?」
Σz ゚ー )リ「おいおい、勘違いすんなバカ。指はテメーが壊していいっつったんだろがよ」
Σz ゚ー )リ「自分で自分の指を折るような大バカな真似してなきゃ、お前らはもうとっくに殺されてたんだよ」
Σz ゚ー )リ「言うなれば、俺は指を折っただけで許してやったんだ。寛大な処置だろ?」
(´<_`/;)「どこが寛大だよ……」
Σz ゚ー )リ「殺さなかっただけ、十分寛大だろうがよ」
.
217
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:49:02 ID:Sxk0hBsY0
.
Σz ゚ー )リ「だが、安心するのはまだ早ぇぜ?」
Σz ゚ー )リ「テメーらに任す仕事は、世界一楽勝で世界一キツい仕事だ」
(´<_`/;)「……」
Σz ゚ー )リ「テメーらには、引き続き地下への食糧の運搬をやってもらう」
Σz ゚ー )リ「そのついでに奴の監視と、状況報告もしてこいや」
Σz ゚ー )リ「いつもならエサを届けりゃそれで終わりだが、お前らには奴の食事まで付き合ってもらうぜ」
Σz ゚ー )リ「もし万が一メシが足りねぇとなれば、次に食われるのは監視をしてるお前らだろうな?」
(´<_`/;)「ひ、ひぇぇ……」
Σz ゚ー )リ「奴ぁ気まぐれだから、お前らを殺すも殺さないも機嫌一つってこった」
(´<_`/;)「そ、その化け物って……何なんだよ……?」
Σz ゚ー )リ「ハッ、知らねぇのも無理はねぇか。なんせ潜伏初めて十五年だからな」
Σz ゚ー )リ「奴ぁこの街最強にして最悪のヴィラン、あのビッグトレジャーとも互角に渡り合った怪物」
Σz ゚ー )リ「その名は、ファニーフェイス」
(´<_`/;)「ファニー……フェイス……」
.
218
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:49:40 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
(´<_` )「なんだ、兄者」
( ´_ゝ`)「俺たち、家を飛び出してどれくらい経つ?」
(´<_` )「……一ヶ月ってとこじゃないかな」
( ´_ゝ`)「そっか」
(´<_` )「母者たち、心配してるかな」
( ´_ゝ`)「してるんじゃね?探しはしないだろうけど」
(´<_` )「だよな……」
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「……」
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
(´<_` )「なんだよ。聞きたいことあるならいっぺんに聞けよ」
( ´_ゝ`)「あのさ……」
.
219
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:50:12 ID:Sxk0hBsY0
.
( ´_ゝ`)「俺たち、なんでこんなことになっちまったんだろうな……」
(´<_` )「……さぁ、分からん」
( ∀ )「グゴォォォォォォォ……グゴッ、グゴォォォォォォォ……」
【クラウン・シティ地下下水道、最深部にて……】
.
220
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:50:52 ID:Sxk0hBsY0
第十七話終わり
221
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:51:47 ID:Sxk0hBsY0
【登場人物紹介】
( ゚∋゚)
デュオ=クルー
ダスティの部下だった男。口は悪いが面倒見は意外と良い。享年31歳。
.
222
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:53:13 ID:Sxk0hBsY0
三ヶ月近くお待たせしてすみませんでした。支援や感想などいつもありがとうございます。
そして
>>156
さん、素敵なイラストをありがとうございました。保存させていただきました。
引き続き、ビッグトレジャーをお楽しみください。
223
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:59:14 ID:Sxk0hBsY0
.
.
224
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 18:59:24 ID:QWWMAVYk0
おかえり、時系列忘れたから読み直すか
225
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 19:00:15 ID:Sxk0hBsY0
.
─────
────
───
──
次回予告。
.
226
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 19:00:54 ID:Sxk0hBsY0
.
_
(;゚∀゚)「あ……アンネさん。もう止めにしませんか、こんな関係……」
決断する男……。
(゚、゚トソン「ウフ、ウフフフ……」
暗躍する女……。
从#゚∀从「テッメェ……人の弟に、何しやがったァッ!!!」
そして、渇望する男……。
.
227
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 19:01:28 ID:Sxk0hBsY0
.
次回、ビッグ・トレジャー。
『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL』
──開幕。
.
228
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 20:12:43 ID:ysZ0nLTs0
乙
兄弟はどんどん悪い方向に転がってったなぁだがしぶとい
次も楽しみ
229
:
名無しさん
:2018/06/28(木) 21:41:22 ID:NBU7aAAs0
乙だ
230
:
名無しさん
:2018/06/29(金) 06:32:55 ID:QNMMbtkM0
おつおつ
231
:
名無しさん
:2018/06/29(金) 11:07:15 ID:N4XIIVGk0
オットーナイスガッツ
乙
232
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:14:25 ID:yIsMsiPA0
.
第十八話『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL 〜前編〜』
.
233
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:16:15 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【某月某日、とあるバーにて……】
_
( ゚∀゚)「……」
∬´_ゝ`)「ハァイ、ジョージ」
_
( ゚∀゚)「あ。アンネさん」
∬´_ゝ`)「珍しいわね。あなたから会いたいなんて言ってくるなんて」
_
(;゚∀゚)「い、いやぁ……へへへ」
∬´_ゝ`)「マスター、ブラッディメアリーをちょうだい」
_
( ゚∀゚)「あ、俺はスコッチをダブルで……」
∬´_ゝ`)「それで、今日は何のご用?」
∬´_ゝ`)「またなにか有益な情報でもくださるのかしら?」
_
(;゚∀゚)「……」
_
(;゚∀゚)「あ……アンネさん。もう止めにしませんか、こんな関係……」
∬´_ゝ`)「……ふーん?」
.
234
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:17:52 ID:yIsMsiPA0
.
_
(;゚∀゚)「いつかダメになるとは思ってたけど、ついに兄貴にバレちまったんだ……」
_
(;゚∀゚)「このままじゃあんたにも害が及ぶ。だからもう……」
∬´_ゝ`)「何かと思ったらそんなこと?」
_
(;゚∀゚)「そんなことって……」
∬´_ゝ`)「いいこと教えてあげるわ、ジョージ。乗りかかった船からは誰も降りれないのよ」
∬´_ゝ`)「ましてや、初めに私へ声を掛けてきたのはそっちだものね?」
_
(;゚∀゚)「そ、そりゃ最初はヴィランって知らなかったから……」
∬´_ゝ`)「人目のあるところで人の正体バラさないでちょうだい」
_
(;゚∀゚)「ご、ごめん……」
∬´_ゝ`)「それに、私だって切られると分かったら警察へ密告するわよ」
∬´_ゝ`)「そうなったらあなた、どうしたって懲戒は免れないでしょうねぇ」
_
(;゚∀゚)「……」
.
235
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:18:59 ID:yIsMsiPA0
.
∬´_ゝ`)「何度も言ってること、もう一度あなたに言っておいてあげる」
∬´_ゝ`)「私はあなたなしでも生きていけるけど、あなたにそれを許すほど甘チャンじゃない」
∬´_ゝ`)「どちらにしろ、どう言い繕ったってもうあなたには破滅しかないのよ」
∬´_ゝ`)「だったらそれを少しでも先延ばしにして、恋人ゴッコを楽しみなさいよ?」
_
(;゚∀゚)「……」
∬´_ゝ`)「それと、自分と手を切るのが私のためみたいな言い方止めてくれる?」
∬´_ゝ`)「あなたのそれ、結局は保身でしかないって気づいてないの自分くらいよ?」
_
(;゚∀゚)「……!!」
∬´_ゝ`)「まぁ、ハイド署長にバレちゃったって知れたのは良かったわ」
∬´_ゝ`)「もし縁を切るときがあれば、それはこっちから足切りするときだけ」
∬´_ゝ`)「断じてあなたからじゃないってこと、よぉく覚えておきなさい」
_
(;゚∀゚)「うぅ……」
.
236
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:19:48 ID:yIsMsiPA0
.
∬´_ゝ`)「話はそれだけ?なら私はもうこれだけ飲んで帰るけど」
_
(;゚∀゚)「……」ガタッ
∬´_ゝ`)「あ、ちょっと。どこ行くのよ?」
_
(;゚∀゚)「……便所」
∬´_ゝ`)「……あっそう。早くしてね」
_
(;゚∀゚)「……」スタスタ
∬´_ゝ`)「……トイレと逆に歩いてんじゃないのよ」
∬´_ゝ`)「逃げたわね、あいつ」
∬´_ゝ`)「そろそろ潮時かしらね、彼との関係も」
∬´_ゝ`)「あ、マスター。私の会計さっきの彼にツケといて下さる?」
∬´_ゝ`)「それと次はソルティドッグを一杯お願いね?」
.
237
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:21:51 ID:yIsMsiPA0
.
_
(;゚∀゚)「クソッ……俺はバカだ、俺はバカだ、俺はバカだッ!!」
_
(;゚∀゚)「結局、兄貴の言った通りじゃないか……利用されるだけされて、捨てられて……」
_
(;゚∀゚)「……クソォッ!!」ガァンッ
_
(;゚∀゚)「何だって俺はこんなダメ人間なんだよぉ……チクショオ……」
『あの、すみません……』
_
( ゚∀゚)「……あ?」
『ジョージ=ハートマンさん、ですよね?』
_
( ゚∀゚)「……誰だ、あんた」
『お初にお目にかかります、私……』
(゚、゚トソン「ハイドさんの知人の、トソン=コレークという者です」
_
( ゚∀゚)「兄貴の知り合い……?」
(゚、゚トソン「ちょっとお話できませんか?」
_
( ゚∀゚)「……まぁいいけど。どうせ飲み直すつもりだったし」
.
238
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:22:39 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从(ジョージが出かけてもう三時間か……)
从 ゚∀从(サウスガットとケリをつけに行くなんて息巻いてたが、時間かかりすぎだろ)
从 ゚∀从(まさかあいつ、始末されたなんてことないだろうな……?)
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「あいつの行きそうなとこ探してみっか……」
从 ゚∀从「案外そこいらで酔い潰れてるかもしんねーしな」
ピンポーン
从 ゚∀从「……!!」
.
239
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:23:47 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「んだよあいつ……探そうとした矢先に帰って来やがって」
从 ゚∀从「あーい、今開けるっつーの……」
从 ゚∀从「……」ピタ
从 ゚∀从(……あいつならインターホンなんか鳴らすはずねぇ)
从 ゚∀从(じゃ、誰だ?)
『夜分遅く失礼します。ジョージさんのおうちはここですか?』
从 ゚∀从「……」
『ジョージさんが酔われてこちらまで運んだので、開けて欲しいのですが』
从 ゚∀从(この声……どこかで……?)
从 ゚∀从(……ドアの隙間から覗いてみっか)
从 ゚∀从「……」ガチャ
.
240
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:25:18 ID:yIsMsiPA0
.
_
(#)∀メ) グシャ…
从;゚∀从「!?」ガタッ
从;゚∀从「おい、ジョージ!!何があった!?」ガチャンッ
(^、^トソン「グ〜ッドイブニ〜ング」
从#゚∀从「お前は……アルのジジィの……!!」
从#゚∀从「テッメェ……人の弟に、何しやがったァッ!!!」
(゚、゚トソン「静かにされた方がいいですよ?近所迷惑ですから」
(゚、゚トソン「あ、それとこのゴミ、返しておきますね」
_
(#)∀メ)「あ、が……」ドチャッ
从;゚∀从「ジョージ!!」
从#゚∀从「……殺すッ!!」
.
241
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:26:18 ID:yIsMsiPA0
.
フワッ…
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「さぁ、私の手をよく見て」
(゚、゚トソン キィンッ
从; ∀从 クラッ
从; ∀从「なっ……?」
(゚、゚トソン「まだ怒ってますか?」
从; ∀从「……いいや」
(゚、゚トソン「はい、よろしいです」
(゚、゚トソン「私はあなたの友人。暴行を受けたあなたの弟さんを、ここまで連れて来ました」
(゚、゚トソン「名前は覚えてますか?トソン=コレークですよ?」
(゚、゚トソン「私がここにいるのは何ら不自然じゃないし、あなたは私に感謝する」
(゚、゚トソン「分かったら、今はお眠りなさい」トンッ
从; ∀从「……」ドサッ
(^、^トソン「……ウフ」
.
242
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:27:44 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
『ハイド、ちょっと話がある。こっちへ来なさい』
从 ゚∀从『なんだよ、父ちゃん』
『父ちゃん、今度再婚しようと思ってな』
从 ゚∀从『え……?』
『お前に、新しい母さんと兄弟が出来るかもしれないんだ』
『お前の意思は尊重するが、弟でも妹でも、出来たら仲良くしてあげてくれないかな』
从 ゚∀从『……別に、父ちゃんの好きにしたらいいじゃん』
从 ゚∀从『弟も妹も母ちゃんも、俺は別に欲しくねーし』
『そうか……すまないな、ハイド。いつもお前には我慢ばかりさせて』
从 ゚∀从『我慢なんか、したことねーやい』
从 ゚∀从『……父ちゃんのバーカ』
.
243
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:29:03 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
『ほら、ハイド。ご覧、お前の弟だ』
_
( ー∀ー) スヤァ
从 ゚∀从『うわぁ……ちっこいな……』
『あぁ、そうだな。赤ん坊だからな』
从 ゚∀从『……へへ』
从 ゚∀从『うわっ!父ちゃん見ろよ。こいつ俺の指にぎったぜ!』
『本当だ。きっとハイドのこと、気に入ってくれたんだなぁ』
『名前で呼んでやれば、もっと喜ぶかもしれないぞ』
『ジョージって呼んでやっておやり』
从 ゚∀从『……ジョージ。ジョージかぁ』
从 ゚∀从『へへへ……ジョージ!』
.
244
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:30:07 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
从 ー∀从「ジョージ……」スヤスヤ
从 ゚∀从 パチ
从 ゚∀从「……夢?」
从 ゚∀从「……いつの間に寝てたんだ、俺は」
从 ゚∀从 ボーッ…
从;゚∀从「……そうだ!!ジョージは!?」ガバッ
_
(ロ)ー∀ー)「……」スヤァ
从;゚∀从「……生きてたか。良かった」
从 ゚∀从「いってぇ誰がこんなことしやがったんだ……」
.
245
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:31:49 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「おはようございます」
从 ゚∀从「……!」
从 ゚∀从「お前……確か……」
(゚、゚トソン「トソンですよ。まさか忘れたんですか?」
(゚、゚トソン「アルおじさんの姪で、何度かお会いしたじゃないですか」
从;゚∀从「あぁ……そうだっけか……?」
(゚、゚トソン「そうですよ。昨日ジョージさんを介抱して、泊まらせてもらったんです」
从 ゚∀从「ん……そうか、悪いな。どうも昨日の記憶が曖昧でな……」
(゚、゚トソン「いいんです。でも、私もびっくりしました」
(゚、゚トソン「昨日、たまたまジョージさんと行き合って飲んでたんですけど」
(゚、゚トソン「帰りに暴漢に襲われて……二人組の若い男でした」
从 ゚∀从「あんたはケガしてないのか?」
(゚、゚トソン「えぇ……」
从 ゚∀从「そりゃ変だな」
.
246
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:32:33 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「ジョージが意識を失ったなら、次はあんたに矛先が向かってもおかしかないはずだが」
从 ゚∀从「なんであんたは、無傷で逃げ帰れた?」
(゚、゚トソン「……これですよ」コトリ
从 ゚∀从「……銃か」
(゚、゚トソン「えぇ。といってもモデルガンですけど」
(゚、゚トソン「相手は素手だったので、襲われてる最中にこれで威嚇したら逃げていったんです」
从 ゚∀从「なるほどな……てことは、相手は完全なジョージへの私怨ってことか」
(゚、゚トソン「恐らく……最初からジョージさんを狙ってる風でしたから」
从 ゚∀从「すまねぇな、嬢ちゃん。俺ぁてっきりあんたも暴漢の仲間かと思ってたぜ」
(゚、゚トソン「疑われるのも当然です」
(゚、゚トソン「私も突然だったので、自衛しか出来ませんでしたから……」
.
247
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:33:26 ID:yIsMsiPA0
.
_
(ロ)ー∀ー)「ムニャ……」
_
(ロ)゚∀゚)「んっ……」パチ
从 ゚∀从「よう。目が覚めたかジョージ」
_
(ロ)゚∀゚)「兄貴……」
(゚、゚トソン「お目覚めですか、ジョージさん」
_
(;ロ)゚∀゚)「……!!」ビクッ
从 ゚∀从「どうした、ジョージ?顔色悪ぃぞ」
_
(;ロ)゚∀゚)「い、いや……あれ……?何でもない……」
从 ゚∀从「そうか……昨日何があってそんなになっちまったんだ?」
_
(;ロ)゚∀゚)「……それが、覚えてねぇんだ」
从 ゚∀从「あぁ?なんでだよ」
_
(;ロ)゚∀゚)「アンネさんと会って……トソンの嬢ちゃんと飲み直したのは覚えてるんだが……」
_
(;ロ)゚∀゚)「えっと……俺なんで襲われたんだっけ……?」
从 ゚∀从「チッ……記憶失うほど飲むんじゃねーよアホ」
_
(;ロ)゚∀゚)「……ごめん」
.
248
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:34:29 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「だが、こいつぁ立派な傷害罪だ。しかも警官への暴行と来てる」
从 ゚∀从「ジョージ。体調は?」
_
(;ロ)゚∀゚)「まだ完全には……奥歯ギシギシしてるし」
从 ゚∀从「そうか。なら今日一日は仕事休め」
从 ゚∀从「ほんで、署に出て来たら真っ先に被害届提出しろよ」
从 ゚∀从「相手が誰だろーと、俺が責任持って吊るして来てやっからよ」
_
(;ロ)゚∀゚)「おう……」
从 ゚∀从「トソンの嬢ちゃんも、悪かったな。巻き込んじまって」
从 ゚∀从「この礼はいつかするが、今日は俺も仕事なもんでな」
(゚、゚トソン「そのことなんですが……ハイドさん、今日はお仕事お休み出来ませんか?」
从 ゚∀从「あぁ?どういうこった?」
(゚、゚トソン「実は昨日ジョージさんに会ったのも、ここへ来る途中だったんです」
(゚、゚トソン「私の目的は、あなたと話すこと。そのために少し時間を取れませんか?」
从 ゚∀从「そいつぁ警官の仕事ほっぽってでも聞く価値のあることなのか?」
(゚、゚トソン「あると思います。少なくとも私は、客観的にそう判断します」
.
249
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:35:31 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「……わーったよ。だが俺も署長って立場上サボる訳にゃいかないんでな」
从 ゚∀从「七時には無理やり仕事切り上げてくらぁ。それまでどっかで時間潰しててくれや」
从 ゚∀从「……」サラサラッ
从 ゚∀从「待ち合わせの時間になったらここへ来い。話はそこでだ」ピッ
(゚、゚トソン「分かりました」
从 ゚∀从「ジョージ。お前は必要なら医者行っとけよ」
_
(;ロ)゚∀゚)「そうするよ……いつつ……」
从 ゚∀从「じゃあな、二人とも。養生しとけよ」
(゚、゚トソン「いってらっしゃい」
_
(ロ)゚∀゚)「うぃす」
(^、^トソン「……」ニコッ
.
250
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:37:54 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「フーッ……」カツ、カツ
( "ゞ)「署長?どうなさったんです?何か考え事ですか?」
从 ゚∀从「あ?あぁ、いや、何でもない」
( "ゞ)「そうですか?イライラしてる時に机をペンで叩くの、署長のクセですよ」
从;゚∀从「む……」
( ^ω^)「ジョージさんがまたサボって、イライラしてるんですかお?」
£°ゞ°)「オー、きっとそうネー!署長一番近くにいるからイライラもひとしおヨー!」
从 ゚∀从「バーカ、そんなんじゃねーよ。それに今日はあいつもボサりじゃねぇっつの」
( "ゞ)「でしたら、なんでため息なんか?」
从 ゚∀从「気にすんな。お前らにゃ関係のねーこった」
从 ゚∀从「おら、散れ散れ。さっさと自分の業務に戻りな」
( ^ω^)「それならいいですけど……」
£°ゞ°)「署長、考え出すと止まらないクレイジートレインだからネー」
从 ゚∀从(……やっぱあの女、怪しいよなぁ)カツカツ
( "ゞ)「……」
.
251
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:39:15 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【そして、その日の終業後……】
(゚、゚トソン「……」
从 ゚∀从「よう、トソンの姉ちゃん。待たせたな」
(゚、゚トソン「あ、どうも。お疲れ様です」
从 ゚∀从「コーヒー、ブレンドひとつ。ブラックで頼むわ」
(゚、゚トソン「私はモカを……」
从 ゚∀从「腹減ってたら食い物も頼めよ。代金は俺が持つからよ」
(゚、゚トソン「いいえ、いいですよ。心配されないでください」
从 ゚∀从「そっか。ジョージの様子はどうだ?」
(゚、゚トソン「病院へ行くと行っていたので、そこで別れました。悪化はしていないと思いますが」
从 ゚∀从「そうか。悪かったな、世話させて」
(゚、゚トソン「いえいえ」
.
252
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:40:35 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「それで?単刀直入に聞くが、俺に話ってのは何なんだ?」
从 ゚∀从「まさかパパの愚痴でも聞かせようってんじゃないだろ?」
(゚、゚トソン「そうですね……何から話せばよいか」
(゚、゚トソン「ハイドさんは、ヒーローやヴィランが元は普通の人間だったという話をご存知ですか?」
从 ゚∀从「あ?あぁ、聞いたことあるぜ」
从 ゚∀从「その手の研究にゃ事欠かないメガネが知り合いにいるんでな」
(゚、゚トソン「では、彼らがどういった経緯で力を手にするかは知っていますか?」
从 ゚∀从「あぁ。なんでも奴らは、奇妙な夢を見るんだろ?」
(゚、゚トソン「ですね。夢の問いかけに答えることで、超常的な力を得るとか」
从 ゚∀从「だが、それがどうした?」
(゚、゚トソン「……もし、その夢を経由することなく力を手に入れることが出来るとしたら」
(゚、゚トソン「あなたはそれを得たいと思いますか?」
从 ゚∀从「……!!」
.
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