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架空戦記系ネタの書き込み その127
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このスレは単発ネタも含める関係上、スレタイトルを『中編以上のネタの書き込み【架空戦記版】』から改名いたしました。
そのため単発ネタもOKとなりました。
ですので、単発・連載・嘘予告等を問わす、ミリタリー分多めのネタは、こちらに書き込んでください。
※例:史実準拠の歴史を歩む世界への転生・介入等
憂鬱世界内でのネタ、漫画・アニメ・ファンタジー等の別世界への転生・介入等は、『ネタの書きこみ』へどうぞ。
そこから同一のネタを題材とした投稿が(個人、複数人問わず)連続する場合は『中編以上のネタの書き込み』へどうぞ。
日本大陸に関するネタは『日本大陸を考察・ネタスレ』へどうぞ。
青の軌跡やガンダム関係に関しては『【青の軌跡】ガンダム総合スレ【憂鬱ガンダム】』へどうぞ。
コードギアスと憂鬱とのクロスは『提督たちの憂鬱×コードギアス ネタSSスレ』へどうぞ。
その他個別ネタスレがあるジャンルは、個別ジャンルのネタスレへどうぞ。
ネタ内容に関係のない雑談・議論、現代の事件・政治等に関する話題は『雑談スレ』にお願いいたします。
投稿にあたってはマナーを守り、常識の範囲内でお願いいたします。
二次創作にあたってはルールのあるものもありますので(例:らいとすたっふルール2004等)そちらも参照ください。
※ 投稿にあたっては下記注意事項をよく読み、それに則りお願いする次第です。
デン氏作成「中編以上のネタの書き込み用 規則12条 - Ver1.03」更新2015年10月30日
――このスレには注意すべき事や規則があります。以下の文をお読みになり承諾できる方のみお読み・書き込みしてください。
1.ここは中編以上のネタ用スレなので様々な話が長期に渡って飛び交う可能性があります。場合によっては個人的に好きな内容や嫌いな内容が出る事がありますので、それらを覚悟した上でお読み・書き込みをしてください。
2.ここは中編以上のネタ用スレなので「少々の議論」はともかく、「本格的過ぎる議論」や「相手の価値観を潰す議論」は絶対にしないでください。
以前それが原因で話が失速や潰れたりしています。冷静かつ楽しく書き込みを行って下さい。
3.ここでの話題はネタスレで中編以上のネタスレへの移行が推奨された話題のみです。それ以外の話題についてはネタスレに書き込むようお願いいたします。
4.「不適切発言」や「暴言」、「高圧的な発言」はしないでください。
5.ネタSSを投稿する際は出来るだけ、前持って投稿宣言をして下さい。いきなりですと動揺や迷惑、SSの分断の元になる可能性がありますのでご協力をお願い致します。
6.ネタSSは原則何でもご自由ですが「生々し過ぎる・性的・残酷すぎる」SSは禁止です。それらを守れれば「自重しないSS」はOkです。後は七つ目を読み、警告を入れましょう。
7.ネタSSが人を選ぶ様な場合はSSの最初に警告で目立つ様に表示してください。
また、ウィキに搭載しても良い場合は警告の時に一緒に供述してください。またこのSSに限り何か禁止、許可したい場合なども警告に一緒に供述してください。
8.他作者の二次創作関連の話は慎重に取り扱いましょう。荒れる可能性が高く、他作者のファンの皆様の機嫌を損なう可能性があります。十分気をつけましょう。
9.産業作品や他作者の二次創作関連も含め、批評などは「きちんとした理由」なしに書き込まないようにしましょう。
元々二次創作などは炎上しやすく、些細な事でここの掲示板に多大な迷惑をかける可能性が高いです。そこら辺もよく考えた上で書き込みましょう。
10.新規SSを投稿する際には議論の混乱を避けるため2015年時点で最も議論されている戦後夢幻会世界か、そうではない全く別の作品かを明記しましょう。
11.戦後夢幻会世界についての新規SSを投稿なさる際には議論の混乱を避けるためにひゅうが様・yukikaze様のルートがベースか否か、又はお二方とは異なるルートかを明記しましょう。
12.みんなで仲良く話しましょう。
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ウッジは史実と違って自分の本分を全うできそうにないな。
徳川の大身の陪臣で終わるかな。
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流れぶった切ってすいません。やっと書き切れたので
ttps://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6907.html
ttps://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6908.html
ttps://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/7167.html
上記作品群の続きです。短くやるはずが長くなったので、今週中の2回に分けます。
いや、終わった後現時点で公開できる設定集も出すから、3回かな
……前回から半年たってるとかウッソだろって自分でも思ってます
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###後編###
―――― 1951年2月、継続大戦。アンカレッジにて ――
そこにはB-29ベースの特殊輸送機が並べられていた。
元々それらの機体は、かの『光あれ』作戦のために作られたと言って良い。
『光あれ』作戦はマッカーサーが急遽提案した作戦では無く、以前から計画され少しずつ進んでいた作戦計画だ。
空挺旅団とはいえ、その数20個を複数戦線に投入するという作戦である。
事前に準備無くやれるわけが無い。
少なくとも、B-29ベースの特殊輸送機を最低数百機単位で用意しないと行けないし、何もせずそれを送り出したところで
枢軸の航空戦力が遠慮無く、たたき落としていただろう。故に誘導作戦も必要になる。
バトル・オブベネルクスと称される千機の作戦機を用いた連日の戦爆連合作戦に海軍艦隊の出撃。
ここまでやっても落とされる可能性はなかなか減らない。何か工夫が必要だ。すなわち超高高度降下。
世界初のヘイロー降下の持つ特性は、こういった作戦の事前に行われた数度の実験によって発見され、マッカーサーは大いに
喜んだ。そして、それを駆使した『光あれ作戦』の実施を強く求めた。
さすがにばくちが過ぎるとして、大連合連立司令部およびホワイトハウスは否定的だったが、ついに始まった対ソ全域攻勢は
ソ連指導部を恐怖させ、博打作戦の発動を後押しした。
そして、あのとき使用された機体の半数以上がアンカレッジにてそのまま放置されている。
「ふん。マックの浪費癖の象徴だ。そうは思いませんか? 提督」
アイゼンハワーはそれを眺めて、そう言い捨てる。
「でしょうな」
アーネスト・キング。海軍を去ろうとした彼であったが、情勢がそれを許さなかった。
対日戦を主導した海軍元帥は太平洋戦線において、マッカーサーとはよく協調する中であった。
マッカーサーもキングもどちらも政治的手腕に長けた戦略家であり、同時に対日戦を主導する存在。
「さすがの私もこんなモノに貴重な戦費を傾けたと知ったときにはマックと大げんかですよ」
史実でもドイツにばかり配分傾きそうな資源配分を太平洋戦線に確保し続けた2人の元帥は
同時に一番重要な点で折り合いがつくタイプの人間では無かった。
「ですが、まぁ、成功した以上、これ以上はただのいちゃもんでしか無い」
すなわち、マッカーサーは野心家であり、奇策を好む人間であったと言う事。
キングは、実務家であり、堅実な作戦術こそ正しいと感じる人間であったと言う事だ。
マックは確かに秀才、士官学校で素晴らしい成績をたたき出したことは事実だ。けれども彼は堅実なる米軍参謀では無く
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「……まったく運に恵まれた男だ」
米軍のギャンブラーだった。史実の仁川上陸作戦を彼の唯一の傑作と呼ぶ戦史家もいるくらいだ。
それに対して、アーネスト・キングは計画をたて必要なモノを必要な場所に必要な時に確実に届くように采配をした上で現場に任せた。
「で、そのマックはなにやら北極星とやらにご熱心だそうで。そのワードだけ聞かされ、こんな場所までつれて来られた私は
何をすればいいのかな?」
アイゼンハワーの言葉に一つの書類をキングは見せる。
「『北極星作戦』。フィンランドが日本と共同で行ったらしい謎の作戦だ。マックは戦況を変える切り札の一つにしたがっている。
何しろ、ソ連に絶対に渡してはならない『人類の宝』だそうだ」
「……目の前のこいつらを利用する作戦計画とは別にか?」
「空前絶後の大作戦とは、とにかく大規模である事と敵の意表を突くこと。意表を突けるのであればいくつついても良いし
それだけ大規模になればなるほど万民が敬服する。……だそうだよ」
「マックが言った言葉か?」
アイゼンハワーの疑問に沈黙で返すキング。マックらしいとため息をつくアイゼンハワーの眼前にB-29特殊輸送機仕様の元に
次々と整備兵たちがとりついていく。再びこいつを動かそうとしているらしい。
「モスクワにでも空挺降下するつもりか?」
「ソ連には回収しきれなかったこいつが大量に残されている。ソ連がそれをいつ戦略爆撃機にするかわからん。
それに、大規模な空挺作戦に国を救われたことが原因かは知らんが空挺専門の空挺軍団をソ連は組織しているそうだ。
そんなソ連がそれを許すとは思えんよ」
「では、何のためにこいつを使おうとしているんだ? 原爆でも運ぶ気か? 我が国にこんな大量のそれがあると?」
「まさか。そんな量の原爆など存在しない。せいぜい、あと2〜3発くらいしか無いそうだ。それ以上作ろうとしたら文字通り
破産するそうだ」
何を今更と語る2人組の目の前で特殊輸送機のエンジンが再び稼働する。動くことを確かめられたそれは再び停止する。
それがあちらこちらで行われるモノだから轟音と排ガスがすごい勢いで立ちこめる。
「……バクーだ。あれを無人化して、大量の爆薬と一緒にバクーに突っ込ませる。それがマックが次に提案した
奇想天外な大規模作戦だそうだ」
「は?」
もっとも原始的な初期コンピューターがやっと作られた時代だ。無人操縦など出来るハズも無い。
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「なので、有人機が有線で操縦する。有人機1機で3〜4機操縦出来る……ハズ……だそうだ」
「なんだそれは……無茶苦茶が過ぎるぞ。技術的に出来ると実際に出来るは別の話だぞ!?」
「あと、陽動作戦として一応モスクワも狙うそうだ。そっちの方は失敗しても成功しても一定の結果が出るように
BC兵器を積み込むとか」
アイゼンハワーはただただ、言葉が出ない。初手BC兵器とは。さすがにあの大戦でさえそこまで行き着いてはいない。
最後はダウンフォールなる一つの民族をこの世から根絶させる事を前提とした大作戦が実行に移されたとはいえ、敵軍の
激しい抵抗と、ついに成立した降伏によって完遂されることは無かった。
「ジャップでさえ、炭疽菌を使うときは事前に何度も警告を出していたんだぞ? 枢軸の悪逆非道より上回って……
それで勝てなかったらどうするんだ?」
ユダヤ人を根絶させると叫んでいたナチスドイツ。
やつらさえ、毎月の公開処刑以外ではやっていない。なにやらガス室で一斉にとか考えてはいたようだが、所詮は
『連立与党の一つ』に過ぎないナチスにそこまでの権限は存在しない。
枢軸陣営、三大盟主国ナチスドイツこと、正式名称『ワイマールドイツ連邦』だって、そこまでは行き着いてない。
「あの風船攻撃は、きわめて非効率で非合理的だった。
が、そう思えるのは最前線将兵や血気盛んな若者にはそう見えるだけで後方からすれば、目には見えず、対応策もろくに思い浮かばず、
せめて人里離れたところで炸裂してくれと祈りながら西海岸をハリネズミにするしか無かった。
あのときは太平洋艦隊へ振り分ける弾薬をどう確保しようか悩んだよ。ましてや風船の1割が炭疽菌だとジャップが自慢げに警告放送するものだから」
確かに、大連合として、ありったけの都市を焼き滅ぼし、時にガス兵器さえも容赦なく使った事は事実である。
けれど、致死性のモノを使う場合、前日には必ず警告放送を流していた。それくらいの良識は大連合、枢軸、双方にあった。
どちらも大量のBC兵器をばらまきながら、変なところに良識は働き、事前警告だけはしっかり行われていた。
と言うか、それがなければ今頃自分たちも生きていない。あまりにも悲惨すぎる戦いを繰り広げてしまってるが故に、変な所だけ何故か良識が働いた。
何より、炭疽菌というのがいい。何しろそれはとんでもなく恐ろしいが、同時に自然界に常に当たり前にそこにいた物である。
よほど運が悪くない限りは問題は少ない。アレは純粋なる恐怖を武器にした物だった。そして、それくらいしか効果が無かった。
そもそも風船に乗せられた細菌の大部分は雲の世界で死んでしまったのが大半で、本土防空への圧力の一点を狙った物だった。
……そしてこの事実は盛んに対日プロパガンダとして活用された。『まぬけなジャップ。恐るるに足らず』と。
「マックは何を考えてるんだ? そんなんでソ連に大勝利出来るとでも?」
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―― 1945年7月、WW2:『赤い夏作戦』補助作戦『N号作戦』、地中海方面。 ――
地中海は太平なる巨大な海を意味する太平洋よりさらにおとなしい。
ましてや日本海と比べると、瀬戸内海のような空間だ。広くて狭くておとなしくて古代からの戦乱の海。
その海に取り残された連中がいる。大日本帝国海軍遣欧第1艦隊。
「アトラスの柱作戦ねぇ……」 「イタリア人らしいネーミングと言えばいいのか」
赤い夏、ソ連への全戦域大攻勢への補助として行われているのが、日本では『N号』と称されている作戦であり、イタリアでは
補助作戦の補助作戦、『アトラスの柱』作戦が行われている。困ったことに日本のN号にはそのアトラスの柱への支援も含まれている。
補助作戦の補助作戦に補助を行う補助作戦とはこれ以下に?
「閣下。お時間です」 「あい、わかった」
海軍少将横井司令の言葉とともに戦時量産型空母の一つである『親不知(G18-02)』は麾下に属する駆逐艦たちを率いながら
動き出す。
「遣欧総軍司令部より、入電。『ミンミンミン』」
夏から取った安直な符牒。けれどもそれがすべての始まりであった。暖機運転状態にあった95式艦爆(史実99式)が
次々と飛び立つ。陸上から出発した様々なイタリア製戦闘機。空の上でそれに合流する帝国海軍航空隊。
サジタリオと並ぶ95式艦爆。彼らの行き先はただ一つ。フランス領北アフリカ、内陸部最大の都市ヴィスクラ。
「ヴィスクラまで爆撃する。途中イタリア軍がもうけているはずの滑走路で給油する。事前に戦力を集結させたかったが……」
艦爆を出撃させた後の親不知を含む艦隊が移動を開始する。
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「やはり、あちらさん、せこい手で来るか……」
海図におかれるのは、イギリス艦隊を表すコマ。
ソ連への全面攻勢により、ソ連を戦争から離脱させることを目的とした『赤い夏作戦』。
しかしこれほど大規模な攻勢作戦だと、準備段階で感づかれる。当然大連合の米軍、協商の英仏軍。それぞれが
ソ連救援を目的とした作戦を実施するのは目に見えていた。それ故の補助作戦。
それがN号だ。米英に対する攻勢作戦。地中海方面ではフランス領北アフリカの全面占領を目的としたイタリアへの支援。
太平洋方面でも攻勢が始まっている現在。イギリス艦隊の出方が重要だった。
「ドイツ軍と第2艦隊(大西洋遣欧艦隊)の奴ら足止めに失敗したのか?」 「いえ、元々ジブラルタルにこもってる奴らですよ」
フェリックス作戦(ジブラルタル占領)。N号の一環としてそれの支援も行うようにと言われている遣欧第1艦隊(地中海艦隊)。戦時量産空母2隻に2隻の
重巡洋艦、そして無数の駆逐艦からなる遣欧第1艦隊に対してすさまじい仕事量だ。それでもそれを求めらている。
「敵はインコンパラブル。天山でたたきつぶしてやれ」
敵は世界最大の巡洋戦艦。こちらに戦艦なし、十分な砲戦能力はたった2隻の重巡洋艦。相手にとって不足なし。
相手がもっと早くて出てくれていれば、艦爆もこいつをたたきつぶすために出撃しただろうが、このタイミング、図られたか、それとも偶然か。
敵のジブラルタル艦隊は、事前情報だとインコンパラブル、リヴァプール(グロスター級巡洋艦)、そしてC級駆逐艦が15隻。
帝国海軍が誇る天山。所詮戦時量産空母にすぎない不知火は40機しか航空機を搭載できない。
故に、艦爆20機、天山20機を配備された不知火と、全機戦闘機で固めた、烏帽子(G18-05)に分かれた。
本当は艦爆は陸上から出発させ、空いたスペースに色々とやりたかったが、イギリス艦隊が出てくるのか出てこないのか。出てきたときに
地中海までなかなかやってこない最新鋭の雷撃機の代わりに艦爆を使いたいと言うわけでこんな中途半端な事をする羽目になった。
「閣下。イタリア艦隊より、参戦すると言う連絡が……」 「当たり前だ! 外務省あたりは無傷で帰っていただきたいとかほざいてるが」
元をたどれば連中の作戦だ。少なくとも地中海においては。
かつて、ドイツイタリアのアフリカ軍団がスエズ運河を占領した際、日本側も枢軸三大盟主国で足並みをそろえるべく、遣欧艦隊を設立した。
こうして、スエズを通って、遣欧第1艦隊(地中海)と、遣欧第2艦隊(大西洋)がやってきたのはもう昔のこと。
イギリス軍による決死のマーケット・ガーデン作戦により、マンデブ海峡が封鎖され、サウジアラビアが参戦。
解囲しようにもただでさえ広大なインド洋各地で戦う帝国陸海軍は攻勢限界に達し、紅海連絡線の途絶によって遣欧第1艦隊は
事実上帰れなくなったのだ。
「仕方ないとは言え、イタリアのパシリで終わるつもりはないぞ! もちろん外務省のパシリにもならん!!」
憤然と叫ぶ少将の姿に『その通りです』と次々ヤジが飛ぶ。帰れなくなった彼らは空路で運ばれる補給の航空機部品など以外の
すべてをイタリアに依存する羽目になった。すなわち水食料、燃料に一部武器弾薬。
戦時量産空母、親不知と烏帽子。最上型重巡洋艦、熊野と鈴谷。
松型駆逐艦が8隻、桑、桐、杉、楢、八重桜、梓、藤、榊
そして、この有力な艦隊をイタリアがお客様扱いするハズもなく、まもなく彼らはイタリアのパシリとしてここ数年使われ続ける事になる。
実を言えば、松型駆逐艦の桑に関してはとっくに海の底にあり、今のは二代目、フランスから鹵獲したル・ファンタスク級ローダシューだったりする。
彼らは血を流し続けたのだ。イタリアのために。戦友としてのイタリア人には強い同胞感情を抱いてもそうではないものには抱けない。
「イタリア艦隊に戦艦は?」 「いました! リトリヲ級混じってます!」
「クソが! 疫病神か!」
ヴィットリオ・ヴェネト級(リトリヲ)は日本の外務省より『無傷で戦勝を得て、イタリアの軍港に凱旋して欲しい』などという注文を受けている。
つまり、疫病神だ。
「リトリヲ以外でまともな戦艦は?」
帰ってこない答え。それがすべてを表している。
「よい。我らの天山と、熊野、鈴谷だけでやる。相手にとって不足なしだ」
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―― 同年同日、北太平洋、アリューシャン列島沖 ――
青空はすでにない。無数の黒煙に彩られ、澄み切った蒼穹の空気はいつしか、鉄と火と油の臭いに汚染された。
アメリカ連邦海軍太平洋艦隊のTF35との激闘の果てに、双方痛み分けとなった海域。
N号作戦の一環で、太平洋方面でも何らかの手を打つことになり、提示されたのが、サンフランシスコ空爆陽動。
実際にサンフランシスコを空爆するわけではない。その姿勢をアピールすることでアメリカに圧力をかけるもの。
そして、当然のごとくアメリカ側から反撃がなされる。それどころか日本本土への上陸作戦ではないかと思われる
米軍の部隊動員計画が何故か、流出するという事態に、日本側もただの圧力ではすまなくなった。
「天山は……もうそろそろだな」
空母赤城の船内で、整備士の1人がそうつぶやいてしまう。天山は傑作だ。少なくとも彼はそう確信している。
だが、戦場の現実が、教えてくれる。もうそろそろ限界点は近いと。天山を越える敵機が天山を越える数で襲ってくるだろう。
ドイツとの技術交流によって、レーダー技術が向上したが、それでもイギリスやアメリカに比べればボロボロだし
例の米軍自慢の特殊信管の技術は大量に落とされる味方作戦機という悪夢を何度となく見せてきた。
38年に試作機がロールアウトした名機、流星ならばまだしばらくは持つだろう。けれど天山は持ってあと数年。
整備士は黒煙とは別の暗雲が立ち込めている世界がなぜか見えた。
「絶対国防圏の改良を大本営連絡会議に提言しなければなるまい」
エロ爆弾(イ号)のさらなる調達と改良、そして飽和攻撃の実現が必要だと。
そして、同時に敵のAZONのようなモノがさらに出てくるだろう。ならば対抗措置としてさらなる防空システムの
開発を推進しなければならない。最低限研究されているという地対空誘導弾の開発と配備が必要だ。
「他の戦域は大丈夫なんだろうか?」
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―― 再び地中海。 ――
インコンパラブル。大英帝国、フィッシャー提督の巡洋戦艦スキーがもたらした世界最大の巡洋戦艦。
計画がなされたWW1の頃でもすでに問題が多く指摘されていたはずなのに建造されてしまった世紀の馬鹿艦。
現代においてその兵装は主砲20インチ3連装砲2基6門、副砲として設置された4インチ速射砲4基、
そして本来5基あった副砲を一つ減らしその他兵装をすべて撤去、その代わりに対空砲のハリネズミとなった。
故に、それらが作り出す一筋の光の奔流は空を飛ぶモノへの殺意の権化。
無数の対空砲火。しかし、太平洋で、米軍の圧倒的なモノを一度でも見たことがある人間にしてみればむしろ――
「――光って標的が見やすいぜ!」
日本の無線機は世界標準と比べて低い。それでも生産精度が上がればそれなりの性能のモノの数をそろえることは出来る。
結果として、隊長機には送受信出来る奴が、それ以外には受信のみ出来る奴が搭載され、不十分ではあるが
隊長機を中心とした連携が出来るようになっている。
「いけ! エロ爆弾!」
隊長機がそれを解放する。そして、部隊がそれを解放する。
戦時量産型空母烏帽子艦内にて――――
「――まもなくドイツの『エロ爆弾(フリッツX)』投入です」
何故か、とある誘導爆弾開発秘話が最後には現場において日本の誘導爆弾全般を指す単語となり
ついには日本製誘導爆弾を表すネーミングとして敵味方双方から『ERO』呼ばわりされてるが、
今回天山隊が取ったのは二段構え。どちらも囮でどちらも本命。たった20機の天山を使って
確実にインコンパラブルを沈めるための方策。
ジブラルタルより出撃してきてるホーカーテンペストの方が数でこちらを上回っている以上、テンペストを
かろうじて足止めし、数の限られた天山で確実に仕留めるための強引な方策。
「エロ部隊にいい思いさせんな! いくぞ、おまえら!」
航空魚雷抱えた天山。生産精度が上がったことで量産され、隊長機に限定されるが送受信可能な航空無線機が
垂れ流す信号を受信機のみを装備した作戦機が拾って機内に響く無線音声。正直音質は悪い。
そして、投下。航空魚雷、走る。
フリッツXと航空魚雷の二段階攻撃。
インコンパラブルの対空砲火。そして補助艦として走り回る無数の水雷艇の銃火。
自ら魚雷へと突撃していく水雷艇の姿もあり、インコンパラブル健在。
「だが、もう沈め」
誰が、航空攻撃の二段階だと言った? 日本の駆逐艦、桑と桐が解き放つ長射程の酸素魚雷による三段階。
いや、誰が三段階で終わると言った。なんとか敵の砲火の中、突き進みその砲門をインコンパラブルへと向ける
重巡洋艦熊野。仮に戦艦を名乗る軍艦相手に何処までその20mmが通用するか。それでも――
「――ありったけの四段攻撃。いい加減通じろ!!」
そして、そこで蛮勇の限度がきた。
熊野、魚雷被弾。
不知火の戦闘指揮所で、幕僚たちがうめく。
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「潜水艦……」
やっとの思いで、イギリスの駆逐艦部隊を引きはがし、日本の駆逐艦部隊が相手をしているこの状況で
潜水艦の登場。インコンパラブルという前時代の巡洋戦艦を沈めるために桑と桐を熊野につけて別行動させて
このざまだ。このままでは持たない。
天高く、飛翔する無数のそれ。ホーカーテンペストのウィング。
迎え撃つ零戦の数は20機。すでに戦闘が始まってそれなりの時がたち、航空優勢はイギリス側に大きく傾いていく。
1機、また1機と天上より、日本艦隊を守護する羽が落ちていく。
むろん、たった20機、されど20機。ただでは落ちていかない。
「まもなく、テンペストが不知火上空へ!」 「たたき落とせ!! 零戦隊の奮闘を無にするな!」
ホーカーテンペストのウィング。されど、その数はウィングと呼ぶには小さい!
大連合お得意の特殊信管が無くたって、戦闘機相手に対空砲火で負けてたまるか!
インコンパラブルが自軍駆逐艦部隊との合流を図り、進路を変更する。沿岸方向へ。
地中海は、日本海に比べて荒れない静かな海だ。しかしそれは比較する相手が悪い。荒れるときは荒れるし
多くの古代の船が沈んでいる。むしろ沿岸ほど危ない。
しかし、インコンパラブルと比べて沿岸付近で日本の駆逐艦部隊と戦っているイギリス駆逐艦の数々の元に合流とはそういうことだ。
そこに、乱入者の姿。
「イタリア艦隊……」
イタリア艦隊。マエストラーレ級駆逐艦、リベッチオとシロッコ。日本から供給された虎の子の日本製酸素魚雷を搭載されたそれらは
魚雷を発射する。ヴィットリオ・ヴェネト級の戦果にしたいが、そのために日本艦隊に撃滅されても、そして日本艦隊が消滅するのも
どちらも困る。そして、どうせ、駄目なのもわかっている。日本艦隊に比べればイタリア海軍はいささか力不足を何度も見せてしまった。
それでも――意地の一つくらいは見せたい。
イタリア艦隊の駆逐艦がたった2隻、艦隊の陣形とは全く違う形で突撃した形は、戦場に混乱をもたらした。
たとえ、その混乱が長続きしないものであっても。
空のホーカーテンペストは日本軍機の決死の戦いに一時、押される。何故これほどに強固なのか? イタリアの航空隊は何故未だに後ろにいるのか?
「閣下。現状、我々が行える最後の攻撃です」 「ふん、とっととやれ」
海軍少将横井司令の一言。
「仕方ないとは言え、遅いんだよ。ボケ」
航空参謀のぼやき。
それらは、きた。インコンパラブルのレーダーがそれらをとらえる。
95式艦爆、ヴィクスラ空爆行き、直行便の緊急帰還。サジタリオのおまけ付き。
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その日、大英帝国の輝かしい世界最大の巡洋戦艦がついに海の底の住民となった。
尤も士気が下がるような現実が一つ。
大英帝国の上層部にとって、インコンパラブルの撃沈は惜しいけどすでに計算道理だったと言って良い。
大連合の同盟勢力として振る舞う協商だが、あくまでも同盟勢力であって従属勢力では無い。
『米ソの結婚』とまで称される『大連合』、そしてそれに対抗するべく主に日独伊が中心となって結成された『枢軸』。
その狭間に揺れるかつての超大国の残骸、大英帝国と欧州の軍事帝国フランスが手を組んで作り出した第三局。
それが、『協商』だ。とはいえ、大連合と枢軸の二正面作戦をするつもりは無い。
故に、大英帝国は陣営のオークションを開き、大連合の同盟勢力と落ち着いた。
だが、逆に言えば、名目上は対等なのだ。対等な協商がサボタージュを図る……わずかでもそう見える行為を働いたら
この大戦争の時代の大連合はどう反応するだろうか?
また、今や完全に枢軸と大連合の絶滅戦争となりはてたこの全球大戦の時代において、そんな大連合に全面的に迎合して
活動して、枢軸側が協商陣営をどう見るだろうか?
故に、協商は全力を尽くして枢軸と戦っていると言うアピールを。同時に協商は枢軸を滅ぼすほどの大戦争は望んでいないという
メッセージを。その両方を常に発し続けると言う綱渡りを強いられている。前時代の遺物にして、世界最大の巡洋戦艦は都合がいい。
「閣下、ドイツから、追加で燃料とフリッツXを供与するので、イタリア艦隊の元に合流せよと。
負傷者、並びに救助活動はスペイン軍が引き受けるので即刻行動願いたいと」
「……つまり、追加の敵がいるんだな? 何処だ?」
「大西洋方面、ジブラルタル沖70キロの地点に協商、フランス艦隊が集結中。目的はジブラルタル英国航空要塞の救援」
ため息。そして一呼吸。先ほどまでの喧噪は消え果て、沈黙が支配する司令部。その静寂を破るのはやはり指揮官の声。
「よろしい。せっかくのジブラルタル攻略が無意味になるよりは、ここですべてを出し切ってスペイン軍に救助された方が
よさそうだ……」
「司令、そのような発言は……」 「スペイン軍に救助されれば、本国への帰還はもう決まったような物だよ。時期は不明だがね」
「……スペインの参戦を期待されないのですか?」 「それこそまさかという物だ」
『防共と世界平和のための枢軸同盟条約連絡会議(枢軸陣営)』に参加していながら、この大戦に全く
関わろうとしない国、それがスペインだ。当初、ワイマールドイツ連邦のナチス総統兼連邦主席大臣のヒトラーもそんなスペインに
条約違反を理由に武力懲罰を考えていたようだが、そのスペインが今やヨーロッパ枢軸陣営における巨大な穀倉地帯として機能すると
もはや何も言わなくなっている。
「スペインの米も慣れればおいしいものだ。だが、いい加減日本の米が食いたくなってきた。それだけだよ」
スペインが工業製品でも無く純粋に食料を格安で枢軸に提供しているだけ。カネを払うのなら大連合や協商にも売るよ!
と言う態度をとり続け、工業製品が一つも含まれていないことをアメリカ大使やソ連大使に開けっぴろげに公開しているが故に
人道的な見地から『食料輸出をする野蛮な戦争国家!』などと言って仕掛ける事も出来ない大連合はフラストレーションが溜まっている。
だが、それはそれとして、今やスペインは枢軸、大連合、協商という世界の三大陣営それぞれの苛烈な諜報合戦、外交交渉の場として
機能し、その国家的立場を世界に確立しつつある。
そんなスペイン軍に救出されれば遠からずスペイン政府の手によって、本国へ送還されるとして、最前線の兵士たちには人気が高い。
イタリアのパシリももう疲れた。艦隊は消耗しすぎている。この上激戦が続くとなれば、もうその道を選ぶ方がいいかもしれない。
「だが、その前にやるべき事はやっておく。フランス艦隊を海の底に沈めてやろう。これが我々の最後の仕事と思うべきだ」
イタリア海軍のヴィットリオ・ヴェネト級(リトリオ)戦艦が見える。
「ジブラルタル航空要塞の主要な滑走路はドイツ軍によって破壊されました。まもなく航空優勢は完全に我々の手に落ちます」
「では、行こうか。リトリオの頭を我々が守ろう」
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―― 翌日、スペイン領カナリア諸島にて ――
それはボロボロの軍艦だった。浮いてるのが不思議なそれらはスペイン軍に曳航される形でフエルテベントゥラ島の港へ。
栄光と伝統の日章旗は下ろされ、これよりくず鉄としてスペインが解体することになっている。
もちろんスペインとしては貴重な資材にするつもりである。何だったら新たなスペイン軍艦船にするつもりだ。
救助されたり、元々船に乗っていた日本軍人たちが下ろされていく。
島が抱え込める人口の問題から、カナリア諸島の各地に徐々に人々が分散されていく。
「せっかくだし、地質調査の一つでもしてみるかな……」
海軍人とは基本的にはインテリだ。そういう新しい趣味を見つける人間も現れる。帰るそのときまで。
この記録は日の目を見ることはほぼ無い……ハズだった。
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本日はこれで終わります。明日、この話は終わって、土曜あたりに設定開示といった感じ
在りし日の自分が思ったことは改めて狂気とわくわく感に満ちていると感じてる今日この頃
とある日『……第2次世界大戦って、2回目の世界の大戦争ってあんのに、世界の半分も焼いてないな。もっと地球を焼こうぜ』
行き着いたのが枢軸諸国の国力を拡充させた上で、米ソに蹂躙させる末期戦
ちなみにこの構図を成立させるためのちょこちょことした歴史改編作業が一番時間かかってるような……
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乙
>世界の半分も焼いてないな。もっと地球を焼こうぜ
めっちゃ分かるわぁ
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構想として投稿した、唐入りが中途半端に成功した世界。
冷静に考えれば、「夢幻会が出ていない」という問題点があったことから、
これについては凍結しようかなあと。
いやね・・・変な電波を大量受信したんですわ。
奥州伊達家に転生する羽目になった夢幻会。
「おいおい。あのフリーダムな独眼竜に振り回されるのかよ」と、思いつつ
何だかんだと勝ち組につけたことで安堵したのもつかの間、疱瘡から復活した
次期当主殿から呼集。
「おい。お前ら。何か面白そうな事企んでいるな。儂も混ぜろ」
幼子とは思えないレベルの老獪極まる笑顔を見せる独眼竜リリィ。
慌てる夢幻会の面々を尻目に、独眼龍は咆哮する。
「さあ二度目の人生じゃ。今度は一度目よりも楽しませてもらおう」
政宗が前世記憶と能力をすべて持参し、且つ未来知識持つ夢幻会の面々まで
こき使うって、絶対碌なことにはならないと思うんだよねえ・・・
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>>966
相馬民のワイ、震える
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>>967
真っ先に狙われるからなあ・・・相馬氏は。
ちなみになぜ伊達家を題材にしたかというと
1 若いころの政宗のポカが回避できれば100万石が現実味を帯びる家
2 海外交易など色々とやれるネタが満載
3 とにかく派手好きな政宗なので、夢幻会の面々とも傾奇っぷりで暴走できる。
ブレーキ役の片倉小十郎と茂庭綱元の胃が常に大ダメージ受ける家になるのは確定だよなあ。
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>>968
相馬武将の末裔やで
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>>968
奥州で有力勢力+海外交易(新大陸と北海道以北あたり?)は夢があるネタ
江戸幕府になるか豊臣政権になるかは不明ですが、どちらにせよ中央政権にとっては厄介な勢力
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なお悲惨な目に合いそうな家々一覧
1 二本松畠山氏
近年では、政宗じゃなくて親父の輝宗が強硬意見持っていたんじゃねという説も出ている
のだが、本作では「取り合えず連合軍潰すための撒餌」として利用される家に。
撒餌として利用された後はポイされるのが確定な訳ですが。
2 蘆名氏
史実と同様に取り潰されるのが確定している家。
政宗にしてみれば「奥州の覇者はうちだけでいいんだよ」と、塩対応である。
なお、奥会津の面々が、秀吉や上杉の助力を受けて抵抗していたが、これが色々と伏線
にする予定。
3 佐竹氏
ある意味貧乏くじを引きまくってしまう家。
外交的には正しいのだが、プロレスやる気全くゼロな政宗相手に酷い目に。
そして史実以上に奥州で徹底的に叩きつぶされてしまったことで下落した武威は
色々と負債になることに。
4 蒲生氏
政宗の天敵。当然のことながら、政宗は外見はともかく内心で「絶対ぶっ殺す野郎」筆頭格である。
とはいえ、正面から喧嘩するような青いことはせず、やることはとにかくえげつない。
元々奥州に来ることに消極的だった氏郷だが、政宗とゆかいな仲間達によるストレスで
ご愁傷様な事に。
5 上杉氏
伊達にとっては不倶戴天の敵。蒲生が潰れたと思ったらちゃっかりと後釜に座るわ、惣無事令
破っていながら、領土を増やすわと、政宗達をブチ切れさせたことで、政宗からは「潰すわ。徹底的に」
と、知らない間に滅亡対象にとしてターゲットに定められてしまった家。
なお、政宗との関係が比較的良好な最上家も「俺も一枚噛ませろや」と、上杉殴る気満々な模様。
6 南部氏
伊達家にとってはあまりどうでもいいのだが、政宗にとっては「そういやあいつもこっちに煮え湯
飲ませたよな」と、取り合えず意趣返ししとくかという個人的な理由で目を付けられた家。
まあ史実の和賀一揆も、一説には、上方勢反転後の南部勢の行動が優柔不断すぎて、政宗が「何しと
んじゃこら」と、ぶちぎれたからという側面もあるようで。
とはいえ、他の家と比べて、政宗の個人的な理由なので、どうなってしまうかは不明。
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前世の借りを全部返そうとしている独眼竜…
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乙です。
この圧倒的な文章量とそれを支える知識には敬服いたします。
>疫病神リットリオ
カブールあたりなら「使いつぶせる艦」として逆に好まれたのだろうか…。
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>>972
ちなみに中二病と伊達っぷりも天元突破しています<独眼竜
勿論、20代でも経験値は60代のままですので、老獪極まりない立ち振る舞いは
史実ですら前田利家に「年齢に合わぬ二股膏薬」と評されていたのだが、
秀吉から「あの野郎。こっちが難癖付けようにも三重四重に保険かけまくって
いて、こっちが処罰したら大損するようにしているじゃねえか」と、キレるレベル
でした。(なお家康は半ば苦笑、半ば呆れかえって、秀忠に「ああいう立ち振る
舞いもあるということを覚えておけ」と、教訓残しています)
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>>974
転生して更に強くてニューゲーム状態…
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機能の続きです。遅れてしまいましたが、今日で終わりです。
次スレは投下後に私が立てようと思います。何しろ残り少ないスレを消化しちゃいそう……。
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―― 1947年6月:WW2、シチリア大会戦の直後、大日本帝国 ――
大連合並びに協商軍、総兵力約21万にも及ぶ軍勢がイタリアに襲いかかるその戦場で、最後の地中海日本艦隊が
玉砕し、日本海軍は地中海世界から消え去った。
ヨーロッパ最後のゼロ戦が飛び回り、何の因果か、最後まで地中海で踏ん張った鈴谷と八重桜が沈んでいく。
帝国海軍軍令部は正式に欧州方面からの全面撤退を宣言し、帝国陸軍参謀本部より罵声が飛ぶ。
バルカン軍団はどうするのか? 見捨てるのか? と……。
大本営戦争会議では、陸軍の担当者と海軍の担当者が殴り合い、呆然としているだけの外務省の職員を企画院の
人間は見捨てて、淡々と事前の根回しに従い、海軍撤退後の状況についての資料を配付する。
大連合サイドはシチリアの決戦が終わり次第、次の作戦行動に移ろうとしている。
目的はローマ直撃、つまりローマ上陸戦。
何故かスペインより、チャーチル首相の内心とやらで『バルカン半島より上陸し、ソ連にくさびを打つ』『だが、失敗した』
とか言う物が届いているが、それはスルーし、もはやイタリアの崩壊は避けられないと言う検証結果。
オブザーバー(特別傍聴人)の席に座る五相以外の閣僚たちは初めて聞く話で、愕然とする。
外務省職員は思い出したように以前から推奨しているイタリアの要請を受けることを改めて主張する。
根回しをしようが、なかなか賛同が得られなかった話だ。
「現地情勢は逼迫しており、今すぐにでも決断しなければすべてが手遅れになります!!」
すなわち、イタリアの一部要人およびその家族や関係者の日本への亡命。尤も大学受験の滑り止めの滑り止めくらいな
感覚での打診。日本政府関係者の色よい返事は当然無い。
しかし、外務省はこれに大変ご熱心で何度となくこれを受ける事を言い続けてきた。
そして、状況的に今が決断できる最後の時間。何しろ帝国海軍が地中海から完全に手を引けばイタリアから
人を日本に連れてこられるはずが無いのだから。
「未だ、枢軸が踏ん張っているシリア、ギリシャ、スエズ経由で航空機を使ってか……。無茶が過ぎる」
「スエズは正直もう放棄していいでしょう。スエズ運河を占領していると言っても、イギリスのモントゴメリーと
サウード家のせいで紅海は使い物にならないのだから。未だ、マンデブ海峡は封鎖状態なんだろ?」
「沿岸部に設営された砲台と航空要塞による機雷のバラマキをされてるせいで、海峡を通れん。サウードの裏切り者をぶち殺せれば……」
サウジアラビアの空は内陸ほど防空能力が全くと言っていいほど存在しない。それ故に今のところ安全に飛べる数少ない敵対的空域となっている。
安全な敵対的空域とはこれいかに。
「今しかありません! イタリアの要人、並びに家族や関係者の救出は今しか出来ないからやるべきなのです!」
「またそれか。そのような暇も能力ももう無い。やれたとしてもそれで来てくれる人間たちはせいぜいが2流3流が数人だろう。
彼らの本命はスペインやイギリス、ドイツだ。我が国は元からお呼びじゃない。同じ陣営のよしみで声をかけられているだけにすぎん」
「そんなの我々だってわかっています。本命は、その『おまけ』の方、技術者たちですよ!」
外務省が目を付けた、最良の人物。『ジュゼッペ・ガブリエッリ』。
下手すれば日本より小さすぎる工業力しかないイタリアだが、技術力だけなら
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「何より、例え2流、3流だとしても彼らを預かる以上、戦後の友好関係を期待することが出来ます! いかに大連合といえど
古のローマ帝国の遺跡が数多い、イタリア半島を無主地にはしません!」
むしろ、黄禍論の関係性から、日本人の方がそうされる可能性がある。
「将来の欧州との友好関係の種として有効に活用出来ます。何よりも優秀な技術者たちを連れてくることが出来れば
我が国の苦境に大変役に立ってくださるでしょう!」
「ま、まぁ……わからんでもない」
事前の根回しでここまではシナリオ通り。かろうじて。外務省がどれだけ主張しても賛同してくれる人がなかなか確保出来なかったのだから。
ジュゼッペ・ガブリエッリ、ジュリオ・ナッタ、コッラド・ジニ、ブルーノ・デ・フィネッティ、カルロ・エミリオ・ボンフェローニ
ダニエル・ボベット、ジーノ・ファノ、そして何故か混じるインド人のチャンドラセカール・ラマン
「これらの技術者、学者を今回の亡命救助作戦で我が国に連れてくるのです」
特に大本命は、ジュゼッペ・ガブリエッリ。航空技術者。その関係者としてリストアップされた面々の中にはG.55の製造を担当している
フィアット社の社員名簿そのものと言っていい面々まで乗っている。
尤もさすがの外務省も全員は無理だとわかっている。だが、これだけの面々を全員は無理でも半分だけでも亡命、救出出来れば
国益にかなう。
「はっきり言って、あと今日のウチに決断しなければ、どうあがいても救えません!」 「決断すれば……か」
(何かやってるなと思っていたが……。外務省の根回しで、動いている部隊がいると見ていいのか?)
実のところ、動いている部隊として、横須賀鎮守府第三特別陸戦隊(空挺部隊)から2個中隊を供出してもらっている。
元々外務省職員を脱出させるために動いていたそれを外務省が利用しようと色々と根回しをした結果、一応動けるのだ。
つまりは――――
-
「――撤退を宣言したはずの我が海軍が動けと? 馬鹿な事を」
軍令部総長の憤然とした言葉。海軍大臣もまた余りいい顔をしていない。尤も――――
「――内務大臣はいかに思いますか?」
五相、内務省大臣。内務省武装警備隊という独自の戦力を保持する内務省だが、あくまでもそれは国内での
武装暴動鎮圧を目的としてるもの。
つまり、戦時統制を司っている以外で、内務省が今回の話し合いで、外務省が声をかける意味は無い。
にもかかわらず、珍しく外務省は内務省にまで手を伸ばしたのか。それとも何かあるのかとその場の空気が動く。
最終的に、動くことは決定された。
その日、リットリオ空港すぐ横のテレベ川に二式大艇が次々と降り立った。
空港近くの滑走路が使えなかった事が原因だ。
空港の滑走路にも2機の二式大艇が降り立つ。
全部で11機。未だ、空の上に待機するように飛んでいる機体がいくつかある中、二式大艇の来訪理由を知ってる
幾人かの人間たちは二つに割れた。
いけ好かない黄禍の手を借りて本当に生き延びることが出来るのか、信頼できないと言う輩たちと
必死に自分、或いはせめて家族だけでもあの命の座席に入れようと必死になるもの。
もはや、誰もがイタリアの崩壊を避けられない現実とみていた。溺れる者は藁をもつかむ。
だが、だからといって、日本人を信用するかは別の話。
11機の二式大艇、燃料タンク以外、削れる所を削って15人の乗員を搭載出来るようにした亡命者専用機。
全部で165人。尤も日本側はこっそりとフィアット社のマザーマシンをどうにか持って行けないかと暗躍しており
実際の命の座席は150人ぐらいだろう。
こっそりと、だが、確実に色々な紙束が機体に乗せられていく。
その中に、様々な学術書や論文、行政文書が載せられていくのを誰もとがめない。そんな人間もうどこにもいない。
-
―― 1951年2月、継続大戦。ペルシャ帝国:臨時帝都エスファハーンにて ――
ガージャル王朝より帝位を簒奪した王朝。形式上は譲位と言う事になっているが、実際は
簒奪とやってることは変わらない。
唯一、褒められる事は、文字通り血を流す事はしなかったと言う事だろう。
皇帝の首をはねる事もせず、その家族を難癖付けて殺すことも無く。
だが、それでも幾重にも用意された暗躍と陰謀と国内最大の軍閥の主が帝位に即位をする流れに
議会制民主主義をそれは無理でも立憲議会制を望んだ一部知識人たちが
心の底より国家に絶望するに十分な出来事であった。この流れは、史実と何ら変わりない。
初代が逃げることでペルシャ帝国の主権をかろうじて守ると言う出来事さえも史実と変わらない。
それでも変化はある。すなわち、WW2における大日本帝国陸海軍が主導して形成した
『ペルシャ戦線』だ。ペルシャ帝国パフラヴィー王朝は対応に困った。南からイギリスが
北からソ連が事実上、国土を二分割して占領している現状において、彼らは解放者か
はたまたただ列強同士のつぶし合いに巻き込まれただけか。
ペルシャ帝国の王朝政府は一つの方針を下した。英国の味方をする。日ソは敵と見なす。少なくともソ連に対しては敵対的中立をとる。
ただし、日ソと交渉の席はどんな事があろうと非公式の場を必ず作って色々と手を考える。
「で、今度は米ソの決戦場か……いつになったらテヘランに帰れるか余は心配しておる」
2代目。史実だとモサデク革命騒動で泣きながら亡命しとイラン・イスラム革命で呆然とエジプトに亡命することになった。
良くも悪くも……凡君な男。しかしそれでも踏ん張ろうとする責任感は本物だ。
少なくとも彼は紛れもなく君主であった。
「日本製兵器はそろそろ限界か」 「陛下、イギリスもいくらか部品や弾薬類を融通してくれますが彼ら自身、兵器は足りておりません」
「……日本製の鹵獲兵器、日本軍の降伏によって提出された兵器類で我が帝国軍は急速に復活しつつある。だが……
結局のところ我が国の兵器生産能力が低いが故の日本製での武装だ。弾薬や補修部品に関してはイギリスが代替や技術支援を
してくれるから運用出来るような状態だ……余はそれが悲しい」
これがペルシャ帝国、イランの現状。限界。そんな一人の君主の元に、1人の人間が現れる。
大日本帝国の捕虜引き取りについての話し合いのためにやってきた日本人。
「陛下。我が国は、補修部品に関して、場合によっては工場を一つ建てるだけの機材と一緒に供給する用意があります。
ですが、それには条件がございます」 「賠償金や捕虜に関して譲るつもりは無いぞ、余は」
「それに関しての条件ではありません。ただ、ある場所で明言して欲しい言葉があるだけです。それを頂ければ
捕虜の引き取りと引き替えに数個師団を編成出来るだけの武器弾薬、部品類を即刻提供いたしましょう」
-
そして、1週間後、ペルシャ帝国、帝国軍名称:ギーラーン外周奪還戦。
その場に、1人の日本人捕虜がペルシャ帝国の紋章だけ付けたボロボロの日本軍装を身にまとい、ソ連軍と対峙する。
それは、鹵獲されたM4シャーマン戦車。彼はその戦車に乗ってソ連軍と対峙する。
「尾崎さん。時間です」 「わかりましたよ」
社会主義者が、帝国主義者の軍隊の軍服を着けて、これまた帝国主義者の軍隊で、帝国主義以上に邪悪な侵略者、
共産主義者のソ連軍と戦う運命。それはあまりにも神様のいたずらが過ぎるようだった。
「ふぅ……」 (サボタージュしたいが……出来ないよなぁ…………)
共産主義は地上の楽園であると信じていた。いや、信じたかった。きっと、この世界線の自分はそういう人間だったのだろう。
何があろうと理念だけは正しいと確信していたのだろう。けれど、根こそぎ動員で即席将校としてペルシャ戦線にきて見たモノは
とうてい人間とは思えない行為にひた走る、数多の帝国主義者たちとその帝国主義者よりも災厄な赤軍の姿。
(そして、夢幻会としての俺が目覚めた。すべてが終わった後になって。因果な物だねぇ……。せめてこうなる前に
記憶が目覚めて欲しかったけど……。と言うか、俺夢幻会の世界線でも兵隊なんかしたこと無いんだけど)
始まるのは鹵獲カチューシャによる砲撃。大空に黒煙と硝煙の柱がいくつも立ち上がり、そして崩れていく。
次に轟くのは轟音爆音炸裂音。
『――戦車前へ』
その言葉とともに鹵獲兵器をメインとする機甲部隊が前進を開始する。イラン、ペルシャ帝国の領土の基本は
イラン高原、つまり丘陵地帯と高地から成り立つ。
そして、それ以外のエリアは乾燥帯であるが故の、砂漠から成り立つのがイラン高原だ。
「進め! 止まるな! どうせ、俺たちじゃ当てられないんだから、無駄玉なんぞ撃つな、接近できるだけ接近しろ!」
とはいえ、何も無い土地では無い。古のインダス文明を育み、古代の偉大なペルシャ帝国の大王たちの揺り籠となった
豊かな立地だ。メソポタミア、シュメールの土地に比べれば貧弱かもしれないが、千年の穀倉地帯として中東世界でも
最大級の人口土地として、君臨している。
「2時方向、距離2000! スターリンくる!!」 「いや、ISじゃねえ……」
尾崎さん、あんたなにゆうてんの!? という視線を感じる。だが、彼の中の前世も前前世も含めた記憶が叫ぶ。
IS-2でもIS-3でもねえ……。あれはT-10だ。スターリン重戦車よりもさらに洗練された化け物!
-
「冗談じゃねえぞ!! あんな化け物にシャーマンでかよ!!」
ソ連製重戦車は全部スターリンという扱いのこの状況下で、彼の中の古の記憶が絶叫する。
アレは、もうスターリンなんて単語で扱って良い物じゃ無い。
史実では戦後戦車に属する化け物。戦争前期に作られたシャーマンだのそれとタイマンで勝てる程度のレベルの3式(5式)戦車ごときで……
「相手して言い存在じゃ無い!! さっさと砲爆撃の支援をよこせ!」
そんな彼の言葉に反し、旧帝国陸軍鹵獲戦車部隊のホリが相手をしようと動き出す。3式砲戦車(史実5式:ホリ)は
帝国陸軍が敵重戦車および機甲師団への切り札として生産した車両であり、全部で1200両の生産数しかないものだ。
それが2個中隊、24両。ペルシャ戦線に派兵された戦車第5師団に切り札として配置されていた。それが無傷でペルシャ軍のものへ
大空を次々と鹵獲された隼が飛び、アメリカから提供されたA-26を護衛する。
砂埃が飛び交い、視界を奪い、黒煙が現在地を喪失させる。
破甲爆雷片手に飛び出す歩兵。ニーモーターなどと不名誉なあだ名をされてるグレネードランチャーの
グレネードが戦車の天板狙って曲射弾道軌道を描く。
歩兵将校が拳銃片手に何事かを叫び、次の瞬間爆発するように上半身が消えて無くなり、歩兵たちは頭を伏せる。
頭を伏せた歩兵たちの頬をひりつかせる熱風。遅れてきた爆圧が地べたに這いつくばる人間たちをあざ笑う。
T-10を撃破するのにホリが2両失われ、最終的にはA-26が始末を付ける。
そのA-26は被弾し、墜落。墜落地点を確保するのは残るホリ車両。
そのホリ車両を守るようにシャーマンが集合し始める。そのシャーマン狙いの砲撃。ソ連製自走砲が火を噴き
それを感知した味方砲兵が大砲兵射撃を開始する。尤も牽引式と自走砲では自走砲に勝利の女神は笑う。
対砲兵射撃専門のソ連砲兵が行動を開始した。
「尾崎さん、逃げよう! 今なら多少離れても、敵前逃亡じゃ無い!!」
丘の上に陣取る2両のシャーマンと歩兵十数人。だが、それは敵からよく見えることを意味する。
「馬鹿なの!? 今なら隼が山ほど飛んでいるんだ! 今しか、この場所から敵に打ち込み放題なんて無いぞ!
と言うか、移動したら絶対撃たれる! ここが丘の上で味方砲兵がなんとか生きてるから俺等はまだ無事なんだよ!」
反対側に儲けた反斜線陣地による軽迫撃砲の防護の傘に守られた丘の上の即席砲撃陣地。それが今の2両のシャーマンと
歩兵数十人で形作るそれ。丘の上を上る敵に対しては、反斜線陣地の曲射砲撃により撃破され、シャーマンの砲撃が敵を討つ。
T-10のおかわり。
ふざけんなと言うか細い声が無線を支配し、徐々にソ連軍機が増えていく。いや、所々聞こえてくるのは……金属の排気音。
ジェットエンジン搭載の作戦機の登場。MIG-9。
作戦失敗はもはや目に見えていた。だが、それでもペルシャ帝国軍の捕虜主体の『特務師団』に自由撤退は認められていない。
特務師団機甲連隊司令部からの新たな通知。『所定の計画に従い、目的地の占領を実行せよ』。無茶苦茶だ
MIG-9の数はまだ少ない。こちらの砲兵はまだ生き残っている。決死の思いで目的地の村落へとなだれ込む。
なにやらペルシャ帝国正規軍の精鋭部隊までやってきているが何事だろうか。
数少ない米軍供与のP-80Cが彼らの空を守る。その村落だった穴ぼこだらけの土地から撤退が認められたのは
それから7分後のこと。ここまで隠匿されていた鹵獲カチューシャの一斉射撃。ただでさえ、硝煙で支配されて鼻が麻痺した世界に
立ちこめるロケット燃料の黒煙は肺胞をどす黒く染める。歩兵たちは息を止めて、視界がかすむ。
後退しながら砲弾を放ち、そして撃てる弾が無くなった戦車は自走する棺桶としてぽんぽん、軽快な音ともにきれいにはじけ飛ぶ。
ゴルゴダの丘のごとく、大地に突き刺さり、十字架を思い起こさせる無数の砲身の残骸と焼けただれた肉片の塗料が空間を支配する。
-
「結局何だったんだろうな……」
明らかに失敗。かろうじて生き残ったと言う思いを持ちつつ、思わず疑問が口から漏れ出る。
終盤戦、明らかに部隊は不可思議な動きをしていた。無茶な指定地点の確保、そして、部隊到着までの死守命令。
確保地点もその中心には決して近寄らせず、挙げ句の果てに虎の子のジェットまで突っ込む。
「尾崎さん……ペルシャ人どもがその辺べらべらしゃべってるの聞いてません?」 「はい?」
「連中機密って言葉がよくわかってない連中ばかりですぜ」 「何でもスパイの回収だそうです」
「スパイ?」
曰く、ペルシャ側がソ連に放っていたスパイがばれてしまったため、急遽回収されることになった。
その際、スパイはソ連側の重要文書を保持していたため、早急な救助が必要となった。ギーラーン外周奪還戦と言う
作戦には『ついで』としてそういった作戦が無数に付随していたのだという。
「無数にって事は……」 「カウンタースパイもあるそうですぜ。何でもこっち側のスパイが脱出しようとしてたみたいで」
「なんつー作戦だよ。そしてそれが堂々と兵士たちの話になってるとか世も末じゃ無いか」
「ところで尾崎さん。『北極星作戦』、『人類の宝』、『廃滅作戦』って単語なんか知ってます?」
「はぁ?」 「よくわかりませんが、スパイ連中が必死こいて伝えようとした、持ち出そうとした関係の言葉だそうです」
夢幻会としても或いはコミンテルンに関係性があった人物としても或いは社会主義者としても全く意味不明としか言い様がない。
けれども……
(……真っ当な軍事作戦とか諜報とかじゃ無いな……。さては辻か近衛さんか……どちらにせよ――)
――――間違いなく、真っ当な謀略じゃない。
(仮に、本当にこの世界戦で何かへんてこな作戦が行われていたとして――――)
――これは、それに便乗している奴だ。間違いない。そのにおいがする。
-
―― 1951年3月、継続大戦。北欧、フィンランド北部にて ――
その男は史実であれば、ヘルシンキにいるはずだった。尤も史実という世界線を知らないこの世界の
人間たちに取っては、その男がフィンランドの雪原にぽつんと作られた家に引きこもっていると言う情報こそが重要だ。
「ニルス・カタヤイネン、ニルス・カタヤイネン中尉! いるかね!」
「何でしょうか? 私は今、引っ越しの準備に忙しいのですが……」
「ついてないカタヤイネン、君に聞きたいことがあってここに参った。北極星について話を聞きたい……」
「……何の事でしょう? 確かにここは星がきれいに見える場所ではありますが……」
フィンランドが誇るエースパイロット、カタヤイネン。
「北極星作戦。アレに関する資料が殆ど残っていない。今やあの作戦に関する情報は凄まじい値段がついている。
それこそ、占領地をソ連から買い取れる可能性さえ1%でも発生するくらいには」
「………………何を馬鹿な。アレにそんな価値はありませんアレはあくまでも機密文書を隠すための作戦です。
何故か日本が予算と機材を融通してくれましたが、それだけです。仮にその価値があるとしたら……」
何故か日本が参加した『理由』。
「カタヤイネン何を知っている。君の身分、安全、そして家族友人に一切手を出すことはないし
二度と現れないと神に誓おう。教えてくれ……」
「……私が知っているのは、3つのことです。北極星で運ばれた物は……」
-
―― 1951年3月、継続大戦。大日本帝国、帝都:東京、帝国ホテルの一室にて ――
「それが事実であるとすれば……この大戦は最悪の結末に行き着く。すなわち、我が国と欧州の
敗北と致命的な破滅という結果で」
ウイロビーは頭を抱えながらどうするべきかと悩む。
数時間前、フィンランド軍をつつけるだけつついて、手に入れた情報。それはよくわからない物だったと言える。
「大量の古くさいカビの生えた本といくつかのファイル。それを輸送機ごと適当な雪の下に埋めた?
古くさいカビの生えた本というのはなんだ。古書か? フィンランドの民族的な遺産か何かか?
だとすれば、重要なのはいくつかのファイル。それか」
「いいえ、違います。我々の調査で本当に重要なのは……」
使われた……適当な雪の下に埋められた輸送機の方。それは日本軍機で特別性。
本来の任務における行き先はスペイン。カタイヤイネンの証言記録片手で話すウィロビー。
「北極星作戦は隠れ蓑。本命はその日本軍機と言う証拠隠滅だと……?」
「北極星作戦そのものはフィンランドがソ連軍に機密文書を渡さないための隠蔽工作であり、
どうしても隠さなきゃいけない文書を遠くに移送する作戦です。問題は急遽、日本側がこれに介入し
輸送機を提供してきたと言うことです」
特殊作戦機の証拠隠滅。その機体がその時、その場所にあるという状況の解消が目的。
「……何が何でも、日本の将官どもを……拷問してでも聞き出せ!! 北極星はコミンテルンのスパイどもが
躍起になって探している。フィンランドから流出した謎の機密作戦、それはこの大戦に間違いなく変化をもたらす
と言われている事柄だ! ソ連より、我が米軍の閣下が先に手にしなければならない! 我らの閣下が!」
「その必要はございません」
唐突に現れるのは、かの有名な帝国陸軍三暴……じゃなかった、参謀になってはいけなかった参謀、辻。
「……やっと見つけましたよ。北極星にまつわる書類を。徹底的な隠匿と隠蔽、そして書類の焼却処分により
現存するのはたった10ページの書類綴り。しかも『北極星』という単語は何処にも見当たらない代物でしたけどね」
そのファイルの最初の1ページ目は、次の文章から始まっていた。
『ロンドン、ワシントンDC、およびモスクワの3都市を原子核反応兵器で焼き払う方法は無いだろうか?
実証実験を実施した結論として、我々は無理であると判断した』
読み進めたウィロビーは後悔した。ファイルは確かに10ページ。けれどそれとは別に新しい書類が後ろに用意されていた。
書類はスパイリスト。正確にはコミンテルンのスパイ候補か情報源と成り果てた可能性の高い人物たち。と言っても十数人程度の
名前であるが。問題なのは……明らかにごく最近書き込まれたと思われる追加情報が何人かの名前の隣に付記されてる事だ。
『ペルシャ戦線にて、ソ連へ亡命』 『ペルシャ戦線にてソ連軍の捕虜となった模様』
「事実上! この機密情報がソビエトに渡っていると言う事では無いか!!」
「……。おやウィロビーどの。その日本語書類、一応翻訳いたしましたが、日本軍人から渡された物を信用するので?」
「ふん、ご丁寧に、翻訳を手がけたのは『ガーゲット機関』だと表記されてるだろう」
史実でも占領期日本において活躍したこと自体はわかっているガーゲット大佐をリーダーとする情報部隊、ガーゲット機関。
そのガーゲット機関の人間によって翻訳された10ページと追加書類。
「……貴様、以前からこの書類を見つけていたな? この書類には北極星の文字は何処にも無い。にもかかわらず
見つけたと言う事は、関係者から何かしらの話を聞いていたハズだ。……そして黙っていて、今このタイミングで。何が目的だ?」
「……ある人物たちの助命ですかな。説得するので何も知らなかったことにして頂きたい。それくらいです。後は世界平和」
「…………なに?」
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―― 1951年7月、イスタンブール会議にて、休戦協定締結 ――
米ソの頂上決戦はここに一時的とはいえ、終結した。
WW2だけで、世界総数軍民併せて2億5千万人の死者をだし、1年と満たない継続大戦では1200万人が死亡。
経済損失はもとより負傷者、傷病者やこの後の食糧問題による餓死者などを推定すればどれだけの人が……。
―― 同年同月、占領下大日本帝国、松代大本営建設跡地にて ――
「一世一代のギャンブルに勝ちました……」 「ふぅ……もう二度と御免です」
「全く同意見」
その場に集まるのは夢幻会の会合の面々。
「それにしても、よくあんな資料がありましたね」 「カナリア諸島の地質情報。アレを見つけた時にいけると思いました」
夢幻会が仕掛けたのは単純明快。
「北極星作戦に当時の日本軍が関与した事は事実。しかし詳細不明。よくよく調べてみると、単に特殊作戦機を処分
したいがために、機体を適当なフィンランド軍の作戦に提供したと言うだけ。
そこで思ったわけです。これに特別な役割、意義、任務を勝手に生やしてしまえば良いんじゃ無いか? と」
生やしたのは次のような事柄。
『モスクワ、ロンドン、ワシントンDCへの核攻撃は現在の日本には不可能。しかし、ロンドン、ワシントンDC
そして、ニューヨークへの大規模攻撃は可能』
『「廃滅作戦」。符牒は「衝」。スペイン領、カナリア諸島の火山に原子核反応兵器を運び込み、山体崩壊を強制的に発生させる』
『津波による大西洋地域壊滅』
「カナリア諸島の地質情報の紙切れがあったので、より詳細、かつ科学的な分析を行った書類は焼却されたが、これだけは
残っていた。現地調査した記録であると言う風にでっち上げました」
そして、それらしく見せるために、ペルシャにて工作を行った。
「復員省が復員のため連絡、協議のために各地に人を走らせている。その中に廃滅作戦を今こそ実行しようとする
頭パーが数人紛れている。ソ連に廃滅作戦やその他情報も漏れている。
頭パーをこちらでなんとかするから米軍による処分は遠慮願いたい」
「ペルシャの特務師団は可哀想な作戦でした。そのシナリオをそれらしくするために無茶を押しつけてしまった」
だが、これでこの戦争は終わる。馬鹿げた大戦が。
イタリアから得られた地質論文なども参照したという書類をでっち上げ、憂鬱なあの世界での体験を元に
シュミレーションと称する文章を書き、何が起こるか、何が起きたかを書き記したあれはまさに黙示録の内容だった
といえるだろう。そして、それを知ったアメリカ政府および米軍高官たちが何を思ったか。それはわからない。
「ひょっとしたら、すべてが終わったと、WW2が終わった直後に我々が憑依転生(?)したのはこの継続大戦で
この国を救うためだったかもしれませんね。ひょっとしたらもっと大量の死者が、下手すれば日本本土で戦いに」
「仮にそうであって、神様か悪魔かは知らんけど、それが目的ならせめてWW2が始まる前に転生させてくれないかな
それならもっと何か手があっただろうに……」
だが、過ぎたことは仕方ない。
「……この日本は史実に比べれば国力に満ちています。かつての我々の作り上げた日本とは色々と不自由で
まだまだ問題も多すぎますが……史実に比べれば恵まれた条件がいくつかある。
……本土決戦が行われた九州や半島で被爆した少年兵たちの帰還など色々と頭が痛くなりますが……皆さん
これから大忙しになりますよ!」
その言葉とともに……夢幻会は終わった戦争の事など忘れて、これからの話し合いに移る。
(そういえば……結局北極星も日本側が提供した特殊作戦機も何だったのだろう?)
-
―― 同年同月、フィンランドにて ――
カタイヤイネンは床下に隠した小さなスペースから1枚の羊皮紙を取り出す。
「『人類の宝』。フィンランドの『未来』」
この1枚の羊皮紙は証拠だ。自分が運んだものがなんであったかの。
ロマノフ王朝の遺産だの宝だのそう言うとたいていの人間は『黄金』を思い浮かべる。
だが、そんなモノはロマノフが抱える本当の人類の宝とは比べものにならない。
「いつの日か……きっと」
始まりは、ビサンツ帝国の皇女がロシアの帝室に嫁入りしたあの瞬間。スラブの王如きが
偉大な帝国の皇帝を名乗るようになったきっかけ。
そして、それから幾たびの年月が過ぎ去り、ロシア革命の混乱。そこからある物が運び出された。
ビサンツ帝国の皇女がロシアの大地にもたらした…………『失われた数多くの古書』。
「我がフィンランドは人類の宝を、共産主義者から、凶悪なスラブの蛮族より、守り抜いた……そんな栄光を子孫に!!」
フィンランド軍はWW2の後期より気がついた。もう無理だと。だからいくつかの機密文書を処分するのでは無く
遠くに封印することにした。そして、その際、この人類の宝ももって行くことにした。ロシア人に渡さないため。
そして、遠い未来で子孫たちにフィンランドは決して屈する事無かったのだと言う証拠として。
地図に残さぬために、適当な森の上を飛行し、わざと墜落させる。後は雪と泥が墜落させた輸送機を覆い隠す。
いつの日か、そのときに見つかるように。
……ロンドンを核攻撃出来ないか、実証実験にきていた日本軍が、その事実を隠蔽するために、そして核攻撃用に
色々と手を加えた輸送機の技術を何処にも漏らさないために、フィンランド軍に提供してくれたのはありがたかった。
「いつの日か、きっと、すべてが明らかになって、祖国フィンランドに栄光をもたらす!
私は、最後の最後に……祖国の未来を救った。そうでしょう、神よ!」
羊皮紙には聖書の一節が書かれてあった。
詩編37章6節『あなたの正しさを光のように、あなたのための裁きを、真昼の光のように輝かせてくださる。』
終わり。
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>>966
唐入りが中途半端に成功した世界がこれからどのように展開するかどんな近代になるのか楽しみでしたのでできれば凍結せず続けてほしいですね。
しかし豊臣家に夢幻会が転生して色々と動いていると思っていたんですがこの世界では夢幻会は居ないんですか?
そして伊達家に転生した夢幻会と前世記憶と能力持ちで転生した伊達政宗とかこれまた面白そうなルートですね。
前世持ちの政宗と夢幻会がいるから伊達家の中央集権体制が政宗の代で構築成功するでしょうな。
前に伊達家についての議論と考察がありましたが会津とか諸々を伊達家が領有すれば前田家を抜いて石高最大の大名に伊達家がなるんですよな。
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次スレ:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/9191/1638984992/l50
と言うわけで、終わりです。次回は今度の土曜日辺りに公開できそうな
設定資料出して、一連のお話は終了とさせていただきます
元を正せばなろう、ハーメルンでの連載目指して作ってるのにいっこうに始まらない本作を半分供養しようと
夢幻会を突っ込んだのが本作ですが……一応夢幻会の無いバージョンの戦後世界についてちょっとだけ
夢幻会無しバージョン
ルートX:21世紀最後の反共軍国主義、日本皇国。反共がかかわると狂犬になる
ルートY:鎖国主義貿易立国。貿易はしまくるが人の往来や世界情勢への関わりに史実以上に関与しなくなり
地域大国としての存在感さえ、極端に薄くなってしまう。
夢幻会を突っ込んだバージョン(厳密には継続大戦直前)
ルートX’:西側最大クラスの軍事大国。ただし、統帥大権は米軍の共同管理下の元にある。
ルートY’:比較的史実に近い。が、湾岸戦争などPKF参加が多く、かつ台湾や樺太を事実上領有している。
あくまでも構想です。ルートが2つに割れているのは作者も迷ってる感じだから。もう少し詳細は土曜日に
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乙です
これにて世界大戦は正式に終了…って感じですかね?
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乙です
どちらのルートになるかwktkして待ってます
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乙。これからも”小競り合い”と名の血みどろは頻発不可避ですね。
米英ともにカナリア諸島を常にガン見しないといけなくなるな
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現在、日本陸軍が最後に制式採用した四式チトを思案中だが魔改装し過ぎて自分で笑っている件
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>>993
こっちも試製四式を完成させないと……。
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>>990-992
つ『休戦協定』 『 「休 戦」 協定 』
国際法上はソ連崩壊直後のアメリカの『勝利宣言』、慌ててロシアが出した『終結宣言』とロシアの戦争終結宣言を受諾したと
英仏が連名で出した受諾認定で終わりとなります。一応ソ連崩壊は以前出した年表通り
2001年、9.11なので……事実上半世紀(20世紀からそれも21世紀にかけて)にわたり継続大戦は
国際法上続いていたって事に……。
なお、実際には人が死にすぎたせいで、米ソの代理戦争や小競り合いは3回ほどな模様。
(しかも2回は米ソが巻き込まれた構図)
1回目:十数年後に釜山に押し込まれた韓国が暴発しての北進、日本参戦からの日中衝突の『日本海継続戦争』
2回目:ベトナム戦争
3回目:ブラックボックス(後付け用に決めてない)
一応、1回目の日本海継続戦争に関してはルートXY、そしてXY’でも必ず発生する想定ですかね
そして、カナリア諸島は、夢幻会の介入による結果ですな。何故か非武装地帯として国際認定されて常に見張られてる構図に
元がなろうハーメルン連載用に作ってた本作とは言え、夢幻会を突っ込んだ以上、夢幻会がいるからこその終わりにしたくて
こうなりました。
一応、当初の構想では、80年代初頭まで全世界的に死にすぎたせいで部分的にでも統制経済がデフォルトとなっています。
その上で
ルートX:統制経済終了後、爆発したように一気に経済成長が世界的に発生、同時に大軍縮が進むが、日本だけは軍縮をせず
軍事優先傾向を解かず。
ルートY:流れに乗って統制の完全解除。その代わり日本列島ハリネズミ化計画始動。軍縮はする。
だが、いざって時は国民全員民兵路線。鎖国主義貿易立国という矛盾した体制はその結果による物。
国内優先が過ぎて、海外に対するプレゼンスが消滅。
ルートX’:米軍「あれだけ暴れた上に『廃滅作戦』とやらを勝手に実行しようとする軍人が出るような国は御免だけど心からは信用も信頼も
無理なの。せめて指揮権をこちらが掌握しなきゃ……」
日本「別にええけど、それはそれとして軍国主義路線は継続するぞ」
ルートY’:夢幻会「なんとか、軟着陸させたぞ。なんで史実以上に国民も外人も全員軍国主義の脳筋揃いなんですかねぇ……
平成の平和の時代がやっと……」
樺太と台湾の領有は夢幻会が戦後の独立回復交渉によるもの。樺太と言うが厳密には南樺太の事。
何しろWW1から半年後くらいに継続大戦ですから、米中関係すっごく悪い
だいたいこんなイメージ
奇妙な話ですが、死にすぎたのと80年代初頭まで各国ほぼ度合いにばらつきがある物の統制経済を取っていたため
紛争が極端に少ない世界だったりします。その代わり個人の脳筋度はどの国も高く、銃社会な国が多かったりしますが
人が死にすぎた&統制経済が長く続いた影響で戦争が出来るだけの余力が無い感じで30年くらい続いて
自由経済の恩恵で皆ハッピーになって、戦争が結果的に抑制みたいなニュアンス。なお個人のいらつきは引き金で解決する模様
詳細は土曜の設定開示の時に! ……来年の夏こそなろうハーメルンで連載できたらいいなぁ……
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戦後は国家はともかく、民間規模や中小国だと引き金の軽そうな世界になってそうですねぇ。
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あまりにも死に過ぎたせいでキチガイ平和原理主義みたいな
のが発生しそうだな
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命を大切にしない奴はぶっ殺してやる!的な平和主義かw
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孤立大陸とは言わないが陸軍世界以上に死んでそうだなその世界
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