したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ショタ提督「ポケモントレーナーになりたいなー」明石「了解です!」

1名前なんか必要ねぇんだよ!:2017/11/19(日) 19:17:28 ID:Wt134MFc
はじめまして! ポケット モンスターの せかいへ ようこそ!

わたしの なまえは オーヨド みんなからは ポケモン はかせと したわれて います

この せかいには ポケット モンスター と よばれる いきもの たちが

いたるところに すんでいる!

その ポケモン という いきものを ひとは ペットに したり しょうぶに つかったり…

そして…

わたしは この ポケモンの けんきゅうを してる というわけです!





明石「はい」

ショタ提督「すごいなぁ(小並)」

大淀博士「じゃあ早速旅に出てください」

ショタ提督「よく分からないけどまぁいいか」

大淀「その前にポケモンをお渡ししますね」

ショタ提督「あっ、モンスターボールが3つあるんでしょ?」

明石「あったんですけどねぇ」

大淀「どうやら駆逐の子達が持って行っちゃって1つしかないんですよ」

ショタ提督「えぇ......じゃあそのポケモンは?」

大淀「>>3です」

671名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:31:00 ID:DvUWV9cU

吹雪「ダメだ......強い......!!」

ジュゴン「ゴ、ゴン......」

サバン

ジュゴンは力尽きた

ショタT「ハァー......ハァー......」

ジュゴンの体にとがった岩で傷つけられた裂傷が見える

周辺には依然として見えない岩が漂っている

吹雪「......戻って、ジュゴン」

ポゥン

ショタT(......やっぱり......この岩のせいで......)


傷口を押さえ、痛みも押し殺しながら少年は考える

見えない岩を注意深く掻き分けて安全な海域まで離脱するか

ウツロイド「ウツ〜〜〜」

多分アイツが許してくれない

ダメージ覚悟で猛スピードで逃げるか

吹雪「......ショウタくん」

あの子を自分と同じ目に遭わせる訳には行かない

ショタT「ハァーハァー......ハァーハァー......」


ウツロイド「ウツ〜〜〜〜〜〜〜〜」

凍える風で鈍くなった体で、ゆっくりゆっくりとこちらに近づいてくる

672名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:31:58 ID:DvUWV9cU

ショタT「吹雪ちゃん、周りの岩に注意して、逃げて............」

吹雪「!? そ、そんなっ......」

ショタT「見て......僕にはまだ......ハァー......これがあるよ......」

空のモンスターボールを見せる

ショタT「ハァー......もしかしたら、ゲットできるかも......」

吹雪「ダメだよっ......危な過ぎる......!」

吹雪の目から涙が落ちる

ショタT「お願いがある............帰ったら、あのお姉さんにゴメンなさいって......僕の分まで......」

吹雪「そんな......!!」



「やっ!と!見つ!け!たっ!!」



ウツロイド「ウツッ!?」


ショタT「はっ......!?」

吹雪「この声は!?」


ザアアアアアアッ!!

一人の女性を乗せたポケモンが海上を走ってくる


ラプラス「ラァァァァ!!」ザァァァァ

リシュリュー「私がやる! どきなさい!!」

673名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:32:55 ID:DvUWV9cU

吹雪「ラ、ラプラス、いけないっ! 今ここは危険です!!」

リシュリュー「んー......? 止まりなさい、Lokhass!」

ラプラス「ラプっ!?」ピタッ

目を凝らす

目では見えないそれを確かに捉える

リシュリュー「“Piege de Roc”......成る程、手負いのこの子で近づくのは危険ってことね」

ラプラス「ラ、ラプ......」

リシュリュー「だけどこの位置からでも、何も出来ない訳じゃないわよ。あなたたち! 戦えるポケモンは残ってる!?」

ショタT「......!」コクッ

吹雪「は、はい!......でも、足場がないんです! ショウタくんのポケモンが立つことの出来る足場が!!」

リシュリュー「足場?......分かったわ......」


リシュリュー「“ Laser Glace ”!!」


ラプラス「ラァァァァッ!!」カッ


ラプラスの冷凍ビーム!

674名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:34:02 ID:DvUWV9cU


ピキピキピキピキピキピキ!!!

氷点下の冷気が走る

しかし攻撃はウツロイドの明後日の方向に飛んでいく

ウツロイド「うつ〜?」


吹雪「ダメ! 全然当たらない!!」

ショタT「いや、違う......!」


リシュリュー「見てごらん。勝利への航路は、誰かに与えられるものでなく、自ら切り開くものよ!」

リシュリュー「現れなさい! 未来を導くサーキット!!」

ラプラスから放たれた冷凍ビームは海上に線を描き


吹雪「......あっ!!」

ショタT「これだっ!!」


氷の台地が眼前に広がっている


リシュリュー「どう、分かったかしら?」


ショタT「......条件は揃った。頼むよ......ルカリオ!」

ポゥン!

スタッ

ルカリオ「ルカァッ!!」

氷上に立つルカリオ

675名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:34:58 ID:DvUWV9cU

ショタT「僕らの想いは......波導の力を操る勇者へと受け継がれる! メガシンカ!!」

ルカリオ「ルゥゥゥゥ......!!」

ルカリオが光に包まれる

ウツロイド「ウツ?」

ショタT「来い、メガルカリオ!!」



メガルカリオ「カァッッッ!!!」



ウツロイド「ウッ......!?」

サーッ

ウツロイドがメガルカリオから距離をとろうとする

吹雪「まずい、また逃げる気だよ!」

ショタT「いいや、逃がしはしない......絶対にっ!!」

ショタT「行くよっ......ルカリオの攻撃......波導弾!!!」


メガルカリオ「リィィィィィオッッッ!!!」ゴオオオオオオ!!

メガルカリオからウツロイド目掛けエネルギー弾が放たれる


ウツロイド「ロイッ!!」ヒョイッ

ウツロイドが避けようとする

しかし

ウツロイド「ロイッ......ロイッ?......ロイッ!......ロイッ!?」ヒョイッヒョイッヒョイッヒョイッ

ウツロイドの動きに合わせ波導弾が追尾してくる


ショタT「無駄だよ......波導弾は......ポケモンの持つ波導の力に引き寄せられて......どこまでも追い続ける!!」


ウツロイド「ロ......ロイ〜〜〜ッ!?」


バアアアアアアン!!

ウツロイドに波導弾がヒットする

676名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:35:42 ID:DvUWV9cU


ショタT「はぁー......はぁー......」

吹雪「............!」

リシュリュー「......」



ウツロイド「ウッ......ツ〜〜〜......!」シュウウウウ

煙を上げ満身創痍となりながらも、今だ空中に留まるウツロイド


ショタT「こ......こいつ......まだ落ちないっ!?」

吹雪「そんなっ!?」

リシュリュー「......でも、ここまでのようね」


キッ

キッ

ギュイン!

突如、空中にワームホールが出現する


ショタT「っ!?」


ウツロイド「ロイ〜〜〜〜......」スーッ


ウツロイドはワームホールに消え、海は本来の姿を取り戻した


静かな海に

677名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:36:39 ID:DvUWV9cU





〜砂浜〜



ショタT「......いたっ!」

リシュリュー「応急処置よ。これで終わりじゃないからね。さっさと帰って手当ての続きをするわよ」

ショタT「あ、ありがとうございます......」

吹雪「ポケモンセンターならすぐ近くにあるよ。どう、歩けそう?」

ショタT「もう大丈夫だよ」

リシュリュー「そんなわけないでしょうがっ」グイッ

ショタT「んえっ......!?」

リシュリューに担がれるショタ提督

ショタT「さ、さすがにこの格好で連れて行かれるのは......///」

リシュリュー「ワガママ言うんじゃないわよ、まったく......ん?」

ラプラス「らぷー」

リシュリュー「あなた。あの子が呼んでるわよ」

吹雪「......? ......ラプラスが?」

ザッザッ

ラプラスに近寄る吹雪

ラプラス「らす〜〜〜」

吹雪「............あなたも、私と一緒に......来たいの?」

ラプラス「ら〜♪」

吹雪「ふふっ♪ ありがとう。はいっ、モンスターボール」

ポゥン

ヌッ ヌッ ヌッ

カチッ!

吹雪「......ラプラス......ゲットですっ!」


どこからともなくラプラスの歌声が聞こえる








続くったら続く

678名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:37:25 ID:DvUWV9cU



大淀博士「さーて今回のポケモンは」

大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ

No.131

大淀博士「No.131と言えば、そう、ラプラスですね」

大淀博士「人の言葉を理解する高い知能を持ち、海の上を人を乗せて進むことを好みます」

大淀博士「密漁で絶滅が危惧されたため保護の対象となっていますが、地域によっては逆に増え過ぎているそうです」

大淀博士「私個人としては乗るのも乗られるのも好きなんですけどね。ラプラスさんは騎上位ってのは、したこのないんですか?」

ラプラス「ラプー!」

ドォン!!!

ラプラスの のしかかり!

大淀博士「乗るのも大好きだそうでs」ムギュー





ここで一句



ラプラスと

いつでもどこでも

ラブプラス



大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」

679名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:41:02 ID:DvUWV9cU
次回

登場キャラ
>>680

ポケモン
>>681

680名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 22:42:13 ID:X/0zRo.6
タカオ(アルペジオ) 
…一応コラボした仲ということで…だめなら安価下

681名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 23:32:15 ID:fadaRNOI
ブラッキー
(艦娘も必要なら秋月)

682名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/15(木) 23:47:34 ID:DvUWV9cU
>>680
>>681
うけたまりっ!
基本的に上の安価は艦これキャラ以外は対応出来ないつもりですけどアルペキャラならまぁ行けます、あんまメインで書けないかもしれませんが…
(既に安価外のキャラをメインで書くことが多いのはゆるして)

683名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:32:21 ID:Op/oQJ66
まず謝罪

今回のエピソードで>>680の安価は捌けませんでした...(小声)
いつ拾えるか分かりませんが遠くならないうち登場させたいです、書きたいキャラではあるので
今後も場合によっては安価を見送ったりするかもしれませんがどうかご了承下さい

(では書けた分だけで投下して)イッキーマウス...

684名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:33:23 ID:Op/oQJ66











スー......スー......

建物内の一室で少年が静かに寝息を立てている

ガラッ

トッ トッ

そこに静かに歩み寄る少女

吹雪「......」

ショタT「すー............」

吹雪「......あっ......朝だよ、ショウタくん。起きて」

ショタT「............あ......うん......」

億劫そうにかけ布団をどける

吹雪「昨夜は寝付けなくて辛いと思うけど......朝ご飯、出来てるからさ」

吹雪「あ、服、脱がすよ......?」

ショタT「............?」

吹雪「いやっ! そ、その......傷あて、新しいのに変えるだけ、だから......ね......?」

ショタT「......そっか......」

左の脇腹に手を当てる

昨日の戦闘で付いた傷を医療用の傷パッドが覆っている

傷はさほど深刻ではなく、肉が抉り取られるような痛みはもう無い

吹雪「ちょっと痛むけど、我慢してね......」

ショタT「......っ」

吹雪「......はい、終わり」

ショタT「......ありがとう......」

吹雪「立ち上がれる?」

ショタT「うん......っと......」

よろめく体を支えてもらいながら歩きだす

ショタT「ねぇ......吹雪ちゃん」

吹雪「なぁに?」

ショタT「本当にありがとう......」

吹雪「............私の方こそ」

685名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:34:08 ID:Op/oQJ66



〜テラス席〜



吹雪「ほら、あちらに」

ショタT「......あ」

サングラスをかけた一人の女性がイスに腰掛けている

テーブルには異国の香り漂う朝食が並べられている

リシュリュー「フーン。案外Vacancesで過ごすには悪くないトコかもねぇ」

リシュリュー「ただ......Cafeの一つもないなんて、どんだけ田舎なのよ」

吹雪「あぇっ!?......す、すみません、何もない所で......」ペコリ

リシュリュー「あらっ、来てたの? というかあなたが謝る必要ないでしょう」

リシュリュー「ん?」

ショタT「......昨日は、ありがとうございました......」ペコリ

リシュリュー「ふん。礼ならそっちに言いなさい。夜通しあなたの面倒見てあげてたのよ?」

ショタT「えっ......?」

吹雪「えぇっ!? 言わなくていいですからっ......///」

リシュリュー「分かったから、さっさとお食べ。冷めるわよ」

(着席)

ショタT「頂きます......んっ」モグッ

吹雪「もぅ、いただきますっ......はむ」モグッ

吹雪「......こ、これ!」

ショタT「おいしい......」

ガツガツモグモグ

リシュリュー「ふふっ、沢山食べて、早く元気つけなさい」

♪♪♪

リシュリュー「んー? 連絡?」

リシュリュー「......あら、客人がお見えね」

686名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:34:57 ID:Op/oQJ66





陸奥「ボンジュール♪ で良かったかしら、リシュリューさん?」

リシュリュー「Bonjour. 別に気遣わなくていいわよ。おはよう、陸奥」

リシュリュー「で、そっちの子は?」

陸奥「さ、自己紹介をお願い」

後ろにいる少女が前に出る

秋月「秋月です。陸奥さんの下でご指導を頂いております」

陸奥「優秀な子よ。いずれ立派なレンジャーになれる。あなたからも助言をくれると助かるわ」

リシュリュー「ふーん、よろしくね」

秋月「よろしくお願いします」

陸奥「......急に本題に入るけど、『例の子』に遭遇したと言うのは本当?」

リシュリュー「遭ったわよ。けど先を越されたわ。ほら、そこの」

陸奥「......あら?......あらあらあら!」

ショタT「......モグモグ......ん?」

陸奥「あーなーたー、いつぞやのやんちゃな少年じゃない。ここで何してるのー?」

陸奥「分かった。ま〜た大人のお姉さんを困らせるようなことしたのね? 本当に、イケナイ子」

ショタT「あ......はい......」

陸奥「あ、あら?」

ショタT「......すみません」ペコリ

陸奥「............」

ポン

少年の頭を撫でる陸奥

ショタT「えっ......」ナデナデ

陸奥「怖かったのね。でも大丈夫、もう私たちが傍に居るから」

ショタT「......ありがとうございます」

陸奥「ふふっ♪ そこのお嬢さん? あなたもこの子と一緒に?」

吹雪「......えっ? あっ、私ですか!?」

リシュリュー「昨日からずーっと一緒よ。その若妻は」

陸奥「あらあら」

吹雪「んえぇぇっ!!??///」

687名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:35:43 ID:Op/oQJ66

リシュリュー「折角の朝食よ。あなたたちも一緒にどう? 今cafeを淹れるわ」

陸奥「それじゃあお言葉に甘えて♪ さ、秋月さんも」

秋月「えっ、あ、秋月にはそのようなおもてなしは......勿体無いです......」

陸奥「ダメです。こういうのは断る方が失礼よ。ありがたくご馳走にならなくちゃ」

秋月「そ、それでは......」

(着席)

クロワッサンを持つ秋月の手が震えている

秋月「た、多大なる感謝の意を込めて......い、い"た"だ"き"ま"す"っ!!!」

リシュリュー「重いっ!!!!」

陸奥「彼女は日ごろから節制に努めてるから」モグモグ

秋月「グスッ......美味しい、美味じいでず......」ポロポロ

リシュリュー「涙流しながら食べるのはやめなさい......パンがふやけてるでしょうが......」

陸奥「ところでお嬢さん、名前はなんていうの?」

吹雪「あっ、私は吹雪です」

陸奥「吹雪さんね。というか、君の名も聞いてなかったわ?」

ショタT「あっ、僕の名前はショウタです」

陸奥「ショウタくん、私の名は陸奥。改めてよろしくね♪」

ショタT「よろしくお願いします......」

688名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 07:36:34 ID:Op/oQJ66








リシュリュー「......と言う訳で、色々あったのよ」

陸奥「やっぱり無茶な子ねぇ」

秋月「でも、立派だと思います。未知の敵にも勇敢に立ち向かえるなんて」

陸奥「勇敢なのと無謀なのは違うわ。もう少し懸命な判断が出来たはずよ」

ショタT「......すみません......」

陸奥「あらやだ、もう私ったら。説教するつもりは無かったのに......」

リシュリュー「言うべきことはキチンと言わなきゃダメよ。同じことされたら堪ったもんじゃないわ」

陸奥「ま、活発なお年頃ですもの。少しくらいは大目に見てあげましょう。それより......」

陸奥「秋月さん? 彼と一戦交えてみたくない?」

秋月「え? つまり、ポケモンバトルですか? いいんですか......?」

陸奥「誰かを護るということは、誰よりも強くならなければいけないってことよ。その為には鍛錬を怠ってはいけないわ」

陸奥「安心しなさい、この子は強いわよ。格上と分かれば気兼ねなく戦えるでしょう?」

秋月「は、はい! お任せ下さい!」

ショタT「え......バトル......ですか?」

陸奥「えぇ、いいかしら?」

ショタT「でも............僕は......もう......」

吹雪「............?」



ショタT「戦いたくない......」





続く

689名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 23:27:39 ID:Op/oQJ66











ザァー ザァー

波が打ち寄せる音

浜辺に座り込む一人の少年



ショタT「............」



夜空はきれいに晴れ渡り、風はあくまで涼しい

穏やかな海面には白い満月がくっきりと映えている



ショタT(......何やってるんだろう、僕......)



ふと思い出す

もうすぐ夏も終わる

学校が始まり以前の生活に戻れる

ぼんやりと考えていた



ショタT(............戻れるのかな)



ザッ ザッ ザッ ザッ

足音

足取りは早いが刻まれるリズムは一定で、息が整っているのが分かる


ショタT「......あっ......」


走る人影が目に映る

立ち上がる

あちらもこちらの存在に気付いたらしく駆け寄ってくる

月明かりに照らされ、そう近づかないうちに相手の顔がはっきりと分かる


ショタT「......秋月ちゃん?」

秋月「ショウタさんですか? どうしたんですか、こんなところで」






690名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 23:28:42 ID:Op/oQJ66





ショタT「凄いね。毎日走ってるんだ」

秋月「一日たりとも怠っては、訓練になりませんから」

ショタT「訓練邪魔しちゃったけど、いいの?」

秋月「......今は特別。私の方こそ、話しかけてよかったですか?」

ショタT「うん。大丈夫」

秋月「私、朝も思ったのですけれど、あなたのこと本当に尊敬してます」

ショタT「......?」

秋月「『例の子』のこと、陸奥さんからは部外者に話さないようにって言われてるんですけれど」

秋月「あの『ウルトラビースト』......今だ正体を掴めていない謎の強敵に、立ち向かったあなたに敬意を抱いています」

ショタT「............」

秋月「この秋月も、いずれ立派なレンジャーとして、助けを求める者達を護る職務に就く者として、あなたのように......」

ショタT「僕は」

秋月「......はい......?」

ショタT「............護れなかったよ」

秋月「ショウタさん......」


<ショウタくーん! どこいるのー!?


ショタT「あっ......」


ザッザッ


吹雪「はぁ、はぁ、ショウタくん、ここにいたの......」

吹雪「......あぇっ、秋月さん......も......?」

秋月「あ......は、はい! ランニング中に偶然会ったので......」

吹雪「あ、そうなんですね......あはは......」


・・・ ・・・


ショタT(......なにこの空気)

691名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 23:29:18 ID:Op/oQJ66

ショタT「吹雪ちゃん、心配かけさせてごめんね。帰るよ」

吹雪「あっ......う、うん」

吹雪「............ねぇ、ショウタくん。本当に、もう戦いたくないの?」

ショタT「えっ?」

吹雪「昨日会ったばかりの私が、こんな事言うのも変だけど......」

吹雪「今日のあなたの言葉が、らしくない気がしたから......」

ショタT「......本当だよ。悪いけど」

吹雪「............分かった、ありがとう」

ショタT「......」


優しく微笑みかけられる

少年は困惑する

その優しさにどう応えたらいいのかも分からない


吹雪「そうだ、ねぇ秋月さん!」

秋月「ん? なんですか?」

吹雪「私と、ポケモンバトルしませんか?」

ショタT「?」

秋月「えぇっ? 吹雪さんとですか?」

692名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 23:30:02 ID:Op/oQJ66

吹雪「元々はショウタくんがあなたのお相手をするって話がありましたよね。けれど、ご覧の通りです......」

吹雪「もし良ければ、彼の代わりにこの吹雪がお相手をいたします。私こう見えて、学校での成績はトップなんです!」

ショタT「そうだったんだ」

吹雪「と、とは言っても......田舎の弱小校の1番だけどね......」

秋月「いいえ、光栄です! 是非ともお手合わせお願いします!」

吹雪「こちらこそよろしくお願いします!」

吹雪「......ねぇショウタくん」

ショタT「ん?」

吹雪「もし、見るのも嫌でなければさ、私たちのバトル見ていかない?」

ショタT「......構わないよ」

吹雪「よかった」ニコッ



二人の少女は広い浜辺へと歩き出し、十分な距離を保ったまま向かい合う

腰を下ろしそれを眺める

月は依然として明るい

二人の表情まではっきりと見える

693名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/24(土) 23:30:30 ID:Op/oQJ66


秋月「......」


吹雪「......準備、完了です!」


秋月「それでは始めましょう。お出で、ブラッキー!!」


ポゥン!


ブラッキー「ブラッ!!」スタッ


吹雪「それじゃあお願い。私の、グレイシア!!」


ポゥン!


グレイシア「レイッ!!」スタッ


秋月・吹雪「バトルッ!!」


ショタT「......」






続く

694名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/25(日) 21:49:42 ID:wnbHn2a6



秋月「お出で、ブラッキー!!」

吹雪「お願い、グレイシア!!」

ブラッキー「ブラッ!!」

グレイシア「レイッ!!」


ショタT(ブラッキーはかなり耐久力のあるポケモン。対するグレイシアは、強力な氷技を武器とする)


秋月「早速行きます。ブラッキー、バークアウト!」


ブラッキー「ラァッッッ!!!」カッ

ブラッキーの赤い瞳が鈍く光り、発せられる怒号がグレイシアを襲う

グレイシア「グッ......!」ビクッ


秋月「バークアウトの追加効果! 相手の特殊攻撃を弱体化させる!」

吹雪「だったらこっちは! グレイシア、凍える風!!」


グレイシア「シアーーーッ!!」ヒュウウウウウウウ

ブラッキー「キッ......!?」ブルルッ

ブラッキーの体毛が氷結し漆黒の肢体に霜が降り始める


吹雪「これでブラッキーの動きを鈍らせる! このまま畳み掛けるよ!」

秋月「ですが既に、バークアウトで特殊技は弱めてる! 受けきってみせます!」

吹雪「試してごらん! グレイシア、『氷の息吹』!!」

695名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/25(日) 21:50:37 ID:wnbHn2a6


ショタT「氷の息吹......あれの技は確か」


グレイシア「レイーーーッ!!」

コォォォォオオオオ!

ブラッキー「ラッ......!?......ブラーッ!!」キシキシキシ

凍てつく冷気がブラッキーの身体を突き刺し体力を削り取る


秋月「しまった、この技は......!」

吹雪「氷の息吹は、的確に相手の急所を突く技。つまり!」

ショタT「能力ダウンを無力化出来る......」

吹雪「これでバークアウトで火力を下げられることなく攻め立てられる!」

秋月「やりますね......ですが構いません! こっちも攻めます!」

秋月「ブラッキー、イカサマ!!」


ブラッキー「ラーッ!!」カッ

ブラッキーが赤い瞳が再び発光し、グレイシアに突撃する

バキィッ!!

グレイシア「アッ......!」

696名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/25(日) 21:51:37 ID:wnbHn2a6


ショタT「イカサマは、威力を相手の攻撃力に依存するかなり独特な技......」


吹雪「でもグレイシアの攻撃力はそんなに高くない。大したダメージにはならないよ!」

吹雪「再び、氷の息吹!!」


グレイシア「レイーッ!」

コォォォォオオオオ!

ブラッキー「ブラッ......!」キシキシッ


吹雪「よし。これで、次の攻撃で倒してみせる!」

秋月「いいえ、やらせはしません。ブラッキー、『月の光』!!」


ブラッキー「ラァァァッ!」

ブラッキーの体表に描かれた輪っか模様が妖しい光を放つ

それと同時に傷が回復していく


秋月「月の光によって体力を回復する! これでまだ戦えます!!」

吹雪「くっ......! だったら攻め続けるよ!」

吹雪「氷の息吹!」

秋月「もう一度、月の光!」


さらに回復


吹雪「まだまだ! 氷の息吹!!」

秋月「こちらも、イカサマ!!」


撃ち合い


吹雪「くっ............!」

グレイシア「フゥー......フゥー......!」

グレイシアの口から小刻みに息がこぼれる

秋月「どうですか。私たちは、まだまだやれますよ!」

ブラッキー「ブラッ!」キッ

697名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/25(日) 21:52:36 ID:wnbHn2a6

グレイシア「グッ......!」

吹雪「私だって......まだ......!」

ショタT「......ねぇ、吹雪ちゃん......」

吹雪「......ん?......な、なに?」

ショタT「どうして、そんなに無理してるの......?」

吹雪「......私、強くなりたいって思ったから......私が強くなって、みんなを護りたいって」

吹雪「だからここで諦めちゃいけない! またあの時みたいになって、誰かが傷つくのを見てるだけなんて嫌だから!」

秋月「吹雪さん......」

ショタT「............」

吹雪「行くよ、グレイシア! 氷の息吹!!」

グレイシア「シアーーーーッ!!」

コォォォォォオオオオ!

グレイシア「ッ......!?」

吹雪「はっ!?」

狙いが外れる

放たれた冷気はそのまま風に乗りどこへとも無く消えてゆく

秋月「月の光!!」

ブラッキー「ブラーッ!!」キラキラ

再び回復する

その身体にはもはや一つの傷も残されていない

吹雪「くっ............」

秋月「吹雪さん。もう、ここまでにしましょう。勝敗は、決しました」

ショタT「吹雪ちゃん......」

吹雪「............戻って、グレイシア」

グレイシア「レイ......」

ポゥン

698名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/25(日) 21:53:41 ID:wnbHn2a6

秋月「ブラッキー、ありがとう。戻って」

ブラッキー「ブラッ!」

ポゥン

秋月「お手合わせ、ありがとうございます。とても勉強になりました」

吹雪「こ、こちらこそ、ありがとうございます......」

秋月「私たち......きっと、同じ想いを共有できる仲間なんだと思います。さっきのあなたの言葉を聞いて、そう確信しました」

吹雪「あっ......う、うん......!」

秋月「すみません、なんだか厚かましい発言かもしれませんが、私の正直な気持ちです」

吹雪「あ、ありがとう......私こそ、嬉しく思います」

秋月「ショウタさんも、どうか深く気を落とさないで下さい。あなたの助けになることなら、私なんでもしますから」

ショタT「あ......ありがとう......」

秋月「それでは......重ね重ねですが、本当にありがとうございました」ペコリ

秋月「私はもう少しランニングの続きをします。人のことは言えませんが、お二人もあまり遅くならないうちに......」

ショタT「うん、ありがとう。さ、吹雪ちゃん、帰ろう?」

吹雪「う、うん......」



ザッ ザッ ザッ

走り去る秋月の背中を見送る二人



吹雪「......私は、そんな立派な人間じゃないよ」

ショタT「......?」

吹雪「あの子に勝って、私強いんだよ、ってところ見せたかっただけなの。あなたに」

ショタT「吹雪ちゃん......」

吹雪「ごめんね......私のわがまま付き合せちゃって」

ショタT「............」













続く

699名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:13:18 ID:kRhSedyo





明くる日





陸奥「みんなー、朝ご飯よー!」


\いただきまーす!/


秋月「んふふ〜、美味しいぃ〜〜」モグモグ

吹雪「南瓜の味噌汁、南瓜の煮っ転がし、それに麦飯......」

ショタT「急に質素になりましたね」モグモグ

陸奥「リシュリューさんはもう帰っちゃったから。あの人多忙なのよ」

箸を止める

ショタT「......またどこかで、『あいつ』が出たんですか?」

一瞬、女性の目つきが険しくなる

陸奥「............さぁね。言っておくけど、この件について詳しい話は出来ないわ。相手があなたでも例外ではありません」

ショタT「はい......」

陸奥「安心しなさい。あなたの身は大人のお姉さんが責任を持って護ってみせるわ。だから、ちゃんと良く噛んでご飯を食べてよ」

秋月「ん〜、それにしても安心する味です。我が家みたい......ってあれ? この味どこかで」

陸奥「ふふっ♪ 気付いたかしら。さぁ、こっちにおいで」

スタッ

秋月「......あっ!」

涼月「おはようございます、みなさん」

700名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:14:29 ID:kRhSedyo

秋月「涼月じゃない! どうしてここに?」

涼月「秋月姉さんたちが近くに来てると聞いて、少し顔を出そうかと」

陸奥「って訳で、折角だから彼女に朝食を作ってもらったの。ちょっとしたサプライズだったでしょ?」

ショタT「......!?」ドキッ

秋月「でも涼月。どうして建物の中なのに水着姿なの?」

涼月(水着)「この時期は正装だと蒸れちゃうので」

陸奥「これでちょっとは元気になったでしょ、少年?」ボソッ

(耳元でささやくお姉さん)

ショタT「い、いや......///」←うつむく

吹雪「ムスーッ」

陸奥「さ、沢山食べて元気つけておかなきゃ。今日は体力使ってもらうから」

秋月「分かりました。ちなみにどんな訓練を予定しているんですか?」

陸奥「えぇ? 無いわよ、そんなの。今日はお休み」

秋月「え、それは......(困惑)」

陸奥「分かってないわねぇ、一生懸命遊ぶのも仕事の一つよ」

陸奥「世間の子供達はまだ夏休み。訓練に明け暮れるのもいいけれど、たまにはあなたたちも羽を伸ばしなさい」

秋月「はいっ、ありがとうございます!」

涼月「それではお言葉に甘えて♪」

陸奥「ねぇ、吹雪さん? もしよかったら、この子たちの相手をしてもらえないかしら?」

吹雪「は、はい、お任せ下さい!」

陸奥「もちろんつき合ってくれるわよね?」

ショタT「あっ、はい......」



_____________
_______
____

701名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:15:45 ID:kRhSedyo





砂浜





白露「いっちばん乗りーーーーーーーーっ!!!!」

村雨「じゃあ村雨が二番乗りーっ♪」


・・・ ・・・


白露「......てか、あたしら二人だけ? 夕立は? 時雨は?」

村雨「夕立は夏休みの宿題と奮闘中。時雨さんは夏休みの宿題をやりたがらない夕立と奮闘中よ」

白露「もー何やってんのよーっ! 最後の最後まで全力で遊び倒さないと夏休みが逃げちゃうでしょうがーっ!!!」

村雨「遊び倒しても夏は明けると思うけど?」

白露「ならば今この瞬間を一番楽しめるように頑張るまでよ! さっそく着替え......」

バサッ

村雨(水着)「じゃーん☆ 村雨がいっちばーん早く着替えましたー♪」

白露「なにーっ!? ま、負けたーっ!!」

白露「んで、下に着てきたのは分かるんだけど、帰りどうすんの? 着替えあんの?」

村雨「そこまでは考えてなかったわ♪」

白露「さすがのあたしでも白昼堂々浜辺で生着替え披露してやる程の度胸はないよ。ちょっと着替えてくるから待っててね」

村雨「はいはーい♪ じゃあ村雨その間に、かわいいでも男の子に話しかけちゃおっかな〜?」

白露「む、村雨さん、アレすか......? いわゆる逆ナンってやつすか......?」

村雨「そんな如何わしいことじゃありません。村雨はさみしがりやだから、ちょっと話し相手が欲しいだけです」

村雨「ほら、さっそくあそこに」

白露「んー?............あああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」









<あああああああぁぁぁぁぁっ!!!!

ショタT「うわっ!?」ビクッ

吹雪「ひゃっ!?」

陸奥「あら? あの子......」

702名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:16:59 ID:kRhSedyo


ザッザッザッ!!!


白露「ショウタ! 久しぶりじゃない!! ってあの時のお姉さんまで! また会っちゃった!!」

陸奥「お久しぶりね、白露さん。あの時はありがとう」

ショタT「あっ......久しぶり」

秋月「知り合い、ですか?」

陸奥「以前事件が起こったときに私たちを助けてくれた、立派なトレーナーさんよ」

白露「ふっふーん♪」


ザッ ザッ


村雨「へぇー、白露ちゃんの知ってる子だったの。先越されちゃったわ」

歩み寄る水着姿の少女

村雨「村雨よ♪ 白露ちゃん共々私のことも、よろしくねっ☆」

(ウィンクを飛ばす)

ショタT「ぁっ......///」

陸奥「あらあら、より取り見取りね」

涼月「?」

吹雪「......ばかっ」

(少年の脇腹を小突く)

ショタT「ぐはぁっ!(迫真)」

村雨「うふふっ、かっわいいー♪」

703名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:17:57 ID:kRhSedyo

白露「ショウタ! ここで会ったが百年目!! あんたのライバルとして、ここでポケモンバトルを申し込むよ!!」

ショタT「えっ......い、いや......その......」

(困惑)

吹雪「あっ......あの!」

陸奥「白露さん、ゴメンなさい。今日はそういう気分じゃないのよ。みんな遊ぶのを楽しみにしてるから」

白露「あっ、そっか。それもそうだね! じゃあ一緒に遊びましょっか!!」

陸奥「ええ、そうしましょう」ニコッ

陸奥「......これでよかったかしら?(小声)」

ショタT「あっ......ありがとうございます......」

吹雪「......」ホッ

秋月「とは言っても、私たちまだ水着に着替えてないですよ」

白露「同じく」

吹雪「わ、私も着替えた方がいいのかな......あんまり自信ないんだけど......」

陸奥「吹雪さん、ダメよ、臆したら。ここで女を見せなくちゃ」

吹雪「ちなみに陸奥さんは......?」

陸奥「私は遠慮します。年頃の少年には刺激が強過ぎるからね♪」

ショタT「なんの話ですか......」

704名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:18:49 ID:kRhSedyo

村雨「じゃあ村雨たちはお先に泳いでまーす」

涼月「みなさんも早くいらして下さいね」

陸奥「はい、楽しんでらっしゃい」

ショタT「............」
















キッ





キッ















眩暈


既に何度か経験したこの感覚で確信する


ショタT「............い、いる」ボソッ


吹雪「えっ......?」


震える声でかろうじて呟く

いつの間にか少年の額に大粒の汗が浮かんでいる


ショタT「ま、まずい......危ない......海に............近づいちゃダメだッッッ!!!」

陸奥「な!?」

吹雪「えっ!?」

秋月・白露「!?」


ピチャッ ピチャッ


涼月「え?」

村雨「んー?」


海に足を踏み入れる

同時に近くの海面に二つの影が出現する



ザバァァァァン!!!

705名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:20:00 ID:kRhSedyo

水飛沫が立つ

海面から飛び出した影の正体が二人の少女に襲い掛かる


村雨「えっ......きゃああああああ!!!」

涼月「いやあああああああ!!!」


秋月「まさかっ!?」

白露「げぇっ!? なにあれっっっ!?!?!?」


ウツロイド1「ウツ〜〜〜!」

ウツロイド2「ロイ〜〜〜!」

村雨「や......やだ......」

涼月「............助けて」


陸奥「ウルトラビーストッ!? しかも、2体!?」

ショタT「はぁーっ......はぁーっ......!」ガクッ

吹雪「ショ、ショウタくん、大丈夫!?」

ショタT「ぼ、僕はいい......!......あの二人がっ!!」

白露「あんたぁー!! 村雨になにしてくれてんのよーっ!!!!」ザッ

秋月「涼月っ!! 待って、今行くから!!!」ザッ



必死の形相で駆け寄る二人




村雨「............」

涼月「............」


秋月「涼月、大丈夫? 今助けるからね......」

白露「どこのどいつだか知らないけどねぇ! 可愛い妹分に乱暴するような不届き者はタダじゃ置か......」




硬直する




血の流れが止まったかのような病的なまでに白い肌

深く暗く冷たい瞳

そこに見た顔は自分達が知っているそれでは無かった




白露「............あんた......誰?」



秋月「あなた............涼月......?」

706名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:21:55 ID:kRhSedyo

涼月「......」

腕を高く挙げる

ザッ!!

そのまま真下の地面に深く振り下ろす

地中に居る何かを掴むようにしてこぶしを強く握り締め、低い声で呼びかける


涼月「オ出デ............シロデスナ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ!!

地鳴りと共に地面がせり上がってくる


白露「な、何よこいつーっ!?」



シロデスナ「シィィィィロォォォォオ......!」ゴゴゴ



村雨「......」

海に目を向ける

村雨「......チュッ♥」

水面に向かって投げキッスをする

その合図に呼応して水の底から黒い影が広がる


村雨「来ナサイ............ブルンゲル!!」


ザバアアアアアアン!!!

激しい水飛沫とともに浮上する


秋月「あっ、あれは......!?」



ブルンゲル「ブゥゥゥゥルゥゥゥゥウ......!」ゴゴゴ

707名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/31(土) 01:22:42 ID:kRhSedyo

秋月「くっ......!!」

ピッ

図鑑の起動音

秋月「浮遊ポケモン、ブルンゲル! 獲物を海に引きずり込み、命を奪うとされている......!!」

秋月「あっちは、砂の城ポケモン、シロデスナ!! 砂嵐を巻き起こし、相手の身動きを封じて生気を奪う......!!」

白露「そ、そのポケモン図鑑、夏限定モデルとかじゃないよねっ!? あたし今は怪談話聞きたい気分じゃないんだけどっ!!」

秋月「気を引き締めてください......今私たちが直面しているのは、お伽噺等ではない現実の恐怖です!!」

白露「くっそーっ! 村雨、あたしを怖がらせないでよ! 早く元の姿に戻りなさいっ!!」

秋月「涼月! お願い、目を覚まして!」



涼月「......元二戻ル......?......目ヲ覚マス......?......何ヲ言ッテイルノデスカ......?」



村雨「フフフッ♪ ヤット、目ガ覚メタンジャナァイ......」









続く

708名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:46:25 ID:jNVbiSXo






砂浜






ブルンゲル「ブルァァァァァ......!」ゴゴゴ

シロデスナ「デェェェェェス......!」ゴゴゴ


村雨「フフフッ♪ ヤット目ガ覚メタンジャナァイ......」

涼月「............」ジロッ

視線が合う

秋月「っ......!!」ゾクッ

白露「あ、あんた......なに、言ってんの......?」



ショタT「ぐっ......」

右手で脇腹を押さえうずくまる

吹雪「ショウタくん、しっかりして!」

ショタT「だ、大丈夫......それより教えてください.....あの子達に......何が起こっているんですか?」

陸奥「コードネーム:UB01 PARASITE ......ポケモンとしての名前は『ウツロイド』」

吹雪「......ウツロイド?」

陸奥「彼らは人に寄生を行うことが分かっている。そして......」

陸奥「何らかの方法で寄生主の肉体と精神に働きかけ、潜在能力を極限まで引き出し、暴走させる」


白露「な、納得いかないっ! それじゃああれが本気の村雨の姿ってわけ!?」

秋月「認めません......私の知ってる涼月は、あんなに人を見下すような目はしない!」

709名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:48:48 ID:jNVbiSXo

吹雪「元に戻す方法は、無いんですか......?」

陸奥「詳しいことは調査中だけど……彼らの寄生には自衛の側面があるとされてる」

陸奥「寄生主が力量不足と判断すれば、自ずと離れていくはずよ」

ショタT「......つまり」

秋月「察しはつきました......!」

白露「いひひっ、オッケー!」



二人がボールを構える



陸奥「秋月さん! あなたは、私が見てきた訓練生の中で最も優秀な子よ。この状況を託していいと信じているわ!」

秋月「はいっ! お任せ下さい!!」

陸奥「白露さん! 以前あなたには助けてもらったけれど、どうやら今回もそうなりそうね。大丈夫かしら!?」

白露「もっちろん!! 任せてくれちゃってぇー!!」

ショタT「僕達も力に......うぐぁっ!」

(傷口が痛む)

陸奥「あなたは無理よ。吹雪さん、聞きなさい」

吹雪「はっ、はいっ!!」

陸奥「男の子を御するのも女の仕事よ。またその少年が無茶したら、引っ叩いてでもぶん殴ってでも止めるのよ。出来る?」

吹雪「……分かりました! お任せ下さい!」

ショタT「えぇーっ!?」ガビーン

710名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:49:51 ID:jNVbiSXo


秋月「それでは頼みます、ブラッキー!」

白露「お願いよ! カメックス!!」


ポゥン! ポゥン!


ブラッキー「ブラッ!」スタッ

カメックス「ガメェッ!!」ドン!


秋月「白露さん! この秋月に、力を貸してください!」

白露「お互い様ねっ、じゃあ行くよ!」



ブルンゲル「ブルァァァッ!!」

シロデスナ「シィィィロォォォッ!!」


涼月「オ相手......シマス......」

村雨「ヨセバ良イノニ......馬鹿ナ子達ッ......!!」



秋月&白露「バトル!!」

711名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:51:04 ID:jNVbiSXo


白露「カメックス! 『水の波動』!! まず狙うは、シロデスナ!」

秋月「ブラッキー、『バークアウト』!」


カメックス「ガァァァメッ!!」バシュッ!!

ブラッキー「ラァッッッ!!」カッ!


涼月「『守ル』ッ......」

シロデスナ「スナッ!!」

ゴゴゴゴゴ

シロデスナの周囲に砂の防護壁が出現する

バァァァン!!

両者の攻撃は壁に阻まれ、無傷のシロデスナが鎮座する


白露「ちぃっ!」

秋月「でも、ブラッキーの攻撃はシロデスナだけを狙った訳じゃない! そちらには食らってもらいます!」


ブルンゲル「ゲェーッ!?」ブルッ

ブラッキーのバークアウトを受けブルンゲルがたじろぐ

村雨「フーン......」


秋月「バークアウトの効果! 攻撃を受けたポケモンの、特殊攻撃を弱体化させる!!」

白露「よっしゃー、やるじゃん!」


村雨「ハイハァイ............ブルンゲル!」

ブルンゲル「ブルン!」


村雨「トリックルーム!!!」


ブルンゲル「ブルァァァァァッ!!」カッ!!



キッ キッ キッ



軋むような音を立てて空間が歪んでゆく

712名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:52:53 ID:jNVbiSXo



吹雪「な、なに......あの空間......」

ショタT「トリックルーム......素早さの上下関係を逆転させる空間を生み出す技……!」

陸奥「あの面子で最も遅いポケモン......つまりあの空間で最も速く動けるのは、恐らくシロデスナ」



幾何学模様の透明な壁が出現し、交戦中のポケモンとトレーナーたちを閉じ込める



村雨「......楽シマセテ、アゲルカラ......」ニィィ

涼月「............」


白露「どんなことして来ようが、村雨、あんたはあたしが責任持って連れ戻すからね! 覚悟しなさいよっ!」

秋月「涼月......何度でも呼びかけてみせる! 私の言葉があなたに通じるまで!!」

白露「臆せず攻めるよっ!」

秋月「同じく!」


涼月「遅イ......シロデスナ、『ド忘レ』」

シロデスナ「シィィィ.....ロォォォォ......???」カッ!

シロデスナの特防が大幅に上昇する

涼月「ソンナ言葉......キカナイ......通ジナイ......」


秋月「それが、あなたの答えってこと......」


村雨「私ノ事マデ、忘レナイデネ......ブルンゲル、『熱湯』!!」

ブルンゲル「ブルルルァァァァァ!!!」バァーッ!!


煮えたぎる熱湯がブラッキーを襲う

バシャッ!!

ブラッキー「ブラァァァッ......!」ジュウウウ

秋月「ブラッキ......!?」


村雨「サァ、食ライナサイ......!」


「うあぁぁぁぁあぁぁあっ!!!!」

713名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:57:22 ID:jNVbiSXo


白露「なっ!?!?」ビクッ

突然の絶叫に驚く

横に視線を向ける



吹雪「えぇっ!?」

ショタT「な......」

陸奥「ど、どういうこと......」



秋月「あっ......!......熱い......! か、体がっ......!!」

息を荒げ苦悶の表情を浮かべる


涼月「......」クスッ

村雨「ホラ......コウスル方ガ、楽シメルワ......」

白露「どどど、どういう事よ! 説明しなさい!」

村雨「コノ空間デハ、可愛イシモベ達ト、同ジ苦シミヲ受ケルノヨ......フフフ」

ブラッキー「ブラッ......!」ジリ

秋月「はぁっ......はぁっ......熱い......痛い......!」ジリ


ショタT「火傷......!」

陸奥「ダメ、このバトルは危険すぎる! 逃げなさい!!」


ブラッキー「キー......」

心配そうに見つめる

秋月「ぐっ......大丈夫......これで、あなたと苦しみを分かち合える......」

秋月「引きません......行きます! ブラッキー、もう一度バークアウト!!」

714名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:58:12 ID:jNVbiSXo


ブラッキー「ブ.....ラァッッッ!!」


ブラッキーのバークアウトが相手の場に響き渡る


シロデスナ「スナーッ!」ビリッ

ブルンゲル「ゲェーッ!」ビリッ


涼月「......ウルサイ子......」

村雨「オトナシク、シテ貰ウヨッ!」カッ


ブルンゲル「ブルァァァァァ!!」カッ!

ブルンゲルの目が妖しく光る


ブラッキー「キ......ッ......!?」ガチッ

秋月「う......っ.......がぁ......っ......!?」

苦しそうに喉元を押さえる秋月


白露「な......何よ......今度はなんなのよっ......!!」

村雨「ブルンゲルノ特性『呪ワレボディ』ノ効果。私ヲ狙ッタ者ノ攻撃ヲ封ジル」

村雨「ソノ耳障リナ声、出サナイデクレナイ?」

白露「くっ......!!」

秋月「はぁっ......はぁっ......だ......大......丈夫......だか......ら......!」

715名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/04(水) 21:59:54 ID:jNVbiSXo



吹雪「ダメだよ......早く止めさせないと......」

ショタT「でもあの二人は……絶対に止めないと思う……」

陸奥「残念だけど、そのようね」

陸奥「だったら勝って。この恐怖を終わらせて、無事に帰って来なさい!」




白露「うおーーーーっ!! 村雨、聞きなさいっ!!!!」

村雨「チッ......言ッタ傍カラ......」

白露「この勝負、あんたたちの為に、この子たちの為に、何よりこのあたしの為に、絶対勝ぁーーーつ!!!」

白露「行くよ、カメックス! もう一度、水の波動ッ!!!」


カメックス「ガァァァァメェッ!!!」バシュッ!!


白露「今度こそ吹っ飛ばしてやるわ! 狙いはシロデスナ!!」


ザバァン!!!

シロデスナ「シィィィィロォォォォ......!!」

涼月「グッ......!」

砂と水が混じりあい泥の雨が降る


白露「どうよっ!!」

カメックス「ガメッ!!」



涼月「......フン......」カッ


シロデスナ「デェェェェェス!!」カッ!


白露「げっ!?」


シロデスナの体表に水が染み渡り黒く変色してゆく


涼月「シロデスナノ特性:水固メ。水技ヲ受ケルコトデ体ヲ硬質化サセル......」


涼月「マダ......終ワラセナイカラ......」












続く

716名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/08(日) 23:07:47 ID:eswj99kU






砂浜






本来なら砂以外は何もないはずの場所に、幾何学模様を持つ謎の空間が出現している

空間内には、2人の少女と4匹のポケモン

そして、人としての温かさが微塵も残されていない、深く悲しい目をした少女が2人





ショタT「............」

陸奥「やっかいね......シロデスナは、ド忘れと特性:水固めによって、耐久力を大幅に上昇させている」

吹雪「でも、ブラッキーのバークアウトで、攻撃を弱めることには成功してます」

ショタT「そのバークアウトも、今はブルンゲルに封じられた。しかも、熱湯による火傷まで食らってる」

陸奥「今だ無傷なのはカメックスだけ......でも、いつ矛先がそちらに向いてもおかしくないわ」

陸奥「言うまでもないだろうけど......気を抜かないでね、二人とも」





-+-+-+-+-+- トリックルーム内部 -+-+-+-+-+-





シロデスナ「シィィィロォォォオオオ......!」

涼月「......」

ブルンゲル「ブルァァァアアア......!」

村雨「......」



白露「ぐぬぬぬ......」

カメックス「ガメッ......」

717名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/08(日) 23:09:03 ID:eswj99kU


白露「......」チラッ

視線をすぐ横に投げる

肩で大きく息をする二者の姿が目に映る


ブラッキー「ラァッ......キィッ......」ゼェゼェ

秋月「はぁーっ......!......はぁーっ......!」

火傷と金縛り

体を焼ける激痛と喉元を掴まれる息苦しさ

二つの苦痛が少女とそのパートナーの表情を歪ませる


白露「う、嘘でしょ......マジでトレーナーにまで痛みが伝わってくるっての......?」


村雨「無理シチャッテ......」

涼月「............可哀想...........」


秋月「白露さん......怯んでは、ダメ......攻め、続けて......!」

白露「い、言われなくたってぇ! 行くよカメックス!」

カメックス「ガメッ!」ガコン!

718名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/08(日) 23:09:58 ID:eswj99kU


涼月「......シロデスナ」

シロデスナ「デスナッ!」カッ!


ズズズズズズズズズ......


白露「げっ!?」


涼月「『砂集メ』」


足場の砂地が不自然に流動し始める

流砂は唯一箇所、シロデスナの元へと集められ、そして


シロデスナ「スナーッ!!!」ゴゴゴゴゴ

涼月「フゥゥゥゥ......」


シロデスナの崩れた体が再構築されてゆく


白露「せ、せっかくあたしのカメックスが吹き飛ばしてやったのにっ!!」

秋月「くっ......!」


村雨「ブルンゲル! 再ビ、熱湯!!」

ブルンゲル「ブルッァァァァァァ!!」バァーッ!


バシャァン!


ブラッキー「キィーッ......!!」ジュウウウ!

秋月「うぁぁぁぁあああああッ!!!」

再び身を焦がす鋭い痛みが走る

719名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/08(日) 23:11:08 ID:eswj99kU

白露「さっきから手負いのあの子ばっかり狙って! あたしは無視!?」


村雨「心配シナイデ。ソッチヲ片付ケタラ、幾ラデモ構ッテアゲルワヨ」

涼月「スグ......楽ニシテ、アゲマスカラ......」


秋月「......はぁっ......ま、まだ......行ける......っ!!」

秋月「ブラッキー......イカサマッ......! 狙いは......シロデスナ!」

ブラッキー「ブラッ......!!」カッ

ブラッキーの目が赤く光り、シロデスナに突撃する


涼月「キカナイ......ッ」

ガキィン!

シロデスナ「スナーッ!」ドン!



ブラッキー「キィ......!?」

秋月「か......堅い......っ!」

白露「ち、ちっくしょー......さっきあたしが水技を当てたせいって訳......!?」

秋月「こ、この装甲......加えて、回復能力......あの壁を突破するのは......不可能............!」


シロデスナ「デェェェェェスナァァァァァ!!」

涼月「フフフッ......」



白露「だ、だったらこっちよォッ!!!」

カメックス「ガァァァァ......!」コォォォォ

カメックス目が光り、砲身に黒いエネルギーが充填されていく

白露「見せてやるわ、村雨! あんたたちなんかよりも、この白露の方がよっぽど悪い奴だってこと!」

白露「カメックス、悪の波動!!!」

カメックス「ガメェッッッ!!!!」ゴオオオオオオ!!


漆黒のエネルギー波がブルンゲルに向けて放たれる

720名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/08(日) 23:12:19 ID:eswj99kU


バァァァァン!!

着弾

ブルンゲル「ゲェーーーーッ!?」

村雨「ウァッ......!!」グッ


白露「どうよっ!」

カメックス「ガメッ!!」キリッ

秋月「よ、よしっ......呪われボディの効果は、発動していない......まだ、攻め続けられる......」


村雨「......フ、フフッ......アハハハッ......!」


白露「な、なによ......何がおかしいのよっ!?」


村雨「イイワ、オイデ。何度デモ、受ケ止メテアゲル......」

村雨「先二、音ヲ上ゲルンジャナイヨッ!!」カッ!


涼月「シロデスナ、シャドーボール!!」


シロデスナ「シィィィィロォォォォッ!!」ゴオオオオオオ!

黒い弾丸がカメックスを襲う


バァァァァァァン!!


カメックス「ガァァァァァ!!」

白露「うあぁぁぁぁぁぁっ!!」

シャドーボールの着弾と同時に二者の悲鳴が上がる


ブラッキー「キィッ......!」

秋月「し、白露さん......!」



村雨「教エテヤルワ! コレガ、絶望ヨ!!」

村雨「ブルンゲル、自己再生!!!」


ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァ!!!」








続く

721名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 22:55:29 ID:j04kpiH.





村雨「教エテヤルワ! コレガ絶望ヨ!! ブルンゲル、『自己再生』!!!」

ブルンゲル「ブルゥゥゥゥゥ......」

キラン   キラン

村雨「フゥゥゥゥゥゥ......」



白露「う......嘘でしょ......?」

秋月「ブルンゲルの、傷が......消えてゆく......」



ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァ!!!」

かすり傷一つない艶やかな体を取り戻す

村雨「ンフフフフ♪......トッテモ、イイ気持チ......」

シロデスナ「デェェェスナァァァ!」

涼月「サァ......オ楽シミノ続キヲ......始メマショウ......」



白露「こ、これじゃ......いくら攻撃してもキリがないよっ!」

秋月「......でも、回復技を使えるのは、あの子たちだけじゃない......!」

秋月「いくよ、ブラッキー......!」

ブラッキー「キィ!」カッ

ブラッキーの体の模様が黄色く発光し始める

秋月「月のひ......」


「秋月さん待って!!!!」


秋月「えっ......?」

ブラッキー「ラッ......?」


空間の外から声が届く


陸奥「その技を使ってはいけない!」

722名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 22:56:36 ID:j04kpiH.



吹雪「えっ?」

ショタT「どうして......?」

陸奥「回復技を使ってはダメ。このバトルでは......」

陸奥「ポケモンの体力より先に、トレーナーであるあなたの精神が持たなくなる!」

吹雪「で、でも......相手の二人は平然としてます。きっと回復したおかげで......」

陸奥「騙されないで!その二人は、初めから苦痛なんか感じてない!」

ショタT「......!?」



秋月「......そうなの......涼月......?」

涼月「............」

白露「こんのぉーっ! 散々あたしら痛めつけてた癖に自分らは平気だったって訳!? インチキもいい加減に......」

村雨「......心外......ソンナ、セコイ事シテルト、思ワレテルナンテネ......」



ショタT「............陸奥さん、本当にそう思いますか?」

陸奥「さぁ、本当かは分からないわね」

陸奥「でも、これ以上戦闘を長引かせるのが危険なのは確かよ。早くなんとかしないと」

吹雪「ど、どうすれば......」

723名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 22:57:24 ID:j04kpiH.



秋月「ねぇ、涼月......お願い......もう、やめにしよう......?」


目に涙を浮かべ問いかける


涼月「............ソウネ......ヤメマショウ」


白露「え、マジ?(キョトン顔)」

秋月「涼月っ......!」


ただその一言で、秋月の表情が晴れ笑顔が浮かぶ


涼月「コンナ戦イ......スル意味アリマセン......ダカラ......」

涼月「コッチニ......オイデ......」

手招きする

糸を手繰り寄せるように白く冷たい指を泳がせる


白露「うげっ......な、なんなのアイツ......すっごい気味悪っ......」

秋月「そうよね、涼月。あなたの言う通りね」

白露「ゑ?」

ザッ

一歩を踏み出す

白露「ええっ!? ちょちょちょっと君!?」

724名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 22:58:11 ID:j04kpiH.





吹雪「秋月さん、様子がおかしい!」

ショタT「まずいっ!!」

陸奥「ダ、ダメよ、行っちゃ駄目! 戻ってきて!!」






ブラッキー「キ......キィ......」ブルブル

自らの主を恐怖の目で見つめる



秋月「私も......涼月と......」ザッ


涼月「争いも......憎シミモ......」


秋月「苦痛も......何モナイ......」ザッ


涼月「平和ナ場所デ......」


秋月「貴女達ト......一緒二......」ザッ


ブラッキー「キィ......キィィィッッッ!」





バッ!





白露「目覚ましビンタァァァ!!」

パチィン!!

秋月「うぁっ!?」ヒリヒリ

725名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 22:59:09 ID:j04kpiH.




白露「そんなん認めん! そんな何もないとこに連れてかれたら、一番目指す意味ないでしょーがっ!!」



涼月「邪魔ヲッ......!」



白露「それと君! 今更だけど、この場で改めて自己紹介させてもらうよ! 手短に!」

白露「あたし白露! ポケモンマスターになる女! 以上! 君は?」

秋月「わ、私の名は......秋月......!......そうだ......私は、秋月です!!」

白露「よろしくねっ、秋月!」ニッ!



ショタT「や、やった!」

吹雪「秋月さん......!」

陸奥「ふふっ。さすがね、あの子」



白露「バトル続行よ! あたしとカメックスが駆け上がる頂点へのロードを邪魔する奴は、誰であろうとブっ飛ばあああす!!」

白露「攻撃用意よ、カメックス!!!」

カメックス「ガメッ!!!」 ド ン !

726名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 23:00:26 ID:j04kpiH.



秋月「心配させてごめんね。私はもう、自分を見失ったりしません......!」

秋月「一緒に戦って、ブラッキー、そしてみんな!!」

ブラッキー「ブラァァァッ!!!」カッ!

ブラッキーの体の模様が再び発光し始める



陸奥「まさか月の光を!?」

ショタT「いや、違う......月の光じゃない」

吹雪「......これは......?」


吹雪の持つモンスターボールの1つが揺れる


吹雪「............聞こえる......ブラッキーが、『この子』に呼びかけてる!」





秋月「私の力だけでは......あの子たち救い出すことは出来ない......だから......!」


秋月「繋がれ、魂のバトン! 闇夜を照らせ、月光の架け橋! お願い、私の仲間達!!」


秋月「ブラッキー、『バトンタッチ』!!」


ブラッキー「ラッキィィィ!!」カッ!


ブラッキーがまばゆい光を放ちボールに戻っていく


秋月「バトンタッチは、戦闘中のポケモンを、他のポケモンに交代させる技!」

秋月「力を、貸して下さい......あなた達の力なら、涼月を救える......!」

秋月「......私が交代先に選ぶのは、吹雪さんの、グレイシア!!」





吹雪「......!......ショウタくん、行ってきます!」

ショタT「......うん、行ってらっしゃい」


ザッ!


走り出す

戦闘が行われている空間へと向かってゆく

走りながら、モンスターボールに問いかける


吹雪「グレイシア、準備はいい?」

グレイシア『レーイッ!』

727名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/09(月) 23:01:37 ID:j04kpiH.






村雨「フーン......要スルニ逃ゲルンダ?」

涼月「......残念......ソレナラ、アナタノ眼ノ前デ......」

涼月「アナタノ、オ友達ヲ......葬リ去ッテアゲマス......」



秋月「......白露さん......このような形でこの場を去ることを、お許し下さい」

白露「いひひっ♪ ま、つらい時は助け合いよ!」

白露「あたしは、秋月が信じた仲間を信じる。だから安心して」

秋月「はいっ......お願いします!」


空間の壁側へと走ってゆく


幾何学模様の透明な壁を境に、二人の少女が向かい合う


秋月「すみません、吹雪さん。勝手に、あなたを巻き込んでしまって......」

吹雪「そんなことないよ、秋月さん。ありがとう、私を頼ってくれて」

秋月「はい......後は、任せました......!」

吹雪「うん!」


パァン!


ハイタッチの音が響く









続く

728名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:03:26 ID:dWZ2jWjM






陸奥「大丈夫? よく頑張ったわね、秋月さん」

秋月「いいえ、まだ終わってません......!」

陸奥「そうね。でも、ちょっと意外だったわ」

陸奥「普段のあなたなら、あんな危険な事に他人を巻き込んだりしないもの」

秋月「......仰る通りです......誰かを守る立場の人間として......失格です......」

陸奥「そうじゃないの。むしろ喜ぶべきことよ。それだけ、信頼できる仲間を持てたってことじゃない」

陸奥「勝てるんでしょ? 吹雪さんたちなら」

ショタT「勝てます」

陸奥「あら?」

ショタT「そうだよね?」

秋月「......はい!」






+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

トリックルーム内部





シロデスナ「シィィィロォォォ......!」


ブルンゲル「ブルァァァアアア......!」



吹雪「............おいで、グレイシア!」

ポゥン!

グレイシア「シアーッ!」スタッ



村雨「歓迎スルヨ......セイゼイ、楽シマセテネ......」

涼月「フン......」



ポン

吹雪「ひゃっ!?」

吹雪の肩に手が置かれる

白露「よろしくね。あたし白露、君は?」

吹雪「あっ、私は、吹雪。よろしく!」

白露「ひひっ♪ さーてと、自己紹介も済んだことだし......」


白露「バトル続行よッ!!」


カメックス「ガメッッッ!!!」 ガコン!

729名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:04:31 ID:dWZ2jWjM


吹雪「でも白露ちゃん。相手は再生技を持ってるよ。闇雲に攻撃するだけじゃ突破できない!」

白露「闇雲? 違うねっ!! 轟く雨を降らせる乱雲は、この白露の方よ!!」


白露「カメックス、水の波動!!!」


カメックス「ガァァァメッッッ!!」 バシュウン!!


白露「ぶっ放せ! 狙いはシロデスナ!!」


ザバァン!!

シロデスナ「スナァァァァッ!」ズズズ

水の波動を受けシロデスナの体の一部が崩れ落ちる


涼月「ウグァッ......!!......ダガ......シロデスナノ『水固メ』ガ発動......!」


カキン カキン


涼月「コレデ、ヨリ強固ナ壁トナル!」


シロデスナ「デェェェェェス!!」


涼月「サラニ......シロデスナ、『砂集メ』!!」


ザザザザザザザザ......


涼月「再ビ現レナサイ、堅牢ナル城塞ヨ!」


シロデスナ「シィィィィィロォォォォォォ!!!」 ドン!!



白露「やっべ、やっぱりキリがねーわ」

吹雪「結局無策っ!?」

730名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:05:26 ID:dWZ2jWjM


村雨「ブルンゲル、熱湯ッ!」


ブルンゲル「ブルァァァァァアアアア!!」バシャーッ!


吹雪「はっ......!」


バシャァン!!


グレイシア「グゥゥッ!?」ジュウウウウ!

吹雪「うああああぁぁぁぁぁっ!!!」


村雨「挨拶代ワリダヨッ! 受ケ取リナッ!!」





ショタT「吹雪ちゃん!!」

秋月「吹雪さん......!!」

陸奥「うろたえてはダメ......信じるのよ、あの子たちを」





吹雪「はぁーっ......はぁーっ......!」

白露「くっ......んなろーっ! あんたらには血も涙も無いんかーい!!」


村雨「アハハッ......! ソンナモノ!!」

涼月「......当ノ昔二......忘レマシタ......」

731名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:06:44 ID:dWZ2jWjM


ザッ

踏みとどまる


吹雪「はぁっ......はぁっ......ダメよ、吹雪......あたしが強いってところ、頑張れるってところ......」


吹雪「見せなくちゃっ!!」


グレイシア「レイッ!!」カッ!


吹雪「この一撃が......活路を拓く! 私たちの、未来を導く勝利への航路!!」


吹雪「グレイシア、『氷の息吹』!!」


グレイシア「シアーーーーーッ!!」


コォォォォォオオオオオオ!!


吹雪「狙うはシロデスナ!!!」




キシ



シロデスナ「......デ......スッ......!?」


涼月「.............ウッ......!?」


キシ


キシキシキシキシキシ


砂の城塞に降りた霜が、黒い装甲を白く蝕んでゆく



シロデスナ「スナァァァァァアアアア!!!」


涼月「グギャァァァァァァアアア!!!」



凍てつく冷気が身体を突き刺す激痛となって二者を襲う

732名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:07:47 ID:dWZ2jWjM



吹雪「氷の息吹の効果! この攻撃は、必ず相手の急所を捉える!!」



ショタT「シロデスナは、ド忘れを使うことで特殊耐久を強化させていた。でも!!」

陸奥「急所を狙えば、能力の上昇を無効化することが出来る! そういうことね」

秋月「涼月......思い出して......私たちのことを!」



吹雪「想いよ、届け! そして、還ってきて! 涼月さん!」


村雨「クッ......!」

涼月「ハァッ......ハァッ......オノレッ......オノレェ!!」


白露「あたしより目立つのはいただけないけど、ま、そんなこと言ってられないっか」

白露「続くよカメックス、水の波動!!」


カメックス「ガァァァメッッッ!!」 バシュウン!!


波状の砲弾が凍結したシロデスナを襲う


バァァァァァアアアアン!!!


シロデスナ「デェェェェェェスッ!!!」

涼月「ウァァアァァァアアァァァァァッ!!」


ガクッ


シロデスナ「ズゥゥゥ......ウゥゥ......ナァァァァアァァァァアア......ァァァァ......」

ズズズズ......

堅牢だったシロデスナの体壁が崩壊してゆく



吹雪「............涼月さん」



涼月「ァ......アぁ......り......が......とう......」


バタッ


シロデスナ 戦闘不能

733名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:08:41 ID:dWZ2jWjM


秋月「涼月! しっかりして!!」


サァァァァァァァ

幾何学模様の壁が消えてゆく



ショタT「......!......トリックルームが消えていく!」

陸奥「ええ、あの空間は時間が経つと消滅するからね。攻撃のチャンスよ!」




涼月「............」


村雨「アタシヲ......残シテ......クタバルナンテ............」


村雨「オ馬鹿サンッ!!!」



ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァァアアアアア!!!!」ゴゴゴゴゴ



吹雪「くっ......!」

白露「村雨......今度は、あんたの番よっ!」




陸奥「しかし困ったわね。グレイシアの氷技は、水タイプのブルンゲルには有効じゃない」

ショタT「しかもブルンゲルの特性:呪われボディのせいで、下手な攻撃をしていたら封じられます」

陸奥「その上、相手は自己再生で粘り続けることが出来る......となればやるべきことは......」

ショタT「一撃で吹っ飛ばすこと!!」





キラッ!





白露「はっ!?」

734名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:09:45 ID:dWZ2jWjM



輝き



白露の胸元から光が溢れる


吹雪「......!?......白露ちゃん、それって......?」


ショタT「あの光......まさか!!」


首からぶら下げていたペンダントを手にとる

そこに埋め込まれた宝玉がまばゆい光を放つ


白露「こ、この輝きは......!!!」


白露「なんすかこれ?」


吹雪「ズコーッ」


ショタT「なにやっての白露!! それはキーストーン! メガシンカの光だよ!!」

白露「メ、メガシンカ!? メガシンカって言ったら、あんたのルカリオがやってたあれのこと!?」

ショタT「そうだよ! なんで今まで使わなかったのさ!!」

白露「知らなかったのよ! これは、いつか役に立つから持っとけって言われてただけよ!!」

白露「ほら、カメックスだって!」


カメックス「ガメッ!」バン!

カメックスが持っているメガストーンを見せ付ける


ショタT「聞いて白露。メガシンカは、人とポケモンとの絆の証......」

ショタT「強い想いを、力に換える!!」

白露「......成る程ね。つまり、今までのあたしらは想いが足らなかったって訳か......」


白露「冗談じゃなーいっ!! あたしとカメックスは、いつどんな時だって限界まで全力のフルパワーよっ!!!」


カメックス「ガメ!」



カッ!!!

735名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:11:06 ID:dWZ2jWjM


白露のキーストーンが光り輝く

カメックスのメガストーンがそれに呼応する



白露「行くよっ、カメックス!!」


カメックス「ガメェェェェ!!」


白露「あたし達の想いが1つになった時、はるか水平線の彼方まで、最強の轟砲が鳴り響く!!」


白露「メガシンカァァァアアア!!!!!」


カメックス「ガァァァァ......!!!」


カメックスが光に包まれる


白露「おいで! あたしの、いっちばんの相棒! メガカメックス!!」





ガコッ!



                      ガコッ!





        ガコンッ!!






メガカメックス「ガァァァァァァメッッッ!!!!」 ド ン ! !

736名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:11:40 ID:dWZ2jWjM


村雨「ソ、ソノ姿ハ......!?」

白露「聞きなさい、村雨!」

村雨「嫌......聞キタクナイ......!」

白露「今から、あんたを......!」

村雨「ヤ......ヤメテ......放ットイテ......ヨ......」



白露「連れ戻してやるからねえええええっ!!!!」



村雨「私ニ......構ウナアアアアアアッ!!!!」



ブルンゲル「ヴゥゥゥウゥゥゥウゥゥ.......!!!!」


両者の目が青白く光り、身体から黒い瘴気があふれ出る


村雨「ブルンゲル!! 祟リ目!!!!」


ブルンゲル「ブルァァァァァァァ!!!!」ゴオオオオ!


瘴気がドス黒い炎となりメガカメックスと白露へ向けて放たれる

737名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:12:22 ID:dWZ2jWjM

白露「あんたを元に戻すためになら......鬼にでも悪魔にでもなってやるわ!!」

白露「どうせワルなら、いっちばんワルにねっ!!」カッ!


メガカメックス「ガァァァァァ......!!」コォォォォ

メガカメックス目が赤く光り、砲身に黒いエネルギーが充填されていく


吹雪「グレイシア、『手助け』!!」

グレイシア「レイッ!!」カッ!

吹雪「手助けは、味方の攻撃を強化する技! 私たちの力を受け取って!!」



白露「カメックス、『悪の波動』!!!!」


メガカメックス「ガメッッッ!!!!」ドォン!!!



ゴオオオオオオオオオ!!



漆黒のエネルギー波が広がる

相手の放った黒い炎を飲み込み、そのままブルンゲルへ襲い掛かる



ブルンゲル「ブルッ......」



バァァァァァアアアン!!!!

738名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/11(水) 00:13:01 ID:dWZ2jWjM


ブルンゲル「ゲェェェェエェエエェェェェェェ!!!!」


村雨「ウギャァァアッァァァッアアア!!!」



悪の波動に押し出され、遠く海面まで吹き飛んでゆく

ブルンゲル「ェェェェェェ.............」



ザバァン!!!


大きな水柱が立ち上がる



村雨「ァ......あ......った......かい......」


バタッ



ブルンゲル 戦闘不能



メガカメックス「ガァァァァメェェェェェ!!」 ド ン ! !


白露「まいどありー♪ ............って気分じゃないけどね」






続く

739名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:07:03 ID:hQtj2ep6






吹雪「............か」

ショタT「......勝ったね」



白露「村雨ーっ!!!」

秋月「涼月っ!!」


陸奥「......!?......待ちなさい!!」



ズズズズ......

地面に倒れた二人の少女の身体から虚ろな影が浮かび上がってゆく


ショタT「あ......あいつらだ!!」



ウツロイド①「ウ〜ツ〜......」

ウツロイド②「ロ〜イ〜......」



陸奥「出たわね、ウルトラビースト!!」



キッ キッ キッ


空間が軋んでゆく

そして異空間へと繋がるワームホールが出現する

740名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:08:05 ID:hQtj2ep6


ショタT「まずい、また逃げる気だ!」

陸奥「逃がしはしない! ショウタくん、これを!!」

ショタT「これは......?」


少年は大人のお姉さんからウルトラボールを受け取った


陸奥「それは彼らの捕獲に有効とされるボール! あとは分かるわね?」

陸奥「あの子たちが、あんなに頑張ってくれたのよ。君もちょっといいトコ見せてみなさい。男の子でしょ!!」

ショタT「はい、やります!」

陸奥「よろしい。君は左を、私は右を狙うわ! 」

ショタT「分かりましたっ!」

陸奥「いい? いくわよ!」


両者振りかぶって


ショタT & 陸奥「「てーっ!!!」」


投げた

741名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:08:48 ID:hQtj2ep6



シャッ!


少年の投げたボールは目標を捕らえ

ウツロイド①「ロイッ!?」

ポゥン!

ポンポンポン......

地面に落下する





ゴオオオォッッッッ!!!!


ウツロイド②「ウッ!?」

バキィッ!!

ウツロイド②「ロイィィィィィッッッ!!!???」

ズサーッ!

もう片方は着弾の衝撃で目標を大きく吹き飛ばす


白露「すげェ! 効果抜群だァ!」

秋月「でも剛速球過ぎてボールが反応してない!!」

陸奥「あらあら」


ウツロイド②「ウッ...ツッ......」ビクンビクン


片方のウツロイドは海岸に打ち上げられたクラゲと化す

哀れ。

742名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:09:54 ID:hQtj2ep6



ショタT「僕の方は......!」



ヌッ


ヌッ


ヌッ




ポゥン!!!


ウツロイド①「ロイ〜〜〜!!!」


再びボールから飛び出す



ショタT「ダメかっ......!」

吹雪「そんなっ!」



ウツロイド①「ウ〜ツ〜ロ〜」スーッ



一体目のウツロイドが異空間へ姿を消してゆく




スタスタ

地面に転がる方のウツロイドに歩み寄る


陸奥「もうダメよ、あんまり悪いことしちゃ......」


ポイッ

再びボールを投げる


ウツロイド②「ウッ......!」ポゥン!


ショタT「......!」



ヌッ

ヌッ

ヌッ



吹雪「お願い............」






カチッ!

ボールはそのまま静止する



秋月「や......」

白露「やった............!」


秋月・白露・吹雪・ショタT「ゲットだーーーーっ!!!!」


陸奥「お姉さんも、本気になっちゃうぞ♥」

743名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:11:12 ID:hQtj2ep6









陸奥「ありがとう、みんな。本当によく頑張ってくれたわ」

ショタT「お疲れ様、吹雪ちゃん」

吹雪「えへへっ......でも、みんなの頑張りがあったから、私も頑張れただけだよ」

白露「ここ数年でいっちばん頑張ったよーっ!」

秋月「ところで陸奥さん......涼月たちは、助かるんですか......?」

陸奥「安心して。今専門の医療班が対処してくれてる。これまでの事例から考えると、あの子たちは無事に目を覚ましてくれるわ」

陸奥「ただ、彼女たちが今回のことを覚えていなければ、そのままにしてあげて。思い出しても、つらいだけよ......」

白露「なんか聞かれたら、『ヤドンのあくびに釣られて変な夢見てたんじゃないのー?』って言っとくよっ」

陸奥「ふふっ、そうね。お願い」

陸奥「それでは......大人として、今回の総評を簡単に述べさせて頂きます」

陸奥「あなた方は、件の不測の事態に際し、聡明かつ勇敢な対応をもって収束させましたことを、ここに賞します」

陸奥「とても立派なことね。あなた達はもう、大人への一歩を踏み出してるわ」

白露「いひひひっ♪」

秋月「ふふっ」

吹雪「えへっ」

ショタT「へへっ」

陸奥「そしてここから先は............一人のお姉さんとしての、個人的なお話」

陸奥「そんなに急いで、駆け足で大人になったって......つまんないわよ」

秋月「えっ......」

白露「なんで?」

陸奥「あなた達は、まだまだ好き勝手遊んで、嫌な宿題はちょっと位サボって、その後ちゃーんと叱られて」

陸奥「そして、つらい事があったら......大人に泣き付いて、よしよしされるの......そういう事が許される年頃よ」

吹雪「......」

ショタT「......」

陸奥「......ま、それでもって言うのなら、自己責任で進みなさい。あなた達の目指す道を」

白露「もっちろん!! 言われなくたって、あたしは一番を目指す女、白露よっ!!」

秋月「陸奥さん! 秋月も......決して立ち止まるつもりはありません! もっと強くなって、皆を守れるように......!」

吹雪「わ......私もっ......!」

視線を合わせる

ショタT「......うん」


頷く


ショタT「僕も!!」






続くったら続く

744名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:11:58 ID:hQtj2ep6



大淀博士「さーて今回のポケモンは」

大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ

No.197

大淀博士「No.197と言えば、そう、ブラッキーですね」

大淀博士「月の光がイーブイの遺伝子に作用することで進化した姿、それがブラッキーです」

大淀博士「その黒い体毛に覆われた身体は闇に溶け込み、攻撃の瞬間には体表の輪っか模様を妖しく光らせます」

大淀博士「素敵ですね。私も月明かりに照らされてこのあられもない姿をさらけ出してみたいと思うことも」

バトン「ポン☆」

大淀博士「帰んな」





ここで一句



秋の夜に

すすきと団子と

ブラッキー



大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」

745名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 00:13:36 ID:hQtj2ep6
次回

登場キャラ
>>746

ポケモン
>>747

746名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 02:46:10 ID:1SEGQe4k
タ級

747名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 16:13:48 ID:D06OPjgc
アーケオス

748名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/13(金) 23:19:26 ID:hQtj2ep6
>>746
>>747
承りました

余談です
名前出てないけど防空埋護姫と深海雨雲姫を実質消化したので今後は出せないと思います
あとシロデスナがどこを切り取ってもふざけた鳴き声にしかならないのは誤算だった

749名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:14:18 ID:VGFu0v5w







〜〜〜海上〜〜〜



ザァァァァァァ


マタ雨「マーンターッ!!!」

マタ雪「マンタ!」

マンタイン「マンタ〜〜〜〜」


トレーナーを乗せたマンタインが3匹

その一団が海上を滑るように走る




吹雪「............心配」

ショタT「何が?」

吹雪「いや、何がって......つい昨日まで散々な目に遭ってたのに」

ショタT「......ウツロイドのこと?」

吹雪「それしかないでしょ! また出てきたらどうするの? 戦うの!?」

ショタT「やってみせる! 今度こそは、ゲットしてやる!」

吹雪「なんだか後戻りしてない......?」

ショタT「そんなことないよ。あの時は一人で頑張ろうとしてたけど、今は頼れる仲間がいる!」

ショタT「そうだよね、白露」

白露「もっちろんんんんんん!!!!!!」グーb

750名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:16:09 ID:VGFu0v5w

白露「あんにゃろー! 今度出てきたらこの白露の手でギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてくれるわ!!」

白露「あたしと、更に進化したこのカメックスの力でねっ!」


カメックス『ガメッ!!』

ボールから鳴き声が聞こえる


ショタT「ほらっ」

吹雪「はぁー......」

白露「どこかの誰かが、あの時の村雨みたいになるのも嫌だしさ」

白露「村雨は......本当は、あんなこと言う子じゃないんだよ」

ショタT「......白露......」

白露「あっ、そんな気にしなくていーのいーの。そうそう、さっき大人のお姉さんから連絡あったよ」

白露「村雨も、あの銀髪のお嬢さんも、今はとっても元気だって!」

吹雪「よ、よかったぁ......!」

白露「まだ色々様子見ないといけないけど、学校始まるまでには戻れるってさ!」

ショタT「うん! 本当に、無事でよかったね......」

ショタT「......って......そう言えばもう夏休みが終わるのかぁ」

吹雪「もう、無事にお家に帰ることが出来ればいいでしょ。あんなに大変な思いしたんだから」

ショタT「それもそうだけどさ......」

マンタイン「マンタ〜〜〜〜」



ザァァァァァァァァ......

751名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:17:49 ID:VGFu0v5w






海上遠く






「............ガキが3人」

「......ダネ」


双眼鏡を覗き込む女性が2人


サメハダー①「サメェッ......!」ガルルル

サメハダー②「ハダァッ......!」グルルル

いずれもサメハダーの背に乗っている


「見ナイ顔の小娘が2人......ケド、残る白帽子の小僧ハ......」

「......」チラッ


手元に2枚の広告チラシ程の大きさの紙

双眼鏡から見える少年の顔と片方とを見比べる


「確かめてミヨウカ」

「行くヨ」


サメハダー①「サメェッ!!!」カッ

サメハダー②「ハダァッ!!!」カッ


バシュウン!!!


激しい水飛沫を立てて2体のサメハダーが発進する

752名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:19:04 ID:VGFu0v5w
白露「そーそー、そう言えば秋月からも伝言があったよ」

ショタT「秋月ちゃんから?」



秋月『あの海域は、UBの存在もそうですが......最近は別の理由で危険だと聞きます』

秋月『なんでもあの一帯に、通りかかったトレーナーに無差別に攻撃を仕掛ける一団がいるそうです』

秋月『もし遭遇した場合は、下手に刺激せずに早急に立ち去るよう心掛けて下さい。お願いします』



吹雪「......なんだか物騒だね」

白露「でもこの白露、挑まれた勝負から逃げはしないよっ! 掛かってくるならドンと来......」








「「ハイドロポンプ!!!!」」


サメハダー①「ザァァァァァ!!!」バババババ

サメハダー②「ハァァァァァ!!!」バババババ



ショタT「なっ!?」

吹雪「んっ!?」

白露「だぁぁぁぁぁぁあああああっ!?」

マンタイン一同「ンタァーッ!!??」

753名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:19:56 ID:VGFu0v5w



並走する3人の間の隙間を狙って、背後から弾丸のような水流が放たれる


ドドドドオオオオンンンン!!!!!


そして眼の前に2本の水柱がそびえ立つ


ショタT「くっ......!!」ザァァァァァ

滝のような海水の雨の中を走り抜ける

吹雪「何事!?」


後方を確認する

水飛沫の中に2人の人影が見える

もやが晴れてゆくと共にその姿が顕になる



タ級「......サァ、ソノお顔、よぉーく見せてミナサイ?」

ヲ級「............」ジロッ

サメハダーたち「ダァァァァァ!!!」グルルルル

754名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:20:49 ID:VGFu0v5w


ショタT「サ、サメハダー......に乗ってる!?」

吹雪「さっきの攻撃は、あの子達の仕業!?」

白露「うげーっ!? 行ったそばから何とやら!!!」


タ級「......間違いナイネ?」

紙と少年の顔を交互に見る

ヲ級「............ウン」


白露「な、なんだ貴様らーっ!? 勝手に頷いてないであたしらにも説明しなさぁーいっ!!!」


ヲ級「......面倒くさい.......コレデも見ナ」


バサッ!

2枚の紙を3人の元に放り投げる


パシッ

白露「んー? ............ふぁっ!?」

吹雪「えぇっ!?............こ、これって......手配書っ!?」

ショタT「げっ、これ僕の顔っ!? しかも......!!」



白露・吹雪・ショタT「「「 懸賞金ーっ!!!??? 」」」

755名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:21:45 ID:VGFu0v5w


ヲ級「見ての通りダヨ。コレデ説明しなくテモ......」

タ級「ブッ潰される理由が分かったデショウ?」



吹雪「それに、こっちの方の......赤髪......二つ結び......私、この子知ってる!!」

吹雪「私の隣町のスクールで生徒で、そこで一番の実力者! 名前は確か、陽炎!!」

白露「一番ッッッ!?」ギョギョギョッ

ショタT「吹雪ちゃん、陽炎のこと知ってたんだ......」

吹雪「一回、練習試合でバトルしたことがあるんだけど......勝てなかったなぁ。凄く強かった」

吹雪「......って、なんでその子と二人揃って仲良く指名手配されてんの? ショウタくん本当に日頃から何してる訳?」ムスー

ショタT「色々あって......」

白露「おのれーっ! 一番の名を騙る不届き者はこの白露が許さん!!」

ビリッ!(真っ二つになる陽炎の顔)

吹雪「いや、本人は騙ってないと思うけど......」



タ級「お喋りはお終いヨッ! 出て来い、アバゴーラ!!」

ヲ級「オイデ......アーケオス」


ポゥン!     ポゥン!


ザバァン!


バサァッ!


アバゴーラ「ゴルァァァァ!!」


アーケオス「キャォォオッス!」

756名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:23:08 ID:VGFu0v5w

吹雪「くっ......ショウタくん、下がって! あの人たちの狙いは君だよ!」

ショタT「じゃあ尚更、僕が相手しなくちゃダメだよっ! 吹雪ちゃんが下がってよ!」

吹雪「また無茶する!」

ショタT「でも!」


白露「聞きなさぁぁぁぁぁあああああい!!!!」カッ!


吹雪・ショタT「ひぃっ!?」ビビクッ


ヲ級「......?」


白露「あんたら、この白露の顔をよーく覚えておきなさい! 何故なら......!」

白露「今度いっちばん高い懸賞金が懸けられるのは、この白露なんだからねっ!!!」 ド ン ! !


ヲ級「..................」

タ級「 ハ ? 」


吹雪「ねぇ白露ちゃん......? あなた秋月さんから直接忠告聞いたんじゃないの?」

白露「聞いたは聞いたけど承諾はしてないっ!」

白露「んじゃ任せたよ、カメックス!!」


ポゥン!


ザバァン!!!


カメックス「ガァァァメェェェ!!!」ドン!


激しい水飛沫を上げ、カメックスの巨体が海上に浮かぶ

757名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:24:07 ID:VGFu0v5w

白露「こんな紙切れの奴なんかより、この白露の方がよっぽど美味しい獲物だってことを教えてあげるよっ!」

ペラペラッ(真っ二つになった陽炎の顔で扇ぐ)

白露「もっとも、狩られるのはそっちの方だけどねっ!!!」


カメックス「ガメッ!!!」ギロッ!


アバゴーラ「ゴラァァァ......!」

アーケオス「ケェェェェェ......!」


タ級「生意気なガキだネェ......!!」ピキッ

ヲ級「イイネ......自分カラ喧嘩売ってくる奴を潰すのハ、心が痛まナイヨ」



ショタT「僕もやる! 来い、スターミー!!」

吹雪「あ、ちょっと!」


ポゥン!


スターミー「ヘァッ!!」


ショタT「白露! 僕も一緒に戦う!」

白露「いひひっ! じゃあ行くよーっ!!」


ショタT・白露「「バトルッ!!」」

758名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:25:05 ID:VGFu0v5w



ショタT「スターミー、ハイドロポンプ!! 狙うはアーケオス!!」

スターミー「ヘァアアアアアッ!!!」バババババババ


スターミーから水流の砲弾が発射される


ヲ級「フン」

コツン

サメハダーの頭を杖で小突く

サメハダー「ダァァァァッ!!」ゴオオオオッ!

アーケオス「ケェェェェッ!!」バシュッ!

ヲ級を乗せたサメハダーとアーケオスが急発進する

タ級「遅れるんじゃナイヨッ!」

ドン!

サメハダーの上で足を踏み鳴らす!

サメハダー「サメェッ!!」ゴオオオオッ!

アバゴーラ「ゴォォォラッ!」ザバッ!

タ級のサメハダーとアバゴーラもそれに続く



ザバァァァァァァン!



さっきまでアーケオスがいた位置で大きな水柱が立つ



ショタT「......っ! 避けられた!」

吹雪「ダメだよショウタくん! こんな遠くから棒立ちのまま攻撃しても、かわされちゃう!」

ショタT「そ、そっか......こっちも動き回って、相手の動きを捕捉しないと......!」

白露「だったら追っかけるよー!!」


マンタインたち「ンタァァァァッ!!」

バシュッ!!!

マンタインも発進する

759名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:26:11 ID:VGFu0v5w



ザァァァァァァァアアアア!

サメハダー、それを追うマンタイン、それらに随伴する形でポケモン達が水上を疾走する



タ級「ハッ、ド素人めッ」

ヲ級「見せてヤロウカ。海ニハ海ノ、戦い方がアルってことヲ」

ヲ級「......アーケオス」


アーケオス「ケーッ!」


バサバサッ!


羽ばたきと同時に高度を上昇させてゆく


ショタT「な、何をする気だ......?」


見上げる

アーケオスの影が太陽と重なる


ヲ級「......行ケ」


杖を振るう

トレーナーの命令と同時に、上空から黒い影がマンタインの一団めがけてダイブしてくる


アーケオス「キャァァァオッ!!」ゴォォォォォオオオ


ヲ級「今ダ......」


バサッ バサッ バサッ バサッ!!

急降下し、激しく羽をばたつかせる



吹雪「ひゃっ!?」

白露「うげっ!? ななななっ、なにあれっ!?」

ショタT「岩!?」



ヲ級「『岩雪崩』!!」


アーケオス「オォォォォッス!!」


羽ばたきにあわせ、アーケオスの両翼から大量の岩石がばら撒かれる

760名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/17(火) 23:27:12 ID:VGFu0v5w



白露「あ、あんな危なっかしいモンどこに積んでたのよ!!」

ショタT「まずい......! あの位置から岩雪崩を撃たれたら......!!」

吹雪「私たちも巻き込まれる!!!」


アーケオス「ケォォォォッス!!」

ゴオオオオォォォォォォ!!

風圧が起こる


ショタT「うわぁっ!!」

マンタイン「マンタ〜〜〜ッ......!」

体勢を崩さないよう踏みとどまる


巨大な黒い影が上空を通過したその直後


ショタT「はっ............!」


それとは別の無数の影が空を覆う



タ級「教えてアゲル。 コノ海で生き残るのハ、強い者でも、賢い者でもナク!」

ヲ級「容赦ノナイ者ヨ」



ドドドドドオオオオォォォォオン!!!



降り注ぐ岩石の雨が海面に白い柱を乱立させてゆく










続く

761名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:06:38 ID:KdQQqMyY






タ級「教えてアゲル。 コノ海で生き残るのハ」

ヲ級「容赦ノナイ者ヨ」



アーケオス「ケォォォォッス!!」ゴオオオオオオ


アーケオスの岩雪崩!





ショタT「............!」





ドドドドドオオオオォォォォオン!!!




水飛沫で海上が白く染まる





タ級「............トハ言え困ったネ。奴らがコノまま沈んじゃ、私らが仕留めたと証明デキナイヨ」

ヲ級「............」



白い幕の中を凝視する



ヲ級「......心配ナイ」

タ級「............ッ!?」





メガカメックス「ガァァァァメェッ!!!」ガコン!

スターミー「ヘァァァァァァッ!!」ギュィィィィィイン


攻撃を受けきった2体のポケモンが対峙する

762名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:07:42 ID:KdQQqMyY



タ級「アレは、メガシンカ!? ......た、タダのガキじゃないッ!」

ヲ級「確かにコレハ、イイ獲物ダネ......」



メガカメックス「......ガメ?」

心配そうに懐に目を向ける

白露「ひひひっ♪ ありがとう、カメックス。もう悪い雨は上がったみたいだね」


スターミー「ジュワッ!」

吹雪「スターミー......あなたが庇ってくれたの?」

ショタT「ありがとう、スターミー」

スターミー「シュワッチ!シュワッチ!」

まじで最高なスターフィッシュpokemon!
完璧な星型ボディで程よい耐久で、見ててもエロいし声もいいし、エロかっこよさ五感で感じさせてくれるのはマジで気持ちいい。
他のやつはつまらなくなるよ、マジで。



白露「見たかあんたら! こいつがあたしの、いっちばーん頼れる、正義の盾よっ!!」


メガカメックス「ガメェェェェ!!!」ドン!


ショタT「反撃だ! 行くよスターミー!!」


スターミー「ヘァッ!!」カッ!

763名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:09:42 ID:KdQQqMyY



タ級「いいダロウ......相手にナルさ......!」

アバゴーラ「アバァ......!」

ピキッ


ヲ級「......ダガ果たして.......我らの攻撃からトレーナーを庇いながら、反撃が出来るのカイ?」

杖を振るう

アーケオス「ケェェェェ!」

再びアーケオスが攻撃の姿勢にうつる



吹雪「また来る......!」

ショタT「白露!」

白露「なーにっ。さっきはビビッて反撃のチャンスを逃しちゃったけど、次は上手くやる」

白露「あいつがあたしらを攻撃しに近寄ってくる瞬間に、真正面から、撃ち落すっ!!」ドン!


メガカメックス「ガメッ!!」

ガコン!

主砲を構えるメガカメックス


吹雪「えぇっ!? で、でもそれだと、白露ちゃんはどうするの!? あの岩の雨をどうやり過ごす気!?」


白露「こんなもん臆した方が負けさ! 当たらないって思ったら、当たらないよっ!」


ショタT「......いや、その必要はない。アーケオスの攻撃を待たずとも、僕が仕留める!」

白露「 ? 」

吹雪「............そうだっ! ショウタくんとスターミーなら、それが出来るっ!」

ショタT「頼んだよ、スターミー!!」


キラッ!


スターミー「ヘェァァァァァァァアアアアア......!」カアアアアア


スターミーが光を纏ってゆく

764名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:10:38 ID:KdQQqMyY



ショタT「Zクリスタルよ......僕とスターミーに力を!!」

Zクリスタルが輝きを増す



ヲ級「......見エル? アレ?」

タ級「エェ......やはり使って来たネ」



アーケオス「ケ......?」

アーケオスの頭上に黒い影がかかる

見ると、どこまでも続く岩の天井が広がっている



白露「すっごーい! あれって、もしかして!」

吹雪「そうだよ! これが......」

ショタT「スターミーが解き放つ、全力のZワザ!」


ショタT「ワールズ......」



タ級「ナラバ、コチラも見せてヤロウ。我ラの力を!」


アバゴーラ「アバァァァァ......!」


ピキピキピキッ

アバゴーラの甲羅に亀裂が走ってゆく


ショタT「 !? 」

765名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:11:40 ID:KdQQqMyY



吹雪「.....!? ......し、しまった、アーケオスにばっかり気を取られてたけど......まずい!」

白露「アイツはさっきから何やってんのよっ!!」



アバゴーラ「ゴォォォォオ!」

ガララララ

甲羅が崩壊してゆく



ショタT「まさか、この技はっ!?」


タ級「『殻を破る』!!」


アバゴーラ「ラァッッッ!!」

パァン!!

装甲を脱ぎ捨てるアバゴーラ


タ級「サァ行け!!」

アバゴーラ「アァァァァバッッッ!!!」


バァァァンッ!!!!


後部の排水器官から大量の海水が爆発的に噴射される

それにより巨大な水柱が立ち上がる

瞬時に最高速度に達したアバゴーラが標的目掛け突撃する


ショタT「ま、まずい! 速......」


タ級「遅イッ!!!」



スターミー「ジュワッ!?」

アバゴーラ「ガァァァァァッ!!!」




スターミーの眼の前に大きく開いた口が出現する

まばたきする間すら与えず攻撃が仕掛けられる


タ級「『噛み砕く』!!!」



ガギィッッッ!!!

766名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/19(木) 23:12:44 ID:KdQQqMyY



ショタT「ス......スターミーッ!!」



スターミー「ヘ......ヘァッ......ッ!」ギチッ

アバゴーラ「グルルルル......」

強靭な顎がスターミーを捉える


ピキッピキッ

ゴリッゴリッ


吹雪「ひっ......!」

耳を塞ぐ

白露「うげぇっ......!」


万力の軋む音が鳴り、標的の体が圧壊されてゆく

スターミー「デュ......ワッ......!」

ピコンピコンピコンピコン

同時にスターミーのコアが激しく点滅する



タ級「まだ餌の時間ジャナイヨ。用が済んダラ、サッサと戻って来ナサイ」


アバゴーラ「グルル......ラァッ!」クイッ

獲物を乱暴に放り投げる


ザバァン!

アバゴーラが主の元へ戻り、力なく漂うスターミーがその場に残される


ショタT「そんな............」


スターミー「......シュ......ワッ......」


光を失う



スターミーは力尽きた









続く

767名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/21(土) 16:38:52 ID:n00iBmms






タ級「『噛み砕く』!!!」

アバゴーラ「ガァァァァァッ!!!」

スターミー「ジュワッ!?」


ガギィッッッ!!!


ショタT「スターミーッ!!」


上空に大きく見えていたZワザが対戦相手に無視され、攻撃を食らった時には消えていた


スターミー『20回以上? 30回以下? 何回咀嚼されたか分......』


スターミー「......シュ......ワッ......」


グタッ


スターミーは力尽きた






ショタT「......スターミー......ありがとう。休んで」


ポゥン


吹雪「こ、これが殻を破るの力......!」

ショタT「油断した......まさかアバゴーラがここまで速く動けるなんて.......!」

白露「感心してる場合じゃないよっ!!」

ショタT「っ......!」



アーケオス「キャォォォォオォオオオッス!!!」ゴオオオオオオ


アーケオスが上空から急降下してくる

768名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/21(土) 16:39:48 ID:n00iBmms


吹雪「ま、またアーケオスが!!」

ショタT「くっ......!!」

白露「そこ! 今すぐあたしのそばに来なさい!!」

ショタT「えっ!?」

白露「作戦変更! とにかく今は君らを守る! だからカメックスの後ろに!」

メガカメックス「ガメ!」コクッ

ショタT「白露......カメックス......分かった!」

吹雪「ありがとう、二人とも......!」

マンタインたち「マンタ〜〜!」



ヲ級「岩雪崩......」

杖を振るい指示する


アーケオス「ケェェェエェェエエエ!!」バサッバサッバサッ!!!

両翼から大量の岩石がばら撒かれる



白露「カメックス、準備はいい......?」


メガカメックス「ガァァァァ.......!」コォォォォォオ

背中の砲塔にエネルギーが充填されてゆく



ドドドドォン!!!

水飛沫が立ち上る

降り注ぐ岩石がメガカメックスの周囲に水柱を作ってゆく

769名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/21(土) 16:40:24 ID:n00iBmms



ガガガンッ!!

メガカメックス「ガァッ......!!」

いくつかの岩石がメガカメックスに命中し砕ける音が響く


吹雪「カメックス!!」

白露「怯むんじゃないよ、相棒......」


上空を黒い影が通過する

見上げる

既にそこにアーケオスの姿は無く、ただ無数の岩だけが浮かんでいる


ショタT「............!」

マンタイン「マ......」


硬直する

時空が歪んだかのようにゆっくりと頭の中で秒の針が刻まれる

しかし確実に、岩石は自分達目掛けて距離を縮める

自分を乗せるマンタインの身が黒い影にすっぽりと包まれたその時





白露「今よッッッ!!!!」

メガカメックス「ガメッ!!!」


ガコン!


メガカメックスが振り向き、素早く砲の標準を合わせる


白露「水の波動!!!」

メガカメックス「ガァァァァメッッッ!!!」


ドォォォオン!!!


即座に轟音が鳴り響く

770名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/09/21(土) 16:41:00 ID:n00iBmms



パァァァァン!!!

波状の砲弾が頭上の岩石を撃ち抜き爆散させる


吹雪「や、やった......!」

ショタT「すごい......!」

マンタインたち「マンタ〜〜〜!!」


威力を落とすことなく水の波動が空中を突き進む

弾道上にアーケオスの姿を捉える


白露「行っけぇぇぇぇぇええええ!!!」


ヲ級「ダガ遅い」


アーケオス「ケオッ!!」サッ

進路を変え、背後からくる砲弾を避ける


ショタT「!? ......かわした!」

白露「ちぃっ......!」



タ級「馬鹿メ! ソンナ距離を置かれてカラ撃ったトコロデ、当たるモノカ!」

ヲ級「ソンナにコイツを撃ち落したいノナラ、正面からでなきゃダメだヨ」



アーケオス「オォォォォッス!!」キッ!


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板