- 1 :ノートン :2013/07/17(水) 23:15:54
- 朝の日差し・・・
カーテンを、バッと開ける。 朝の6時。窓越しに見える”みかん牧場”を覗き込む。 「ふぁぁ・・・寝不足だ。」
ここは、小さな村”みかん村”。村の端には、小さな牧場がある。 寝不足の青年は、欠伸をしながら動物たちの世話を始める。 「今日もいい乳出せよ」 「モー」 牛と会話をする青年の名はマッキー。こうして、彼のいつも通りの日常が始まった。
- 274 :キャプテン :2016/04/18(月) 23:12:43
- 復興中のみかん村
「群町を発つ前に話しておきたかった。」 珍しい組合せの二人が夜の焚き火をする。 「君達は持って一年だろう。」
水墨鳥がマッキーに語り始めた。 「スーと君には多分、元から魂が無かった。神により二つの世界を繋ぐ役割の宿星を埋め込まれ、体を保っていた。しかし…」 自分の宿星を貫いた光景を思い出す。 「今の僕らに宿星は無い…でも生きている。」 マッキーが口を挟み、水墨鳥が頷いた。 「“現実世界のどこかにある魂”、それが作用しているのだと思う。アンピーの時のように…つまり…」 宿星を奪われたアンピーが脳裏に浮かんだ。
「スーは死期の順が来たのだと考えている。マッキー、君はどうする?」
- 275 :ノートン :2016/05/03(火) 22:13:16
- クリーナー本部の入り口。森に囲まれた静かな場所に、スーは座り込んでいた。
「こんな所で何やってるのよ」 スーが振り向く。そこには幽が、そして・・・。 「キャップ!?」 立ち上がるスー。 「久しぶりだな、スー」 「あぁ、元気そうで何よりだ、キャップ」
すると、スーが少し笑う。 「どうした?」 「いや、この3人が揃うとさ、幽にゲンコツ食らいながら修業したあの頃思い出してさ」 「・・・そういえばそんな事あったな」 2人が幽の顔を見る。そして・・・。
「ハッハッハ!!」「ははは・・・笑わせるなよスー!!」 笑いだすスーとキャップ。
「ちょっと・・・私の顔見て何笑ってるのよ!」 幽のゲンコツが炸裂。 「いってー!」 「あのころと変わらんな・・・幽のゲンコツ」
和やかな雰囲気の中、幽が話を切り出す。 「スー。戻ってきてくれてありがとう。本当に」 「?」 「私たちは、クリーナーを解体して、新しく青空隊を結成するつもりなの。クリーナーは、今回の1件で、世間にひどい印象を与えてしまったわ」 「・・・そうか」
「単刀直入に言うわ。スー、あなたに青空隊の総隊長を任せたいの」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 276 :キャプテン :2016/05/06(金) 18:53:51
- 二人の表情が固まる。
「何…ふざけた事…言ってるのよ。」 スーは自分に魂の無いことを二人に伝えた。 幽はどこかに走ってしまい、キャップは顔を伏せてしまう。 「すまない。」 それだけを伝え、スーはその場を立ち去っていった。…
…みかん村 マッキーの返答はとても単純なものだった。
「探します。」
「フッ…そうか、話して良かったわ。言っておくけど宿星を探すのとはワケが違うわよ?」 マッキーが頷く。すると後ろから肩を叩かれる。 「今度こそ私があなたを救う。」 「人手は多い方がいい…だろ?」 マッキーが振り返る。アンピーとJ・Jが両肩に手を添えていた。 「君は本当に“仲間”に“恵まれた”な。」 水墨鳥は三人の目の前から立ち去っていった。その後の彼女の行方を知る者はいない。
- 277 :ノートン :2016/05/15(日) 23:36:48
- 水墨鳥について、幽は後にこう語る。
「私が彼女にした酷い行動が、今回の彼女の行動に繋がった…初めは私もそう思ったわ。でも、引き出しから出て来た彼女の手紙にはこう記されていたの。
"あなたのせいじゃ無い。クリーナーのせいでもない。むしろ、こんな私を受け入れてくれたみんなには、感謝してる。だから、助けたいの。スーを、マッキーを。
昔、老婆一派であるエリオットが、5つの宿星を生贄にして、復活したのが私。ひょっとしたら、私の体には、宿星が5つある可能性があるの。だから、自分と向き合ってくるわ。そして、2人を助ける。
1年後、必ず戻るわ。それまで、クリーナーを頼むわね、幽。"
水墨鳥は、仲間の為に…! こんな手紙読んで、黙っていられるもんですか。私も意地でも助けてやるわ。スーとマッキーを!」
一方、フランはベルヴァリンの元にいた。 ベルヴァリンは町で土木の仕事をしていた。
「かつてのスケルトンクリーナーが、土木作業員とは…人間分からないものだな」 「…何の用だ」 「あんたの中の、再生星に用があるんだ。仲間が2人死にかけてる。強力してくれ」 「…俺の再生星は、あの時ゴーストで死んだ。強力を頼む相手を間違えてるぞ…帰れ」
「なら何故、お前は生きてるんだ? 」 「…!?」
ベルヴァリンは自分の胸に手を置く。小さく揺れる、魂の声を感じた。
- 278 :キャプテン :2016/05/21(土) 23:35:29
- 夜明け前
眠るマッキーをベルヴァリンが見下ろす。 「スコットと同化した時、宿星を奪われ体に流れ込んできたこの魂、まさかお前のだったとはな。再生能力のせいで俺は長く生き過ぎた…コレは返すよ。」 マッキーの胸元に手を置くと光る魂が入る。…ハッと目覚める。そこには『金属の爪』だけが残り、朝日に輝いていた。 「ベルヴァリン…すまない、安らかに眠ってくれ。」…
…明朝、みかん村 「お前は魂を取り戻せたようだな。」 木陰に座るスーが大荷物を抱えて現れたマッキーに話しかける。 「俺とお前は神の出現の為に魂を抜かれ、宿星を与えられた。干潟、ソニカル、カルラ、フレッシュ、ヘルシー、ラック、宮里…そしてミッキー。俺の戦いにみんなを巻き込み死なせてしまった。次は俺の番だ。」 マッキーが木を見上げる。 「来年の秋、この木にミカンが生る。その時、またここで会おう…魂を手土産にね。 」 マッキーが手をさし出す。スーは呆れ果て手を握り合った。
マッキーはJ・J、アンピーの待つ方へ向かう。 「兄に似てお節介なヤツだな。」 スーは現れた幽に肩を叩かれる。フランとキャップも来ていた。 「ああ、全くだよ。」
若き三人はスーの魂を探しに旅立ち、それを青空隊の四人が見送った。 …そして月日は流れる。
- 279 :ノートン :2022/05/23(月) 23:06:53
- そして、3年後ー。
青空隊は、治安維持の為に様々な土地を回っていた。 「次の町への出発準備は出来たわよ、幽」 「ありがとう水墨鳥。もう行くってのに…バカ隊長はどこに行ったのよ!!」
街から少し離れた、静かな丘。 ここに”青空隊 隊長”のバッジを付けた男が寝転んでいた。 「隊長!スー隊長!!」 「マッキーか、どうした?」
死の宣告を跳ね除け、なんとスーは生き延びていた。仲間達の必死の活躍の元、新たな宿星を手に入れ完全復活した彼は、後に隊長を就任した。
「戻りましょう!幽さんが怒ってますよ」 「すまんな…眠くなっちゃってさ」 スーの言葉を聞くと、マッキーも寝転んだ。 「ミッキー兄さん、あの世で見守ってくれてるかな…」 「あいつは見てるさ。干潟さんと一緒にな」
その昔、108の宿星が地に降り注ぐ。同時に幾度となく襲い掛かってきた災い、そして神ー。 それら全てを乗り越えて来た、青空隊。
彼らはこれからも、正義の道を歩み続ける。
- 280 :ノートン :2022/05/23(月) 23:07:29
- リレー小説 第3部
完
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