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代理投下スレ

1名無しさん:2010/06/15(火) 00:00:43
「この流れに乗りたいけど規制中だよこの野郎」
「いいネタ思いついたけど、この規制は何時まで続くんだ?」って人たちのネタを、
本スレに書き込める人が代わりに投下してあげようというスレ

113路地裏の通り魔 前編 1/2:2010/12/13(月) 00:24:45
PCも携帯も全規制とかもう泣きたいぜ…
どなたか代理投下お願いします

「通り魔?」
紋章町にある高校の教室ではここ最近現れる通り魔の噂で持ち切りだった。
声の主であるマルスは恋人のシーダからその噂を詳しく尋ねていた。
「はい、夕方や夜に路地裏を歩いていると突然魔法や矢や斧が飛んでくるみたいです」
「あっ、通り魔なら知ってるよー!この前実はいい人が槍でやられたって話だよ」
シーダの後ろから元気な声でアベルに手作り弁当を渡しに来ていたエストが話す。
マルスは…たぶんエフラム兄さんだ、と思ったが心の中にしまい話を続けた。
「ふーん…なんにせよ危ないことには変わらないね。シーダやエストも気をつけてね」
「はい、私はマルス様がいますから大丈夫です」
「はーい。まあ私もアベルがいるから大丈夫だよ」
「そうだね。まあ何かあったらまた僕に相談してね」

「通り魔か…噂通りならかなりの手練らしいな」
「そうね。ところで兄さん、カタリナ見なかった?」
「ああ、カタリナなら担任のアラン先生に尋ねたら風邪で休んでいるそうだ」
「そう…ならまあいいわ」

夜、補習で遅くなったルークは愛馬に乗って急いで帰路を駆けていた。
「お、そういえばここの路地裏は近道だったな。ちょっと暗いけど行くか」
ルークは通り魔の存在を知ってはいたがこの時は失念していた。

「…今日の獲物が来たようだな」
「…はい」
何も見えない闇夜である男と女が話していた。
「…あの小僧が動くまではあの学校の生徒を狙うのだ」
「…わかりました」
「…ではまた頼むぞ」
男はそう言うとワープで立ち去り、暗闇には女だけが残された。
そして、数秒後。何かが落下した音とルークの悲鳴が路地裏に響き渡った。
近くにいた巡回していたベルン警察の警官が路地裏に来た時には、
何かに押し潰されたルークが道に倒れているのだけが見つかったのだった…

「ルークが被害にあったか…」
翌日、教室では噂の通り魔にクラスメートのルークがやられたことで話題は持ち切りだった。
「マルス様、カタリナを知りませんか?」
「あれ、クリス。さっき妹のクリスも同じことを質問してきたよ」
「あいつもですか。それで、あいつはどうしました?」
「ああ、カタリナなら風邪で休みだと伝えたら見舞いに行くって…」
「そうですか。ありがとうございます。では俺はこれで…」
「うん…あ、僕からもカタリナにお大事にってよろしく」
「はい。きちんと伝えておきます」

114路地裏の通り魔 前編2/2:2010/12/13(月) 00:25:33
「カタリナ…風邪で3日も休むなんてよっぽど酷いのかしら?」
マルスから今日もカタリナが休んだと知ったクリスはカタリナの住む家に向かっていた。
手土産としてりんごを買っている。もちろん焼いて食べてもらうつもりだからだ。
「そういえばチキちゃんも美味しそうに食べてたなあ…」
以前、マルス様の家の隣に住む竜王家の少女、チキちゃんに食べさせた日のことを思い出す。
その時のようにカタリナも笑顔を見せてくれるのを期待して思わず笑みがこぼれる。

「…あれはターゲットか?」
「…いいえ。ですがターゲットに親しい者です」
「…ならさっさと襲ってきなさい」
「…ま、待ってください!ただ襲うよりも策があります」
「…言ってみなさい」

夜、兄弟家にマルス宛の電話が届いた。マルスが出ると焦った声のクリスが喋りだした。
「マ、マルス様!クリスが、クリスが帰って来ないんです!」
「…はい?今電話しているじゃないか?」
「あ、いえ…妹の方です。それよりも帰って来ないんです!」
「…たしかカタリナのお見舞いに行ったんだよね?」
「はい、俺が行った時にはまだ来ていないとカタリナが言っていました」
「なるほど…とりあえず僕の人脈で探してみるよ」
「すいません、ありがとうございます!」
マルスが受話器を置くと心配そうな顔をしたミカヤが横に立っていた。
「クリスちゃんがいなくなったんですって?」
「…うん。とりあえず僕の知り合いに頼んで目撃情報を尋ねてみるよ」
「私もサザや騎士様やペレアス様に聞いてみるわ」
「ありがとう。よろしくお願いします」
「みんなにもクリスちゃんを見てないか聞いておくわね」
ミカヤから伝わり兄弟全員の人脈でクリスの目撃情報を尋ねた。
しかし神隠しにでもあったかのようにクリスの情報はなかったのであった…

「…さて、この小娘を捕まえてどうするのかね?」
「…囮にします。ターゲットに1人で現れてもらうための」
「…ふむ、悪くないな。まあ成功したらターゲットはわかっているな?」
「…はい」
どこかの部屋で路地裏にいた男と路地裏とは別の女が会話していた。
男が路地裏同様ワープで立ち去った後、女は小さな声で呟いた。
「…ごめんなさいクリス。でもあなたを生かすためにはこうするしか…」

続く

115名無しさん:2010/12/13(月) 17:48:06
代理投下ありがとうございました!
作品、いつも楽しみに待っています。ペースなんて気にしないで頑張ってください

116路地裏の通り魔 中編1/4:2010/12/13(月) 20:48:50
また代理投下お願いします
「マルス様…クリスさんが行方不明って本当ですか?」
「うん…昨日から見つかってないみたいだ…」
翌日、兄弟の必死の捜索も虚しくクリスは依然消息不明だった。
唯一得た情報はクリスがりんごを持って路地裏に入ったという目撃情報だけだった。
「マルス様…妹が迷惑をかけて申し訳ありません」
「いや、クリスが気にすることじゃないよ。単に迷っただけなら目撃情報があるはずだし…」
そう、これがいつものように単に方向音痴な2人が迷っただけなら何の問題もない。
しかし、もし迷ったならばどこかしらで目撃情報が得られるはずなのだ。
自分や兄弟の知り合いなら紋章町に幅広く住んでいるから尚更である。
マルスは何か通り魔事件よりも恐ろしい事件が起きているのではないかと思案していた。
そしてマルスは頼りにしているジュリアンに裏社会から情報を得るために連絡をしたのだった。

「…どうやらターゲットが我々のことを意識し始めたようだな」
「…はい、ですが対策は既に打っています」
「…ほう。さすがだな」
「…ですので明日にはターゲットを殺せるかと」
「…うむ。あのマルスを殺すためにも頼むぞ」
「…はい」
「くっ、この拘束を外せ!マルス様を殺させはしない!」
「…して、奴はどうするのかね?」
「…部下が尋問しておりますので問題はないかと」
「…わかった。では明日を楽しみにしておこう」
「…アイネ、あのごみを黙らせなさい!」
「…わかりました。エレミア様」
「カタリナ!何故だ!何故私やマルス様を裏切ろうとする!」
「ごめんなさいクリス。でも…エレミア様を救うためにはこうするしか…」
「カタリナ…で、これは何かしら?」
「い、いや…クリスのことを尋問するために…」
「ね、ねえ…どうしてそんなに息をハァハァさせてるのかしら?あ、ちょ…そこは…」
完全防音された部屋でカタリナの息とクリスの悲鳴が響き渡るのだった。

「…これは!?サザ、この情報は確かか?」
「あ、ああ。フォルカから得た情報だから間違いないんよ」
客が少ない寂れた酒場の一角、そこにはジュリアンとサザが密談をしていた。
「そうか…直ちにマルス様に知らせないと!ありがとうサザ」
「あ、ちょっと!報酬はどうなってるんよ!?」
「マルス様にマルス様のお姉様とデートさせて欲しいと頼んどこう」
「…まあいいんよ…それなら安いもんよ」
納得したサザはジュリアンを放した。解放されたジュリアンは急いで酒場を出る。
「しかし、あの情報を何に使うんよ…?」
残されたサザはそう呟いたのだった。

117路地裏の通り魔 中編2/4:2010/12/13(月) 20:51:18
「それはお前が知る必要はないよ。ウキキ」
突然現れたローローに背後を取られたサザは跳躍しながら間合いを取り、ナイフを抜いて構えた。
「誰なんよ!?」
「ウキキ。お前に名乗る名前はない」
「緑風を舐めないで欲しいんよ!喰らえ、瞬殺!」
サザは瞬時に間合いを詰め、ローローに奥義瞬殺を決めた。
ローローのHPが一撃で1まで削られる。しかし倒すにはもう一撃が必要だ。
「ウキキ…やるな。だがこの一撃で終わりだ」
「甘い!そんな斧当たらないんよ」
ローローの振った斧をバック転でかわしたサザは追撃のナイフをローローの心臓に突き刺した。
「ウキ…やられた…」
「…ジュリアンが危ない!」
すぐにナイフを抜き取り走り去ろうとするサザ。しかし…
「ウキキ。まさか俺がやられるとは思わなかった」
「舐めない方がいいな。ウキキ」
酒場の入口から先程倒したはずのローローが現れる。
同時に裏口からも、カウンターからも…わらわらとローロー達は姿を見せる。
「…嘘だろ…お前…何者なんよ!?」
「ウキキ。知る必要はない」
「無限に現れる俺を倒せるかな?ウキキ」
数分後、サザはローローの放ったキラーアクスによって意識を刈り取られたのだった。
「まあ粘った方だね。ウキキ」
「噂だと緑風(笑)とか瞬殺(笑)って聞いてたんだけどね。ウキキ」
「ウキキ。さあエレミア様のところに向かうぞ」
倒れたサザは殺されることはなく、エレミアのいる屋敷へ運ばれたのだった…

「マルス様…ジュリアンを知りませんか?」
数時間後。マルスの元にジュリアンを捜すレナが訪れた。
しかし行方を知らないマルスはレナに知らないと告げる。
レナはお礼を告げるとすぐに隣の家へと向かうのだった。
「…ジュリアンも行方不明か」
レナがいなくなった後にマルスは玄関で呟いていた。
レナには言えなかったがおそらく自分が巻き込んだに違いない。
自分の軽率さを怨みつつマルスはこれからのことをすぐに考えはじめる。
しかし結局何もいい考えが浮かばないまま時間だけがいたずらに過ぎていく。
そしてエリンシアが夕食の知らせをするまで何も浮かばないのだった…

「…くっ…サザ、生きているか?」
「…ああ…生きてるんよ…」
「俺達これからどうなると思う?」
「わからない…けどこれだけはわかるんよ」
「…言うな…」
「………」
クリスが捕まっている部屋の隣にサザとジュリアンは捕まっていた。
そしてその部屋には何人ものローローが……
その夜、サザとジュリアンの悲鳴と嗚咽が部屋に響き渡るのかは誰も知らない…

118路地裏の通り魔 中編3/4:2010/12/13(月) 20:51:57
食卓に来るとマルスは何故か食卓の席に違和感を感じた。
「…あれ?リン姉さんは?」
そう、普段ならからかって仕返しをされるはずのリン姉さんが食卓にいなかった。
社会人の兄達ならともかく、同じ学生なら必ず同じ時間に食べている。
「リンちゃん、珍しくまだ帰って来てないのよね」
「俺やエリウッドが先に帰ってくるなんて珍しいよな」
「はは…まあ生徒会長の僕や部活の手伝いをするヘクトルは遅くなるよね」
ご飯をくれたエリンシア姉さんや先に食べていたヘクトル兄さんとエリウッド兄さんが疑問に答えた。
考えすぎ…なのかもしれない。しかし自分の知り合い通り魔に襲われ、2人は行方不明である。
いけない…何でも悪い方向に考えるのはよくない。
そう…きっとリン姉さんのことだから最愛のフロリーナさんと遊んでいるのかも…
そう無理矢理に結論を出し、目の前の夕食に手を伸ばそうとした時だった。
「ヘクトルちゃん、フロリーナちゃんがあなたに用事ですわよ」
「ん、ああ。わかったぜ姉貴。今行くぜ」
…フロリーナさんは違うのか。けどもしかしたらラスさんやケントさんが…
「ヘクトルも忙しいなあ。僕もラスやケントがいないともっと忙しいのかな」
慌ただしく玄関に向かったヘクトルを見てエリウッドはそう呟いた。
「…エリウッド兄さん。ラスさんやケントさんと知り合いなの?」
「ん、ああ。2人共生徒会の仕事を手伝ってくれるからね。今日も助かったよ」
「そう…ありがとう」
リン姉さんはもしかしたら…いけない、あの路地裏に急がないと!
「ちょ、ちょっとマルス!?食事中にどこに行くつもりだい?」
「…ごめん、用事を思い出したからちょっと出掛けてくる」
我ながらなんて嘘くさい嘘をついたんだろう。でもリン姉さんが危ない。
そう確信したマルスは慌てて家を飛び出していた。
「あれ?マルスちゃんは?」
「あ、ああ…何か急用を思い出したとかって出掛けたけど…」
「ラッキー、ならマルス兄さんの分のご飯も貰おうかな」
「リーフ兄さん、ダメだよ。マルス兄さんに仕返しされてもいいの?」
「う…や、やっぱりやめておくよ」
「美味しいのにどうしたんだろうね?」
「きっとシーダさんに会いに行ったのよ」
「でも僕はセリカがそばにいつもいるから安心だよ」
「そうね…アルム」
「そ、そんなことをしたら…ぐはっ!?このひとでなしー!!」
いつものように食卓は騒がしく、ティルフィングが飛び交う。
しかし、本来なら1番騒がしいはずのマルスとリンがいないのであった…

119路地裏の通り魔 中編4/4:2010/12/13(月) 20:52:35
そしてマルスの予感は的中していた。クリスと同じ部屋にリンは拘束されていたのだ。
「リン殿!しっかりしてください!」
「…ん、んん…ってクリスさん…ここはどこ!?」
「落ち着いてください。ここは……どこでしょうか?」
「…でしょうね。たしか私は…そう、クライネさんに会って…」
「ご機嫌はいかが?」
「クライネさん!助かったわ、私達を助けてくださ…い…?」
「リン殿!その人は…その…」
「ごめんねリン。そこに拘束したのは私なの…」
「そんな…どうして…」
「私達のエレミア様を…救うために…許して…」
「ど、どういうことよ!?」
「…リン殿…私はカタリナから事情を聞いたからわかるのですが今は耐えるしかないのです」
「そういう訳だから今は許して…無事に終わったら好きにしていいから」
「クライネさん…」

その夜、リンを見つけられなかったマルスの元に一通の手紙が届いた。
それを読んだマルスは夜中1人でファルシオンを手に家を飛び出した。
手紙には『大事な者を返して欲しければ1人で来い。カダインで待つ』と書かれていた。
そして、カダインに単身で来たマルスを待ち構えていたのは100人のローローだった…

続く

120名無しさん:2010/12/13(月) 20:53:48
以上です。投下よろしくお願いします

うう…俺もシグルドの結婚祝いたいぜ…規制が憎い…

121名無しさん:2010/12/15(水) 07:56:50
遅れましたが投下ありがとうございました

122路地裏の通り魔 後編1 1/5:2010/12/16(木) 23:34:31
が代理投下お願いします
後編が長くなりすぎたので分けて投下…orz

「…奴はどうだ?」
「…はい。部下が少しずつ体力を削っていますのでそろそろかと」
「…ふむ。まあ小僧さえ殺せれば構わぬ」
「…はい」

「ハァ…ハァ…くっ!!」
容赦なく振り下ろされる斧を剣で受け流しながら左へといなす。
続いて背後から横に薙ぎ払われた斧をしゃがんでやり過ごす。
その隙を逃さないローローは足元へ斧の柄でマルスを力ずくで吹き飛ばした。
「ぐっ…うぐっ…」
腹部を殴られたために苦痛の声が漏れる。それでも止まることは許されない。
(止まったら…やられる…)
既に視界は歪み始め、まっすぐ歩くことすら厳しい。それでも前へと突き進む。
進行を妨げるローローをファルシオンで斬り捨てて目的地へと走る。
「…頼む…そこを…どいてくれ…」
「…ウキキ…エレミヤ様の為にも無理だ」
(何が彼女をそうさせたのか。あの実は優しい彼女が…
けど今はただ前へと進んでリン姉さんやクリスを助けるのみだ)
「そこを…どいてくれぇぇ!!」

「…なかなかやるわね。でもそろそろ狙い目かしら…」
マルスとローローの乱戦から少し離れた地点にクライネが弓を構えていた。
もちろん目標はボロボロになりながらもローローを薙ぎ倒して進むマルスである。
「…本当はこんなことをしたくないけど…エレミヤ様を救うために…」
ローロー達がマルスを取り囲んだ。その隙を狙い…マルスへと矢を放った。

「ウキ…これ以上は通さない」
「どけぇぇ!!」
再び囲まれたマルスは目の前のローローを倒して進もうとした。
「…ッ!!しまった!!」
ローローの囲いから抜け出した瞬間自分を狙って矢が飛んできたことに気づく。
(回避…ダメだ、間に合わない!!)

クライネの放った矢はマルス目掛けて真っ直ぐ飛んでくる。

「…ふっ…ようやく憎いあの小僧を倒せたか」
「…はい…ガーネフ様」
「…どれ、あの小僧の亡きがらでも見るとしよう」
「…はい」
屋敷の一室でエレミヤとガーネフはマルスの死を見届けようと窓を覗き込む。
窓からは大量のローローに混ざり、矢が刺さり倒れている青年の姿が…なかった。
代わりに見えるのは矢に刺さりながら喜んでいる茶髪の青年。
そして入口から現れたマルスの兄弟達が武器を持ってローロー達を吹き飛ばす姿だった。

123路地裏の通り魔 後編1 2/5:2010/12/16(木) 23:35:14
「そんな…リーフ!?」
死を確信し、目をつぶったマルスはいつまで経っても矢が来ないので目を開いた。
そこで目に入ったのは矢を受けて喜んでいる弟の姿だった。
「うっひょー!!クライネさんの矢だ!!もっと!もっとちょうだい!!ハァハァ」
そう叫ぶとリーフは矢が飛んできた方向目掛けて全力で駆け出して行った。
途中、何発か矢が飛んでいた気がしたが全部身体で受け止めている…
そんなリーフを見て呆れていると身体の痛みが薄れていくのを感じる。
振り返るとリブローの杖を持ったミカヤ姉さんがこっちを見て心配そうな顔を見せていた。
「間に合ってよかった。マルスちゃん大丈夫?」
問い掛けに手で答え、更に辺りを見渡してみる。
「キャー!KINNNIKU祭よ!!KINNNIKU!K・I・N・N・N・I・K・U!」
ローローに囲まれて歓喜の声をあげながらアミーテを振り回すエリンシア姉さん。
「どうして俺の前に立った?」
一度に数人をラグネルの天空で吹き飛ばすアイク兄さん。
「ふん、槍が斧に劣ると誰が決めたんだ?少なくともピザよりは強いぞ」
ジークムントでローローを倒していくエフラム兄さんと、
「だぁぁ!!俺はピザじゃねええ!!」
アルマーズを片手にローローの攻撃を受け止め、反撃で仕留めるヘクトル兄さん。
「僕がセリカを守るからセリカは後ろから支援を頼む」
「わかったわアルム。もし怪我をしたらすぐに言ってね」
いつも通りいちゃつきながら必殺でローローを倒していくセリカとアルム。
「お兄ちゃんはKINSHINを許しませんよ!!」
血涙を流しながらティルフィングでアルムとセリカに迫るシグルド兄さん。
「マルス様!!ご無事ですか!!」
メリクルやグラディウス、オートクレールを振り回すクリスがローロー軍団を殲滅していた。
「みんな…どうして…?」
「みんなマルスの様子が変だからって気になって追い掛けたのさ」
いつのまにか背後にいたエリウッド兄さんが爽やかな笑顔で答える。
「…ところでエイリーク姉さんやセリス、ロイは?」
「セリスとロイは熟睡中。エイリーク姉さんはエフラム兄さんが無理矢理留守番役を…」
「…うん、何となくわかったよ。ありがとう」
「それよりもここにリンやクリスがいるのかい?」
「うん、絶対にいる。エリウッド兄さん、行こう!」
「ああ!」
ローロー軍団を兄弟達に任せ、屋敷へと乗り込むマルスとエリウッド。
それを確認したガーネフはエレミヤを連れ、マルスを倒すためにエントランスへ向かっていた。

124路地裏の通り魔 後編1 3/5:2010/12/16(木) 23:35:53
マルスとエリウッドが屋敷に突入する数分前。
クライネはリーフに追い掛けられ、屋敷の庭を駆けていた。
クライネは逃げながら銀の弓でリーフを撃つが命中しても気にせずにリーフは追い掛けてくる。
「もっと!もっとちょうだい!!ハァハァ」
…リーフはか矢を受けることを要求し、興奮している。
「く…邪魔よ葉っぱ!!」
「もっと…もっと罵ってください!ハァハァ!!」

これ以上は矢の無駄と判断したクライネは全力でリーフから逃げようとするのだが…
「く…あんたを相手にする暇はない…の!?」
 壁
壁ク壁
 リ
「コーナーに追い詰めたよ…さあお姉さんをお持ち帰りだ!!」
哀れ、リーフを気にしすぎたために見事に逃げ場を失うクライネ。
リーフは手を怪しげに動かしながらクライネを捕らえようと…
「…リーフ様。お仕置きは何がいいですか?」
「そうね…リーフなら魔法で拷問が1番かしら?」
「…とりあえずリザイアで吸い取らない?」
「あ、そのあとにローローさんとも絡んでくださると嬉しいです」
 壁
壁ナ壁
ミリサ
 テク
いつのまにかクライネはレスキューされ、リーフ目の前にはナンナがいた。
慌てて周囲を見渡すといつものようにリーフ包囲網が形成され…
「こ、このひとでなしぃぃぃ!!!」
リーフの悲鳴が真夜中の庭に響き渡るのだった…

一方、リーフが悲鳴をあげた時には庭での乱戦は決着がついていた。
「さて…どうしてこんなことをしたのか教えてもらおうか?」
ラグネルをローローの喉元に突き詰めて問い詰めるアイク。
辺りには動けなくなったローローが山のように折り重なっていた。
そのローローマウンテンを見て「キャー!!KINNNIKUの山よ!!KINNNIKU!!」と叫ぶエリンシアや、
「どうだ。槍の方が斧より倒せただろう?」
「はっ、俺の方が一撃で仕留めてるじゃねえか!!」
と、槍と斧のどちらが強いかを言い争うエフラムとヘクトル。
「ごめんね、アルム。私を庇ったせいで…」
「いいんだ。好きな人を守るのが男の役目なんだから…」
「…どうせ私は守れなかったんだよー!!うわぁぁーん!!」
アルムに密着し、傷を癒しているセリカ…を見て泣きながらティルフィングを振り回すシグルド。
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
と、謝りながらローローの傷を治して回るミカヤ。
「貴様ら、どうしてマルス様を襲ったんだ?」
そして、アイクと共にローローにマルスを襲った理由を尋ねるクリス。
「ウキ…お前達ならエレミヤ様を救えるかもしれないな…わかった。教えるよ」
終始何も語らなかったローローが騒動の顛末を説明し始める。
そして話が終わった時、兄弟達は全員屋敷へと走り出していた…

125路地裏の通り魔 後編1 4/5:2010/12/16(木) 23:36:31
「マルス、そっちはどう?」
「いや、いない…」
屋敷ではマルスとエリウッドがさらわれた人達を捜索していた。
「これだけ探してもいないってことはどこかに隠し部屋があるのかな?」
エリウッドがそう呟いた直後、マルスとエリウッドの背後からその問いに答える声が聞こえた。
「…その通り。この屋敷には秘密の地下道がある」
「なっ!?誰だ!?」
「その声は…ガーネフ!?」
慌てて武器を構え、振り返る2人。ガーネフは笑いながら話し始める。
「…ふん、よもや貴様の兄弟に邪魔されるとはな…まあいい」
「リン姉さんやクリスを返せ!!」
「…返してほしければわしを倒すのだな。隠し部屋で待つ」
そう言ってワープでその場を去るガーネフ。
「…マルス…行こう」
「…うん」
マルスとエリウッドは隠し部屋を探すために走り出した。

屋敷のエントランスでは兄弟達がマルス達を追い掛けて来ていた。
「さてと…お互いに手分けしてマルスとエリウッドを探そう」
長兄のシグルドがそう提案し、すぐさま兄弟達はチームを組む。
シグルドとエリンシア、アイクとミカヤ、エフラムとヘクトル、アルムとセリカである。
「では発見したら再びここに集まろう」
そう言って兄弟達は互いにばらばらに屋敷の奥へと駆け出していった。

「さて、どうするアイク?」
あてもなく探し回るミカヤは前を進むアイクへどうするかを尋ねる。
「とりあえず片っ端から部屋を探そう…む、これは?」
適当に入った部屋に不自然に埃が積もっている床を見つけ、アイクは調べはじめる。
程なくそれが地下への階段の入口であると気づき、アイクはミカヤに言う。
「…ふむ、この先が怪しそうだ。ミカヤ姉さん、すまないが皆に伝えてきてくれ」
「いいけど…アイクはどうするの?」
「もちろん先に行って調べてくる。何、ラグネルがあれば心配ない」
「…わかったわ。けど無理はしないでね」
アイクの強さなら心配いらない。そう考えたミカヤはエントランスへと走り出した。
そしてアイクはラグネルを構え、慎重に地下へと降りて行った。

エントランスにはマルスとエリウッドを見つけたシグルド達が先に待っていた。
「ミカヤ姉さん…あれ?アイク兄さんは?」
「マルスちゃん!?アイクならマルスちゃんを探しに地下に行ったわよ…」
「…地下?そんなものはこの屋敷にはなか…ってまさか!?」
「やばい、急ごうエリウッド兄さん!」
ミカヤの地下という発言を聞き、慌てて飛び出すマルスとエリウッド。
置いていかれた兄弟達は慌ててマルス達を追い掛ける。

126路地裏の通り魔 後編1 5/5:2010/12/16(木) 23:37:10
「…む…ここは…?」
階段を下りると目の前には牢屋が広がっていた。
よく見るとつい先程まで誰かを捕らえていたのだろうか。食事の容器が置かれている。
慎重に牢屋へ近づいて行くとその奥に何者かの気配を感じる。
アイクはラグネルをにぎりしめ、より慎重に牢屋の奥にある部屋へと向かう。
ゆっくりと部屋のドアへと近づき…ドアを開く。
「…ほう…てっきりマルスかと思えば…マルスの兄か」
「何者だ?」
「…わしの名はガーネフ。偉大なる大司祭よ」
「そうか。ところでリンやクリスをさらったのはあんたか?」
「…そうだと言ったら?」
「あんたを倒して助けるだけだ…行くぞ!」
ラグネルを構え、ガーネフに向かって一気に間合いを詰める。
ガーネフは構えもせずにただ不気味に笑っている。もらった!!
「喰らえ!天く……何!?」
ガーネフを斬ろうとし…必殺の天空を繰り出そうとした。
しかしガーネフに刃は届かず、剣はガーネフの手前で停止していた。
「…このわしを倒そうとは愚かな奴じゃ。封印されし黒魔術マフーの恐ろしさを見せてくれよう」
ガーネフは目の前で動けずにいるアイクに向かって手を向けた。
(くっ…このままでは…まずい!)
必死にガーネフから離れようとするアイク。しかし身体が言うことを聞かない。
「…さらばだ。死ね」
ガーネフから放たれた魔術がアイクを包み、黒い閃光が走った。
しかし、閃光が消えた時、そこにアイクの姿はなかった。
「ふむ…何者だ?」
ガーネフはすぐに何者かがレスキューでアイクをマフーから守ったのだと気づき、真横を見る。
横には仮面を着けた怪しい3人組と救出されたアイクが構えていた。
「…アイク殿。ガーネフに普通の攻撃は通用しない」
「世界とはまだまだ広いな。俺の攻撃が効かない相手がここにもいたのか」
嬉しそうに言うアイクを見て、仮面の2人が後ろでひそひそと話す。
(…相変わらずあなたのお兄様は豪快なお方ですわね)
(…まあアイク兄上はそういう方ですから)
(それよりどうして私まで仮面の騎士に変装しなければいけないのです?)
そう。ここに新たに現れた仮面の騎士の正体はラーチェルである。
エイリークが兄弟にばれないように屋敷へと侵入するためにサポート役をしたのだが…
(まあたまにはラーチェルも私と戦って欲しくて…ふふ)
魔法は門外漢なエイリークの代わりに戦うためについて来たのだ。
ちなみにその際にグラディウスを探す仮面の騎士も合流していた。
そこでガーネフのマフーを知り、兄弟の危機を救うために乗り込んできたのである。
「無駄だ…貴様らにわしは倒せぬよ」
ガーネフが武器を構える4人に言い放ち、再びマフーを唱えはじめた。
そこへ階段を駆け降りてきたマルス達が駆け付けたのだった…

続く

127名無しさん:2010/12/16(木) 23:38:04
以上です。よろしくお願いします

規制、いつまで続くのかなあ…

128名無しさん:2010/12/17(金) 00:22:24
素早い投下ありがとうございました!

129路地裏の通り魔 後編2 1/4:2010/12/17(金) 23:27:39
代理投下お願いします



「く…みなが必死に戦っているのに何もできんとは…」
目の前で繰り広げられる壮絶な魔術戦に参加できない悔しさに歯ぎしりをするアイク。
地下室ではガーネフを囲うようにミカヤ、エリンシア、セリカ、ラーチェル、シリウスが戦っていた。
魔防の低い野郎共やエイリークは後方で邪魔にならないように見守るしかできないのだ。
比較的タフなシリウスやエリンシアがマフーを受け、3人が回復を行う。
しかし絶対にこちらの攻撃が通じないガーネフ相手に勝ち目はない。
それでも兄弟達が逃げないのはガーネフをここで足止めするためである。
今ここでガーネフを逃がせば操られているエレミヤの命はない。
それがカタリナ、クライネ、ローローがマルスを襲った理由なのだ。
「…ッ!?」
エリンシアが狙われたミカヤを庇い、吹き飛ばされ、思わず苦悶の息が漏れた。
「く…マルスはまだか!?」
苦しそうに起き上がるエリンシアを見て、握りしめた拳から血を流すヘクトルが叫ぶ。
地下室にマルスはいない。それはシリウスに言われてガトーの元へ走っているからだ。
スターライトエクスプロージョン…マフーを打ち破る唯一の方法。
それを持つ竜王家のガトーの元へマルスは全速力で走る。
兄弟達はマルスが来ることを信じてガーネフを逃がさないように足止めをする。
それがこの事件を解決する唯一の方法であるから。

その頃、兄弟達とは別行動を取っている者が2組いた。
その1組であるリーフと四人娘、クライネは兄弟達とは別の隠し通路を走っていた。
「この先に姉さん達がいる祭壇があるのか…」
「今ならリーフの兄さん達がガーネフを足止めしているからしいらチャンスね」
祭壇のある部屋の扉の前で6人は作戦会議を始める。
「けどエレミヤ様を助けるには…」
「リーフ様、ガーネフの洗脳を解けるのですか?」
「うん、それが問題なんだよね…サラ、ロプトの秘術でどうにかならない?」
この場で1番そういう魔術に詳しそうなサラにリーフは尋ねる。
「…やろうと思えばできなくもないけど…後遺症が残るわよ?」
「後遺症?」
「良くて記憶障害かしら。悪ければ一生意識を失ったままかも」
「…却下よ。それじゃあ意味ないわ」
クライネが呆れながら提案を却下し、再び一同は悩む。
「…あれ?何か通路から聞こえませんか?」
悩んでいるとティニーが何かに気づいて一同に言う。
「何かって…いや、これは…地響き?」
リーフが音の正体に気づいた瞬間、一同の背後から巨大な竜が現れる。
「…ちょ…よりによって地竜とか…」
地竜。一見するとモグラのように見える竜だが強さはトップクラスの竜である。
「と、とりあえず逃げよう!!」
退路が断たれたリーフ達は策もないまま祭壇へと飛び込んで行った。

130路地裏の通り魔 後編2 2/4:2010/12/17(金) 23:28:20
リーフ達が祭壇に突入した頃、マルスは竜王家にいるガトーをたたき起こしていた。
「ガトー様!!起きてください!!スターライトください!!」
「う…うむ…今渡すからその手を離してくれ……く、苦しい…」
マルスは慌てて手を離し、眠そうなガトーからスターライトを貰う。
「しかし…またガーネフの奴が何かしたのか?」
「ええ、今まさに姉さん達がガーネフと戦っています。ですから急がないと」
「ふむ…ならワープで送ってやろう。行き先はどこだ?」
「ありがとうございます。場所はアリティアの近くの孤児院です」
「うむ…念のため後でわしも向かおう。では頼むぞ」
スターライトを手にしたマルスをガトーは指定された場所へ送る。
次にマルスが目にした光景は倒れている仮面の騎士の姿であった。

「…ほう…なかなかしぶといな…」
ミカヤとセリカの回復用の杖が折れた一瞬の隙をガーネフは見逃さなかった。
その隙をついて後方にいた男達に接近し、マフーを撃ち込む。
「いかん!?逃げろ!!」
咄嗟に1番早く反応したアイクが叫び、兄弟達は左右に飛ぶ。
初弾を回避されたガーネフは1番近くにいたエフラムに狙いを定め、追い掛ける。
「…まずは貴様からだ…」
「ッ!?しまった…」
「あn…エフラム殿、危ない!!」
エフラムに向かって放たれたマフーをエフラムの代わりに仮面の騎士が受ける。
「エイr…リゲル!?大丈夫か?」
慌ててラーチェルが倒れた仮面の騎士に駆け寄りリカバーをかける。
「…な…どうして俺を庇った…!?」
「…誰かを助けるのに…理由は必要かな…?」
それは大事な兄上だからです…とは言えないエイリークは以前どこかで聞いた台詞を言う。
「くっ……すまない、助かった」
以前あったエイリークとの恋愛騒動以来、仮面の騎士に対して抱いていた感情。
その嫉妬が自分はなんと小さい器量なのだとエフラムは恥じる。
そしてそのもやもやとした感情を打ち破り、感謝の声が自然とエフラムの口から飛び出していた。
「い、いや…君が無事ならそれでいい」
仮面の奥で真っ赤な顔をしながらエイリークは冷静に言う。
その時、部屋の真ん中に一陣の光が射した。その光の中心に現れたのはマルスである。
「みんな…遅くなってごめん」
マルスが兄弟達に謝罪をし、ガーネフにスターライトを向ける。
「ガーネフ!お前の野望もここまでだ!!」
「…く…スターライトとは抜かったわ…だが貴様にそれを扱えるかな?」
「その心配はありません!!」
地下室に別行動を取っていたもう1組の男の声が響き渡った。

131路地裏の通り魔 後編2 3/4:2010/12/17(金) 23:28:58
「クリス…とマリク?」
「マルス様、スターライトの心配はいりません。マリク殿をお連れしました」
「遅くなって申し訳ありませんマルス様」
「ぬう…しまった…」
スターライトを扱える者が現れて初めて動揺を見せるガーネフ。
「…というか私だって光魔法使えると思うんだけど」
「そこは…作品が違うから不可能だと考えてもらいたい」
自分の存在を無視されて何となく悔しくてぼやくミカヤを宥めるシリウス。
「…とにかくマリク頼む」
「お任せください!」
マリクはマルスからスターライトを受け取り、ガーネフへとスターライトを唱えようとする。
そこへ…再びワープの光が射し、マリクの背後から新たに女性が現れた。
「……え、シスターレナ!?」
予想外の来訪者に驚くマリク。レナは驚くマリクからスターライトを奪い…
「ジュリアンを返してください!!スターライトエクスプロージョン!!」
容赦なくガーネフへ怒り必殺スターライトを叩き込んだのであった…
「…というか紋章に怒り…スキル自体存在しないんじゃないかしら?」
「そこは…きっと怒りの書を読んだのだろう…たぶん」
呆れたミカヤの呟きに律儀にツッコミを入れるシリウス。
スターライトに倒れたガーネフはマルスに最後の力で告げる。
「…もう遅い…貴様の姉達はわしの計画に…」
「計画!?何を考えているガーネフ!?」
「……さらばだマルス。この手で貴様を殺せなかったのは無念だがな」
ガーネフはそう言い残し力尽きるのだった。
「マルス様…行きましょう。この先にクリスやリン殿の気配があります」
クリスが倒れたガーネフの奥にある扉を開こうとする。
マルスや兄弟、シリウス達はクリスの後ろに立ち扉の奥へと突入していく。
そしてマルス達が見たのはナンナ達を庇いながら戦うリーフであった…

祭壇へと突入したリーフ達を待っていたのは様々な竜だった。
そこでリーフ達は急いで狭い場所に逃げ、囲まれないように戦い始めた。
火竜や氷竜は4人娘の魔法を、飛竜はクライネの弓で魔竜と地竜はリーフで食い止める。
少しずつ、少しずつ追い詰められていく6人。魔術書が破れ、杖が折れ、矢がなくなる。
何もできなくなる5人を庇うようにリーフは戦い続ける。
「リーフ様…私達は見捨てていいですから逃げてください!!」
目の前で竜のブレスでボロボロになっていくリーフを見てナンナが叫ぶ。
「このまま全滅するぐらいならリーフだけでも逃げt…」
「そんなことできるわけないだろ!!君達を見捨てて逃げるなんてできない!!」
「でも…このまま私達と一緒に死ぬよりは…」
「大丈夫…きっと兄さん達が助けてくれるさ…」
泣きそうなナンナを励まそうとリーフは強がりながら笑顔を見せる。
「リーフ様……危ない!!後ろ!!」
ティニーが叫び、慌てて振り返ると火竜がリーフに襲い掛かろうと構えていた。
「ぐっ…しまった…」

132路地裏の通り魔 後編2 4/4:2010/12/17(金) 23:29:36
リーフが慌てて構えようと瞬間、火竜がブレスを吐き出そうとした。
が、そのブレスを吐き出す前に火竜の首は胴体から切り離された。
「…遅いよ、アイク兄さん…」
火竜の後ろにはラグネルを持ったアイクがいたのだった。
間一髪で間に合った兄弟達は祭壇への階段に湧いている竜を殲滅していった。
そして、祭壇にたどり着いた兄弟達の目の前にはさらわれた4人とエレミヤ、カタリナがいた。
「…よかった…無事だった」
リンやクリスの無事な姿を見てホッとするマルス達。
「さあ帰りましょう姉さん…みんなが待ってます」
「よかったクリス…生きていたか」
「ジュリアン…帰りましょう」
「サザ…ここにいたのはともかく帰りましょう」
「エレミヤ様…アイネ姉さん…無事でよかった」
それぞれがさらわれた者達へ駆け寄り、帰ろうとした。
「……マルス!?今すぐリンから離れろ!!」
アイクが叫んだ瞬間、マルスは咄嗟に後ろへと跳んだ。
その直後、マルスのいた場所をマーニカティが通過していた。
「リン姉さん…?」
「………マルス…コロス」
無表情でマーニカティをマルスに向けて突き付けるリン。
その周りでもさらわれた5人は心配していた者達へ武器を構え襲おうとしていた。
「クリス…コロス」
「クリス…コロス」
「カタリナ、クリス、どうしたんだ!?目を覚ませ!!」
「レナサン…コロス」
「ジュリアン!!しっかりしてください!!」
「ワタシノコ…コロス…」
「エレミヤ様、しっかりしてください!!」
そしてミカヤにもサザは襲い掛かろう飛び込んで来ていた。
「…ミカヤハ…オレガコロス…」
サザの予想外の言葉にうろたえ、ミカヤの動きが一瞬遅れる。
その一瞬でミカヤに接近したサザはミカヤに迷わずナイフを投げた。
「乙女よ、危ない!!」
しかしサザのナイフがミカヤに刺さる寸前に、漆黒の騎士がサザのナイフを受け止めていた。
「…見損なったぞ緑風。乙女に手を出すとは許せぬ。身の程を弁えよ!!」
カウンターでいつものようにサザにエタルドで切り掛かる。
「…ミカヤハ…オレガコロス…」
「何!?」
しかしサザは何事もなかったかのように追撃を漆黒の騎士へと叩き込む。

その時マルスが豹変した6人の首に黒いオーブがあることに気がついた。
「…まさか…闇のオーブ!?」

続く

133名無しさん:2010/12/17(金) 23:30:24
以上です、よろしくお願いします

後編…どんどん長くなる…次こそは終わらせます…はい

134路地裏の通り魔 後編 終 1/3:2010/12/22(水) 22:00:53
ラストです。投下お願いします

「いや、ちょっと待てマルス。オーブはうちの物置に封印の盾として置いてあるはずだ」
マルスの呟きを聞いたシグルドがそんなことがあるはずはないと否定する。
「…ちょっと待って。今確認するわ」
サラが真偽を確かめるためにウォッチの杖を取り出し兄弟家の物置を覗く。
「…えーと…これかしら?確かに五色のオーブがはまった盾があるわよ」
「じゃああれは違うのか…?」
サラの報告を聞き、考え込むアイク。直後に必死でリンから逃げるマルスが助けを求めた。
「…と、とにかく今のこの状況をどうにかしてよ!!」
「…オトナシク…コロサレロ…」
「と言われても…僕達は僕達であの竜を止めてるしねえ…」
6人に襲われている面々以外は祭壇付近から現れる竜を倒すので必死である。
「…くくく…逃げ惑えマルス…」
「…貴様さえ殺せれば我が野望も叶う」
「…いくら紋章町最強の男といえども」
「…暗黒竜には敵うまい」
「…ファルシオン以外ではな」
突然6人の動きが止まり、6人の口からガーネフの声が出てくる。
「…ガーネフ!?馬鹿な、貴様はついさっき死んだはずだ…」
全員が驚いている中でマルスが目の前に立つリンへと問いかける。
「…さよう。確かに先程の攻撃でわしは死んだ」
「…だがわしは死ぬ前に自分の精神を分割した」
「…そして6つの精神で闇のオーブと同じような物を作り上げた」
「…そしてそのオーブを着けられた相手の精神を乗っ取り」
「…その相手が大事に思っている奴に対する感情を逆転させた」
「…さらばだマルス。お前の大事な姉に殺されるがいい」
喋り終えたガーネフは意識をオーブに戻し、再びリン達の攻撃が始まる。
「くっ…光のオーブがないとどうしようも…」
髪を数本切り裂かられながらも攻撃を避けたマルスが呟く。
「諦めるな!この世に無敵などない。必ず弱点があるはずだ!」
火竜を数体薙ぎ倒しながらアイクが弱気になっているマルスを励ます。
周囲ではちくちくとHPを削られながらもサザと戦う漆黒の騎士や、
ブーツを履き、華麗にジュリアンの間合いから逃げているレナ、
リザイアや銀の剣からひたすら逃げつづけながら説得をしているクリス、
メティオからひたすらリーフを盾にして逃げているクライネ、
そして無限に湧き出る竜を逃がさないように倒す兄弟達が戦っている。
「…そうだね、諦めるのはまだ早いね。みんなありがとう。頑張ろう!」
みんなの奮戦を見て再びやる気を取り戻すマルス。
そしてその決意に答える物が祭壇へと駆け付けたのである。
「その通りだ、マルス」
ドアからまだ少し眠そうなガトーが5人の援軍を連れて現れたのだ。

135路地裏の通り魔 終 2/3:2010/12/22(水) 22:01:32
「ガトー様…それにシーダ!?」
「ミルラ!?それにチキまで…」
「ナギさんも来たんだねハァハァ…」
「マルス様、私達もマルス様のために助けに来ました!!」
シーダはドラゴンキラーを片手にマルスの元へ駆け寄ろうとしていた。
「エフラムのためにも…頑張ります」
ミルラはエフラムの元へと駆け寄り、サラと睨み合いながら化身する。
「チキもお兄ちゃん達のために頑張るよ…zzz」
「ギャァァァ!?熱い!チキ!敵はあっち!!僕は違うよ!!このひとでなしー!!」
寝ぼけているチキが竜と一緒にナギに近寄ろうとしたリーフを燃やし尽くす。
「悪い子は…お仕置き…」
よくわからないことを言いながらナギも化身して竜を燃やす。
形勢は兄弟達に有利になり、竜達もみるみるうちに減っていった。

「マルス様、あのオーブはまがい物です。ですからきっと弱点があるはずです」
マルスの元へ駆け寄ったシーダがマルスへと助言をし始める。
「弱点…か」
「それは愛です。あのオーブが心を操るならそれ以上の心で打ち破ればいいのです」
「…こんな時にまで愛の話…?」
いつものように愛の話をし始めるシーダにマルスは思わずツッコミを入れてしまう。
「…レナサン…コロス」
「…ジュリアン!!私のことをレナって呼んで!」
シーダの話を聞いて本気にしたレナがジュリアンを抱きしめながら叫んだ。
すると抱きしめられたジュリアンは苦しみはじめ、もがく。
「…レナ…サン…コロ…レ…ナ……ウボォー!?」
一際大きな叫びを出したかと思うと、ジュリアンの首にあるオーブが砕け散った。
「…あ……レナさん…どうしてここに…?」
「ジュリアン!!元に戻ったのね!!」
泣きながらジュリアンと抱き合うレナ。
「うそ…いや、マジですか!?」
思わず口から驚愕の声が漏れる。シーダの言ったことが本当に弱点だったのだ。
「みんな、見たか!!操られた者には愛で戻せるぞ!!」
茫然とするマルスをよそに周囲の者は次々に説得を始める。
クリスがカタリナとクリスを。ミカヤがサザを。クライネやローロー、カタリナがエレミヤを。
マルスが正気に返った時にはリン以外の皆は解放され、竜を倒していた。
そしてマルスの目の前にいたリンはオーブのガーネフの動揺を見せていた。
「ば、馬鹿な…まさかこのわしの闇が破られるとは…」
「あなたには愛の力がわからないのですね。愛とは力なのです!」
何故かマルスをよそにシーダがガーネフに向かって愛について語っていた。
「さあマルス様!マルス様の愛でお姉様をガーネフから助けてください」
シーダや竜を退治し終えた皆がマルスとリンを見守る。
「…マジですか…ええい!!やってやる!!」
やけっぱちになったマルスがうろたえるリンを抱きしめた。そして…

136路地裏の通り魔 終 3/3:2010/12/22(水) 22:02:22
「…マァァルゥゥスゥゥ!!また嘘を載せた新聞を配ろうとしたわね!!」
「いや、それは嘘じゃなくて真じ…痛い!!姉さん僕の肘はそんなに曲がらな…ギャア!?」
事件から数日後。いつものようにマルスはリンからお仕置きされて居間に倒れていた。
傍らではそんな2人を微笑みながらエリンシアが見ている。

あの時、マルスはリンを抱きしめながら耳元でこう囁いた。
「…あれ、また少々太りましたか?やけに抱き心地がいいですよ」
「…………マァァァルゥゥゥスゥゥゥ!!そんなに死にたいのかしら!?」
「…ば、馬鹿な…このわしが抑え切れないほどの怒りが…広がって…」
その断末魔と共にオーブは砕け、ガーネフはついに消え去った。
「やった、元に戻りましたよリン姉さん…ですから首をこれ以上絞めないでください」
「うん、それ無理」
「ですよねー…アァァァァァァ!?」
祭壇にマルスの断末魔が響き渡り、通り魔事件は解決した。
エレミヤ達は情状酌量の余地もあり、罪を地域の奉仕活動で償った。
主犯のガーネフは生き返されて、とある拷問をされているらしい。
何にせよもうこんな辛く悲しい事件は起こらないだろう。

「…それにしてもどうしてマルス兄さんはあの時からかったんだろうね?」
「簡単ですよ。感情を暴走させるなら怒らせるのもありですよね?」
「そうか。みんなは親愛の情を強めたけど兄さんは怒りを強くしたのか」
「なるほど…兄さんらしいね。素直じゃないなあ」
「イタイ!!ネエサンソレイジョウハ…ウボァー!!」
「…ま、みんなも無事だしめでたしめでたしかな」

終わり

おまけ
「ガーネフ、貴様の解放条件は闘技場でこの書で勝つことだ」
刑務所から連行されたガーネフは警官から手渡された書で闘技場に立っていた。
「ふ…このわしに勝てる者など…」
ニアかとん 25/25
(錬成ファイアー)
威力1 命中50 必殺0 重さ20
カキーン!NO DAMAGE!!
「…なんだその哀れな術は。炎とはこうして使うものだ!!」
ニアかえんりゅう --/--
(錬成ファイアー+女神の加護)
威力20 命中150 必殺150 重さ1

「あーあ、死んじまって。馬鹿な奴だ」
今度こそ終わり

137名無しさん:2010/12/22(水) 22:03:46
以上です。よろしくお願いします

ガーネフってマフーないとノーマルでは地味に弱いんだよね…w

138名無しさん:2010/12/23(木) 10:57:23
投下ありがとうございました

139名無しさん:2011/02/14(月) 23:56:29
兄弟家15人だったら、ビッグバンドが人数的にちょうどいいんじゃないかと思うなぁ
パートはこんな感じで

1st alto sax エイリーク saxセクションのトップ、主にメロディーとソロ担当。バンドの指揮者代わりでもある。フルートも吹くよ
2nd tenor sax ミカヤ saxセクションで作る和音の中で、ぶつかる音を担当することが多い。一人で練習しているとどの曲だか分からないこともしばしば
3rd alto sax エフラム saxセクションの縁の下の力持ち。ここがしっかりしないとサウンドに艶が出ない。フルートも吹くよ
4th tenor sax ロイ テナーサックスソロはこのパート。目立ちたがり屋にうってつけ。
5th baritone sax エリウッド saxと名はついているが、他の4人とは違う動きをする場合が多い。あと楽器は大きくて重い。

1st trb アルム 和音の高い音担当。ソロも吹くよ。けっこう体力勝負のパート
2nd trb セリカ 1stに寄り添うパート。ハーモニーなら任せろー
3rd trb リーフ 和音の低音担当。みんなを支える

1st trp アイク とにかく高い音を吹き続けるパート。スタミナ命
2nd trp シグルド トランペットソロはこのパートが担当。高い音と歌心が必要
3rd trp リン 和音の中盤担当。高い音担当の二人をしっかり支える
4th trp セリス トランペットの中では最低音担当。ソロも吹くよ

piano エリンシア 時に優しく、時に激しく、バンドのサウンドに色を付ける
bass マルス バンドの根幹。ほかのメンバーを掌の上で転がす
drums ヘクトル バンドの推進力。激しいソロは見る者の心を震わせる

こんな感じでしょうかね?

140名無しさん:2011/02/14(月) 23:57:40
すいません、OCN規制で書けませんでした。よかったら投下して下さい。
よろしくお願いします。

141バアトル恋をする1:2011/02/21(月) 22:16:01
それはある朝のことでした……。
レイヴァンさんのお家のドアを必死の形相で叩く男が一人……。

バアトル「レイヴァン、我が友よ!」ドンドンドン
バアトル「むぅ、おらんのか? ……レイヴァン!」ドンドンドン
バアトル「レイヴァァァァァン!」ドンドンドンドン

レイヴァン[朝から五月蠅い!」バァンッ
バアトル「ぬおおっ! 急にドアを開けるとは……危ないではないかレイヴァン!」
レイヴァン「チッ……」
バアトル「お前、舌打ちしただろう。狙ったのか!? 不意打ちとは卑怯だぞ友よ!」
レイヴァン「卑怯だろうと何だろうと構わん。……こんな朝から何の用件だ」
バアトル「おお、聞いてくれるのか友よ! 流石は我が戦友!」
レイヴァン「お前はいちいち叫ばなくては物も言えないのか……。まあいい、外は寒いだろうから早く入れ」
バアトル「うむ。恩に着るぞ」
レイヴァン「…………」


レイヴァン「……それで、何があった」
バアトル「うむ。実はお前に相談したいことがあるのだ」
レイヴァン「相談? 適任な奴は俺の他にもたくさんいるだろう……」
バアトル「いや、だがその……些か気恥ずかしいものでな……。友であるお前になら腹を割って相談できると思ったのだ」
レイヴァン「……そう、か……、ならば疾く話せ」
バアトル「聞いてくれるか我が友よ!」
レイヴァン「良いから早く話せ……」
バアトル「うむ。では遠慮なく言わせてもらおう。実はな――」

142バアトル恋をする1:2011/02/21(月) 22:16:42
バアトル「――実はな、レイヴァンよ。俺は……俺は……恋をしてしまったのだ!」
レイヴァン「……。……なんだ、恋か。誰にでもよくある悩み事だな……」
バアトル「おお、そうか! やはりか! この胸のモヤモヤは誰にでもあることなのだな!」
レイヴァン「ああ、誰にでもある。まったくそんなことくらいで相談に…………」


レイヴァン「 」


レイヴァン「……え? 恋……と言ったか、バアトル……?」
バアトル「どうしたレイヴァンよ。何かおかしいか」
レイヴァン「……貴様、バアトルか?」チャキッ
バアトル「ぬおおおっ! 何故いきなりキルソードを首元に!?」
レイヴァン「俺の知り得るバアトルは『恋』などという言葉とは果てしなく縁遠い男のはずだ……!」
バアトル「それは失礼ではないのか!?」
レイヴァン「……だが、万に一つでもバアトルが『恋』などという浮ついた感情を胸の内に抱くなどとは……っ!」
バアトル「むぅ……、お前は俺を何だと思っているのだ」
レイヴァン「バカだな。バカトル」
バアトル「失礼だな!」
レイヴァン「ではまさか本当に、貴様はバアトルだというのか? 育ちすぎてたまに闘技場から出てきたカアラを討ち取ってしまうほどバカなバアトルなのか?」
バアトル「そうだ、俺はバアトルだ! そして、今お前が口に出したおなご……カアラに恋をしてしまったのだ!」
レイヴァン「なっ……!」
バアトル「わかったらいい加減にキルソードを下ろせ、友よ」
レイヴァン「……認めたくはない、認めたくはないが……、まさか、本当に……」
バアトル「強情だなレイヴァン……」

143バアトル恋をする3:2011/02/21(月) 22:17:15
ウィル「おっはよー! ヴぁっくん、いるかー?」
レイヴァン「ウィルか……」
バアトル「おお、ウィルよ! よく来てくれた! 相談に乗ってくれ!」
レイヴァン「っ、よせバアトル! ウィルまで巻き込むな!」
ウィル「え、なになに? バアトルなんか悩み事でもあるのか?」
バアトル「うむ。聞いてくれウィルよ! 俺はな、恋をしてしまったのだ!」
ウィル「おお、恋かー! なんだ、あはは、それくらい俺だって……」


ウィル「 」


ウィル「お前、バアトルじゃないな! 言え、バアトルをどこにやった!」シャキッ
バアトル「ぬおおお! キラーボウをこちらへ向けるな!」
レイヴァン「ウィル、聞いてしまった以上は仕方ない。どうやらこいつは本当にバアトルのようだぞ」
ウィル「そんな……! 俺の知ってるバアトルは恋なんて言わない……」
レイヴァン「俺もまったく同意見だ」
バアトル「揃いも揃って俺を何だと思っているんだお前らは」
レイヴァン ウィル「バカ」
バアトル「……むぅ」
ウィル「そもそも恋って……誰にしたんだよバアトル」
バアトル「カアラだ。知っておろう?」
ウィル「カアラって言ったら……、剣姫カアラ……?」
バアトル「うむ、そう呼ばれているらしいな」
ウィル「ちょ、それはまた随分と……」
レイヴァン「なかなか難しそうな話だろう……」

144バアトル恋をする4:2011/02/21(月) 22:17:51
ウィル「ていうかバアトル、それをヴぁっくんに相談してどうするつもりだったんだ?」
バアトル「うむ、レイヴァンはそういうことにも詳しいかと思いついてな。助言を請いたいと思ったのだ」
レイヴァン「生憎だが力になれそうにないな……」
ウィル「えー?」
レイヴァン「何だその目は」
ウィル「この前レベッカの手作り弁当もらってなかったっけ?」
バアトル「うむ、俺も見たぞ!」
ウィル「幼馴染の俺にはないんだぜ……ヴぁっくん……」
レイヴァン「……これは俺が悪いのか?」
バアトル「しかもお前、一昨日はどこかか弱く薄幸そうなおなごを連れて歩いていたではないか!」
ウィル「そうだそうだ! 腕まで組んじゃってさ! 『だいすきです……兄様……』まで言われてただろ!」
レイヴァン「アレは妹だ。それ以上言ったら殺す」シャキッ
バアトル「ぬおおおっ、ついにリガルブレイドまで持ち出しおった!」
ウィル「お、落ち着けヴぁっくん! わかった、俺が悪かった!」
バアトル「で、ではたまに見る金髪のおなごは何だ! お前には常に女の影があるではないか!」
レイヴァン「あれは男だ……」
ウィル「……纏めるととにかくヴぁっくんは結構周りに女の影が多いって事だ。それで相談しに来たんだろ、バアトル?」
バアトル「うむ!」
レイヴァン「やれやれ……、俺に何が出来ようはずもないんだがな……」
ウィル「そんな事言わずに手伝ってやりなよ」
レイヴァン「ならお前も手伝え」
ウィル「それは勿論! 友達のためだからな!」
バアトル「おお、ウィルよ! 我が友よ! 嬉しいぞ、このバアトル男泣きに泣きそうだ!」
ウィル「はは、泣くのは全部上手く行ってからだよバアトル」
レイヴァン「……はぁ。仕方ない、俺も手伝ってやる……」
バアトル「おお、まことかレイヴァン!」
レイヴァン「ふん……、『友』の頼みとやらなら、無下に断るわけにも行かない……気がする」
ウィル「あはは、ヴぁっくんてば照れてるぜ」
レイヴァン「黙れ失言大将」

145バアトル恋をする5:2011/02/21(月) 22:18:41
レイヴァン「まずバアトル。お前は剣姫に恋をしているらしいが、それでどうしたいんだ」
バアトル「どうしたいとは?」
ウィル「色々あるだろ? 手を繋ぎたいとか、デートしたいとか、いろいろ」
バアトル「で、でぇと……!」カァァァッ
レイヴァン「おい、そこまで顔を赤くするようなことか……?」
ウィル「純粋だな……」
バアトル「ふぬおおおぉおおおおおおお! いかん、いかんんんんんっ! ダメだ、モヤモヤが更に増してきた!」
レイヴァン「……わかった、まずは落ち着けバアトル。とにかく剣姫に恋をしていることさえ伝えられれば胸のつかえも取れるはずだ」
バアトル「まことか!?」
レイヴァン「……多分な」
バアトル「とにかくこのモヤモヤを取り払い、どうにかしたいのだ!」
ウィル「じゃー、それが第一目標ってことで決まりだな!」
バアトル「第一だと? まだ他にもあるのか?」
ウィル「だからデートとか」
バアトル「ふぬおおおおおおおお!」
レイヴァン「ウィル、奴を興奮させるな」
ウィル「ごめん……」


レイヴァン「……というわけで、貴様に話を聞きに来た。男女の関係についてのノウハウはあるのだろう?」
セーラ「あのねえアンタ、それが人に物頼む態度なわけ?」
レイヴァン「いいから答えろ、似非シスター」
セーラ「なんですって、この根暗傭兵が! この完全無欠天下一の美少女シスターセーラ様を、似非ですって!?」
レイヴァン「姦しいだけで何の取り柄もないだろうが」
セーラ「ぐ、ぐ……この、スーパー完璧美少女セーラ様を姦しいだけですって……!?」
ウィル「……あのー、ヴぁっくん?」
レイヴァン「なんだウィル」
ウィル「どう言ったお知り合いで……? 確かセーラさんって、FETVのキャスターを……」
セーラ「あーら、私をちゃんと知っているなんて平民にしては殊勝ね。ただ、『完璧な美少女』と名前の前につけるのを忘れているわよ!」
レイヴァン「オスティアの情報を集めている際に知り合った。……だが、役に立ちそうもないな……」
セーラ「だぁから、アンタは失礼って言ってんのよこの根暗! 私に向かってなんて言いざまよ! 神から天罰が下るわよ!」
レイヴァン「もういい……。多少は役に立つかと思ったが話が通じなければそれも意味はない」
セーラ「あ、ちょっと待ちなさいよ! 誰が教えないなんて言ったわけ?」
レイヴァン「では教えてくれるのか?」
セーラ「ま、いいでしょ。この私が無償で何かするなんてほんっとー! に珍しいんだからね! 感謝しなさいよ! 地に這いつくばって『ありがとうございます世界で一番美しいセーラ様』って三回復唱するくらいに!」
レイヴァン「わかった。わかったから早く話せ……」

146バアトル恋をする6:2011/02/21(月) 22:19:29
セーラ「で? 男女の関係が何だってのよ? まさかアンタが恋したとか言うわけ? プッ、お笑いぐさねぇ」
レイヴァン「俺じゃない」
セーラ「じゃあそっちの村人その3?」
ウィル「村人その3って……そりゃまあ自分でもそうは思う時あるけど他人に言われるとなんだかなあ……」
レイヴァン「違う」
セーラ「じゃあいないじゃない」
レイヴァン「こいつだ、こいつ。バアトルだ」
セーラ「え?」
バアトル「実はな、俺は恋をしているのだ!」


セーラ「 」


セーラ「無理無理無理あり得ない! あんなむさ苦しい男が恋ですって!? 天地がひっくり返ったりエリウッド様がデュランダル持って古の火竜に追撃できるくらいあり得ないわ!」
ウィル(ボディリング使って素早さカンストしてれば何とか……)
レイヴァン「それをどうにかするのがお前の仕事だろうが。剣姫カアラという名は知っているだろう」
セーラ「え、ええまあ知ってるけど……、まさか、あの剣姫に恋してるの? あれが?」
バアトル「むぅ……、そんなにおかしいことなのか?」
ウィル「い、いやあ、バアトルはおかしくないよ! うん!」
セーラ「……ぷっ、ふふ、あはは! 似合わないわねえ!」
レイヴァン「……俺もそうは思ったが、奴は本気だ。出来れば力を貸して欲しい」
セーラ「…………ふ〜ん? アンタ、弱みでも握られてるわけ?」
レイヴァン「いや。……バアトルには借りがある。……大きな、借りがな」
セーラ「……そ。じゃ、このセーラ様が一肌脱いであげましょうか」
レイヴァン「ありがたい」
セーラ「ただし、無償の話はなしよ! 貰える時にもらっとかないとね〜!」
レイヴァン「お前という奴は……。ルセアを見習え……」
セーラ「じゃあ話はなしでも良いわよ〜?」
レイヴァン「やれやれ……もういい、好きにしろ……」
セーラ「じゃあ遠慮なく。レイヴァン、アンタ今度暇な日一日私に付き合いなさい!」
レイヴァン「……俺が……? 別に構わないが……」
セーラ「えらくあっさりしてるわね」
レイヴァン「お前こそ、そんなことでいいのか?」
セーラ「ま、いいわよ。アンタ顔は案外悪くないし、私の隣にいても見劣りはしないでしょ? 荷物持ちにはピッタリじゃないの!」
レイヴァン「……ま、いいがな……」

147バアトル恋をする7:2011/02/21(月) 22:20:06
セーラ「それで、アンタはあのカアラに恋してるんだったわね?」
バアトル「う、うむ……」
セーラ「ふむふむ……、私の掴んでいる情報によれば、カアラの周りに男の影はないわね」
ウィル「おおっ、ってことは脈があるじゃんバアトル! やったな!」
バアトル「まことか!」
セーラ「男の影はないけど……その分ストイックなみたいよ。とにかく強さを追い求める、って感じ」
レイヴァン「……バアトルとはお似合いじゃないのか?」
ウィル「だな! バアトル、これはいけるかもしれないぞ!」
バアトル「ぬ、ぬおおおおおおっ! 燃えてきたああああああ!」
セーラ「はいはい、暑苦しい。話は最後まで聞くこと」
レイヴァン「なんだ、まだ何かあるのか?」
セーラ「男の影はないけど……兄の影はあるのよ」
ウィル「兄……?」
セーラ「そ。……カアラが強さを求めるのは、ひとえに兄に追いつくためなんですって」
レイヴァン「兄に追いつく、か。やはり、妹というものはいつまでたってもそうなのか……」
セーラ「何を達観してんのよ。まあともかく、カアラの兄よりも実力が上でなければ彼女を振り向かせられないと思っていいでしょうね」
バアトル「左様か! ならば今すぐにでも修行を開始するぞ! ぬおおおおおおおおおおおっ!」バババッ
ウィル「あっ、バアトル!」
レイヴァン「……先走ったか」
セーラ「まったく、慌ただしいわね」
レイヴァン「ウィル、とりあえず俺たちは帰るか……」
ウィル「あ、うん。セーラさん、ありがとね!」
セーラ「別にいいわよ。こっちも相応の報酬を頂くしね。ま、せいぜいあの人の恋が実るようお祈りしておいてあげるわ」
レイヴァン「……妙に素直だな?」
セーラ「そう? 色恋沙汰ってやっぱりいつになってもワクワクする物だもの」
レイヴァン「俺にはわからん」
ウィル「その事で思い出したけどヴぁっくん、レベッカについてはっきりしろよな! あいつは俺の妹分だから心配なんだよ」
レイヴァン「だから何も無いといっているだろうが……」
セーラ「へ〜ぇ? 面白そうな話じゃない。聞かせなさい村人その4」
ウィル「格が下がった……」
レイヴァン「ええい、帰るぞ!」
セーラ「あ、こらレイヴァン、約束はちゃんと果たしなさいよ!」
レイヴァン「わかっている!」
ウィル「待てよヴぁっくん! そんな急がなくてもいいだろ!」


レイヴァン(……さて、バアトル。お前の恋……実ればいいのだがな)

148名無しさん:2011/02/21(月) 22:21:13
レイヴァンバアトルウィルの三人組と、
レイヴァンとセーラの絡みを書きたい、すごく書きたいと思ったので投下させてもらいました。
まだ続きます。多分。

規制されているので代理投下宜しくお願いします

149名無しさん:2011/02/21(月) 23:12:51
代理投下に当たって、勝手ながらタイトルの一部を変更させていただきました。
変更部分:2レス目の『バアトル恋をする1』→『バアトル恋をする2』

150名無しさん:2011/02/21(月) 23:33:54
あ、投下わざわざありがとうございます!
ミスの修正についてもご迷惑おかけました。

151槍使い二人1/4:2011/02/26(土) 23:34:33
エフラム「はあっ!」シュッ
ネフェニー「くっ……! そこっ!」シャッ
エフラム「甘いぞネフェニー!」
ネフェニー「は、弾かれっ……」
エフラム「ふんっ!」ザッ
ネフェニー「くっ!」
エフラム「決めるっ!」ズンッ
ネフェニー「く、あぁっ!」ドサッ


エフラム「はぁっ……はぁっ……。大丈夫か、ネフェニー」
ネフェニー「ぁ、はい……」
エフラム「すまん、熱が入りすぎたやも知れん」
ネフェニー「ぃえ……、これは修行ですから……」
エフラム「そうか……」スッ(手を差し出す)
ネフェニー「……?」
エフラム「立てるか?」
ネフェニー「ぁ……。はぃ、ありがとう、ございます……」
エフラム「よっ、と」
ネフェニー「……エフラム、さんは……お強いですね」
エフラム「……いや、まだまだだな」
ネフェニー「そう、ですか……?」
エフラム「ああ。世の中には俺よりも強い相手はごまんといる。ウチのアイク兄上なんかがいい例だ」
ネフェニー「アイクさんは……、強い、ですね」
エフラム「だろう? 認めたくはないがヘクトルもあれでいてかなりの腕前だ。しかも槍の天敵である斧を扱うしな」
ネフェニー「確かに、斧は怖ぃ……」
エフラム「だがそれ故にやり甲斐がある」
ネフェニー「エフラムさんは……本当に強いですね……」

152槍使い二人2/4:2011/02/26(土) 23:35:06
エフラム「? さっきも言ったが、俺よりも強い相手は」
ネフェニー「そ、そうじゃなくて。槍の道をただひたすらに究めようとするその姿勢を……ずっと貫いていくことができるなんて……」
エフラム「……ネフェニーと俺と」
ネフェニー「はい……?」
エフラム「何か違うことはあるか? 同じく槍の道を進むことに変わりはないと思うんだが」
ネフェニー「あります……」
エフラム「……あるのか? もし差し支えなければ教えてくれないか。俺にできることであれば協力する」
ネフェニー「……笑いません、か?」
エフラム「笑わない。誓ってもいい」
ネフェニー「ほんとに、ほんとう?」
エフラム「もちろんだ。共に修行をつむ槍仲間だろう」
ネフェニー「……あの、私……の、しゃべり方」
エフラム「うん?」
ネフェニー「おかしいと、思ったこと……ありませんか……?」
エフラム「…………正直に言えば、あるな。どことなく無理をしているような気がする」
ネフェニー「やっぱり……」
エフラム「それがどうかしたのか?」
ネフェニー「あ、あの……、エフラムさんだから、言うんですよ?」
エフラム「ああ」
ネフェニー「槍仲間の、エフラムさんだから、ですよ?」
エフラム「槍仲間の誇りにかけて謹んで聞こう」

153槍使い二人3/4:2011/02/26(土) 23:35:41
ネフェニー「……田舎もの、だから」
エフラム「……?」
ネフェニー「田舎もの、じゃから……、なまっているのが恥ずかしゅうて……」
エフラム「……」
ネフェニー「都会の人が聞いたら、きっと笑われてしまうじゃろぅと、心配じゃったんよ……」
エフラム「……」
ネフェニー「じゃからね。無理してでも、都会の人と同じしゃべり方にしよって……」
エフラム「……そういうことだったのか」
ネフェニー「……幻滅、しちょる?」
エフラム「まさか」
ネフェニー「馬鹿なことをと思っちょる?」
エフラム「いや、まったく」
ネフェニー「本当……?」
エフラム「ああ。俺はあまり難しいことは考えないし言えはしないんだが、ネフェニーの悩みはきっと間違っているものじゃない。誰にだって人に笑われたくない気持ちはあるからな」
ネフェニー「エフラムさん……」
エフラム「けれど、その思いにずっと囚われてしまうのは……間違っていると思う」
ネフェニー「ふぇ……?」
エフラム「ネフェニーはネフェニーだ。たとえしゃべり方が少しずれていたとして、だから何なんだ?」
ネフェニー「……じゃけぇ、それはエフラムさんが田舎の人じゃないから言えるんよ……」
エフラム「そうかもしれないが……、たとえ訛った話し方をして、そこに人の価値を下げる要素がどこにある?」
ネフェニー「それ、は……」
エフラム「ネフェニーの悩みのタネは、自分自身にあるんだと思うぞ」
ネフェニー「どういう、こと……?」

154槍使い二人4/4:2011/02/26(土) 23:36:20
エフラム「田舎出身であることを、どこかで恥じていたりしないか?」
ネフェニー「そ、そんなことない! あそこは……、あたしの故郷に、恥じるとこなんて全然ありゃせんよ!」
エフラム「……そこまで言い切れるんじゃないか」
ネフェニー「え……? あ……」
エフラム「君に恥を感じる要素なんて一つもない。少なくとも俺はそう思うぞ」
ネフェニー「……じゃけど」
エフラム「君の槍の腕は確かだし、修練にも熱心だ。つまり真面目だし、料理も上手い」
ネフェニー「そ、そんなに言われると恥ずかしぃよ……」
エフラム「自信だ。後足りないのはきっと自信だけだ」
ネフェニー「……そ、そうなんかな……。でも、やっぱりあたし……」
エフラム「ならば誓おう。もしも、ネフェニーを田舎者だと蔑む奴がいるのなら」
ネフェニー「……?」
エフラム「……その時は俺が君を守る。必ずだ」
ネフェニー「え、エフラムさん……? そ、それは……」
エフラム「だから、心配するな。少しずつ慣れていけばいい」
ネフェニー「う、うん……」
エフラム「……さて、それじゃ……手合わせ再開と行くか」
ネフェニー「……うん……、うんっ……!」
エフラム「やる気だな、ネフェニー」
ネフェニー「エフラムさんのお陰じゃけぇ……」
エフラム「……俺は大した事はしていないと思うがな」
ネフェニー「ううん……、エフラムさんは、あたしの恩人じゃ……」
エフラム「そ、そうか……。面と向かって言われると、こっぱずかしいな」
ネフェニー「そ、それ言ぅたら、エフラムさんも相当……恥ずかしいこと言ぅたと思うんよ……」
エフラム「……そうか?」
ネフェニー「自覚がないん? ……ふふ、でも、そっちの方がらしいかもしれんね」
エフラム「……今馬鹿にしたか?」
ネフェニー「エフラムさんの気のせい、じゃよ」クスッ
エフラム「そういうことにしておくか」ニコッ

155槍使い二人:2011/02/26(土) 23:38:04
たまにはエフラムだってロリコンじゃなくてもいいじゃないと思って書いてみたネタ
槍使いと言うことでネフェニーと。しかしエフラムっぽくない気がしてならない。というかエフラムじゃねえ……

まあいいか! 細かいことは気にしない! by某剣聖

156名無しさん:2011/05/11(水) 22:38:54
いきなり規制されてしまいました。どなたか以下の小ネタを代理投下お願いします。

157前スレ674:2011/05/11(水) 22:39:42
リーフ「ただいまー」
マルス「おかえり…ってなんで全身傷だらけなのさ?」
リーフ「いや、さっき散歩してたらレテさんとライさんを見かけてさ、レテさんがなんか具合悪そうだったんだよね」
マルス「うん、それで?」
リーフ「で、丁度体温計持ってたからさ、体温を計ってあげようと思ったんだよ」
マルス(何でそんなモン持っていったんだ…)
リーフ「それでさ、動物って体温はお尻に体温計突っ込んで計るだろ?だから、
    『はやくお尻をこっちに出して!早く体温を計りましょう!!』って言ったんだよ」
マルス「で?」
リーフ「二人とも急に顔真っ赤にしてキレだして見事にフルボッコされたさ。もう全身粉砕骨折だよ」
マルス(それでよく普通に立って普通に会話できるな…)
リーフ「そうだよね、お尻じゃ痛いし恥ずかしいよね!やっぱり口にくわえさせるのが正しい方法だよね!」
マルス「いや、人の姿の時は普通に脇の下でいいと思うよ」

158前スレ674:2011/05/11(水) 22:40:33
パッと思いついてパッと書いた短いネタで申し訳ない…
前スレで宣言したアテナ×マルスも苦戦してますが執筆中ですのでもうしばらくお待ちください

159名無しさん:2011/05/22(日) 10:38:20
以下のネタ代理投下お願いします

160名無しさん:2011/05/22(日) 10:44:04
マルス「この僕が…6タテ…だと…!?」
リン「進化前を甘く見るからよ」

リーフ(ねえ、何でいきなりポケモンやってんの?しかも6タテとかありえるの?)
ロイ(普段改造プレイだからこういう時勝てないんでしょ)
リーフ(なるほど)

マルス「ふ…ふざけるなっ!6タテなんて…6タテなんてあってはいけないんだ!
    相手の気持ちを考えずに6タテする奴なんぞ…ポケモントレーナーの資格はねぇーっ!!!」
マルス以外(改造厨に言われたくねえーっ!)ガビーン


マルスを勝手に改造厨にしてしまったが…いいよね

161とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:08:53
忍法帖のレベルが1に戻ってしまった・・・。
申し訳ありませんが、どなたか代理投下して頂けると嬉しいです。

前スレ564-570、656-659の続きです。
捏造設定ありの長編ものになります。
苦手な人はスルーお願いします。


第一章 とある学校の校外学習
 ここは任天都炎区、紋章町。ただの町というにはあまりにも広大な面積を持ち、
多種多様な民族や種族が暮らすこの町は、大まかに6つの地区に分けられている。
 最も古くから存在し、紋章町の起源とも伝えられるアカネイア地区。
魔物が存在しながらも、二柱の神の加護を受けているとされるバレンシア地区。
十二聖戦士の伝説が残り、トラキア地方を内包するユグトラル地区。
アカネイア地区とよく似た特徴を持つエレブ地区。
バレンシアと同じく魔物が存在し、聖石によって守られているマギ・ヴァル地区。
ベオクとラグズ、異なる種族が対立を繰り返しながら、共存への道を探るテリウス地区。
 紋章町に住むほとんどの者達はこれらいずれかの地区に住居を構え、その地区の中にある学校や、
あるいは職場へと通っているが、まれにその例外も存在する。
 広大な紋章町の地理についてはいまだ解明されていない部分が多く、これらの6つの地区がどのように
配置されているかは分からないが、6つの地区の丁度中央、地区と地区の挟間にあるが故にどの地区にも行け、
どの地区からでも訪れることのできる場所。そんな地区の空白地帯に、この町でも有名なとある兄弟達の家がある。
 普通の一軒家にしては大きく、建てられた当初はその大きさに見合った立派な佇まいであったであろう
その家はしかし、現在はあちこちに修理跡が見られる。
すべてをきれいに修理するだけの蓄えが無いのか、あるいは修理が追い付かないからあえて簡単な処置しかしていないのか。
壁のあちこちに板が打ちつけられており、いつまた新たな傷が増えるか分からないこの家で「コノヒトデナシー!」
・・・今また新たな傷が増えたこの家で、いつものように騒動は始まろうとしていた。

「あいたたた・・・。ひどいよ、ヘクトル兄さん!いきなりなにすんのさ」
「俺のせいじゃねーだろ!文句ならエフラムに言え」
「ほう。この壁に刺さっている『ておの』が俺の獲物だというのか?ついに脳にまで脂肪がまわったか?」
「何だとてめぇ!」
 連休初日の朝。今日もいつものように、ヘクトルとエフラムが喧嘩をしている。
兄弟全員が席に着けるよう大きめに作られた食卓にはすでに朝食が並べられており、ほとんどの兄弟が席についている中、
丁度向かい合う位置にいる二人のみが方を怒らせて立っている。エフラムの隣に、巻き添えを食らった
リーフが血を流しているのもいつもの光景だ。リーフの後ろの壁には斧が深々と突き刺さっていた。
 リーフが常に懐に入れている傷薬を取り出したところで、居間の入口、ヘクトルの背後にあるふすまが開けられ、
同じ赤毛を持った二人が部屋の中に入ってくる。
「・・・はぁ。またやっているのか二人とも」
「うわ、リーフ兄さん大丈夫?」
 溜息をつきながら入ってきたのがエリウッドで、毎度のことながらも律儀にリーフの心配をしたのがロイだ。
二人の手にはそれぞれ、やや大きめのリュックをぶら下げられており、部屋に入った二人はそれを部屋の
隅に置いてから―そこにはすでに、別のリュックが三つ並べられていた―自分達の席、エリウッドはヘクトルの隣へ、
ロイはエリウッドの席からはす向かい、リンの隣に腰をかけた。ほぼ同じタイミングで、興が削がれたとでも言うように
小さく舌打ちしながらヘクトルが、次いでエフラムが持っていた槍を自分の後ろの壁に立てかけながら腰を下ろす。

162とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:10:10
「まったく。すぐに武器を持ち出すのは、二人の悪い癖だよ」
 二人が取りあえず落ち着いたのを見て内心胸を撫で下ろしながら、エリウッドが二人をいさめる。
喧嘩の原因を聞くことはしない。どうせろくでもないことだと分かっているからだ。他の兄弟達もそれを知ってか、
リンは呆れ、マルスは我関せずをつらぬき、セリスはリーフの介抱をしている。
アルムとセリカは「今日からのお出かけ、楽しみね。アルム・・・」「そうだね。セリカ・・・」等と
二人の世界をつくり、アイクはヘクトルの斧がどうしてエフラムに避けられたかを分析しながら食卓の上の
肉をつまみ食いしようとし、それを「全員そろうまではダメです!」とエリンシアが止めている。
ミカヤは「今日も二人とも元気ね〜」などとのんきな顔をしている。唯一、エイリークのみがエフラムの
隣で二人を止めようとはしたが、努力は実らずだったようでため息をついていた。
 そんななか、当の二人は特に悪びれた様子もない。
「しょうがねぇだろ、エリウッド。俺達はシグルド兄上を見て育ったんだ。そりゃ、すぐに武器を振り回すようにもなるぜ」
「むしろ、ジークムントを取り出さないだけマシだと思ってもらいたいな」
「兄上!」
 あまりの物言いにエイリークが声をあげるが、どうせエフラム達の耳には届かないだろう。
外見こそ似ていないが、エフラムに振り回されるその姿はヘクトルに対するエリウッドの姿によく似ていた。
どうせまた繰り返すのだからこれ以上話しても無駄だとは分かっているのだが、そんな妹の姿に同情したのか、
エリウッドはもう一言付け加えることにした。
「・・・君達がそんなようでは、弟や妹が真似をするだろう?それでいいのか、エフラム?」
「うっ」
 急所を的確につかれた一言に、エフラムの顔が歪む。更に、
「もう手遅れですよ、エリウッド兄さん。現にリン姉さんは・・・あ痛ッ!ほら、もうこんなに暴力的に・・・あ痛たたたッ!!」
「うるさいわよ、マルスッ!人の話に茶々を入れるんじゃないわよ!」
「・・・わかった。少し、自重するようにしよう」
 確かに、少々元気がよすぎる妹の姿を見せられ(いつまで続くか)反省の色を見せた。
「君もだ。ヘクトル」
「へいへい、わーってるて。それより、シグルド兄上はまだかよ?もう腹が減っちまったぜ」
「そう言えば、ヘクトル兄さんが一番最後じゃないって珍しいね。
休みの日だと朝ごはんはいらないとか言って、昼まで寝ていることも多いのに」
 エフラムには通常の3倍の攻撃力を持つ特効武器でも、ヘクトルにはあまり効いた様子はない。
ヘクトルがこれ以上説教をされる前にと話題を変えると、ロイがそれに乗ってきた。
「おう。ちょっとばかし早く目が覚めてな。それに、今日からお前の林間学校だろう?
ちっとばかし会えなくなる弟を、しっかり見送ってやらねぇとな!」
 言いながら、ヘクトルはエリウッドの前を通るように身を乗り出し、大きな手でロイの頭をくしゃくしゃと撫で回した。
「ちょ、やめてよヘクトル兄さん!」
「あらあら。良かったわね、ロイ。お兄ちゃんに見送ってもらえて」
 微笑ましい弟たちの姿をみて、ミカヤの顔から笑顔がこぼれる。
「べ、べつにヘクトル兄さんに見送られたって嬉しくなんかないよ!」
「てめぇ、言いやがったな!」
「痛い、痛いってば兄さん!」
 ロイの言葉に、ヘクトルはロイの頭を撫でる手に力を込める。
ロイも、口では嫌がっているものの、その表情は嬉しそうだ。
「おはよう、みんな。今日も朝から賑やかだな」
 そうこうしているうちに、部屋にシグルドがやってきて、ようやく朝食が始まった。

163とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:10:51
「林間学校?今日からか?」
 あらかた朝食を食べ終えた頃、シグルドが部屋の片隅にあるリュックに気が付き話題を振ると、それにロイが答えた。
「うん、そうだよ。あれ、前から言ってあったよね?」
「・・・む、そうだったか。すまない。最近忙しくて、よく聞いていなかったようだ」
「別にいいんだけど・・・兄さん、最近本当に忙しそうだね?昨日の夜も僕が起きている内には帰ってこなかったし」
 言いながら見てみれば、シグルドの眼の下にはかすかにクマができていた。
昨晩は今日の為にロイが早くに布団に入った(もっとも、興奮して寝付いたのは結局いつも通りの時間だったが)のもあるが、
シグルドが仕事を終えて帰って来たのにロイは気付けなかった。
「あぁ、そんなことはお前達は心配しないでいい。それより、荷物が一、二・・・五つもあるが、全部ロイの荷物か?」
「まさか、そんなわけないよ!」
「ロイだけでなく、僕達も行くんですよ」
 ロイの言葉を、エリウッドが補足する。が、それだけでも説明としては不十分で、シグルドは更に
疑問符を重ねることになる。
「中学の林間学校に、エリウッドが?一体どうしてだ?」
「今回の行事は、もちろん中学の学校行事という面もあるのですが、学校と地域や家庭の交流を
深めるためのものなんですよ」
 エリンシアが、食後のお茶をシグルドに差し出しつつ説明する。
基本的に、弟妹達の学校からの連絡やプリントはエリンシアに渡されるので、ミカヤやシグルドよりも事情に詳しい。
「それで、今回は宿を地元にある・・・イリアに行くそうですが、生徒の親戚さんが経営している民宿を借りたり、
生徒の家庭からインストラクターというのでしょうか?お手伝いを募っていたんです」
「なるほど。それで、エリウッドが行くことになったのか」
「はい。僕はエレブ中の卒業生ですし、生徒会長をやっていましたので、その縁で頼まれたんです」
 エリンシアの説明でようやくシグルドにも状況が見えてきたようだ。
「それじゃあ、残りのリュックはヘクトルとリンのものかい?」
 エレブ中学のOBということでエリウッドが行くのならば、ヘクトルとリンも同様だ。
また、兄弟の中でも三人はよく行動を共にしている。シグルドの予想は当然のものと言えた。
「あ?俺がそんな面倒なことするわけねぇだろ兄上?」
「私も、フロリーナと遊びに行く予定なのよね。もっと早く知れてたら、私も一緒に行きたかったんだけど・・・」
 が、その予想は外れてしまった。そして、「それでは誰が?」とシグルドが質問するより早く、解答が述べられる。
「一つは、俺のリュックだ。弟や後輩の面倒を見るのは好きだからな。
俺はエレブのOBではないが、問題ないそうだし、かまわないだろ、兄上?」
「あぁ、もちろんだとも。ロイだけでなく、しっかりと他の子達の面倒も見てあげるんだぞ」
 なるほど、確かにエフラムほどこの役目が似合う者はいないだろう。シグルドはエフラムの問いに快諾する。
そして、残りの二つのリュックの持ち主は・・・
「私とアルムも、一緒に行くのよ。ね、アルム?」
「うん。一生懸命、みんなの面倒を見ようね」
 満面の笑みで―本当に楽しみなのだろう―アルムに笑みを向けるセリカ。それに、同じく笑顔で答えるアルム。
 ロイも楽しそうにリュックの中身をのぞきながら持ち物の最終点検をしている。そんな弟妹の様子を見て、
つい先ほどまで喧嘩をしていたヘクトルとエフラムも互いに顔を見合せながら笑みを浮かべる。
 そんな、和やかな空気の中――
「駄目だ、許さん」
 シグルドの静かな声が、その場の空気を一変させる。

164とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:12:49
「駄目だ、許さん」
 シグルドの静かな声が、その場の空気を一変させる。
「え――?」
「な、なんでさ!兄さん!」
「なんでもだ。とにかく、二人が行くことは許可できない」
 セリカが一瞬で表情を強張らせながら、乾いた声を出し、アルムは声を荒げて抗議する。
が、それに応えるシグルドの声はあくまで静かで、逆にそれが説得の余地を感じさせない。
「そんなのってないわ!理由を言ってよ!」
「・・・。冷静によく考えなさい。ロイ達の学校行事、それも宿泊を伴う林間学校を、
どうして同じ中学生のお前達が引率するんだ?」
 今度はセリカが声高に反論し、シグルドは一度大きく息を吐き出すと、ゆっくりと説明をする。
が、それでも到底二人は納得することができないようだ。
「僕達はロイ達の学年より上だ!ちゃんと引率できるよ」
「そうよ!私もアルムも、そういうの得意なんだから!」
 セリカの言うことは事実だ。アルムもセリカも友人達の中ではリーダー的存在であり、その場を仕切ったり、
大勢に指示を出すことは得意だ。これは二人に限らず、兄弟全員共通の才能と言えるものであり、
そのことはシグルドだってよく理解している。
が、それでも二人はまだ中学生だ。もし何かあった時のことを考えれば、心配して当然と言える。
そして、もしそうなれば傷つくことになるのはアルムとセリカ自身なのだ。だから、シグルドは心を鬼にして告げる。
「何と言っても無駄だ。この私が許可しない限り、学校だってお前達を連れていくことはできないだろう」
「で、でも、もう前から決めてたのよ。私達、楽しみにしてたのに・・・」
「あきらめなさい」
「でも、急に手伝いの数が減ったら、迷惑をかけるんじゃ」
「私から謝罪の電話を入れるから心配しないでいい。どうしても人が必要なら、姉さんやエリンシアに行ってもらおう」
「でも―――!―――!」
「―――。―――」
「―――!―――」

 そんなやりとりがしばらく続くと、ついにアルムとセリカが静かになった。
他の兄弟達は黙ってやり取りを見つめていたが、ロイは当事者だけあり不安そうな顔を浮かべている。
「ふぅ。やっと分かってくれたか?それじゃあ、二人とも・・・」
「――によ」
 黙った二人を見て観念したのかと思ったのか、シグルドが学校に電話しようと腰を浮かせたところで、
セリカが俯きながら震えた声を出す。
「ん?なんだ、セリカ」
 そんなセリカの声を聞き、シグルドが浮かせた腰を下ろし、セリカに向き直る。
 すると、セリカは勢いよく顔を上げ、キッとシグルドにきつい目線を向ける。
その目じりには、涙がたまっているのがシグルドには見えた。
「なによ!シグルド兄さんなんか、今日までロイの林間学校があるなんて知らなかったくせに!
今日になって急にそんなこと言うなんてずるいわ!」
「・・・」
 セリカが激昂するのも無理はないと思ってか、シグルドは黙ってその言葉に耳を傾けようとする。
「いろいろ言ったって、本当は私とアルムが仲良く出かけるのが嫌なだけなんだわ!
いつも、私達にだけ厳しくして――!」
 シグルドを睨んでいた目を、今度はつらそうに瞑り、その端からはとうとう涙がこぼれてきた。
そして。
「いつも、仕事仕事って、家族のことなんかほったらかしにして!」
―「セリカ、言いすぎだよ」とアルムがブレーキをかける前に、セリカは次の言葉を口にした。してしまった。
「兄さんなんか、本当は私達のことなんか愛していないんだわ――ッ!!」

165とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:14:13
「セリカッ!!」
 アルムのとっさの叫びの後、――シン、と部屋の中が静まりかえる。
「・・・あ」
 一瞬の間の後、セリカは自分の言った言葉の意味を反芻する。そして、その顔からさっと血の気が引いて行く。
―しまった!と、アルムは思った。こうなる前に、セリカを止めなければいけなかった。
それは自分の役目だったのに、アルム自身がセリカの言葉でシグルドが折れてくれるのを期待して、
止めるのが遅れてしまった。が、そんなことは後の祭りだ。
今はとにかく、この場の空気をどうにかしなければならない。そう思って、アルムは口を開く。
「し、シグルド兄さん。セリカは・・・」
 が、アルムがフォローを口に出す前に、すっとシグルドは立ち上がる。
アルムの位置からではその表情を窺い知ることは出来なかったが、見えないでよかったともアルムは思った。
「――今日は、社で大事な会議がある。遅刻するわけにはいかないので、私はもう行く」
 言って、シグルドは自らの鞄を持って部屋を出て行こうとする。
「兄さん――!」
 セリカが立ち上がり、悲痛さを感じさせる声でその背を呼び止める。
が、シグルドは足を止めたものの振り返ることをせず、静かに口を開くだけだった。
「・・・ロイ、こんな出立になってすまない。気をつけて行ってきなさい」
「う、うん」
 何と答えればいいのか分からず、ロイは曖昧な返事をする。セリカは、まだジッとシグルドの背を見つめている。
「エリウッド、エフラム。『三人』を頼んだぞ」
「・・・分かっています」
「まかせてくれ」
 二人の返事を聞き、シグルドは一度頷いてから、部屋を出ていく。
その背に向かってもう一度セリカが呼びかけるが、今度は立ち止まることさえなかった。
 そして、少し経って玄関の閉まる音がやけに大きく響いた。
その間、誰もしゃべることもせず、ただその場の凍てついた空気に耐えるのみであった。
「なによ。どうして、否定しないのよ」
「セリカ・・・」
 立ちすくみ、うつむきながらセリカが震える声を出す。
「どうして・・・どうして、そんなことないって言ってくれないの?」
 それは、悲しみか怒りか。アルムにも、セリカ自身にも分からなかった。
「シグルド兄さんの・・・」
 それでも、胸の内にある得体のしれない感情を吐き出すため、セリカは先ほどと同じように顔を上げ、
キッとキツイ視線をシグルドが去って行った玄関方に向けた。
「シグルド兄さんの、バカーーーッ!!!」
「このひとでなしーッ!」
 そして、セリカと、ついでにライナロックに焼かれた誰かの叫び声が、朝の紋章町にこだました。



第一章(後編)につづく

166とある主人公の封印之剣(ソードオブシール):2011/05/29(日) 03:17:01
ここまでです。よろしくお願いします。
そしてsageわすれに今気付きいた・・・。申し訳ないです。

167名無しさん:2011/05/29(日) 17:40:56
代理投下、ありがとうございました。
パソコンの設定をいじったので忍法帖がリセットされたのかと思ったら、
他の方もだったんですね。
お手数おかけしました。

168梅雨の時期1/3:2011/06/04(土) 19:41:31
級友が傘を忘れたというので、ロイは持っていた折りたたみ傘を貸してしまった。
彼自身、兄たちには劣るものの体が頑丈だという自負はあるので、雨に濡れても別に風邪を引く心配はない。

「・・・あ!」

家への帰り道で角を曲がったロイは、雨粒が口に入るのもかまわず声を上げた。
雨で煙る視界の中、家の方面からよく似た髪の青年が、薄緑色の傘をさして近づいてきていた。

「エリウッド兄さん!今日、具合悪いんじゃなかったっけ?」

駆け寄ってあわてて声をかけると、腕に紺色の傘と、おそらくエリンシアの趣味であろう花柄の傘をかけていた兄がほほえんだ。

「うん。でも、昼過ぎに熱が下がったから」
「油断してたらダメだよ。すぐ帰らないと」
「ロイこそ」

エリウッドは兄らしい顔をして、咎めるように目を細めた。その間に紺色の傘を開いて手渡され、ロイは居心地悪くそれを受け取る。

「ほら、タオルもあるから」

そういって肩にかけていたカバンからタオルを取り出してロイの頭にかぶせ、エリウッドは少し怒った顔で言った。

「もうロイも中学生なんだから、あまり小うるさくは言わないけど。風邪は万病の元っていうくらいなんだ。気をつけないとダメだよ」
「ごめんなさい」
「折りたたみ傘を持っていただろう?あれはどうした?」
「貸しちゃったんだ。女の子に」

そうか、と兄は緩くうなずいて、それきりそのことは何も言わなかった。
話題をとりあえず説教からそらそうとして、ロイは目に入ったことを率直に聞いた。

「その花柄の傘は?」
「ミカヤ姉さんを捜すんだ。大通りに行けば見つかるだろうし」

エリウッドはそういって大通りに歩き出そうとした。
その何気ない仕草を見送ろうとして、早速よろめきかけた兄に病人だということを思い出したロイは慌てて追いすがり、兄の進路を妨害するように立ちふさがる。

「兄さん、風邪ひいてたんだから、早く帰らないと!姉さんなら、僕が渡しておくよ」
「雨ざらしになっていたロイのほうが問題だよ。僕はもう大丈夫だから」
「でも!」

もどかしげに食い下がるロイを眺めていたエリウッドは、じゃあ、と提案するように言った。

「ロイも一緒に来てくれないか?その方が多分、効率が良い」
「僕が行くよ。兄さんは帰って休んでて」

体の弱い兄は人一倍学校に思い入れがある。今日風邪をこじらせては、また病欠が増えるばかりだ。
花柄の傘を持って、エリウッドは困ったように笑った。

「ロイ」

言い返そうとして、ロイは口をつぐんで黙り込んだ。
兄を心配する気持ちはあるけれど、兄が家族を心配する気持ちも、自分は分かっているつもりだ。
渋々うなずくと、エリウッドは存外子どもっぽい顔をして笑った。
ミカヤが普段占いをしている大通りに向かって歩き出しながら、ロイは気になっていたことを聞いた。

169梅雨の時期2/3:2011/06/04(土) 19:42:15
「どうして兄さんが出てきたの?エイリーク姉さんとか、リン姉さんとかは?」
「リンはまだ帰っていないよ。男兄弟はみんな一度帰ってすぐ出かけていってしまって、エイリークは竜王家に居るエフラムを迎えに行ってる。セリカはアルムと一緒だった」
「エリンシア姉さんは・・・あぁ、何か久しぶりにジョフレさんと出かけてるんだっけ?」
「うん。ロイはまだ帰ってきてなかったし、ミカヤ姉さんもだから、心配で」

そういってエリウッドは申し訳なさそうに肩をすくめた。
心配で、という理由で飛び出してきた自分が心配されていることを、申し訳なく思っているのだろう。
しめったタオルで雨滴をぬぐいながら、ロイは言葉を探したが思いつかなくて、結局口をつぐんだ。
二人が大通りへの小道を抜けてミカヤを探すと、ちょうど正面から黒い傘を一つさした二人組が見えて、ロイは思わず隣に立つ兄の袖を引いた。

「兄さん、あれ」
「あれは・・・ペレアスさん?」

黒い傘の持ち主はペレアスのようだ。だが、ロイは隣に立つ人物に見覚えがあった。

「ミカヤ姉さんじゃない?」
「本当だ。・・・よけいだったかな」

エリウッドが首をかしげて、ロイも一緒に首をかしげた。
帰ろうか、とどちらともなく歩き出そうとしたとき、雨の向こうから声がした。

「エリウッド、ロイ!」

振り返ると、ミカヤが大きく手を振っていた。目があったペレアスが優しく笑って、ロイは意味もなく会釈を返す。
近づいてきて早速駆け寄ろうとする姉に慌てて傘を開いてやりながら、エリウッドが苦笑した。

「姉さん、ぬれますよ」
「お姉ちゃんのことはいいの!エリウッド、貴方病人なんだから!」

腰に手を当ててお説教モードになった姉にしかられる兄はどこか頼りない。
子どもの頃のようにしかられるエリウッドを横目に、ロイはペレアスに声をかけた。

「あの、ごめんなさい」
「え?」
「えーと、邪魔しちゃって」

マルスやリーフなら嬉々として出歯亀でもするだろうが、ロイは肩を小さくして謝った。
謝られた方のペレアスは意味が分からなかったらしく逡巡していたが、しばらくして笑ってうなずいた。

「邪魔なんかしていないよ。ミカヤの自慢話が裏付けられたから、僕としては良かったな」
「自慢話?」
「うん。きっと兄弟の誰かが迎えに来てくれるって。ミカヤは大事にされているんだね」

そう笑顔で言われると気恥ずかしい。
チラリとロイが後ろを見ると、まだエリウッドはミカヤにしかられていた。お説教は長そうだ。
いくら年をとっても弟は弟なんだなあ、と姉にしかられる兄を眺めて考え込むロイに、ペレアスが言った。

「放っておいて良いの?」
「うーん・・・良くないと思うけど、でもしかられるエリウッド兄さん、久しぶりだし」

別に嫌な意味で言っているわけではない。
しかる方も、しかられる方も、お互いを心配しているという気持ちがあるからこそ、なんとなく嬉しそうに見えた。
それに割り込んで強制終了させるのも忍びない。

170梅雨の時期3/3:2011/06/04(土) 19:42:46
「でも、風邪を引くよ。お兄さん、体頑丈じゃ無いんだよね?」
「あっ、そうだった!姉さん、兄さん!」

ミカヤのお説教がそれ以上長引く前に場を納めたところで、じゃあ、と手を振るペレアスにすかさずロイが声をかけた。

「ペレアスさん、良かったらうちに来ませんか?あの、姉さんのお礼で」
「そうね、是非!」
「いや、僕は・・・」

言いかけて、ペレアスは少しはにかむように笑った。

「ううん、やっぱりお邪魔しようかな」
「邪魔なんてことないわ」

ミカヤとペレアスが並んで歩き出す。その後ろをずいぶん距離を置いて並びながら、エリウッドが笑った。

「久しぶりだったよ、姉さんにしかられたの。前怒られたのも、梅雨の頃だったなあ」
「なんで怒られたの?」

エリウッドが首をかしげた。あまり怒られることのない兄だから、ロイはおとなしく言葉を待った。
だがエリウッドが何かを言う前に、水を跳ね上げる音がして、ものすごい速度でリーフが通り過ぎていった。後ろにはアレスやセティがこれまた必死の形相で続いている。

「・・・何?」
「早すぎて見えなかったけど・・・」

思わず顔を見合わせた二人に、遠くからリーフの叫びが聞こえた。

「神器なんて・・・神器なんてぇ!!」
「貴様、リーフっ!兄上からミストルティンをかすめ取るとは良い度胸だ!!」
「ライトニングまでも持っていかれるとは・・・!」
「弓兵にライブだからどうした!一撃必殺なんだよ!!」
「壊したら修理代が酷いぞリーフ!!」

遠ざかっていく怒鳴り声の応酬を聞いて、エリウッドがため息をついた。

「リーフも、傘四つもあったのにね」
「・・・リーフ兄さんって、難しいね」
「そうだね」

先を行くミカヤが振り返って大きく手を振った。脇を駆け抜けていったであろうリーフのことは気にしていないようだ。
速度を上げようとするエリウッドに、慌ててロイが追いすがる。

「ねぇ、兄さん!」
「ん?」
「どうして怒られたの、前」

エリウッドは肩越しに振り返って首をかしげた。まだ幾分か身長の負ける兄は、優しく笑った。

「忘れちゃったな」
「そっか。思い出したら教えてね」

ロイは兄を追い抜いてそういった。

「今でもそうなんだけど、小さい頃のロイは凄くエリウッドになついていてね」

後ろで仲良く会話をする兄弟を指さして、ミカヤは懐かしそうに喋った。

「梅雨の頃にエリウッドが迎えに来てくれて、ロイはお留守番してたんだけど、お兄ちゃんが心配で出てきちゃったのよ」
「何歳くらいの頃?」
「そうねぇ。ロイが小学校1年生くらいかしら。道が分からなくて、あの子迷子になっちゃって」
「けがはしなかったの?」
「それは大丈夫だったんだけど」

ミカヤはちょっと肩をすくめた。

「エリウッドが必死になって探してね。見つけたのは確か、リーフだったかしら。行動範囲はあの子とかぶっていたから」
「それで怒ったの?」
「酷いのよ、エリウッドってば」

怒ったように眉を寄せ、ミカヤは背後のエリウッドを見た。
つられてペレアスも振り返ると、エリウッドと目があって、思い人の弟は、隣に立つ弟と同じ角度で会釈をした。

「そこら中探し回ったあげく、肺炎になって病院に行っちゃうんだもの」
「それだけ大切だったんだね」
「そうね。でも、私には二人とも大切なのになあ」

空を見上げてミカヤがぼやいた。

「二人とも同じくらい、ミカヤのことを大切に思っているよ」

姉を探しに来た兄弟を思い出しながら言うと、ミカヤがはにかむように笑った。

「そうよ。だって、自慢の家族ですもの」

171梅雨の時期:2011/06/04(土) 19:46:30
ここまでです
どなたか代理お願いします

172梅雨の時期:2011/06/07(火) 20:12:23
代理ありがとうございました

173名無しさん:2011/06/08(水) 00:35:38
規制食らった……代理投下お願いします

174ロプト幼稚園のとある老人達の一日1:2011/06/08(水) 00:36:39
>>510-511
ブラッド……もうゴールしていいんだよ
だが待ってほしい、ひょっとしたらもう結婚しているからこそ、
この容赦のなさかもしれないじゃないか!
あと男のAKJクソワロタwww


>>425-427のおまけ的なものを投下します
>>423-424のレスを見て思いつきました、感想ありがとうございます!



カコーン!
カコーン!
園内から少し離れた林の中から、一定のリズムで金属音が響いてくる。
用務員のドズラが、料理用の薪を割っている音だ。

「ふぅ、この歳になると薪割りだけでも結構疲れる物じゃな……よっこいせ」

疲れたのか、切り株に座り込み一休みするようだ。
そこに、顔に特徴的な傷痕のある男が近づいていく。

「お、ドズラのじいさんじゃねーか。
 こんな所で休憩か?」
「おお、ディークか。
 お主こそ、剣術指南の仕事はいいのか?」
「ああ。
 今日はシャナンが担当だから、見回りだけすりゃあいい」
「そうか。まぁ、茶でも飲んでいけ」

そう言ってドズラは、丁度いい大きさに割られた木片を抱えて園内へと歩いていく。


――用務員室

「悪ぃな」

「何の何の。同じ職場の仲間じゃからな。
 その代わりと言っちゃあ何じゃが、ちと年寄りの話し相手になってくれんか」
「こっちも暇だったし、別に構わないが……
 なんか悩みでもあるのか?らしくねえぜ」

175ロプト幼稚園のとある老人達の一日2:2011/06/08(水) 00:37:13
豪儀、の一言が似合うドズラにしては珍しい台詞だと思ったディークが疑問を口にすると、ドズラ本人もそう思ったのか苦笑いをしながらこう答えた。

「ガハハ、いやなに、昨日薪にする為の木を切り倒していた時、ふと自分に衰えを感じてな。
 普段楽に一振りで切り倒せていた木が、一撃で倒れなんだ」
「衰えねぇ……俺から言わせてもらえば、80近いってのに普通に斧を振り回せてる時点で大したモンだと思うがな。
 老けこむにゃあまだ早いんじゃねえか」

世辞ではなく、本気でそう思っての発言だった。
ディークも40過ぎと決して若くは無いが、既にピークは過ぎたと自分でも感じている。
だからこそ、老人と言っていい歳になっても斧という重量武器を扱えるドズラに対し、職員達は一目置いていた。

「紋章町の中ではその位、常人の範囲内じゃよ。
 まあともかく、自分が年をとった事を実感してしまったら、途端に一人の時に昔の事を懐かしむようになってしまってな」
「ふぅん、やっぱりあの金髪のお嬢さんの事とかかい?」
「大部分はそうじゃな。
 あの方が幼い頃からずっとお供させて頂いておるが、あんなに小さかったラーチェル様が今や子供を教育する立場かと思うと、
 やはり色々と感慨深いものがあるのぉ」

そう言いながら過去へ想いを馳せているのか、ドズラの目の焦点が一瞬遠くへと移る。
想い出はいつも、実際にあったこと以上に美しい。
特に自分より半世紀近く長く生きてきたこの老人ならば、相当の想いが積み重なっているに違いないとディークは思った。

「ある意味あんたも、あのお嬢さんの父親みたいなものだからな。
 青二才の俺にはまだ分からない感覚だが」
「はっはっは!お主もわしの様な老いぼれと話している暇があったら、結婚相手でも探したらどうじゃ?」

痛い所を突かれたのか、ディークも先程のドズラのように苦笑いをしながら言葉を返す。

「ま、その内な。
 それより、大部分はっつったが他にはどんな事があったんだ」
「そうじゃな、近所にいた悪戯小僧なんかもよく思い出すのぅ。
 昔はあんなに純粋な瞳をしていたというに、今では女子の下着を盗撮している始末……本当に教育というのは大事だと改めて思ったわい」
(爺さんも、色々あったんだな……)

だんだんと愚痴っぽくなっていく老人の台詞を聞きながら、ディークの昼過ぎの時間は過ぎて行った――

176ロプト幼稚園のとある老人達の一日3:2011/06/08(水) 00:38:09
「ふむ、今期の入園者の数も前年度以上……
 少しずつじゃが、軌道に乗り始めたな」
ドズラ以上に老成した風貌の男性が、事務机に向かって書類仕事をしている。
やはり歳が響くのか、時折目を瞬かせているが、それなりに健康そうだ。

「にしても、あの娘がまさか保育園をやる等と言いだすとは……」

この老人も、昔を思い出しているのか窓の外の景色をぼんやりと見ながら独り言を始めた。
……後ろに忍び寄る影に気付かないままに。

「仮にも暗黒教団であるロプトを後ろ盾に教育施設を始めるとは、我が孫ながら改めて恐ろしいもんじゃ……
 しかも成功してしまうとはな」
老人――マンフロイの後ろに忍び寄った人物は、動かずにじっと老人の独り言に耳を傾けている。
その表情は窺い知ることができない。

「あの子が自分の境遇を目の前で並べ立て、最後に「他の子達をこんな目に合わせたくない」と言われた時、わしは反論できなんだ。
 ……当然じゃ。わしは祖父として、保護者として、何一つ義務を果たす事ができなかった」

その一言を最後に、老人は黙り込んでしまった。
少しの沈黙の後、いかにも今そこに現れたかのように後ろにいた人物は声を掛けた。
「おじい様、そんな所で何してるの?
 とうとうボケちゃった?」
「うおっ!?」

「さ、サラか。一体いつからそこにいた?」
「ついさっき来たばっかりだけど。
 何、また悪だくみでもしてたんじゃあ……」
「い、いや!断じてそんなことは無いぞ!」
「……ふーん。
 まあいいわ、それより書類、早く全部処理しちゃってね。
 でないとまた漢風呂の刑だから」
「やれやれ……老人はもっと労って欲しいんじゃがなぁ……」

極めて普段の、園内で見受けられる風景。
いつもと違うのは、二人がたまたま同じ事を同じタイミングで考えていた事。

(儂の短い余生の内に……)

(……もう少しだけ…………)


(孫らしくして、あげようかな……)
(祖父らしいことの一つや二つ、するべきかのぅ……)


そこにいたのはロプト教団のツートップでも、保育園の幹部職員でもなく、
一人のわがままな女の子と、振り回されるおじいちゃんだった。


※マンフロイは後日なんだかんだでお仕置きされました。

177名無しさん:2011/06/08(水) 01:39:03
代理投下ありがとうございます!
というか予想以上に早かったwww

178名無しさん:2012/04/07(土) 00:00:04
規制にかかってしまったので、どなたか代理投下してくださると嬉しいです。

179遠き日の夢:2012/04/07(土) 00:01:04
 それは此方の幻であり、彼方の現実。


 ――喉がヒリヒリするように乾く。背中はじっとりと濡れ、額に置こうとして挙げた腕が鉛の様に重く感じた。
「――はぁッ」
 大きく息を吐き出すと同時に、寝ることをあきらめてベッドから体を起こす。
枕元を見てみると、既に深夜二時を過ぎていた。
 春先とはいえこの時間の空気はまだ冷たく、窓から差し込む月の光もいやに寒々しく感じた。
「痛つつ・・・」
 こめかみの辺りに、にぶい痛みを感じる。風邪をひいたわけではない、と思う。
普段病弱な自分だが、最近は調子が良かったはずだ。
 ただ――。
「夢見が悪かったな・・・」
 誰に聞かせるわけでもなく呟く。そう、自分は夢を見ていた。見ていたのだが、
その余りの夢見の悪さに目を覚まし、その後寝つけずにいたのだ。
 普段から、あまり夢を見る性質ではない――見たとしてもその内容まで覚えている
ことはほとんどないのだが、先ほどまで見ていた夢はいやに現実感があり、その中身も
ハッキリと頭に残っている。
 それは、まさに悪夢と言ってよい内容だった。
(水でも飲んでこよう)
 とにかく、この喉の渇きようは耐えられるものではない。
汗にまみれたシャツも気持ちが悪かったが、今はそれよりも何よりも水が飲みたい。
きっと、汗で水分が出ていったせいであるし、冷たい水を飲んで気を落ち着かせたいというのもある。
 部屋のドアを開け、二階にある自分の部屋から一階の台所を目指して足を踏み出す。
ギシッと、大きな音が響いた気がした。
普通に考えれば普段歩いているときから同じ音が鳴っているはずなのだが、周りの音に
かき消されてしまっているのだろう。
何といっても、我が家は人様の家の十倍は騒がしいのだから。
 そんなことを考えながら、寝ている兄弟達を起こさないように出来るだけそっと階下へ進む。

 台所に着くと、意外なことに先客がいた。明かりは着いておらず、窓から差し込む
僅かな光がその先客のシルエットを浮かびあがらせている。
「ヘクトルか?」
「ん?なんだよ、エリウッド。こんな時間に」
 台所にいたのは、自分と一番近い年の兄弟、ヘクトルだった。
彼の言葉に、「そっちこそどうしたんだ」と返しながら、彼の方、つまり水道の蛇口へと
近づいていく。
「ちょっと、喉が渇いてよ。お前も飲むか?」
「頼む」
 見ると、彼の片手には空になったグラスが握られていた。僕の返事を聞き、空いたグラスに
水を注いで渡してくれる。
「ほらよ。同じで構わねぇだろ?」
「あぁ、ありがとう」
 受け取りながら、キッチンの目の前に置かれたテーブルの椅子を引き、座る。
ヘクトルもそんな僕の姿にならい、隣に腰掛ける。
「ひでぇ顔してるぜ、お前。具合でも悪くしたか?」
 普段が普段だからだろう。こちらの顔を覗き込むヘクトルが心配そうな顔を浮かべる。
「いや、体調は問題ない」
 闇に目が慣れてきたな、とヘクトルの表情を読み取りながらぼんやりと悟る。
こちらを心配してくれている彼には悪かったけれど。

180遠き日の夢:2012/04/07(土) 00:01:59
「最近、調子が良いんだ。弟達の面倒をみることが減ってきたからかな?学校にだって、
休まずに行けているじゃないか」
「馬鹿。だから心配なんだよ。良い時が続けば、どこかで崩れることもあるだろ?
体が弱いのが治ったわけじゃねぇんだからよ」
 はは、と苦笑いを浮かべる。他に、どんな反応を返せばいいのか分からかったからだ。
調子が悪いと心配をかけるし、良い時は良い時で結局心配を掛けてしまう。
「ヘクトル、君は僕を心配しすぎだよ」
「そうかもな。だけど、いつも口うるさいのはお前の方だぜ?お互い様だな」
 お互い様、ということは互いに心配をかけあうのがそれほど悪くない、という意味だろう。
兄弟の中でも年が近いせいか、ヘクトルと僕は一緒にいることが多い。
 互いに互いのことを理解しながら、それでも心配してしまうのはやはり兄弟だからだ。「それで、体の調子が悪いってんじゃねぇんなら、こんな時間にどうしたんだよ?
お前、髪まで汗で濡れてるぜ」
 思索に耽っているところに、ヘクトルの声がかかる。言われて手で前髪をかき上げると、
たしかに髪は湿り気を帯びていた。
「夢を、見たんだ」
「悪い夢か?」
「とびきりね」
 からかうような笑みを浮かべて尋ねるヘクトルに、僕も精一杯の嫌味な笑みで返そうと
口角を上げる。下らないことだったが、そんな下らないことが気持ちを落ち着けるのに丁度良かった。
「夢の中では、僕は今よりもずっと年をとっていた」
「シグルド兄上位か?」
「もっとだ」
「ミカヤ姉上位か?」
「馬鹿を言うな」
 夢の中の自分は、ここから三十ほど年を重ねた姿だったように思う。ただ、夢の中でも
僕は病弱で病に伏せっていたので、かなりやつれた姿をしていた。
本当は、もっと若かったのかもしれない。
「その夢の中では、僕と君は兄弟ではなかった」
「はッ。ありえねぇな。それこそ夢の話だぜ」
 だから夢の話だと最初から言っているのに。そう思いながらも、僕の話を一笑に伏した
彼の言葉には同意する。生まれてからずっと一緒に過ごしていたヘクトルと自分が兄弟でないなど、
いくら夢とはいえ突拍子がない。
「それで、夢の中で何があったんだよ?リンやマルス達も、年をとってたのか?」
「いや、リンディス達は出てこなかったよ。――夢の中では、僕も君も裕福な家に
生まれていてね。僕達は親友として過ごしていたんだ」
「!――へぇ。そりゃ、割と良い夢だったんじゃねぇか?」
 一瞬、ヘクトルの表情が強張った。が、彼が何事もないように振舞うので、僕も気づかない
ふりをした。
「夢の中では、戦争をしていたよ。たくさんの罪のない人が死に、大地が傷つけられていった」
 今思い返すだけで、凄惨な光景だった。あれが夢で、本当に良かったと思う。
「僕は僕として夢の世界にいるんだけど、まるで物語を見ているみたいに、自分や外の世界の
様子が分るんだ。僕は必死に鍛えた力を持っているのに、病で自分の国のために戦うこともできず、
ただベッドの上から窓の外の景色を眺めていた」
 夢の中の自分は、今よりもずっと具合が悪かった。
「きっと、あれは僕であって僕でなくなってしまった人なんだ。
あの僕を、デュランダルは認めてくれないだろう」
 夢の中で、僕の傍らに愛剣は無かった。戦場に出ていないのだから当然なのだが、
それがひどく悲しかった。

181遠き日の夢:2012/04/07(土) 00:02:38
「優れた武器は、自らの意思で主を選ぶという言い伝えがある。僕のデュランダルも
君のアルマーズも、今は僕達に力を貸してくれているけれど、僕達がその資格を失ったら、
また眠りについてしまう」
「もっとも、この町でその力を振るうときは、大抵しょうもねぇ事件に巻き込まれた時だけどな」
「茶化すなよ」
 彼の横やりに、眉根を寄せる。それなりに真面目な話をしているつもりだったのだ。
「まぁ、気持ちは分るけどよ。武器は自分の一部って言うからな。その武器がなくなれば、
そりゃつれえよ」
 武器は古来、英雄の象徴であった。自分がそういう大それた存在だとは微塵も思っていないが、
物語の主人公が最後に伝説の武器を手放すように、僕達も僕達の人生の中で象徴を持つに
ふさわしい時期、まさに自らが主人公だといえるような青春時代を過ぎたら、愛剣を
手放さなければいけないのかも知れない。
「そんな風に、病に倒れ、戦う力さえ残っていない自分を見るのが嫌だった。
苦しんでいる人がいるのに、それを助けられない自分を見せつけられるのが嫌だった」
 夢の中とはいえ、そんな自分を見るのが耐えられなかったのだ。話している内に、
夢を見ていたときに感じた妙な現実感が胸から込み上げて来て、また頭が痛くなってくる。
そっと、こめかみに指を添えた。
「所詮は夢だ。気にするなよ」
 そんな僕の様子を見て、ヘクトルが言う。
「分っているよ。分っているけど、例え夢だとしても許せないことがあった」
 僕は、まっすぐにヘクトルを見据える。あんな夢を見た直後に、彼とこんな話をしているのは
偶然ではないのかも知れない。
「ヘクトル。僕は、君との誓いを違えてしまった」
 言いながら、僕は自らの掌を見せる。闇夜でも、目を凝らせばうっすらと傷跡が見える。
 その傷跡を見て、彼は僕の言わんとしていることを全て悟ってくれたようだった。
「『僕達二人は、生涯志を同じくする者。一方が危機に陥った時は、命を掛けて相手を守る』
夢の中の僕達も、同じ誓いをしていたよ」
 それは遠い昔、近所の子ども達が集まった時に交わした誓い。結局その場で互いの手を
取ったのは兄弟である自分達だけだったが、それでも僕達二人の根幹にある、何よりも大切な誓いだ。
「夢の中の僕達が同じ誓いをしていたのは嬉しい。だけど、僕はその誓いを破ってしまった。
戦争で君が本当に危ない時、病を理由に駆け付けなかったんだ。夢の中の君は、どんなときでも
誓いを守ってくれたのに・・・!」
 夜中だということを忘れて、大きな声を出しそうになってしまうのを、なんとか堪える。
「その結果・・・夢の中の君は命を落としてしまったんだ」
 ――――。
 重苦しい沈黙だった。たかが夢の話。そんなことは分ってる。だけど、例え夢の中であろうと、
一番守らなければいけない約束を破ってしまったことが、重く僕の心に圧し掛かっていた。
「すまない。変な話をしてしまって。さぁ、もう寝ようか。大丈夫、明日の朝には、
夢のことなんて忘れているよ」
 言って、立ち上がろうとする僕をヘクトルの言葉が引きとめる。
「俺も――夢を見たぜ。俺が、死んじまう夢だ」
「!」
 ヘクトルが俯きがちに、呟くように言葉を紡ぐ。
「俺とお前が必死で助けた奴に、殺されちまう夢だ」
「ヘクトル、その夢は」
 先ほど、彼の表情が一瞬強張った理由に思い当たる。が、そんなことがありえるのだろうか?
「でもよ、最後の最後の瞬間、俺は安心して逝くことができたぜ。
親友が、誓いを守ってくれたからな」

182遠き日の夢:2012/04/07(土) 00:04:23
「そうか――。それは、良かったな」
 死んだ夢を見たと言う人間に掛ける言葉ではないとは、自分でも思う。が、その結末を
正直羨ましいと感じた。
「あぁ。そういう意味では、悪くは無い夢だったな。唯一つ不満なのは、その親友が
変に自分を責めてるってことだ」
 ヘクトルの言わんとするところが分からず、視線を向けて先を促す。
「俺の死に際に駆け付けたのは、親友の息子だった」
「ヘクトル、それでは誓いは守られなかったんじゃないか。
親友は、君の所に行かなかったんだろう?」
 彼の見たという夢の中で、『親友』は誰なのか。その『息子』は誰なのか。
問う気持ちは湧かなかった。
「いや、親友は来たぜ。息子が、親友の想いを連れて来てくれた」
 ヘクトルが顔をあげてこちらを見る。
「その息子は、まだ頼りないところも見えたが、それでいてこれ以上ないほどに頼もしく見えた。
まるで、一番楽しかった頃の『そいつ』が来たみたいだったよ」
「だけど、それは『彼』じゃない」
 それは、あくまでも息子なのだから。ヘクトルと誓いを結んだのは、その父親のはずだ。
「そうだな。だけど、まぎれもなく俺の親友の息子だったよ。同じ顔を持ち、同じ眼差しを持ち、
同じ強さを持ち、同じ意思を受け継いだ――俺の親友が、駆けつけてくれたんだ」
 彼の言葉で、胸から込み上げてくるものを感じる。それは、先ほどまでとは違う、
熱い何かだった。
「その息子は連れて来てくれたんだ。遠き日の誓いを果たしに、病と闘いながらそれでも
なお俺と同じ戦場に立たんとしてくれる、親友の魂を!」
 ――――。
 再びの沈黙、しかしそれは心地の良い余韻を残した空気だった。
「――そうか。彼は、君の下に駆け付けてくれたか。誓いは、守られたんだね」
「あぁ」
 僕には、それだけしか言えなかった。それ以上言葉に出すと、いよいよ夜の静寂を
破ってしまうことになるからだ。

183遠き日の夢:2012/04/07(土) 00:05:11
「さってと、じゃあもう寝ようぜ。どうせ明日も春休みだっつーのに『朝食は皆で
食べるのものだ!』とか言って叩き起こされるんだからよ」
「もしかして、シグルド兄さんの物真似のつもりか?似てないぞ」
「うるせー」
 椅子から立ち上がりながら、壁に掛けられた時計を見ると既に三時直前となっていた。
「親友の息子は、立派になっていたかい?」
「あぁ。それも、まだまだ大きくなりそうな器を感じたぜ」
 台所を出る前にふと足を止め、ヘクトルに問いかける。
「僕達の弟も、大きくなったものだね」
「まぁ、な。でも、まだまだだぜ。せめて、俺達と互角に戦えるようになれなきゃ、
危なっかしくて見てられねぇな」
 夢の中の彼よりも、今の彼は少々年齢が下るだろうか?
「そのくせ無茶をしたがるのは、一体誰の影響かな?」
「エフラムの馬鹿のせいだろ」
「ははは。それは酷いだろう」
 何となく、このままここを立ち去るのが惜しい気がした。降りて来た時は、あんなにも
沈んだ気分だったのに。
「じゃあ、あんなに頭の固いマジメちゃんなのは、だれの影響だろうな〜?」
「リンディスじゃないかな」
「てめぇ、言いやがるな!」
 くっくっと。声を抑えてひとしきり笑う。
「楽しみだね。これから彼がどう成長していくのか」
「あぁ、そうだな。俺達も負けねぇ様に、いつまでも『兄貴』でいられるようにしなきゃな」
 十年と言わず、十五年経っても二十年経っても、彼が皆に愛される彼のまま成長してほしいと、
弟に身勝手な願いを託しつつ、深夜の語らいは幕を閉じた。


 それは此方の幻であり、彼方の現実。
生まれて出でて十の年月を数える『炎の紋章』の物語を振りかえる、かつての知られざる英雄達が見た、遠き日の夢であった。




184名無しさん:2012/04/07(土) 00:07:59
以上です。
封印十周年祝いのつもりで書き始めたけど、一年待って烈火十周年にすれば良かったかも。
原作で不幸になったキャラも、ここでは幸せになれるといいな。

185名無しさん:2012/04/08(日) 22:42:34
ビラクさん、ありがとうございましたww
今度ネタ書かせてもらいます

186名無しさん:2012/04/08(日) 23:32:50
代理投下して欲しいときはageた方がいいぞ
でないと気付かれないときがあるから

187名無しさん:2012/04/09(月) 23:26:38
>>186
なるほど、以後気をつけます。ありがとう

188名無しさん:2012/05/10(木) 22:11:24
FEステーションの作者です。
支援してもらったにも関わらず、書き込めなかったのでこちらに続きを投下します。
代理投下、よろしくお願いします。

189FEステーション 11/12:2012/05/10(木) 22:13:32
しっこく「テレビで私の名前言っちゃ、らめええええーーーーっ!」つ【エタルド】【スキル・月光】
ドロシー「え゛っ!?」
ルーテ 「おっと」
ミカヤ 「あらあら」
どごおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーんっ!
 ブツンッ、ザーーーーー………………

―――(´・ω・`)しばらくお待ちください(´・ω・`)―――

ドロシー「……二人とも、大丈夫ですか?」
ルーテ 「はい、大丈夫です。回避には自信があります」
ミカヤ 「うちには似たようなのがいるから……」
ドロシー「番組の最後で社屋がなくなってしまいましたが、ルーテさん、一言お願いします」
ルーテ 「グレイル工務店とエッダ教団はウハウハですね」
ドロシー「ルーテさん、ミカヤさん、今日はありがとうございました。それでは、また明日」
イリオス「(音声のみ)この番組の提供は『鍋の修理から武器の強化までおまかせください ダニエル錬成店』と、
     『眠っているお宝、高く買い取ります ジョージ古物商』、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました」

―CM―
リン   「ニュースの後は!」
フロリーナ「しゃ、しゃみゅりゃいえみゅみゅみゅりぇみゅしぇんぎょぎゅでぃぇんっ!」
スー   「みんな、見て」

―兄弟家―
ヘクトル 「おいおい、ほとんど言えてねえじゃねえか、フロリーナのやつ……」
リン   「あーっ、もうっ! フロリーナったら可愛いんだからっ!」
ヘクトル 「うおっ!? いきなり何だよ!?」
リン   「これ50回くらい撮り直してやっと最後まで言えたんだから! 撮影中すっごい一生懸命でいじらしくて、
      もう絶対最後まで言おうねっていってやっと撮れたんだから、文句言ってんじゃないわよ!」
ヘクトル 「……お、おう」
エリンシア「うふふ、リンちゃん? たまには姉さんと二人きりでお話ししましょうか?」つ【アミーテ】【ライブ】
リン   「ま、待って、エリンシア姉さん! アミーテとライブの杖は何も語らないっ!」
エリンシア「 問 答 無 用 」ズルズル
リン   「い、いやあああああぁぁぁーーーーー…………!」ズガーンズガーン! ポワァー ズガーンズガーン! ポワァー……
エイリーク「…………(言えません……リンの気持ちが痛いほどわかるなんて、絶対に言えません!)」
エフラム 「どうした、エイリーク? 顔色が悪いぞ」

190FEステーション 12/12:2012/05/10(木) 22:15:28
エイリーク「ソ、ソンナコトナイデスヨ?」
エフラム 「……相変わらず嘘が下手だな、お前は……」
エリウッド「リーフ、お手柄だったね。あの魔法の嵐から、よくセリスとロイを生還させたよ」
リーフ  「まかせてよ! あの嵐を生きてかいくぐれるのは僕ぐらいだからね。いやーほんと手伝いに行ったのが
      僕でよかった」
エリウッド「人の命、まして弟たちに値段をつけるわけじゃないけど、6万ゴールドの出費は考えただけで……いたたた」
セリス  「リーフ、すごかったよね」
ロイ   「うん。僕たちだったら死んでるような大怪我してるのに、僕たちの回復優先したもんね。今日初めて
      リーフ兄さんを尊敬できた気がする」
マルス  「ロイ、何気にひどいこと言ってないかい?」
ロイ   「え?」
マルス  「いや、わからないならいいんだ」
シグルド 「ただいまー。 ん? アイクはまだ帰って来てないのか?」
アルム  「お帰り、シグルド兄さん。アイク兄さん、ものすごく忙しいみたい」
セリカ  「商店街を一から建て直すから、しばらく帰れないかもって」
ミカヤ  「ただいまぁ」
みんな  「お帰り(なさい)! ミカヤ姉さん(姉上)!」

終わり

おまけ
―ベグニオン・導きの塔―
アスタルテ  「PCが壊れた……やはり、不完全な人が作る物は不完全ということか……」
ユンヌ    「当たり前でしょ。何言ってんのよ」
アスタルテ  「世界を完全に、正しく導くために……お前を滅ぼす」
ユンヌ    「いやいや、世界のため〜とか言っても八つ当たりにしか見えないから? それと私が滅んだらあんたも
        消えるかもって、エルランが何千回と言ってきたわよね?」
アスタルテ  「私はそれを認めない」
ユンヌ    「いや認めろよ。聞く耳持て? つか、ミカヤが呼んでるんだけど?」
アスタテューヌ「あの、お姉様方、どうか穏便に……」
ユンヌ    「わかった。修理に出して戻ってくるまで、私のノート貸したげるわ」
アスタルテ  「私はその宣誓を受け入れない」
ユンヌ    「……」ビキビキ
アスタルテ  「裁きを下す」
ユンヌ    「あーっ! もーっ! ミカヤとダーリン呼んで来るから、ここは任せた!」
アスタテューヌ「ふぇ? ふええええっ!?」

今度こそ終わり

191名無しさん:2012/05/10(木) 22:59:59
代理投下ありがとうございました!
きれいに繋げて頂いて嬉しい限りです!

192名無しさん:2012/05/19(土) 00:00:10
紋章町商店街
リーフ「あれ、アルム兄さんこんなとこでなにやってんの?」
アルム「やあ、村のみんなとバレンシア野菜のPRに来てるんだ。おかげさまで結構評判もよくてry」
???「うぅぅまぁぁぁいぃぃぃぃぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
リーフ「うわっ、なにこのひとでなし」
アルム「リーフ、大声だしただけで人でなしは酷くない?僕もびっくりしたけどさ」
リーフ「ごめんつい癖で。それはともかくおじさんどうしたの?」
ヴァルハルト「うぬは何とも思わんのか!?この野菜のみずみずしさ!確かな、しかし決して堅くはない歯ごたえ!正しくこれこそ我が進むべき葉道よ!」
リーフ「・・・葉道ってなに?」
アルム「ははは、農家としてそうまでいってもらえるとうれしいですよ」
ヴァルハルト「うむ、農業こそ国の礎!真の強者たる我が進むべきは葉の道、すなわち葉道よ!」
リーフ「よくわかんないけど、まあでもアルム兄さんの野菜がおいしいのはわかるよ」
アルム「リーフも農業やってみたら農家の気持ちがわかるんじゃないかな」
リーフ「僕はいいよ、遭難したときはそこらへんのキノコや木の実でなんとかなってるから」
ヴァルハルト「なんと!うぬは葉という名をもちながら葉道がわからぬと申すか!」
リーフ「いやまあ、正直全く」
ヴァルハルト「許せぬ!我がうぬに葉道を一から叩き込んでくれるわ!」
リーフ「え、ちょ、僕はこれからセルジュさんに挨拶に・・・コノヒトデナシー!」
アルム「・・・行っちゃった。あ、ロウエンさん、ちょっと見てってよ。今年はイチゴが・・・」

1931/2:2012/05/19(土) 00:00:45
ロイ「さて、クロム兄さんも久々に帰ってきてうちも一層にぎやかに・・・ってマルス兄さんどうしたの?」
リーフ「ほら、今回も結局クラスチェンジがなかったから落ち込んでるんだよ」
ロイ「ふーん・・・でもリーフ兄さんもある意味ひどかったよね。完璧に盗賊扱いでおまけに「リーフの宝剣」の効果は強奪って・・・」
リーフ「まあそうなんだけど、でも今作は専用じゃないとはいえ僕も神器使い放題だからね!そういうロイは・・・」
ロイ「僕はまあこんなもんか・・・ってところだし。じゃああそこで二人で暗くなってるエリンシア姉さんとリン姉さんは?」
リーフ「今回あの二人には「○○の武器」シリーズが無かったからさ。エリンシア姉さんなんか「せめてはりせんでもあれば専用装備です!って言えたのに・・・」とかいってたよ」
ロイ「正直あの絵はね・・・でもそれで言うとアルム兄さんもセリス兄さんも対外だと思うけど」
リーフ「あの二人はほら、アルム兄さんは久々に脚光を浴びた形だし、セリス兄さんはこれで僕も男らしく!って喜んでたよ。あと今日は一昨日出来たマミーランドに行くって」
ロイ「今頃泣いてるんじゃないかな・・・じゃあやたら張り切ってるエイリーク姉さんはどうしたの?」
リーフ「いや、だから結構原作と絵柄が違う人も多いからさ・・・昨日なんか集○社に「ぜひ私の絵は矢○健○郎先生に・・・ダメですか?」って電話してたよ」
ロイ「・・・姉さん・・・・・・アレ?でも武器の話に戻るけどさ、マルス兄さんとアイク兄さんもそれ系の武器は来てないよね」
リーフ「んー、クラスチェンジこそないけどマルス兄さんの扱いは別格だし。クロム兄さん専用って書いてあるファルシオンを奪うことも出来るしね」
ロイ「じゃあアイク兄さんは?」
リーフ「ほらあそこ」

1942/2:2012/05/19(土) 00:01:16
アイク「天↑!空↓!」
クロム「くっ、やるなアイク兄さん!俺も!天→!空←!」ガシャーン
ヘクトル「クロム兄!次は俺だぞ!」
エフラム「遅いぞピザ。俺が約束済みだ」
シグルド「ははは、クロムは人気者だな」ニコニコ
ミカヤ「ふふ、あなたもみんなもクロムが帰ってきて嬉しそうね」ニコニコ
エリウッド「確かに嬉しいんだけど、物理的にクラッシュすることに定評のあるクロム兄さんのおかげでまた家計が・・・あばばばばばば」




ロイ「・・・ところでセリカ姉さんどこいったの?」
リーフ「新地区で布教」
ロイ「・・・いつも通りだね」

195名無しさん:2012/05/19(土) 00:01:48
以上三つ、余裕のあるかたお願いします

196名無しさん:2012/05/19(土) 01:35:35
投下してくれた人、ありがとう

197名無しさん:2012/08/30(木) 19:59:28
残暑照りつける激しい気候の中、
己のイメージアップ作戦を図るある若者の姿があった…


※ 8月某日 緑の居酒屋にて ※

サザ「ついに閃いたんよ!!ミカヤを惚れさせる必殺技を!」
____そう呟いた彼こそがこの居酒屋メンバーの代表格、緑風ことサザである。密偵という職業だが、意外に目立ちたがり屋である

ウォルト「いきなりどうしたんですか?ただでさえ強者揃いのミカヤさんの周りで、どう目立つんですか?」
____この青年の名はウォルト、実は『ウォルトの薬弓』をダシに密かに組織脱退を狙っている

アーダン「はぁ、俺にも彼女ができたら馬鹿にされないのに…拾った追撃リングもレヴィンに強奪されて…男はつらいぜ」
____彼はアーダン、年齢=彼女いない歴のこの居酒屋のマスコット的存在だ

サザ「アーダンにウォルト、弓の使い方を教えて欲しいんよ。あとセティに風魔法で援護して貰いたいけど、彼はどこに行ったんよ?」
____余談であるがセティとは、想い人が腐女子という点以外は、嫌味なほど完璧なスペックを持つ青年である

ウォルト「ああ、セティさんならベルン署の依頼で『マンスターの強奪魔』を清掃しに行ってるみたいだよ」

サザ「えっ?俺の必殺技は彼の協力が無いと成り立たないんよ!折角明日ミカヤに会う約束をしたのに…」


????「ふふっ。あなた達、風魔法が得意な人物をもう一人忘れていないかしら?」
サザ「だ、誰なんよ??」
セシリア「どうやら私の出番のようね」

198名無しさん:2012/08/30(木) 20:00:15
そう、彼女の名はセシリア。超優秀魔法『エイルカリバー』の使い手である…が?

セシリア「皆、久しぶりね。まあ私はもうすぐ彼氏を作ってメンバー脱退予定だけど」
ウォルト「(何だろう…セシリアさんが一番最後までこのメンバーに残りそうな気がする…)」
サザ「セシリアさん、久しぶりなんよ!でも本当に大丈夫か心配なんよ?今回の魔道書は…」
セシリア「ふふっ、汎用魔法ならこのセシリアの上に出る者はいないわ!!」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
※ 翌日 ※
〜兄弟家・縁側〜

ミカヤ「はぁ〜、やっぱり夏のお茶会は最高ね」
キルロイ「そうですね。酷暑の中でお茶に涼菓子は格別でした」
セリス「ごめんね、ユリア。僕の趣味に付き合って貰って。でも今日はティルフィング持ってるし、安全のために送っていくから安心してね」
ユリア「(ふふふっ!)いえ、今日はとても楽しかったです。また誘って下さいね。もちろん兄上は茶道が好きじゃありませんし、ラナはアウトドア派だから皆で一緒とまではいかないと思いますが…」
セリス「そうなんだ。僕の趣味に興味がない人を巻き込んじゃダメだよね…ちょっと残念だけど…」
ユリア「セリス様、そう気を落とさないで下さい。私でよければいつでもご一緒します」
セリス「ありがとうユリア。ユリアは優しいね」
ユリア「いえ、私なんか…(ラナ、今日こそは勝ったわあああ!!!)」
ミカヤ「あ、今日はサザと会う予定だったわ。もうそろそろ時間ね…」


サザ「ミカヤーーー!会いに来たんよ!!」

199名無しさん:2012/08/30(木) 20:01:07
ミカヤ「で、サザ。今日はどうしたの?」
サザ「今日はかっこいい必殺技をミカヤに見せにきたんよ!」
ミカヤ「かっこいい必殺技?いつもの『瞬殺』かしら?」
サザ「もう俺は『しゅんころ』は卒業したから、ちょっと違うんよ。もっとミカヤの役に立つ必殺技なんよ」
ミカヤ「えっ?」
サザ「まあ、見てるんよ。セシリアさんスタンバーイ!!」
セリス「えっ?なにか起きるの?」

サザ「さあ、超究極緑風式奥義!エターナルフォースブリザードなんよーーー!」
セリス「えっ?こ、これは!!!」
サザ「カルドを弓で空に放ちながら、ブリザードを纏わせる。当たった敵は永眠なんよ!」
ミカヤ「サザ、カルドは空に行ったけど、魔法がこっちに来るわ!」
サザ「えっ?」

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

キルロイ(魔防MAX)「ああ、まるでそよ風ですね。とてもいい風です」
セリス(魔防MAX)「僕も涼しく感じるけど、ユリアは大丈夫かい?」
ユリア(魔防MAX)「はい、初秋を感じさせる心地よい微風です」
ミカヤ(魔防MAX)「とても涼しいわ。とても役に立つ必殺技ね。サザありがとう!」

サザ「…どういたしましてなんよ(うわああああああん!!!)」

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
〜余談〜

セシリア「こ、この魔道書…お、重すぎる…」
アーダン「(トラキアブリザードは重さ20だからな。まあ、結果オーライだろう・・・)」
ウォルト「今回はセシリアさんの技7が良い意味で効いた・・・」
セシリア「…あらウォルト君。わ、私はわざと外したのよ。私だけが優秀すぎたら居酒屋の皆が嫉妬するでしょ」
ウォルト「(優秀・・・すぎる・・・?)」
アーダン「俺は別に嫉妬してないが・・・」
セシリア「じゃあ今日ここにいないセティは絶対にハンカチ噛みながら嫉妬するわね。私も罪な女だわ。ふふ、私へのプロポーズ目当てで男達が列を作る光景が目に浮かぶわ!」
ウォルト「(色々と絶対に無いと思うんだけど、突っ込んだら負けだと思っている)」
アーダン「(この居酒屋メンバーに解散の日は来るのか?心配になってきたぜ…)」

しっこく「カキーン!(NO DAMAGE!)…ん?空から良いナイフが降ってきたな。カレー用に使わせてもらおう」


おわり

200名無しさん:2012/08/30(木) 20:02:08
すみません。出先のイーモバイルから投下不可だったので
余裕がある方、お願いします

201名無しさん:2012/08/31(金) 03:48:01
だから代理投下して欲しいときはageないと気付かないだろ!(声だけ迫真)
投下しといたぞ

202名無しさん:2012/08/31(金) 05:13:20
ごめんなさい。でも真夜中にありがとう!

203名無しさん:2012/10/13(土) 06:27:43
本スレ>>567 お気遣いありがとうございます
上手く書き込み出来ないのでこちらで
埋め用ネタ投下 全6レス(約8kb)です

どなたかよろしくお願いします

204名無しさん:2012/10/13(土) 06:30:44

        , --――‐―‐==ソ__
        .j《  (  ヘ _   _彡
 .      i`‐´──ヽ  ヽ、、、 T    次スレが立ったか
       |ゝ_ノ ̄ ̄ ̄フミ= ヾ \_,, だが俺はこの時代の人間とかかわる気はない…
       i > くニ>  レ=个≡ ヽ_彡  次スレには行きたくない
        レ/`ー-─┐、|__人 ミ. 〒     このスレでずっとミネルヴァちゃんと深夜番組でも見ながら生きていきたい…
       〈-,      |ノ 「"i ヽ \_
       λ ―-  i r´ T》 `Σ
      / ヽ. ゛ ,- 个个/二ヘ>
       ̄`T \  ‖/    丁   
   /Π ̄ ̄≫ ─ ヽ─┴──\丿 ̄ヽ_
  i   ||_‖ ¨\_______⊥>   \

      |\∧__
     ≪*・ vv〉 <がおー
   へ /::/_( ̄´
  彡ノ:つ三)つ
_ ___/::/三ノ
`ー--<_ミ_ミ

205名無しさん:2012/10/13(土) 06:32:01

        , --――‐―‐==ソ__
        .j《  (  ヘ _   _彡
 .      i`‐´──ヽ  ヽ、、、 T    そういえば、FETVで新しい深夜番組が始まるとマークが言っていたな
       |ゝ_ノ ̄ ̄ ̄フミ= ヾ \_,, なんでも新機軸の人形劇だとか…
       i > くニ>  レ=个≡ ヽ_彡  
        レ/`ー-─┐、|__人 ミ. 〒      
       〈-,      |ノ 「"i ヽ \_      
       λ ―-  i r´ T》 `Σ
      / ヽ. ゛ ,- 个个/二ヘ>
       ̄`T \  ‖/    丁   
   /Π ̄ ̄≫ ─ ヽ─┴──\丿 ̄ヽ_
  i   ||_‖〝ヽ_______⊥>   \

      |\∧__
     ≪*・ vv〉 <がおー
   へ /::/_( ̄´
  彡ノ:つ三)つ
_ ___/::/三ノ
`ー--<_ミ_ミ

206名無しさん:2012/10/13(土) 06:34:18

               「この番組はフリージ家の提供でお送りします」
                    ______
                \  |「 ̄ ̄ ̄ `||`l /
               ─   || ォΠ゚`へ.:|| :|  ─
                /  |L二二二ニ!| ;| \
     |\∧__          .| ̄ ̄| ̄ ̄|~::|
    ≪*・ vv〉         .|__|__|/
  へ /::/_( ̄ ´  ∧_∧
 彡ノ:つ三)つ  (    ) ←ジェローム
_ ___/::/三ノ    |   ∪
`ー--<_ミ_ミ    ⊂と__)



           ♪チャッチャッチャラッチャチャッチャ チャッチャチャッチャ♪
                    ______
                \  |「 ̄ ̄ ̄ `||`l /
               ─   || ォΠ゚`へ.:|| :|  ─
                /  |L二二二ニ!| ;| \
     |\∧__          .| ̄ ̄| ̄ ̄|~::|
    ≪*・ vv〉         .|__|__|/
  へ /::/_( ̄ ´  ∧_∧
 彡ノ:つ三)つ  (    ) 「フリージケ」トハ ナンダ?
_ ___/::/三ノ    |   ∪
`ー--<_ミ_ミ    ⊂と__)

207名無しさん:2012/10/13(土) 06:35:19

       ひ ょ っ こ り ハ ッ テ ン 島

         凸      _
         廿    〆´ψ`ヽ
_ __ _ __ ,イ廿ヽ、_/ψ   ψ ヽ、_ ___ _
_ _ _  _ ,イψ ψ        ψ l  _ _ _ _ 
_ ‐ _ ‐ _ ‐ =========== ‐ _ ‐ _ ‐ _
-_-_-_-_- -_-_- -_-_- -_-_-_-_- -_-_- -_-_- -_-_
ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ
二 三 二三 二 三 二 三 二三 二 三二 三 二 三

『ひょっこりハッテン島』 
歌・ビラクとオレルアン少年合唱団

男をアッー!アッー!アッー!アッー! かきわけて
(アッー! アッー! アッー!)
ケツをウホッウホッウホッウホッ 掘り抜いて
(ウホッ! ウホッ! ウホッ!)

ハッテン島はどこへゆく 俺らを乗せてどこへゆく
(ううううーううううー)

丸い紋章町の水平線に アイツがきっと 待っている

苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ
だけど俺らはくじけない 泣くのは嫌だ ヤっちまおう
進め!

ひょっこりハッテン島
ひょっこりハッテン島
ひょっこりハッテン島

208名無しさん:2012/10/13(土) 06:37:39

    _, ._
  ( ゚ Д゚) ←ジェローム
  ( つ旦O  
  と_)_)

    _, ._
  ( ゚ Д゚)  この島じゃノンケだって食われちまうんだZE☆>
  ( つ旦O                          アッー!>
  と_)_)

    _, ._
  ( ゚ Д゚)   ガシャ
  ( つ O. __
  と_)_) (__()、;.o:。
          ゚*・:.。

      _ _  ξ
    (´   `ヽ、     __
  ⊂,_と(    )⊃  (__()、;.o:。
                  ゚*・:.。

209名無しさん:2012/10/13(土) 06:45:34

ビラク「よい子のみんな、ひょっこりハッテン島はどうだったかな? 島のいいおとこ達はみんなの愛を心待ちにしてるんだYO!」
ロシェ「深夜番組だからよい子のみんなは見てないんじゃないかな……。
    さて、そんなことより次スレのURLはttp://kohada.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1350067284/だよ。よろしくね」
ビラク「次スレこそ俺とへっきゅんのラブラブネタが投下されることを願ってるんだZE☆」
ロシェ(……ヘクトルさんも大変だなあ)

                       ,.: : : : : : : ..
              .       /: : : : : i : : : : : \    
                  /: :\:.: .: :.| : : : j : : : ヽ       
                   |:_\__ :ヽ.: :.| : :,∠=く: : :|   
                  ! ヽ:|  ̄`ヽ|/     ∨:!
                  ∨/L..,_      _,..⊥|: |         . ‐'' ´ ̄ ̄``ヽ、
              .     ∨|ーFリフ..   'F-ソ j'^}      . ‐'´: : : : : : : : : : : : ヽ、
              .     { i!   :|       !_リ     , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : `'ー 、
                    `'|     '=     |  .    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',  
              .         ト、   ‐  ‐   ,: :l _   /: :/: / : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :l
               ,.─r─::.|. ゝ  `¨   ,:   |:!  \ ,': :/: :i : ,,-"`´゙ヽ: : i: : : : : : : : : : : : }
               }=ミ::∧:.:.:_|  ゝ.--- ='   :||. r─ |: :l: : :i: :l     l 人: : ヽ: : : ヽ: : : |
              ../'  マ∧/∧.   ヽ    _ノ|. |   ヽ{ヽ: : `l ̄、`  -'_-_-ヽ: : ヽ、: ゝ: ノ
ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!   `丶.|i´ヒ}|  ''ラpヾ丶|: |,クヽ: /
この埋めは                                 l  ノ     'ー'   .レ'_/: : /
   _____  ____   ______   _     _          |、ヽ      / |: : :/
  │  _) │  _) │_   _) │ │  ./ _)    .,,、-‐-、,,-‐ヽ. `..ー      .|¨‐、,-‐、__
  │ │__ │ │__    │ │   │ │ ./ ./      :::::,‐",‐"¨:`、__,,.  イ   |ヽ/ /:::.::゛'‐-、
  │  _) │  _)    │ │   │ │ / ./       ..:::{ {:::::::::,、|ヽ__,,.、-''" / /::::::..
  │ │   │ │__    │ │   │ レ /        .::::ヽ、ヽ、/:::゛',=====.| .|:::::::::::...
  │ │   │    )    │ │   │  ./        ..:::::::::::/ ./{::.. /     ..:::::::|  ヽ:::::::::::...
   . ̄      ̄ ̄      .  ̄     ̄ ̄   の提供でお送りしました。
ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!

次スレ:歴代FE主人公が兄弟だったら 47章 ttp://kohada.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1350067284/

ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!アッー!ウホッ!

210名無しさん:2012/10/13(土) 06:46:51
以上です
リンクを含む書き込みが出来ない設定らしいので、URLの文頭hは抜いてあります

どなたかよろしくお願いします

211名無しさん:2012/10/14(日) 01:48:37
投下ありがとうございました

212屋上に行こうぜ……久々にry 9:2012/10/31(水) 23:47:17
ただいま 屋上に行こうぜ……久々にry を投下していたものですがさるさんを喰らってしまいました。
どなたか代理投下して頂けると幸いです。


lesson final 更生

とぼとぼといった言葉が似合う足取りで、エイリークは帰宅した。
心配する姉への謝罪もそこそこに、部屋に帰りベッドに身体を投げ出す。
うつ伏せになりながら、ふぅと本日何度目になるか分からない溜息をつく。
ふと、この体勢がまったく苦しくない事に気が付き再びコンプレックスを抱えてしまう。

(うう……何であんなに……せめてあの半分あれば)

妹の豊満な体付き……
その時ふとある事に気が付いた。
豊満な体付きをしていて、不良に詳しい家族が自分にはいるではないか。
どうして今まで思い至らなかったのか、自分を責めながらエイリークはその人物の部屋へと急いだ。

「……成程な、それで俺の所まで来たって訳か」
「は、はい!その、あなたならそういう事に明るいと思いまして」

はぁ、と相談された男――ヘクトルは深いため息をついた。

「……姉貴。俺は学がある方じゃねーし人に説明すんのも苦手だ。
 だから分かりにくいと思うけど、まず俺の話を聞いてくれ」

真剣な瞳でそう語る弟の決意を見てとったエイリークは、静かに頷く。
ヘクトルは答えが分かっているのに説明できない自分にいら立った様子を見せながらも、
ぽつり、ぽつりと胸の内を話し始めた。

「姉貴の言うとおり、俺は家族の内じゃあアウトロー気どりの奴等と付き合いがある。
 確かにあいつらの大半は不良って言われてる通り下らない、社会に馴染めない奴等ばっかりなのも事実だ」


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