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別れる者と異世界の小さな旅

37レオン:2006/09/21(木) 17:14:43 ID:X3oxlF8g

ざっざっざっざっ。

フレイムは、草を薙ぎ倒しながら歩いていく。
彼女はとても不服げな目で前にいるリオンを睨んだ。

「・・・戦うんなら、さっきあたしにやらせてくれればよかったのに」

その殺気のこもった視線を受けて、リオンは気付かれないよう小さく溜息を零した。

「とりあえず落ち着け。
・・・あいつとは、俺がやる」

「とかなんとか言っちゃって、前も倒さなかったじゃない、結局」

彼女はそう言って鎌を撫でる。
以前とは違い綺麗に磨かれたそれは、血を欲するかのように怪しく光った。

「・・・ね、今は待っててあげる。あたしじゃ敵わないかもだしね。
でも、さ・・・。待ちきれなかったら・・・、覚悟しといてね?」

悪戯っぽい笑みを浮かべ、指で首を斬る真似をする。
リオンは、その姿に苦笑した。

(お前は、何があっても殺さないだろ・・・)

彼は、フレイムが仲間を殺すような真似はしないことを知っている。
フレイムは「殺したい」のではなく、ただ純粋に「戦いたい」だけなのだから。
彼女にとっての勝利は、相手が行動できないようにして、それで終わり。
つまりは武器を取り上げたり、拘束をすれば終わるのだ。
魔物相手となると、話は多少変わってくるが。

「リーオーンー! 何してんの、さっさと帰ろ!」

何時の間にやら数m先にいるフレイムが、こちらを向いて待っている。
彼は少し早足で、前へと進んでいった。


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