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映画

1名無しさん:2015/12/23(水) 07:56:00
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
『キングスマン』
『コードネームU・N・C・L・E』
『007 スペクター』

今年はスパイ映画のあたり年だった
さらに来年は『エージェント・ウルトラ』や『ブリッジ・オブ・スパイ』も楽しみ

804名無しさん:2024/04/21(日) 04:38:38

川崎チネチッタで『陰陽師0』観ました。
https://wwws.warnerbros.co.jp/onmyoji0/

948年。闇が闇として存在していた平安時代。
呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁である陰陽寮に籍を置く27歳の安倍晴明は陰陽師見習いの学生《がくしょう》であった。
だが他の学生たちが一人前の陰陽師を目指して切磋琢磨をする中、晴明はろくに授業にも顔を出さない不良学生。
皆は彼のことを狐の子だと恐れ、あるいは侮蔑するなかで彼を見守り味方するのは育ての親である陰陽博士の賀茂忠行のみ。
そんなある日のこと得業生《とくぎょうしょう》(成績優秀な学生)の一人が遺体で発見。
何者かに呪殺されたと思われる彼を殺した犯人とその動機を解明した者こそ次の得業生にするのと言う流れとなるも晴明は我存ぜぬ。だがそんな晴明こそ犯人だと疑われ拘束されそうになるのだが――。

この作品を〝夢枕獏の陰陽師〟シリーズの映像化作品として見ると原作との作風の違いに違和感や拒否感を覚えるかもしれません。
あの作品の〝呪〟は人の心の機微や心理に抵触するもので、安っぽいCGとかで現すようなものじゃなくて人の心のデリケートな部分に触れるものなのにガッシャンガッシャンVFX多用するのはどうなんだろうかと。
いや、一応作中で呪術のほとんどは暗示や睡眠であり『東京レイヴンズ』ばりの呪術戦も精神世界の中でのできごとで現実世界の起きてる事じゃないですよ。とはあるんですけどね。
それにしても俗な演出だなぁと。
大衆向けの娯楽作品なのだから妥当といえば妥当であり、夢枕獏関係なく世に数ある〝安倍晴明を主人公にした陰陽師もの〟として見ればまぁまぁ楽しめました。

事実と真実の違いを知っているか? 事実とはありのままのできごと、真実とはその人間の主観に基づいて導かれた結論。各々の受け取り方によって変化する概念。
人は自分の見たい事しか見ない、聞きたい事しか聞かない、信じたい事しか信じない。
これこそが〝呪〟だ。

みたいな説明もよかったです。
それと冒頭で登場人物を平安時代の言葉で喋らせてから「これでは意味がわならないので現代語訳します」てする手法は実にクレバーでお見事。
これなら後からいくらでも当時には無かった表現や現代の俗語を使っても〝意訳〟という事になりますからね、ファンタジーじゃがいも警察みたいな連中が「青天の霹靂という言葉は宋の時代の詩人の作から生まれたものだから、それ以前の日本で使われるのは間違い!」なんてツッコミ入れてきても無問題。
「催眠術」「深層心理」「ガラス瓶」「統計学」「コネ」とかの平安時代感台無しの科白もセーフ! セーフ! セーフ!
繰り返すけど平安時代感台無しだけどな!
おまえも文章のプロならそれらしい言葉を選ぶなり作るなりしろよと思うし、俺がホン書く時もそう努力するけど、とりあえずセーフ!
あたしが晴明の悪口を言ってもいいけど、他の人が言ったらダメなんだからね!
という博雅のキャラクターとか女の人好きそう(´∀`*)ウフフ
あと嶋田久作がちょい役で出てるから、いつ加藤保憲が乱入してくるのかヒヤヒヤドキドキウキウキでした。(´∀`*)ウフフ

805名無しさん:2024/04/23(火) 21:13:06
『成功したオタク』
“推し”に大量の時間とお金を献上し、ようやく認知されされたオタク。
そんな“推し”が性加害で逮捕された。
今まで注ぎ込んできたお金と時間は何だったのか…
そんなオタクたちに注目した韓国ドキュメンタリー。

“推し”という表現をすることで聞こえは良いが、実際は“依存”であるということを思い知らされた。
芸人やアイドルにお金を注ぎ込み、“太客”として認知されることが“推し活”の到達点であり、それに幸福を感じている。
“推し活”についての良い悪いを議論するドキュメンタリーではない。
movie.moo.jp/2024/04/20/%...

806名無しさん:2024/04/27(土) 11:38:02
川崎チネチッタで『リンダはチキンが食べたい!』観ました。
https://chicken-for-linda.asmik-ace.co.jp/

フランス郊外の公営団地で母ポレットと二人で住む8歳の少女リンダ。ある日のことポレットの結婚指輪を盗んだ罰として厳格な伯母アストリッドの家に連れて行かれるのだが、それはポレットの勘違いだとのちに判明する。
お詫びに何でもするというポレットにリンダは亡き父がよく作ってくれた思い出の料理パプリカ・チキンを食べたいと頼む。
しかし街はストライキまっただ中で精肉店もスーパーも営業しておらずチキンは手に入らない。
そこでポレットは養鶏場から生きた鶏をかっさらうという強硬手段をとり、それを機に警察や団地中を巻き込んだ大騒動に発展する事に――。

こちらフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞のクリスタル賞に輝くなど世界各国で高い評価を得ているアニメーション作品となります。
特筆すべきはその映像描写。キャラクターはシンプルな筆遣いで描かれており、リンダは黄色、ポレットはオレンジと固有の色づけがされるなど一人一色があてがわれている。
実にシンプルでユニークな方法で多様性を表現しており、性別や人種に縛られる事なく個々人の個性や性格をの違いを色分けしていてお見事。
そして近くでは表情が描かれるが遠ざかるとぼんやりとした円形にしてしまうという大胆な演出にも驚かされた。
お話そのものは痛快なドタバタ劇だが生と死や親から子へと引き継がれる想いなどのテーマや、公営団地に住む人とそうでない人、ストライキやデモに参加する人とそうでない人。裕福な資本家と貧しい労働者の格差などが押しつけがましくなる事なく描かれているあたり実に深い。
大人も子どもも両方楽しめる良作で観て損はない逸品。

あと入場特典でパプリカ・チキンのレシピが書かれたカードもらったのでざっくりと作ってみました。
ちょっと汁気が多くてそのまま食べるのではなくライスやパスタにかけたら合いそうな味です。

807名無しさん:2024/04/27(土) 11:38:31
ジャック&ベティで『海街奇譚』観ました。
https://umimachi-kitan.jp

失踪した妻を探してカメラ片手に旅をする映画俳優のチューは妻の故郷である離れ島にたどり着く。そこでは漁師の守護仏の頭が無くなったため海に出た人たちが帰って来ず、人々は漁に出られなくなっていた。
チューが泊まった宿の女将が身の上話をする、かつては彼女の妹が宿屋を切り盛りしていたが、何年も前の8月5日に出ていってそれっきりだという。壁にかけられたカレンダーの日付は8月5日のままになっていた。
オフシーズンの寂れた街のダンスホールの愛想のない女性店主が語るには5年前に漁に出たきり帰ってこない夫の帰りを待ち続けているという。
街には他にも出ていった母に会いたがっている子どももいた。
この街では誰もが喪失を抱え、誰かの帰りを待っていた――。

夢か現か、過去と現在が交わる奇妙な展開。
常に曇天に覆われ四六時中雨が降っている島はまるでそこだけ現実世界から切り離された異界のよう。
まるで銀幕から生ぬるい潮風が吹き、じっとりとした雨が体にまとわりつくかのような感覚におちいりました。
墓場のようなテトラポット群、船の中にいるように錯覚する丸窓のある家。
カブトガニ、クラゲ、タコといったグロテクスかつ官能的な海洋生物たちが頻繁に画面に出てくる様はまるでこの島が海に取り込まれてしまっているみたい。
なんだよこの『インスマスの影』みたいな流れはは……。けど宇宙的恐怖展開にはならず、静かで独特な世界が描かれていてゆきます。
なんとも妙な味わいの映画。
万人受けする娯楽作品ではありませんが、変わった作品に触れたい人は試しに観てみてはどうでしょう。

808名無しさん:2024/04/27(土) 11:38:54
横浜シネマリンで『プロスペローの本』観ました。
https://greenaway-retrospective.com/

ミラノ大公プロスペローはナポリ王アロンゾーと共謀した弟アントーニオに国を追われ、娘のミランダと共に絶海の孤島に流され岩屋に幽閉される。
アロンゾーへ復讐するためプロスペローは友人ゴンザーローから譲り受けた24冊の魔法書を読み解く事で魔力を得て、その力で島にいる怪物キャリバンや精霊エアリエルを使役し魔法の力で復讐を果たす。

こちらシェイクスピアの戯曲テンペストが原案、1991年に公開された作品の2011年HDリマスター版を無修正で劇場初上映されたものとなります。
なんで無修正かというと出演する男も女も真っ裸率が多く、おっぱいもチンコも丸出しだからです。
まるでゲキシネを観ているかのような演劇的な演出で、終始プロスペローが音吐朗々と科白を言う様は舞台劇そのもの。
近年のVFXなどとは趣の異なる特撮や独特の色彩感覚に〝映像の魔術師〟という言葉が浮かび、独創的な映像と音楽に脱帽、圧倒された。
よくわからないけどむちゃくちゃ人を使って手間ひまかけて金使っているなぁと散文的かつ俗な感想を抱いてしまいました。
世の中にはこのような作品もあるのか――。

809名無しさん:2024/04/28(日) 01:00:40
キノシネマで『マンティコア 怪物』観ました。
https://www.bitters.co.jp/manticore/

主にクリーチャーデザインを担当するCGデザイナーのフリアン。
隣家の少年を火事から救った夜、胸の苦しみを感じ病院に行くとパニック障害だと判断され抗不安薬を処方される。
もやもやした思いを抱えるある日、同僚の誕生日パーティーでディアナという女性とに出会う。ディアナは美術史を習っており、映画や芸術やゲームといった共通の話題もあり親密になってゆく。
しかしフリアンのある軽率な行いにより悲劇に見舞われる事に――。

タイトルのマンティコアとは獅子の体に人の顔、サソリの尾をした空想上の怪物。
フリアンがふとした拍子にこの怪物と自分を重ね合わし愕然とするシーンでは観ている側も同様の衝撃に襲われた。
この作品、観た人によって千差万別まったく異なる感想を抱くと思われる。
人によっては「は? なにそれなんで? どういうこと?」となるだろうし、主人公のフリアンに共感する者、嫌悪感を抱く者、まったく真逆の感情がわき立つかもしれない。
現代社会では許されない気持ちを心の奥底に秘めたフリアンだが、ディアナもまた心に闇を抱えている。
個人的には電脳監視社会の恐怖と息苦しさ、そして表現と創作の自由に対する弾圧と侵害という言葉が浮かんだ。

「あれは絵だ、現実じゃない」
「けれども私は傷ついた、私は現実よ」

こんなロジックが通用するのならこの世の創作物のすべては破棄され弾圧される事になる。
世界的ベストセラーや古典的名作であっても不快に感じる人は絶対にいるはずだ、そんな少数の意見を聞いていてはきりがない。
見なければいい。
読まなければいい。
近年のSNS界隈で大声をあげている「私が不快に感じるものは存在自体が許されない、みんな私とおなじ気持ちになって一緒に叩いて!」という排他的で醜い欲求と願望にまみれた連中の主張には怒りと呆れしか感じない。
また、こういう絵にイチャモンをつける輩は総じて現実の性被害者はスルーしており、乳のデカい女のイラストにまで文句つけるくらい暇なのに中学生を強姦した狂土人に関しては全力でスルーしているのは噴飯ものだ。
川口市に行って日本の治安を脅かす夷狄相手にMeToo運動でもしてこいと言いたい。

810名無しさん:2024/05/02(木) 00:51:40
川崎チネチッタで『キラー・ナマケモノ』観ました。
https://namakemono-film.com/

大学の女子学生クラブ「シグマ・ラムダ・シータ
に所属するエミリーは大学4年を迎え、学生生活最後の年になっても地味で冴えないキャンパスライフに焦りを感じていた。
そんなある日、密輸動物をあつかうオリヴァーと出会った縁で物珍しいナマケモノを入手。
女子大生たちは愛くるしいナマケモノに夢中になり、エミリーの提案で寮のマスコットになり「アルファ」と名付けられた。
勢いに乗ったエミリーは会長選挙に立候補し、横暴な現・会長の〝クイーン〟ブリアナの鼻を明かす。
しかしアルファは見た目の可愛らしさとは裏腹に高い知能と殺人技術を持ったキラー・ナマケモノだった。
アルファを迎え入れたその日からひとり、またひとりと学生たちが餌食となり血祭りにあげられ、寮
は生獣《ナマケモノ》の館と化していく――。

もの凄い安いカップ麺が売っていて、それを買って食べたら安物のカップ麺の味がしたとしても怒らないですよね? だって安いカップ麺だとわかっていて購入したのですから。
こんなタイトルとストーリーなら当然クソ映画じゃないですか、それをわざわざクソ映画だ! と憤慨する方がおかしい。
つまりそういう事です。
そういう映画です。
安っぽいナマケモノのぬいぐるみが安っぽい鳴き声をあげた段階で「ああ、これテレ東の午後ローでやるやつだ」「観なくてもいいやつだ」「お金払って観たらダメなやつだ」と開始数秒で気づかせてくれましたよ。
序盤の学校内のヒエラルキーやカースト、フォロー数でSNSの序列を面白おかしく皮肉たっぷりにあらわす演出は良かったですね。
ただ物語の肝であるナマケモノのくだりにはまったく惹き込まれることができなかったです。だってスマホやパソコンを平気で駆使するわ車を運転するわ(ちゃんとシートベルトして赤信号で止まる)機敏に動き回るわで、これもうナマケモノ要素いらないでしょ?
さらに銃で撃たれても刀で刺されても死なないモンスターぶりで、最終的には人語を発するとか、ほんとナマケモノ要素いらないでしょ?
もっとこう、現実の動物感を出してナマケモノらしい殺戮方法とか特徴を描くのを期待していたので残念。たとえば長時間木にぶら下がる握力の持ち主にふさわしく人の頭部をゆ〜っくりミシミシメキメキ握り潰すとか――と思って念のため調べたら奴ら握力0Kgで長い爪を引っかけてぶら下がっているだけで、筋肉も少なくその体重の低さゆえに木にぶら下がっていられるとか。
う〜ん、戦闘力皆無だ。
世の中には。高レベルのサムライやニンジャの首を一撃で切り落とすウサギも存在するし、もう殺害方法はファンタジーでいいし、高い知能やどこで習得したのか謎な運転技術やIT知識も空を飛んだり地面を泳ぐサメが闊歩する業界では些末な事でしょう。
何よりの問題はこの題材、この舞台なのにおっぱいが皆無だということです。
俺ならシャワーゲームで透け乳首を見せたりレズセックスの場面を入れるのに――。

811名無しさん:2024/05/03(金) 09:21:19
川崎チネチッタで『ゴジラxコング 新たなる帝国』観ました。
https://godzilla-movie.jp/

未確認生物特務機関『モナーク』が地下空洞世界で異常なシグナルを察知した事を発端にゴジラのいる地上とコングのいる地底、ふたつの世界が交差する事態となりゴジラとコング、二体の怪獣がふたたび激突するかと思いきや――。

こちらハリウッド版ゴジラの最新作となります。
ゴジラとキングコングが激突し、死闘を繰り広げた2021年のシリーズ前作からは一転。タッグを組んで共通の敵と戦う展開となる。
CGを駆使した迫力満点の怪獣プロレス満載で娯楽性が強い一方で物語性は薄い。
真面目ゴジラ映画を期待して観るとすると損をしそう、そもそもゴジラの出番が少ない。コング側に焦点が当たっているためキングコングのファンなら満足できるかも。
新怪獣はいずれも〝怪獣〟というよりもモンハンに出てきそうなモンスターみたいに感じるのは私の感性が老化しているからか……。
地球の地下に広がる空洞世界の脅威と神秘に満ちた描写、生態系の不思議などは良かったです。
近代都市も古代遺産も容赦なく壊してしっちゃかめっちゃかに暴れ回る怪獣の姿は多くの大人たちの子ども心を刺激して楽しませてくれることでしょう。
大人向けのストーリー展開なぞ取っ払ってド派手な怪獣プロレスに舵を切った痛快娯楽作でした。
あとローマの闘技場を気に入って( ˘ω˘)スヤァしに帰るゴジラがかわいかった。

812名無しさん:2024/05/03(金) 10:14:04
4月に観た映画。
『ピアノ・レッスン』『テルマ&ルイーズ』『呪術廻戦』「渋谷事変」セレクション上映』『悪魔の追跡』『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』
『オーメン:ザ・ファースト』『インフィニティ・プール』『パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜』『映画の朝ごはん』『クラメルカガリ』
『クラユカバ』『陰陽師0』『リンダはチキンが食べたい!』『海街奇譚』『プロスペローの本』
『マンティコア 怪物』

813名無しさん:2024/05/08(水) 01:50:14
みなとみらいのキノシネマで『マリウポリの20日間』観ました。
https://synca.jp/20daysmariupol/

2022年2月、ロシアの侵攻を受けたウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ。
ロシア軍が迫るなか、あえてこの街に残り事実を記録しようとしたAP通信の取材班らが命がけで撮った映像にもとづくドキュメンタリー映画。
監督のミスティスラフ・チェルノフはAP通信の記者でウクライナ出身。マリウポリの危機を察知し、同僚と現地入りしたわずか1時間後に侵攻が始まったという。
この冒頭場面で述べられた「戦争は爆発からではなく静寂から始まる」という言葉が印象深い。
ロシア軍の攻勢が強まるにつれて水道や電力、食料の供給が断たれる。さらに電波塔を破壊されたことで情報が遮断され、外部との通信も出来なくなると混乱が広がり、自分が暮らしている街で略奪行為に走る姿には言葉を失った。

「戦争はまるでX線のように人々の内部を映す。善人は人のために尽くすようになる一方で悪人は悪行に走る」

負傷した人々を救うために奔走する医師の一人が述べたこの言葉も心に残る。
大仰なBGMなど流されず、映画は最初から最後まで思う響く爆撃音と乾いた銃声、重傷を負った人たちの絶望と恐怖と苦痛のうめき声が聞こえてくる。
人の死と街が破壊される様子がひたすら流れる。
学校の近くでサッカーをしていた時に爆撃を受けて両脚を吹き飛ばされて死んだ少年や片足を失い血まみれで病院に運ばれる妊婦。
かろうじて助かる人もいれば救命むなしく死んでしまう人は多い。生後18ヶ月でこの世を去った赤ん坊の姿も。
集団墓地に押し込まれる数え切れない数の遺体、墓石の代わりに立つのは「5815」などの〝数〟が書かれた簡素な墓標――。
スクリーンからは目を覆いたくなるような惨状が最初から最後まで映し出される。
この映像を世界に発信してほしいと訴える医師や警察官の願いに応えて取材班は危険を冒し、インターネットが通じる場所に出向き、このようにロシアの蛮行が世に知らされることになった――。

ロシア政府は爆撃を受けて負傷した妊婦の映像をはじめ、これらの映像をフェイクニュースと断じたロシア政府の発言と侵略行為そのものに怒りと憎しみしか湧かない。
思えばロシアのウクライナ侵略がはじまった当初、日本にはプーチンの肩を持ち陰謀論まで持ち出してゼレンスキーを避難し、嘲笑する日本人までいた。
SNSでそのような輩を見かけたら相互フォローしていてもブロックしていたものだ。
日本人のくせにロシアの悪を知らないのだろうか、歴史を知る本物の日本人ならば鬼畜露助の擁護などしないはず。
そもそも日本とロシアは友好関係にない、平和条約を結んでいない。先の戦争でロシアが北方領土を不法占拠しているからであり、ある意味で戦争状態が続いているようなもので、これはお互いに〝敵国〟のままということ。
四六時中領海・領空侵犯してくるロシアは日本にとって驚異でしかなく、ロシアに侵略されるウクライナの姿は明日の日本の姿なのかもしれないのにロシアに肩入れしウクライナを他人事あつかいするのは危機感が無さすぎる。
1806年にロシアが樺太や択捉の日本人居留地を襲撃、略奪をした文化露寇を皮切りに日露関係はロシアの侵略からはじまっている。
樺太は250年に渡り松前藩が治めていた土地にも関わらずロシアは1853年に一方的に樺太の領有を宣言、ロシアと戦う力の無かった明治政府は1875年の樺太・千島交換条約でいたしかたなく樺太を放棄させられる。樺太も千島も日本固有の領土なのに〝日本の領土と日本の領土を交換〟してロシア領にするなど道理に合わない。これは武力を背景に侵略した土地を正式な条約で割譲されたように偽装している、いかにも南蛮の夷狄連中が好みそうな所業だ。
このような悪辣な手口を使いかねないからウクライナは簡単に降伏したり軽々しくロシアと交渉しないのだ。ゼレンスキーの徹底抗戦には理由がある。
そのゼレンスキーを元芸人だからと侮蔑したり、諸国にカネをせびる乞食のようだと軽蔑する輩こそ認識を改めるべき。
元芸人だからなんだというのか。人類の歴史上、草鞋売りや奴隷の身分から皇帝になった者だっているのに、芸人だからなんだというのだ。
自国のために恥も外聞もなく他国に頭を下げるなんて立派ではないか、自国民には重税を課して他国にはばらまく増税売国クソメガネより遥かに優秀な為政者だ。

ロシア侵略がはじまった最初の数日間でマウリポリ住民43万人の四分の一は脱出できたというが、たとえ死を免れたとしても国を追われる精神的苦痛は想像を絶する。
ストレスの研究者によるとストレスは人を死にまで追い詰める猛毒という。
それに反して幸福感は他愛もないほどささやかなことで満たされる。
つまりは安住の地と安定した生活を失うと言うことは結果的には死を意味するということではないだろうか。
逃亡や降伏が最善の選択肢とは限らない。そうすれば死が幾らか遅くなるだけ。身を捨てて戦うには充分な理由だろう。

814名無しさん:2024/05/12(日) 04:41:14
川崎チネチッタで『タイガー 裏切りのスパイ』観ました。
https://tiger3-movie.com/

インドの諜報機関RAW《調査分析局》に所属する凄腕エージェントのタイガーにアフガニスタンに潜伏中の同僚ゴーピーの救出任務がくだされる。
見事に助け出すもゴーピーは深傷を負っており、タイガーの妻であるゾヤが二重スパイだという言葉を残して命を落としてしまう。
胸に疑念を抱きつつも愛するゾヤとの日常生活を送るタイガー。だが情報屋の身柄を確保する任務におもむいた際にゾヤの襲撃を受ける。
果たして彼女は本当に二重スパイなのか? さらにタイガーは印パ両国に亀裂を生じさせ、パキスタンの自由と民主主義を脅かす陰謀にまで巻き込まれてゆく――。

こちら『タイガー 伝説のスパイ』『タイガー 甦る伝説のスパイ』に続く『タイガー』シリーズの3作目となります。
もうとにかくアクションが凄い、圧倒されました。
もはやツッコミを入れることすら野暮な〝主人公には敵のモブキャラの銃弾が当たらないのに主人公が敵のモブキャラに撃つと百発百中〟というアクション映画では定番の主人公補正ですが、今作はまさにそれを極限まで極めている感じ。
そんな無茶苦茶な事できるかよ! できちゃったよ! なシーンの連続です。
冒頭からして銃弾の嵐の中をバイクで疾走、崖の上からヘリコプターめがけてジャンプ! ヘリの足を見事に掴んで華麗に脱出とか、おまえその角度からならプロペラに切り裂かれるだろ……でもかっこいいから気にしない! 気にしちゃいけない!
こういう活劇描写が満載でアクション映画好きには垂涎の作品でした。
さらに今作は世界観を同じくする他の映画とのユニバースものであり『PATHAAN/パターン』ではタイガーが向こうの主人公パターンの窮地を救いましたが、今回は逆にパターンがお助けキャラとして登場するという胸熱展開。
そしてエンドロールの後には新たな物語のはじまりが――。
観てください!

インド映画を観たのでインドっぽいものが食べたくなりチキンティッカとケバブを食べました。
うん、程よくスパイシー。

815名無しさん:2024/05/12(日) 04:41:32
みなとみらいのキノシネマで『胸騒ぎ』観ました。
https://sundae-films.com/muna-sawagi/#modal

デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセ、娘のアウネスの三人が休暇でイタリア旅行中にオランダ人夫婦のパトリックとカリン、その息子のアーベルと出会い意気投合。
数週間後にパトリック夫婦からの招待状を受け取ったビャアンは家族を連れて人里離れた彼らの家を訪ねる事になるのだが、この一家、どこかおかしい……。
菜食主義を公言しているルイーセに肉を強要するなど妙に無神経で粗野なところがある。
再会を喜んだのも束の間。会話のなかで些細な違和感や不満が生まれていき、それは段々と広がっていく。
彼らの厭なおもてなしに居心地の悪さと恐怖を覚えるビャアンとルイーセだったが、毅然とした態度を取れずに週末が終わるまでの辛抱だとパトリック家に滞在する事を選択したのが運の尽き。ビャアン一家に想像を絶する恐怖と絶望が襲いかかる――。

不穏なカメラワークや音楽、頻繁に漂う気まずい空気や不安感の演出は上手い。
上手いのだが肝心のストーリーはというと……。
ホラー映画に往々にしてある〝登場人物がありえないくらい愚かな行為をする〟を地で行く主人公たちの行動によって物語が成り立っている、ある意味でご都合主義展開は人によっては受け入れられないかも。
何回も危険から逃れる機会があったのになにしてんだよおまえら……。
そんな主人公サイドの愚かな行動に助けられている加害者側も、こいつら運の要素に頼りすぎだろと。普通の人だったらとっとと遁走しているのに過去そんなに被害者がいるなんてどんだけ――それにその◯◯行為の資金源や人脈はどうやって工面しているだよと細かいことが気になって仕方がない。
いや、ほんと無理があるって。中世ならまだしも現代でそんな青ひげ公的行為をしていたら絶対に足がつくから!
厭な雰囲気だけを楽しめるシチュエーションものホラー映画だと割り切って観に行くのならありかも。
正直おすすめはしません。
またつまらぬものを観てしまった……。
でもイノシシ肉やオランダ料理のスタンポット(茹でたポテトと野菜を潰してまぜたもの)は美味しそうでした。
あとオランダのチーズも食べたくなりましたね。

それと野水伊織がこんな闇の深いコメントを書いていました。


続いて『アイアンクロー』観ました。
https://ironclaw.jp/

早くに長男を亡くしたフリッツは次男のケビンを筆頭に最強のプロレス一家を作りあげることに執念を燃やしていた。
しかし三男が巡業中の日本で急な病で亡くなり、過酷なトレーニングや薬物依存などが原因で四男と五男も相次いで亡くなってしまう。
残されたのは自分よりも人気を集めていた弟たちに複雑な感情を抱きつつ支えていたケビン。彼の苦難と葛藤に満ちた壮絶な運命を乗り越える姿を描くプロレス映画。
タイトルのアイアンクローとは大きな手で相手の顔を鷲づかみにしてギブアップを狙うプロレスの必殺技。
この技を生み出して〝鉄の爪〟の異名をとり、1960〜70年代の日本でジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げたアメリカの伝説的なプロレスラーであるフリッツ・フォン・エリック一家の実話をもとに映画化。
本物のプロレスラーのように肉体を鍛え上げてほぼスタント無しに撮影したという試合場面は迫力満点で、フィルム撮影で再現した80年代の映像にも魅せられた。
〝毒親に育てられたスポ根兄弟のお話〟というひと言では済ませられない興奮と感動、怒り、恐怖、悲しみの感情を揺さぶられる人生の物語。
残された者の想像かもしれないあの世での兄弟の再会場面はぐっときました。
プロレスファンや当時を知る年代の人でなくても心に響くものがあると思います。
あと筋肉モリモリのマッチョマン好きにもたまらない映画でしょう。

816名無しさん:2024/05/14(火) 23:32:28
ジャック&ベティで『ゴッドランド/GODLAND』観ました。
https://www.godland-jp.com/

アイスランドの辺境の地に教会を建てよとの指示を受けた若きデンマーク人の牧師ルーカス。
荒海を渡り、馴れない馬に乗り、荒野を進む旅は過酷なものだった。
さらに案内役のアイスランド人ラグナルはデンマーク嫌いでルーカスとは反りが合わず、一行の通訳者が脱落した事でルーカスは孤立と溝を深め、やがて心身を害してゆく。
瀕死の状態となるもなんとか村にたどり着くのだが――。

物語の舞台はデンマークの統治下に置かれていた19世紀後半のアイスランドの辺境。
当時のデンマークとアイスランドの関係を知っていればより深く物語を理解する事ができるだろうが、そんな最低限の知識などなくても異文化間の衝突や国や民族の対立、自然と文明の対比、形骸化された信仰や人の酷薄さなど普遍的なテーマが描かれている内容に浸れること間違いなし。
芸術性の高い映像や、これはどういう意味があるのか? という、いかにも暗喩が込めらているような科白が印象に残る。
俺、バカだからよくわかんねぇけどよ〜。みたいな人でもアイスランドの過酷で荒涼とした、それでいてある種の美しさを感じさせる自然の景観に目を奪われる事でしょう。これを観るだけでも劇場に足を運ぶ価値あり。
火山の噴火と流れる溶岩の姿はさながら地獄の蓋が開いたかのように禍々しく畏怖しました。

アイスランド――北大西洋に浮かぶ現在では共和制の国は北海道と四国を合わせた面積に相当する小さな島国ですが雄大な自然が広がっているようです。活発な火山活動と地表の約10%を覆う氷河が存在する火と氷の国はまるで異世界ファンタジー世界のよう。

ところでキリスト教ってやたらと布教に熱をあげて未開(非キリスト教圏)の国に宣教師を遣わしているイメージがあります。
キリスト教主義は未開の民をすべて神の子としてキリスト教的に教育して自分たちのルールを教えて理性を持った存在に育てあげるというのか信仰上の功徳になるとでも思っているんでしょうけど余計なお世話ですな。
キリスト教がそんなに尊い、ありがたいものならそっちから押し売りしなくても他国から教えてくれって押しかけると思うんですよ。
天竺にありがたいお経を取りに行ったり唐に密教を学びに行くように。
わざわざローマにまでキリスト教を学びに行くような外国の人っていたんですかね?
蛇足の蛇足ですが私の世代ですと1549(以後よく)広まるキリスト教。という語呂合わせでキリスト教伝来の年を覚えました。
ちなみに鉄砲伝来は1543年で〝銃後予算が増えます〟ですが人によっては違う模様。
この語呂合わせとかで歴史上の出来事を丸暗記する教育って令和の今でもやっているんですかね?
そんな教育に何の意味があるのか。何年に何が起きたかではなく、なぜそんな事が起きたかを考え、学ぶ方が大切でしょうに。

「吾々宦官の権力は、皇帝をあやつることによって得られる。そのためには皇帝を愚かで無知な状態にしておかねばならん。皇帝を愚かにしておくには、本を読ませてはいけない。とくに、けっして歴史を教えてはいかんぞ。過去の歴史を知り、現状に疑問を抱くようになったとき、皇帝は宦官のいうなりにならなくなるのだ」

ずいぶん昔に出た某小説に書かれた一文ですが、感銘を受けました。

817名無しさん:2024/05/16(木) 04:55:35
ジャック&ベティで『マイマイ新子と千年の魔法』観ました。
https://www.mai-mai.jp

物語の舞台は昭和30年代、緑豊かな田園と自然に囲まれた山口県防府市・国衙。
額にマイマイ《つむじ》を持つ新子は緑の小次郎というイマジナリーフレンドを生み出すほど想像力豊かで、祖父から聞いた話をもとに千年前の町の姿や、そこに暮らす人々の様子を想い浮かべて日々を過ごしていた。
ある日のこと東京から貴伊子という転校生がやって来る。物怖じしない新子はすぐに打ち解けて仲良くなり、貴伊子もまた田舎に馴染んで新子たちと友だちになる――。

こちら2009年に公開されたアニメーション作品の35mm上映となります。
原作は芥川賞作家である髙樹のぶ子が自らの幼少時代をモデルに描いた自伝的小説『マイマイ新子』で、特筆すべきは当時の暮らしぶりの描写。
自分が生まれるずっと前の世界なのに妙な郷愁を感じます。
『窓ぎわのトットちゃん』では電気を使わず氷を入れて冷やす氷室タイプの冷蔵庫に驚きましたが、今作でガス冷蔵庫なる物の存在を初めて知りました。
ガスで火を点けて冷やす!? 燃えてるのに冷えるの!? どんなメカニズムなんだよ、すげぇな昭和の技術。未知のテクノロジーに感嘆する異世界人の気持ちが少しわかった気がします。
あとポン菓子。
子どもらが持ち寄ったお米を謎の機械に入れてポンッ! するとポップコーン的なお菓子の出来上がり。なんだこの不思議マシーンは!
前述したように新子はイマジネーション豊かで千年前の町や人々の姿を想像し、その様が現実の世界とかぶさる演出は映像作品ならでは。これを文章で表現するのは難しい。
当時の文化や風習、絵的な表現は文句なしに楽しめたのですが正直お話自体はというと何が書きたかったのかとっ散らかっている印象を受けました。
戦後版『アルプスの少女ハイジ』がしたかったみたいだけど、千年前のお話とか他のエピソードとかわちゃわちゃしてくるんですよ。個々のお話としては良いんですけど、全体を総合するとまとまりがない。
こちらもアマチュアとはいえ物書きなので書きたいものを全部詰め込みたいという気持ちはじゅうぶんわかるのですが、客観的に考えるとやはり物語全体のバランスは大事だなぁと思いました。
まぁ、創作なんて作り手の自由にこしらえるのが一番なんですけどね。最初から他人の目を気にするくらいなら創作なんてしない方がいい。

818名無しさん:2024/05/18(土) 08:40:33
「わたしにとって、映画は魔術。観客とわたし自身双方の知覚を再編成し、意識を拡げて世界と触れ合う創造的な方法」

ニナ・メンケス

819名無しさん:2024/05/19(日) 01:18:22
横浜シネマリンで『光る鯨』観ました。
https://www.hikarukujira.com/

幼少期に起きた交通事故で両親を亡くした23歳の志村イトはコンビニで働きながら姉の冬海と二人で暮らしていた。
イトには密かに想いを寄せる高島はかるという新人作家の幼馴染みがいたが、はかると連絡が取れなくなり4ヶ月が過ぎようとしていた。
そんな折に転居の話が持ち上がり、古いPCから幼い頃の動画が流れたのを見たことを機に、かつて家族で暮らしていた高層団地へと向かう。その手には
はかるの処女作『光る鯨』が握られていた。
古いエレベーターに乗り、上昇と下降を幾度も繰り返すうちに過去の記憶がよみがえる。
不思議な感覚に包まれて外へ出ると、夜空にはありえないくらい巨大な月が浮かんでいた。
驚愕して唖然とするイトの前に消息を絶っていたはかるが現れる。

「1ヶ月ぶり?」
「4ヶ月でしょ!」

たんなる記憶違いではない、時間の流れが変わっていた。イトは元いた世界とは異なる並行世界へと足を踏み入れていたのだ――。

こちら〝異世界エレベーター〟という都市伝説を題材にしたお話となります。
元ネタを知っていれば理解できたのかも知れませんが、決まった順番にエレベーターのボタンを押して上下するうちに異なる世界に行くという設定を知らないとイトがEV内でボタンを押して上がったり下がったりする行為に「?」てなっちゃうんですよね。
『光る鯨』を見ながらそうしているから本に手順が書かれていると思われるのですが、作中で『光る鯨』は並行世界について書かれた話だと説明があっても方法までは語られていないため、なにしてんの? てなりました。
ちょっと説明不足なんじゃないかと。
その並行世界なんですが「あなたに会いたくてあなたが死んでいる世界線から来ました」て場合、死んだ人が生きている世界には別の〝会いに来た人〟が存在するわけでしょ? 同一世界に同じ人物が二人存在することになる。
もしくは逆に最初から存在しない、向こうはこっちを知らない。
でもそいう描写もなく、なんか普通に同じ記憶を共有しているんです。しかもなんか達観していて、これって並行世界というよりも一種の〝あの世〟的な世界、設定なんじゃないかなぁ……。
終盤ある歌が重要な使われ方をしていて、その歌詞が内容と重なっているんですが、一部だけ重ならない部分がある。監督が言うには尺の都合で撮れなかったそうですが、だったらあのあまり意味のない濡れ場を外してそのシーン入れた方が良かったのでは?
監督の森田博之という人は今作がSF作品である事を強調し、作中でフィリップ・K・ディックの『高い城の男』を言及させるなどしているんですが、並行世界をあつかったガチのSF作品というよりかはいなくなった人に会える、喪失感を回復する叙情的な癒やし系ファンタジーという印象を受けました。

なんか色々とコレジャナイ的な感想になってしまいましたが、じゃあおまえが〝異世界エレベーター〟をテーマになんか書いてみろとお題を振られたらどう料理するか、思案のしどころですね。

あと映画上映後に監督と出演者の舞台挨拶がありパンフレットにサインをしてもらいました。

いつの日かこのようなサインを書いてもらう側ではなく書く側になりたいものです。

820名無しさん:2024/05/22(水) 01:30:26
横浜ブルク13で『フューチャー・ウォーズ』観ました。
https://klockworx-v.com/future/

時は西暦2555年。
2022年に起きた大規模な原発事故により地球は汚染され人類は滅亡の危機に瀕していた。
そんな世界を救うためひとりの時空移動者が過去へと戻り、原発事故を未然に防ごうとするも歴史の改竄を阻止すべく時空警察の追手が執拗に迫る。
果たして男は絶望的な未来を変えて人類を救う事ができるのであろうか――。

こちらフランス製のSFコメディ映画となります。
そうです、コメディ映画。
邦題や予告編を見ると『ターミネーター』みたいな激しいアクションのあるハードな未来戦争ものかと思いきや、おフランス製らしいエスプリの効いたクスりとするような作品。
冒頭、メルトダウンを防ぐために青と黄色のどちらのボタンを選ぶかのかけ合い場面からして笑わしてくれました。

「技術者なのに説明書が読めないのか?」
「これ中国製だから読めない」
「よっしゃ時空移動して中国人の原発専門家連れて来たぞ!」
「ワタシツカウ北京語、ソレ広東語。ワカラナイヨ」
「時空移動して半年かけて中国語を覚えてきた。俺の事を覚えているか?」
「ああ、2秒前ぶりだから覚えてる」
「あ、ヤベッ。間違えて広東語の勉強してきた、北京語わからねぇ……」

そうこうしているうちに時空警察が登場。

「今の男はテロリストだから言っていることに耳を貸すな! ボタン? 青だ、青を選べ。青を押すんだ! あ、でもまだ押すなよ。俺らが消えてから押せ」
「なんか、怪しいなぁ……。でもまぁ言われた通り青押すか」

ポチッとな、ちゅど〜ん! キノコ雲ブワーッ。

ここ酷すぎて笑える。
たんなるバカ映画というわけでもなく登場人物のひとりが自らを犠牲に世界を救う事を選ぶ場面はぐっときました。
タイムパラドクスについてひとつの答えを出しておりますが〝存在しない存在として存在〟とかウヤムヤにされていて正直そうはならんだろ感を抱きましたが、フィクションなんだから細かい事は気にしない!
まだ誰もタイムリープしたことないのに机上の空論で否定するものではないですからね。
あまり話題になっていませんし、名作や大作というわけではありませんが楽しめました。
観てください!

821わたしは生きる価値の無い糞名無しです:わたしは生きる価値の無い糞名無しです
わたしは生きる価値の無い糞名無しです

822名無しさん:2024/05/23(木) 00:27:04
>>821
消えろカス

823名無しさん:2024/05/23(木) 00:57:25
川崎チネチッタで『PS1 黄金の河』観ました。
https://spaceboxjapan.jp/ps-movie/

物語の舞台は10世紀のインド。
南インドで繁栄を極めるチョーラ王朝のスンダラ王の長男アーディタと次男アルンモリ。2人の王子が領土拡張のためそれぞれ北方と南方で戦いを繰り広げるなか、聡明な王女クンダヴァイは父王の補佐をしていた。
しかし首都夕ンジャイではスンダラ王が長く病に伏し、パルヴェート侯を中心とした諸侯は王子ではなく従弟を次期国王として擁立する陰謀をたくらむ。
遠く離れた3人だが不穏な動きを察知し、共にこれに対抗すべく密使を送り出す。
一方パルヴェート侯の美貌の妻ナンディニは夫を陰で操りチョーラ王朝に揺さぶりをかけようと画策。その裏にはアーディタとの過去の恋愛と確執があった。
陰謀渦巻くなか、チョーラに滅ぼされたバーンディヤ国の残党たちまで王子の命を狙い暗躍する――。

愛憎と陰謀が渦巻く壮大なスケールの史劇はまるで金庸の書く大河小説のよう。
実際原作は1950年に書かれた『Ponniyin Selvan《ポンニ河の息子》』というインドの有名な歴史小説らしい。
とにかく登場人物の数と情報量が多いため相関図を片手に見たくなりました。
インド映画ではよくあることですが出てくる男性キャラのほとんど似たような髭面なので誰が誰だかマジでわからなくなる時があります。
特筆すべきは狂言回しに近い役回りの主人公デーヴァン。王子の密使として縦横無尽に駆け巡る八面六臂の活躍ぶり、口も達者なら腕っぷしも強く頭の回転もいい。
彼がおもむく先々の美しいインドの風景や建造物を見るのも楽しい。
同じ歴史ものでも『バーフバリ』に比べるとケレン味は少なく娯楽色はひかえめなのでそれを期待して観ると肩透かしを喰らうかも。

824名無しさん:2024/05/25(土) 23:37:53
ジャック&ベティで『悪魔がはらわたでいけにえで私』観ました。
https://harawata-ikenie.com/

バンドを組んでいるハルカ、ナナ、タカノリは連絡の取れなくなったメンバーのソウタの家を訪ねる。しかし彼の家は壁や窓ガラス一面に新聞紙が張られており異様な様相をしており、ソウタの様子も普通ではなかった。
呪文のような奇怪な声に導かれたナナが部屋の奥に貼られているお札を外すと異界への扉が開かれ、悪魔に肉体を奪われて異形の存在へと化し、仲間に襲いかかる。
ハルカは悪魔と化したタカノリとナナを撃退して逃れるが、悪魔は全世界へと解き放たれていた――。

整合性の無いストーリーや過去のオカルト・ホラーを中心とした作品への敬意の感じられない雑なオマージュ、なんでそんな事するんだよという理解に苦しむ登場人物の謎な行動などなど――。かなり見る人を選ぶ作品。
まぁ、こんなタイトルの映画を観に行く時点でクソを承知でクソを踏む覚悟完了しており良識ある人ならお金をもらっても見ないだろうし被害者はいないとは思いますが。
前述したようにお話の整合性は二の次で自分が見たい画、見せたい画をとにかく見せたいという気持ちを感じました。このあたりなろう系小説にも通じる魂だと思います。
暴徒と化した人々が無害な悪魔を襲うあたりの取ってつけたような人類批判やモノリス出せばオチると思ってんのかよとイラッとしてしまった自分はまだ修行が足りないよう。
知性ではなく感性で観て、そのうえで何を感じ何が残るのか。
私は頑張ろうという気持ちになりました。
だってこんな学生の悪ふざけで作ったような作品が各国で上映されて公になっているんですよ? こんなのが世に出て私の作品が世に出ないなんておかしいじゃないですか。
もっと頑張らなければいけない、書き続けなければいけない、そうでなければ生きている意味も価値もない。
絵も描けない映像も撮れない芝居もできない私には書くことしか残されていないのだから。

上映後に監督と出演者の舞台挨拶がありパンフレットにサインをしてもらいました。
野水伊織がまた変な映画にコメントを寄せている……。

825名無しさん:2024/05/28(火) 23:51:57
ジャック&ベティで『コンパートメントNo.6』観ました。
https://comp6film.com/

物語の舞台は1990年代のロシア。
モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラは恋人のイリーナと古代の岩面彫刻《ペトログリフ》を見に行く予定だったがイリーナに急な仕事が入ったため急遽一人旅に。
そんな彼女が寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのはモスクワのインテリたちとは正反対の粗野なロシア人労働者リョーハ。
客ガチャ大ハズレじゃねえか……。
そんか最悪の出会いから始まった二人の長い旅の行方はどうなるのか――。

寝台列車で相部屋になった男女が当初は反発し合うも次第に惹かれてゆく恋愛映画かと思いきやさにあらず。
人と人とのもっと深い部分の交流を描くロードムービーでした。
出会いこそ最悪でしたが長い旅の間でラウラはリョーハの粗野な中に宿るの純粋な優しさに触れ、リョーハはラウラが心に秘めた寂しさを感じ癒そうとして次第に打ち解けていく。
たがいに多く語らずも心が通じ合うようになってゆく最後はなかなかに感動的。
孤独な者同士が出会って別れる。だが別れた後の孤独は以前とは違う、そんなお話。
ただし万人受けする内容ではなく、人によっては退屈に感じるかも。

オーバールックホテルとかフレディ・ファズベアーズ・ピザとか、映画に出てくる場所とかだいたい行ってみたくなりますが、この映画の寝台列車だけは乗りたいとは思いませんでした。
なんかもう全体的に小汚くて狭くて猥雑としており、水も出ないし、あんな場所で同行者に恵まれなかったら最悪だなぁ。
映画の内容とは離れますが1980年代のロシアの国内便飛行機では客席は暖房をかけないのにトイレだけは暖房をかけていたそうです。
なぜならむかし凍結した便槽に落ちてケガをしてしまった子どもがいたそうで、それ以降はトイレだけは暖房をかけて大小便を凍らせずにいると、椎名誠がエッセイに書いてありました。
背面着陸したらえらい事になりそうだ。

826名無しさん:2024/05/30(木) 01:01:50
横浜ブルク13で『湖の女たち』観ました。
https://thewomeninthelakes.jp/

湖の近くの介護療養施設で止まるはずのない人工呼吸器の停止により100歳の老人が不審死したため警察が捜査に入る。二人組の刑事が介護職員の女性を事情聴取する。
福士蒼汰か演じる若手刑事の濱中は先輩刑事の傲慢で高圧的な態度に鬱屈して常に暗い表情で茫洋としている。そんな濱中が取り調べた松本まりかが演じる介護職員の佳代は被虐嗜好の持ち主で、それを察した濱中は彼女に強引に迫りやがて嗜虐と被虐、支配・被支配の関係が生まれて愛情に似た感情が芽生え出す――。

これは難解。
一見ミステリ風で事件の解決に向けて物語は進むのだが、描かれるのは謎解きだけではないし、それが主題だとは思えない。
介護施設での介護者に対する殺人事件、731部隊の悪行にまで遡る厚生省の薬害汚職事件とその隠蔽、自白を強要し冤罪も問題にしない腐敗した警察組織、そして最後に判明する真犯人の動機――。
おそらくこの映画で監督が伝えたい、表現したかった事は単なるミステリ、犯人探しではなく、そのような社会悪をはらんだ権力構造。そして人の悪性そのものではないかと思うのだが……。
良く言えば説明過多にならず抽象性の高みに達している、悪く言えば難解でわかりにくい。
いかんせんアレやコレや多くを詰め込みすぎて、かつそれらが微妙に噛み合わずとっちらかっている感は否めない。特にこのお話に必要性があるのかおおいに疑問なのが性的なシーン。
なんでそこでオナニー? となる自慰シーンや濱中と佳代のSMプレイはなにかの暗喩なのだろうか。う〜ん、いらないよね、それ。昔のピンク映画じゃあるまいし。
監督の名前は大森立嗣。
今後はこの人の作品はスルーした方がよさそう。

しかし松本まりかって凄いですね。39歳とは思えない、あどけなさすら感じる若々しい容貌と蠱惑的な声は『六番目の小夜子』の頃からちっとも変わっていない。この人、声優業に全力で取り込んでいたら堀江や田村を超える存在になったんじゃないかしら。

827名無しさん:2024/06/05(水) 23:25:10

みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『マッドマックス:フュリオサ』観ました。
https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/index.html

異常気象と核戦争によって地球は汚染され文明が崩壊し暴力が支配する「荒れ果てた地」となる。
そんな地球にも「緑の地」という楽園のような隠れ里があり、平和に暮らす人々の姿があった。
だがそこにディメンタス総長が率いる改造バイク集団の手先が侵入し、少女フュリオサが連れ去られてしまう。それを追いかけた母親は一時は彼女を救出するも深傷を負い、捕らわれてフュリオサの前で無惨に殺されてしまう。
虜囚となったフュリオサは要塞《シタデル》の支配者イモータン・ジョーとの取り引きの材料にされ、ディメンタスからイモータンのものとなり「子産み女」にされそうになるも逃げ出して男と偽り要塞での地位を築いてゆき、母の仇であるディメンタスとの戦いに身を投じる――。

こちら前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚、スキンヘッドに機械じかけの義手をはめた女戦士フュリオサの前半生を描く物語となります。
可能な限り音響設備の整った爆音の出せる大画面で観るベき映画であり、ユナイテッドシネマを選んだのは正解。この映画館はすべての席の椅子にスピーカーが内蔵されていて音と振動をガッツリ受けられます。嫌な人は肘掛け下のボタンでオン・オフ可能。でもこれ絶対間違って隣の席の押しそう。

巨大トラックを改造した武器満載の超重量級マシン「ウォー・タンク」は見る者を圧倒すること間違いなし。
特に後部に取り付けられた5つのトゲつき鉄球が高速回転して近づく者を容赦せず粉砕する〝ボミー・ノッカ―〟は実に禍々しい素敵なギミック。
砂漠を駆けるウォー・タンクを巡る戦闘場面はスクリーンから火薬やオイルのにおいが漂ってきそうなほどの迫力。これ、MX4Dで観たら本当に火薬やオイルのにおいが出るんじゃないか!?
息をつくヒマもないアクションに次ぐアクションの連続といった活劇場面のみならず人物造形も魅力的で、狡猾で残忍だがユーモアを感じさせるディメンタスの誇張されたキャラクターなどキャラ設定の参考になる事でしょう。ノベプラ民は必見。
観てください!


初めてみなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで鑑賞。
メンバーズカードのデザインは期間限定『マッドマックス:フュリオサ』にしました。
パンフレットはかなり分厚く読みごたえあり。
この映画は絶対に映画館の大画面で観るべき。

828名無しさん:2024/06/05(水) 23:25:35

みなとみらいのキノシネマで『バディモン5 望まれざる者』観ました。
https://block5-movie.com/

フランスのパリ郊外《バンリュー》には労働者階級の貧しい移民が集住する団地が立ち並んでいた。
市長の急死により臨時市長となった小児科医のピエールは汚職を追及されていた前任者とは異なりクリーンな政治活動を行う若き政治家。彼は法の順守と治安の回復を掲げて老朽化が進むバティモン5の建て替えを強行する。
バティモン5の住人で移民たちのケアスタッフとして働くマリ系フランス人女性アビーは移民たちの声を聞かないピエールに抗議するも一顧だにされない。
住民と行政の緊張が高まる中、強引な逮捕や立ち退き敢行などをきっかけに両者の衝突は激化して破局を決定づける――。

随所に行政の横暴が描かれるが役人たちもまた血の通った人間として描かれているのが特徴。
ピエールは私利私欲ではなく市政刷新の理想に燃えるからこそ強権を執行し、アフリカにルーツを持つ副市長は移民との対立を穏便に収めようと立ち回り、現場に立つ警察官は移民排除の実務に戸惑いを見せる。
アビーは矛盾だらけの行政に対して法の範囲で戦いを挑む。その姿は道徳的で、暗澹たる結末の中でひとすじの光明に見えた。
監督のラジ・リはマリ共和国出身の黒人で約30年にわたり市民活動をし、市議会選挙にも出馬したこともあるという。この経験が主人公のアビーに投影されている。

「極右がすごい勢いで台頭し、人種差別的な国になってきている。テレビでは移民や黒人、アラブ系、ムスリムの人々を侮辱するようなことばかりが垂れ流されている。この先は、悪くなる未来しか見えない」

ラジ・リは読売新聞のインタビューでこう述べているが、そういう連中が煙たがられるのには理由があるからではないだろうか。
やれ給食に豚肉を出すなハラールを用意しろ、土葬するための土地をよこせ、仕事中にメッカに祈る時間を作れ――。
呼ばれもしないのに押し入ってその国の規則に従わず習慣にもなずまず自分たちの流儀を押しつける連中など嫌悪されて当然でしょう。
ましてや教会など宗教施設の破壊や襲撃といった犯罪行為をすれば排斥されて当然。
他所から来てその国が嫌だというのなら帰ればいいし、もはや帰る場所がないというのならその国の人たち以上にその国に忠義と礼節を尽くすべき。
それができない連中を甘やかす必要はない。祖国の治安を脅かす夷狄の存在を嫌悪してのフランスの右傾化は至極当然であり日本も見習うべき。

「あそこにジャーマン・シェパードがいるだろ。あれは純血種だね。それをダックスと混ぜ合わせると何ができる?」
「シェパードダックス?」
「どんな姿になる?」
「笑っちゃう」
「想像してみてくれ。2匹のシェパードダックス同士をかけあわせてみるとする。もうジャーマン・シェパードには戻れない。ジャーマン・シェパードは消滅する」
「そうね」
「まさに今この国で起こっていることだ」

別の映画に出てきたやり取りだが、このくだりが脳裏をよぎった。
安易に夷狄を受け入れてはならない、千年の禍根となる。

829名無しさん:2024/06/06(木) 07:39:22
みなとみらいのキノシネマで『不死身ラヴァーズ』観ました。
https://undead-lovers.com/

長谷部りのは幼い頃に病に伏して死の床にあったが病院で出会った甲野じゅんという少年に勇気づけられて奇跡的に回復。それ以降彼のことを〝運命の人〟として恋焦がれ忘れられないでいた。
中学生になったりのは偶然にもじゅんと再会を果たし、想いを伝える。
最初は冷たかったじゅんだがやがて二人は両思いに。しかし次の瞬間、じゅんは消えてしまった。
まるで最初からこの世の中に存在しなかったように誰もじゅんのことを覚えていないしスマホに撮った写真も消えている。
だがそれからも様々な〝甲野じゅん〟が何度もりのの前に姿を見せ、幾度も想いを伝えるのだが両思いになるや消えてしまう。
大学生になったりのはキャンパスで〝甲野じゅん〟と再会、しかし今回のじゅんは眠ると記憶がリセットされるという事故の後遺症に悩まされていた――。

これ、最初のあらすじだけ読んでSFものかと思って観ると肩透かしを食らいます。
軽くネタバレしますが過誤記憶や虚偽記憶というものがありまして、人は無意識のうちに自分の記憶を改竄したり抹消してしまう――。
認めたくない出来事を頭から消し去ってしまう――まぁ、つまりそういうことです。
そう考えるとこの映画は『ジョーカー』のアーサーぱりにヤバい女が主人公のサイコホラーに思えてしまう、理解ある男友達の存在もイマジナリーフレンドなんじゃないかと勘ぐってしまう。
あのラストも額面通りに受け取ればめでたしめでたしなんだけど、そうは思えない。
そもそもすべてが幼い少女がいまわの際に見た夢、幻だった可能性もある。
考えれば考えるほど怖く切なくなる内容でした。
キラキラ映画の皮を被ってこんなにも解釈次第でいかようにも受け止められるお話を作るとか、素直に脱帽。
内容のほかに印象に残ったのは主人公の周囲の風景の美しさ。神奈川や山梨で撮影したそうですが、本当に美しく郷愁を誘うロケーションでした。
あんな水と緑に囲まれた学校に通いたかったなぁ。
ああ、ますますこの世のお話だとは思えない……。

830名無しさん:2024/06/07(金) 06:40:03
5月に観た映画
『キラー・ナマケモノ』『ゴジラxコング 新たなる帝国』『マリウポリの20日間』『タイガー 裏切りのスパイ』『胸騒ぎ』
『アイアンクロー』『ゴッドランド/GODLAND』『マイマイ新子と千年の魔法』『光る鯨』『フューチャー・ウォーズ』
『PS1 黄金の河』『悪魔がはらわたでいけにえで私』『コンパートメントNo.6』『湖の女たち』

831名無しさん:2024/06/12(水) 00:47:21
横浜シネマリンで『若武者』観ました。
https://www.wakamusha.com/

工場で働く寡黙な渉、飲食店勤めで攻撃的な英治、介護士の温厚そうな光則の三人はたがいに幼馴染の若者たち。
渉は義父との確執を抱え、暇をもてあそび刺激に飢えた英治は誰彼構わず因縁をつけ、光則は冷めた目で周囲を観察する――。

あー、これは小劇場とかで上演されそうな内容のアート系作品。見る人、楽しめる人をかなり選ぶ難解な作品。
登場人物の多くが(というか主に英治が)厨二病全開の屁理屈で相手をこき下ろし論破したつもりになり悦に浸るが、自分の考えを一方的にまくし立てるだけで〝会話〟になっておらず、しかもほとんど自分にも当てはまるブーメランになっているあたり実に露悪的。
ひとりとして好きになる、共感できるキャラクターがいない。というかもしいたらあんた異常だよ! てなります。

「普通の人間はビンを手にしても殴りかかる寸前で止める。殴る事ができる奴は異常な変態でそういう奴が戦争を起こすんだよ。やられたからやり返す、そういう奴らのせいで世の中から戦争は無くならない。おまえもそうか?」

みたいに謗るくだりでは「なら俺は英雄になれるのかもな。人類の歴史上、英雄と呼ばれる者の多くは殺人者だ、それもたくさんの人を殺すほど称賛される」なーんてこっちも厨二病全開の答えが脳裏をよぎってしまいました。
正常か異常かと言いますが、人間はひとりひとりが異なる思考を持った生き物なのだから、ある人の正常は違うある人の異常。

万人受けする作品ではありませんが、観た人の心のどこかしらの部分に刺さるものはあると思います。
娯楽性の高い商業作品に飽きた人は試しに観てみる価値はあります。

832名無しさん:2024/06/12(水) 00:56:34

みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ナイトスイム』観ました。
https://www.universalpictures.jp/micro/night-swim

多発性硬化症という神経の病のため早期引退した元メジャーリーガーのレイとその一家が郊外のプールつきの家を購入して移り住む。
裏庭にプールをそなえた家は長年の憧れであり、レイは今でも現役復帰をあきらめず理学療法を兼ねてこの物件を選んだのだ。
しかしこのプール、なにかおかしい……。
泳いでいるとどこかからか声が聞こえたり、潜っている時に家族の姿を見て上がると誰もいない。
不気味な気配はやがて現実的な怪異としてレイたち一家に牙を剥きはじめる――。

これは面白い!
実にオーソドックスなモダンホラーで、スティーブン・キングが原作だと言われても納得するくらい〝それっぽい〟内容。
出るかな出るかな――出たー!
来るかな来るかな――来たー!
そんなシーンの連続で終始ニコニコして観ました。
こういうのでいいんだよ、こういうので。
作り手側の、奇をてらわずにホラー映画というものに真摯に取り組んでいるという意思を感じられます。
キリスト教的な悪魔ではなく〝古くからその土地に存在するよくないもの〟の存在は実に日本的で、水《プール》という湿っぽいガジェットも日本人との相性がいいですね。
これもう河童の仕業だろ……。
瘴気ならぬ瘴水のおぞましい、穢れた感じがビジュアル的にいい感じ。
なにも考えすに純粋に怖い映画が観たいな〜、と思っている人におすすめ。
観てください!

834名無しさん:2024/06/12(水) 23:45:39
ジャック&ベティで『またヴィンセントは襲われる』観ました。
https://vincent-movie.jp/#

なんの前触れもなく職場で実習生にPCで殴りかかられたヴィンセント。翌日は同僚からペンで腕を幾度も刺される暴行を受ける。
しかし加害者たちは襲撃時の記憶がないと主張。
ヴィンセントを襲う者は後を絶たず、街ですれ違った見ず知らずの他人までもが殺る気満々で攻撃してくる始末。
やがて「相手と目が合うと襲われるのでは?」と襲撃の法則を予測したヴィンセントは偶然にも同じ境遇にある人と出会い、ネットで情報交換しつつ田舎に引きこもり何とか身を守ろうとするのだが――。

題名や目が合っただけで襲われるというあらすじからフランス発の不条理サイコホラーブラックコメディかと思えばさにあらず。
終末感あふれるゾンビ映画でした。
いやゾンビは出てこないんですけどね。
ゾンビの出てこないゾンビ映画ってなんだよと思ったあなた、観てください。
観れば「ああ、ゾンビの出てこないゾンビ映画だなぁ」と納得することでしょう。
どんなに平和で安定している社会でも起こる突然の暴力や、自分にその意思がなくても相手を傷つけてしまうSNS上のやり取り、その逆に集団で相手を叩くことになんの躊躇もためらいもないネットリンチなんかの寓意や風刺が込められているように思えました。
ただ細かい部分でツッコミどころ満載なところは否めない。
原因は不明だが他人と目が合うと襲われるという考えに至ったら皆さんどうします? とりあえずサングラスかけて目線を隠しません?
まっ先に試みる対処法ですよね、でも主人公はそれを試さずにノコノコと街を出歩いたりするんです。
この〝目が合うと襲われる〟という攻撃条件もいまいち曖昧で、作中あきらかに相手の目を見ているのに平気だったり逆に目が合ったか? て場面で襲われたりしている。
いま目隠しして治まったけどじゃあさっき寝てるヴァンサン襲ったのおかしくね?
などなど――。
まぁ、この映画は能力バトルものではなく前述したように社会に蔓延する様々な形の暴力に対する寓意や寓話、アレゴリーの類だと思うのでそういうところはあまり気にしないで観るのが正しいのかもしれませんが。

ところで世の中には暴力というものを絶対悪として否定し忌避する思想の人がいますが、そういう人たちって格闘技の存在をどう思っているのですかね。
私は若い頃にフルコン系の空手を習っていましたがボクシングとかの格闘技って嫌いです。
暴力を見世物にしている。
なんの遺恨も無い者同士が金銭を得て公衆の面前で血が出るほどの殴り合いをするだなんて異常で野蛮な行為ですよ。
ましてや年の瀬にそんなものを見る気になんてまったくならない。
どんなに文化や文明が発達しても人類社会から暴力というもが無くなることはないでしょう、そうなったらそれはもはや人類といえる存在ではない。
無くなることがない以上、ある程度受け入れるしかない。思考停止して暴力反対を声高に叫ぶのではなく、暴力を絶対悪として認めるしかない。
是非善悪は置いておいて暴力というものがものごとを迅速に解決する手段として有効なのは事実ですからね。
法律だの裁判だの言いますが、あれだって法的暴力ですよ。振るわれているのが法か拳かの違いでしかない。

835名無しさん:2024/06/15(土) 21:40:02
川崎チネチッタで『PS2 大いなる船出』観ました。
https://spaceboxjapan.jp/ps-movie/

こちら『PS1 黄金の河』の続き、第2部となります。

こういう人物相関図を片手に見ないとわからない程の多くの登場人物たちの愛憎渦巻く史劇が展開され、新たな謎の提示と主要キャラが生死不明な状況になって幕切れとなったところからの新たな幕開け。
皇太子アーディタの少年期から現在に至るまでのナンディニとの愛の物語と、波に飲まれて消息を絶った弟王子アルンモリが首都へと帰還する様子が描かれます。
前にも述べましたが金庸の小説ばりに壮大なスケールの物語と、それを彩るこれまた壮大な映像と音楽に圧巻圧倒されること間違いなし。映画の世界に引き込まれ極上の映像体験ができました。
あー、こういう作品こそローソン・ユナイテッドシネマの大音響で観たかった。つうか設備の良し悪しに関わらず映画料金一律2000円とかおかしくね? 相鉄ムービルみたいなショボい所は1000円でいいだろ、あそこ勾配がほとんどないから前に座高の高いやつが座ると致命的なんだよ。
あと値上げするたびにアルバイトの人件費などの運営コストの増加を理由にしているけどちゃんとスタッフさんの給料上がってるの?

映画の内容についての話に戻りますが特筆すべきは終盤の合戦シーン。
左右に歩兵を並べた騎兵隊が先陣を切り、それを森に配置された弓兵からの弓矢が迎え撃つ。
火のついた砲丸を射出する投石機に戦場を暴れまわる象兵――。
大迫力の戦闘シーンで、血沸き胸踊りました。
アレクサンドロスがインドで象兵を相手にした時は歩兵を象の下に潜り込ませて斧で脚をぶった切ったとも象使いを投げ槍で狙い撃ちにしたとも伝わります。
隋の煬帝の時代に林邑(チャンパ、今のベトナム中部)を遠征した劉方も象軍を破っており『弩を以って象を射る。象、中りて創き、却って其の陣を踏る――』とのこと。
つまり象兵と戦う時は象を傷つけ狂乱させて暴走させるのが効果的のようなので、皆さんが象兵と戦う時の参考にしてください。

こういう地図を見ていると想像が膨らみ楽しい。

836名無しさん:2024/06/18(火) 21:48:23

みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ハリー・ポッターと賢者の石』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=10627&from=daily

幼い頃に両親を亡くし叔母夫婦の家に引き取られたハリーはシンデレラさながらの境遇にあった。しかし11歳となりホグワーツ魔法魔術学校に入学したことで人生が一変。額の傷に秘められた因縁を知り、運命に導かれてゆく――。

こちらローソン・ユナイテッドシネマSTYLE-Sみなとみらいのオープンを記念しての『ハリー・ポッター』シリーズ全8作品と『ファンタスティック・ビースト』3作品のオープニング特別上映の一環となります。
今さら説明の必要はないくらい有名な作品なのですが、実は初めて観ます。
というのも原作小説が日本語訳されて出版された際、鳴り物入りで売り出されたのでどれほど面白いものかと読んでみればコレジャナイ感が半端なかったため映画もスルーしていたんですよね。
全体的に訳に違和感をおぼえました。「驚き桃の木山椒の木」とか昭和かよ! どういう原文がそうなるのやら、総じて訳に引っかかりを感じて1巻以降は読むことはなかったです。
これ、安田均や柘植めぐみといったファンタジーに素養のある人が訳してたらだいぶ印象が変わったんじゃないかなぁ。
あと識者とかがやたらと持ち上げていたのもへそ曲がりの私には気に入らなかったです。
「もしも日本でこのような題材の話を書くと陰陽師とか忍者とかおどろおどろしいものになって明るく楽しくならない」みたいな事を述べている人とかいて、そんなことねぇよ! おまえ『東京魔人學園剣風帖』プレイしたことないのかよ!(ないだろうけど)て思いました。
つうか和製ハリポタって『東京レイヴンズ』みたいなやつでしょ? いけるいける、じゅうぶんいける。
原作小説がそんな感じで、それに加えて年齢的にも子供向けのファンタジー映画を強く観たいとも思わなかったのです。
今くらいおっさんになると逆に子ども向けの作品であっても偏見なしにニュートラルな感情で観ることができるようになります。
実際そうでした。
魔法のアイテムやギミックのユニークかつ豪華絢爛な演出にカエルチョコや百味ビーンズなどの魔法界独特の文化、疾走感あふれるクィディッチなどなど――。
これは子ども時分に観たら大ハマリしたでしょうね、9番線と10番線の間の柱に何度も体当たりしてたと思いますよ。
しかしクィディッチのルールがいまいちよくわからん。あれ、スニッチを取ったシーカー側の勝ちって、じゃあそれ以外のアレやソレいらないじゃん! 他の球をゴールに入れてないで全員で相手側のシーカーを妨害するべきなのでは?
そもそもこの世界の魔法使い(魔法族)の立ち位置がわからん。学究の徒ならこんなスポーツなんかに興じる事はしないだろうに。
まぁ、飛行魔法の訓練の一環なのかもしれないけど……。

837名無しさん:2024/06/20(木) 00:23:28
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『オペラ座の怪人』観ました。
https://gaga.ne.jp/operaza4K/

物語の舞台は19世紀のパリ。オペラ座では仮面をつけた謎の怪人ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。
リハーサル中にプリマドンナのカルロッタの頭上に背景幕が落ちるという〝事故〟が起きる。
腹を立てたカルロッタは降板し、代役を務めることになった若きオペラ歌手のクリスティーヌは初主演となった舞台で見事な歌声を披露して喝采を浴びる。
さらにオペラ座の新たな後援者である若き子爵ラウルはクリスティーヌの幼なじみであった。再会した二人はたちまち恋仲となる。
実はクリスティーヌはファントムから音楽の手ほどきを受けており、彼女はファントムの事を音楽の天使と信じていた。
立派なプリマドンナへと成長したクリスティーヌはラウルを愛し愛されながらも孤独な魂を宿すファントムにも惹かれてゆく。
そんなある時、ファントムの仮面の下に隠された秘密を見てしまい――。

こちら2004年に制作されたジョエル・シューマカー監督、ジェラルド・バトラー主演作品の4Kデジタルリマスター版となります。
序盤のモノクロームからカラーへと移る演出は圧巻のひとこと。朽ち果てたオペラ座が往年の姿へと移り変わる際の荘厳な音楽には圧倒されること間違いなし。
豪華絢爛なオペラ座の細部にまで作り込まれた美術や美しく華麗な衣装と神々しいまでに荘厳な音楽が堪能でき、目と耳の両方を楽しませてくれました。
実に素晴らしい音楽と映像の世界に没頭させてくれる物語で、まさに映画館で観るべき作品。
主題曲ともいえる「ザ・ファントム・オブ・ジ・オペラ」は身震いするほどに完成された楽曲ですね。
ぐっときたのはファントムのことを歌っているであろう『ラーン・トゥ・ビー・ロンリー』の歌詞。


孤独でいることを覚えなさい

自分で自分の友となるすべを学びなさい

一人で生きる人生を 愛するすべを学びなさい

人生は独りでも愛せるのだから


これもう喪男《俺》のために書かれた歌だろ……。

838名無しさん:2024/06/23(日) 09:18:01
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ハリー・ポッターと秘密の部屋』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/information.php?info=80551

ホグワーツ魔法魔術学校の2年目を向かえて人間《マグル》であるダーズリー家で暮らすハリーの前に屋敷しもべ妖精のドビーが現れ「ホグワーツへ帰ってはいけない」と意味深な警告をしてくるが早くホグワーツに行きたいハリーはこれを無視。
ドビーはハリーを足止めするためダーズリー家にちょいとした細工をし、そのためハリーは鉄格子つきの部屋に監禁されることに。
そこに現れたのは空飛ぶ車に乗ったロン。鉄格子にチェーンを引っ掛けて窓を破壊しハリーを救出(魔法使いなら魔法を使えよ!)ロンの家で新学期の準備を整えた2人はホグワーツへ戻ろうとキングズ・クロス駅に向かうが、9と3/4番線へ抜ける事ができない。
どうやら何者かがハリーの帰還を妨害しているようだ、なんとかホグワーツに戻ったハリーは「秘密の部屋が開かれた、継承者の敵よ用心せよ」という血文字が――。

こちら映画『ハリー・ポッター』シリーズの2作目となります。
屋敷しもべ妖精……。こいつ、なんか「いとしいしと」とか言いそうな姿をしていますね。屋敷しもべ妖精という種族名から察するにシルキーやキキーモラやブラウニーみたいな存在でしょうか? いい感じにウザいです。
ウザいといえば新キャラのギルデロイ先生もキャラ立ってます。
「名声なんてあやふやなもの」「有名人の振る舞いをすれば有名人になれる」的な科白は割と核心をついていて深いことを言っている気がする。まぁ、控えめに言ってクズキャラなんですけどね。
見た目も所業もピクシーというよりグレムリンだろという小妖精に対してハーマイオニーが減速だか時間停止だかの呪文を唱えるのですが、だからなぜそれをクィディッチの試合で使わないのか――。
ロンが失敗して自分にかかった〝ナメクジをくらえ〟の呪文ですが、これ地味に凶悪だと思います。
対象の体内に虫を生み出すとか、これ蠱毒の呪詛だろ……。毒虫を作られたらヤバい、下手な攻撃呪文よりもたちが悪い。
ナメクジといえば作中で肉食ナメクジがキャベツを食い荒らすという科白があったのですが、キャベツってなんだよ肉食じゃないのかよ、キャベツ食い荒らすのなら普通のナメクジだろ。
ハリーがやたら濡れ衣を着せられて疑われるのですが、この世界って物品修復や生物を無生物に変える魔法はあるのに過去視や嘘発見とかの魔法は無いのかしら?
あとみなさん荷物が多い。
なろうでおなじみアイテムボックスやドラえもんの四次元ポケット的な魔法は無いのかしら?
不死鳥が毒蛇(バジリスク)に対して優位に立ち効果的な攻撃を与える展開は納得できました。鳥は蛇に強い、これは東洋の孔雀と蛇の伝承にもありますからね。
終盤でハリーが屋敷しもべ妖精のトビーの支配権を奪うための行為がとても呪術的な感じで納得しました。
そういうのがいいんだよ、そういうのが。

839名無しさん:2024/06/26(水) 08:37:49
みなとみらいのキノシネマで『ドライブアウェイ・ドールズ』観ました。
https://www.universalpictures.jp/micro/drive-away-dolls

自由奔放なジェイミーと堅物のマリアンは見た目も性格も正反対。そんなふたりが気分転換にアメリカ縦断ドライブに出発することに。
車の配送《ドライブアウェイ》をしながら目的地のフロリダ州タラハシーへ向かうことにしたふたりは行く先々のレズビアンバーでお楽しみ。だがトランクの中に入れた覚えのない謎のスーツケースと氷詰めにされた男の生首を発見! そしてスーツケースの中には想像を絶する信じられない物が入っていた。
ジェイミーとマリアンはそのトンデモないブツを取り戻そうとするギャングたちにつけ狙われ追われるはめになる――。

主人公のふたりはレズビアン、そのため異性愛やジェンダーなど既存の価値観を問う真面目でお硬いクィア映画かと思いきやさにあらず。
くだらない下ネタとおふざけ満載のしょうもないロードムービーでした。
いや、ほんとくだらない、しょうもな作品でした。
〝クソ〟とか〝つまらない〟ではなく〝しょうもない〟んです。
観終わった後に木村奈保子の「あなたのハートには、何が残りましたか?」という言葉を思い出しましたね。
何も残らねぇよ!
あの木曜洋画劇場でおなじみのフレーズ、木曜洋画劇場で流されるような作品なんか観ても何も残らねぇから! ショー・コスギがカタナをぶん回したりフレディとジェイソンが戦うような作品を観ても何も残らねぇから!
この作品もそう。いい意味で何も残らないんです。
でもつまらないわけではない、笑える。
でも何も残らない。
本当に何も残らない。
往年のコサキンのコントみたいにその場では大笑いするんだけど5分後には内容を忘れている、そんな映画。
逆に凄いですよ、こんなにも良い意味で空っぽな作品を作ることって。
誤解のないように言っておきますが決して駄作ではないです。でも人に薦めるような作品ではない。かといって――。
ああ、もうなんだよこの映画!
観てください!
観なくていいけど観てください!

840名無しさん:2024/06/26(水) 09:47:28
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=11460&from=daily

物語の舞台は1926年の米国ニューヨーク。
ニュート・スキャマンダーはハリー・ポッターと同じホグワーツ魔法魔術学校に通っていたが、とある理由で退学になってしまった魔法使い。
能力はあるがどこか抜けているところのあるオッチョコチョイだが魔法の腕は優秀という風変わりな人物。
なによりも魔法動物をこよなく愛する変わり者で世界中を旅しては魔法動物の保護に努めている。
保護した魔法動物を異空間に繋がるトランクに詰め込んでいるのたが、旅の途中で立ち寄ったニューヨークで普通の人間のトランクと取り違えるアクシデントに見舞われる。
トランクの中から魔法動物たちが逃げ出してニューヨーク中が大騒動に、しかしこの大騒動の裏には魔法使いと人間との対立と分断を謀るある人物の陰謀が隠されていた――。

こちらローソン・ユナイテッドシネマSTYLE-Sみなとみらいのオープンを記念しての『ハリー・ポッター』シリーズ全8作品と『ファンタスティック・ビースト』3作品のオープニング特別上映の一環となります。
面白い!
物語の舞台はハリポタと同じなんですけど、ハリーのような見習い魔法使いと違ってみんなほぼ無詠唱で魔法をバンバン使いまくり、瞬間転移しまくり。
あの瞬間転移のエフェクトいい!
カバンの中に異世界が広がる壺中天とか『アントマン』のビルを小さくしてキャリーバックにするよりらにさらにスケールがでかい。
でかいんだけど、人間に魔法の存在を知られてはならないから結界を張るも外から写真撮られまくりとか、ザルすぎるだろおまえらの結界術!
呪術廻戦の帳的な外から視認できないとか、認知障害を起こして何を目視したのかわからなくする魔法とか開発しようよ。
なんで人間《マグル》のために俺らがコソコソ隠れなきゃいけないんだよというグリンデルバルドの主張には賛同します。
逆に人間の立場から考えて〝魔法〟というものを排斥するのもおかしい。
欧米諸国が軍事力により世界各国を植民地化している覇権主義が台頭している世界において既存の科学とは一線を画する魔法というオーバーテクノロジーは実に魅力的。
大量のグレムリンを召喚し連合国側の機械化された軍隊を無力化できたなら、日本各地の空襲や原爆投下を阻止できたかもしれないでしょう。
異能の持ち主は排除せずに積極的にもちいるべき。

841名無しさん:2024/06/27(木) 07:32:26
みなとみらいのキノシネマで『Iké Boys イケボーイズ』観ました。
https://atemo.co.jp/ikeboys/

オクラホマの片田舎に住む高校生のショーンとヴィクラムは日本の特撮やアニメが大好きなオタク《ギーク》でスクールカーストの最底辺。
そんな彼らの元に憧れの日本からの留学生ミキがやって来る。 彼女をもてなすためショーンが入手したオガタ・ダイスケという日本人の作った『行け! 虹の世紀末大決戦』という大コケしたアニメのDVDを3人で鑑賞すると画面から迸った電撃を受けて気絶してしまう。
翌朝目覚めて以降、 ショーンは手から光線を発射、ヴィクラムは怪力や高い身体能力といったスーパーパワーを身に着けており2人は大興奮。
一方その頃いにしえの神々を復活させようとカルト集団が暗躍していた――。

「俺のナニをしゃぶれってのは日本語でなんて言うんだ?」
「チンポタベテクダサイ……?」

てやり取りは笑った。
特筆すべきはその安っぽい特撮とショボいアニメーションでしょうか。
こう聞いてみなさんが想像する3倍は安っぽくてショボい特撮とアニメが流れてトホホな気分にしてくれることでしょう。もう幼児番組の劇中劇とかワンコーナーレベルのものです。
これは技術や予算が足りなかったためなのか、作品のカラーに合わせるためにあえてそのようなクオリティにしたのか、あるいはその両方か――。
アニメーション部分のナレーションを樋口真嗣が担当していたり金子修介がカメオ出演していたりと無駄に豪華。
動いている釈由美子の姿を久しぶりに見た気がします。
やたらと日本の歌や日本語が出てくるあたり監督の日本への偏愛を感じられます。
監督のエリック・マキーバーという人物は少年時代をオクラホマ州で過ごし、幼少期から日本の特撮映画に傾倒して大学在学中に早稲田大学に留学。
それ以降、俳優、翻訳家、ゲーム開発者、アニメーションプロデューサーなど様々な活動を経て今作を撮影するに至ったそうです。
〝好き〟を仕事にする事ができてうらやましい。
生活を人質に取られてやりたくもない労働をする日々を終わらせて欲しい。
早く死にたい。
こんな労働地獄が死ぬまで続くのなら今すぐに死んだとしても悔いはない。
働きたくない、本当に労働は苦痛だ。

842名無しさん:2024/06/30(日) 04:58:55
みなとみらいのキノシネマで『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』観ました。
https://www.holdovers.jp/#

1970年の冬、ボストン近郊にある全寮制の名門バートン校がクリスマス休暇に入り、生徒と教師は家族の元へ帰ってクリスマスを過ごす。
しかし様々な理由から癒えに帰らず寮でクリスマス休暇を過ごす事になった3人がいた。
その3人とは厳格で融通が利かないために生徒や他の教師からも嫌われている古代史の教師ハナム。
勉強はできるが反抗的で教師とも他の生徒とも対立しているアンガス。
ベトナム戦争でひとり息子を失った料理長のメアリー。
この3人、最初のうちは反発し合い、お互いに理解し合えず、ぎくしゃくした関係だったのだが、おたがいが抱える悩みや過去の生活、生き方を知り、尊重し合うようになってゆく――。

三者三様の孤独と欠落を抱える者たちが幾度も衝突を繰り返す。
絆が芽生えたかと思えばまた衝突。
ゆったりとした冬の景色と音楽を背景にそうした経過と物語の展開が描かれる様はさながら旅に出ないロードムービーという趣き。
機知に富む科白の応酬が含蓄深く胸に響いた。

「今の時代や自分を理解したいのなら過去から始めるべきだ。歴史は過去を学ぶだけではなく今を説明する」
「人は過去に導かれ運命を生きる。……それはたわ言だ、君の過去が人生を決めたりはしない」

過去があって今がある。それは事実だが過去のすべてが絶対ではない。今を生きるすべての人が勇気づけられる言葉だった。
これは本当に良い映画、名作であり傑作であり良作。多くの人に、特に若い人に観てもらいたい。
ぜひ観てください!

面白い、楽しい、感動した――。
なんかとても複雑な心境なのですが、こういう優れた創作作品に接すると「こんな素晴らしい作品が世の中にあるのなら、もう自分なんかが書いたシロモノなんて必要ないだろ」という負の感情が生まれて創作意欲が減退しますね。
創作は苦しい、自分で創作するよりも他人の創作物を見たり読んだりしている方が楽しい。


映画を観る前にランドマークタワーの『ハリー・ポッター マホウドコロ』に初めて立ち寄ったのですが、このゴブレットに惹かれました。

でも実用品ではなく観賞用とのこと。
飲んでる時に漏れ出たり洗うたびに装飾が剥がれ落ちたり変色したりすると悲しい気持ちになるので購入は断念。こういうゴブレットで葡萄酒を飲みたい……。

代わりに百味ビーンズを買って帰りました。

843名無しさん:2024/07/06(土) 20:13:00
ジャック&ベティで『悪魔のシスター』観ました。
https://akumanosisters.com/

女優としても活動するモデルのダニエルがTV番組の出演をきっかけに知り合った黒人青年と一夜を過ごすのだが、翌朝突然彼を刺殺してしまう!
向かいのアパートに住む女性記者グレースは偶然にもその惨劇を目撃。警察に通報するも過去に警察を批判する記事を書いた事もあり警察は非協力的。そのため違法行為もじさない独自調査を開始したグレースはダニエルが結合双生児として生まれ、切り離された妹がいたていたことを知る――。

こちら1973年に制作されたブライアン・デ・パルマ監督作品のデジタルリマスター版リバイバル公開となります。
おどろおどろしく仰々しい音楽から始まる冒頭はまさに70年代の雰囲気を感じさせます。特筆すべきは画面が分割されリアルタイムで別々の場所が映る演出、かたや犯行現場の証拠隠滅をはかり、かたや警察と共に現場に向かう様子が同時進行で描かれる様は嫌でも緊張感を高めてくれました。
同じ演出というか技法は2022年の『X エックス』でも使われてましたが、50年も昔につかわれていたんですね。
これを紙の本で再現するとページの上半分と下半分で別々の人物の一人称視点で書くといったところでしょうか、モニターで見るネット小説では無理そうなテクニックですね。
終盤のある場面では記憶が錯綜し、目覚めたまま悪夢の中に放り込まれれたかのようなシーンが描かれ圧倒されました。
さすが映像の魔術師と謳われるブライアン・デ・パルマ。どんなに古い作品であっても一級の作品は色あせる事なく心に響くものがあります。

844名無しさん:2024/07/06(土) 21:01:04

ローソン・ユナイテッドシネマで『ファンタスティック・ビー ストと黒い魔法使いの誕生』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=11446&from=daily

1927年、ニューヨーク。前作の最後で捕らえられたグリンデルバルドが欧州へ移送される途中で脱獄し、自由の身となる。
その頃ロンドンではニュート・スキャマンダーが海外旅行禁止命令を解くための条件として英国魔法省への入省を持ちかけられるが難色をしめす。
そんなニュートの肩を叩く宙に浮く手袋、この手袋の持ち主こそあのダンブルドア先生。
ダンブルドアはニュートに前作で命を落としたと思われた体内に闇の力オブスキュラスを宿した青年クリーデンスの生存と保護、グリンデルバルドの追跡と対峙を要求。
ニュートは再び魔法界と人間界を震撼させる事件の渦中に巻き込まれる事に――。

作中でニュートが過去視の魔法を使っていて、いやだからそんな魔法があるならこの前のハリポタでハリーが疑われる事なんてなかったじゃん! て思いました。
まぁ、今作は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』よりも後に作られた作品だからかもですが――でも舞台はハリポタよりもずっと前というややこしさ。
あれですな、ドラクエはドラクエ3よりも未来の話なのに、なんで過去であるドラクエ3にあった呪文が存在しないんだよ的な(違うか)
不思議なバケツの中に入ってロンドンからフランスまで瞬間移動する場面があるんですけど、そういう移動手段があるのならわざわざ空飛ぶ馬車でグリンデルバルドを移送せずに瞬間移動させたほうが早くて安心安全で脱獄されなかったんじゃね?
距離が遠すぎるというのなら要所要所に転移の魔法陣を作って複数回のワープを繰り返すとか。
作中で「腰抜けどもの罵声は勇者にとって称賛だ」みたいな科白があり、ぐっときました。
住所氏名連絡先を公開しているにも関わらず匿名掲示板でその他大勢の陰に隠れてキャンキャン吠える事しかできない弱虫毛虫の負け犬糞名無しどもがまさにその腰抜けどもですな。
ダンブルドアって同性愛者設定があるそうなんですけど、だとしたらグリンデルバルドとの血の盟約はつまりそういう事なのかしらと深読みしてしまいます。あのふたり、念友だったのか……。


ローソン・ユナイテッドシネマで『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=10629&from=daily

ホグワーツ魔法魔術学校からダーズリー家に帰省していたハリー。だが意地悪なマージおばさんに両親を侮辱された事でつい人間界では使用を禁じられている魔法を発動、マージおばさんは人間風船と化して空の彼方へと飛び去ってしまう(けっこうエグい魔法を使うな……)
そのまま家を飛び出したハリーの前に迷子の魔法使いを夜の騎士(ナイト)バスが停車。車内で魔法牢獄アズカバンから脱走した囚人シリウス・ブラックの存在を知るが、このシリウスもまたハリーと浅からぬ縁がある人物なのであった――。

冒頭の夜の騎士バスをはじめ、時を遡る逆転時計やホグワーツ内の人々の位置を示す忍びの地図など魔法のガジェットがあいかわらず面白い。
つうか逆転時計とか便利すぎるだろ、これあるなら前作のハリーの疑いとか犯人探しの必要なくね? ダンブルドア先生がこれ使って事件をすべて解決できたのでは……。
何個もあるようなアイテムじゃないでしょうが、複数人で自分の都合のいいように過去を改竄しようとしていくつもの矛盾が生じたら時空間が崩壊しそう。
個人的にぐっときたのはヒポグリフに乗って湖の上を飛翔するシーンで疾走感、爽快感が素晴らしい。
豪雨の中でクィディッチする場面では魔法で雨を止めればいいのにと思いましたが、局地的な環境情報の改竄は惑星の生態系に後遺症を発生させる可能性があるからできない的な理由でもあるのでしょうか?
だとしてもドーム状の魔力の力場を作るとかで雨を防ぐとかしないの? ファンタビでクイニーが雨を防いでいたからそれのデカい版なら可能でしょうに、それともあえて荒天のまま試合をするのも演出や余興の内なのかしら。

今作は同名のタイトルで2004年にPS2などでゲーム化されているそうで、ゲーム版ではハーマイオニーの声は氷上恭子があてているとか。
須藤祐実には悪いけど自分的には氷上の方がハーマイオニーの声のイメージなので当時この映画を観ていたらゲームも遊んでいただろうなぁ。

遅れてきたハリポタブームに乗ってまたマホウドコロに行って3300円以上の買い物をしてポイントカードを作りました。
種類はレイヴンクロウ。

惹かれるんですよね、レイヴンクロウ。というかカラスに。
人を上まわる雑食性の生き物で残飯や死骸を漁るカラスの姿はいかにも不潔で不吉な印象ですが、その反面で伝説や神話上のカラスは神の使いとして描かれることが多く、北欧神話では主神オーディンの斥候として、ギリシャ神話ではアポロンに仕え、日本神話では八咫烏などが有名。安倍晴明の縁の深い賀茂氏の祖である賀茂建角身命の化身は八咫烏だとされています。
黒と白、陰と陽。光と影――。
それら相反する属性を持つカラス、自分がハリポタ世界の魔法使いに転生したらレイヴンクロウに入りたいですね。

845名無しさん:2024/07/06(土) 22:14:14
6月に観た映画
『マッドマックス:フュリオサ』『バディモン5 望まれざる者』『不死身ラヴァーズ』『若武者』『ナイトスイム』
『またヴィンセントは襲われる』『PS2 大いなる船出』『ハリー・ポッターと賢者の石』『オペラ座の怪人』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
『ドライブアウェイ・ドールズ』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『Iké Boys イケボーイズ』『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

846名無しさん:2024/07/09(火) 22:48:37
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=11447&from=daily

魔法動物である麒麟の出産に立ち会ったニュート。だが突然グリンデルバルドの手先に急襲され、麒麟の親子は殺害されて生まれたばかりの麒麟の死体が持ち去られてしまう。
実はグリンデルバルドは魔法界の次期指導者を選ぶ選挙のため心清き者の前では頭を垂れるという習性を持つ麒麟と、その骸に宿る未来予知の力を利用しようと考えていたのだ。
だがニュートは親麒麟の横に子麒麟がいるのを発見、生まれた子どもは双子だったのだ。
この麒麟の存在は魔法界の牛耳を執り、人間界と戦争を起こそうとするグリンデルバルドに対する切り札になる――

指導者を麒麟に選ばせるとか古代かよ! 選挙とは? 民主主義とは……?
この前の東京都知事選に麒麟を連れて来たらうんこブリブリしてあさっての方向に駆けていきそう。
やたらと人間を蔑み魔法族の優秀さを謳うグリンデルバルドだが、やっている事は醜い権力闘争や分断と戦争を煽るという愚かな人間の所業そのものなのは実に皮肉。
「おまえさんの考えも行動も、まるでマグルそのものだな」なんて科白をオリキャラ登場させて言わせたくなりました。
作品の華とも言える魔法のヴィジュアルが楽しくて、あいかわらず瞬間移動と回避がかっこいい!
でも無詠唱でボコスカとエネルギー波を撃ち合うのは情緒もへったくれもないですけどね。
このあたりはもう少し魔法魔術感のある演出が欲しいところ。
今作ではグリンデルバルド役のジョニー・デップが大人の事情で降板し、代わりにマッツ・ミケルセンがグリンデルバルド役に。大物感たっぷりで、さすがは北欧の至宝と称されるマッツ・ミケルセン。その圧倒的な演技力にねじ伏せられました。
でもジョニデのグリンデルバルドもザ・悪役って感じであれはあれで好き。なのでもしジョニデのグリンデルバルドだったらこのシーンこんな感じなのかしらという考えが常に頭の片隅に。
グリンデルバルドって扇動者であって統治者ではない、その器ではない。統治ではなく支配したいだけの、ある意味〝小物〟の悪役なので、そういうキャラクターのイメージならマッツよりもジョニデなんですよね。
あとわずかとはいえ喜多村英梨の声も聞けて満足。キタエリはもっと外画の吹替をして欲しい。

しかしせっかく魔法族に生まれたのに卑俗なマグルのように争いや権力闘争に走る心境は理解できませんね。
人ならざる力と長命(といってもわずか140歳くらいだが)を得たからには人生を楽しまなければ。
ドラゴンやペガサスに乗り世界中を旅してまわる。
ブロッケンの霧、ギアナ高地の滝、ヒマラヤの山々、ウクライナのヒマワリ畑――。
世界にはいたるところに絶景がある。
また百年後にでも訪れるとしようか、どう変わっているのか楽しみだ。
春は桃や牡丹の花を肴に酒を飲み、夏は滝のそばで涼しく過ごしながら酒を飲み、秋はオクトーバーフェストでビールを飲み、冬は雪景色を肴に酒を飲む。
退屈などとは無縁に長く楽しい人生を大いに楽しむ。
私が魔法族なら、そんなふうに人生を謳歌するのに。
人間どもが戦争で滅ぼうが滅びまいが関係ない。
我が身さえ風流ならばそれでよし。


映画を観た後にまた『ムンバイ』で食事をしました。
マトンビンダルは限界ギリギリの辛さ加減が絶妙、いつものグラブジャムンに加えて初めてラスマライという甘いデザートを食べましたが、練乳を溶いたような優しい甘さの牛乳が美味でした。

847名無しさん:2024/07/10(水) 23:20:04

みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』観ました。
https://www.unitedcinemas.jp/sp/minatomirai/film.php?movie=10829&from=daily

新学期直前、ハリーはロンたちウィーズリーファミリーとアイルランド対ブルガリアのクィディッチを観戦。興奮冷めやらぬ夜、仮面をつけた集団が会場を襲撃して去ってゆく。
駆けつけてきた魔法省の役人からこの仮面の集団は「デスイーター」と呼ばれるヴォルデモートの手下だと知らされる。
危険な集団の13年ぶりの凶行という不穏な幕開けの新学期、ダンブルドア校長がホグワーツ魔法魔術学校、ダームストラング専門学校、ボーバトン魔法アカデミーの3校によるトライウィザード・トーナメントが約100年ぶり開催されることを宣言。代表選手は各校の17歳以上の生徒からひとりずつ選ばれると発表、挑戦者は炎のゴブレットの中に名前を書いて入れるようにとのこと。この炎のゴブレットが代表選手を選ぶのだ。
14歳のハリーは参加できないはずだったが、3人の選別者を発表した後にハリーの名が書かれた紙がゴブレットの中から出現。ゴブレットの選別は絶対、そのためハリーは予期せずに4番目の選手としてトーナメントに参加する事に――。

今作もまた新たな「闇の魔術に対する防衛術」担任講師が出てくるのだが、元・闇祓いという異色の経歴に隻眼隻脚という異相で性格もぶっ飛んでいるキャラクター。そしてその正体は例によって例のごとくな感じで、この学校の「闇の魔術に対する防衛術」講師には裏のある奴しかなれないのだろうか。ダンブルドア先生の人選って……。
トライウィザード・トーナメント(漢字だと三大魔法学校対抗試合と書くそうです)は700年の伝統ある国際交流イベントなのだが死者が多発したため一時は中止になったという危険なイベントで、たしかにその内容は男塾にあってもおかしくないレベル。
ドラゴンが守っている金の卵を奪取せよという最初の課題では「最初から箒を持って参加する事はできないが、アクシオ(物品召喚の魔法)で箒を取り寄せするのはあり」とのことで箒をアクシオして得意の飛行術でドラゴンを翻弄して卵を手に入れたハリーなんですが、それ最初から卵をアクシオしたらいいんじゃね? と思いました。
まぁ、この手のアイテムにはそういう魔法が効かないようになっているのかもしれませんが。
他の面子はどうやってクリアしたのか見たかったですね。というかドラゴン簡単に鎖を引きちぎって校舎を破壊していましたが、これ観客も命がけだろ……。
2番目の課題は水魔がうごめく湖の底に奪われた挑戦者たちの〝宝〟を取り戻すものなのですが、この宝って挑戦者たちの家族や友人なんですよ。
眠らされて水魔の巣に捕らわれている人を助けるんですけど、これ捕われ役はきちんと説明を受けて納得したうえで捕まっているのだろうか? あと家族も友達もいない人とかどうなるんのだろう?
ラストでヴォルデモートが復活するのですが、マッツやジョニデのグリンデルバルドを見た後ではヴィジュアルといいキャラクターといい、どうしても見劣りしていると感じてしまいますね。


てっきり最終作までハリポタシリーズを週替り上映してくれるものかと思っていたのですが、どうもパート4でおしまいらしいです。
つうかローソン・ユナイテッドシネマさん、上映する順番おかしくないですか?

シリーズもの作品をリバイバル上映するのなら普通はパート1から順番に流しません? なんで5作目から最終作まで上映した後から1〜4てスケジュールになるんですか! おかしいでしょ。
これ、近日中にパート5以降も上映してくれないとこまりますよ。
円盤や配信ではなく映画は映画館で観たい。

848名無しさん:2024/07/13(土) 23:13:32
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『呪葬』観ました。
https://jyusou-movie.com/

腎臓疾患を抱える娘を懸命に育てるシングルマザーのリー・チュンファのもとに叔父から祖父が亡くなったという報せが伝えられる。
優しかった祖父の最期を見送るために勘当同然に飛び出して疎遠にしていた実家に戻ったチュンファとその娘チンシェン。
冷酷で高圧的な父とそんな父に従うばかりの母に嫌味の絶えない姉とその夫のおどおどしていて頼りない義兄。
家を出た頃と変わらない家族の姿にうんざりするチュンファだが、唯一親身で友好的な叔父の助けもあり初七日を過ごそうと決意する。
しかし家には人ならざるなにかの気配があり、不気味な悪夢や怪異に襲われることに。それはチュンファだけでなく娘のチンシェンにも起きていた。
いったいこの家には何があるというのか――。

こちら台湾製のホラー映画となります。
久しぶりに会った家族に冷遇されるなか、夢か現実かもわからない恐怖に襲われる展開は実に厭〜な感じ。
終始、画面が暗めのためどうしてもスクリーンに注視してしまうことで視覚的な怖さを引き立てているように感じました。パンフレットによると監督はリアルな映像表現を追求し、アニメーションやCGに頼らず実写での表現を重視したとのこと。
例えばチンシェンが祖父の棺のある部屋から出ようとしてもループして出られなくなるシーンではふたつの前後左右対称、完全一致の部屋をセットで組んでワンカットで撮影することで映像のリアリティを高めたとか。
たしかにあの場面はギョッとしました。
わずか数秒のシーンにここまでのこだわりと手の入れよう、映画をはじめ映像業界の人たちってほんと根気強いというか細かい。こんなの自分にはできませんよ、映画人て改めて凄いというか狂っているなと思いました。
原題は『頭七』といい、これは初七日の事。死後7日目に自らの死を悟った者の魂が家族に別れを告げに家に帰って来るという台湾の伝統的な風習。
日本でも同名の言葉があり、故人が三途の川にたどり着くまでの日にちなどと伝わりますが込められた意味的に少し異なるみたいですね。
蓮の花の飾りつけや棺に置かれた男女の絵など、日本人には馴染みのない道教的な習俗描写が多く見られるのも興味深く面白かったです。
太極図の描かれた服を着た道士だか法師だかがお教を唱えながら木魚をポンポン叩く場面とか仏教と道教がまざっているだなぁと。
でも日本の宗教的な儀式や行事も仏教、神道、その他諸々の民間信仰などが合わさっていたりしているものも多いでしょうし、多神教ならではの面白さですね。
意外な〝真犯人〟の正体と物語の結末は予測のつかないサプライズ。そうくるか! と、いい意味で裏切られました。
ちょっと気になる、説明不足な部分もありますが、あえてそのような要素を残したのだろうと。そのわからなさが想像力を刺激して恐怖を増幅させ、物語の深みを増している。
監督の名前はシェン・ダングイ。初の長編作品だそうです。
監督は「人間は幽霊よりも恐ろしい、人を傷つけるのは幽霊ではなく、いつも人なのである」という言葉を述べています。
ホラー映画を観た後にこういう「人間が一番怖い」系の感想を述べると陳腐なことを言うなと怒る人がいますが、実際そうなのだから仕方がない。
幽霊よりも刃物を持ったキチガイの方が脅威であり恐怖であり、つまり刃物を持ったキチガイの幽霊が最恐ということです。

849名無しさん:2024/07/17(水) 02:36:55
みなとみらいのキノシネマで『Shirley シャーリイ』観ました。
https://senlisfilms.jp/shirley/

1948年に『ニューヨーカー』誌に掲載された短編小説『くじ』が話題になったものの、以降はスランプ状態のシャーリイ。
女子大生行方不明事件を題材にした長編小説の構想はあるものの筆は遅々として進まず、酒と薬に溺れる引きこもり状態。
そんな時に夫のスタンリーの仕事関係でフレッドとローズという若い夫婦が居候することになる。
シャーリイの世話係を余儀なくされたローズは最初は彼女の無礼で不躾な態度に辟易するものの親身になって接するうちに両者は互いに影響を与え合い、その関係に変化がおとずれる。
シャーリイはローズという人物から執筆のインスピレーションを得るようになり、ローズはシャーリイの生き方に惹かれてゆくのだが――。

こちら実在した小説家シャーリイ・ ジャクスンの伝記に基づく映画となります。
シャーリイ・ジャクスンて誰なのかしらと検索するとロバート・ワイズ監督の『たたり』、ヤン・デ・ボン監督の『ホーンティング』の原作になった作品を書いた人だったんですね。
この人の代表作のひとつ『ずっとお城で暮らしてる』はあらすじからして不穏な気配に満ちていますが、難しい文章なんだろうなぁ……。もう早川書房や東京創元社の本を読む時間も気力も無いよ。
『なんでもない日にピーナツを持って』という短編もまたあらすじを読むだけで「うわぁ……」てなりました。よくこんな人の良心や善性をあざ笑い、否定するような邪悪なお話を思いついて実際に書けるものだと脱帽。
掌編小説の妙手である爪毛先生の作品に近い、恐ろしい感性を感じました。こういうのは自分には逆立ちしても書けない、思いつけない。
頭の中に物語の構想はあるものの、それを実際に文章に起こすことができず一行書いては消してまた書いては消しての繰り返し場面はノベプラ民のみなさんには身につまされるものがあるのではないだろうか? ストーリーが進むに連れ現実と虚構が重なり合い狂気と紙一重の創作過程が描かれる。
いよいよ虚実の境が曖昧となる終盤のあるシーンでは見ているこちらの足もとがバラバラと崩れ去り、現実と虚構の狭間の奈落に引きずり降ろされそうになる感覚は、まさに異彩を放つシャーリイ・ジャクスンという鬼才の創造する作品世界そのもの。

ただ異論が無いわけではない。
家事や育児など女性に押しつけられがちな――実際押しつけられているが――労働のために学問を諦めざるを得ないような描写や、作中での「この世界は女の子には残酷すぎる」という科白など、まるで男性だけが世の特権を謳歌しているかのような描かれ方はいかがなものか。
まぁ、当時はそうだったのかもしれませんが今は違いますよね。
女性の場合はフルタイムやパート勤務、専業主婦など多様な生き方が社会で認められていますが男性だと週5フルタイム勤務が当然とされ、専業主夫はまだまだ社会に理解されないのが実情でしょう。
男に生まれたというだけで働かされる。
もう労働が苦しすぎる。働かずに遊んで暮らせるのなら永遠に生きていたいですけど、死ぬまで労働の苦しみを受け続けるというのなら今すぐ死んで楽になりたいですよ。
週5フルタイム労働だと自分が自由に使える時間なんてわずかしか残されず、読書や執筆などの趣味に費やすいとますらありませんよ。最低限の生活をするのでさえ週に5日以上、1日8時間以上も働かなければいけないなんて苦痛です。
「自分の1日の3分の2を自己のために持っていない者は奴隷である」というニーチェの言葉はけだし真実。
昭和の時代に比べて世の中は機械化やITデジタル化が進み効率が上がってるはずなのに何故か人の労働時間は大して変わらず、というか機会化で無くなった分に仕事を追加されているため現代人は昔の人よりも多く働かされているんですよ。
1日の労働の疲れを1日の休みで回復するのだから、休日≧出勤日でないと勘定が合わないのに週5出勤がデフォルトとかおかしいだろ……。

立身出世と言わんばかりにバリバリ働きたいなら男性の方が有利なのかもしれませんが、自分の人生や家族と過ごす時間を大事にしてほどほどで生きていくだけなら女性の方が楽。
このふたつを混ぜたり入れ替えたりするから話がおかしくなる。
昔おばちゃんばかりの職場で働いていましたが、みんな口をそろえて専業主婦は楽だの甘えだのと言っていましたよ。おなじ女の人が言うのだから間違いないでしょう。
卒業文集に講師から「お気楽極楽じゃ人生渡っていけないよ」てわざわざ書かれた知人女性のSNSを見ると専業主婦になっていて、ひたすら趣味のゲームに興じる投稿ばかりして人生を満喫しており、お気楽極楽で人生イージーモードだなぁと本気で嫉妬しました。
二度目の人生は強者女性に生まれ変わって自分の人生を謳歌するなろう小説とか流行りそう。

850名無しさん:2024/07/18(木) 00:46:50
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『SALAAR/サラール』観ました。
https://salaar-movie.com/

盗賊を生業とする三つの部族によって築かれた城塞都市カンサール。
恐怖と暴力が支配し、あらゆる犯罪行為によって富を集めるそこはインド国内に存在する治外法権の独立国家といえた。
元首であるラージャ・マンナルの第二夫人の息子ヴァラダは、第一夫人の息子ルドラにうとまれ、名誉と権力の象徴である鼻輪を奪われてしまう。
ヴァラダの親友デーヴァはヴァラダのために闘技場の試合に挑み、みごと鼻輪を取り戻す。
その後、カンサール内の部族抗争によりデーヴァの母親が拉致されそうになった際に駆けつけたヴァラダは自らに与えられた領地と引き換えにデーヴァの母親を救い、デーヴァは母親とカンサールを去って身を隠すことに。
デーヴァは別れ際にヴァラダに「名前を呼べば必ず駆けつける」と誓いを立てる。
それから25年後、ラージャ・マンナルがカンサールを留守にしたことからカンサールを揺るがす抗争が勃発。
窮地におちいったヴァラダは親友デーヴァを迎えにいき王座をめぐる争いに身を投じる決意をする。
だがデーヴァの出自に秘められたある事実によりふたりの友情を引き裂き、カンサールは未曾有の破壊と殺戮に見舞われる事になるのであった――。

完結しないのかよ!
約3時間という長尺にも関わらず起承転結の転が明らかにされたところで〝続く〟となります。
監督は『K.G.F』のプラシャーント・ニール。『K.G.F』で魅せたインド映画特有のケレン味のあるアクションは清々しいまでの暴力に満ちており、猛り狂う世界の中で描かれる骨太の友情ドラマは感動もの。
普段は無口で温和な優しい巨人だが胸の内に熱い義侠の心と狂人さながらの暴力性を秘めた主人公デーヴァのキャラクターが実に魅力的。その強さはもはや人の世の武ではなく熊や虎といった猛獣が人の皮を被っているかのよう、戦いとなれば悪鬼羅刹の如く猛威を振るいます。
それでいて冒頭の闘技場シーンでは正面から勝てない相手に知略を使って(しかも極めてクレイジーな)勝利するという策士ぶり。
実に素晴らしい人物設定です。
そういう人物像のみならず舞台となるカンサールの設定と描写も引き込まれました。三つの部族による101もの首長国の集合体ゆえそれぞれがまったく異なった文化を持ち、街の景観は千差万別。中世のような雰囲気もあればマッドでマックスな世紀末SF的な姿も見せるカオスな世界。
そんな混沌とした世界で個性の強すぎる海千山千の悪人たちが騙し合い殺し合い奪い合い、幾重にも陰謀が重なり合う戦国乱世さながらの様相を見せる。
この映画はまさに英雄譚、現代の英雄叙事詩、血沸き肉踊るマサラ武侠活劇。
観てください!

851名無しさん:2024/07/18(木) 00:52:16
>>850
「俺の名を呼べば、お前のために、俺は戦う」
「お前のために、命を捨て、お前のために、命を奪う」
という科白もぐっとる

852名無しさん:2024/07/25(木) 00:16:26
ローソン・ユナイテッドシネマで『デッドプール&ウルヴァリン』観ました。
https://marvel.disney.co.jp/movie/deadpool-and-wolverine

アベンジャーズの面接に落ちた後、自動車の販売員として生活しているデッドプールことウェイド・ウィルソン。満たされない思いを抱いて日々を過ごしているなか、友人たちが誕生日を祝うサプライズパーティーを開いてくれる。
そのさなか、突然現れた「TVA《時空変異取締局》」を名乗る集団に拉致されたウェイドは彼らのボスからスカウトされることに。
ヒーローとして活躍できると最初は申し出を快諾したウェイドだったが、自分のいる世界の消滅を早めるという計画を聞き時空転移装置を奪って逃走。
世界の消滅を食い止める鍵となる人物、ウルヴァリンことローガンを探してあちこちのマルチバースを巡るなかで〝虚無〟と呼ばれるマッドでマックス風な異世界に落とされる。
この虚無にはあらゆるユニバースから追放された数多の能力者たちがひしめいていた――

みんな大好きデッドプール!
無責任ヒーローというキャッチコピーですが、むしろ不謹慎ヒーローという言葉がふさわしいデップーでした。冒頭から小躍りしながらノリノリで追っ手を大虐殺。しかも掘り起こしたウルヴァリンの骨を使って刺したり斬ったりやりたい放題。
敵の頭に手で刺した後に回し蹴りで深く食い込ませるアクションがエグくてぐっときました。
デッドプール対ウルヴァリンやデッドプール対変異体デッドプールといった不死身の再生能力者同士の戦いはそれ自体がギャグみたい。
様々な世界のキャラクターが出てくる虚無では懐かしのあの人この人がいて、知っている人はニンマリする事でしょう。
本物のウェズリー・スナイプスとジェニファー・ガーナーだ!
シリーズが途中で打ち切られたり企画の段階で消えた作品のキャラクターが世界の危機に団結するムネアツ展開にムネアツ(語彙力) 
カードを操るガンビットのアクションもかっこよかったです。宇宙まで飛んだり星を破壊するようなスーパーパワーよりも、一般人以上超人未満というこのくらいの地に足のついたレベルの能力の方が好みです。
あのエンドクレジット、20世紀フォックス映画の元で制作されていた過去作の集大成ともいえるもので一連の作品を追ってきた人には胸に来るものがあること間違いなし。
シリーズ未見でも超絶アクションとデップーのキャラクターだけでも楽しませてくれます。
観てください!

853名無しさん:2024/07/27(土) 07:21:13
横浜シネマリンで『男女残酷物語/サソリ決戦』観ました。
https://unpfilm.com/danjyozankoku/
 
慈善財団の幹部セイヤーの元にジャーナリストのメアリーが男性避妊手術に反対する記事について取材に訪れる。
男性の避妊手術に賛成というメアリーに対してセイヤーは激昂し反論すると彼の家にある資料を取りに来る約束をする。
約束通り家に来たメアリーに一服盛ったセイヤーは彼女を拉致監禁して隷属させるために様々な責め苦を与える。
実はこの男、肩書きとは裏腹な女性蔑視の男性優位主義者で心の内に女性に対する嗜虐性と征服欲を隠していたのだ。
だがメアリーはセイヤーのいかなる変態行為にも屈せず、いつしか両者の立場は逆転してゆくことに――。

こちら1969年に制作されたイタリア映画となります。
あらすじだけ読むとフランス書院などの官能小説にありがちな監禁調教ものポルノなのですが、女性に対する恐怖からミソジニストになった悪しきマチズモをこじらせた男が実に哀れな姿を見せる展開と豹変する女性の姿などフェミニズム映画なのかも……?
そういうコムズカシイ事を考えずともアヴンギャルドな音楽と色彩にあふれたアホみたいな展開を素直に笑って楽しむのが正解でしょう。
メトロノームに合わせて筋トレして鍛えられた体を見せつけてオイルを塗るよう命令したり、自分そっくりのゴム人形をあてがい「上下に動け! 喘げ!」と性交を強要するとか、どんな性癖だよ……。

磔部屋、ローイングマシン付きトレーニングルーム、円形の装置の中で周囲を見渡しながらシャワーを浴びる事ができ乾燥機では外部に取り付けられたダイヤルで音声調整可能な最新鋭シャワー、隣の部屋からこっそり夜這いできる間仕切り開閉式ベッド、ボンデージ人形部屋、水責めプール部屋――。
こういう素敵なギミック満載のアジトは秘密基地感があって見ていて楽しくなりますね。
しかも外観がこんなイカれたデザインで素敵。
※画像はパンフレットより。
私ならさらに入り口の上に突起状のインターホンを作って、押すと「あ〜ん♡」や「わ〜お♡」て声が出るようにしたいです。


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