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タブンネ刑務所14
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ここはタブンネさんをいじめたり殺したりするスレです
ルールを守って楽しくタブンネをいじめましょう。
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気分悪そうに、フンっ!と鼻を鳴らしたモブタブ。
しかし可愛らしくフリフリと左右に動く他チビの白い尾を見やるとニヤッといやらしい笑みを浮かべ、他チビの頭を掴み、押し倒してうつ伏せに組み敷くと、その尾にガブリと噛み付いた。
チビ「ミュビィーーーー!イダっ!イダミィいい゛っ!イヤっ!ヤメ!ヤメアァァぁ゛ぁ゛っ!」
他チビはバタバタと両手脚を動かすが、モブタブの力の方が強く、どうしようにもならない。
あまりの唐突な展開に4ベビは声も出せず、みんなガタガタと震えながら立ち竦み、目をまん丸くしてその光景を見つめる。
モブはガブガブと何度か尾の付け根を噛み直すと、やがてガチリと口を閉じ、思い切り顎を振り上げた。
するとブチィッ!と大きな音が鳴り、その小さな尾は完全にチビの身体を離れ、ピューピューと鮮血が噴き出した。
チビ「チガァーーップルルルッ!ゴハッ!アググググ...」
壮絶な激痛に他チビは涎とあぶくを口から吐き出し、舌を垂らして悶絶する。
「チッ...チィーーーっ!」「チィヤァーーッ!!」
凄惨な光景に4ベビ達は我に返ったように叫び出し、皆ママのストール横に固まって耳を押さえて踞り、フルフルと震え出した。
誰が漏らしたかもわからぬオシッコで足元がびしょびしょになっている。
ママ「他チビちゃんを放せミィ!こんなことやめるミィ!!誰かーーっ!誰か来てミィッ!ニンゲンでもいいミ!チビちゃんを助けて!早く!早く......」
ママはストール前面折にしがみつき、懸命に叫び声を上げる。止めに入ることが出来ず、もどかしさが込み上げるばかりだ。
周り雑居ンネ達は何匹かは一瞬其方を見やるが、申し訳なさそうにその目を伏せて、ただただその場に座り込む。
殆どの個体は見向きもしないという有り様だ。
ママと他チビの叫びも虚しく、事態は深刻さを増し続ける。
他チビは下半身が痙攣し始め、完全に脚に力が入らなくなっているようだ。
モブがその小さな体の片脇を持ち上げると、何の抵抗もできずにゴロンと仰向けに向き直される。
モブはポッコリと膨らむ他チビの下腹部に噛み付くと、そのか弱い皮膚がビリビリと破れ、露出した腸をジュルジュルと喰い始めた。
チビ「ギギィーッーーっ!ギィーーーいいい゛イッ!
......チフッ......ハッ....アッ....」
ママ「あああ゛あ゛っ....!他チビちゃん...!...ッッ...」
どんどん変わり果てていく他チビ。ビクンビクンと数度全身で跳ねながら、さっきまでの可愛い容姿からは想像できぬような最後の絶叫を上げ抵抗を示したが、やがて呼吸が怪しくなってきた。
そのけたたましい声に気づいてか、2名の飼育員と1匹のローブシンが事務所から小急ぎに出てきて、その現場までやって来た。
飼A「うわあ...。結構ひでえぞ、コレ。すまん!ブシン!頼む!」
飼育員の声を聞くとローブシンはモブの背後にまわり、両脇を抱えて持ち上げる。
モブ「放せブミィ!もっと食わせろブミィーーン!」
ジタバタと抵抗を見せるモブ。タブンネとは思えぬ力強さで、ブシンと言えど油断すれば逃げ出されそうな様相である。
ブシンは明らかにイラついた表情をしている。
飼A「いやダメだコレ。埒あかねえ。おい!すまんがオマエ事務所からガノン連れて来てくれ、頼む!」
先輩格らしい飼育員が指示すると、若い方は慌てて事務所へと駆け戻る。
飼A「テメエ!この子だって大事な商品なんだぞっ!エサなら沢山やってんだろうが!このっ!このっ!...」
飼育員がドカドカとモブの腹を蹴飛ばすが、モブの勢いは衰えない。
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このタブ舎のタブンネの中には、このモブのように凶悪な個体が一定数存在する。
劣悪な環境から後天的にそうなる個体もいるし、2世,3世と交配を繰り返すうち先天的にそうである個体もいる。このモブタブンネは後者である。
先天的凶悪ンネはみな普通のタブンネよりも手足の蹄が硬く、牙とまでは成らないが歯と顎が頑丈で、体重も重い。
戦闘狂的な言い方をすれば攻撃種族値が50くらい普通のタブンネよりも高く、素早さがほんの少し遅い。
野生に帰ったとしても結構生き残れそうなタブンネの改良種(改悪種)と言えるかもしれない。
言っても鍛え上げられたローブシンが本気を出せば瞬殺できるくらいには弱いのだが、タブンネを殺してしまえば後で人間に怒られるので、ローブシンは今必死に我慢している。
このローブシンはタブンネが大嫌いである。
飼B「お待たせです!出てこい!クワガノン!」
ガノン「クワァーッギャギャギャ!」
出戻り飼育員がモンスターボールを投げると、タブンネよりも大きな、いかにも強そうな虫ポケモンが繰り出された。
飼A「よし、クワガノン、ソイツに電磁波だ!頼む、頼むから今は殺さないでくれよ!あとブシンには当てないでやってくれよ!」
先輩飼育員の指示に対して少し食い気味にクワガノンは足元に電気を集め出し、ローブシンは慌てた様子で地面にモブタブを投げ下ろす。
モブ「ミ゛ァァァァッ!ヤメっ!ブガァアアアアアアッ!」
ローブシンが巻き添えを喰らう寸前のところで、強力な電撃がモブタブンネにヒットする。
“電磁波だ”って指示であったが、それは明らかに10万ボルトであった。
モブは背中一面が真っ黒く焦げて白煙を上げ、死んではいないようだが舌を垂らし、白眼を剥いて気絶している。
飼B「よしっ!もういいぞクワガノン!もどr...
ガノン「ギャーッギャギャギャギャッ!」
飼育員の声を聞かず、クワガノンは大きな羽を振って雑居房を旋回し、再びバチバチと電気を集め始めた。
ミィーー!ミギャー!ミ゛ミ゛ィーーッ!・・・
さっきまで無関心な様子だった雑居ンネ達はガノンの行動に気がつくと、一斉に悲鳴を上げだしバタバタと走り始めた。
——
このタブ舎では出荷前、もしくは普段から、暴れ出したタブンネを麻痺させる目的でかねてより電気タイプのポケモンを保有している。
嘗て電気枠としてシビビールが採用されていたが、より強力な電撃を求めてカミナリの石を使ったところ、商品であるタブンネを喰ってしまう問題が発生した。
タイミングよくアローラに観光で訪れていたこの企業の社長。アーカラ島のある牧場で飼育されていたクワガノンを発見して一目惚れし、聞くと電気タイプを有して肉食ではないとのことから即買いし、シビルドンに変わってこのタブ舎の配属となった。
最初こそイッシュでは見たことのないポケモンに飼育員達も喜んだし強さは申し分ないのだが、いかんせん強力な電撃でタブンネを痛めつけるのが気に入ってしまったらしく、これまで4,5匹出荷前チビンネをブチ殺した実績がある。
手に追えないから別のポケモン寄越してくれと飼育員一同何度も上に掛け合うのだが、社長の意向でクワガノンが使われ続けた。
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雑居チビンネ達に危害が加わる直前のところで飼育員がクワガノンをボールに戻し、商品に傷がつくことはなく、事なきを得た。
2人と1匹はヤレヤレ顔で顔を見合わせ、雑居ンネ達も大きく息を吐き、みな尻餅をついている。
ほとぼりが覚めたことに気づき、4ベビも恐る恐る顔を上げだした
飼B「うわー...コレはダメっすね、もう肉になるとこ無いっすよ」
ベビンネ‘s「チギャーーーアアアッ!!」
飼育員が他チビの左脚を持ち上げると、腹一帯が破れ、グチャグチャになった臓器がそこからぶら下がり、ボタボタと血が滴っている。
飼A「8-5。こないだ離乳した5兄妹の末か。なんだってこんなトコいたんだろな。でコッチが6-2か。6番は多いなあ。まだ若えけど母親変えた方がいいんかなあ。」
飼B「せめてやっぱ抜歯できりゃ良いんすけどね、弱るし、鉄剤も高いから無理なんすかね〜。チビの方は“肥やし”でいいすか?」
飼A「うん。処刑機よこのオレンのとこ埋めといて。デカい方は明日の朝便で出しちまおう。全く余計なことしやがってコイツ...」
他チビは乱雑にビニール袋に入れられ、ローブシンと若飼育員はモブを担ぐと、スタスタその場を去っていった。
長女ンネ、次女ンネ、弟ンネはいつまでもさめざめ泣き続け、妹ンネに至っては他チビの姿を見た後失神してしまい、仰向けに倒れて口角からプクプクとあぶくを吐いている。
ママンネもストールの中でへたりこんで、泣いてはいないものの悲しい目で地べたを眺めていた。
何度も見たような光景であるとはいえ、優しいママは慣れっこになることなどなく、他チビの変わりざまに心を痛めていた。
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新作乙です。
最近つべで見かけるブタ屋さん動画みたいなリアルな流れも感じられていて
ベビンネ達の反応がいちいち良いですね
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以前、クワガノン出してくださいとお願いしていたものです。登場させていただきありがとうございます!
クワガノンもタブ虐に参加していくのかな。
品種改良じゃなくて改悪とはタブらしいですね。
他チビの喋れない姉とは、そちらの一家の話も気になります。
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4ベビ生後12日目
この日は3番ママ母子の生活環境に、少しの変化が訪れた。
突然の来訪者、はじめての“おともだち”が亡き者となったショックからか、ここ3日間4ベビはほとんど喋ることがなくなっていた。
ママの指示で1日2回の弟ンネ歩行訓練が行われる他、ミルクを飲みたくなればみな黙ってストールに擦り寄り、ママもまた黙ってその要求に応えた。
それ以外の時間は4匹で囲いの1ヶ所で固まり、ボーっと座るか寝るかしているだけの時間を過ごしていた。
ママは4ベビに何か声をかけるでもなく、自身もストール内で静かに座って過ごし、ただただベビ達を見守った。
子タブンネらしい可愛らしさに溢れ、我が子をお友達と慕って来てくれたあの他チビちゃん。
彼女が死んでしまったことは勿論だが、その命を終わらせたのもまた同胞のタブンネであるという事実がママンネには一番辛かった。
他チビを殺めたのが他種族や、あるいは人間であったらまだベビ達に言葉のかけようもあったのだが、タブンネがタブンネを喰い殺すという現実はママも説明したくないし、しようがなかった。
しかしまた、ママは他チビに対し哀悼の意の一方、感謝の念も抱いていた。
いずれ伝えようと思っていたこの世界、このタブ舎で起こり得る現実、処世術。あの子はその身でもって、その一端を我が子達に教え知らせてくれたのだ。
どうか天国で、タブンネのお友達を作って穏やかに過ごしていてほしい。声には出さないが、ママはいつも心の中でそれを祈っていた。
——
お昼頃、4ベビは皆で纏ってママの乳首を吸い、やがて飲み終えてスヤスヤと眠りだした時、2人の人間が腹の大きな1匹の雌タブを引き連れて雑居房を縦断し、右隣の囲いまでやって来た。
雌タブの方耳には赤いタグがつけられ「4」の数字が書かれている。
雌タブ「ブヒィッ!苦しいミィ!苦しいミィ!
慎重に扱えブミィーッ!!」
飼「随分とデケエなコレ。5,6は入ってんじゃねえか?ほら頑張れ!何とか収まってくれ...!」
4番の囲い、ストール前面部の柵を解放すると、2人の飼育員が雌タブの腹肉を慎重に押し付けながら、何とかその身体をストール内部まで押し込み、やがて施錠して、その場を去っていった。
ママ「4ママちゃん、お久しミィ。苦しそうミィね。お加減いかがミィ?」
4ママ「ミフンッ!」
ママンネが首を精一杯向いて優しく声をかけるが、お隣さんは鼻を鳴らして不機嫌そうに返事をした。
4番ママの態度は織り込み済みのようで、不機嫌な返答を受けてもママンネはニコニコとした笑顔を崩さない。
——
ママンネはこの4番ママが生まれた時から知っている。
4番ママがまだベビの頃はママンネのことを慕ってくれていてタブンネらしい愛嬌に溢れていたが、やがて母タブに選ばれて2回くらい産卵した後、このように不躾タブへ変貌してしまった。
ママンネは4番ママのママ、4番ババンネが生きていた頃、4ババを姉のように慕っていた過去がある。
4ババは野生産で、よくお外の世界のことをママンネに教えてくれた優しい個体であった。
あの優しかった4ババの娘さん、ここの環境のせいで今はこんなんなってしまったが、彼女を見放すことなんてママンネにはできなかった。
悪いのはこの薄汚い舎屋と人間達だ。
いつか野生に帰って、元の優しい4番ママちゃんに戻ってくれたらいいな。
叶わぬ願いと知りつつ、ママンネは時々そんな妄想に耽っていた。
ママンネにとって、今でも4番ママは実妹に等しい存在であった。
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突如隣のストールに現れたタブンネさんとママの声に気がついて、4ベビは目を覚まして囲いの右側に集まり出し、チィチィ鳴きながら柵にしがみついた。
今まで両隣のスペースはずっと空いていて、初めてのお隣さんに興味津々のようだ。
赤児とは現金なもので、数日虚ろだった目にはすっかり生気が蘇っている。
長「おばちゃん、こんにチィわ。すごい大っきなお腹チィ!ゴハン沢山食べたのチィ?」
弟「おばちゃんママのおともだチィ?」
妹「はじめましてチィ!チィは妹ン...」
4ママ「ミガァアッ!!!」
ベビンネ‘s「チィヤァァァァッ!」
次々話しかけるチィチィ声を一喝され、4ベビは怖がって、ママンネのストールへ擦り寄った。
ママ「ミィんな、今は静かにしてあげて。お隣さんは、今タマゴを産む準備をしていて、お腹苦しいんだミィ。ホントはとっても優しいタブンネさんなんだミィよ。」
ママンネの言葉で少し落ち着いたが、4ベビはみな驚いて震えている。妹ンネに関しては脱糞してしまった。
4番ママは今一度フンっ!と鼻を鳴らすと、苦しそうに腹肉をつっかえさせながら、うつ伏せに横たわり眠りについた。
———
4ベビ生後13日目
その日の午前中、4番ママの陣痛が始まった。
4ママ「ミヴゥゥゥ...ぐるじっ...!ぐるじいミィィィッ...」
ママ「4ママちゃん!頑張っても少し下がってミィ!タマゴが柵に挟まっちゃうミ!おーいニンゲン!早く来るミィ!4ママちゃんを手伝えミィィイ!!」
4番ママはストールの前側に頭をつけて、うつ伏せに横たわっている。
ストール後面には少し柵が開けている箇所があって、成獣タブンネが中腰になればそこから排便したり、産んだタマゴが外に溜まるような構造になっているのだが、4番ママはお腹がかなり大きくストールに挟まっている状態だったため、自力でそこに尻を当てがうのは明らかに困難であった。
ママンネは真横を向く事ができない為、4番ママ後部の状況を確認してモノ言ってるわけでは無いが、頭の位置関係からそれは見なくてもわかる。
2年くらい住んでるのでストール内部の構造やサイズ感など嫌というほど把握している。
4ベビはママのブラインドにならぬよう二手に分かれ、柵にしがみついて固唾を飲んで隣のストールを見守っている。
産卵に興味もあったし、昨日一喝されたとはいえ、4番ママの苦しそうな様子を心配しているようだ。
——
やがて4番ママの股がメリメリと音を立て、一つ目のタマゴがスポンと出てきて、母体とストール後柵の狭い隙間にコロンと転がった。
ママが懸念していたのはタマゴが圧迫されてしまうこと。
叫びの甲斐無く人間が現れる気配が全く無いまま産卵が始まってしまった。
もう幸運を祈るしかない。
ママ「4ママちゃん!がんばってミィ!ほら、ミッ!ミッ!フゥー!ミッ!ミッ!フゥー!」
4ママ「オガッ...!ミガガガァッ!フッ...フゥーッ...」
4番ママは6つのタマゴを抱えていた。自然であれば一度の種付け、一度の産卵で6つも同時に宿ることはほぼない。
身長1.1m、体重31kgのポケモンにそんな懐妊は無理がある。
おそらく無理矢理発情させるホルモン注射の影響で、このタブ舎の母タブンネは最大で8つのタマゴを抱える場合があり、産卵の為死亡する母タブもしばしば現れる。
難産ながらも産卵は進んでいき、3つ目のタマゴが出てきたところで4番ママとストール鉄柵の間がパンパンになり、タマゴはメキメキ危険な音を立てて居る。
4つ目のタマゴが出てくる時、辛うじて4番ママが尻を持ち上げることができて、先3つの上に乗っかる形で何とか産み落とした。
ママの懸念が現実になってしまったのは5つ目。
半分以上が出てきた所で母体と先産の間で圧迫されてしまい。バリンと音を立ててタマゴが割れてしまった。
4ママ「ミ゛ィ゛ィ゛ヴァ゛ァァッ!イダイッ!痛いミ゛ィ゛ッ...ィッ....ァ゛ァ゛ッ....」
勢いを持って割れたタマゴ片の一部が4番ママの臀部一帯に突き刺さり、ボタボタと血が滴る。彼女には裂傷痛みと陣痛の2重苦である。
「チィッ!」「チビィン...」「チィ〜ッ...」
4ベビは思わず両眼に手を当て、短い悲鳴を上げながら視界を覆い隠した。
4番ママのお尻の傷も辛いが、4ベビにとってより衝撃的だったのは割れたタマゴから出てきた物体。
体長10cmくらい、毛も生えていない、赤ピンクの地肌が剥き出しの超未熟児ベビンネが外界に投げ出され、短い両手をピクピクと動かしながら、必死に口元へ持っていこうとしている。
「.....パァッ....プ...........ヴッ.......ヴグッ........」
孵化には程遠い状態で、ねばり気の極めて強い粘液が口と鼻腔にネットリと絡みつき、呼吸混乱を起こしているようだ。
10秒ほどするとビクンビクン全身が激しく蠕動し、やがて完全に動かなくなり、小さな息の根が絶えた。
享年20秒、短い生涯であった。
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>>522
ご意向に添えておりましたら何よりです!
ガノンは今後も登場させる予定でいます
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一瞬目を開け超未熟ベビの亡骸を見やると、4ベビはみなチィチィ泣きながら翻って、ママンネのストールに寄り固まった。
ママンネの目尻にも涙が浮かぶ。その現場を確認できたわけでは無くとも、我が子達のリアクションと触覚から伝わる音から何が起こったかは容易に想像できる。
自分が産卵を手伝いに行ければ小さな命は高い確率で助かったのだ。
生涯で何度目か、自身や妹分を閉じ込めるこの鉄檻に強い憎悪が込み上げる。
しかしいつまでも嘆いている場合ではない。ママはキッと顔を引き締めると、再び声を上げる。
ママ「4ママちゃん、頑張るミィ!あと少しミィ!少しだけお尻持ち上げてミィッ!ミッ!ミッ!フゥー!ミッ!ミッ!フゥー!」
4ママ「ミ゛ミィッ......わかっ......ミフゥ....
いだミィッ...くる゛ミィ......」
ママの励ましが効いたのか否か、4番ママは精一杯お尻を持ち上げ、やがて最後のタマゴが出てきて、コロンと下3つのタマゴの上に転がった。ちょっとしたタワーのようになっている。
4ママ「ハアッ....ミハァーーッ!おわっ....ミィッ...」
4番ママは産卵を終えると、舌を垂らして失神してしまった。
まだ若年の母タブンネとはいえ、かなり消耗する産卵であった。
ママ「4ママちゃん、お疲れミィ。よく、よく頑張ったミィ!」
ママンネは目に涙を溢れさせながら、お隣の妹分を賞賛する。
しかしまだ予断を許さない。ギチギチに挟まっているタマゴは何かの拍子に破損しても何らおかしくない状態だ。
——
4番ママが命懸けの産卵を終えて30分後、若い2人の飼育員が漸く4番産卵スペースに現れた。
飼A「やべえやべえ。もう終わってんじゃん。
やっちまった〜、1個死んでるよ...」
飼B「まだ大丈夫だと思ったんだけどな〜。やっぱ後ろでできなかったか...まぁあの腹じゃ無理だろうなぁ。」
隣の3番の囲いからミィミィチィチィと抗議の怒号が飛ぶが、飼育員達は気にも留めていない様子だ。
気絶する4番ママの頬をペチペチとはたいて起こすと、両脇を抱えてストール前面に座らせる。
あれだけ大きかったお腹もすっかり萎み、普通のタブンネのそれと変わらない状態になっていた。
後部に溜まるタマゴ、上2つは綺麗な状態であったが、ギチギチに挟まっていた下3つは所々ひび割れが入っていた。
飼A「うわ大丈夫かコレ?中の液体漏れ出して来ねえだろうな?」
飼B「3つもダメにしたら流石に怒られるぞ俺ら。何とか補強しよう!」
飼育員達はひびにガムテープを貼って応急処置すると、囲い後方のホルダーに5つのタマゴをはめ置いていき、未熟ベビの死骸はビニール袋に入れた。
なんともぞんざいな命の扱い方だが、タブンネだから仕方がない。
やがて2人ともスタスタと踵を返し、去っていった。
4番ママは中々体力が回復せず、餌にも水にも手をつけることなく、大の字に寝転んでその日1日を過ごした。
———
4ベビ生後14日目
その日の朝から4番ママは目を覚ましていて、1日3回与えられる給餌をブゴブゴ音を立てながら勢いよく平らげていた。
ママンネは別段話しかけたりはしなかったが、ニコニコと笑みを浮かべて嬉しそうだった。
新たな命の為ではなく、4番ママが産卵で死んでしまわなかった事が何より嬉しかった。
4ベビはいつものようにママンネミルクを飲み、ウンチをし、窮屈になり始めていた囲いの中をウロチョロ歩き回って過ごしたが、時々右側の柵にしがみついて5つのタマゴをまじまじと見つめた。
4ベビにとってタマゴは強い興味の対象であった。
その日の中でも、聞こえる鼓動は次第に大きくなった。
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4ベビ生後15日目
その日の昼過ぎ、4番囲い後方のホルダー上5つのタマゴがほぼ一斉ガタガタと音を立てて震え出した。
4ベビはその音に気がつくと、チィチィ鳴きながら柵にしがみつき、目をまん丸くしてその球体を見つめる。
鉄パイプのタマゴホルダーには電熱が通っている。
タブンネのタマゴはそもそも孵化が早いことも相まって、このタブ舎ではこうして丸2日前後で孵化が始まる。
...バリッ!バリバリッ...! ボトッ...ボトッ.....
チギャー!ミギャー!ヂギャー!チンギャー!......
5つのタマゴが順次孵っていき、ホルダーから床に落下していって五月蝿い産声を上げる。
次「チィー!生まれたチィ!」
妹「かわいいチィ!ミんなおメメとじてるチィ!」
弟「ちいさくてカワイイチィッ!ボクたちも生まれたときこんなだったチィ?」
ママ「シーッ。ミんな静かに。うるさくしたらお隣のベビちゃん達、ママを見つけられないミィから、静かにするミィ。」
ママの言葉で4ベビはみな口に手を当て押し黙ったが、視線はお隣ベビンネに釘付けになり、瞳をキラキラと輝かせている。
先日死んでしまった個体はまだ何の生き物かも判らぬような姿であったが、今正常に孵化した5匹ははっきりタブンネの赤子だとわかる容姿であった。
4ベビには弟妹が生まれたような感覚だったのだろう。
4ママ「ミミッ⁉︎もう出てきたミィか!ミフンッ!せっかく静かに過ごしてたのミ...!」
うつ伏せに横たわり、ミヒーミヒー寝息を立てていた4番ママ。
4ベビの感嘆声と実子の産声に気づくと目を覚まし、母として有るまじきセリフを吐きながら起き上がり、ストール後方に凭れるようにしてドスンと腰を下ろした。
生まれたてベビンネ達は大きなチィチィ声で喚きながら這い出し、実母の居るストールを目指してモゾモゾと動き出した。
......チ.........チ.........
しかしながら1匹だけ、落下先のホルダー下からいつまでも動かず、四つん這いに手を突いて、カクカクと頭部を上下するベビンネが居た。
長「チチッ?ママ、ひとりだけ動けないベビちゃんが居るチィ。カラダも少し他のベビちゃん達より小さいみたいだチィ。」
いち早くその存在に気づいた長女が小声でママに話しかける。
ベビンネの口から『ベビちゃん』という単語が出てくるのはこのタブ舎ならではの光景かも知れない。
ママ「ミミっ?少し心配ミィね。おててかあんよお怪我しちゃったミィかな。」
ママの位置からは視認できなかったが、不動ベビンネは身体が17cmくらいの未熟児で、ホルダーから落下した際、割れたタマゴ殻の小さな破片が右大腿部に刺さり、少し腫れ出していた。
先に動き出した4匹の内先頭のベビがストール内までたどり着き、おっぱいに吸い付かんとした時、先日の若い2名の飼育員がやって来て、その身体を摘み上げた。
ヂィッ!ヂィヂィッ!ヂギャギャヂィーッ!....
飼A「やっぱもう出てきてたか。よかった〜、割とみんな元気そうで。あれ⁉︎4匹しか居ねえぞ!」
飼B「あっホルダー下に1匹居るぞ!死産じゃねえだろうな。中の水漏れちまったのかな...」
....チュビッ........ピッ.........
1人の飼育員が小ベビンネを摘み上げると、弱々しいが声を上げた。
——
やがて2人がナンバリング作業を済ませて去って行くと、お隣ベビンネ達はママのおっぱいにたどり着き、コクコクとミルクを飲み始める。
4番ママが座り姿勢の為、2匹が股上2つの乳首に吸い付き、その上に乗っかる形でもう2匹が上の乳首を吸っている。
弟「かわいいチィ~。ミんなおいしそうだチィ!」
次「おめめ開いてないのにスゴいチィ!なんでおっぱいの場所わかるミチィかな。」
......チィ.......チィッ!........チッ.........チビッ.........
4番ママの乳首は半分しか使われてないのだが、実母の不親切な授乳姿勢の為、小ベビンネは乳飲みベビ達の周りをモゾモゾ這いずるだけで、いつまでもミルクに有り付けなかった。
ママ「ミィ.....」
ママンネは心配そうな表情を浮かべる。
未だハッキリと小ベビンネの姿が見えた訳ではないのだが、鳴き方からお腹が空いていることはよくわかった。
このタブ舎では母親の愛情不足の為、餓死するベビンネがたまに現れるのだ。
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4ベビ生後16日目
ママンネの不安が的中、というよりもっと惨い形で、お隣の囲いに悲劇が訪れた。
.....チッ.....ヂ........チ..........ッ.....ッ......
孵化から一日足らず、4番授乳スペースの小ベビンネは目に見えて衰弱が進み、母体の居るストールの外で踞り、微かな鳴き声を上げて弱々しく震えていた。
ミルク獲得競争に負けてストール外に弾き出された形であった。
長「ミんな、小ベビンネちゃんにもおっぱいわけてあげチィ!」
弟「小ベビンネちゃんくるしんでるチィ!
おばさん、たすけたげてチィッ!」
4ベビは囲いにしがみついてチィチィお隣へ向けて野次を飛ばすが、4番ママは見向きもしないし、生まれたてベビ達にそんな分別はつかないようである。
乳飲みベビ達は最初の授乳終わりからお腹がポッコリと膨らみ、ベビながらもタブンネらしい体型になっていた。
一方小ベビンネはゲッソリとした腹をし、這いずるにも手足に力が入らず動けないといった様子であった。
自然淘汰なので仕方がないと言えばそれまでなのだが、まるで貧富の差を描く風刺画のような構図になっていた。
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その日の昼下がり、3番、4番両授乳スペースではそれぞれベビンネ達が母タブンネの乳首に吸い付き、何とも平和な光景が見られた。
1匹蚊帳の外に居る小さな個体を除いては。
4ベビは昨日からずっと隣の囲いに釘づけ、弱々しい小ベビンネをずっと心配していたが、自分達の飲乳時は幸せ満面の表情であった。
タブンネらしい、優しい個体であったとはいえ彼らもまだ乳飲児、食欲私欲があくまで最優先事項であった。
4ママ「ミ゛ッ...ミ゛ィーーーッ!
ミガァーーッ!ミガァーーーーッ!」
ガシャン!ガシャン!ゴッ!グキッ!
「ヂッ」「..ッ...」「...ゥァ......」「ヂィ~..」
ストール後面に凭れ座り、4匹の健常ベビ達におっぱいを飲ませていた4ママが突如叫び出し、乳首に張りつく我が子を次々と引っ剥がしては猛烈な勢いで前方に投げ出した。
投げられベビンネ達は囲いやストールの鉄柵にぶつかり、1匹は頚椎が折れて死亡、1匹は右腕が捻じ曲がり、残り2匹は目立った外傷は無いものの脳が揺れてしまったようで、仰向けに横たわって両手で微かに宙を掻いている。
ママ「ミィィッ⁉︎どうしたミィ⁉︎4ママちゃん‼︎?」
投げられベビ達は横たわって授乳をしていたママンネの丁度視線の先に現れた。
4ベビは突如鳴り響いた衝撃音に振り返るがその光景に理解が追いつかず、飲み途中だったミルクを垂らしながらあんぐりと小さな口を開けている。
あまりに唐突な出来事にママンネも理解が追いつかない。
今回生まれた小ベビンネのように、数が多い時の半育児放棄は以前にもあったのだが、4ママは決して自分の子供に手を掛けたり、まして殺めたりすることはこれまで一度も無く、それはママンネも知っていた。
4ママ「イ゛イ゛イ゛ィッッッガハッ。
ミガァぁア゛ア゛ッ⁉︎ミハァア゛ア゛アッ...」
4ママは苦しそうに雄叫びをあげ続け、手をついて四つん這いになる。
ビリッ!バリバリブチャーッ!
手をつくや否や、4ママの股が音を立てて引き裂け、夥しい血液が噴出される。
長「ママッ!おばさんのおマタから赤いウンチみたいのが出てきてぶら下がってるチィ!おばさん病気になっちゃったんだチィッ!」
ママ「ミィッ⁉︎おマタから赤いウンチ⁉︎そんな...
どうして...!?」
ママンネの位置からは見えない4ママの下半身事情を、長女ンネが実況して伝えた。ナイスアシストである。
4ママは脱子宮を起こしていた。長女の言葉からママンネはそれを理解したが、混乱が深まるばかりであった。
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このタブ舎で生まれ、長くここで生きてきた経験から、ママンネは子宮や腸、生き物の体内に存する臓器という物を理解している。
母体の股から出てくる場合があるのは子宮。
しかし脱子宮を起こすのは通常産卵時。
4ママは2日前にそれを終えている。
ママンネは思考を巡らせても理解し得なかったが、どうゆうわけかこのタイミングでそれが起きてしまった。
次「ママ!ひとり音が聞こえないチィ!ベビちゃんが死んじゃったチィッ!」
弟「他のベビちゃんたちもくるしそうだチィッ!
ママ、おばさんはどうしちゃったチィ?」
4ベビの注意は次第瀕死ベビ達に向いていき、ママに向けて必死になって問いかけるが、ママンネはそれには応えない。
ママは授乳時のまま、倒れかかった涅槃像のような姿勢で膠着しながら、両眼からボロボロと落涙する。
4ベビと違い、ママンネの心配は脱子宮を起こした妹分に100%向いていた。
脱子宮を起こした母タブの末路はママンネはよくわかっていた。
チュイ......⁉︎......チッ...!
オロオロと鳴き叫ぶ4ベビ、ピクピクと悶える投げ出されベビ達の喧騒の合間を縫って、弱々しく、モゾモゾと膠着を破ったのは1匹だけ蚊帳の外に居た小ベビンネであった。
優れた触覚から、母の胸に常にまとわりついていた兄弟が居なくなり、おっぱいが空いていることを察したようだ。
母の容態を考えれば何とも言えないタイミングであるが、生まれてからほぼ何も口にしていない小ベビンネにとっても真剣な行動であった。
全身をピクピクと震わせながら必死に這いずり、ストールの鉄柵を潜り、おっぱいを求めて4ママの身体下に潜り込んだところで、小さな背中が飛び出した子宮にブリュリと触れた。
4ママ「イ゛っダァーー!痛イ!イダミィィィッい゛い゛い゛っ!!な゛に゛ずるミィィッ!」
グチィッ!グチィッ!
小ベビ「グゥギィぃヤーー!!!
...ァ゛ァ゛ーッ....グァッ.....ァ゛ーー......」
4ママは白眼を剥き、激痛と体内異常から錯乱状態になっていた。
子宮に触れた我が子を外敵と判断してしまったのだろうか、小ベビンネの首元を掻き掴むと、その小さな右腕、顔の右上部分に噛み付くと、大きな音を立てて食いちぎっていった。
小ベビンネは精一杯の悲鳴をあげたがすぐに虫の息になり、腕からは大量の血、頭からは脳漿がグジュグジュと滴り、瞼に隠れていた片眼球がギョロリと剥き出しになっている。
実母に掴まれた首から下の胴体を前後にビクビクと動かし、まだフワフワとした尾はぶっ壊れたメトロノームのようにバタバタと左右に振り乱している。
長「ヂミィーーッ‼︎小ベビンネちゃんがっ!
おばさん!ヤメで!ヤメチィーーッ!」
妹「ヂィーーッ!チゴプルルル...ッ.....」
あまりのショッキングな映像に妹ンネはあぶくを浮かべバタリと倒れ失神してしまった。よく泡吹いて倒れる個体である。
残り3ベビは意識こそ保っているが、みなチョロチョロと糞尿を垂れ流してプルプル震えている。小ベビンネの状態は不慣れな人間が見ても嘔吐確実なほどグロテスクで、無理もないことであったかもしれない。
数秒後には小ベビンネは事切れて4番ママの腕から放り出され、4番ママはうつ伏せに倒れてビクビクと悶絶していた。
-
飼「うわっ!うわうわうわ!何だよコレ!4番?何で⁉︎やばいやばい......」
子殺しの惨劇から約20分後、雑居房を巡回しに来た1人の飼育員が4番授乳スペースの惨状に気がつき、慌てて事務所へと駆け出して行った。
長「何でもっと早く来なかったミチィーッ!」
弟「ベビちゃんたちをたすけろチィ!」
次「おまえらのせいだチガァーッ!」
妹「...チ?....チィーッ!ばかー!」
長女次女弟は人間の存在に気がつくや、強い口調で抗議の鳴き声を上げた。この時まで気絶していた妹ンネもその声で目を覚まし、がんばって兄姉につづく。
お隣のベビちゃんたちを痛めつけたのはお隣のママンネなので人間に抗議するのは少しお門違いなのだが、まあ遠因を作ったのは確実に人間なのだから彼らの言い分も間違いではない。
ママンネの教育が良い為か、みんな段々と人間に対して強気になってきていたようだ
そのママンネはいつの間にかストール内でへたり込み、胸の前で手を合わせてミィミィ震えていた。
——
程なくして現場まで戻ってきた飼育員達と1匹のローブシン。
飼育員は5人もやって来て、さっきまでの勢いはどこへやら、4ベビは怖くてチィチィ鳴き震えてストールに擦り寄った。
多勢で来られると流石に強気には出られないようだ。
飼A「脱子宮?脱腸?でも何で?産んだの2日前だろ?そっちの生きてっかな?生きてたら治療して。たぶん“げんきのかけら”じゃなきゃダメだと思う」
飼B「えーっと1匹アウト。3匹はセーフっすね。内1匹腕折れてますけど」
この中でリーダー格らしい1人が指示すると、若手らしい3人がそれぞれ投げ出されベビ達の息を確認し、げんきのかけらを適当にぶっ掛けていく。
...チィ... ...チ....チッ... ...アッ...ハッ...ヒッ..ィ...
親切な人間の治療の甲斐あって、ベビ達は息を吹き返した。骨折ベビは尚も苦しそうで、呼吸音がおかしく熱を出していたが。
リーダー格の人物がうつ伏せに横たわる4ママの脇腹に靴を引っ掛け蹴り上げ、ゴロンと仰向けに向き直させた。
4ママ「ア゛ッ...ミ゛ア゛ア゛ッ....ァ゛ァ゛ッ....」
4ママの下敷きになっていた小ベビンネの亡骸が現れ、無事だった片腕と両脚、胴体は押し潰れて、肛門と口から得体の知れぬ臓物がニュルリとはみ出していた。
4ママの腹には脳漿や血、サファイアブルーの片方がベットリこびりついている。
飼A「うわキモっ!1匹噛み殺したのか?爺さんどうだ?まあ処分確実だけど...」
飼C「うーんちょっと見てみるか。ローブシン、一応頭押さえといて。」
爺さんと呼ばれたやや老齢な飼育員。医師ではないのだが、経験深く多少のポケ医学(タブ医学)の知識がある人物であった。ちなみに弟ンネの去勢を行った男である。
その彼がポケットからカッターナイフを取り出すと、体外に飛び出した子宮を切り裂いていった。
4ママ「ミ゛ァ゛ガーッ!ギミギブィがガバァーッ
ゴバグボルルルッ......」
4ママは断末魔に等しいような奇声を発し、顔から足先までをグネグネと動かしながら渾身の力でのたうち暴れる。屈強なローブシンが押さえつけているので幸いお爺さんに被害は無い。
ママ「ミミィ〜ッ。。4ママちゃん......ッ..」
ハッキリとその全貌を見たわけでは無いが、ママンネは今一度滝のように落涙し静かな悲鳴をあげた。産声から聞いている妹分の悲惨な断末魔はとても聞くに耐えなかった。
4ベビもそれに同調するように、ボロボロ落涙しながらチィチィとママに擦り寄る。暖かな母体に顔をうずめられる訳ではなく、顔や胴体に触れる感触は冷たく残酷な鉄棒だが。
飼C「お、出てきたぞ。この子6つ産んだんだっけ?原因はコイツじゃな。」
「...パッ......プアッ.......」
子宮の中から、お爺さんが先の超未熟児ベビンネに等しい大きさの赤児を摘み上げた。
身体は卵殻に成りきらぬ皮膜に包まれ、両眼と両脚が無い奇形であったが、耳の形から辛うじてベビンネだとわかる生命体で、懸命に口をパクパクと動かし呼吸を試みていた。
4ママの産卵は6つであったが、受精卵自体は7つあった。
人工的に弄られる故のホルモン異常の為か、受精はしたものの卵殻の形成不備を引き起こし、それでも尚ゆっくり成長してこのタイミングで産卵(分娩)を迎えたが、球体を成していなかったことから子宮に引っ掛かり、今回の不幸を招いたようだ。
-
ベチャッ! 「ピ」
お爺さん飼育員は当たり前のように地面に奇形ベビを叩きつけ、その小さな命を終わらせた。
何ともぞんざいな扱い方だが、タブンネだから仕方がない。
飼B「この生き残り達“里子”っすよね?どこ出します?」
飼D「隣いるけど時期ズレてるしなー。おっぱい途絶えそう。てか何でみんな怖がってんだ?」
「ヂィッ!ヂィッ!」「ヂィギャギャーッ!」
「...ピッ...ピスン...」
2人の若手飼育員が回復ベビ3匹の首根っこを引き掴むと、無傷の2匹はパタパタと暴れながら抵抗を見せたが、骨折ベビはされるがまま人間の手にぶら下がり、弱々しく泣きだす。
飼A「3番はあり得んだろ。逆端の区画に昨日産んだの居たはずだから連れてってくれ。『32』だったかな?善良個体だから大丈夫だろきっと」
リーダー格飼育員が支持を出すと若手2人は片手を上げ了解の合図をし、ゾロゾロとタブ舎奥へ歩いていった。
それに気づいた長女ンネが囲い前面に歩み寄り、チィチィ声を上げながらピョンピョン跳ね出した。やがて下3ベビもそれに続く。
彼らにとって弟妹のつもりだったベビちゃん達を取り戻したかったのだろう。今後彼らが交わることはもう無い。
飼C「さて、母親の処分じゃな。どうする?午後便で出荷するか?」
飼A「いやあ“ミキサー”でいいだろ。移動中死にそうだし。次世代は実子まだ残ってるはずだからお前探しといて。」
飼E「了解。上の子7,8居ましたよね?“見せしめ”やります?」
飼A「いや、いいよ。4番は大体子供懐いてねえし、数多いと手間だし。よし、ブシン!持ってくぞ!」
リーダー格はそう言うとストールと囲いの檻を解放し、ローブシンと共に4ママの両脇を掴み抱え、ズルズルと運び出した。
子宮を裂かれて以後文字通り瀕死状態であった4ママであったがママンネの横に差し掛かった所でグルリと首を向き、大声で鳴き出した。
4ママ「3ママお姉ぢゃーーーん゛!ごわいミ゛ィィッ!じにだぐないミィーーッ!だすけてっ!助けてミィーーッッ!おでえぢゃーーーン!」
いつの間にか両眼にはサファイアブルーが蘇っていて、そこから大粒の涙が溢れている。
いつしか乱暴なタブンネさんへと変わり果ててしまった4番ママ。自身の最期を悟り化けの皮が剥がれたのだろうか。嘗ての面影と声色を取り戻し、姉貴分に向け必死に助けを求めた。
さっきから不細工なぬいぐるみのような佇まいであったママンネはその声にハッと立ち上がり、歯を精一杯剥き出して鬼の形相を浮かべると、狭いストールの中で限界まで助走をとって、それを壊さんとばかりに突進しだした。
半年以上ぶりに彼女の口から聞かれた『お姉ちゃん』という単語はママンネの生気、正義感、勇気、そして人間への怒りを焚きつけるのに絶大な効力を有した。
ママ「4ママちゃんを放せミギィーーーーーーッ!タブンネ達がっ!4ママちゃんがオマエらのために、どれほど苦労したと思ってるミ゛ィィィィッ!4ママちゃんを治せミィッ!オマエらがっ!オマエらが責任持って看病しろミ゛ィッ!4ママちゃんをがえせっ!!ミィの4ママちゃんを返せミィイイい゛い゛い゛っ!!」
言ってることは支離滅裂だったが、ママンネの怒りのベクトルは凄まじく、ガシャン!ガシャン!と大きな音を立てながら、何度もストール鉄檻にぶつかっていく。
普段の優しい姿からは信じられないママの形相と行動に一瞬怯んだ4ベビであったが、触覚からママの感情を読み取り、それに同調するようにチィチィと喚き出し、囲いの前面にしがみつき4匹で可愛く抗議の威嚇を見せる。
飼A「うわっ。何だ何だ?3と4って血縁じゃねえよな。んな訳ねえよな。お隣同士仲良しだったか?そんな風に見えなかったけど」
3番母子の必死の抗議も実らず、1人と2匹はズルズルと歩みを進めて行く。
飼育員はすぐに顔を向き直ったが、タブンネの言葉をおおよそ理解できるローブシンは何度も其方に振り返り、戯け顔やあっかんべーして親子を挑発した。
タブンネのこういった叶うはずのない懸命な抵抗や命乞いといったモノが、ローブシンは大好物である。
ちょっと意地悪だが、彼もずーっと人間を手伝い、汚いタブンネ達の相手をし続けているのだ。これくらいの娯楽は許されて然るべきだろう。
ママ「グミィ〜〜ッ!グミミィ〜ッ‼︎」
ローブシンの挑発はママンネには効果抜群であった。
彼らの姿はやがて3番スペースからは見えなくなり、4ベビは力無くぺたりと囲いに座り込んだが、ママンネの触覚はいつまでも妹分の体音を捉えて放さなかった。
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投稿乙ンネ
命がゴミのように扱われるタブンネさんが最高
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目も開かぬ日齢のベビンネちゃん達が人間の手の中でされるがままになりながら
チィチィ抵抗する姿がかわいすぎていいぞもっとやれ
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4ママ「イヤアーーっ!ミ゛ィャァ゛ーーあ゛っ」
4ママはされるがままに屋外スペースまで連れ出されて、中央部まで引き摺り歩かされると不気味な佇まいをした階段を登らされてゆく。
階段の先は回転刃が二重螺旋構造になった巨大なプロセッサーのような機械の投入部に続いている。
これは『業務用タブンネクラッシャー』というれっきとしたタブンネ殺害用(粉砕用)の製品である。
脱子宮を起こしそれを引き裂かれるという重大な内外傷にも関わらず、4ママの意識と瞳はハッキリと澄んでいた。
体調不良よりも“数秒後に確実に殺される”という恐怖のほうが勝ったようだ。
飼「よしっ、ローブシンそのまま押さえてろよ!スイッチ起動!」
ギュイいーーーーーーーーーーーーーン!!
・・ミ゛ィーーッ!ミヤァー!ミンミン!・・・
タブクラッシャーのスイッチが入れられると、けたたましい音を立てながら螺旋刃が動き出し、辺りの母タブンネ達や、中央部に居る雑居チビンネ達が一斉に騒ぎだす。
15番〜25番くらいの母タブ達の種付けスペースからは良く見える位置にクラッシャーが設置されており、幸運にも彼女達は生涯に何度も同胞の“処刑”を見ることができる。
お気に召さないのか大体の個体は目を背けるが。
——
長「ミチッ⁉︎ママ、とっても大きな音ミィ!コレ何の音ミ?」
弟「おばさんの声もきこえてくるチィ!」
妹「おばさんビョーキになったからたべられちゃうチィ?ママ⁉︎」
ママ「ミゥー..ミスン、ミスン...。」
姿は見えなくとも、ミキサー音と4ママの叫びは3番授乳スペースまでも十二分に届いている。というか周りの工場群が静かであればタチワキコンビナート全域に響き渡る程の騒音である。
4ベビは恐怖と興味が入り混じった様相で思い思いママを問いただすが、ママンネはそれどころではない。悲しみと絶望感で胸が一杯であった。
妹ンネの問いに敢えて答えるならば4ママをいつか食べちゃうのは人間ではなく自分達かもしれない。
——
4ママ「おでがいじま゛ずビィッ!お願い゛でずビィ!どうがっ!どうか殺ざないでミィぃぃ?ミガァーーッ!」
彼女を組み敷くローブシンが彼女の命乞いを聞く由ある訳もなく、代わりに耳のタグを引きちぎることで返答し、それを人間に手渡した。
飼「忘れてたわサンキュー、ブシン。もう落としていいぞ!好きなようにな!」
ローブシンは口元一杯にニヤリと笑みを浮かべると、4ママの両脇に手を掛けその身体を持ち上げ、足先からクラッシャーへとゆっくりと降ろした。
ブジューッ!ブチグチブチュッ....
4ママ「グミギヤァーーベベガガベギッ...!
グァミミミ゛ィィッ!ゴァブルルルル...」
4ママの足先とはみ出た子宮が螺旋刃に巻き込まれていき、残酷な遅さでゆっくりとその身体が刻まれていく。
タブンネ殺害、フーズ加工を目的とした製品であるため、最大限ミィアドレナリンが排出されるような親切設計、最初のダメージから死亡するまで平均で2分かかるような代物である。
グチュルル!グギッ!ブニュ〜......
一層目の刃がじわじわ4ママの胴体下から3分の2くらいまで到達する。一層目では即致命傷を与えられずかなり粗い刃で斬られるため、所々骨がそのままの形で残り、大腸小腸が無傷で回転に絡まり、巨大なミミズのように螺旋中央に巻きついている。
4ママ「ブァーばばばぷ......お、お゛でえぢゃ...!づめだぐじでゴメ...ミィ。べべべベビだぢ....ヂビだぢ.....バマばあいじで....ボんドば....ァァァッ..ミガガガガガ....」
4ママが訳のわからぬ遺言を残しかけた所で下半身がニ層目に達し、一層目にタブレバーやタブハツ、タブトロが巻き込まれ始めて呂律が失われていった。
-
4ママ「ァ゛ーーー。ァ゛ーーーーッ…マ....ママ......ミ....ッ.....」
首から下が無残な姿に成り果てた所で今生最後の言葉を紡ぎかけ、1匹のタブンネの尊い命の灯が完全に消え去った。
享年1年7ヶ月
産卵5周、生産タブ肉27匹分。
十分かは微妙だがまあまあ役目を果たした母タブンネと言えるだろう。
この先同胞達の“エサ”としての最後の役割が待っている。
——
彼女をここまで連れてきた飼育員は顔を顰め片手合掌のような素振りを見せるが、ローブシンは苦しそうに笑いを殺し腹を抑えている。
1人と1匹は機械下部の受け皿を開けるとタブ骨粉と化した4ママの身体を溢さぬよう慎重に抱え、ソロソロと事務所方向へ運んでいく。
出来たてでホカホカのタブ骨粉は一日強専用の部屋で陰干しされると収穫したオボンオレンと共に別場所の自社加工場へと運ばれ、程なくして飼料となり、またこのタブ舎へと舞い戻ってタブンネ達の糧となる。
“タブンネ捨てるとこ無し”がこの会社のモットーである。
——
弟「おっきなオトとまったチィ...」
次「おばさんは死んじゃったチ?」
長「きっとそうだミチィ。どうしてタブンネさんがこんな目に...こんなのおかしいミィ!」
4ベビはヒソヒソと井戸端会議で盛り上がったが、ママンネはプルプルと震えながら唇を噛み締め、血混じりの涎が締まりのない口角からタラタラと垂れ流れている。
散々望まぬ妊娠とそれに伴う育児を繰り返させられ、まさに命を削って毎日を生きてきたタブンネさんへの最期の仕打ちがコレでは到底受け入れられない。
先程の連続突進で鉄柵に擦れまくり、ママンネの横腹にはミミズ腫れが出来上がり、元々の劣化と相まってかなり痛々しい容姿に成り果てていた。
——
4ママの死亡は時刻にして午後1時半頃の出来事であったが、ママンネはストール内に座り込み、給餌にも手をつけず、4ベビを呼んで授乳をすることもなく、暗い目をして廃タブの如くその日1日を過ごした。
妹ンネは多少グズったが、4ベビはママの心情を慮ったのか空腹を我慢し乳をせがむことも無く、4匹で固まって静かに過ごした。
ママンネが授乳放棄したのは彼女の生涯でこの日が初めてのことであった。
子供達との別れにはある程度耐性がついているが、長い時を共に過ごし、同じ立場で生かされてきた妹分の死は彼女の心に想像以上にダメージを残したようだ。
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4ベビ生後17日目
連日の悲劇から立ち直る間も無く、親子お別れへのカウントダウンは着実に進んでいる。
お隣のママさんが殺されて以降、何も口にしていなかった4ベビ。
ママンネは相変わらずブッ壊れたテディベア人形のようにストール内に座り込み、朝の給餌にも一切手をつけなかった。
絶望で満たされたママンネの感情は触覚を通して4ベビにもしかと伝わっており、それに呼応するように彼らもまた生気を失い、囲いの一箇所でおしくらまんじゅう、静かに過ごしていた。
しかし膠着を破ったのは最も幼さが残っている妹ンネ。朝の給餌から30分後、空腹に耐えかねて立ち上がった。
妹「ママ.....チスンチスン...。おなかすいたチィ。おっぱいちょーだい。ママ。おねがいおねがいチ。」
ストール越しに柵の隙間から短い腕を伸ばし、ママの肩をチョコチョコと掻いて可弱く呼びかけた。
ママ「......ミ?........ミィ......」
ママンネは一度立ち上がり、狭いストール内にうつ伏せに横になると、身体四半分を持ち上げて柵に腕をかけ、授乳姿勢を取る。完全に惰性のみで動いているような一連の動作であった。
ママの動きを見て上3ベビもストールに擦り寄り、仲良く乳首に吸い付いた。
妹ンネは本能的にチィチィ声を漏らしたが、他の4匹は無言、チュパチュパという音だけが響き渡る、何とも不思議な空間であった。
ものの1分も経たぬうち4ベビは口を離すと翻り、また囲いで身を寄せ合って静かに寝過ごした。誰も敢えて声に出したりはしなかったが、ミルクの出があまり良くなく、芳しくもなかったようだ。
ママ「.........ミッ.........ミッ......」
ママンネは柵から手を離し、ノソノソと動いてまたうつ伏せに寝そべり、子供達から見えぬ様に両腕に顔をうずめると、しくしくと泣き出した。
半ば自分の方から放棄していたとはいえ、満足に授乳も出来ない自分の無力さが本当に惨めでならなかった。
ママ(ごめんミィ...可愛いベビちゃん達....
...4ママちゃん....ミィもきっとあと少しで、おんなじトコロに行くミィから...待っててミィ...。)
——
昨日の強い精神的ショック、また2食抜いたことや睡眠不足も影響しているが、母体としてのママンネの身体はとうにピークを過ぎ去っている。本人もそれは感じていた。
今回の産卵に至っても、ママンネの乳腺が張っていたのはせいぜい4ベビ孵化から1〜2日くらい。
今ママンネが野生に帰って駆除や捕獲されたとしても、誰も子引きとは思わないだろう。
昨日からだけで考えても、ママンネの老け込みは一気に加速していた。
タブンネ種の寿命を考えればママンネはまだ血気盛んな齢と言えるのだが、ハイペースで何匹も孕み、産み落とし、育てを繰り返している為、身体にしても、おっぱいにしても、命分というものには限界があった。
——
ママンネは二の腕で目を擦って涙を拭うと、スクッと起き上がってストール前部まで歩き、モシャモシャと飼料を平らげ、不味い水をゴクゴクと飲み干した。
彼女の目には力が蘇っていた。
妊娠や産卵自体は決して望んでいるわけではない。
こんなゴミ溜めのような屋舎に生涯閉じ込められ、無理やり別れさせられる、可哀想な命。できれば生まれてこないで欲しい。
それでも傍らで過ごす4匹の我が子。彼等を無碍にする事なんてできない。
自分の命にはまだ意味がある。
無慈悲なジレンマを抱え続けながらも、懸命に使命を、生き甲斐を模索し、それを全うする強い母の姿がそこにはあった。
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時刻にして正午を少し過ぎた頃、係の飼育員の1人が3番の囲いの前にやって来て、ママンネの餌箱に飼料を入れ、水箱にタブンネ用の汚い水を注いでいく。
これまではそれで終わりだったのだが、飼育員は竹製の餌入れと金盥を取り出しそれにも飼料と水を入れると、柵の下から囲いの中へそれを差し出した。
飼「よーしよし。4匹とも問題なく育ってるみたいだね。みんな今日から、おっぱいだけじゃなくて水を飲んでエサも食べるんだよ。もうすぐママと別れて、お外で暮らすんだよ。」
飼育員は囲いの中の4ベビに一声かけ、スタスタと奥へと足を進めていった。
「...チィ...?...」「チィ.....」・・・・
一度乳首を吸って以降、また黙って寝ていた4ベビは人間の声に振り向き、見慣れぬ2つの容器をちらっと見やったが、また興味無さそうに顔を伏せ、4匹仲良く身を寄せ寝そべった。
ママ(もうそんな時期だったミィか....)
ママンネは差し出された容器を一瞬見ると、ストールの最後部まで身体を移し腰を下ろして、精一杯首を横に向けて4ベビの姿を見つめた。
4ベビはこの時皆おそらく50cmを越えるほどの大きさだった。
ママンネの経験則から見ても十分な発育と言えるサイズである。
このタブ舎ではこうして、離乳の5日前からベビンネに飼料を与え始め、母乳とのハイブリッド給餌を始める。要は乳離れ訓練である。
ママンネは嬉しさに淋しさ、そして我が子の運命を想って悲しさの入り混じった表情を浮かべ数秒押し黙ったが、懸命に笑顔を作り、ベビ達に話しかけた。
ママ「みんな起きてミィ。元気をお出しミィ!
みんなのゴハンあるミィよ。食べてミて!」
4ベビはママの声に振り向き起き上がるとヨロヨロ歩き出し、餌箱の前で顔を見合わせ、手に取って食べ始め、水にも舌をつけた。
長「前におねえさんがくれたゴハンミィ。これママのと同じミィよね?」
次「このお水なんだか酸っぱいミチィ?」
弟「チィ...やっぱりこのゴハン嫌いチィ。くちゃいチィ」
妹「ペッペッ。チィもコレきらいチ。おけけみたいのがベロについたチィ。ママ?このゴハンなんでできてるチィ?」
——
ママンネミルクが不十分だった為お腹の空いていた4ベビは皆餌にがっついたが、弟妹はすぐに音を上げ、食べるのをやめてしまう。
飼料は汚いオボンオレン混じりのタブ骨粉である。
そして今出された水は雑居房に流れているもので、上水道ではない。ここをタブ舎として買い取った時からついていた蛇口から流れ出ている得体の知れない汚水である。
元々何の用途なのか、どこから引いているのかもわかっていない様な代物で、酷く濁り、かなり臭い。
水道代がかからないので雑居房では常に流されている。
チビンネ達が飲んでも殆どの個体は下痢も嘔吐も起こさないことから猛毒ではないであろうが、人間が数秒手をつければ皮膚炎を起こすほどには有害で、身体に良い水ではないことは明らかである。
このタブ舎では15匹に1匹くらいの割合で奇形ベビンネが生まれてくるのだが、その最たる要因はおそらくこの水である。
しかし重大な損害も起こらず、タブンネ達もみな慣れればガブガブ飲み出すので、いつまでもこの汚水がダブンネ達に与えられ続けている。
タブンネとはその程度の生き物なのだ。
-
妹「ママ、チィおっぱいのみたいチィ。おねがい、おっぱいちょーだい。」
弟「ボクもボクも!おっぱいのがおいしいチィ!」
ママ「わかったミィ、こっち来てミィ!でも約束ミィ、これから毎日、ほんの少しでもいいから、ゴハンも食べてお水も飲むこと。タブ切りげんまんミィ。もう少しでママ、みんなにおっぱいあげられなくなるミィのよ。でも一緒に居るうちは、好きなだけおっぱい飲んでいいミィからね!」
少量だけ飼料を口にし、ひと口だけ水に舌をつけた妹ンネがダダをコネだし、弟ンネもそれに便乗する。
ママンネはそれに優しく応えると、今一度授乳体勢を取った。
2匹が嬉しそうにチィチィ声を上げながら乳首に吸い付くと、チュパチュパとミルク飲みの音が響いた。
先程の食事が功を成してか、今回はしっかりミルクが出たようである。
やがてそれに気づいた長女次女もママに擦り寄り、4匹で仲良く乳首を分け合った。
発育が良いとはいえ、あくまで彼等はまだベビンネである。
——
長「ねえママ、もうすぐお別れするミィ?ママはどこに行くミィの?おばさんミたいに殺されちゃうミィ⁉︎」
次「ミィ達おソトで暮らすミチィ?」
弟「おソトに出たらああやって他のタブンネさん達とケンカするミィチィ?」
妹「チィおソトいきたくない!ずーっとママといっしょチィ!」
乳飲みを終えると、一斉にミィチィとママンネへの質問攻めが始まった
ママ「ミフフ、みんな落ち着いて。ママはね、ここの箱とは違う、別の箱にお引っ越ししなきゃいけないミィの..こうやってみんなをナデナデしたり、おっぱいはあげられなくなるミィけどね、ちゃあんとみんなの声を聞いて、いつも見守ってるミィからね。」
ママンネの講釈が始まる
「それからね、お兄ちゃん、お姉ちゃん達も、お外に出ても、決して他のタブンネさん達を叩いたり、悪く言ってはいけないミィ。これだけは覚えておいて。ああやって乱暴なタブンネさん達もね、ミィんなホントは心の優しいタブンネさんなんだミィ。こんな汚い場所に閉じ込められて、優しい心を忘れているだけなのミィ。悪いのはニンゲンや、ニンゲンに従うポケモン達だミィ!」
雑居房ではしばしばどこかで取っ組み合いのケンカが起こりだす。
ママンネの講釈は続く。語気が少し強くなった。
「みんな“とらっく”の話は前にもしたミィ?いつも連れ去られるタブンネさん達は見てるミィね?ニンゲンと一緒にタブンネ達を連れ去るポケモンは、オレンジの方はズルズキンっていって、青い方はダケキってポケモンだミィ。ズルズキンには特に気をつけるミィ。アイツはタブンネ達をイジめるのが大好きな奴ミィ。絶対近づかないようにするミィ」
・・・
ママンネは次々、タブンネ以外のポケモン達の名を挙げながら解説をしていく。
ここの従業ポケ達は誰かの飼いという訳ではなく、会社の共有ポケモンであり、それぞれに役割がある。
かなりざっくりとだが、ローブシンは主に凶悪ンネからの人間護衛要員で、クワガノンは暴れンネを麻痺らせる要員。
ダケキ、ズルズキンは出荷ンネ捕獲用、他に清掃要員のシャワーズ、フタチマル、マリルリが居る。
ここで詳述はしないが、ローブシン以外はタブンネ搬送先、屠殺時にも仕事がある。
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ローブシン、クワガノンの説明を終えたところで、未登場の水ポケモン達の解説が始まる。
4ベビは黙ってママの話をしっかり聞いているが、瞳が潤み出している。聞けば聞くほど暗くなる話であった。
「みんなたぶんまだ見たことないミィけど、お外で暮らすようになったら水の技を使うポケモンと会うことになるミィ。特に気をつけないといけないのは、マママリルリってやつででっ...ミィ...ミィーンミンミン!ブミィオオオオオオお゛お゛お゛んん゛!......」
長「ママ!大丈夫ミィ?」
次「ママ!」
弟「チ、チ、チビィ〜ン!」
妹「チビャーン!チスンチスン....」
話している最中でママンネが大声で泣き出してしまい、弟妹も連られて号泣してしまう。割と平静としていた長女次女ですら目からボロボロと落涙している。
何ともカオスで、滑稽を通り越して惨め極まりない光景であった。
——
ママンネはいつも、こうして飼料が与えられ始めたタイミングでこのタブ舎の処世術を我がベビ達に伝えている。
もう何週も産んで育てて出荷されを繰り返している為、落語家が持ちネタを噺すように今回同様の講釈を行なってきた。
しかしママンネにとっていつも辛くなるのが他のポケモンについて説明を行うくだりであった。
ママンネは『人間』『ポケモン』という生き物の大別はついている。朧げながら4ベビもそれは同様である。
同じポケモンなのに、どうして他の種族は人間に可愛がられ、どうしていつも自分達タブンネだけがこんな辛い目に遭わされ続け、何の自由も権利もなく、されるがままに殺されなければならないのか。
人間はともかく、タブンネの味方をしてくれるポケモンが1匹も居ないことも悲痛な事実
。
皆タブンネに全く興味がないか、苦しんでいる様を見て喜んでるかのいずれかだ。触覚を使わずとも表情や仕草から否応なしに伝わってくる。
それを我が子に伝え教えなければならないという屈辱。ママンネにとって到底受け入れられないこの世界の現実であった。
——
小一時間親子固まって悲痛なタブ泣きを続けたあと、冷静さを取り戻してママンネが最後の言葉を紡ぐ。
「みんなごめんミィ。ママがしっかりしなきゃいけないミィよね。沢山お話ししたけど、これだけは忘れミィで。みんなに、他のタブンネさん達全員に、優しくしてあげること、みんな仲良くすることが、ミィ達タブンネさんの、大切な誇りなんだミィ。ベビちゃん達がタブンネの誇りを忘れなければ、いつかきっと神様が、ミィ達を助けてくれるかも知れないミィ。最後まで、決して希望を捨ててはいけないミィ。タブンネさんは誇り高い生き物ミィ!みんなタブンネの誇りを忘れミィで!きっと約束ミィよ!」
ママンネは半ば自分に言い聞かせるように、食肉らしからぬ演説を結んだ。
4ベビは目に涙を浮かべながらも、真剣な表情でそれを聞き、コクコクと頷いて返事をした。
実に素晴らしい生き物達である。
-
4ベビ生後18日目
特に変わったことは無いが、昨日昼1回だったベビ用の飼料は午前と午後1回ずつ、計2回に増やされた
ママンネの命令によりみんな飼料にも水にも手をつけたが、妹ンネはそれぞれ舌につける程度のみ、弟ンネも飼料も水もひと口ずつ食べ飲みするだけに留まり、飼料は殆ど長女と次女が平らげ、2回とも水はかなり余った
ベビ達が起きてる時間、1匹ずつ代わりばんこにママのストール前に位置どり、柵越しに毛繕いや、尻尾を梳かしてもらい寵愛を受けた
親子共に過ごせる時間もあと数日
身を持ってそれを知り尽くすママンネは1秒でもベビ達との時間を無駄にしたくない心持ちだった
ストール前部はママンネ用の餌箱が設置されている為窮屈な座り姿勢であったが、それでもベビ達は嬉しそうで、小汚いながらもみな尻尾はフワフワになった
ママンネは平等に愛を注いだが、弟ンネに対しては特に入念に、“タブンネの誇り”とやらを説き聞かせた
——
ママンネはこれまでに何匹もベビ達を離乳させているベテランママで、その性格故か先天的に凶悪な個体を産み落としたことは一度もないが、それでも離乳後、雑居房で傷害沙汰を起こした子タブが過去に2匹居た。いずれも♂個体であった。
このママンネの様な善良個体の子タブであっても、後天的に凶悪化するタブンネは一定数存在する
♀個体にも現れるが、♂の方が圧倒的に多い。おそらく去勢が原因であると思われる。本来性欲として発散されるべき欲求が暴力に昇華されてしまう為だ
子タブ達とのお別れは否応なしにある程度の耐性がついていたものの、我が子が同胞を痛めつけるようなことはママンネとしては何としても避けたい想いがあった
同族への慈愛はタブンネ特有の傾向とも言え、ママンネにはその特徴が色濃く残っていた。より注意すべきは弟ンネではなかったことはこの時誰も知る由もなかった...
——
4ベビは睡眠を取る際、ストールを挟んで左右に分かれ、全員がママに触れる様な形で眠るようになった
残酷に冷たい鉄柵が常に彼女らの間を隔てたが、それでもママンネは我がベビ達の温もりをしかと感じ取り、嬉しさに切なさが入り混じった涙を流し続けた
なんだかんだ言っても、我が子と接することのできるこの僅かな期間が人生で一番幸せなひと時かもしれない
タブンネ以外の生き物なら当然の時間なのであるが、そんなセコセコしい哲学に耽るママンネであった
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4ベビ生後19日目
与えられる飼料のペースも、4ベビの食いつきも昨日と変わらず
しかしここ2日間の食いが影響してか、ほぼ横一線だった4ベビの体躯に差がつき始めた。長女ンネ、次女ンネが少し大きく、ついで弟ンネ、妹ンネとタグ番通り降順に身長差が生まれた
飼料をしっかり喰っている為、長女次女の糞はもっさりとした粘りのある固形糞に変わり、匂いもかなり臭くなっていた
ママンネのストール後方にできていた糞だまりはいつの間にか山となって、囲いの後方は完全に行き来できぬ状態になっている
——
昼下がり、2名の飼育員が1匹の雌タブを引き連れて雑居房を縦断し、左隣の囲いまで運んできた。数日前に4ママが連れられて来た時と全く似た状況、今回連れられて来た雌タブの方耳には「2」の数字が書かれた赤いタグがつけられている
飼A「いやーお前ホントすげえな。うんともミィとも鳴かなくなったけど。今回も6は確実に入ってんぞコレ」
飼B「コイツはタマゴ自体もデカいっすからね..ホラ、しっかり歩いてくれ!ゆっくりでもいいから!」
...ヒュー...ビュー...ビューッ.........
2ママの腹は先の4ママよりもさらに大きく、パッと見ではタブンネではないくらい巨大化していて、心肥大に喘息が加わった様な呼吸をしていたが、目つきや態度は苦しそうな様子ではなく、生気を失ったような虚な瞳をしている
飼B「今回もこれストール入りは無理っすね..」
飼A「ああ。明らか物理的に不可能だろ。前みたく囲いでいいよ。どう考えても柵越えれねえだろ。50キロ以上あるぜ..コイツ...」
飼育員2人はほぼ担ぐように2ママを囲いの中に入れ座らせると、汗を垂らしながらその場を去って行った
ママ「2ママさん、お久しぶりですミィ。今回も大変そうですミィね。どうかお身体気をつけてミィ」
2ママ「・・・・・」
3日ぶりのお隣ンネ登場で4ベビは囲いに擦り寄ってその姿を眺めたが、4ママの時とは違い話しかけたりはしなかった
前回の惨劇で情を移すのを躊躇ったこと、ママンネの態度がよそよそしかったこともあるが、何より2ママに全く生気が感じられず、感情というものが全く読み取れないことに畏れを抱いたためであった。
2ママはママンネの問いにはうんともミィとも応えず、4ベビの存在も全く意に介さぬ様子で、虚ろな目をしたまま、やがてゆっくりと体勢を変え、仰向けにゴロンと寝転がった
うつ伏せ寝が不可能なほど大きな腹をしていた
-
この2ママについて少し補足を述べておく
2ママはこのタブ舎の生まれではなく、ある牧場から買い取られて来た個体である
ママンネは敬語を使っているが、ママンネよりも、他界した4ママよりも若年であり、今回の懐妊が3回目であった。
—
このタブ舎の母タブンネの代継ぎは基本的に実子から選ばれる。父親との近親関係を簡潔化する目的もあるが、単に面倒臭いからそうされている
しかし母タブンネが凶悪ンネ量産器と化したり、もしくは母タブンネ自体が子殺しやネグレクトを行うようなことが2,3代続くと、“血の入れ替え”と称して2ママのように何処からか買ってきたり、もしくは従業員の誰かが適当に野生を捕まえたりしてここのストールにブチ込まれる
先代の2番ママはベビを次々喰い殺すなかなかファンキーなタブンネさんであった
—
現2ママがやって来た時、ママンネは親切にあれこれ話し掛けたが、お互い全く反りが合わなかった。人間観に大きな乖離があった為だ
2ママの詳しい生い立ちはママンネもよくわかっていないが、おそらくガラルタブンネ牧場さんのような場所で悠々と暮らして居た個体だと思われる。このタブ舎の2世であるママンネと話が合うわけがなかった
どこかお花畑過ぎたが2ママは性悪という訳ではないので、ママンネとは懇意ならずも仲悪くもないといった関係性であった
しかし2ママは次第にタブンネらしさというものを失っていく
一度目の産卵ベビ達と引き離された際に情緒不安定になり、さらにその子供達が出荷された際に発狂し、今の様な廃タブと化してしまう
深く信用していた人間に我が子を取り上げられ、現実を受け入れられなかったのだ
佇まいこそ廃タブだが与えられる飼料は食べ水も飲むし、生殖機能は失っていないどころかハイペースに量産し、1週目2週目で8個産み、今回も8個宿っている何とも気の毒なタブンネさんである。
ここに来た当初は不潔な環境に閉口したのだが、今はストール内で平気で糞尿を垂れ流す為、腹も尾も真っ黒く汚れて、タブ糞と体毛が癒着する強烈不潔ンネに成り果てている
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子殺ししといて"ファンキーなタブンネさん"ですますなよこの糞豚w
てかベビのうちから自分達だけタブンネ"さん"なんて
高尚ぶらせるとかホント腹立つわー
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タブンネさんの誇りとはw
ママンネ演説でクワガノンのことをどう説明したか気になりますね。電気でいじめてくる意地悪なクワガタとかかな?
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4ベビ生後20日目
この日は朝の給餌のタイミングから、ベビンネ用の餌が与えられた。1日3食、いよいよ離乳の最終段階である
飼「ホラ、みんなちゃんと喰えよ。...あれ?3番ってこんなデコボコだったっけ?要観察だなコレ...」
朝の給餌を行った飼育員は3番囲いの中をちらっと観察し、ブツブツと独り言を言いながらその場を去って行った
4ベビの食いは相も変わらず、弟妹が少しだけ食い、長女次女が殆どを食う様相であった
昨日お隣にやって来た2ママの様子も相変わらずで、ママンネは朝1回だけ挨拶の声を掛けたが答えられず、4ベビはチラチラと左隣の囲いを見やって気にする素振りは見せたものの、話しかけたりはしなかった
見た目こそタブンネさんであっても、やはりその佇まいや心音が不気味で、恐怖がまさったようである
本当に生きているのか死んでいるのかも解らぬような2ママであったが、3番親子も気づかぬうち、いつの間にか餌箱は空になり、股の間の床は尿で濡れてタブ糞が転がっていた。4ベビにとってさながらマジックのようであった
よく耳を澄ますとヒューヒューと乾いた呼吸音が聞こえた。一応生きているようだ
4ベビは代わりばんこにママンネのストール前部に陣取り、蹄で毛繕いをしてもらい、限られた条件の中で精一杯の寵愛を受けた。毛繕いはハイブリッド給餌が始まって以降のルーティンになっていた
——
昼の給餌
給餌はいつも雑居房にまず飼料がばら撒かれてから授乳スペースをタグ番昇順に与えられていき、最後に種付けスペースの母タブンネ達に与えられていく順番であるのだが、この時3番授乳スペースが何故か飛ばされてしまった
ママ「おいニンゲン!ミィ達のゴハン忘れてるミィ!」
自分の餌がスルーされたことに気がつくと、ママンネはガシガシと前折にしがみつき、抗議の雄叫びを上げる
ママンネはとりわけ卑しい性格でもないし、別段腹が減っていたわけでもないが、この時は餌への執着を見せた。先日のミルク不精がそうさせた原因であった
長「ミィッ!ゴハンくらいちゃんとよこせミィ!」
弟「ちゃんとしごとしろミチィ!」
妹「チィーッ!ニンゲンのばかーっ!」
ひと段落遅れて4ベビもママに呼応するように、届かぬ怒りの声を飼育員に向けて浴びせかける
授乳スペース前部の柵に4匹が固まると横幅はギチギチになった。いつの間に随分と成長したものである
弟、妹はまともに餌なんか食べないクセに随分と偉そうな態度であった。誰に教わったわけでもなく、人間が自分達の言葉を理解出来ないことをわかってきたようだ
“言い得”であればとにかく叫んでみる、というのはこのタブ舎のタブンネ達によく見られる傾向である。きっとロクな死に方できないだろう
ママ「ミィ....」
いち早く勢いを失ったのはママンネであった。4ベビの後ろ姿を見ると、シュンと両耳が垂れ下がった
ママが4ベビの並んだ立ち姿を見るのは何気に久々のことであった。それだけストール内で生きる母タブンネは視野すら不自由なのである
4ベビの体躯は一番大きい長女ンネと小さい妹ンネを比べれば10cm違う程の差が生まれていた
ハイブリッド給餌が開始されたのはほんの3日前なのだが、ほぼ2匹分の飼料を口にしていた長女次女はみるみる成長し、タブバラ肉も詰まっているし、タブロースもガッチリとしていた。
ママンネの心配は大きい子にも小さい子にも注がれた
成長が早過ぎればそれだけ出荷も早くなるし、今の段階で餌の食いが悪ければ雑居房で淘汰される可能性がかなり高くなる。今は綺麗な状態で飼料を与えられているが、雑居房では床にばら撒かれる為、砂利や糞混じりのモノを口にしなければならないのだ
これまでだってずっとそうだったのだが、ママンネの望みは同時に生まれた兄姉弟妹にできるだけ長く一緒に居させて上げることである。気の毒にもこの時ママンネが抱いた不安はおよそ実現されることになる
力ないサファイアブルーで4ベビの後ろ姿を見つめるママンネ。この4匹はみな綺麗好き(?)で、決まった場所で排泄を行う子たちであったが、それでも所々にウンコ色が癒着し、元々そんな模様であるかの様なブチ柄が出来上がっていた
ショッキングな出来事が色々起こる度に脱糞していた為であろう、ママンネストールの両脇や、囲いの随所に軟便跡が付着している。授乳スペースの清掃は稼働中には行われないのだ
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係の者は一通りの給餌を終えると、一度事務所へ寄ってから3番授乳スペースへとまい戻って来た。
飼「なんだ?お前らエサ好きなのか?そこ居られたら箱入れれねえだろうが!」
ドサッ!ポヨンッ!ポテッ!ドカッ!
「ミ゛!」「いチィ!」「チギャッ」「ミゴッ」
若く、ガタイの良い飼育員は前面に張り付く4ベビの首根っこを引っ掴むと次々囲いの中へブン投げていった
ベビとはいえそこそこ重いタブンネ達を片手投げするとは相当なパワーである
余談だがここの従業員は常勤が全部で10名居て、今回の人物はこれまでどこかで登場している
おそらく一番力のある男で、作業時に格闘ポケモンの手を借ることが少なく、過去に雑居房で喧嘩ンネを仲裁し、一撃で蹴り殺した実績がある
タブンネに人間への恐怖心を植え付けるのにひと役買っている人物であった。今後も登場するかどうかはわからない
その飼育員はママンネの餌箱に飼料を入れ水を注ぐと、ベビ達の餌も少し多めに与える。
4ベビはぶつけた腹や尻をさすりながら餌箱に擦り寄るが、手をつけずに立ち竦んだ。いつもさっさと去っていくのだが、ガタイ飼育員が囲いの前にしゃがみ、柵越しにジーっとベビ達を見つめている
先程のパワーを見せられ本能的な恐怖を感じたのだろうか、弟妹はピチャピチャと放尿してしまう。妹ンネはウンチのおまけ付きであった
長「ミ...ミィッ!いつまでそこに居るの⁉︎コッチ見ないでよ!」
次「ミ、、そうだミィ!あっち行けミィ!」
恐る恐る長女ンネ次女ンネは人間を威嚇したが、飼育員はガン無視して視線を浴びせ続ける。弟ンネ妹ンネは抱き合ってプルプル震え、人間を見ないようにキョロキョロと顔を動かしている
-
しばらくして長女次女は泣く泣く餌箱に手を伸ばしたが、ちびちびと手につけて口に運ぶような細い食であった
弟妹は身体の震えが止まらず、餌箱に向かうことができずママに擦り寄った
4ベビ共囲い前の人間に相当な威圧感を受けたようだ
弟「ママ、おねがいミチィ。まだゴハンたべてないけど、おっぱいちょうだい」
妹「アイツこわいチィ。おねがい、ママ」
ママ「ミ..!?..ミィ。おいで...」
物思いに耽っていたママンネは呆けた返事をすると、いつものように授乳姿勢を取った
弟妹は嬉しそうなチィチィ声を漏らし、乳首に吸い付かんとした時、こわいニンゲンが動き出した
飼「やっぱそうか、チビ2匹喰ってねえんだな。オマエら!エサ食わなきゃデカくなれねえぞ!ちゃんと親離れしろ!」
「チィィーッ!」「ヒギィー⁉︎」
飼育員はピョンと囲いに飛び入ると、弟ンネ妹ンネの首根っこを引っ掴んで餌箱の前にドサリと投げ下ろした
2匹は飼育員の大声と突然の感覚に驚き、せっかく落ち着いた震えがまた復活し、抱き合いながら人間を見上げる
飼育員は別に怒鳴った訳ではないのだが、素の地声のデカい人物であった。また被捕食ポケモンにとって身体が宙に浮くという感覚は本能的にかなり恐怖を感じるようで、耳の良過ぎるタブンネには二重苦の効果があった
ママ「ミ...お兄ちゃん、妹ンネちゃん、落ち着いてミィ。ゴハン食べてミィ。ふたりともゴハン食べないと、ソイツ居なくならないミィ。もっと虐められるかも知れないミィ!」
人間の行動にハッと我に還ったママンネが2匹に説き聞かせる
飼育員は再び囲いを跨ぐと、外からジーッとベビ達へ視線を浴びせる
人間の意図はママンネにも何となく理解することができた。ベビ達の体格差を見て、小さい子に離乳を促しているのだ
口惜しいと言うのか虚しいと言うのか
ママンネの心配は飼育員の意図と合致していた。雑居房、というか生涯でここのタブンネが口にできるのはこの飼料だけなのだ
先程の衝撃の為か強そうな人間に見られている恐怖の為か、いつまでも抱き合い震えて立ち竦む弟妹を見かねてママンネはスクッと起き上がり、自分の餌箱の飼料をモシャモシャと食い始めた
ママ「ほら見てミィ!お兄ちゃん、妹ンネちゃん!ママもね、小さい頃はニガテだったミィけど、なれてきたらこのゴハンもけっこう美味しいミィのよ♪」
何とも大根演技だが、ママンネは精一杯の笑顔を浮かべ2匹を促す。その目尻は薄っすら光っていた。ママンネにしても決して共喰いを望んでいる訳ではない
妹「チ...ほんとチィ...?」
弟「妹ンネ、ボクたちもたべようミチィ...」
漸く2匹は長女次女に割り入るようにして飼料に手をつけ、ちびちびと飼料を食べ始める
見つめ飼育員は一瞬ピクッと眉間を動かしたが表情も視線も変えない
・・・
(長「ニンゲン居なくならないミィ。ふたりとも、顔つけて食べるミィ...!」)
(次「フリでもいいミィ。ミィとお姉ちゃんで食べるミィから!」)
(妹「ケホッケホッ...やっぱおいしくないミチィ...」)
ママンネのアシストもあって人間の意図を読み取ったのか、ヒソヒソとタブ知恵ベビ達の作戦会議が始まった。声を潜める意味あるのだろうか
——
飼「小せえのそれ本当に喰ってたか?まあいいや。やっぱ3番は良いママさんだな!何言ってたかオレには大体わかるぜ!」
4ベビ地獄の食い作務続けること約7分
飼料箱がほぼ空になった所でやっとこわいニンゲンが立ち上がり、スタスタその場を去っていった
弟ンネはだいぶマシな食いになったが、妹ンネにはまるで人間の幼児がお母さんに無理矢理ピーマン食べさせられる時みたいな拷問の時間であった
-
妹「チゲホチゲホッ!ママ、どうしてきらいなゴハン食べなきゃいけないチ?ずっとママといっしょに居れないチィ?」
食べるフリのつもりだったもののそれでも頑張って餌箱に顔を埋め続けた妹ンネがグズる。鼻から下が粉餌にまみれた間抜けヅラが可愛らしい
ママ「妹ンネちゃん、よく頑張ったミィ!これからずうっとゴハン食べなきゃいけないミィけど、きっと慣れるミィ」
ママは励ましのつもりで言ったのだが、妹ンネには絶望的な言葉で、目に涙が浮かんでいる
ママ「さあみんな、キレイキレイしたげるミィから、ひとりずつコッチ来てミ。長女ンネちゃんから...」
次「ミィ?」
弟「ボクたちママのおかげでしっぽふかふかミィよ⁉︎」
ママがベビをストール前へ呼ぶ。この給餌の直前までにみんな毛繕いが済んでいたのでベビ達は怪訝な顔を浮かべたが、ママの声色と顔つきが真剣だったので指名を受けた長女が身を屈めてストール前へ座り入る
ママ「ミィ...長女お姉ちゃんはホントに大きくなったミィね!あまり動かミィで...」
ママンネは膝を着き四つ這いになってストール柵から精一杯口元を突き出すと、ベロベロとその身体を舐め回した
フミィ〜、フミィ〜ン。こそばゆい感覚に長女ンネは気持ち良さそうに間の抜けた声を漏らす。一瞬?顔を浮かべた残り3ベビであったが、長女ンネの様子を羨ましがり、ミィチィ鳴きながら近くに陣取る
ママンネの意図はベビ達の体毛体皮に癒着するウンチ柄を舐め落とすことであった。今までこんなことはしたことないのだが、先程4ベビの汚れた後ろ姿を見た時に思い立ったのだ
このタブ舎の衛生環境上タブンネと糞尿は蜜月な関係性と言えるのだが、本来の状態にしてあげることでこの世界に抵抗したいし、何より子供達を不憫に想う気持ちがあった
ママンネの膝下は積年のストール生活で褥瘡ができ、両脚にかなりの負荷がかかったし、ベビ達の糞尿跡は頑固にこびりついているので相当難儀な作業であったが、ママンネは乾いたタブタンでの愛撫と不揃いな歯での甘噛みで必死にウンコと闘い続ける
長女ンネの嬌声も相まり、ママンネの体勢はまるで人間の女性がフェラチオを行っているような卑猥な光景に見える
ママ「お姉ちゃん、コッチ向いて。アンヨが一番汚れてるミィ...」
ママンネは短い腕を懸命に柵下から伸ばし長女ンネの体位を変える
長「ミヒィ〜ン。ミフンミフンッ。ママイヤァ!
くしゅぐったいミィ~」
ママンネは長女の足裏に口をつける。砂埃や癒着ウンチのせいで肉球が全く見えなかった
妹「チィーッ!長女お姉ちゃんばっかズルいチィ!」
弟「ママボクたちにもキレイキレイしてくれるミィ?」
待ち兼ねた3ベビがストール越しに手を伸ばしてママンネの背中をチョコチョコ掻きだした。いよいよマニアックな変態ビデオみたいな構図になってきたが、演者がやつれたタブンネと汚いベビンネなのでかなり気色悪い
——
次「ミィッ!お姉ちゃんがピカピカになったミィ!」
妹「ほんとチィッ!タブンネさんじゃないみたいチィ!ママしゅごい!チィもチィも!」
ママ「ハァッ..ハァッ...ミんな順番ミィ。次は次女ンネちゃん...」
ママンネが懸命にタブチオを続けることおよそ20分。漸く長女ンネのウンチが綺麗に落ち去った。ママンネは残しておいた水箱に口をつけ、渇き切ったタブタンを潤す。ママの口周りはウンコの泥棒髭が出来上がったようになっている
妹ンネの言葉が何気に残酷で、ママンネのサファイアブルーがウルウルと湿りだす
こんな所で生まれたが為に、ウンチ柄のついた姿が本当のタブンネさんだと思っているようだ
本当のタブンネさんは綺麗なピンクチョッキ柄なのに...
ミッ! カッと目を閉じ、溜まった涙を弾き飛ばすママンネ。何とか、今一瞬だけでも綺麗にしてあげようと今一度気合いを入れた
——
ママ「ハァッ..ハァッ!...ミフッ!ミガフッ!...待たせてごめんミィ!妹ンネちゃんの番だミ。コッチ来てミィ...」
妹「チミィ〜??チュイ〜〜...」
タブチオによるウンコ掃除を開始してから1時間強、やっと上3匹の分が終わり、ママンネは妹ンネを呼びつける
グズり続けていた妹はいつの間にか寝てしまったようで、目を擦りながら間の抜けた声を上げる
ママの愛撫を受け終えた3匹は嬉しさよりも、ママへの心配がまさっている様子であった。タンを酷使し続けたママンネは口元の締まりが完全に無くなり、弱った膝下が痙攣している
それでも1時間以上フェラチオを続けられるとは中々のスタミナである。どこかの監督の目に止まれば女優に転職できるかも知れない
-
ママの愛撫を受け始めた妹ンネ
最初こそは耳をパタパタ動かして喜んだが、向き合う形になると顔を顰めだし、遂には不快さを漏らし始める
妹「ママもーいいチィ!ママのおクチくさいんだもん!チィこのままでいいチィッ!」
ママンネにとって痛烈な一言であったが、妹の言うように3匹分の糞を舐めとった口内は激臭なんてものではなかった。ただでさえママは口内が荒れ果てていて獣臭を通り越した異臭を普段から放っている。上3匹が喚かなかったのは生まれた時からのママの匂いに慣れているからだろう
妹ンネはよく言えば天真爛漫で素直。悪い面では幼児特有の残酷さがあった
ママ「ミィ...ン。ミグッ...ミン...」
泣きそうになるママ。諸々の事情で自分の口内が腐敗し臭いことは十分知っている。それをハッキリ指摘されたことは彼女のプライドを大いに傷つけた
しかし幼い娘に泣き顔を見せぬよう必死に涙を堪え、懸命な愛撫を続けた。
——
長らく続けられたママのタブチオがやっと終わり、4匹のベビンネは生まれた日以来のピンクチョッキ模様を取り戻した
わがまま言っていた妹ンネもなんやかんや嬉しそうで、姉兄とお互いの身体を見せっこしている
達成感と子供達の様子にママンネの目にも嬉し涙が浮かぶ。言ってもベビ達の毛並みは綺麗なんて表現すればトレーナーやブリーダーに笑われるレベルだし畜生臭さは酷いものなのだが、それでも3番授乳スペースは幸せ一杯のひと時を過ごしていた
——
やがて夕夜分の給餌が行われた。
昼と違ってニンゲンの監視の無いことに弟妹は最初大喜びであったが、ママンネの指示により4匹で等分を食べさせられた
妹「ママなんでニンゲンのミカタするチィ?チィゴハンたべたくないのに...!」
なんやかんやで飼料を平らげたベビ達。昼の訓練が効いたのか弟ンネは割とすんなり食べ、妹ンネはだいぶ苦戦したがみんなの励ましで倍の時間をかけてなんとか流し込んだ
給餌の後は4匹仲良くママンネミルクを堪能した
——
夕食も済んで暫く、外はすっかり闇に沈み、3番親子は眠りに就こうとしていた
ストール内でママンネが寝て、左側に長女と妹、右側に次女と弟
4ベビは精一杯ストールに寄っているが鉄柵のため身を寄せ合っているとは言い難く、みな辛うじて身体の一部がママに触れているという状態だった
給餌の傾向からママンネは今日がこの子達と過ごせる最後の夜だとなんとなくわかっていて、瞳を閉じることなくベビ達の体温に全神経を集中していた
次「ママ。なんだか眠れないミィ...」
弟「ボクも...」
長「ねえママ。本当にもうすぐお別れするミィ?」
ママの感情が伝わってか否か。いつもならとっくに寝息を立てているベビ達が次々に話し出す
妹「チィもねむれない。ねえママ、“たぶんねムカシバナシ”して...」
ママ「ミフフ。妹ンネちゃんはホントに甘えんぼさんミィね。むかーしむかしのことだミィ。ある草むらに、ババアタブンネとジジイタブンネが住んで居ましたミィ。ジジイタブンネは山へオボンを採りに、ババアタブンネは川へコイキングをいじめに......
...チビィ~...チヒ~...ミヒュー....ミヒュー.....ミィャー....ミゥミゥ....
ママ(ミフフ、みんな寝ちゃったミィ。本当に可愛い寝息ミィ...!どうかみんな、ずっと仲良くネ!...ウトウト......ミィ。ミィもなんだかねむく....きょうは....つかれ....ミ...ィ...)
最後の夜はどんどん深くなっていく...
-
ブタ屋さん動画とかでも
持ち上げられた子ブタが特に痛くなくてもピーピー喚くのは
宙に浮くのが嫌なだけだって聞いたことあるな
4ベビもこれから離乳部屋か
幼稚園バスなんて呼ばれてる台車で優しく移動させて貰える訳はないと思えよw
-
4ベビ生後21日目
孵化からたった3週間にして様々な場面に遭遇してきた4ベビ。この日はいよいよ離乳の最終章、母タブンネの移動が行われる
ママ「ブヒンブヒン......ごめんミィ。ごめんミィ。可愛いチビちゃん達...ナムアミタブツ...ナムアミタブツ...
長「ママどうしたミィ⁉︎しっかりして!」
次「ママ起きて!ミィ達もうゴハン食べ終わったミィよ!」
ママ「....ミグッ...ミミ⁉︎....ミハッ⁉︎..あ..ミォォン!ベビちゃん達!ミィーい゛ンミンミン...!」
朝の給餌が行われて暫く経ってもいつまでも寝たままで、変な寝言を垂れていたママンネ。ベビ達の声で間抜けな第一声と共に目覚め、辺りをキョロキョロ眺めると我に還り、みっともなくタブ泣きする
昨日酷使したせいかママの唇はメスのソーナンスさながらに腫れあがり、目尻には何故か涙跡がついている
弟「ミィ⁉︎ママ、だいじょぶミィ...?」
妹「ママねぼすけさんミチィ!ママ見て!ミィ、ママに言われなくてもちゃんとゴハン食べたミチィよ!ミッヘン!」
上3匹はママのおかしな挙動を心配したが、自発的に飼料を平らげた妹ンネは自慢を言い聞かせる
明るいこの娘がある意味一番タブンネらしいのかもしれない
昨日頑張って飼料を食べた為か、この一晩でひと回り大きくなったように見える。タブンネにとってもタブンネは高栄養食品なのだ。適食であるかどうかは別だが
寝起きの朧なサファイアブルーでぼんやりベビ達を眺めるママンネ
昨日の苦労も虚しく、各個体毛には真新しいウンチ柄が付着している。寝床自体が汚ければ当然の結果である
・・
ママ「...ミィッ!たいへんミィ!みんな来てミ!ママのおっぱい飲んでミィ!」
ママは空になったベビ達の餌入れ、盛られたままの自分の餌入れを一瞥すると、慌てた様子で授乳姿勢を取る
ママンネ視点、ベビ達の奥ではお隣の2番ママさんが涅槃像みたいな体勢でちびちびと水箱に舌を伸ばしていた。昨日より腹が大きくなっているように見えた
——
授乳を始めて30分後、飼育員2人がダゲキを引き連れて3番授乳スペースまでやって来た
この時4ベビはまだ乳首に張りついたまま
あと何回飲めるかわからぬミルクを味わいたい意思があったこと、その裏腹、出が悪くて中々満足できなかったことでいつもより長く吸い付いていた。妹ンネに至っては乳首を口に含んだまま寝てしまっている
ママ「ミミィ〜...!ダゲキ!待ってミィッ!せめてもう少しだけ!お願いミィ!お願いミィ...
飼A「おっ、最後のおっぱいタイムだったか?おつかれ!ママちゃん!今回はすぐ王子様とイチャイチャできっからな」
ママの懇願など認められる筈もなく、飼育員はストール、囲い両方の檻を開放していく
始めて自分達のおウチのトビラが開けられたこと、触覚から伝わるママの切実な感情と始めて間近まで来たダゲキ、あらゆる事象に上3匹はパニックと恐怖でオロオロと動き、割と落ち着いた性格だった長女ンネを含み皆ボトボトビチャビチャと脱糞尿してしまった
妹ンネは一足遅れて目を覚まし、ムニャムニャ口を鳴らしながら目を擦っている
飼B「あれ、朝飯食わんかったのか?まあもうお乳も出さなくていいし、3ママもダイエットかな?」
飼育員がママンネ用餌箱を掴むと、残った飼料を雑居房へぶち撒ける。気づいた雑居チビンネ達がミィミィ群がってきた
飼A「おい、てか3ってこんな汚かったか⁉︎なんか脇腹も破けてるし、唇まで腫れてない?」
飼B「3も次あたりで御免かな〜。でもチビ達いつになくデカくない?よくおっぱい出たなお前。偉いぞ〜」
飼育員は口調こそ穏やかだが動作は乱暴極まりなく、片方が脱臼せんほどママの両腕を引っ張り、もう片方はストール後部に入り込んで尻尾を掴み上げてドカドカとタブケツを蹴飛ばしている
ダゲキは囲いの外からベビ達に睨みを利かせて佇んでいる
ママ「ミィッ!お願いですミィお願いですミィ!どうかっ!どうか最後に一度だけっ!子供達を抱かせてくれませんかミィ⁉︎後生でございミィ〜!」
「ママ!」「ママ〜ッ!」「ミヤァ〜ン!」
ママは抵抗しているわけではないのだが、脚に力が入らず中々人間の思い通りに立ち上がらない。恐怖もあるし、昨日の疲れで体力的にかなりのキツさがあった。ベビに習いウンチも漏らしている
いつになく人間を怯え怖がっているママの様子は次々ベビ達に伝播し、上3匹は大きくプルプルと震え泣き叫んでいる。足元が凄く汚い
リアクションがワンテンポ遅れる妹ンネは目をまん丸くしてママとニンゲンを見つめて口をあんぐり開けている
-
飼A「なんかいつになく反抗的だな。オラ立てよ!」
飼B「遅れてきた反抗期か?ホラ歩けっ!子供と離れたくないってか?オマエはもう慣れっこだろうが!」
ママ「ブギィーーッ!ミギャッ!ミヒンガァーッ!従いますミィ!従いますミィッ!だからおねがい蹴らミィで!引っ張らミィでっ!ブヒィ〜ン!コワイミィ〜!マ、ママァーッ!」
人間は別に怒っているという程ではないのだが、口調も動作も強さを増していく
引っ張られるママンネの腕はビリビリと毛皮が破れ落ち、インステップキックを喰らい続けるオシリは真っ赤な靴跡がついている
それはベビ達が悲しみと恐怖に支配されるに十二分な光景であった
ようやっとママンネが震える足腰を何とか立たせ、歩き出してストールから出ようとした時、意外にも勇み出したのは一番幼さの残る妹ンネであった
妹「ミ...ミギィーーッ!ミィのママに乱暴するなミチィーッ!ママをつれてかないでっ!ミィのママを放せミチィ!」
精一杯怖い顔をして怖い声を発すると、ポヨンポヨンと引っ張り飼育員の身体を目掛け体当たりを繰り返す
戯れてるようでとてもかわいい
次「ミ、ミィーッ!ママを放せミィ!ヤメろミィッ!」
長「どこまでタブンネさんをイジメるミィ!ママを放すミィッ!くたばれミィーッ!」
ワンフレーズ遅れて3ベビも妹ンネに追随しだし、長女は妹に加勢、次女弟は蹴りつけ飼育員をストール越しにペチペチ叩き出した
ダゲキ「セアァッ!」
ゴッ!ゴッ!ドサッ!ポヨッ!
「ミボッ!」「ミグッ」「ミガッ!」「ミベシ!」
4ベビの行動を見てここまで静かだったダゲキが動き出す。首根っこを引っ掴むと囲いの側柵に向けて次々投げ飛ばしていく
ベビ達がぶつかる度お隣の2ママはビクンビクン体を震わせ目を見開いた。恐怖や同情という訳では無かろうが、やはり耳は良いようで衝撃音には反応するようだ
飼育員はベビ達の攻撃なんて屁でもなかったので、ダゲキの行為は完全なる過剰防衛である
そもそもダゲキを連れてきたのは防衛用よりも、移動作業中にベビ達の雑居房への逃げ出しを阻止する目的である
ダゲキが動き出しても尚、2名の飼育員はそちらを気にも留めない
——
ここの従業ポケ達の“タブンネ観“には少し個ポケ差がある
ローブシン、シャワーズはタブンネが大嫌い
クワガノン、マリルリ、ズルズキンはタブンネが大好きで(愉快なオモチャとして)、嘗てはローブシンもこの括りであったが、いじめ過ぎて人間に何度も怒られた為心底嫌うようになった
そのいずれにも該当しないのがダゲキとフタチマルである。彼らは人間への忠誠の強い真面目な性格で、ただただ人間の意図通りに動き、おそらくタブンネをポケモンとしてすら認識していない。ただの“商品”だと思っている
特にダゲキは人間からの信頼が厚い。彼はタブンネの“耐久ライン”というものを人間以上に正確に見極めることができて、今回4ベビを叩きつけた際も骨や臓器を傷つけず、嘔吐すらさせない中で最大限ダメージを与えられる絶妙な威力で危害を加えている
-
妹「チグッ...ミヂィーッ!ママをがえせっ!ミィたちのママをっ!...ミギヤァッ!」ゴガッ!
弟「ブボッ..ママ!マ゛マ゛ッ!行かないで!
ヂギッ...」ドスッ ・・・・・
傷む身体がフラつきながらも、何とかヒョコヒョコと人間に向かって行き、またダゲキに投げられ腹パンされを繰り返すベビンネ達
重症とまではいかないまでも、身体のあちこちには青赤痣ができ始める。昨日せっかく取り戻したピンクチョッキ模様は二重の意味で失われてしまった
ママ「ベビたちっ!もう立たないで!もうヤメでっ!ニンゲンには敵わないミィッ!いいミ゛ィ?ミィのベビたち!!“タブンネさんの誇り”を忘れミィでっ!みんなで助け合って生きるミィ!ママはお引っ越しするだけミィ!みんなを見守り....ミグハァッ!もう蹴らないで下さいミィ!おてて引っ張らミィで!ミィァァァンミィミィ...!」
ベビ達の殴られ音と悲鳴を聞いて少し冷静さを取り戻したママンネ。必死に子供達を諭したが、人間に引かれ蹴られをされると再びみっともなく泣き散らし、どんどんと雑居房を進まされていく。
母タブが一定の距離まで離れたところでダゲキが最後に足払いでベビ達をすっ転ばせると、囲いの錠をしてスタスタと飼育員の後を追っていく
次「ミグンミグン...ママ!ママァーーッ゛!」
弟「どうして!ママ〜ッ!ざみじぃミィーッ!」
・・・
囲いの前面にしがみつき、離れていくママの背中を目で追いながら喚き散らす4ベビ。やがて雑居チビがブラインドになってしまい、その姿は完全に見えなくなってしまった
ママ「ミギー⁉︎マリルリ....ミ゛ィーッ!強いミィ強いミィ!ミギャーーーッ⁉︎あづミィ!熱いミィ!ヤメっ!ミア゛ア゛ァァァッ....」
飼「おい、マリルリ熱湯打ってねえか?ただの水鉄砲でいいんだぞ!ババアなんだから優しく...
リルリルー♪ .........
姿が見えなくなって尚、ママンネの叫びは3番囲いまで響き渡ってきた。ママの叫声に混じった楽しそうな他ポケの声に気づく余裕はなかったろう
4ベビはメソメソミィミィと柵にしがみつき、やがて力なく膝から崩れた
ママンネのリアクションが大きいせいで雑居房にはタブ集りができている。嫌がっているように見えて実は目立ちたがり屋さんなのかも知れない
——
ミズン...ミィミン....ミスッ.....ミィ~ン...........
いつまでもヘタリ混む4ベビ
誰が何か声を発する訳でもなし、やがて与えられた昼の飼料にも全く手をつけなかった
——
ママが移動されて何時間後であろうか。今度膠着を破る口火を切ったのは一番良いサイズの長女ンネであった
長「ミ゛ィッ!グミミィ〜!このハコがっ!こんなハコがいけないんだミィッ!」
徐に立ち上がると、もぬけの殻となったママンネのストールに向けて歯茎を剥き出し、渾身の力でペシペシと鉄柵をはたきだした
妹「ミ...ミィッ!そうだミチィそうだミチィ!」
次「どこまでタブンネさんをバカにするミギィ!」
弟「ニンゲン嫌いミィ!いてミィいてミィ!」
呼応するように姉に続く下3ベビ。なぜストールを攻撃するのか謎だが、凶悪な理不尽を叩きつけられ何処かに怒りをぶつけずにはいられなかったようだ
30分強それが続けられた頃、次第にベビ達の各手が止まり、目に涙を溜めながらミフゥミフゥ肩で息をしている。何度も硬い檻を叩いたせいで両手両腕が腫れて、蹄に血が滲んでいる
妹「ミ...ミァアああああん!ママぁ〜っ!」
弟「ミ゛ーーッ!ミ゛ーーッ!」
次「ミビェーーーーン!」
今度は妹ンネを皮切りに、みな汚い床に顔をつけ、精一杯ストール下に鼻を擦り寄せている。ママンネの残り香を嗅いでるようだ
ストールがキライなんだか好きなんだか
——
夜の給餌
飼「おう何だ何だ!昼飯食ってねえじゃんか。ママが居なくなって拗ねたか?ちゃんと食えよ〜、さもねえと明日出荷しちまうぞ〜」
係の飼育員は残った餌箱を見ると、一声かけてスタスタ去っていく
長「ミグッ...ミグッ...みんな、ゴハン食べようミィ。妹ンネも...ちゃんとみんなで分けよう...」
人間の言葉の意味がわかった訳ではないが、長女ンネの号令で皆ちびちびと昼飯の残りを食べ始めた
4匹とも悲しみよりも、空腹の限界に気づいたのだ。所詮タブンネは獣である
舎屋内も暗くなり始めて人間も4ベビも気づかなかったが、お隣の2ママの股下にはコロリと大きなタマゴが1つ転がっていた
タブンネのそれとは思えない、ゴンベやチゴラスの入ってそうな大きさであった
夕飯が済むと4ベビはシクシクと眠りに就く
みんなで固まらず、何故か空のストールを挟む昨日までと同じ陣形であった
———
ベビンネ章終わり
雑居、チビンネ章へ続く
-
はじめましてミィ
ミィはタブンネ。
沢山のタブンネさん達が暮らす、広いおウチでこの世に生を受けましたミィ
沢山タブンネさんが居ると聞くと、とっても楽しそうだと思うでしょ?とんでもミィ。
広いおウチと言っても、ミィは“すとおる”っていう狭い箱の中にいつしか閉じ込められて、2つのすとおるを行ったり来たりしてずうっと過ごしていますミィ
仲良くなったタブンネさん、ミィのお兄ちゃんや弟や妹は、ミィんな“しゅっか”って言って、”とらっく“って言うニンゲンの乗り物に乗せられて、どこかへ連れ去られて行きましたミィ
ミィ、いっぱいニンゲンの言葉知ってるでしょ?
ニンゲンどもが思ってる以上に、ミィ達タブンネさんはとっても賢いポケモンなんだミィ
他にも沢山言葉知ってるミィ。たとえば
『しょぶん』『たねつけ』『こやしたぶんね』
『にく』『みきさあ』『しね』『ころす』....
ニンゲンが使うのはコワイ言葉ばかりだミィ。もっと優しい言葉をかけてほしいものだミィ
・・・
モブタブンネさんA
「嫌だミィ!死にたくないミィ!」
モブさんB
「最後に、最後にもう一度だけママにあわせてミィ!お願いだミィーッ!」
今ミィの目の前では、何匹かのタブンネさんがニンゲンと手伝いポケどもに追われて捕まえられて、とらっくに詰め込まれていますミィ。
ここで生まれ育ったタブンネさんは、ある程度の大きさになるとああやってしゅっかされるのですミィ
何度も何度も見てきた光景ミィ
ミィはとらっくに乗ったことはありませんミィ。だからその後のことはわかりませんミが、どうやら殺されて、食べられてしまうらしいですミィ
ミィ達は殺される為に生まれてきたようなものですミィ
この世には釈迦もアルセウスもございまミィ...
....バリッ!.....ピキ.....ピキピキ!.......
ミミッ!たいへんミィ!ミィの後ろで、タマゴの割れる音がするミィ!
タマゴは高いトコロに置かれていて、そのまま孵ったらベビちゃん達がイタイイタイしちゃうんだミィ!
おーいニンゲン!早く来いミィッ!.....
-
それからなんやかんやあって、ミィのベビちゃん達が無事タマゴから孵りましたミィ
ミィ達お母さんタブンネは自分でタマゴを温めることも、タマゴを見ることすらできませんミィ。それだけすとおるの中は不自由なのですミィ
しゅっかされたタブンネさん達は気の毒ミィけど、やっぱり自分のベビちゃん達は一番大切ミィ。
・・・
ミィは何度も何度も、ベビちゃん達を産んで、おっぱいをあげて沢山お話しを聞かせて育てて来ましたミィ
この子たちの前にタマゴを3つ産んだ時は、1つは産んですぐに割られて
ひとりはタマゴの中からトクントクンて聞こえていた音がどんどん小さくなって、やがて聞こえなくなって、やっぱりタマゴのまま割られてしまって
もうひとりは孵ってすぐにジメンに叩きつけられて殺されましたミィ
生まれてから殺された子は“きけい”とか言って、ミィは見ていないけどお顔からおててが生えている子だったそうですミィ。
少し不思議なカタチでもミィのベビちゃんはミィのベビちゃん、育ててあげることも、むくろを抱かせてもらうことすら叶いませんでしたミィ
チピィーーッ!ギギーー!グイッ....ピヒッ...チ....チィ~..ッ....
—イタイ!イタイよう!ママ!ママだっこ!
イタイ!ママたしゅけて!どうし...て?.....ママ.....
きけいベビちゃんの悲痛な叫びを、ミィは今でもよく覚えていますミィ
せっかく頑張ってタマゴから出てきて、ママのおっぱいが欲しくて鳴いていたのに、突然現れたニンゲンの乱暴な手に掴まれて、何度も何度も硬い床に叩きつけられて....
・・・
かんしょうに浸って居る場合ではないミィよね
今生まれたベビちゃんは4匹。3匹がおんなのこで1匹がおとこのこ。
今みんなですとおるの中でミィのおっぱいを飲んで寝てしまいましたミィ
ミィ〜...。なんてカワイイお顔!なんてカワイイ寝息なのでしょミィ!
みなさん生まれたばかりの赤ちゃんタブンネを抱っこしたことありますミ?
タブンネの赤ちゃんはおけけが細くてピンク色のおはだが見えていて、ふんわりとあまい良い匂いがして....
ミフフ、この姿を見て、この匂いを嗅げるのはミィのようなお母さんタブンネ達の特権ミィ!
可愛いベビ耳に”たぐ“っていうニンゲンの悪趣味な耳飾りが付けられているのがタブに傷ミィけど。。
この子達もいつかはニンゲンに食べられて....
ミィッ!今からそんなこと考えちゃいけないミィよね。天使のようなミィのベビちゃん達。ずっと良い子にしていればきっと、いつかアルセウス様がこのおウチから連れ出してくれるはずミィ!
今まで生まれてきた子たちもミィんなミィんな可愛いタブンネさんだったミィけど....
-
>タブンネの赤ちゃんはおけけが細くてピンク色のおはだが見えていて、ふんわりとあまい良い匂いがして....
ほうほう美味そうですなあ
今すぐ小麦粉まぶして油の中にぶちこむか
夏なら身欠きタブンネに
冬なら凍みタブンネにしてやりたい
-
でもこの養豚場のタブンネは食べたくないなぁ
BIGやマックスバリューで売る用かな?
ママンネが愛情たっぷりに育てたチビンネちゃんがスライスされてグラム60円かそこらで叩き売られてしまう・・・
ああ〜無情だぜ
-
モブさん
「ブミヒヒィ〜〜。うまそうだブミィッ!目のあくまえが食べごろなんだブヒィ〜
ミィ
「ミガァアッ!こっち来るなミィ!ミィのベビちゃんに寄るなミィッ!」
ベビちゃんを見て、おソト(雑居房)に居たひとりのタブンネさんが涎を垂らしながらオゲレツな台詞を吐きましたミィ
彼はおそらくベビちゃんを食べる気だったミィ。この囲いの柵は大きいタブンネさんなら越えられるくらいの高さなのですミィ
彼のようなタブンネさんをニンゲンは”べびんねはんたあ“などと呼びますミィ
ミフゥッ。心優しいミィとしたことが、思わず大きい声を出してしまいミィ。
見ての通りミィは清く優しいタブンネさんミが、ベビちゃん達を守るためなら容赦しないんだミィ
今のモブさんのように、鼻の穴が大きくてちょっとオゲレツなタブンネさんが、このおウチには一定数居るんだミィ
ミィは決して、オゲレツなタブンネさんのことを忌み嫌ったりはしていませんミィ。
彼らは犠牲者なのですミィ。汚いお水、陽も差さない場所に閉じ込められ続ける毎日、いつか殺される恐怖、ウンチだらけのおウチ...
色んな要因を以ってして、あのようにオゲレツなタブンネさんへと進化してしまうのですミィ。
これはてきおうへんかと云いまして...
おっと、思わず生物学者のような説明を始めてしまいましたミィ。
ミィ達タブンネさんは、ニンゲンどもが思っている以上に賢いポケモンなんだミィ。前にも言ったミか?
はなしを現在に戻すミィ
ミィに触っついて寝息を立てるベビちゃん達。
ごめんミィ。ミィの可愛いベビちゃん達。すとおるの外側で寝てミィね。起こさないようにそおっとそおっと....
....フゥッ。何とかおソトに出せたミィ。
えっ?薄情な母親だと思いますミ?
これは仕方のないことなのですミィ。すとおるの中で過ごすクセがついてしまいミィと、あらゆる惨劇が常時起こり得るのですミィ
ミィの過去のベビちゃんには、すとおると床に挟まってしまった子、ミィの寝ている間にすとおるに入ってきて、ミィの寝返りによって踏み潰されてしまった子、ミィのウンチをダイレクトにお顔で受け止めた子、色々おりましたミィ。
このおウチの各囲いを隈なく見てみて欲しいミィ。きっとどこかに、挟まりベビちゃんやペシャンコベビちゃんが居ますミィ。大体2日に1匹くらいのわりあいですとおる事故が起こりますミィ
ミィはすとおるが嫌いミィ。せめてベビちゃん達にお乳をあげる間だけでも、すとおるから出して欲しいものだミィ。
ミィを閉じ込めなくても、ベビちゃん達を置いてミィだけお外に逃げ出したりしないのミ....
-
寝返りで子豚を潰してしまうのは中々リアルですねぇ
共食いモブンネは中々いいキャラしてるけどこの後あっけなく死んでしまうのがタブの哀れさですな
-
4匹のベビちゃんが生まれて丸一日が経ちましたミィ
生まれたてベビちゃんと過ごせて幸せ一杯だと思うでしょうミか?
そうでもありませんミィ
げんじつとは残酷なものですミィ
たったの一日で、昨日までの甘い匂いは消え、ベビちゃん達はこのおウチ特有の、糞尿臭や排ガス臭に染まってしまいましたミィ
もっと空気も床も綺麗な所で子育てさせて欲しいものだミィ...
ミィには今、2つの心配ごとがありますミィ
「ヂッ...ヂィッ..」「ヂィ...ヂビッ!...ヂー」
—クチャイ...クチャイよう...
—うるちゃい...コワイ...コワイ...
ミィの横で、仲良くおしくらまんじゅう眠るベビちゃん達。
お姉ちゃん2匹はスヤスヤ眠っておりますミが、下の子2匹は一晩中苦しそうに鳴いておりましたミィ
まだその鳴き声はタブンネさんのコトバになっていませんミが、下の子達の思っていることはミィにはよくわかりますミィ。
ミィ達タブンネさんのお耳はとっても高度なのですミィ
だから街中や草むらで、タブンネさんの触覚を引きちぎって遊んでいる悪ガキを見つけたら、皆さん是非注意するようにして下さいミィ。
まったくニンゲンの子供はとんでもミィ...
モブタブンネくんA
「ブミヒヒヒ!ウンコ合戦しようミィ!」
モブくんB
「ミィーッ!ミィのはホカホカウンコミィ!
ミガッ⁉︎潰しちゃったミィ...」
モブちゃんC
「ミィーッ!きたないミチィきたないミチィ!
ウンチ投げちゃイヤー!」
モブちゃんD
「ここはミィのなわばりミィ!あっちいくミィ!」
モブくんE
「なんだとミィ!土地の権利書でも持ってるミか⁉︎生意気ミィ!くらえ!乾燥ウンコミィ!」
・・・とんでもないのはニンゲンの子供だけではないかもしれないミィ
今ミィの目の前では、おソト(雑居房)で沢山の子タブンネちゃんが騒いでいますミィ
一度騒ぎが起きると中々鎮まらないのですミィ
それにしても作者はタブンネさんをウンコに結びつけるのがよっぽど好きだミィ...
昔、タブンネさんをボットン便所に突き落とすSSがあった気がするミィ。
個人的にあれはかなりの名作と言え....
—⁉︎ハッ⁉︎ ミィは一体何を⁉︎
ミィの心配ごとを話すところだったミィね
ミィの心配は下の子2匹の様子だミィ。
タブンネさんは静かな場所、清潔な環境を好むポケモンであることは有名なはなしだミィ
下の子2匹は、このおウチの臭さや五月蠅さが辛いみたいだミィ。上の子はそうでも無いようでお母さんとしては安心ミが、下の子のリアクションの方がタブンネとして正しい気もするミィ...
匂いはどうしようもないミが、五月蝿いのはタブンネさんにとって本当に辛いことなのですミィ
このおウチが一度五月蝿くなると、屋根で反響して地獄のようになるのだミィ
このおウチのお母さんタブンネの中には、自らの手で触覚をちぎってしまったタブンネさんがなんにんか居りますミィ
五月蠅さにも耐えられないし、外敵もあまり来ないし、要は触覚なんて無くてもよいのですミィ。なんなら触覚の無い状態で生まれてきた子がミィのベビちゃんにも居ましたミィ
これはある意味適応変化ですミィ
-
皆さん何故タブンネさんに触覚がついているか知ってますミ?
『脚がおっそいから、遠くの音聴けないと肉食ポケに喰われるからでしょーwww』
とか言って、馬鹿にしないで頂きたいミィ
その通りですミィ。
いや、それだけではないのですミィ。
タブンネさんの触覚は相手の感情や体調を汲み取ったり、タマゴがいつ孵るかわかったりするのは有名なはなしだミィ
だからタブンネさんはその優しさで、他のポケモンさんやニンゲンさんのお役に立てるポケモンなんだミィ
それを食べちゃうだなんて言語道断ミィ
このおウチに外敵があまり来ないのはさっきも言いましたミィか
ここでは読み取れる感情もロクでもミィ
『コワイミィ』『腹減ったミィ』『死にたくミィ』『退屈ミィ』『どうせいつか死ぬミィ』『うるミィ』『クサイミィ』『死にたいミィ』
ニンゲンは
『美味そうだな』『早くデカくなれよ』『沢山産めよ』『良いタブ肉になれよ』
従業ポケどもは
『たぶんねってクサイ』『タブンネってウザイ』『タブンネおもしれ〜。もっと殴りて〜』
....なんだか辛くなってきたミィ
一体何のはなしだったミィか?
そうミィ、ミィの心配ごとミィ。
下の子たち、自分でお耳をちぎったりしてしまわないか心配だミィ
抱きあやしてあげたいミが、ミィの位置から短い腕が届かないミィ
ホントに地獄のような環境ミィ。
アルセウス様、なぜタブンネさんがこんな目に...
ミィの心配はもう一つありますミィ。
ミィのおっぱいのことですミィ
タマゴを産んでから、昨日ミルクをあげた時までパンパンに張っていたミィのおっぱいは完全に萎んでしまいましたミィ
初めてタマゴを産んだ時は、ベビちゃんとお別れしてしばらくしても張っていたのミ
だんだんと元気がなくなってきたミィ
いちおうさっきつねってみたらミルクが出てきたミィけど、ちゃんとベビちゃん達をおなかいっぱいにしてあげられるだろうミか...
どうかせめて、ベビちゃん達とお別れするまで出て欲しいミィ。ミルクのために、好きじゃないゴハンも残さず食べてるのだけれど...
...ミィのカラダ、よく見ると随分ボロボロになったものだミィ...
ミィのおっぱい、最初の子育てをした時は8コあったミィけど、ひとつ無くなっちゃったミィ。気づいたらこうなってましたミィ
残りの7コ全部使えたらいいミが、2つは腐ってしまったようで、絞ってみてもガマン汁みたいな苦い水が出てくるだけですミィ
アンヨも赤黒くて、毛並みも尻尾もボサボサ...
...ミィもきっと、もう若くはないんだミィ。
そういえばミィは自分がなんさいなのかもわかりませんミィ。
ベビちゃん達は大人になる前にいつもお別れだし、ママもしゅっかされたし勿論おばあちゃんも居ません
このおウチのお母さんタブンネさんはみんな同じでしょうミが、月齢感覚なんてあるはずもございまミィ...
-
そう言えばミィのママのことをおはなししていなかったミィね
ミィのママは、“ばあすでえたぶんね”っていう、特別なタブンネさんだったそうですミィ
ママと一緒に居たのはミィが生まれてから大きくなる前のみじかい間のことでよく覚えていまミィが、美しくとっても優しいタブンネさんでございましたミィ
ママは本当に特別でしたミィ
ミィがベビだったころ足をおケガした時、タブンネさんの魔法(普通の癒しの波動)を使って、ミィのおケガを治してくれましたミィ
ママは今でもミィの憧れミィ。ミィもタブンネさんの魔法、使えるようになりたいな...
ママはもの静かなタブンネさんでして、あまり沢山おはなしをしなかったミが、信じられないことに昔ニンゲンのおウチで暮らしていたそうですミィ
ニンゲンとの暮らしをママは詳しく教えてくれませんでしたが、ニンゲンは酷い生き物だと言っていましたミィ
ママのお腹や太ももには、タブ毛もよだつほどの傷がありましたミィ。きっとニンゲンにやられたんだミィ
ママは“たぶんねほごだんたい”って所に引っ越したあと、なんやかんやあってこのおウチに連れられて来たんだとか...
ほごだんたいはタブンネさんで飽和状態になったとか何とか。世の中には酷い目に遭うタブンネさんが沢山居るってママは言ってたミィ
どうしていつもタブンネさんだけが...
ママのお話はやめますミィ
涙が出てきたミィ
・・・
4匹のベビちゃんが生まれて数日が経ちましたミィ
え?◯◯日ってちゃんと教えてほしいって?
それは無理なお話だミィ。ミィにはせいぜい、昨日と今日と明日くらいしかモノ考えられないのですミィ
タブ脳とかバカンネとか言って馬鹿にするのはヤメテ下さいミィ...
ミィのベビちゃん達、まだコトバは可愛いチィチィって声で、アンヨもヨチヨチとしておりますミィ。
ミィんなおめめはパッチリと開いて、綺麗なタブンネブルーが覗いておりますミィ
ミィ〜、実に可愛い姿だミィ!
タブンネを食べちゃう全てのニンゲンにこの姿を見てほしいものだミィ。きっと考えを改めてくれるはずミィ
ミィが教えるまでもなく、ベビちゃん達はちゃんとミィのうしろでオシッコやウンチをしますミィ
やはりタブンネさんは綺麗好きミィ!
-
生まれて数日か…
ミルクしか飲んでない日齢のベビならやっぱ
タブンネそうめんかからしタブンネかなあ
地獄砂糖漬けとか焼いたら皮がクニクニ動く餃子も捨てがたい
ってママンネちゃんたらレシピに迷うような事言わないでよ
-
スクスクと育つミィのベビちゃん達
お母さんとして、本当はベビちゃんの成長ほど嬉しいことは無いのですミが、ミィはふくざつな気持ちミィ
スクスク育つってことは、それだけしゅっかまでの時間が進んでることだミィ。ミィの子育てがニンゲンをよろこばせているようで歯痒いミィ...
・・・この日は悲しいことがありましたミィ
すとおる事故を防ぐために、ベビちゃん達を押し返したらベビちゃんに嫌われてしまったミィ。どうしてこんな箱があるんでしょうミか...
ミィがベビちゃんをだっこできるのは、本当に本当にわずかな時間ミィ...
ごめんネ...ミィのベビちゃん達....
...それだけではございまミィ
おとこのこのベビちゃんが、ニンゲンにオマタを傷つけられてしまったミィ。今までのおとこのこも、ミィんな同じ目に遭わされてきましたミィ
なんでおとこのこだけこんな目に遭うのか最初はわかりませんでしたミが、今ではなんとなくわかりますミィ。
皆さん、大人の♂タブンネさんの後ろ姿を見た事がありますミ?ゆうてミィもあまり見たことありませんミが...
♂タブンネさんは、オマタの間からチェリンボみたいのがぶら下がっているのですミィ
どうやらチェリンボがないと“たねつけ”ができないみたいですミィ
ニンゲンや他のポケモンさんもたねつけをするのでしょうか?
たねつけはミィも何度もさせられてますミが、それはそれは苦痛極まりない時間で...
話が逸れがちで申し訳ミィ。
ミィのおとこのこベビちゃんが傷つけられるのは、チェリンボを取られているみたいですミィ。今思えばおとこのこベビちゃんはみんな大きくなってもチェリンボがありませんでしたミィ
どうしてそんなヒドイことを...
チェリンボがなければおとこのこは何の為に生まれて来たのか...
・・・・
また少し日付が進みましたミィ。
おマタを傷つけられた弟ンネちゃん、アンヨがまったくできなくなってしまいミィ
せっかく可愛いヨチヨチ歩きができるようになったところだったのミ....
でもお姉ちゃんふたりの力を借りて、毎日アンヨの練習をしていますミィ
女の子3匹は、みんな精一杯弟ンネちゃんを励ましていますミィ
なんて優しいタブンネさんなのでしょ!
さすがはミィのベビちゃんミィ!
そもそもおマタを傷つけられなければこんな努力は要らないのですミが....
ミィのベビちゃん達、みんなタブンネさんのコトバをお話できるようになって、ちょっとずつタブ格もこせいがでてきましたミィ
長女ンネちゃんは面倒見のいいしっかり者のお姉さん
次女ンネちゃんは大人しくて、優しいタブンネさん
弟ンネちゃん、おとこのこはこの子だけミィけど、他の子たちとも仲良しミィ。チェリンボさんが無いからなのかな...
妹ンネちゃんは一番甘えんぼさんで、明るくて愛嬌たっぷりミィ
ミィんな綺麗好きで優しくて、じつにタブンネさんらしいタブンネさんミィ!
どうかこの子たちに、たくさん幸せが訪れますようミ...
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たねつけは苦痛なのか〜
その話も見てみたいですミイ
-
newポケスナのタブンネって最初の研究所?にしか出てこないの?
エアプだから誰か教えてくれ..
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>>566
調べてみたらタブンネちゃんは「ベースキャンプ」に出るってさ
エアプどころか未プレイなもんでその研究所? の名前がベースキャンプなのかどうかもわからないけどw
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>>567
ありがとう!
捕食は無理にしても竜族に追われるくらいの描写は見たかったなぁ...
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工場による汚染とか悪い環境で狂ってしまったタブンネとか何か日野日出志作品のような情景がありますな
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...また少しの日付が進みましたミィ
ベビちゃん達の幸せを願うミィですが、中々思い通りにはいかないミィ
こないだ、ベビちゃん達の初めてのオトモダチが、オゲレツなタブンネさんに殺されてしまいましたミィ
オトモダチは肥やしとなり、オゲレツな方はしゅっかされたミィ。
何もかもが地獄ミィ...
あれからベビちゃん達、すっかり元気が無かったミが、さっきミィにとって嬉しいことがありましたミィ。
4ママちゃんていう、ミィのオトモダチがお隣のおウチにやって来たのですミィ!
ミィは4ママちゃんがまだベビちゃんだった頃から知っていて、4ママちゃんのママ、4ババさんってタブンネさんともタブ見知りでございましたミィ
4ババさん.....懐かしいミィ。
今や4ママちゃんも、ママそっくりのべっぴんさんミィ!
それにしても大きなおなか...
どうか無事にタマゴを産んで欲しいミィ
—————
(ここからはミィの回想シーンミィ。どうか心して聴いて頂きたいミィ)
...それはミィが初めて“たねつけ”をさせられて、囲いつきのすとおるへブチ込まれた時だミィ
若かりしミィ
「ミゴッ....ミハッ!ぐる...苦しいミィ....ミスン....ママ!ママ〜!ミィも....ミィも死にたいミィ〜ン!」
4ババさん
「3ママちゃん、そんな悲しいことを言わないでミィ。お腹の中のベビちゃんが悲しむミィ。きっと3ママちゃんそっくりの、可愛いタブンネさんが生まれてくるミィよ!」
ミィ「あなたはお隣のおばさん...。...ベビちゃんなんて関係ミィ!どうせしゅっかされてしまいますミィ!」
4ババさん
「ミィ...。それはそうかもしれないミィけど、でもネ、3ママちゃん。世の中にはベビちゃんのまま誰かに食べられたり、目の前で子供を食べられちゃうタブンネさんが沢山居るんだミィ。だからせめて、一緒に居る間だけでも、しっかりベビちゃんを可愛がってあげなきゃ!考えようによっては、ミィ達は幸せなタブンネさんかもしれないミィよ!」
・・・
4ババさんはミィのママにも負けないくらい優しいタブンネさんで、色んなことを知っている賢タブでしたミィ
他にも色々なおはなしをしたものだミィ
4ババさんは昔、“やぐるまのもり”っていう、綺麗な木が沢山生えてるおソトの世界で暮らしていたそうですミィ
優しい旦那さんとふたりのチビちゃんと暮らしていたそうですミィ。
ある日、産みたての新しいタマゴを守ろうとして、ペンドラアってポケモンに旦那さんはタマゴ諸共殺されてしまったそうですミィ
悲しみに暮れる間も無くその数日後、残ったふたりのチビちゃんと小川へお水を飲みに行った時、ひげもじゃ(タブ舎の飼育員の一人)が突然現れて、チビちゃん達は斧でタブ頭をぶった切られて、4ババさんはもんすたあぼおるってニンゲンの道具で捕まえられて、このおウチに連れて来られたそうですミィ
4ババさんは泣き言を言わないタブンネさんだったミが、なかなか凄惨な過去だミィ...
世の中にはただの1匹も、幸せなタブンネさんは居ないのでしょうミか...
-
ママや兄妹達はしゅっかされ、せまくて地獄極まりないすとおるに閉じ込められ、痛くて苦しいたねつけが行われ、おなかがパンパンになって、この世の苦痛全てを背負って絶望していたミィでしたが、やがてほんの少し元気を取り戻すことができましたミィ
4ババさんの励ましもありましたミが、ミィの初めてのベビちゃん達が生まれたのですミィ!ミィんなそれはそれは可愛いタブンネさんでしたミィ!
最初のベビちゃんは全部で7匹でしたミィ
1匹はすとおるに挟まってローブシンに殺され、1匹はおマタにバイ菌が入って病死、残りの5匹は例外なくしゅっかされましたミィ
すとおるに挟まった子は毛皮がズル向けて即死でしたミィ。剥き出しになったシンゾウやハイがトクントクン動いていた様は未だに頭に焼き付いてますミィ
ビョーキになった子はおマタからじゅんばんに身体中が紫色になって行きましたミィ。可愛いアンヨがドロリと溶け落ちた時は絶望的なキモチでしたミィ
しゅっかされた子達の叫びも忘れられませんミィ
回想シーンですら幸せから絶望までの顛末が早すぎるミィ。
どうしてタブンネさんはフツーの死に方ができないのでしょうミか...
・・・
ベビちゃんがしゅっかされたり死んじゃったりする度発狂ンネに成りかけたミィでしたが、4ババさんが一生懸命に励ましてくれて、何とかタブンネさんらしく生きることができましたミィ。
次々に生まれてくるベビちゃん達、どうせしゅっかされてしまうのだからミィもタマゴを産みたくないのですミが、生まれてきたら生まれてきたでそれはそれは可愛いくて仕方ないという、何とも言いがたい感情ミィ...
それから何週か2つのすとおるを移動するうち、現4ママちゃんが爆誕しましたミィ。
ベビ4ママちゃん
「チィチィ♪オトナリのおねえさん!おねえさんさんはママのオトモダチィ?おねえさんもおソトでくらしていたのチィ?」
若かりしミィ
「ベビ4ママちゃん。そうミィ!ミィは貴方のママのオトモダチミィよ!ミィはずーっとこのおウチに住んでるミィのよ。ベビ4ママちゃんは可愛いタブンネさんミィね〜♪ママそっくりミィ!」
過去のミィのベビちゃんA
「ベビ4ママちゃん!こんチわ!ねえねえ、チィ達としりとりして遊ぼうチィ!」
ベビ4ママちゃん
「チィチィ!じゃあチィのばんチィ!
えーっとじゃあ...、“おぼんのミ”」
ベビちゃんB
「おぼんのミ?えーっとえーっと...
“ミィあどれなりん”!......あれ?...」
.........
4ママちゃんは特に明るいタブンネさんで、ミィのベビちゃん達とも仲良しでしたミィ。
やがて4ママちゃんもおっぱいを卒業して、おソト(雑居房)へ出されましたミィ
おソトに出てからは、ずーっと4ババさんのたねつけすとおる近くに陣取って居たようですミィ
・・・
それからミィもたねつけすとおるに移されて、苦行を終えておなかが大きくなって、またタマゴを産む方のすとおるへ戻された時、4ババさんに最期の時が訪れましたミィ...
ミィは無事にタマゴを産み終わったのですが、ミィより先に移動していた4ババさんはいつまでもタマゴが産まれず、おなかが大きいままずうっと苦しんでいましたミィ...
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やはりベビが呆気なく死ぬ所はたまりませんな
ところでこのSSに出てくるストールという物がうまく想像できないのですが
リアルの畜舎にある牛が頭だけ出して飼料を食べてる鉄柵みたいなやつですかね?
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>>572
ストールの解釈はそれでいいと思うよ
自分はリアルにYouTubeのブタ飼育動画想像してたけど
大切に細やかにお世話されてるそこのブタさん達と違うのがタブンネならではなんだよな
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劣悪な方の動画ももちろんあって元ネタの子ブタやヒヨコは心が痛むんだが
某国がベビンネを床に次々と叩きつけてる奴とか
ブロイラー子タブンネの50日間として出荷されていく子タブンネ達がまだベビ上がりの日齢なもんだから
怯えてチイチイ悲鳴を上げて泣き叫ぶ映像と共に
「タブンネ達はまだ赤ちゃんのうちに出荷されます」と解説されつつカゴに詰められていくのは凄くいいね
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4ババさん
「ミグフンッ....!ミフン!ミフンッ...!お....おかミィ...
もうとっくに産まれるハズ......ぐるしぃ...
おマタが張り裂けそうだミィ....」
チビ4ママちゃん
「ママ!どうしちゃったミィ⁉︎だいじょーぶ⁉︎ママ!しっかりして...!」
若ミィ
「4ババさん、ラミィズこきゅうミィ!ほら、ミッ!ミッ!フゥー!ミッ!ミッ!フゥー.......」
4ババさん
「あ....ありがどミィッ。チビぢゃんだぢ...3ママぢゃん....ミ゛ッ!ミ゛ッ!ブミィガッ...?グギャミミ゛ィ〜⁉︎オゴがガガガが....!!」
ブジュッ!グニュニュニュニュ.....
声がおかしいのを感じて心配になるや否や、4ババさんが大声ををだして、変な音が聞こえてきましたミィ
チビ4ママちゃん
「ミ゛ミ゛ィーッ!!ママ!ママだいじょぶ!?ミ゛ーッ⁉︎ミ゛ャーッ!3ママお姉ちゃん!ママ゛が!ママのおマタからヘンなブヨブヨが出てきたミィ!」
ミィの位置からはなんとなくしか見えませんでしたミが、4ババさんはおマタが張り裂けて身体の中の大事なモノが飛び出したのですミィ
これは後から知ったことですが、飛び出してきたのはニンゲンのコトバで言う、“しきゅう”というモノですミィ。
?「....ビャッ....ブググッ....パ....ププッ.....」
チビ4ママちゃん
「ミミ゛ーッ!たいへん!ブヨブヨからベビちゃんのアタマが!まっかっかミィ!血だらけミ゛ィ!」
若ミィ
「ミィ⁉︎ベビちゃんが⁉︎でもどうして⁉︎タマゴも産まれてないのに....??」
4ババさんはいわゆるさんらんいじょうというヤツでしたミィ。
ミィも難しいことはよくわかりませんが、ポケモンの産道はツルツルしたタマゴは通れても、ベビちゃんのようなフクザツなカタチをしたものはツッかえてしまうのですミィ
——
やがてニンゲンがやって来ましたミィ
ニンゲンA
「うわー...なんかタブだかりできてると思ったら....やっぱり産めんかったか〜。よりによってこのクソ人手足りねえ時に...」
ニンゲンB
「おいおい。オマエ今処理しようとしてる?今無理だぞ。早く積まねえとトラック出ちまうぞ!ただでさえ今タブンネだらけなんだからこの畜舎。4はとりま放置!死んでからミキサーでいいよ!」
若ミィ
「ミィッ!ニンゲンさん!4ババさんが大変ですミィ!早く!早く治してあげて!」
チビ4ママちゃん
「ベビちゃんも!ベビちゃんも居るのですミィ!お願いします!早くしないとふたりとも死んじゃ.....ミ゛⁉︎ミギャーーッ...!」ドサッ
囲いの前に張りついていた4ママちゃんが突然吹っ飛びましたミィ。それはニンゲンに追随していたズルズキンというクソポケのしわざでしたミィ
クソズキン
「プギャーーwwwなんだコイツwwwマタからクソ垂れてやんの!タブンネマジサイコー‼︎」
若ミィ
「グミィ‼︎なんてこと言うミ゛ィ!いま4ババさんがどれだけ苦しんでると思ってるミィ!あやまれミィィィィッ!」
クソズキンは囲いの中を見て、ほーふくぜっとうしながら涙まで流してましたミィ。
コイツは本当にイジワルなのですミィ!
絶対ロクな死に方できないミィ!
ニンゲンA
「おーいズキン!構うなよそんなヤツ!早く手伝ってくれ!超急ぎなんだよ今!」
若い頃のミィにとって信じられないことでしたが、ニンゲンは何事もなかったように4ババさんをほったらかしにして、しゅっかタブンネさんを捕まえ始めましたミィ
クソズキンはミィにアッカンベーしたあと、ニンゲンについて行きましたミィ
......この時ミィはある程度このおウチの事をわかっていましたミから、ニンゲンが酷い生き物なのは知っていましたミィ。
しきゅうから出てきたベビちゃんを助けてもらえないのはなんとなくわかって居たミが、それでも4ババさんは絶対助けてくれると思っていましたミィ。
なぜならばミィや4ババさんのようなお母さんタブンネは、ワリと丁重に扱われるのですミィ。
しかし現在は非情でしたミィ。
ちなみに4ババさんはニンゲンにも恨み節を決して言わないタブンネさんでしたミィ。
その4ババさんを裏切るなんて...
この時からミィは絶対にニンゲンを信用しなくなったミィ......
-
チビ4ママちゃん
「ミグン...ッ。イ....イタイミィ...。ミミッ⁉︎ミィーッ!ニンゲンさん!どこ行くミィ⁉︎ママのこと見て!ママはビョーキなのですミィ!早く!早くママとベビちゃんを助けて!」
若ミィ
「チビ4ママちゃん!ニンゲンはアテにならないミィ!!早く戻ってきて!みんなでベビちゃんを助けてあげなきゃ....!」
—
※4ママは5兄妹であった。
長兄ンネ、次男ンネ、4ママ、三男ンネ、妹ンネの順。
この時次男ンネは両脚の障害から既に出荷済み、妹ンネは所謂未熟児個体で、他に比べ体躯が小さく、知恵も遅れていた。
兄妹は不仲なわけではなかったが常にベッタリというわけでもなく
長兄ンネ、三男ンネはそれぞれ雑居房をいつもトテトテ巡回し、他タブとも仲良し
4ママと妹ンネは常に一緒に居て、排泄、食事以外の時間はずっと4ババ囲いに張りついていた
飼育員が気づくのに先駆け、長兄三男も囲い前に合流していた
4ババの子タブ達は例外なく母によく懐いていた
—
長兄ンネくん
「ミッ!ミミィ〜!...ママ、待っててミィ!今すぐ助けに...」
ニンゲンが役立たずだと察するや、長兄ンネくんと三男ンネくんは必死に柵を越えようとピョンピョンしだしたミィ
しかし悲しいかな、ふたりともまだチビちゃんミィから、全然届かミィ。
若ミィ
「長兄ンネくん!キミのじゃんぷでは柵を越えられミィ!ふたりで肩車して、だれかひとりが中に入るミィ!!」
チビ4ママちゃん
「ミハァッ!ミハァッ...!ミィが行くっ!お兄ちゃん、三男ンネ!ミィを持ち上げて!」
4ママ妹ンネちゃん
「おねえちゃ!おにーちゃ!はあくはあく!ママちんじゃう!」
クソズキンに投げ飛ばされた4ママちゃんが猛スピード(おそい)で戻ってきて、囲いの中へ入り込みましたミィ
見事な兄妹の連携プレーでしたミが、褒めてる場合ではありませんでしたミィ。
一刻も予断を許さミィ
4ババさん
「...ミガッ...ミフッ....ァァッ..ググッ......
チビ4ママちゃん
「ママ!ママしっかり!ミィが見えるミィ⁉︎今たすけ....ミ...ミィ....そういえば助けると言っても何をどうすれば....」
4ババさん
「....ミハッ...?そこ....に居る...のチビ4ママちゃ....ミィ?
....ミィはもう....ダメ...ベビチャ...を...」
死にそうな状態になって尚、4ババさんはどこまでも賢タブでしたミィ
4ママちゃんはオロオロするばかり。
4ババさんの覚悟を察してミィも涙腺が崩壊しそうでしたミが、必死に4ママちゃんにはなしかけたミィ
若ミィ
「チビ4ママちゃん!ブヨブヨからベビちゃんを引っ張り出してあげて!まだちゃんと生きてるミィ!」
恩タブとそのベビちゃんが半死じょうたいだというのに、ミィはしゃべることしかできなくてそれは辛かったミィ....
それでも4ママちゃんは必死にミィの指示を聞いて、ベビちゃんをしきゅうから救出したミィ
チビ4ママちゃん
「3ママお姉ちゃん!ベビちゃんが出てきたミィ!でも血だらけで苦しそう...!」
若ミィ
「ベビちゃんはきっと息ができないんだミィ!チビ4ママちゃん!ちょっと大変ミが、お鼻の周り舐めたげて!」
.....
チビ4ママちゃん
「ミゲホッ!...ペッペッ...ミィ...ニガくて気持ちワルイ....さあベビちゃん!お鼻キレイになったミィ!頑張って息してミて......⁉︎ミィァァッ⁉︎3ママお姉ちゃん!この子お鼻が無いミィ!」
みんな決死の思いで救出したベビちゃんは、“きけい”のベビちゃんでしたミィ。
...その後なんやかんやあって、ベビちゃんは死んでしまいましたミィ....
ミィはお医者さんじゃないから詳しくわかりませんが、息をするためのカラダができていなかったみたいですミィ....
仕方のないことですミィ。そもそもポケモンはタマゴから産まれて来なくてはいけないのですミィから...
4ママちゃんや兄妹ンネちゃん達は大泣き、ミィも悲しさと虚しさで涙が止まりませんでしたミィ...
-
奇形ベビちゃんでも頑張って助けようとする優しさとそれが無駄に終わる儚さ、たまりませんな
チビンネ章も楽しみにしてます
この健気なベビたちが出荷の所なんか特に
-
4ババさん
「ミグッ...ミハァミハァッ......そこにいるのチビ4ママちゃんね...?どうか...泣き止んでミィ....ママのおはなし....ッよく聞いてミィ....!」
ミィを含めシクシクミィミィというみんなのタブ泣きが響き渡る中、しゃべり始めたのはなんと瀕死の4ババさんでしたミィ
チビ4ママちゃん
「ミ゛ッ...ン??ミィ!ママだいじょぶなのミィ⁉︎そうミィ!ここに居るのはミィ!ちゃんと聞くミィ!おはなしして....!」
4ババさん
「..ッ...チビ4ママちゃん...。ママは...もうすぐお別れミィ...きっとママがい...居なくなったアト....貴方がこのストールに入ることに...なるミ゛。....なかなか.....ストールでの生活は地獄ミィ。...でも最後まで...希望を捨てミィで...アルセウス様が...グホッ!」
ハッキリとは見えなかったミが、4ママちゃんはババさんの手を握って、コクコク頷きながらシンケンにおはなしを聞いていたミィ。
シンケンに聞いていたのはミィも同じミィ。
4ババさんは時々吐血しながらも、必死にコトバを紡いでおりましたミィ...
4ババさん
「3ママちゃん...聞こえるミィ..?今までアリガトミィ....ハァ...ハァッ!あなたがおはなし相手になってくれて、とっても楽しかったミィ...!ミィのチビちゃんのコト....どうかヨロシク....ネ...」
若ミィ
「4ババさん!聞こえてますミィ聞いておりますミィ!!お礼をしなければいけないのはミィ!今まであじがどう゛ございビィ〜ッ!」
チビ4ママちゃん
「ミミィッ!オワカレって⁉︎ママ!ママしっかり!」
4ママ妹ンネちゃん
「チュミィ!ママおめめがまっしろ!ミィにもオハナシしてオハナシして!チュビャ〜〜ン!!」
...きっとこの時4ババさんは、もう目が見えていない状態だったのですミィ...
無垢な4ママ妹ンネちゃんの大泣きにつられて、またミィ達全員のカワイイ泣き声がコダマしましたミィ....
——
...4ババさんに異変が起きてからどれくらい経ってからでしょうミか...
シゴトがひと段落したらしく、さっきのふたりのニンゲンとクソズキン、それからダゲキってポケモンがやって来ましたミィ
この時4ババさんのイキがさっきより落ち着いていて、ひょっとして治してくれるのかと期待したミィでしたが、想像のキャパシティを超えるさんげきが待っていましたミィ。
チビ4ママちゃん
「ミィッ!やっと来てくれたミィ!早く!早くママを助け...
ニンゲンA
「なんだなんだ。なんでチビ1匹中入ってんだ?...うわマジ?4番まだ生きてますよ!?」
ニンゲンB
「バーカそりゃ生きてるだろ。脱腸くらいじゃ死なねえよ。タブンネってスゲえ生命力なんだから....」
ミギャア! ブヒッ! ミギュッ! ....
囲い前に集まっていた兄妹ンネちゃん達をらんぼうに投げ飛ばしながら、ニンゲンはズカズカと囲いの中へ入っていきましたミィ
ニンゲンB
「あーやっぱタマゴできなかったんだな。もう出てきてたわ」
チビ4ママちゃん
「ミィーッ!ベビちゃんに何するミィ⁉︎かえしてかえして...!」
4ママちゃんがずーっと大事に抱いていたきけいベビちゃんのムクロをニンゲンが取り上げて、らんぼうにゴミ袋の中へ突っ込みましたミィ
-
ニンゲンA
「へー、卵できてなくてもちゃんとタブンネの形になるんすねぇ。コレ肥やしっすか?」
ニンゲンB
「いや、アドレナリンなきゃ大した養分ねえだろうからなあ。後でその辺のマメパトにでもやっていいよ。それよりどうする4の処分?今やっちゃうか?昼休み削れるけど」
ニンゲンA
「午後便で出すんじゃないんすか?午後だけで3ピストン(トラック3往復の意)あるんすよ。どっかに混ぜれば..」
ニンゲンB
「いや、出しちゃダメだよコイツ。オレが獲ってきた完全野生だから4は」
ニンゲンA
「へー野生って出荷できないんすか?でも3の先代って出しませんでしたっけ?」
ニンゲンB
「アレは保護団の譲渡で、しかもポケセンの出生だったから。完全野生は衛生法でプロセスできねえんだよ。オマエもタブ産やるならもっと色々覚えろ」
....必死にベビちゃんを奪還しようと跳ね続ける4ママちゃんのことなど全くムシして、ニンゲンはよくわからん談義で盛り上がってましたミィ。
・・・
ニンゲンB
「...よし。じゃあ運ぶぞ。歩けるかオマエ?ありがとうな4ママちゃん!オマエのおかげで一儲けさせてもらったわ。最後の一仕事だ。頑張ってくれ!」
ニンゲンA
「ママってか完全ババアっすよねコレ。よく妊娠できたなあ...。何才なんだろ?」
チビ4ママちゃん
「ミ゛ィッ!ミ゛ー!!ママをどこ連れてくミィ⁉︎ビョーキなんだミィ!らんぼうしないで...
ニンゲンA
「うっせえなあ!邪魔!オマエ!」ポフッ!
ミギャーん!
ニンゲンB
「おーい腹蹴るな!たぶん実子だろソレ?次世代候補たしか1匹しか居ねえはずだから」
ニンゲンは囲いを開けると、4ババさんの両脇を抱えて引き摺るように連れ出しましたミィ
長兄ンネくん
「ミィッ!ママッ!ママをどうする気ですかミィ⁉︎」
4ママ妹ンネちゃん
「チミィチュミィ!ニンゲンさん!ママにイジワルしちゃヤンヤ!」
さっき投げ飛ばされた兄妹ンネちゃん‘sが再び集まってきたミィ
4ババさんは子供達の前でもニンゲンのことを悪く言わないタブンネさんでしたミが、この時チビちゃん達は危機を察していたようですミィ。
殺される時とか、死ぬ時というのは教わらなくてもわかるものなのですミィ。生き物の不思議ミィ
ニンゲンB
「1,2,3....中にいるヤツ含めて4。コイツらたぶん実子だな。ついでだから“見せしめ”やろう!おーいズキン、ダゲキ!コイツら捕まえて!」
クソズキン
「プギャーハハハ!やったなオマエら!めっちゃ良いモン見れるぜ!超ラッキー!!」
ダゲキ
「・・・・」
なぜそんなコトをするのかこの時わかりませんでしたが、兄妹ンネちゃんが次々捕らえられましたミィ。
...悍ましい出来事が待っていましたミィ...
ニンゲンの考えることは狂ってるミィ......
-
4ババの娘は4ママだけじゃなくて妹もいるのに
なんで次世代候補が1匹だけなんだ?
長女ンネ以外の♀タブは一律出荷組ってことかな
-
ニンゲンA
「うーんやっぱ歩けんすね...。両脚痙攣してますわ...」
ニンゲンB
「てか随分重くねえかコイツ?子宮引き摺んのかわいそうだけどしゃーねえな。最後の苦労だ!我慢してくれ!」
若ミィ
「ミィッ!なんてらんぼうするミィ!優しく扱えミィッ!ちゃんと治療してミィよ!」
4ババさん
「...イダッ!いだミィ痛ミィッ!...ハァッ...ハッ....
...3ママちゃん....どうか取りミィださないで...ミッ...ミィは....先に天国に行くだけミ゛ィッ....バイバイミィ...。サヨナラ....3ママちゃん....ッ..!」
ミィや兄妹ンネちゃん達が返事やリアクションをする間も無く、更なるヒゲキが畳み掛けて来ましたミィ...
ズリュッ....ブポッ!...ズボッ!...ボトッ、ボトッ
「ヂビィッ!...ヂプァッ....」「...チ....ゴォッ...」
引き摺られて破れかかった4ババさんのしきゅうから、ふたりのベビちゃんが落ちて来たのですミィ!
やはり血まみれで、濁った苦しそうな泣き声をしていたミが、さっき死んじゃった子よりも大きく、たまにいる小さいベビちゃん(未熟児ベビンネ)くらいの大きさでしたミィ
さっきの子よりは元気で、手脚を必死にパタパタ動かしていましたミィ。
三男ンネくん
「ミ゛ミィーッ!ブヨブヨからまたベビちゃんが出てきたミィ!どうしよ...ママ!ベビちゃんが....!」
三男ンネくんがいち早くベビちゃんの存在に気づいて、長兄ンネくんと4ママちゃんもみんな必死に身体を捩ったミィけど、ダゲキとズルズキンに首根っこをガッシリと掴まれていて、まさに手も足もでミィ...
モブタブンネくんA
「なんだミィ!なんだミィ!あーっ!おソトにベビちゃんが落ちてるミィッ!」
モブタブンネちゃんB
「ホントだ!ベビちゃんだミィベビちゃんだミィ!でも血だらけミィ!なんかコワイミィ〜」
・・・
おソト(雑居房)にいた他の子達もベビちゃんに気づいて、ちょっとしたタブだかりができましたミィ
子供達は純粋ミィから、ちょっと珍しいことが起こるとミィんなキョーミが湧くんだミィ。おソトにベビちゃんが居ることはまず無いミィから....
若ミィ
「4ママちゃんたち!ベビちゃんはミィに任せて!今は4ババさんに付き添ってあげて!おーいだれかーッ!ベビちゃんをミィのところまで連れてきて!だれか!早く早く!」
このときミィが考えていたのは、ふたりの生まれたベビちゃんをミィが育ててあげることでしたミィ
このおウチ(タブ舎)には、“さとご”ってしすてむがあるのですミィ。
要は産卵でお母さんタブンネが死んでしまったり、おっぱいが満足に出なくなってしまったりした時に、他のお母さんタブンネが代わりにベビちゃんを育ててあげることですミィ。
タブンネさんは優しいポケモンミィからね。
ちなみにミィはこれまで3匹のさとごベビちゃんを育てたことがあるミィ。3匹ともしゅっかされてますミが...
必死に野次馬ンネちゃん達に呼びかけたミィでしたが、みんなタカってはいるものの、一定の距離を取って、中々誰も動いてくれまミィ
だれもベビちゃんを抱きあやしたりしたことなんてないし、勝手な行動をしてニンゲンに蹴られたりするのもコワイだろうし、何より血だらけで泣き声もヘンだから不気味だし...、様々な事情があったのでしょうミィ
今思えばですが、さっきメソメソ泣いていた時に、ミィがもっとしっかりしていればよかったのですミィ...。
耳を澄ませば心音に気づけたハズですミィ...
いじょうじたいでそんなココロのよゆうが無かったのですミィ...
-
そうこうしているウチに4ババさん一行はズルズルと遠ざかってゆき、ベビちゃん達は少し動きが鈍くなってきたミィ。きっと上手くイキができなかったんだミィ
ニンゲンA
「なんかウルセエな...、あーっ!軽くなったと思ったら!もう2匹産み落としてやがる!どうします?生きてるみたいっすよ?」
ニンゲンB
「コイツもう全く卵殻できねえ身体だったんだなきっと...。とりま放っとこう。時間もねえし、直産って95パーくらい自然淘汰だから。誰か喰っちまいそうで嫌だけどな...。クセになると面倒だけど、コッチも急ぎだし...」
早くしないとベビちゃんが呼吸不全で死んでしまうのを心配したミィでしたが、最期はもっと惨いものでしたミィ...。
モブタブンネくんC
「ブミィブミィ!ニクだブヒィ!ニクだブヒィ!」
モブタブンネくんD
「ぜっこーきブミィ!ニンゲンもみてないブミィ!でも血がネチョネチョしてるブミィね...」
野次馬を掻き分けて、ふたりのオゲレツタブンネさんがベビちゃんを掴んだのですミィ!
ミィ「オマエらッ!何する気ミィ!ベビちゃんをミィにわたし....」
グチィッ!ブチャッ!
「ギギィャーーーーーーーッッ!!」
「ア゛ア゛グヤァーーーーーーーーー゛ー゛」
......皆さんは赤ちゃんタブンネが食べられるトコロを見たことがあるでしょうか...
少なくともタブンネが食べてるトコロは見たことがないでしょう...。通常自然界では起こらないことだと思いますミィ...
「ミィーッ!キモチワルイミィ〜!」
「逃げろ!逃げろミィ〜〜!」..........
ァァ゛---ッ.......ギッ.......ッ.......
野次馬ンネちゃん達が一斉に逃げ出したので、ミィはハッキリとそれを見てしまいましたミィ...
ホントはまだ閉じてるハズのおめめがギョロギョロと動く様子。信じられない速さで動く尻尾。ボタボタ落ちてくるカラダの中のモノ。ブチュブチュというおにくが千切れる音...。ベビちゃんの最後の声.....
またたく間に、ベビちゃんだったモノは2つの血溜まりに変わりましたミィ
ミィからベビちゃんまでの距離はほんのわずかだったのミ...。こんな箱がなければ....
チビ4ママちゃん
「ミィーッ⁉︎今のコエはナニ⁉︎まさかベビちゃん⁉︎」
長兄ンネくん
「きっとそうだミィ!ダゲキさん!お願いミィ!ボクをはなして!大変なんだミィ!」
兄妹ンネちゃん達はベビちゃん達のだんまつまに気がついて、今一度バタバタ暴れ出しましたミが、ダゲキやズルズキンが彼らのお願いを聞くわけもなかったミィ。
ミィはただ涙が溢れて、なにも言うことが出来なくて、ただただ彼らの後ろ姿を見ていたミィ
この時4ババさんは泰然タブ若としていましたが、やがて背中がプルプルと震えてきましたミィ。
きっとベビちゃん達の悲鳴に心を痛めていたんだミィ。そのヒサンな残骸(ほとんど血だけ)を見なかったことが、4ババさんにとってせめてもの救いだったように思いミィ....
-
どんどん遠ざかってゆく4ババさん。
その道スジを見て強烈な悪寒が立ち込めてきましたミィ。向かっているのは“みきさあ”の方角でしたミから....
やがてミィの位置からは完全に姿が見えなくなってしまいミィ...
・・・・
ニンゲンB
「よーしじゃあやるか。オマエらちゃんとママの最後見とけよ。しっかり旨味溜めるんだぞ〜」
クソズキン
「わーいわーい♪お楽しみ!タブンネはコレがお似合いだぜ〜」
4ママ妹ンネちゃん
「チミィチミィ♪おたのしみってなんだミュチィ?このハコおもちゃなのミュミィ?」
モブママンネさん(22番)
「ギャミー‼︎みきさあが始まるミィ‼︎イヤーーッ!ミィャァーー!」
モブママンネさん(19番)
「あなた!これまでよく頑張ったミィ!決して悲観しないで!きっと天国に行けるミィから!南無阿弥タブツ。南無阿弥タブツ...」
周辺が騒がしくなってきましたミィ...
....ミィのイヤな予感は当たってしまいました...
...まさか4ババさんがみきさあにかけられるなんて...。しかもどうやら子供達の目の前で...。なんでそんなヒドイことを...。どうして4ババさんがこんな目に....許されミィ...!
ミィの生涯で、みきさあが起動されたことはこれまで2,3度ありましたミィ。
ミィは遠い位置に住んでますからそれを見たことはありませんが、みきさあとはタブンネさんを殺戮するニンゲンの兵器のことですミィ。それはそれはコワイ音で、いつももの凄い叫び声が聞こえますミィ
タブンネさんがなぜみきさあにかけられるのかよくわかっていませんでしたミが、てっきり悪さをしたオゲレツタブンネさんが殺されるのだと思っていましたミィ。
まさか優しい4ババさんが殺されるだなんて...
ビョーキだから治してもらえるなんて希望をチラッと持ってしまったミィが恥ずかミィ。4ババさんはきっと、しきゅうが飛び出した時にこの運命をわかっていたのでしょうミィ...
•••ギュいーーーーーーーーーーン..!!
ブチャッ!グジュルジュジュジュ....!!
4ババさん
「ア゛あ゛がーーーっ!!ギギギグぐっ..!!聞いでミィーーッ!ビィのごどもだちッ!しんあいなる同胞たちッッッ!4ババ死すともタブンネ死せずビィーッ!どうがっ!どうかみんなタブンネの誇りをっ!み゛んだで助けあって生ぎるミィーッ!タブンネは優しい生き物ミ゛ミ゛ィーーッ⁉︎オゴガガガガグガげべべベッ......」
「ミィーッ!マ゛マ゛ッ!マ゛マ゛ーーーーーーッッ!」
「ママ⁉︎チミャ〜ーーーーッ...チゴプルルルッ.......」
「イヤ゛ーーーッ!ヤベでっ!!ニンゲンざんっ!!ごのキカイを止めでぐだざいビィ〜〜〜ッ!!!」
・・・・・
姿は見えなくとも、4ババさんの最後のコトバを、ミィはしっかりと聞き届けましたミィ...
カラダが震えて涙とウンチとオシッコが止まりませんでしたミィ...
名えんぜつというのはどこの世界にもあるモノですミィ。4ババさんは最後まで強く優しい、偉タブでしたミィ...。
ミィにとってふたりめのママが殺されたも同然の出来事でしたミィ。
-
悲劇から立ち直る間も無く、次のゲンジツがやってきましたミィ。その時のミィのタマゴが孵化したのですミィ
親愛なる4ババさん、同じお母さんタブンネの仲間が殺されちゃって何もかもイヤになっていたミィでしたが、身を奮い立たせてゴハンを食べ、ベビちゃんにおっぱいをあげて、おハナシを聞かせてあやして、一生懸命愛情を注ぎましたミィ
生まれてくるベビちゃんは何も悪くないミィからね。
....それでも気が気ではなかったミィ。4ママちゃん達が心配で心配で...。
しばらく経っても、4ママちゃん達はミィのトコロにはやって来ませんでしたミィ
よく考えたら4ママちゃんはきっとたねつけをする方のすとおるに閉じ込められたんだと気づきましたミィ。こんな狭苦しいすとおるの中で悲しんでると思うとフビンでならないミィ。
4ママ妹ンネちゃんも心配ミィ。カラダも小さな子でしたし、いつまでも幼くてとっても純粋な子でしたミから...。
きっと4ママちゃんのすとおるの近くに居て、ふたりで静かに過ごしているだろうと都合の良い想像をしていたミィでしたが、ゲンジツとはいつも辛いモノですミィ....。
4ババさんが死んじゃった次の日、いやそのさらに次の日、いやいやさらに次の日だったでしょうか。よく覚えていませんミが、見慣れないふたりのやつれたタブンネさんがミィの囲いの前までトボトボやって来ましたミィ。そのコエを聞いてギョッとしましたミィ
「3ママお姉さん、ママが....ママがニンゲンさんに殺されちゃったミィ...」
ミィ「ミィーッ!そのコエはっ!長兄ンネくんミィ‼︎?じゃあひょっとしてオトナリに居るのは...」
三男ンネくん
「そうミィ、ボクは三男ンネ。もうイヤミィ...ボクも死にたいミィ....
ミィ「ふたりとも!気を確かにするミィ!キミ達は4ババさんのブンまで生きなくちゃ...!ところで4ママ妹ンネちゃんは⁉︎4ママちゃんのトコロに居るのミィ⁉︎」
長兄ンネくん
「...ミスンミスン.....。3ママさん、妹ンネは死んじゃったミィ。みんなでママが死んじゃうトコ見せられて、その時アワ吹いて倒れちゃって...、そのままオタブツミィ....」
ミィ「...そんな....ッ......」
なんて言ったらいいのか、ミィには続くコトバが出てきませんでしたミィ
4ママ妹ンネちゃんの精神では、きっと刺激が強すぎてショック死してしまったんだミィ
仕方がないミィ。大好きなママが目の前で惨殺されたのですミィから...
-
数日前まで可愛くて元気いっぱいのタブンネさんだった長兄ンネくんと三男ンネくん
廃タブの如く生気を失ってミィの囲いの前で、いつまでもヘタり込んでいましたミィ
ミィの指示によって少しだけゴハンは食べましたが、それから一言も喋らず過ごしていましたミィ
・・・
彼らがやって来て次の日のことでしたミィ
ふたりはニンゲンに捕まえられ、朝のとらっくに乗せられてしゅっかされましたミィ
ニンゲン曰く“みぃあどれなりん”がおーばーふろうしただとか何とか
要は元気が無くなって、大きくなれなさそうだからしゅっかされたみたいですミィ。あんなヒドイことをしておいて、ニンゲンはなんて勝手な生き物ミィ!
みぃあどれなりんってなんなんだろミィ....
ふたりはたいした抵抗も見せず、ミィにひとことお別れを言って、トボトボととらっくに乗せられてゆきましたミィ
ミィの位置からとらっくはハッキリとは見えないのですミが、彼らの悲壮なうしろ姿と、一際小さなカラダ(出荷ンネの中で)が切なくてたまりませんでしたミィ....
•••ニンゲンは許せミィが、彼らにとってこれは幸せなことだったと思うことにしておりますミィ。きっと4ババさんと同じ天国に行けるでしょうミから...。
こんな死に方を幸せと言うのもヘンなおハナシな気もするミが....なんて狂った世界だミィ。
—————
昔のハナシはおしまいにするミィ
長くなって申し訳ミィ
今いったいなにを....
ミィ!そうだミィ!さっき4ママちゃんがおトナリに来たんだミィ!
連れられてくる時に見たケド...ホントに大きなお腹だったミィ....。なんだか4ババさんの最後の時に似て....
ミィッ!そんなフキツなことは言うもんじゃないミィよね。4ママちゃんはミィよりずっと若くてピチピチタブンネさんなんだミィ
きっと無事にタマゴが産めるハズだミィ!
ミィの4匹のベビちゃん達、さっき4ママちゃんに怒られて、今はミィのすとおるにしがみついています。
でもミィんなチラッチラッて4ママちゃんを気にしてるみたいミィ。とってもいじらしいミィ!オトナリは今まで誰も居なかったものね。気になるよね。
さっきは怒っていたけれど、4ママちゃんはホントはとっても優しいタブンネさんなんだミィよ。ベビちゃん達もそれがわかってくれたら嬉しいミィ。
-
4ママちゃんがオトナリにやって来た次の日のことですミィ
4ママちゃんの産卵がはじまりましたミィ
オトナリでお母さんタブンネの産卵が始まっても、もちろんミィはお手伝いすることができませんミィ。すとおるに閉じ込められていますから....
産卵がとても大変なコトだとゆうのは皆さん想像に易いと思いますミィ
4ババさんの例からもわかるように、まさしくいのちがけミィ!
(妊娠促進剤と多量排卵の所為。野生や育て屋はこのタブ舎に比べかなり低リスクでほぼ安産)
産卵しているお母さんタブンネの前をたまたまニンゲンが通りかかると手伝ってくれることもあるミが、今は全くその気配が感じられミィ。
まったくニンゲンは何してるミィ!
タブンネさんのタマゴをなんだと思ってるミィ!
——
産卵が終わってしばらくして、ようやくニンゲンがタマゴを取り上げて、ほるだあってゆうボウの上にタマゴを嵌めてゆきましたミィ
4ママちゃんのタマゴ...、1,2,3....全部で5つミか。大変だったでしょう....。どうか母子ともに無事であって欲しいミィ。今4ママちゃんはあおむけに横たわっています。
え?すとおるに居るのになぜタマゴの数がわかるかって?ミィ達タブンネさんのおミミはとっても高度なのですミィ。見えなくたって鼓動の数を数えることなどお茶の子みぃみぃミィ!
.....そんな自慢をしている場合ではミィ。
タマゴは5つって言いましたミが、実はひとつ、産んでる途中に割れてしまいミィ
すとおるの中でタマゴを産んだせいですミィ
あっぱくされてハレツしてしまったのですミィ
なんでこんな狭い場所でタマゴを産まなければならないのでしょうミか....
タマゴが割れちゃう音もそうだし、中から出てきたベビちゃんのコエもそれはそれは可哀想なモノでしたミィ
ふつうタマゴが孵るまでは2,3日かかるミィからね。きっとカラダも凄く小さいし、イキも上手くできなかったことが想像されますミィ
どうか広くて綺麗な草むらでタマゴを産みたいものだミィ。なぜいつもタブンネさんだけがこんな目に....
不満を言っていても仕方ないミィよね...。
今はとにかく4ママちゃんと、産まれたタマゴを心配しなくては!
4ママちゃんは死んでしまうことはなかったミが、ハァハァッってイキが苦しそうミィ
タマゴもニンゲンが来るまでミシミシってイヤな音が聞こえていたし、中のベビちゃん達が心配だミィ....
-
さらにその翌日のことですミィ
朝、ミィが起きたら4ママちゃんはすでに起きていて、ガツガツと餌箱を貪っていましたミィ
元気でよかったミィ〜!
あたりまえミィよね!4ママちゃんはまだまだ若タブさんなんだから!それにしても凄い勢いミィ...
ミィ「4ママちゃん!おはミィ!元気で良かったミィ!」
4ママちゃん
「ビフンッ!うっせえミ!」ムシャムシャ...
ミフフ、もう話しかけるのはやめるミィ。ホントに元気で良かったミィ!
聞こえるベビちゃんの鼓動も1,2,3,4,5。タマゴも無事みたいミィね。何もかもが順調ミィ!
まぁベビちゃんはどうせいつかしゅっかなのですミが...
ミ?4ママちゃんのキャラが回想シーンと全然違うって?
それは仕方のないことですミィ
4ママちゃん、今はちょっと乱暴なコトバづかいになっていますが、最初のベビちゃんを産んだ時はそれはそれは優しいお母さんでしたミィ
しかしその子達と引き離されて、挙句しゅっかされてしまってから、タブが変わってしまったのですミィ
これはお母さんタブンネなりの処世術なのですミィ。
まともな感覚でいたら狂ってしまいますミからね。なんせ精一杯の愛情を注いで育てたベビちゃんがしゅっかされるのですミから....。
ミィの知ってる他のお母さんタブンネにも、タブが変わってしまったタブンネさんがおりますミィ
4ママちゃんはまだマシな方なんですミィよ。
お母さんタブンネのタブが変わってしまうと、コトバづかいが悪くなったり無口になったりするだけでなく、聞こえる鼓動がポケモンではないみたいになったり、ベビちゃんをムチャムチャ食べちゃうタブンネさんになったり....
4ママちゃんはコトバづかいこそ少しオゲレツですミが、聞こえてくる鼓動は昔と変わらない、トクントクンって優しい音ですミィ。
上手く言えませんミィけど、ニンゲンのコトバでゆうところの“えんぎ”をしているようなモノだとミィは思っています
なんだかミィの触角、某ハンター漫画の某念能力者みたいになってるミィね...
まったく物語によっていろんな設定がつけられるものだミィ
どうか皆さんもっとタブンネさんをリスペクトしていただきたいミィ....
妹ンネちゃん
「チィチィ♪ねえママ?あのまんまるからベビちゃんが出てくるチィ?」
長女ンネちゃん
「きのうよりオトがおっきく聞こえるミチ?ねえママ、もうすぐ産まれるミチィ?」
弟ンネちゃん
「ねえママ、ボクたちもあのまんまるから出てきたの?」
ミィ「ミッミッ♪ベビちゃん達!その通りミィ!きっと明日にはカワイイベビちゃんが産まれてくるミィよ!あのまんまるは“タマゴ”ってゆうんだミィよ。」
ミフフ。ミィのベビちゃん達もタマゴが気になって仕方ないみたいだミィ。
それにしてもタマゴを初めて見るハズなのに、なんてものわかりが良いのでしょ!
さすがはミィのベビちゃん!
ミィのきょういくが良かったのかしら♪
(昨日破裂した卵から超未熟児ベビンネが出てきて死んだのを見ている)
-
そうね
タブンネちゃんの事はちゃんとリスペクトしてるよ
ミィアドレナリンってすごいよね
しかも可愛いから愛情をもっていぢめちゃう
ベビちゃん達もこれからしっかり旨味を溜めていってほしいな
-
ペットショップの裏側にいた
ママべったりのかわいいチビベビちゃんがここにいたなら
小さな体で無理矢理ストールにもぐり込んだりして事故にあったり
いつまでもおっぱいから離れず餌を食べないし(チビママが手ずから食べさせてやらなくちゃダメ)結局出荷どころか柵の外に出るまで生きてなさそうなイメージあるわ
-
ミィには夢がありますミィ
綺麗な木がたくさんあって、綺麗な川が流れている静かなトコロで、広いおウチに住んで、沢山のベビちゃん達と平和に暮らすコトですミィ。
ここのゴハンとは違う、新鮮で美味しいきのみをいっぱい食べて、ふわふわのベットの上で眠って、すとおるにジャマされずにみんなで身を寄せ合って過ごして....
すぐ近くには、4ママちゃんと4ママベビちゃん達が住んでいるんだミィ。お互いのベビちゃん同士はとっても仲良しで、いつも広くて綺麗な草むらでかけっこして遊ぶんだミィ。
おとこのこベビちゃんのおマタにはちゃんとチェリンボさんがついていて、ミィんなもちろんカラダにウンチなんてついていなくて、シッポも毛並みもいつも綺麗で....
・・・ミィ、考えごとが多くて申し訳ミィ
ずうっとすとおるの中で過ごしていますと、たくさんたくさん考えるのですミィ
ミィ達タブンネさんは知能が高くて、本当はいろんなことができて、好奇心旺盛なポケモンなのですミィ。
刺激の無い窮屈な生活を強いられ続けていますと、考えごとするしかないのですミィ....
ちなみにおソト(野生)のコトを考えるようになったのは、4ババさんのおはなしを聞いてからですミィ。ミィは生まれてからずっとこのおウチの中に居ますミィから....
それは4ママちゃんも同じミィよね。
いつかおソトの世界に戻って、元の優しい4ママちゃんに戻ってくれたらいいな。
“もり”とか“かわ”とか“きのみ”とか...
いったいどんなモノなのでしょミィ。想像するとワクワクもしますミが、なんだかむなしくもなりますミィ....
—ピキッ...バリッ!バリバリバリ...!
ミミッ⁉︎この音は!
—チィチィ!ヂギャー!ヂィッ!ミギャー!...
次女ンネちゃん
「チィッ!生まれたチィッ!」
妹ンネちゃん
「かわいいチィ!みんなおめめとじてるチィッ!」
ミィッ!4ママちゃんのベビちゃん達が無事に産まれたようですミィ!
大体タマゴが出てきてから、2回おねんねしたくらいでこうしてベビちゃんが産まれますミィ。
“ほるだあ”はとても暖かいらしくて、タマゴが早く孵化するそうですミィ。誰も近くに居ないから産まれたてベビちゃんがイタイイタイしちゃいますミが...。
早くベビちゃんが産まれるのは嬉しいけど、ホントは自分でベビちゃんのタマゴを温めたいものですミィ。
お母さんタブンネがタマゴを温めると、寝ている時にすとおるに挟まって割ってしまうからほるだあが使われるそうです。
そもそもすとおるが無ければ、決してタマゴを割ったりしないのに....
-
...チィ....チ.....チビュー......チィ.......
....ミィ。元気な産まれたてベビちゃんのウブゴエに混じって、ひとりだけ苦しそうな泣きゴエが聞こえてくるのをミィの耳は決して聞き漏らさなかったミィ。
なにせミィ達タブンネさんのお耳はとっても高度で....
しつこいミィね
長女ンネちゃん
「ママ、ひとりだけ動けないベビちゃんがいるミチィ。カラダも他のベビちゃんより小さいミィチィ」
.....ヂ.......チィ~........チィ~.....
動けないベビちゃんはミィの位置からはどうやっても見えないのですが、長女ンネちゃんが事情を教えてくれましたミィ
泣きゴエでわかるミィ。もちろんまだタブンネさんのコトバになっていませんが、ミィくらいの実力になると、ベビちゃんの気持ちくらいは理解できますミィ。
どうやらアンヨかおててをケガしちゃったみたい。これは痛がってる泣き方ミィ
ほるだあから落ちたベビちゃんがイタイイタイしちゃうのはさっきも言ったミか?
フツーの大きさのベビちゃんならば一時的なもので済むのですミが、小さいベビちゃんだと結構重傷になることがありまミィ。
みなさん自分が生まれた時のことを思い出してみてほしいミィ
タマゴから出てきた時、自分の背よりも何倍も高いトコロからいきなり落っこちたりしなかったでしょ?
カラダの小さなベビちゃんにとっては大変なことなのですミィ。
まったくなんて不親切なおウチなんだミィ!
...まあ今はそんなこと言っていてもしようがないミィよね。
カラダが小さい子が心配ミィ。
おケガもそうだし、ちゃんとおっぱいが飲めるだろうか....
4ママちゃんがちゃんとケアしてくれたらいいのだけど、かなり不安だミィ....
——
やがてニンゲンがやってきて、生まれたてベビちゃん達の“たぐづけ”が終わりましたミィ
ミィのベビちゃん達もそうですが、ニンゲンがタブンネさんに番号をつけることをたぐづけと言いますミィ
番号をつけるくらいなら、もっとタブンネさんを大切に思って欲しいものだミィ
チュピチュピチュピ......
チュイ~♪ チィチィチッ♪ チュヤ~!チュミィ♪......
弟ンネちゃん
「チィ〜!みんなおいしそうだチィ!」
次女ンネちゃん
「おめめ開いてないのに凄いミチィ!なんでおっぱいの場所わかるミチィかな⁉︎」
ニンゲンが去ってようやく、ベビちゃん達のおっぱいタイムが始まりましたミィ
まったく最初のおっぱいくらいたぐづけ前に飲ませろミィ!
....チヒッ.....チィッ....チビッ.....チビィ~ン....ヒッ.....
どうやら文句を言ってる場合じゃないミたい...
小ベビちゃん、やっぱりおっぱいを飲めてないミィ
おなかが空いていて、寒くて、そして寂しい、悲しいって泣き方だミィ
4ママちゃん、どうか小ベビちゃんのコエに気づいてあげて.....
-
このチビベビちゃんの泣き声聞いてると
ママだけ愛護団体に保護されちゃって
巣穴に取り残されたまま
「オナカスイタヨウ」「サムイヨウ」「サミシイヨウ」
ってママを呼びながらどんどん弱っていくベビちゃんの小ネタ思いだしちゃってたまんねぇ
-
4ママちゃんが最初のベビちゃんを育てていた時は、それはそれは優しいお母さんだったことは前にも言ったミか?
2周目以降生まれたベビちゃんには、4ママちゃんすごく冷たいんだミィ。
今だっておソト(雑居房)のどこかには4ママちゃんのおチビちゃんがなんにんか居るはずなのですミが、誰も4ママちゃんを訪ねては来ていません。
ハッキリ言ってしまうと、あまり慕われてないのですミィ...
ちなみにミィのチビちゃんは今おソトにはひとりも居ません。このところタマゴ不精でしたミィから...
前にもたしか一度こういう時期があったミィ
....どうでもいいミィか?
今は4ママちゃんのはなしミィよね
4ママちゃんは他の一部のお母さんタブンネのようにベビちゃんをボコしたり、まして食べちゃったりすることは決してありません。いつまでもおっぱいに引っ付いてる子を引っ剥がしてブン投げることはありましたミが...
話しかけて、あやしたりすることもしません。
4ママちゃんの子達はコトバを覚えるのが遅いし、おっぱい離れしても口調の覚束ない子が多いようです。
だけどキョーミ無さそうに見えて、踏んづけたりしないように気をつけていることもミィにはわかります
ブー垂れることが多いですが、ベビちゃんが『おっぱいほしい』って泣き方をするとちゃんとミルクもあげています。まあ座り姿勢でちょっと不親切なのですミが...
でも4ママちゃん、小さいベビちゃんやビョーキになりかかったベビちゃんにも冷たいものですミから、前にふたり、おソトに出る前に死んじゃった子がいます
これはいわゆる“自然淘汰”と言えるかもしれまミィ。自然淘汰は4ババさんから教わったことです。
おソト(野生)の世界では、弱い子よりも強い子を優先して育てることがあるそうですミィ
手のかかるベビちゃんが沢山いるとたいへんだから、強い子だけでも生き残れるようにするそうですミィ
正直よくわからミィが、おソトはおソトで色々たいへんだとゆうことミィね...
お母さん(4ババ)に知識として教わりその娘さん(4ママ)に実演を見せてもらうという、何とも稀有なできごとだミィ....
昔死んじゃったふたりのベビちゃんをニンゲンに回収された時、ほんの一瞬ですミが、4ママちゃんの凄く悲しそうな横顔を、ミィはたまたま見ていました。
4ママちゃんがホントは心の優しいタブンネさんだってミィにはわかります
....4ママちゃん、この狂ったおウチで生き抜くためにワザとイジワルな態度をするのは仕方がないミィ
でもどうか、この囲いの中に居る間だけでも、自分のベビちゃんに対してだけでも、どうか素直なココロで接してあげて。
もし小ベビちゃんが死んじゃったりしたら、また悲しい思いをすることになるんだよ....
-
生きるためだけのお世話して全く愛情注いであげない赤ちゃんは長生きしないって
昔そんな人体実験があったんだけど
ベビンネちゃんなんて余計もろそうだな
と言うか赤ちゃんにとってのストレスを実母自ら与えて旨味出させるとは4ママちゃん本当にタブッてるよな
-
今は4ママベビちゃん‘sが生まれて最初の夜です
ミィのベビちゃん達も、4ママベビちゃんも4ママちゃんも、ミィんなスヤスヤミィミィと寝息を立てています。ただひとり、寂しそうに泣いている子を除いて....。
ミィの視界にはうつ伏せに横たわる4ママちゃんのカラダ上半分と、そこにピットリくっつくベビちゃんが2匹だけ見えています。
小ベビちゃんはおそらく4ママちゃんすとおるの外側、足元に居るミィのかな?
見えてるふたりのベビちゃんは健やかなお顔で、タブンネさんらしくお腹がポッコリとしています
もうふたり見えないベビちゃんが居るはずミが、きっと4ママちゃんの反対側に居るのでしょう、気持ち良さそうな寝息が聞こえてきます。
皆さん、タマゴから出てきたばかりの赤ちゃんタブンネを見たことありますミ?
出てきたばかりの時は、カラダにベチョベチョしたお水がついていて、そしてお腹がまだゲッソリとしています。
ポケモンとは不思議なもので、生まれてすぐにゴクゴクとミルクを飲むと、あっという間にタブンネさんらしいカラダに変わるのですミィ
.....ピィ.......ピヒィ......ヂ.......ヂグッ......
....小ベビちゃん、ベチョベチョはニンゲンに拭いてもらったでしょうミが、きっとカラダはゲッソリしたままでしょう
もう泣き方も弱りきっていて、何を訴えているのかミィでさえわかりません。
寒くないだろうミか?このおウチの夜は結構寒いのです。フツーはベビちゃん同士で固まったり、お母さんにふっついたりしてあったかいするのです
どうかせめてぬくもりを得ていればいいのですが....
—
....ミィには今、一つの思惑があって、どうしようかずうっと悩んでいます。前にも同じように悩んだことがあります
それは小ベビちゃんをミィのすとおるまで呼びこんで、おっぱいをあげることですミィ。このままでは死んでしまうかも知れないミィから
産まれたて、ましてカラダの小さな子ならばきっと柵の下を潜れます
”きょーどーいくじ“とか言ったミィかな?
おソト(野生)の世界でも、お母さんタブンネ同士で役割を分担して、他ベビちゃんを育てることがあるそうですミィ。例によってこれは4ババさんに教わったことです。
このおウチですらさとごがありますミィからね。まあニンゲンが勝手に決めるのですミが...
しかしミィの思惑は少し事情がちがいます
4ママちゃんはベビちゃんをじゅうぶんに育てられるわけですミィから...
寧ろミィよりも若くて、きっとミルクもたっぷり出て栄養もまんてんミィ
どうせ育児放棄しているのだから、さっさと小ベビちゃんを呼び込めばいいと思いますミ?
そう単純なものでもありません。
なんというか、お母さんタブンネには“お母さんのプライド”のようなものがあるのですミィ
もし小ベビちゃんをミィが育てて、ミィのおっぱいを飲んで、完全にミィに懐くようなことになったら、4ママちゃんきっとすごく傷付きます
ミィも、もし自分のベビちゃんをさとごに出すってなったら、とてもイヤです。
他のタブンネさんを信頼していないわけではないですミが、自分のベビちゃんはとっても大事なのです
上手く伝わるミィか....
昔4ババさんから、きょーどーいくじをしても、ベビちゃんは賢くて、決して自分のママを間違えたりしないと聞いたことがあります
....4ババさんには申し訳ないミが、それは嘘です。ミィが昔育てたさとごベビちゃんは、ミィんなミィのことを『ママ』って呼んでくれたミィから
もちろん嬉しかったミが、少し本当のお母さんに申し訳なくもありましたミィ。
....そういえば一体どこから来たさとごちゃんだったのかな?
昔4ママちゃんが育児放棄した時、
「ミルクを飲めてない子がいるミィ!」
ってミィがちょっと怒ったことがあるのですミが、その倍くらいの勢いでどなり返されましたミィ
それ以来ミィは口出しをしていません....
ある意味4ママちゃんはポケモンとしての本能が残っているのかも知れミィね....
どうか小ベビちゃんが無事に....
...ミィ....
なんだかミィもねむく....
-
小ベビ「....ピィ.......ピヒィ......ヂ.......ヂグッ......(…もう……ごーるしても…いいよね…)」
-
生まれ落ちた瞬間から痛みと苦しみと悲しみと寒さにじわじわと満ちあふれていく小ベビちゃんだけど
そのまま弱って静かにこと切れる事も許されないとか
マジタブンネさん
-
その次の日のおはなしですミィ
この日はミィの人生で何度目かの、人生最悪の日となりましたミィ。
お昼過ぎのことですミィ
ミィはいつものように、ベビちゃん達におっぱいをあげていましたミィ
オトナリでは4ママちゃんも、昨日産まれたベビちゃん達におっぱいをあげています。
赤ちゃんタブンネがおっぱいをせがむ泣き声と、お母さんタブンネが授乳を促すあやし声には特徴がありますミから、一ヶ所でおっぱいタイムが始まると、こうして周りでもおっぱいタイムが始まることがよく起こります。まぁミィの方はもうベビちゃんがしゃべれますから今回のは偶然ミィけど
とにもかくにも、側から見るととても平和なように見えたでしょう....
ミィは精一杯アゴを引いてオトナリを眺めると、4ママちゃんのお腹に4匹のベビちゃんが吸い付いているのが見えました。
4ママちゃんはすとおるの後ろに座るスタイルでおっぱいをあげますミィから、横たわるミィからもなんとかその光景が見えるのです。
案の定と言いますミか、やはり小ベビンネちゃんの姿は見えませんでしたミィ
4ママちゃんの授乳スタイル上、どうやっても最大4匹までしか同時におっぱいが飲めません。小ベビちゃんは撥ね出されてしまったのでしょう
ちなみにベビちゃんが大きくなってきてすとおるに完全に入れなくなると、4ママちゃんは立っておっぱいを与えるようになります。
なんて言うのか....ちょっとエッチな光景に見えますミィ
そういえばずっとコエは聞いていたけど、小ベビちゃんの姿はまだ一度も見ていないなとこの時思いましたミィ
不安で、悲しい気持ちになって、ミィが視線を戻した時ですミィ
大きな奇声が聞こえたと共に、ミィの視界に猛スピードで“なにか”が吹っ飛んで来ましたミィ
ガシャン!ゴスッ!ゴッ!グキッ!
「チィ~」「...ゥァ...」「...ッ...」「チ」
“なにか”が4ママベビちゃん‘sであると理解するのに、少し時間がかかりましたミィ
ベビちゃん’sのコエはとてもか細い、キケンなものでしたミ。
みなさん、赤ちゃんがイタイイタイすると大声で泣き叫ぶのは想像しやすいと思いますミィ。すごく痛いハズなのにほとんどコエも出ないってことは、命のキケンが想像されミィ
すとおるや囲いの柵にガッチャンして、ベビちゃん達は地面に落っこちました。
パタパタとおててを動かす子、腕がひん曲がってしまった子、ピクピクと震える子、この世のものとは思えぬ光景に少し唖然としたミィでしたが、すぐに冷静になりましたミィ
さっきの奇声も、この子達を投げ出したのも間違いなく4ママちゃん、こんなことは初めてでしたミィ。
ミィ「ミィッ!4ママちゃん!何があったミィ⁉︎」
-
4ママちゃん
「ミ゛ィィ゛ァぁぁ゛っっ!グミャアア゛っ」
ミィのベビちゃん達も驚いて振り向いたミが、みんな何が起きたのかわからず呆然としています。当然ミィ。ミィですら何が起きたかよくわかりません。
ブチュッ!ビリビリビチャーッ!...
少しの間4ママちゃんの呻き声だけが響き渡った中、ヘンな音が聞こえてきました。
ミィには聞き覚えのある音でした。なんと言うか、おニクがイビツに破れるような、それはそれはイヤな、とらうまになる音ですミィ....
長女ンネちゃん
「ママ!おばさんのおマタから赤いウンチみたいのが出てきたミチィ!おばさんビョーキになっちゃったんだミィ!」
視野が不自由なミィに、お姉ちゃんが4ママちゃんの状況を教えてくれました
もしかしてとは思ったけど、残念ながらそれは起きてしまいましたミィ。4ババさんと同じ状態です。
でもどうして⁉︎4ママちゃんはタマゴを産んでしばらく経っているし、さっきまで....、昨日だって元気一杯で、ゴハンだって食べていたんだミィよ⁉︎
しきゅうのビョーキ....。4ババさんと同じ...。みきさあ?殺されちゃうミィ⁉︎まさか...。そんなまさか...!?どうして。どうして...!?
....あたまがパニックになってしまって、それから先のことはミィも全部ハッキリとは覚えていません。ミィのベビちゃん達に何かを聞かれた気もするミが、4ババさんの時の事を思い出して、ココロが壊れそうだったのですミィ
チュイ?.....チィ....チィッ!
ミィがどんな姿勢で居たのか、なぜソッチを見ていたのかもわからミィが、どこからともなく産まれたてベビちゃんのチィチィ声が聞こえて、ミィの視界に、小さな小さなベビちゃんのアタマがモゾモゾと現れましたミィ
その時はミィも錯乱状態でしたミが、それは間違いなく小ベビンネちゃんでしたミィ
「ウビャーーーッ!チガァーーーッ!
ヴォォォぉぉぉぉっ.....」
—いたい!いたい!ママ、やめて!どうして、ママ!ボクもおっぱい....ボクはさびしくて....ママ......
................
ようやっと姿が見えた小ベビンネちゃんは、瞬く間に変わり果ててゆきましたミィ....
....ミィにとってはパニックが多すぎて...。気がつけば小ベビちゃんの小さくて可愛いおててが無くなって、ボタボタと血が落ちてきて、おなかから長い紐が出てきて、アタマからは黄色のグジュグジュが滴り落ちてきましたミィ。あんなに弱りきっていたとは信じられないくらいの、絶望的な大きな叫び声が聞こえてきましたミィ
死するタブは全タブ賢タブとはよく云ったものだミィ。生まれてからずうっと命の瀬戸際に居た小ベビちゃんの叫びには、たしかに意思が宿っていましたミィ。
....君も辛かったんだね。ママに甘えたかったんだね
小ベビちゃんをそんなんしたのは、目が真っ白になった4ママちゃん.....
もう、もう何も考えられミィ....。
どうして、どうしてこんなことに....
なぜいつもタブンネさんが、あの優しい4ママちゃんが、産まれたばかりのベビちゃんが......
——
「3ママお姉ちゃああ゛あん!怖いミィ!死にたくないミィ!助けて!だすげてっ!3ママ゛おでえぢゃあああんん゛!」
どれくらい経ってからでしょうミか...
聞き慣れたコエで、しかしながら絶望感に満ち満ちた大きなコエが聞こえて、ミィがハッとして顔を上げた時です。
オトナリの囲いの前、おソト(雑居房)に連れ出された4ママちゃんが精一杯コッチを向いて、精一杯の大声で叫んでいましたミィ
....そのコエは、可愛いお顔は、フキゲンな態度になる前の、昔の4ママちゃんそのものでしたミィ。
しきゅうのビョーキになったタブンネさんの末路は、ミィ以上に4ママちゃんはよくわかっているでしょう....。自分のママが殺されるのを、4ママちゃんは目の前で見せられているのですから......
-
.........気がつけば夜になりましたミィ
ミィの横ではベビちゃん達が身を寄せ合って寝ていますミ。お昼まで賑やかだったオトナリの囲いは、もう誰も居ません
4ママちゃんは、さっき4ババさんと同じトコロへと旅立ってゆきましたミィ
4ババさんと同じ方法で....
ヒドイ、ヒドイ方法で......
.....もう、もうミィにはなにも考えられミィ
生まれてこなければよかったんだミィ
ミィも、ミィのママも、4ママちゃんも、ミィのベビちゃん達も....みんなミィんな.....
—3ママお姉ちゃーーん!
—死にたくないミィーーッ!!
—おでえぢゃーーーン!
—だすげでビィ〜ーーーッ!
—こわいビィーーーー!!................
....4ママちゃんの最後の雄叫びが、頭の中でグルグルしています
4ママちゃんはミィよりも若いタブンネさんなんだミィ
この汚いおウチで生まれて、一度もおソトに出たこともないんだミィ
生まれて間もない時はカラダも綺麗なタブンネ模様で、チィチィ♪ってすごく可愛いコエで鳴いていたんだミィ
初めてのタマゴが孵化した時は、泣きながら喜んでいたんだミィ
ニンゲン達の為に、何個も何個もタマゴを産み続けたんだミィ
最後はビョーキになって、凄くイタイ方法でニンゲンに殺されて......
.........................
4ママちゃんが連れて行かれる時、ミィは必死に戦いました
このすとおるを壊して4ママちゃんを取り戻そうと、何度も何度もブツかりました
戦ったのは何度目ミィか....
ママとお別れした時、初めてのたねつけの時、最初のベビちゃんがしゅっかされた時、オゲレツモブさんが囲いに侵入してきた時....
すとおるに刷ってしまったせいで、ミィのお腹の横の毛も禿げ落ちてしまったミィ
ムダだとわかっていて、ニンゲンと戦うのは愚かだと思いますミ?そうかもしれません
だけど、だけど他にどうすればいいのでしょミィか?4ママちゃんは、ミィの、ミィの大切なオトモダチなのですミィよ?
その4ママちゃんが殺されちゃうのに、黙ってお祈りなんてできるわけありまミィ
ミィが戦ってる時、クソローブシンがケラケラ笑ってコッチを見ていたミィ
どうしてアイツは笑ってられるミか?
こんなの、どう考えても許されミィ
4ママちゃんも、どのタブンネさんも、尊い尊いポケモンなんだミィよ?
クソブシンも、ニンゲンも、おかしいと思わないのかミィ?アイツらにはココロがないのミィ?
ミィだって、タブンネだって、別にニンゲンを、従業ポケ達を嫌いたくて嫌ってるわけじゃないんだミィ!
どうしてこんな....
どうして.......
........
-
.......気づけば朝になりましたミィ
おウチの外が明るくなっても、ミィ達タブンネのトコロには、お日さまは届きません。
お日さまの下はポカポカあったかいって、昔ママや4ババさんがゆってたな....
遠くでマメパトの囀りが聞こえるミィ
空なんて飛べなくてもいいから、生まれてきたくなかったミィ
——
やがてベビ達もムニャムニャと起き出したミィ
ミィが何も言わなかったから、誰も何も言いません
——
やがてひとりのニンゲンがやって来て、ブツブツ言いながらミィのエサバコにほんの少しゴハンを入れて去って行きましたミィ
昨日食べなかったから、あまり好きじゃないゴハンが山になっています。食べようとも思いません
ニンゲンはなんで毎日毎日ミィのエサバコにゴハン入れるんでしょ?そんなことして楽しいミか?いいことなんかミィのに
——
「......チスンチスン。ママ、おっぱいちょーだい。
ママ。お願いチ。」
ミィ?....今のコエは、妹ンネちゃんミか?
.....もうミィにはそんな気もなかったミが、気がつけば横になっていて、ベビちゃん達がミィのおっぱいに吸い付いています
ベビちゃん達におっぱいをあげる時は、いつもとってもくすぐったくて、勢いが強い時はチョット痛い時すらあるのですミが、その痛さすらも嬉しさが溢れるものでした。タブンネさんの特徴なのかな。
しかし今は嬉しさなど感じられません
煩わしいだけです
....なんだか4ママちゃんが赤ちゃんに冷たくなった理由がわかった気がするミィ。きっと4ママちゃ..
チィ.... ミチッ... ....チビン.... ....ミッ
.....ミィ。いつもはずうっとおっぱいに吸い付いているベビちゃん達が、少しだけ吸って離れていきました
......思わず、触覚を使いました。
何度も言いますが、ミィ達タブンネさんの触覚は、感情を読み取ることができます
.....ベビ達、『寂しい』って思ってるミィ。
それだけではミィ。おなかがすいて、『ママどうして?』って気持ちミィ。今おっぱいを吸ったばかりなのミ....
.....どうゆうことかわかったミィ....
ミィ、ミルクが出なくなっちゃったんだミィ...
ベビ達は隅っこに固まっておしくらまんじゅうしています。昨日の朝よりもおなかがペッタンしているように見えます
もう、ミィにはママの資格もミィ
ごめんネ。ミィのベビちゃん達....
4ママちゃん、どうやらミィも、そのうちソッチへ行くようだミィ....。待ってて、また仲良くしてね....
-
ミィッ!
こうしてただメソメソしているわけにはいかミィ!
ミィはお母さんなんだミィ!優しい優しい、タブンネさんなんだミィ!
ベビちゃん達におっぱいをあげる為に、ゴハンも食べなきゃ!お水も飲まなきゃ!沢山おはなししてあげなきゃ!沢山愛してあげなきゃ!
4ババさんのおはなしを思い出すミィ。
世の中には、まだ目の開く前に食べられちゃうベビちゃん、目の前でタマゴを破られちゃうタブンネさん、気の毒なタブンネさんが沢山居るんだミィ
ミィは、ミィの目の前には、可愛い可愛い、大切な大切なベビちゃん達が居るんだミィ!
ミィは幸せなタブンネさんなんだミィ!
この子達ももうすぐおっぱいを卒業して、いずれはとらっくに乗せられて、短い命が終わってしまうんだミィ。今ミィがおっぱいをあげることは、キライなニンゲンを喜ばせるだけかもしれミィ。
でも、でもこの子達は、毎日真剣に生きているんだミィ!
こんな汚くてうるさくて毎日酷いことが起こるおウチに生まれたくて生まれてきたわけじゃないでしょうミが、それでもどの子もとっても優しくてココロの綺麗な、タブンネさんらしいタブンネなんだミィ!
ベビちゃんは何も悪くないんだミィ
お母さんが、ミィが、せめて少しだけでも、ほんの少しの間だけでも、幸せにしてあげなくちゃ!
ありがとミィ、妹ンネちゃん。
たいせつなことを思い出せたミィ。
ごめんネ、ベビちゃん達。おなかがすいていたよね。ママに甘えたかったよね。不安だったよね。
きっともう少し、一緒に居られるから。
ママは君達のおかげで、とっても幸せミィ!
-
ミィの思いは、なんだか振りのようになってしまったミィ
お昼のゴハンの時間のことミィ
ニンゲンはミィのゴハンだけではなく、ベビちゃん達のゴハンとお水も置いて行きましたミィ
ミィはこれまでなんにんものベビちゃんを育てていますから、ベビ用のゴハンが与えられる意味がわかるミィ
もうすぐきっと、この子達とお別れしなければなりません
———
ミィ達のゴハンのことをおはなししていなかったミィね
ミィ達のゴハンは、おソト(種付けストール前の屋外)になっているヤツ(黒ずんで小さくて歪な形状のオボンオレン)が主な原料だそうですミィ。ミィのママがそう言ってましたミ
.....ママはそこまでしか教えてくれませんでしたが、ずうっと食べているうち、ミィには気づいたことがあります。このゴハンにはなんと、タブンネさんが混じっています。
間違いではないと思っています。
だってゴハンを眺めてみると、所々ピンクのおけけが混じっていますミから。
そしてたまに入っているイモムシみたいなのは、きっとタブンネさんの触覚です。
気づいてからはミィはイモムシは食べていません。食べれるハズがありません。
仲間を食べていることに気づいてからしばらくは、ゴハンを食べられなくなってしまったものですミィ。
...まあおっぱいを出すためにまた食べ始めたのですミが。それでも進んで食べたいとは思わミィけど。これしか食べものはありません
ニンゲンはこのゴハンのことを“たぶこっぷん”と呼んでいます。改めてニンゲンの考えることは狂っていると思いますミィ。
どこまでタブンネさんをいじめたら気が済むんだミィ!仲間を食べさせるなんて...!
ミィはファンタジーがキライなタブンネさんですミから、なるべくこの世界のゲンジツを子供達に伝えていますミが、ゴハンのことは教えないようにしています
知らないままでいた方が幸せに決まっているミィ
ママも、4ババさんも言っていたミが、タブンネさんは、本当は“おぼんのみ”っていうのと“おれんのみ”っていうのを食べて生きていくそうです。いつか食べてみたいと思っていますミィ。きっとおいしいんだろうなぁ...
(屋外に成っているのはオボンオレンだが、あまりにも汚く歪な為4ババですらそれに気づかない。工場群排気と酸性雨の為か味はやや酸味と苦味があり、「肥やしタブンネ」の為か少し旨味もある。本来のそれとは全く別の代物である)
———
長女ンネちゃん
「ねえママ、もうすぐお別れするミィ?ママはどこに行くミィの?」
妹ンネちゃん
「チィおソト行きたくない!ずーっとママと一緒チィ!」
ミフフ、ベビちゃん達が少し元気を取り戻してくれてよかったミィ。それにしても、生まれた時はあんなに小ちゃかったのに、よく成長したものだミィ。
ベビちゃんが大きくなるのは本当はすごくすごく嬉しいことなのですミが、ミィはフクザツです。
スクスク育つってことは、それだけしゅっかまでの時間がなくなるってことですミィから....
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ここから子タブンネ達がどういう風に処理、加工されて運び出されていくのか今から楽しみ
そしてポケモンユナイトにもまさかの殴られ役としてタブンネちゃん続投とは……
やっぱ殴られるの好きなんすねコイツ
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>>604
一度離乳で引き離すのに
4ママちゃんが初子の出荷がトラウマだって言ってるとこから
ベビを甘やかすいけないママには目前でやるのかと想像できてエモいですね
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感慨に浸っているばかりではいられません
ベビゴハンが与えられたということは、今一度ベビちゃん達に伝えなければならないことがあります。
ミィ達タブンネさんの運命ですミィ
おソト(雑居房)では、毎日のようにタブンネさんがとらっくに乗せられて、しゅっかされてゆきます。
今ここにいるようにミィはとらっくに乗ったことはありませんミが、かぜのたよりというヤツで、しゅっかされるタブンネさんの行く先はなんとなくわかります。
殺されるのですミ
ほとんど感情の無さそうなおチビちゃんすら、とらっくに乗せられる時は凄く大声で暴れます。殺されることをみんなわかるのです。タブンネさんはとっても賢い生き物だってことを、どうか知っていただきたいミィ
ミィ達は、タブンネさんは、ベビちゃん達は、ニンゲンに殺される為に生まれてきて、殺される為に生きているようなものです。
....なんか我が子へ伝える教育としてイカれてる気もするミが、ゲンジツはゲンジツなのです
ミィのようなお母さんタブンネは、ベビ達を可愛いするだけではありません。色々なことをおはなしします。
もちろん4ババさんも色んなおはなしをしていました。
....いつも隣でミィもそれを聞いていました。
4ババさんはとっても優しくて、賢いタブンネさんでしたミが、ミィにはひとつだけ、どうしても賛成できないことがあります。
ニンゲンや従業ポケのことですミィ
4ババさんは、ニンゲンさんにも、他ポケさんにも、みんなに対して優しく接することが、“タブンネの誇り”だと言い聞かせていましたミィ。
しかしながら、いずれはニンゲンの手によってしゅっかされるのです。従業ポケどもはニンゲンに従って、タブンネさんをイジメるのです。そんなヤツらに優しくなんてする必要あるわけミィ!
4ババさんはちょっと優しすぎたのです!
ちょっと失礼ミが、4ババさんが『ニンゲンさんにも優しく』なんて言うもんだから、ベビちゃん達はみんなニンゲンを信頼していましたミ。
そのニンゲンさんに結果裏切られるから、4ママ妹ンネちゃんはショック死してしまい、4ママちゃんはイジワルな態度を取るようになってしまったのですミィ。
—
ミィはニンゲンは酷い生き物だとベビちゃんに教えています。そしてニンゲンのはなしの他に、従業ポケどもに対する接し方も、ベビ達に教えなければいけません....
このおウチにはミィ達タブンネさんの他にも、色々なポケモンが居ます
まずはタブンネさんを捕まえたりぶん殴ったりするヤツらミィ。ダゲキ、ローブシン、ズルズキンってのが居ますミィ
ズルズキンとローブシンは、タブンネを挑発したり、ニンゲンの目を盗んで触覚を引っ張って遊んだりする腐れゲドー野郎共ミィ。
ダゲキはちょっとマシですミが、アイツはアイツでココロのないヤツなんだミィ。ダゲキに殴られると凄く痛いんだミィ....
-
他に、おウチの床を掃除する係の、水の技を使うポケモンが居るんだミィ。ウンコ掃除係のクセに、みんな生意気なんだミィ!
フタチマルってヤツは割と無害ミが、しかしながら別にタブンネの味方をしてくれるわけではありません。
タチの悪いヤツはマリルリってヤツです。コイツはタブンネよりも小さくて弱そうなクセに、熱い水を吹きかけたり、ニンゲンに隠れてタブンネをブン殴ったりするクソポケなのですミィ!
もうひとり、シャワーズってのが居ますミィ。皆さんシャワーズを見たことがありますミか?おとなしそうな顔してますミが、皆さん決して騙されてはいけないミィ!とんでもない性悪女ミィ!タブンネのことを『ゴミタブ』とか『ウンコポケ』とか呼ぶのですミィ!
....そしてもう一匹、クワガノンっていうポケモンがいます。ミィがお母さんになって間もない頃にやってきました。
ミィがまだチビちゃんだった頃、シビビールってヤツが居たんだミィ。クワガノンと同じ、すごく痛いビリビリを飛ばしてくるヤツだったミィ。
未だに夢に見るミが、ある日突然、ニンゲンの横でシビビールは口の大っきい化け物に変わったんだミィ。突然の出来事におソトのチビちゃん達が逃げ出す間も無く、化け物は次々とチビちゃんを食い散らかしていったミィ。ニンゲンが慌てて化け物を引っ込め、後には見るも無惨な残骸が残りましたミィ....
シビビール、化け物が居なくなって喜んでいた矢先、クワガノンはやって来たミィ。
....なんて言うのか、ブシンやマリルリとは違う恐ろしさがありますミィ。ただただタブンネさんを殺戮することを楽しむ、ポケモン兵器のようなヤツですミィ。
ミィは戦うことは嫌いミが、クワガノンが尋常じゃないくらい強いのはなんとなくわかります。クソブシンやダゲキですらガノンが出てきたら怖がっていますミから....
———
......ミィッ。...ミグフン....ッッ.......ミスンスン.....
なんか自分で話していて、とても辛いおはなしだミィ....
ポケモンは.....同じポケモンです。
どうして、どうしてタブンネさんだけが、いつも辛い目に遭わなければならないのでしょう。殺されなければならないのでしょう。
どうして他のポケモン達は、タブンネを助けようとしてくれないミィ?タブンネじゃなくてニンゲンの味方をするミィ?同じポケモンなんだミィよ?
どうしてニンゲンは、タブンネだけを殺すミィ?マリルリやローブシンのことは可愛がるのに...。タブンネはよしよししてくれないミィ?
ベビちゃん達におはなししてこの世界のことを教えるのは当然ミィ。でもその世界自体が狂っていたら、一体ミィ達はなんのために生まれたんだミィ?
ミィだって、本当は4ババさんのように、
『みんなと仲良くするミィ!』ってベビちゃんに教えたいミィのよ?タブンネさんは優しいんだミィ。どうしてどうして、誰もそのことをわかってくれないミィ.....?
—
ミィッ!
いけないミィ。お母さんとして強く生きるって決めたばかりだったミィ!
ベビちゃん達は泣きながらも、ミィのおはなしを真剣に聞いてくれましたミィ。ミィがしっかりしなきゃいけないミィよね。
今までのベビちゃん達も、ミィんな、ミィんな良い子だったミィけど、今回の4ベビちゃんも、本当に素直な良い子達だミィ!
暗いおはなしをしてしまったミが、みんなどうかそのままのいい子で....
いつかきっと、アルセウス様がタブンネを助けてくれるミィ!こんな優しいタブンネさんがいつも悲しんでいていいわけが無いミィ!
きっと、きっといつか.....
-
そろそろクワガノンの再登場かな?
シャワーズちゃん、タブンネさん嫌いなの分かるけど
そんな汚い言葉遣いしたらダメよww
-
>いつかきっと、アルセウス様が
タブンネが創造神の名前を呼ぶとか凄い不敬ですねw
そして君達が食虐ポケモンなのは、神様も承認してると思うよ。
-
ベビちゃん達もすっかり元気を取り戻してくれて、ミィ達おやこは、これまで以上に仲良しするようになりましたミ。
すとおるのせいで抱っこもできないし、ギュッてしてあげることもできません
それでもひとりずつ、ミィのすとおるの前まで来て、尻尾をフカフカにしてあげたり、毛並みを整えてあげたりしています
....ちょっと窮屈なんだミィけどね。
ゴメンネ....ベビちゃん達。すとおるを壊す力がママにあったら、抱きしめてあげられるのに。ホントはみんなママにもっと甘えたいよね....
きっともうすぐお別れミィ
みんなどうか、タブンネさんの誇りを忘れちゃいけないミよ?
きっと大丈夫ネ。4ベビちゃん共とっても優しいもの。ママ、とっても嬉しいミィ。
—
その日はみんなで精一杯ふっついて眠りました。相変わらずすとおるが邪魔するミが、それでもベビちゃん達のぬくもりをミィはしっかり感じましたミィ
これまで何度も感じてきましたが、いつもとっても優しい気持ちになります
....昔4ババさんが言ってた通りだなぁと、今思っています。
なんやかんや悲しい出来事が起きて、許せミィと思うことも一杯ありますミが、やっぱり我が子達と居られるこの時間はとっても幸せです。
ミィの子どもに生まれてくれてありがとネ。
生きていればきっときっと、良いことが起こるミィから....ママはそう信じているミィ
———
次の日になりました
昨日と違って、ニンゲンは朝と夜、2回ベビゴハンを持って来ましたミ。
いよいよお別れが近づいてきたんだと改めて感じます
ミィは今日も、代わりばんこにベビちゃん達を呼んで、すとおるの前でヨシヨシしてあげました
ホントにみんな大きくなったもので、行き違うのも一苦労です
ミィがヨシヨシしてあげられない時、ベビちゃん達はおソト(雑居房)をよく眺めるようになりました。
ベビちゃん達もきっともうすぐお別れして、おソトに出ることがわかってきたんだミィね...
まあミィがしつこく言ってるからかもだけど...
ベビちゃん達は、もしかしたら早くおソトに出たいのかもしれないミィ。なぜならば、この囲いはとっても狭いのです。今のベビちゃん達が走り回ることなんてもちろんできません。あらゆる面でこのおウチは不自由です
ベビちゃん達、長女ンネちゃんと次女ンネちゃんは割とゴハンを食べてるミが、弟ンネちゃんと妹ンネちゃんはゴハンもお水もキライみたい。
わかるよ....ママもこのゴハンは好きじゃないから。仲間を食べちゃうなんてホントはしたくないミィ
-
ミィ達の暮らすこの囲いも、少し様子が変わってきました
ベビちゃん達がまんぞくに動き回れないのもそうですが、昨日一日でもの凄くクサイクサイになりました。
...敢えて口には出さミィけどね。
原因はハッキリしています
長女ンネちゃん達のウンチが、ミィのと同じ破壊力に成り上がったのです。自分で言うのもとっても恥ずかしいミが、“たぶこっぷん”を食べるとウンチがとってもクサイクサイになるのです。
この囲いは、たねつけのすとおるから戻って来た時はまあまあ綺麗にされてるのですミが、お母さんタブンネとベビちゃんが暮らしている間は一切掃除されません。
閉じ込められているわけですから囲いのどこかにウンチをしなければならず、ずっとクサイままです。ミィのかわいい肉球もきっとウンチまみれミィ。決して慣れることなどありません
今回のベビちゃん達はちゃんとトイレのできる子達ですが、それでも床はあちこちウンチ跡とオシッコ跡があります。怖いことが沢山あったから、ベビちゃん達その度にお漏らししちゃうからだミィ。綺麗好きな子でも、ビックリするとお漏らししちゃいます。
なんとなく、4ママちゃんの居た囲いの方を見てみました。
少ししか居なかったから割と綺麗ミが、よく見ると血の跡がついてるミィ
そういえば、小ベビちゃんは4ママちゃんに咬み殺されちゃったんだったミィね...
あの時はミィもパニックだったミが、他のベビちゃん達はどうなったんだミィ?どこかにさとごに行ったのミィかな?
今冷静に考えてみると、あの夜小ベビちゃんが寂しく泣いていた時、やっぱり無理矢理でもミィのところへ連れ込めばよかったミィ。あんなに小さいまま死んでしまうなんて可哀想ミィ
でもあの時は4ママちゃんに嫌われちゃうかもって怖かったんだミィ
....きっと今頃、天国で一杯ママに甘えているところだよね。キミのママはホントはとっても優しいミよ。沢山ミルクを飲んで、天国で大きくなってネ...
———
次の日、また朝からベビゴハンが与えられました。
ベビちゃん達、もう少し、もう少しだけきっと一緒に居られるミィ。ママが居なくなっても、ずっと仲良くね。どうかそのままの優しさで....
——
お昼過ぎのことですミィ
ニンゲンがひとりのお母さんタブンネを引き連れて、左の囲いまでやってきましたミィ。2ママさんってタブンネさんですミィ。たしか「2ママさん」じゃなくて別のおなまえがあるって昔言っていた気がするけど、忘れちゃったミィ。ごめんなさい...
2ママさんは、ミィや4ママちゃんのようにすとおるには入れられず、囲いにそのまま置かれました。
....無理もないことだミィ。2ママさんのお腹は、4ママちゃんよりももっと大きくて、とてもすとおるに入れるワケなんてミィことはミィにもわかるミィ
ミィもすとおるの外に出たいなってちょっと思ったミが、決して2ママさんを妬んだりはしませんミィ。ホントに大きなお腹だから心配ミィ
ミィ「2ママさん、こんにちミィ。おかげんいかがミィ?どうか無事にタマゴを産んでくだミィね」
「・・・・・・」
-
ミィが優しく話しかけても、2ママさんはうんともミィとも言いません。最初のベビちゃんがしゅっかされてしまった時からだったかな?あっと言う間に変わり果ててしまった、チョット気の毒なタブンネさんです
ミィのベビちゃん達も、久しぶりのオトナリさん登場で気になってるみたい。
だけど、みんな一度隣を見たミが誰も話しかけません。怖がってるみたいミィ
....無理もないことですミィ
こーゆう言い方は良くないかもしれませんが、2ママさんはとっても不気味です。ミィは挨拶するけど正直チョット怖いですミィ
みなさんは触覚がないからわからないかもしれミィが、フツーのタブンネさんのカラダの音は、「トクン、トクン...」て優しい音が聞こえます。オゲレツなタブンネさんだとそれがちょっと早くなるような感じです
それが2ママさんの場合、「ドッ...ドッ...ドッ...」って、なんかタブンネさんどころか、生き物ではない感じの音がします。
タブンネさんの触覚は相手の感情を読み取れるのは有名なはなしミが、2ママさんは一切の感情が読み取れません。ダゲキやクワガノンですら感情があるのミ....
さっきも言ったように、彼女はちょっと気の毒なタブンネさんなんだミィ...
このおウチへ来たばかりの時は、こんな感じではなかったのです....
—————
(また昔のおはなしですミィ。ちょっとお付き合いくださいミ)
初めて2ママさんと会ったのは、たしか種付けすとおるでしたミィ
ニンゲンA
「テメー!また入ってねえじゃねえか!そんなに交尾好きか⁉︎子宮でガキ殺してんじゃねえだろうな?オイ!」
昔のミィ
「ギャミーー!ごめんなさいミィごめんなさいミィ!!叩かないで下さいミィ!蹴らないで下さいミィ!もうたねつけは嫌ミィ!タマゴは産みたくミィ!ミィヤーーーン!」
そうだミィ。あれはミィが2回くらい連続でたねつけをやらされて、なぜかすとおるを移動させられず、かわりにニンゲンからブン殴られていた日だったミィ
お昼頃だったかな?ニンゲンがまんまるいヤツ(モンスターボール)を開けると、突然2ママさんは現れたのです。
まんまるに入れられるのは必ず別ポケだと思っていたから、あの時は驚いたミィ…
2ママさん
「ミッミィ?ここがミィの新しいおウチ...?ミィッ!タブンネさんがいっぱい!でもみんな凄く汚いミィ!それにとっても臭いミィ!どうして閉じ込められてるミィッ!?ミィこのおウチ怖い!イヤイヤ!牧場に帰るミィ!」
2ママさんは登場するや否や、何かが決壊したようにけたたましく叫んでいたミィ。
ニンゲンがぶっ叩いたり蹴り飛ばしたりしながらされるがまま、ミィのオトナリのすとおるに入れられました。
すとおるに入ってから狂ったように暴れていたので、ミィはちょっとおててとおなかを擦りむいてしまいミィ。たねつけすとおるは囲いの方と違って、お母さんタブンネ同士が密接しています。
-
2ママさん
「ミ゛ィッ!ミ゛ィッ!いやミィいやミィ!どうしてこんな狭い所に...!何かの間違いだミィ!飼育員さーん!助けに来て!ベッドもソファーも無いミィ!アンヨも痛いミィ!臭いミィ!こんなのイヤー!」
時々聞き慣れないコトバを言いながら、2ママさんはすとおるの前の方を必死に叩いていました。
よくわからミィが、無理矢理連れて来られたんだなってゆうのはなんとなくわかったミィ。
2ママさんが来たばかりの時は、嗅いだことのないとても良い匂いが漂ってきました。
昔のミィ
「2ママさん、落ち着いてミィ!おソトから来たのミィ?今は悲しいかもだけど、逆らってもミィ達の運命は変わらミィ!おててケガしちゃうミィ!だから落ち着いて....」
2ママさん
「...ミスンミスン。あなたは...?どうしてそんなに汚れているのミィ?ここはどこミィ?ミィは2ママさんじゃないミィ!◯◯(忘れちゃったミィ)っておなまえがちゃんとあるんだミィ!」
昔のミィ
「...ミィ。ごめんなさいミ。◯◯...さん?ミィ達は生まれた時にニンゲンにばんごうをつけられて、それで呼びあっていますから...」
2ママさんは4ババさんともミィのママとも違う、ちょっと変わったタブンネさんでしたミィ。決して嫌いってことはありませんが、なんていうか、ちょっと見てきたものがすごく違うっていうか...、ミィとはおはなしがなかなか噛み合わミィ。
—
2ママさん
「ミィ〜ン♪ミミィ〜ッ♪ニンゲンさん♪きのみをくれるミィ?それともポロックミィ?ミィ、ゴハンよりも先にここから出して欲しいミィ!それにミィ、どこかにリボン落としちゃったミィ!探してきて欲しいミィ♪」
ニンゲン
「おうおうおう新入りか。元気に媚びるね〜気色ワリィぜ、それ。明日は早速イチャイチャタイムだぞ〜。楽しみにしとけよ〜」
夜のゴハンの時、2ママさんはお耳をパタパタさせて尻尾をフリフリしながら、甘ったるいコエでニンゲンに話しかけました。
ご存知のようにタブンネさんは色々な可愛いコエを出すポケモンですミが、2ママさんのコエはミィも聞いたことのないようなコエでしたミィ
....チョット悪いけど、なんてゆうか、ニンゲンに向かってそんなコエを出すのはみっともないなってその時思いましたミ
2ママさんのお願いなど聞いてもらえるはずはなく、またしばらく大声で暴れたあと、しぶしぶ“たぶこっぷん”をチビチビと食べ始めました。
2ママさん
「ペッペッ!ミケホッ!....ミィ。このフーズ美味しくないミィ。お水もヘンなお味....。ねえ、3ママさん。他にはどんなメニューがあるのミィ?おやつはポロックミィ?ヒウンアイスミィ?」
昔ミィ
「めにゅ?ぽおっく?ミィ達が食べたり飲んだりできるのは、このゴハンとこのお水だけミィ。....お察ししますミィ。美味しくないミィよね。だけど我慢して食べミィと、死んでしまいますミィ」
2ママさんはギャグみたいな顔で驚きながら絶望していましたミィ
—
2ママさん
「ミフッ。ミグッ。...ミンミン。....こんなの絶対何かの間違いミィ。ニンゲンさんのおウチはフカフカのソファーがあって、美味しいオヤツも沢山食べれるって....。早く迎えに来ないかな。ミィ臭い所嫌いミィ...」
なんやかんや言いながら、2ママさんはゴハンを全部食べて、お水も全部飲んでました。
2ママさんがどんなトコロから来たのか、今でもあまり詳しくは知らないミが、なんとなく悪いタブンネさんではないんだなと思いました。最初はちょっぴりニガテだったけど。
元のおウチに帰るって言い張っていましたミが、次の日たねつけが行われミィ....
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2ママ元バースデータブンネちゃんかw
落ちぶれたバースデーちゃん主役の話はたくさん見るけど客観的に他タブさんの目から見てみるとこんなんなのか
究極のお花畑系なんだろうな
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タブ虐するのは発達障害、愛着障害、パーソナリティー障害のどれか
つまり人間的価値が低く、貧困家庭に生まれた生まれながらの棄民であるのは明白である
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虐.厨は脳に障害があって、自分の幸せを自覚できないから他者を虐げて留飲を下げようとする
チー牛キモメンなので女にもありつけないから女性的な印象が強いタブンネを凄惨な目に遭わせることで心の平衡を取ろうとする異常性欲者なのだ
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2ママさん
「ミギィ〜ッ....ッァ...。ぐ、ぐる゛ミィッ。なんなのミィ?ごのネッグレスは...?ニンゲンざん!外して欲じいビィ〜....」
昔ミィ
「2ママさん!それは“くびわ”ミィ!もう諦めるしかミィ!”たねつけ“が終わるまでは外されミィ!歯を喰い縛って!気持ちを強く保つミィ!」
朝ごはんの少し後、それは唐突に始まりましたミィ
始まる前にたねつけのコトを教えてあげればよかったなと後悔したミが、仕方がなかった気もしますミィ。2ママさんがあまりにもゲンジツを受け入れていない様子だったものですから、アレコレ言うのも気が引けたのですミィ....
ニンゲンA
「新入り、暴れんじゃねえ!もうすぐママになれるぞ〜、嬉しいなあ、良かったなー!」
ボコッ!ゴスッ!
2ママさん
「ミキャキャァァあ゛ばばっ....!いだいっ!イヤ゛ッ!ごわいミィ!ごばいビィ〜ンン....!どぼじでっ!なんでだだぐのビィっ⁉︎だでがっ!だずげでっ!ヤメてミ゛ィーーッ!」
ニンゲンB
「いや〜スゲえ抵抗っすねコレ....。ペット用個体ってどんな教育受けて....てか、あーっ!やべえ!コレって注射打ちましたっけ?」
ニンゲンA
「あーやべえ!打ってねえわ!今からでもいい!お前持ってこい!バージンの9ヶ月だから生殖は問題ねえけど、数出なくなる!」
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ミィや4ママちゃんも“初めての時”はかなり抵抗したものですが、2ママさんもその例に漏れませんでしたミィ。
2ママさんは“とざま”ですミィからこの後何が起こるかまだわかっていなかったでしょうミが、恐怖で泣き叫んでいました。涙の飛沫がミィにもたくさんかかりましたミィ。
たねつけの時はくびわとくさりで自由を奪われてから、すとおるの後ろが開けられます。
ニンゲンの言う通りにお尻をすとおるの外に出すまで、きんぞくばっとってヤツで何度も突かれるのです....
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2ママさん
「グミブミミグミィブィャ〜〜ァ゛ァ゛ァ゛!?びっダ〜!イダイ!ビィのアンヨ゛がぁ!?ビィ〜ぶるるっ....」
やがてニンゲンによってタブモモに“くすり”を打ち込まれ、2ママさんの呂律が回らなくなってきましたミィ
ミィはこの時何度もたねつけを経験していましたミから慣れっこというか、当たり前のできごとのようになっていましたが、改めて狂った行為だなって思いましたミィ
他のポケモンさんやニンゲンも、こんなコトをしてタマゴを作るミィのかな?
ドスン、ドスン、ズズ...ズリュズリュ.....
そうこうしているウチに、”たねタブンネさん“の足音が聞こえてきましたミィ
たねタブンネさんがなんにん居るのかミィも知らないミィけど、トコトコっていう普通のタブンネさんの可愛い足音とは違い、重々しく、何かを引きずるような重厚な音がしますミィ....
ニンゲンA
「おうおう王子来ちまったぞ!ホラ2番、姿勢悪い。もっとケツ突き出せ!」
ゴッ!ゴキッ!
2ママさん
「...グッ!....ミゴッ.....
ニンゲンはすとおるの上によじ登ると2ママさんを踏みつけ、もうひとりがボウを嵌めて2ママさんのアゴと背中を固定します。ミィのところにボウははみ出してきますが、頑丈に固定されていて助けてあげられません
すとおるはタブンネさんを閉じ込めるだけでなく、時に拷問器具と化しますミィ...
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