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架空戦記系ネタの書き込み その127

979名無しさん:2021/12/09(木) 02:23:23 HOST:167017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp
「――撤退を宣言したはずの我が海軍が動けと? 馬鹿な事を」
軍令部総長の憤然とした言葉。海軍大臣もまた余りいい顔をしていない。尤も――――

「――内務大臣はいかに思いますか?」
五相、内務省大臣。内務省武装警備隊という独自の戦力を保持する内務省だが、あくまでもそれは国内での
武装暴動鎮圧を目的としてるもの。
つまり、戦時統制を司っている以外で、内務省が今回の話し合いで、外務省が声をかける意味は無い。
にもかかわらず、珍しく外務省は内務省にまで手を伸ばしたのか。それとも何かあるのかとその場の空気が動く。

最終的に、動くことは決定された。


 その日、リットリオ空港すぐ横のテレベ川に二式大艇が次々と降り立った。
空港近くの滑走路が使えなかった事が原因だ。
空港の滑走路にも2機の二式大艇が降り立つ。

全部で11機。未だ、空の上に待機するように飛んでいる機体がいくつかある中、二式大艇の来訪理由を知ってる
幾人かの人間たちは二つに割れた。
いけ好かない黄禍の手を借りて本当に生き延びることが出来るのか、信頼できないと言う輩たちと
必死に自分、或いはせめて家族だけでもあの命の座席に入れようと必死になるもの。

もはや、誰もがイタリアの崩壊を避けられない現実とみていた。溺れる者は藁をもつかむ。
だが、だからといって、日本人を信用するかは別の話。
11機の二式大艇、燃料タンク以外、削れる所を削って15人の乗員を搭載出来るようにした亡命者専用機。
全部で165人。尤も日本側はこっそりとフィアット社のマザーマシンをどうにか持って行けないかと暗躍しており
実際の命の座席は150人ぐらいだろう。
こっそりと、だが、確実に色々な紙束が機体に乗せられていく。
その中に、様々な学術書や論文、行政文書が載せられていくのを誰もとがめない。そんな人間もうどこにもいない。




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