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リョナゲームブックを作ろう!

1名無しさん:2007/06/04(月) 03:16:46

物語の途中で選択肢を選択し、いろんな方向へ物語が分岐するゲームブック。
しかし、リョナ向けのものはあまりありません。
そこでみんなの力を合わせて、リョナゲームブックを作ってみませんか?

設定や、投下ルールに関する意見募集中。
まだまだ形になっていませんが、よろしくお願いします。

241名無しさん:2008/07/18(金) 21:23:34
そんな事よりエルキスのエリクサールートの続き作ろうぜ

247名無しさん:2008/07/19(土) 02:45:34
なにこの大あぼーん祭り…

248名無しさん:2008/07/20(日) 03:55:36
俺のレスだけ残ってて吹いたw

249名無しさん:2008/08/30(土) 23:41:36
はじめまして。
ひとつBADENDまでのルートを作ってみたので投下させていただきます。
>>154氏の選択肢からのルートで、>>197氏のルートでの描写と関連を持たせてみました。
また、>>204氏の意見を取り入れさせていただきました。

自分でもちょっと凄惨になり過ぎてしまったように感じるので、グロ描写が苦手な方はご注意ください。

250名無しさん:2008/08/30(土) 23:42:39
>>154
<武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>



「おねえちゃん…お姉ちゃん…」
俯き、涙をこぼすルネスを引きずる様にしてリーファンは石造りの廊下を進む。
しばらくすると分かれ道に行き着いた。右、左、前の3つに道が分かれている。
リーファンが足を止めてどの道を進むか思案していると、突如ルネスが彼女の腕を振りほどいてそのまましゃがみ込んだ。

「お姉ちゃん…。ルネスどうしたらいいの!?逃げたいのに!お姉ちゃんが一緒なら逃げられるのに、何で残っちゃうの?
ルネス、お姉ちゃんを見殺しになんかしたくないけど恐いよ。逃げたいよ!」
恐怖、姉妹愛、身勝手、様々な感情が幼い心に渦巻き、耐え切れなくなったルネスが泣き叫ぶ。
(ルネス…。恐い思いをさせてゴメン。でもルネスと同じ恐怖に襲われながらもエルキスは必死に戦っている。そのエルキスを
救えるのはあたしとルネスしかいない今そんな我が儘は言ってられねえんだよ。…ゴメンな、ちょっと痛いけど目を覚ましてやるよ。)
そんなルネスに一瞬、同情を込めた慈愛の眼差しをむけたリーファンだったが、キッとした眼光に戻るとルネスの襟首を掴み
彼女の身体を引き起こして強引に立たせる。

「えっ!?」
パチンッ!
小気味よい音が廊下に響いた。
リーファンが掌でルネスの頬をはたいたのだ。
じわっと赤く染まっていく頬を掌で押さえながら呆然とした表情を浮かべるルネス。
そんな彼女を真正面から見つめるリーファンの目に涙が光る。
「ルネスの気持ちは痛いほどわかるよ。あたしだって恐いよ。あの女にはとても勝てる気がしない。でも3人で帰るためには
恐怖に打ち勝って、エルキスを助けに行かないといけないんだ!」
自らの心のうちを明かしたリーファンは、涙にぬらした頬をややはにかませながら言葉を続ける。
「あたしもルネスもエルキスに頼りっ放しだからな。たまには逆に助けてやろうぜ!」
「…う、うん、わたし頑張る。3人で帰るために精一杯頑張るよ。」
ルネスも呆けていた表情を緩ませ、リーファンに応じた。その笑顔は決意に満ちていた。
「おう!すげぇー武器を早く見つけてエルキスを助けに行こうぜ!ってどの方向に行くことにする?」
「わたしにはわからないし、迷っている暇は無いからリーファンが決めて。リーファンの勘、信じるよ。」
「よし、じゃあこっちに行くか」

リーファンが指し示した方向は


選択肢

<右の道へ>
<左の道へ>
<このまま真っ直ぐ>

251名無しさん:2008/08/30(土) 23:43:51
<このまま真っ直ぐ>


2人が真っ直ぐ道を進むと、やがて突き当たりにぶつかった。
目の前には木の扉がある。
この扉の向こうには何が待ち受けているかわからない。
ルネスはやや下がった位置で杖を手に魔法を放てる体勢をとり、リーファンは身構えながら扉のノブに手をかけた。
ガチッ
施錠はされておらず、拍子抜けするほど簡単に扉は開いた。
扉の向こうにも何らかの照明があるのか視界は明るい。
リーファンが扉を開け放つと、部屋の中の様子が隅々まで見て取れた。

「ここは……武器庫か!?」
リーファンが驚きの声を漏らす。
大きな屋敷の居間ほどの広さのその部屋には幾振りもの剣が立て並べられ、他に多くの盾や鎧が飾られるように
配置されており、まるで美術館のようだった。
「すごい…」
ルネスとリーファンは誘われるようにその部屋に足を踏み入れる。
間近で見ると武具はいずれも恐ろしく高価だと思われる精巧な物で、2人は目を奪われた。
だが、しばらくするとリーファンが何かに気づいて呟く。
「あたしやルネスが使える武具はなさそうだね。」
「うん、お姉ちゃんでしか使えなさそうなものばかりだね。」
そう、この部屋に飾られている武具は全て戦士用の物だった。
それも細身の剣や華麗に装飾された軽装鎧など女性にふさわしい物ばかりで、2人はエルキスがここにいないことを嘆いた。

「しかたない。エルキスのために簡単に持っていけそうな物を持っていくか。」
リーファンはそう言って、傍らの剣を持ち上げる。
(わたしにも持てそうなものってあるかな?お姉ちゃんのために剣や盾を持っていきたいけど重そうだし……)
ルネスは辺りを見渡し、軽くてしかも役立ちそうな武具を探すがなかなか見つからない。
しばらく探し物をしていた彼女だったが、ふと部屋の奥にある細長い箱が目に止まった
(あっ!?あの中に小物が入っているかな?ひょっとしたら、わたしやリーファンでも使える物があるかもしれない。)
「ルネス、どうした?あたしが長剣を一振り持ったから、ルネスは何も持たなくてもいいぞ。さあ、行こう。」
細長い箱に心惹かれるルネスに、エルキスのためにも先を急ごうとするリーファンが声をかける。

ルネスががとった行動は?


選択肢

<箱を開ける>
<開けずに部屋から立ち去る>

252名無しさん:2008/08/30(土) 23:45:10

<箱を開ける>


「リーファン、ちょっと待って!あの箱の中を見てみたいの!」
そうルネスは声を上げ、箱に近づく。
間近で見下ろしてみるとその細長い箱には様々な装飾が成されていた。
箱の縁には金や銀で見たことも無い魔獣の様なものの姿が幾つも彫られ、それを取り巻くように大輪の花の彫刻が見て取れた。
そして細長い箱のちょうど真ん中には実物大の剣のレリーフが目にも眩い宝石で模られている。
「おおっ!すごい箱だな!?」
ルネスと同じように箱に近づいたリーファンが、彼女の肩越しに感嘆の声を漏らす。
「でも、こんな彫刻がしてあると武具を入れる箱ってよりは王様や姫様が使うような物入れみたいだぜ?…もしくは、」
「うん、わたしもそうかなって思うんだけど一応中を見ておきたいの。」
疑問を呟くリーファンに同意を即座に返すルネス。そのせいで女武道家は続いて言おうとした言葉を飲み込んだままにした。

『棺桶みたいだな』

という言葉を。



「あらあら、人が大事な物を保管している部屋に盗みに入ったのですか?かわいいネズミさんたち。」
背後から聞こえた女の軽い声に即座に振り向く二人。
そこにはいつ現れたのかロゼッタの姿があった。
「ちくしょう……」
「あっ、ああぁ…………お、お姉ちゃんは?……えっ!?」
歯がみするリーファンと恐怖と驚愕が隠せないルネス、そしてルネスが何かに気づいた。
「そ、それ!?……お姉ちゃんの…剣…」
同時にリーファンも気づいて愕然とした表情を浮かべる。
ロゼッタの右手に握られている抜き身の剣、それは良く見慣れたエルキスの物だった。
エルキスが食い止めているはずのロゼッタが目の前に現れ、しかもその手には戦士の命とも言うべき剣が握られている。
その光景が意味するものはたった一つだった。
「そんな…嘘でしょ………お姉ちゃん…」
心に受けた衝撃で腰の力が抜け、ぺたんと座り込むルネス。

「くそおおおぉぉっ!」
自棄になったようにリーファンはもう届けるべき人がいなくなった長剣を投げ捨てると、雄叫びを上げロゼッタに殴りかかる。
剣を手にしているロゼッタだがそれを使うこともなく、繰り出されるリーファンの拳を最小限の動きでただ避けていく。
余裕に満ちた表情、時たま凍りついたように動けないルネスに余所見をしておかしそうな笑みをこぼすロゼッタと、
目を見開き顔を紅潮させながら拳や脚を繰り出すリーファン。
(実力が違いすぎる……あいつはただ遊んでいるだけなんだわ。)
その戦いの様子を見つめるルネスにも付くべき勝敗ははっきりわかった。ロゼッタが攻撃する気になったら一瞬でリーファンの
命は絶たれるだろう。そしてルネス自身も……。

間近に迫った死の恐怖に、彼女は箱にすがりつくようにしてその留め金を外す。
状況を打開する武器を求め、起死回生の一縷の望みを賭け、箱の蓋を押し開けたルネス。
「っ!?……いやああああぁぁァァァァァ!」

彼女の瞳に映ったもの、それは更なる絶望だった。

253名無しさん:2008/08/30(土) 23:46:22
ルネスのただならぬ叫び声で我に戻ったリーファン。
彼女はバックステップでロゼッタとの間合いを離すと、構えたまま僅かに瞳をルネスのほうに向ける。
「ルネス、どうしたっ!?何があった!?」
箱の中を覗き込んだまま、表情を凍りつかせ微塵も動かない魔導師に問いかける。
リーファンからは箱の中の様子は見て取ることが出来ない。

凍りついたようなルネスの瞳に映る箱の中身。
彼女より幾分背が高く、憧れだった長身。筋骨隆々ではなく、女らしい丸みを残したまま引き締まった美しさを見せる四肢。
それはルネスが良く見慣れたものだったがそうではない部分も目に入る。
鎧はいたるところが破損し、所々には肌を切り裂かれ血が滲んでおり戦いの激しさを物語っていた。
美貌を支える首筋にはくっきりと十指で握り締められた赤黒い痕が肌を汚している。
そしてその上の美貌は無残なものだった。
瞳は大きく見開かれ黒目とのコントラストを形作っていた白目の部分は真っ赤に充血し、威勢の良い声が発せられていた口唇も
苦悶を吐き出すように大きく開けられ歪んだ形だった。
凛々しい戦士の顔や、姉としての慈愛の笑顔をかつては見せていた顔形は恐怖、苦悶、哀願、絶望といった負の感情を貼りつかせ
既に青紫色の死相が浮かび上がっていた。

こうしてルネスはエルキスと最悪の形での再会を果たしたのだった。
だが彼女らにとっての悲劇、ロゼッタにとっての暇つぶしの喜劇はまだ終わらない。


「リ、リー、ファン……おね、お姉ちゃんがぁ。っがぁッ!」
振り向いてリーファンと視線を合わせたルネスが歯の根が合わずに口をパクパクさせながら、目にした絶望を伝えようとする。
だが百聞は一見にしかず、リーファンもルネスの追体験をすることになった。
ルネスが言葉を途切れさせ、息を詰まらせたのは背後から首根っこを掴まれたからだ。
最愛の姉、物言わぬ骸と化した筈のエルキスに。
「あがぁッ!リー、リーファンっ!た、助けっ、ぐぅッ!」
「ルネスっ!…ヒッ!?……エ、エルキス!?」
後ろから掴まれているため何とか声を出せるルネスが必死に助けを求める。
その声に応じようとしたリーファンが気づいた、立ち上がり棺桶から姿を現したエルキスの変わり果てた姿に。
エルキスは左腕一本でルネスを掴み、宙に持ち上げている。足をばたばたさせ、両手で姉の手を外そうとするルネスだが
非力な彼女ではどうしようもない。

254名無しさん:2008/08/30(土) 23:47:26
「ルネスっ!」
目の前の光景を必死に整理するリーファン、戦士としての心を持つ彼女は驚愕しながらもエルキスが既に骸と化している現実を
受け入れた。おそらくロゼッタの魔法で動かされているのであろうとも推測した。
なら苦楽を共にしてきた親友、エルキスの骸を打ち砕いてでもルネスを助け出して二人でこの場を脱すると決意を決め即座に
行動に映そうとした。
だがそんな彼女も動転していたのか、それとも先ほどの戦いで一切攻撃をかけてこなかったのでつい気を許してしまっていたの
だろうか、前門の虎たるエルキスの他に背後に後門の狼たるロゼッタに気を配ることは無かった。

「今助けてやるぞ!ルネ……えっ!?」
声をかけると共にルネスのほうに駆け寄ろうとしたリーファン、だがその声は途中で途切れた。
愛すべき魔法使い、親友の妹の名を口に出したときに『ザシュッ』という音が聞こえた。耳から入った謎の音に訝しげな色を
浮かべる彼女の瞳。
「えっ!?あっ、はッ……ああッ!?」
その瞳に映ったのは、形良い乳房の間、胸の谷間から貫き出た鮮やかな銀色の刃だった。
「戦いの最中、弱いネズミさんが余所見をしてはいけませんよ?」
「ああぁぁぁああああァァッ!」
頭のすぐ後ろ、耳元からロゼッタの囁き声が聞こえ、剣に貫かれた女武道家の傷口から血が溢れ出す。
真っ赤な鮮血がリーファンの果実のような胸の膨らみや、引き締まった腹筋を服越しに濡らしていく。
「えあっぁああ!あがっ!ごふゥッ!」
胸の真ん中から激しい痛みが全身を駆け巡り、血が流れ出るほど四肢から力が抜けるような感覚に襲われるリーファン。
さらに彼女の朱色の口唇を割って吐き出された鮮血が顔や首筋を汚す。

「うふふ、痛いでしょう?どう?自分の血で身体を染め上げられる感触は?」
楽しそうに問い掛けるロゼッタ、だがリーファンは聞こえていないのか無反応だ。彼女は剣の切っ先を見つめたまま、力が抜けた両腕を
必死に動かし胸から突き出た剣に沿わせる。
「御返事はどうしたの?…あらっ、抜きたいの?剣を抜きたいのかしら?……ならそうおっしゃってくださればいいのに。」
刃を両手で握るとともに乳房の間から湧き出る鮮血を何とか押さえようと掌を当てるリーファン。
そんな彼女の様子を目にしたロゼッタは、一気に剣を引き抜いた。

255名無しさん:2008/08/30(土) 23:48:29
「いぎゃぁぁああああァァッ、ブハガァッ、アガぁっ!」
「あははははっ!いい声!」
引き抜かれる刃の動きで、両掌を切り裂かれ絶叫するリーファン。口唇の間から悲鳴と共に鮮血が噴出す。
武道家として拳に厳しい鍛錬を加えていたにもかかわらず美しさを保っていた十指は、切り落とされたものこそ無かったが
皮一枚でしか繋がっていない指が幾本もあり、もはや力強い拳を放つことは出来そうになかった。
「あたしのォ!あたしのゆびぃがァァ!」
両掌を顔の前にあげ、信じたくない光景を目にして絶望の叫びを放つリーファン。
彼女は失血と共に下肢の力が抜け、また紛いなりに支えになっていた剣が引き抜かれたことで自らの身体を支えきれずに
後ろのロゼッタにもたれかかるような姿勢になってしまっていた。
「ふふ、可愛い。勇ましい娘が泣き叫ぶ姿は本当に可愛いわ、エルキスもそうだったのよ。」
もたれかかってきたリーファンを左腕で抱き留めるロゼッタ。
彼女は右腕に握っていた剣を手放し床に落とすと、そのまま一気に右腕を女武道家の傷口に貫き入れた。
「あぎぎぃぃぃイイッ!そ、そんなっ、腕がぁ!?」
「ああっ!命の温かさが感じられますわ。」
胸の傷から貫通したロゼッタの腕、痛みと信じられない光景に狂乱するリーファンにロゼッタは血塗られた右腕をグーパーさせながら
白々とした感想を吐く。

「えああああぁぁァァッ!痛いッ!痛いよおぉぉォッ!抜いてぇぇェッ!腕抜いてぇぇッ!」
今までの惨劇に言葉一つ出せずに呆然とした視線を向けるしかなかったルネス。
目の前のリーファンの身体は真っ赤に染まり、足元の床の石畳には血溜まりが形成されている。
今までの旅において、男勝りな中にも垣間見られる優しさを持つリーファンはルネスにとって第2の姉のような存在だった。
敵との肉弾戦をこなす武道家という職種の特性上、リーファンの滑らかな肌に傷が絶える事は無かったが、幼いルネスが思わず
顔を青ざめさせるような激しい傷を負ってもリーファンは泣き言一つ漏らすことは無かった。
そのリーファンが泣きじゃくりながら哀願の言葉を叫ぶ。
すでに姉は命を失い冷たい骸を操られて妹である自分の首に手をかけ、姉のような女武道家は闘争心を失い深手を負っている。
その光景にルネスの心は絶望に染められていく。

256名無しさん:2008/08/30(土) 23:49:38
「痛いいいぃぃィィッ!エルキスッ!ルネスッ!助けてええぇぇェェッ!」
とうとう、もはや死に敵に操られる存在となっているエルキスと、捕われているルネスに助けを求める声を上げるリーファン。
瞳からは光が失われつつあり、多くの血が流れたことで命の灯火が消えかけているようだった。
「あらっ!?だいぶ温かさが失われてきましたね?」
「あ、あぐッ!痛いのもやだよぉ。寒いのもやだよぉッ!許してくださぁぁあいっ。」
体温の低下に気づくロゼッタに、歯をガタガタ鳴らしながら哀願するリーファン。
その声は弱々しく、彼女の死が間近に迫っていることを示しているようだった。
「あらあら、冷たい血液って肌に付くと汚れが落ちにくいのよね。ということで今まで楽しかったわ、武道家さん。」
そう言うロゼッタの右腕がヌジュリという音と共にリーファンの背から引き抜かれる。

「あぎゅッ!」
支えを失ったリーファンの身体はそのまま前のめりに石畳に崩れ伏した。
全く受身を取ろうとせずに床に叩きつけた彼女の顔からかすかな声が漏れる。
「し、死にたく……ない。死に…たくない。し……死に、たく………ないよぉ……」
うつ伏せのまま血溜まりに身体を浸けた彼女は少しでも恐怖の対象であるロゼッタから、傷付いた身体を動かし必死にルネスの方へ
這って逃れようとしていた。
「ははっ!エルキスと同じように命乞いするのね!でーも、今のあなたの姿、ゴキブリみたいでちょっと可愛くないなぁ。
さて、ゴキブリは潰さないとね!」
瀕死の女武道家を見下ろしながらそう言い放ったロゼッタ。
彼女はつかつかとリーファンに歩み寄ると右脚を振り上げると一気にリーファンの身体に踏み下ろした。
……硬く尖った靴のヒールがちょうど女武道家の深い傷口に突き刺さるように。

「イギっ!」
ロゼッタの足に踏みつけられた瞬間、リーファンの身体が大きく跳ねる。
伏せられていた頭も跳ね上がり、ルネスはその表情を目にして驚愕した。
かつて溌剌とした輝きを見せていた瞳は、光が完全に失われて虚ろな視線をルネスのほうに向けていた。
形良かった鼻梁は石畳に叩きつけられたことでひしゃげ、血と流す肉塊と化していた。
口唇も折れた歯によって傷つけられ、傷を踏みつけられた悲鳴を上げた形のまま大きく開かれている。
恐怖と絶望を貼りつかせたその表情は、棺桶を開けた時に目をしたエルキスの死に顔にそっくりだった。
ルネスにとってはとても長い時間リーファンの顔は上げられたままに思えたが、やがて再び床に落ちた。

そしてリーファンの身体は身動き一つ、かすかな息遣いさえ漏らすことは無くなった。


もはやルネスを守る者はいない。彼女の命は彼女自身の選択にかかっている。


選択肢

<何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>
<恐怖で身体が凍りつき何も出来ない。>

257名無しさん:2008/08/30(土) 23:51:41

<恐怖で身体が凍りつき何も出来ない。>


呆然としているルネス。
突如、ルネスの首を掴んでいたエルキスの手が離される。
「あぐっ、ごほッ!ごほッ!」
ドサッと言う音と共に石畳に落ちたルネスは咳き込んで痛む後ろ首に手を当てる。
と、その手に何か冷たいものが触れた。
振り向くルネス。
彼女のすぐ後ろにはエルキスとロゼッタが立っていた。そしてロゼッタの手に握られているのはリーファンの身体を貫いたエルキス愛用の剣。
その切っ先がルネスの首筋に触れられていたのだ。
「あッ!あっ……あッ、あ……」
恐怖に身を凍らせるルネス。全身から冷たい汗が噴出す。
その汗と剣から滴るリーファンの血が首筋を混ざり合って流れる。
「あなた、勇ましい娘のようには見えないし、わたしの好みではないわ。だから一刀で終わらしてあげる。」
つまらなさそうに告げるロゼッタ。
そしてそのまま剣を振り上げる。

(お姉ちゃん……助けられなくてごめんね。今、側に行くから。)
ルネスが最後に目にした光景は虚ろな瞳で彼女を見下ろす姉の骸だった。
エルキスに謝罪の思いを胸にしたルネスの頬を一筋の涙が伝った瞬間、彼女の意識は永遠に絶たれた。

258名無しさん:2008/08/30(土) 23:53:04
お読みいただきありがとうございます。
リーファンを手ひどく虐めてみましたw その反動でルネスへのリョナ描写がほぼ無くてすいません。

『エルキス救出ルート』、『全滅別ルート』、『ルネス単独脱出ルート』などいろいろ分岐を作れるかなと思い、選択肢を3箇所も作ってしまいました。
もし続きを作成していただける方がいらっしゃいましたらどうぞお願いします。

259名無しさん:2008/08/31(日) 18:19:41
は、半年振りに新作が……ッ!
ロゼッタお嬢様大活躍でたまらんですな。
「勇ましい少女を痛めつけるのが好き」ていう自分の主義をもってるのもイイ!
選択肢次第では、ロゼッタを倒せたけどエルキスは犠牲に……なEDも後味悪くて良いかもね。

新作告知としてあげますよ。

260名無しさん:2008/08/31(日) 22:08:40
続きではないのですが、触発されて
197の後日談的なものを書いたので投下します。

後日談というよりもバックストーリーに近いかも。

ゲームブックという形式にはならなかったのですが、お許しを

261名無しさん:2008/08/31(日) 22:10:44

 ――――「死」に魅入られたのはいつからだったか。

エルキスの首を絞めながら、ロゼッタはふと、そんな無関係なことを考える。
眼前の哀れな娘の恐怖と懇願の表情が滲んだ瞳を見つめて、更に思考の展開は加速する。

 ――――あれは、まだ王立魔導院の高等部に通っていた頃・・・

クラスの落ちこぼれだったロゼッタはいじめられていた。
彼女の父は、街の権力者でありながら教育には厳格な人で、娘の境遇を知りつつも、
子供同士のいざこざに大人は介入せず、自分の力で解決させる、そんな考えの持ち主だった。
父の言いなりであった彼女の母の関しては言わずもがな。

毎日が地獄と形容しても過言ではない日常。

しかし、ふと父の書斎に足を踏み入れたとき、そんな日常は音を立てて崩れ去り
彼女を取り巻く環境は一変する。

彼女の父は骨董品の収集という趣味があった。
書斎でロゼッタの目を引いたのはその中の一つ、古ぼけた本。

「禁呪の本」

その目次には現代では封じられた様々な魔法が載っていた。

悪魔との契約(コントラクト)
屍術(ネクロマンシー)
誘惑術(テンプテーション)・・・

彼女は、自分の魔法の才能の乏しさに異常なコンプレックスを抱いていた。
魔導院とは、魔法の成績が全ての世界。才に乏しきものは自然に淘汰される。

(力が欲しい。他人に馬鹿にされないほど強大な力が。
 その為には、悪魔に魂を売ってでも・・・!)

かくして、彼女は自らの魂と引き換えに、悪魔の魔力を得る。
人智を超えた強大な魔力を。

262名無しさん:2008/08/31(日) 22:12:31

翌日、王立魔導院で彼女は初めて人を手にかける。

犠牲者は、街一番の貴族の娘エミリアとその取り巻き。
表向きはクラスの優等生。そして、彼女のいじめの中心人物であった。
その日もエミリアは日頃の憂さを晴らそうと、
取り巻き2人とロゼッタを人気の無い庭園の隅に呼び寄せたのだ。

「今日も魔法の実験道具になってくれる?グズッタ」

エミリアの言葉に、いつもなら怯えたような、媚びたような表情を浮かべるロゼッタが
今日は不適な笑みを浮かべている。目の色が赤いのは寝不足か。

「なに笑ってんのよ!生意気ね」

怒鳴りながらロゼッタに魔力を向けると、石つぶてが彼女に飛んでいく。
瞬く間にあちこちに青痣ができる。
しかしそんな状況下でもロゼッタは嗤っている。

「エミリア、こいつ、頭おかしくなったのかなバッ!?」

取り巻きAが言葉を発すると同時に、頭が弾け跳んだ。
首からぶしゅううと鮮血を迸らせ、頭を失った体が崩れ落ちる。

「――――え?」

一呼吸の後、絶叫がこだまする。

「いやああああああぁぁッッ!」「ひいいいいいぃぃぃッ!」

腰を抜かすエミリア。
走って逃げ出す取り巻きB。

ロゼッタがBを睨むとBは盛大な業火に包まれた。

「いやああああああああ!熱い!熱いいいぃ!ぎゃあああああああ!あああぁぁぁ・・・!」

瞬く間に骨まで残さず炭と化すB。

「次はアナタね、エミリア。フフ・・どうやって逝きたいかしら?選ばせてあげてよ?」

263名無しさん:2008/08/31(日) 22:13:49

「ひ・・あ・・や・・やだ・・やめろお・・やめて・・殺さないで・・お願い・・」

顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らし、失禁しながら命乞いをするエミリア。

なんて無様な。これがいつも私を蹂躙してきたエミリアか。
高度な魔法の実験とかぬかして、おもちゃみたいな魔法をぶつけて喜んでたエミリア。
それが、いま、私の圧倒的な魔力を前に、見るも無残な醜態を晒している。
これが、力。これこそが、私の求めていたもの。

「お願いだからあ・・ゆるし・・え・・?あ・・はっ・・・?」
(い・・息が・・できない・・!?)

「真空の魔法よ。エミリアいつも言ってたよね?
ロゼッタと同じ空気を吸いたくないって。グズがうつるって。落ちこぼれるって。
言ってたよね?ね?ね?」

「・・言・・て・・な・・ごめ・・なさ・・おねが・・・やめ・・はッ・・あぁ・・」
窒息の苦しみからか、再び失禁して泡を吹くエミリア。
その後もぴくぴくと痙攣していたが、やがてそれも止まる。


エミリア、今ならあなたの気持ちも解るよ。
人を蹂躙するって、なんていう快感なんでしょう。



 ――――「死」に魅入られたのはいつからだったか。
     
     なんで今、そんな突拍子もないことを考えたのか、解った。
     似てるんだ。あの時の状況に。
     この娘の顔もどこかエミリアに似てるかも。
     ああ、この表情、そっくり。ああ、頭の中が真っ白に――――

ロゼッタの手の中でまた一人、少女が息絶えた。

2641:2008/09/06(土) 18:01:47
投稿ありがとうございます。
サイトの方、ここまで反映しました。

265名無しさん:2008/09/06(土) 22:31:15
お、1さんだ。一応まだ死んではいないんだなここも。

266名無しさん:2008/09/07(日) 00:42:15
まとまった投稿さえあればまた賑わい始めるかもね。

267名無しさん:2008/12/18(木) 20:39:47
現在、(募集中)になっている箇所を図にまとめてみた。BADENDまで書かれている分岐は省略。
★マークの付いているところが続き待ちの選択肢です。
まとめてる時に気付いたんだけどttp://ryonabook.web.fc2.com/data/021.htmlの<恐怖で身体が凍りつき何も出来ない。>は、
続きがあるのに(募集中)を削り忘れてますね。


①<さっそく闘技場へ>ルート
   |   ↓
   | <もうだめだ……どう足掻いても助かりっこない>
   |   |
   |   ├→ ★<「ホーリーアーマーを私にかけて。私があいつを倒すから」>
   |   ├→ ★<「なんとかリーファンのところまで一緒に行きましょう?」>
   |   └→ ★<「あなただけでも逃げなさい」>
   |
   └→ <このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる>
        ↓
      <屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>
        |
        ├→ ★<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
        ├→ ★<このまま戦う>
        ↓
  <唯一、剣を持つエルキスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
           ↓
   <武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>
           |
           ├→ ★<右の道へ>
           ├→ ★<左の道へ>
           ↓
        <このまま真っ直ぐ>─→ ★<開けずに部屋から立ち去る>
           ↓
         <箱を開ける>─→ ★<何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>         


②<先に情報収集を>ルート
   |    ↓
   |  <掘り出し物があるかもしれない。品物を見せてもらう>
   |    |
   |    ├→ ★<何も買わない>
   |    ├→ ★<エリクサーを買う>
   |    ↓
   |   <聖水を買う>
   |    |
   |    ├→ ★<一手遅れることになるが、剣を拾いに走る>
   |    ├→ ★<ルネスと死霊の間に割り込み、ルネスを庇う>
   |    └→ ★<ルネスの勇気を揺り起こせることを信じ、ルネスに呼びかける>
   |
   └→ <これ以上は時間が惜しい。先を急ぐ>─→ ★<闘技場へ>


<右の道へ><左の道へ>は、自由度が高そうなので新展開をしたい人にオススメかも。
モンスターにせよトラップにせよ出したいものが出せるでしょう。
死霊orロゼッタお嬢様と戦う選択肢は、全体的に死亡フラグが準備完了。
「とにかく惨殺シーンを書きたい!」という人なら割とよりどりみどり状態かと。
<エリクサーを買う>は、ちょっと難しそうですがそのぶんだけやりがいはあるでしょう。

2681:2008/12/19(金) 00:47:59
まとめてくださってありがとうございます。 本来なら自分がやらなければいけない内容なのでしょうが…
指摘された点は修正しました。

269名無しさん:2008/12/28(日) 18:10:45
ttp://katamerukyarameru.spaces.live.com/blog/cns!BE98BC331E0FF807!590.entry
ttp://d.hatena.ne.jp/doublecrown/20081220/1229779930
クイーンズブレイド出してるところが、
ファイティングファンタジー(火吹き山の魔法使いと同シリーズ)からなんかリメイク版を出してるようですね。

あ、あと「>>141から分岐。<<このまま戦う>>を選択。」を執筆中です。暫くお待ちください。

270名無しさん:2008/12/31(水) 23:40:45
>>141から分岐。<このまま戦う>を選択。

 「グゥゥゥウォォォオオオオッ!!」

 少女達を見下ろしながら、殺意に満ちたミノタウロスの咆哮が室内を震わせる。

 「ごめん、ふたりとも! 覚悟を決めてッ!」

 エルキスの下した判断は戦闘をこのまま継続することだった。強大なミノタウロスに加え、ロゼッタの実力も未知数。
万全には程遠い今の状態でまともに相手をするべき相手ではない。
 だが、それは逃げることを選んでも同じことだ。逃げ切れる目算など考えるまでもなく、またその時間もなかった。
 だから、戦う。エルキスにとって、それがこの状況下で最も生存に近いと思える道だった。

 「……あら、逃げないのですね」

 エルキス達の決意を見たロゼッタは数歩下がり、壁に背を預けた。余裕の見物を決め込むつもりなのだろう。
 ミノタウロスは、たまたま手近な位置に立っていたエルキスに狙いを定めると戦斧を構え直した。

 (……来るッ!)

 少女の身体など一撃で両断できるだろう横薙ぎの豪刃が唸り来る。
対するエルキスは冷静にそれを見切り、引き付け、屈んで避けてみせた。
戦斧が頭上を振り抜けると共に、空を切った刃の起こした風がエルキスの髪と衣服を煽り乱す。
ミノタウロスの攻撃は決して鈍重なものではなく、むしろ予想よりも鋭い程だったが、エルキスが回避に専念すればどうにかしのげ

る動きと速さだった。
 第二撃。突き出される戦斧はまたしてもエルキスを捉えられない。だが、いつまでも防戦一方ではいられないだろう。
体力も集中力も無限ではなく、ミノタウロスを倒せたとしてもその次には無傷のロゼッタが控えている。
 最小限の動作と最小限の消耗でミノタウロスと死のダンスを踊り続けるエルキスを見守りながら、残るふたりは隙を窺っていた。
振り回される戦斧が巻き起こす暴風で迂闊に近付けず、そうするほかはないのだ。
もしその刃を一度でも受ければ、少女達を表す言葉は「人間」から「肉塊」へと容易く変わってしまうだろう。
 リーファンはロゼッタを警戒しつつ、全身の力で踏み出せる一瞬を待っていた。
じっくり待つのを好む性分ではないが、エルキスが命がけで掴もうとしている機を逃すわけにはいかない。
 ルネスは両手に輝く魔力を集束させ、いつでも必殺の一矢を射ち出せるよう身構えている。
その両手に傷はない。ルネスの掌を貫き、身体を吊り上げたあの鈎針の痛みは幻影の魔法だったのだ。
エルキスの振るう装飾剣が鎖を切った途端、鎖が縄に変じたことからもそれがわかる。
恐怖とは、それ自体が幻影のようなものだ。己自身の「怖い」という思い込みが恐れる心をつくり出す。
今、姉の闘いを見守るルネスの心には勇気の炎が波立っていた。
 勝負は一撃で決めなければならない。
ミノタウロスの側からすれば、少女達が渾身の一撃を放った後に生じる程度の隙さえあれば充分なのだから。
死のダンスは無慈悲に続く。

 「ブゥォォォオオァァァアアアアッ!」

 怒りの咆哮。十数度目の空振り。ミノタウロスの巨体はぐらりと体勢を崩し、無防備な顔がルネスの射程内に晒された。

 ──今だッ! 瞬間、事前に示し合わせたわけでもないのに関わらず三人の意思が重なる。

 「そこ!」
 「せいッ!!」
 「ハアァッ!!!」

 最初にミノタウロスを怯ませたのは、その顔めがけてルネスの放った魔力の弾丸だった。
熱と光の塊は輝き弾けてその半面を焼き、右目を奪う。大きく体勢を崩して膝を折り、片手を地面につくミノタウロス。
そこにリーファンが迫る。狙いは戦斧を握るミノタウロスの拳。その親指。
指の関節目掛けて突き出された拳が見事それを砕くと、指が開かれ、大きな手から戦斧が滑り落ちる。
そして、とどめとなる一撃を決めるべくエルキスが走り込む。
ミノタウロスが体勢を崩したことで、その頭部はちょうどいい高さに下りてきていた。
残った左目を目指して装飾剣の切っ先が真っ直ぐに飛ぶ。ずぶり、とめり込んだ刃は勢いよく眼球を潰しその奥の脳まで貫いた。
 一瞬の間隙から、少女達が反撃に転じて僅か数秒。信頼と覚悟が紡いだ連携は鮮やかに魔獣を屠ったのだ。
エルキスが装飾剣を引き抜くと、断末魔の叫びを上げる間も無く絶命したミノタウロスの巨体は、ずん、と倒れ伏せる。
勇気ある少女達は、強大なるミノタウロスに勝ったのだ。

271名無しさん:2008/12/31(水) 23:42:10
 だが、その安堵を噛み締める暇などない。

 「お見事ですわ。皆さん」

 もたれかかっていた背を壁から離し、ロゼッタはゆっくりと両の手を打ち合わせた。白々しい拍手だった。

 「……次は、あなたよ」

 切っ先でロゼッタを指し示し、呼吸を整えながら言い放つエルキス。
だがこれも虚勢だ。もし、次に倒れればもう立ち上がれないだろう。ミノタウロス戦での疲労と消耗は、その域まで達していた。

 「そうですね。では、始めましょうか」

 ロゼッタが広げた掌をかざすと、その手から眩い光がほとばしる。
ここに至るまでに心身とも限界に達していた三人にそれを迎え撃てる余力はない。
ふらついて構えを崩さないようにするのがやっとのまま、ただ無抵抗に閃光を浴びるだけだ。

 「……ッ!」

 歯を食いしばり、耐えようとするエルキス。だが、そこには覚悟していたような痛みや熱さは訪れなかった。

 「……これ、回復魔法……!?」

 ルネスが驚きの声を漏らす。その言葉の通り、ロゼッタの手から広がる光は優しく、暖かいものだった。
汚れた衣服を脱ぎ捨てるように、身体にのしかかっていた形なき重さが剥がれ落ちていく。
湧き上がる活力が全身を満たし、小さな傷は見る間に消えていく。高度な癒しの術だった。
 やがて光は止んだ。

 「どうして……?」

 戸惑い、問いかけるルネス。

 「だって、全力で来てもらわないとつまらないんですもの」

 たとえ万全の状態の三対一であろうとも、決して自分を倒せはしない。所詮は遊び。少女たちは儚く千切られる運命。
それだけの自信がロゼッタにはあった。

 「さあ、仕切り直しです。おいでなさい」
 「……ふっざけるなぁぁぁぁああああッ!!」

 全身から激情を撒き散らしながらリーファンが突進する。ロゼッタは余裕の笑みを崩さず、身体を左にずらした。
リーファンの拳を華麗にかわすと、優雅さを崩さぬ動作でカウンターの拳を腹部に打ち込む。

 「ガはぁッ!!」

 ロゼッタの拳打は、その細腕に反した威力でリーファンに痛みを伝えた。重い。そして痺れるような感覚が腹から手足へと走る。

 「……ぐッ」

 よろめくリーファンが、がしりと掴まれる。
そのまま浮遊感に襲われたかと思うと、視界の中で壁と天井が踊り、気が付けば背中に叩きつけられる痛みを感じていた。
投げられた。そう理解するより早く、リーファンの腹にロゼッタの足が踏み落とされた。

 「──がぁッ!」

 だらしなく両腕と両脚を広げ、全身で大の字を形作りながら悶えるリーファン。
先程の拳打と同じく、ロゼッタの踏みつけは手足を振るわせる独特の痺れを伴った。
その痺れは、リーファンが反撃できる可能性をゼロにするに充分なものだった。

 (……手足が、動かない……、畜生……、ちく、しょう……ッ!!) 

 手足の麻痺は、すぐには治りそうにはなかった。見下ろすロゼッタの唇と眉が、愉悦の形に歪む。

 「リーファンッ!」

 動けないリーファンに更なる追撃を加えようとするロゼッタに、駆け寄ろうとするエルキス。
だが、背後からの悲鳴にそれは阻まれた。

 「きゃああッ! お姉ちゃん!」

 ルネスの悲鳴。エルキスが慌てて振り向くと、死んだはずのミノタウロスがルネスの両腕を掴み持ち上げていた。
その右半面は焼けただれ、潰れた左目からは血の涙が流れ落ちている。

 (生きていた!? 違う、あれは魔法で死体を動かしているんだわ!)

 迂闊だった。ロゼッタが強大な魔力を持ち死霊事件の黒幕であるのなら、この程度のことは造作もないに違いない。
 エルキスに選択が迫られる。ミノタウロスからルネスを助けるか、ロゼッタからリーファンを助けるか。
この危機にあっても冷静さを見失わなず、一瞬でエルキスは決断した。

  <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>
  <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>

272名無しさん:2008/12/31(水) 23:44:11
  <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>

 (ルネスッ! 今助けるからッ!)

 最愛の妹を、動く死体となったミノタウロスから取り戻さなくてはならない。
しかし距離を詰めて斬りつけようと駆け出した途端、エルキスは勢いよく転倒した。

 「……くっ」

 なにかがエルキスの足首に絡み付いている。ロゼッタの右手から、光る紐のようなものが伸びていた。

 「隙だらけですよ?」

 そう言うと同時に、左手の指をぱちん! と鳴らす。それを受け、短剣を模った形状の発光体が四本現れる。
光の刃は速やかに落ち、起き上がりかけでちょうど四つん這いの体勢となっていたエルキスの両手と両ふくらはぎを貫いた。

 「あぁぅッ!」

 エルキスの四肢は地面に縫い止められた。だが、光る短剣が貫通した四箇所はいずれも血を流していない。
ミノタウロスと戦う前にルネスを吊り上げて涙を流させたものと同系統の術である。
実体を持たない刃で、痛覚と「動けない」という錯覚だけを与える幻影だ。
だが、魔術の知識に乏しいエルキスにそこから逃れる術はない。

 「はい、お終いです」

 ロゼッタが宣言する。少女達の生殺与奪は、もう自分の手の上に乗ったのだと。
 エルキスの命はもうロゼッタのものだ。
 リーファンの自由はもうロゼッタのものだ。
 ルネスの未来はもうロゼッタのものだ。

 「……え? あっ、いやぁッ!」

 ルネスが悲鳴を上げる。今までただ身体を拘束しているだけだったミノタウロスの死体が、その両腕に力を込め始めたのだ。
人体の限界強度を遥かに超えた握力が、ルネスの両腕を握り潰そうとしている。ゆっくり、ゆっくりと。

 「あ、あぁ……! あ、あ、あ、あぁぁぁ……ッ!」
 「…………ッ!」

 這いつくばるエルキスにできることは、なかった。姉妹が揃って泣き叫べば、あのロゼッタはますます喜ぶだろう。
そう思って歯を食いしばることだけが抵抗だった。強がっていたかった。
強い姉でいたかった。妹の前で、弱く小さな姿など見せたくなかった。
そうすれば、きっと怖がりな妹にだって痛みに負けない勇気を与えられると思ったから。
 けれど、涙は止められなかった。
 ミノタウロスがルネスにかける力は少しずつ強くなっていき、やがてその瞬間は来たる。

 「あ、……いぃぎぃぃいっいあああああああああーッ!!」

 破ける皮膚。潰れる肉。砕け折れる白い骨。噴き出し溢れる真っ赤な血液。
 脆い。ルネスの両腕は、エルキスの目の前でボロ屑のようにねじられ、引き千切られた。
大量の出血とともに、両腕を失ったルネスの身体が地に落ちる。
意識も闇に沈みゆく中、どこを見ているのかもわからない眼から流れ落ちる涙が、うつろな顔を濡らしていた。
傷口から命が流れ出し、血溜まりが広がっていく。すぐにその灯火も吹き消されるだろう。

 「…………」
 「さて」

 依然、無言のままで手足を床に縛り付けられているエルキスにロゼッタが歩み寄る。
ロゼッタが引き寄せるように指を動かすと、エルキスの手の下にあった装飾剣が浮き上がり本来の主の元へと還った。
剣を鞘に戻すと、ロゼッタはルネスの方へと眼を向ける。見つめる先にあるのは引き千切られた両腕だ。
視線に魔力を乗せ、浴びせる。ふたつの腕は静かに浮き上がり、エルキス目指して飛んだ。

 「……く、はッ」

 近付いてきたロゼッタへ向けてなにか言おうとしたエルキスの首に、飛来したルネスの手指が食い込む。
無力な姉を、愚かなリーダーが招いたこの運命を責め苛むように指が絞まる。
ごめんね、という言葉を発する程度の自由すらエルキスにはもう残されていなかった。

 「あ、……が、は……!」

 すぐに妹の後を追うだろう。それまでの間、ロゼッタはその死をじっくり観察することにした。
残ったもうひとりにはどんな殺し方が相応しいだろうかと考えながら。

 一方、リーファンは……。

  <どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
  <手足の麻痺は強力で、すぐには回復しそうにない。ただ嬲り殺されるのを待つしかできない>

273名無しさん:2008/12/31(水) 23:47:14
  <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>

 「まあ、可愛い妹さんを見捨てるのですか?」

 装飾剣を構え直して向かってくるエルキスに、安い挑発を投げかけるロゼッタ。どこまでも余裕に溺れた態度だ。
ふたりの間合いはすぐに縮まり、剣の届く位置に到達すると同時に、エルキスは斬撃を放っていた。
ロゼッタは避けようとも防ごうともしない。それどころか、斬ってみろと言わんばかりに顔を傾け首を晒している。

 「──ッ!?」

 不可解なロゼッタの行動に戸惑いながらも剣を振り抜こうとするエルキスだったが、すぐにその理由を理解した。

 「ぐッ……!」

 剣が、動かない。見えざる豪腕に掴み止められたように、あるいは剣が自らの意思でロゼッタを斬ることを拒否するかのように。

 「私の剣で、私を斬ることはできませんよ?」

 エルキスは剣士だ。リーファンのような徒手格闘技術も、ルネスのような魔法の技もない。
だから、判断を誤った。空中に固定された剣から手を離し、ロゼッタから間合いをとるという選択肢を無意識に排除してしまった。

 「あぅッ!」

 鞭のようななにかが、装飾剣を引き戻そうとしていたエルキスの手を打った。思わず、握っていた手を離してしまう。
同時に、空中に静止していた剣ががらん、と音を立てて落ちた。
 エルキスの手を打った鞭の正体。それはロゼッタの髪だった。長く伸びた髪が毒蛇のように動いているのだ。

 「逃がしません」

 ロゼッタの髪が幾筋も伸び、エルキスの手足に、腰に、首に巻きつく。その身体を持ち上げ、そして締め上げる。
輪切りにしてしまわない程度に優しく、効率よく痛みを引き出せる程度に強く。

 「──ぐうぅぅああぁぁああッ! あ、はぁぁあああッ!!」

 エルキスを苛むのは、全身を締め付けられる痛みだけではなかった。
吸血鬼の牙を受けたかのように、ロゼッタの髪を通してエルキスの生命力が吸い上げられていく感覚があった。

 「この髪はね、死者の魂を髪に宿らせて動かしているんですよ。ほら、苦しいでしょう? ねえ、痛いでしょう?」

 わざわざ手の内を明かすのは、もはや奇跡の逆転など起こり得ないという余裕からではない。
そう教えてやることで、更なる恐怖と嫌悪感を与えてやるためだ。
ロゼッタの施しで回復したはずのエルキスの体力は、再び急速に削られていた。

 「お姉ちゃんッ! お姉ちゃぁんッ!! お願い、お願いッ! やめてぇッ! 」

 大好きな姉を目の前で痛めつけられ、自分がぼろぼろと涙を零していることにも気付かずに泣き叫ぶルネス。
ミノタウロスの拘束から逃れるべく先程からもがいてはいるのだが、少女は無力だった。
腕力ではかなわない。だが、どうにかしようと両手に集めた魔力も安定状態を成さずすぐに散ってしまう。
魔法を使うには一定の集中力が必要であり、今のルネスにそんな平常心は残っていなかった。

 「美味しかったですか? じゃあ、次は電流を流してあげますね」

 不意討ちの激痛をプレゼントするのもいいが、予告してやるのだって悪くない。
次に来る痛みをエルキス自身に想像させてやり、それに怯える表情をじっくりと観察したかった。

 「い、嫌ぁ……」

 エルキスの心が折れつつあることを確認できるか細い返事に、ロゼッタは満足の笑みを浮かべた。
髪を制御する魔力を調整し、電撃の波動を形成するよう命じる。出力は弱めだ。
既に弱っている相手にうっかりやり過ぎて、すぐ失神などさせてしまってはつまらない。

 「いきますよ? ……それ!」
 「あ、ああ、あ、あ、あぁぁぁぁあッ!」

 エルキスの全身を拘束する髪を少し緩めてから、魔力の電流が注ぎ込まれる。
体中を駆け抜ける、先程までとは違う種類の刺激に、エルキスの全身はがくがくと痙攣し始めた。

274名無しさん:2008/12/31(水) 23:48:20
 ああ、堪らない。あんなに立派なリーダーだったのに。あんなに凛々しく剣を振るっていたのに。
なんて、無様なダンスを踊っているんだろう。もっともっと、無様な姿にしてあげなくては!
 エルキスが嬲られる姿を直視できず、ルネスは両の眼を固く閉じ、顔を背けてしまっていた。
だが、耳を塞いで姉の悲鳴を拒否することはできないのだ。

 「……はぁ、……はぁ」

 電流を止めてやると、エルキスの弱々しい息づかいが聞こえてくる。……さて、次はどうしようか?
ロゼッタが次の虐め方を考えている僅かな時間だけがエルキスに許された休息だった。
 幾つかの案が思考の内を巡る中、ロゼッタはふと以前に読んだ本のことを思い出す。
一説では、時に恐怖よりも強く人の心を縛る感情がある。それは、羞恥だという。
……痛みのフルコースの最後に辱めのデザートを。なかなか素敵な選択肢に思えた。
どちらかといえばプライドも高そうなタイプに見えるし、きっと似つかわしいだろう。
 しばし考えたロゼッタは、その選択をエルキス自身に委ねてみようと思いついた。

 「今度は、あなたが次に受けるおしおきを自分で選んでもらいます。
  また痛みが欲しいなら右の足を、痛みではなく辱めを受けたいなら左の足をお上げなさい」
 「う……」

 選択しないことを選択できる立場にはない。痛みにぼやける思考で、エルキスは天秤を傾けた。


  <右足を上げ、痛みを求める>
  <左足を上げ、辱めを求める>

275名無しさん:2008/12/31(水) 23:49:20
  <右足を上げ、痛みを求める>

 エルキスは右足を上げ、更なる痛みに耐える道を選んだ。
痛みに負けたくなかった。圧倒的な力の差を前にしても、ロゼッタに屈したくなかった。
エルキスの心には、まだひとかけらの勇気があった。小さな勇気を握り締め、エルキスは誓う。決して諦めるものか!
圧倒的優位から弱者を虐げる喜びに浸るロゼッタは必ずどこかで隙を見せる。逆転の好機を信じ、今は耐える時だ。
エルキスを支える根拠は儚い。だが、それしかないのだ。

 「……あら、もっと痛いのが欲しいんですか?」

 エルキスが辱めよりも痛みを選択したことに、ロゼッタは表情を輝かせる。
エルキスの眼に、まだ完全に潰えていない抵抗の意志が見てとれたということもある。それもいいだろう。
今にも燃え尽きそうなか細い闘志。心に握られた剣を砕き折った時、その快感はロゼッタを至福の絶頂へ導くに違いない。

 「では」

 エルキスの全身を縛り上げている髪の内、腕と脚へ巻き付けている束に力を込める。先程よりも数段強くだ。

 「……ぐ、うぅぅ、ああぁぁぁ……ッ!」

 食い込む髪が、上腕部と大腿部を絞め潰していく。血が滲み、苦鳴とともに流れ出す。
腕と脚が鮮血の赤に覆われていく中、もうひとつの赤が彩りを灯した。

 「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 エルキスの四肢を輪切りにしようとしている髪が燃え始めたのだ。
簡単に殺さないように傷口を焼く止血と、更なる痛みを与えることを同時に行なうためである。
髪から電流を流したのと同じように、炎の魔力とて発揮できる。それがロゼッタの髪が持つ能力と特性であった。

 「いいいぃぃぃぎぎぃぃぃああっはあああああああぁぁぁぁッ!!」

 腕と脚が切断されつつある激痛に、焼け付く絶望が上乗せされて圧し掛かる。
手足の筋肉を切断し終えた髪は、そのまま大腿骨と上腕骨を圧迫し始めた。硬い骨に対し、更に強く絞まっていく。

 「ああぁぁがあぁぁぁぁッ、があああああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 エルキスの地獄は続く。エルキスの悲鳴は続く。ロゼッタは、恍惚に顔をとろけさせながらそれに耳を傾けた。
ミノタウロスの腕に囚われているルネスは、恐ろしくて先程からずっと眼を開けられずにいた。
固く固く眼を閉じ、悪夢の過ぎ去る時を待ち続けるしかできなかった。そんな未来が訪れないことがわかっていても。
リーファンは、床に転がされたまま震えていた。怒りと悔しさが全身に満ちても、強力に麻痺させられた手足は応えなかった。
 そして、硬いものが破砕される音。ほぼ同時に四つ重なって響いた。
 最後まで抵抗していた骨が断ち折られ、その四肢はエルキスの身体から永遠に失われたのだ。
ロゼッタが腰や首に巻きつけて支えている髪を解けば、もう自力では這うようにしか動けないだろう。
焼き塞がれたそれぞれの切断面が、白く細い煙を幾筋か立ちのぼらせていた。悲鳴はいつの間にか止んでいた。
 ロゼッタは四肢欠損体となったエルキスを密着させるように抱き寄せる。
不思議と、その姿が愛おしく思えたからだ。最後まで助けを乞うような見苦しさを見せなかったせいかもしれない。
 そうだ。この少女をペットにしよう。あの妹に世話をさせれば、きっと面倒をよく見るだろう。
ロゼッタはその素敵な思いつきに心を舞い上がらせると、エルキスの唇に自らのそれを重ね合わせる。
舌を挿し入れられても、エルキスはそれに抵抗しなかった。

  <ロゼッタのペットとして残りの生を過ごす>

276名無しさん:2008/12/31(水) 23:50:26
  <ロゼッタのペットとして残りの生を過ごす>

 ……数ヵ月後。


 「はい、お姉ちゃん」
 「……」

 少女趣味なドレスを着せられたエルキスの口元に、スプーンを運んでやる。エルキスはスープを静かに啜った。
メイド装束を纏ったルネスは、悲哀と慈愛の交じり合ったような表情でそれを見つめている。
 こうしてアークス家の屋敷で暮らすようになってから、今日で何日目だっただろうか?
あの後、反抗しようとしたリーファンは殺されてしまい、ルネスにはエルキスだけが残された。
……大好きな姉と一緒にいつも一緒に居られる。そう思えばこの生活も悪くはないのかもしれない。
浪漫と栄光を追い求める冒険者として旅をしていた頃が、今は随分と懐かしく思える。
 この数ヶ月の間に、幾つかのことがあった。
 自分達は依頼の達成に失敗し、リーファンの死とエルキスの四肢切断は死霊との戦いによるもの。
ルネスとエルキスはロゼッタの申し出により、冒険者を引退。客人及びメイドとしてこの屋敷に暮らすようになった。
……ということに表向きはなっている。その後、別の女性冒険者があの死霊を討伐することに成功した。
 前領主だったロゼッタの父は病に臥せったまま還らぬ人となり、新たに若きアークス領主となったロゼッタは毎日忙しそうだ。
町の人々からはなかなか慕われているらしい。悪魔が如きロゼッタの真なる顔を知る者はごく僅かだった。
気に入った冒険者の少女を惨殺する趣味は今も続けているようだが、詳しいことはよく知らない。
 そんな日常の中、ルネスは日々を過ごしている。
エルキスを車椅子に乗せて、屋敷の庭や町を散歩すること等も許されており、存外に平穏な暮らしを与えられていた。
分不相応な闘いに挑み敗れた冒険者を、寛大に救済した美談だと町の人々には思われているかもしれない。
勇ましい少女を、圧倒的な力で嬲り虐げることに悦びを見出すロゼッタ。
彼女にとって、もうルネスとエルキスは用済みであろうに、こうして生かされているのだから確かに寛大かもしれない。
あの時、命乞いなどをした覚えもないのだから尚更だ。たとえそれが気まぐれに過ぎないとしても。
 手足を失い、ロゼッタのペットとなって以来、姉の口数はずいぶんと少なくなった。
ルネスが話しかければ答えてくれるが、自分から口を開くことは滅多にしなくなっていた。
かつて憧れた、強く凛々しく美しくを体現していた姿はもう遠い追憶の中にしか居ない。
それでもルネスは姉を愛していた。食事も排泄も一人ではできない姉を世話することは、不思議と幸せを感じさせてくれたのだ。
変わってしまったのは、姉だけでなく自分もそうなのだろうとルネスは思う。
 夜、ロゼッタに奉仕することを求められることが時々ある。
痛覚増幅の術をかけられてから鞭で打たれたり、姉の目の前でロゼッタの召喚した怪物に犯されたりするのだ。
だが、最近はそれすらも悪くないと感じられるようになってきていた。痛みと快楽が矛盾しないものとなっていた。
もしかしたら、そう感じるように術でもかけられているのかもしれない。
だが、そんな真相などもうどうでもいいことだ。

 そう。
 今、ルネスは幸せだった。
 自由ではないが、それでも。


――HAPPYEND?――

277名無しさん:2008/12/31(水) 23:51:42
  <左足を上げ、辱めを求める>

 エルキスは左足を上げ、痛みよりも恥辱を浴びる道を選んだ。
体力も精神力も既に限界を超えつつあり、理性と無意識の両方が痛みから逃げたのだ。

 「……あら、もう痛いのはお嫌ですか?」

 その選択を受け、ロゼッタはエルキスの全身に巻きつけている髪を動かして大きく両脚を開かせた。屈辱的な体勢だ。
不安と恥じらいからかエルキスの表情が僅かに崩れ、ロゼッタの掌は開かれた脚の間へ向けてかざされる。

 「この術って、やろうと思えば相手の心臓を止めたりもできるんですけどね」

 人体には、不随意運動と呼ばれる働きがある。例えば、意識せずとも心臓が勝手に鼓動しているような機能がそれだ。
今、ロゼッタが使おうとしているのはその不随意機能を操作する術である。

 「ん……! くぅ……!」

 術をかけられたエルキスの身体がびくん、と震えた。もがくように腰を回し、尻を揺らす。

 「じゃあ、せっかくだからゲームをしましょう。ルールは簡単!
  あなたがこれからおもらしを我慢できたら、あそこにいる妹さんを助けてあげます。頑張ってくださいね」

 ロゼッタがエルキスにかけたのは、尿意という不随意機能を刺激する術だった。
エルキスの股間にまだ巻きつけていない髪を近づけ、乙女のなによりも大切な部分に先端を当てる。
痛みを与えることが目的ではないので、電流は弱めにしておくことにした。

 「……や、やめて……!」
 「やめてあげません」

 心底、楽しそうに返すロゼッタ。電流が、まだ開かれたことのない乙女の扉を蹂躙する。

 「あ、ああああああああああああああーッ!!」

 エルキスの全身が大きく仰け反った。
ほんの一瞬、耐えているかのように見えたが次の瞬間にはエルキスの股間に染みが現れ、広がり始める。
水が、溢れる。下着を汚し、太腿を汚し、尻を汚し、エルキスの尿が垂れ流されていく。
まだまだ吐き出し足りぬとばかりに、その勢いはなかなか衰えない。
液体が地面を叩く音とともに、温かい水溜りが出来上がりどんどんその面積を広げていく。

 「まあ、だらしない。こんなにたくさんおもらししてしまうなんて。もう少し頑張ってみせてもよろしいのではないですか?
  妹さん、あんなにあなたを慕っているのに……」

 長い失禁劇が終わった頃、エルキスには言い返してみせる気力も体力も残っていなかった。
ただ、苦痛と羞恥に顔を背け、小さく呻きながらひたすらに涙を零し続けているだけだった。
その顔は、ロゼッタの玩具にされた姉から眼を背けて泣いているルネスとそっくりだった。どちらも、惨めな敗北者の顔だった。
 エルキスに巻きつけている髪からは、もう抵抗の感触が伝わってこない。
先程までは弱っているなりにもがき、あがこうとする手足の動きがあったのだが。
どうやら、戦士としての矜持や戦意はもう洗い流されてしまったようだ。
もしかしたら、死霊を宿した髪での責めが精神にも影響を及ぼしたのかもしれない。

 「…………」

 ロゼッタは無言で髪をほどく。エルキスの身体は自身の尿が作った水溜りにびちゃりと力なく落ち、汚れた衣服を更に汚した。
尿が跳ねる。髪の拘束から開放されてもエルキスは人形のように動かない。
 そこにはもう、力を奪われきった身体と折れた心が転がっているだけだった。

 (……これ、どうしようかしら)

 魔力で伸ばしていた髪を元の長さまで戻し、ロゼッタは少女達を見回す。
 麻痺の魔力を込めた打撃により、行動不能となっているリーファン。
 無力な姉の姿と無力な自分自身に戦意喪失し、ミノタウロスから逃れようとすることもしなくなったルネス。
 死霊を宿した髪でたっぷりと痛めつけられ、大量失禁の恥辱でその闘志を砕き散らされたエルキス。
 ロゼッタが自ら動いたのは、少女達と死霊との闘いを見物しているうちに我慢できなくなったからだ。
この手で直接虐め抜きたくなり、試合場の結界に阻まれて脱出失敗したところを回収してここにつれて来た。
ロゼッタの欲望はひとまず満たされたが、まだまだ遊び足りないようにも、もう飽きてきたようにも思えた。
 惨めで哀れな敗北者たる少女達に、己が運命を選択する資格は既にない。

 ……やがて、ロゼッタは決断した。


BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>

278名無しさん:2008/12/31(水) 23:55:59
  <どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
  <手足の麻痺は強力で、すぐには回復しそうにない。ただ嬲り殺されるのを待つしかできない>

BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>

この五つが(募集中)になります。
物語上の矛盾や誤字脱字を発見されましたらご報告を。

279名無しさん:2009/01/01(木) 00:16:56
①<さっそく闘技場へ>ルート
  |   ↓
  | <もうだめだ……どう足掻いても助かりっこない>
  |   |
  |   ├→ ★<「ホーリーアーマーを私にかけて。私があいつを倒すから」>
  |   ├→ ★<「なんとかリーファンのところまで一緒に行きましょう?」>
  |   └→ ★<「あなただけでも逃げなさい」>
  |
  └→<このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる>
     ↓
  <屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>
     |
     ├→ ★<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
     |
     ├→<このまま戦う>
     |  | ↓
     |  | <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>  
     |  | |
     |  | ├→ ★<どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
     |  | └→ ★<手足の麻痺は強力で、すぐには回復しそうにない。ただ嬲り殺されるのを待つしかできない>
     |  ↓  
     | <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>
     |  ↓
     | <左足を上げ、辱めを求める>
     |  |
     |  ├→ ★BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
     |  ├→ ★BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
     |  └→ ★BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>
     |
     ↓
  <唯一、剣を持つエルキスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
           ↓
   <武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>
           |
           ├→ ★<右の道へ>
           ├→ ★<左の道へ>
           ↓
        <このまま真っ直ぐ>─→ ★<開けずに部屋から立ち去る>
           ↓
         <箱を開ける>─→ ★<何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>         


②<先に情報収集を>ルート
   |    ↓
   |  <掘り出し物があるかもしれない。品物を見せてもらう>
   |    |
   |    ├→ ★<何も買わない>
   |    ├→ ★<エリクサーを買う>
   |    ↓
   |   <聖水を買う>
   |    |
   |    ├→ ★<一手遅れることになるが、剣を拾いに走る>
   |    ├→ ★<ルネスと死霊の間に割り込み、ルネスを庇う>
   |    └→ ★<ルネスの勇気を揺り起こせることを信じ、ルネスに呼びかける>
   |
   └→<これ以上は時間が惜しい。先を急ぐ>─→ ★<闘技場へ>

2801:2009/01/02(金) 01:16:37
投下ありがとうございます。
今実家なんで、戻り次第更新しますね。

281名無しさん:2009/01/02(金) 04:05:32
>>270がコピペミスで、
「どうにかしのげ」と「る動きと速さだった」の部分で断裂されてるので、それも修正して収録をお願いします。

2821:2009/01/19(月) 01:56:54
大分遅れてすみません。
今回分、更新完了しました。

283名無しさん:2009/04/26(日) 18:37:33
久しぶりに投下。
ちょっとグロ寄りかも。

>>272 <手足の麻痺は強力で、すぐには回復しそうにない。ただ嬲り殺されるのを待つしかできない>

無様に床に這いつくばる3人の少女冒険者。

1人はゾンビと化したミノタウロスに四肢を千切られ、
既に物言わぬ骸と化している。
1人は仲間の千切れた両手に首を絞められ、
呼吸もままならぬまま、生と死の狭間を彷徨い悶えている。
そしてもう1人は麻痺の魔法にあてられ、仰向けに倒れている。

「さて…」

エルキスの悶える様を観察していたロゼッタは踵を返し、
再びリーファンの許へ歩み寄る。
ミノタウロスもルネスの死体を放り投げ、
リーファンを真上から見下ろす位置につく。

「見たところ、あなたが一番頑丈そうね。
 あちらの小柄な魔法使いのお嬢さんはすぐ死んでしまったけれど、
 あなたはどこまで耐えられるかしら?」

ルネスの凄惨な死に様を目の当たりにして、
次は自分の番だと解っていながら指先ひとつ動かせない恐怖。
一体、自分はどんな残酷な方法で殺されるのだろうか。

ミノタウロスがゆっくりとその巨大な足を持ち上げる。

全滅した冒険者の無残な末路は何度も耳にしたことがある。
冒険者になった瞬間から、その覚悟もできていたつもりだった。

しかし、よりによって、こんな性質の悪い相手に全滅してしまうとは…

「殺れ!ミノタウロス!」

ロゼッタが叫ぶとともに、リーファンの腹部めがけて
ミノタウロスの足が勢い良く降ろされた。

284名無しさん:2009/04/26(日) 18:38:58

ボギィッ!ミシッ…!パキ…!
ベキュッ!ボキ!

「ぎゃあああああああああぁぁッッ!ごぼっ!ごふっ!
 うええええっっ!」

信じられないほどの激痛。
ミノタウロスの何重トンもある体重が加速の力を乗せて、
リーファンのか細い腹部を蹂躙した。

体中の骨は砕け、内臓は潰され、大量の血液と吐瀉物が口から溢れ出る。

「まあ、なんて素敵な鳴き声…」

恍惚とした表情でロゼッタは呟く。それでもミノタウロスを操る魔力は休まず、
リーファンを攻撃するよう命令する。

一撃で気絶したリーファンに更なる攻撃を加えるべく、再びミノタウロスが
足を下ろす。

バキィッ…!ミチ…!ブチッ…!ぶしゃあっ!

2撃目はもはやリーファンが声を上げることも無く、
破れた腹と口から再び大量の血が零れ落ちただけだった。

「あら、もう死んでしまったの?
 あなたもあの魔法使いのお嬢さんと
 大してかわらなかったわね。」

ロゼッタはつまらなそうに動かないリーファンをつま先で小突いた後、
思い出したかの様にエルキスの方へ目を向ける。

285名無しさん:2009/04/26(日) 18:40:36

(い…息が…できない…目の前も暗く…
…ルネス…リーファン……)

ルネスの手で首を掴まれ、床から数センチ浮いた格好でエルキスは、
かろうじて生きていた。
僅かに鼻を通る空気から、むせび返るような、鉄分の混じった血の臭いがする。

(みんな…ころされちゃったの…?…私のせいで…
こんな無茶な依頼を受けたばかりに…)

「あら、まだ生きていましたの?
 良かった。もう少し楽しめそうね。」

首に食い込むルネスの指先に、
生前の彼女では考えられない程の力が込められる。

「ぐっ…!…ぁ…はっ…!」

人は死の間際、苦痛を和らげるため
脳内麻薬が大量に分泌することがあるという。
生を諦めた人間が、最期にせめてもの安らぎを得ようとする体内機能。
今のエルキスもまた、その例外にはならなかった。
自分のせいで妹と親友が死ぬという事態も背徳的な感情に
加速をかけ、彼女の興奮を増す原因となった。

「ふ…はぁッ…!んッ!んんッ!んーッ!」
ぷしゅうぅッッ!!

大量の脳内麻薬の分泌による快楽効果でエルキスは果てた。
痙攣する体。股間から液が噴出し、太ももを伝い、
浮かされた革靴のつま先から落ちて、床に小さな水溜りを作る。

「まあ、なんてはしたない…。見下げた小娘ね。
 お仲間は絶望と苦痛の中、死んだというのに…。」

「ひ…ぁはッ…!ふっ!んふうぅ…!」
ぷしゅっ!ぶしゅううっ!

快楽地獄の中、連続してエルキスは絶頂へ達した。

しかし、彼女の体力の限界はすぐにやって来た。

急速に脱力し、痙攣は弱まり、意識が遠のく。

(あ…私も…死ぬんだ…こんな所で…こんな格好で…
ルネス…リーファン…ごめんね…
向こうで会えたら…許してとは…言えないけど…
せめて…謝らせ………て…)


―― BAD END ――

2861:2009/04/29(水) 22:59:56
HPの方、更新しました。

288名無しさん:2009/05/04(月) 18:58:00
てす

289名無しさん:2009/05/08(金) 06:27:27
>>202から分岐。<「ホーリーアーマーを私にかけて。私があいつを倒すから」>を選択。


 右肩と左太ももを負傷したルネスは、この状況下でどの程度の戦力になり得るか?
おそらくルネス自身が死なないようにするので精一杯といったところだろう。
つまり、まともに戦えるのはもう自分しか残っていない。エルキスは瞬時にそう判断した。
そうして指示を受けたルネスは慌てつつもホーリーアーマーの呪文を紡ぎ、見えざる鎧の祝福をエルキスと自らに施す。

 「すぐに終わらせるから、それまでそこで持ち堪えて!」

 告げるとともに駆け出すエルキス。一直線にネクロマンサーを目指す姉の無事を、ルネスは全霊で祈った。

 「せぇえいッ!」

 エルキスの剣が、立ち塞がる死霊をすれ違いざまに斬り捨てる。

 「はぁアッ!」

 斬り進み、斬り開き、斬り抜ける。エルキスは確実にネクロマンサーへと迫っていた。
ホーリーアーマーの波動とエルキスの気迫に気圧されてか、死霊達も怯みすくんでいるかのようだった。
勝てるかもしれない。三人で生還できるかもしれない。姉の勇姿を見守るルネスの心に希望の明かりが灯る。
倒れたリーファンを越え、石造りの舞台に乗り上がる。さらに踏み進む。
 そして、残り数歩の距離を詰めれば、ネクロマンサーに刃が届こうという位置にまでエルキスは辿り着いた。
 
 「……」

 僅かな間、立ち止まる。呼吸を整え、剣を握りなおす。だがそれも一瞬。
無言不動に立つネクロマンサー目掛け、間合いを詰めたエルキスの剣が放たれる。
 しかし。

 (……えッ!?)

 気合に溢れた必殺の一刃が、空振った。剣撃に両断されようという直前、ネクロマンサーの姿が突如消滅したのだ。

 「お姉ちゃんッ! うしろッ!」

 悲愴を帯びたルネスの声が、エルキスの背中に飛ぶ。
エルキスが振り向くのと、邪悪な波動がエルキスに浴びせられたのはほぼ同時だった。
痛みはない。だが脱力感が全身を包んでいる。

 (これは……ッ!? ホーリーアーマーが……ッ)

 エルキスの背後へと瞬間移動したネクロマンサーが放ったのは、"スペルイレイザー"だった。
対象に付加されている魔法効果を打ち消してしまう呪文である。
 エルキスが反撃しようとするよりも早く、続けざまにネクロマンサーは次なる呪文を放つ。
先程とは違う形の魔力波動がエルキスを襲う。

 「ぐッ……」

 術を受けたエルキスは体勢を崩し、切っ先を下ろしてしまう。
手足が重くなり、思うように動かせないのだ。

 (あれは"スロウダウン"!? 呪文の完成が早すぎる……!)

 ネクロマンサーが術を操る速度は、ルネスから見て驚くべき高みにあった。
同じ呪文でも、ルネスの半分以下の時間で構築・発動できるだろう。
改めて、ルネスは自分達が分不相応な依頼を受けてしまったことを理解した。
だが諦めるわけにはいかない。まだ、生きているのだから。

290名無しさん:2009/05/08(金) 06:28:53
 亡者達の動作は緩慢だ。
しかし、スロウダウンの呪文によって俊敏さを奪われたエルキスは、それ以上に鈍く重たい動きしかできない。
エルキスの周囲に亡者達が湧き出すと、難なくその手足を掴まれ剣を奪い取られてしまった。
休息に身体から力が抜けていく。死霊の手から生命力を吸い取られているのだろう。

 (……ここまで、なの?)

 死霊に拘束されたエルキスを、再び絶望が包み込んだ。固く、両の目を閉じる。
 一方、ルネスは死の覚悟ではなく戦う決意を全身全霊に漲らせていた。
先程負傷した右肩と左脚は、不完全ながらも既に魔法で治癒させてある。
立ち、走り、戦うことはできる。

 「"スピード・ボディ"!」

 五感の反応を高め、四肢を軽くする速度強化の術を発動し、ルネスは走り出した。

 (お姉ちゃん……ッ!)

 駆けながら、両腕に魔力を集束させる。視線はネクロマンサーをぶれずに見据えている。
跳躍し、石の舞台へと飛び乗る。ネクロマンサーがルネスへと振り向いた。

 「……エナジィィ・カノンッ!」

 ルネスの両手が合わさり、光り輝く魔力の砲弾が真っ直ぐに飛び出す。
ルナスの使える術の中でも、上位の威力を持つこれが直撃すればネクロマンサーといえどもただではすまない筈だ。

 (ルネス!?)

 囚われ俯いていたエルキスが顔を上げる。そうだ。自分はひとりで戦っていたわけではないのだ。
信じ合い、助け合うべき仲間が居る。

 「…………」

 飛来する光の砲弾に、ネクロマンサーは静かに手をかざした。
対するルネスも身構えて魔力を手に流動させる。敵が棒立ちのままエナジー・カノンを喰らってくれる道理はない。
互いに相手の対応を読み、見据え、欺き合う魔法戦の只中にルネスは立っているのだ。
 光弾が、手をかざしたネクロマンサーに迫る。防御系統の術で防ぐつもりだろうか。

 (避けないつもり? それなら!)

 ルネスは再び両手を合わせ、突き出した。時間差で二発目のエナジー・カノンを撃ち、それを本命とする作戦だ。
この選択は、二射目を放つタイミングが勝敗と生死を分けるだろう。

 「……」

 集中し、機を窺う。まばたきせずに、ネクロマンサーの挙動を視る。
エナジー・カノンの魔力弾が爆裂することなく、敵の掌に吸い込まれるように消えたのを視認すると同時にルネスは動いた。
両手に維持していた魔力に「攻撃」の波形を持たせるよう念じる。

 「……せぇいッ!」

 勢いよく放たれた光弾は一射目よりも弾速が上がり、それだけ相手に与える猶予も小さい。
魔法による速度強化を得ているルネスは、エナジー・カノンを追って疾風のように駆け出す。
射撃からの連係で一気に決着をつけるつもりだ。普段の彼女からは考えられない戦い方。
追い詰められたことで、逆に秘めたる勇気が翼を広げていた。
 だが、その積極性が仇となる。

 (……!?)

 突撃するルネスの眼に、先に撃ち出した光弾が弾け散る様が映る。
光弾を散滅せしめたのは、ネクロマンサーの手から撃ち出されたもうひとつのエナジー・カノンだった。
ルネスのそれよりも一回り大きく、速い。
 ルネスの放った弾を増幅させ、反射させた凶弾だった。自ら当たりにいく形になる。
間に合わない。避けられない。咄嗟に腕を交差させて防御するのが精一杯だった。
 接触、炸裂。

 「あぁうぅッ!」

 痛みと熱と衝撃がルネスを焦がし苛み、吹き飛ばした。転がり、叩きつけられる。

 「……う、ぅ」

 致命傷には至らぬとも、「平気」などとは強がりでも言えないほどの負傷と激痛。
跳ね返されたエナジー・をカノン真正面から受け止めた両腕は焼け痺れ、指先が小刻みに痙攣している。
腕がまともに動かせないのみならず、脚にも力が入らない。立ち上がれない。
 それはつまり、この場において死を意味した。

 「……あ、あぁぁッ!」

 ルネスに死霊達が寄り集まり、傷ついた手足を乱暴に掴む。
恐怖と絶望の重りが上乗せされ、少女を抱擁する苦痛が抱きしめる力を一段と強めた。
 スピードボディとホーリーアーマーの同時使用は、強力に見えてひとつの欠点がある戦法だ。
それは時間。俊敏さを得る代わりに、他の付加系魔法の時間切れをも早めてしまうのだ。
ホーリーアーマーの加護はもう消えうせていた。

291名無しさん:2009/05/08(金) 06:29:58
 ルネスは短期決着での勝負に賭け、そして敗れた。勝利への鍵は手からこぼれ落ち、闇の水底に消えた。
 戦う者の時間は終わり、敗れた者の時間が訪れる。
 ネクロマンサーが楽団の指揮者のように手を振ると、死霊達が動き出した。
捕らえた少女達を引きずり、処刑を待つ罪人のように主の前に並べる。
 ネクロマンサーは足音もなく、滑るようにリーファンの前に移動した。
両手でその顔を挟むと、リーファンの喉から僅かな呻き声が漏れる。

 「…………!」

 指が、食い込む。

 「あ、ぁ、あ、あ、あああぁぁぁッ!」

 リーファンの眼が見開かれ、魂を吐き出すような絶叫が残るふたりの耳を突き刺した。
若々しかった少女の肌が見る間に生気を失い干からびていく。
美しく引き締まった筋肉を持つ四肢が急速に萎んでいく。
ネクロマンサーに、リーファンの全てが喰らい奪われていく。
 やがて、リーファンは骨と衣服だけを残して生の世界から消滅した。
白骨死体が乾いた音と共に地面に倒れ転がる。

 「い、嫌ァァァアアアあッ!!」

 ルネスの悲鳴は、先程のリーファンの断末魔にも劣らず、恐怖と絶望に満ちていた。
死ぬ。殺される。嫌だ。死にたくない。でも無理だ。不可能だ。死、死、死、死、死、死。
 泣き喚くルネスと、覚悟を決めたのか無言で眼を閉じたエルキス。
ネクロマンサーは両手をふたりに向け、魔力を放った。

 「……ッ!?」
 「きゃぁっ!!」

 見えざる巨大な腕が姉妹を掴み上げたように、その身体が宙に浮かび上がる。
念動力に持ち上げられた身体は、手足を動かそうとも空しく空気をかき混ぜるのみ。
エルキスが真下を見ると、一体の死霊が長い槍を天に掲げていた。
どうやって死ぬのか、どうやって殺されるのか、考えるまでもないだろう。
 そして、その瞬間は来たる。
 先に落とされたのはエルキスだった。槍を目掛け、顔面から真っ直ぐに勢いよく飛び落ちる。

 「……ぅゴぼ……ッ!!」

 槍の穂先が口内に突き込まれ、喉を破り抜け、内蔵を穿ち通し、股間から飛び出す。
逆さ串刺しとなって即死し、両脚を広げた少女の姿からは、もう凛々しさも勇ましさも美しさも消えうせていた。

 「ィイ嫌ァぁぁぁぁああああああアアアアアアアアアああッ!!」

 次はルネスの番。姉とは逆に足側からの落下。

 「あ、ああっガァァああああああああああッ!!」

 淫らに誘うように両脚を開かされた体勢で、姉を犯した槍を股間から受け入れる。
体内を昇りながら内蔵をひとつずつ裂き、貫いた槍は胸元から飛び出しつつ下顎に刺さって止まった。
溢れる血がルネスの死体を汚しつたい、下のエルキスをも濡らしていく。
 こうして一振りの槍に、姉妹を合わせ串刺しとした骸のオブジェが完成した。
互いに股間をこすり合わせるような体勢で貫かれ、固定された姿は酸鼻ながら淫猥でもあり、
見る者によっては退廃と猟奇に染まった美を見出せるかもしれない。

 今日も、アークスの町と闘技場を死霊の淀みから解放する勇者は現れなかった。


―― BAD END ――

292名無しさん:2009/05/08(金) 06:37:22
年末以来、久しぶりの投下です。
正直、自分が最後の書き手だと思ってました……。
>>207さんのアイデアを組み込んでみましたが、いかがでしたか?
他にもこういうのが見たいというネタがあったら積極的に書き込んでみてください。
ここはそうした方が上手く回るような気がします。
もちろん、必ずしも実現できるとは限りませんが。

2931:2009/05/10(日) 01:33:22
HP更新しました〜
また、少し活気づいてきましたね。

294名無しさん:2009/05/10(日) 03:36:14
更新乙でございます。
もっと早く書けるようになりたい……。

296名無しさん:2009/10/18(日) 08:57:54 ID:???
ログ修理下げ

297名無しさん:2009/10/27(火) 01:50:00 ID:???
<何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>


 「ぐ、……んぅぅ……!」

 最後のひとりとなったルネスは、動く屍となったエルキスから逃れるべく懸命に足掻いていた。
背後から首を掴み持ち上げられたこの体勢。脱出は極めて困難だった。
だがそれでもエルキスの手から逃れなければならない。ルネスはまだ、生きてこの地獄を脱出する意志を失くしていなかった。
亀裂の入った剣のように脆く、無我夢中の勇気であるにせよ、その心はまだ折れていないのだ。

 (お姉ちゃんの死体を操っているのが、あの人の魔力なら……!)

 絶望的な状況下ながら、ルネスは必死で最善の手段を手繰り寄せようと考える。
今の体勢では、発動に一定以上の集中力が必要な魔法は満足に使えない。
単純かつ効果的な一手で、突破口を穿つ必要がある。
 ルネスの両目が、固く閉じられる。
 そして、ルネスの掲げた手から眩い閃光が爆ぜ、室内に満ちた。

 「──! ぐッ……!」

 ロゼッタが小さな呻き声を漏らす。
 ルネスが使ったのは、暗闇に明かりを灯すだけの初歩的な魔法であり殺傷力などは皆無だ。
だが、魔力の微調整を一切せず、半ば暴走させるように光を炸裂させることで目潰しとして使うこともできる。
 思わぬ反撃に視力を奪われたロゼッタの精神は乱れ、その影響はエルキスにも及んだ。
意志なき死体を術者の意のままに動かすための魔力の流れ。それが淀み、ルネスを捕まえていた指の握力が緩んだのだ。
身体の自由を取り戻したルネスは、一目散に部屋の扉を目指す。ロゼッタと戦うという選択肢はなかった。
ルネスの性格ならそれが自然な選択であったし、エルキスとリーファンの死体から遠ざかりたいという心理も働いていた。

 「逃がすかァッ!」

 駆け去る足音にロゼッタが吼えた。弱者を相手に不覚をとった怒りに垣間見える、凶猛なる本性。
そして、一時的に視覚を失いつつもロゼッタは状況を完全に見失っていない。

 「閉じろッ!」

 全軍突撃を命じる将軍のように、ロゼッタが腕を振るう。
それと共に、ルネスが駆け込もうとしていた木の扉がひとりでに動き、乱暴な音を立てて勢いよく閉じた。

 「!」

 ルネスは思い出す。
エルキスを残してミノタウロスが召喚された部屋から逃げた時、背後から扉の閉じる音を聞いたことを。
自分達は律儀に扉など閉めてはいない。そんなことをする余裕も利点もなかったからだ。
つまりあの鉄扉を閉ざし、エルキスを閉じ込めたのもロゼッタの魔法に違いない。

 (どうしよう……?)

 扉を閉ざした呪文の解析と解除を試みるか? そんなことをしている間に殺されてしまう。
 木製の扉ならば攻撃系の呪文で破壊できるだろうか? 魔力を帯びた扉は見た目ほど簡単には壊せないかもしれない。
 残る選択肢はひとつしかなかった。覚悟を決め、勇気を振り絞ってロゼッタと戦うしかない。
ロゼッタが視力を取り戻す前に、ロゼッタを殺すのだ。ルネスは扉に背を向け、ロゼッタに向き直った。

298名無しさん:2009/10/27(火) 01:51:02 ID:???
 ロゼッタの魔力制御を一時的に断たれたエルキスの死体は、棒立ちのまま黙している。今しかない。
最後にして最大の好機が目の前にあるのだ。ルネスは両拳を握り、縦に重ね合わせた。
全身に循環する魔力を両の手へと集め、「刃の形を成せ」と命じる。
瞬時に、剣の形をした発光体がルネスの手に現れた。魔力の塊で剣を生成する魔法"スピリットエッジ"である。
普段の彼女であればまず使う機会のない魔法だったが、半ば無意識にルネスはこの魔法を選んだ。
剣士であった姉を弔う想いがそうさせたのかもしれない。

 (お姉ちゃん……! リーファン……!)

 ロゼッタはまだ視力を回復していないようで、手で顔を押さえている。今ならば確実にその命を奪えるだろう。
ルネスは突き出す形に光刃を構え、ロゼッタ目掛けて走り出した。明確な殺意が全身に漲り、突進する足音が室内に響く。

 「──ッ!」

 刃は、あっけなくロゼッタを刺し貫いた。胸部を貫通した刃にロゼッタの眼が見開かれる。
胸の傷口から溢れ出す鮮血が、刃を握ったルネスの手を汚していく。
大きく開いた口は最期の声を漏らすこともなく、ただ赤い血を吐き垂れ流す。ロゼッタの肉体が、死体へと変わっていく。
 立っていたエルキスの死体がぐらりと揺れ、倒れた。死体を奴隷とする魔力の枷が完全に解かれたのだろう。
 ルネスの手が"スピリットエッジ"を引き抜くと、血塗れのロゼッタは力なく仰向けに崩れ落ちる。

 「………………」

 悲しみ。後悔。憎悪。絶望。ロゼッタの死体を見下ろすルネスの心に、感情の波紋が幾つも広がる。
ふたりの仇を討つことはできた。だが、これからどうすればいいのだろう? ひとりで、どう生きていけばいいのだろう?

 「…………」

 エルキス。リーファン。そしてロゼッタ。
数多の武具で埋め尽くされた室内には、三体の死体が無惨かつ静かに転がっている。
吐き出した血で顎を濡らしたロゼッタの死に顔を見つめるルネス。
エルキスとリーファンを殺したのはこの死体だ。この死体を殺したのはルネスだ。
 冒険者たる者、悪辣な同業者や旅人を狙う盗賊の類と命を奪い合う機会は幾らでもある。
自分が死ぬことも、仲間と死に別れることも、起こり得る可能性として覚悟を決めていたつもりだった。
だが、それは所詮「つもり」に過ぎなかったのだ。
 冒険者の少女ルネスが寄りかかってきた旗が、今、折れようとしている。
 自身にも名のわからぬ感情がルネスの内で膨れ上がり、破裂しようとしている。

 「……」

 そして……。


  <生きる希望など、もはやない。それなら……>
  <かろうじて生きる意志を繋ぎ止めることができた。……今はとにかくこの部屋を出よう>
  <湧き上がる憎悪の衝動が抑えきれない。死んだロゼッタの顔に"スピリットエッジ"を突き立てる>

299名無しさん:2009/10/27(火) 01:52:32 ID:???
  <生きる希望など、もはやない。それなら……>


 ルネスの心は死んだ。
 膨れ上がる絶望が少女の心を押し潰し、溢れる悲しみが少女の魂を陵辱した。
 全てを失い、全てを諦めたのだ。

 「おねえちゃん……。リーファン……」

 静かに涙を零すその眼は死に魅入られ、濁り淀んでいる。生の光は、既にそこにはない。

 「わたしも……」

 その場にへたり込み、"スピリットエッジ"の切っ先を細い首筋に向ける。

 「……」

 刃が肌に食い込み、柔らかい肉と血管を切り裂く。流れ出す鮮血を止めるものはない。
ルネスの首から下はすぐに朱に染まり、その広がりに比例して顔色から生気が消え失せていく。
だらりと下ろされた手から、"スピリットエッジ"の光が消える。
 やがてルネスの時は止まり、その生は終わった。

 それぞれの死を迎えた少女達の顛末は、誰に語られることもなく闇に埋もれるだろう。
 輝かしい偉業を成し、英雄譚に名を残せる資格など、彼女達にはなかったのだから。


――BAD END――

300名無しさん:2009/10/27(火) 01:54:01 ID:???
  <かろうじて生きる意志を繋ぎ止めることができた。とりあえず、この部屋を出る>

 ルネスの足が、部屋の外へとゆっくりと歩を刻み始める。振り返ろうかとも思ったが、それはできなかった。
無惨な死体となったふたりの姿を改めて直視するだけの覚悟を、ルネスは持つことができなかったのだ。
 この時、振り向いていればもう少し運命は違ったかもしれない。

 一刺し。

 「……ぁ」

 激痛。背後から胸へと突き抜けた不意の一撃。
 なにが起きた? なにをされた? 無数の疑問符を意識の中で躍らせながらルネスは崩れ伏した。
胴を貫通した傷口から大量の血液が流れ出ていく。全身から急激に温もりが奪われていく。寒い。冷たい。
傷口だけが、燃えるように熱かった。

 「……まったく。……不覚、と言うべきか。見事、と言うべきか」

 「生者」と「死体」の中間とでも呼ぶべき状態にあるルネスを見下ろしながら、ロゼッタはつぶやいた。
"スピリットエッジ"が刻んだ筈の傷跡は綺麗に塞がっている。
血の汚れと衣服に空いた穴はそのままだったが、その肌には刃の痕跡など微塵も見当たらない。
その手には、先程ルネスが使ったものと全く同じ魔法、"スピリットエッジ"が光っていた。

 「少し、見直しましたわ。正直、三人の中では一番、戦士の資質に恵まれていないと思っていたのですけれど……。
  この身を一度は殺してしまうなんて、驚きです」

 致命傷が致命傷とならない。胸を貫いた程度では、短時間で再生を遂げてしまう。
ロゼッタの肉体は、これまでルネスが戦ったことのある全ての敵を超越する脅威的再生能力を有していたのだ。

 「……、……、……」
 「……あら、聴こえていませんか? そうですね。あなたは、ニンゲンですものねえ……。
  あっけなく、死んでしまう存在ですものえねえ」 

 ルネスは答えない。そんな力など残っていない。
か細い息をかすかに繰り返すだけで、それすらも緩やかに小さくなっていく。

 やがて、深い深い眠りがルネスを呑み込んだ。


──BAD END──

301名無しさん:2009/10/27(火) 01:55:12 ID:???
  <湧き上がる憎悪の衝動が抑えきれない。死んだロゼッタの顔に"スピリットエッジ"を突き立てる>

 「……ッ!」

 ロゼッタを刺し殺した魔力の刃を逆手に持ち替える。
倒れた死体の腹を踏みつけながら、ルネスは己の憤怒を突き下ろした。
血に汚れた顔目掛けて切っ先をめり込ませ、接触と同時に魔力を炸裂四散させる。
ロゼッタの頭部は果実のように砕け潰れた。血飛沫。肉片。脳。頭蓋骨の破片。眼球。粉々と爆ぜて散らばる。

 「…………」

 既に死した肉体を更に損壊させたところで、得られるものも取り戻せるものもない。
だが、思考がそれを理解していても感情はそれを受け止められなかった。
 ルネスは、己がいかに弱く、いかに小さく、いかに脆い存在であるかを突きつけられたのだ。

 「……」
 「あら、あら、あら」
 「っ!?」

 唐突に、ルネスの背後から声がした。女の声で、呑気な調子だった。
ルネスが振り向くと、そこには何時の間に現れたのかメイド装束に身を包んだ少女が立っていた。
ルネスよりも背は低く、顔立ちから判断しても童女と呼んで差し支えない年齢と見える。
艶やかな黒髪を長く伸ばし、大きく愛らしい眼は赤い色を湛えていた。
だが、その瞳をよく観察すれば彼女が人ならざるものであることがわかるだろう。
瞳孔が獣か蛇のように縦長の形状を持っているのだから。

 「この損傷度だと、まともな蘇生はちょっと無理ですねえ……」

 ルネスを無視するように黒髪の少女はつぶやく。変わらず、緊張感の欠けた声。

 「……」
 「ふむ」

 少女はロゼッタの死体に向けていた視線をルネスに据え直した。
ルネスの方は軽い混乱状態にあり、その顔には動揺と困惑の色が表れている。

 「はじめまして。わたくし、そこのロゼッタお嬢様と契約していた悪魔が一柱で、名はヤルダバオトと申します」

 そう名乗ると、少女は優雅に会釈した。

 「さて、単刀直入に申します。ルネスさん、わたくしと契約する気はありませんか?」
 「……ぇ?」
 「我々、悪魔というものは人間に代表される地上の知的生命体と契約しなければなりません。
  より正確に言えば、契約者の存在を介してのみ地獄、あるいは魔界と呼ばれる領域を離れ地上へと顕現できるのです。
  ロゼッタ様はあなたが殺してしまわれたので、今のわたくしには至急、新しい契約者が必要なのですよ。
  古き魔王が定めし掟により、新規の契約を結ばなければ私は地上から強制送還されてしまうのです。
  勿論、これはルネスさんにとっても悪いお話ではございません。
  あなたの姉君と御友人を蘇生してさしあげる程度の対価は保証いたします。
  おふたりとも、頭部といいますか脳には大きな損傷を負っておられませんので記憶の復元や修正も容易ですわ。
  全てを生前そのままに蘇らせてご覧に入れます。いかがですか?」

 名乗る時間も勿体無いとばかりにヤルダバオトはまくし立てた。

 「わたしは……なにを、支払えばいいの? 魂……?」

 ルネスがそう問い返したのは、悪魔の囁きに心が揺らいだからというよりもただ呆然となっていたからだった。
短い時間の中で、あまりにも多くのことが起き、大きなものを失ったのだから無理もない。
 ヤルダバオトが嬉しげに微笑む。

 「悪魔が契約者に求めるものはひとつだけでございます。それは生贄でも魂でもありません。あなたの欲望です。
  ただ己が欲し望むままに生きてくださればよろしいのです。ただそれだけでいいのです。
  契約で得た力をどう使おうが、全てはあなた次第。好きなようになさってください。
  人の世に悪徳と退廃をばらまこうが、弱く貧しい人々へ施しを与えようが、完全に自由ですわ。
  人間として、その心の思うがままに在り続けてくださればよろしいのです。
  人がなにかを願い、それを手に入れんとする想いこそが我々悪魔の求める唯一無二の報酬にございます」

 ヤルダバオトの言は真実なのだろうか? 悪魔の持ちかける取引は信ずるに足るのだろうか?
救済を求める弱さと、理性の司る疑念が、ルネスの内でせめぎ合っていた。

 「さあ、どうなさいますか?」


  <契約する>
  <契約しない>

302名無しさん:2009/10/27(火) 01:56:17 ID:???
  <契約する>

 「……いいよ。生き返らせて。お姉ちゃんと、リーファンを……」

 ルネスが力なく答える。ヤルダバオトは、お菓子を貰った子供のような笑顔でその回答を出迎えた。

 「ああ! あなたの賢明かつ迂闊な選択に感謝します、新しき主よ!
  今、ここに成された呪われし契約に古き魔王の祝福がありますように!」

 契約成立。大仰で芝居がかった反応を返しつつ、ヤルダバオトはそれを祝い、喜ぶ。

 「では、早速」

 ヤルダバオトが手招きするように掌を翻すと、エルキスとリーファンの死体がむくりと起き上がった。
無惨な死に顔はそのままに、喉の奥を見せびらかすように大口を開く。

 「一度、死を迎えた肉体の蘇生には新しい魂が必要になります。その代用となるのがこれですわ」

 ヤルダバオトの手が光り、その光の中からヒトの眼球ほどの大きさの赤い宝石が現れる。
次いで宝石は手を離れて浮き上がり、エルキスとリーファンの口中へと飛び込んだ。

 「人間の世界で言うところの"賢者の石"ですわ。あらゆる系統の魔術に応用可能な万能の物質です。
  すぐに肉体と同化して破損の修復と記憶の復元を行いますので、少しお待ちください。ご主人様」

 ルネスの質問を先回りするように解説するヤルダバオト。

 「おふたりの記憶はどこまで復元しますか? 此度の依頼と死の間際の記憶は消去することをオススメしますが」
 「……じゃあ、そうして」
 「はい。仰せのままに……」

 ……こうしてルネスは悪魔の力を手に入れた。
その後の彼女がどのような顛末を辿ったのか、ここにはあえて記さずにおこう。

 ひとつ、確かなことがある。人間は弱き存在であるということだ。
もし、ある日突然超越者となった時、その力を振りかざさずにいられるだろうか?
過ぎた力を与えられた愚者は、一時の栄光を掴むことができてもいずれは破滅を迎える可能性を常に宿している。
実際にロゼッタはそうして死んだ。

 ルネスは、どうだろうか?


──GLORIOUS END?──

303名無しさん:2009/10/27(火) 01:58:09 ID:???
  <契約しない>

 ルネスは静かに首を振り、拒絶の意を示した。
目の前に立つヤルダバオトと契約するということは、つまりあのロゼッタと同等の存在に堕するということに他ならない。
人間として生きる意志、そして冒険者としての最後の矜持がルネスにはまだ残されていた。

 「……そうですか。わたくしにとっては残念ですが、あなたにとっては正解かもしれませんね。
  契約の無理強いは禁じられておりますので、今後あなたにまた会うこともないでしょう。
  ……では、失礼いたします」

 ヤルダバオトはスカートの裾をつまみ、会釈を返す。ルネスは警戒を解くことなく、無言でそれを見つめていた。

 「……ああ、最後に忠告を。今、あなたの立場はアークス領主の娘を殺害した罪人であることをお忘れなく。
  まあ、それ以前にこの地下から生きて脱出できるかどうかすら怪しいですが、ね」 

 そう告げるとヤルダバオトの姿は空気と同化するかのように薄れて消えた。

 「……」

 惨劇の現場にひとり残されたルネスは、ヤルダバオトの言葉を吟味していた。
ヤルダバオトの言った通り、目前の危機を回避しただけで、ルネスは依然として窮地を脱してはいないのだ。
よく考えてみれば、ここがどこなのかさえルネスはまだ正確に知らない。ヤルダバオトは「この地下」としか言っていない。
ロゼッタが現れた時、恐らくここは領主屋敷の一室なのだろうと漠然と思い込んだだけで、その確証を得たわけではないのだ。
屋敷の地下ではなく、闘技場の地下なのかもしれないし、あるいはロゼッタの秘密の隠れ家かもしれない。
 なんにせよ、今は行動するしかなかった。ひとりとなっても脱出し、生き延びるのだ。

  <行動は早い方がいい。出口を探すべく部屋を出る>(募集中)
  <なにか役立つものが見つかるかもしれない。ロゼッタの死体を調べてみる>(募集中)

304名無しさん:2009/10/27(火) 02:00:05 ID:???
誤字脱字・日本語崩壊・物語上の矛盾点があったらご報告ください。

305名無しさん:2009/10/27(火) 02:06:37 ID:???
①<さっそく闘技場へ>ルート
  |   ↓
  | <もうだめだ……どう足掻いても助かりっこない>
  |   |
  |   ├→ ★<「なんとかリーファンのところまで一緒に行きましょう?」>
  |   └→ ★<「あなただけでも逃げなさい」>
  |
  └→<このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる>
     ↓
  <屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>
     |
     ├→ ★<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
     |
     ├→<このまま戦う>
     |  | ↓
     |  | <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>  
     |  | |
     |  | └→ ★<どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
     |  |
     |  ↓  
     | <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>
     |  ↓
     | <左足を上げ、辱めを求める>
     |  |
     |  ├→ ★BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
     |  ├→ ★BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
     |  └→ ★BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>
     |
     ↓
  <唯一、剣を持つエルキスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
           ↓
   <武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>
           |
           ├→ ★<右の道へ>
           ├→ ★<左の道へ>
           ↓
        <このまま真っ直ぐ>─→ ★<開けずに部屋から立ち去る>
           ↓
         <箱を開ける>
           ↓
         <何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>
           ↓
       <湧き上がる憎悪の衝動が抑えきれない。死んだロゼッタの顔に"スピリットエッジ"を突き立てる>
           ↓
         <契約しない>
           |
           ├→ ★<行動は早い方がいい。出口を探すべく部屋を出る>
           └→ ★<なにか役立つものが見つかるかもしれない。ロゼッタの死体を調べてみる>

②<先に情報収集を>ルート
   |    ↓
   |  <掘り出し物があるかもしれない。品物を見せてもらう>
   |    |
   |    ├→ ★<何も買わない>
   |    ├→ ★<エリクサーを買う>
   |    ↓
   |   <聖水を買う>
   |    |
   |    ├→ ★<一手遅れることになるが、剣を拾いに走る>
   |    ├→ ★<ルネスと死霊の間に割り込み、ルネスを庇う>
   |    └→ ★<ルネスの勇気を揺り起こせることを信じ、ルネスに呼びかける>
   |
   └→<これ以上は時間が惜しい。先を急ぐ>─→ ★<闘技場へ>

3061:2009/11/01(日) 14:24:22 ID:cDFpJ3do
投稿ありがとうございます。
少し遅れましたが、更新しました。
http://ryonabook.web.fc2.com/index.html

307名無しさん:2009/11/01(日) 15:59:33 ID:???
ソードワールドdsが気になる。
女魔法使いが無惨に殺されたりする
シーンがあったりするんだろうか
マイナーすぎるのかどこにも売ってないorz

308とおりすがり:2009/11/13(金) 21:08:17 ID:julgJyLs
一人でさみしい夜には、無料ゲームで遊んでみないか、
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309名無しさん:2010/03/20(土) 00:13:14 ID:???
オートフォー過疎

310名無しさん:2010/03/21(日) 22:09:47 ID:???
過疎ってるなー。
見てるだけの人はここに。

311名無しさん:2010/04/11(日) 22:15:04 ID:???
>>121から分岐。<エリクサーを買う>を選択。

 エリクサーは、飴玉のような外見をもつ霊薬だ。飲み込んでおくことで一度だけ致命傷を自動で治癒してくれる。
半不死の薬とも呼ばれ、これを必要としない冒険者はいないと言ってもいい品である。
まるで仕組まれているかのように、小さな瓶にはちょうど三粒が入っていた。
 それが500リナ。破格どころではない。

 「あの……」

 エリクサーを手にとったルネスが商人に向けて口を開いた。

 「安過ぎて怪しいってんだろ?」 
 「……はい」

 商人は客の反応が予想済み、あるいは経験済みだとばかりに答える。

 「こいつはな、自家製なんだ」

 商人が語り始める。曰く、彼の妻が材料の栽培から調合まですべてを行うことでこの価格を実現しているのだという。
また、様々な利権が絡むことで、エリクサーはその製造コストに対して妥当とはいえない高値で流通していると話した。
エリクサーが発明されたころは名実共に高級品だったが、
技術が進歩して安く製造できるようになってからもその値段は下がっていない。

 「下手に店を構えて安いエリクサーを売ろうもんなら、商業ギルドに目をつけられちまって色々と面倒なのさ。
  だから行商でしか売れないんだよ。だが一期一会の取引ならそれも見逃してもらえるってワケだ」

 商人の話しぶりを観察した限り、嘘はついていないとエルキスには感じられた。
また、以前どこかでそんな噂を聞いたこともあったように思う。

 「ルネス、リーファン、どうする?」
 「いいんじゃない?」
 「お姉ちゃんがいいなら……」

 賛成3。反対0。満場一致の合意だ。

 「じゃあ、このエリクサーをください。本当に500リナでいいんですね?」
 「おうよ。毎度あり!」

 できれば聖水も合わせて買いたかったが、エルキス達の所持資金にそこまでの余裕はなかった。


 <エリクサーを飲み、闘技場へ>

312名無しさん:2010/04/11(日) 22:17:12 ID:???
久しぶりに書こうと思ったが、これだけしか筆が進まなかった。すまん。

3131:2010/04/19(月) 00:12:46 ID:???
投稿ありがとうございます。
すみません、リアル都合で遅れましたが、更新しました。

314名無しさん:2010/04/23(金) 23:42:49 ID:???
>>153<闘技場へ>より。

 結局、なにも買わなかった。
僅かばかりの後悔に似たものがエルキスの内に浮かんだが、今更どうこうできることでもない。
過ぎたことに囚われて己の行き先を見失うのは、冒険者たる者の選ぶ道ではない。
 闘技場に行き、死霊と闘い、倒す。それだけだ。

 「急ぎましょう」

 簡潔に告げ、エルキスは歩き出した。ルネスとリーファンも少し遅れて歩き始める。
闘技場までの道中、誰も先程の出来事については話そうとしなかった。

               ◆

 エルキス達が闘技場に着くと、その入り口前では三人の人物が口論していた。
そのうち二人は見張りの兵士で、残る一人はエルキス達と同じぐらいの年頃であろう少女だ。
高級そうな軽装の鎧とマントで身を包み、曲刀を腰に帯びている。おそらくは冒険者だろう。

 「だから、許可が必要なんだよ。領主様とかギルド長の」
 「聞いていないわ、そんな話!」

 言い合いの内容を聞くに、少女を闘技場内に通せないということでもめ事になっているようだ。
なにかの手違いで正規の手順で死霊討伐依頼を受けずにここにきてしまった……といったところだろう。
 ……面倒事になりそうだ。そう思いながらもエルキスが声をかけようとした寸前。

 「!」

 マントの少女は突如、無駄のない動きで身を翻して振り向き、エルキス達を驚かせた。
まるであらかじめ知っていたかのように振り向く。これは偶然だろうか?

 「んー……」

 品定めするように、エルキス達を見まわす少女。

 「ねえ、もしかしてあなた達の目的ってここの死霊の退治?」
 「……ええ。そうですけど」
 「ギルドとかの許可は?」
 「領主家の方から、署名の入った書類を貰ってます」
 「そう。じゃあ、提案、というかお願いががあるんだけど、この仕事譲ってもらえない?
  もちろん、タダでとは言わないわ。成功報酬と同額のリナをお支払いさせてもらいます。どう?」

 唐突な提案だ。そうまでする理由が少女の側にはあるのだろうかとエルキスは考えた。
高級そうな鎧とマントを始めとした身なりを見る限り、少女は金銭面で苦労しているタイプの冒険者ではない。
成功報酬の額を確認せずに「払う」と言ったところからも、報酬のためにこの闘技場に来たのではないことは確かだろう。
また、一人で危険に溢れた世界を旅している冒険者はかなりの実力者であることが少なくない。
単なる無謀な自信家ではなくBランクの依頼を一人でこなせるだけの目算があるのかもしれない。
エルキスと同年代に見えるものの、経験豊富な一流の戦士……。あり得ない、とは言い切れなかった。
己の技を磨き、英雄としての名声を得るために死霊に挑む。
実力があり、金銭にも余裕のある冒険者ならば取り立てておかしな行いではない。
 この状況、損得だけで見れば少女の提案を呑むのが最も正しい選択だ。
だが、エルキス達は商人ではない。冒険者なのだ。相応の矜持というものがある。
リーファンがまず納得しないだろうし、エルキス自身もそんなつもりはなかった。

 「断わります」
 「そう」

 予想通り、といった口調。その表情はどこか嬉しげだった。

 「じゃあこれでどうかしら。
  死霊に挑む権利を賭けて、この場であなたに簡易の決闘を申し込みます。
  立会人は、そこの兵士さんのお二人。
  私があなたに勝てば、その依頼書を頂戴するわ。
  あなたが私に勝てば、引き下がった上で先ほど言った通りのリナを払う。いかが?」
 「わかりました。その勝負、お受けします。二人ともいいわね?」
 「ああ、もちろん」
 「……うん」

 即答するリーファンと、消極的ながらも承諾するルネス。

 「決闘成立、ね。じゃあ、早速だけど始めましょう。兵士さん、開始の合図をお願い」

 少女はエルキスを見据えながら真っ直ぐと立ち直し、腰の曲刀の柄に手を添えた。 
エルキスも己の愛剣を抜き、両手で構えた。

 「では……」

 緊張した口調で片方の兵士が口を開く。
決闘の立会人を務める機会など、そう頻繁にはないのだから当然かもしれなかった。
両者の合意の上に成る決闘において、相手を死に到らしめることは「罪」とはされない。
二人の少女は、互いに相手を殺してしまっても構わないのだ。

 「……始めェッ!」

 闘いが、始まった。エルキスのとった行動は……。

  <先手必勝で仕掛ける>(募集中)
  <相手の出方を窺う>(募集中)

315名無しさん:2010/04/23(金) 23:52:01 ID:???
マントの少女は居合いの使い手というイメージです。
また、剣術以外の技能(徒手格闘や魔法)も豊富に持っているかもしれません。
三人のうち誰か一人を選んで決闘という案もあったのですが、量の都合で没。
この過疎だと自分で続き書くのを前提にやらないといけないので……。

316名無しさん:2010/04/24(土) 00:01:47 ID:c12l1zX.
①<さっそく闘技場へ>ルート
  |   ↓
  | <もうだめだ……どう足掻いても助かりっこない>
  |   |
  |   ├→ ★<「なんとかリーファンのところまで一緒に行きましょう?」>
  |   └→ ★<「あなただけでも逃げなさい」>
  |
  └→<このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる>
     ↓
  <屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>
     |
     ├→ ★<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
     |
     ├→<このまま戦う>
     |  | ↓
     |  | <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>  
     |  | |
     |  | └→ ★<どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
     |  |
     |  ↓  
     | <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>
     |  ↓
     | <左足を上げ、辱めを求める>
     |  |
     |  ├→ ★BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
     |  ├→ ★BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
     |  └→ ★BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>
     |
     ↓
  <唯一、剣を持つエルキスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
           ↓
   <武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>
           |
           ├→ ★<右の道へ>
           ├→ ★<左の道へ>
           ↓
        <このまま真っ直ぐ>─→ ★<開けずに部屋から立ち去る>
           ↓
         <箱を開ける>
           ↓
         <何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>
           ↓
       <湧き上がる憎悪の衝動が抑えきれない。死んだロゼッタの顔に"スピリットエッジ"を突き立てる>
           ↓
         <契約しない>
           |
           ├→ ★<行動は早い方がいい。出口を探すべく部屋を出る>
           └→ ★<なにか役立つものが見つかるかもしれない。ロゼッタの死体を調べてみる>

②<先に情報収集を>ルート
   |    ↓
   |  <掘り出し物があるかもしれない。品物を見せてもらう>
   |    |
   |    ├→ ★<何も買わない>
   |    ├→<エリクサーを買う>→ ★<エリクサーを飲み、闘技場へ>
   |    ↓
   |   <聖水を買う>
   |    |
   |    ├→ ★<一手遅れることになるが、剣を拾いに走る>
   |    ├→ ★<ルネスと死霊の間に割り込み、ルネスを庇う>
   |    └→ ★<ルネスの勇気を揺り起こせることを信じ、ルネスに呼びかける>
   |
   └→<これ以上は時間が惜しい。先を急ぐ>
       ↓
     <闘技場へ>
       │
       ├→ ★<先手必勝で仕掛ける>
       └→ ★<相手の出方を窺う>

3171:2010/04/27(火) 01:43:07 ID:tCcryFJM
いつもありがとうございます。 サイトの方更新しました。
ちなみにマントの少女の名前とかは決定しているのですか?
リョナ側としても、リョナられ側としても今後の活躍に期待したいです。

318名無しさん:2010/04/28(水) 20:00:03 ID:???
>>251<開けずに部屋から立ち去る>より。

 既にかなりの時間を使ってしまっている。
未練がないというわけではなかったが、ルネスは細長い箱への興味を抑え込んでリーファンの背を追った。
今は急いで姉の元へと戻らなければならないのだ。
 だが、その再開が叶うことはない。
開けっ放しにされた木の扉をリーファンがくぐろうとした瞬間、扉は生きているかのようにひとりでに動いた。
荒々しい音を立てて出口が閉ざされる。

 「え?」

 呆気にとられて固まるリーファン。
一方、魔法の使い手であるルネスはすぐに事態を理解した。恐らくは対盗人用の罠だろう、と。
誰かが部屋の中にあるものを持ち出そうとした途端、それに反応して自動で扉が閉まる魔法の仕掛けだ。
扉をくぐろうとしたリーファン。彼女がその手に持った長剣に反応して「それ」が発動したに違いない。
 そして、次なる罠が目を覚ます。

 「あぐぅッ!?」

 突如、リーファンが痛みの声を漏らした。

 「どうしたの?」
 「て、手が! この剣……うわッ!」

 リーファンの手が剣を抜き放ち、その全身が洗練された動作で死の刃を構える。
剣術を学んだ経験のない者の動きではなかった。別人が乗り移っているか、操られでもしているかのように。

 「ルネス避けてッ!!」

 そう叫ぶと同時にリーファンがルネス目掛けて斬りかかる。既にリーファンの身体に自由という言葉はなかった。
 そして、一薙ぎ。
 速度・軌跡ともに最高と呼んでよい一撃は。

 「……ッ」

 断末魔の悲鳴すら上げさせず、あっけなくルネスの首を刎ねた。

 「……くっそおぉッ!!」

 これまで生きてきた中で最も激しい怒りの雄叫びを発し、手足の主導権を取り戻そうとあがくリーファン。
だが、剣の呪縛は強い。怒号はただ空しく響くのみ。
 リーファンの手の中で、曲芸剣舞のようにくるりと剣が回った。逆手に持ち替えた形だ。
次に何が起こるのか、剣が誰を殺めるつもりなのか。他ならぬリーファン自身が即座に理解した。

 「や、やめ……!」

 過不足なく鍛え上げられた美しい腹筋を、冷たい刃が貫き裂く。

 「……! ぐ、ぶ……あ」 

 血を吐くリーファン。
リーファンのものではなくなった腕は、消え行く命の儚さに反して力強く剣を引き抜いた。
傷口から勢いよく血が吹き出る。少女の肉体は力なく倒れ、もう動こうとはしなかった。
剣を握っていた拳が、ゆっくりと開く。役目を終えた剣からリーファンは解放されたのだ。
だが、リーファンには指一本を動かす力さえ残されていなかった。そう、もはや助かる見込みはない。
否、愚かにもこの部屋に踏み入った時点で運命は決していたのだ。

 こうして、エルキスの安否を知ることもなく二人は死を迎えた。


―― BAD END ――

3191:2010/04/28(水) 21:16:18 ID:???
リーファンが示した道は左の道。
石造りの廊下は数回曲がった後…。 行き止まりとなっていた。
ドアも何もない。 完全な行き止まり。

「あちゃ…」
リーファンが思わず声をあげる。 ここまで来たことはただの時間の浪費でしかなかった。
「すぐに…戻らないと。」
ルネスも落胆した様子ではあったが、先程のリーファンに励まされたからか、まだ心は折れていない。

そして、2人はすぐに来た道を引き返す。 …が。

「あれ…?」
「どうして…」
まず、疑問が浮かんだ。 …来た道が、角のところで…なくなっている。
あるはずの通路。 そこにあるのはただの石造りの壁
それがどういうことか。 それに気がつくまで少しの間、2人で少し間の抜けた表情を晒して。

「って、どうしてだよ!!」
リーファンが思いっきり壁を蹴る。
「ッ―――!!」

…が、壁はやはり壁。 …硬いそれはリーファンの足にしびれるような感覚を残す
「閉じ込められた…?」
ルネスは蒼白な表情で目の前の壁と…先程の行き止まりを見比べる。
が、いくら見ても、どの方向も…壁。 …通路も、出口も、何もない。
エルキスの武器を探すこともできないし、逃げることも…助けに行くことも、何もできない。

それでも何かできないかと探すが、この空間にはルネスとリーファン以外、何の動きも…。
「あ…」

それに気がつくと、ルネスの表情が驚愕と恐怖に染まる。
動きは…あった。 だが、希望ではない。 絶望の。
1辺の壁。 …それが、少しずつ…低い音を立てて、近づいてきている。

「な…!? …っ、この!!」
遅れて気がついたリーファンがその壁に手をつけ、力に対抗する。
最初は動いていた壁だったが…徐々に壁の動きはゆっくりになり、やがて…止まる。
「んっ、くぅううっ、う…ッ!!」
リーファンは体重をかけて、必死に壁を押し止める。 …が、このままでは、事態は解決しない。
ただ、潰されるのが少し伸びるだけ。
ならば、その伸びた時間で…

「ルネス!!」

<手伝ってくれ!>
<部屋を探索してくれ!>

3201:2010/04/28(水) 21:30:19 ID:???
>>250 <左の道へ>
…自分の投稿の先頭に入れ忘れてました。


身体が怖いのも怖いですが、身体が操られるというのはもっと怖いですよね。
それも、武器を持った状態なら… いいBADENDありがとうございました。


また、自分の投稿分も含めて、サイトの方更新しました。

321名無しさん:2010/04/29(木) 00:14:20 ID:???
サイトの収録ページ、リンクが<右の道へ>になってますよ(本文は<左の道へ>)。

3221:2010/04/30(金) 00:52:35 ID:???
うあ!? …修正しました。
それと、連絡ですがGW中の1日〜4日は更新できなさそうです。

323名無しさん:2010/05/05(水) 22:24:28 ID:???
被ってたらまずいので
>141からの分岐
<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
の予約させてください。週末ぐらいに投下できるといいなー…

324名無しさん:2010/05/09(日) 11:44:26 ID:???
>>319
 <部屋を探索してくれ!>

 非力なルネスに助力を頼んでも事態の好転は望めない。
直感的にそう判断したリーファンは、どこかにこの圧殺壁の仕掛けから逃れる方法が隠されている可能性に賭けた。
 ルネスは改めて四方を見回す。殺風景な石造りの壁にはやはりなにもない。
だが、先程は見落としていた方角がある。真上だ。

 「リーファン! 天井に穴があるわ!」

 そこには、人間が通り抜けるには充分な広さの穴が口を開けていた。
その向こうになにが潜んでいるのかはわからない。しかし、このまま何もせずに潰されるよりはマシだ。

 「よし! ルネスから登って!」

 リーファンは壁から離れ、しゃがみこんで肩車の体勢を作る。ルネスも素早くその上に乗った。
壁の進行は遅い。今なら一人ずつ登っても間に合う筈だ。

 「よっ、と」

 ルネスを担いだリーファンが立ち上がり、ルネスは天井の穴に手をかける。
次いでリーファンはルネスの足を支え持つと、勢いをつけて押し上げた。
ルネスの姿が上手く穴の上に消えたのを見届けると、リーファンは迷わず地を蹴った。
リーファンの身体能力なら、壁を蹴った反動で問題なく天井の穴に手が届く筈だ。
 しかし。

 「え?」
 「あっ!?」

 ひとまず窮地を脱したかと思った瞬間。突如、「がしゃん!」と金属が固いものにぶつかる音が鳴る。
 それぞれの位置から二人は見た。頑丈そうな格子が動き、穴を塞ぐのを。
そして理解した。脱出口は無情な仕掛けに閉ざされ、ルネスとリーファンが分断されたのだと。
 自身の習得している呪文で、この格子を破壊できる方法はあるだろうか?
ルネスは必死で考えを巡らせる。だがそれも無駄な行いだ。

 「あぅっ!」

 待ちうけていた手が乱暴にルネスの首を掴み、持ち上げる。

 「残念ながら、こちらの道は不正解ですよ。ま、正解の道なんて元からありませんけど」

 そう言い捨てると、ロゼッタはルネスの首を握る力を強めた。
如何にして先回りしたのか。などという問いは無意味だ。ここはロゼッタの庭なのだから。

 「さて。では、仲間を見捨てて逃げ出す臆病者に相応しい罰を。
  そして、少ない戦力を更に分散させる愚か者には教訓を」

 ロゼッタがここに居るということは、エルキスの安否が既に絶望的であることを意味する。
もし、三人が自分達とロゼッタとの間にある戦力差をもっと冷静に認識できていたならば。
誰が残って闘おうがそれが下策であること、選択肢に並べる価値もないことを気付けたかもしれない。
だが、そんな思考はもう無意味だ。

 「……、……ッ」

 ルネスの細い首を絞め潰す力は更に強まり、もはやうめき声を漏らすことすら叶わなくなっていた。
意識が遠のいていく。手にも足にも力が入らない。痛い。痛い。苦しい。
 そして。

 「……さよならです」

 急激に、かつ限界までロゼッタの手がその握力を強めた。
か細いルネスの首には、その圧倒的破壊力に抗する強度はない。

 「……〜ッ!」

 首が、絞め潰される。食い込む指が吹き出る血に濡れ、柔らかな肉の裂ける手触りがロゼッタの嗜虐心を撫でた。
すぐに指は首の骨の固い感触を捉え、それを粉々と握り砕く。
文字通り首の皮一枚で繋がった死体となり、最期の悲鳴を上げることすら許されず、ルネスは絶命した。
ロゼッタは何呼吸かの間それを満足げに見つめていたが、やがて興味を無くしたように放り捨てる。
処刑完了。残るは今も穴の下で圧殺壁を支えているリーファンの始末だが……。

 「……ヤルダバオト」

 ロゼッタの唇が奇妙な響きの名を呟く。
言い終わるか言い終わらないかの間にロゼッタの眼前の空気が揺らぎ、すぐに人の形を成した。
その外見はまだ子供。メイド装束に身を包み、長く伸ばした黒い髪と赤い眼を持つ愛らしい少女だ。

 「はい、お嬢様」
 「お茶とお菓子の時間にしましょう。準備なさい」
 「まだ一人、生きていますがよろしいのですか?」
 「ええ、いいのよ。どうやったって脱出などできないのだし」
 「力尽きて嘆きの壁に押しつぶされる様を思い浮かべながら、甘味を味わうひと時ですか……。
  とっても、素敵ですわ。流石、わたくしのお嬢様です」
 「じゃあ、行きましょう」
 「はい」

 会話を終えると、ヤルダバオトと呼ばれた少女とロゼッタは何処かに転移して消えた。


  ―― BAD END ――

325名無しさん:2010/05/09(日) 21:15:05 ID:???
>>141
<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>

「…お姉ちゃん、リーファン…先に行って。ここは私が食い止める」
「…ルネス!?」

細身剣を手に前に出ようとするエルキスを制し、ルネスがミノタウロスの前に進み出た。
先ほどまで恐怖に駆られていた妹の予想外の言葉に、エルキスとリーファンは耳を疑う。

「そんな…無茶よ!それにあなた、手が…」

そう。ロゼッタの操る巨大な鈎針に両の掌を貫かれ、痛々しく流血していたはずだが…
改めて見ると、エルキスの前にかざされたルネスの掌には傷一つ付いていない。

「…幻術、みたい。…あいつが本気で仕掛けてきたら…魔法が使えないと、破れないと思う。だから…」

そう。敵はミノタウロスだけではない。真に恐ろしいのは、そのミノタウロスを従える程の、底知れぬ魔力を持つ女領主の方なのだ。
…ここは、魔法を使える自分が何とかするしかない。それに…
(こんな時にまで、お姉ちゃんの足を引っ張るわけには行かない。心を強く持って…大丈夫、私にだってやれる…)
ルネスは気丈な決意を胸に秘めながら、巨大な敵と対峙する。

「わかった…無茶するなよ、ルネス…」
「ルネス…待ってて、すぐ戻るから……」
ルネスの決意が痛いほどに伝わるとエルキスとリーファンも折れ、ルネスに後を託し部屋を出て行った。
だが、ロゼッタは不気味なほどあっさりとエルキス達を逃がした後……その瞳に、怒りの炎を灯らせる。

「………気に入りませんわね」(…ジャラリ!)
「…っぐっ!?」

天井の暗闇から新たな鎖が高速で飛来し、先端についた鉄枷がルネスの細い首を捉えた。
鎖が引き戻され、ルネスの身体はそのままズルズルと…部屋の中央、ミノタウロスの眼前まで引きずり込まれる。

「う…げほっ…」
仰向けに倒れたまま、ルネスは咳き込んで動けない。

「…安心なさって。その鎖も幻覚ですわ。…さ、お立ちなさい…!」
(ズドッ!!ドスドスドス!!)
「うあぁぁぁっ!!!」

…次の瞬間、床から突き出した鋭い槍がルネスを背中から貫く。
ルネスはまるで野鳥に囚われた木の枝に刺された獲物のように、槍の穂先に吊り下げられて無理矢理身体を引き起こされた。

「…あ……っぐ……」
「…どうかなさいまして?…その槍も、血も、全てまやかしですわよ?…破れるものなら破って御覧なさいな」
「………っ………!…」
「さあ、次は…矢が飛んできますわ。鋭いカエシのついた、鉄の矢…」
(ドスッ……)「…っぐぅ…!!」
「…全身に突き刺さって、ハリネズミにおなりなさい」
(…ドスドスドスドスッ!!)「っあ!ぐぁ!んぎ…嫌ぁああああ!!」
「少しばかり魔術を齧った程度で、この私に対抗できるとでも思ったのかしら?…身の程を知りなさい」

ロゼッタが指を鳴らすと、鎖も、首枷も、身体を貫く槍も、矢も…跡形もなく消えうせる。
…来るとわかっていても、幻術と見破ることができなかった。
ロゼッタが術を解除するのがもう数秒遅ければ、幻による『致命傷』でショック死していたかも知れない。

(やっぱり…無理だったの?お姉ちゃんがいないと、私…)
『レベルの差』をまざまざと見せ付けられ、愕然としたルネスはその場にへたり込んでしまう。
絶望に飲まれかけたルネスの前に巨大なミノタウロスが歩み寄り、ゆっくりと斧を掲げる。
圧倒的な質量を持った死の刃が、今にもルネスの頭上へと振り下ろされようとしていた。

<もうどうしようもない…エルキスに助けを求める>
<まだ死ぬわけにはいかない…斧の一撃を魔法で防ぐ>

326名無しさん:2010/05/09(日) 21:16:09 ID:???
>>325
<もうどうしようもない…エルキスに助けを求める>
(※ややグロ注意)

(もう、ダメ……お姉ちゃん…お姉ちゃん…お姉ちゃん…!!)
心の中で何度も、最愛の姉に助けを求めるルネス。その瞳は恐怖に歪み、大粒の涙が浮かんでいる。
脚の間からは恐怖の証がちょろちょろと零れて下着とスカートを汚し、冷たい石床の上に薄黄色い水溜りが広がっていった。
「…助けて、お姉ちゃん…」
…だがその願いも届く事はなく、消え入るような呟きは、ただ徒に女領主の嗜虐心に火をつけるのみ。
(ブオンッ!!!)
…ミノタウロスの斧は振り下ろされ、ルネスの身体を両断するかと思われた、その直前。
(ガキィィィン!!)
金属同士が激しくぶつかり合う音が、ルネスの耳に飛び込む。
(な、なに……?)
死の恐怖に囚われ、硬く閉ざされていた目蓋を恐る恐る開く。瞳に映ったのは…

「…ルネス、遅くなってごめん。もう大丈夫だよ…!」
巨大な斧を剣で受け止め、ミノタウロスの前に敢然と立ち塞がるエルキスの姿だった。

「お姉ちゃん…よかった、私…」
「さ、立って。…まだ戦いは終わってないわ」
「うん、お姉ちゃん……!!」
絶望に沈んでいたルネスの瞳に、再び希望の灯が輝き始める。
さっきまで立つ事さえできなかったのが嘘のように、全身に力が漲ってくる。
立ち上がり、共に戦うため、姉の手を取ろうとするルネス。
だが、その時…

(ピシッ…)
ロゼッタの指が、再び鳴らされた。
「……え……?」
ルネスの前に現れた姉の姿は、幻のように掻き消え…
「クスクス…楽しんでいただけたかしら?」
ルネスが伸ばした手を取ったのは、ロゼッタだった。
(ミシッ……)ロゼッタはそのままルネスの手首を掴み、力を込めていき…
(メキッ!!)「…な……!?…い、やぁぁぁぁっ!!」
何が起こったのかさえわからないまま、ルネスの左手首は万力のような力で握り砕かれてしまう。
慌てて右手で振りほどこうとするが…ルネスはそこで、初めて気がついた。
右肩から先の感覚が、ない。
「………あ……」
ルネスの右肩から先…それどころか、右半身全てが、綺麗に消失していた。
ルネスを救った姉の姿はロゼッタが作り出した幻影で、
ミノタウロスの斧の一撃はルネスの身体を縦に両断していたのだ。
「……そ………ん、な………」

ルネスの瞳から光が急速に薄れ、絶望の色に沈んでいく。
身体を真っ二つにされたからか。目の前の敵に、勝てないと感じたからか。
…あるいは。信じていた姉が、もう自分を助けに現れてはくれないと悟ってしまったからかも知れない。

ロゼッタは、そんなルネスの表情を覗き込むと満足げな微笑を浮かべ…
(グシャァァッ!!)
両断されたルネスの断面に手を差し込み、心臓を握りつぶした────

<BAD END>

327名無しさん:2010/05/09(日) 22:45:14 ID:???
乙ですよ。
ロゼッタお嬢様の外道っぷりがたまらんね。

3281:2010/05/12(水) 00:50:36 ID:???
ありがとうございます。
…やはり、絶望されるには少しだけ希望を見せて、それを握り出すのがいいですよね!

ってわけで、HPの方も更新しました。
最近少しずつまた盛り返してきましたし、これが続くと嬉しいです。

329名無しさん:2010/05/13(木) 00:12:40 ID:???
真っ二つはいい、心が洗われる…
書き手さんもHPの中の人もマジでお疲れさまです

330名無しさん:2010/05/15(土) 10:19:45 ID:???
>>303
<行動は早い方がいい。出口を探すべく部屋を出る>

 これ以上、この部屋に居ても得るものはないだろう。
二人の亡骸を放置していくのは心残りだが、この場では埋葬することもできない。
ルネスは己一人の力で脱出しなければならないのだ。死者がそれを助けることはできない。

 (……さよなら)

 声なき別れを唱え、ルネスは木製の扉のノブを握る。
 それが、迂闊な行いであるとも知らずに。

 「……いッ」

 ノブを握った手に、鋭く突き指される痛みが走る。
手元に視線を落としたルネスは、いつの間にかノブから茨のような刺が生えているのを見た。
無警戒に部屋を出ようとした侵入者を狙って仕掛けられていたのだろう。
ヤルダバオトが警告した通り、ここは死の罠の地下迷宮なのだ。

 「くっ……」

 慌てて手を引っ込めるルネス。傷ついた手に癒しの呪文をかけなくては。
しかし、その行動は許されなかった。呪文を唱えようとする間もなく、更なる殺意がルネスを襲う。
 この扉は生きていた。
 扉の表面が蠢くと、薔薇の茎のように刺を備えた触手が幾本も飛び出し、ルネスの四肢と腰を瞬時に絡め捕える。
扉の姿に擬態した怪物は、入る者を拒まず出る者を逃さない。

 「あぁっ! ……ぁ、あぐっ……!」

 締め上げる茨は衣服を容易く破り裂き、その柔肌に刺を喰い込ませた。
無思慮にもがこうとすると刺の痛みが全身を襲う。ルネスの動きは完全に封じられた。

 (ま、魔力が……)

 傷口から血が流れ出していくと同時に、体内に循環する魔力もまた抜け出ていく感覚がある。
触手は捕えた獲物から魔力を吸う特性も備えているようだった。

 (だ、駄目……)

 もはや成す術はない。完全なる手詰まり。

 「ぅ、……うぅ、あ、あぁぁああああああッ!!」

 触手の、腰に巻きついている一本が急激に締め付ける力を強めた。
明確な殺意を持って、仕上げにかかろうとしているのだ。

 「がっ、はっ……」

 死の牙が肉に食い込み、茨の蛇が内臓を圧し潰し。
両手足を拘束した四本の触手は、それぞれが上下に伸び。
頑強さに欠ける、細身の少女の肉体はほんの数秒だけ耐え、そして。

 「…………〜ッ!」

 ルネスの身体は、上半身と下半身とに千切り裂かれた。
勢いよく飛び散る返り血が、触手とそれを生やした扉とに噴きかかる。
役目を終えた触手は、ルネスの手足を解放し、速やかに縮み戻った。何の変哲もない扉の姿に元通りだ。
扉の表面は血で汚れていたが、砂が水を吸うようにその血もすぐ消える。
残虐なる生ける扉は、満足げに渇きを満たし、部屋には四体の死体が残された。


  ―― BAD END ――

331名無しさん:2010/05/15(土) 10:22:33 ID:???
殺し方のネタがなくなってきたぜ……。
殺す以外のBAD ENDはいいのが思いつかないし……。
無計画に選択肢を増やしまくった過去の俺をリョナりてえ。

332名無しさん:2010/05/16(日) 23:51:53 ID:???
それらの選択肢は全部テレポーターにたどり着くようにして
一箇所にまとめてみてはどうだろうか

333名無しさん:2010/05/17(月) 14:37:43 ID:???
>>316
<先手必勝で仕掛ける>

 一歩ずつ、間合いを計りながら距離を詰める。
エルキスの視線は真っ直ぐにマントの少女を見据え、剣を握る両手は必殺の一撃に備える。

 「…………」
 「……」

 ルネス、リーファン。二人の兵士。皆が無言で見守っている。マントの少女は動かない。
先手必勝を選んだエルキスに対し、受けの体勢から「後の先」を狙うつもりであろうか。

 (あと一歩……!)

 踏み込みながらの斬撃が届く、直前の位置。エルキスは無意識に息を吸い込んだ。

 (……そこッ!)

 繰り出すは突き。狙うは相手の右肩。マントの少女が刃を抜き放つより前に、その腕を止めるのだ。

 「……」

 エルキスの突きに対し、マントの少女も動く。五指が曲刀の柄を握り、そして。
 ふたつの音が響いた。
 ひとつは澄んだ金属音。剣士の誇りたる刃の折れる音。
 ひとつは悲鳴。

 「──ぃぁああアアアああああッ!!」
 「……そ、そこまでェっ!」

 兵士が決着を宣言した。エルキスは折れた剣を捨て、両手で顔を抑え膝をつく。
マントの少女は優雅な動作で刀を鞘に納めた。いかなる妙技によるものか、その刃は血の一滴にも塗れていない。

 「お姉ちゃん!」 

 悲愴な声を上げてルネスが駆け寄る。

 「……ひっ」

 横薙ぎの斬撃を受けた姉の顔を見たルネスは、背筋を凍らせた。
溢れだす血に塗れた顔。その両眼がぱっくりと切り裂かれていたのだ。慌てて治癒の呪文を唱える。
だが、傷は深い。ルネスの魔法使いとしての技量ではこの傷を完全に治療することはできないだろう。
 エルキスの光は、そう簡単には……あるいは二度と戻るまい。

 「……あら。ごめんなさい。剣を折るだけのつもりだったのだけど。
  間合いを見誤ったわね」

 少女の口調に、同情や悔恨の色はない。決闘とはそういうものだ。
冒険者として生きるということは、こういうことなのだ。

 「じゃ、悪いんだけどこっちも手早く済ませたいの。さっき言ってた書類を──」
 「待ちなッ!!」

 言葉を遮り、リーファンが叫んだ。マントの少女に向けて、固く握った拳を突き出す。

 「あんたに、決闘を申し込むッ!!」

 良くも悪くも、リーファンは真っ直ぐな少女だ。
マントの少女の側に、一切の非はない。そう分かっていても、黙って依頼を譲ることはできなかった。
 マントの少女の表情が僅かに歪む。その形は、苛立ちと微笑が入り混じったような奇妙な顔だった。

 「……ふぅん。ま、いいけど。兵士さん、悪いけどもう一度、立会人をお願い」

 マントの少女は、幾らかやる気の無さげな口調で二戦目を承諾した。
鞘から刀を抜くと手の中でくるりと回し、逆手に持ち変える。次いで、それを地面に突き指した。
そしてそのまま刀から手を離すと、リーファンへと向き直り、両拳を構えた。

 「……っ?」

 一体、なんのつもりだろうか。刀を捨てて闘う気だというのか。

 「武器には武器。魔法には魔法。体術には体術を。
  正式な決闘では相手と同じ条件で闘うと決めているの」
 「ああ、そう……!」

 リーファンにとって、マントの少女の主義などどうでもよかった。今はただこの怒りをぶつけるだけだ。

 「……では、……始めェっ!」

 再び兵士が開戦の合図をかける。

334名無しさん:2010/05/17(月) 14:39:17 ID:???
 再び兵士が開戦の合図をかける。

 「──はぁッ!!」

 雄叫びと共にしなやかな踏み込みから身を屈め、下段を刈る足払いを繰り出すリーファン。
対するマントの少女は、あらかじめ知っていたかのようにふわりと跳躍してそれをかわした。
足払いを空ぶったリーファンは、立ち上がる力を加えた顎狙いの掌底を繰り出すが、
その技はまたしても目標を捉えられない。マントの少女は既に一歩、間合いから退いていた。
 回転力を乗せた顔狙いの裏拳。優雅な舞のようにしゃがまれ、空を切る。
 スネを狙った踏みつけるような蹴り。滑るような足運びでかわされる。
 その次の攻撃も、その次の次の攻撃も、リーファンの技はことごとく当たらない。

 (……くそッ! なんで! なんで当たらない!)

 リーファンの心には、焦りよりも怒りの方が強く渦巻いていた。
これまで磨き高めてきた己の「武」が、無意味で無価値なのだと嘲笑われているかのような屈辱。
苛烈な攻めで防戦一方に追い込んでいるのではない。
リーファンの側に隙ができてもあえて反撃してこないのだ。
 舐められている。

 「!」

 それでも攻め続け、何度目になるかもわからない攻撃がかわされた瞬間。
リーファンはついに好機を見出した。マントのはためきが、手を伸ばせば掴める眼前にあった。
偶然ながらも得た絶妙なタイミング。

 (貰ったッ!)

 リーファンの右手がマントを掴んだ。このまま引き倒せば少女は大きく体勢を崩す筈だ。
だが、その目論見は外れた。

 「ッ!?」

 動かない。
 渾身の力でマントを引っぱるが、少女は深く根を下す巨木と化したように不動のまま立っている。
「達人」と呼ばれる域まで登り詰めた格闘者の五体は、生身で鋼の鎧にも勝る「硬さ」と「重さ」を持つという。
今、それが正にここにあった。

 「ここまでね」

 マントを掴まれた少女が呟き。動く。
電光石火と呼ぶに相応しい鋭さでリーファンの足元を払う。

 「うぁっ」

 前のめりに倒れ込むリーファンを、掌底が襲う。避ける術はない。
顔面にめり込もうとする打撃に、咄嗟に歯を食いしばるのが精一杯だった。

 「……ッ」

 顔に痛みが弾ける。鼻血が、マントの少女の掌を汚した。
次いで、よろめき倒れ伏そうとするリーファンの側頭部に容赦なく裏拳が叩き込まれる。

 「がッ……」

 強烈な打撃に脳が揺れ、意識が飛びそうになる。
どうにか両の足で身体を支え、拳を構えようとするがそれもおぼつかない。
 ここで倒れず、踏みとどまったのがリーファンの不幸だった。
立会人の兵士に、「そこまで」をかけるタイミングを逃したのだから。
 相手がもはや闘える状態ではなくとも、マントの少女は容赦なく追撃をかける。
スネを狙った前蹴りから始まる連撃が、リーファンの心身を打ちのめし、叩き潰し、砕き折る。
突き。蹴り。手刀。恐るべき手際の良さで、リーファンの全身が物乞いの纏うボロ布のように無残かつ無様な姿にされていく。

 (……弱い。もう、いいかな)

 仕上げにしよう。マントの少女の手がリーファンの胸元を掴み、引き寄せた。
熟練者が素人にダンスを教えるように二人の五体が回り、リーファンは闘技場の壁目掛けて放り投げられる。

 「ぎぁうッ!」

 硬い石造りの壁面に背中から叩きつけられ、落ちる。リーファンはぴくりとも動かない。

 「……そこまでェっ!!」

 遅すぎる決着の宣言。
 マントの少女は掌についた返り血をぺろりと舐め、そしてそれを唾として吐いた。
弱きものの血など、すする価値もないとでも言いたげに。

 「…………」

 ルネスにできることは、無言で書類を差し出すことだけだった。
 

  <この依頼から手を引き、エルキスとリーファンの治療に専念する>

335名無しさん:2010/05/17(月) 14:40:40 ID:???
  <この依頼から手を引き、エルキスとリーファンの治療に専念する>

 その後、マントの少女は見事死霊を討ち倒した。そして何処かへ旅立っていった。
アークスの町と闘技場には活気が戻り、大通りには今日も人が溢れている。
依頼者ロゼッタの父である前領主は病に打ち勝つことなく息を引き取り、今はロゼッタが若き領主だ。
 ルネス達は冒険者を引退し、このアークスで小さな部屋を借りて暮らし始めた。
 失明したエルキスは、戦いなど論外で日常生活にすら苦労する身だ。
 酷く痛めつけられたリーファンは、身体に後遺症を残すことはなかったが精神には癒せぬ傷を刻まれていた。
欠かさず続けていた日々の鍛錬もしなくなり、今は町の食堂で給仕の仕事に就いている。
 ルネスは姉の世話をしながら日々を過ごしている。これからも静かな日々を生きていくだろう。


  ──LOSER END──

3361:2010/05/18(火) 02:00:53 ID:???
HPの方も更新しました。
さっくりと殺されるのと、戦えないぐらいの後遺症を残されて生かされるの、どっちが辛いんでしょうか…


BADENDで広がった選択肢を潰して行くのも必要ですけど、そろそろHAPPYENDも考えてやらないといけないかもですね。
現状だと、無事死霊撃破出来ましたルートと、ロゼッタ倒せましたルート。
ルネス単独生還ルートあたりが目指しやすいところでしょうか。

337名無しさん:2010/05/18(火) 04:27:03 ID:???
①<さっそく闘技場へ>ルート
  |   ↓
  | <もうだめだ……どう足掻いても助かりっこない>
  |   |
  |   ├→ ★<「なんとかリーファンのところまで一緒に行きましょう?」>
  |   └→ ★<「あなただけでも逃げなさい」>
  |
  └→<このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる>
     ↓
  <屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>
     |
     ├→<魔法が使えるルネスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
     |  |
     |  └→ ★<まだ死ぬわけにはいかない…斧の一撃を魔法で防ぐ>
     |
     ├→<このまま戦う>
     |  | ↓
     |  | <背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>  
     |  | |
     |  | └→ ★<どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
     |  ↓
     | <ここは魔力の大元を叩くべきだ。ロゼッタを斬る!>
     |  ↓
     | <左足を上げ、辱めを求める>
     |  |
     |  ├→ ★BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>
     |  ├→ ★BAD END2 <もう飽きたが、ただ殺すのもつまらない。奴隷として闇の市場に売却する>
     |  └→ ★BAD END3 <もう少し遊ぼう。陵辱して乙女の加護を奪い去ってから、もう一度死霊と戦わせる>
     |
     ↓
  <唯一、剣を持つエルキスが敵を食い止め、残り二人が装備を探しに行く>
           ↓
   <武器を探しにいったルネス・リーファンはどうなっただろう?>
           |
           ├──────→ ★<右の道へ>
           ├→<左の道へ>→ ★<手伝ってくれ!>
           ↓
        <このまま真っ直ぐ>
           ↓
         <箱を開ける>
           ↓
         <何としても逃げなくては。最後の勇気を振り絞る。>
           ↓
       <湧き上がる憎悪の衝動が抑えきれない。死んだロゼッタの顔に"スピリットエッジ"を突き立てる>
           ↓
         <契約しない>→ ★<なにか役立つものが見つかるかもしれない。ロゼッタの死体を調べてみる>

②<先に情報収集を>ルート
   |    ↓
   |  <掘り出し物があるかもしれない。品物を見せてもらう>
   |    |
   |    ├──────────→ ★<何も買わない>
   |    ├→<エリクサーを買う>→ ★<エリクサーを飲み、闘技場へ>
   |    ↓
   |   <聖水を買う>
   |    |
   |    ├→ ★<一手遅れることになるが、剣を拾いに走る>
   |    ├→ ★<ルネスと死霊の間に割り込み、ルネスを庇う>
   |    └→ ★<ルネスの勇気を揺り起こせることを信じ、ルネスに呼びかける>
   |
   └→<これ以上は時間が惜しい。先を急ぐ>→<闘技場へ>→ ★<相手の出方を窺う>

 ……君の目の前には分岐図の最新版がある。
続き待ち状態で止まっている選択肢の数は「16」だ。
君は諦めてもいいし、完成を目指して書き続けてもよい。
望むのであれば冒険者の少女達を勝利と栄光へ導くことができる。
最も喜ばれるのは無暗に分岐を増やさず<END>まで書くことだが、
短い作品でも他の書き手の創作意欲を刺激する可能性はある。

 さあ、筆をとりたまえ。
このリョナゲームブックが<14>へ逝くか、<400>へ辿り着くかは君の手にかかっている!

 とりあえず俺は★BAD END1 <もう飽きた。このまま殺してしまう>を書くことにするわ。


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