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ジョコンダ

1さーじょん:2004/04/25(日) 20:18
作曲:ポンキエッリ(1834-1886)
台本:トビア・ゴッリオ(アリーゴ・ボイート)
原作:ヴィクトル・ユゴー『パトヴァの暴君、アンジェロ』
初演:1876年、ミラノ

2さーじょん:2004/05/30(日) 12:52
 ブルーノ・バルトレッティ指揮、ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・オペラ・コーラス、1980年6〜7月録音。
 モンセラ・カバリエ(ジョコンダ)、アルフレーダ・ホジソン(ジョコンダの母)、ルチアーノ・パヴァロッティ(エンツォ)、ニコライ・ギャウロフ(アルヴィーゼ)、アグネス・バルツァ(ラウラ)、シェリル・ミルンズ(バルナバ)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000E2Y2
 これだけ美声が揃うと、作品そのものの良し悪しとか、指揮やオケの出来不出来とかはどうでもよくなって、ただひたすら声に酔いしれてしまう。第4幕、ジョコンダ、ラウラ、エンツォの三重唱なんて、涙なくしては聴けません。歌手の中では、とくにミルンズが名人芸です。この人は本当に、どんな役でも──スカルピアもジェルモンもアモナスロも──何でも歌えるんだなあ。

3さーじょん:2004/05/30(日) 12:52
 『名曲解説全集』によると、ヴェルディは「ポンキエルリは音楽を知っていますが、彼のオペラには個性がありませんし、また、語り口にも支離滅裂なところがあります」と評していたらしい。
 なるほど確かに、同時期の著名な作曲家たちの作風が折衷されている感はある。とはいえ、「エンツォ・グリマルド公爵よ」(バルナバ&エンツォ)「漁師よ、餌を沈めよ」(バルナバ)、「空と海」(エンツォ)、「ああ、恐れないで」(エンツォ&ラウラ)、「時の踊り」、「自殺!」(ジョコンダ)といった数々の名曲が並び、合唱の使い方も非常に巧みなこの作品は、やはり傑作というべきだろう。

4さーじょん:2004/05/30(日) 12:53
 舞台がヴェネツィアであることを作者が意識したのかどうか分からないが、悲劇でありながら、全編まさに「空と海」を思わせる明るさ、陽気さに包まれている気がする。(同じく港町を舞台にした「オランダ人」とは、非常に対照的です。)
 陽気に聞こえるのは、パヴァロッティの歌のせいかしら? バルツァもこういう役、似合いますね。しかしこの録音、ホントによくぞこれだけのメンバー集めたよなあ。
 ところで、『音盤風刺花伝』のドナルド・キーンは、なぜかカバリエの大ファンで、この本にもやたらとカバリエ賛が出てくる。僕自身はじつはあまりカバリエが歌っているCDを持っていない。これをきっかけに少し聴いてみようかしら。。。

5さーじょん:2004/06/06(日) 12:17
ウィーン国立歌劇場公演(おそらく1986年)
http://www.kultur.com/page/Kultur/PROD/vhs_opera_performances/0009

6さーじょん:2004/06/06(日) 12:23
>>5情報追加
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/6304469640

7さーじょん:2004/08/07(土) 21:29
>>5-6のビデオ
フィリッポ・サンジュスト演出、アダム・フィッシャー指揮、ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
エヴァ・マルトン(ジョコンダ)、プラシド・ドミンゴ(エンツォ)、マッテオ・マヌグエッラ(バルナバ)、リュドミラ・セムチュク(ラウラ)、クルト・リドル(アルヴィーゼ)、マルガリータ・リロワ(ジョコンダの母)。
 演出はオーソドックス。おそらくかなり絢爛豪華な舞台だと思うんだけど、如何せん画質全体がオレンジ色がかっていて、ちょっと色味がよくわからなんだ。指揮は、うーん、たまに合唱がばたつくところあるんだけど、舞台上の出入りの多い作品だから、しようがないのかな?
 歌手では、マルトン、ドミンゴ、マヌグエッラの三人がとにかく全開です。素晴らしい。「ジョコンダ母娘の哀しい物語」だから、マルトンの「立派すぎる」歌唱がこれに合うのかなと思ってたんだけど、このビデオのマルトンは歌唱・演技ともに素晴らしいですね。

8さーじょん:2004/08/07(土) 21:29
 ドミンゴも、こんなに端正さと情熱を兼ね備えた歌唱は、ドミンゴの中でも珍しいと思う。それにしても、カヴァラドッシでもシェニエでも、ヴェリスモ・オペラのテノール役では、やっぱりドミンゴにかなう人はいないなあ。
 マヌグエッラとマルトンのジョコンダについては、『帝国・メト』下巻29〜30ページにちょっとしたエピソードが載っている。「バルナバ役のマヌグエッラは、その役を目をつぶってでも歌えるベテランのバリトンだった」。とくに当たり役だった、というわけではないだろうが、それにしても、このビデオでもよくはまっている。
 マヌグエッラは、名まえだけはしょっちゅう目にしていたけど、まともに聴いたのはこれが初めてかも知れない。容姿・演技とも、めちゃくちゃ舞台映えしそうですね。
 総合的には、確実に愛聴盤になりそうなビデオです。

9さーじょん:2004/11/23(火) 01:26
ガヴァツェーニ指揮1957年録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FL22
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000E4YL

10さーじょん:2004/11/23(火) 10:13
>>9鑑賞。チェルケッティという気鋭のドラマティック・ソプラノに触発されたのか、全員テンション高い。とくにデル・モナコ。他のCDは好きになれないけど、これはいいぞお!

11さーじょん:2005/01/24(月) 23:18
ガルデルリ指揮1967年録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000E4J4
 テバルディ(ジョコンダ)、ベルゴンツィ(エンツォ)、メリル(バルナバ)、ホーン(ラウラ)という豪華キャストにもかかわらず、>>9のガヴァツェーニ盤の陰に隠れたせいか、長らく廃盤。中古CD店で輸入盤を見つけて、初めてこういう録音があったことを知った。メリルとかホーンとかが入っているところを見ると、当時のメトの常連で録音したって感じかなあ?
 アルヴィーゼはニコライ・ギュゼレフだが、はじめギャウロフと勘違いしていて、「67年だとこういう声なの? 何だかシエピの出来損ないみたいだなあ……。それにしても、66年録音のドン・カルロと比べても、えらい声が軽いなあ」なんて思っていました。。。

12さーじょん:2005/01/24(月) 23:19
 歌手陣で意外にも良かったのはホーン。ラウラ役自体は>>2-4のバルツァの印象が強いし、ホーンの声自体はhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074602369/3のバーンスタイン盤カルメンの印象が強かったので、ラウラにしては声質が低過ぎるのでは?なんて思ってたけど、じつはこういう優しい女性の役が似合う声なんですね。ベルゴンツィとの相性も良いと思います。聴き所はやはりテバルディの「自殺!」。やっぱりドスの利いた役はいいですねえ。
 ただこのCD、佳演であることは間違いないものの、歌手全員のテンションの高さを感じた>>9-10に比べると、少し大人しい印象は否定できない。叙情的なジョコンダが好みの向きにはイイかも知れませんね。

13さーじょん:2005/01/24(月) 23:19
>>2-4のCD
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=414349
>>9-10のCD
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=433770

14さーじょん:2005/04/16(土) 14:20:24
>>2-4のCD聴く。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1500350
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000787WVU
 やはりカバリエは美声ですね。歌手陣の美声もさることながら、指揮&オケもかなり良いです。これの「時の踊り」はほんとうに美しいと思いました。

15さーじょん:2006/02/19(日) 12:06:41
昨晩、都内にクルマで出掛ける用事があり、往復の車内で聴いた>>9-10>>13のガヴァツェーニ盤。
 やはりこれは、声を楽しむ演奏ですね。他の50年代のデッカ録音と比べても、オケと歌のバランスがあまり良くないので、管弦楽の劇的な響きを楽しむことはできません。歌手では、シミオナートの気品と激情を併せ持ったラウラが素晴らしい。>>2-4バルトレッティ盤のパヴァロッティ、ギャウロフという恋敵同士では、「青年と老年」に聞こえますが、デル・モナコ、シエピだと、同い年くらいに聞こえます。ストーリー全体の意味合いが変わってくるようにも思えました。
 それにしても、デル・モナコって、「輝かしい声」以外は本当にダメですね。このCDでも、第2幕のラウラとの二重唱、第4幕のジョコンダ、ラウラとの三重唱など、弱声で歌うところがありますが、これがまあ、何と申しましょうか……

16さーじょん:2006/08/05(土) 23:59:07
>>11-12のガルデルリ盤を聴く。
 やはり、巧者を集めた名演ですね。あらゆる場面で、「みんな、上手いなあ」と感心してしまいます。スターを揃えて、しかもアンサンブルとしてもよくできているように思います。
 それとこの作品、合唱の使い方が、舞台裏で歌う場面も含めて、とても効果的です。名作と呼ばれるに相応しく、やはり独自の世界を持っていますね

17さーじょん:2007/03/15(木) 00:43:25
>>2-4>>13-14のバルトレッティ盤を聴く。
 それほど多くの録音を聴いたわけではありませんが、歌手、演奏、録音そろったという意味では、やはりこれが「決定盤」でしょう。歌手は決して軽量級ではありませんが、なぜかリリックな印象を受けるのは、バルトレッティの音づくりのおかげでしょうかね。

18さーじょん:2007/11/11(日) 00:24:57
>>9-10>>13>>15のガヴァツェーニ盤を聴く。バスティアニーニ、シミオナート、シエピの脇役陣、やっぱえーなー。
↓アニタ・チェルケッティの情報、見つけましたよん。
http://griffeaquitaine.free.fr/cerquetti/

19さーじょん:2008/09/24(水) 07:53:50
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085705619/53に引き続いて、「ヴェリスモ特集」ですね。>>2-4>>13-14>>17のバルトレッティ盤です。以前も書いていますが、やはり名歌手の饗宴・競演を楽しむべき録音ですね。大詰め、ジョコンダ、エンツォ、ラウラの三重唱、この上なく美しいですね。

20さーじょん:2009/02/03(火) 01:58:01
2009年2月1日(日)、2月2日(月)、東京文化会館にて、藤原歌劇団公演鑑賞。
 岩田立宗演出、菊池彦典指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、藤原歌劇団合唱部、多摩ファミリーシンガーズ。
 (1日/2日)
 下原千恵子/エリザベート・マトス(ジョコンダ)、笛田博昭/チョン・イグン(エンツォ)、牧野正人/堀内康雄(バルナバ)、森山京子/エレナ・カッシアン(ラウラ)、党主税/彭康亮(アルヴィーゼ)、二渡加津子/鳥木弥生(チエカ)。
公演概要↓
http://www.jof.or.jp/opera_tickets/tichet_center/gioconda/p1.html
 国内上演は非常に珍しいオペラなので、2月1日の日本人キャスト公演、2日の外国人キャスト公演と、二日間続けて観てきました。公演プログラムによれば、全曲初上演は1999年の新星日本交響楽団定期演奏会の演奏会形式上演だそうです。そのときは、菊池彦典、下原千恵子、牧野正人、彭康亮が参加しています。2000年にはソフィア国立歌劇場が上演(外題役はディミトローヴァ)、2003年には首都オペラが上演しています。

21さーじょん:2009/02/03(火) 01:59:49
 演出は非常にオーソドックスです。ヘンないじり方はせずに、音楽に集中することを妨げなかったという意味では、好感が持てます。第1幕は、中央に宮殿の入り口に通じる大階段、上手に桟橋、下手奥にも桟橋、下手手前には「翼のある獅子」が載った円柱です。第1幕から第3幕までは群衆の出入りも多いのですが、演出はうまく処理していたと思います。第1幕でも、レガッタに浮かれる人々の様子がうまく表されていました。
 第2幕、舞台上、下手半分を隠すように、大きな帆が掛けられていて、それが、舞台が船上であることを示しています。上手に桟橋、バルナバが「漁師よ、餌を沈めよ」を歌うのはそちらの桟橋です。幕切れは、舞台上の大きな帆に赤い照明が当てられ、火が放たれたことを示しています。
 第3幕前半、中央に出入り口、下手にえんじ色の布に覆われた棺、上手に鏡。後半は、舞台奥上方にキリストの生涯を描いた4枚ほどの絵画。この場面バレエが中心になるので、舞台上には特段の装置は置かれていませんでした。
 第4幕、中央に崩れ落ちた建造物のような門、上手寄りに衝立、下手寄りに台。ここは正直、舞台を見ただけではどういう場所なのかは、見当が付きませんでした。

22さーじょん:2009/02/03(火) 02:00:37
 指揮者の菊池彦典は、2004年の「アドリアーナ・ルクヴルール」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085705619/27-38でも2006年のトスカhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079184430/23-26でも指揮しています。表題役のマトスは2006年「トスカ」、二人のバルナバは2004年「アドリアーナ・ルクヴルール」のミショネ、カッシアンはブイヨン公夫人です。いわば藤原歌劇団では「おなじみ」とも言えるメンバーというわけです。
 さて歌手について、日本人キャストのほうは兎に角、元気の良い演奏でした。ある意味「一本調子」と思える歌手もいたわけですが、ジョコンダ、エンツォ、バルナバの3人は、声がとても良く出ていたので、それだけで十分満足できました。下原千恵子、声量の豊かさは得難いと思います。ただし高音でワウがかかったような声になるのがちょっと気になりました。笛田は若さいっぱいといった感があって、巧さは感じなかったのですが、声が出ていたので良しとしましょう。
 ちょっと辛かったのが、ラウラですが、ロッシーニのオペラなども歌う人ですから、こういったドラマティックな役まで歌うのも、どうかなあという気はしました。チエカは、両日ともになかなかの好演でした。アルヴィーゼは……ちょっと残念でしたね(2日のアルヴィーゼも残念でした)。

23さーじょん:2009/02/03(火) 02:01:43
 外国人キャストのほうは、マトスとカッシアン、そして堀内康雄が良かったですね。2006年のトスカでは少し絶叫気味で胸焼けしそうな印象もあったマトスですが、ジョコンダには本当にぴったりです。ジョコンダという役は、思った以上に中・低音域で歌う場面が多いのですが、けっして不安定になることもなく、しっかりとした歌でした。劇的表現が本当に素晴らしく、第4幕では思わず落涙しました。
 カッシアンは2004年のアドリアーナ・ルクヴルールでも好印象でしたが、今回も素晴らしいと思いました。メゾ・ソプラノであっても、タルミがなく張りのある声なので、この役に必要な気品も十分に感じられました。
 1日に牧野正人のバルナバを聴いたとき、声力・声量も十分で、立派な歌だなあと思っていました。そして堀内康雄のバルナバは、声力・声量でまさっていたわけではないのに、表現力でははるかにまさっていました。バルナバという役は、同じく変態性の悪役でも(男爵という肩書きを持つ)スカルピアとは違うわけですが、そこを本当にうまく表現していたと思います。
 31日に外国人キャスト組を観た知人の皆さんが異口同音に、エンツォの声がまったく出ていない、と仰ってました。それで期待値を下げていきましたが、「声が聞こえない」ということはなく、多少は調子が上がったのか、少なくとも登場の場面や「空と海」といった見せ場では、聞こえる声でした。が、決して良かったのではなく、ちょっと歌唱力そのものにかなり難アリでして、何というか、「出来の良い音大生」くらいのレベルにしか聞こえませんでした。女声陣が充実していただけに、これはかなりブレーキと言わざるを得ません。

24さーじょん:2009/02/03(火) 02:02:21
 指揮は、やはりヴェリスモ・オペラの第一人者ですから、かなりの高水準だったことは確かです。ただし今回は良くも悪くも「手堅い」という印象があって、幕切れの美しさが未だに脳裏から離れない2004年「アドリアーナ・ルクヴルール」や、爆演とも言うべき2006年「トスカ」と比べると、ちょっと印象は薄いかな、とも思えました。
 ただしこれは、必ずしも指揮のせいではないでしょう。そもそも上記2作品にくらべると、オケの出番が少ない作品なのかも知れません。
 上にも書いたように、群衆の出入りの多いオペラであるにもかかわらず、オケ、歌手、合唱いずれも足並みが乱れることが、まったくなかったのは、流石と言うべきでしょう。何よりも「時の踊り」は素晴らしい演奏でした。やはり指揮の功績大と言うべきでしょうね。
 それにしても、公演プログラムにも書いてありますが、「よくできている」作品だと実感しました。それがわかっただけでも、今回の鑑賞は得るところは大きかったと思います。

エリザベート・マトス↓
http://www.elisabete-matos.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/Elisabete_Matos
下原千恵子↓
http://www.jof.or.jp/profile_pdf/chieko_simohara.pdf

25さーじょん:2012/05/06(日) 07:26:50
 1カ月ほど、持ってるすべてのオペラのCDを、iTunesに移植する作業に夢中になっていました。結構時間がかかる作業で、作業しながら断片的にいろいろ聞いてはいたのですが、ようやく作業がおわって、落ち着いてオペラのCDを聞けるようになりました。
 というわけで、>>11-12>>16のガルデルリ盤鑑賞。やはり、主役4人の巧さが心地よいですね。


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