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緊急投下用スレ
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作品投下のルールは本スレと変わりありません
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ローゼンアドベンチャー 続き
「きゃぁッ!」
「スイセイセキ!」
翠星石が、木の根っこにつまづいてまった。つられてプカモンも止まったようだ。
瞬時に助けおこそうとするが、それをあざ笑うかのように緑色の影が上空に現れる。
「スナイモンが!」
絶体絶命とかいうヤツ。どう見たって話して分かってくれるはずもないだろうし、
口が聞けたって交渉が聞けるんだったら最初っから襲いかからないはずなのだわ。
すぐに翠星石も立ち上がったけど、スナイモンは空から狙うのを止め、こちらに急降下してきている。
ま、ままままだあわてるような時間じゃじゃじゃじゃじゃないのだわわわわ……
「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「これでも喰らえっ!!」
ああ、私達、もうあのヘンテコな真空刃の餌食になったのだわ……え? これでもくらえ?
「な、何ですかあれ?」
翠星石が指した方向を見ると、一瞬何かの人形のようなものが見えた。
あれが何なのかは分からないけど、何故だかもわかんないけど、スナイモンの動きが停止する。
「あ、今のを追ってくよ」
チビモンが言った通りに、スナイモンは何かが飛んでいった方向に消えていった。
……本当に何がなんだわかんないけど、とにかく助かったのだわ。
「もう大丈夫だと思うよ、みんな」
「な、ボクの言った通りだったのだ」
「うん。ありがとう、モチモン」
人形の飛んできた方向から……やはりとは思ったが、蒼星石とデジモンが出てくる。
「蒼星石! 良かった、無事だったんですね!」
「うん。モチモンのおかげだよ」
「いやぁ……、照れるのだ」
[モチモン/幼年期/---]
≪モチのように伸び縮みする体を持つ、レッサー型デジモンだ! ≫
≪必殺技は伸び縮みするアワで敵を気を取らせ、そのスキに逃げる、「伸縮性のアワ」! ≫
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「モチモン? それが、そいつの名前ですか」
「うん。ここに来たら、すぐ傍にいてね。悪い子じゃないと思うけど……そっちの子達も」
それにしても、彼女だって出会って間もないはずなのに……なんか、かなり打ち解けてるような。
これも経験の差ってものかしら。何の経験かは知らないけど。
「今、とんでった奴は何?」
「太い枝に、モチモンが言うにはウィルス種の臭いがする草をまきつけて人型にしたものだよ。
何だかわからないけど、あのカマキリはウィルス種っていうのを狙う習性らしいから、こうすれば気をひけるかなって」
ちょっと、そんな便利な草があるなんて私達は聞いてないわよ。
ジト目で二匹を睨みつけたら、ほぼ同時にあさっての方向を向いて口笛を吹きだした。
「何だか釈然としねえですぅ……むごっ!?」
「うゅー!」
突如、翠星石が何かに体当りされたように吹っ飛んだ……が、直後に『二人分』の声が聞こえたことからして、
さっきのデジモンの仲間ってわけじゃない。
「な……何かと思ったらおばか苺ですか! いきなり突撃しやがって、何のつもりですぅ!?」
「あうー、ちょっとはしゃぎすぎちゃったの」
さすが年少組の中でも特に子供っぽい雛苺。この状況でよくはしゃげるわね。
「どうした? ヒナイチゴ」
「あ、チョコモン! あのねー、走ってたら翠星石とぶつかっちゃったのよー……」
[チョコモン/幼年期/---]
≪ふわふわと飛ぶことができるレッサー型デジモン。 ≫
≪必殺技は、氷の泡で相手の動きを止める「アイスボブル」!≫
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「うむ……走るなら前を向いていないとダメだろう。 ここは謝った方がいい」
「ん……翠星石ー、ごめんなさいなの」
ああ、私は今不思議なものを見ているのだわ。自分よりも小さい、しかも出会ったばかりの生き物に諭される少女……
いや、これは大きさなんて関係ないのかも。動物みたいに、小さくても老成の人……かもしれないし。
「どうせちびにもデジモンってヤツがついてると思いましたが、こいつなら安心ですね」
「巴みたいに、保護者役をしてくれるかもしれないから?」
「そーゆーことです」
何だか翠星石は満足そうである。あえて言わないけど、多分あなたにだって、止める役目の人が必要よ。
蒼星石からいるから今は安心だけど。
「この様子なら、七人全員いそうね。後いないのは……」
「ばぁぁぁぁぁぁ!!!!」
!!!!……………
……………………
…………心臓が止まるかと思ったのだわ……
「あらぁ、プチメラモン。おいたしちゃダメじゃない」
「深刻そうな顔してたから元気づけてやろうかと思ってさ、ニヒヒ」
[プチメラモン/幼年期/---]
≪デジコアと呼ばれる核を燃やしている、攻撃的な幼年期デジモンだ!≫
≪必殺技は口から小さな火炎弾を放つ、「ファイアーボール」! ≫
「水銀燈……あなたのとこの、なのね……」
「ええ。最初はビックリしたけど、中々可愛いわよぉ」
可愛いね……確かに私もそうとは思うけれど……性格に難ありじゃないのかしら。水銀燈みたいに。
「やいプチメラモン! シンクに何かしたら許さないぞ!」
「何だよぉ、ちょっと驚かせてみただけじゃねぇか。そんなカッカしなさんなよ、な、姐さん」
「そうねぇ。でもあんまりからかっちゃだめよぉ。あの子はそういうのに乗りやすいから……
きっと、この子もね」
チビモンはぶすっとした顔で私の足元に戻ってきた。
「あいつ、何だかソリあわないんだよ。いっつもちょっかい出してきて」
もしかしたら、この子達は私達の分身かなんかじゃないのかしら。
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「あと誰がいないのー?」
「えーっと……確か金糸雀と……」
「私はここ……」
またまた心臓が止まるかと思ったのだわ。何で木から落ちてくるのよ。何で人間もデジモンも私を驚かせたがるのよ。
「びびび、びっくりさせるんじゃねーですぅ!」
「登場、凝ってみた……」
「凝らなくていいってば……」
降りてきた薔薇水晶は、ざわめく周囲に『何がおこったの?』といった顔で頭にハテナマークを浮かべている。
トラブルメーカーの自覚がない者ほど、恐ろしい者はないというのが私の持論なのだわ。
「負けた……」
「……気を落とすことないわぁ……あの子を超えられる方がおかしいのよぉ……」
「あのぉー、どうなったのー?」
「分からないけど……皆驚いてるみたい、ピョコモン……」
[ピョコモン/幼年期/---]
≪頭に花が咲いた、行動的な球根型デジモン! ≫
≪必殺技は花びらの形をしたシャボン玉を飛ばす「シャボンフラワー」!≫
「分からないって! あんたが落ちてきたからですよぉー!」
「そうなの?」
「ピョコモン、お前状況わかってるのだ?」
「ううん、全然」
薔薇水晶とピョコモンは暫く見つめあったが、やがて何かを納得したようにうんうんと頷いた。
「とりあえず……ごめんね」
「ごめんなさーい」
今度は思わずずっこけそうになる。ズレてる、何かの感覚がズレてるわ……
「しょーじきに謝ったから許してあげるのよー!」
「何であなたが許すのよ」
さて、残るは一人……と恐らく一匹。この様子なら、探さずとも向こうから来るだろう。
「み〜〜ん〜〜なぁ〜〜!」
「やっと最後が来たわねぇ」
オーダーメイドとか言っていた傘を振り回しながら来るのは金糸雀だ。横には、ヘルメットをつけた、
猫みたいな……デジモンがついてきている。
「もう、カプリモンがもっとここの地理に詳しければすぐ会えたのにぃ!
何で分からないのかしらー!?」
「私はちゃんと説明しましたけど……カナリアさんが、こっちの方から声が聞こえたとか、
地理的にこっちの方にいるに決まってるって……」
[カプリモン/幼年期/---]
≪金属のヘルメットをかぶり、超音波を操るレッサー型のデジモンだ! ≫
≪必殺技は得意の超音波で相手の聴覚を惑わす、「ハウリングヘルツ」!≫
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「…………み、みんな揃ってるみたいなのかしら! よかったよかった」
「……とにかく、これで全員よね?」
「うぃー?」
「知り合いは、ね。他に関係ない人とかがいるのかもしれないけど……」
「プカモン、もうあんた達の仲間はいないですよね?」
「あぁ、一緒にここで生活してたのはこの七匹だよ」
ということは、もう誰か新キャラが現れるとかはないってことよね。
さっきから次から次へと出てくるもんで驚きっぱなしだったけど、今こそしっかりしなくては。
「それじゃあ、まずは……」
「自己紹介!」
「は?」
「じこしょーかいするのー!」
「私は真紅よ」
「翠星石ですぅ」
「蒼星石だよ」
「雛苺なの」
「水銀燈よぉ」
「金糸雀かしらー」
「薔薇水晶……だよ」
「オレ、チビモン!」
「プカモンだよっ」
「モチモンなのだ」
「チョコモンだ」
「プチメラモンだぜ」
「カプリモンです」
「ピョコモンだよぉー」
「みんなよろしくぅー!」
雛苺一人だけがテンションが高い。やっぱり私もさっさと適応するべきなのかしら。
「……ところでさっきからずっと気になっていたのだけど、ここは一体どこなの? 地球じゃないの?」
「チキュー? なにそれ?」
「ここは『デジモンワールド』。そして今、ボク達がいる島は、『ファイル島』と呼ばれているのだ」
地球じゃない、か。今のチビモンの地球のアクセントにしても、聞いたことすらない様子だ。
信じられないけど、ここは私達がいた世界とは別の世界なのだろう。
「ってことは、私達って異世界に呼ばれた勇者かしら!?」
「勇者ねぇ……そういえばみんな、僕達って何のために呼ばれたんだい?」
そういや肝心なことを聞くのを忘れていたのだわ。
「何のためー……ボク、わからないのだ」
「オレもわかんない。何かのために真紅達を待ってたことだけは分かってるんだけど」
それじゃあ答えてなってないじゃない……呼ぶなら呼ぶで、目的ぐらい伝えなさいよね。
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「分かったですぅー! 私たちの目的!」
「マジで?」
天恵を得たかのように翠星石が叫んだ。
「脱出ですぅ! サバイバルですぅ! 何とかしてここから脱出するんですぅ!」
「えー! 帰っちゃうのー!?」
「当然ですぅ! 私達の都合を無視していきなり変なジャングルに呼び寄せるヤツなんて、
ロクなやつじゃねーに決まってるですよ!」
確かに、一理あるかもしれない。……でも、それにしたって一体どうやって?
「山……そうだな、あの高い山に登ってみるのはどうかな」
「そうねぇ。あそこからだったらこの島がどうなってるか分かるかもしれないわ」
「でもよ、あの山はおっかないぜぇ?」
「獰猛なデジモン達がいっぱいいるって、もっぱらの噂なんですよ」
「えぇぇ〜! じゃあ一体どうしろってんですかぁ!」
「ま、当面の目的は決まったことだしこれでいいんじゃないかしら。
ひょっとしたら、山を目指してる途中で何か、カギが掴めるかもしれないのだわ」
上手くいけばいいのだけれど、と心の中で付けたす。
……それにしても高い山ね。登るだけで一苦労しそう……あら? ……何か、飛んでくる……
……あれは、さっきのスナイモン!
「な、何よぉあれぇー!」
「さ、さささっき私達を襲ってきたヤツですぅ!」
「あのままあの人形に構ってればよかったのにぃっ!」
例の真空刃が放たれ、先ほどのように大木が倒れる。
脱兎のごとく逃げ出すけれど、あっという間に回りこまれてしまった。
「あのカマキリ……怒ってるみたいなのかしらー!」
「そのようね……さっきは私達の足でも距離を取れたっていうのに……」
この調子じゃ、反対側に逃げ出しても同じだろう。一体、どうすれば……
「戦うしかないよ!」
チビモンが腕を構え、スナイモンの前に飛びでる
「その通りだ」
「やるしかないですね」
他のデジモン達もチビモンに続いた。
勝てる? ……いや、そんなはずない……どう見たって、体格が違いすぎる……
きっとこの子達自信の戦う力だってそんなにないはず……
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「ちょっと、やめなさい! チビモン!」
「カプリモン、早く逃げるのかしらー!」
「あんなおっきいの……やられちゃうのよ!」
それでもデジモン達は止まらない。
「ファイアーボールッ!」
「ホップアターック!」
「ハウリングヘルツ!」
「アイスボブル!」
火の玉や超音波、色とりどりの泡がスナイモンを襲う。が、まるで効いていないようだ。
「わぁっ!」
「ぐぇっ!」
「ぎゃんっ!」
スナイモンが両腕の鎌を振る。接近していたチビモン達が吹っ飛ばされ、距離をとっていた
デジモン達も真空刃の衝撃波で吹っ飛ばされた。
「チビモン!」
「だ、だからいったですよ!」
私はすぐさまチビモンの元に駆け寄った。今はここがどこだとかデジモンが何かとか、考えている場合じゃない。
他の皆もそれぞれのデジモンの元へ駆け寄り、傷ついた彼らを抱き起こしている。
「何で……こんなムチャを……モチモン!」
「……勝機なら……まだ、あるのだ……!」
「そうだい……オレ達はまだ戦える……!」
「馬鹿言わないで! そんな体であんなヤツと戦うなんて、無謀よぉ!」
何で、この子達は恐れないのよ……
「ここで……負けたら……金糸雀さん達まで、やられてしまいます……」
「でも! これ以上やったら、あなた達が死んでしまうわ!」
へっ、と小さく笑ったと思うと、チビモンが私の腕をすり抜ける。
「確かにそうかもしれない……でも、オレは……ずっと……ずっと真紅を待っていたんだ……」
「今、ここで私が斃れるより……」
「真紅が」
「水銀燈が」
「翠星石が」
「蒼星石が」
「雛苺が」
「金糸雀が」
「薔薇水晶が」
「「「「「「「やられちゃう方が、絶対にイヤだッ!」」」」」」」
デジモン達が、皆の腕をすり抜けスナイモンに立ち向っていく。
たったの一撃で、既に傷だらけでふらついている彼らに、容赦なく振り下ろされようとする鎌。
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「チビモン!!」
「プチメラモン!!」
「プカモン!!」
「モチモン!!」
「チョコモン!!」
「カプリモン!!」
「ピョコモン!!」
何かが輝いた。刹那、私の腰から橙色の光線が放たれる。
そして、それは彼らを包み……
「チビモン進化───!!
────ブイモン!!!」
「プチメラモン進化───!!
────ピコデビモン!!!」
「プカモン進化───!!
────ベタモン!!!」
「モチモン進化───!!
────オタマモン!!!」
「チョコモン進化───!!
────ロップモン!!!」
「カプリモン進化───!!
────サンダモン!!!」
「ピョコモン進化───!!
────フローラモン!!!」
彼らを包んでいた光が消えると、そこには彼らの姿はなく……いや、違う。
「変身……した……」
「うっそぉ……」
「……すごいのー……」
「これなら、アイツにだって勝てる……行くぜ、みんな!」
「「「「「「応ッ!」」」」」」
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[ブイモン/成長期/ワクチン]
≪やんちゃで好奇心旺盛な小竜型デジモン! ≫
≪必殺技は、木だって簡単になぎ倒す強力な頭突き「ブイモンヘッド」だ!≫
[ピコデビモン/成長期/ウィルス]
≪ワル知恵がよくはたらくコウモリのようなデジモンだ! ≫
≪必殺技は、巨大な注射器を相手に投げつける「ピコダーツ」だ!≫
[ベタモン/成長期/データ]
≪両生類型の、温厚で大人しいデジモン、しかし怒ると手がつけられなくなる!≫
≪必殺技は100万ボルトの電撃を放つ「電撃ビリリン」だ! ≫
[オタマモン/成長期/ウィルス]
≪水中でも陸上でも生活が出来る両生類型のデジモン! ≫
≪必殺技は強力な眠気に誘う泡、「ララバイバブル」だ! ≫
[ロップモン/成長期/データ]
≪三本のツノと大きな耳が特徴的な、氷の力を持つ獣型デジモン!≫
≪必殺技は口から冷気弾を放つ「ブレイジングアイス」だ! ≫
[サンダモン/成長期/ワクチン]
≪サンダーボールモンの亜種ともされる、丸くて小さな突然変異型デジモン!≫
≪必殺技は両手から雷の玉を放つ、「サンダーシュート」だ! ≫
[フローラモン/成長期/データ]
≪花びらのヘルメットで身を守る、植物型だが爬虫類型の特性ももつ珍しいデジモンだ!≫
≪必殺技はアレルギー性の花粉で相手を混乱に陥れる「アレルギーシャワー!」 ≫
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「電撃ビリリン!」
「サンダシュート!」
どこからか放たれた、電撃と光る球がスナイモンを直撃する。バランスを崩したのか、前のめりになる。
さっきは全く攻撃が効いていなかったのに……単純に考えて、姿が変わって強くなったということなのかしら……
体性を立て直したスナイモンは羽を動かす。空から攻撃するつもりか、それとも逃げるつもりだろうか。
「こっちだって飛べるんだぜっ! ピコダーツ!」
「逃がしはしない……ブレイジングアイス!」
スナイモンが空中に行くより早く、注射器が羽を射ぬきさらに氷の息で羽が凍らされ、最早飛べそうもない状態になる。
それでもなお、というよりはそれで更に闘志に火がついたか、攻撃する手を緩めようとはしない。
「まだまだぁ!」
「もう効きません!」
あの真空刃が連続で放たれる。しかし、大した傷を受けた様子もなく、余裕の表情で立ち上がる。
あんなに大ダメージを受けていたというのに。
……やはり、『変わった』のだわ…………
「動きを止めてやるのだ! フローラモン!」
「え、あ、はいぃ〜」
フローラモンと呼ばれた、声から恐らく薔薇水晶といたと思われるデジモンがスナイモンの下をくぐって背後に回る。
「ごめんなさーい……アレルギーシャワー!」
「ララバイバブル!」
緑色の花粉のような霧と、青色の大量の泡がスナイモンを襲う。
攻撃の腕が止まったかと思うと、立ちくらみを起こしたかのようにふらふらしだした。
「とどめだっ! ブイモンヘッドォ!!」
チビモン……いや、ブイモンが勢いよく足を蹴り、頭からスナイモンの腹に突撃した。
呆然と見守ることしか出来なかった私達が我にかえったのは、スナイモンの巨体が茂みの向こうへと飛んでいくのを見届けた後だった。
「すごーい! すごいのよ、えーっと……ロップモン!」
「信じられない……夢でも……見てるみたい」
「たたた、助かったかしらぁ……」
ブイモンがこっちに振り向いた。姿は変わってしまっているけれど、私にはなんとなくあのチビモンだってことが分かる。
……この子達が味方で、信用していい存在だってことも、十分に。
「ブイモン……ありがとう、助かったわ」
「真紅!」
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「ところであいつは死んだんですか?」
「あれっくらいで死ぬような奴じゃないよ。でも、暫くは追っちゃ来ないはずだよっ!」
「……これから……どうするんだっけ……」
「さっきあの高い山を目指そうって言ったでしょ……」
「それじゃ、みんな……準備はいいわよね」
全員を見渡す。返事を聞かずとも、この危険だけど、何だかワクワクする冒険を始まる覚悟は出来ているのが分かる。
ブイモンに目で合図する。そして再び向き直り……
「「それじゃ……出発ー!!」」
「「「「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」」」」
「……うゅ…………?」
「どうした? 雛苺」
「……ううん、何でもないのよ……」
(今、鳥さんみたいな動物さんが見えたような……うゅー、気のせい……?)
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