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別れる者と異世界の小さな旅

25レオン:2006/09/21(木) 17:04:23 ID:X3oxlF8g
深い森の中に、二人の少女がいた。
彼女等は、木の根が張ってがたがたの地面を難なく歩いていた。
先を歩いていた、こげ茶の髪の少女――フレイムは口を開く。

「・・・あー、ルーはいーなぁ」

場に似合わぬ、のんびりとした声。
ルー、というのはリウという少女の愛称だろうか。
まるで女友達と話すかのような、軽々しい口調だった。
彼女は、リウの返事を待たずに続ける。

「あたしなんていっつもザコのそーじだよ!? たまには強いのとやってみたい!」

そう言う彼女の手に握られているのは、血のこびり付いた鎌。
よく手入れがされてあるようで、その血はつい先ほどついたものと想定される。
衣服にも多少の返り血が飛んでいて、まだ幾分も経っていないのだろうか、湿っていた。

「・・・何が言いたい?」

訝しげに問うリウに、フレイムは笑って答えた。

「んー? 次の戦い、あたしも連れてって? って言いたいの」

もうザコは飽きたし、と付け加える。
その瞳には、どこか狂気的な光が宿っていた。
ね、いいでしょ? と聞いてくるフレイムを見て、リウは少し考える。

戦闘能力としては、彼女――フレイムは高いほうだ。
連発が不可能とはいえ、全ての属性魔法が使えるというのはかなり有利だ。
その上全ての武器、及び格闘術の使い方を知っている。
たとえその威力が低くとも、足手纏いになることは、まずない。
私としては、来たほうがいい。
だが。
「あの方」がそのような事を許すだろうか?
――答えは、否。
だが―――・・・。

「ねえ!」

リウの意識は、突如思考から引き戻される。
彼女にしては珍しい、少し動揺した瞳でフレイムを見る。
フレイムは少し怒ったような、心配したような表情を浮かべていた。

「大丈夫ー? 目、死んでたよ??」

そういって、フレイムは彼女の目をじっと見つめる。
フレイムの、髪と同じこげ茶の瞳と、リウの紅い瞳がぶつかる。
リウは少し心を落ち着かせ、口を開いた。

「大丈夫だ」

そういうと、フレイムは小さく微笑む。
普段男らしい彼女とは正反対の表情に、リウは少し苦笑した。

「別に私は構わないが・・・「あの方」の許しが出るかどうか」

フレイムは、それを聞いて嬉しそうな表情をした。

「だったらOK!あたしもう「アイツ」には了承とってあるから♪
 ・・・これで、“狩り”に参加できる・・・!」

そういった彼女の顔は、まるで獲物を狙う獅子のような表情だった。
――こいつは、殺戮を楽しんでいる。
リウは、その表情に底知れない恐怖を覚えつつ、無言で彼女の後を追った。

森は、彼女等を戦いへと誘う。

26レオン:2006/09/21(木) 17:04:54 ID:X3oxlF8g
「・・・・・・」
少年―リオンは自分の部屋で目を瞑り集中力を高めていた。
(はぁ、あれからちょうど一ヶ月か。俺はフレイムとかリウみたいに狩に行けないし毎日銀髪の男―カルロスと稽古なんてつまらねえな・・・。)
と、リオンは目を開け近くにある幅広の剣と腰に盾を背中に背負った。
「さてとカルロスの所行くか。」
そうリオンが言うとドアを開け廊下を歩くと、
「リオン・・・。」
そう後ろから声がした。
「おうカルロスか?ちょうどあんたを探しに行こうと思ってたんだがいつ稽古するんだ?」
そうリオンが聞くと、
「いや今日はしないそれから「あの方」から大事な仕事が与えられた。」
「大事な仕事とは?」
リオンが再び聞くと、
「フレイムとリウが帰りしだい奴等―レオン達を潰す。」
そうカルロスが言った。
「わかった。」
そう返した。
「じゃあ後は部屋で休んどけ。」
カルロスは言うとリオンに背を向け部屋に戻っていった。
「戻るか。」
リオンは部屋に入りベットの仰向けになった。
「レオン。とうとう来たかその時が。」
リオンは目を瞑った。
「あいつ等はまだ俺とフレイムの事は知らないはずだ、だがレオンは・・・俺の事は分かるだろうな・・・。」
リオンは目を開けると立ち上がった。
「もしレオンが俺の事を分かったらその時は・・・。」
リオンは天井を仰いだ。
「その時は奴を斬るしかないの・・・かもな・・・。」
リオンは再びベットに寝た。
「なるべくレオン達は傷つけたくないが決められた事だしかも「あの方」の命だからな・・・。」
リオンは言いそして戦いの為に早めに眠りについた。

27レオン:2006/09/21(木) 17:05:41 ID:X3oxlF8g
第九話
 ̄ ̄ ̄ ̄
レオン達は出口向かい歩いていた。
「…あのさ、私…。」
エミが小さな声で言った。
「ん、何だ?」
レオンがエミに訊いた。
「…私、皆と会う前にも旅してたんだけど…旅してる理由が思い出せないんだ…。」
エミが言った。
「……へ?」
「勿論、自分でも変だと思うけど…でも、人を助ける為なのは、覚えてるよ。」
エミが少し安心したような声で言った。
「…まあ、早く行かないか?」
デストロイヤーが言う。
「そうだな、もう遅いかもしれないし。」
レオン達は、再び歩き始めた。

その頃、フレイムとリウは――――
「そういえば、アイツらはまだ中にいるの?」
フレイムがリウに訊く。
「あ……ああ、ルスカは奴が死ぬまで外に出れそうにないが…フィートはその内出る筈だ、カルロスとリオンはレオン達を殺しに行き、彼は…レオン達を待つらしい。」
リウは星空を見ながら答えた。
「ふ〜ん、そっか…まあいいや♪」
フレイムが言った。
…二人は、暗い森を歩き続けた。

――――レオン達は、町に着いた。
「この町だよ!」
スララーがレオン達に言った。
「良かった、今日はこの町で休もう。」
レオンが言った。
「図書館もあるみたいだから、明日行こうよ。」
ルルが言った。
「分かった、明日、図書館に行くぞ。」
レオンはそう言い、レオン達は宿屋に行き、眠りに付いた。
「お休み。」

28レオン:2006/09/21(木) 17:06:19 ID:X3oxlF8g

夜の事。
「ここは魔物が弱いな。」
銀髪に紺色の瞳、青い服に白いズボン。
――――そう、カルロスだ。
魔物が現れると、二本の剣で魔物を葬り去る。
「出来れば、奴等とは夜に戦いたいが…流石に夜に来る事は無いだろ
うな、だからと言って帰っても袋が邪魔で寝にくい…。」
カルロスが考えた。
「…そうだ、先に奴等が来る洞窟に行こう、リオンには悪いがな…。」
カルロスはそう言い、洞窟へ行った。

――――朝。
レオン達は準備を済ませた。
「じゃ、図書館に行こ!」
エミはそう言い、図書館へと走った。
五人も、エミを追いかけて走った。
「ん…ちょっと待って!」
レオン達は誰かに呼び止められた。
赤紫色の髪、茶色い眼。
服は紺色と、青いスカートを着ている少女だ。
「あんた達、もしかして、この世界の人間じゃなかったりしないわよね…?」
少女が言った。
「…だから何なんだ?」
ルーキングが訊いた。
「えっ…と…精霊の力を感じるから、かな…?」
少女は答えた。
「えっ、精霊って、あの…。」
スララーが言った。
「…自然に宿っていて、普通の人間とは比べ物にならない力を持っているんだよね?」
エミが言うと、
「そう、異世界から来る人は、皆、精霊の力を持っているらしいわ。」
少女が言った。
「そうなのか、凄いな…ところで…。」
レオンが少女に言った。
「あ、あたしの名前はリネ、いきなりだけど、あんた達についてってもいい?」
少女が言った。
「あ…ああ、ついてってもいいぞ。」
レオンが言った。
「宜しく。」

29レオン:2006/09/21(木) 17:07:02 ID:X3oxlF8g
図書館に入るとエミは、
「ここで待っててすぐ持ってくるから。」
そう言いお目当ての本を探しに行った。
「う〜んなんか懐かしい感じがするな。」
そうレオンが言う。
「思ってたよりなんかずーっと大きい。」
そうスララーが言った。
「お待たせ〜。」
エミが戻ってき言った。
「?なんだそれ?」
ルーキングがエミに聞くと、
「前に来た時偶然見つけたの。」
そう言いながら本のページをめくりながら言った。
「これ?」
そうルルが言うとそこには数人の人と魔物の絵が書かれていた。
「それって約800年前の魔を封じた勇者の本?」
そうリネが言う。
「魔を封じた勇者って?」
そうデストロイヤーが言うと、
「今は少しずつ増えてる魔物が800年前にもの凄い数で増えたって伝えられてて。」
「その魔物を封じた勇者達の記録。」
そうリネがすぐに言った。
「でもこれと俺達とどう関係するんだ?」
少しだけ輪から離れ何かの本を読んでいたレオンがエミに聞くと、
「ここ見て。」
そうエミがレオン達でもわかるタイプの字を指差した。
「何々・・・。」
レオンとエミを除いた皆が本を見た。
「ねえレオン?何見てるの?」
そうエミがレオンの読んでいる本を見た。
「ん?見てのとうり地図だが?」
そうレオンが言うと本を閉じ本棚に戻した。
「どうだ?」
そうレオンが聞くと、
「ん〜?この本によると勇者達は私達みたいに異世界から来たんだって。」
そうルルが言う。
「でその勇者は魔を封じると元の世界に帰って行った。って書いてある。」
そうルーキングが言った。
「でも帰り方がよくわかんない。」
そうスララーが言う。
「じゃあ今からまた次の町に行って情報を集めよう。」
そうレオンが言うと皆は立ち上がり外に出て行った。
「じゃあ本戻してくる。」
そうエミが言いぱたぱたと駆け出して行った。

「でも次の町の行き方は?」
そうデストロイヤーが聞くと、
「ここから西にある洞窟に行く。」
そうレオンが図書館でもらった地図を指し言った。
「あそこは日があるうちに行かないと駄目だから早めに行かないと
。」
そうリネが言った。
「じゃあ行こうよ」
そうルルが言うと皆は歩き出した。

30レオン:2006/09/21(木) 17:07:37 ID:X3oxlF8g
「ルー、ちょっと来て」

皆が休憩している時、フレイムはリウを宿から少し離れたところに連れて来た。
木が生い茂っていて、人が来る事など無いように静かな場所。

「・・・何だ?」

何時に無く急いでいる様子のフレイムに、リウは訝しげに尋ねる。
フレイムは、真剣な表情で口を開く。

「あんま言いたくないんだけど、ルーには聞いといて欲しかったんだ」

誰にも言わないでね、と声を潜めて付け足す。
深刻な話のようだったので、リウも真剣な表情になる。

「・・・あたし達から見た“敵”が、あたしの知り合いだって事は知ってるよね?」

リウは小さく頷く。
――知っていたのか。
リウは、まだ誰にも言われていないはずなのに、いつの間にか知っていたフレイムに驚く。

「あたしは、多分あっちの人達を殺せない」

リウはやはりか、と言う顔をする。
――馴染みの仲間を殺す事は、フレイムには出来ない。
その事を、リウはフレイム自身よりも良く分かっていた。
性格が全然違う二人だが、仲が良いのだ。
まだ短い付き合いだが、互いの事を良く知り、話し合う良い仲間となっていた。

「・・・だから、あたしは、この戦いが終わったら――・・・」

その言葉は、途中で途切れた。
だが、その先の言葉が何か、リウは痛いほどよく分かっていた。

「あちら側に付く、か・・・」

少し悲しげに呟かれたその言葉は、ただむなしく消えた。

「・・・・・・ごめん。あたしは、ルーを裏切る事になる」

触れれば壊れてしまいそうな、切ない声。
それでいてはっきりと、決意を秘めた声。
リウは分かっていた。
彼女が他の世界の人間である以上、ずっと共にはいられないのだ。
リウは、戸惑いがちに口を開く。

「・・・一つ、誓ってくれるか?」

フレイムは、僅かに頷いた。
リウは、それを確認して話を続ける。

「・・・たとえ敵になったとしても、ずっと友で在る様に」

そう言って差し出されたのは、六本のナイフ。
薄い、透き通った蒼の宝石の刀身。
それは、木漏れ日を浴びてきらきらと輝いた。
リウは、それをフレイムに手渡す。

「誓いの証だ」

フレイムは、そのナイフを受け取った。
ありがとう。
言葉にされる事は無かったが、フレイムの口は確かにこう呟いた。
フレイムは微笑むと、自身の首に下がっているペンダントを取る。
銀で、十字架をモチーフにして作られたそれの中心では、紅い小さな宝石が輝いている。
それをリウに渡して、拳を突き出す。

「あたしからも誓い! ・・・互いを忘れないで居る様に」

リウも静かに微笑むと、互いに強く拳をぶつけ合った。


風は、彼女等の髪を、木々の葉を揺らした。

31レオン:2006/09/21(木) 17:08:08 ID:X3oxlF8g
第二話
「洞窟」

「待ってくれよ!カルロス!」
カルロスは目の前に居た魔物を切り捨て血を払い双剣をしまい後ろを見た。
「おいリオンお前もう少し早く片つけろよ・・・。」
そうカルロスが言うと、
「だってよ俺は剣術を高めるために少し遅めに倒したんだ。」
そうリオンは唇を少し尖らせ言った。
「・・・まあいいか。」
そうカルロスが言うと懐から何かを取り出すとリオンに渡した。
「なんだこの仮面みたいなの?」
そうリオンが言うと、
「お前今から戦う奴にあんま顔見られたくないんだろ?」
そうカルロスが言うとこくりとリオンは頷いた。
「だから奴らと会う時はそれを着けろ。」
そうカルロスが言うと、
「あっ、レオン達が来た。」
そうリオンが言うとカルロスは頷きレオン達が来るのを待った。

「暗いな・・・。」
そうレオンが言う。
「でも何も見えないわけじゃあないな。」
そうルーキングが言う。
「幸いレオンが暗闇でも大体のものが見えるのが良かった。」
そうルルが言う。
「今が中央の入り口くらいだから後少しで奥だけど、この辺から明るくなっていくから。」
そうエミが前を見ながら言った。
「お、明るくなってきた。」
デストロイヤーが言う。
「本当だ。」
そうスララーが言うと、
「ん?誰か居る・・・。」
そうレオンが言うと先の方に二人の男―カルロスとリオンが立っていた。
「やっと来たか・・・。」
そうカルロスが言った。
「お前はこの前の!!」
デストロイヤーが思い出したように言った。
「おい、どうする?お前この中の一人と戦いたいんじゃあなかったか?」
そうカルロスが仮面を着けた少年―リオンに聞くと、
「ああ、そうだった。」
そう言うとリオンは前に出ると、
「俺が戦いたいのはレオンお前だ!」
「俺と?」
そうレオンが言うと、
「じゃあ他の奴は?」
カルロスがリオンに聞くと、
「・・・奥の方で相手をしてやれ。俺はここでレオンと戦う。」
そうリオンは言った。
「皆、あいつ等が言ったとうりにしてくれ・・・。」
「「え!」」
皆が声を合わせて言った。
「どうして?!」
そうエミが聞くと、
「わからない・・・。でもなんかそうした方がいい気がするんだ・・・。」
そうレオンが言うと、
「んじゃあレオン以外の奴らは奥に行ってろ。」
そうカルロスが言うとレオンは頷き皆は奥に進んで行った。
「もしやばくなったりしたら俺のところに来い。」
「OK。了解だ。」
リオンの返事を聞くとカルロスも奥に進んで行った。

32レオン:2006/09/21(木) 17:09:07 ID:X3oxlF8g
第三話
 ̄ ̄ ̄ ̄
レオン以外の六人とカルロスは、レオンとリオンから離れ、話し始めた。
「今度こそ教えてもらうぞ…お前は誰なんだ。」
デストロイヤーがカルロスに訊いた。
「…ああ、まだ名乗ってなかったな、俺の名はカルロス。」
カルロスが言った。
「じゃあ、そろそろ戦うか?」
ルーキングが言うが、
「ルーキング、ちょっと待ちなさい、カルロス、あんたに訊くけど…」
と、リネが言いかけた。
「…やっぱ、何でもない。」
リネがまた言った。
「それなら、戦うぞ!」
ルーキングが五人に叫んだ。
「分かった!」
返事をし、六人は戦闘の態勢に入る。
「来い…!」
カルロスは二本の剣を抜いた。
「行くぞ!はあ!」
ルーキングはナイフでカルロスを斬りつけた。
カルロスは黙々とルーキングに反撃した。
「やっ!」
「えい!」
デストロイヤーとスララーは矢を放つが、カルロスは辛うじて避けられた。
「…τηδσν…ファイアボール!」
エミが呪文を唱えると、三つの火の玉がカルロスに向かって行ったが、
「…αδητσ…ウォータースマッシュ!」
カルロスがそう呪文を唱え、三つの火の玉を消し、六人を押し潰した。
「これじゃエミの攻撃が通じねえぞ!!」
ルーキングが叫んだが、
「大丈夫!…γστδ…マジックウォール!」
ルルが六人の周りに、見えない魔の壁を造った。
リネがナイフでカルロスを斬る。
「クッ…中々手強い相手だな…だが、まだこれからだ!」
カルロスがそう言うと、幻影が見えるほどの速さでリネを無数に斬った。
「きゃあッ!!」
リネが悲鳴を上げて倒れた、が、意識はある。
「…δντη…キュア!!」
ルルがリネの傷を癒した。
「あ、ありがと…。」
リネが言うと、
「くっ……?おい、お前、そのナイフ、何処で取った?」
カルロスがリネを指差しながら訊いた。
リネは、しばらく黙っていたが、
「魔物が落としてったの、それで?」
リネが答え、カルロスに訊いた。
「…いや、別に。」
カルロスが返した。
「じゃ、行くぞ!」
と、ルーキングは言い、カルロスに向かって走った。
「ッ!」
カルロスは水色の光に包まれ、何処かへ消えた。
「?何処行った!?」
ルーキングはそう言った。
「…そういえば、レオンはどうしてるだろう。」

33レオン:2006/09/21(木) 17:10:26 ID:X3oxlF8g
第四話 「友」

レオンとリオン以外の人が離れると話し始めた。
「・・・お前は誰なんだ?」
そうレオンが仮面の少年―リオンに聞くが、
「教えれないな今は時期分かる事かもな。」
そうリオンは返した。
「それよりそろそろ始めないか?あっちは戦闘始まってるかもしれねえし。」
そうリオンは言うと幅広の剣を取り出した。
「・・・・・。」
レオンも無言で剣を引き抜いた。
「・・・行くぞ!」
リオンは言うとレオンに向って走出しレオンは剣を立て防御の構えに入った。
「はっ!」
走った時の加速を加え威力が増した剣をレオンに叩きつけた。
「くっ・・・。」
剣を立てて防いだが普段の剣と威力がけた違いで剣が弾き飛ばされそうだった。
「おいおいまだ始まったばかりだぜ?初めからそんなんじゃあ楽しくないぜ?レオン。」
そうリオンが言うとレオンは足払いで下がらせ、
「たあ!」
剣を斜めに振りリオンの顔を隠している仮面の紐を切り裂いた。
仮面が落ちる。
「え?」
レオンは目を大きく見開き剣が手から滑り落ちそうになった。
「はぁ・・・やっぱこうなったか。」
リオンはため息まじりで言った。
「リ、リオン?」
今だ信じれなさそうにレオンは言った。
「そうだぜ?リオンだ。レオン。」
そうリオンはレオンに言った。
「リオン・・・お前!なんで俺たちの敵側にいるんだ!」
そうレオンは我に帰るとリオンに言った。
「・・・しかたないだろ?俺がこの世界に来た時助けてくれたのはお前達の敵側の奴なんだからな。」
そうリオンはまっすぐレオンを見て言った。
「じゃあ一時お別れだまた今度お前等を倒しに来る。」
そう言うとリオンは青い光に包まれ消えた。
「リオン・・・」
そうレオンは呟くと剣を収め奥に居る仲間たちの所に行くため歩き出した。
(この事は次にリオンに会う時まで秘密にしとこう。)
そうレオンは思うと奥に向って走っていった。

34レオン:2006/09/21(木) 17:11:24 ID:X3oxlF8g
「・・・・・」
数日前の作戦失敗でリオンは少し落ち込んでいた。
「はぁー作戦・・・失敗しちまったな・・・。」
リオンはベットに倒れるとモヤモヤを吐き出すように言った。
「・・・レオン以外とあのまま戦ってたらどうなってたんだろうな・・・。」
そう呟いた。
「・・・レオンと一回会ってみようかな・・・。」
そうリオンが言うと戦いはしないが自分の武装を着けると部屋出て、
「フレイムも呼んでみるかな?」
そう言うとフレイムの部屋に歩いていった。

「ここか・・・。」
扉の前に行くとリオンは扉を叩くといきよいよく扉が開きリオンの顔に命中した。
「だーれ?」
そうフレイムが言いキョロキョロ辺りを見渡すと目を白黒さ倒れたリオンが目に映った。
「あれ?リオンじゃない?どうしたの?」
そうフレイムが聞くと、
「つー鼻が折れるかと思ったぞ・・・。」
「ごめーんリウかと思って。」
「まあいいか。」
赤くなった鼻をさすりながらリオンが言う。
「それで用件は?」
「ああ・・・実はレオンに会いに行こうと思って出ようとしたんだがお前も行くか?」
そうリオンがフレイムに言うと、
「いいよ?行こう!」
そう言うとフレイムは部屋に入り武装を着けるとリオンの所に戻り、
「それじゃあ行こうか。」
そう言いリオンと出口に向って歩き出した。

35レオン:2006/09/21(木) 17:11:54 ID:X3oxlF8g
深い森の中、一組の男女が歩いていく。
というより、男の後を女が追う、という形だが。

「ねーねーリオンー。何しに行くの? 戦っちゃダメ?」

女―フレイム―が尋ねると、リオン、と呼ばれた少年は呆れたようにそちらを見やる。
そのあと少し大げさに溜息をつき、口を開いた。

「いや、それは「会いに行く」じゃなくて「戦いに行く」だろ。
・・・なんとなく、会って話でもしようかと思って」

フレイムは、その溜息に少しむっとした顔をしたが、すぐに元の表情に戻す。

「武器持ってるから戦うのかと思ってた。
っつーか何話す気? 一応あっちとは敵でしょ」

「・・・後で考える」

その言葉に、フレイムは「曖昧ー」と笑った。

「・・・ま、それも面白そう。あたしも誰かと話そっかな?」

フレイムは冗談めいた笑みを浮かべた。
そこで会話は一時途絶え、二人は無言で森を歩いていった。

36レオン:2006/09/21(木) 17:12:28 ID:X3oxlF8g
「すーすー。」
木に寄りかかり今までの戦いの疲れを癒しながらのん気に昼寝をしている人影があった。
「ふぁー・・・良く寝た・・・。」
まだ眠たそうに少年―レオンは寝転びながら間延びをした。
「さてと・・・・んっ?!」
不意に自分が寄りかかった木の後ろから巨大な鎌が首筋辺りまできた。
「・・・おいフレイム鎌下ろせ戦いに来たんじゃないっ森で言ったろ?」
「ごめーんつい。」
そう呆れた声と少しだけ申し訳なさそうな声が聞こえ鎌が離れた。
「リオン!」そう叫ぶとレオンは剣を引き抜いた。
「・・・レオン長剣を鞘に戻せ。俺とフレイムは戦いに来たわけじゃない少なくとも俺はな。」
そう言うと少年と少女―リオンとフレイムが姿を現した。
「なに?」構えを解かずに剣を三分の一ほど出して言う。
「さっそくだがレオンお前俺ら側に入れ。」
そうリオンの口から出てきた。
「はぁ?」思わず間の抜けた声をだしたレオンにリオンが言う。
「お前は剣の腕がいいだから俺らと一緒に来・・・「断る!」
リオンがいい終える前にレオンはそう言った。
「・・・そうかなら仕方ないな・・・。」
そうリオンが呟くと、
「何々?戦闘?戦闘やんの?じゃあ、あたしがやる!」
そうフレイムが言うと、
「ちげーよ、帰るんだよ。」「えー。」
そう言った。
「レオン来る気がないなら俺はお前を倒す。」
そう言うと森の方へ歩いて行きフレイムは不満そうに歩いていった。
「・・・なんだったんだよリオンは・・・。」
一人残されたレオンはそう呟いた。

37レオン:2006/09/21(木) 17:14:43 ID:X3oxlF8g

ざっざっざっざっ。

フレイムは、草を薙ぎ倒しながら歩いていく。
彼女はとても不服げな目で前にいるリオンを睨んだ。

「・・・戦うんなら、さっきあたしにやらせてくれればよかったのに」

その殺気のこもった視線を受けて、リオンは気付かれないよう小さく溜息を零した。

「とりあえず落ち着け。
・・・あいつとは、俺がやる」

「とかなんとか言っちゃって、前も倒さなかったじゃない、結局」

彼女はそう言って鎌を撫でる。
以前とは違い綺麗に磨かれたそれは、血を欲するかのように怪しく光った。

「・・・ね、今は待っててあげる。あたしじゃ敵わないかもだしね。
でも、さ・・・。待ちきれなかったら・・・、覚悟しといてね?」

悪戯っぽい笑みを浮かべ、指で首を斬る真似をする。
リオンは、その姿に苦笑した。

(お前は、何があっても殺さないだろ・・・)

彼は、フレイムが仲間を殺すような真似はしないことを知っている。
フレイムは「殺したい」のではなく、ただ純粋に「戦いたい」だけなのだから。
彼女にとっての勝利は、相手が行動できないようにして、それで終わり。
つまりは武器を取り上げたり、拘束をすれば終わるのだ。
魔物相手となると、話は多少変わってくるが。

「リーオーンー! 何してんの、さっさと帰ろ!」

何時の間にやら数m先にいるフレイムが、こちらを向いて待っている。
彼は少し早足で、前へと進んでいった。

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