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( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

193名も無きAAのようです:2012/08/20(月) 01:39:29 ID:CIdRmbio0

 しばらく、走り、息が苦しくなって立ち止まる。
 デレは地面や屈み込んで泣き出した。
 荒い息で、声すら出せずにボロボロと涙を零す。
 ブーンは自分の息を整えながら泣き止ませようとしたが、ダメだった。
 今まで泣かなかったことを褒められても、泣くことを責めることは出来ない。
 ただ、つられて泣くのを堪えるのが大変だった。

ζ(;д; ζ 「おかぁさぁん…!」

( ;^ω^)「……」

 何度も何度も背中を摩った。
 先程のアレも気になるが、とりあえず泣きたいだけ泣かせてあげようというのがブーンの考えだった。
 弱々しい鳴き声が響く。
 これを聞いて村の誰かが来てくれないかと淡い期待を抱くが、鬱蒼とした木々に吸われて村には届かない。

 強い風が吹き、木々がざわめいた。
 デレが小さい悲鳴を上げ泣き止む。
 ブーンはその小さな身体を引き寄せ、庇うように抱きしめる。

 風がやみ、再び周囲に不気味な静寂が訪れる。
 いや、静寂では無い。
 パキパキと枯れ枝を踏むような音がどこからか響いて来ていた。

 助けにきた母親か、村人の誰かか、それとも先程の……

 明かりを消し息を潜める二人の元に、足音が近づく。


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