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架空戦記系ネタの書き込み その127
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「やはり、あちらさん、せこい手で来るか……」
海図におかれるのは、イギリス艦隊を表すコマ。
ソ連への全面攻勢により、ソ連を戦争から離脱させることを目的とした『赤い夏作戦』。
しかしこれほど大規模な攻勢作戦だと、準備段階で感づかれる。当然大連合の米軍、協商の英仏軍。それぞれが
ソ連救援を目的とした作戦を実施するのは目に見えていた。それ故の補助作戦。
それがN号だ。米英に対する攻勢作戦。地中海方面ではフランス領北アフリカの全面占領を目的としたイタリアへの支援。
太平洋方面でも攻勢が始まっている現在。イギリス艦隊の出方が重要だった。
「ドイツ軍と第2艦隊(大西洋遣欧艦隊)の奴ら足止めに失敗したのか?」 「いえ、元々ジブラルタルにこもってる奴らですよ」
フェリックス作戦(ジブラルタル占領)。N号の一環としてそれの支援も行うようにと言われている遣欧第1艦隊(地中海艦隊)。戦時量産空母2隻に2隻の
重巡洋艦、そして無数の駆逐艦からなる遣欧第1艦隊に対してすさまじい仕事量だ。それでもそれを求めらている。
「敵はインコンパラブル。天山でたたきつぶしてやれ」
敵は世界最大の巡洋戦艦。こちらに戦艦なし、十分な砲戦能力はたった2隻の重巡洋艦。相手にとって不足なし。
相手がもっと早くて出てくれていれば、艦爆もこいつをたたきつぶすために出撃しただろうが、このタイミング、図られたか、それとも偶然か。
敵のジブラルタル艦隊は、事前情報だとインコンパラブル、リヴァプール(グロスター級巡洋艦)、そしてC級駆逐艦が15隻。
帝国海軍が誇る天山。所詮戦時量産空母にすぎない不知火は40機しか航空機を搭載できない。
故に、艦爆20機、天山20機を配備された不知火と、全機戦闘機で固めた、烏帽子(G18-05)に分かれた。
本当は艦爆は陸上から出発させ、空いたスペースに色々とやりたかったが、イギリス艦隊が出てくるのか出てこないのか。出てきたときに
地中海までなかなかやってこない最新鋭の雷撃機の代わりに艦爆を使いたいと言うわけでこんな中途半端な事をする羽目になった。
「閣下。イタリア艦隊より、参戦すると言う連絡が……」 「当たり前だ! 外務省あたりは無傷で帰っていただきたいとかほざいてるが」
元をたどれば連中の作戦だ。少なくとも地中海においては。
かつて、ドイツイタリアのアフリカ軍団がスエズ運河を占領した際、日本側も枢軸三大盟主国で足並みをそろえるべく、遣欧艦隊を設立した。
こうして、スエズを通って、遣欧第1艦隊(地中海)と、遣欧第2艦隊(大西洋)がやってきたのはもう昔のこと。
イギリス軍による決死のマーケット・ガーデン作戦により、マンデブ海峡が封鎖され、サウジアラビアが参戦。
解囲しようにもただでさえ広大なインド洋各地で戦う帝国陸海軍は攻勢限界に達し、紅海連絡線の途絶によって遣欧第1艦隊は
事実上帰れなくなったのだ。
「仕方ないとは言え、イタリアのパシリで終わるつもりはないぞ! もちろん外務省のパシリにもならん!!」
憤然と叫ぶ少将の姿に『その通りです』と次々ヤジが飛ぶ。帰れなくなった彼らは空路で運ばれる補給の航空機部品など以外の
すべてをイタリアに依存する羽目になった。すなわち水食料、燃料に一部武器弾薬。
戦時量産空母、親不知と烏帽子。最上型重巡洋艦、熊野と鈴谷。
松型駆逐艦が8隻、桑、桐、杉、楢、八重桜、梓、藤、榊
そして、この有力な艦隊をイタリアがお客様扱いするハズもなく、まもなく彼らはイタリアのパシリとしてここ数年使われ続ける事になる。
実を言えば、松型駆逐艦の桑に関してはとっくに海の底にあり、今のは二代目、フランスから鹵獲したル・ファンタスク級ローダシューだったりする。
彼らは血を流し続けたのだ。イタリアのために。戦友としてのイタリア人には強い同胞感情を抱いてもそうではないものには抱けない。
「イタリア艦隊に戦艦は?」 「いました! リトリヲ級混じってます!」
「クソが! 疫病神か!」
ヴィットリオ・ヴェネト級(リトリヲ)は日本の外務省より『無傷で戦勝を得て、イタリアの軍港に凱旋して欲しい』などという注文を受けている。
つまり、疫病神だ。
「リトリヲ以外でまともな戦艦は?」
帰ってこない答え。それがすべてを表している。
「よい。我らの天山と、熊野、鈴谷だけでやる。相手にとって不足なしだ」
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