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( ^ω^)が『モータースポーツ』するようです

1名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:57:35 ID:F/g9E9Og0
以前にブーン系小説板で投下させて頂いた者です。
そっちに投下したものは2話ぶんしかなかったので、続きはこちらでやらせてもらいます。

一応、前話のURL
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1311165849/l50

2名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:02:06 ID:F/g9E9Og0
世間は今、空前のエコカーブームである。

少し前までは燃費という言葉すら知らなかった庶民は、メディアのエコブームに煽られて上っ面の環境意識を高める。

自動車メーカーも当然、新機種開発時には燃費を大きなセールスポイントとして開発する。

確かに、クルマの燃費は良い方がいいに決まっている。燃費が良ければ、財布にも地球にも優しいのだ。

しかし、「エコカーに乗っている」ということだけで満足してしまう人が多数ではないだろうか。

例えば、高速道路で追越し車線を爆走するプリウス。青信号になったとたん急発進するプリウス。e.t.c.……

確かにもともと燃費の良いクルマなら、多少荒っぽく運転してもそれなりの燃費で走るかもしれない。

しかし、ここで覚えておいてもらいたいのは、クルマの燃費は使う人次第で大きく変わるということである。

本当にエコや燃費を意識するならば、『エコドライブ』を心がけるべきであると、私は思う。簡単に言えば、優しく運転してやるのだ。

プリウスの開発者は、プリウスで走ってカタログ値以上の燃費を出すことも出来るという。

また、政府協賛のエコドライビングコンテストという大会もある。学生の自動車部員やモータージャーナリストなどが参加し、タイムよりも燃費に重点を置いた競技となっている。
エコドライブを広めるための大会だが、学生たちは厳しい条件下でもかなりの燃費を叩きだすようだ。

このように、クルマを知る人間はそのコツを知っている。どのような場合だとエンジン負荷が大きく、どうすれば燃料使用量を少なく走れるか考える力がある。
そしてそれを実行する技術がある。

もちろん、そんな専門知識や技術なんて無くても、エコドライブは誰でもどんなクルマでも可能だ。

いつもより優しくアクセルを踏む。止まる時は早めにアクセルから足を離す。それだけで、かなり燃費は変わってくるはずだ。



今すぐ、誰でも始められるエコドライブ。あなたも始めて、お財布や地球に優しくなってみませんか?




( ^ω^)が『モータースポーツ』するようです
3rd:『ホンダはフェラーリよりもエライんだよ』

3名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:08:16 ID:F/g9E9Og0
―夏休み・まだ最初のほう―

('A`)『そんじゃあ、十時に入口近くのコンビニ集合な』

( ^ω^)「おっおー、了解だおー」プツ

( ^ω^)「ハンカチ、ティッシュ、おk」

( ^ω^)「携帯充電、お財布、免許証、おk」

( ^ω^)「いってきますおー」バタン


( ^ω^)「おっ、ツンさんこんばんはですお」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、こんばんは。内藤さん、これからおでかけですか?」

( ^ω^)「ちょっと山のほうにドライブ行ってくるんですお」

( ^ω^)「!」

(*^ω^)「あの、よかったら、ツンさんも一緒に行きませんかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「え……いいんですか?」

(*^ω^)「大歓迎ですお!なんてったって夏休みですお!」

ξ゚ー゚)ξ「……じゃあ、ご一緒しようかな」

(*^ω^)「そうと決まればれっつらごーでえすお!」

ブルルルルゥ……

4名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:14:00 ID:F/g9E9Og0
(*^ω^)(嗚呼……今すぐ幌を閉めてこのいいかほりを閉じ込めたい)

ξ゚⊿゚)ξ「内藤さん、クルマなんて持ってたんですね」

( ^ω^)「実は今日納車したばっかりなんですお。あと、僕のことはブーンって呼んでくださいお」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私もツンで。お互い敬語は無しね」

ξ;゚⊿゚)ξ「って、今日初めて乗ったクルマで山道、大丈夫なの!?」

( ;^ω^)「安全運転を心がけますおー」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、学生の身分でよくクルマなんて買えたね。しかもこんなオープンカー」

( ^ω^)「知り合いにいいお店教えてもらって、20万で買えちゃったお」

ξ゚⊿゚)ξ「20万!?クルマってそんなに安く買えるんだ!」

( ^ω^)「おっお。あ、ちょっとガソリン入れていくお」



―ガソリンスタンド―

ブルルル……キュッ

( ^ω^)「ハイオク、満タンだ……」キリッ

ξ゚⊿゚)ξ(セルフのスタンド……)

5名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:22:17 ID:F/g9E9Og0
―麓のコンビニ―

ドクオとの合流場所である、麓のコンビニに到着する。時刻は22時。夏とはいえ場所のせいか、かなりすごしやすい気温だ。

そんな山の麓にあるこのコンビニには、市街地のそれとは異なり独特の雰囲気がある。

広めの駐車場には、いかにも走り込んでいそうなレビンやRX-7がとまっている。


「やっとタイヤ新調したんすねw」

「ウェットだと3速でもホイールスピンするヤバさだったからな」

「奥さんに何て言い訳するんすか?w」

「旦那の命を守るためなら安いもんだろうよー」


地元大学生の男女が乗ってきたbBがとまっている。

「すごーい星きれー!」

「お前運転できんのかよwww」

「いやマジ大丈夫だって!俺けっこう走り慣れてるからww」


異なる人々が、異なるクルマで夏の夜を満喫していた。

6名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:27:14 ID:F/g9E9Og0
そこに一台のスポーツカーが真っ白い光を放ちながら滑り込んでくる。

( ・∀・)「おっす、お待たせ」

川 ゚ -゚)「こんばんは」

('A`)「あれ、クーも連れてきたんすか?」

('A`)「『公道で暴走する奴の気が知れない』って言ってたのに」

川 ゚ -゚) 「あぁ。だから自分で経験してちゃんと知っておこうと思ってな」

川 ゚ -゚)「何も知らずに頭ごなしに批判するのは嫌いなんだ」

( ^ω^)「ドクオ、あのかわい子ちゃんはどなただお?」

('A`)「あぁ、俺と同じ自動車部の1年生のクーだ。こちらは3年生の先輩、モララーさん」

( ^ω^)「はじめましてですお。MT車の運転なんて教習所以来ですが、よろしくお願いしますお!」

( ・∀・)「ブーン君だっけ?ドクオから聞いてるよ、よろしくー」

7名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:33:33 ID:F/g9E9Og0
川 ゚ -゚) (しかし、こんなところに……)

ξ゚⊿゚)ξ(女の子が来てるとは……)

( ^ω^)(自動車部なんてむさそうなとこにこんなかわい子ちゃんがいるとは……)

( ^ω^)「あ、あと、この人は」

ξ゚⊿゚)ξ「ツンっていいます。ブーンとはアパートがお隣で。あと、大学も同じだっけ」

川 ゚ -゚) 「ほう、君もvip大か。私は文学部なんだが、君の学部は?」

ξ゚⊿゚)ξ「私も文学部!学科が違うのかな」

ξ*゚⊿゚)ξ「ねぇ、私のまわりって自動車部の人いないんだけど、どんな感じのところなの?」

川 ゚ -゚) 「そりゃあいないだろうな。なんせ1年で女は私一人だ」

ξ゚⊿゚)ξ「えー!?じゃあ、いろいろ大変なんじゃない?」

川 ゚ -゚)「あぁ、まずは女子更衣室が無いからな。着替えはトイレでやってるんだ」

ξ*゚⊿゚)ξ アーダコーダ ペチャクチャ 川* ゚ -゚)

特殊な環境の中で同性の仲間を見つけたからか、二人は話に夢中になる。

8名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:45:56 ID:F/g9E9Og0
( ・∀・)「女の子、打ち解けるのはえー」

('A`)「俺がクーとまともに話せるようになるの、大変だったのに」

( ^ω^)「ちなみに僕がツンとまともに話したのは数十分前だお」

('A`)「ほぼ初対面で夜中のドライブっておま……」

( ・∀・)「ドクオとは違うんだな」

( ^ω^)「ドクオとは違うんですお、ドクオとは」


ここで、彼らのホームコースとも言える峠道を紹介しよう。

その名もT山。

昔は心霊スポットとして有名だったが、とある寺生まれの人物が除霊したことで今では走りスポットとなっている。寺生まれってすごい。

峠の麓には、湖と温泉街を有する。湖〜山頂〜温泉街といった道である。ちなみに彼らがいるコンビニは湖側だ。

明確な上り、下りはなく、便宜上、湖から山頂までのやや上りが多いコースを上り、その逆を下りと呼ぶ。温泉街側はほとんど使われない。

上りの前半(麓の湖側)は割と高速ステージとなっており、山頂に近付くに従って低速ステージへと変わっていく。

山頂には展望台と駐車場あり、夜景も見られて走りも出来るというなかなか優秀なスポットだ。



('A`)「そういやこいつ、今日納車したばっかりなんですよ」

( ・∀・)「あぁ……納車一日経たないうちに廃車とか悲しいよね……」

('A`)「ちょwww」

(; ^ω^)「気を付けますお」


深夜のコンビニの駐車場、愛車の近くで談笑する彼らに、人影が近づく。

9名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:50:28 ID:F/g9E9Og0
(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「おにーさんたち、お暇ならちょっとクルマで追いかけっこしませんかー?」

( ^ω^)「お?」

('A`)ビクッ

( ・∀・)「ん?俺ら?」

(,,゚Д゚)「そうそう。その辺のクルマ、アンタ達のだろ?」

( ・∀・)「そうだけど……」

( ^ω^)←今日納車のド素人

('A`)←自動車部員とはいえまだ初心者マーク

( ・∀・)「んじゃ、俺がお相手しますかね」

('A`)「え、やるんですかモララーさん?」

( ・∀・)「ここでグダグダしてても仕方ないし、たまにはバトルもいいかなってな」

( ・∀・)「そちらのおクルマは何?」

(,,゚Д゚)「俺のクルマ?このマークIIに乗ってんだけど」

( ・∀・)(100系マークIIかー、しかもVIP仕様っぽい)

( ・∀・)「へぇー綺麗じゃん、どんな仕様なのさ?」

(,,゚Д゚)「外装はフルエアロ組んで、あとはマフラーとコンピューター弄って300馬力ってとこかナ」

(,,゚Д゚)「アンタはどれ乗ってんのよ?」

( ・∀・)「俺はあの白いインテRだよ」

10名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:53:35 ID:xvzvKiWgO
ブーン系で走り屋の話は久々だな支援

11名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:03:29 ID:29vWXtWI0
モララーが指差す先に、DC2型インテグラがとまっている。

排気量1800ccのVTEC搭載エンジンは、NA(自然吸気)にも関わらずリッター100馬力を上回る200馬力を発揮。

そのボディは、タイプRというグレードのみに許された、チャンピオンシップホワイト。

全ては、より速く走るために。云わばメーカー純正のチューンドカーである。


( ・∀・)「ってあれ、彼女さんも乗せて走るの?」

見ると、助手席には先ほど一緒に話しかけてきた女性が乗り込んでいる。

(*゚ー゚)「そうよ。ギコ君が走るときはいつも私が乗ってるんだから!」

(,,゚Д゚)「勝利の女神みてぇなもんだなw」

( ・∀・)「へぇへぇ。じゃあこっちもウェイトとしてブーン君に乗ってもらおうかな」

( ^ω^)「おっ!?」

('A`)「モララーさん、そいつは多分あの子の2倍はありますよ」

( ・∀・)「ってことは、左タイヤに荷重がのってコーナーリングスピードアップじゃないか」

('A`)「デメリットの方が多いでしょうjk……」

12名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:10:37 ID:29vWXtWI0
( ・∀・):HONDA INTEGRA TYPE R
――――――――――――――――
VS

(,,゚Д゚):TOYOTA MARK II Tourer V
         ――――――――――――――――

ゲーセンのイニD的表現


ξ゚⊿゚)ξ(何か気付いたら大変なことになっとる……)

川 ゚ -゚)「こんなにギャラリーがいるものなのか」

('A`)「夏休みだからかねぇ。知らない人同士のバトル自体珍しいってのもあるけど」

('A`)「そんじゃあぼちぼち、スタートしますよ!」

('A`)「3!」
('A`)「2!」
('A`)「1!」

('A`)「スタートッ!!」

計4本のタイヤが同時にアスファルトを蹴り上げる

片や後輪から派手に煙を巻き上げ、片や前輪を最小限滑らせ。

スタートで頭を取ったのは、意外なことにインテグラであった。

川 ゚ -゚)「おぉ、モララーさんが先行したな。パワーはマークIIのほうがあるんじゃないのか?」

('A`)「腕の差だな。相手、かなりホイールスピンしてただろ?あれじゃしっかりとタイヤが路面を蹴れなくて、派手だけど遅いスタートダッシュなんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「きゃ!すごい音ー。あんなに煙だして、映画みたいで速そうなのにね」

13名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:21:45 ID:29vWXtWI0
―T山・上り―

(*゚ー゚)「ちょっと!おいてかれてるじゃないの!」

(,,゚Д゚)「す、すぐに追いつくぞゴラァ!」

モララーが三速へとシフトアップする頃になり、マークIIが並ぶ。そしてマークIIが前に出たところで第一コーナーへ突入する。

前半は高速コーナーが多く、さらに上りというコース設定もありギコがリード。道幅をフルに活用したアウトインアウトでコーナーを抜けていく。

一方モララーは、これをきれいなグリップ走行で追う。右コーナーでは道路中央の白線ぎりぎりまで、左コーナーではサイ

ドミラーが道路脇から伸びた葉っぱに当たるまで攻める。

( ^ω^)「モララーさん、ひょっとして、センターラインから出ないで走るんですかお?」

( ・∀・)「一応公道だからさ、センターは割らないって俺の中で決めてるの」

深夜でほとんど交通量がないとはいえ、彼らが走っているのはあくまで公道。

当然、対向車が来る可能性もある。さらに言えば、前走者のアクシデントや動物の飛び込など、思わぬアクシデントが襲ってくるかもしれない。

そんな危険の中を走る以上、彼のように最低限の安全マージンを確保すべきと言えるだろう。例え速さを犠牲にしてでも。


深夜の峠道に1JZエンジンの、6気筒特有の継ぎ目無い音が響く。それに続く、スポーツマインドを燃え上がらせるようなホンダ・サウンド。

やがて段々とブラインドコーナーが増えてきた。レースも中盤だ。

14名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:31:22 ID:29vWXtWI0
( ^ω^)(こんなカーブをこんなスピードで曲がれるのかお……!)

前後左右。
普段の街乗りでは決して感じられないGを全方位から受け続け、助手席のブーンですらかなり体力を削られてきた。

さらにブラインドコーナーも増え始め、ドライバーの精神的負担も増加する。

強烈なGに耐え体を支えながらステアリングを捩じ伏せる。
さらにシフト、アクセル、ブレーキといった操作を、正確に速く行う。

日常では決して経験し得ない、クルマの運転による体力と神経の消耗。モータースポーツが”スポーツ”たる所以である。

(; ・∀・)「ブーン君、吐きそうになったらいつでも言ってねー」

(; ^ω^)「まだまだ大丈夫ですお!w」

中盤以降、マークIIとインテグラの差は詰まってきている。

運転の疲れだけでなく、カーブを抜ける度に後ろから迫ってくるHIDの光がギコに更なるプレッシャーをかける。

(;,,゚Д゚)「クソっ!ちっとも離れねぇ!」

(;*゚ー゚)「お、追いつかれてきてない?」

そもそもそれほど走り込んだ経験のないギコは、最早集中力がもたなくなってきていた。

15名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:37:33 ID:29vWXtWI0
一方インテグラは。
三速から二速へ、コーナーを立ち上がって再び三速へ。

リズミカルにヒールアンドトゥーを駆使し、コーナーを抜けていく。

やがて、”上り”コースの中でも数少ない下り区間、そのタイトな左コーナーが迫ってきた。

今までよりスピードが出てしまい、ギコのブレーキが遅れる。

慌てて減速するも、マークIIの重い車体はタイトコーナーを抜けられるスピードまで減速しきれない。

フロントタイヤから嫌な音をさせながらアンダーステアを出してしまったギコ。大きくアウト側へふくらむ。

その隙を突き、モララー駆るインテグラが颯爽とインから抜き去る。

( ・∀・)「ハッハー!トヨタさんがチャラいクルマを作ってる間に、ホンダは技術を磨いてるんだよ!」

( ・∀・)←アンチトヨタ

その後、山頂付近の低速ステージで差は開き、ギコのマークIIがインテグラの前を走ることはなかった……

16名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:44:41 ID:29vWXtWI0
( ・∀・)「はいはい、終わったから上まで上がって来いよー」ピッ

( ・∀・)y‐ カチ シュボ

( ・∀・)y‐「ふー。どうだったよブーン君」

( ^ω^)「すごい体験でしたお!ドクオに乗せてもらったときとは何もかも違いましたお!」

( ・∀・)y‐「ふっふーん、あいつの腕と一緒にされちゃあ困るねぇー」

すると、後から山頂に着いたマークIIからギコが降りてきた。

(,,゚Д゚)「俺の負けだ、完璧に……」

(,,゚Д゚)「何でだ?上りで、パワーも俺のほうがあったのに、何が悪くて負けたんだ!?」

( ・∀・)y‐「お前の敗因はたった一つ……たった一つの単純(シンプル)な答えだ」

( ・∀・)「『相手が俺とホンダ』だった。ホンダはフェラーリよりもエライんだよ」ドーン

(,,゚Д゚)「え、いや、何かクルマ的な事とか技術的アドバイスが欲しいなー、なんて……」

( ・∀・)「基本的なことが出来てない。以上」

(,,゚Д゚)「えぇー!?根本からバッサリ!」

( ・∀・)「いやホント。そんな腕で彼女さん乗せてやんちゃしないほうがいいって。事故るなよー」

(,,゚Д゚)「はぁ、ありがとうございます。あと、偉そうにバトルふっかけてすんませんした……」

( ・∀・)「楽しかったからいいよ!またな!」

17名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:50:21 ID:29vWXtWI0
ふらふらとクルマへ戻り、安全運転で山を下っていくギコ。

それと入れ替わるように、ドクオの180SXがクーとツンを連れて上ってきた。

ξ*゚⊿゚)ξ「あー面白かった!夜の山道ってだけでもうテンション上がっちゃうね!」

(*'A`)(クルマん中がいい匂いでいっぱいや……)

川 ゚ -゚)「結果はどうでしたか?モララーさん」

( ・∀・)「そりゃあ勝ったよね。相手が下手だったもんで」

( ・∀・)「さて、俺は疲れたから、あとはドクオとブーン頑張れ!」

その後はまったりピリピリと、ドクオとブーンの練習タイムとなった。


( ・∀・)「実はこういう峠道って、夜のほうが安全なんだ」

( ^ω^)「なんでですかお?」

( ・∀・)「ライトの光で、昼間よりも早めに対向車の存在に気付けるからな」

まずはブーンの初心者講座から入り。

( ・∀・)「ステアリング操作が遅い!もうちょい早めに切って、早めに戻す!」

('A`)「早く切ると曲がりすぎちゃう気がするんすけど……」

( ・∀・)「小さい舵角で切る速度もゆっくりでいいから。切り始めだけ意識して早めにしてみ」

モララーが同乗しドクオの特訓をして。

18名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:53:13 ID:29vWXtWI0
川 ゚ -゚)「ブーンはビートに乗ってるのか。小さいクルマが余計に小さく見えるな」

( ^ω^)「この一体感が売りなんだお。クーは何か乗ってるのかお?」

川 ゚ -゚)「私はまだ免許すら持ってなくてな。教習所に通ってるよ、もちろんMT免許でな」

ξ゚⊿゚)ξ「免許持ってなくても自動車部入れるの?」

('A`)「あぁ。クローズドのサーキットとかは免許いらないで走行できるしな。大学入る前に持ってる人の方が少ないんじゃね?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうなんだ。あたしも免許持ってないしなー。クーと一緒に教習所通おうかな、マニュアル免許でw」

川 ゚ -゚)「どうせ高い金払って免許を取るんだ、何でも運転できる免許のほうがいいと思うぞ」

('A`)「AT限定は甘え」

( ^ω^)「おっおっおっw」

( ・∀・)(僕は蚊帳の外ですお、っと)

走らせたり、横に乗ったり。夜景見たり、喋ったり。

満天の星空の下、彼らは夏の夜を思う存分満喫した。

19名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:56:48 ID:.rvNAlZA0


20名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:59:35 ID:29vWXtWI0
('A`)「で、どうだった?公道での暴走行為は」

川 ゚ -゚)「……道路交通法を犯しているという事実は変わらない」

川 ゚ -゚)「しかしこの、何とも言えない夜の空気がたまらんな。ピリピリするような、ワクワクするような不思議な感覚だ」

('A`)「だろ?ガチで走らなくても、さらっとドライブしに来るだけで気分転換できるよな」

川 ゚ー゚)「あぁ。それに、新しい友人もできたしな。正直に言えば、また来たい。いつかは、自分のクルマで」

(*'A`)「い、いつでも言ってくれよ。俺で良ければ、すぐに迎えに行くから!」

( ・∀・)(あー甘酸っぺー)


( ^ω^)「いやー、楽しかったお!ツンはどうだったお?いきなり誘って、迷惑だったかお?」

ξ゚ー゚)ξ「んーん。最初はちょっと不安だったけど、すっごく面白かった!」

( ^ω^)「ブーンも初めてだったから緊張したけど、無事に楽しめて良かったお!」

ξ゚ー゚)ξ「普通の大学生じゃ、知らない世界だね……」

21名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 01:00:43 ID:29vWXtWI0
走り終えたクルマに寄りかかる。ボンネットからはまだ熱気が伝わってきて、エンジンルームからチリチリと音が聞こえる



火照った体に、山の涼しげな風が心地よい。

やがて山頂に降り注ぐ曙光。疲れた目には少しだけ眩しい。

あぁ、今年の夏はどうしてやろうか。このクルマとどんなことをしようか。

とにかくまずは走りだしてみよう。ギアを一速に入れて、サイドブレーキを下ろして。さぁ、出発だ。



……つづく

22名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 01:01:50 ID:29vWXtWI0
以上で終了です。
AAと最後の。がずれた……

読んでくれた方、支援してくれた方、ありがとうございました。本当に嬉しい。

23名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 09:25:17 ID:JT61jbRQO
移住乙です

24名も無きAAのようです:2011/09/16(金) 13:37:07 ID:wVPoDPrw0
続き来ないな・・・

25名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:50:39 ID:DQKXKVkw0
第四話を投下します。

書き溜め少し、ほとんどながらですが、よろしくお願いします。
自分に発破かけてやんないと投げ出したり忘れたりしちゃいそうなんで!

26名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:54:36 ID:DQKXKVkw0
初アルト…ワークス…

俺みたいな週3でキザシ試乗してるスズ菌野郎、他に、いますかっていねーか、はは

今日のクラスの会話
あのワゴンRかっこいい とか 新型スイスポほしい とか
ま、それが普通ですわな

かたや俺は車雑誌の山でカプチーノを見て、呟くんすわ
it'a sports mind.楽しんでますか?それ、新型ソリオね。

好きなエンジン R06A
尊敬する車種 ラパン(マニュアルターボのSS以外はNO)

なんつってる間に馬力規制っすよ(笑) あ〜あ、軽自動車の辛いとこね、これ



( ^ω^)が『モータースポーツ』するようです
4th:『遊びでやってるんじゃないんだよ』

27名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:10:43 ID:DQKXKVkw0
宇田ドクオ。彼は、普通以下の人生を送ってきた。

彼は幼い頃から自動車が好きだった。小学校の図工では、クルマの絵を描いたりクルマのおもちゃを作ったりして楽しく過ごした。

しかし中学では、クラスメイトによるいじめが待っていた。入部した野球部では先輩からパシリに使われる始末。負けるものかと必死に練習に励んだが、後輩にレギュラーの座を持っていかれ一度も試合に出られなかった。

高校ではいじめは無くなった。しかし、それは周りが単に彼に対する興味を持たなかっただけの話だった。それでも、クラスの少数派である男だけのグループで、居心地良く楽しく過ごせた。
親友と呼べる存在もできた。彼は男女誰とでも仲良くできていた人物だったが、その中でも特にドクオと親しかった。
男女でいつも盛り上がっているグループよりも深い友情を築き、彼らのような軟派な人々とは自分達は違うのだと思った。
しかし、心の底ではそんな彼らを羨ましく感じている自分に気付いていた。

大学合格後に普通自動車免許を取得し、自動車を運転出来るようになってから彼の人生は大きく変わる。
クルマを通して友人は増え、大学では自動車部に自分の居場所を見つけた。自分の人生に生き甲斐を感じ始めた。

ようやく上を向き始めたドクオの人生。だからこそ、彼は恐れている。
今の自分からクルマを取ったら何も残らないのではないか、と。クルマが無かったら、やはり自分は普通にすら届かないような人間なのでは、と。



ドクオが自分の人生に自信を持てる日は来るのだろうか。何を根拠に自信を持ち、何を根拠に不安になるのだろうか。

何をもってして、普通というのだろうか。

28名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:27:35 ID:DQKXKVkw0
―夏休み・中盤―
カランコローン
( ^ω^)「ようこそバーボンハウs……おー!ドクオ達かお!」

('A`)「うーっす」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ホントに働いてる!」

川 ゚ -゚)「こんばんは、お邪魔するよ」

(´・ω・`)「ん、ブーンの友達?」

( ^ω^)「おー、まさかバイト先に来るとは思わなかったお」

(´・ω・`)「ブーンは丁度仕事終わりの時間だね。お友達の接客は僕がやるから、ちょい早いけどあがっちゃっていいよ」

( ^ω^)「ありがとお!お先に失礼しますおー」

(´・ω・`)「……さて」

(´・ω・`)「ようこそ、バーボンハウスへ。このアイスコーヒーはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」

29名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:43:50 ID:DQKXKVkw0
―バーボンハウス―

川 ゚ -゚)「バイクの写真が沢山ありますね。いかにもなクルマも結構写ってますし」

(´・ω・`)「うん、ここはバイカーズカフェみたいなもんだからね」

ξ゚⊿゚)ξ「バイカーズカフェって何ですか?」

(´・ω・`)「んー、バイク好きが集まれるようなお店、って感じかな?」
(´・ω・`)「あと、僕はブーンと同い年だからね。敬語なんて使わないで、ショボンって呼んでくれ」

ξ゚⊿゚)ξ「よろしくねショボン!わたしはツンね」

川 ゚ -゚)「私はクーだ。まぁ一度に覚えられんだろうから、段々覚えてくれ」

('A`)「俺、ドクオね。そういや、モナー君が言ってたお店ってここだったんかな」

(´・ω・`)「モナー君って、あのZXR乗ってる子?」

('A`)「そうそう、知ってるってことはここ来たことあるのか」

(´・ω・`)「たまに遊びに来てくれるよ彼、彼女さん乗っけて」

('A`)「ギギギギ……」

30名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:52:47 ID:DQKXKVkw0
( ^ω^)「ふー。ドクオがおかしくなってるけど何があったんだお? まぁ想像出来るけど」

川 ゚ -゚)「持病みたいなものだな。さて、ブーンも来たし本題に入ろうか」

ξ゚⊿゚)ξ「え?今日ってご飯食べに来ただけじゃないの?」

川 ゚ -゚)「それもあるんだがね。あとブーンのバイト先見たさとか」

('A`)「んで本題なんだけど。来週、部の全日本大会があるんだけど、見に来ない?」

ξ゚⊿゚)ξ「自動車部の大会?」

(´・ω・`)「お、面白そうな部活があるんだね。競技?」

('A`)「あぁ。ジムカーナっていう、簡単に言えばオンロードのタイムアタックだな」

( ^ω^)「自動車部の大会見られるのかお!行くお行くおー!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたはよく考えもせず……」

( ^ω^)「ツン、こういうのはノリだお。大学生は深く考えたら負けなんだお」

川 ゚ -゚)「学生同士で夏休みの旅行に行く、そんな感じで考えてみてくれ」

ξ゚⊿゚)ξ「……んー、そうだよね。ノリだよね!旅行したいし!」

31名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 00:08:06 ID:MZV2vDEk0
('A`)「ショボンは行けそうか?」

(´・ω・`)「僕は仕事だねー。是非見てみたかったけど。大会頑張ってね」

( ^ω^)「ショボンには夏休み無さそうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ、もしかしてショボン社会人?」

(´・ω・`)「うん、一応ここの正社員やってるよ。マジ学生羨ましい」

('A`)「お勤め御苦労様ですな。ってかショボンもクルマ詳しい? 競技って単語出るくらいだし」

(´・ω・`)「結構好きな部類だと思うよ。ちなみに愛車はそこに止まってるラパンね」

('A`)「おぉ!何かしっかりしたラパンが止まってると思ったら、あれショボンのか! どんな感じにしてんの?」

(´・ω・`)「グリップでタイム出るようにウンタラカンタラ……」

('A`)「アーダコーダ……」

川 ゚ -゚)「まぁそんな訳で。出発時間とか必要なものとかはまたメールするよ」

( ^ω^)「頼んだおー」

ξ゚⊿゚)ξ「わー楽しみになってきた!」

32名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 00:32:00 ID:MZV2vDEk0
―大会前日・深夜―
―自動車部ガレージ―

('A`)「こんばんはっすー」

( ・∀・)「ういっす」

( ^Д^)「え!?ドクオが友達連れてきた!」

( ФωФ)「しかも女の子までいるのである」

ξ゚⊿゚)ξ(ドクオの位置がだんだんわかってきた……)
ξ゚⊿゚)ξ「こんばんは、ツンといいます。応援に行かせてもらいます、よろしくお願いします!」

( ^ω^)「ブーンと呼んでくださいお。よろしくですお!」

( ^Д^)「車部なのにこの女子率wwwこれは他大に圧勝wwwww」

(‘_L’)「おーい、さっさと配車決めて出発するよー」

(,,゚Д゚)「チェックリストOKです!」

( ^ω^)「トラックにシビックが載ってるお!これで運ぶんですかお?」

(‘_L’)「うん、競技車はナンバー取ってないからね」

('A`)「クルマはそのエルフで運んで、人間やら荷物やらはこっちのハイエースで運ぶんだ」

33名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 00:52:42 ID:MZV2vDEk0
―道中・エルフ車内―
ドルルルル……

( ^Д^)←運転
(‘_L’)←助手席
(,,゚Д゚)←真ん中

(‘_L’)「なに、学生のくせしてマークIIなんて乗ってんの?」

(,,゚Д゚)「はい、高校の頃からバイトで貯めて、最近やっと買ったんですよ」

( ^Д^)「オートマでふんぞり返って運転してるVIP系?」

(,,゚Д゚)「いえ、マニュアルのツアラーです」

( ^Д^)「おーえらいえらい!w」

(‘_L’)「あぁ、モララーが言ってたのはギコ君だったのか。峠でバトルしたっていう。左折巻き込み確認おk」

(,,゚Д゚)「その節はお恥ずかしいところを……」

( ^Д^)「ラジャ。んで、弟子入りに来たって訳かー」

(,,゚Д゚)「そんなところです、はいw」

34名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 00:57:26 ID:MZV2vDEk0
―道中・ハイエース車内―
ブォォォォン……

( ФωФ)←運転
('A`)←助手席
( ・∀・)、|゚ノ ^∀^)、川 ゚ -゚)、( ^ω^)、ξ゚⊿゚)ξ←適当に座ってる

( ^ω^)「そういえば、この間のマークIIの人がいたお」

('A`)「あー言ってなかったか。ギコっていうんだけど、あの後すぐに入部してきたんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「あの人、同じ大学の学生だったんだ……」

( ФωФ)「人は見かけによらないものである」

( ・∀・)「その代表例たるロマさんw」

川 ゚ -゚)「この方は社会人なんだよ。しかも社長やってる」

( ^ω^)「学生の社長さんですかお!?」

( ФωФ)「IT系の会社やってるロマネスクである。よろしくな」

ξ゚⊿゚)ξ「えっと、社会人だけど学生……?」

( ФωФ)「会社を始めたあと、経営なんかについてもっと勉強したくなって入学したのであるよ」

( ・∀・)「中身はただのエロおやじだけどねー」

( ФωФ)「ちょwww渋いお兄さんキャラでいこうと思ってたのにwwwww」

|゚ノ ^∀^)「ロマさん前見て前!」

35名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 01:02:29 ID:MZV2vDEk0
自動車部メンバー
3年生:( ・∀・)、(‘_L’)
2年生:( ^Д^)、( ФωФ)、|゚ノ ^∀^)
1年生:('A`)、川 ゚ -゚)、(,,゚Д゚)

( ・∀・)「基本的にはうちでの学年は入部順な」

('A`)「だから、ギコは学部2年生だけど部内では1年って訳」

( ^ω^)「4年生は引退したんですかお?」

( ・∀・)「引っ掻き回した挙句に全員辞めやがった。おかげで残された俺達は苦労してるよなー」

|゚ノ ^∀^)「今年なんて随分まともな状態になってきた方ですよねぇ。女子部員増えてよかった……」

ξ゚⊿゚)ξ「他の部活と比べると、やっぱり人数少ないですか?」

|゚ノ ^∀^)「そうだねぇ。しかも他の部以上にやること多いし」

川 ゚ -゚)「そのお陰か、男女一緒の部だけどゲスト扱いされないから私としてはありがたいですよ」

|゚ノ ^∀^)「老若男女、誰だろうと即戦力! がうちのモットーだからねぇw」

( ^ω^)(しっかし自動車部の車内でこの女子率は予想外だお。ムサくない車内って素敵!)

('A`)(禿同)


( ・∀・)「よし、予定通り次のSA(サービスエリア)で休憩すんぞー」

('A`)「エルフついてきてます」

( ФωФ)「このまま入っちゃうのである」カッチッカッチッ

36名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 01:05:47 ID:MZV2vDEk0
今回はここまでです。
かなり中途半端なところで止まりますが、またしばらくして書き溜めたら
続きから投下します。

土日休みっていいもんですね…

37名も無きAAのようです:2011/11/05(土) 21:11:22 ID:e268E4Ao0
wktk

38名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:30:57 ID:sxdYa/y.0
四話の続きを投下します。

39名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:39:28 ID:sxdYa/y.0
―SA・喫煙所―

(,,゚Д゚) カチッシュボ

(,,゚Д゚)y‐ フー

(,,゚Д゚)y‐「あ、お疲れ様です!」

( ・∀・)「おー、どうよ初遠征は?」

(,,゚Д゚)y‐「ちょっと緊張してますけど、楽しいっすね!」

( ・∀・)y‐「初々しくていいねぇ。ふー」

( ・∀・)y‐「しっかし、夜のSAで吸うタバコはうめぇな」

(,,゚Д゚)y‐「同感ですw 夏の匂いがして、いいですよね」

( ・∀・)y‐「うむ」

40名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:44:09 ID:sxdYa/y.0
―SA・フードコート―

(*^ω^)「深夜のSA飯たまらんおー」

ξ゚⊿゚)ξ「こんな時間に食べるなんて、さすがブーンね。はいお茶」

( ^ω^)「おーありがとお!こんな時間でもツンは優しいお!」

ξ////)ξ「ちょ、ちょっと、そんなことおっきな声で言うな!」

('A`)「コンビニの倍するホットスナック並に熱々ですねブーン君」モシャモシャ

川 ゚ -゚)「ツンは何か食べないのか?」

ξ*゚ -゚)ξ「……深夜の間食は乙女の敵だから」

( ^ω^)「これもまた旅行の醍醐味だというのに……」

('A`)「お前は何か食えれば幸せなんだろw」

( ^ω^)「おっおっおっw」


ξ゚⊿゚)ξ「……あのさ」

川 ゚ -゚)「ん?」

ξ゚⊿゚)ξ「昔、家族旅行の時とかにこういう所きたけど」

ξ゚⊿゚)ξ「自分達だけで、しかもこんな時間に来てるなんて、不思議だね」

川 ゚ -゚)「……そうだな。高校生活からまだ一年も経ってないのに、あの頃とは劇的に変化してるよ」

41名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:46:03 ID:sxdYa/y.0
―SA・駐車場―

(‘_L’)「全員いるn……あれ、ロマさんは?」

('A`)「あ、そういやクルマん中で寝てましたよ」

( ・∀・)「うわお。起こしてきてー」


( ФωФ)「むぅ、待たせたのである。次の配車は、エルフの運転がレモナ、助手席クー、間にツンちゃんでいいであるか?」

ξ゚⊿゚)ξ「トラック乗れるんですか?」

( ФωФ)「うむ。んで、ハイエース運転が吾輩のままである。あとは野郎共、乗り込むのである!」


束の間の休息を終え、一行は再び走りだす。

( ФωФ)「中央フリーウェイ〜右に見える競馬場〜♪」

|゚ノ ^∀^)「Dance ! With you on highway♪」


―道の駅・2:00―

深夜の高速道路を駆け抜け、やがて大会会場付近の道の駅へと到着。
道の駅の駐車場には、トラックやバン、スポーツカーが何台かとまっている。テントを張って寝ている者までいる。


( ^Д^)「他大もちらほら来てますね」

( ・∀・)「うし、うちもハイパー仮眠タイムへと入りますか」

42名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:49:22 ID:sxdYa/y.0
―全日本学生ジムカーナ選手権会場―
―予選―


ドクオ達が出場する大会について説明しよう。

大会名は、全日本学生ジムカーナ選手権。大学自動車協会が主催する大会だ。
この協会に所属している大学自動車部が全国から集まり、そのマシンや運転技術を競い合う。

ちなみに大学自動車協会(通称「協会」)は、いくつかの大学の自動車部員から有志が集まり運営している。
協会が主催する大会は3種目あり、その中の一つが、夏に行われるこのジムカーナ競技だ。
そして各大会の成績によって、年間総合優勝が決定する。オールシーズン戦い続け、大学自動車部の頂点を目指すのだ。

全国には自動車部と名の付く部活やサークルはいくつもあるが、このように体系だった競技大会に出場しているところは多くない。
今大会には約30校が出場しているが、中には他の種目の大会に出場できないために優勝を狙えない大学もある。

ジムカーナ、ダートトライアル、(通称)フィギュア。これら3種目を通し、自動車部は競い合う。
それぞれの競技は全く異なる性格であり、要求される運転技術や競技車の仕様も大きく異なる。

まずは全ての種目に出場するというところから、勝負は始まっていると言えよう。
そして総合優勝を狙うためには、どの種目でも上位に入れる選手育成や体制作りが必要となってくる。



余談だが、大会はちゃんと男子の部と女子の部に分かれている。

43名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:52:06 ID:sxdYa/y.0
( ^ω^)「僕らはちょっとその辺見てまわってくるおー」

('A`)「おう、クルマに気をつけろよ」


( ^ω^)「さて、ノリで自動車部の大会に来たはいいけど……」

ξ゚⊿゚)ξ「これみんな、ホントに学生がやってるの?」

辺りには全国から集まった自動車部が、各大学ごとにテントを立ててピットにしている。
ピットには、思い思いのカラーリングを施された競技車が控えている。その多くはホンダFF勢だ。
お揃いのつなぎを着た部員が、クルマの最終確認を行っている。中には、出走直前にトラブルに見舞われて修理に追われている学校も。


「ダメだ、エンジンかかんねー!」

「このままじゃ車検通らないよ!」

「あの、すみません、ちょっと部品お借りしてもいいですか?」

「おい一年! なんで予備持ってきてねーんだよ!」



昨日まで調子が良かったのに、どうしてこのタイミングでそんな問題が。モータースポーツには、というか古いクルマにはありがちなことだ。
あらゆる異常を想定し準備をして、どんな問題でも処置できる知識と経験を身につける。モータースポーツとは、決して速く走る技術だけでは勝てないのだ。

44名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 01:56:12 ID:sxdYa/y.0
ξ゚⊿゚)ξ「なんかすっごいクルマがいっぱいだね……」

( ^ω^)「すごいお! いかにも学生のクルマ、って感じだおー」

ξ゚⊿゚)ξ「こういうクルマって、……どこかで買ってくるの?」

( ^ω^)「元はみんな普通の市販車だから、中古を買ってきてここまで改造してるんだと思うお」


今更だが、この大会の会場はいわゆるショートサーキット、ミニサーキットと呼ばれる場所だ。
そこそこ有名どころなので、屋根付きのピットの他にも大きな駐車場、綺麗なトイレ、コントロールタワーなど、設備はかなり充実している。
とは言え基本的にこういった場所は、だだっ広い土地にコースと最低限の設備を備えているだけなので、建物は少ない。
となると当然日陰も少なく、夏場は大変暑い。


(; ^ω^)「しっかし、アスファルトの照り返しが凶悪だお……」

ξ;゚⊿゚)ξ「日焼け止め持ってきておいて正解だったー」

(; ^ω^)「お? vip大って書いてあるテントにロマさんがいるお」

ピットから離れた場所、サーキットを見渡せるような傾斜となっている芝生の上にちらほらと観客がいる。
その中にテントを立てて、ロマネスクが陣取っている。

ξ;゚⊿゚)ξ「あそこで休ませてもらおっか」

45名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 02:02:23 ID:sxdYa/y.0
( ФωФ)「ブーン君にツンちゃん、熱い中大変であろう」

( ^ω^)「お疲れ様ですお。ロマさんはここで何してるんですかお?」

( ФωФ)「吾輩はビデオ撮影やらタイム測定やらしてるのである」

ξ゚⊿゚)ξ「ロマさんは走らないんですか?」

( ФωФ)「うむ、吾輩はマネージャーを中心にやってるのであるからな」

ξ゚⊿゚)ξ「え? マネージャーさんって、レモナさんがやってるんだと思ってました」

( ФωФ)「レモナは貴重な女子ドライバーであるよw」
( ФωФ)「と言っても人数少ない部であるから、全員がドライバーからメカニック、マネージャーをこなしてる感じである」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、クーもクルマの改造とかできるんですか?」

( ФωФ)「もちろんである。あの子は立派なもんであるよ、率先してクルマの下に潜っていってマフラー交換やらするのである」

(; ^ω^)「排気系女子かお……」
( ^ω^)「おっ、vip大が走ってますお!」

( ФωФ)「今はプギャーが運転しているはずである」

ξ゚⊿゚)ξ「すごい……今クルって回った! クルマであんなことできるんだ!」

46名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 02:07:31 ID:sxdYa/y.0
( 'ФωФ)「他大のタイムと比べると、やや差があるのである……」


/ ,' 3「やはりクルマの差は大きいようじゃのう」

( ^ω^)「お!? 荒巻さん、来てたんですかお!」

/ ,' 3「ちと冷やかしてやりになw」

( ФωФ)「これはこれは。わざわざ遠いところから、かたじけないのである」

( ^ω^)「阿部さんとモナー君も一緒ですかおー」

N| "゚'` {"゚`lリ「俺も一応、vip大自動車部のOBだからな。じいさんが応援に行くってんで、ホイホイ着いてきたのさ」

( ´∀`)「きれーなねーちゃんがちらほらいるモナ。意外」

( ФωФ)「クルマの差、であるか……」

/ ,' 3「うむ。第一コーナーへの進入を見るだけでわかる」
/ ,' 3「馬力の差か、速度がいまいち伸びてないようじゃ。ギア比も合ってないのか、他は3速に入ってるところ、うちは2でいくか3に上げるか悩ましいところじゃなw」

( ФωФ)「むぅ……」

/ ,' 3「ロマよ、あのEG6はエンジンとミッションはノーマルのままじゃろ?」

47名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 02:08:28 ID:sxdYa/y.0
vip大の試合車は、EG6型 ホンダ シビック。
1.6L自然吸気エンジンB16Aは、160馬力でフロントタイヤを駆動させる。モータースポーツ界ではかなりポピュラーな車種である。
その最大の武器は、車重。920kgという軽量なボディは、加速・減速・コーナーリングの全てにメリットをもたらす。

一方他大学は近年、EK9型シビックやDC2型インテグラのタイプRがメジャーになっている。これらの車種は言ってみれば、EG6の上位互換だ。
EK9のエンジンB16Bは、タイプR仕様であり180馬力を発揮。ロングホイールベースや剛性の増したボディが武器だ。
DC2のエンジンB18Cは、排気量が1.8Lへと増えタイプR仕様では200馬力を発揮。EG6に比べると車体は重いが、この馬力とクロースレシオ化されたギアでグイグイ前へと進める。

更には、EG6の軽いボディにDC2のエンジンとトランスミッションを載せている大学もいる。高出力エンジン、加速重視のギアに軽量ボディと、チートとも言える組み合わせだ。


/ ,' 3「EG6は良いクルマじゃが、まわりがタイプRだらけの中ではちと厳しいのう」

( ФωФ)「おっしゃる通りなのである。今年はタイヤにお金をかけるので精一杯だったのである」

ξ;゚⊿゚)ξ(全然話についていけない……)
ξ゚⊿゚)ξ「あ、あの、クロースギアって、何ですか?」

/ ,' 3「ん? 嬢ちゃん、こんな堅気でない世界に興味があるのか?w」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとくらいは知っておかないと、置いてけぼりになっちゃってるんで……」

48名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 02:10:11 ID:sxdYa/y.0
( ФωФ)「ギアが付いてる自転車で考えるとわかりやすいのである」
( ФωФ)「ギアが無いと、漕ぎ始めはペダルが重いのである。対して何段もギアがあれば、漕ぎ始めからある程度のスピードに落ち着くまで加速が楽にできるであろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、何となくわかります。つまりは軽いギア、って感じですか?」

( ФωФ)「そんなところであるw」

( ^ω^)「ツンは飲み込み早いお! ブーンにはさっぱりだお!」

/ ,' 3「お前さんのビートと他の普通車じゃ、同じ速度でもエンジンの回転数は違うじゃろ?エンジンが非力なぶん、軽いギアになってるんじゃよ」


モータースポーツなどとは全く縁が無かった者が、僅かではあるが興味を抱き始めている。
そもそも、人間には好奇心が備わっている。今まで知らなかった世界に触れたのをきっかけに、知識欲が刺激されるのは当然とも言える。

一方、そんな世界で生きている者たちは……


N| "゚'` {"゚`lリ(全国の活き々とした男子部員たちが、つなぎ姿でいい汗かいてやがる……そうかここが楽園《エデン》か)

( ´∀`)(前かがみになってTシャツの胸元パタパタしてるねーちゃん堪らんモナ)


クルマ以外に興味津々。誰もが、楽しいからこそ始めたモータースポーツだ。その大会でクルマ以外を楽しむのも、また一興である。

49名も無きAAのようです:2011/11/20(日) 02:11:15 ID:sxdYa/y.0
ここでまた中断です。

今後も少しずつですが投下していきたいと思うので、読んで頂けたら嬉しいです。

50名も無きAAのようです:2011/11/24(木) 15:00:27 ID:j/PO6cywO
車にあんまり興味なかったけど、読みやすくていいな
続き楽しみにしとく

51名も無きAAのようです:2011/11/26(土) 21:30:22 ID:8HJXUktgO

ところで、B16で160馬力って、EFあたりの頃じゃないかい?
間違ってたらゴメン
続き楽しみにしてるよノシ

52名も無きAAのようです:2011/12/22(木) 22:09:35 ID:Lk6kUS3I0
>>50
車に興味無い人が興味持ってくれたら、このお話を書いた甲斐があります。
用語の補足とかもっとあったほうがいいかな?

>>51
EG型のB16Aは170馬力みたいですね、wikipediaさんで調べたら。指摘ありがとうございます!

年内にはこの4話を書き終えたいと思います。頑張ります。

53名も無きAAのようです:2011/12/24(土) 13:02:14 ID:QkUcYtNMO
>>52
ファルシのルシがパージ程じゃないから個人的には無問題
待っとるよ

54名も無きAAのようです:2011/12/31(土) 23:28:21 ID:AGZCJCGM0
年内に終わりそうにないけど、いけるとこまでちょこちょこ投下します

55名も無きAAのようです:2011/12/31(土) 23:30:06 ID:AGZCJCGM0
―決勝前夜―
―宿―

J( 'ー`)し「今年もまた、ようこそいらっしゃりました」

(‘_L’)「今年もお世話になります」

J( 'ー`)し「あらあら、今年は人数も増えて賑やかですね」

( ・∀・)「うちの部も盛り返してきましたよー」


( * ^ω^)メシクイーノ
ξ*゚⊿゚)ξオフロハイリーノ


(‘_L’)「明日の動きの最終確認だけパッパと終わらせて、さっさと寝るよー」

( ・∀・)「えー、なんだかんだで決勝に残ることが出来ました」

|゚ノ ^∀^)「タイヤにお金かけてよかったぁ……」

( ・∀・)「やっと他大と同じラインに立てた、タイヤだけはな」

( ・∀・)「明日もキツいぞ、修学旅行気分で夜更かしするなよ! 解散!」

( *ФωФ)「女子の部屋でUNOしよーぜー」

( *^Д^)「パジャマ女子部屋に凸しよーぜー」

(;‘_L’)「おっさん率先して中学生のノリすんな!」

56名も無きAAのようです:2011/12/31(土) 23:32:11 ID:AGZCJCGM0
('A`)「今日どうだった? 暑いわ暇だわで大変だったろ」

( ^ω^)「楽しかったお! ツンなんかうろちょろしちゃって何度か轢かれそうになってたおww」

ξ*゚⊿゚)ξ「ふんだ。 このピザが暑さにやられてすぐダウンしちゃったから、あんまり見て回れなかったじゃない」

川 ゚ -゚)「自分達のことに夢中で案内とかできなくてすまなかったな」

('A`)「明日は俺達のピット見学でもする? あと試合観戦とかかねぇ」

( ^ω^)「するお! ドクオの活躍を間近で見てやるおっおっおっw」

ξ゚⊿゚)ξ「クーも走るんでしょ? 応援するからね!」

川;゚ -゚)「あまりプレッシャーをかけないでくれ……」


こうして、決勝前夜は更けていく。
各々が期待や不安を胸に抱え、眠りについた。

57名も無きAAのようです:2011/12/31(土) 23:41:31 ID:AGZCJCGM0
―決勝―
―宿・4:45―

('A`)「(ナレーション)自動車部員の朝は早い」

( ^Д^)「ゲートオープン6時とか鬼だわww」

(,,゚Д゚)「プギャーさん何でそんなにテンション高いんすか……」

( ^Д^)「寝起き女子の素ッピンチェックしたいのwwwうぇwwww」

(メメФωФ)「やめとけ、奴らの寝起きはヤバかったぞ」

('A`)「さすがロマさん、既に事後とは」

( ^Д^)「無茶しやがって……」


―女子部屋―

|゚ノ#^∀^)「ロマさん何であんなにテンション高いの……乙女の敵め……」フーッフーッ

川 ゚ -゚)「まだ日も昇ってないですよね」

ξ-⊿-)ξ「早朝というより深夜テンションの延長なんですかね」

58名も無きAAのようです:2011/12/31(土) 23:43:51 ID:AGZCJCGM0
―会場―

('A`)「受付行ってきます」

(,,゚Д゚)「シートポジション、フィレンクトさんの位置に合わせました!」

( ФωФ)「あと10分でコースオープンである」

ξ゚⊿゚)ξ「こーすおーぷん? 何が始まるんです?」

|゚ノ ^∀^)「慣熟歩行って言ってねぇ」
|゚ノ ^∀^)「実際にコースのどこをどうやって走るのか、考えながら歩くんだ」


ジムカーナ、という競技について説明しよう。
簡単に言えば、舗装路面上の決められたコースをいかに速く走りきるかで勝負を決める、タイムアタックだ。
今回の大会では、サーキット区間とパイロン区間を組み合わせたコースとなっている。
サーキットのコースを利用した高速区間と、パイロンが置かれ複雑に設定された低速区間が組み合わさった複合コースだ。
車両の性能とドライバーの腕の両方が試されるコース設定である。

ジムカーナに限らず、モータースポーツ関係の動画はYoutubeやニコニコ動画にいろいろある。
百聞は一見に如かず、是非調べて見て欲しい。

59名も無きAAのようです:2012/01/01(日) 19:48:53 ID:bh3AMpu60
ふむ

60名も無きAAのようです:2012/01/02(月) 19:16:51 ID:VsVvM7o2O
来てた!乙!
決勝という事は、前日は予選だったんだ。下手な地区戦よりも台数集まってんだな。
それにしても、お金がないならEFなりCJで走ればいいのに…

61名も無きAAのようです:2012/03/06(火) 21:59:02 ID:zv2MXxoo0
書き込めるかなテスト

62名も無きAAのようです:2012/03/06(火) 22:00:58 ID:zv2MXxoo0
ξ゚⊿゚)ξ「そんなことまでするんですか」

('A`)「遊びでやってるんじゃないんだよー、ってか」

( ФωФ)「ってことで、選手と手が空いた者は慣熟に行ってくるのである」

( ^ω^)「僕たちも一緒に行くお、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「途中でバテないでよねっ」



―コース内・慣熟歩行中―

川 ゚ -゚)「ドクオはさっきあんなことを言っていたが」

|゚ノ ^∀^)「お堅い部活、って感じじゃないよねぇ。締めるところは締めるけど」

川 ゚ -゚)「他のスポーツと同じだ。 真剣にやるからこそ、面白いのだと思う」

( ^ω^)「おー。そーいうのわかるおー」

(‘_L’)「楽しいからこそ続けてる訳だしね」

( ・∀・)「お、ねーやん久しぶり! うち今年も女子入ったぜー」

从 ゚×ナ从「何やら人数増えてるやんモララー」

63名も無きAAのようです:2012/03/06(火) 22:02:23 ID:zv2MXxoo0
|゚ノ ^∀^)「彼女こそは!」
|゚ノ ^∀^)「レコードラインの上を完璧にトレースし、その走りはまさにオン・ザ・レール!」
|゚ノ ^∀^)「その精確さからサイボーグとまで呼ばれた関西の女王!」

从 ゚×ナ从「ねーやんって呼んでや、よろしくなクーちゃん」

川 ゚ -゚)「今年入部したクーといいます。よろしくお願いします」

从 ゚×ナ从「こんな魑魅魍魎な部活に入って大変やなー」

川 ゚ -゚)「いえ、先輩達によくしてもらってるんで楽しいですよ」

|゚ノ ^∀^)「ねーやんさん、並の男子部員じゃ敵わない腕なんだよぉ」

ξ*゚⊿゚)ξ「か、かっこええ……」

川 ゚ -゚)从 ゚×ナ从キャッキャウフフ|゚ノ ^∀^)ξ゚⊿゚)ξ


( ^Д^)(あっちの女の子いる方に行きてぇ……)

(,,゚Д゚)「プギャーさん、ここはどんなラインで進入するんですか?」

( ^Д^)「あぁ、スっと入ってグイっと曲げりゃいいんじゃね?」

(,,゚Д゚)「えぇっ!? 明らかに雑な説明っすよね!?」

( ^Д^)「まー実際問題、最初はコースを覚える練習からだな」

(,,゚Д゚)「運転しながらだと、どのパイロンをどっちから回るとか吹っ飛んじゃいそうっすね」

64名も無きAAのようです:2012/03/06(火) 22:13:48 ID:zv2MXxoo0
―vip大ピット―

( ФωФ)「路面温度、46℃である」

( ・∀・)「二走目の頃にはもっと上がってるかね。やっぱコンパウンド固めのタイヤで正解だったな」


< まもなく開会式を始めます、コントロールタワー前に集合くださいー


ガヤガヤ シュウゴウダ ドタドタ


< えー、環境問題やエコの時代となっている訳ですが、その中で学生の君達が……


( ´_ゝ`)「おうフィレっち、相変わらず会計は火の車か?」ボソボソ

(‘_L’)「兄者か。あぁ、そんなに弄ってる訳じゃないのに金無いねー」

(´<_` )「金が無いなら、EFなりCJで走ればいいじゃないか」

( ・∀・)「それこそ買い換える金なんてねーよw 昔から部にあったあのEG6を、末永く愛してやるしか……」

( ´_ゝ`)「うちはOB多いし金出してくれるからなー、ありがたやありがたや」


< では、今年も事故のないよう、全力で戦い熱い記録が生まれることを願っています!

65名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 19:55:09 ID:O7..MAH60

(-@∀@)「さあ! 今年も夏が! 全日本学生ジムカーナの夏が! やってまいりました!」

(-@∀@)「今年も実況は私、OB歴5年目のアサピーが務めさせてもらいます!」

(-@∀@)「毎年この時期は有休取るもんで、ついに上司にこの大会を覚えられましたw」

(-@∀@)「それでは張り切って参りましょう! 決勝第一走者、旗が振られて今スタート!」


ブォンブォン キュキュッブォォォ……オオオオオオオ!!


(-@∀@)「 やや回転が落ちたがまずまずのスタートダッシュだ!」


( ^ω^)「ついに始まったお!」

ξ゚⊿゚)ξ「何だかピリピリしてきた」

(,,゚Д゚)「出走まであと2校です!」

オフィシャル「vip大さん、そろそろ準備お願いしますー」

66名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 20:01:00 ID:O7..MAH60
―1ヒート目 第一走者:フィレンクト―


(-@∀@)「続いてスタート位置についたのはvip大学フィレンクト選手ー!」

(-@∀@)「手元のアナウンス資料によりますと、部内での愛称は『隻腕のフィレンクト』!」

(;‘_L’)(誰だ資料書いたやつ!)

(-@∀@)「何でも、非常に忙しいジムカーナのハンドル操作を片腕でやってのけてしまうことから、この異名がついたそうですねー」

(;‘_L’)(うぉぉおお厨二臭くて恥ずかしいいいいい!!)ブァアン キュッ ボァアアオオ!!


前半のサーキット区間を危なげなく、逆に言えば大人しすぎる走りでクリアするフィレンクト。
後半のタイトなパイロン区間に入ると、サイドブレーキを利用しリアタイヤを滑らせ積極的にEG6の向きを変える。
FFらしい綺麗な360度サイドターンを決め、ギャラリーを沸かせる『隻腕のフィレンクト』がここにいた。


(,,゚Д゚)「美しい……」

( ・∀・)「あれが上手いサイドターンだからな、派手=速いなんて思うなよー」


(-@∀@)「パイロン区間をキッチリまとめて今ゴール!」

(-@∀@)「タイムは……現在暫定2番手の好タイムだー!」


ξ*゚⊿゚)ξ「すごい!いきなり2位じゃない!」

( ФωФ)(始まったばかりで、5人中の2位だからまだ何とも言えないのである)

67名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 20:29:46 ID:O7..MAH60
―1ヒート目 第二走者:プギャー―


ξ゚⊿゚)ξ「……あれ?」

|゚ノ ^∀^)「」

( ФωФ)「」


(-@∀@)「あーっと、ここで黒旗だープギャー選手ミスコース!」

m9( ^Д^)9m「プギャーwwwww」

(lll^Д^)「プ、プギャー……」



( ・∀・)「誰かさんはミスコースなんてしてタイム残らなかったけど」

( ^Д^)「返す言葉も……」

( ・∀・)「俺はサクっとタイム残してくるよーん」


この大会は、団体戦だ。
各校、3人1チーム(女子の部は2人1チーム)で出場している。1人に許された走行本数は、たった2本。
当日に初めて見る複雑なコースを、たった2回の走行で攻略し好タイムを残さなくてはならない(2回の走行タイムのうち、良い方が正式結果となる)。
そして、3人の走者の合計タイムが最も少ないチームが、優勝となる。
つまり、1人でもタイムが残らなかった時点で、そのチームには順位がつかない。勝ち負け以前の問題となってしまうのだ。

プギャーは1本目に走行コースを間違えたため、タイムが残せていない。
その為次の走行でまたミスコースをした時点で、他の2人がどんなに良いタイムを出しても、vip大は優勝争いから消えることになる。

本来なら2回あったチャンスが消え、たった1回の走行で好タイムを出さなくてはならない。
まだ2年生であるプギャーは、このプレッシャーを感じながら結果を残せるのだろうか。


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