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タブンネ刑務所14

539タチワキ養タブ舎・ベビンネ章:2021/04/06(火) 01:26:16 ID:.35ECOTA0

ローブシン、クワガノンの説明を終えたところで、未登場の水ポケモン達の解説が始まる。
4ベビは黙ってママの話をしっかり聞いているが、瞳が潤み出している。聞けば聞くほど暗くなる話であった。

「みんなたぶんまだ見たことないミィけど、お外で暮らすようになったら水の技を使うポケモンと会うことになるミィ。特に気をつけないといけないのは、マママリルリってやつででっ...ミィ...ミィーンミンミン!ブミィオオオオオオお゛お゛お゛んん゛!......」

長「ママ!大丈夫ミィ?」
次「ママ!」
弟「チ、チ、チビィ〜ン!」
妹「チビャーン!チスンチスン....」

話している最中でママンネが大声で泣き出してしまい、弟妹も連られて号泣してしまう。割と平静としていた長女次女ですら目からボロボロと落涙している。
何ともカオスで、滑稽を通り越して惨め極まりない光景であった。

——

ママンネはいつも、こうして飼料が与えられ始めたタイミングでこのタブ舎の処世術を我がベビ達に伝えている。
もう何週も産んで育てて出荷されを繰り返している為、落語家が持ちネタを噺すように今回同様の講釈を行なってきた。

しかしママンネにとっていつも辛くなるのが他のポケモンについて説明を行うくだりであった。

ママンネは『人間』『ポケモン』という生き物の大別はついている。朧げながら4ベビもそれは同様である。

同じポケモンなのに、どうして他の種族は人間に可愛がられ、どうしていつも自分達タブンネだけがこんな辛い目に遭わされ続け、何の自由も権利もなく、されるがままに殺されなければならないのか。

人間はともかく、タブンネの味方をしてくれるポケモンが1匹も居ないことも悲痛な事実

皆タブンネに全く興味がないか、苦しんでいる様を見て喜んでるかのいずれかだ。触覚を使わずとも表情や仕草から否応なしに伝わってくる。

それを我が子に伝え教えなければならないという屈辱。ママンネにとって到底受け入れられないこの世界の現実であった。

——

小一時間親子固まって悲痛なタブ泣きを続けたあと、冷静さを取り戻してママンネが最後の言葉を紡ぐ。

「みんなごめんミィ。ママがしっかりしなきゃいけないミィよね。沢山お話ししたけど、これだけは忘れミィで。みんなに、他のタブンネさん達全員に、優しくしてあげること、みんな仲良くすることが、ミィ達タブンネさんの、大切な誇りなんだミィ。ベビちゃん達がタブンネの誇りを忘れなければ、いつかきっと神様が、ミィ達を助けてくれるかも知れないミィ。最後まで、決して希望を捨ててはいけないミィ。タブンネさんは誇り高い生き物ミィ!みんなタブンネの誇りを忘れミィで!きっと約束ミィよ!」

ママンネは半ば自分に言い聞かせるように、食肉らしからぬ演説を結んだ。

4ベビは目に涙を浮かべながらも、真剣な表情でそれを聞き、コクコクと頷いて返事をした。

実に素晴らしい生き物達である。




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