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リョナゲームブックを作ろう!
272
:
名無しさん
:2008/12/31(水) 23:44:11
<背後に危険を残してはおけない。ミノタウロスからルネスを助けださなくては!>
(ルネスッ! 今助けるからッ!)
最愛の妹を、動く死体となったミノタウロスから取り戻さなくてはならない。
しかし距離を詰めて斬りつけようと駆け出した途端、エルキスは勢いよく転倒した。
「……くっ」
なにかがエルキスの足首に絡み付いている。ロゼッタの右手から、光る紐のようなものが伸びていた。
「隙だらけですよ?」
そう言うと同時に、左手の指をぱちん! と鳴らす。それを受け、短剣を模った形状の発光体が四本現れる。
光の刃は速やかに落ち、起き上がりかけでちょうど四つん這いの体勢となっていたエルキスの両手と両ふくらはぎを貫いた。
「あぁぅッ!」
エルキスの四肢は地面に縫い止められた。だが、光る短剣が貫通した四箇所はいずれも血を流していない。
ミノタウロスと戦う前にルネスを吊り上げて涙を流させたものと同系統の術である。
実体を持たない刃で、痛覚と「動けない」という錯覚だけを与える幻影だ。
だが、魔術の知識に乏しいエルキスにそこから逃れる術はない。
「はい、お終いです」
ロゼッタが宣言する。少女達の生殺与奪は、もう自分の手の上に乗ったのだと。
エルキスの命はもうロゼッタのものだ。
リーファンの自由はもうロゼッタのものだ。
ルネスの未来はもうロゼッタのものだ。
「……え? あっ、いやぁッ!」
ルネスが悲鳴を上げる。今までただ身体を拘束しているだけだったミノタウロスの死体が、その両腕に力を込め始めたのだ。
人体の限界強度を遥かに超えた握力が、ルネスの両腕を握り潰そうとしている。ゆっくり、ゆっくりと。
「あ、あぁ……! あ、あ、あ、あぁぁぁ……ッ!」
「…………ッ!」
這いつくばるエルキスにできることは、なかった。姉妹が揃って泣き叫べば、あのロゼッタはますます喜ぶだろう。
そう思って歯を食いしばることだけが抵抗だった。強がっていたかった。
強い姉でいたかった。妹の前で、弱く小さな姿など見せたくなかった。
そうすれば、きっと怖がりな妹にだって痛みに負けない勇気を与えられると思ったから。
けれど、涙は止められなかった。
ミノタウロスがルネスにかける力は少しずつ強くなっていき、やがてその瞬間は来たる。
「あ、……いぃぎぃぃいっいあああああああああーッ!!」
破ける皮膚。潰れる肉。砕け折れる白い骨。噴き出し溢れる真っ赤な血液。
脆い。ルネスの両腕は、エルキスの目の前でボロ屑のようにねじられ、引き千切られた。
大量の出血とともに、両腕を失ったルネスの身体が地に落ちる。
意識も闇に沈みゆく中、どこを見ているのかもわからない眼から流れ落ちる涙が、うつろな顔を濡らしていた。
傷口から命が流れ出し、血溜まりが広がっていく。すぐにその灯火も吹き消されるだろう。
「…………」
「さて」
依然、無言のままで手足を床に縛り付けられているエルキスにロゼッタが歩み寄る。
ロゼッタが引き寄せるように指を動かすと、エルキスの手の下にあった装飾剣が浮き上がり本来の主の元へと還った。
剣を鞘に戻すと、ロゼッタはルネスの方へと眼を向ける。見つめる先にあるのは引き千切られた両腕だ。
視線に魔力を乗せ、浴びせる。ふたつの腕は静かに浮き上がり、エルキス目指して飛んだ。
「……く、はッ」
近付いてきたロゼッタへ向けてなにか言おうとしたエルキスの首に、飛来したルネスの手指が食い込む。
無力な姉を、愚かなリーダーが招いたこの運命を責め苛むように指が絞まる。
ごめんね、という言葉を発する程度の自由すらエルキスにはもう残されていなかった。
「あ、……が、は……!」
すぐに妹の後を追うだろう。それまでの間、ロゼッタはその死をじっくり観察することにした。
残ったもうひとりにはどんな殺し方が相応しいだろうかと考えながら。
一方、リーファンは……。
<どうにか立ち上がれそうだ。背中を向けているロゼッタに反撃し、エルキスを助けなくては……!>
<手足の麻痺は強力で、すぐには回復しそうにない。ただ嬲り殺されるのを待つしかできない>
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