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( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

198名も無きAAのようです:2012/08/20(月) 01:44:46 ID:CIdRmbio0

 男の手がブーン達に伸びる。
 ブーンは踵を返し、男とは逆の、左の方へと逃げる。
 デレが振り返って確認すると、先程の大きな生首も追って来ているという。

 いやだ。

 怖い。

 怖い!

 足が限界に来て、デレを降ろし、ブーンは木に背を預けて座り込んだ。
 追ってくる姿はとりあえず見えないので、息を整えるのに集中する。
 気丈に頑張ったブーンの精神も、錯乱寸前に追い込まれていた。
 辛うじて耐えられるのは、傍らに妹の体温を感じるからだが、それも時間の問題だ。

ζ(゚ー゚ ζ 「おにいちゃん、デレだいじょうぶだよ。じぶんではしれるよ」

 力尽き、動くこともままならない兄を励ますように、デレは引きつった笑顔でその手を握った。
 ブーンの限界を悟り、励まそうと震える足を必死に堪える。
 夜が無性に怖くて眠れない時に、母がそうしてくれたように優しく兄に笑いかける。

 ブーンはそんなデレを強く抱きしめ、ついに泣き出した。
 今の状況が恐ろしくて、妹の優しさが嬉しくて、自分の情けなさが悔しくて、ただただ泣いた。


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