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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1『幸せ兎』:2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
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【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

634スミノフ『デマーケイション』:2018/10/23(火) 23:30:56
>>627

「おい、マジかよ。辛いところだな」

「これ、ずっとぶら下がってると建物に負担かかって危ねェかも……」

肘を曲げ伸ばしして勢いをつける。
実際に勢いがつくのかはわからないが。

(どうする……登ってんのがバレてんなら、この先がヤバい)

(俺なら確実に窓に注意する。もしくは窓の下で屈んで姿が見えたところを落としに行く)

部屋に侵入する瞬間が一番危険だ。
安全に侵入するために必要なことはなんだ。

(迎撃の対策……)

それが『狗の髑髏』だ。
喧嘩の部外者を弾く。
現状、当事者は自分と下にいる男のみ。
中の人間は全員弾ける。

(殴りかかったりには対応出来る。ロッカー投げられたりは対策しにくいが)

「これでいくか」

先ほどよりも少し強く跳ぶ(パス精ACD)
四階の窓を少し超えるくらいを目標にしよう。
超えれば問題は無い、この場合は大が小を兼ねる。
手は胸の前、少し前に出しておく。
窓があるなら窓枠がある。
跳んで、四階の前に移動。
窓を超えたり、落下の際に部屋の様子を確認しよう。
落ちてくる途中で前に出した手が窓枠に当たるはずだ。
窓枠に当たった感触を頼りに窓を掴みぶら下がれば、四階に侵入出来る。

心配な部外者による妨害は、直接的な行動なら『狗の髑髏』が弾き、投擲は前に出した手で押し返す。
大きいものの投擲でなかった時は運がなかったとしよう。
押し返して腕を真っ直ぐに伸ばしたままなら窓枠にしがみつけるはず。

「まぁ、やってみないと分からねぇが……」

どうなるか。

635『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 23:49:35
>>632(硯・回答)

これは、『硯は気に留めていなかったが敵の耳は捉えていた』という意図。
『気にも留めないくらい小さな音だが敵の耳は捉えられた』と読めるため、
この重要な局面で語弊を招くような表現をしてしまい、大変申し訳ない。

硯は>>593で『高天原』の能力の本質に気づいていたが、
>>607で実際に打撃を行うまで『打撃の音』に関する留意は無い。
(=気づいたうえで特別には音への対策にリソースを割かない、と判定した)

よって会話による『聞き取りへの影響』に関しても、
拳が届く距離であれば聞き取れない事はない音量だったとと判断する。

ただ、前回の硯へのレスで風切り音が描写されていないのは『脱字』であり、GMの過失。
これをもってレスの訂正を望むのであれば、今回に関しては受領させていただきたい。

636『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 00:00:58
>>633(宗像・回答)

>何度も申し訳ないが、全員の位置関係と大体の距離を改めて教えていただけないだろうか。

狭い範囲で密集しているため、あくまで『だいたい』。

  窓    窓     窓     窓    窓    窓
□□□□□□□早□高□□黒□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□硯□□ア宗□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□■■■扉■■■扉■■■扉■■■扉■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

大体このような位置関係である。
現在硯と停止の男(高天原)は拳が触れる距離。
宗像と停止の男は1.5m弱。
宗像と硯はもほぼ同様。
早見(公務員風の男)は1〜2mほど左方向へ押された。

>また、現在の自分と『アヴィーチー』の体勢はどうなっているだろうか?

宗像は膝から崩れ落ちている状態。
まだ倒れ切ってはいないが、
何もしないのであればうつ伏せに倒れる事になる。
スタンドは攻撃直後の姿勢で、傘を持つ腕は伸ばしている。

637高天原:2018/10/24(水) 00:23:30
@判定に関して質問です。すみません、少し長いです!


>>629の殴打の音が『設置するための行動(ダメージを与えるためではない)なので音が小さく、『静止』の時間も短い』という判定に関して、幾つか疑問点があります。

>>519でも類似の判定があるため、遡及のような形になってしまうことをご容赦ください。)

 それぞれの行動及び判定のレス(>>505>>508>>510>>607>>610>>611)をいずれも確認しましたが、設置を目的とした「触れる」「触る」などではなく、「殴る」「蹴る」といった攻撃を目的とした表現が使われており、攻撃よりも設置を優先するような記述や、敢えて力を抑えるような記述はありません。

 また、『触れたものに○○を設置する』という能力のスタンドが、威力を伴う殴打や足蹴りで対象に触れた際に能力が発動しない(そのために『能力発動時の攻撃は十全のダメージを与えない』という判定になる)、というのもおかしな話だと思います。この場合、設置型のスタンドは『全力の攻撃』と『能力の発動』を同時に行えないことになってしまいます。(スタンド本体の破壊力のために設置対象を破壊してしまうような場合などは除きます。)

 細かい点になってしまいますが、今回の殴打音に関して『通常の打撃時と同じ』とはならないでしょうか。ご検討、お願いいたします。

638『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 00:52:51
>>637(高天原・回答)

>>519については『床にタイヤを設置するための蹴り』であり、
床を破壊するような全力の蹴りを打ち込むのは『不自然』。
現に>>513で硯側が『爪先を床に当てて足を引っ込める』旨を書いている。

そのうえで、前回の硯のレスは>>513の結果である>>520を引用し、
かつ『拳が触れた瞬間に設置できる』『殴打した瞬間に車輪を設置』『車輪に指を絡める』
――――といった描写がなされている。

>青年は知る由もないだろうが、硯研一郎は先程、
>互いの攻防の最中に『スパイクタイヤ』を設置する奇襲を仕掛けたが、
>青年の想定外の行動が挟まった結果、結局失敗に終わっている(>>520)。
>その原因は明々白々――『オーバードライブ』の『精密動作性』の低さだ。

>『あの時』の『オーバードライブ』は状況の変化に弱かった。
>だが『今』の『オーバードライブ』はある程度の『対応力』を備えている。
>こちらの『車輪』は『オーバードライブ』の拳が触れれば確実に、そして一瞬で設置される。

これが当該箇所の一部。GMはここから『全力で殴り抜いたうえでさらに車輪も設置』でなく、
向上して精密動作性を生かして『拳が触れた瞬間、殴り抜かず設置し、そのまま掴みへ移行』なら、
殴り抜いて骨肉を破壊する必要がなく、過剰に大きな音は立たないのが自然であると判定した。

これに関しては『統一された判定基準』が存在せず、
公式見解としての回答ではなく当ミッションの基準となるが、
私は明記がない描写は『自然と思う結果』をもって返レスする。
意図の伝わりにくい描写をしてしまった事については誠に申し訳ない。

639宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/24(水) 01:36:43
>>636
確信が得られないので、念の為にお聞きしたい。
青年は割られた窓の近くにいて、硯は青年の至近にいると考えていいだろうか。
手間を掛けて申し訳ない。

640『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 01:42:40
>>639(宗像・回答)
現時点でその認識で構わない。
硯PLが判定訂正を求める場合は変更になりえるので、
その場合は当スレへの訂正レス投下をもって回答とする。

なお、宗像PLのレス後にGMレス訂正があった場合は、
それを受けて宗像PLもレスを訂正する事を許可する。

641硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/24(水) 10:10:45
>>635
回答感謝。レスの訂正はなしで大丈夫です

642高天原:2018/10/24(水) 23:30:49
>>638

承知いたしました。お手数をおかけしました。

643宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/25(木) 20:06:49
>>640
回答感謝。
また、近くにガラスの破片は落ちているだろうか?

644高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/25(木) 22:27:25
>>629

>「俺の命など……お前達の命に比べれば安いものだ……」

 言い返したい気持ちをぐっと堪え、一瞥する。
 命の奪い合いをしている最中、綺麗ごとなど盾にもならないだろう。

「先輩ッ、立って! 早く!」

 それに事実として、現在の自分自身がその秤を握っている。
 一般人の早見、瀕死の五十嵐、そしてカーバンクル。或いは、自分自身の命もそうだ。
 無傷のまま全員無事で逃げるわけにはいかないだろう。

 『優先順位』を決めなければいけない。

  ・ ・・・・・・
「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

 彼が狙われるのは、カーバンクルを抱えているからだ。
 スタンド使いでもない早見を、これ以上この攻防に巻き込むわけにはいかない。
 一刻も早く離脱を指示する。

 『ウィーピング・ウィロウ』は抱えていた五十嵐を手放し、


    「……負けるなら、『アンタに』だ」


 拳を止める。
 攻撃はせず、伸ばした腕で最小限の動きで『装甲車のスタンド』を『押し退ける』だけだ。

 (『五十嵐の身体』と『装甲車のスタンドの拳』の接点を離す目的。
  スタンドの指が車輪とタイヤにしっかりと絡んでいる等、
  容易に離れないと視認できる場合は、『押し退ける』ことも止め、即座に次の行動に移りたい。)

   『仮面の男』の事が、読めなかった。
   猫を巡るこの騒動において、『猫のことなど関係ない』とすら言った彼が、
   ならば何故、何のためにこの状況に身を置いて、立ち塞がっているのかと。

   答えはシンプル、『殴るため』だ。

   五十嵐も、『作業服の男』も、高天原自身も。
   生き延びるため、猫を手中に収めるため、逃がすため、殺すため。
   我を貫くために、その『手段』として拳を振るった。
   『仮面の男』は、逆なのだ。

    ・・・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・・
   『拳を振るう』ために、その『理由』が要る。

   だから猫の去就など興味がないし、状況に構わず拳を振るい続けている。
   まるで求道の武術家だ。見る者にとっては崇高であろう、その在り方は、
              ・・・・・
   今の高天原にとっては、都合がいい。
   彼は、『猫を殺すのに賛同しない』と言った。
   それはつまり、彼の最終目的が『猫の殺害』ではない、ということだ。


 『ウィーピング・ウィロウ』は、『サメの腕のスタンド』に向き直り、距離を詰める。
 本体がほとんど動けない以上、あの『スタンド』の第一の攻撃手段は投擲だ。
 手に持った傘や、先ほど投げた懐中電灯のような小道具で、また早見や猫を狙う可能性がある。

 それを、全力で弾いて阻止したい(破ス精CCB)。
 投擲以外の行動を見せる場合は、そのまま殴りかかる。

 なお、『サメの腕のスタンド』のアクションよりも早く、『装甲車のスタンド』の攻撃が飛んでくる場合。
 高天原を狙う場合はガードで固め、被弾時の音を『静止』して時間を稼ぐ。
 『ウィーピング・ウィロウ』を狙う場合は、『風切り音』のみ『静止』し、その隙にMAP右方向にヴィジョンを離脱させる。

645硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/26(金) 00:22:07
>>628

「壁を登る?言っている意味はよくわからないが、
 どうやらスミノフさんは、随分と『ファンキー』みたいだな」


    『 ブ ォ ン 』

         ズギュンッ

明らかに一瞬挙動が遅れる『オーバードライブ』、
そして目の前に差し出される『五十嵐』の『死体』。
その身体に設置された鉄の『車輪』。
脳内で瞬時に状況を理解し、対峙する青年へと話しかける。


「『猫』の幸せの為ならば『協力者』を『盾』に出来る。
 『ちっぽけな市民』ってのは最高の『免罪符』だな。 

 君は、その『音』を止める能力に絶対の自信を持っているのかい?
 俺の『像』が本気で殴ったら『五十嵐』さんの身体は即ミンチだし、
 多分そんな事をしてしまったら俺は凹んでしまう。
 凄い、これ以上ない程に効果的な『肉壁』だ。思いついても絶対できない。

 でも、仕方ないんだよな。だって『猫』の幸せの為だからねえ。
 猫の幸せを願っていた『涅槃』の『五十嵐』さんもきっと許してくれる」


喋りながらも、思考を巡らせる。


互いの『スタンド』が向かい合ってるこの状況、
そして青年の背後には『スタンド』を出した『宗像』が床に倒れており、
(変則的にだが)宗像と一緒に『青年』を挟み撃ちしている形となっている。
ならば位置の関係上、『宗像』が『青年』を通り越し此方へ攻撃を仕掛けてくる可能性は薄い筈。
『宗像』の挙動は気になるが此処は先に『青年』を倒すべき盤面だ。

『オーバードライブ』が『安全装置』を発動している以上、
『白兵戦』に関してはこちらが圧倒的に有利だ。
だが『青年』は『聴覚』で、『オーバードライブ』の僅かな『風切り音』を捉える事で、
此方の攻撃をほんの一瞬だけ静止させ、生じた僅かな『隙』を突き、『カウンター』をしてきた。
――『オーバードライブ』の攻撃を止めるという選択肢は『ない』。

この攻防を制する為には、青年の『静止』の能力に対しての『策』が必要だ。
ならば『硯研一郎』の行動は『あれ』しかない――

646硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/26(金) 00:24:39

                


                     スゥッ



   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」


腹から声を出し、一昔前の邦楽ロックの曲を絶唱する。
先ほどの『風切り音』、少なくともこちらは全く聴こえなかった。
意識しなければ聴こえない程の小さな音は勿論、
よほどの大きな『音』でなければ、『絶唱』で掻き消える筈。
この『絶唱』で青年の能力を『封殺』する。


そして『オーバードライブ』の振りかぶった腕は止めない。
振り上げた腕を勢いそのままに青年のスタンドの『首』へと持っていき、
その『喉元』を片手で掴み、力を入れて圧迫する事で『失神』させたい。
(『五十嵐』に設置した『車輪』は逆の手で握ったまま)

647『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/26(金) 02:42:27
>>643(宗像)
落ちてこそいるが、ほんとうに『破片』。
そもそもが窓を砕いたもので、更に廊下に落下した、
および硯の『RXオーバードライブ』が殴り落としたため、
手にもって投げるなどの用途に使えそうなものはほぼない。
(最大で『親指の先くらい』と考えていただければ問題ない)

648宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:38:31
>>647
回答感謝

>>630

「――ぐッ……!!」

体が崩れるのを感じる。
だが、まだだ。
まだ目的を果たせていない。
俺は、まだ倒れる訳にはいかない。

膝が床につくと同時に床に手をつき、倒れる事を防ぐ。
そのまま片膝立ちのような姿勢を取りたい。
また、可能であれば、ポケットから『自分の携帯電話』を取り出す。

(……『馨』――)

『死』に片足を突っ込んでいるせいか、一瞬『写真の女』の幻が垣間見えた。
だが、俺はそこには行けない。
行ったとしても、あいつに会う事は無いだろう。
あいつのいる場所へ俺が行く筈が無いし、
俺が行く先にあいつが待っている筈もない。
――俺が行くのは『地獄』だからだ。

『――死んだ……?』

『被害者の女性は全身に暴行を加えられた跡があり――』

『――何故……?』

『警察では殺人事件として捜査を――』

『――誰が……?』

『現場近くで立ち去る男を見かけたという証言が――』

不意に、過去の映像が脳裏にフラッシュバックする。
馨が生きていた頃、あいつを幸せにしてやる事が俺の生きる目的だった。
だが、ごく普通の一般人として生きていた馨は、
何の前触れもなく命の危険に曝された結果、
自分の意志とは無関係に人生を終わらされた。
その時から復讐だけが俺の生き甲斐になり、それさえも今では消え失せた。

「その通りだ……。硯研一郎――君の意見は正しい……」

「だが……仮に全てにおいて君が正しく……
 全てにおいて俺が間違っていたとしても……。
 それは俺が行動を変える理由にはならない……」

「殺人を犯した者は拘束されて自由を奪われ、
 それが『犯罪者』に対する抑止力になる」

「しかし――『何があろうとも殺す』と考えた人間に対して……
 自由の剥奪は抑止力には成り得ない……」

硯の言葉に対して、そのように返す。
周囲に聞こえるように声を強め、更に言葉を続ける。

649宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:39:48
>>648

「『カーバンクル』が生きていたとする。
 これからも、こいつは狙われ続けるだろう。
 その度に抗争が繰り返され、血と暴力が溢れる事になる」

「それは、こいつの責任ではない。
 だが、『カーバンクル』が存在する限り、
 大きな争いが起こる可能性は消えない。
 自分の意志とは無関係に、その渦中に巻き込まれる人間もいるだろう」

「それが『スタンド使い』なら、まだ良い。
 だが、渦中に飲み込まれるのが『力を持つ者』だけとは限らない。
 もし『力を持たない一般人』が巻き込まれたらどうなる?」

「まともな抵抗も出来ず、ただ蹂躙される。
 その結果、後の人生に傷害が残る程の大怪我を負うかもしれない。
 あるいは――命を落とす事も考えられる」

「その男のように『覚悟している一般人』なら良い。
 だが、『何も知らない一般人』にも同じ事は起こる。
 『抵抗出来る力』を持たず、『危険に踏み込む意志』も持たない人間が、
 そんな状況に陥ったらどう思う?」

「ある日突然、自分の意志とは関係なく理不尽に傷付けられて、
 人生を台無しにされる。
 その時、巻き込まれた本人は『運が悪かった』と納得出来るのか?
 本人の身内は、『そういう運命だったなら仕方ない』と諦められるのか?」

「何の罪も無い『猫』の命を奪う事は、卑劣な行い以外の何者でもない。
 それは紛れも無い事実だ。
 だが――俺は考えを改める気も行動を変えるつもりも無い」

「俺は『カーバンクルを殺す』。
 『一匹の猫の命』と引き替えに、
 俺は『多数の無関係な一般人』に降り懸かるであろう火の粉を払い除ける」

「俺の言葉に耳を貸す必要は無い……。
 『ただの犯罪者』の狂った戯言だと聞き流してしまえば良い……。
 君は、自分が正しいと思う行動を取れば良い……」
 
「――俺も『そうするつもり』だ……」

傘を持った腕を引き、『アヴィーチー』を移動させる。
青年と硯の真ん中になるように位置を取る。
距離は変えず、位置だけを変える。

650宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:40:55
>>649

「お前に止められた時……『音』がおかしくなった……。
 逆に言えば……『音』がおかしくなると止められる……」

「仮に……『音』がなければどうなる?
 それでも止められるのか?試す価値はある……」

「――……聞こえたな?」

最後の一言は黒服に対する言葉だ。
そして、声を落として続ける。

「足音を立てずに歩いて『猫』に近付け……。
 すぐ近くまで来たら走って一気に距離を詰めろ……」

「だが、『手筈』を忘れるな……。
 実行する目的は『二つ』同時でなければならない……。
 『二つ』を『両立』させる事だ……」

「言っておくが……『手筈』の方が優先順位は上だ……。
 両方こなせれば一番だが……最悪でも『手筈』だけは確実に果たせ」

「――俺は『命』を賭けている……。お前も『命懸け』で掛かれ」

猫を追えば、無理無く指図した通りの位置に陣取れる筈だ。
最悪でも絶対に『位置取り』だけは成功させなければならない。
今ここで重要なのは、『猫』ではなくむしろ『位置取り』だ。

――もう一つ、やる事がある。

「……見ての通り……俺は深手を負っている。
 だが……お前達は無傷に近い状態だ……。
 戦ったとしても……俺の勝ち目は限りなく薄いと言わざるを得ない……」

「さて――『どうするか』……」

651宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/27(土) 06:11:06
メール欄

652『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/27(土) 23:59:51
【フリー】
>>634(スミノフ)

            フワ
                 フワ

狗の髑髏はモノ言わず浮遊し、戦況を俯瞰している。
部外者を発見すれば即座に攻撃してくれる、
それについては間違いない。何の疑念も必要ない事だ。

     グググッ

                ドウッ

先ほど以上の力で体を跳ね上げ――――4階の窓を超える。
そのまま落下が始まり――――窓の中の光景を、目にした。


   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

そこで分かったのは・・・もはや中は外を気にしていられない状況である事。

硯は絶唱しながら見覚えのない『大学生』風の青年の首をスタンドで締めあげ、
先ほどの作業服の男は床に倒れながら『演説』じみた言葉を並べ立てている(>>656参照)
彼は明らかな『満身創痍』であり――――硯も、建物に入る前より負傷が増えている。

また、『インテリヤクザ』風の見覚えのない男が……恐らくは『死んでいる』のだろう。
その肉体に徹底的な『破壊穴』を開けられており、目を開ける気配は……まるでない。
硯のスタンドがそれを掴んでいる。特に何かに使うでもなく、ただ掴んでいるだけだ。

                       ガシィッ

4階の窓枠に掴まれた。
望むならこのまま屋内に飛び込めるだろう。

その時――――――――――――

                 ヒュィィイイイイイーーーーーーーーーーン!

「っ、『ペインキラー』・・・」

              「細かい狙いを着けないで投げるくらいなら、
                ガードに回す余裕もあるってもんです」

                     「――――聞き届けましたよ」


地上から何かが飛んでくる。おそらくは『石』か何かで、
それ自体が危険というふうではない。当然、投げたのは『吾妻』だ。

その速度はまさしく『神速』――――ほぼ一瞬にして、4階、スミノフの真横を通過、

                  『ピタッ』

                       ・・・せず、やや横右で『停止』した。

        ギョロ
            ギョロ

狗の髑髏は索敵を開始している――――このまま行けば、『硯』と、彼が締め上げる青年を襲うだろう。

653『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:05:08
【早見】
>>644(高天原)

高天原の言葉に早見は猫を手放して辛うじて立ち上がり、、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
その視線は身を案じるものだが、彼に何が出来るでもない。

           そして。


「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫

アリーナの『黒服』が、硯と高天原を避けるよう迂回しながら猫へ接近。
彼はスタンド使いではない。その脚は震えているようにも見える。
これを止めに入るのは今のタイミングでは不可能だ。攻撃がおろそかになる。

「『猫』の幸せの為ならば『協力者』を『盾』に出来る。
 『ちっぽけな市民』ってのは最高の『免罪符』だな。 

 君は、その『音』を止める能力に絶対の自信を持っているのかい?
 俺の『像』が本気で殴ったら『五十嵐』さんの身体は即ミンチだし、
 多分そんな事をしてしまったら俺は凹んでしまう。
 凄い、これ以上ない程に効果的な『肉壁』だ。思いついても絶対できない。

 でも、仕方ないんだよな。だって『猫』の幸せの為だからねえ。
 猫の幸せを願っていた『涅槃』の『五十嵐』さんもきっと許してくれる」

         グググッ

敵は車輪を強く掴んだまま、力を抜く様子もない。『押しのける』のは難しい。
五十嵐の身体を放り出す。これで両手が空いた。敵のパワーを考えれば、
重りにはならないだろうが……即座に敵に両手を使われるのは避けられる。

サメのスタンドに『ウィロウ』を向かせる。位置取りを変えるだけで攻撃は無い。
攻撃してくるのは『装甲車』だ。車輪を掴んでいない側の腕が伸びてくる。
『ウィーピング・ウィロウ』を動かし数mを詰め殴るより、至近の腕の方が早い。

だからまずは、装甲車のスタンドを『静―――――

   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

                     ――――止まるはずが、無いッ!!!

ここまで一度も突かれていなかったが、『ウィーピング・ウィロウ』の弱点。
いや、ある意味『当然の性質』は――――『音が聞こえなければ止められない』事。
耳には硯の歌声しか聞こえない。風切り音が聞こえる程の至近距離、その絶唱は音をかき消す。

     ―――ッ
              グ グ グ

自分の首に冷たい『圧迫感』を感じる。
打撃ではない、『締め上げ』故に音は極小。
骨をへし折るような『絞め方』ではないが、
脳が一瞬にして靄に包まれるような――――この感覚!

宗像を、早見を意識する必要があった高天原は、どうしても『一手』遅れる。
全ての命は守れない。だから優先順位を決めた。必要な事だが、仇となった。

                グ   グ  ググ   ・・・

力任せのその締め上げは一瞬で意識を刈り取るものではないが、
相手がもし躍起になったなら肉や骨が砕けてもおかしくはない。
であれば、もう、今すぐでも、意識を手放した方が『幸せ』か。

                      ・・・どちらにせよ、あと『数秒』もない。

・・・追い詰められた高天原の耳には作業服の演説が、視界には、窓の外で起きている異変が見える(>>656参照)

654『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:06:30
【フリー】
>>645(硯)

「先輩ッ、立って! 早く!」

「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

その言葉に『先輩』――――公務員風の男は猫を手放し、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
ここでスタンド使いに逆らう『愚』を理解していると取るか、
臆病者と取るか――――判断は分かれるところだが、猫は自由になった。

「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫

そこにアリーナの『黒服』が、硯と青年を避けるよう迂回しながら猫へ接近。
これを止めに入るのは今のタイミングでは不可能だ。攻撃がおろそかになる。

           バッ

敵のスタンドが五十嵐の身を投げ出す。掴んだタイヤは重りになる。
だが、『RXオーバードライブ』のパワーなら問題は無い。
腕の硝子の刺し傷が裂けるように痛むが、この攻防の一瞬ならば。

    「……負けるなら、『アンタに』だ」

足音、風切り音、打撃音、ありとあらゆる『音』に解決を求め、
ここまで硯の攻撃を凌いできた青年に、硯が投げかけるのは言葉。

そして――――『歌声』。腹の底からの『絶唱』。
それはあるいは青年の能力の恰好の『餌食』かもしれない。
だが、それは、今喰らうべき本当に餌食を覆い隠し、
必殺の一撃を突き立てるための――――『疑似餌』でしかない!

        ―――ッ

間違いない。なんの間違いもない。『RXオーバードライブ』の手が、
青年の喉元を捉え――――締め上げる。その顔からみるみる意識が失われる。
達人技でもなく、手にダメージもある今握力を要する『絞め』は一撃必殺にはならない。
だが、一撃、一瞬の決着が無いからといってそれ以上の追撃を要する半端な技ではない。


                グ   グ  ググ   ・・・

                    ・・・持ってあと『数秒』だ。
                        よほどの反撃でも無ければ、だが。

宗像の演説を聴きながら、すぐ傍の窓の外に――――硯は異変を見た。それは『吉報』と言えるかどうか・・・(>>656参照)

655『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:07:19
【音仙】
>>648-650(宗像)

「先輩ッ、立って! 早く!」

「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

その言葉に『先輩』――――公務員風の男は猫を手放し、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
ここでスタンド使いに逆らう『愚』を理解していると取るか、
臆病者と取るか――――判断は分かれるところだが、猫は自由になった。

「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

この何事もない局面で――――こちらに害が及ぶはずがない局面で、
黒服は何ら問題なく位置取りに成功する。猫を捕まえられはしていない。
あくまで近付いただけで、それだけでも猫は威圧的に毛を逆立てる。

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫


      ――――だが『位置』は問題ない。『アヴィーチー』の位置もだ。
             青年のスタンドがこちらに向き直るが、距離は多少あるし、

そもそもその位置取りも、

   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

             グ グ グ

大声で歌い『音』をかき消しながら青年の首をスタンドで締めあげる硯。
もはやこの局面である。これ以上の追撃が必要なのかは怪しいが・・・

               ≪聞き届けましたよ≫

        バシュッ

窓の外――――――見える。地上から投げ上げられたらしき、『石』が突如『停止』している。
これは明らかに青年の能力による『音の静止』とは違う。何か別の現象で空中に留まる謎の『石』!

                そして。

      ガシッ

窓枠に掴まり、この『4階』を覗き込み――――今にも侵入しようという様子の、憔悴した『ラッパー』風の男。

656『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:08:26
>硯、高天原、スミノフ

その場にいる全員の耳に、それぞれの行動の最中、
宗像が発する――――『演説』めいた言葉が聞こえている。
それは行動を阻害する何らかの能力等は帯びていない。
だが、強い信念――――意志を感じさせる、本物の言葉だ。

「その通りだ……。硯研一郎――君の意見は正しい……」

「だが……仮に全てにおいて君が正しく……
 全てにおいて俺が間違っていたとしても……。
 それは俺が行動を変える理由にはならない……」

「殺人を犯した者は拘束されて自由を奪われ、
 それが『犯罪者』に対する抑止力になる」

「しかし――『何があろうとも殺す』と考えた人間に対して……
 自由の剥奪は抑止力には成り得ない……」

「『カーバンクル』が生きていたとする。
 これからも、こいつは狙われ続けるだろう。
 その度に抗争が繰り返され、血と暴力が溢れる事になる」

「それは、こいつの責任ではない。
 だが、『カーバンクル』が存在する限り、
 大きな争いが起こる可能性は消えない。
 自分の意志とは無関係に、その渦中に巻き込まれる人間もいるだろう」

「それが『スタンド使い』なら、まだ良い。
 だが、渦中に飲み込まれるのが『力を持つ者』だけとは限らない。
 もし『力を持たない一般人』が巻き込まれたらどうなる?」

「まともな抵抗も出来ず、ただ蹂躙される。
 その結果、後の人生に傷害が残る程の大怪我を負うかもしれない。
 あるいは――命を落とす事も考えられる」

「その男のように『覚悟している一般人』なら良い。
 だが、『何も知らない一般人』にも同じ事は起こる。
 『抵抗出来る力』を持たず、『危険に踏み込む意志』も持たない人間が、
 そんな状況に陥ったらどう思う?」

「ある日突然、自分の意志とは関係なく理不尽に傷付けられて、
 人生を台無しにされる。
 その時、巻き込まれた本人は『運が悪かった』と納得出来るのか?
 本人の身内は、『そういう運命だったなら仕方ない』と諦められるのか?」

「何の罪も無い『猫』の命を奪う事は、卑劣な行い以外の何者でもない。
 それは紛れも無い事実だ。
 だが――俺は考えを改める気も行動を変えるつもりも無い」

「俺は『カーバンクルを殺す』。
 『一匹の猫の命』と引き替えに、
 俺は『多数の無関係な一般人』に降り懸かるであろう火の粉を払い除ける」

「俺の言葉に耳を貸す必要は無い……。
 『ただの犯罪者』の狂った戯言だと聞き流してしまえば良い……。
 君は、自分が正しいと思う行動を取れば良い……」
 
「――俺も『そうするつもり』だ……」

「お前に止められた時……『音』がおかしくなった……。
 逆に言えば……『音』がおかしくなると止められる……」

「仮に……『音』がなければどうなる?
 それでも止められるのか?試す価値はある……」

「――……聞こえたな?」

「……見ての通り……俺は深手を負っている。
 だが……お前達は無傷に近い状態だ……。
 戦ったとしても……俺の勝ち目は限りなく薄いと言わざるを得ない……」

「さて――『どうするか』……」

そして、次の瞬間。硯と高天原は窓の外――――窓枠を掴んで屋内を見る『スミノフ』に気づく。
明らかに憔悴しているが、肉体の動作は不自然なほど『傷』を感じさせない。今にも屋内に躍り込みそうだ。

         ギョロ
              ギョロ

更に不気味なのは、その周囲に浮遊する『狗の髑髏』のような物体。
スミノフは、高天原は直感できる。そいつが『こちらを見ている』事を。

                    『ピタッ』

更にもう一つ――――超高速で地上から打ち上げられ、彼のやや右横で『停止』する『石片』も不穏だ。

逆にスミノフは屋内の状況を把握できている(先のレス参照)。自分の横で『停止』した投擲物にも、だ。

657スミノフ『デマーケイション』:2018/10/29(月) 00:46:02
>>652
>>656

「いや、どういうことだよ」

そう呟いた。
色々と大変そうで、色々と謎だ。
主に自分とチームの関係にある少年が。
とりあえず、当事者に硯と硯が掴んでいる大学生風の青年を追加しておこう。
仲間が攻撃している奴は敵という認識でいい。

「おいそこの。俺に敵を押し付けたうえでいま満身創痍になってるお前だよ
 話が長い。三行にまとめろ、俺が手本を見せる」

「今まで俺たちがこいつを知らなかったってのは、裏の連中は巧妙に表舞台へこいつを上げなかった裏付けだと思ってる。
 だからお前がこの道のエキスパートじゃないなら、一般人云々と分かったような口をきくな。
 後、猫からすればお前は火の粉どころか火の玉だボケが」

石片が気になるところだ。
何故止まっているのか、ということだ。
停止してから再起動するのが能力か?
ただ、あれは自分にとって仲間と思うべき少年に向かう可能性がある。
満身創痍の男は攻撃しない方がいい。
当事者扱いになるし、現状の戦う優先順位は低い。

「Mr.ストロングZEROちゃん、続けろ! お前を信じる! その奇行の意味を信じる!
 それに、俺の『狗』が『仕留める』!」

嘘だ。髑髏に意識を向けさせるための嘘。
当事者指定しているので微妙なところだが。

「俺はこっちの仕事だなァ……!」

手で窓枠を掴み、壁を足で思い切り蹴る。
窓枠を軸に前転するように回って部屋の中に侵入。
着地の勢いを利用して浮いている石片に飛びかかる。

「……ッ!」

左腕を振って石片に当てる(パス精ACD)
『デマーケイション』を装備した部位全体を当てに行くことで精密性の問題をカバーする。
すでに石片の位置は見えているので、前転してる間に動かなければずっと止まっているのと同じだ。
もし石片が爆発するなどしても、装甲による防御があり、既に負傷しているため死んだ部位として割り切れる。

(お前がそいつをKOすればそれでOKだ……)

658<削除>:<削除>
<削除>

659硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/29(月) 22:12:03
>>658

    「ッ!」


歌っている最中、ある『奇策』を思いついた。
それは『五十嵐』の死体に設置した『車輪』を回転し、
その鉄の『回転音』と自らの『絶唱』で、二重に音を阻害するというものだ。
この『策』ならば確実に『青年』の能力を無効化できるだろが、
その考えはすぐに――失せた。



    「だけど俺達ッ!泣くためだけにィ!
     産まれた訳じゃあなかぁぁあぁッたはずさァァぁ!」



この『戦場』に居る理由が一番薄いのは、間違いなく『硯研一郎』だ。
特にこれと言った信念も持ち合わせていなし、
正直な所、別に戦っている理由もない。
今、この場にいるのも『アルバイト』の穴埋め程度の気軽なものだし、
渦中の『猫』に関してさしたる興味は持ち合わせていない。
だが、最低限の『矜持』は持っている。

スタンドが『安全装置』を備えたこの状態で、更に死体を利用するなんて『外道』な『臆病者』だ。
勿論、青年には勝ちたいが勝つ為ならば何をしたっていい訳じゃあない。
他の人間はどうかは知ったこっちゃあないが、
少なくとも先ほど思いついた『奇策』を用いた勝利に意味はない、と『硯研一郎』は考える。



    「ただひたすらにッ!生きた証を刻むよぉおぉおぉお――ッ!
     いいぃぃいまぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ」


腕に走る痛みに声をあげたい。
寝転んでいる『宗像』の演説に異議を述べたい。
今首を絞めている青年のスタンドに『安全装置』を解除しないように『忠告』したい。
このダメージが伝播しその場で拘束さているであろう青年に語りたい。
そして依然、機を伺う『宗像』に対し『警戒』するように『スミノフ』に伝えたい。
けれども、歌っている今それは不可能だ。





  「俺達はあああぁああぁあああ――ッ!!!
   風の中でェェえええぇぇ――――ッ!!!!!
   砕け散り一つになるぉおおぅおあああァ――――ッ!!」



だからこそ『歌う』。

青年に動きを止め『歌』を止められるのならばまだいい。
だが、自ら『歌』を止め、青年に逆転のチャンスを与える事だけは絶対に避けたい。
第三者が見たら『滑稽』な光景だというのは重々承知しているが、
『オーバードライブ』で青年のスタンドの首を絞めながらも、
青年が『気絶』するまでの『数秒間』(陳腐な言葉だが)己の命を賭け――『絶唱』する。

660高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/30(火) 00:50:15
>>653-656 (1/2)

 今、意識を手放せば。
 後のことなど、何も考えなくていい。
 余計な苦痛に、喘ぐこともない。

 自分の弱さを。卑しさを。正論を。

 すべて受け入れて、諦めてしまえば――――

     「グ、……『嫌味』でも『マウント』でも、
       後がら好きなだげ、勝ち誇らぜてやっがらさ……」

 それでも、人の身体は厄介なもので。
 たとえ死の淵にあろうとも、聴覚は最後まで残り続けるという。

 激しく軋る喉に、嘔吐きながら。
 それでも、唸る。
 首を掴む手に、指をかける。
 拳が届く至近距離にて、『仮面の男』を睨む。


  「―――今、大事な話してンだ」

                  「黙ってろ……!!」


 その『声』を『静止』する。

 『静止』のルールを理解した敵が、阻害のために自ら騒音を立てることは珍しくない。
 基本的な対処法だ。だから、幾度も経験してきた。
 この至近距離で、寂れた廃屋の廊下で、喉が張り裂けんばかりの絶唱。
 さぞ、よく反響することだろう。

 >>572 メ欄 「grb brk glss」>「grab broken glass(割れたガラスを掴む)」
 >>604 メ欄 「pck2 thr1」>「pick 2 throw 1(2つ拾って1つ投げる)」

 ガラスを割った拳を手元に引っこめた時。
 あるいは、床に屈んで破片を拾った時。
 投擲のための破片をもうひとつ、掌に隠しておくタイミングは幾らでもあった。
 自分自身で五十嵐を担ぎ上げず、『スタンド』の両手をわざわざ封じたのも。
 この保険を、最後まで取っておくためだ。

 『仮面の男』の口から発される言葉、歌声、すべての音に対して。
 完全無音の『静止』――――『ティアーズ・トゥ・ドライ』を発動する。
 そして『静止』した『仮面の男』の顔面に、このガラス片を叩きつけたい。

   音や歌声は、対象が運動を『静止』されれば止んでしまう。
   そのため、『静止』→『解除』→『静止』を繰り返す、
   『コマ送り』のような動作になるが……

   廃屋はよく音が響く。加えてこの大音声。
   本体の歌声が止まっても、『声の残響』は残る。
   ひとつひとつ区切られた音の『静止』の間隔も長くなる。

   『装甲車のスタンド』は、片手でこちらの首を締め上げ。
   もう片方の手には、瀕死の『五十嵐』が、その指に『よく絡んでいる』。
   両手が塞がっている状況、それも渾身の力を込めてだ。

 拳さえ届く距離。身動きの出来ない的。両腕の塞がった『スタンド』。

 例え意識が薄れ、指先に『子ども』ほどの力しか入らなくとも。
 或いは脳に酸素が回らず、『老人』ほどに器用さが失われても。

 ここまで揃えた条件なら、問答無用で届くはず。

 『エフェラメル』の泡、ガラスの破片。
 一撃は小さくとも、確実に積み重ねてきたダメージがある。
 加えて、瞬きひとつも出来ない状況で視界に迫り来る、新たな痛み。

 精神を削る拷問にも似た、この一手。
 今の行動への意識を逸らさせるには、十分だろう。

661高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/30(火) 01:06:42
>>653-656 (2/2)

 『ウィーピング・ウィロウ』はその隙に、両足で『装甲車のスタンド』の胴体を蹴り飛ばす。
 ダメージが目的ではなく、背方(MAP右方)への推進力を得るために。
 また同時に、首を掴む指に両手をかけて外す。

 首を絞める指から、先ずは逃れる。
 どれほどの膂力があっても片手だ。
 本体が怯んだ隙に全身で抗えば、外すことはそう難しくない。

 『ティアーズ・トゥ・ドライ』は、『静止』に伴う音の鳴り響く時間を、ある程度操作できる。
 これによって、『絶唱』の止むタイミングを適宜操作する。

 『行動の阻害』でも、『的の固定』でもなく、この『静止』の最大の役割は『ノイズの遮断』だ。
 この至近距離で絶唱されてしまえば、万が一にも必要な音が届かないかもしれないから。

 『作業服の男』の覚悟を、ひとつも聞き漏らさないように。
 これから吐き出す憤りが、ちゃんと届くように。
 意識も、耳も、声も。何一つ、遮られるわけにはいかない。

 「ゲホっ」
      「はぁ……!」

         「『狂った戯言』なんて言わねェ……!」

 考えを改めるべきだ。
 この男は『命を奪うことを肯定(>>476)』なんて、一切していない。

  ・・・・・・    ・・   ・・・  ・・・・・・
 『間違っている』けど『必要』だ。だから、『自分が背負う』。
 それだけの覚悟を持って、ここにいる。それでも、

    「算数の話だろ、バカでも分かるよ……
     『ひとつ』と『たくさん』、どっちが重いかなんて……」

         「けどよォ……!」

   「ンなもん、その『何も知らない一般人』の算数だろうが!!」

 勝利など、『仮面の男』に譲ってしまえばいい。
 新手の対処など、今は考えなくていい。
 たとえ無様に負けても、この男は――――宗像のことは、今ここで、止めなければいけない。
 猫のためでも、正しさのためでもない。
 『最小限の犠牲』に対する答えを、自分は彼に示さなければいけない。


「アンタ『スタンド』使いだろ……!
 『1+1』を『3』とか『4』に出来る、
 そういうスゲェ『パワー』を持ってるじゃねーか!!」

「『猫』の命を奪わなくても! アンタがその『責任』を背負わなくても!
 なにひとつ『マイナス』にしなくてもいい方法が、もしかしたら、作れるかも知れねェじゃねーか!!」

「それだけの『覚悟』も『強さ』も持ってんのに、
 戦う前から『マイナス』に屈してんじゃ、ねえぞ――――!!!」


 『ウィーピング・ウィロウ』と共に、全力で宗像の方へ移動。
 『サメの腕のスタンド』の正面に踊り出し、ただ殴り飛ばす(破ス精CCB)。

662宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/30(火) 07:36:02
>>655

「――ああ……」

吾妻に対して、一言だけを短く答える。
その中には様々な意味が込められていたが、
それを吾妻が読み取ったかどうかは分からない。
今のタイミングで吾妻に援護を指示したのは、これから行う攻撃を、
より確実なものとする為だった。
ほんの僅かな時間稼ぎが出来れば十分だ。

「……お前か」

「『瞬間移動の女』は潰したか……?」

同時に、吾妻が予告した新手も到着してしまった。
そちらにも最低限の注意は払わなければならない。
まだ自分の携帯電話を取り出していないなら、それで良い。
既に自分の携帯電話を取り出しているなら、それをポケットに戻す。

俺の体に残されている力は僅かしかない。
だからこそ、これから行う行動には少しの失敗も許されない。

「『籠手』のスタンド――
 本体に圧倒的なパワーを与えるが……スピードは変わらない……」

黒服に聞かせる為に、
『ラッパー風』のスタンドについて自分が知っている情報を喋る。
能力は知らないが、基本性能は既に見ている。

そして――眼前の二人に攻撃を仕掛ける。
硯は青年を仕留めようとし、青年は硯に仕留められようとしている。
硯と青年の意識が『完全に』互いに向けられる瞬間――この時を待っていた。

『アヴィーチー』を射程限界まで踏み込ませると共に、
姿勢を下げて身を屈め(>>648)、
硯と青年の足めがけて『1mノコギリ』を叩きつける。
二人は至近距離で戦いを繰り広げている。
最大の長さの『ノコギリ』なら、両者を同時に攻撃する事も可能だろう。
人間並にまで低下したパワーだが、人間が全力で『凶器』を扱えば、
少なくないダメージは見込める。

だが――それだけでは終わらない。

二人の足に刃を食い込ませた状態のまま、『ノコギリ』を一気に『縮める』。
成功すれば、『ノコギリ』が接触している部位は『抉られる』事になるだろう。
『ノコギリを振るうパワー』が落ちている事は分かっている。
それならば『ノコギリを伸縮させる力』はどうか。
『ノコギリを縮める力』は、『アヴィーチー』が持つ本来のパワーと同等だ。
『腕を振るう力』と比べれば、『ノコギリを伸縮させるパワー』の方が、
力の減衰は少ないという可能性に賭ける。
仮に『伸縮力』も腕力と同程度まで落ちていたとしても、
『ノコギリを振り抜く』よりも『ノコギリを縮める』方が攻撃の隙は少なくて済む。

そして黒服に視線を向け、次に『猫』に視線を移す。

「――うッ……」

意図的に苦痛の声を上げて表情を歪めると同時に『片目を閉じる』。
俺は黒服に『猫』を捕まえさせようとは思っていない。
目的を遂げる為には『今の位置』が『最重要』だ。

663宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/30(火) 08:19:31
>>662

『アヴィーチー』を踏み込ませる際、青年のスタンドを『ノコギリ』で殴り飛ばし、
割られた窓の方向に押し飛ばしたい。
足狙いが優先なので、
上記の行動が以後の攻撃を失敗させる可能性があると判断した場合は行わない。
その場合は、角度を調整した体当たりを行い、同じように窓側に押し飛ばす。
これも出来ないようであれば、青年のスタンドに対する攻撃は行わない。

664『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/30(火) 14:17:13
>>661(宗像・確認)
>硯と青年の足めがけて『1mノコギリ』を叩きつける。
>二人は至近距離で戦いを繰り広げている。
>最大の長さの『ノコギリ』なら、両者を同時に攻撃する事も可能だろう。

重要な場面のため、この点について確認したい。

①『アヴィーチー』の肘を曲げるなどして、ノコギリを横薙ぎに当てる
     
      〇 〇
 腕腕―――――
 腕

②ノコギリを二人の足の間に入れるように、両側に当てる

      〇|〇
        |
        |
        腕
        腕
        腕

③ノコギリを左右いずれかの斜めから振るい、両者に当てる

 (※図解困難)

GMは①かな?と思っているが、
これらのどれかに当てはまるだろうか。

665宗像:2018/10/30(火) 23:04:53
>>664
二人に同程度のダメージを与えることが目的。
また、攻撃を一部分に集中させることで傷を深くする狙いもある。
よって、①のような形をイメージしていた。
肘を曲げるだけでなく、必要なら体の角度も調整したい。

666宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/31(水) 06:47:21
>>663
ノコギリを当てた直後に力を込めてノコギリを押し込み、確実に刃を食い込ませた上で縮める。

667『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:01:45
【全陣営】
>>657(スミノフ)
>>659(硯)
>>660-661(高天原)
>>662(宗像)

(1/3)

「おいそこの。俺に敵を押し付けたうえでいま満身創痍になってるお前だよ
 話が長い。三行にまとめろ、俺が手本を見せる」

「今まで俺たちがこいつを知らなかったってのは、裏の連中は巧妙に表舞台へこいつを上げなかった裏付けだと思ってる。
 だからお前がこの道のエキスパートじゃないなら、一般人云々と分かったような口をきくな。
 後、猫からすればお前は火の粉どころか火の玉だボケが」

スミノフの。

「……お前か」

「『瞬間移動の女』は潰したか……?」

宗像の。

     「グ、……『嫌味』でも『マウント』でも、
       後がら好きなだげ、勝ち誇らぜてやっがらさ……」

  「―――今、大事な話してンだ」

                  「黙ってろ……!!」

高天原の、言葉が飛び交う。
その中で『硯』は、歌う。歌う事が勝利だけを呼ぶからではない。
矜持を守るためでもある。意味を求めるためでもある。幾つもの価値を乗せ歌う。

――――そして。
潜ませた『?保険』を用いて状況を脱しようとする『高天原』。

「Mr.ストロングZEROちゃん、続けろ! お前を信じる! その奇行の意味を信じる!
 それに、俺の『狗』が『仕留める』!」

    「だけど俺達ッ!泣くためだけにィ!
     産まれた訳じゃあなかぁぁあぁッたはずさァァぁ!」

あくまで歌い、締め上げるという『初志』を貫徹する『硯』。
それを援護するため、外に浮かぶ石の迎撃に飛び掛かる『スミノフ』。
高天原の『ウィーピング・ウィロウ』が首を絞める指を掴みに来るが、
パワー差は歴然。両手を使ったとして、拮抗するのが――――

    「ただひたすらにッ!生きた証を刻むよぉおぉおぉお――ッ!
     いいぃぃいまぁぁぁぁぁあああああ『あ』

                    ・・・

                         ・・・・・・

硯の歌声は唐突に――――『静かになる』。
そして硯自身にはわかる。自分は『静止』している。
音の間伸びは無い。奇妙な、完全無音の静止。スタンドは動く。
当然、絞め落とすのに何の問題も無い。だが、高天原も動く。

本体が手に握っていた『硝子片』を、硯の顔面へと叩きつけに動く。
高天原の意識は既に、ほぼない。だがこの一撃が脱出のカギを、


               ザ゙
                 グッ

668『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:04:04
(2/3)

――――『そこまで』だ。両名が、行動を完遂出来ず動きを止める事になる。

攻防に集中していたからこそ、
目の前の敵を第一にしたからこそ、
足元に振るわれた一撃は当然、躱せない。

脚に『食い込む』一撃。『殴打』ではなく『鈍い斬撃』。
音は無い。というより、『歌っていた時』にはもう動いていた。
高天原は『それ』への攻撃も考えていたが、それは硯より逃れてから。
逃れる、という困難な過程を挟む以上、『それ』はずっと早く訪れる。

1m近くにまで伸びた刃が、至近距離で組みあう両者の脚に、
横薙ぎに当てられている。それが見える。見えても、もう、躱せない。

それは――――『宗像』のスタンド、『アヴィーチー』の刃。
満身創痍の男が振るう一撃は当然、その全力には程遠いだろう。
距離を詰めながら『ウィーピング・ウィロウ』に放たれた体当たりも、
ほんのわずかに押し、隙を作る程度にしかならない。だが今はそれで十分だった。

その一撃でわずかに緩んだ『RXオーバードライブ』の手が、高天原に言葉を発する猶予を与えた。

 「ゲホっ」
      「はぁ……!」

         「『狂った戯言』なんて言わねェ……!」

    「算数の話だろ、バカでも分かるよ……
     『ひとつ』と『たくさん』、どっちが重いかなんて……」

         「けどよォ……!」

   「ンなもん、その『何も知らない一般人』の算数だろうが!!」

「アンタ『スタンド』使いだろ……!
 『1+1』を『3』とか『4』に出来る、
 そういうスゲェ『パワー』を持ってるじゃねーか!!」

「『猫』の命を奪わなくても! アンタがその『責任』を背負わなくても!
 なにひとつ『マイナス』にしなくてもいい方法が、もしかしたら、作れるかも知れねェじゃねーか!!」

「それだけの『覚悟』も『強さ』も持ってんのに、
 戦う前から『マイナス』に屈してんじゃ、ねえぞ――――!!!」

高天原は、ほとんど無我夢中で宗像に叫んだ。
だが、宗像はそれを聴き届ける前に、動いていた。

         ギュン

                 ギュガガガガッ!!!!!

押しあてられ、食い込んだ長い鋸刃が――――『縮む』勢いで二人の脚を引き切る!!
切断には程遠い。全てを終えられるわけではない。だが、『やろうとしていた動き』は止まる!

つまり、これで完全に『首を絞める力』が緩んだ――――そして眼前に硝子が迫る『硯』もそうだし、
意識を喪おうかという瀬戸際、限界の境界線上から、唐突に叩き落とされた――『高天原』も、そうだ。

                     高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』→『失神』
                            (GMから点呼があるまでレス待機)

669『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:08:26
(3/3)

              ド

                    サッ


目の前に、長らく戦況をコントロールしていた『停止』の青年が力なく倒れる。

硯にはわかる。――――静止はもう、止んだ。目の前の戦いには勝った。
目の前に硝子は迫っているが、これはおそらく『牽制』のためのもの。
無視していても、それだけで『致命』になるようなものではない。
だが、猫は依然フリーで、宗像も明らかに極限状態ではあるが、気は保っている。

そうだ。宗像はまだ意識を保っている。体当たりを仕掛けた『ウィーピング・ウィロウ』は消え、
停止の青年は明らかに気を失っている――――だが、『硯』がまだ、この場には残っている。

硯も明らかに無事ではない。無事ではないが、満身創痍といった状態にはまだ遠い。
当然無茶をし続ければ、遠からず斃れる身――――だが、宗像の方がより、近い。

スミノフは・・・スミノフは分からない。
外見として、大きく目に見えた傷は少ない。
だが、相当無茶な動きを繰り返しており、
流血も見られる。これもまた『重傷』の類だ。

          「ッ!」

                   ブォン!

狙いすました『一撃』で急速に静まりゆく戦場の中、黒服が己の警棒を『宗像のライト』に打ち付ける!

                 ゴッ!!!!

そして外では――――スミノフの拳が石を捉えた。空間に固定されているようだったが、
そんなものは『デマーケイション』のパワーを超えるものではない。無理やり、吹き飛ばす。

        『ピカッ』

                    『パシャリ』

その、瞬間。石が激烈な『フラッシュ』を放ち――――至近の『スミノフ』の、そして窓際にいる全員の『目』を眩く刺す!
行動不能に陥るほどではないが、一瞬、『怯む』――――目が痛む。偶然閉じていた、『宗像』の片目・・・『その一つ以外は』!!

                                ・・・その閉じた片目は『演技』ではない。本物の『限界』だ。

670スミノフ『デマーケイション』:2018/11/01(木) 22:24:29
>>667-669

「クソ鬱陶しい……ッ」

反射だ。
目に入ってくる暴力的な量の光に目が閉じられる。
どれだけ痛みを誤魔化せようが、こればかりは仕方がない。
頭の中にいくつかの選択肢が浮かぶ。
いまこの状況は非常にまずい。
人間は視覚に頼って生きている。
もちろん、人によりけりではあるが、多数の人間が目に頼っているわけだ。
嗅覚による位置の把握は出来ない。
それが死んだいま、どこから攻撃されてもおかしくない。

(狗も役に立つかどうか……音仙の言った通りなら、強い光や強烈な臭いで誤魔化される可能性があるぞ)

とっさの攻撃に対応できても、用意周到な奇襲には対応できない。
これが用意周到な光かは置いておくにしても、今はピンチ。

(覚悟なら、とっくに出来てる……弾くのは……捨てるッ!)

『デマーケイション』を足に移動させる。
一呼吸の集中、その隙に脱力。
足に移動した瞬間、床を蹴って跳ぶ(パス精ACD)
行く場所は猫に向かってだ。
窓枠に掴まる時に部屋の中は見ている。
多少動いていたにしても確認が出来ているはずだ。
このパワーで蹴れば助走無しでもかなりの距離を跳べると信じよう。
可能なら空中で丸くなるようにして、もしもの攻撃が当たる面積を小さくしておく。
痛みは感じないが、致命傷を知らず知らずのうちに受けたくはない。

(全部ひっくるめる)

ここに来て原点に立ち返る。
硯のことは心配だ、だがこの跳躍は彼の保護には使わない。
大事なのは仕事を完遂すること。
イラムシやマナビ、藍嵐、真燕、あらゆる人間の思惑の上で自分は行動してきた。
いまさらそれを投げ出せない。

671宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/03(土) 08:14:11
>>667-669

吾妻に援護を指示したのは自分だが、何が起こるかを知っていた訳ではない。
『片目を閉じる』事を黒服に対する合図にしたのは、単なる偶然だった。
それを行ったタイミングが、『光が放たれる直前』になった事も同様だ。
しかし、偶然だろうが何であろうが使えるものは全て使い切る。

『アヴィーチー』が硯と青年に斬り掛かったのは、
それに続く『本命の攻撃』が妨害される事を防ぐ為の布石だ。
『最終攻撃』の『準備』は出来ている。
『標的』は既に『射程内』だ。

「『もしかしたら』――か」

青年が言い残した言葉を反芻する。
それを、根拠に乏しい机上の理想論と言う者もいるだろう。
だが、青年の言葉からは闇の中に『希望』を見出そうとする強い意志を感じた。
硯の絶唱の後に響き渡る自らの心中を叩き付けるような絶叫には、
『理想を現実にする事が出来る』と思わせる熱意が感じられた。

「お前なら……別の方法を見つけられたかもしれないな……」

最初に相対した時に聞いた叫びが、不意に脳裏を掠める。
『最小限の犠牲』ではなく『犠牲を出さない』決着。
それが本当に実現出来るというのならば、命を奪う必要は無い。
もし状況が違えば、その可能性もあっただろう。

「だが――もう『時間が無い』」

気力を振り絞って閉じていた片目を開き、その目で『最後の位置確認』を行う。
『アヴィーチー』と黒服を結ぶ直線上に、硯と『標的』が入っている事を確かめる。
もし入っていなければ『アヴィーチー』を動かして位置を修正するが、
あくまでも狙いは『標的』だ。
『標的』の前方に立つ硯に対する狙いは、正確でなくとも構わない。

「俺は俺自身が正しいと思う行動を取る」

「――ただ、それだけだ」

位置確認あるいは位置調整が済み次第、
黒服が行った『ライトの破損』を『トリガー』として、
『アヴィーチー』の能力を発動する。
当然、『ノコギリザメ』はライトを壊した黒服に向かって突っ込んで行く。
そして、その軌道は直線的かつ暴走的だ。
ターゲットになった黒服と『ノコギリザメ』の射線上に他の者がいれば、
黒服を狙う攻撃の巻き添えを食らう事になる。
結果として、これは硯に対する追撃と成り得るが、それは見せ掛けに過ぎない。
本当の狙いは、硯の向こう側に存在する『標的』――『カーバンクル』だ。
硯に追撃を行うと同時に、黒服を威嚇している『カーバンクル』を攻撃し、
その命と共に災いの芽を『刈り取る』。

『アヴィーチー』は、右腕を切り離した直後に両足で床を蹴って後方に飛び退く。
その際、左腕に握っている傘の残骸を構える事で、
正面に立つ硯の攻撃に対する盾とする。
本体は光を受けなかった方の目で状況を見据え、『解除』のタイミングを図る。

672<削除>:<削除>
<削除>

673硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/03(土) 22:22:16
>>667-669


 「〜〜〜っ!!
  あぁッ! 痛ッた あぁあぁ!!」


『予想』はできていたが『予測』は出来なった一撃、
そして完全に意識の外から放たれた閃光に思わず苦痛の声を漏らす。
視界は回復したのだろうか。斬られた足は動くのだろうか。



         「あぁ」

  ヒュオォッ

青年が隠し持っていた『ガラス』だが、
手に隠せる程ならば大した質量ではないだろうし、
青年は明らかにこちらの『動き』を止める事を目的に放っていた、気がする。
今被っているプラスチックの『お面』を貫通するとは思えないが、
ここは念の為、上半身をずらし回避しておく。




     「猫の幸せを願いながら、
      その飼い主である『協力者』を盾にする」

「土壇場で『猫』を見捨てる」

     「死体を捨ておきながら、
     『人殺し』に『正義』を説く」

「『綺麗事』で『陶酔』したいのならば、
 『清潔』でいる必要があると思わないかい?
 ――別に答えは求めていないがね」


        「だが」


『オーバードライブ』は『五十嵐』の死体を右肩で担ぐ。
片手が塞がってしまうが、とりあえずこれで『五十嵐』の死体がこれ以上弄ばれる事はない筈だ。
『雑居ビル』の外の様子は気になるが、とりあえずここは『宗像』と『猫』の様子を注視する。
先程は不覚を取ったが、『瀕死』の『宗像』が『無挙動』でこちらに攻撃を行う事は難しい筈。

注意したいのは先程『宗像』の『像』の右腕から現れた『サメ』だ。
だがあの『サメ』は傘を壊された怒りを発しながら『五十嵐』に突進していた。
もし、あの言葉が『フェイク』でないのならば『条件』はえらくわかり易い。
此方に襲い掛かってくる可能性は低い筈だ。



「屁理屈をこねて自分を納得させるのに、随分と必死じゃあないかい。
 恐れ入ったよ。
 
 言っている事は『それっぽい』が、よく聞くと頭に疑問符の草原が出来た。
 もっとも、俺の理解力が欠如しているだけかもしれないが。
 少なくとも、全うな『年男』のやる事じゃあないんじゃないかな。
 愉快な中年は『痛快ビッグダディ』だけで充分だ。 
俺はこういう人間だ!俺はこういう人間だ!

 自己陶酔も結構な事だが、自分の『凶行』を世間様のせいにするなよ。
 『必要悪』を気取るんだったら『言い訳』をするのは『卑怯』だし、
 それに――世間は君のお母さんじゃあないんだから。なあ」


足が動くならば、『宗像』へとゆっくり歩き始める。

674『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/04(日) 03:23:17
>>670(スミノフ)
>>671(宗像)
>>673(硯)

           ヒラ
               ヒラ

勢いを失い転落していく石から何かが吐き出され、
地上へ舞い落ちていくのを『スミノフ』は眩む視界で朧に見る。
が、それを気にしている余裕は最早ないだろう。地上の三人のことも。
スタンドを――――脚へ切り替える。当然『狗の髑髏』は解除。
残るのは己の身だけだ。そして、動き出す。

一方。

「『もしかしたら』――か」

「お前なら……別の方法を見つけられたかもしれないな……」

「だが――もう『時間が無い』」

「俺は俺自身が正しいと思う行動を取る」

「――ただ、それだけだ」

宗像の――――

     「猫の幸せを願いながら、
      その飼い主である『協力者』を盾にする」

「土壇場で『猫』を見捨てる」

     「死体を捨ておきながら、
     『人殺し』に『正義』を説く」

「『綺麗事』で『陶酔』したいのならば、
 『清潔』でいる必要があると思わないかい?
 ――別に答えは求めていないがね」

そして硯の、青年への言葉に応えは無い。
彼も信念を燃やしていたのは間違いない。
少なくとも、『偽り』は無かっただろう。
硯と異なるベクトルで、彼も『真』だった。
『真』だからこそ、最後まであがこうとした。
そして――――今立っているのがこの三人なのも、『真』である。

   ザッ

         ザッ

「屁理屈をこねて自分を納得させるのに、随分と必死じゃあないかい。
 恐れ入ったよ。
 
 言っている事は『それっぽい』が、よく聞くと頭に疑問符の草原が出来た。
 もっとも、俺の理解力が欠如しているだけかもしれないが。
 少なくとも、全うな『年男』のやる事じゃあないんじゃないかな。
 愉快な中年は『痛快ビッグダディ』だけで充分だ。 
 俺はこういう人間だ!俺はこういう人間だ!

 自己陶酔も結構な事だが、自分の『凶行』を世間様のせいにするなよ。
 『必要悪』を気取るんだったら『言い訳』をするのは『卑怯』だし、
 それに――世間は君のお母さんじゃあないんだから。なあ」

           ザッ

硯は――――言葉を叩きつけながら、宗像へ歩を進める。数mも無い。
視界はややぼんやりするが、前はもう見えるし、敵も問題無く見える。
脚は引きずるような形にはなるが、歩ける。走れはしない、気がする。
胴体に爆発的な傷を負った宗像が這う這うの体ながら動けているように、
極限の戦場が生むアドレナリンが、今だけは多少の無理を許してくれる。

                      ザッ
            パチチッ

硝子は想定通り『牽制』の一撃だったのだろう。
床面に力なく散る。お面越しでも怯みはしただろうし、
回避したのは正解だ。少なくとも、『音』はした筈だから。

その肩には五十嵐の躰がある。幸いか、酷く損壊はしていない。
穿たれた胴体からは血が溢れ出すが、まだ冷え切ってはいない。

               ザッ

   ≪ ライトッ 壊サレタァッ ≫
  クン
                  ≪ オレノ“ライト”壊サレタッ!! ≫

    ≪ドイツダッ≫    クン         クン

             ≪ドイツダッ!!≫

         クン              ≪ドォォオオオオイツダッ!!?≫

    クン 

硯が動き出すのと、ほぼ同時。

その胴体を穿った一撃――宗像の『鮫』が『アヴィーチー』から分離し、
獲物を、復讐の対象を探し求める。さほど時間はいらない。距離は極めて近く、
余計な匂いは――血で僅かに遅れるか。光は、盲目の『鮫』にはさほど関係は無いこと。

675『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/04(日) 03:29:54
>続き

                『ピタッ』


  ≪ミィィイイイツケタッ!!!≫

         ≪アヴィィィイイイイイッ 血ィィイイイイイイイッ!!!!!!!≫

                   ドウッ!!!!!!

そして――――さながら『ミサイル』の如く、動き出す(パス精ABE)
宗像自身の負傷などどこ吹く風、その暴威が衰える理由などない。
ただ、『五十嵐』を撃ち抜いた時に比べれば『損害』が小さすぎる。
それゆえに『迫力』のようなものが、欠けているような気はする。

      ≪ライト壊シタッ≫

                     ≪ライト壊シタッ≫

軌道は――――硯にはわかる。至近距離に入りつつある自分も、軌道上にいる、という事。
ただ、これは本当に『いる』だけだ。明らかに狙われていない。胴体の中心に直撃はしないだろうし、
高速とはいえ、動き初めに合わせて飛びのくなりなんなりすれば恐らく、回避する事は十分できる。

本題は、軌道の線を引き続けた終着点までに――――『猫』が巻き込まれること。

逆に宗像からすれば――――予定通り。向かって来る硯、猫、黒服。一線上。
硯に関してはやや軸がずれているが、その目的を考えれば問題は無い。
また、『アヴィーチー』は本体の目の前まで戻り、ガードとして傘を構えさせられた。
硯にもこれは見えている。明確な攻撃の兆候はない。対面。それが戦場の全てか?

                  ・・・違う。

   ド

             ンッ!!!!!!

超絶のパワーによって床を蹴り、スミノフは猫へと飛び跳ねる。
窓からそう遠くもない。ある程度闇雲でも方向が合えば『当たる』。
目を閉じて歩くのは難しいが、ブッ飛ぶなら細かい視界はあっても同じだ。

猫のすぐ後ろで、黒服であろう人影がただ待機している。
跳躍の勢いで、彼と猫に迫る――――どちらも、スミノフに振り向く。

≪ライトッ!!!! 壊シタッ!!!! アイツガァァァ〜〜〜ッ≫

そして、黒服と猫に向けて――――絶叫する『ノコギリザメ』が突っ込んできている!

       「うっ・・・うおっぉおおおおおっ!!!!!」

                 バッ

  「フシャーーーーーゥ!!!!」

        ≪ハピピッ ピピッ!!≫

                          ピシュッ

結果として――――黒服は警棒と見られる棒状器具を構え、『ガード』を思わせるしゃがんだ姿勢を取り、
猫はそのスタンドに自分を覆わせ――――スタンドの『口』から蝶めいた『口吻部』が飛び出し、『床』を刺す。

隻腕のスタンドを戻して守りを固めた宗像へ、脚を引きながらも一歩一歩迫る『硯』。
その硯と黒服、猫へと――――恐るべき暴威で突き進む『宗像のノコギリザメ』。
そして、ノコギリザメの軌道上に入った黒服と猫へ、床を蹴って飛び込む、『スミノフ』。

                                                  ・・・死線が、交錯する。

676スミノフ『デマーケイション』:2018/11/05(月) 00:49:23
>>674-675

いいところで申し訳ございません。
『ノコギリザメ』の軌道を確認したいのですがよろしいでしょうか。
地を這っているのか、宙に浮いているのか、浮いているのならどれくらいの高さなど知りたいです。

677『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/05(月) 03:05:27
>>676(スミノフ・回答)

身を屈めた『アヴィーチー』が出どころであり、
かつ『腕の高さ』を明示するレスは無かったため、
『猫』を巻き込みつつ『黒服』に最終的に当たる膝下程度の低い軌道、
なおかつ『直線的』であり、宙には『浮いている』ものと判定する。
(ライト損壊への報復のため、黒服に『致命傷』を負わせる軌道にはならない)

678スミノフ『デマーケイション』:2018/11/05(月) 19:57:11
>>677

回答に感謝します。
それと追加で質問したいことがあるのですが、スミノフは現在床に着地できているでしょうか。
それともまだ飛び込んでいる途中でしょうか。
飛び込む、とされているので当方はまだ飛んでいる途中と考えています。

679硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/05(月) 20:17:04
>>674
質問です。進行を滞らせて申し訳ないですが、
簡素なもので構わないのでそれぞれの位置を記したAAが欲しいです。
お手数ですがよろしくおねがいいたします。

680『永久金融機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 01:38:46
>>678(スミノフ・回答)
飛んでいる途中、という認識で正しい。

681『永久金融機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 01:40:07
>>679(硯・回答)
位置関係が重要となるシーンのため、
略図を付けておかなかったのはGMの不備。
作成に取り掛かるため、少々お待ちを。

682『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 21:26:45
>全体

『大体の位置関係』。
表現上の都合でマス目が増えているが、
実際の地形が大きくなっているという事はない。

繰り返すことになるがMAPは当ミッションでは『参考』で、
マス目の数や数学的な角度の理解はそれほど重視しない。

なお、スミノフ、硯の両名は移動しているため距離は不定だが、
だいたい普通に行けば『次のレスでは辿り着ける距離』である。

サメは硯、猫を通り黒服に命中するようなルート(MAPで言えば左斜め上に進む)で動く。


       窓窓窓        窓窓窓         窓窓
□□□□□□□□□ス□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□黒猫□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□硯□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□ア宗□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

683<削除>:<削除>
<削除>

684スミノフ『デマーケイション』:2018/11/08(木) 02:46:43
>>680 (回答に感謝)
>>674-675

(なんで猫を殺したがるのがいるのかねぇ……)

自分にはこの場の人間の考えていることが分からない。
何を考えていようと、何をしたがっていようと、究極的には関係がない。
相手が誰であろうと勝利するのが強さだと信じている。

『デマーケイション』を切り離す。
当事者は硯と黒服、猫と作業服の男とスタンド、ノコギリザメは部外者にする。
黒服が指定できないなら、事前に握っていた窓枠の破片(>>657 メ欄 右手→枠破壊 破片握り込み)を黒服の方に投げよう(パス精CCC)。
当たるかどうかが問題ではない。
『狗の髑髏』が出現するだけで十分。
そんな事を想いながら硯に声を発する。

「……ッ! 危なかったら、避けろ。お前はあいつを殴ることを考えろ、後ろは俺が命張って何とかする」

『狗の髑髏』に部外者である猫と接近しているノコギリザメを弾かせる(パスCC)
猫が守りを固めていても、衝撃で飛ばされるのは床に根を張らない限り難しいだろう。
……張られていたら読み違いだ、諦めよう。
ノコギリザメは力負けして壊されそうだが、一応試してみよう。

「よう、助けに来たぜ。猫もお前も」

着地して四つん這い、飛んでくるノコギリザメをより近い高さで見るためだ。
恐らく、『デマーケイション』のパワーで飛んだ自分の方が『狗の髑髏』より早くたどり着くことになると思う。
ノコギリザメは速いので、『狗の髑髏』が間に合わないかもしれない。
だから、対策をする必要がある。
床に着いた手で体を支えながら、向かってくるノコギリザメに『デマーケイション』での蹴りを放つ(パス精ACD)
向こうの動きは直線的、来るであろう位置に足を振って置きに行く感覚だ。

(いけるかァ……?)

直感的に理解していたのは、『硬度』だ。
凄まじいパワーは凄まじいパワーに耐えられる力を持っているはずだ。
ノコギリザメのパワーと装甲の形を持つ『デマーケイション』のパワー、どちらが上か。
こちらが下なら足が飛ぶかもしれない。
痛みは感じないが、失血なり失神はするだろう。
向こうもただでは済まなさそうだが、被害は明らかにこちらの方が上。
だが、そうしてでも勝ちに行かなければならない。

「狂ってなきゃ勝てねぇ」

ぽつりと口の端から言葉が漏れた。

(もっともっともっともっと、強くなりてぇ)

足を失ってでも、勝つ。

685宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/08(木) 17:08:29
>>674-675

「――今から……俺は『最後の攻撃』を行う……」

電話越しに言って、携帯電話を床の上に置く。

『ラッパー風の男』に対して出来る事は無い。
今、奴に対して何かをするだけの余裕は無い。

『カーバンクル』は動いていない。
恐らく回避ではないだろう。
残る選択肢は迎撃か防御だが、迎撃とは思えない。
『カーバンクル』の能力について藤原から聞いたのは、
『価値ある物』を『増殖させる』という事だけだ。
『蝶』は『床』を刺した。
『床』を『増殖』させる気か?
『床』の材質はコンクリートだろう。
コンクリートを『増殖』させて防御するのか?
それで回避する為の時間を作るつもりか?
『蝶』で自身を覆ったのは、砕けたコンクリート片から身を守る為か?

頭の中で思考が巡るが、それらを切り捨てる。
考えた所で意味は無い。
『ノコギリザメ』は操作が出来ない。
防がれようが避けられようが、俺は『最後の攻撃』を行うだけだ。

硯に対して虚無的な視線を向ける。
荒れ狂う『ノコギリザメ』とは対照的に冷め切った瞳――
激情とは正反対の冷淡な眼差しだった。

「俺は自分の考えを述べたに過ぎない」

「解釈は君の判断に委ねる」

「それに対して否定も肯定もしない」

「君は俺ではなく俺は君ではない」

「それだけの話だ」

諭すような口調で淡々と告げて、口を閉ざす。
これ以上の会話は、互いに意味が無い。

本体に傘を渡す。
現在、自分は片膝立ちになっている。
傘を体の正面で構えて防御の姿勢を取る。
防御に徹し、最後の攻撃が終わるまで意識の維持に専念する。
それを終えた後に意識を失おうと命を奪われようと構わない。

二人のスタンド使い、動くこともままならない自分。
この攻撃が失敗した時点で俺の勝ち目はゼロになる。
俺の攻撃の結果がどうなろうと、俺が硯の攻撃で倒される事は、ほぼ確実だ。
そうなる前に『最後の攻撃』を完遂させる。
その為に、何としても意識だけは保つ。

『アヴィーチー』は本体の後ろに回す。
『最後の軸合わせ』をしなければならないからだ。

「――『避けろ』ッ!!」

黒服に向けて叫び、『ノコギリザメ』からの回避を指示する。
黒服には『万一の時には避ける事も頭に入れておけ』と言った。
しかし、既に防御の体勢に入っている黒服が回避に転じるまでに、
間が空く事は避けられないだろう。
それがなくとも、事前の打ち合わせにない指示を即座に実行するのが、
難しい事は分かっている。
だが、能力は解除しない。
たとえ黒服が回避に失敗して食らったとしても解除はしない。

黒服が回避出来ても出来なくても、『アヴィーチー』を動かして軸合わせを行う。
『ノコギリザメ』と『アヴィーチー』を繋ぐ直線上に、
『カーバンクル』が入るように位置を調整する。
黒服が回避出来た場合は、軸合わせの完了に合わせて能力を解除する。
回避出来なかった場合は解除しなくても自動的に戻って来る為、
軸合わせが済んでいれば解除の必要は無い。

『ノコギリザメ』の『チェーンソー』は『アヴィーチー』と一つになった時に停止する。
戻って来る最中は、まだ回転したままだ。
反転(>>671)して戻ってくる『ノコギリザメ』で『カーバンクル』を攻撃する。
これが俺の『最終攻撃』だ。

この攻撃は黒服の安否とは関係が無い。
黒服が『ノコギリザメ』を食らおうと食らわまいと同じだ。
純粋に利益のみを追求するなら、黒服に回避を指示する必要は無い。
何も言わずに『ノコギリザメ』を黒服に突っ込ませる方が、
こちらの考えを敵に悟られる可能性を減らせるだろう。
俺は『カーバンクル』を殺す事だけを考え、それを実行する事に躊躇いは無い。

だが、俺は回避を指示する。
それは合理性ではなく『義理』の問題だ。
命懸けで俺の指示に従った黒服を死なせる訳にはいかない。
『地獄行きの男』にも『義理』はある。

686硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/08(木) 21:28:49
>>675

    「ッ!!」

    「出たな、サメさん」


ミサイルの如く飛び出す『鮫』、
お面の下で強張った顔を作るが、それは悟られないだろう。
迫る鮫、背後には猫、そして黒服とスミノフ。
サメは明らかに背後の『黒服』を狙った動きを見せている。
おそらく『集中』すれば回避はできるのだろう。


    「俺の『像』の両足は君に斬られて、本来の破壊力を失っている。
     そして片腕は『五十嵐』さんを『保護』する為に使っている。
     『暴力』に使えるのは『左腕』だけだ」


    「だから俺はこの『左腕』で君を殴ろうと思うんだ。
     おそらく『傘』ごと殴る事になるだろう。
     その『傘』をバキバキにしたらきっと『鮫』が俺を襲う。
     凄く怖い。けれどこれしか思いつかなかった」


『鮫』の速度は恐ろしいが、その『ルート』は明らか。
傷が刻まれた両足に鞭を打ち、斜めに飛び退くなりして回避したい。
(本体に重なっている『オーバードライブ』も追従させる)
また『五十嵐』の死体を落とさないように、右腕で担ぐようにし固定しておく。
  

    「スミノフさん、背後を頼む」


突如現れたスミノフには、ただそれだけ言い放ち、
射程距離に捕えた宗像の『スタンド』目掛け左拳を振るう(パス精BCC)

687『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/10(土) 20:28:24
>全体

「……ッ! 危なかったら、避けろ。お前はあいつを殴ることを考えろ、後ろは俺が命張って何とかする」

     「スミノフさん、背後を頼む」



「俺は自分の考えを述べたに過ぎない」

「解釈は君の判断に委ねる」

「それに対して否定も肯定もしない」

「君は俺ではなく俺は君ではない」

「それだけの話だ」

    「俺の『像』の両足は君に斬られて、本来の破壊力を失っている。
     そして片腕は『五十嵐』さんを『保護』する為に使っている。
     『暴力』に使えるのは『左腕』だけだ」


    「だから俺はこの『左腕』で君を殴ろうと思うんだ。
     おそらく『傘』ごと殴る事になるだろう。
     その『傘』をバキバキにしたらきっと『鮫』が俺を襲う。
     凄く怖い。けれどこれしか思いつかなかった」

決着は――――ひと先ずの決着は、次の一瞬には着いていた。


   ドカッ

「ぎ ニャ ゥッ!?」

          ガガガガガガガッ

                     ガカッ 

狗の髑髏が『なにか』をしようとした猫を横合いから弾き飛ばし、
もう片方の髑髏を蹴散らしながら、サメがスミノフの蹴りと激突。

        ガガガガガガガ…ッ!

足裏が削れるような――――しかし痛みはない、異様な感覚。


             ゴガッ!!!!

   『バシュン』

それが恐ろしい『貫通』の感覚になるよりは早く、硯の拳が宗像を吹き飛ばした。
己の身体すら重荷になる重傷ではあったが、やはり硯自身を狙う攻撃ではない、
その『狙いの相違』が――――致命必死の一撃をかいくぐり、拳を届かせられた理由になる。

宗像は――――消えゆく意識の中で、少なくとも黒服は無事である事を捉えた。
練っていた策は、窓から乱入した男の『捨て身』に近い勇猛で防がれ、
猫は生き残ってしまった、が――――今はもう、それについて、何も、出来ない。

                      宗像征爾『アヴィーチー』→『気絶』

  オ

        オ
              オ
                         ォ
                    ォ         ・・・


名も知らない雑居ビルは、久方ぶりに静寂を取り戻す。
猫は廊下の隅で転がっており、ノびているのかどうかは分からない。
髑髏の威力はスミノフ自身の拳よりははるかに劣るものだが、
人間の一撃には遜色ないものだ。猫を打てば十分な結果を出せる。

停止の青年――――『高天原』と、『宗像』の両名は間違いなく息はあるが、意識はない。
故に、ここに残って、立っているのはスミノフと、硯。

「…………」

そして、スミノフが救った命――――あるいは『宗像』の勝利を望んでいた『黒服』だけだ。
スミノフは把握できている事だが、時間が経てば吾妻らもここに乗り込んでくるだろう。
ハッキリ言って、『フリーランス』の二人は今とてもじゃあないが、『自由』に動き回れる身ではない。

「おっ……お前らは……その猫を、どうする気だ…………?」

恐る恐ると言った様子で、黒服が口を開く。猫は今すぐ逃げ出すような様子はない。今なら、どうとでも出来る。

688スミノフ『デマーケイション』:2018/11/10(土) 21:48:53
>>687

「はは……」

心臓に悪い一幕だった。
多分だが足はかなり深刻なことになっていそうだ。
意識がなくなるようなことにならなかったのはよかった。
猫の方に行きたいが歩けるだろうか。
最悪這って近づこう。
猫の安全を確認したい。

「生きてるよな? 死んでたら、アイツの目的を達成させたことになる。
足に傷を付けて、アイツの望む展開にさせたなら俺は舌噛みきったっていい」

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

律儀にそれを実行しようとする。
猫の近くまで行けたら着ている服で包んで捕まえる。
そもそも自分の負傷が激しかったら硯にお願いしよう。

「猫どうするか? 知らねぇ」

「だが悪いようにはしねぇ。そうなったら俺は力ずくで止める」

余計な詮索はしなかった。

「……そうだ。ふたつ聞きてぇ」

「一つ、そこのノコギリザメの奴は何が目的なんだ。始めっから猫を殺しに来てたのか?」

「二つ、いまこの場でアンタだけが違うチームだが、俺たちと揉めるか?」

「アンタもやるかい? 喧嘩を」

689スミノフ『デマーケイション』:2018/11/10(土) 21:50:05
>>688

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

硯にそう伝えておく。

690硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/11(日) 17:02:39
>>687


    「〜〜ッッ!」

    「ぷはぁ――ッ」


目の前で意識を失う『宗像』を見、思わず安堵の息を漏らす。
とりあえず勝つには勝てた。


「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

          
          スッ


「五十嵐さんにも、申し訳ない事をした。
 カーバンクルさん、五十嵐さん、ごめんなさい」


その辺に散らばっているガラスの破片を足で避け、
『五十嵐』の『躯』がこれ以上痛まないようにゆっくりと床に降ろし、
倒れている猫と五十嵐に深々と頭を下げる。


   「猫をどうするって」

   「どうするんだろうか」


「黒服さん、とりあえず此処を出ないかい?」

691『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/11(日) 23:06:25
【フリー】
>>688(スミノフ)
>>690(硯)
(★双方のレスを自由に確認して構いません)

スミノフが脚を見ると、足裏から血が溢れ出していた。
歩こうとすると、上手く力が入らなかったが、
なんとか動く事は出来なくもない。這うなら容易だ。

         バサッ

             「…………」

        ゴソ

猫は動いているが、抵抗の意思はないのか、
それとも命の危機はひとまず去ったと理解したのか、
ともかくスミノフから逃げ出そうとする様子はない。

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

そしてやるべきことも伝える。

                ドザッ

「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

伝えられる硯は五十嵐の身体を、安置するような形で地に下ろす。
そして、頭を下げる――――残ったのは、黒服だが。

「ま、まて。揉める気はない。というか揉めても勝てないって分かる」

       サッ

「お前ら2人、何者かは知らないが…………こっちが5人いても無理だ」

黒服は、両手を挙げる。『警棒』も捨てている。『武装解除』だ。
硯が『倉庫街』で偽った『アリーナの漣』の遣いである件は、
この黒服には伝わっていないか、何かの事情で把握できていないらしい。

「ノコギリザメ…………ああ、その男は『アリーナ』の所属じゃあない。
 『藤原しおん』とかいう女の手先で……一応、目的の一致があった。
 俺の上司には、『殺す』か『生け捕り』と言ってたらしいし、
 ここで遭遇した最初は、生け捕りにして俺達に引き渡す話だったから」

       「頭から殺すしか考えてなかったわけじゃない、はずだ」

作業服の男は、この場で一番の『重態』と言えるだろう。
血に伏して倒れ、目を覚ます気配は――――少なくとも、今はない。
命は保っているだろう。死に直結するような負傷部位ではない。

   アリーナ
「……俺達もその猫の『処分』か『管理』を望んでる。
 手なずけて力を使おうとしてる派閥もあるらしいし、
 誰も使えないよう管理し続けようとしてる派閥もある。
 憂いを断つために……もしくは『エクリプス』の猫だから、
 処分して済ませてしまおうと考えている連中も、当然いる」
 
「俺達のトップ『桜島』さんは『懐柔派』だし、
 もう一つ動いてる派閥も同じだ。それは伝えとく。
 つまり、お前らと『猫を殺すか』揉めるつもりは……無い」

その言葉は彼個人というよりは、組織とか、何か大きな物が背後にあった。
やらなければならない、という『大儀』が彼を縛り、あるいは支えている。

「出るのは……賛成だが、上に俺の仲間がいるし、下から俺の上司が来る。
 その猫をオリなりなんなりに入れてからにするのが、賢明じゃないか?
 もちろん、お前らを悪いようには扱わない。……少なくとも、俺たちの派閥は」

692スミノフ『デマーケイション』:2018/11/11(日) 23:47:18
>>691

「んあー……」

足の負傷は本当にやってしまった感がある。

「藤原しおん? 聞き覚えがあるような」

たしか、『デマーケイション』のことを教えてくれたような。
いや、記憶ではその人物は音仙なのだが、同一人物だったと覚えている。

「……始めっから殺しに来たんじゃねぇのかよ。だとしたら心変わりってのは恐ろしいもんだ」

「こういう奴は今のうちに処理しとくのも吉かもな……拉致って痛めつけようにもその能力……まぁ、今日はそういう仕事じゃないか」

立てるか試そう。
足を引きずってでも歩けた方が早い。
正直、上手く歩けるか不安だが。

「……俺はこの猫を仲間に渡す必要がある」

「コイツは殺さない。だがお前たちにも渡したくはない」

「これからをどうするかは仲間にも相談したい」

「俺たちは勝った。この猫を捕まえた。お前たちは後手。だがこれは過程の勝利」

最後に猫を得たものが勝者であり、猫の今後を決める。

「それと残念ながらオリはない。そこも考えないとな」

「とりあえず……どうする?」

硯に聞いてみよう。

693硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/12(月) 20:54:38
>>691
「猫さん、ちょいと失礼するよ」


『オーバードライブ』の設置した『車輪』を解除し、
『スミノフ』がまだ猫を捕獲できていないなら抱えておく。
そして、携帯電話を取り出すとマナビとイラムシに、
とりあえず猫を捕獲できたので降りるという旨のメールを送る。


「スミノフさん、ちょっと待ってくれ」

スミノフは歩けなさそうだ。
なので満身創痍のスミノフの体を持ち上げその腕を自身の肩に回し、階下へと降りていきたい。


「俺は、とりあえず帰って寝たい。
けれど親戚の叔母さんと姪っ子との待ち合わせを放ったらかしてこんな所に来てしまった。
帰ったらお母さんに怒られそうだし、泥のように眠るのはその後だ。

なあ、スミノフさん、黒服さん。
俺が家に着くまでの間一緒に言い訳を考えてくれないかい?」

694『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/13(火) 23:55:48
>>692(スミノフ)

「曰く付きの名前だからな。俺は詳しくは知らないが……
 その男がそいつの部下なら、下手に殺して刺激したくはない、
 ってのが『アリーナ』としての見解だ、ってのは伝えておく」

「そうじゃなくても、人なんか殺さないに越したことはないしな」

立って進む事も不可能では無さそうだったが――
硯に肩を貸された。そのまま彼は階下へと歩き出す。
黒服は何かしら連絡があるらしく、端末を操作している。

「オリは俺達も常に持ち歩いてる訳じゃあないけど、
 吾妻さんの車には乗ってるはずだ。最悪のパターン、
 つまり猫にだけ逃げられる、ってのを避けるためにも、
 とりあえずそこまでは協力してもらえたら助かるが……」

          ザッ
              ダッ

上階から、疎らな足音が聞こえはじめる。身を潜めていたのだろうか?

「もちろんそうなると『アリーナ』に一旦合流する事になる。
 お前らの仲間だけで猫の事を決められるわけじゃあなくなる、が。
 うちのボスなら、多分……功労者のお前らの立場は考えるはずだ。
 筋の通らない解決は遺恨に繋がる、ってタイプのヒトだからな。
 少なくとも一方的な条件を押し付けて『大損』を掴ませたりはしない。
 だから仲間だけじゃなく、俺達『アリーナ』も交えた方が無難だと思う」

          「そこで倒れてるやつらは、知らないけどな」

黒服は緊張からか、饒舌に己の勢力の情報を口に出す。あるいは交渉術か?
上下をアリーナに挟まれ、猫の解決手段にもお誂え向きのものがある。
腰は重く、後手後手に回るが『組織力』を有するのが『アリーナ』の強みか。

とはいえ――――猫を勝ち取ったのは、ひとまずスミノフたちフリーランスなのだ。
アリーナの掌の上に乗せられる事はつまり、そのアドバンテージを……主導権を奪われる事。

>>693(硯)

スミノフは既に猫を捕獲できており、逃げる気配もなさそうだ。

「…………『アリーナ』としては帰るなら止める理由はないな。
 関係者全員捕えて事情聴取、ってわけにもいかないし、
 俺個人としても……お前らみたいな強力な遣い手は、『怖い』」

帰るのであれば、ここを出ればすぐにでも帰れるだろう。
途中離脱というには事態はあまりにも収束しているし、
マナビが提示した条件には、もう十分すぎる程協力している。

「勿論、猫をこっちに引き渡す事になった時は……お前にも後から褒賞は出せるはずだ」

「だから、猫も、仕事も……家族への言い訳も、多分そう悪いようにはならない」

「これでも言い訳を考えるのは得意な方だからな」

だから、この後のややこしい話は『アリーナ』やマナビらに任せてしまうのも……選択肢かもしれない。

(★ビルから出た後、希望するならミッション離脱可。報酬減額などは無い)

>両者

端末を弄っていた黒服が、二人に声を掛けつつ着いて来る。
硯によるマナビとイラムシへのメールは返事がない。
スミノフが上に来る前、最後に見ていた状況を考えれば、
均衡状態が破れ『倒された』という可能性もありえるが、
この黒服の言動から察するにそう『手ひどい』事にはなっていまい。

「ここで倒れてる連中は上で待機してる黒服が回収する。
 取って食うわけじゃないが、放置はできないし、
 というか怪我的にも放置しておくわけには行かないからな」

スミノフが抵抗しないなら、一同はビルをゆっくりと下りていく。
外からは特別大きな音や悲鳴などもなく、少なくとも喧噪は収まっている。

何かやる事でもなければ、このまま3人連れだって入り口まで出る事になるだろう。

695スミノフ『デマーケイション』:2018/11/14(水) 01:45:36
>>694

「そりゃそうだ。人が消えると人が死ぬのじゃ手間とか色々変わってくるわけだ」

「合流ねぇ……俺の仲間いわく『アリーナに売ったら一人30万にもならないかも』『後ろ盾がないから捕獲に協力感謝! で終わりかも』って話だ」

信用しない理由はないが保証がないのも確かだ。
個人的には信用してもいいが、ビジネスだ。

「こっちは負傷した奴もいる。そいつの治療費やらなんやらも考えれば仲間の持ってるルートに託した方が利益は求められる」

「そこの負担とかしてくれんのかよ」

とりあえず入口まで移動しよう。
マナビが倒されていた場合は色々考えないといけない。

「つーかよ、それだったら家の場所教えてくれたら明日あたり行くぜ?」

「俺が怪我したところ助けてくれたとか、そんな理由つけりゃあ許してくれんだろ」

硯の心配がそれで解消出来ればいいが。

696硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/14(水) 19:45:41
>>694
「スミノフさん、凄く助かるよ。後で打ち合わせをしよう。
俺の家の隣にいい感じの喫茶店があるんだ」


仲間達の連絡がないのが気になるところだが、とりあえず外に出よう。
もし外に出てマナビやイラムシが捕縛されていたらその時はその時だ。

「俺は成り行きでお仕事を手伝ってるだけだから、
報酬なんて気持ちだけでいい。
けれどスミノフさん達にはしっかりと支払ってくれ。
それと上で倒れている彼ら、それに『五十嵐』さんの事も宜しくお願いします」

697『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/15(木) 12:07:10
>>695(スミノフ)

「具体的な金額の事までは……俺の口から約束は出来ない。
 が、無償はない。そういう『恥さらし』な真似をする派閥もあるが、
 今回の件はうちと『漣派』の合同で当たっていて……ああ、いや、
 要は『礼節』を重んじる俺のボスと、『金払い』がいい人が担当だから」

「ケチってスタンド使いを敵に回すような事はしない」

アリーナの事情は不明瞭だが、この黒服については、
これ以上込み入った話を聞かせてくれそうな様子はない。

「俺としても……お前らは、話が出来そうだからな。
 本当、下手に敵に回したくないし。多少の口添えはする」

耳障りのいい言葉ではあるが――――明確な保障はない、という事だ。
黒服としては内心の焦りもあるのだろう。口約束ながら協力も取り付けられた。

「ただ、いくらなんでも、その怪我人の治療費を報酬とは別で全額出す、
 とは流石にいかないだろうがな……好きな言葉でもないが、自己責任の世界だ」

いずれにせよこの男に対してできるのは事前の『確認』までで、
本格的に交渉を打つなら『吾妻』か、さらにその上の人間になるだろう。
つまり、その為のテーブルに向かわなければならない。面倒な事にはなりそうだ。
もちろん、そう言ったことを得意としているであろうマナビに一任する手もある。

>>696(硯)

「猫を受け渡されることになったら、必ず支払う。
 払わずに押し通すなんてことはうちのボスはしない。
 額の方は、俺の口からは……流石に何とも言えないが」
 
「それと……上のやつらも、少なくとも『市民』だからな。
 無茶な扱いはしない。『藤原しおんの部下』は……
 こっちで何かしてやらなくても、どうにかなるんだろうが」

「……まあ、恩を売るに越した事はないから、な」

硯の口にした望みは、大方叶うことになるだろう。
慈悲か、善意か。それを現実に出来るのは勝者の特権とも言える。

「死んだ人間はどうにも出来ないが、仏さんにまで『報復』はしない」

              「少なくとも俺は、だが」

それでも、五十嵐については――――あまり多くを望めないだろう。
死は覆せないし、補償も出来ない。出来るのはただ利用するか、『弔う』か。

>両者

「――! 出てきたわね」

ビルの外に出ると――――マナビとイラムシが待機していた。
手ひどい真似をされているわけでも、拘束されているわけでもないが、
付近には新手の黒服や、見覚えのない『私服』の人間も見受けられる。
下手な動きを出来なかった、という解釈が、おそらく正しいと思われた。
救急車などは来ていないが、これは単に時間がそれほど経っていないためか。

「や、どーもどーも。体面上言っときますけど、
 え〜っ、『この度はご協力ありがとうございます』」

               ザッ

「後は我々『アリーナ』が引き継ぎを……って言っても、
 美味しいとこだけ持ってくのか?って思っちゃいますよね!
 ま、実際んとこはこの『後始末』ってのも結構不味いんですけど」

そして、一同の前に歩み出たのは黒ではない『スーツ姿』の若者。
スミノフにとってはビルの下で一度遭遇した人間、アリーナの『吾妻』だ。

「不味くてもちゃんと食べたい、って人も多い訳でして。
 引継ぎの内容は、皆さんとも相談して決めたいワケです。
 条件とか、そーいうの、細かい事を色々と……ね!」

黒服の連絡を受けビルの中から引き返したのか、マナビに止められていたのか、
その辺りは定かではないが、マナビも彼も無傷だ。争いは無かったのだろう。

「こちらのお二人には了解を得てますケド」

        「『ご協力』――――いただけます?」

                 ニッ

彼自身の風格や迫力はともかく、状況は有無を言わせないものだ。
何か打開の策が無ければ、従う事になるだろうが……何かあるなら、それもアリだ。

「……あ、もしここで帰ってくれるっていうなら、家まで送りますけどね!
 4人に囲まれて交渉、ってのは、さすがのオレも緊張しちゃいますから!」

これについては吾妻は半分冗談で言っているつもりだろう。『乗る』なら話は非常に早くなる。

698スミノフ『デマーケイション』:2018/11/15(木) 17:48:43
>>697

マナビとイラムシに手を上げる。
無事でなによりだ。

「お前が投げ込んだプレゼント良かったよ、ダイヤモンドよりキラッキラしてて、目が痛かったぜ」

地面に座ろう。
結論が出るまで帰る気なれない。

「何が楽しくてこんなぞろぞろと。下がれ下がれ、もしくは何人か下げろ」

「俺らが猫捕まえてきた。対等だが、こっちが一歩先」

別に喧嘩をしたい訳でもないが、黒服や私服の人間によって数的優位だと思われるのも癪な話だ。

「とはいえ、俺はこの子にほぼ丸投げするぜ。頭使うのは得意分野じゃねぇし、金勘定は面倒くせぇ」

交渉についてはマナビに任せよう。
ルートなどは自分は分からない。
この場の責任者は彼女かイラムシか。
イラムシは負傷しているし、恐らく万全であるマナビに任せた方がいい。

「『筋の通らない解決は遺恨に繋がる』そういうヤツがボスだと、ここに来るまでに黒服の兄ちゃんは言ったよ」

「礼節を重んじるボスと金払いがいい人が担当だとも聞いてる」

「お前らをこう威嚇しちゃいるが、信用はしてる。評価が低くとも、口が悪くとも、お前らを信用してる」

「お前らがアタマっからケツまでペテン師じゃねぇんならお互い納得いく結論が出る」

「そうだろ? じゃあ……あと任せるわ、マナビちゃん」

699硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/16(金) 21:03:07
>>697
「先輩、マナビさん。無事で何よりだ。
中々穏やかな状況ではなさそうだが」

いい加減お面を脱ぎたいところではあるが、とりあえず此処は『吾妻』達の話を聞く。

「なあ、ひょっとして俺達は『脅迫』されているのかい?
『漣』さんって人もこんなやり口をするのかい?」

ニコリと、笑みを浮かべる吾妻に対し淡々と言い放つ。


「俺はともかくとして、先輩やマナビさん、それにスミノフさんは
『仕事』で猫を捕まえに来たんだ。
きっと、彼らに大事なのは『超能力』なんかじゃあなくクライアントからの『信用』だ。

『アリーナ』ってのが何をしてる組織なのかよくわからないが、
対抗組織に脅迫されて仕事を放棄したなんて結果を残すのは嫌だ。
そんなのが闇世間様に知れ渡ったら、スミノフさん達は『信用』を失って今後、仕事が減っちゃうだろうからな」


「だから。できれば猫を渡したくない。
もし猫をこちらにくれれば俺が猫の代わりに『アリーナ』で働く。
力不足なのは充実承知してるが、一生かけてでも俺が『猫』の分まで働いて利益をもたらす」

「もし、それが駄目だって言うのなら、
スミノフさん達が本来得れる筈だった報酬をきっちり支払ってくれ。
俺に渡す『報酬』を削っても良いし、なんなら金なんて要らない。

他の3人は知らないが、このどちらかを呑んでくれないと、
俺は君達に猫を渡したくない」

700『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/16(金) 23:46:30
>>698(スミノフ)

「ええ、一歩先なのはそっちですし、あんたらは敵じゃない。
 とはいえ味方ってほど信用できる……というわけでもない。
 ま、『遺恨』を残さないために最大限努力はしますけど、
 それより重要なのは『解決』が出来るかどうか。って事です。
 あんたらが猫を譲ってくれるのか。信用できる処理をしてくれるのか」


「出遅れといて大口叩かせてもらいますが、
 遺恨は残らないけど解決はしない。それじゃ下がれない」

               『シュン』

            「少なくともオレはね!」

スタンドを背後に立たせ、吾妻は黒服達を手で下がらせる。
あくまで対等――――というポーズを示しているのだろう。

「だから、金や礼節で解決したい、
 そう思ってますよ。力じゃあなくってね」

それは儚い譲歩ではあるが、彼の譲れない線でも、あるかもしれない。

「…………」

                 コク

そして――――マナビはスミノフに頷き、硯と吾妻のやり取りに応じるように前に出る。

>>699(硯)

「『漣』さんを知ってるんですか?
 オレの上司では、ないですけどね。
 こういうやり口は好きじゃないかな?」

            ニッ

「取り繕っても仕方ないんで、まあ脅迫してます。
 こう見えても、どう見えても、『選べる手』は少なくて。
 暴力で無理やり奪うなんてのはオレの『アリーナ』には出来ない」

            『ズギュン』

「というより、この状況からは出来ない……んでね」

スタンドを背後に立たせた彼は、手で周囲の黒服や私服を下がらせる。
数的優位ではあるが、立場としては単なる『横取り魔』に過ぎない。
そうした負い目か、あるいは何らかの組織的矜持が、彼の選択肢を削る。

「『信用』。重要ですね!」

「オレらに猫を渡せば『アリーナ』はあんたらを信用しますよ。
 オレらは『闘技場』の運営者で、この町の『抑止力』を名乗ってます。
 金だけ持ってるマフィアから得られる信用より、価値あるんじゃないですか?」

吾妻は硯の疑問への解説も兼ねるかのように、
そのように述べるが……前に出たマナビが、即座に反論する。

701『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/16(金) 23:46:41
>両者

「まず、私達が猫を売る予定なのは『マフィア』じゃあないわ。
 そういう黒い依頼は受けない。一度受ければ際限がなくなる。
 落ちる所まで落ちたフリーランスの末路は使い潰されるだけ」

    「『善良な海外の富豪』と考えればいいわ。
     この猫による『成りあがり』の濫発を恐れる、ね」

依頼人については主義義務でもあるのだろう。
マナビの解説は、端的な物。しかし彼女なりの熱はある。

「そして……『脅されればすぐに裏切る』なんていうのは、
 私達『フリーランス』にとって最悪の風評になるわ。
 金払いが良い方に着くのは、おかしな話じゃないけれど。
 口だけで転ぶような傭兵に金を払うヤツはいなくなる。
 ……それで『アリーナ』からだけ信頼を得たからといって、
 貴方達には元から、多くの子飼いのスタンド使いがいるはず。
 私達に回ってくる仕事は、そいつらの餌の残りかもしれないわ」

「……口約束だけの『信用』じゃあ足りないわね。
 せめて『買収されるのもやむなし』と思わせるような、
 莫大な報酬を約束して欲しいところかもしれないわ。
 それなら、私達の評判は落ちても『踏みとどまれる』かもしれない」

    「相手がアリーナだという事も、公表して良いなら尚更ね。
     『警察にビビって頭下げた不良』くらいの『妥当さ』はある。
     アリーナは『対抗勢力』というには、少し大きすぎるものね」

イラムシは苦い顔でそのやり取りを見ている。
拮抗、というか、泥沼、というか、まとまりを得そうにない。
マナビは理知的ではあるが、それは『受け身』の理知だ。
押し切られることは無いかもしれないが、固まるには時間がかかる。

そこに、硯が条件を提示する。

「――――待ちなさい、硯君。貴方がそこまで捧げる必要はないわ」

「私が交渉して、より良い緩衝地点を見つけ出すから……」

マナビの表情は険しい。一つの勢力に従う事を否とする『フリーランス』の価値観か、
あるいは個人的な『心配』か、定かではないが、彼女の考えではそれはリスクを伴う選択肢。
もちろん彼女の行う交渉も、彼女自身の名声に傷をつけかねないものだろうが……

「オレとしては、けっこうおもしろい申し出だと思いますよ!
 そういう『漢気』……嫌いじゃない。むしろかなり好きです!
 ただ、猫を俺達が欲しがってるのは――――『価値』を求める以上に、
 他の誰かに『カーバンクル』の価値が移って、この町を脅かさないため」

       「その猫が得体のしれない海外の富豪とやらに渡るなら、
         ぶっちゃけあんたら四人が全員アリーナに加わっても、
          長い目で見れば価値は相殺される、って話なんです」

吾妻には好感触ではあるが、あと一歩足りない。
硯個人への興味、好感は深まったような気がするが、
カーバンクルというカードとの交換条件にはならないらしい。

「だから、『カーバンクル』で、えーと、『硯君』! を仲間にするより、
 『金』と『信頼』で『カーバンクル』を買う方が、オレらには良いんですよね!」

             「勿論、本来の報酬くらいは保障してイイですよ。
               アリーナに摘発された、ってんなら『不評』は生まれても、
                信頼を完全に損ねるってもんじゃあないはず、でしょう?」

が、硯第二の提案――――あるいはスミノフに託されたマナビの『妥当』を求める路線は、『ハマって』いたようだ。

こちらの方向でならまとまるかもしれない。それこそ、『そこそこの緩衝地帯』というところへの、着陸を。
それでよければこのままマナビと吾妻が操縦してくれるだろうし、望ましい地点があるなら誘導には言葉と発想が要る。

702スミノフ『デマーケイション』:2018/11/18(日) 00:34:24
>>700-701

「そうだぜ。自分の体を張るのはこういう時じゃねえさ」

「こいつらに張ってやる命も体も今はねぇし」

硯がアリーナで働くことはないだろう。
猫と硯ではできることは違うし、どういった仕事を回されるか分かったものでもない。

「信用ねぇ……」

個人的には、猫を渡したくはない。
今ここで得た成果を手放すというのは惜しい以上にしこりが残る。

「俺は正直な話、お前らに猫を渡したくない。お前らは猫が欲しい」

自分にはどういう存在か詳しくは知らない。
この猫も、目の前の組織も。

「例えば、俺たちは猫を捕獲したが、猫を狙う敵対勢力の数が多かったので一時的に『アリーナ』と手を組んだ。そういうことにしよう」

「同盟によって猫は半ば共同管理」

「引き渡しの現場にお前らは付いてこれるようになる。そして安全に俺たちは猫を引き渡せる」

「猫の護衛とか言って海外にお前らの何人かを送って、依頼主が得体の知れない人間か見極めればいい」

「何かあって、依頼主が猫を手放しちまうことがあればお前らが保護しろよ」

そんな事が現実に起こるのかは謎だ。
あるいは彼らがそれらを引き起こしてでも猫を欲するのならばあるいは、といったところ。

「摘発じゃなく、一時的な同盟。アリーナ側は懐の深さを見せてくれていた方が今後、似たようなことが起きた時にいいと思うが」

「話せば分かるやつら、そういう実績があった方が色々出来るんじゃないか?」

まぁ、この提案が蹴られたらそれまでだ。
不評を掴んで終わることになるだろう。
それでも干されるほどじゃないと思うが。

703硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/18(日) 20:17:25
>>701-702

「何なら今すぐ俺に『仕事』を寄越してもらって構わない。
 なんだってやるつもりだが、足りないかい?」


食い付きはいいが、やはりこんな馬の骨の売り込みでは足りなかったか。
此処は『金』を得て『信用』を失わない方向で行くべきなのだろう。


           「ならば」


「猫を渡す条件にもう一つだけ追加したい。
 本当に大した事じゃあないんだ。いいかい?」

「さっきの戦いの最中、『エクリプス』の『スティングレー』さんの持っていた、
 『スマートフォン』を壊してしまったんだ。
 
 弁償してあげたいのだが、俺は正直機械には疎いしよくわからない。
 だから君達が俺の代わりに『スティングレー』さんに買ってあげるんだ」

「それも」

「ただ買うだけじゃあない。
 私服の君……君がきちんと『上司』に申請をして『アリーナ』の経費で買うんだ。
 決して、自腹を切ったりするんじゃないぞ。それはダメだ。
 そしてベットの上で寝る『敵対組織』の『スティングレー』さんに、
 経費で買った最新機種のスマホを渡し、こう言うんだ。

 「スティングレーさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
  あなたの『スマホ』は『アリーナ』が弁償します。ごめんなさい」と」


『アリーナ』が『エクリプス』に誠心誠意こめ謝罪をする……
きっとこの行為は彼らにとって『恥』以外の何物でもないだろう。
そして『エクリプス』は倒すべき『脅威』らしい。

その『脅威』である『エクリプス』を見事撃破し、
かつ『あの』『アリーナ』に『大恥』をかかせたとなれば、
『マナビ』や『スミノフ』達の世間での評価は多いに上がる筈だ。
この方法ならば『信用』も失わず、かつ『大金』も得れる。


「俺達は当然、『アリーナ』が『エクリプス』に頭を下げたという事実を流布するし、
 何ならインターネットに詳しい『夜叉丸』先輩にも手伝ってもらうし
 当然『アリーナ』は『大恥』をかくことになるだろう。
 
 スミノフさん達は命懸けで『猫』を手に入れた。
 なのに身体を張っていない君が『棚ぼた』で猫を手に入れるのは納得できない。
 スミノフさん達だけじゃあない、五十嵐さん達に征爾さん、
 それに俺と戦った大学生の彼、『アリーナ』の『黒服』達を馬鹿にしているとしか思えない。

 だから無傷の君は、自らの身ではなく『立場』を傷付けるんだ。
 君の『アリーナ』での立場は弱くなるし、出世も遠ざかる。
 漣さん曰く、『アリーナ』は一枚岩じゃないらしいからねぇ。
 だが、この程度の条件呑めるだろう?

 
     ――だって君は、町の『平和』を願ってるのだから」

704『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/20(火) 05:52:12
>>702(スミノフ)
>>703(硯)

「ええ、だと思います。手に入れたのはあんたらですもん。
 いきなり渡せって言われて『ハイ渡します』とはいかない。
 だからって力づくで奪うのは道理に反するし、
 そーいうやり方はゆくゆくはオレらの損に繋がる。
 それは分かっているから……あんたの考え、凄く良いですね!」

「オレらに得がある。あんたらの損もない。そこが凄く良い。
 こういう仕事、慣れてるんですか? いや、慣れてるんでしょーね」

吾妻はスミノフに笑みを向ける。感心と納得の笑みだ。

「同盟――――ってのは、本当んとこ『よろしくはない』んですけど、
 あんたらは『エクリプス』を討伐したって『実績』もありますから、
 『上』のお歴々からも、それくらいの『譲歩』は引き出せるはずですし。
 ああ、副次的にあんたらのその『討伐の功績』は、こっちで多少宣伝しますよ」

     「海外に送る人員は『漣派』も動くなら揃えられるはずだし」

「その代わり、監視をつけるための『口添え』は、
 ある程度そっちにしてもらう事になりますけどね!
 それで依頼がご破算になったときの報酬は、まー保障します。
 もちろん、富豪とやらが猫を管理しきれなかった時の、
 アフターケアってやつもアリーナの方で出来ると思いますよ」

       「――――ってのが『オレの見解』ですけどね。
         全部上手く行くとは、流石に言い切りませんけどね」

共同管理。アリーナにも明確なメリットを提示しており、
同時にフリーランスとして『依頼者』を裏切る事にもならない。
また、スミノフたちの『功績』も明確に売り出され、やはり『得』になる。
報酬は保たれ、アリーナとの同盟は『一時的』なら所属を縛る事にもならない。

両者にとって『損』が無い条件は、交渉を円滑に進めてくれる。
もっとも吾妻に『予算』等の最終的な決定権はないのかもしれないが、
未曾有の危険を抱えるこの猫を『懐柔』する予定が元よりあるのであれば、
ある程度『今後動かしていける金』と『人員』の目途は立っているのだろう。
急な捕獲作戦ゆえか、この場の人員はそれほど多くはない、というだけで。

       「ただ、ですね」

「一応言っときますけど、オレが『交渉』するのは、
 そうしなきゃあ筋が通らないって……まあ、
 言っちゃあなんですが『オレらも得だから』なんですよね!
 功労者を暴力で黙らせた『町の暴君』だと思われるより、
 スミノフさんの言う通り……話せる奴らだと分かって貰いたい!
 そうした方がオレら『アリーナ』にも得があるから、
 ここで暴力に物を言わせて奪う『簡単な手』を使わないんです」

           「あー。分かりますかね」

    「『硯君』は鋭いし、良い線いってますよ!
     アリーナで働いてくれりゃ超嬉しいくらいには」
     
    「オレ、そしてオレらがリスクを負うべきってのは、
     そりゃもう正論としか言いようがないです!
     だから『関係者の治療費を保障する』とか、
     あんたらや他の皆さんへの『保障』であれば、
     気持ちよ〜く飲み込む事も出来たんですけど」

「エクリプス相手は、オレが恥かくだけの『リスク』じゃあ済まないんですよね。
 あんたは『アリーナがエクリプスに頭下げた』って話にしようとしてますし、
 最悪『アリーナ』の抑止力が落ちたと見て、妙なやつらが町に乗り込んで来かねない。
 そういうことになると……オレの恥とか、オレの派閥だけの話じゃあ済まなくなるんで。
 上のお歴々はオレとあんたらごとこの件を闇に葬って、『ナシ』にしちゃうでしょうね」

     「だからオレはそれ、飲まないです。飲めないです。
      オレらが『猫を見逃しちまう』のと同等に損するんで」

              「あ! それが狙い……ってわけじゃないでしょ?」

硯の提案は、吾妻なりの『アリーナ観』に基づいて否定される。
彼の行動がアリーナの『損』になるなら、『交渉』の意味がなくなる。

なにか『妥当な負担』を負わせたいのであれば、それが『彼個人』の範囲で収まるものか、
あるいは『交渉の意味』を保つようなものである――――つまり『妥当性』が必要になるだろう。

705スミノフ『デマーケイション』:2018/11/21(水) 06:36:07
>>704

「俺らのこの姿、この怪我は今回の件で起きた事実だ」

「表向きは穏やかな波のようだが、飛び込めば嵐のように大荒れ」

「お前ら裏側の人間の苦労は中々のもんだろうよ」

口添えはしないといけない。
向こうからすればいきなりお守りがつくのだから。

「猫により成り上がりの濫発を恐れてる、マナビちゃんの言うことを信じれば、相手はこっちの負傷の意味を理解してくれるはずだ」

「不安になるかもな。こんな傷を見て自分もそうなるなんて思ってやっぱり辞めた……は、考えたくないが」

「そこでこの街の抑止力らしいお前らの登場。バックが違う。フリーランスよりもぶっといパイプ」

アフターケアへの期待度も高い。
彼らの力が嘘でないのはこの場で動く人間の数を見れば分からないでもない。

「もしなんかあれば、富豪も猫も守る。その上でお相手には国に帰ってもう一度考えてもらえばいい」

「なにせ、マナビちゃんから善良のお墨付き。そこでお前らがヘマしただけだなんて、天地がひっくり返ったって言わねぇよ」

「口添えの類は難しくないはずだ」

ごろりと地面に寝そべった。
眠そうに欠伸をひとつ。

「病院に行って、こいつの家に行って母親から庇う役目も残ってる」

「お互いに損はないし、俺の言葉に嘘はない。お前が頷けばお互いに満足がいく」

「リスクを背負いたいなら、治療をしてくれ。お前らの施設でだ。応急処置でもいい」

「なにか裏切りがあればそのナンタラにその場所を売るし、俺一人でそこに行って二、三人はあの世に飛ばしてやる」

「それでどうよ?」

706硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/21(水) 22:01:27
>>704

「スミノフさん、君ってやつはなんて立派な大人なんだ。
『アリーナ』というか彼が傷を負わないのは釈然としないが、
俺1人駄々をこねても仕方ないし、此処は民意に任せる」

「んっ」

とりあえずの話は纏まりそうだし、『硯 研一郎』の出る幕はもうなさそうだ。
今朝からずっと付けていた『お面』を外し、
感情を読み取らせない『面』のような印象を与える素顔を晒す。


「これで『Mr.ストロングZERO』の仕事は終了だ。
本当の『お面』の人に恥をかかせたくなかったし、
『素人』なりに頑張ったつもりだったが、少しはお役に立てたかい?」

707『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/22(木) 03:35:39
>>705(スミノフ)
>>706(硯)

「まっ、オレらはそれが仕事ってゆーか役目なんで。
 苦労はしますけど……必要な仕事ですからね。
 今回はあんたらに背負わせちゃいましたんで、
 あんまこう、デカい口は叩けないですけど……」

「その条件、オレは飲ませてもらいますよ。
 その後の始末は全部背負いますし、応急手当もします。
 怪我も、入院費くらいなら全額負担出来るでしょう。
 あんたら三人だけじゃなくて、ビルの中の人たちもね」

       「上も、市民の保護には予算を出すんで」

100%納得のいく結果ではないかもしれないが、
一応の着地点が見えた――――そこには意味がある。

後ろでその様子を見ていたマナビが、
まとまりつつある交渉に一歩足を踏み出す。

「交渉を任せてしまって申し訳ないわね。
 代わりに依頼人側との話は私がまとめるわ。
 条件に異論は無いし、とても良いと思う。
 アリーナは動き出すのは遅すぎるけれど、
 動いた時の『実行力』は、信用できるから」

「口添えも……得体の知れない勢力ならともかく、
 『アリーナ』はそれなりの『実績』で知られている。
 恐らく向こうも、無碍に拒否する事はしないでしょう」

そして――――面を取った硯に、マナビは頷く。

「……ええ。とても役に立ってくれたわ。
 元の人と比べるようなつもりはないけれど、
 あなたは求められる以上の仕事をしてくれた。
 私も全部を傍で見ていたわけじゃあないけれど、
 あなたがいなければ『戦い』を制する事は出来なかった」

「きっと、『プロ』を名乗れるわ」

       「勿論、あの『転移する女』を倒した、
        スミノフさんとイラムシもだけれど」

「戦いを制したからこそ、私達は今こうして交渉のテーブルに着けているのだから」

ここにいたのは『藤原しおん』の指令を受けた『宗像』だったかもしれない。
あるいはあの青年が、『猫の幸せ』のための交渉をしていたかもしれない。

だが、可能性の話は今は置いておこう。この件で勝ったのは『フリーランス』の4人だ・・・!

(★特に何も無ければ、希望者のみ後日談へ。
   特に希望しない場合、返レスか点呼でその旨お伝えいただければ返信不要)

708硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/22(木) 17:39:19
>>707

「ありがとう、マナビさん。
その言葉があれば今後ステキな高校生活を送れそうだ」

そういえば猫の捕獲用に猫缶だかカリカリだかを用意したが結局使わなかった事を思い出し、
ポケットの中から猫のエサを取り出し封をあけて、口に運ぶ。


「(バリッ)うん(ボリッ!)中々イケる。
せっかく『領収書』がキレるんだから食べないのは損だからな(ボリッ)

今度皆で『打ち上げ」にでも(バリ)行こう(ボリッ)
今回の件は『校外学習』よりずっと勉強になった。
みんな、本当にありがとうございます(バリッポリッ)」

やれる事は全部やった。
後はマナビとイラムシに任せて、とりあえずキャットフードを貪る事にしよう。

709スミノフ『デマーケイション』:2018/11/22(木) 21:11:56
>>706
>>707

「それはありがてぇ。治療費ってのは割と痛いからな」

決着らしいことを理解した。
現在は過程の勝利だったが、猫の受け渡しが行われれば結果の勝利となる。
その一区切りまでの道が見えた。

「……おめぇ今外すんかよ」

「ま、いいか。これはヒーローショーじゃねぇし」

硯にそう言葉を投げた。

「なんか、疲れたな……寝るか」

体を丸めて目を閉じた。

710『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/25(日) 23:19:03
【フリー】
>>708(硯)
>>709(スミノフ)

「ええ、今回は私も、いい仕事が出来たと思っている。
 イラムシもきっとそう思っている……かもしれないわ」

      「……猫の餌は人には味が薄いわよ、硯君」

キャットフードを食いまくる硯(マズイ)と、
大型のネコ科生物のように丸まって眠るスミノフ。

「それじゃ、とりあえず撤収しちゃいましょう。
 応急手当ての準備は、こっちで済ませとくんで。
 あと、あくまで応急ですんでね。傷は塞ぎますけども、
 交渉とかの話がまとまったら入院はした方がいいですよ!」

        「強制はできませんけど。個人でなんか、
         特殊な療法とかするんじゃ無けりゃ、
         入院費は出しますんで。せっかくなんでね!」

主に硯によって、激戦のあととは思えない光景だが、
その『自由さ』こそが『フリーランス』なのかもしれない。

いずれにせよ――――この場はこのまま、
『アリーナ』の人員達によって撤収されていく。
それを見ているだけ、いや見なくてもいいのは、
まさしく『勝者』に与えられた特権と言えるだろう。

         ・・・

                 ・・・

                         ・・・


――――それから、数時間後。

一通りの応急手当てを受けたスミノフと硯、そしてイラムシ。
明らかに入院が必要な負傷なのだが、少なくとも安静にしてさえいれば、
命にかかわるような問題はない――――といったところまでは、落ち着いていた。

       「…………」
                「…………」

   ブ
        ロロロロロ ・・・

四名を載せたアリーナの車は――――『取引場所』から、去り始めていた。

「まずは上手く行った、わね」

マナビの弁舌、アリーナの権威……というよりは『前提として勝っていた』ようにも思えた。
猫を捕獲し、他の勢力に介入をさせず、アリーナと対等に近い条件を取り付ける事が出来た。
つまり『モノ』があり、『他の条件』がなく、『力』もある以上、『蹴られる』理由もなかった。
あとは・・・アリーナが約束通り、確かな仕事を実行すれば、今回の仕事は万事、成功という事だ。

この後どうするかは決まっていなかった。
硯はすぐに一度家に帰るべきなのかもしれないし、
スミノフやイラムシは病院に行くべきなのかもしれない。

車を運転しているのは『吾妻』で、もう一人、見覚えのないアリーナ職員が同席している。
眼鏡を掛けた、人の良さそうな女だ。交渉場所ではアリーナ側の人員に混じっていたが、
恐らくスタンド使いなのだろう。監視か、あるいは行く方向が同じなのか、車に乗って来たのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

711『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/25(日) 23:19:13

【音仙】
>宗像

           ――――― パ ッ

宗像は――――目を覚ました。天井は、見覚えのあるものではない。
が、廃ビルではないし、間違っても『あの世』などというものでもない。

「…………目が。覚めましたね」

            「ああ、まだあまり……動かない方が良い」

やや離れた位置から、落ち着いた女の声が聞こえる。
これは――――『藤原しおん』――――『音仙』の声だ。

「…………」

「………………病院は、既に。ええ、手配しています。
 怪我の状態も、ひとまず……落ち着いてはいる筈です。
 少なくとも、安静にしていれば……ですが。そこは、保証します」

          「」

・・・あの後、何がどうなったのだろう? 最後の記憶までは、はっきりしている。

               ・・・いずれにせよ、自分が生きているのは確かだ。

【早見】
>高天原

              ―――― バ ッ


「――――咲也くん」

高天原が目を覚ましたのは、清潔な『病室』――――だった。
特に異様なものも、危険な気配もない。もし経験があるなら、
ここが『アポロン・クリニックセンター』の個室であるのがわかる。

そして・・・『早見』と、もう一人見覚えのない人物がいる事も。

         「……目を覚ましたようなので、私はこれで。
           繰り返しますが、『好奇心は猫を殺す』ですよ」

               ザッ

黒服――――と呼ばれていた人間とは違うが、感覚的に察せる。『アリーナ』の人員だ。
高天原が目を覚ましたのを見ると、荷物をまとめて部屋を出ようとする。呼び止めれば止まるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

712スミノフ『デマーケイション』:2018/11/26(月) 15:04:29
>>710

「あぁ……そうだなぁ……」

椅子に深く腰掛けて息を吐く。
眠そうというよりは脱力していた。
深い呼吸だ。

「これで一段落だよな? お疲れさん」


ぼうっと窓の外を見ている。

「飲みにでも行くか?」

713硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/26(月) 19:25:40
>>710

「ーーと、まあそんなこんなで『夜叉丸先輩』に教えてもらった、
サイゼの『エスカルゴ』の入ってる耐熱皿の凹みに『カルボナーラ』を入れる食べ方をしたら、
お母さんに「行儀がなってない」ってフォークで舌を刺された時に出来た穴に通したタンピアスがコレ」


口を開け舌に付けた小さなピアスを見せる。


「ちなみに『夜叉丸先輩』の本名は『武者小路 猿夜叉丸』って言うんだ。
この『ヒョウモントカゲモドキ』のピアスも『夜叉丸先輩』の恋人の形見を譲り受けたものなんだが似合うかい?」


先程の緊張感は何処へ行ったのか、地元の友達や家族の話をしていた。
ちなみに母親には既に帰りが遅くなるとメールで連絡しておいた。

「マナビさん、君達のおかげで上手く行った。本当にありがとう。

ーー『吾妻』さん、君の隣にいる人を紹介してくれないかい?
せっかく送って頂いてるのに名前を知らないってのは、
なんていうか大変申し訳ない気持ちになってしまうんだ。

俺の名前は『硯研一郎』。見ての通りただの男子高校生です。」

714宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/26(月) 22:24:15
>>711

あるいは――『ここ』が、そうなのだろうか。
最後に俺が行き着くべき場所だ。

(それにしては――)

『地獄』にしては生温い。
薄暗く淀んだ意識の中で、曖昧な感想を抱いた。

「馨(カオル)――」

女の声を聞き、無意識に呟くような言葉が漏れる。
だが、それが『藤原』の声である事に気付き、徐々に意識が鮮明さを取り戻した。

「いや……」

「ああ」

「――あんたか」

それだけを言って口を閉じ、『藤原』が言葉を続けるのを待つ。
『動くな』と言われたが、元々まともに動ける体でもない。

715高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/26(月) 23:31:22
>>711

「…………あ、」

 見覚えがある天上だ。怪我を負っての入院は、初めての事ではない。
 早見と見知らぬ人間を順に視線で追ってから、自分の調子を確認する。
 傷や欠損はあるか。意識はどうだろう。持ち物や衣服は、まだ身に付けているだろうか。

「……早見さん、怪我は?」
「つか、猫……『カーバンクル』と、五十嵐さんは……?」

 意識を失っていた間の情報を補完するために、二人に話しかける。

716『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:02:48
【フリー】
>>712(スミノフ)

「ええ、あとはアリーナが上手くやってくれる。
 ――――でしょうから。やってくれるんでしょう?」

          「ええ、そりゃもう。
           オレらの沽券にも関わるんで」

窓の外に、夕日の星見町が流れてくる。

「ゴホッ、入院しちまったらしばらくは、
 粗食と栄養食のフルコースですからねェ。
 今日くらいは良いかもしれませんねェ〜ッ」

喋れる元気を取り戻したイラムシは暢気に返す。

彼の目に見えて大きな負傷は手と喉元の二カ所であり、
背中に深い刺し傷、足にも歪で苛烈な傷を負ったスミノフや、
全身切り傷や内出血、さらに脚に深い傷を負った硯よりはマシだ。

     ブロロロロ

「無茶はしない方が良いですよ、ってのはオレが言うべきじゃないですね!」

           「『アリーナ』に指図される気はありませんよォ」

運転をする吾妻は特に話題に混じってくる事はないが、
話そのものを聴いていないというわけでもないようだった。
この車が止まるまでの付き合いだろう。何かあるなら聞けるかもしれない。

その機会はもちろん――――この仕事を共にした、他の面々についても、言えることだ。

>>713(硯)

「舌にピアスを開けるのって周りでやってる子も多いけれど、
 喋り辛かったりはしないのかしら? 見たところしなさそうだけど」

「エピソードは兎も角、ま〜似合ってますよォ。エピソードはともかく」

壮絶なエピソードの数々を披露する硯に対しても、
フリーの二人は余裕をもって答えてくる。成功者の余裕だ。

「こちらこそ、何度でもお礼をさせてもらうわ。とりあえずは言葉だけだけれどね」

          「勝利の立役者ですからねェ〜ッ。
           先輩の俺もうかうかしていられませんねぇ」

と、そこで話を振られた吾妻がルームミラー越しの視線を硯に向ける。

「あ、こちらは――――」

「ええよ『ジョウキ』クン、せっかくの自己紹介だし自分でさせて」

吾妻のやや畏まった態度に対して、その女はやや独特なイントネーションで答えた。

                 クルッ

そいつは首だけ振り返り、主に硯に視線を向けてくる。
知った顔ではない。というか知った顔がいたら怖いのだが。
 
「あたし、『漣 世未美(さざなみ よみみ)』ですぅ〜〜〜。一応『漣派』のトップで」

              「自分で言うのもなんやけど、
               人の良さそうなメガネやろ〜?」

名前はもう、知っていた。
幸いなのかどうなのか分からないが、口から目まで笑っていた。

717『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:04:22
【音仙】
>>714(宗像)

地獄の灼熱でもない。外の暑さでもない。
適度にエアコンが入った、生命的で文化的なぬるい空気。

          パシャ

アクアリウムの魚が跳ねる音が、静寂を打った。

「……………………ええ、申し訳ないですけど、『しおん』です」

       「まだ、あちらに行くには早い。
         残酷かもしれませんが……ね」

そこにいたのはやはり、藤原しおんだった。  
ここは、最初に来たあの部屋だ。
違うのは自分の怪我だけ。

「まず、キミの仕事は成功しました……間違いなく」

「今日一日で、『エクリプス』に関与する人間が4名消え……
 何より巨大な爆弾、『カーバンクル』はそれなりに、適切な管理下に置かれる」 

             「エエ……成功、と言って、差し支えはない」

「……………………それは、キミにとってなにか…………『救い』になるでしょうか?」

【早見】
>>715(高天原)

幾らかの傷はある。目に見えて大きいのは、脚の傷だ。
最終局面で『作業服』から受けた攻撃の痕跡は、
色濃く残っている。逆に言うとそれ以外の傷は、
打撲のレベルで止まっており、骨折などは見えない。

「怪我はないよ。君のお陰でね……『カーバンクル』は、」

面目ない、を形にしたような表情の早見に、
アリーナ所属らしき人物が足を止めて割って入る。

「先に一応言うが、アリーナ『漣派』のものだ。初めまして。
 これも一応言うが、私は『スタンド使い』なので侮らないように」

どこか執事を思わせる『場違い』なスーツを着た男だが、
その場違いさは『芯の強さ』のように感じられなくはない。

「猫は『アリーナ』が回収しました。と言うと嘘になる。
 ……『フリーランス』のスタンド使いどもが回収し、
 その売約先とアリーナでの『共同管理』に落ち着いた」

「『最悪な結末』では無い。私の意見でしかないが、一応言う」

そして――――五十嵐の名前には、首を振る。

「猫を愛していたのかもしれない。
 お前には優しかったのかもしれない。
 あるいは『吊り橋効果』かもしれないし、
 私はお前とあれの関係を追及する気もない」

真剣な目だった。
言葉もそうだった。
それが『理由』になるのかは分からない。

「だが、あれは『殺人』の沙汰を犯している人間だ。
 一度や二度でもないし、あれば良いとは言わんが『大義』もない。
 ……仮に生き残っていたなら、遠からず私達が『討っていた』。
 それも大義の名を借りた『殺人』かもしれないが、私は必要な事と思っている」

   「気に病んでいたら悪いので一応言うが、『お前のせいではない』」

                        ・・・つまり、そういうことなのだろう。

718スミノフ『デマーケイション』:2018/11/28(水) 06:45:56
>>716

「肉だなぁ……肉食っときゃなんとかなる……」

そんなことは無いのは百も承知である。
ただ病院食のことは考えたくない。
入院したことはあるがいい思い出はあんまりない。
看護師さんの名前を覚えたり本を読んだりするぐらいが楽しみだった。

「吾妻ちゃん、色男くんよぉ」

「それとそっちの嬢ちゃんも来るか? 仕事抜きにすりゃあ別に敵対する用事もねぇし」

そもそも心から嫌っている訳では無い。
話も通じる人間だし、酒の席にいても嫌じゃない。

「くぁ…… 」

あくびが出た。

719宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/28(水) 23:36:41
>>717

(死に損なった――か)

簡単に楽になる事など許される筈も無い。
仮に行ったとしても、恐らく再会する事は無いだろう。
あいつと俺は『行き先』が違うからだ。

「そうか――」

「話が纏まったのなら、俺から言う事は何も無い」

藤原の話から、大体の事情は把握した。
それなら、それで構わない。

「俺の懸念は、あんたが困らないかどうかという点だけだ」

「依頼主に不利益を被らせるのは、著しく『義理』を欠いている」

『カーバンクル』について考えるのは止める。
それらは、もう終わった事だ。

「……ここを出る前に話した事を覚えているか?」

「俺の目的は、この命に『価値』を持たせる事だと――」

藤原の前に座っていた時の事を思い出す。
考えてみれば、長い一日だった。

「俺は――今、自分が生きている事に『意味』を感じられない」

愛する者も憎むべき相手も、この世から既に消えている。
本来ならば、俺が生きている意味は存在していない。

「だが、『命のやり取り』をしていた間、この命に多少の『価値』――
 生きている『意味』を与えられたように思う」

それは、僅かな間の刹那的な感覚に過ぎない事は分かっている。
また生きている事に漠然とした息苦しさを感じた時、
俺は迷わず同じような場に身を置く事を選ぶ。

「――俺には、それだけで十分だ」

最期の瞬間まで、それは繰り返されるだろう。
そうする事が、罪を犯した人間の果たすべき道だと俺は解釈している。

720硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/29(木) 21:43:08
>>717
「あなたが漣さんかい。
てっきり壮年の男性を想像していたんだが、まさか女性とは。
今の俺はきっとお面を外したにも関わらず、面食らった表情をしているよ。
本当にびっくりした」


そして後部座席から身を乗り出し、漣、そして運転してる吾妻に深々と頭を下げる。


「『お仕事』の為とはいえ、俺は貴女の名前を使って『アリーナ』の身分を騙った。
ヨミミさん、本当に、本当に申し訳ありませんでした」

「そして『ジョウキクン』さん、俺に騙された君の部下であろう『黒服』の人を責めないで欲しい。
騙した俺が悪いんであって彼らは何も悪くないんだ。
『打ち上げ』での説教もやめてあげて欲しい」

721高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/30(金) 00:23:04
>>717

「……ハジメマシテ」

 機械的に挨拶に応じる。
 一時でも、敵対したことになる相手の勢力だ。
 それが、自分が目を覚ますまで手を出すこともなく待っていた、というのはどういうことか。

「『フリーランス』……ね。『アリーナ』とも別の、雇われってことスか」

 男の話を、頷きながら飲み込む。
 望まずとも、足を踏み入れてしまった世界の話だ。
 今後、万が一のために、少しでも情勢を把握しておきたい。

「ま、俺たちゃ最初から、それ以上に部外者だったワケだし……
 あの猫の去就についちゃ、そもそも口出せる立場じゃあねェって、分かってます」

「…………アンタの言うことも、分かりますよ。
 見ねーフリしてた方が、都合よかったから、そうしてただけだ。
 『仲良しこよし』してたワケでもねーし……
 言っちゃあヒデー話だが、あそこで『あの人』と無事に別れてたらサ、
 その後の事なんて、知ったこっちゃあなかったぜ。むしろ一目散に逃げてたね」

「でもさぁ、」

 足の傷痕に手を伸ばし、ぎゅっと力を込める。
 傷は、残ってくれた方がいい。

「正しくても、正しくなくても……そこにいた『責任』って、あるじゃん」

 罪を重ねた。
 いずれ討たれる予定だった。
 互いに、利用し合うための関係だった。
 だとしても。

 自分は、あの場にいたのだ。
 あの男に背中を預け、また背中を任された。
 そのために動いて、そして、何事も為すことは出来なかったのだ。

 その結果が、『五十嵐の死』。

「情けねえ」

 俯いたまま、しばらくの間、指に力を込めて。

「……なんつって、気ぃ遣ってくれたアンタに愚痴っても、困らせるだけだよな」

 ふと、顔を上げ、力の抜けた笑みを見せる。

「教えてくれて、どうもッス」

722『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:42:49
【フリー】
>>718(スミノフ)
>>720(硯)

「『アリーナ』公認とはちゃうし、
 あたしの儲けにもならへんけど、
 『金』さえ出せば入院はいらんよ〜。
 そういう『能力』の人間がおるらしいの」

        「そーいう特殊な治療は、
         代金は出しませんけどね」

見透かす、というわけではないのだろうが、
漣からそのような『抜け道』が提示された。

「え。まあオレは別に良いですけどね!
 協力者ですし、そういう方と飲みに行くの、
 ウチではルール違反ってわけでもないんで」

        ニッ

吾妻は乗り気のようだった。
いわゆる『飲みにケーション』は彼の処世術なのかもしれない。
そして、硯の謝罪については――――
 
「――――ああ、もちろん説教なんてしませんよ!
 情報の管理については、今後考え直すとこもありそうですけど」

少なくとも飲み会が反省会になる惨劇は起こり得ないようだ。

「あたしは別にええよ〜。『結果論』やけどお陰さまで協力出来たし。
 せやけどあたし以外の名前は、勝手に使ったりせん方がええから〜。
 今後も『アリーナ』絡みで仕事するなら、あたしの名前出してくれてもええよ」

            「ウソの身分じゃなくせばええんやから〜〜〜」

そういえば『漣は外の人間も使う』というような話もあった。
硯は、ツバを付けられそうになっているのかもしれない。

「『アリーナ』の連中と酒飲むなんて、
 妙な評判が広まっちまいそうですがねェ」

    「ただま、今日の功労者は旦那と硯クンなんで。
     お二人が呼びたいってんならオレも良いですよ」

「ジョウキ君は飲み会とか大好きやからね〜。
 そういう場で説教とかするような人間でもないし。
 あたしは酔うたらウザ絡みしてまうけど、それでええなら行こかな。
 ああ、そういう場はオフやから『アリーナこぼれ話』は期待せんでな」

           「知らん女が混じってみんな楽しいんかは知らんけど〜」

身内の反発もない。『アリーナの』という肩書は期待できないが、打上げに呼べはしそうだ。
そうこうしているうちに車は星見町――――今日の戦いの終着点でもあった、繁華街の風景に差し掛かる。

723『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:54:51
【音仙】
>>719(宗像)

「…………困りはしません。私は『音仙』だから、ネ。
 書いている楽譜は一つではないし、演者は一人ではない」

        フフ

その背後には変わらず、『音の木』が立っていた。
コードのような蔓は、宗像に伸びてはいなかったが。

「…………この町は『平和』ですから。
 ……『アリーナ』が『天蓋』のように敵を遮り、
 彼ら自身も、平時は『派閥』単位の戦力でしかない。
 群雄割拠の時代ではなく、『死線』の数は減りました」

     「ですが、無くなったわけではない」

           「……キミの『意味』がそこにあるなら。
             キミが『意味』を喪う事は、ありません」

藤原しおんは儚い笑みを浮かべる。
自嘲とか、納得のようなものがその表情を作っていた。

「ええ……キミに『死線』を味合わせた私は卑怯者です。
 キミの心を、それはとても熱く……危険に燃やすから。
 その自覚と……罪くらいは、私が背負うべきものなのでしょう」

                      「……」

     ス…

「…………写真は、こちらに。……もう、出られますか?」

ベッドのサイドテーブルに、簡素な保護ケースに入れて、例の写真が返された。

【早見】
>>721(高天原)

「一応言うと別に『フリーランス』という組織ではない。
 想像通り『雇われればどこにでもつく』連中の事だな」

補足が入ったが、想像通りのことだ。

「たとえば『エクリプス』にでも……そういう人間を、
 私の派閥に関しては、一々摘発したりはしていない。
 そしてお前の身柄は私の派閥が確保した。『そういう事』だ」

           ザッ

「……私に言えるのはそれだけだ。
 慰めも、同情も、『無責任』にしかならない。
 お前の『後悔』は私のものではないのだから」

傷跡に伸ばす手を止めるでもなく、男は目を細める。

そして、再び足を進めようとする。
言い残すことがあった、というだけなのかもしれない。

「一応言うが、お前を気遣うのは私が親切だからじゃない。
 あくまで『市民』を守るのが『アリーナ』の『責任』だからだ」

           「……他に何も無ければ、私は行く。
            一応言っておくが、『次』があるとは限らない。
            くれぐれも『アリーナ』の敵にならない事を祈っている」

724スミノフ『デマーケイション』:2018/12/01(土) 02:23:24
>>722

「特殊な治療ねぇ……まぁ探してみるか」

抜け道については承知した。
本当にあるのかは自分の目で確かめておこう。

「待てよ一応後輩だ……スカウトはパイセン通しな」

「硯ちゃん、俺の親父の言葉だが……年上の女のエロい誘い以外の女の誘いは気を付けた方がいい」

今回の件においてはだが。

「ま、ただその辺は……本人の意志で……後は酒の席にしようや」

丁度繁華街だ。

725高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/01(土) 23:28:21
>>723

「ああ、うん。それは分かってるッス、大丈夫」
「……ご迷惑、おかけしました」

 相手の立場からしてみれば、『市民』だとしても『エクリプス』を幇助した人間だ。
 見捨ておくことだって出来ただろうに、手間を取らせてしまった。

 深々と頭を下げて、男を見送りたい。

「……そッスね。俺も、『次』がないように気をつけます」

 男の言葉を真に受けるなら、
 この『後悔』だけは、唯一手に入れたものになる。

726宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/02(日) 20:31:16
>>723

相変わらず、藤原は読めない女だ。
しかし、その考えの奥底を知ろうという気は起こらない。

多かれ少なかれ、人は誰しも自分が正しいと思う考えを持ち、
それに従って行動する。
それは藤原に限った話ではなく、
あの争いに加わっていた者達の全員が同じだったのだろう。
そして、俺自身も例外ではない。

ただ、それだけの事だ。

「ああ――」

短く答え、差し出された写真に視線を落とす。
写真の中に残る姿は、何一つ変わる事がない。
その全てが、あの頃のままだ。

(だが、俺は変わった)

(お前が知っていた俺は、既に存在しない)

それを受け取る事に僅かな躊躇が生じ、写真を見つめる。
幾らかの間が空いた。
不意に写真から視線を外し、藤原に向き直る。

「――その前に、済ませておきたい事がある」

「『アリーナ』のスタンド使いに電話をさせて貰えるか?」

藤原に断りを入れ、名刺の番号から吾妻に連絡を取る。
『アリーナ』とは、あくまで利害の一致の上での協力関係だった。
しかし、一応の『義理』は果たしておかなければ寝覚めが悪い。

727硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/12/02(日) 20:36:50
>>722>>724


「スミノフさん、ありがとう。
俺はウブな男子高校生だからな。危うく、漣さんの事を好きになってしまう所だった」

吾妻とも漣とも出会って1時間も経過していなが、
『吾妻』は大組織の『幹部』たりえる器を持っているようだし、
『漣』も予期せぬ状況に対応できる『柔軟性』も兼ね備えている。
『硯研一郎』の2人に対する印象は決して悪くない。いや、むしろかなり好印象だ。


「ああ、早く打ち上げと洒落込もうじゃあないか。
俺は未成年で『酒』は飲めないので『オレンジジュース』をいただくがね」

728『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:40:01
【アリーナ】
>>724(スミノフ)
>>727(硯)

「病院のどっかにおるらしいで。
 あたしあんま怪我せんから、知らんけど」

       「オレも場所は知らないですね」

調べる必要はありそうだが、
現地でなら噂はすぐ拾えるかもしれない。

「好きになってくれてもよかったんやけど〜、なんちゃって。
 酒の席で結んだ契約ほど脆いもんはあらへんからねぇ。
 そこは自由意志、自由意志。今度改めてお話ししようか〜」

          ニッ

「未成年飲酒はよくないですからね!
 立派な心掛けだと思いますよ……!」

          「店はオレの方でアテがあるんで、
           そこまで車回してくださいよォ〜ッ。
           団体客になっちまいますんで、
           今のうちに連絡だけ入れとくんで」

「アリーナの『黒服』も呼ぶような話をしていたし、
 人数は多めに告げておいた方がいいかもしれないわ。
 『誰々のお箸と皿が足りない』みたいな初動じゃ冷めるし、
 コース料理なら肉の切る数が不平等になったりすると嫌よ」

いずれにせよ、難しい話は今度で良いし、
入院生活への不安とかも今は忘れよう。

今はただ宴席への期待、それだけでいい――――

             ・・・

                 ・・・

                     ・・・

   プルルルルル

「あ、電話?」

しばらくして、一通の着信。

      プルルルルル

           「ジョウキ君、運転中の電話はあかんよ〜」

     「もう着くんですから止まってからにして下さいよォ。
      今事故られたら死にますからね、主にスミノフさんと硯君が」

「いやいや、そこは分かってますよぉ〜っ、と。
 すみません駐車雑ですけど、後で直しとくんで!
 みなさんは先にお店入っててもらってもいいですよ」

              プルルルル

                     ピッ                

やがてイラムシのチョイスらしき店の駐車場に車が止まり、運転席の吾妻は電話を取る。
鍵のロックは解除されており、言葉に加えて先に出ているようにジェスチャーがあった。
 
「――――もしもし?」

剣呑な空気はないし、電話の内容に興味があるとかでも無いなら、先に入っていて良さそうだ。

(☆宴席でのロールや、漣、フリー組との会話を望まないのであれば、店に入った時点で後日談は終了)

729『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:51:31
【早見】
>>725(高天原)

「一応言うが、逆に『アリーナ』の味方をしたいなら、
 …………ベッドの横に『連絡先』を置いておいた。
 アリーナに与するスタンド使いは、多い方が良いからな。
 いつでも掛けてこい。……不用意に流したりはしないように」

          「では」

              ガチャ

                   バタン

そうして部屋には高天原と、早見だけが残される。
ベッドの横に置かれた小さなテーブルには実際、小さな紙があった。

「……最初に言っとくけど、『報酬』はちゃんと払うからね。
 記事にする事は出来ないけど、今回の事は経験になったし、
 金を生む猫の正体はわかった。『取材』は成功したんだ。
 悪いサガだけど、『記者』としての僕はそう思っている……」

         「だから払うものはちゃんと払うし、
          受け取るものは受け取って欲しい。
          これは……『先輩』としての僕の意地かな」

金の話をいきなりし出すのは、『気まずさ』もあるのだろうか。
その声色は今日あった当初ほど明るくも、堂々としていもしなかった。

ただ――――彼にも得るものはあった、それについては疑うべくもない。
『高天原』は当初の仕事は果たした。その上での『後悔』だからこそ、意味はきっとある。

【音仙】
>>726(宗像)

「…………電話、ですか? ええ、かまいませんよ。
 ここは、映画館とかではないですから……ね。
 それに私はキミの上司でもない。仕事が終われば対等です」

藤原は座ったまま、『蔦』を伸ばして器用に餌箱を掴み、
水槽の魚に――時計から察するに『夕餉』をやり始めた。
読めない女だが、あんがい『ものぐさ』なのかもしれない。

             「それで……ええと」

   プルルルルル

      プルルルルル


「『吾妻常喜』はおそらく今、車を運転していますけれど……」

              プルルルル

             pi

               『――――もしもし?』

「……ああ、もう降りていたんですね。
 そこは聴きそびれていました……ええ。ごゆっくり」

少し時間はかかったが、繋がった。
――何か話すことがあるなら、吾妻は応じてくれるだろう。他に人がいるかは謎だ。

730スミノフ『デマーケイション』:2018/12/04(火) 14:06:38
>>728

「金はあるんだ。焦らずいくかぁ……」


足を組んで息を吐く。
報酬が惜しければ大人しく通常の治療を受けるのもいい。

「スミノフと美味い飯があれば俺はなんでもいい」

目を閉じ、少し眠っていたところ電話の音で起きた。
どうやら店に着けたようだ。

「なんだよ吾妻ちゃん、仕事か? それともオンナか?」

「まぁ、なんでもいいか……誰か肩貸してくれねぇか」

731宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/04(火) 16:50:42
>>729

「宗像だ」

「用事という程でもないが、手を借りた礼を言いそびれていた事を思い出した」

「――感謝する」

「あんたの部下――俺と同じ場に居た男にも『世話になった』と伝えてくれ」

「それだけだ」

吾妻の方から何もなければ、そのまま通話を終える。
そして、テーブルに置かれた写真に視線を戻す。
おもむろに手を伸ばし、それを胸ポケットに仕舞う。

「そろそろ出る事にしよう」

「――世話になった」

ベッドから起き上がり、床の上に立つ。
まともに立っていられるか怪しいが、立たなければ歩く事は出来ない。
歩かなければ、部屋の外に出る事は出来ない。

「また手の足りない『仕事』があれば紹介してくれ」

「『本業』の方でも構わないが」

藤原に告げ、覚束ない足取りで出口に向かって歩き出す。
この扉を開ければ、そこには『地獄』が広がっている。

俺にとっての『地獄』とは、『あの世』ではない。
『真の地獄』とは、『この世』における『虚無の生』だ。

俺は、その『生き地獄』の中で喘ぎ、のた打ち回る。
それが、俺の罪に対する正当な罰というものだろう。

今、その為に俺は生きている。
俺が生かされているという事実を、そのような形で俺は受け取った。

「『アヴィーチー(無間地獄)』――か」

藤原が名付けた『自らの精神の象徴』の名を呟き、部屋を出る。

732高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:29:28
>>729

「……そりゃ、懐が広いこって」

 紙片を一瞥する。
 『スタンド』の恐ろしさを、改めて味わったばかりだ。
 捨てるほど自棄でもないが、今すぐ拾う気にもなれない。

「……『金を生む猫は実在する』って?」

 早見も、こちらを気遣っているのが分かる。
 彼の代わりに、明るい声を作って、少し張り上げる。

「まあ、真偽は明らかになったなぁ……
 猫が本当にいて、『宝石』を作ってるっつーのは分かった。
 けど、そんだけッス。あの奇妙な『スタンド』の名前も、能力も、どうやって作ってんのかも……」

「……取材は『失敗』ですよ、先輩。
 報酬は受け取れねェッス。
 これじゃ、『読者』のために記事は書けねーっしょ」

 着ている服が同じなら、カーゴパンツのポケットに手を伸ばす。
 まだ、指に触れるだろうか。
 あの建物の二階で、何かの役に立つかもしれないと、拾って忍ばせていた、宝石ふたつ(>>275)。
 アリバイ作り(>>367)のために別室で拾い、散らした分とは別に、取っておいたもの。

 服を着替えているなら手元にはないかもしれないし、
 『アリーナ』に気付かれていたら取り上げられていることだろう。
 『スタンド』で作られたものである以上、射程距離もあるかもしれない。
 でも、そうだ。ただの宝石ではない。
 あの猫の『スタンド』で、作られたものだ。

 もしまだ手にあるならば、ひとつを取って、早見に投げ渡したい。
 取材費も無限ではないのだろう。彼こそ、大損になってしまう。

733高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:31:20
>>732


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