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( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
191
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:38:40 ID:CIdRmbio0
* * *
ξ゚⊿゚)ξ 「だから言ったじゃん。あんたじゃだめだって」
('A`) 「うるせえな。おまえじゃ無理だから俺がやろうとしたんだろ」
ξ゚⊿゚)ξ 「で。どうすんの?」
('A`) 「俺に考えがある」
ξ゚⊿゚)ξ 「役に立つ考えならいいけれど」
('A`)
ξ゚⊿゚)ξ 「そんな睨まないでよ。冗談じゃない」
('A`) 「…まあ、いいや。一度しか言わないからちゃんと聞けよ」
ξ゚⊿゚)ξ 「はいはい」
* * *
192
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:38:53 ID:qLLQhYOA0
>>185
今日84本目からスタートって書いてたけどそれがある(既に投下終了してた)から
自分が85本目からスタートした
からもうカウントしなくていいはず
ややこしくしてごめん…
193
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:39:29 ID:CIdRmbio0
しばらく、走り、息が苦しくなって立ち止まる。
デレは地面や屈み込んで泣き出した。
荒い息で、声すら出せずにボロボロと涙を零す。
ブーンは自分の息を整えながら泣き止ませようとしたが、ダメだった。
今まで泣かなかったことを褒められても、泣くことを責めることは出来ない。
ただ、つられて泣くのを堪えるのが大変だった。
ζ(;д; ζ 「おかぁさぁん…!」
( ;^ω^)「……」
何度も何度も背中を摩った。
先程のアレも気になるが、とりあえず泣きたいだけ泣かせてあげようというのがブーンの考えだった。
弱々しい鳴き声が響く。
これを聞いて村の誰かが来てくれないかと淡い期待を抱くが、鬱蒼とした木々に吸われて村には届かない。
強い風が吹き、木々がざわめいた。
デレが小さい悲鳴を上げ泣き止む。
ブーンはその小さな身体を引き寄せ、庇うように抱きしめる。
風がやみ、再び周囲に不気味な静寂が訪れる。
いや、静寂では無い。
パキパキと枯れ枝を踏むような音がどこからか響いて来ていた。
助けにきた母親か、村人の誰かか、それとも先程の……
明かりを消し息を潜める二人の元に、足音が近づく。
194
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:40:26 ID:qLLQhYOA0
>>185
ごめん違った何でもないですみなさんすみません…
そして支援
195
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:40:51 ID:CIdRmbio0
( ;^ω^)(…かなり近いのに、明かりが見えない。やっぱり…)
ζ(゚、゚;ζ(おにいちゃん…)
( ;^ω^)(だいじょうぶだお。お兄ちゃんがついてるお)
ぱきり。
ごく近く、二人の寄りかかる木の裏で音がした。
背中を冷たい汗が流れ落ちる。
「あれぇ?」
先程聞いた笑い声と同じ声だった。
恐る恐る振り返える。
木の陰から大きな何かが二人をみている。
ブーンの頭ほどある目玉を持った、まるで巨大な生首のような何かが。
( ;#゚ω゚)「!?」
ブーンが手を引き走り出そうとするが、デレは腰を抜かして動けない。
迷う間も無く、ブーンはデレを背負い走り出した。
196
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:40:55 ID:Q7ucvMh6O
>>192
把握
大丈夫ですよ
では次が98本目となります
197
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:42:55 ID:CIdRmbio0
たとえデレが小さな六歳の子供であっても、それを背負うブーンもまた九歳の子供。
疲弊した状態でのおんぶは決して楽では、いや、むしろ無理をしている以外の何物でもない。
しかしデレを降ろす選択肢はなかった。
降ろせば腰を抜かしているデレは走れない。
置いて逃げるという考えが無い限り、背負って走る他無い。
ブーンはお兄ちゃんだから、妹を守らなくてはいけないのだ。
デレに携帯電話を持たせ、足元を照らして貰って走り続けると、目の前に細い山路が現れた。
山菜を取る地元の人がたまに使うような、道とも言えない道だったが、二人にとっては希望の道だった。
( ;^ω^)(どっちが正解だお…?)
目の前を横切る道を、左へ行くか、右へ行くか。
ζ(゚、゚;ζ 「おにいちゃん!みぎ!みぎ!」
( ^ω^)「お?右に行くのかお?」
ζ(゚、゚;ζ 「ちがう!みぎからきてる!」
はっとして右を見ると、先程の男が足音を忍ばせ近づいて来ていた。
デレがライトを向けたので顔がはっきりと見えた。
目が腫れて潰れた、毛むくじゃらの醜い顔が、そこにあった。
198
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:44:46 ID:CIdRmbio0
男の手がブーン達に伸びる。
ブーンは踵を返し、男とは逆の、左の方へと逃げる。
デレが振り返って確認すると、先程の大きな生首も追って来ているという。
いやだ。
怖い。
怖い!
足が限界に来て、デレを降ろし、ブーンは木に背を預けて座り込んだ。
追ってくる姿はとりあえず見えないので、息を整えるのに集中する。
気丈に頑張ったブーンの精神も、錯乱寸前に追い込まれていた。
辛うじて耐えられるのは、傍らに妹の体温を感じるからだが、それも時間の問題だ。
ζ(゚ー゚ ζ 「おにいちゃん、デレだいじょうぶだよ。じぶんではしれるよ」
力尽き、動くこともままならない兄を励ますように、デレは引きつった笑顔でその手を握った。
ブーンの限界を悟り、励まそうと震える足を必死に堪える。
夜が無性に怖くて眠れない時に、母がそうしてくれたように優しく兄に笑いかける。
ブーンはそんなデレを強く抱きしめ、ついに泣き出した。
今の状況が恐ろしくて、妹の優しさが嬉しくて、自分の情けなさが悔しくて、ただただ泣いた。
199
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:45:54 ID:CIdRmbio0
何時の間にかデレも泣き出して、二人で声も枯れるまで泣いていた。
どれ程の間そうしていただろうか。
涙も枯れ、体力も果て、その場に座り込んでいると、
「おーい!こっちにいたぞー!!」
あの毛むくじゃらの男の声だった。
仲間を呼んでいる。
背筋に寒気が走った。
逃げようとしたが、疲労で身体が動かない。
どうしようもなくなり兄妹は抱互いを硬く抱きしめた。
守るように、庇うように、あるいは、どちらかが一人きりなってしまわないように。
おびただしい足音が聞こえ始めた。
( ;-ω-)(もう、だめだ)
心の中で諦めの声をあげた。
足音は、すぐそばにまでたどり着く。
「ブーン!デレ!みんな、こっちだ!二人ともいるぞ!」
目の前であげられた声は、村の交番のお巡りさんのものだった。
200
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:47:14 ID:CIdRmbio0
* * *
/ ,' 3 「二人とも、眠ったのか?」
J( 'ー`)し 「うん。とても疲れてたみたいですぐ寝ちゃったわ」
奥の部屋から戻ってきたカーチャンは安心した様子で座布団に腰を降ろす。
座敷では、孫の捜索に協力してくれた村人にささやかな詫びと礼として酒を振舞っていた。
ブーンとデレが見つかったのは30分程前。
裏山の、比較的麓に近い木の根元で抱きしめあっているところを発見された。
かなり疲弊はしていたが大きな怪我もなく無事で、村人揃って胸を撫で下ろした。
J( 'ー`)し 「プギャーさん、本当にありがとうございますね」
( ^Д^) 「いやいや」
兄妹を見つけたのは村の交番に勤める青年のプギャーだった。
少々抜けたところがあるが、頼りになる男だ。
( ^Д^) 「それに、初めに見つけたのは俺じゃないっすよ」
J( 'ー`)し 「え?でも…」
( ^Д^) 「誰だかわからねーけど、呼ぶ声がしたんですよ」
201
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:48:47 ID:CIdRmbio0
/ ,' 3 「…?」
( ^Д^) 「いやね、確かに俺があそこに行った時はブーンとデレしかいなかったんですけど」
( ^Д^) 「そもそもそっちに行ったのはその呼び声がしたからなんすよ」
J( 'ー`)し 「まぁ、そうなの?」
( ^Д^) 「ええ、不思議なこともあったもんで」
/ ,' 3 「……」
J( 'ー`)し 「お父さん?」
荒巻はおもむろに立ち上がり、台所へ。
カーチャンや集まっていた村人が不思議そうに視線を向ける中、
冷蔵庫から残り物の天ぷらと油あげを取り出し、足早に家を出て行った。
J( 'ー`)し 「どうしたのかしら?」
( ^Д^) 「さあ?おしっこですかね」
J( 'ー`)し 「あらやだ」
202
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:50:07 ID:CIdRmbio0
* * *
('A`) 「とりあえず無事に帰れたみたいだな」
ξ゚⊿゚)ξ 「それにしてもよく思いついたわね」
('A`) 「まあな。声をかけて逃げられるなら、安全な方へおいたててやればいいのさ」
ξ゚⊿゚)ξ 「ま、怖がらせたお陰でお礼も何も貰えないけど」
('A`) 「ど、どっちにしろ、今の奴らは俺らのことなんか忘れてるだろ…」
ξ゚⊿゚)ξ 「それでもー、普通に送り届ければお礼くらいもらえたんじゃないかなー」
(#'A`) 「だ、黙ってきいてれば!それはお前がやり過ぎたからだろ馬鹿!」
ξ#゚⊿゚)ξ 「な、なによ!しかたないでしょ!私生首くらいにしか化けらんないんだもん!」
(#'A`) 「好い加減人間にくらい化けろよ!」
ξ#゚⊿゚)ξ 「なによ!そもそもあんたがちゃんと化けられれば問題なかったじゃない!」
(#'A`) 「なんだとぅ!……ん?」
ξ゚⊿゚)ξ 「…ん?……なにあれ。なんか来る?」
('A`) 「…あのじいさん、あんなに急いでどうしたんだ?」
* * *
203
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:51:31 ID:CIdRmbio0
いいか、ブーン、デレよく聞きな。
あの山の奥では神隠しが起きるって話はしたことあるよな?
でもな、いつからか人間が神隠しにあわないように護ってくれる神様がでるようになったんだ。
迷い混んだ人間を里まで連れて来てくれる狐と狸のありがたい神様がな。
たぶん、お前たちが見たおっかないのは、道案内しようとして出て来てくれた神様だったんだ。
だから、感謝はしても、うらんじゃならねぇよ。
そうじゃなきゃ、おまえらはもっと酷い目にあったんだから。
とりあえず、昨日はじいちゃんがお礼しておいたけれど、今日皆で改めてお礼に行こうな。
大丈夫。じいちゃんも一緒だから、怖くなんかねえよ。
そうそう、今度からはは暗くならない内にちゃんと帰えってこような。
神様は気まぐれだから、いつでも助けてくれるわけじゃないからよ。
204
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:52:41 ID:CIdRmbio0
(
)
i フッ
|_|
おわりどすえ
えーっと、これが九十七本目で良いのかな?
次どうぞ
205
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:52:49 ID:VUmcF81s0
稲荷かな?優しい神様でよかった乙
206
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:53:45 ID:qLLQhYOA0
よかった おつおつ
207
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:53:55 ID:Q7ucvMh6O
書きたてほやほや投下してもよろしいかしらー
208
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:54:26 ID:SodIsl22O
乙
終わりが近くてウズウズする
209
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:54:55 ID:Q7ucvMh6O
>>204
乙でした
ほっこりホラーで癒された…
210
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:55:20 ID:qLLQhYOA0
>>207
しえん
211
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:55:42 ID:CIdRmbio0
んーっと
>>183
は鬼の棲む〜とは別もんだからこれが98本目扱いでいいんだよね?
212
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:55:48 ID:VUmcF81s0
次は九十九本目になるわけか……
213
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:56:27 ID:SodIsl22O
>>207
が、99本目?
214
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:56:56 ID:FbC6w4w60
なんか
実体験のようです
読んだからか
ビビってきた
215
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:57:44 ID:Q7ucvMh6O
>>211
おっとそうでしたか、失敬
では僣越ながら…
.,、
(i,)
|_|
九十九本目いただきます
爪'ー`)y-は今日もオレオレ詐欺をするようです
216
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:58:23 ID:iRUeS2nI0
百本目が近づいてきたな
みなぎってきた
217
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:59:27 ID:CIdRmbio0
ラス2支援
218
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 01:59:34 ID:Q7ucvMh6O
オレこと、フォックスはいわゆるヤのつくこわーい自由業を営む悪いお兄さんである
…とはいえ、周りに比べればまだまだケツの青いガキ
下っ端中の下っ端で、それらしいことはあまりやっていない
…まぁ強いて言うなら、オレオレ詐欺をしていることくらいだろうか
そんなわけで、今日もタバコを片手に、名簿とマニュアルに従って年寄りに金をせびるのだ
「はい、もしもし鬱田です」
覇気のない声だった
オレの脳内にパッとしないおばさんのイメージが浮かんだ
爪'ー`)】y-「オレオレ、オレだよ母さん!」
【J( ‐ )し「っ…」
電話の向こう側で、母親らしき人物が息を飲むのを感じた
まずいかもしれない
もし息子が亡くなっていたり失踪したりしていたら、それはそれは面倒なことになるのだ
けれども、実際は違った
【J('ー` )し「ドクオかい…?」
爪;'ー`)】y-「あ、ああ、そうだよ母さん」
【J('ー` )し「…あんたが母さん、なんて呼んでくれたのは…いつぶりだろうねぇ」
そう言って相手は涙声になった
爪;'ー`)】y-「な、泣くなよ母さん」
【J('ー` )し「そうだけどね…今までババァって呼ばれてたんだもの、嬉しいに決まってるじゃない」
219
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:00:41 ID:qLLQhYOA0
>>214
和紙に塩包んで持っとけばいいよ 気休めかもだけど無いよりいい
220
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:02:09 ID:Q7ucvMh6O
相手はごめんね、ごめんね、と謝っている
気まずさを感じながらも、オレはいつも通り話を切り出す
爪'ー`)】y-「あの…それで悪いんだけど…実は会社で」
【J('ー` )し「……ドクオ、いつの間に就職したの?」
爪;'ー`)】y-「……」
おいおいドクオくんとやら…
オレも大概クズだけどあんたはもっとクズだなぁ
なんて思いながら適当な言い訳
爪'ー`)】y-「あーバイト始めたんだ…」
【J('ー` )し「そう…うまくやれてるのね」
はぁ、とため息が一つ聞こえる
まったく親不孝な息子だぜ
爪'ー`)】y-「それで、その…実はその仕事中にヤーさんの人怒らせちゃって」
つらそうに、相手の様子を伺いながら金の話に持っていく
爪'ー`)】y-「それで…示談金が必要で」
【J('ー` )し「あら、」
返ってきたのは、冷たい声
爪'ー`)】y-(あーまずかったか)
221
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:04:52 ID:Q7ucvMh6O
察するに今まで働かずに母親を罵って生きてきた脛齧りのようだから、縁を切られても不思議じゃないな
そう思って電話を切ろうとした時だった
【J( - )し「私を殺してもお金が足りないの?」
爪;'ー`)】y-「え…」
【J( - )し「お母さん、やめてって言ったのに」
【J( - )し「たくさん包丁で刺して」
【J( - )し「保険金もらって」
【J( - )し「仕事に就いて」
【J( - )し「幸せになろうとして」
【J( - )し「ふざけるな」
【J( - )し「私みたいに苦しんで死ね」
ブツンッ
爪;'ー`)】y-
……その電話番号に掛け直す勇気なんかあるはずもなく
オレは無言で、電話が繋がらなかったことを意味する×印を名簿に書き加えて再び電話をした
爪'ー`)】y-「もしもし、オレオレ」
爪'ー`)】y-「フォックスだよ、母ちゃん、元気か?」
222
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:05:33 ID:Q7ucvMh6O
(
)
i フッ
|_|
九十九本目ありがとうございました
次で最後ですね…
223
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:06:23 ID:qLLQhYOA0
乙でした カーチャン…
224
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:07:20 ID:VUmcF81s0
カーチャン……
そして次はいよいよ……
225
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:07:28 ID:HGntewWI0
最後だけちょっとほっこりした
次……百か……!!
226
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:08:00 ID:FbC6w4w60
乙。
カーチャン…
>>219
ありがとう、でも和紙が無いや。
227
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:09:36 ID:qLLQhYOA0
>>226
通気性が大事 ティッシュ重ねて包んで持ってたらおk
228
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:10:38 ID:Q7ucvMh6O
…ところで今し方トイレに行ってきたんですが見てしまった
百本目以降に投下します、多分
229
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:11:18 ID:HGntewWI0
>>228
し、塩!塩!!
230
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:11:25 ID:VUmcF81s0
こえーよ……
家の前の街灯が不定期に点滅してるし……
231
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:13:23 ID:qLLQhYOA0
怖いヤバいって思うやつはみんな塩持っとけw
実体験読んだ人は特に
232
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:13:29 ID:.vz/DdAUO
>>228
はやく逃げてー!
233
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:14:14 ID:SodIsl22O
乙
ドクオェ……
あぁゾクゾクしてきた
次で最後か
234
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:17:42 ID:iRUeS2nI0
お前らのせいでトイレ行くの断念したじゃねーか
部屋から出られねぇwwwww
あ、俺が投下したの部屋にいたままでもアウトな奴だtt
235
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:21:17 ID:qLLQhYOA0
>>234
クソワロタwwwwww
トイレいってこいwww
236
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:24:15 ID:.vz/DdAUO
丑三つ時だぜ…
237
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:26:28 ID:Q7ucvMh6O
…できたんですがこんなのが百本目でいいんだろうか
238
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:27:08 ID:VUmcF81s0
洗練された創作よりもふわっとした実話の方が怖かったりするんだぜ?
239
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:27:23 ID:qLLQhYOA0
>>237
よしきた支援
240
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:29:28 ID:iQxuuTyc0
しえん
241
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:29:46 ID:HGntewWI0
全力で支援するぜ
242
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:30:10 ID:Q7ucvMh6O
優しいお言葉をもらえたので投下します
.,、
(i,)
|_|
とうとう百本目
なにが起きても不思議じゃない…
短いですが、お付き合い願います
从 ゚∀从はトイレにびびるようです
243
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:33:16 ID:Q7ucvMh6O
No.1
病院のトイレにて
从 ゚∀从「やっぱ夜のトイレはこえぇな…」
从 ゚∀从「さっさと用足して部屋に戻ろ」
从 ゚∀从「ん、髪に何かついて…」
川∀川从 ゚∀从 |鏡
川∀川从;゚∀从 |鏡
从;゚∀从(…見なかったことにしよう)
244
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:36:03 ID:Q7ucvMh6O
No.2
大学のトイレにて
从 ゚∀从「ちょっとトイレ行くわ」
ξ゚⊿゚)ξ「ここのトイレ、でるらしいよ」
从 ゚∀从「いやいやそんなまさか」
从 ゚∀从「というわけで待っててねー」
从 -∀从「はーやっぱ洋式の個室は落ち着くねぇ」
コツ、コツ…
从 ゚∀从(ん、ツンか…?)
パタン、カチャッ
从 ゚∀从(隣に入ったのか)
从*゚∀从(ついでだから脅かしてやろう)
ジャー
ガチャ、キィ
从 ゚∀从「…あれ、隣開いてる…?」
バァン!!!!
从; ‐从「ひっ!?」
从; ‐从 (なんで?なんで自分の入ってた所から音がしたの!?)
从;゚∀从「で、でた…」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ」
从;゚∀从「扉バァン!ってされた」
ξ゚‐゚)ξ「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「…音、聞こえなかったよ」
245
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:38:31 ID:SodIsl22O
トイレネタやめろおおぉぉぉぉ!!
246
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:39:29 ID:qLLQhYOA0
また一人トイレに行けないやつが…
流石百話目だな…www
247
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:39:45 ID:Q7ucvMh6O
No.3
家のトイレ
从 ゚∀从「うートイレトイレ」
ジャー
从 ゚‐从(…家の洗面台、苦手なんだよね)
从 ゚‐从(浴室と向かい合わせで合わせ鏡になるから…)
チラッ
川川川从 ゚∀从 |鏡
川川川从;゚∀从 |鏡
从;゚∀从(……見なかった、何も見なかった)
从;゚∀从(と、とりあえず部屋に)
くいっ
川川川っ从;゚∀从そ
从; ‐从(ね、寝間着つか、つかまれ……!!)
結局、そのまま離してくれるまで洗面台の前で棒立ちでしたとさ
248
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:41:08 ID:Q7ucvMh6O
(
)
i フッ
|_|
百本目、失礼しました
先程の体験談だけではあんまりにも短すぎるので三つにしました
支援ありがとうございました
249
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:42:05 ID:qLLQhYOA0
最後のが可愛かったw 乙でしたー!
250
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:43:06 ID:VUmcF81s0
乙乙
百本行ってしまったな……
251
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:44:41 ID:iRUeS2nI0
乙!
霊感ある人は大変だなww
この場で言うのもアレだが霊感ゼロのオカルト否定派人間だからそういう経験が皆無なんだよなぁ
さて、とうとうこれで百本だな……
252
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:44:44 ID:SodIsl22O
乙
先程の体験って……
おい おい
253
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:44:56 ID:HGntewWI0
乙ですた!ついに百いったな!
254
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:45:43 ID:Q7ucvMh6O
百本目行ってしまいましたよ…
というか窓がパシパシ鳴って?るのは気のせいさきっと…!
255
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:45:52 ID:FbC6w4w60
乙!
百物語完走!
おめでとう!
256
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:46:30 ID:qLLQhYOA0
>>254
大丈夫それきっと虫
257
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:46:45 ID:er2zsIckO
乙!
258
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:47:49 ID:Q7ucvMh6O
皆さんおつかれさまでした!
怖い話がこんなに集まるなんて思いもしなかった
259
:
青行燈
:2012/08/20(月) 02:49:15 ID:HGntewWI0
▲
(::::::::ω:::::) クッ クッ クッ ……
祭事と銘打って、古より伝えられた呼び出しの儀をこの地で催したのは正解だったようだ……
祭という名目に浮かれ、こちらの思惑通りまんまと百の怪を集めるとは実に愚かな奴らよ
▲
(:::::゚ω゚) そう、我が名は百物語に潜む妖怪『青行燈』
百の灯火が拭き消え、魑魅魍魎が跳梁跋扈するこの夜を、奈落の底から心待ちにしていたぞ!
▲
(:::::゚ω゚) これだけの負の力が集まった今ならば、この板にさぞや巨大な鬼門を開く事が出来よう
さぁ、今すぐ貴様らを地獄へと連れ去ってくれる!
▲
(:::::゚ω゚) ……何?まだまだ語り足り無い??
▲
(:::::゚ω゚) クックック、命知らず共め……いいだろう!
地獄への手土産が増えるのは好都合だ。ここから先起こる恐怖は己が身を持って知るが良い!
▲
(:::::゚ω゚) 予備の蝋燭ならまだここにある。
貴様らの胸の内に眠る恐怖の形を、力を。物語という名代の姿を借り存分解き放つのだ
▲
(:::::゚ω゚) 地獄送りは夜明けまで勘弁しておいてやる……
▲ ▲ ▲
(:::::´,_ゝ`)クックック・・・(:::::´∀`)フハハハハ・・・(:::::゚∀゚)ハァーハッハッハッハ!!
260
:
語り部
:2012/08/20(月) 02:50:32 ID:HGntewWI0
夜中に五月蝿いお
△ ▲
( ^ω^)=○)ω゚)∵ブフォ!!
△
( ^ω^)ゞ というわけで、どうも皆様二度目の御今晩は、幽霊ブーンですお
△
( ^ω^) なんとなんと!ついに百話達成致しましたおね!
ここまで来れたのも皆々様のおかげですお
△
( ^ω^) 閉会の挨拶は予定通り朝7時に行いますお
それまで投下しきれなかった作品等、なんなら即興でも良いのよ
引き続きこの百物語スレを活用して頂ければ幸いですお!
蝋燭はまだ用意してありますのでお好きなだけ使って頂いて結構ですお
△
(;^ω^) ……あ、あと、蝋燭の数え間違いがあったようで、混乱を招いてしまい申し訳ありませんでしたお
最後の最後までgdな司会で本当に面目無いですお……
△
( ^ω^) それでは又、夜明けの頃に会いましょう
ついでにこいつは冥府へ連れてくお
△
(^ω^ )⊃(#)m。))) ズルズル
▼
261
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:53:14 ID:VUmcF81s0
幽霊ブーン乙!
これで心置きなく蝋燭を増やせるな!
262
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:57:10 ID:iRUeS2nI0
語り部乙
予備の蝋燭も補充されたし祭はまだまだこれからだな!
……だが、俺は今アイツに狙われてる
隙あらば俺の意識を刈り取ろうと虎視眈々と狙ってきてる
そう、奴の名は――睡魔
263
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:57:43 ID:eHJqE5kA0
乙です!
明け六つまでに間に合えば投下したい
264
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 02:58:06 ID:Q7ucvMh6O
幽霊ブーンさん乙です!
もう眠れる気がしないのであとで蝋燭追加いたします
265
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:01:55 ID:qLLQhYOA0
丑三つ時も過ぎてくると流石に眠いなーw
けど次あるなら支援しますよー!
266
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:05:53 ID:Q7ucvMh6O
書き溜め中なのでしばしお待ちを…
267
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:08:37 ID:RwkX19gY0
じゃあ、百一本目もらいますー
268
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:09:30 ID:RwkX19gY0
.,、
(i,)
|_|
百一本目、lw´‐ _‐ノv灼熱チョコレート地獄のようです
269
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:09:34 ID:qLLQhYOA0
支援
270
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:10:20 ID:RwkX19gY0
太陽が私のうなじをこんがりと焼いている。
両腕に抱いた脚のすぐそばまで、静かな波が砂の上を転がっている。
夏休みですることもなく、予定も決めずに友人のキューと待ち合わせをした。
日陰が一切見当たらない夏の砂浜は、落ち合う場所としてはかなり不適切だったようだ。
lw´‐ _‐ノv「被った猫をー、暑さーでー、脱いでー」
lw´‐ _‐ノv「砂浜に埋ーめーたー、夏ー」
作詞作曲私の即興の歌を口ずさんでも、そばに誰もいないので何も恥ずかしくない。
この荒巻海岸は、私たちのような田舎者しか訪れない、ド田舎の片隅の海岸だ。
太陽が生き生きとするこの時間に人影はなく、キューが来ればすぐに分かるだろう。
壊れたドライヤーのような熱風が肌を撫で、その肌を太陽が焼く。
ただ目の前の透明な海だけが、少しだけ気持ちを涼しくさせる。
キューがあと三十分遅れれば、私は炭火焼の木炭になっているという確信があった。
271
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:11:07 ID:RwkX19gY0
lw´‐ _‐ノv「……」
lw;´‐ _‐ノv「洒落にならない暑さだ……」
そろそろかなと振り返ると、夏の陽炎の向こうにキューの姿が見えた。
黒い日傘を持った彼女は、幸いにもあまり遅れることなく来てくれたようだ。
o川*゚ー゚)o「やっほー、シューちゃん」
lw´‐ _‐ノv「よっ、キュー」
o川*゚ー゚)o「いやー、今日も変わらず暑いねー」
lw´‐ _‐ノv「もう少しでバーベキューになるところだった」
o川*゚ー゚)o「えっ、何が? 今日の晩ご飯?」
lw´‐ _‐ノv「ううん、私が」
o川;゚ー゚)o「誰がシューちゃんを食べるの!? そうなったら私が全力で止めるよ!」
272
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:11:12 ID:VDIDrbFQO
百本突破おめ
夜明けまではまだ時間があるしまだまだこっからだな
273
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:11:34 ID:y.DgfPpg0
百話目読み終わった瞬間家の廊下からミシミシィ…って音がしてびびったじゃねーか
起きてトイレ行った母さんだと思うけど
274
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:12:14 ID:RwkX19gY0
lw´‐ _‐ノv「え、う、うん。ありがと」
キューは何か勘違いをしているらしい。
けれどもこの暑さでは、きっと勘違いも多発するに違いない。特に訂正はしない。
o川*゚ー゚)o「ところで、このあとどうするー?」
lw´‐ _‐ノv「まず伊藤さんとこに行こう、喉がカラカラ」
砂浜を抜けた道路のすぐ先で、伊藤茶店はポツンと営業している。
娯楽の少ない地域だけあって、この辺の高校生なら誰もが一度は訪れる。
o川*゚ー゚)o「そうしよっか!」
立ち上がると、なるべく砂がサンダルに入らないように、一歩一歩ゆっくり歩く。
キューも私に合わせて砂の粒と格闘しながら、ぎこちない歩き方をしていた。
o川*゚ー゚)o「というかさ! この熱い中に、なんで砂浜で待ち合わせなの!?」
lw´‐ _‐ノv「ごめん、気の迷い……」
275
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:12:25 ID:.DrTdfVQ0
なんか一個アルコールランプあったから実質これが100本目…?
276
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:13:13 ID:RwkX19gY0
o川*゚ー゚)o「はい。シューちゃんの分も持ってきたから使いなよー」
そう言ってキューがトートバックから取り出したのは、折りたたみの日傘だった。
キューの気遣いは嬉しいのだけれど、何故私がピンクで、キューは黒の傘なのだろうか。
lw´‐ _‐ノv「ありがとう。だけど、私にピンクは似合わないよ」
o川*゚ー゚)o「えー、似合うかも知れないし、とりあえず、はい!」
手渡された日傘を開くと、いくらか暑さは遠退いた。
けれど、太陽にピンクの傘を見られていると思うと、やっぱり恥ずかしい。
キューには大人びた黒より、こっちの方が似合うと思う。
lw´‐ _‐ノv「そっちの傘重そうだし、交換してもいいよ」
o川*゚ー゚)o「ふふっ、その手にはのらないよー」
lw´‐ _‐ノv「……」
lw´‐ _‐ノv「こっち見るなよ、太陽……」
277
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:14:36 ID:RwkX19gY0
そうこうしているうちに、ちょっと古臭い外観の伊藤さんのお店に着いた。
ミントアイスの載ったコーヒーフロートは、すごく美味しい。
ドアを開けると、チャイムの音とともに冷え冷えの空気が外に流れる。
('、`*川「いらっしゃい。あら、暇ねえ……」
lw´‐ _‐ノv「こんにちは」
家から近いこともあって、週に二日は伊藤茶店に顔を出している。
すっかり顔も名前も覚えられ、食い逃げなどしようものなら、ポストにすぐに請求書が届くだろう。
o川*゚ー゚)o「暇じゃないですよー! 毎日ひまわりに水あげてます!」
('、`;川「けっこう暇じゃない……」
lw´‐ _‐ノv「オレンジジュースください」
o川*゚ー゚)o「えーと私は、かき氷のブルーハワイで!」
('、`*川「はい、ちょっと待っててね」
278
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:14:37 ID:Q7ucvMh6O
支援支援
279
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:15:17 ID:RwkX19gY0
店内には他に人はおらず、私たちは奥のテーブル席に着く。
革張りのソファもやはり古めかしいものだが、座り心地はいい。
しばらくして、伊藤さんが注文の品を持ってきた。
('、`*川「お待たせ」
o川*゚ー゚)o「わー、ありがとうございます!」
lw*´‐ _‐ノv「砂漠のオアシスだ……」
('、`*川「それじゃあ、どうぞ、ごゆっくり」
冷たいオレンジジュースが、一気に胃に落ちてゆく。
一息つくと、私とキューは雑談に花を咲かせた。
o川*゚ー゚)o「それでね、アイスの中にゴーヤが入っててね」
o川*゚ー゚)o「ほんとにびっくりしちゃって!」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
280
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:16:08 ID:RwkX19gY0
キューは遠い目をしながら、青いかき氷をスプーンですくう。
o川*゚ー゚)o「あれはちょっと苦手だったなあ……」
o川*゚ー゚)o「シューちゃんはそういうの何かある?」
チラリと見ると、伊藤さんはカウンターの向こうで、頬杖をついて暇そうにしている。
苦手な食べ物は数あれど、スイーツの類では何かあっただろうか。
キューに一口もらったかき氷に導かれ、意外とすんなり思いついた。
lw´‐ _‐ノv「ブラックチョコレートは苦手」
lw´‐ _‐ノv「甘いものが食べたいからチョコ食べるのに」
lw´‐ _‐ノv「苦いと損した気分にならない?」
o川* ー )o「……」
( 、 *川「……」
lw;´‐ _‐ノv「えっ?」
キューも伊藤さんも何も言わない。
私は何か余計なことを言ってしまったのだろうか。
281
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:16:58 ID:RwkX19gY0
o川* ー )o「……ブラックチョコレート美味しいよね?」
( 、 *川「……ええ、美味しいわ」
二人の様子が明らかにおかしい。
虚ろな目をしながら口元に笑みを浮かべ、それでいて無表情だった。
( 、 *川「そういえば、チョコレートがあるんだわ」
o川* ー )o「チョコレートがあるんだ」
lw;´‐ _‐ノv「ね、ねえ、どうしたの?」
重い、嫌な雰囲気に緊張して、心臓の鼓動が早くなる。
キューも伊藤さんも、こんな顔をしているのを私は見たことがない。
o川* ー )o「……」
( 、 *川「……」
282
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:17:58 ID:RwkX19gY0
lw;´‐ _‐ノv「……」
私はどうしたらいいのか分からず、黙ってジッとする。
丁度良かった店内の冷えた空気が、今は寒い。
o川* ー )o「……ねえ、ブラックチョコレート美味しいよね?」
キューがそう言っても、伊藤さんは無言のままだった。
私に聞いたのだろうか。恐る恐る答える。
lw´‐ _‐ノv「……そう、かな」
すると不意にキューに頭を掴まれ、無理やり口を開けさせられた。
異常なほどの腕力で押さえられ、逃れられない。
見ると鍋を持った伊藤さんが、カウンターを越えて近づいてくる。
283
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:19:18 ID:RwkX19gY0
lw;´‐ _‐ノv「それどうするの?」
( 、 *川「……」
o川* ー )o「……」
伊藤さんは、私の目の前で鍋を傾け始め、やがてチョコが垂れた。
ドロドロに溶けた黒い液体が口に流し込まれる。
lw;´‐ _‐ノv「熱っ! ケホッ、……ふ、二人ともやめてよっ」
まだ熱いままのチョコレートを飲みきれず、思わずむせる。
味も何も分からず、ただ苦しい。
( 、 *川「美味しいわよねえ?」
o川* ー )o「美味しい、美味しい……」
284
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:20:52 ID:RwkX19gY0
ゴボゴボとチョコを吐き出して、やっとのことで息をする。
酸素が足りないのか恐れのせいか、目の前がかすんで見える。
私はこのまま、ブラックチョコレートで窒息死してしまうのかもしれない。
どうせ死ぬのなら、最後にちゃんと味わいたい。
口に流されるチョコレートの味を、落ち着いて感じる。
lw´‐ _‐ノv「……美味しい」
lw;´; _ ;ノv「ブラックチョコレートも美味しい……」
確かにブラックチョコレートは苦かった。
けれどそのなかに、水溜りに棲みついた小さな魚のような、儚い甘みがあった。
私はブラックチョコへの誤解を解き、泣きながら安らかな気持ちになる。
分かり合えることは、どんな時でも嬉しいものだった。
285
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:22:16 ID:RwkX19gY0
そのときふと、私を押さえていたキューの力が抜けた。
伊藤さんもその場に倒れ、鍋がカランと音を立てて床に落ちる。
lw;´‐ _‐ノv「……」
床一面にチョコがこぼれるかと思いきや、鍋の中には何も入っていなかった。
自分の顔を触ってみるも、チョコは一滴も付いていない。
私はいったい何を見ていたのだろう。
lw;´‐ _‐ノv「キュー、大丈夫?」
o川*´ー`)o「……」
どうやら気を失っているらしい。
頭の中で考えがまとまらず、呆然とする。
lw´‐ _‐ノv「……」
夏の暑さは勘違いや、あるいは別の何かを、どこからか呼んでくるのだろう。
私はこの出来事を忘れることにした。
286
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:23:06 ID:RwkX19gY0
(
)
i フッ
|_|
百一本目、終わり
支援とかありがとうー
287
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:23:36 ID:.DrTdfVQ0
( ゚д゚ )
288
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:25:46 ID:Q7ucvMh6O
チョコ食べたくなった
289
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:26:34 ID:qLLQhYOA0
しばらくチョコは食べないことにしたw 乙です!
290
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 03:27:21 ID:kpb5dQb.O
ぽ
ぽぽ
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