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退魔戦士 有子

1名無しさん:2005/10/03(月) 22:26:24
*注意点
このスレは基本的に『退魔戦士 有子』を書き込むだけの
スレです。
感想等は感想スレにお願いします。
(本スレ投下後にコピペしていただくのは問題ありません)

7退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 22:31:23

触手は有子を貴裕の元へと連れてくる。
先ほどと同様に舌を差し出す貴裕。
美貌の退魔戦士は我が子の舌へ自らのそれを絡ませていく。
「入れて……たかひろぉ……ママのあそこに……お願い、入れてちょうだい」
実の息子に淫らにもおねだりをする母。

「くくくっ……これでもうママは僕のものだよ。さあ入れてあげるからね」
有子は拘束していた触手が解かれると、我が子に両手脚をからませていく。
貴裕が肉茎を挿入しようとしたまさにそのときであった。
先ほど地面に突き刺していた破邪の剣が突然、輝きはじめたのだ。

「なに!」
貴裕が驚く間もなく、剣から光球が打ち出され有子の身体を包み込む。
そして祐美が浄化されたと同じように、有子もまた邪淫の力より浄化されていく。

正気に戻った有子は間髪入れずに、破邪の剣を手元へと呼び寄せる。
「破邪の剣よ!この者と闇のモノとの因縁を断てェ!!斬!」
剣を打ち下ろす有子。

ぐわぁぁぁぁという叫びとともに苦しみだす貴裕。
「ぐはっ……さ、さすがママだね……時限呪法か…」
時限呪法とはいわばタイマーのようなものだ。
邪淫の力に支配されるであろうことを予測していた有子は前もって邪淫の浄化呪文を剣に
セットしておいたのだ。

「ふふ……でもこれで勝ったなんて思わないことだね。これくらいで、支配は断てない…
うっ…」
貴裕、いや貴裕を支配しているそいつは胸を押さえ苦しみだした。
「くっ……こんな……くそぉ!」

魔物が苦しむ姿を見て成功を確信する有子。
「ママ……ママ……」
間違いない、本当の貴裕の意識だ。魔物の支配が解けようとしている。
「貴裕!!貴裕!」

有子は懸命に我が子の名を叫ぶ。
「た…す…けて……ママ……」
「貴裕ォォォォォォォォ」
破邪の剣をたずさえ再度支配を断ち切るために向かっていく。

「破邪の剣よ、お願い!!貴裕を助けて!斬!!」
剣を打ち下ろそうとした瞬間、強烈な風圧を残して貴裕は中天高く舞い上がる。
「えっ!」
見ればなんと息子の背からまるで蝙蝠のような羽根が生えて、空を飛んでいるではないか。

「そ、そんな……」
「グフフ……永井有子だったな……なかなかやるじゃないの…しかし生憎完全には支配を
断てなかったようだね……まあ今日のところは見逃してやるよ。ふふふ、お前の子供の身
体は実に居心地がいいね。ありがたく頂いておくよ……じゃあ、またお逢いしましょう…
ふふふふ」

そいつは、笑い声を残し消えていった。

「貴裕ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
あとには……有子の悲痛な叫びが夜空に響くばかりだった。

8退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 22:34:08

          エピソード0  「貴裕の日記」

七月二十一日(木)

今日から小学校生活最後の夏休み。
とにかく、遊びに勉強にがんばろう。

一也のやつがやって来て、例の「幽霊屋敷」に探検に行こうと言ってきた。
ちょっと怖かったけど、行く約束をした。
ママに相談しないとって言ったら、一也のやつ「マザコン」なんて言うんだ。
だから、ママには内緒。一応、あさっての予定。
ママはその日はなにか遅くなるとかで、10時くらいまで帰ってこないみたいだから
その日にした。

七月二十二日(金)

いよいよ、明日。
一也と昼間にちょっと行ってみた。
今まで、遠くからしか見てなかったから気づかなかったけど、けっこう大きい。
でも、かなり古そうだった。洋館って言うんだそうだ。
入り口は表門の方が完全に閉められてるので入れそうになかったけど、塀に穴が
開いてたからそこから入れそう。
中の玄関のドアは確認してないから、開けれないかもしれない。
そのときはあきらめて帰ろうということになった。
ちょっとホッとした感じ。

七月二十三日(土)

行ってきた。
玄関のドアは鍵かかってなかったから、すんなり入れた。
たぶん、僕たち以外にも中に入った人たちがいて、壊されてたんだろうと
思う。
別にどうということはなかった。
これならおばあちゃんちの蔵のほうが怖いくらい。
強がってた一也のほうがビビって僕の後ろからついて来る。
二階に上がる階段の真ん中へんに、ちょっと怖そうな像が置いてあった。
じっと見てたら目が光ったような気がしたけど、たぶん気のせい。
二階の部屋をぐるぐる見てまわったけど、別になにもなかった。
まあ、こんなもんだと思う。

七月二十四日(日) 

今日はママがお休みだったので、一緒にプールに行ってきた。
僕が泳いでるあいだにママは男の人からナンパされてたみたい。
なんか、ちょっとうれしそうに話すママを見てたら少し腹がたってきた。
だから、帰るまであんまりママと話をしてやらなかった。
ママは“どうしたの?”って訊いたけど“別に”としか答えてやらなかった。

でも、ママはほんとにきれいだと思う。
スタイルもいいし……胸も大きいし……お尻も……
あれ?なに書いてんだろ?

七月二十五日(月)

今日夕方に祐美姉ェが涼ちゃん連れて、やってきた。
今日もママは遅くなるみたいなので、晩御飯の支度とかしにきてくれた。
祐美姉ェはママの妹で、僕の叔母さんになる。
ママに似てすごくきれいだ。でもママのほうがもっときれいだと思う。
涼ちゃんは、二ヶ月ほど前に生まれたばかりの赤ちゃん。
祐美姉ェの旦那さんは、涼ちゃんが生まれる少し前に死んじゃった。
だから、祐美姉ェもママと同じみぼうじんというのになったそうだ。

祐美姉ェが涼ちゃんに自分のおっぱいをあげているのを見てなんか
うらやましくなった。

9退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 22:34:59

七月二十六日(火)

なんか、身体がだるい。なにもする気がおきない。
今日はもう寝る。

七月二十七日(水)

今、ママがお風呂に入ってる。いっしょに入りたい。
でも、もう六年生だしはずかしい気がする。
いっしょに入りたいっていったらママは、なんていうだろう?
明日、いってみよう。

七月二十八日(木)

ママとお風呂に入った。
入りたいっていったら、ママはいいわよっていっていっしょに入ってくれた。
ママの胸はきれいだ。すごくきれいだ。
乳首の色も、肌の色との境目がわからないくらいに淡いピンク色だ。
僕が赤ちゃんのときは、ママのおっぱいの出が悪くて飲んでいないそうだ。
なんか、くやしい。
僕も涼ちゃんみたいに、ママのおっぱいを吸いたい。
だって、赤ちゃんのとき飲んでないんだから……
今飲んでもいいはずだよね。

夏休みの間だけ、これから毎日ママとお風呂に入る約束をした。
明日、おっぱいを吸わせてっていってみよう。

七月二十九日(金)

ママのおっぱいを吸わせてもらった。
最初はママもはずかしがってたけど、僕が泣きそうな顔をしたら
吸わせてくれた。
もちろん、お乳は出ないけど乳首を吸ってたら、すごく幸せな気分になった。
吸うだけじゃなくて、ちょっとだけさわった。
すごく柔らかくて、気持ちよかった。明日もさわりたい。
でも、今日だけっていわれた。ショックだった。

七月三十日(土)
ママとお風呂に入ってたら、ママが後ろ向きにかがんだときお尻の穴が見えた。
当然だけどママにもあるんだ。
指を入れたい。ママのお尻の穴に僕の指を突っ込みたい。
僕の指がお尻の穴に突っ込まれたら、ママはどんな顔をするんだろう?
きれいなママが、お尻に指を入れられて苦しんでる顔が見たい。
見たい……見たい……



七月三十一日(日)

ママのクラスの人たちがきた。
ママは高校で先生をしてる。
男が二人と女が三人だ。
せっかく、ママと二人きりだと思ったのにこいつらのせいで……
僕はずっと部屋でゲームしてた。
あいつらはママとあっちの部屋で、ゲラゲラ笑いながらしゃべってた。
早く帰れと思ったけど、なかなか帰らなかった。

コロシテヤル……

10退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 22:36:22

八月一日(月)

とりあえず、男二人を殺してきた。
明日は女たちだ。

八月二日(火)

女三人犯して殺した。
泣き叫んでたけど、許さなかった。
一人目は処女だった。
二人目は処女じゃなかった。
三人目も処女じゃなかった。

三人とも腹を引き裂いてやった。

八月三日(水)

今日、ママはやつらの葬式があるといってでかけていいった。
あいつら、死んでからも僕とママがいっしょにいるのをジャマするんだ。
でも、それも今日まで……もうママは僕といっしょだから……
誰にもジャマさせない……

八月四日(木)

この日記はなに!!?
だれが書いたの?僕じゃないよ!これは僕じゃない!
殺してなんかいないよ!!


八月五日(金)

おかしい……なんかおかしい……
僕は気が狂いだしたんだろうか?
だれかに見られてる気がする。ずっと、見られてる気がするんだ。

八月六日(土)

あの女がガキを連れてまたきやがった。
ガキに自分の乳を飲ませるところを俺に見せつけるようにしやがって。
誘ってるのか?
旦那が死んで欲求不満なんだろうな……
熟れた身体を持て余してるんだろうよ……
いつでも犯してやるぜ。





八月七日(日)

今日は有子と買い物にデパートまでいった。
洋服を買うらしく試着室に入った。
俺も一緒に入っていったよ。
でけえ胸と尻だ。風呂場で中身をさんざん見てるが、下着姿も悪くない。
有子……おまえは俺のもんだよ……わかってるよな……

八月八日(月)

なんなんだろう……この日記…?
僕は覚えがない……だれが書いたんだろう……だれが
俺さ……俺はおまえだよ……おまえは俺なんだよ
わかるよな……全部おまえなのさ……
これを書いたのも……あいつら殺したのもな……

八月九日(火)

どうやら僕は気が狂ってしまったみたいです。
それとも、テレビで見た二重人格とかなのか?
だれか、僕の中にいるみたいだ……

そんな気がする……

八月十日(水)

ママ……ママとやりたい……
ママに僕のオチンチンを舐めてもらいたい。
ママ、やらせてくれよ……


八月十一日(木)

やつはやっぱり僕の中にいるんだ。
二重人格じゃない。あいつがいるんだ。
くわしいことはやつが書かせてくれない。
ママにも話させてくれない。
もうすぐ僕は僕じゃなくなる……

八月十二日(金)

たすけて


八月三十一日(水)

明日から二学期がはじまる。
楽しみ……

12退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:11:24

           エピソード1 「皐月」

「それで……祐美の様子はどうなの……?」
貴裕……いや貴裕を支配している魔物が消え去ったあと、有子は気を失っている祐美を抱き
かかえ、彼女のマンションへと連れ帰った。そして、百合恵を呼びだし診察をしてもらった
ところなのだ。

「身体の方は問題ないけど……それより、精神面が問題ね……」
百合恵はそう答える。
一条百合恵……彼女は有子の学生時代からの友人で、現在、外科医をしている。
「そうでしょうね……貴裕のあんな姿を見ちゃあ……」
まさしく化け物と化した我が息子……しかも、祐美は貴裕に女唇を犯されたのである。

「貴裕くんを支配している、魔物の正体はわかったの?」
百合恵の問いに首を横に振りながら答える有子。
「わからない……ただ、かなりレベルの高いやつなのは確かだけど……」
「そう……」と百合恵は言う「じゃあ、祐美ちゃんはしばらくわたしの家の方で預かると
して……応援が必要ね……」

「ごめんなさいね、百合恵。迷惑かけるわね……」
「なに言ってるのよ。退魔戦士のフォローは、我が一条家の仕事なんだから。とにかく、
手すきの子がいないか訊いてみるわ」

一条家は古来より退魔戦士を束ねる一族である。金銭的な援助はもちろん数々の武具なども
開発し供給している。
過去、一条家の者たちに退魔戦士としての力を持つ者はいなかった。しかしこの百合恵だけは
例外的に僅かながらその能力を有している。
むろん、有子たちとは比べ物にならない僅かな能力ではあるが、自分の身を守ることくらいは
なんとかできる能力であった。

「ありがとう。私の方も一度あの人に連絡取って見るわ」
「あの人って……おばさまに?」
「そう、現役は退いちゃってるけど、まだ退魔戦士としての力はすごいもの。それに貴裕が
一条家を襲ったら、普通の人間じゃあ対抗できないだろうし」
百合恵は少し考えてこう言った。
「そうね。確かにその方がいいかも。でもおばさま出てきてくれるかしら」
百合恵の言葉にふふっと笑いながら有子は言った。
「大丈夫よ。孫の子守りもできるわけだし、涼の顔だって最近見てないから祐美に、帰って来い
帰って来いってうるさかったのよ」

「そう、ならいいわ。おばさま……皐月さんのことはまかせたわよ。とにかく今夜はこの
ままうちの方に祐美さんと涼くんを連れて帰るわね」
「お願いするわ……」

百合恵は祐美と涼をリムジンに乗せ(もちろん、おかかえの運転手が運んだのだが)一条
家へと帰っていった。
ひとり残った有子は時計を見ながら、まだ起きているかしらと言って皐月に電話を掛けた。

三島皐月は有子と祐美の母親である。年齢はなんと49歳、つまり有子を産んだのは16歳
の時ということだ。
5年前に現役は引退したが退魔戦士としての力はかなり高く、今でも自分以上に戦えるのでは
ないかと有子は思っていた。

13退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:13:02

皐月はすぐに電話に出た。有子が今回の件を話すと、明日の朝一番で向かうとのことで
駅まで迎えに来るようにと言う。
幸い明日は日曜日だったので、有子は落ち合う時間を決め電話を切った。
(とりあえず、お母さんが来てくれたら百人力ね。貴裕…必ず助けるわ……)


翌朝、有子は深紅のBMWを駆り待ち合わせの駅へと向かった。
早めに着いた有子は、車を道の脇に停め今回のことについて少し考えてみた。
貴裕の様子が目に見えておかしくなったのは、七月の終わりから八月にかけてくらいだっ
たろうか?夏休みに入ってから自分といっしょにお風呂に入りたがったり、おっぱいを吸
わせてくれと言ってきたりしたが、単に甘えたがっているのかと思っていた。
「この夏休みの間になにかあったことは間違いないわ」
有子は一度手がかりになるものがないか、貴裕の部屋を探してみようと思った。

しばらくすると“コンコン”と助手席側のドアがノックされる。有子が顔を向けるとそこ
には皐月が立っていた。
九月ということもあり、皐月の出で立ちは淡いグレーの塩沢絣を着ていた。彼女はよほどの
ことがない限りいつも和服を身にまとっている。日本女性なんだから当然よ、と有子や
祐美にもできるだけ着物を着るようにいつも言っていた。

皐月は本当に和服の似合う楚々とした純日本美人である。もちろん髪はアップにして上で
束ねているため、首筋からうなじにかけてがよく見える。ひとつひとつのしぐさから発する
色気は、若い娘たちでは出すことの出来ないものだ。
さすがに30代前半とはいかないが、30代後半から40代前半くらいには充分見えた。
知らない者が見ればどこかの旅館か料亭の若女将といった風情である。

有子はドアのロックをはずし皐月を車の中へと招き入れる。
「お母さん。ご無沙汰で〜す」
皐月に心配をかけないように努めて明るくふるまう有子。そんな娘の態度に優しく微笑み
ながら皐月は言う。
「有子、無理しなくていいのよ。お母さんといるときくらい少しは甘えなさい」
有子はそんな母の言葉に、張り詰めていた糸が切れ思わず目頭を熱くする。

「お母さん……」
話したいことはたくさんあったのだが、その言葉しか出てはこなかった。
「とにかく、一条家に向かうわ。詳しい話はそこで」
有子は涙を拭くと車を一条家に向け走らせていくのだった。


都心を離れなおも進むと見事なまでの屋敷が見えてくる。一条家のお屋敷だ。
建坪だけで1000坪はあるだろうか。総敷地面積だと想像もつかないくらいである。
車が表門まで来るとその巨大な門が開いていく。有子はそのまま車を走らせていった。

正面玄関に到着すると百合恵が出迎えてくれる。
「いらっしゃい、有子。あっ、おばさまご無沙汰してます」
とりあえず中へと言われ、ふたりは屋敷の中へと入っていった。

リビングで紅茶を飲んだあと三人は祐美と涼がいる部屋へと向かった。
「祐美ちゃんもうだいぶ落ち着いてきたわ。まだ、無理はできないでしょうけど、しばら
くゆっくりすれば元どおり元気になると思うわよ」
百合恵の言葉に胸を撫で下ろす有子と皐月。

「あぁ、有子。例の応援の子だけど、明日の朝一番にこっちに到着するから」
「誰が来るの?」
「真理ちゃんよ」
「小泉真理ちゃん?」

小泉真理。若干16歳で退魔戦士としての実力を認められ、現在も活躍している女子高生
である。
力は確かにすばらしいものがあった。有子や祐美と比べてもヒケをとらない実力だ。あとは
経験を積むことと自分の力を過信しないこと。これさえ守れば、いずれ退魔戦士ナンバ
ーワンとなれるだろう。

14退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:13:47

「明日、有子の高校に転入する手続きもしておいたから」
どうやら生徒としてやってくるようだ。確かに貴裕が有子の勤める学校を、襲わないとも
かぎらない。もしそんなことになった場合、自分ひとりで対処できるかどうか。
とにかくひとりでも戦力の欲しいところだった。そういう意味では真理の存在はかなり
力強い味方といえる。

祐美たちのいる部屋の前に着いた。ドアを開け三人は中へ入っていく。
祐美は突然の母親の訪問に思わず泣き出してしまう。
皐月の顔を見て安心したのだろう。いくつになっても娘と母の関係は変わらないというこ
とである。
「ねぇ、有子。今夜は泊まっていきなさいよ。せっかく母娘三人そろったんだし」
百合恵の言葉にそうねと頷く有子。

だが、このとき誰が想像しただろうか、明日からはじまる、あの地獄のような戦いの日々
を……


明けて月曜日。
有子と百合恵はそれぞれの勤め先へと向かった。屋敷には皐月をはじめ屈強な警備員たち
が、もしもの場合を想定して祐美を警護している。もっとも貴裕が襲ってきた場合、警備
員たちは何の役にも立たないのだが、生身の人間を操って襲ってくる場合も充分考えられ
た。それだと逆に皐月の手にはあまる状況だ。用心に越したことはない。

とはいえ貴裕が昼間から襲ってくることは考えにくかった。通常の魔物ならやはり夜の方が
闇の力はアップする。昼間だとそのパワーは半減するのが普通だ。襲ってくるとすれば、
夜の方が可能性が高い。もちろん、その裏をかいて昼間襲ってくるという可能性もないわ
けではないが……
「とにかく、夕方までには帰らないといけないわね」
BMWのハンドルを握り有子はそうつぶやくのだった。

学校に着き職員室に入ると、教頭が話しかけてきた。転校生を紹介するというのだ。
有子としては誰が来るのかわかっていたのだが、知ってました、というわけにもいかず、教頭の
話しをだまって聞く。
「小泉真理さんです。突然でしたが今日から永井先生のクラスでよろしくお願いしますよ」
「小泉真理です。永井先生、よろしくお願いします!」
そう言って真理は頭を下げる。久しぶりに見たが、ますます可愛くなったと有子は思った。
退魔戦士になって一年と半年。現在は17歳になったということか。

身長は157センチと特に背の高い方ではないが、制服の上からでもわかる胸の隆起は、
優にFカップはあるのではないかというほどだ。腰からお尻にかけてのくびれも、申し分
なく、女の目から見ても惚れ惚れするほどのスタイルの良さである。
膝上15センチはあるスカートからのぞくその脚も、太すぎず細すぎず、理想的な長さと
肉付きであった。

(また、すぐに親衛隊ができちゃいそうね)
前の学校でもその前の学校でも、真理には常に自称親衛隊という追っかけのような男子生
徒がいたらしい。急な転校できっと前の学校の親衛隊連中は悲しんだに違いない、と有子
は思った。

「こちらこそ、よろしくね」
そう言って有子は真理に握手を求め手を差し出す。そして、ニッコリ笑ってこう続けた。
「それじゃあ、小泉さん。教室の方に案内するわ。くわしくは歩きながらでも…」
「はい」
ふたりの退魔戦士は目で合図をしながら職員室をあとにした。

15退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:15:09

「有子さん。それで相手の正体とかわかってるんですか?」
廊下に出るなり真理がそう話しかけてくる。
「いままでの相手とはケタ違いの上級の魔物だということくらいしかわからないわ。真理
ちゃんももしもの時は気をつけてね」

「大丈夫ですよ。もう一年と半年経験して結構な魔物たちを退治してきましたから。わた
しが来たからには大船に乗ったつもりで安心していいですよ」
確かに力は誰もが認めるところなのだが、自信過剰ぎみのところが玉にキズだ。まあ、滅多な
ことはないと思うけど油断は禁物よ、と真理に忠告する有子だった。

教室に着くまでの間に今回の件をかいつまんで説明し、帰りは一条家の方に送っていくから
待っててね、と伝え教室へとふたりは入っていった。


午前の授業も滞りなく終わり、昼食をすませた有子のところへ祐美から連絡が入った。
まさか、と思いブレスレットを開く。人目を気にしながらも「どうしたの?」と問いかける。
「姉さん!お母さんが!お母さんが!!きゃあぁぁぁぁぁ!」
「祐美!祐美!!」
妹の尋常でない叫びを聞き、人目をはばからず大声で聞き返してしまう有子。
まわりの人々は何ごとかと顔をこちらに向けるが、そんなことを気にしている場合ではない。
有子は急用ができました、失礼します。とだけ言って職員室を出て行くのだった。


さて、話は一時間ほど遡る。
有子と百合恵が出かけたあと、祐美の部屋で涼の寝顔を見ながら、たわいない話で盛り
上がっていたふたりだったが、皐月の「お客さまね」という言葉で部屋中に緊張が走った。
「貴裕なの?」
祐美は唇を震わせながら母に尋ねる。

「貴ちゃんはまだみたいね。ずいぶんレベルの低い魔物をよこしたものだわ。それもこんな
真昼間に」
皐月はやさしく微笑みながら、祐美に「心配ないわ」と話しかけた。
そんな母の余裕の表情を見て少し安心する祐美。彼女はこの前の戦いで退魔戦士としての
力が弱まってしまい、回復にはまだまだ時間がかかる。はっきりいって戦力にはならない。
今、この一条家で魔物とまともに戦えるとしたら皐月だけなのだ。

「来たわね」
魔の力を感じ皐月は立ち上がる。今日の出で立ちは白い生紬の単衣だ。貝の口に結んだ
半巾帯に刺してある扇子を二本取り出す。
「破邪の扇!」
皐月は扇子を広げその場で身構えていくのだった。

やがて部屋へ入ってこようとする魔物たちのうめき声が聞こえ出す。
部屋には結界が張ってあるため、少々の力の魔物ではドアにふれることさえ困難なはずだ。
「貴ちゃんが来たわ」
皐月の言葉に涼を抱きしめガクガクと震え出す祐美。さすがの皐月もかなり緊張している
ようだ。

「ククククッ。なんだぁ皐月さんがいたのか。誰がこんなちんけな結界張ってるのかと
思ったよ。久しぶりだねぇ」
貴裕は部屋の天井からその頭だけをのぞかせ、皐月に向かってそう言った。
皐月にとってはもちろん孫にあたるわけだが、貴裕が産まれたときの彼女の年齢は37歳。
さすがに“おばあちゃん”と呼ばせるのに抵抗のあった彼女は自分のことを“皐月さん”と
呼ばせていた。

「貴ちゃん。どういうことかしら、祐美になにか用事でもあるの?」
皐月は努めて冷静に孫にそう問いただす。
「さあね。なんの用があるのかな?別に皐月さんに話すことでもないしさ」
貴裕は冷たい笑いを浮かべさらにこう続ける。
「とにかく、結界は破らせてもらっとくよ。みんなが入れないしね」
彼のその言葉が終わらないうちに、ドンッ!ドンッ!!という音がドアの方から響いてくる。

「ほおら、もう少しだ。僕はちょっと見物させてもらうよ。皐月さんの実力も知りたいしさ」
貴裕の頭が天井に隠れるのと、部屋のドアが破られるのはほぼ同時だった。
10体近くはいるであろうその魔物たちは、一斉に部屋へとなだれ込んできた。

16退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:15:43

「あらあら、わたしも舐められたものね。どんな化け物を用意してくれたのかと思ったら
ずいぶん弱々しそうねぇ」
皐月はそう言うが、祐美にはそうとは思えなかった。貴裕とはくらぶべくもないが、そこまで
低級の魔物とも思えない。しかもこの数だ、体調が万全なときの自分でもかなりの苦戦を
するだろう。本当に母は大丈夫なのか?確かに現役時代の皐月の武勇は知っていた。自分は
一緒に戦ったことはないが、姉の有子は数年一緒に戦っていたことがあるので色々と
聞かされていたのだ。しかし、現役を退いてからもう五年たつ。勘が鈍っていることも
充分考えられた。

だが、そんな祐美の思いはまったくの杞憂に終わった。
破邪の扇を両手に持ち、まさしく舞いを踊るかのような華麗な皐月の動きに、魔物たちは
まったくついていけないでいる。
両手に持った扇でポンポンと魔物たちの頭を叩くだけで、そいつらはぐあぁ、ぎゃぁ、という
うめき声をあげて倒れていくのだ。
あまりの華麗な戦いぶりにしばしぽかんと口を開けて見とれてしまう祐美だった。

「はい!おしまい」
最後の魔物を倒したところで、皐月は着物の乱れを直しながらそう言う。そしてさらにこう
続けた。
「貴ちゃん、いるんでしょ。終わったわよ、出ていらっしゃい」
皐月の言葉に今度は床の方から、貴裕の頭がゆっくりと現れてくる。

全身がその場に現れると、貴裕はニコニコ笑いながらパチパチと皐月に拍手を送る。
「いやぁ〜、すごいねぇ皐月さん。僕びっくりしちゃったよ」
そう言う貴裕の顔は余裕の表情だ。今の戦いで皐月の実力を把握したということだろう。
「あら、ずいぶん余裕じゃない、貴ちゃん。わたしの力はまだまだこんなものじゃないわよ」
それは強がりでもなんでもなかった。先ほどの戦いで皐月は実力の十分の一も出してはいない。
闇の力が作用しない昼間の戦いとはいえ、あれだけの数の魔物を倒すのにその程度の力で
すむ皐月の力は計り知れないものがあった。

「夜ならともかく、昼間なら勝てはしなくても、負けることはないわよ。ふふっ、丁度
いいわ。わたしの孫を返してもらいましょうか!」
そう言って皐月は破邪の扇を構える。
「生意気だなぁ、皐月さんは。じゃあ、その実力を見せてもらおうか!!」
貴裕の胸が弾け無数の触手が再びその姿を現した。前回よりも数が増えている。
縦横無尽に動き回り、皐月を捕らえようとする触手たち。だが、そんな動きを見透かすか
のようにスイスイと触手をかわしていく皐月。着物の裾から見え隠れするふくらはぎが艶
かしい。

「へえ、言うだけあるねぇ。でもいつまで逃げられるかな?」
貴裕の言葉どおり皐月の動きが鈍くなってきているようだ。先ほどの魔物たちとの戦いでは、
息もきらせていなかった皐月だがさすがに息がみだれ、額から汗が流れ出している。
「ほらほら、そろそろ捕まえちゃうよ」
さっきまでは余裕でかわしていた皐月だが、今はギリギリのところでなんとかかわしている
状態だった。誰の目から見ても捕まるのは時間の問題だと思われた。

17退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:16:59
だが、皐月は徐々にではあったが貴裕との間合いを詰めていたのである。
「今だわ!」
皐月は大きくジャンプをし天井を蹴ると、勢いをつけ貴裕の頭上に破邪の扇を打ち下ろした。
「破邪の扇よ。この者と闇のモノとの因縁を絶てぇ!!斬!」

だが、その打ち下ろした扇が貴裕に当たることはなかった。もう後数センチというところで
皐月は、触手にその脚を捕らえられてしまったのである。

「あぁ!しまった!」
「惜しい、残念でした。もう少しだったのにねぇ。くくくくく」
まるで、皐月の狙いなど最初からわかっていたかのように、余裕の笑いを浮かべる貴裕。
「さてと、生意気な皐月さんは、どうやって弄んでやろうかな。ひひひひひ」
貴裕はそう言うと淫猥に顔を歪ませ、ペロリと舌なめずりをする。

「くっ……は、放しなさい、貴ちゃん。」
皐月は両足を触手に捕まれ逆さ吊りの状態である。当然、着物も長襦袢も、そして裾よけも
捲れてしまい、その美しく白い脚は股関節近くまで露出してしまっている。
皐月はこれ以上捲れてしまわないように、必死になって両手で着物を押さえている。
「ひひひ、普段隠れてるところが見えるとすごくいやらしいよ。皐月さん」
触手は捕まえている皐月の両足をぐーっと広げていく。それと同時に別の触手が皐月の両手を
捉え、押さえている着物から放そうとする。

「ううっ……や、やめて、やめて貴ちゃん!」
両手が外され皐月の股間がさらされる。普通、着物を着たとき下着は着けない皐月だったが、
今日は穿いていた。ただしパンティラインが見えないようにTバックである。
「ひゃあ、皐月さんがこんなの穿いてるとは意外だったよぉ。すげえ、いやらしいよぉ」
そう言いながら皐月の身体をクルリと反転させ、露出しているその尻たぶを鑑賞する。

普段の鍛錬の賜物か、ボリュームのあるそのヒップは、五十近い女性のものとはとても
思えない。
肌は透き通るように白くきめ細やかで、染みや吹き出物の類は一切見当たらない。肉付きの
良いその尻たぶは、触手が皐月の身体を揺らすたびにプルプルと振るえた。

「くくく、尻の割れ目にTバックの紐が食い込んじゃってるよ。いい眺めだ」
貴裕はそう言って皐月の羞恥心を煽っていく。
「じゃあ、その邪魔なもの取っ払っちゃうよ」
その言葉と同時に触手が彼女の股布めがけて伸びてくるのだった。


(な、なんて事なの……とにかく姉さんに知らさなきゃ)
祐美はあわてて有子に通信を送る。
「姉さん!お母さんが!お母さんが!!きゃあぁぁぁぁぁ!」
通信をしていた祐美にも触手が攻撃を仕掛けてくる。
「祐美姉ェ、だめだよ。これから面白くなるんだから、しばらくおとなしくしてなよ」
祐美は涼を抱きかかえたまま触手に拘束されてしまう。

「あン…貴裕、お願い放して…はぐう…」
祐美を拘束する触手がさらにきつくその身に食い込んでいく。
「祐美姉ェは、また後で可愛がってあげるよ」
そう言って貴裕は皐月の方へと向き直る。
「さぁ、皐月さん。僕を楽しませてもらうよ。いい声で鳴いてね」

貴裕の言葉が合図となったかのように、皐月の股間に伸びる触手は彼女の女の部分を隠し
ている布切れを奪い取っていった。
「はっ……くっ……」
皐月は動揺を相手に悟られないように声を押し殺す。孫の眼前に女のその部分をさらすなど
屈辱の極みではあったが、そんな感情を表に出すと逆につけ込まれるのは必至だ。なんと
しても冷静に対処しなければ……
皐月は唇を噛み締め必死に耐えていくのだった。

だが、そんな皐月の思いなど無視するかのように、蠢く触手はその攻撃の手を緩めようとは
しない。
露わになった股間への攻撃はもちろんのこと、着物の衿の方と身八ツ口の方から触手たちは、
その胸の隆起に向けて侵攻を開始する。
皐月は普段から和服をよく着ているためあまり目立たないが、有子や祐美に負けず劣らずの
巨乳の持ち主である。さすがにここ何年かで少し垂れてはきているものの、熟れた女の艶を
感じさせこそすれ、その魅力が損なわれることなどまるでなかった。

18退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:17:36

胸元を攻撃する触手は皐月の着ている着物をはだけさせようと、また身八ツ口から侵入した
触手はその豊満な胸の隆起を犯そうと暗躍している。
双丘を揉みしだかれ、乳首を弄ばれる。さらに股間の方では挿入こそされてはいないが、
無数の触手により女唇を愛でられ、肉芽を愛撫されている。さすがの皐月も身中から妖しい
官能の渦が巻き起こってくるのを感じていた。

(はふン……だめよ……こ、こんなことくらいで…感じてちゃ…ふうン…)
必死になって淫猥な感覚と戦う皐月ではあったが、49歳という熟れに熟れたその肉体は
自らの意思とは関係なく、沸き起こって来るいやらしい感覚に抗うことが出来ないでいる。
「くくっ、どう?そろそろ入れて欲しくなってきてるんじゃないの?」
皐月の心を見透かすかのように、貴裕はそう言って彼女の欲情を煽っていく。

「ば、ばかなこと言ってるんじゃないわよ……はうっ……だ、誰が……あふン」
強がる皐月を鼻で笑いながら、貴裕は余裕の表情で彼女に話しかける。
「へぇ、そうなんだ。ふふっ、その割にはダラダラといやらしい蜜が、溢れかえってる
みたいだけど。まあ、いいや。じゃあ、頼まれたって入れてやらないよ」
貴裕は口の端をいやらしく吊り上げ、触手の動きをさらに激しくしていく。

「はうぅぅぅ、ひぃぃぃぃぃ!!ひゃめてぇ!はうン、あンあン…」
胸元を攻撃する触手がついに、皐月の着る着物の襟元をはだけさせてしまった。
ポロンとその豊満な胸の隆起が零れ落ち、貴裕の眼前に晒されていく。
「ひひひひ、偉そうなこと言ってる割に、乳首ビンビンになってるじゃないか。今ならまだ
間に合うよ。入れて欲しいんじゃないの?」

貴裕の悪魔のような甘いささやきに、思わず「入れて…とどめを刺して」と叫びそうにな
る皐月だったが、なんとか思いとどまった。
(こんなことで屈するわけにはいかな……ふ、うン、なんとかしないと…はあン…はうん)
淫靡な拷問を受け呪文を唱えようにも、集中することができないでいる皐月。
一方、的確に彼女のツボの部分を愛撫するかと思えば、絶妙のタイミングでそのツボを外す
触手の動きに皐月の官能はピークに達しようとしていた。

(あ、あン……こんな……もっと、もっと……そこじゃなくて……)
彼女はじれったさともどかしさを感じ、さらなる刺激を得ようといやらしく腰をくねらせ
ていく。目の焦点は定まらず、口からは涎を垂らさんばかりだ。
皐月は自分の脳みそが蕩けてしまうのではないか、というような錯覚に陥っていた。
顔面は紅潮しあえぎともとれるいやらしい声が激しくなっていく。
「はぁン…あああっ!あん、あッ、アアッ、アアアアア、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁン」
自らの歳もその立場すらも忘れ、ただひたすら淫猥な欲望に身を任せていく皐月。

「入れて……ください……」

19退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:18:20

ついに彼女はその言葉を口にした。それはかつて、退魔戦士ナンバーワンの実力者と言われた女が、
悪魔に屈した瞬間でもあった。

貴裕は皐月のその言葉を聞くと、ニヤッと笑い、彼女を自分の傍まで近寄せた。
目の前に連れてこられたかつての麗夫人は、呆けたような表情でこちらを見ている。
貴裕は彼女の帯に手を伸ばすと、貝の口に結んである結び目をほどいていく。
スルスルと帯が解かれていきバサリと床に落ちる。さらに伊達〆、腰紐をほどき長襦袢や
肌着ごと着物に手を掛けると一気にずり下げ脱がせてしまう。
これで皐月は白い足袋を穿いている以外は、真っ裸に剥かれてしまった。

透き通るほどの白い肌。年齢を感じさせない肌のツヤと張りは、二十代後半といっても
よいくらいだ。
その大きさ故か胸のふくらみこそわずかに垂れてきてはいるものの、それ以外の部分特に
えぐるような腰のくびれ、張りのあるヒップの肉感はとても五十を目前に控えた女の身体
とは思えなかった。下腹がたるむようなこともなく、どんな手入れをすればここまで見事に
身体のラインを維持できるのかと思うくらいである。

優美な太腿の付け根にけぶるいくらか少なめの繊毛は、先ほどまでの触手による愛撫のせ
いだろう、しっとりと濡れて誘うように光っていた。さらに女唇から内腿の方に、溢れる
ほどのいやらしい蜜がどろどろと流れ出している。まるで、早くここに咥えこみたくて涎を
垂らしているかのようだ。

貴裕は彼女のその豊満な胸のふくらみへと手を伸ばすと、無造作にこねくりまわしていく。
皐月は軽く「あン……」という甘い吐息をもらし、少し恥ずかしそうに身をよじった。
しかし強い抵抗ではなく、まるで恋人同士がじゃれあっているような雰囲気すら感じさせる。

「やわらかい胸だねぇ」と貴裕は言う。「こんなにいやらしい身体してたなんて知らなかったよ」
孫に自分の胸を揉みしだかれながらも「ああン……はあン……いやぁン」と甘い吐息を漏らし、
喜悦の表情を見せる麗夫人。
「キスしようか?皐月」
貴裕はそう言って己の舌を突き出す。皐月は「はい」と答えると吸い込まれるようにその
差し出された舌に、淡いピンク色をした自分の舌をからませていく。

ここまでの一連の流れは、祐美や有子に対して行ったものとまるで同じである。
実は、この触手による愛撫、そしてキスという流れこそ、邪淫魔法を完成させるのに不可欠な
行為だった。
触手からは、いわゆる媚薬に近い成分が吐き出されており、粘膜を愛撫するたびに体内へと
擦り込まされている。普段とは比べ物にならないほど感度が上がり、どんなに貞淑な女
であろうと狂おしいほどの快美感を味わうこととなるのだ。

次にキスをされることにより、邪淫魔法は90%まで完成したといってもよい。
この時点で、理性はふっとび湧き出した欲望は押さえが効かなくなってくる。挿入して
もらい官能を鎮めるか、邪淫浄化をするしか欲望は治まらないのだ。
そして、挿入され膣内に射精されてしまうと、邪淫浄化の呪文すら効き目はなくなる。
あとは……性奴隷としての末路が待っているだけだった。

20退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:18:57

貴裕は皐月と舌をからませながら、彼女の髪の毛へと両手を伸ばしアップに束ねた髪を解
いていく。
はらりと流れ出すコシのある黒髪を指で梳くと、艶やかな光沢を放ちながら、白い肩の辺りに
垂れかかっていった。
「ふぐン、あふン…」
くぐもった吐息をもらす皐月の両手から破邪の扇が放され、床に向かってポトリと落ちた。

「ふふ……色っぽいよ、皐月……」
貴裕はからめていた舌をはずすと、彼女に向かってそう告げた。
「はああン…うれひい…あはあン」
キスという行為を成し遂げた今、皐月に残されていた髪の毛一本ほどの理性すら吹き飛んでいた。

さらには、身体の奥底からかつて経験したことの無い感覚が湧き出してくるのだ。特に
下半身に感じる疼きは想像を絶するもので、皐月はあまりに強烈な快美感に悩ましく腰を
のたうたせる。早く突き入れてもらわないと気が狂ってしまいそうだった。
「あ、あああン、早く…お願い貴裕、早く入れて!皐月に、皐月のオマ×コにぃぃぃ!!」
恥も外聞もなく、淫猥な言葉を連発しながら催促していく。

貴裕はそんな皐月を冷ややかに見つめると、醒めた口調でこう言い放った。
「いやだ」
貴裕のその言葉に皐月は信じられないという表情を見せる。膝がガクガク震え思わず叫び
声をあげていた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!お願いよぉ!入れて!入れてください!!なんでもします!
なんでもしますからぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
気も狂わんばかりに叫び声をあげ、自分の孫に挿入を哀訴する惨めな姿に、普段の気位の
高い皐月の面影はまるでない。そこにはただ、肉欲に支配された無様な女がいるだけだった。

「ふふ、だから言ったじゃない。素直にならないと入れてやらないって。でも、可哀想だから
自分で慰めるのは許可してあげるよ。ほら……」
貴裕はそう言うと、両手脚を拘束していた触手をはずしていく。
皐月は両手が自由になると、もう耐え切れないとばかりに胸を揉みしだき、肉芽を刺激し
自らを慰めていくのだ。

「はふン…はああン…らめぇ、こんなんじゃぁぁぁぁ、治まらないのよぉぉぉぉ!!」
目を泳がせて、涎を垂らしながら自分で自分を慰めていく皐月。だが、ここまで火照った
49歳の熟れた身体はその程度では、治まる様子を見せない。
四つん這いになり尻を突き上げ自慰にふける無様な女。尻の穴も充血した女唇もすべて貴裕の
眼前にさらし身も世もなく悶え狂っている。いやらしい蜜がボタボタと滴り落ち、床を
濡らす。官能は鎮まるどころか、さらに高まっていくようだ。

「はあぁぁぁぁンンンンン!助けてぇ、お願いですぅ。貴裕さま、入れて、入れて
くださいぃぃぃぃ!」
皐月は尻を振りたて、おねだりの言葉を繰り返していく。
貴裕は彼女のその美しい髪を鷲掴みにすると、顔を上げさせる。その顔は涙と、涎でグジャ
グジャの状態だ。
「そんなに入れて欲しいのか?牝豚」
貴裕の侮蔑の言葉に、皐月はコクリとうなずき「は、はい……」とだけ答える。

21退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:19:47

「じゃあ、咥えなよ」
そう言って反り返った醜悪な屹立を眼前に差し出していく。
「あふン…素敵です……ご主人さま……」
皐月は悪魔に支配された孫の足元にひざまずくと、そのたくましくそそり立った肉棒に自らの
上品な唇をかぶせていった。
目もとをボウと火照らせ、口唇奉仕を開始する。頬をすぼませ醜悪な肉塊を規則正しく出し
入れしていくのだ。
さらに、舌を使ってぬらぬらと太幹の裏側を舐めとっていく。

「うふン……あふん……」
形のよくとがった鼻先から甘く切ない吐息をもらし、ひたすらフェラチオを続ける皐月。
なんとか早く挿入してもらうために必死なのだ。
「くくく…よし、牝豚。入れてやるよ」
その言葉に皐月は「あぁ、ありがとうございます」というと、まるで麻薬中毒者がヤクに
ありついたかのようにその身を震わせ、貴裕の首に手をまわすと自らその屹立に腰を落と
していく。

「はあぁぁぁぁぁん!い、いい……いいのぉ!うれひぃ…あ、ああン!!」
下から貴裕が遠慮会釈なしにズンズンと突き上げてくる。その動きに合せて皐月は淫らに
腰をくねらせる。艶のある黒髪を振り乱し、ただひたすら快感を得ようと腰を振り続けて
いくのだった。


有子と真理はようやく一条家の屋敷へ到着した。邸内からは恐ろしいばかりの邪気が発せ
られている。
ふたりはすぐさま転身すると、屋敷に脚を踏み入れた。
そこら中に警備員たちの屍骸が散乱している。血だまりができ壁のいたるところに血が飛び
散っていた。

「ひ、ひどい……」
真理は思わずつぶやいていた。一年半の退魔戦士の経験でここまで凄惨な現状を見たのは
初めてだったのだ。
有子にしてもここまでの惨状はほとんど記憶になかった。いったいどれくらいの数の魔物が
襲ってきたというのだろうか?
「とにかく、祐美たちが心配だわ」
有子は急ぎましょう、と言って二階の祐美の部屋へと向かった。


(うそよ……こんな…悪い夢を見てるんだわ……)
祐美は実母の痴態を信じられない思いで見ていた。強く気位の高い母。貞淑で清楚な美しい母。
尊敬もし憧れでもあった。
その母が悪魔に支配されているとはいえ、実の孫の肉棒を突き入れられ自ら腰を振り続け
快感をむさぼっているのだ。
「はうぅぅぅん、はあぁん!死んじゃうぅぅぅ!!」
などという母の嬌声を聞くたびに耳を覆いたくなってしまう。

(姉さん……早く、早く来て…このままじゃあ……)
祐美は一心にそう願うのだった。

一方、皐月はいよいよ絶頂を迎えようとしていた。
「はああん!もう、もうイキそう……」
皐月の腰の動きが一層淫らになっていく。上下の動きだけでなくそこに微妙なひねりが加
わって、よがり泣きがせっぱ詰まった感じになってくる。
「あ、あっああン……たまらない……たまらない…お口を…お口を吸ってぇ」
そう言いって自ら貴裕の口に吸い付いていく皐月。鼻を鳴らし、舌をからませていく。

「くくくく、さあ、それじゃあお前の膣内(なか)を僕の精子で溢れさせてやるよ。これで皐月は
僕の女になれるんだよ。うれしいかい?」
貴裕の問いに「はひ、うれしいですぅ」と呆けたように答える皐月。

その言葉が合図となったように、一気に彼女の体内へと白濁が吐き出される。
「うあう!あん、あっあん、イ、イク!!」
皐月は頬を染め上げ絶頂を告げるセリフを連発する。
「はああんん、うれひい、もっともっとかけてください!!」
密着した蜜肉を吸着させ、腰のくねりをさらに激しくさせて、吐き出される白濁をもっと
注ぎ込んでもらおうとペニスをぎゅうと絞り上げていく。
やがて全身から力が抜け、貴裕に抱きつく形で失神してしまう。

22退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:20:21

「ふふふ、気を失っちゃったよ」貴裕はそう言って今度は祐美の方を見る。「放っておいて
ごめんね。今度は祐美姉ェの番だけど、そろそろ僕は帰るよ。じゃあ、今日の目的のもの
をもらっとくね」
触手が祐美に向かって伸びていき、彼女が抱きかかえる涼を奪い取ってしまう。
「あぁぁぁ!!り、涼!涼!」
最愛の息子を奪われ狂ったように叫ぶ祐美。

「涼はもらっていくよ。そうだ、祐美姉ェのお相手はこいつらにしてもらうよ」
貴裕がそう言って指を鳴らすと、さきほど皐月が倒したはずの魔物たちがムクムクと起き
上がってくる。
「じゃあ、こいつらと楽しんでね。クククク…ハハハハハハハハ……」
貴裕はそう高笑いをし、涼と皐月を連れていずこともなく消えていった。

「涼!りょうぉぉぉぉぉぉぉ!!」
我が子の名を叫ぶ祐美のまわりを魔物たちが取り囲んでいく。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!たすけ…助けてぇェェェェェ!!」
逃げ惑う祐美を捕まえると、魔物たちは着ている衣服を剥ぎ取ってしまう。
「あぐはぁ、ぐふふうッ……」
穴という穴に剛棒をねじ込まれ、苦しさに嗚咽する祐美。

「破邪の剣!」
「破邪の鞭!」
その時ようやく有子と真理がドアを開け、入ってきた。ふたりは自分の必殺武器で魔物たちを
なぎ倒していく。

すべてを片付けると、放心状態で倒れこむ祐美を抱き起こす。
「祐美!祐美!しっかりして!!」
姉の到着を知った祐美は、気が狂ったように叫びつづけた。
「涼が!涼が!お母さんが!!姉さんもうダメよ!あんなのに勝てない!!わたしたち
みんなやられちゃうのよぉぉぉぉ!!」
「落ち着いて!落ち着くのよ!祐美!」

発狂寸前の妹を抱きしめながら有子は思った。
(涼を連れて行くなんて……貴裕を支配している魔物はいったいなにをしようとしているの……)
奴の目的はわからなかったが、漠然と背筋に冷たいものが走っていく有子だった……

                         エピソード1『皐月』終

23退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:18:24
            
          エピソード1.5 『皐月・その後……』

皐月は目を覚ました。
薄暗い闇の中で、わずかに蝋燭の炎の明かりだけが灯っている。
頭がボウッとして霞がかかったようだ。ジンジンと頭痛までしている。
ふと目を落とすと全裸であることに気づく、さらに両手は拘束され上から吊り下げられた
形で立たされていた。

ここへ来てようやく皐月は自分の今置かれている状況を把握した。
「そ、そうだったわ……一条家を貴ちゃんたちが襲ったんだ……」
霞のかかったような状態だった頭の中が、少しはっきりしてきた気がする。
そうだ、魔物を倒したまでは良かったのだが、貴裕と戦ってわたしは……
皐月はすべてを思い出した。邪淫の魔法に侵されたとはいえ、実の娘の前であんな痴態を
見せるなんて……

膣内に射精されてしまった以上、邪淫の魔法から逃れる術は自分の知る限りではもうない。
今はなんとか平静を保っているようだが、なにかのきっかけでまたあのような状態になる
ことは間違いなかった。
できることといえば、なんとか欲望に負けない強靭な精神を保ちつづけること、それだけ
なのだ。

「おや、目を覚ましたね、皐月」
貴裕がそう言って目の前に現れた。赤ん坊を抱きかかえている。涼ではないか!
「た、貴ちゃん!あなた涼を…涼をどうしたの!?」
射精されイッてしまったあと失神した皐月は、その後貴裕が涼を連れ去ったことなど知ら
なかったのだ。

「そうかぁ、皐月は僕の胸でおねんねしてたから知らなかったんだよな。あの後、おまえ
と一緒に連れて帰って来たんだよ」
なんてこと……まさか、貴裕の狙いが涼だったなんて……
「貴ちゃん、涼をどうするつもりなの?」
皐月の問いに貴裕は答えず、抱いている涼をなにやら水槽のようなものの中に入れる。

「ふふ、安心しなよ、死にはしないから」
「な、なにを、なにをしようとしているの!?」
貴裕はくくく、と笑うと皐月の方を向きこう言った。
「教えてやらないよん」
そして、アカンベーをするのだ。

「それより、皐月。また、僕のことを貴ちゃんなんて呼んでるね。あの時は『貴裕さま、
入れてくださいぃぃぃ』なんて泣き叫んでたくせにさ」
「くっ……」
確かに自分でもそれは覚えている。欲望に負け淫らな言葉を連発していた。そして、たと
え魔物に支配されているとはいえ、目の前にいる実の孫と繋がってしまったのだ。

「気持ちよかっただろ?もう一度あんな気持ちよさ味わいたいよね」
貴裕はそう言って皐月の顔を下からねめつける。それだけで身体の奥底から淫猥な感覚が
沸き起こってくるのを皐月は感じていた。
(だめよ……だめ…欲望に支配されちゃあ……)
必死になって耐えている皐月の背後からニュッと手が伸びてきて彼女の豊満な胸を揉みし
だきはじめる。

24退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:19:30

「はうン……」
だれ?と皐月は思った。貴裕は目の前にいる。手を使っている様子などない。
魔物でもない。その手はどう見ても子供の手なのだ。おそらく貴裕と同い年くらいの……
「貴裕。いい揉みごこちだね、この女。気に入ったよ」
間違いない、子供だ。
その少年は一心不乱に皐月の胸をこねくりまわしつづける。
「あうあン……だ、だれ……貴ちゃん……この子はいったい…はああん」
「ふふ、胸揉まれただけでそんなに感じちゃうなんて。いやらしい女だな、おまえは……
その子はね、皐月の知らない子だよ。僕の友だちさ」

友だち……?すると貴裕は自分の友だちをも魔物と化して支配しているのだろうか。
そんなことを考えている間も、背後からの少年の手は休むことなく胸をモミモミし続けて
いる。
「や、やめなさい……くふン…どこのだれか知らないけど、目を覚ますのよ……」
皐月は少年にそう訴えた。しかし、その子供は「ふふふ」と笑い彼女にささやく。
「おばさん、なに偉そうに言ってんだよ。乳首ビンビンにしちゃってさ。それに…」
そう言って右手を皐月の女唇へと移動させる。
「もうこんなに蜜が溢れてるよ。ちょっと胸を揉んだだけなのに……変態…」

この少年の言うとおり皐月の秘部からは溢れんばかりに蜜が滴り落ちている。
「うぐっ……邪淫の魔法のせいよ……これくらいで濡れるわけない…はあン…」
たしかに邪淫魔法は完全に皐月を支配している。その気になればだれかれかまわず肉棒を
くわえ込む淫売に堕とすことも可能だ。命令されれば犬や馬とでも嬉々として性交するで
あろう。
だが、今はあえて邪淫魔法の効果を出現させてはいなかった。つまり、皐月が感じている
快美感は素の彼女のものなのだ。

「た、貴ちゃん……わたしはどうなってもいいわ……涼を…涼を返して……」
溢れかえる快感に身を震わせながらも、なんとか涼だけでも救わなければと貴裕に懇願する。
貴裕は少し考えてから一計を思いついたらしく、皐月の背後にいる少年に目配せをして
自分の方へと呼び寄せ、何ごとか耳打ちをし始めた。
「へへへ……面白いな……退屈しのぎにはいいかも…」
少年はそう答えると皐月の方に向かい、両手の拘束具を外していく。

「えっ……?」
突然自由の身にされ戸惑う皐月に貴裕がこう告げた。
「ラストチャンスをあげるよ。今から僕の指定する相手と戦って勝てたら、涼は返して
あげる。皐月も自由にしてやるよ」
貴裕は皐月の目の前にポンとなにかを放り投げた。破邪の扇だ。

「一条家で落した奴を拾ってあげてたんだよ。それ使ってもいいよ」
並みの魔物なら触れることさえできない退魔戦士の武具を持ち帰ってくるなんて……
皐月は貴裕を支配する魔物のレベルの高さに背筋が凍る思いだった。
「それと、これも……」

そう言って投げ渡してきたのは、退魔戦士のブレスレットだ。皐月が引退するときに貴裕に
お守り代わりにと渡しておいたものだった。
「これで転身もできるでしょ」
「いやにサービス満点ね……」
皐月はそう言いながらブレスレットを嵌める。

「それで、相手はだれ?貴ちゃん、あなたなの?」
「いや、その子が戦いたいみたいだよ」
貴裕は先ほどまで皐月の胸を揉みしだいていた少年を指差す。少年はニヤニヤ笑いながら
「おばさん、遊ぼうよ」と無邪気に言う。

皐月はその少年を見つめた。感じられる魔の力はそれほど高くはなさそうだ。もちろん、
一条家で戦った魔物よりはかなり上だが、貴裕から感じられるプレッシャーには程遠い。
体調が万全なら苦戦はしても、負けるような相手ではなさそうだ。問題は……

「貴ちゃん。邪淫の魔法は封印できるの?」
邪淫魔法で快楽におぼれてしまえば、勝てる戦いも勝てない。
「ふふ、そりゃそうだろうね。邪淫魔法でスケベな皐月になったら戦うどころじゃないだ
ろうしね。いいよ、皐月が負けるまで封印してあげるよ」
「本当ね……?」
「信用してよ」

信用するしかなかった。どちらにしても敵の真っ只中だ。不利なのは承知である。しかし、
一縷の望みをかけて戦わねばならない。
「勝ったら必ず涼を返してもらうわよ」
「くくく……約束するよ」
「転身!!」
皐月はそう言って五年ぶりにバトルスーツに身を包んでいくのだった。

25退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:20:30

「へぇ〜、なんかいやらしいねぇ」
転身した皐月を見て貴裕が揶揄するように言う。
彼女の身を包むバトルスーツは紫色だ。
基本的には有子や祐美が着用しているものとデザインは変わらない。つまりミニスカート
に膝までのブーツという出で立ちである。

49歳としては若々しい皐月だが、さすがにこの姿には違和感がある。特に普段から着物
を着ている彼女だけに、ミニスカートから伸びる美しい脚線美やドンと突き出たEカップ
の胸、むっちりと脂の乗った肉感的な尻など、いつもは隠されている場所が強調されるこ
のデザインは羞恥以外の何ものでもない。それだけに、30代後半からの数年間はバトル
スーツを着用することはまれで、よほどの強敵と相対するとき以外は転身をしなかったく
らいなのだ。

「なんとでも言いなさい。さぁ、いくわよ」
視姦される羞恥に耐えながら、破邪の扇を手に持ち皐月は身構えていく。
「ひひ、じゃあルールはこうするよ。勝敗は先にまいったか、許してって言った方の負け、
もちろん絶命しちゃったらその時点で負けってことでどうかな?」
「OKよ」

「で、こっちが負けたら約束どおり涼と皐月は開放する、そっちが負けたら涼は返さない。
それと……」
貴裕はニヤリと笑いながら続ける。
「皐月は僕たちふたりのペットになってもらうからね」
貴裕の言葉に対戦相手の少年もニヤニヤ笑いながら皐月を見つめている。

「好きにすればいいわ。貴ちゃん、早く始めて!」
「ふふ、じゃあ、いくよ。レディー・ゴー!!」
貴裕の声をきっかけに皐月とその謎の少年は、互いの相手に向かっていくのであった。

========================================

有子は貴裕の部屋にいた。
あの後半狂乱となって叫びつづける祐美をどうにか落ち着かせたが、百合恵の勧めもあっ
て彼女の勤める病院へ入院させることとなった。祐美を病院に連れて行ったあと、有子は
自宅に戻りなにか手がかりになるものはないかと、貴裕の部屋中を探していたところなのだ。

だが、手がかりらしきものは何も発見できていない。
魔物を特定するようなもの、なにか闇の力を発しているようなものはないかとさんざん探し
まわったのだが、それらしいものは一切出てこなかった。
有子は夏休み中になにがあったのかを知ろうと、日記の類も探してみたのだがそれすら出て
こない。
「何もない……」
日記はもしかすると夏休みの宿題として学校に持っていったのかもしれない。
(学校の方に問い合わせてみようかしら……)

彼女がそう思って小学校に電話を掛けようとしたとき、ふとPCが目にとまった。
去年自分が新しいのを購入した際に、古い方を貴裕にあげたいわゆるお下がりである。
有子はもしやと思いPCを立ち上げてみる。
幸いパスワードはなく簡単に開くことが出来た。

PCの中にもそれらしいものはなにもなかった。
あきらめて閉じようかと思ったとき、ディスプレイの横に一枚のFDが置いてあるのに気づいた。

『日記PART2』

FDにはこう記されている。2というからには1もあるはずだが、とりあえず先にこれを
見ようとスロットへ差し込んだ。
中身はさらに『日記10』から『日記15』までフォルダが分けてあった。
「たぶん、これよね」
有子はおそらく一番最近書かれたものであろうと思われる『日記15』を開いてみること
にした。

ビンゴだった。
日記は七月二十一日つまり夏休みの初日から書かれていた。
とりあえず、スクロールしてみる。最後は八月の十二日で終わっている。

たすけて

これが最後に記されている言葉だった。
有子はゴクリと唾を飲み込み、再度七月二十一日から読むことにした。

26退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:21:43

========================================

戦況は皐月有利で運ばれていた。
少年のスピードは思ったより遅く、彼の放つ攻撃は皐月に掠りもしない。反対に彼女の放つ
攻撃は、致命傷にこそ至っていないもののことごとく命中し、その度に少年は苦悶の表
情を
見せている。

貴裕のような触手を使うでもなく、羽根を生やして空中から攻撃を加えるというようなこと
でもない。
腕が伸びその鋭い爪で引き裂こうとするが、皐月のスピードにはついてこれていないのだ。
口から火炎を吐くようだが、かわしてしまえば次の発射まで多少の時間がかかるようだ。
皐月はその間に間合いを詰め、破邪の扇で攻撃を加え続けている。

「どうしたの。偉そうに言ってたわりには大したことないわね」
これならなんとか涼は助けられそうだ。もちろん、彼らが約束を守るという保証はないが、
負けてしまえばそのわずかな希望さえ費える。勝つしかない。
皐月はチラリと貴裕の方を見やる。予想外の苦戦に先ほどまでの余裕はなくなっているようで、
ニコリとも笑っていない。

(バトルスーツを返したのは失敗だったわよ、貴ちゃん)
退魔戦士が身に付けているスーツは単に身を守るだけのものではない。着ている人間が本来
持っているパワーを増幅する力も秘めているのだ。
さすがに貴裕を支配している魔物のレベルでは、いくらパワーが増幅されても焼け石に水
かもしれないが、今戦っている少年のレベルには非常にありがたい贈り物であった。

皐月は破邪の扇をバサッと開いた。
「破邪烈斬扇!!」
彼女はそう叫ぶと二本の扇を少年に向け投げつける。

シュルルルルルルルル!!

扇は高速で回転しながら少年へ向け飛んでいく。

バシュッ!!バシュッ!!

ひとつは左肩を、もうひとつは右膝を切断していく。

「ぐはぁぁぁぁ!!く、くそぉ!!」
少年は苦しみながらも残った右腕を伸ばし皐月に攻撃を仕掛けようとする。
「甘いわよ!!」

バシュッ!バシュッ!!

先ほど左肩と右膝を切断した扇がブーメランよろしく戻ってきて、今度は右肩と左膝を切
断していくのだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!ぼ、僕の僕の腕が……足がぁぁぁぁぁ!」
少年はごろごろと転げまわり苦しみもがくのだった。

27退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:23:53

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夏休みに書かれた貴裕の日記を読み終え、有子はしばし放心状態であった。
予想していたこととはいえ、やはり自分の教え子五人を殺害したのは貴裕…いや貴裕を支
配している化け物だったのだ。

どうして気づいてあげられなかったのだろう……貴裕はひとり苦しんでいたはずなのだ。
退魔戦士である自分がこれほど近くにいながら、息子の異常に気づくことができなかった
なんて。
「失格だわ。退魔戦士としても母親としても……」
有子は自分を責める。わたしがもっと早く気づいていれば……
初期の段階ならいくらレベルの高い魔物だとしても、(浄化は無理でも)貴裕との分離は
容易かったはずなのだ。

だが、悔やんでばかりもいられない。現状をどうするかだ。
日記で気になったのは、『例の幽霊屋敷』という部分だ。おそらくここに置いてあった『目
が光った気がした』という像が、魔物を封じていたものなのであろう。
問題はこの幽霊屋敷というのがどこにあるのかということだ。

二十二日に下見に行っているくらいだから、そう遠いところとは思えない。
だが、この近辺でそんな洋館があっただろうか?
「一也くん……か……」
一緒に行ったという『一也』くんならわかるだろうが、有子にはこの名前の友だちに覚え
がない。彼女はクラスの名簿を取り出し、『一也』くんを探してみた。

かずや…という読み方の子はひとりいたのだが字が違っている。和哉だった。
一哉や和也ならわからないでもない。変換ミスということは充分考えられる。だが、和哉
だと一も也もついていない。両方間違うものなのか?
(学校の方に訊いて見た方が早いか……)
他のクラスにいる可能性もあるし、もしかすると下級生ということも考えられる。
有子は小学校の方に電話を掛けてみることにした。

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「どう!降参する!?」
皐月は苦しんでいる少年に向かってこう問いかける。
腕と脚を切断した以上、もはや戦闘不能の状態と言ってもいい。皐月は自分の勝利を確信
した。

「貴ちゃん。お終いでしょ?彼はもう戦えないわ」
皐月はそう言って貴裕にゲームの終了を進言する。
少年は転げまわるのをやめ、ぐったりとその場に倒れこんでいる。立ち上がる気配すらな
い。
「終わりでしょ!貴ちゃん!!」
詰め寄る皐月の言葉に貴裕はいかにもめんどくさそうに「お〜い、終わりかぁ〜」と少年
に問い掛けるのだ。
少年はムクッと起き上がると、座った状態でニコリと笑った。
「はは、おばさん強いねぇ〜。僕油断しちゃったよ」
「ば〜か。セーブしすぎなんだよ。2%や3%の力じゃいくらなんでも勝てないだろ」

(な、なにを言ってるの……2%…3%……)
彼らの言っていることが本当なら、この少年は2、3%の力で戦っていたことになる。し
かもパワーを増幅している状態の皐月とである。
(うそよ、いくらなんでもそんな……)

「ちぇっ、貴裕おまえいつもどれくらいで戦ってんの?」
「15から20%」
「なんだ、結構出してるんだ。じゃ、僕もそれくらいでいくよ」
少年の髪が逆立ったかと思うと、強烈なパワーが彼の全身から溢れ出してくる。切断され
た両手足は意志を持っているかのように、少年のもとへとやってきてあるべき場所へとく
っついていく。

「そ、そんな……このパワー……貴裕と変わらないじゃないの!!」
しかも、それは15%から20%のパワーだというのだ。
「これほどのパワーがたったの20%だって言うの?」
皐月は全身が凍りついた。このふたりは魔物ではない。そんなレベルをはるかに超えてい
る。そう強いて言うなら……

「あなたたち、まさか……きゃぁぁぁぁ!!」
先ほどまでのスピードとは比べ物にならないほどの速さの攻撃が皐月を襲う。くやしいが
何をされたのかすらわからないでいた。
わかったのは壁か床に叩きつけられたということ、そして全身に激痛が走っているという
ことくらいだった。

「くっ……う、動けない……」
痛みのために動けないというのではなかった。何か見えない力で押さえ込まれている、そ
んな感じなのだ。
少年は皐月の顔を覗き込むとその表情を淫猥に歪ませる。
「フフフ……おやすみ、おばさん」そう言った少年の目が怪しく光る。「いい夢見てね…」

皐月は意識が遠のいていくのを感じた……

28退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:25:34

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「そ、そうですか、ありがとうございます」
学校に連絡した有子だったが、やはり簡単には教えてくれなかった。児童の個人情報にな
るわけだから、それも当然である。
頼みこんで『一也』という字の生徒がいるのかどうかだけはなんとか聞き出した。
結果は否。その字の生徒はいないということであった。
これ以上のことを知ろうと思えば、直接学校へ行き担任の先生に事情を話してみるしかな
いだろう。

有子は身支度を整え、小学校に向かおうとした。
「そうだ。やっぱり隆二おじさんにはお母さんのこと言っておいたほうがいいかも」
母が行方不明だなどと言えばあの人のことだ、慌ててこちらに出てくると言い出すのは目
に見えている。だが、そうかと言ってこの状況は内緒にしておくような甘い状況ではない。

有子は三島家へと電話を掛けた。

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何かが全身を這いまわっている。
モゾモゾ……ヌルヌル……モゾモゾ……
足先、太腿、腹、胸、腕、顔、鼠頸部、臀部……
目を向けることもかなわず、いったい何がいるのかさえ皐月にはわかっていない。

すでにバトルスーツは脱がされ皐月は全裸の状態である。

「なに?なんなのこれは…」
生物であるのは間違いない。大きくもない。どちらかと言えば小さい虫のようだ。
だが、その数は100や200ではすまない。全身を埋め尽くすほど無数の“何か”が身
体を這いまわっているのだ。

その“何か”に近い感覚のものは知っている。
ナメクジ……
まさしくその感触に近い。ヌルヌルとしたそのおぞましい“何か”は皐月の柔肌を這いず
り回りながら、穴を見つけて侵入しようとしているのだ。

「ぐはぁ!!」
鼻腔にそれは侵入してきた。息ができず思わず口を開けてしまう。
その“何か”はそれを見逃すことなく、一気に口中へと雪崩れ込むように入っていく。
「ぐえぇぇぇ!!」
得体の知れないものがそれこそ無数に口内を蹂躙するおぞましさに皐月は嗚咽する。
鼻と口を塞がれ呼吸することもかなわない。苦しさに身悶える妙齢の熟女。

その瞬間、なぜか両腕の自由が効くようになり、皐月は慌て口と鼻に入っているその“何
か”を取り出していく。
ふとその手を見る。
蛭だ……
全身を這いまわっていたものの正体はこれなのである。

「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
皐月は思わず叫び声を上げていた。
一匹や二匹……いや100や200の数の蛭くらいでもそんな叫びは上げなかっただろう。
皐月の視界には自分の手は映っていなかった。蛭は両腕すべてを埋め尽くしていたのだ。

29退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:26:10

思わずその蛭を払い落す皐月。
だが、払い落とした後に彼女が見たものは、腕の皮膚が波うちながら動いている姿だった。
「えっ……なに、これ……」
そう、その蛭はいつの間にか皮膚の内側まで侵入していたのだ。
身体の中を蛭が蠢いている。

「うそ……うそよぉぉぉぉ!!」
皐月は発狂しそうだった。その時、全身を押さえつけていた見えない力がなくなり、身体
の自由が効くようになった。彼女は思わず立ち上がり、全身を埋め尽くしている蛭を払い
落としていく。

突然、明かりが点った。
薄暗かったところに煌々と照らされるその光に、皐月は思わず目を閉じてしまう。
ややあって彼女は薄目を開けていった。あれはなに……無数の女たちがこちらを見ている。
やがてそれは鏡に映った自分だということがなんとなくわかった。
自分と同じポーズをしてこちらを向いているからだ。

だが、その姿は自分のものなのか……
雪のように白かった美しい肌はどす黒く黒ずみ、あれほど張りのあった皮膚は醜く弛みま
るで老婆のようだ。
なに……なんなの……
皐月は見間違いだと思い鏡に近づき、もう一度自分の姿をよく見つめる。

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
鏡に映った皐月の顔から数匹の蛭が、皮膚を食い破り出てきたのだ。
「た、助け…助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「ふふ、楽しんでる?これはおまけだよ」
頭上から少年の声が聞こえたかと思うと、今までの数が可愛く思えるほど大量の蛭が皐月
目掛けて振り注いできた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!許して!もう、許してぇぇぇぇぇ!!!」
彼女はそう叫びながら再び気を失っていった

皐月が気がついたとき、すべてはもとに戻っていた。
バトルスーツも着ていたし、肌ももとの美しいままだった。
すべては幻覚だったのだ。
貴裕は皐月の顔を覗き込みながらこう告げた。

「勝負あったね……皐月、おまえは僕らのペット決定だよ……」
彼はそう言うと皐月に赤い犬用の首輪を嵌めていく。
「あふっ…ん…」
「さぁ、皐月…お散歩に行こうか」
貴裕は首輪から伸びる鎖を握りそう言った。

========================================

「なんですって!今すぐにそちらに伺います!!」
有子からの連絡を聞いた佐原隆二は、電話を切るとすぐさま出発の準備を整えた。
(なんてことだ。やはり、ご一緒すればよかったのだ)

隆二は三島家に仕えるいわゆる使用人だ。
中学を卒業すると同時に奉公に上がり今年で35年になる。年齢は50歳だ。
彼が奉公をし出した翌年に、皐月が嫁いできた。
彼女を初めて見たときあまりの美しさに声も出ず、しばし呆然としていた。

思えばそれが彼の初恋だった。だが、出会ったときにはすでに彼女のお腹には新しい生命
が宿っていたのである。それが有子だ。
しかも、彼女の夫は自分が奉公する家の次期当主、三島遼平なのだ。
かなわぬ恋……
彼の初恋はこうして儚く散っていったのである。

その後、皐月が退魔戦士として活躍し始めたのが20歳を過ぎたあたり。
皐月の身を案じた遼平に頼まれ、彼女のボディーガードとして常に隆二は傍にいることと
なった。
もちろん、魔物から彼女を守るのではなく、それ以外の人間から守るためだった。
武芸全般に秀でている彼のおかげで、皐月はどれほど助かったことだろうか。
まるで、影のように彼女を守り、片時も彼女の傍を離れなかった。

隆二は皐月のためだけに一生を捧げようと誓い生涯独身を貫き通している。
二年前当主である遼平が亡くなったときも、皐月を元気付け一生懸命に尽くした。
彼女の笑顔を見ることが、彼の幸せでもあったのだ。

30退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:27:45

その彼女が行方不明とは……
娘と孫の顔を見に行くだけよ。隆二はこの家にいてくれていいから……
皐月のボディーガードをし始めてからの30年で、24時間以上彼女と離れるのは初めて
のことだった。
皐月に諭され泣く泣くひとりで旅立つ彼女を見送ったのだが、今にして思えば強引にでも
ついて行くべきだったのだ。
隆二は今さらながらに悔やんでいた。

身支度を整え玄関に向かう隆二の耳に、こんにちは、という子供の声が聞こえてきた。
裏口の方だ。
また、近所の子供がボールを取らせてくれとでも言いにきたのだろうと、隆二は無視して
出かけようとした。
すると、入るよ〜、などと言う声が聞こえてくるではないか。
もちろん鍵は閉めたはずだが、まさか閉め忘れたのか、と裏口の方へと引き返す。

今度は応接間の方からこっちこっち、と言う声が聞こえてくる。
いったいどういうことなんだ、と応接間のドアを開ける隆二。
その目に飛び込んできたのは、ひとりの女を連れた貴裕の姿だった。

女は扇情的な黒いキャミソールを身に着けていた。
豊かなバストがぶるんぶるんと揺れているのがわかる。突出した乳首がキャミソールの
布地を押し上げているところを見ると、おそらくブラジャーの類も着けてはいないだろう。
さらに裾から伸びる白く美しい足は肉感的で張りがある、まさに隆二の理想を形にしたよ
うなものだった。顔こそサングラスを掛けていてはっきりわからないが、おそらくかなり
の美人に違いない。

長い黒髪を肩まで下ろし、かなりケバケバしいメイクをしているようだが、おそらく30
後半から40代前半というところだろう。
ただ、異様だったのはその女が赤い首輪をつけ、そこから伸びる鎖を貴裕がつかんでいた
点である。そう、まるでペットのように……

だが、女に見とれている場合ではない。問題は貴裕だ。有子から聞いた話では彼は魔物に
支配されているらしい。皐月をさらったのも貴裕だと聞いた。
「お、おまえ……皐月さまをどうした!!」
そう叫ぶ隆二に貴裕は笑って答えた。
「なんだ。もう聞いてたの?脅かそうと思ったのにさ。皐月ならここにいるじゃない」
そう言う彼の視線の先には先ほどの女がいる。

まさか……この女が皐月さま……
あれほど気位が高く、清楚で可憐であった皐月さまが、なにがあったにせよこんな売春婦
のような格好でしかも首輪を嵌められるというような、屈辱的な姿をするはずがない。
しかし……

「なんだ、信用しないの?これ取ればわかるよね……」
貴裕はそう言って女からサングラスを外していく。
女はわずかに抵抗をみせたが、強いものではない。隆二の目の前に見慣れた女の顔が晒さ
れた。

「さ、皐月さま!」
濃いメイクをしてはいるが、まさしく皐月である。
だが、隆二としてはここまで妖艶なメイクをした彼女を見たことがない。普段の清楚な雰
囲気の皐月とのギャップに、彼は股間に熱いたぎりを感じていた。

31退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:28:55

「この女、僕と友だちのペットになったんだよ。おじさんには最初に教えとかなきゃって
思ってね」
貴裕はそう言いながら、皐月の背中から右手をまわし彼女の乳房を揉みしだいていく。
「あふン……や、やめて……りゅ、隆二の前では……」
長年、自分に仕えてくれていた使用人の前で辱められるのは耐えられないのだろう。だが、
強い拒絶は見せない。逆らえば涼の命はない、と脅されているのだ。

「や、やめろ……皐月さまを放せ……」
「ふふ、なに言ってんの?おじさんだって見たいんだろ?ほら!」
貴裕はそう言ってキャミソールの肩ヒモを外し、右の乳房を露出させる。
「はあン!だめっぇ!」
皐月の言葉に耳を貸さず、今度は直接乳房を揉んでいく貴裕。まるで、隆二に見せつける
かのようだ。

(さ、皐月さまのおっぱいが……)
たぶん、一生目にすることは叶わないであろうと思われた、隆二にとっては女神と変わら
ぬ女の乳房が今目の前に晒されているのだ。
(美しい……想像以上だ……)
ダメだと思いつつも隆二は憧れつづけた乳房から視線を外せないでいる。身体は硬直しそ
の場を一歩も動けない。

「やめろ…もう、やめろ……」
その言葉は半分は本心だ。だが、心の片隅にもっと続けてくれ、というどす黒い欲情が芽
生え始めていることも確かだった。

「ふふ……我慢は身体に毒だよ。ほらっ!!」
そう言って貴裕はもう片方の肩ヒモもずらし、左の胸も露わにさせていく。
まるでブルンという音が聞こえてきそうなほどに、たわわに実った妖艶なふたつの果実の
全貌が隆二の前に晒されていく。

「あはあン……だめぇ…隆二、お願い見ないでぇ」
「は、はい!!」
皐月の声にわれに返り目を伏せる隆二。いったい俺は何をしていたというのだ。あろうこ
とか皐月さまの胸を見て興奮してしまうなんて……

「あれぇ?おじさん。もう見ないの?我慢しなくていいんだよ。ほら、こんなに柔らかく
て、揉みがいがあるんだぜぇ〜」
貴裕はそう言いながら皐月の双乳を揉みしだいていく。
「はうン……あふあん……だめ…あン……だめ……」

目を伏せ皐月を見ないようにしている隆二だが、彼女のあえぎは聞こえてくる。
悪魔に支配されているとはいえ、実の孫に乳房を揉まれいやらしいあえぎを漏らす、そん
な女があの皐月とは思えない。
(ハアッ、ハアッ……皐月さまのあえぎ声……そんな…そんな…)

やがてそのあえぎは「ふうん、ふうん」というくぐもった吐息へと変化していく。
「ねぇ、おじさん。遠慮しなくていいんじゃない。35年もこの女に尽くしてきたんだろ。
見るくらいならバチは当たらないって」
まさに悪魔の囁きであった。
そうだ。35年、俺は皐月さまに尽くしてきたんだ。胸を見たくらいなんだというんだ。
それくらいのご褒美があってもいいじゃないか。

隆二はそう自分を納得させ、目を見開き皐月を見る。
だが、彼の目に飛び込んできたのは、貴裕の肉塊を舐めしゃぶる女神の姿だった。
(な、なにを……なにをしているんだ……)

真っ赤な口紅を塗った皐月の唇から、醜悪な一物が出入りしている。
(うそだ…いくらなんでも…)
隆二は信じられないという思いと、貴裕に対する堪えられないほどの嫉妬で胸が張り裂け
そうになった。

思えば皐月の夫、自分の雇い主でもある遼平に対してさえ嫉妬を覚えたものだった。
自分が憧れその姿を見るだけで幸せな気分になれるこの女を、この男はいつでも好きなと
きに抱けるのだ。
無論、夫なのだから当然ではある。頭ではわかっていたのだ。だが、だが……
そんな時隆二はいつも自己嫌悪に陥っていた。

遼平が亡くなりようやくそんな嫉妬心からも解放され、これから一生皐月を守り通して行
こうと心に誓ったのだ。それなのに……
胸を揉まれあえぎを漏らすのは仕方がない。だが、自ら肉棒を咥えるなんて……

32退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:29:46

(ハアッ、ハアッ…………どうして、あそこにいるのが俺ではないんだ)
息が荒くなっていく。隆二は激しい嫉妬と興奮でだんだんに思考力が無くなっていた。
「おじさん。これも見なよ」
貴裕がキャミソールの裾をめくり挙げる。白く肉感的な皐月の尻が露わになる。

(ハアッ、ハアッ…………さ、皐月さまのお尻が……)
「ほら、ここも……」
貴裕はそう言って彼女の尻たぶを広げる。
「ひやぁ、ひゃめてぇ」
皐月は肉棒を咥えたまま抵抗を見せる。

(ハアッ、ハアッ…………尻の穴が……皐月さまの尻の穴が……)
「ほら、ここもこんなに……」
貴裕はさらに女唇を広げ隆二に見せつける。
(ハアッ、ハアッ…………濡れてる…ぐちょぐちょじゃないか)
隆二から皐月の女神としてのイメージが薄らいでいく。

ただの女…いや飢えた牝豚……

そんな言葉が隆二の頭をよぎる。
興奮は最高潮に達し彼の股間はいきり立っていた。
貴裕が皐月の口から肉棒を取り出し、彼女の顔を隆二に向けた。
(なんだ……なんだあの目は……)

おそらくそれは隆二の錯覚だったろう。
だが、彼の目には皐月の自分を見る眼差しが、憐れみを含んでいるように映ったのだ。
さらには、こんな幻聴まで聞こえてくる。
『ふふ、わたしはいやらしい牝豚よ。誰のチ○ポでも咥え込むわ。でも、あなたはダメ。
あなたは見るだけよ。わたしの身体には触れさせないわ』

「ふふ、おじさん。この女、好きにしてもいいんだよ。抱きたかったんだろ?今なら自由
にできるんだよ」
貴裕の言葉についに隆二の最後の線が切れた。彼は「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」と言って
皐月に飛び掛っていった。

「ひぃぃ、や、やめて、やめて隆二!うぐぅ…」
隆二は皐月の唇に吸いついた。35年間憧れつづけた女の口をついに奪ったのだ。
「皐月さま……皐月さま……」
彼は皐月の名を呼びながら、懸命に舌をねじ込もうとする。だが、皐月はそれを拒み唇を
開こうとしないのだ。

「や、やめて、隆二。あなたとは…こんなときに…」
(なぜだ……魔物のチ○ポは咥えられても、俺には舌さえ入れさせてくれないのか!)
隆二は怒り狂った。俺が尽くしてきた35年間はなんだったのだ。俺は魔物にすら劣ると
いうのか!
「オラァァァァ!!」

 バシィィィィィィ!!

隆二の強烈な張り手が皐月の頬を打つ。突然のことに彼女は驚いて目を見開いた。

33退魔戦士 有子:2005/10/06(木) 23:30:24


皐月は信じられない思いだった。
(隆二が……わたしを…)
皐月とて隆二の気持ちは良くわかっていた。35年もの長きに渡って自分を支え守り、尽
くしてくれた男だ。憎かろうはずがない。それどころか皐月としては抱かれてもいい、い
や抱いて欲しいとさえ思っていたのだ。

夫の三回忌の済む今年、自分から隆二に抱いて欲しいと頼もうと思っていた。
どこか二人っきりで旅をして結ばれたい。そんな少女のような気持ちでいたのである。
だが、これは彼女の望んだ結ばれ方ではない。これは…これではまるでレイプではないか!

だが、すでに悪魔に魅入られ肉欲の権化と化した隆二に、そんな皐月の思いが伝わるはず
もなかった。
こんなことなら邪淫魔法でもっと自分を淫らにして欲しい。ただ肉欲に溺れすべてを忘れ
たい。皐月はそんなことすら願う。
だが、貴裕は邪淫魔法を封印したままだ。欲望に身をまかせることすらできないのである。

「俺の、俺の女にしてやる」
隆二はむしゃぶりつくように皐月の乳房に吸いついていく。
右の乳房をこねくり回し、左の乳首を吸い上げる。彼女の豊満な乳房は隆二の手の中でお
もしろいように形を変えていくのだ。

「はあん……隆二……もう、もうやめて…こんな、こんなのはいやぁ」
「うるさい!!隆二さまだ!隆二さまと言え!!!」
そう言いながら皐月の頬をさらに引っ叩いていく。
「ひゃあん!りゅ、隆二さま……お願いです。やめて…やめて下さい…」
皐月は涙を流しながら隆二に許しを乞う。自分がこの世で一番信頼していた男。ある意味
では夫以上に心を許していた男だったはずなのだ。

その男が今、目を血走らせ自分にそのどす黒い欲望をぶつけようとしている。
「やめてじゃない。入れて、だ。入れて下さいだ!」
隆二はそう叫びながら皐月が着ているキャミソールを引き裂いていく。
自らズボンを脱ぎいきり立った屹立を取り出し、皐月の女唇へとあてがう。そしてそのま
ま一気に貫いていった。

「いやぁぁぁぁ!あなたと…あなたと…こんな形でぇぇぇ!!」
皐月のそんな叫びなど隆二にはもう届いていなかった。ただひたすら欲望のために腰を振
り続ける男がそこにいるだけだ。
「皐月!俺の子を、俺の子を孕め!!!」
隆二はそう叫びながら皐月の子宮に己の白濁を注ぎ込んでいくのだった……
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」


「ふふふ……これでツガイのペット誕生ってわけか……さてと、お次は……」
貴裕はそうつぶやきながらニヤリと笑った。

              エピソード1.5 『皐月・その後……』 終

34退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 22:59:25

               エピソード2  『一也』

小学校へ行き貴裕の担任と会ってきた有子だったが、有効な情報を得ることができたとは
言えなかった。
転校した生徒の中に一也という名の少年がいたかも、と訊いてみたのだが、担任教師はこ
の四月から赴任したばかりで、それ以前のことはあまりよくわからないようだ。
とりあえず、昨年貴裕くんの担任だった先生に訊いてみます。とは言ってくれたのだが、
あまり期待は持てない気がした。

夕食を取りもう一度考えてみる。
「一也くんの方面から探るのが難しいなら、やっぱり“例の幽霊屋敷”を探すしか……」
有子はふと思いついた。“例の”幽霊屋敷……
そうだ、“例の”と言っている以上、七月二十一日以前にその話題があったという
ことだ。
有子は慌ててPCを開きもう一度FDをスロットに差し込んでいった。

『日記10』から『日記14』この中にきっと書いてあるはず……
有子はまずは『日記14』をクリックしフォルダを開いていった。
七月一日から二十日までが記入されている。一也が登場するのは一回、幽霊屋敷に関して
は書かれていなかった。

有子は日記13、12と次々にクリックしていく。
11まで読み終えた。『日記12』に初めて幽霊屋敷のことが書かれており、13に一回記
入されている。一也に関しては各日記に大体一回か二回書かれていたのだが、誰なのかを特定
するような記述は皆無であった。

「このFDでは最後ね」
有子はそう言って『日記10』をクリックする。
10は三月二十一日、つまり春休みの最初の日から書かれていた。
「あっ……これ…」
有子が知りたかった名前。

野本一也。

これが一也のフルネームのようだ。ただ、少し妙な内容が書かれている。意味がよくわか
らなかった。
このフォルダにはそれ以上は一也のことは書かれていない。他は他愛のない内容ばかりだ。
夕飯がどうだったとか、テレビの番組がおもしろくなかったとか……

『日記10』から『日記14』までに、この少年についての記述があったのは合計六回。
そのうち幽霊屋敷については二回書かれてある。
有子はとりあえず、その六日間の内容をコピーすることにした。

========================================

『日記10』        三月二十一日(月)
昨日書いた野本一也のことは本当なんだ。たぶん誰も信用はしないと思うけど……
今日ママにそのことを軽く聞いたけど、難しくてよくわからなかった。
まぁ、いいか……

『日記11』        四月十三日(水)

学校から帰って来てから一也と遊んだ。
ふたりでサッカーしたけど、一也のやつすごくうまい。
一也が「僕みたいにうまくなりたい?」と聞くので「そりゃなりたいよ」と答えた。
一也は笑ってるだけだった。

『日記11』        四月二十日(火)

今日一也が来て一緒に家で遊んだ。ゲームをしてたら急に「悪魔とか幽霊とか信じる?」
と一也が聞いてきた。ママに魔物のこととか聞いてたから「悪魔とかは信じるよ」と答え
た。もちろんママが退魔戦士だとは言ってないけど。

『日記12』        五月十九日(木)

一也が来て「おもしろい所を見つけたから今度一緒に行こう」と言ってきた。
なんか幽霊屋敷を見つけたとか言ってた。「どこ?」と聞いたけど教えてくれなかった。
当日までのお楽しみだそうだ。六月の第一日曜に行くことになった。

『日記13』         六月五日(日)

一也に連れられて幽霊屋敷に行ってきた。普通の道を歩いてたと思ったけど、いつの間に
か細い山道みたいなところを歩いていた。少しモヤかかかってて気持ち悪かったけど、そ
こを抜けたら、普通になった。
今日は遠目で見ただけ。夏休みになったら探検に行こうということにして帰ってきた。

『日記14』         七月一日(金)

久しぶりに一也と会った。一也が「もうすぐ夏休みだね。どこかに遊びに行くの?」と聞
いてきた。僕は「ママが忙しいからあまりどこにも行けないと思う。皐月さんのところく
らいかな」と答えた。一也は「皐月さん?」と聞くので、おばあちゃんだよ、と答えた。
「あと、百合恵さんのところにも行くかも」と言ったけど百合恵さんの事は聞いてこなか
った。

35退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:04:52

========================================

有子は特に三月二十一日の記述が気になった。この時貴裕はわたしに何を訊いてきたのだ
ったか?確かになにか尋ねられたような記憶はあるのだが、なんといっても半年も前の話だ、
詳しくは覚えていなかった。
もう一枚あるはずのFDになにかヒントになることが書かれているはずだ。もう一度探してみるか……

部屋の時計を見るといつのまにか夜の11時を過ぎている。明日の朝小学校の方に一也の
フルネームが「野本一也」であることを伝えることにしよう。
勤務先(高校)の方には明日から三日ほど、妹の看病の為に休ませてもらう旨連絡を入れ
ている。
「明日一日かけてでも探そう……」

さすがに今日は疲れた。シャワーを浴びて休もう。
そう思って浴室の方へ向かう有子の耳に、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る音が聞こえ
た。こんな夜中に誰……
「どちらさま?」
インターホン越しに話す有子に男の声が聞こえてきた。

「夜分、申し訳ない……有子さん、隆二です。今到着しました……」

****************************************

「はあぅ……もう、もう許して……休ませて……」
皐月は白い肌を真っ赤に染め上げ、その美しい肢体をくねらせていた。四つん這いの状態
で後ろから、魔物の醜悪なペニスを突き入れられ抽送を繰り返されている。
赤い首輪を嵌められたその姿は被虐美の極致と言っても過言ではない。全身から玉のよう
な汗が吹き出し、ただでさえ艶めかしい肉体はさらにエロチィックに彩られていた。

「くくく…ダメだよ、皐月。ここにいるみんなの相手をしてもらうんだからね」
貴裕は皐月に向かってそう言い放つ。隆二にレイプ同然に犯された後、再び戻ってきた彼
女を待っていたのは、いつ終わるともしれない凌辱の嵐だった。
貴裕ともうひとりの少年に徹底的に女唇と口を蹂躙された後は、その場にいる魔物たちからの
凌辱を受け続けているのだ。

普通の状態ならば指先ひとつで倒せるような低級な魔物たちに犯される。皐月は口惜しさ
と屈辱感で今にも泣き出しそうだった。徹底的に犯され抜いた女唇はすでに真っ赤に腫れ
上がり、膣内にたっぷり注ぎ込まれたザーメンがそこから溢れ出してきている。
かつて退魔戦士ナンバーワンの実力と謳われた女。そのなれの果てを貴裕たちは楽しそうに
見つめていた。

「それで……涼の方はどうなってる?」
貴裕の問いに少年はニッコリ笑うと「順調だよ。あと三日くらいかな」と答える。
「じゃあ、そろそろ儀式に必要な奴を揃えないといけないね」
「そうだね。じゃあ、貴裕にペットの躾と涼の方を頼むとして、そっちは僕が行くよ。女
子高生なんだって?」
少年はそう言うと表情を淫猥に崩していく。

「そう。ママの話だと結構強いらしいよ」
「ふふ…楽しめるかな?」
「さあね……だけど…」と貴裕は言った。「有子がいても手を出すなよ」
「わかってるよ。僕の本命はあの女だけなんだから。おまえこそ彼女には手を出すなよ」

「くくく……じゃあ、今度祐美姉ぇのところに挨拶がてらに魔物を送るときには、手を出
さないように言っておくよ」
「ふふ…頼むよ」
少年はそう言うとその場を立ち去ろうとする。ふと立ち止まり振り向くと貴裕にこう尋ね
た。

「そう言えば、牡の方のペットはどうしたの?」
「ん?ああ隆二か……蟲を植え付けて有子のところに送り込んだよ」
「ひひひ…貴裕、おまえいい趣味してるな」
「まぁ、じっくりとね……」貴裕は不敵な笑みを浮かべながら言った。「狂わせてやるよ」

「ふふふ、じゃあ行ってくる」
「頼むぞぉ、一也」
「楽しんでくるよ。くくくく…」

36退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:08:08

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「電話くれれば迎えに行ったのに……」
「あぁ、有子さんお気遣いなく」
冷蔵庫を開けゴソゴソとなにやら取り出している彼女に向かって隆二はそう言った。
「ふふ、そう言わずに一本だけ付き合ってよ」

有子はそう言って缶ビールを二本出し、ひとつを隆二の前に置いた。
「すみません。ほんとはビジネスホテルにでも泊まろうかと思ったんですが…皐月さまの
ことが気になって…」
夜分に申し訳なかったです、と隆二は頭を下げる。

本当にこの人は母のことを気にかけてくれている。やはり、この人にはすべてを話そう。
有子はそう思い、「隆二さん。掻い摘んで説明するわ」と缶ビールのプルトップを開けながら
話し始めた。

これまでの経過と今日わかった貴裕の日記のことを伝えると、隆二は「う〜ん」とうなり
ながらこう口を開いた。
「では、そのフロッピーなんとか、というものを見つければいいわけですね」
「ええ、その“日記PART1”が見つかれば、少しは進展すると思うの…」
有子の言葉に頷きながら隆二は「わかりました」と答えた。

「じゃあ、とりあえず明日ね。隆二さん、疲れたでしょ?お風呂に入って休んで…」
有子はそう言って隆二を浴室へと案内する。
その間に客間に布団を引く。風呂から上がってきた隆二に「おやすみなさい」と挨拶する
と、入れ替わりに浴室へと向かって行くのだった。

無論、彼女がシャワーを浴びている間に隆二が何をしていたのか、などということを有子
は知るはずもなかった。

客間に隆二の姿はない。彼は二階にある有子の部屋に忍び込んでいたのだ。
皐月とともに何度もこの家に足を運んだことのある隆二としては、目をつむっていてもど
こに誰の部屋があるのか、ということなどお見通しだった。

隆二は今、整理ダンスの下着が入っている引き出しを開け、自らの一物を取り出すと一心
不乱にそれをシゴいていた。
うっ、とうめくとペニスの先端から透明な液体がシャワーのように射出され、有子の下着
にまんべんなく浸透していく。無味無臭のその液体は瞬時に乾き、見た目は先ほどと寸分
変わらぬ状態になっていった。

「ひひひひ……狂っちまいな」
隆二はタンスの引き出しを閉じ、ボソリとこうつぶやくと彼女の部屋を後にするのだった。

シャワーを浴び今日一日の疲れを取った有子は、バスタオルを巻いたまま自室へと向かっ
た。長年息子の貴裕とふたりきりで暮らしていた有子は、脱衣所で下着を変えるというこ
となどほとんどしたことがない。
しかし、考えてみればいくら気心が知れているとは言え、隆二は赤の他人である。何気に
客間の方を伺う有子は、グーグーと言う隆二のイビキが聞こえてきて幾分ホッとした。

自分の部屋に戻ると下着を穿き、パジャマに着替えそのまま眠りに着く有子。
そう、淫蟲のエキスがたっぷり染み付いたショーツを穿いて……

翌朝、小学校の方に一也のフルネームが“野本一也”であることを伝えた有子は、“日記
PART1“のFDを探し出そうと、隆二とともに貴裕の部屋に入った。
「あるとすればこの部屋のどこかだと思うの」
彼女はFDを取り出すと「こういうやつよ」と言って隆二に見せる。

「わかりました」
そう言うと隆二はFDを探し始めた。とその時、有子の携帯が鳴り出す。着信画面を見ると
百合恵からだ。

「もしもし……」    
もしや祐美になにかあったのでは、と思った有子だったが、そうではなく何か別のことで
重要な話がある、ということであった。
有子としても貴裕の日記の件を知らせておいた方がいいだろうと、今から病院の方に向かう
ことにした。

「隆二さん、ごめんなさい。ちょっと、百合恵の病院まで行ってくるわ。悪いんですけど…」
「いえ、構いませんよ。なんとかフロッピーとかいうのを探しておきますから」
隆二の答えに「出来るだけ早く帰るわ」と言って有子は家を出る。

もちろん隆二がニヤリと笑みをこぼしたことに気づくことはなかった。

37退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:12:40

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(なんか…面白くないなぁ……)
昼の休み時間。小泉真理はひとり学校の廊下を歩きながら心の中でそうつぶやいた。
学校には来てみたものの考えてみれば、敵が襲う可能性が一番高いのは有子である。
自分はいわば助っ人ととして来ているだけなのだから、襲われる可能性など皆無に近いは
ずだ。

その一番可能性の高い有子が学校を休んでいる以上、ここが襲われる可能性などほとんど
ないんじゃないのか?そう思うのだ。
「やっぱり、休んじゃえばよかったかなぁ〜」
学校に来るよりは有子と協力して、さらわれた祐美の子供を捜すとかした方がいいんじゃ
ないのか?
(百合恵さんに言って明日からはそうさせてもらおう)
真理はそう思った。そのときカシャッというシャッター音が聞こえた。

「ちょっと、あんたたちいいかげんにしなさいよ!」
そう言って彼女は振り返る。そこにはカメラを構えた男が三人ばかりいた。
こいつらが真理が「学校を休めばよかった」と思ったもうひとつの理由だ。

転校してきた昨日の二時間目の休み時間あたりから、こいつらの視線を妙に感じるように
なってきて、今朝などは登校しているときから殺気に近いものを感じていた。
クラスの子に訊くとどうやらこの三人は気に入った女子の写真を撮りまくり、プロマイド
と称して売ったりしているらしい。中には着替えを隠し撮りしたものとか、パンチラ、さらには
トイレ内の盗撮モノまであるとかいう噂だ。

いままでの学校でも親衛隊などと称した男どもはいたが、写真を隠し撮りするような輩は
皆無だった。今は普通の写真を撮られているだけだが、今後どれだけエスカレートするか
わからない。今のうちにバシッと言っておいた方がいいだろう。

「勝手に人の写真撮ってどうするつもり!!いいかげんにしないとカメラぶっ壊すわ
よ!」
「な、なんだよ。僕たちは芸術を撮ってるんだ……」
「はっ!げいじゅつ?被写体の許可も得ないでよくそんなこと言えるわね。ウザいのよ、
このキモヲタ!!」

真理の剣幕に逃げるようにその場を去る三人。逃げながらもシャッターを切ることは忘れ
ない。
「あーっ!まだするか、この!!」
逃げ去る三人を見つめながら「まったく、もう…」とつぶやく真理。
ふと魔の気を感じる。非常にわずかではあるのだが確かに感じるのだ。
真理はその気を感じる方角へと向かった。


(体育用具室……?)
体育館の一角にある少し大きめの部屋がそうだ。間違いないここからその気は発せられて
いる。そろそろ昼休みも終わり五時間目が始まる。次の時間体育館を使用するクラスがあ
るかどうかは知らないが、この程度の気の魔物なら戦っても外に被害を及ぼすこともない
だろう。
彼女は思い切って用具室のドアを開けた。

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有子は真紅のBMWを駆り百合恵の勤務する病院へと向かっていた。
“重要な話”と言っていたが、いったいなんなのだろうか?当然今回の件についてのこと
だろうが、電話の声の様子からして何か新しい事実がわかった、というような感じではない。
どちらかと言えば思いつめているような声だった気がするのだ。

「それにしても……」と有子はつぶやいた。「なんか熱っぽいな……」
今朝起きたときから感じていたのだが、少し身体が火照った感じなのだ。
「風邪でもひいたのかしら」
丁度、今から行くのは病院だしついでに診てもらおう、と思う有子だった。

38退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:13:20

病院に着き受付で百合恵を呼び出してもらう有子。
しばらくすると白衣をまとった百合恵が小走りにやって来た。
「ごめんね。待った?」
「ううん、大丈夫よ」
「どうしようかな」と百合恵が言う。「わたしの部屋に行こうか?」
二人の美女は並んで病院内の百合恵の部屋へ向かった。

百合恵は院内に個室があてがわれていた。四畳半くらいの広さしかない狭いものだが、一
応仮眠用のベッドなども置いてある。宿直のときなどはここで待機しているわけだ。
「ごめんね。インスタントだけど」
そう言って彼女は有子にコーヒーを出す。

ソファとテーブルというような気の利いたものはないため、有子は仮眠用のベッドに座り
百合恵は自分の仕事用の椅子に腰を下ろしている。
「それで、重要な話って…?」
有子は早速本題を切り出す。百合恵はコーヒーをすすると、「ふたつあるわ」と言って話し
始めた。

「貴裕くんを支配している魔物のレベルがあまりにも高いでしょ。今のままだと絶対に勝
てないと思うの」
確かにそれはその通りだ。祐美も自分もまるで歯がたたなかった。さらには皐月まで囚わ
れてしまったのだ。勝てる要素は皆無に等しい。では、どうする。
「それで……?」
有子はそう尋ねる。戦力アップのために他の退魔戦士たちを呼び寄せるのか?
日本には現役の退魔戦士があと三人いる。百合恵は彼女たちを呼び寄せるつもりなのだろ
うか?

「封印を解こうと思うの」
百合恵の言葉に、えっという顔をする有子。まさか……
「封印って…アレを?」
「だめかしら…?」
百合恵は逆にそう問い返してくる。
確かにアレは退魔戦士最強にして最大の武具ではある。だが、あまりにも危険だ。

「危険ね。アレをまともに扱える者がいるとは思えないわ」
もし、あれが暴走するようなことがあれば、何が起こるかわかったものではない。
「あなたでも無理?」
百合恵は有子にそう尋ねる。現役の退魔戦士の中では、もっともその能力が高いと評され
ている有子ではあったが、さすがにこればかりは自信がない。もちろん貴裕を助けるため
なら命など惜しくはなかったが、アレは我が身を犠牲にすればすむというような代物では
ないのだ。

「最後の切り札ってことにしましょう。使わずにすむならその方がいいわ」
「そうね。少し先走りすぎたかも……」
有子の言葉に百合恵は軽くため息をつきながら言った。
「ところでさっきふたつある、って言ったわよね?」
「ええ、これはそんな深刻な話じゃないわ。もうひとり助っ人を呼んでおいたの。いつに
なるかはわからない、って言ってたけど」

「誰?」
「操よ」
黒木操。有子と百合恵の同級生だ。クールで一匹狼的なところはあるがその実力は折り紙
つきである。有子としては現役退魔戦士ナンバーワンの実力は、彼女の方がふさわしいと
さえ思うほどだった。
祐美がまだあんな状態である以上、まともに戦えるのは自分と真理だけなわけだから、操
の参戦はかなり力強い味方と言ってよかった。

「それで、有子もなにか話があるって言ってなかった?」
自分の方の話が終わり、今度は有子の方へと話を振ってくる。
有子は鞄からあのFDを取り出すと、「これよ」と言って差し出した。
「パソコン借りるわ」

デスクの上にあるPCのスロットにFDを差し込み、ドライブを起動させる。
「読んでみて……」
有子はそう言って『日記15』を開いていった。

39退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:15:46

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真理が用具室のドアに手をかけたのと、五時間目の始業を知らせるチャイムが鳴るのとは
ほぼ同じであった。この時点で誰も体育館に姿を現さないということは、この時間にここ
を使用するクラスがない、ということと考えていいだろう。
これで外の様子を気にせず戦えるというものである。真理はドアを開け用具室の中へと足
を踏み入れた。

バレーやバスケットのボール、マット、跳び箱など体育用具が整然と並べられている。比
較的整理が行き届いているな、と真理は思った。
魔の気の方はというと、やはりこの一角から感じられる。先ほどよりは少し強まった感も
あるのだが、まだまだ微細であり過去に戦った魔物とは比べられないほど弱い。昨日一条
家で感じた邪気が100だとすれば1にも満たないだろう。

(雑魚か・・・)
真理は少しがっかりした。どうやら貴裕本人でも彼が送り込んできた魔物の類でもなさそ
うである。なにかの拍子に低級の魔物がここに出現してしまった、というところだろうか。
(まぁ、魔の存在には違いないから、丁重にお相手してあげるか)
真理がそんなことを考えていると、後ろからふふふ、という子供の笑い声が聞こえてきた。

「誰?」
彼女はその声に反応して、後ろを振り返る。そこには跳び箱の上にちょこんと座った少年
がこちらを向いて笑っている姿があった。どうやら、魔の気はこの少年が発しているよう
である。
一瞬、貴裕かと思った真理ではあったが、前に見た写真とは少し雰囲気が違うようだ。
第一こんなに微弱な気の訳がない。

「なに?あんた」
真理は少年に向かってそう尋ねた。少年はそれには答えず「お姉さん、小泉真理さんだよ
ね」と逆に問い返してくる。
「こっちが先に訊いてるんだから、ちゃんと答えなさいよ」
「ん?僕のことを知りたいの?」とその少年は言った。「貴裕の友達だよ。一也って言うん
だ」

「あら、そう」
貴裕の仲間にしては低級な魔物だと思ったが、それよりもこいつを生け捕りにして、さら
われた祐美の子供や皐月の居場所を聞き出してやろうという考えの方が先にたった。
「で、わたしが小泉真理だとしたらどうするわけ?」
「お姉さん、処女なんでしょ?」
一也と名乗った少年はそんなことを訊いてくる。
「な、なにバカなこと言ってんのよ!」

確かに真理は処女であった。中学時代からモテまくりの彼女ではあったが、周りの男子は
真理をアイドルかなにかのように神聖視しており、彼女に対して告白するような者もいな
かった。元々異性にそれほど興味がなかったこともあって、真理は特定の男とつき合った
経験もなかったのである。

「ふふ、焦るとこ見るとやっぱり処女なんだ。いいね、儀式の生贄にはばっちりだよ」
「儀式?生贄?なに言ってるの?第一あんたみたいな低級の魔物がわたしをどうにかでき
るわけないじゃないの!」
真理は声を荒げて怒鳴る。そして「破邪の鞭!」と叫ぶと、自分の必殺武器を呼び出した。

「おー、怖い、怖い。そうだね、僕みたいな低級の魔物じゃ、お姉さんにはかないっこな
いから」一也はそう言ってパチンと指を鳴らす。「こいつらがお相手するよ」
用具室の床からドロドロの液体のようなものが現れ、次第に形を作っていく。
ひとつ、ふたつ、みっつ……
それらはある程度ひと形にはなったものの、まだ半固形、半液体という状態だ。

「げっ、キモッ!!」
いままで幾度となく魔物と遭遇してきた真理だったが、一年半の経験でこのような形状の
魔物と相対したのは初めてのことだった。半固形、半液体と言えばまだ聞こえはいいが、
どう見ても“腐りかけ”といった表現の方がぴったりくるような気がする。なんとなく腐
敗臭すら漂ってくる気がするのだ。

40退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:16:26

しかし、感じる魔の力はそれほど高くはない。過去に戦った魔物と比べても強敵とは言い
がたい。いや、どちらかと言えば弱い部類に入るほどだ。この程度なら転身する必要もな
いだろう。
「ふん、あんたわたしをバカにしてるの?この程度なら目をつぶってても勝てるわよ!!」
ビュウッと風を切る音がして“破邪の鞭”が唸りを上げて魔物──いや、化け物と言った
方がいいか──を攻撃する。

バシュッ、バシュッ、バシュッ

鞭はまるで生き物のような動きで三体いる化け物を次々に切断していく。もちろんただ切
断しただけではない、破邪の鞭の力で闇の力を浄化したのだ。
断末魔の叫びを上げながら化け物どもは崩れ落ちていき、再びドロドロの液体へと戻って
いく。そして跡形もなく消えてしまうのだった。
「弱っ!ちょっと、いくらなんでも弱すぎよ。もうちょっとまともなのを連れて来なさい」
破邪の鞭を肩にかつぎ笑顔を浮かべて真理はそう言う。その表情にはかなり余裕があるよ
うだ。
しかし、一也はふふふ、と笑うと彼女に向かってこう言った。

「強いねェ、お姉ちゃん。それくらい強いと少しは楽しめそうだよ。じゃあ、今度は僕が
お相手してあげるね」
「あらあら、僕ちゃん、自分の力がわかってないんじゃないの?」
真理の言葉に一也はハハハハッ、と大笑いをし、
「そうだね。どれくらいの力があるのかわからないよ。とりあえず、これくらいならどう?」
そう言ったとたん少年の髪が逆立ち、先ほどまでとは比較にならないほどの魔の気があふ
れ出し室内に充満していく。

「な、なに……なんなの!!」
一条家で感じた魔の力の半分くらい──つまり1だったものが、いきなり50に跳ね上が
ったということだ──のパワーが少年から感じられた。
「力を調節できるってわけ……ふ〜ん、生意気じゃないの…」
今のいままで低級な魔物だと思っていた少年が、ここまでパワーを上げてくるとは……
昼間なので多少は闇の力も弱まるだろうが、勝てるかどうかは微妙なところだ。

強気の真理もさすがにさっきまでの余裕はなくなっていた。
「じゃ、じゃあ。敬意を表して転身してあげるわ」
真理は「転身!」と叫び、青いバトルスーツに身を包んでいった。

****************************************

『日記15』を読み終えた百合恵は、日記10から14までの一也のことが記述してある
六日間の内容をまとめたものへと移った。
春休みの最初の日、つまり三月二十一日の日記を読んだ瞬間こうつぶやいた。
「野本……一也……?」
「ん、知ってるの?」
有子の問いに百合恵は「えっ、ううん」と首を振り、そのまま日記を読み進めていく。

すべてを読み終えた彼女に有子はこう話し掛ける。
「どう思う?」
「わからないわね、これじゃあ。幽霊屋敷っていうのがおそらくやつらのアジトだとは思
うんだけど、場所を特定するようなことはなにも書いてないし……」

「今、隆二さんに日記のPART1を探してもらってるの。たぶん、一也って子のことが少し
はわかると思うのよ」
「そうね、そのFDを……あら、有子どうしたの?顔が赤いわよ。熱でもあるの?」
「えっ、ええ。今朝からちょっと熱っぽくて……」
百合恵は体温計を取り出し、「疲れてるんじゃない?早く帰ってゆっくりした方がいいわ」
と言うと有子にそれを差し出す。
少し微熱があるようだがたいしたことはない。ただ、疲労がたまっているだろうからゆっ
くりした方がいいわよ、と言われ有子はじゃあ、祐美の顔だけ見て帰るわ、と百合恵と共
に部屋を出た。

祐美の病室をたずねたふたりだったが精神安定剤と疲労からかぐっすり眠っていたため
早々に退散する。
百合恵は「少し時間はかかるかもしれないけど、必ず直るから安心して」と有子を元気づ
けた。

病院の玄関で「お大事にね」と言って有子を見送った後、医局に戻る道すがら百合恵はさ
っき見たFDの内容を思い出しながらこうつぶやいた。
「野本一也……まさかね……三月以降のことだし…ありえないわ……」

41退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:18:07

BMWのハンドルを握り帰途につく有子だったが、身体の火照りは益々激しくなっていた。
息が乱れ目が霞んでくる。
さすがに危ないと思った彼女は車を道路の脇に寄せエンジンを切った。
幸い道路は道幅も広く、今の時間は他の車も人の通りもあまりないようだ。少し横になって
休もうと有子は車のシートを倒した。

(おかしい…こんな…?)
先ほどまでは単に熱っぽいだけだったのだが、今はそれだけではなかった。身体が疼く。
もちろん、この感覚が何を意味しているのかくらい33にもなった自分がわからないはず
はない。だが、なぜ……こんなときに……

有子はほとんど無意識のうちに左手で、自らの胸を揉みはじめていた。
ブラウスが、ブラジャーの存在が邪魔だ…直接さわって揉みしだきたい。
「はあン……ふうン……」
吐息が荒くなってくる。もう、耐えられない……
有子はブラウスのボタンを外そうとする。だが、なかなか外れない。あまりのもどかしさ
に両手を使ってボタンを引きちぎった。レースを施した清楚な白いブラジャーが姿を見せ
る。

ブラジャーのフロントホックを外す。プルンとたわわに実ったふたつの水密桃が零れ落ち
た。乳首は痛々しいばかりに充血し、天を指すかのようにピンと勃起っている。有子は人
差し指と親指を使って、それを摘み上げた。
「ああああああああンンンン!!」
今まで感じたこともない快美感がまるで電流のように身体全体を襲う。それと同時に
股間から信じられないほどの大量の蜜があふれ返ってくるのがわかった。

「なに……なんなのぉ……こんな……はうっん」
左手で胸を揉みながら、右手はスカートを捲り上げていく。有子は普段からパンティ
ストッキングではなく、ガーターベルトとストッキングを好んで使うことが多い。
今日の出で立ちもそうだった。右手を直接白いハイレグパンティのクロッチに這わせて
いく。

大洪水だ。あふれ返った淫蜜はそのわずかな布切れだけでは吸い取ることができず、太腿
を伝い車のシートをベットリと濡らしている。こんなバカな、と思いながらも下着の中に
その細指を差し入れ、自ら秘唇を慰めていく。とにかく、一度気をやってしまわねばこの
疼きは止められそうになかったのだ。

(はうン……いったい……どうしたって言うのよ……)
股間を覆う布の存在すら鬱陶しくなってきた。
有子はガーターベルトを外すと、腰を浮かせパンティーを脱いでいった。

****************************************

なかなかすばやい動きだ。
破邪の鞭をふるう真理だったが、一也という少年は紙一重のところでそれをかわしていく
のだ。
「この〜っ!逃げてばかりじゃ、勝てないわよ!!」

真理の言うとおり確かに少年はこちらの攻撃はかわすのだが仕掛けてこようとはしない。
あえて仕掛けないのか?それとも仕掛けられないのか?
どちらにしろこのままでは埒があかない。そう思った真理は自分の最大奥義を使うことに
する。
(生け捕りにするつもりだったけど仕方ないわ)

彼女は破邪の鞭をその場に置くと、両手を胸のあたりで拝むように合わせる。
「あれ?なにやってんの……ふふふ、神だのみかい?」
真理はそれには答えず、なにやら呪文のようなものを唱え始めた。
やがて彼女の両手から小さな光が出現し始める。それは見る見るうちに大きく、そして輝
きを増していくのだった。

「えっ……なに?」
さすがに一也もまずいと思ったのか、真理に対して攻撃を仕掛けようとした。腕が伸びす
るどい爪が彼女を襲う。爪はすぐそこまで迫っていた。
だがそのとき、真理はニヤリと笑いこう叫んだ。
「もう、遅いよ!消えちゃえ!!」

膨れ上がった光球が勢いよく一也めがけて打ち出される。
光は攻撃してきた少年の腕を飲み込み、そのまま一也自身をも飲み込んでいく。
「ぎぃぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
光の渦に飲み込まれ一也は断末魔のような叫び声を上げていった。

やがてその光は収縮し、消えていく。本来なら飲み込まれたものも光と共に消え去るはず
だが、一也の姿はまだそこにあった。しかし、少年は骸のように倒れたままその場を動け
ないでいる。
「へ〜っ、アレを食らって消滅しなかったのはあんたが初めてだよ」
真理は破邪の鞭を拾い、倒れている少年の所へと向かった。

「生きてんの?」
彼女はそう言って足で一也の身体を蹴る。ううっ…という声がして少年は目を開けていく。
「どうやら、生きてるようね。ちょうどいいわ、生きてるならあんたたちのアジトを教え
てもらいましょうか?」

42退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:19:35

真理は足で一也の顔面を踏みつけながら言った。しかし、少年はニヤリと笑いながらこう
言うのだ。
「ぐぅっ……痛いなぁ、お姉ちゃん。結構、残酷なんだね」
顔面を踏みつける真理の足首を掴むとさらに続けてこう言った。

「もう……お遊びはお終いだよ」
再び一也の髪が逆立つと信じられないほどの邪気があふれ返ってくる。
「なっ…なに!!!」
あまりの気の力に真理は抵抗する暇もなく弾き飛ばされてしまう。

「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
どこかに叩きつけられた。鞭をふるう暇もない。なんとか起き上がったが再びそのパワー
で弾かれ叩きつけられるのだ。まるで嵐の中の木の葉のように……
「信じられない……なんてパワーなの……はぐっ!」

壁に、床に、そして天井に……真理はいたるところにその身を叩きつけられていく。
最後に叩きつけられたのは跳び箱の上だった。見えない力で固定され身動きがとれない。
跳び箱を抱きかかえるような体勢で磔にされた格好だ。
「ふふ、あんまり腹がたったから、ちょっとパワー出しすぎちゃったかな。25%も出すと
全然抵抗出来ないんだね」
一也はそう言いながら真理の元へと近づいてくる。

「どう?ご感想は」
「くっ…くやしい……」
真理のその言葉を聞き不敵な笑みを浮かべた一也は、彼女の髪を引っつかむと顔をグッと
上に持ち上げた。

「お姉ちゃん。今から色々楽しませてあげるよ」
少年は用具室のドアの方をチラリと見るとこう続けた。
「特別ゲストを呼んであるんだ。お姉ちゃんも知ってるんじゃないかな?」
一也の言葉に促されるようにドアが開き“特別ゲスト”が入ってくる。

「うはっ、ホントに小泉だよぉ〜」
「ひゅう〜っ、何のコスプレ?」
「ひゃあ〜〜、シャッターチャァァンス!」
バシッバシッとストロボが焚かれシャッターが切られていく。

聞き覚えのある声にその方向を見る真理の目に飛び込んできたのは、例の“キモヲタ三人
組”の姿だった。

「なによ!あんたたち……」
「なによ、とはご挨拶だなぁ。せっかく小泉さんの欲求不満の解消に協力してあげようと
思って来たのに」
「なんですって!?」
「僕たち一也くんとお友達になったのさ」
「小泉さん、ほんとはすごくエッチなんだってぇ?露出趣味があるって聞いたよぉ〜」
「見られると感じちゃう人なんでしょ」
彼らは口々にそう言いながら真理のまわりへと集まってくるのだ。

見えない力で跳び箱の上にうつ伏せ状態で押さえつけられ、身動きの取れない真理は恐怖
に身を震わせた。
「ふふふ……震えちゃって可愛いね、お姉ちゃん。みんなにはギャラリー兼撮影係として
来て頂きました」
「さ、撮影ですって!」
「デジカメ係でっす」
「ビデオ係で〜す」
「そして、僕は小道具係でございます」
そんな……写真だけでなくビデオまで……
「小道具係のお兄ちゃん。例のもの持ってきてくれた?」
一也の問いに小道具係の男──田村慎哉はこれこれ、とばかりに紙袋を差し上げた。

「ひひひ……じゃあ、用意の方よろしくね。撮影隊も準備いい?」
「OK、久々にいい絵が撮れそうだよ」とデジカメを持った武藤孝治が言う。
「被写体がいいからねぇ。あっ、なんだか心臓がバクバクしてきた」ビデオカメラを構え
香山武志が目を爛々と輝かせそう言う。

男どもが好き勝手を言っている間も、真理の方は何をされるのかと戦々恐々としている。
ちらりと横を向くと、小道具係の田村が洗面器を取り出し、水を入れているところが見え
た。
「な、なにをするつもり……?」
真理は恐る恐る尋ねてみる。一也が真理の目の前に来て顔を覗きこむようにしてこう言っ
た。
「訊きたい?──お姉ちゃんの処女を奪うわけにいかないんだよね。で、もうひとつの処
女を頂こうと思ってさぁ……」
もうひとつの処女……なにを言っているの……
「お尻の穴を貰っちゃうね。んで、その前にさぁ……お腹の中綺麗にしとこうと思って──
お姉ちゃん、浣腸ってわかるよね」

43退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:22:09

か、浣腸って……そんな……
無論、浣腸ぐらいは知っている。しかし、そんなことをすればこの場で排泄をすることに
なるわけだ。しかも、三人組に見られながら……撮影までされる……
「うそ……うそでしょ……いやぁぁぁぁぁ!!」
真理は大声で叫ぶ。しかし、この時間体育館を利用しているクラスはいない。助けがくる
はずはなかった。仮に助けが来たところで、一也のような化け物がいては単に犠牲者を増
やすだけのことである。

「準備OKだよぉ」
田村がガラス製の浣腸器に溶液をたっぷり入れ一也へと渡す。
「ひひ、じゃあ、始めようか」
一也はそう言って真理が着ている退魔戦士のバトルスーツのミニスカートをめくる。そして、
パンティーを脱がせていくのだ。

「いやぁ!やめろぉ!このヘンタイどもぉぉぉぉ!!」
「ヘンタイいいねぇ。真理ちゃんの可愛いお尻が撮れるならなんにでもなりましょう」
武藤はそう言いながらシャッターをバシバシ切っていく。
「お〜い、田村。尻たぶ持って広げてくれよ。ケツの穴ばっちり撮っちゃいますから」
香山に言われ田村がまかせろ、とばかりに真理の尻を持ち両側に広げる。
「いいね、いいねぇ。ケツの穴の皺の一本、一本まではっきり撮れてますよ〜ん。もちろん
おま○こもね」
「やめて……お願い…もう、許して……」
気の強い真理だったが、こんな辱めを受けたのは初めてのことだ。涙を流しながら哀願す
る。

「ふふふ、お姉ちゃん。やめて、やめてって言いながらここはちゃんと濡れてるよ。恥ず
かしくて感じちゃってるんだね。どっちがヘンタイなんだか」
「うそよ……そんなはずない……」
だが、否定する言葉も弱々しい。確かに下半身から熱いものがあふれてくるのがわかる。
真理は自分の身体のそんな反応が理解できないでいた。

「お姉ちゃんのお尻の穴って可愛いねぇ。すぐに入れると痛いだろうから、ちょっと揉み
ほぐしてあげるね」
一也はそう言って真理の小さなすぼまりにゆっくりと人差し指を差し込んでいった。
「ひっ……やめ……やめてぇぇぇぇぇ」
自分自身ですらまともに触れたことのないような場所に、あろうことか指を突っ込まれ真
理はおぞましさに悲鳴を上げる。

「ふふふ……いい感じだよ。柔らかくて浣腸しがいがありそうだ」
一也は突っ込んだ指をぐりぐりと回転させながら、真理の肛門をこじ開けていく。
三人組も美少女転校生が肛門を嬲られ、悲鳴を上げている姿に己の嗜虐心をくすぐられ、
股間を膨らませながらその光景を凝視している。

一也は指を抜き取ると淫猥に微笑んだ。
「くくく…じゃあぁぁぁ、いくよぉ〜。撮影よろしくねぇ」
浣腸器のノズルが肛門へと差し込まれる。後は浣腸器のピストンを押し込むだけだ。
「いや!いや!だめ!!だめぇぇぇぇぇ!!」
頭を振って泣き叫ぶ真理だが、そんなことはおかまいなしに一也はゆっくりとピストンを
押した。

「いや、いや……あ、あああ、んんん……」
腸内へと溶液が流し込まれる。生まれて初めて経験するその異様な感覚に真理はくぐもった
声を上げ全身を震わせる。
グッグッとピストンが押し込まれその度に溶液は彼女の腸内へと注ぎ込まれていくのだ。

「はう……やめ……苦し……も、もう……入んないよぉ……」
無理もなかった。初めて浣腸されるというのに500ccもの量を注入しようとしているのだ。
その白い肌の毛穴という毛穴からは大粒の油汗が噴き出している。真理は溶液の注入が終
わるのをじっと耐えて待つばかりだった。

「はうっ……はぁ、はぁ……」
ようやく浣腸器内の液がすべて注ぎ込まれ、ノズルが肛門より抜き取られる。苦痛から解放
され大きく息を吐いて目を閉じる真理。だが、本当の地獄はこれから始まるのだ。
小道具係の田村は紙袋からなにやら栓のようなものを取り出し一也に渡す。抜群のコンビ
ネーションである。

44退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:23:58

「ふふ、準備いいねぇ。アヌスストッパーだよ。これでしばらくは出したくても出せない
からね」
一也はそう言って真理の肛門へとそれを差し込む。
やがて、注ぎ込まれた溶液が腸内の排泄物をドロドロに溶解していく。グルグルと下腹が
鳴り刺すような痛みが下腹部を襲う。

「はうン……だめ……助けて……」
溶解された排泄物は溶岩流のように裏門へと殺到しかかっている。しかし、しっかりと押し
込まれたアヌスストッパーは噴出を許さず、強固に裏門を守っているのだ。
出したくても出せない……もちろんこんなところで出すわけにはいかない。でも…でも…

真理はさらに大量の汗を噴き出し必死になって耐えている。しかし、限界はあった。
「はぁ……お、お願い……トイレに…トイレに行かせて……」
「え〜っ、まだ、10分しか経ってないよ」
「お願いよ……なんでもするから……トイレに…」
一也は真理の言葉にニヤリと笑みをこぼしながら、「じゃあ、僕とキスしようか。ちゃんと
できたらトイレでさせてあげるよ」と言った。

「わかった…するから…お願い…」
「そうじゃないよ。“一也さま、真理の唇を奪ってください”って言わなきゃ」
もう、なんでも言うしかなかった。苦痛に汗が噴き出し、このままでは気を失ってしまい
そうなのだ。

「はン……か、一也さ…ま…真理の…真理の唇を奪ってください……あ、ああああ……」
「はい、よく言えました。それじゃあ、いくよ」
一也はそう言って真理の唇に吸いついていく。たっぷりと唾液を含ませねっとりと舌を使
って口唇を舐め上げていく。一也は強引に真理の唇をこじ開けると舌を差し込んでいった。

まるで軟体動物のような少年の舌の動きに真理は汚辱感で気が狂いそうになる。だが、何
とか耐えてこの場での排泄だけは避けねばならない。
真理は少しでも犯されているという感覚から逃げようと、積極的に自ら舌をからませてい
く。
不思議なもので能動的に行う行為は──それが吐き気をもよおすほど嫌な相手でも──官
能を高ぶらせていくのだ。

「はうン……ふうン……」
喘ぎとも吐息ともつかない声をあげ、淫猥に舌をからませ合う。
やがて、一也が唇を離した。よかった…ようやくトイレに行ける。真理はそう思った。
「よくやったね。じゃあ、トイレでさせてあげるよ」

一也の声に田村がニタリと笑い、バケツをひとつ取り出しこう言った。
「は〜い。真理ちゃん専用トイレでっす。いっぱい出してねぇ」
「えっ……なに…どういうこと…トイレに行かせてくれるって……」
「え〜?トイレでさせてあげるとは言ったけど、行かせてやるなんてひと言も言ってない
よ。そしてこれがお姉ちゃんの専用トイレ」

「そんな…それじゃあ……」
ここで垂れ流すのと一緒じゃないの……
真理はそう思ったが、もう崩壊は目の前だった。
「どうするの?垂れ流す?それともこれ使うの?」
選択肢はそのふたつだけだった。迷っている余裕はない。真理は「バ、バケツを!!」と
必死になって叫んだ。

「よ〜し、小道具係、撮影班、準備OK?ストッパー外すよぉ」
一也に言葉に田村はバケツを捧げ持ち、武藤と香山は決定的瞬間を逃すまいとそれぞれの
カメラを構える。
そして、ストッパーが外された……

「あ、あああああ……見ないで!見ないでぇぇぇぇぇぇ!!」
一瞬アヌスが盛り上がり、その後ビジャァァァァという音と共に茶褐色の液体が噴出した。
それが終わると、今度はプリッ、プスッという破裂音がして溶岩のような軟便が排泄され
ていく。同時に用具室内にはなんとも言えぬ異臭が充満し始めていた。

「うはっ、すげぇにおい!くっせ〜」
「うん、くさい…くさいけど美少女の排便にはロマンを感じるよぉ〜」
「“美少女脱糞&肛虐の宴”のタイトルでネットオークション行きィ」
三人組は口々に好き勝手なことをほざきながら、美少女の排泄を楽しんでいる。

45退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:25:03

軟便の排泄が終わった。バケツの中にはこんもりとした小山が出来上がっていた。
バケツを真理のお尻から外そうとする田村を制して真理が言った。
「ま、待って…田村くん…もう少し…」
「うはっ、まだ出るの?」
田村は慌ててバケツを元の位置に戻す。
「ん、んんんん…」
真理の押し殺したような声と共にアヌスが一段と盛り上がり、大物がその姿を現していく。

「うわぁぁ!」
「ひえぇぇぇ」
「すげぇ」
三人組の驚きの歓声。ひひひひ、と淫猥に笑う一也の声。そんな中、真理のアヌスからは
どす黒いバナナのような塊が現れバケツの中心へとボトンと落ちていった。

その後息つく暇もなくお尻と肛門周辺を水で綺麗に洗われ、ついに後ろの処女を破られる
瞬間がきた。
真理は口惜しさと恥ずかしさでぐちゃぐちゃに涙を流し泣くばかりだった。だが、一也の
一物がアヌスにあてがわれたとき、恐怖で涙が止まった。

「いくよぉ、ふふ、最初は痛いだろうけど、そのうち良くなるからね」
そう言って一也は真理のアヌスにその長大なペニスを埋没させていった。
「ああ、ひぃぃぃぃ……」
これ以上ないというくらいにアヌスが広げられ、やわらかい裏肉を引き裂いていく。
「あああああ……殺して…もう……殺してぇぇぇぇぇ」

「大丈夫だよ、お姉ちゃんのお尻の穴はサイコーだよ。すぐ気持ちよくなれるから」一也
はそう言った後、撮影を続ける三人組たちを見やりこう続けた。
「お兄ちゃんたちにも世話になったから、このお姉ちゃん、二日だけ貸してあげるよ。お
ま○こ以外はどこ使ってもいいからね」
一也の言葉に歓声を上げる三人組。
だが、真理の耳にはそんな声すら届いていない。堕ちていく……そんな言葉が脳裏をよぎ
っていくのだった……

****************************************

信じられないほどの肉体の疼きに耐えかね、真紅のBMWの中で身悶える有子。
胸をはだけスカートは捲り上がっている。そして今まさにパンティーを足先から抜き取っ
たところだった。
左手はその豊満な胸を揉みしだき、右手は女唇へと伸びていく。
「ふうっん……はあ…ン……」
股を広げその優美な指先でヴァギナをなぞりあげる。脳みそをとろかすかのような甘い衝
撃に有子はくぐもった喘ぎを漏らすのだ。

有子は自分がいったいどこでなにをしているのか、はっきりと自覚していた。
ほとんど人通りのない道、自分の車の中とは言え、白昼堂々半裸の状態であられもなく大
股を開き自慰にふけっている。考えられなかった。いったい自分の身体になにが起こった
というのか?いけない……こんな……
必死になって自分の中に沸き起こる淫靡な感覚に抵抗しようとする有子だったが、気持ち
とは裏腹に自らを慰めるその指先の動きはさらに激しさを増していく。
もちろんこれは、昨夜隆二が彼女の下着に染み込ませた淫蟲のエキスのせいなのだが、有
子がそんなことを知るはずもない。

とにかくこの疼きを鎮めないと……
有子はそう思いながら人差し指で自分の一番敏感な肉粒に触れていく。
「あうっ!あぁぁぁぁぁぁぁンン」
乳首を摘み上げたとき以上の電撃が過敏になった肉体を走り抜ける。意思とは関係なく指
先が小刻みに動き始める。股間からは本当に人間の身体からこれだけの量が出るのかと疑
いたくなるほどの大量の蜜がとめどなくあふれ返ってくるのだ。

「も、もう……」
欲しい……欲しくてたまらない……
ここまで高ぶりを見せた疼きは、こんな細い指だけではとても収まらない。もっと大きい
もの…もっと太いもので……
挿入出来るものはないかと左手でシートの下あたりを探る有子。
なにかが指先に触れるのを感じそれを掴み取り出す。バイブレーターだった。

46退魔戦士 有子:2005/10/20(木) 23:26:52

なぜこんなところに、こんなものが……
そう思う有子だったが、挿入の欲求はそんな考えを、一瞬にして消し去ってしまうのだ。
バイブの電源をONにしぐちゃぐちゃに濡れそぼった秘裂へとあてがう。
「はっくふぅぅぅ…はうン…」
クネクネとした微妙な動きは有子にさらに甘い衝撃を送り始める。

(こ、これを挿入したら……)
いったいどれほどの快感を得ることができるのだろう……
有子はいやらしく蠢くバイブを眼前に持ってくるとその先端を口に含みたっぷりと唾液を
絡ませていく。擬似フェラをすることにより、彼女の官能の炎はさらに激しく燃え盛って
いくようだった。

有子はバイブを再度秘唇にあてがうと、今度は一気に膣穴へと埋没させていく。
「ふぁあっ……あふあああンンンンン……いいっ……たまんない……はふン……」
バイブの動きに合わせるかのように妖しく腰をくねらせる美しき未亡人。
夫が亡くなってから……いや、夫とのセックスでもここまでの快感を得たことはなかった。

「あふっ……あっ、あっ……ダメっ!イクっ、イっちゃうぅぅぅぅ!!」
有子は絶頂を告げる言葉を連発しやがてシートにぐったりと横たえるのだった。


気が付いたとき辺りは少し薄暗くなっていた。
車の時計を見るとすでに五時である。三時間近く気を失っていたということか……
慌てて捲れあがったスカートを直し、はだけたブラウスの前を両手で押える。いくら人通
りが少ないとはいえ三時間もの間、こんなあさましい姿を晒していたというのか。
車内には未だにムッとするほどの淫臭が充満している。
(恥ずかしい……)
人に見られたかも、ということよりあんな痴態を晒してしまった自分自身がなさけない。
すぐにもこの場を離れたかった。
有子はハンドルを握ると、自宅に向け車を走らせていった。


自宅に戻った有子はとにかくシャワーを浴びようと浴室に向かった。
自らの淫蜜により下半身は、もうドロドロの状態だ。すぐにも洗い流したかった。
有子は隆二に気づかれないように着替えを取りに二階へと向かう。

着替えを取り浴室へと向かう有子を隆二の声が呼び止めた。
「あれ、有子さん。お帰りですか?」
「あっ……えっ、ええ。ちょっとシャワーを使わせてもらうわ」
背中の方から呼び止められたので、ブラウスの乱れはわからないはずだが、有子は思わず
前を押さえてしまう。

「そうですか。風呂から上がったら、リビングの方に食事用意してますから食べて下さい
よ。あっ、そうそう……例のFDとかいうやつ見つけときましたんで……後で見て下さい」
FDが見つかった……
有子はすぐにでも見たかったのだが、とにかくシャワーを浴びてから、と浴室へと向かう。

シャワーを浴びリビングへと向かう。あの妖しい疼きは収まっているようだ。
リビングのテーブルに隆二が作ってくれた夕飯が置いてあった。
しかし、気になるのはFDである。
ふと見ると食事とともに黒いFDが一枚置いてあった。有子はそれを手に取り見つめる。
タイトルには“日記PRAT1”と書いてあった。間違いない、確かに貴裕の字だ。

有子は食事より先にFDを見ようと、それを手に取りPCのある部屋へと向かう。
と、そのとき電話が鳴った。受話器を取ると貴裕の担任教師である。野本一也の件がわか
ったというのだ。

『朝お電話いただきまして調べたところ、確かに“野本一也”とい生徒は五年生のとき貴裕
くんと同じクラスだったようですね』
確かに野本一也という少年は同級生にいた、ということだ。しかし、今現在はこの小学校
にはいないということでもある。転校したということだろう。

「それで、今その一也くんは……?」
有子はとにかく彼に会って幽霊屋敷のことを聞ければと思い引越し先の住所を訊こうとす
る。
しかし、担任教師の口から出た言葉は、有子の想像していた内容ではなかった。

『いや……それがですね──野本一也くんは昨年の12月に亡くなっていまして』
「えっ……?」
亡くなった……ということは日記に出てくる少年とは別人ということなのか?
(あっ……)
有子は貴裕の言葉を思い出した。あの日──三月二十一日に息子が自分に尋ねてきた言葉
だ。

『人間って死んでも生き返ることってあるの?』

エピソード2 「一也」 終

47退魔:2005/11/15(火) 23:00:12

            Intermission 1
                     『From 貴裕』

───目を覚ますと時計の針はもう午前十一時を差していた。
あの日以来身体の疼きは断続的に起こっておりなかなか寝付けない。
昨夜もまた強烈な疼きか襲い自ら慰めてしまった。
ベッドの上にはあれから常に持ち歩いているバイブが投げ出されている。
駄目だと頭ではわかっていても、身を焦がすような肉体の疼きには抗うことができない。

有子は眠い目をこすりベッドから這い出す。
学校から貰っていた休暇も今日までだ。明日は出勤しなくてはいけない。
この三日間で分ったことと言えば、貴裕が夏休みの間に“野本一也”という少年に連れら
れて、
幽霊屋敷なるところに行ったこと。どうやらそこで魔物に取り付かれてしまった可能性が高いこと。
そして、その“野本一也”という少年はすでに昨年の十二月に亡くなっていること……それだけだった。

あれだけ探し回ったFDの中身もたいしたことは書かれていなかった。
三月二十日に一也くんが家に遊びに来て、本人の口から死んだけど生き返ったんだよ、と言ったということ。
十二月十九日に一也くんが交通事故で亡くなったということ。二十日にお葬式があったこと……
この三日くらいが重要といえば重要なのかもしれない。

有子は昨日野本一也の家を担任に聞いて訪ねてみた。
──誰もいなかった。近所の人の話では両親も三月の初めころから姿を見ていないということだ。
三月といえば一也が“生き返った”と言って貴裕の前に姿をあらわした月でもある。
両親の失踪と一也の出現はなにか関係があるのか──
しかし、そこまでだった。手がかりの糸はそこでプツンと切れてしまった。

今日はどうしよう……有子は思った。
百合恵に相談してみようか──とにかく涼と皐月がさらわれたままなのだ。
早くしないと二人の命も危ないかもしれない。
もちろん、殺すことが目的ならなにもわざわざ、さらうようなことはしないだろうから、
それはないとは思う。そう思うのだが……

「一裕さん……」
有子は思わず亡き夫の名をつぶやく。
貴裕を…涼を…そしてお母さんを守って……

有子はこんなことをしていてもしかたがない、と洗面を済ませに階下へ降りる。
なにげなくリビングを覗くとテーブルの上になにかが置いてあった。
隆二からのメモだ。用事があるとかでどこかに出かけると書いてある。
帰りは少し遅くなるということだった。
追伸としてなにかが届いたようなので一緒に置いておく、とも書かれていた。

有子がテーブルを見てみると、封筒らしきものが置いてあった。12cm角くらいだろうか?
なんだろうと思ってその封筒を手に取る。
「……」
表には“永井有子様”とだけ書かれており、住所は書かれていなかった。
おそらく直接ポストに入れたのだろう。

問題はその字である。
「貴裕……」
間違いなく息子の字であった。裏返すとそこには“From 貴裕”と走り書きで書かれていた。
なにを送ってきたの?有子はその封筒を開けてみた。
DVD──それは一枚のDVDだった。

タイトルは────皐月。

DVDの表にマジックで殴り書きのように書いてある。
有子はゴクンと唾を飲み込んだ。いったいどういうつもり……なにを写しているというの……
悪い予感がする……母の身になにが……
有子は慌てて自室に戻り、DVDをプレイヤーにセットした。

TV画面が白くなりそこからフェードインしていく。画面いっぱいに貴裕の顔が映し出された。
画面の中の貴裕はニコニコ笑いながらこちらに語りかけてくる。
『ママ、久しぶり。元気にしてるかな?僕も元気だから心配しないでね。
ふふ……涼も皐月も元気だよ。ふたりのこと心配してるだろうと思ってこれ送ったんだよ──
そうそう皐月はさぁ、僕たちのペットになったんだ。今、躾してる最中なんだよ。
くくく、見たい?見たいでしょ──これにたっぷり入れといたよ。
学校の方休んでるんでしょ、今日はゆっくりこれを見て明日からお仕事がんばってね──』

なっ……なぜ貴裕はわたしが学校を休んでいることを知っているの……?
有子はそんな疑問が浮かんだが、画面がすぐに切り替わったためそちらの方を見ることにした。
涼と皐月はいまどういう状況なのか。貴裕は母をペットにし躾をしていると言っていた。
いったいなにをされているのだろう──
有子は緊張しながらTV画面を食い入るように見つめた。

48退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:11:20

Chaputer1

画面には薄紫色のブーツが映し出されていた。横座りの体勢なのだろう斜めに投げ出すような状態だ。
薄紫色のブーツ──するとこれはお母さんの……
画面は徐々に上へと上がっていく。想像どおり退魔戦士のバトルスーツだ。
紫は皐月の色である。確かブレスは貴裕にお守り代わりとして預けていたはずだ。
それを返してわざわざ転身させたということか──

さらにカメラは上に上がり、スーツを押し上げるふくよかな彼女の胸を映し出す。
母の転身した姿を見たのは久しぶりだったが、若い頃からの体型を維持しているのだろう
窮屈そうな印象は見受けられない。画面は首筋のあたりを映していく。
赤い物が見える──何かと思って目を凝らすとそれは首輪だった。おそらく大型犬用であろう。

首輪からは鎖が伸びている。画面からはわからないが、どこかに固定されているようだった。
もっと強固に拘束してあるシーンを想像していた有子だったが、戒めらしいものはこの首
輪くらいである。
もしやすでに母は貴裕に屈服してしまい、抵抗すらしていないのだろうか?
いや、あの母に限ってそんなことはあるまい。
いくら強大な敵であろうとも今まで諦めた母の姿など見たことがない。
きっとチャンスを窺っているのだ。有子はそう自分に言い聞かせた。

カメラが顔を映し出す。やはり母──皐月だった。
普段、アップにしている黒髪は解かれ、肩のあたりにまで流れ落ちている。
その表情からかなりの疲労が窺えた。いままでなにをされていたというのだろうか──

皐月はゆっくりと顔を上げカメラの方を見つめる。いや正確には貴裕の方を見つめた、と言うべきか。
キッとにらみつけるような鋭い眼光。やはり母はまだ諦めたわけではない。
瞳の奥には闘志が十二分に感じられた。
母の言葉が思い出される──
生きていれば必ずチャンスはおとずれるわ。諦めたときが負けたときよ──と……

画面は皐月のアップからアングルが切り替わる。どうやらカメラは数台あるようだ。
少し人物が小さくなり全体の様子がわかった。まわりはかなり薄暗い場所のようだ。
ただ、人物にだけはかなりの照明が照らされているのか、はっきりと映し出されていた。

首輪を嵌められ座り込んでいる皐月の前で貴裕が椅子に腰掛けニヤニヤと笑っている。
蔑んだ目で祖母を見下ろす孫と屈辱感いっぱいの表情で孫を見上げる祖母。
両者のその姿はまさに主人と下僕といった様相だった。

『こんな格好をさせていったいどうしようっていうの!』
皐月は声を荒げそう言う。
いかに惨めな姿を晒そうと悪に屈服などしない。瞳の輝きがそれを物語っていた。
それに答えて貴裕が口を開く。
『ペットの分際で偉そうな口を利くなぁ。しっかり躾ないといけないね、これは』
貴裕は足を皐月の目の前に突き出し『舐めろ』と言った。靴下もなにも履いていない素足の状態である。
『ほら、早くしろよ。涼がどうなってもいいのか?』
やはり──貴裕は涼を人質にして母に言うことを聞かせているのだ。

49退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:12:04

皐月は少し口惜しそうな表情を見せたが、横座りの体勢から正座になりおずおずと薄桃色の舌を突き出し
貴裕の素足へとからませていく。
一本一本に舌を這わせ丁寧に舐める皐月。
親指を口に含み指と指の間もたっぷり唾液をからませながら、舐め上げていくのだ。

あの気位の高い母が……有子は皐月のその行動に驚いた。
しかし、ここで逆らってはわずかなチャンスも費えるから耐えているのだ。
それに涼のこともある、母はきっと矜持を捨てさる覚悟なのだ、と思った。

画面には一心不乱に貴裕の足の指を舐め続ける皐月の姿が延々と映し出されている。
ふと母の表情が気になり出す有子。
舐め始めたときに見られた嫌悪感や屈辱感といったものがその表情から消えているように思えたのだ。

やがて──信じられないことに、はふん、はふんと色っぽく鼻を鳴らし始めた。
(うそ……お母さん……感じてるの?)
上目使いで貴裕を見上げる皐月のその瞳に先ほどまで宿っていた闘志は一切感じられない。
それどころか娼婦を感じさせるような淫猥な視線を貴裕に送っているような気がするのだ。

(ど、どうしたって言うの……)
涼を助けるため仕方なくそんなことをしているのではなかったのか?
画面を見る限りでは皐月の目許はすでにとろんとした状態で、喜悦の表情すら浮かべている。
貴裕は足を突き出しているだけで、皐月の身体に触れているということもない。
画面に映る状況だけでは、皐月が貴裕の足を舐めている間に勝手に欲情したとしか思えない。

さらに皐月は左手で自分の胸を、右手を自分の股間へと忍ばせ始めた。
(あ、ああ……お母さん──)
あの気丈な母が足の指を舐めさせられながら欲情し、あまつさえ自ら慰めようとしている。
そんな皐月の様子を見て下半身が疼いてくるのを感じ、自らも股間へと手を伸ばしてしま
う有子。

『こら!誰が勝手にオナニーしてもいいって言った!!』
有子はその声に驚き股間に忍ばせていた手を引っ込める。
もちろんそれは貴裕が皐月に向かって言った言葉なのだが、自分の行っていた行為を見透かされたようで
思わず赤面してしまう。

オナニーを禁じられた皐月は、貴裕にすがるような視線を送っている。
『はぁ、はぁ……お、お願い……気が狂いそうなんです……』
そんな、いくらなんでも……
たったあれだけのことでここまで豹変するなんて──あり得ない。
なにかあの足に媚薬のようなものが塗られていたのではないか……有子はそう考えた。

有子の想像はほぼ当たっていた。
貴裕の足には有子自身が悩まされている淫蟲のエキスが塗り込められていたのだ。
有子のように下着などに塗り込められ、そこから体内に入るのと違い、
口から入り込んだ場合はかなりの即効性がある。ただし鎮まるのも早いのだが……

皐月は身悶えながらも貴裕に自慰の許しを得ようと懇願している。
貴裕はニヤリと笑うと皐月に向かってこう告げた。
『じゃあ、ここでストリップでもしてもらおうかな。元ナンバーワン退魔戦士の裸おどりを見せてよ』
『そ、そうすれば、オナニーさせてくれるの……』
『ふふ、僕が興奮するくらいいやらしくできたらね』

貴裕の言葉にうなずき皐月は躊躇することなく、紫のバトルスーツへと手を掛けていくの
だった。

50退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:18:43

Chaputer2

『ちょっと待ちなよ。ただ脱いだって面白くないだろ。もっといやらしくしないと、
いつまでたってもオナニーできないよ』
スーツを脱ごうとする皐月に向かって貴裕はそう言い放つ。
とにかく徹底的に辱めようという魂胆なのだろう。

皐月はブルブルと身体を震わせながらも、なんとか自慰の許しを得ようと淫猥に腰をくね
らせ始めた。
男を誘うようなその淫靡な動きはまさにストリップダンサーそのものである。
前もって用意していたのか、BGMまで流れ始めてきた。
音楽にあわせゆっくりと均整のとれたグラマーな肢体をくねらせる皐月。
そのたびにバトルスーツのタイトなミニスカートに包まれた肉感的なヒップラインが強調されていく。
並みの男が見ていたらこれだけで射精してしまうのではないかと思うほどだ。
『いいねぇ、その腰つき──ふふ、たまんないよ』
貴裕はそんな言葉を吐きながら皐月の官能をさらに高ぶらせようと煽っていく。

皐月は両手に嵌めたグローブを外すとしなやかな細指で黒髪をかきあげ、
貴裕に煽情的な視線を送っていく。
悩ましいその瞳は同性の立場から見ても息を飲むほどの卑猥さと艶かしさを宿している。
そんな母の姿を見ているうちに、有子は再び下半身に妖しい疼きが湧き起こってくるのを
感じていた。

いよいよ皐月はバトルスーツへと手をかけた。
ブレスによって装着されるスーツだが、もちろん自ら脱ぐことも可能だ。
前ファスナーをおろしながらゆっくりと後ろを向く。
そして諸肌脱ぎになると白くなよやかな肩先を露出させるのだ。
黒いブラジャーの肩紐がちらりと垣間見え、官能を誘っていく。

皐月はスーツをすぐには引きおろさず、そこで一旦手の動きを止めた。
肩先だけを露出させ音楽に合わせて身体をうねらせる。
ちらりと後ろを向き見せたその表情は、これがあの気丈で貞淑な母なのかと思うほどに淫靡であった。

やがて挑発するかのように口もとを緩めると、前を向きスーツの上を一気に脱ぎとった。
真っ白い雪肌が画面いっぱいに映し出される。
白い肌とは対照的な黒いブラジャーがさらに淫猥さを強調する。
圧倒的な存在感を示す胸のふくらみは、皐月が身体をくねらせるたびに、ゆさゆさと揺れていくのだ。
『ははは、いいよ、いいよぉ。ブラジャーしててもそんなに揺れるんだぁ。
ひひひ、今度はお尻を見せてよ』

51退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:19:18

皐月は脱いだスーツをポーンと投げ捨てると、貴裕に促されるように再びくるりと半回転し背中を向ける。
後ろ向きとなった皐月は、五十路を目前に控えた女とは思えないほどの若々しいヒップを突き出し、
スカートのファスナーをおろしていく。
タイトなミニスカートの腰からヒップにかけてのラインがくっきり浮かびあがる。
おまけに音楽に合わせてそのヒップがくねくねと動くのだ。
有子は固唾を飲みながら成り行きを見守るばかりだ。

スカートのファスナーをおろした皐月は、後ろ向きのままヒップをくねらせゆっくりとスカートを脱いでいく。
ブラジャーとお揃いの黒いハイレグパンティが顔を覗かせる。
キュッと引き締まったそのヒップは形良く上を向き、有子から見てもほれぼれするほどの美しさだった。

足元にスカートが落ちる。
皐月はそれを足先から抜き取りながら、前かがみの体勢で誘うようにお尻を振りつづける。
さんざんお尻を見せびらかした後、もう一度前を向いていく。
両手を頭の後ろに組み、胸を突き出すようにして踊り続けていくのだ。

しばらく踊った後、皐月はペタンと床に腰をおろした。
上体を仰け反らせ左足を高々とあげる。口もとに小悪魔のような笑みを浮かべると、
膝まである薄紫色のブーツをゆっくりと脱いでいく。

(なんなの……どうしたって言うの……)
有子はもうなにがなんだかわからなくなっていた。
身体の疼きに耐えられなくなっているのはいい。
また自慰を許可してもらうためにストリップをするのもわからないではない。
だが、今の皐月の表情はあきらかにこの状況を楽しんでいるとしか思えない顔つきなのだ。

皐月は両方のブーツを脱ぎ終わると再び後ろ向きに立ち上がる。
『ふふふ、いいよぉ〜皐月。さあ、いよいよおっぱいだよ』
貴裕の声がまるで合図となったかのように、可憐な細指がブラジャーのホックを外していく。
肩紐がはらりとすべり落ちた。皐月は零れ落ちる隆起を両手で隠し、ゆっくりと前に向き
直る。

(お、お母さん……)
画面に映る皐月は、陶酔しきった表情で身体をくねらせている。
半開きの口もとが尚一層いやらしさを強調していた。
ここへきてついに有子も湧き上がる官能に耐えられなくなってきた。
部屋着の下から左手を忍ばせると、右胸をゆっくりと揉みはじめた。
先ほどまで寝ていたこともあり、ブラジャーは着けていない。
すでに乳首は痛いほど勃起し、少し触れただけで全身に電流のような衝撃が走っていくのだった。

皐月はブラジャーを投げ捨てた。前を隠していた両手を上にあげ頭の後ろで組む。
たわわに実った果実が晒される。
ブラジャーという支えを失った乳房は身体をくねらすたびに、ブルンブルンと揺れるのだ。
『うひょ〜。何度見ても綺麗なおっぱいだねぇ。ひひひ、乳首もビンビンになっちゃってるよぉ〜。
ほら、ほらあともう一枚だよ』

貴裕のそんな言葉は皐月の官能をさらにさらに高みへと昇らせていくようだ。
鼻息がどんどん荒くなっているのが、画面を通じても手にとるようにわかる。
顔は紅潮し目許が潤んでいる。たぶん今すぐにでもオナニーを開始したくて堪らないのではないか。
そんな母の痴態を食い入るように見つめながら、有子自身も右手を股間へと忍ばせていく。

皐月の指がパンティのふちにかかる。お尻をくねらせながらゆっくりとおろしていく。
股間の陰りを隠すように後ろを向いたり、斜めを向いたりと焦らすように脱いでいくのだ。
有子もついに部屋着の下を脱ぎ、下半身はパンティ一枚の状態になっていた。
股間を撫でさすりながら、うふン、あふンとくぐもった吐息を漏らしていく。

だが、有子は気がついていなかった。
彼女の部屋の数箇所に小型のCCDカメラが仕掛けられていることに──
ここ数日間の痴態がすべてそれを通して見られていたことに──
そして──
もちろん今この時もカメラは有子の姿を映し出しているのだ、ということを──

52退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:29:17

****************************************

「おっ、とうとう始めたよ」
有子が自慰をしている姿をモニターで見ながら、一也は貴裕にそう話しかけた
ふたりはソファに腰かけ有子の痴態を楽しそうに見つめている。
その傍らにかしずくように佇むひとつの影──隆二であった。

「ふふ、隆二、いい仕事してくれてるねぇ。今日はちゃんとご褒美をあげるからね」
「へへへ……ありがとうございます」
貴裕の言葉に卑屈な笑みを見せる隆二。かつて、皐月とともに戦っていた忠臣の面影は微
塵も感じられない。

「皐月!どうだい?自分の恥ずかしい姿を見られながら娘にオナニーをされる気分は?」
貴裕は一糸まとわぬ姿で首輪を嵌められ、四つん這いで画面を見つめる皐月にそう声をか
けた。
(ゆ、有子……)
皐月は貴裕の言葉には答えず、ただ俯くばかりだった。
娘の痴態を見せられどう返事をすればいいというのか?
しかも娘が見ているのは自分自身のあられもない姿を納めたDVDなのである。

「わ、私はこっちの方が気になりますよ」
隆二は有子を映すモニターの横で流れている画面を見ながらそう言った。
そこには彼女に送ったものと同じ内容のDVDが流されていた。
有子が見始めたと同時にこちらも再生を始めたので、映されている内容はほぼ同じ箇所だ。
今まさに皐月が黒いパンティを足先から抜き取る場面が映し出されている。

「ひひひ、ここなんかまだプロローグみたいなもんさ。本番はこれからだよ──なぁ、皐月」
貴裕の言葉に屈辱感を覚えながら唇を噛み締める皐月。
確かにここの場面などこれから行われる“ショー”に比べれば子供だましであると言えた。
「ほっ、ほォ〜そうですか……そいつは楽しみだ。この女がどんなに不様な姿を晒すのか、是非見たいですよ」

ほんの数日前まで自分にあれほど献身的に尽くしてくれた男のこの豹変ぶりに、
皐月は信じられない思いで隆二の顔を見つめる。
「なんだ、その顔は?マスかきたくて場末のストリップ嬢まがいのことをした女が
何を偉そうにしてるんだ?これからたっぷりお前の不様な様子を鑑賞してやるよ。うひひ……」
隆二の侮蔑の言葉に耐えながらも、皐月の脳裏をあの屈辱的な光景が鮮明によぎっていく。

それはまさに生き地獄と言っても過言ではなかった。

53退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:32:44

Chaputer3

画面の中で淫猥に踊り続けている皐月は、足先から抜き取った黒いパンティを貴裕の方へとポンと投げ渡した。
左手で秘部を隠しながらも挑発するかのように、腰をくねらせている。
(あぁ、なんて姿なの……)
皐月は自分のそんな姿を画面で見ながらそう思った。

自分が行った事とはいえ、こんな浅ましい姿を改めて見ると恥ずかしさで消え入りたくな
ってしまう。
この時点の自分の心理状態はよく覚えている。
とにかく湧き上がってくる津波のような身体の疼きを鎮めたくてしかたがなかったのだ。
自分がなにをしているのかということもよくわかっていたし、
それがどれだけ惨めな行為であるのかということもわかっていた。
だが、それ以上に脳みそを蕩かすような快美感は押さえることができなかったのである。

これ以上は見たくない──皐月はそう思った。
しかし、そんな気持ちとは裏腹に目は画面へと釘づけになってしまっている。
なぜか画面から目をそらすことができないでいるのだ。
画面の中では快楽の虜となった自分が、破廉恥にも股を広げ女唇を貴裕の眼前へとさらしている。
そして不様にこう言うのだ。
『はあ〜ン、ああ〜ン……お願いです。皐月に…皐月にオナニーさせて下さい。
お願いしますぅぅぅ』

『ひひひひ、ママや祐美姉ぇにも見せてやりたいよ。自分の母親がこんなに淫乱だって知ったら
すごくショックだろうねぇ。おま○こからいやらしい汁が溢れ返ってるじゃん。ふふふ、
じゃあ、そろそろ好きなだけマスかきなよ』
その言葉を受け皐月は自らの胸と女唇をこすりあげ、嬌声を上げながら嬉々として自慰にふけっていく。

その場に横たわりながら、ビンビンに尖っている乳首を摘みあげ、
すでに包皮から顔を覗かせている肉粒を刺激する。
『ひぃぃぃ!うおぉあぁぁぁん……はふン、イイッいいのぉぉ……狂っちゃうぅぅぅぅ』
股間からはさらに淫蜜が溢れ出す。床にはその蜜による水たまりさえ出来るありさまだった。

やがて──ふぎぃぃぃぃぃ!!!という獣が発するかのような嬌声をあげ、
皐月はその場にぐったりと崩れ落ちていった。画面はそんな皐月の顔をアップにする。
それは欲望を吐露した牝の顔であった。

『ふふふ、思いっきりイッて満足しきった顔だねぇ、皐月』
肩で息をしながら余韻に浸る皐月に貴裕はそう声をかけた。
ふと目を開ける皐月。
徐々に今自分がなにをしていたのか、ということを冷静に考えることができるようになり、正気に戻っていく。

『あ、あぁ……わ、わたしはなにをしていたの……』
『ははは、オオボケかましてるんじゃないよぉ、わかってるくせに。
マンズリしたくて僕の目の前でストリップしたんじゃないか』

あぁ……なんということを──なぜこんなことになってしまったんだろう。
貴裕の足の指を舐めているうちに、だんだん身体が疼き始め押さえが利かなくなってしまったのだ。
そうか、おそらく指に媚薬のようなものが塗ってあったに違いない。
そうでなければいくらなんでもこんなに乱れるはずがない。

『すごく楽しいショーだったから、ちゃんと記念に録画しておいたよ。
DVDに焼いてママのところに送ってあげようか。きっと喜んでくれると思うよ』
貴裕のそんな言葉を聞き取り乱す皐月。こんな破廉恥な姿を娘に見せられない、そう思っ
たのだ。

『や、やめて!お願い……そんなもの送らないで──』
『でも、ママもきっと皐月のことを心配してるよ。こんなに元気にマンズリしてる姿を見たら
きっと安心するんじゃない?』
貴裕はそう言って口の端を吊り上げながら、いやらしく笑う。

『お願い……お願いよ……』
無理やり責められている姿ならまだしも、積極的にストリップをし、
自らを慰めあれほど派手によがり狂った姿を娘に見られるなんて……なんとしてもそれだけは──

『そうか。そんなに送って欲しくないなら、やめておくよ』
貴裕はいやにあっさり皐月の願いを聞き入れた。
『ただし、ゲームをして皐月が勝ったらだけどね。どう?やる?』
貴裕はいじわるそうな顔をしてそう言う。ゲームの内容がどんなものかはわからなかったが、
有子にこんな不様な姿を見せるわけにはいかない。

『わかったわ。やるわ』
皐月は不承不承ながらゲームをすることを決断した。
これからどんな屈辱が待ち構えているかも知らずに……

54退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:33:38


「ふふふ、こっちもパンティ脱いじゃったよ」
一也が有子を盗撮している画面を見ながら楽しそうに言う。
画面に映し出されている有子は、純白のビキニパンティをずり下ろし自慰に耽っていた。
パンティは右足から抜き取られてはいたが、左足首にひっかかったままだ。

理知的な眉をしかめながら有子は右手で自らの肉芽を刺激し続けている。
『はう……ふうん……』
押し殺すような吐息を漏らしつつ、有子は部屋着の上を捲り上げ左手でそのみごとな隆起を揉みしだく。

「そろそろバイブ使い出すんだろうなぁ」一也はそう言いながら立ち上がる。
「リアルタイムで見られないのは残念だけど、そろそろ生贄の方の回収に行かなくちゃ」
「あんなやつらに貸し出すからだよ。二度手間じゃん」
「はは、まったくだ。でも、ああいう変態野郎たちに貸し出したらどんな責めをするのか興味があってねぇ。
ちゃんと記録を残しておくように言っといたから──また、それを有子の方に送ってみようか?」

貴裕はそれには答えず「それより、生贄の処女は無事なんだろうね」と言った。
「そのへんは抜かりないよ。あいつらのことだから挿入しようとしてるかもしれないけ
ど、
出来ないようにしてあるからね」
一也はじゃあ行ってくるよ、と言い残してその場から姿を消した。

「さてと、ママの方も気になるけど、皐月の方もこれからだ。ふふ、面白いゲームだったんだぜ」
貴裕の言葉に顔を背ける皐月。まさかあんな屈辱的なことになるとは思ってもいなかった。
いま思い出しても恥辱感が蘇ってくる。
だが、あの時はやめるわけにはいかない状況に追い込まれてしまったのだ。

「ひひひひ、楽しみですなぁ。この取り澄ました女が泣き叫ぶ姿を早く見たいですよ」
隆二はそう言いながら股間から反り返った逸物を取り出ししごき始めた。
「ふふふ、期待に答えられるといいけどね」貴裕はそう言って淫猥に笑みを浮かべた。

55退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:45:33

Chaputer4

画面には大きな水槽が映し出されていた。ロープで結わえられ天井から吊り下げられている。
吊り下げたロープは天井から今度は床の方へと伸び、そこに固定されている。
次に画面は皐月の顔をアップで映し出した。いったいゲームとは何をするのかと、不安な表情だ。

『さてと、じゃあゲームを説明するよ』貴裕は吊り下げられた水槽の下へと立つ。
『この水槽の中には何が入ってると思う?ふふ、涼だよ』
えっ……なんですって──皐月は顔色が変わる。
『で、このロープが切れたらどうなるかって言うと、もちろん床にまっ逆さま。
でも、これじゃあ面白くないから、こんなの用意しといた』
貴裕の声に反応するように床が開き、そこから大きな水槽が現れた。

『床には落ちずにこの水槽の中に入っちゃうわけだ。で、この中味なんだけど──』
貴裕はその大きな水槽を覗き込みながら言った。
『皐月は、濃硫酸って知ってる?』
『ま、まさか……』貴裕の言葉に動揺を隠せない皐月。
ではこのゲームは有子に自分の痴態を映したDVDを送るかどうか、だけではなく
涼の命さえ賭けるゲームということなのか?

『床に固定してあるロープのところに蝋燭が置いてあるだろ。
あれに火をつけてロープを燃やすから、皐月は切れちゃわないうちに火を消せばいいんだよ──
間に合わなければ、ロープが切れて涼は硫酸の中にドブンってわけ』
そ、そんな……DVDを送るかどうかということで、涼の命まで賭けるわけにはいかない。
『待って!い、いいわ、有子にDVDを送っても……涼を危険な目には会わせられない』

『だめだよ〜。皐月は一度ゲームするって言ったんだし、今更やめられないよ。
しないって言ってもこの蝋燭には火をつけるからね』
貴裕はそう言って蝋燭に火をつけ始めようとする。もう皐月は覚悟を決めるしかなかった。
『判ったわ……やればいいんでしょ──この悪魔!!』

『悪魔ね……ふふふ、さてどうかな?』貴裕は笑みを浮かべながら、じゃあルールを説明するよ、と言った。
貴裕によるとこうだ。とにかく皐月は何を使っても構わないから、
ロープが切れるまでに蝋燭の炎を消せば勝ち。負ければDVDは有子の元へ送られ涼の命もない。

かなりハイリスク、ローリターンの賭けだ。しかしやるしかなかった。
『じゃあ、火をつけるよ』
貴裕はそう言って蝋燭に炎を点した。

56退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:46:38

****************************************

真理が通う高校──すでに授業は終わり放課後となっている。
本館校舎三階。ここにキモヲタ三人組の所属する写真部の部室があった。
写真部とは言っても実質的にはこの三人が盗撮した写真の現像をしたり、ビデオの編集をしたりと
彼らの変態趣味を充足させる場所としての機能しか果たしていなかった。
そのため、真面目な他の部員たちはほとんど部室に出入りすることなく、
結果三人組の悪の巣窟と化している。

いま部室内にはキモヲタ三人組と真理がいた。内側からカギが掛けられ誰も入ってこれない状況だ。
三人組は下半身を丸出しにし、真理を囲むように椅子に腰掛けている。
彼らの足元にひれ伏すようにしながら、真理は武藤のペニスを咥え口唇奉仕の真っ最中だ。
右手では香山のモノをしごき、左手で田村のモノをしごいている。

「こら、真理!もっと気合い入れて舐めろよ」
「は、はひ……」
真理は武藤のお世辞にも大きいとは言いがたい肉塊を舐め上げていく。

あの日、体育用具室で死ぬほどの恥辱を味わわされた後、犬用の首輪を嵌められた真理は、
一也からこの三人に貸し出されすぐさま一条家の方に電話を入れさせられた。
二日間友達のところで試験勉強をするから帰れない旨を伝えさせられ、
この二日二晩武藤の家で──こいつは一人暮らしなのだ──さらなる凌辱を受けたのだ。

彼らは様々なコスチュームを持ち寄り、真理をまるで着せ替え人形のように着替えさせた。
セーラー服やブルマーなどは言うに及ばず、メイド服、特撮、アニメ、ゲームなどのキャラのコス、
さらにはナース服や婦人警官の制服まで、と多岐に渡っていた。
一也からの命令で処女を奪うことが出来なかった為、
凌辱はもっぱら彼女の涎が出そうなほど美味そうな豊満な胸と、
一也に開通させられた尻穴を重点的に責められた。

特に田村の肛門に対する執着は異常とも言えるほどで、徹底的に強制排泄をされた後
何時間尻穴ばかり責められたことか──
すでに真理のアヌスは極太のバイブをやすやすと咥えこみ、絶頂を極めるまでに堕とされてしまっていた。

反撃をしようとしなかったわけではない。何度か抵抗を試みた。
だが、退魔戦士の能力はなぜか封じられており、呪文の類も破邪の鞭も使用することができなかったのだ。
こうなればいかな真理とはいえ所詮普通の女子高生である。
屈強とは言えないものの男三人の手にかかれば、抵抗らしい抵抗ができるはずはなかった。

昨日は学校にも行かせてもらえず、武藤の家で一睡もさせられないまま一晩中凌辱され、
今日も放課後になってようやく学校に連れてこられた。
そして写真部の部室に入るなり、これに着替えろ、とスクール水着を手渡されたのだ。

三人組のギラギラした視線の中、制服を脱ぎ全裸になって手渡された水着を着る真理。
スク水はかなり小さめだったのか、彼女の豊満な胸もキュッと引き締まったヒップも
完全には隠せないでいた。
特に下半身部分はかなり股間に喰い込み、前スジもはっきり形が見えるし、
尻たぶにいたっては半分以上が露出してしまっていた。

二晩凌辱され続け羞恥心などどこかへいってしまったと思っていた真理だったが、
校内でピチピチのスクール水着を着せられるという異常な状況は、
また別の意味で彼女の羞恥を煽っていた。
顔は紅潮し、くねくねと恥かしげに身を捩じらせる。

だが、そんなしぐさは彼らの嗜虐心を却って高ぶらせていくようだった。
三人はいきなりズボンを脱ぎ、すでに反り返っている逸物を取り出し椅子に腰掛けると、
真理が嵌められた首輪の先の鎖を引き、這いつくばらせ口唇奉仕を命じたのであった。

57退魔戦士 有子:2005/11/15(火) 23:47:38

「へへへ、そうそう、一昨日と比べるとずいぶんうまくなったぞぉ〜」
武藤はそう言いながら艶のある真理の髪の毛を掴み、乱暴に頭を上下させる。
懸命に棹を咥え、くちゅくちゅという音を立てながら口唇奉仕を続ける真理。
二日二晩の凌辱でこの行為に対する汚辱感や嫌悪感というものはすでになくなっているようだ。
それどころか三人の肉棒に愛しさすら感じ始めているように見える。

田村の右手が臀部を這い始めた。
水着の中へと侵入し──いつものように──お尻の割れ目をなぞり出す。
人差し指がアヌスを捉えるとゆっくりとその指をねじこんでいった。
「はうっ、うっ〜ん」
甘い声を漏らし腰をくねらせる真理。ここ二日間田村による執拗なまでのアヌス責めに合い、
彼女の肛門は指を入れられただけでも妖しい疼きを覚えるほど敏感になっていた。

「なんだよ、指入れただけでもうオマ○コびしょ濡れじゃない。どうよ、そんなにイイの?」
田村はいやらしげに真理に向かってそう問いかける。
「はひ……き、気持ちいい……です。ふはン……」
事実水着のクロッチのあたりは淫蜜のせいで色が濃く変色してきている。
田村はアヌスにねじこんだ指をゆっくり出し入れし始めた。

香山の方はというと、四つん這いになって武藤の肉棒をしゃぶる真理の下に潜り込み、
重たげに垂れ下がる彼女の胸を嬲っている。
田村が尻フェチならこいつはおっぱいフェチである。

二日間というもの香山は真理のFカップの胸を徹底的に弄んだ。
パイズリはもちろんのこと、乳首を吸い乳房を揉みしだき、高小手に吊るした状態で
真理の乳房を真っ赤に腫れ上がるまで平手打ちを加えたりもした。
元々感度の良かった真理の胸はさらに感度を増し、少し揉まれただけで
窮屈そうな水着を押し出すように乳首が勃起していた。

「へへへ、真理ちゃ〜ん。窮屈そうだねぇ──すぐ楽にしてあげるよぉ」
香山はそう言うとハサミを取り出し、水着の胸のところをその形に添って器用にくり抜いていく。
両方の乳房の部分だけが円く切り取られ、ようやく自由を得たとばかりにその豊かな胸が零れ落ちる。
待ってましたとばかりに香山は真理の乳首に口を付け、チューチュー音を立てて吸い始めた。

「ふう〜ン、はう〜ン……」
この二日間で急激に開花した肛門と、元々感度の良かった胸の二箇所を責められ
押さえられないほどの官能が湧き起こってくる。武藤への口唇奉仕も続けられなくなり、
快楽をむさぼるように腰をくねらせていくのだった。


面白くないのは武藤である。
尻好き、おっぱい好きの二人はともかくこちらはいたってノーマル──と自分では思っている──なのだ。
一也の命令で女唇への挿入をしていなかったが、本来はソコにぶち込みたくて仕方がなかったのである。
彼はおもむろに立ち上がると、香山が使っていたハサミを拾い上げ真理のバックへと回りこむ。
水着のクロッチの部分を掴みハサミをあてがうと“ジョキン”と裁断した。

「な、武藤……何する気だよ」
尻穴をまさぐっていた田村が、おいおい、まさか……、と話し掛ける。
「へっ、君らは自分の趣味が満足できていいだろうけど、
こっちはオマン○にぶち込みたくて仕方なかったのよ」
「で、でも一也くんとの約束が……」
香山の言葉に耳を貸さず、武藤は反り返った逸物を握ると真理の秘裂にあてがう。

「関係ないよ。見てみろ、こんなにドロドロに濡らしてんだ。入れてやんなきゃ真理も可
哀想だろ!!」
そう言って武藤は先端を挿入しかけた。
と──────

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

武藤の叫び声が部室内に響き渡った──なんと彼の股間部分がドロドロと溶け始めている。
「ひっ、ひぃぃぃぃ!助け……助けてぇぇぇ!!」
溶解は急激に広がり始め、すでに下半身全体が溶け出していた。
田村も香山も、そして真理も目を見開き驚愕した表情をして状況を見守るばかりだ。
やがて、上半身が溶け始める。
武藤は、助けてくれ、と叫ぶのだが、見ている三人にはどうすることもできない。

「やっぱり──思ったとおりだったよ」少年の声がしたかと思うと、溶けていく武藤の横に一也の姿が現れた。
「約束を破るとこういうことになるのさ」
一也はそうつぶやくと、すでに首から下が溶けてしまっている武藤の頭部に足を乗せ、
「バイバイ」と言って思い切り踏み潰した。

ぐじゃ─────

そんな音がして武藤はドロドロの液体となって消え去ってしまう。
一也は震える真理の元へ歩みよるとニッコリ微笑み手を差し出した。
「じゃ、お姉ちゃん。行こうか……」

──そう言って真理の嵌めている首輪の鎖を掴むのだった。

58退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:09:51

****************************************

ゲームが開始された。画面は蝋燭の炎をアップで映し出している。
炎は徐々にではあるが確実にロープを燃やしていた。
比較的太目のロープだけに、すぐに切れてしまうということはないだろうが、
早くしなければいつ水槽の重みで切れるか判らない。
皐月は焦りながら蝋燭の方へと向かった。

が────
嵌められている首輪の鎖の長さが短く、まるで届かない。
懸命に手を伸ばすのだがまだかなりの距離がある。皐月は手はあきらめ今度は足を伸ばしてみた。
駄目だ──あと十数センチというところで届かない。

『ひひひひ、いい格好だよ皐月。オマ○コばっちり──』
貴裕はロープのすぐ傍に座り懸命に足を伸ばす皐月の股間を覗きこみながら言う。
『ひ、卑怯よ……届かないんじゃ、どうしようもないじゃないの!』
『そうかな。方法は色々あるんじゃない』
皐月の抗議に涼しい顔をして答える貴裕。
方法は色々ある、とは言っても──皐月はとにかく落ち着こうと目的の蝋燭を見つめてみた。

炎はジリジリとロープを焼け焦がしてはいるものの、思っていたよりは燃えすすんではいない。
これならまだ少しは余裕がありそうだ。
どうする──
皐月は蝋燭立てが固定されていないことに気づいた。
火を消すことばかり考えていたが、蝋燭を倒してしまえばそれ以上燃えることはない。
炎自体も消えるかもしれない。

そう考えた皐月は何か投げつけるものはないかとあたりを見渡してみた。
先ほど脱いだスーツはすでに片付けられており、残念ながら手足が届く範囲では
使えそうなものは何もなかった。

ふと手首を見る──退魔戦士のブレスだ。
これで再度、転身して装着されたスーツを使えば……いや駄目だ。
通常の転身解除を行わず、自らスーツを脱いだ場合は特殊な呪文を使って
ブレス内に戻さねばならないのだ。
だが、今の皐月には退魔戦士としての能力は封じられてしまっている。
首輪を嵌められたときから、呪文の類がまるで使用できないでいたのだ。
どうやら、この首輪が能力を封印してしまっているらしい。

ならば──
このブレス自体を投げつけるしか方法はない。
チャンスは一度。精一杯手を伸ばせば距離としては一メートル強というところか──
皐月はブレスを外すと床に這いつくばり、蝋燭めがけて滑らせるように投げつけた。

が─────
無情にもブレスは蝋燭立ての近辺で急激に角度を変え、かすりもせずにあらぬ方向へと転がっていく。
まるで、蝋燭周辺に結界が張られているようだ。
まさか……

59退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:10:40

『ふふふ、気づいた?蝋燭の周りには結界を張っておいたんだ。蝋燭立てを倒そうと思っても無駄だよ』
『くっ……それじゃあどうしようもないじゃないの!!こんなゲームは無効よ!』
『それがそうでもないんだよ』貴裕は立ち上がり皐月の傍へ近寄る。
『唯一、液体だけは通すようになってるんだ』

液体……しかし、そんなものは近くにはない──
『同じことよ!液体限定なんて──どこにそんなものがあるの!!』
皐月の叫びに、くくく、と含み笑いをする貴裕。そして彼女の顎を掴むとこう言い放った。
『あるじゃない。ここから出るでしょ』
貴裕は皐月の股間に手をやった。

『ここからって──まさか……』
貴裕は淫猥な笑みを浮かべながら彼女の耳もとで囁いた。
『おしっこ飛ばして消すんだよ……ひひひひひ』
『そ、そんな……』
いくらなんでもそんな事……確かに尿意はある。あるのだが、しかし──

『ほらほら、時間がないよ。ロープ切れちゃうんじゃない?』
貴裕はそう言って皐月を焦らせる。だが、事実ロープはそろそろ三分の一ほどが燃えてしまっている。
『ふふふ、もう覚悟を決めておしっこの体勢になんなよ』

────貴裕の言うとおりだ。恥ずかしいと言っている場合ではない。涼の命が掛かっているのだから。
皐月は意を決して蝋燭の炎に向けて股間を広げる。腰を浮かせ両腕を床につき伸ばす。
いわば順手でブリッジをした格好だ。
『ひぃひひひひひひひひ。なっさけねえ格好!!ママが見たら泣いちゃうよ、きっと』
そう言って貴裕は腹を抱えて笑い転げる。

くっ……なんとでも言うがいいわ───とにかく涼を助けるためには
恥かしいなどとは言っていられないのだ。
だが、意に反してなかなか放尿することができない。
焦れば焦るほど──尿意はあるのだが──出ないのだ。

『あれあれ、どうしたの?早くしないと焼き切れちゃうよ。くくくくく』
貴裕の言葉にさらに焦りを募らせる皐月。そろそろロープも半分近くが燃えているにちがいなかった。

『燃料が足りないんじゃない?』
貴裕はそう言ってどこからか、水差しを持って皐月の近くへと寄ってくる。
『───燃料補給してやるよ』
言いながら皐月の鼻をつまみ、水差しの水を彼女の口へと流し込んでいく。

『はぐっ……ぐはっ!!……ひゃめてへ……がふ……』
鼻をつままれながら大量の水を注ぎ込まれる皐月。だが、息ができず水を飲み込むしかない状況だ。
一本の水差しが終われば次の、それが終わればまた次の──拷問のように水を飲まされていく。

結局、五本の水差しの水── 一本にはたぶん1リットルは入っていただろう ──を飲まされてしまった。
『ほら、これで出るだろ──早くしないと切れちゃうよ!』
貴裕はそう言いながら大量の水のために張り出した彼女の下腹をギュウギュウと押さえつける。
『はう……はうぅぅぅぅ……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ』

60退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:11:29

─────ついに決壊した。
皐月の股間からはまるでダムから放水されるかのように小水がほとばしっていく。
『ひゃははははは!!出た出た!勢いがいいねぇ。まだまだ皐月は若いよぉ〜』

噴出される小水は蝋燭に向かって放たれ炎を消していく。
だが、火が消えたにもかかわらず、放尿は依然続いていた。
『ああン、ダメェ……止まらない、止まらないのよぉ〜』
『ひひひ、みごとな噴水芸だよぉ。かくし芸がひとつ増えたねぇ』
そんな貴裕の嘲笑を受けつつも止めることはできず、恥辱と屈辱の中放尿を続けるしかない。

やがて放尿が終わり、ぐったりとその場に横たわる皐月。
肩で息をしつつもなんとか火を消し止め、涼を救うことができたことで安堵の表情を見せている。
『はぁはぁ……ゲームはわたしの勝ちね』
そう言って貴裕の方を見る。
だが、それはどうかな、というような顔をして少年の姿をした悪魔はニヤリと笑った。

『ちょっと、遅かったかなぁ〜』
貴裕の視線はロープに向いている。彼女も思わずそちらに目を向ける。
なんと、ロープが切れかかっているではないか。
『あ、ちょ、ちょっと、もう終わりよ。涼を降ろしなさい!!』
『残念!もう切れるよ』

貴裕がそう言ったとたん水槽を支えていたロープが“ブチッ”と切れてしまう。
『りょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
皐月の叫びもむなしく水槽は下に置いてある濃硫酸が入っているという水槽へとまっ逆さまに落ちていく。

『あ……あ……りょ、涼────』
そんな……助けられなかった。あんな恥かしい思いをしたというのに……ぎりぎりのところで……
うなだれる皐月の元へ貴裕が近づき、にっこりと微笑む。
『ふふふ、なんてね。』
えっ、と顔を上げる皐月の目に飛び込んできたのは、涼を抱きかかえる貴裕の姿だった。

『りょ、涼!!涼ちゃん!!』
『水槽の中に落ちる瞬間に転移させたんだよ』
『あ、あ、あ、』
涼が助かっていたと知り、喜びに声も出ない。よかった……本当によかった……

『お礼はどうしたの?』
『え……』
『ほんとなら放っておいてもよかったんだよ。それを助けてあげたんだから、
お礼を言わなきゃだめじゃないか』
『え、あ、ありがとう……』

『────ふ〜ん、そんなお礼の仕方しか知らないんだねぇ。』
貴裕がそう言うと抱きかかえていた涼の姿がすっと消える。
『えっ!』
『安心しなよ。別の場所に移しただけだから───それより』貴裕はそう言うと皐月の髪をぐっと掴み上げ
顔を上に向けさせる。『まだ、ペットだっていう自覚がないみたいだねぇ、皐月は……』

『今からお前が僕たちのペットで、ただの牝犬だってことを思い知らせてやるよ』
貴裕はそう言ってにやりと笑った。

61退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:12:15

Chaputer5

右手にバイブらしきモノを握った貴裕は、皐月の顔を見つめる。
『どうもペットとしての自覚がないと思ったら───ふふ、尻尾がなかったんだよね』
そう言うと手に持ったバイブをアヌスに向け一気に突き込んだ。

『はうっ……くっ……』
ローションのようなものが塗られていたのか、皐月の尻穴は易々とそれをくわえ込む。
とは言え、排泄器官にそのようなものを挿入されたのは生まれて初めてのことだ。
しかもバイブは直腸内でうねうねと動き、おぞましいまでの刺激を与えている。
しかし、そんなおぞましさの中にも、経験したことのない快美感を感じ皐月はただ戸惑うばかりだった。

(そんな……なんなの……どうしてこんな……はうっ……)
四つ這いの状態で、アヌスを刺激するバイブを受け入れている自分と、
それを楽しそうに見ている我が孫の姿をした悪魔。
そんな惨めな自分を想像すると、なぜか股間に熱いものを感じてしまう。
女唇からはすでに大量の淫蜜が溢れ出していた。

『なんだ、皐月はお尻が感じるんだぁ──こんなに濡らしちゃってるよぉ。
ふふ、じゃぁ牝犬には牝犬にふさわしい相手を用意してあげるよ』
貴裕はそう言って指笛を鳴らす。それに呼応するかのように一匹の獣がその姿を現した。

『えっ……な、なに……まさか───ケ、ケルベロス……』
ケルベロス───地獄の番犬と呼ばれる上級の魔獣だ。まさかこんなものと交わわせようというのか───
皐月の淫臭を嗅ぎつけたのか、ケルベロスは迷わず彼女の元へと向かう。

皐月の股間に鼻を付けくんくんと匂いを嗅いでいる。
『いやぁ!やめて……やめさせてぇぇぇぇぇぇ!!』
だが、そんな叫びもむなしく、魔獣は四つ這いの彼女の肉襞へとそのグロテスクなペニスを挿入してくるのだ。

『いやぁぁ……やめ……助け……はうぅぅぅぅぅ……』
おぞましいモノが膣内を蹂躙する感触に、思わず声を上げてしまう皐月。
しかし、その嫌悪感は次第に快感へと昇華していくのだった。
(あふン……なに、なんなの……こ、こんな……)

ケルベロスのピストンが激しくなっていく。
バックから魔獣に犯されていく内に徐々に自分が獣になったような錯覚に陥る皐月。
魔獣は皐月の顔をその長くヌメヌメとした舌で舐め始める。
だが、すでに彼女には先ほどのような嫌悪感はない。自らも舌を伸ばし忌むべき魔獣の舌に絡ませていく。

はう、はう、と息が荒くなっていく地獄の番犬。
『はうん……はうん……イイッ……感じるぅ……』
それに答えるかのように鼻を鳴らし喘ぐ美熟女────

やがてケルベロスの腰の動きがさらに激しくなる。絶頂がもうすぐそこだと知らせているようだ。
『ハァアアン……もう……もう……』
皐月の口から切羽詰ったよがり泣きが漏れる。こちらももうイク寸前だ。

『はぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
皐月は絶頂を告げる嬌声をあげ、その場に突っ伏してしまう。
肩で息をしながらも魔獣の舌による愛撫に答え、自らもケルベロスへ雨のようなキスを浴びせていくのだった。

『ひひひひ、お似合いだよぉ、皐月ぃ〜。いっそそいつと結婚しちまいなよぉ』
嘲るような貴裕の笑い。だが、そんな声など聞こえないかのように皐月は魔獣へのキスを続けている。
そして───────画面はフェードアウトしていく。

真っ白になった画面からは、やがて“つづく”の文字が浮かび上がってくるのだった───

62退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:13:17

「ひひひ、堪りませんでしたよぉ」
DVDを見終えた隆二は股間のモノをしごきながらそう言う。すでに先ほどから三回は発射しているはずだ。
「ふふ、隆二。いい仕事してくれてるご褒美にこいつの口を使わせてあげるよ」
貴裕はそう言って皐月に隆二の肉棒への口唇奉仕をするように促す。

「ひえっ!ほ、本当ですか!!こりゃあ光栄です」
喜ぶ隆二を見つめながら皐月は四つん這いでかつての使用人の足元に進んでいく。
「へへへ、皐月〜ぃ。おまえに尺八してもらうのが夢だったんだよ。
まさかほんとに実現するとは思わなかったぜ」

(あぁ、隆二……いったいどうしたって言うの───)
自分を蔑むように見下ろすその顔からは、かつての忠義に満ちた男の姿は微塵も感じ得ない。
ただ、淫猥な欲望に支配された憐れな男がいるだけだ。
でも───自分に隆二のことを言える資格があるのか? 淫靡なストリップをし、欲望の
まま自慰を行い、
孫を助けるためとは言いながらも、あれほど派手に放尿をし、さらに魔獣とまで繋がり、
あまつさえ絶頂を極めてしまった自分に……

「ふふ、じゃあ僕はちょっと涼の様子を見てくるよ。明日は儀式を行うからね」
貴裕はじゃあ、楽しみなよ、と言い残してその場から立ち去っていく。
そこには皐月と隆二の二人だけが残された。魔物の類もいない。貴裕も一也という少年もいない。
ここに連れてこられてからこんなことは初めてのことだった。

(最後のチャンスかもしれない……)
なんとか首輪を外して退魔戦士としての能力さえ取り戻せば、隆二だけならなんとかできるはず───
首輪は自分では外せないのだが、特に鍵がついているというわけでもない。
第三者なら外せるのではないか?

皐月はそんな──かすかな──望みに掛けようと、隆二の股間でいきり立っているモノを握り、
艶かしい表情をしてかつての使用人の顔を見上げるのだった。


「ほら、その可愛らしいお口でしゃぶってくれよ」
そう言って自分の逸物を皐月に咥えさせようとする隆二に向かい、
彼女は目許を赤らめながら、話しかける。
「隆二……さん……今はふたりだけよ。お願い……どうか恋人のように愛して……」
「なんだと……?」

皐月の“恋人のように”という言葉に喜色ばんだ表情を見せる隆二。
おそらく彼は貴裕たちによってなんらかの形で洗脳されているのではないか?
皐月としては隆二と普通に性交を行うことにより潜在意識に働きかけ、
彼が正気を取り戻してくれるのではないか、と考えたのだ。

「へへ、そ、そうか……よし、俺の膝の上に乗れ」
隆二はそう言って自らの膝をポンポンと叩く。
皐月はそれの答えて剥き出しの状態の隆二の太腿の上にまたがる。

「ほら、舌を突き出せ」
「あぁ……隆二さん……」
皐月はその薄桃色の舌を思い切り突き出し、同じく突き出されている隆二の舌へ絡ませていく。

「はうン……うふあン……」
甘い吐息を漏らしながら、糸を引くほどのディープキスを交わす。
「ひ、ひひひ。夢みたいだ。おまえとこうして舌を絡ませてキスをしたかったんだ」
「あぁん、隆二さん、わたしもよ……ほんとはわたしもこうしてあなたと……」

それは本心であった。前回はほとんどレイプ同然に犯されてしまったが、
本当に恋人同士のように結ばれたかった。できうればこんなところではなく、
そしてこんな状態の隆二ではなく、お互いの身体を求め合いたかった───
だが現実は悪魔に囚われ、いずことも知れない場所で、こんな惨めな性交を行っている。
せめて、数日前のあの忠義にあふれた隆二に戻って欲しかった。

63退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:14:05

(隆二……お願い。元の隆二に戻って──わたしを守ってくれていたあの頃のあなたに……)
キスを交わしながら隆二の左手が皐月の背中へ回され、力強く抱きしめられる。
右手は彼女のふくよかな胸を揉みしだいていた。
「ふうっ……ああン……あふん……」

隆二の舌がまるで軟体動物のように皐月の顎から首すじにかけてを這い始める。
ここ数日間のただ犯されるだけのセックスでは、味わうことのできない甘美な愛撫に、
全身を快感が突き抜けていくのを感じる。

「首輪が邪魔だな……」と隆二が言った。
「自分では外せないの……お願い外して……」
皐月の言葉にその真紅の首輪に手を掛けていく隆二。
ぎこちない手の動きだが、どうにか外すことができたようだ。

「皐月……」
そう言って隆二は両手に力を込め彼女の身体を強く抱きしめる。
再び皐月の首すじへと舌を這わせ、彼女の肉体を味わうかのようにゆっくりと舐めとっていく。
「はああん……隆二さ…ん……」

皐月は全身を走り抜ける甘い快感に、身体を仰け反らせて反応する。
首輪が外された今なら、おそらく退魔戦士の能力も使えるはずである。
本来ならすぐさま隆二を眠らせ、涼を救いに行きたいところだ。
しかし、皐月としては隆二を正気に戻したかった。
愛した男を悪魔に魅入られたまま放っておくわけにはいかない、と思ったのだ。

“恋人のように”という言葉にあれほど反応したのだから、このまま本当に愛し合うこと
ができれば、
洗脳も解け元の隆二に戻ってくれるかもしれない、皐月はそう考えた。
「舐めさせて……」
彼女はそう言って隆二の膝から一旦降りると、股間に顔を近づけ反り返った屹立を
その可憐な紅唇に含ませていく。

舌を這わせ、裏スジからカリの部分にかけてをねっとりと舐め上げる。
「うおぁ……さ、皐月ぃ……」
隆二の鼻息が荒くなっていく。
憧れつづけた女に口唇奉仕を受け、快感が何十倍にも膨れ上がっているのだろう。

皐月は口を放し、隆二といよいよ繋がろうと再び対面座位の体勢に入ろうとした。
その時ふと隆二の鼠頸部に目が行った。
(えっ……これは、なに……)
それは穴だった。直径にして五ミリくらいだろうか? 傷というようなものではない。
なにかで穿たれたような穴である。

(ひっ! こ、これは……)
一瞬皐月は自分の目を疑った。その穴から数匹の虫が出入りしているのが見えたのだ。
まさか───蟲───
種類は一瞬だったためわからなかったが、あれは間違いなく魔のモノが使う
蟲と呼ばれるものに違いなかった。

(隆二、蟲を、蟲を植え付けられたの……)
なんということだろうか──これでは浄化するしか正気に戻す手立てがない。
恋人のように性交をしたとして、潜在意識下で多少なりとも意識が戻ったとしても
完全に元に戻ることはありえなかった。
いや、それ以上に植え付けられた期間が心配だった。
蟲の種類によってはすでに浄化できない状態に陥っている可能性もあるのだ。

64退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:14:51

とにかく隆二を連れてここを脱出するしかない。
しかるべき処置をすればまだ浄化出来る可能性も充分にある。
そのためには───


「ねぇ……隆二さん……」
皐月は立ち上がり隆二の膝にまたがるようにしながら、彼の首に手を回した。
そのまま腰を降ろせば隆二と繋がるような体勢である。
隆二は、ん? というような顔をして皐月を見上げる。快感に意識が朦朧としているようにも見えた。

「眠っていて!!」
皐月の両手から気の塊が隆二の身体に向け放出される。
あっ、という声すら発せずに隆二はその場に突っ伏してしまった。
「ごめんなさい、隆二……」

皐月はそう言うとなにやら呪文を唱えた。そして、倒れている隆二を軽々と抱き上げ、肩に担いだ。
実は今唱えた呪文は──短時間ではあるが──自分の筋力を高める呪文である。
力技で戦うことのなかった皐月がこの呪文を使うことは、今までほとんどなかったが
今回ほどこれを覚えていて良かったと思ったことはなかった。
「とりあえずここを出なきゃ」
皐月はそう言って隆二を肩に担いだまま、その部屋をあとにした。

欲を言えば、隆二と涼を助け出し自らもここを脱出する。これがベストだ。
問題は涼がどこにいるのか? また、貴裕に見つかる恐れはないか? の二点である。
捕らえられてから今日までほとんど他の場所に行くことはなかったため、ここが広い屋敷である、
ということすら初めて知ったようなものだった。
これで涼を探し出す、というのははっきり言って無理がありそうだ。
しかも隆二を肩に担いだ状態なのである。

脱出優先───皐月はそう思った。
儀式というのが多少気にはなったが、このまま放っておけば隆二は確実に蟲に侵されていく。
人間としての形すらなくなる恐れがあった。皐月は出口を求め、ドアを開け続けた。

広い場所に出た。エントランスホールのようだ。右手を見ると玄関のドアとおぼしき扉が
目に映った。
出口か──? 皐月はそう思って扉へと近づこうとした。
ふと左手の階段に目が移った。背筋に冷たいものが走る。なんだ……あれは……
皐月は吸い込まれるようにその階段の踊場のあたりにある“もの”へと近づいていく。
「こ、これは……どうしてこんなものが……」

皐月が目にしたものは不気味な像だった。だが、彼女にはこれがなんであるのかよくわかっていた。
同じもの──いや正確には似ているものを見たことがあったからだ。
それを見たのは── 一条家。三つの封印のうちのひとつがそれのはずなのだ。
では、これは残る二つのうちのひとつなのか……?

儀式───皐月の脳裏に貴裕の言った言葉が思い出される。
三つ目の封印は確か像ではなかったはずだ。すると……
「ひっ! ま、まさか!!」
皐月は全身に震えが来るのを感じた。もし、自分の想像した通りなら大変なことになる。
貴裕と一也という少年を支配しているやつがあいつだということなのだ。

ぐずぐずしている暇はなかった。儀式を止めるか、ここを脱出して有子たちにこのことを
知らせるか。
とにかくそれ以外に方法は思いつかない。

皐月は後者を選んだ。玄関ドアと思わしき扉に向かって走り出した。
と────────

「どこに行くの?」そう声がした──貴裕の声だ。
皐月は思わずその場に凍りついてしまっていた。
あと少し……あと少しでドアノブに手がかかっていたのに───

65退魔戦士 有子:2005/11/16(水) 00:15:24

「こっちを向けよ。皐月!!」
その声は有無を言わせぬ強い口調だった。
全身が震える──振り向いては駄目……
だが、そんな思いとは裏腹に身体は自然に後ろを向いていってしまうのだ。

「あ、あなたは……いや……あなたたちは……」
皐月は辛うじてその言葉だけを発することができた。
「ふふん。この像を見ただけで判っちゃった? さすがだねぇ、皐月は……」
「じゃあ、やっぱり……」

「儀式が終われば三つ目の『封印』も解けるから……もう完璧さ」
「さ、させないわ……それだけは、命に代えても」
貴裕は嘲るような笑みを浮かべながら言う。
「参ったなぁ。皐月にはまだまだ躾が足りなかったみたいだねぇ」

皐月に向かってじりじりと間合いを詰めていく貴裕。
「ちょっと、調子に乗りすぎだね。しばらく封印しといてあげたけど、
久し振りに気持ちよ〜くしてあげるよ」
貴裕はそう言って右手を皐月の目の前に広げる。

「狂ちゃいな」
その言葉に呼応するように皐月の全身に電撃のような快感が走り抜けていく。
「ぐあぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
全身から力が抜けていく。隆二を担いでいる余裕などもうない。

「はうっはぐぅぅぅぅぅ!!!」
涎を垂らし全身を痙攣させてよがり泣く皐月。
股間からはすでに信じられないほどの淫蜜が溢れかえっていた。
「ふふふ、今日のメニューはイケない地獄ってことにしておいてやるよ。くくくく」

皐月にはそんな貴裕の言葉など聞こえてはいなかった。
ただ、全身に沸き起こる凄まじいまでの疼きを鎮めようと必死だった。

しかし────その疼きを鎮めることができたのは翌日になってからだった。

****************************************

有子は罪悪感に胸を締め付けられていた。
まさか、母の痴態を見てここまで興奮してしまうとは──
しかも、またあのバイブを使って自らを慰めてしまうとは──
気づいた時すでにあのDVDは再生を終了し、
画面は最後の場面──真っ白い画面につづくの文字──を映すのみだった。

いったい自分の身体はどうなってしまったというのだろう───
ふと、時計を見るとすでに午後五時を回っている。

その時、有子の携帯が鳴った。慌てて着信画面を見る。百合恵からだ──
「もしもし──」
通話スイッチを押し話しをする有子。
「えっ……なんですって!!!」

それは──小泉真理が行方不明になったという知らせだった───

                       Intermission 1

                            『From 貴裕』 終

66退魔戦士 有子:2005/12/12(月) 22:42:31

               エピソード3   『ママ……』

金曜日。
三日間の休暇が明け、有子は勤務先の高校へと向っていた。
昨晩遅くまで真理を探した有子と百合恵だったが、彼女の行方はようとして知れなかった。
おそらく貴裕に連れ去られたのだろう。そうとしか考えられない。
だが、なぜ真理を狙ったのか? 有子たちにはまるでわからないことだった。

重い足取りでようやく学校に着いた有子。
見ると学校はパトカーやTV局の車、そして野次馬たちで溢れかえっていた。
いったいなにがあったというのだ? 警察やTV局の車とはいささか尋常ではない。
もしや真理の失踪となにか関係が……
そう思った有子は同僚教師を見つけ状況を尋ねた。

「なにがあったの?」
「あ、ああ永井先生。実は写真部の部室で男子生徒の死体が……」
「えっ……?」
「なんでもかなり凄まじい惨殺死体らしいですよ。
ほら、夏休みに永井先生のクラスの生徒が五人殺されたことがあったでしょ。
そんな感じみたいです」

そんな……あの五人を殺したのは魔物に取り憑かれた貴裕である。ならば、今回も……
有子は居ても立っても居れず、死体が発見されたという写真部の部室へと駆け出した。


部室はロープが張られ、立ち入り出来ない状況だった。
警察官が現場への立ち入りは遠慮して下さい、と中へ入ろうとする有子を押しとどめる。
有子はしかたなく、死体が発見されたという写真部の部室を、遠目で覗き込んでみた。
精神を集中させ、残っているわずかな気を探ってみる。
ここになにがいたのだ……

─────!!!

男子生徒三人、真理の気も感じる。
そしてこれは──
強力な“魔の気”を感じた。数時間、いや十数時間経っていると思われるのに、
ここまでの気が残っているとは……
貴裕──? 
一瞬そう思った。しかし、少し違う……。
かなり似てはいるが、貴裕の放つ気とはなにかしら差異があった。

(別の魔物……?)
仮にそうだとするとこれはかなり深刻である。
貴裕と同等の化け物がもう一匹存在するということなのだから……

「今日は休校ということにしましょう。登校している生徒たちは帰した方がよさそうですね」
校長たちがそう話し合っていた。
確かにこんな状況では授業になるまい。
有子をはじめとする教職員たちは、生徒たちを帰すためにその場を離れていった。

67退魔戦士 有子:2005/12/12(月) 22:45:02

****************************************

「おい、そろそろ起きろよ」
ぐったりとその身を横たえる真理の横っ腹を蹴り上げながら一也は言った。
真理は目を覚ます。
いったいここはどこ……? 見たこともない風景に戸惑いを隠せない。

「そろそろ儀式の時間だよ」
一也はそう言って、彼女に嵌めている首輪から伸びた鎖を手に持ち歩き始める。
「あン……ちょ、ちょっと待って……」
引きずられるように四つん這いでそれに続く真理。一糸も纏わない丸裸の状態だ。
まるで犬のように扱われ屈辱感で一杯になってしまう。


ドアが開かれ広間へと引き出された。
薄暗い部屋。まわりには蝋燭の炎が揺らめいている。
ふと見渡すと、低級ではあるがかなりの数の魔物が、自分を見つめていることに気づいた。
背筋に寒気が走る。いったいこれから何をされるというの? 儀式って……

真理は言いようのない不安にかられる。
そう言えばこの少年は自分が処女であるかどうか、ということにかなりこだわっていた。

サバト(魔宴)───

そんな言葉が脳裏をよぎる。
殺されるのか──? はらわたを抉り出され、悪魔の贄に饗されるのだろうか──?
そんなことを考えている真理の目に、自分と同じく首輪を嵌められた女が、
少年に連れられている姿が飛び込んできた。

鎖を持った少年は、前に有子に見せてもらった写真で見たことがある。有子の息子の貴裕だ。
では、あの首輪を嵌められた女は……。皐月さんか……?
真理は皐月とは面識がない。しかし、彼女がさらわれた、ということは知っている。
おそらく皐月さんに違いあるまい。

かつては退魔戦士ナンバーワンの実力と呼ばれていたとは聞いている。
しかし、現役のわたしですら歯がたたなかったのだ。五年も前に引退した彼女が勝てるはずないわよね。
真理はそう思いながら、皐月の顔を見る。

目がうつろだ。まさに心ここにあらず、という感じである。
かなり酷い目にあわされたということか、精神が崩壊したかのように思えた。
「さてと、新、旧の退魔戦士がそろったところで、儀式を始める前に面白いゲームをしようか」
一也はそう言いながら真理の首に嵌めてある、黄色い首輪を外しだした。
貴裕もそれに習って、皐月の首輪を外していく。

68退魔戦士 有子:2005/12/12(月) 22:45:45

「何をしようとしてるかわからなくて不安そうだねぇ。今から皐月と戦うんだ。
真理が勝ったらここから逃がしてあげるよ」
一也はそう言いながらにやにやと笑う。貴裕も笑みを浮かべている。
「何をたくらんでるの……?」
真理は尋ねた。皐月と戦わせるためにわざわざさらうこともあるまい。
ここで解放してしまっては儀式も何もあったものではないだろう。

「別に何もたくらんじゃいないよ。勝てば逃がしてやるさ……。勝てればね」
貴裕のこの言葉に真理はカチンときた。
いくらかつては退魔戦士ナンバーワンと呼ばれていようと、それはすべて過去のことだ。
現役のわたしが負けるはずないではないか。しかも見れば彼女は精神が崩壊寸前のようである。
負ける要素など万にひとつもない。

「わたしがこのおばさんに負けるっていうの?」
先ほどまで“青菜に塩をふった”ようにしなだれていた真理だったが、
元来の勝気な性格が蘇ってきたようだった。
「おやおや、元気でてきたじゃん。そうじゃないと面白くないよ。
じゃあ、二人にはこれも返してやる。思いっきり戦いなよ」

貴裕はそう言ってブレスと各々の必殺武具『破邪の扇』『破邪の鞭』を投げ渡した。
「おばさ……皐月さん、ほんとにいいの? わたし本気でいくよ」
真理はブレスを嵌めながら言った。皐月はうつろな目をして薄笑いを浮べているだけだ。
「じゃあ、いくわよ! あんたたち! 勝ったらほんとにここから逃がしてくれるんでしょうね?」
「ふふふ、そうだね。ここを出たいって言うなら逃がしてやるさ。もちろん、勝てればだけど」
貴裕と一也はそう言いながらゲラゲラと笑う。

「その言葉、覚えてなさいよ!! ───転身!!!」
真理はバトルスーツを装着していく。少し遅れて皐月も転身した。
青いスーツの真理。紫のスーツの皐月。
ふたりはそれぞれに必殺武器を構えながら対峙する。

四十九歳の熟女と、十七歳の少女の対決が今始まろうとしていた。

69退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:05:39

貴裕と一也はソファに座り、ふたりの対決を見つめていた。
「おい、あの女、あんな状態でまともに戦えるのか?」
一也がそう貴裕に尋ねる。

確かに皐月の表情を見る限り、まともな状態ではなさそうだ。
両者と戦ったことのある一也は、ふたりの実力はよくわかっている。
確かに皐月は強い。だが、真理の力も相当なものだ。
精神が崩壊しているような状態で勝てるような相手ではない。

「ふふふ、安心しなよ。皐月は別におかしくなってるわけじゃない。邪淫の魔法が発動しているだけさ」
「ん……? 邪淫魔法であんな状態になるのか?」
一也の問いにやれやれというような顔をして貴裕は答えた。

「お前、眠りすぎてボケちまったんじゃないのか? 性対象を変えたんだよ」
「……あ〜、なるほど。そういうことか」
邪淫の魔法には性欲をコントロールできる力がある。
前日、久々に封印を解かれたわけだが、その時には“イケない”という呪いが掛けられていた。
皐月はイキたくてもイケない……そんな状況に一晩中苦しみつづけたのだった。


今から五時間ほど前、皐月は身体の奥底から湧き起こる、妖しい疼きを鎮めようと
自慰を繰り返していた。すでにその行為は十時間以上の長きに渡って行なわれている。
貴裕に貸し与えられた張り形を使い懸命に慰める皐月。だが、イケない──。
どうしてもイクことができない。
「ふあぁぁぁぁぁン……、だめぇ……。イカせて……お願いイカせてちょうだい……」
絶頂寸前までにはのぼりつめるのだが、あと一歩というところでオルガスムスには達しないのだ。

「あはぁぁン……、こんな……こんなぁぁぁ」
皐月は張り形を自らの膣内に出し入れする。
しかし、いくら激しく動かしても絶頂を極める事はかなわなかった。
「あふあああぁはああ……、もう、もうだめ……誰でもいい……イカせてちょうだい……
狂っちゃうぅぅぅぅ!!」
髪を振り乱し狂ったように叫ぶ皐月。床には考えられないほどの愛液が、水たまりをつくっている。
とても人間ひとりの身体から出たものとは思えない量だった。

「ふふふ、ずいぶん切羽詰った感じだねぇ。よければこいつら使っても構わないよ」
皐月の痴態を面白そうに見つめていた貴裕は、その端正な顔に残酷な笑みを浮かべ、指を鳴らした。
皐月の周りに二匹の魔物が現れた。
かなり低級な魔物である。一条家に現れたやつらに比べてもガクンとランクは落ちるようだ。

「こいつらにお願いして、チン○を使わせてもらいなよ。くくく、元現役ナンバーワンの退魔戦士さん」
そんな貴裕の揶揄する言葉も聞えないかのように、皐月はうつろな目をして魔物たちの足元へと
擦り寄っていく。その姿はまるでサカリのついた牝犬のようだった。

70退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:07:18

「はふぅぅ……、お願い……。犯して……その大きなチン○でわたしを……」
普通の状態ならまず口にすることはない卑猥な言葉を用いて、彼女は汚らわしい魔物におねだりをする。
目の前にある魔物の肉棒は皐月の腕ぐらいの太さと長さはあるだろう。

ドクドクと血管が脈うつそれは、正気なら顔を背けたくなるほどのグロテスクな形状だ。
しかし、今の皐月にとってはこれ以上ない程、愛しい物体であった。
彼女はその可憐な唇を近づけそれを咥えこんでいく。媚びるような笑みを浮かべ、
ねっとりとフェラチオを開始した。
右手を使いもう一匹の魔物の肉棒をしごきながら、交互に二本の剛直を舐めていく。

「はふン……素敵ですぅ……。早く……早く入れて下さい……」
邪淫魔法に抗しきれず、押し寄せる官能の波を鎮めることしか考えられない皐月。
すでに元退魔戦士としての誇りも、二人の娘を持つ母としてのたしなみ忘れ、
ただひたすら快楽を貪ろうとするだけだった。

一匹の魔物がその体躯を横たえた。長大な肉棒が天に向ってこれ見よがしにそそり立っている。
皐月は生唾を飲み込み、魔物の上に跨っていった。ようやく本物を挿入できる喜びからか、
ガクガクと身体を震わせながら腰を沈み込ませていく。

「くはあぁぁン……。あ、ああ……いい……感じるぅ……」
涎を垂らし、狂ったように腰を上下させる。
その動きに合わせるように、たっぷりとした量感の肉房もぶるんぶるんと揺れるのだ。
さらにもう一匹の魔物が彼女の背後に回りこんだ。頭を掴みぐっと下へと押し下げていく。
彼女の尻が突き出される格好になる。魔物からは肛門まで丸見えの状態だ。

魔物は皐月の尻穴をめがけ、すでに鈴口から淫汁が噴き出している獣根を、強引にねじ込んでいった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
人間のものとは比較にならない特大の剛棒で菊門を貫かれ、あまりの痛みに悲鳴をあげる。

しかし、それも最初のうちだけだった。邪淫魔法は、次第に痛みを快感へと昇華させていく。
「くはあぁ……き、気持ち……いい……。あはあン……たまらない……」
雪肌から玉のような汗を噴き出し、初めて経験する快感に身をのたうたせる妙齢の熟女。
目の前に横たわる魔物と濃厚にディープキスを交わし、はふん、はふんとあえぎ声をあげていく。

尻穴を貫く魔物はバックから皐月の胸を、たぷんたぷんと揉み弄る。ときおり硬くしこった乳首を、
きゅうきゅうと引っ張りながら弄んでいく。
「はぁああん……もう、もうぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
絶頂はもう目の前だった。あと少し、あと少しでイケる……そう思った。
だが───

どうしてもイケない。激しく腰を振りたてさらなる刺激を得ようとする皐月。
しかし、あと薄皮一枚というところで絶頂まで達することができないのだ。
「どうして……どうしてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
皐月は涙を流しながら泣き叫ぶ。艶やかな黒髪をかきむしり無様に腰を振りたてるのだ。

見下したような笑みを浮かべながら、貴裕が目の前に現れこうささやいた。
「イキたいかい?」
「イキたい……イキたいの……。お願いイカせて……」
「ふふふ、人にものを頼むときは、もっときちんと頼まなきゃ」
口端を吊り上げ残酷に笑う少年。
「はあ……はあ……た、貴裕さまぁぁ……お願いしますぅ……イカせて……イカせて下さい…・・・」

土下座をし、気をやらせてもらえるように懇願する皐月。もうプライドもなにもなかった。
ただ、どうしようもなく湧き起こってくる、この身体の疼きを止めたい……そう願うだけだった。

71退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:08:14

ようやくイクことを許された。腰を上下し快感を貪り食らう。
「あぁぁふぁうあ……あああああ……」
十数時間もの間おあずけを食らっていた皐月は、歓喜に咽び泣きながら絶頂を極めるのだった───


貴裕はこれで皐月は堕ちた、と思った。逆らう気力も失せ、自分たちに服従するだろうと……
だが、そうはならなかった。
皐月は絶頂を極め、正気になった瞬間からいつもの気丈な顔つきに戻ったのである。

計算外だった。本来は儀式が始まるまでに、皐月を服従させねばならなかったのだ。
そうでなければ、儀式は失敗に終わる可能性があった。
邪淫の魔法で命令に従わせることはできるのだが、それは身体の疼きを鎮めるための行為のみだ。
例えば「戦え!」と命令してもそれが疼きを鎮めるための行為でなければ従わない。
おそらく、そんな命令は無視して、誰かれ構わず挿入してもらおうとし始めるだろう。
それでは戦いに勝てない。いや、そもそも勝負自体が成立しない。

「だから、性欲の対象を女に変えたんだよ。ふふ、見てみな、皐月が真理を見る目つき。
獲物を狙ってるみたいだろ。言ってやったのさ。戦って勝てば、その相手を好きにしていいって」
「なるほど。身体の疼きを鎮めるためには勝たなくちゃいけないってわけか」
「そう言うこと。身体の疼きを鎮めるために皐月は必死に戦ってくれるよ」
二人は顔を見合わせニヤリと笑みを浮かべた。


皐月の目には真理の姿しか映っていなかった。
獲物───
戦いに勝てばこの女を好きにしてもいい……
そうすればこの身体の疼きを鎮められる……
性欲の対象が女にされてしまった今、湧き起こる身体の疼きを鎮められる存在は、
この場には真理ひとりしかいないのだ。
なんとしても戦いに勝たねばならない。
絶頂を極めることへの果てしない渇望だけが、皐月の意識を支配していた。

「かわいい……」
皐月はそうつぶやいて妖しく舌なめずりをする。
アイドル顔負けの容貌とグラマラスな肢体。
目の前にいる少女はそんな絵に描いたような“美少女”なのである。
性対象を“女”に書き換えられた者にとって、これほどの獲物はなかった。

先手を取ったのは真理の方だった。
破邪の鞭がうなる。シュルシュルと生き物のような動きで、皐月に向って来た。
しかし、皐月はそれをなんなくかわす。
貴裕のあの無数の触手攻撃すらかわしたのである。一本の鞭をかわすなど造作もないことだった。
皐月はにやりと笑った。
そして、今度はこちらの番よ、とばかりに破邪の扇で攻撃をしかけるのだった。

72退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:09:14

ちっ! 
初手をかわされ真理は思わず舌打ちをした。
むろん、致命傷を与えられるような攻撃でないことは充分承知していたが、
これほど簡単にかわされるとは思っていなかったのだ。

「けっこうやるじゃん」
真理はつぶやく。とは言え、自分が負けるなどということは、毛一本も思ってはいない。
相手は五年も前に引退したロートルである。現役バリバリの自分が負けるはずはない、と
自信を持っていた。

現役の退魔戦士の中でもトップクラスの実力だ、と真理は自分のことをそう評価している。
仮に自分が負けることがあるとすれば、有子か操くらいのものだろう、と高をくくっていた。
むろん、祐美にも勝てると思っている。

真理は再度鞭を打ち振るおうとした。皐月の足を狙い動きを止めようとする。
しかし、その前に皐月の破邪の扇が、猛烈な勢いで真理を襲ってきたのだ。
「きゃっ!」
すんでのところで扇の攻撃をよける真理。
皐月の放った技は『破邪烈斬扇』。一也との戦いのときに使ったあの技だ。

扇は二本ある。第二波が真理を襲う。
「こんなもの!!」
真理は第二波もかわした───しかし……

“バシュッ!!”

バトルスーツが切断される。わずかだが皮膚も切ったようだ。少し血が滲んできた。
ほとんどかすり傷のようなものだが、真理を動揺させるには充分だった。
うそ!? かわしたはずなのに!!
そう間違いなく二本目の扇はかわした。だが、彼女のスーツを引き裂いたのは、一本目の扇だったのだ。
扇はブーメランのように戻ってくる。その時に真理のスーツを切断したというわけだ。

油断した……まさか、もう一度攻撃してくるなんて……
そんな事を考えている間にも、さきほどかわした二本目の扇が再び戻ってきて、
バトルスーツを引き裂いていく。

「くっそ〜! やったわねぇぇぇ!!」
真理は怒りに我を忘れ鞭をめくら滅法に振り回していく。
しかし、そんないい加減な攻撃が、皐月に当たるはずもない。
余裕の表情で、すいすいとかわされてしまうのだ。

「こんな……馬鹿な……」
真理は皐月のそのスピードに付いていけないでいた。
攻撃さえ当たれば一撃で倒せるだけのパワーを秘めているはずなのだ。
しかし、まるで当たらない。触れる事すらできない。

「うそ……うそよ、こんな……。わたしが何もできないなんて……」
皐月はヒット&ウェイで攻撃をしてきては、すぐに真理の射程から離れる。
まるで大人と子供のケンカのようなもので、遊ばれているとしか思えない状況だった。
「うふっ。かわいいわねぇ、そのお尻……」
皐月はそう言いながら真理のヒップを軽く撫でる。すぐに離れてはまた接近し、
今度は胸にタッチしてきたりするのだ。

攻撃を受けるならともかく、お尻や胸を触ってくるなんて馬鹿にされているとしか思えない。
皐月が今、自分の身体に対して性欲を感じているという事など知る由もない真理は、
あまりの屈辱で涙が出そうになる。

(負けない! 絶対に負けない!!)
そのとき、真理の意識の中は“負けたくない”ということだけが支配していた。
どんな手を使っても勝つ! それしかなかったのだ。
目の前にいる女性が有子の母、引退した退魔戦士で自分たちの仲間なのだ、ということすら
頭の中から消えていた。

73退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:09:49

(あれでいく……)
真理は自分の最大奥義を使おうと思った。
一也には効かなかったが、それまではこれを使って負けたことなどなかったのだ。
真理は破邪の鞭を投げ出し、両手を胸の前で合わせた。
手と手の間から光球が姿を現わし、しだいに大きくなっていく。
絶対勝つ……真理は思った。何が何でも勝つんだ……

殺してでも、と……


皐月の身体から溢れる官能の疼きは、ますます大きくなっていた。
目の前にはとびっきりのごちそうが用意してある。欲しければ自分で手に入れろ、
そう言われているのだ。

皐月は戦いの最中であるにもかかわらず、真理の胸やお尻に触っていく。
スーツの上からでも感じる、張りのあるヒップと弾力性に富んだ胸のふくらみ。
もうすぐこの肉体を思う存分、弄ぶ事が出来るという期待で思わず笑みがこぼれてしまう。

この少女が誰なのか、皐月は知らなかったが、退魔戦士であるのは間違いない。
自分の若い頃と比較しても、ひけをとらない実力者であることはわかった。
ただ、力の使い方がまるでなっていない。
やみくもにパワーを使っているだけで、無駄な動きが多すぎるのだ。
低級、中級程度の魔物なら充分倒せるのだろうが、それ以上の魔物だとまるで歯が立たないだろう。

皐月は自分の勝利を確信した。もうすぐ、あの身体を味わう事ができる……
そのとき、真理が鞭を捨てた。そして、両手を胸の前で合わせる。
「なに!!?」
一瞬で皐月は真理のその行為の意味を悟った。

『破邪爆裂光』

大技である。
その光に包まれれば、かなり上級の魔物でも一瞬で消え去るだろう。
この娘、わたしを殺す気だ───皐月はそう思った。なんとかしないと……
しかし、その間にも光の球は真理の手の中で、どんどん大きくなっていく。

「消えちゃえぇぇぇ!!!!」
真理の叫びと共に光り輝く光球は、彼女の手のひらから勢いよく飛び出していくのだった。

74退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:10:29

爆裂光を発射した瞬間、真理は自分のした行いに背筋が凍えた。
なんてことを……
相手は有子の母であり、元退魔戦士である。言ってみれば味方ではないか。

お願い! よけて!! ───真理は思った。
怒りに任せ気を集中させたため、かなりのパワーが蓄えられているはずだ。
あの光に包まれればひとたまりもない。

光球がひときわ輝きを増す。
だめだ、皐月さんは消滅してしまう……
真理がそう思ったとき、輝きを増したはずの光球は急激に収縮していった。

えっ? と真理は思った。確かに獲物を捕らえ、それを包み込んだ後光球は収縮していく。
だが、いつもより速度が速いのだ。あまりにも収縮が速すぎる。

真理がどういうこと? と思っていると、その光球の横から黒い影が飛び出してきた。
「えっ?」
影は皐月だった。飛び出してきた彼女は、真理との間合いを詰めてくる。
いけない! そう思い、投げ出した破邪の鞭を拾おうとする真理。
しかし───

「あっ! しまっ……」
一瞬遅かった。鞭を手にしたのは皐月の方だったのだ。
なんということ……。最大奥義を破られ、さらには必殺武器まで奪われた。
無手で戦わねばならないのか……いや、そもそも戦いになるのか……

皐月は鞭を手にしながら、妖しく笑みを浮かべた。
「馬鹿ね、あんな大技すぐに見抜けるわよ。ふふ、ぎりぎりだったけど、同じ技で威力を相殺したのよ」
あの一瞬で『爆裂光』を発射できるなんて……
真理は思った。この人は凄い……こんな人に勝てるわけがない、と……

「ねぇ……それよりも……」
ピシッ!!
皐月は鞭を打ち鳴らし、こう真理に問いかけた。
「あなた……わたしを殺そうとしたでしょ……」
「あ、あ、あ……」
真理は声が出せなかった。
屈辱と怒りで我を忘れていたとはいえ、目の前の女性を殺してでも勝ちたい、
と思ったことは確かなのだ。

「ふふふ、答えられないならそれでもいいわ。あなたの身体で罪を償ってもらうから……」
皐月はそう言うと真理に向って破邪の鞭を打ち据えていく。
ピシィ!! ピシィ!! 
鞭打たれる真理。自分の武器で痛めつけられるなど、これほどの屈辱があるだろうか……

「きひぃぃぃ!! やめて! 許して!!!」
鞭打たれるたび真理のバトルスーツはボロボロになっていく。
全裸の上から転身したため、下着の類は一切着けてはいない。

引き裂かれていくスーツの下から、重たげな乳房や張りのあるお尻がその姿をあらわしてくる。
すでに彼女の身体を隠すものは、青いミニのスカートと膝までのブーツのみとなってしまっていた。

「ふふふ、いやらしい身体……。たまらないわ……」
なに……? 皐月さんは何を言っているの……
まさか、彼女が自身の性欲を満たす為に、自分の身体を狙っているなど考えもしていない真理は、
さらけ出されていく肉体を舐めるように見る、皐月の視線に恐怖を覚えた。

75退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:11:24

「これでお終いよ……」
皐月は破邪の鞭を投げつけてきた。
投げつけられた鞭は真理の全身に絡まり身動きをとれなくしてしまう。
「くっ……」
完全に動きを封じられ、その場に倒れ込んでしまった真理のもとへ、
両手に破邪の扇を携えた皐月が近づいてきた。

殺される───
真理はそう感じた。凄まじいまでの殺気。自分を見るあの目つき。
まるで獲物を捕らえた肉食動物のそれだ。

身動きのとれない真理の傍に来た皐月は、淫猥に笑いながらこう言った。
「うふっ、おいしそう……」
皐月はつぶやきピンク色をした真理の乳首に口を付けていく。
「あふン……な、なにを……」

殺されると覚悟を決めていた真理は、意外な皐月の行動に狼狽した。
皐月は右の乳首に吸いつくと、舌を使ってその突起をころころと転がしていく。
さらに右手で真理の左の乳房を捕らえると、その弾力を楽しむようにやわやわと
揉みしだいていった。

昨日までの三日間、例のキモヲタたちに徹底的に凌辱された箇所だ。
元々敏感だった上に彼らから執拗なまでに責め続けられ、その部分はさらに敏感になっている。
しかも、今回は今まで経験したことのない、同性からの愛撫。
そんな背徳的な要素も加わって早くも乳首は硬くしこってくるのだった。

「もう、こんなに感じちゃってる。うふふ、ここはどうかしら……」
皐月はそう言いながら右手を真理の股間へと移動させる。スカートの中に手を差し入れ
的確にその部分を捕らえていく。
「いや! やめて……」
か細く抗いの声を出す真理。実は鞭に絡みつかれ身動きが取れなくなった瞬間から、
股間に熱いものが湧いてきているのを感じていたのだ。

「あら……、うふふふ、もうこんなにしちゃって……。いやらしい子……
いいわ、たっぷり可愛がってあげるから」
皐月は妖艶に笑い、真理の唇へ自らのそれを近づけていく。

妖しく絡み合う美少女と美熟女。
そんな二人を見つめながら貴裕と一也は顔を見合わせ、どちらからともなくこうつぶやいた。
「フフフフ。さてと……、そろそろだね」


皐月は真理の身体をさんざん弄んだ後、ついに耐え切れなくなったのか、
バトルスーツのミニスカートを捲り上げ、濡れそぼった秘部を真理の眼前にさらす。
「舐めるのよ!」
強い口調で言いながら、股間を真理の顔面へと落としてく。

滴り落ちる愛液。むせ返るような淫臭。
さきほどまで嫌というほど身体を愛撫され、官能が高ぶっていた真理だったが、
鼻腔を突く牝の臭いはさらなる高みへと彼女を導き、正常な思考ができなくなっていた。

「ほら! なにをやってるの! 早くお舐めなさい!!」
皐月の叱責を受けおずおずと舌を伸ばす真理。むろん女性器を舐めるなど生まれて初めてのことだ。
真理は屈辱を感じながらも懸命にクンニを続けていく。

76退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:12:18

「ああん……いい、いいわ……。もっと、もっと深く舌を差し込むのよ」
皐月の指示に従いながらも、どうしてこんなことをしなければならないのか、と思う。
そうそれはわたし自身が弱かったから……。
自分の力を過信し、溢れかえるパワーにのみ頼っていたからだ……
未熟だった……、上には上がいるのだ。

強くなりたい───そう願った。
もっと強く、誰にも負けない圧倒的な力が……欲しい……

ふと声が聞こえた。聞き覚えのある、懐かしい声。
『強くなりたいのね……』
そう問い掛けてくる。
ママ……
間違いなかった。十年前に亡くなった母親の声だ。

ママ、強くなりたい……わたし、もっともっと強くなりたい。
『なれるわ、真理ちゃん。もっともっと強く』
どうすればいいの……?
『心を開いて、念じるのよ。強くなりたいって……誰にも負けない力が欲しいって……』
ああ……強く、強くなりたい。誰にも負けない力が欲しい……

『ほんとうに? ほんとうに欲しいの?』
欲しい……欲しいわ……

『そう……ならば─────────くれてやるわぁぁぁぁぁぁ!!!!』

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
なにかが……なにか得体の知れないものが、入り込んでくる。
いやっ! ダメ! 助けて!!
苦しい……信じられないほどの邪気だ。身体が……身体が壊れる……

下腹部のあたりに──おそらくは子宮だろうか──疼痛が走る。
なにかいる──わたしのお腹の中に──

意識が……意識が消える……

闇に……                 

堕……ち……る………………

真理は瞬間ふっと気が遠くなる。
再び目を覚ました真理が見たのは、自分の顔面に股間を押し付け喜悦の表情で喘ぐ女の姿だった。

「どきな……」
真理は低い声でつぶやく。
その声にはっとなって真理の方を見つめる皐月。
真理の目が光る。そしてさきほどとは比べ物にならないほどの大声で叫んだ。

「どけって言ってんだよ!!!!! ババァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

その声は地獄の底から湧き出るかのようだった。

77退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:13:17

凄まじい邪気を受け、皐月の身体は弾き飛ばされた。床に猛烈な勢いで打ち付けられ、
全身に激痛が走る。
「くはっ……」
なにが起こったというのか……? 皐月はほぼ正気に戻っていた。
強力な邪気に当てられ、邪淫魔法も効果を失ってしまったようだった。

皐月はさきほどまで自分がなにをしていたのか、ということはよくわかっていた。
なぜ、目の前にいる少女に対して、欲情してしまったのかはわからなかったが、
おそらく邪淫魔法のせいなのだろう。

だが、あの少女になにが起こったというのだろうか……? 感じられる邪気は底知れないものだ。
前に戦った貴裕や一也にも劣らないほどの邪気───
もしかすると、あのとき感じた以上のパワーを持っているのではないのか……
むろん、あのときの彼らは二十%前後の力しか出していなかったようだが──

「ふふふふ、儀式の第一段階は成功ってわけか。ご協力感謝するよ、皐月。
おかげさまで、最後の封印も解けた。後は器を替えるだけだ」
儀式──  封印──
貴裕の言葉にはっとなる皐月。さきほどまで戦っていた場所の床を見る。

文字── 図形──
「ま、魔方陣……」
よくはわからなかったが、自分と彼女が戦うことによって、
この魔方陣から魔を呼び出す事ができた、というわけだろう。
では、呼び出されたものはあれか……! 最後の封印が……解けた……

なんということだろう。
邪淫魔法に操られていたとは言え、あろうことか封印を解く手助けをしてしまっていたのだ。
「なんて……なんてことを……」
皐月はがっくりとうなだれる。
自分の推測が確かなら世界は破滅だ。災厄が……完全に復活してしまった。

「おいおい、しょげかえってる余裕なんてないぜ。真理ちゃんが、さっきのお礼がしたいってさ」
はっと顔をあげる皐月。そこには全身に絡み付いていた破邪の鞭を外し、それを手に携えて、
淫猥な笑みを浮かべる真理がこちらを見つめていた。

皐月も真理の方を見つめ返す。感じられる邪気は確かに恐ろしいものだが、貴裕たちと違い、
完全に一体化したわけではなさそうだ。
まだ間に合う──皐月はそう思った。
あの少女──真理といったか──と彼女の胎内にいる魔のモノとの因縁を絶つことができれば……
魔のモノを消し去る事はできないにしても、彼女を正気に戻すことはできるかもしれない。

貴裕は言った。後は器を替えるだけだと……
「その前に因縁を絶つわ!!」
皐月は敢然と真理の胎内にいる魔との戦いに挑んでいくのだった。

78退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:14:09

真理は溢れ返るほどの力に狂喜していた。
(凄い……もう誰にも負けないわ……)
有子にも操にも……そしてさっきまで、散々自分を弄んでくれた目の前にいるこの女にも……

人間なら誰しも持っている心の闇。
普段は理性や思いやりといったもので、心の奥深くに隠されているドロドロとしたそんな醜い心が、
魔を胎内に宿したことで彼女の心の表層に現出していた。

皐月の方を見ると、破邪の扇を手に持ち構えをとっている。
身のほど知らずね……真理はニヤリと笑う。今のわたしに勝てるとでも思っているの?
真理は破邪の鞭を握り直し、皐月が攻撃に転じるのを待つ。

動いた───!!
皐月は一気に間合いを詰め、扇を使って攻撃を仕掛けてくる。
さっきまでの真理ならあまりの速さに呆然と立ち尽くしていたか、めくら滅法に
攻撃をしていたことだろう。

だが、今の真理は冷静だった。皐月の動きを目で追い鼻で笑う。
「ふっ……、なに? そのスピード。 止まって見えるよ!!」
真理は破邪の鞭で応戦する。

ビシィィ!!

さっきまでとは比較にならないほどのスピードと正確さ。真理は完全に皐月を捉えた。


「ぐはぁ!!! くっ……なんてスピード……」
余裕でかわせていた攻撃を簡単にその身に受け戸惑いを隠せない皐月。
貴裕の操る無数の触手さえかわせた自分が、なぜ一本の鞭の攻撃を受けてしまったのか……
(油断した……)
そう思った。自分が考えていた以上のスピードで攻撃され、よけるタイミングがずれたのだ。

「次は掠らせもしないわ!」
皐月は再び真理に向っていく。負けるわけにはいかなかった。
とにかく彼女と魔を分離しなければ……

ビシィィィ! ビシィィィ!!

真理の放つ破邪の鞭がうなる。今度はかろうじてよけきれた。
(もっと接近しないと……)
相手の懐に入らねば、魔との因縁を絶つことはできない。

「破邪烈斬扇!!」

皐月は扇を投げつけた。もちろん真理はその攻撃をかわす。帰ってくる扇も、第二波もだ。
「同じ攻撃が何度も通じるはずないでしょ!!」
むろんそんなことは承知の上だ。皐月は真理が扇をかわす間に、彼女との間合いを一気に詰めていたのだ。

79退魔戦士 有子:2005/12/19(月) 00:15:51

「とったぁぁぁぁぁぁ!!」皐月は破邪の扇を打ち下ろす。「破邪の扇よ! この者と魔のモノとの
因縁を絶てぇぇぇぇ! 斬!」
だが───その瞬間、真理の手が扇を打ち下ろす皐月の両手首を捕まえた。

「なっ……!」
真理は馬鹿にしたような目つきで皐月を睨めつける。
「うふっ……、手かげんしてやったら調子に乗って。『とったぁぁぁぁぁ』だって。
あははは、馬っ鹿じゃないの!?」

真理はそう言うと掴んだ手首を振り回し、皐月を投げ飛ばした。
「ぐふっ!!」
かろうじて頭だけは守ったものの、背骨を嫌というほど打ち付けられ、一瞬呼吸ができなくなった。

だが、皐月は諦めることなく、懸命に立ち上がろうとする。
「がはあぁ!!」
真理の右足が皐月の顔面に圧し掛かってきた。ブーツの底で思い切り踏みつけられる。

「くくく……、気持ちいいぃぃ。ねぇ、さっきは色々と可愛がってくれたじゃん。
きっちり、お返しさせてもらうよ…………このババアぁぁぁぁぁ!!」
真理はさらに右足に力を込め、ぐりぐりと皐月の顔を踏みつけていく。
「ぎひぃぃ!!」
も、もう駄目なの……?
皐月は自分の顔面を踏みつける真理を見上げる。その表情はもう人間とは思えなかった。

そう……まさしく悪魔と化していたのだ……。

85 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:48:54

顔面を踏みつけていた真理の足が下ろされる。
皐月はもう一度攻撃に転じようと、その身体を起こしかけた。

ビシィィィィ!!! 

「くはっぁぁぁ!!!」
破邪の鞭が皐月の身体を打ち据える。激烈な痛みが全身を走った。
さらに、二度、三度、四度、五度────
これでもか、とばかりに滅多打ちにされる皐月。紫色のバトルスーツはずたずたに引き裂かれ、
透き通る雪肌からは鮮血が飛び散る。

まさにされるがまま───抵抗らしい抵抗もまるでできず、ただ真理の鞭の標的にされるばかりだ。
(ま、負けない。まだ、負けな……い)
こんな状態になってもまだ皐月は諦めていなかった。
だが、気持ちとは裏腹に身体が言うことをきいてくれない。膝が震えもう立っていることも
困難な状態だ。

やがて───皐月はがくりと膝から崩れ落ちていく。意識が遠のく……目が霞んできた……
突然、グッと頭を持ち上げられた。真理が皐月の髪の毛を掴み上げたのである。
「まだ、おねんねの時間じゃないよ。ふふふ、お楽しみはこれからなんだから」
ズタボロ状態の皐月の顔を覗き込み、残酷な笑みを浮かべる。年上の女をいたぶることに、
かつてないほどの喜びを感じているようだ。

と、そのとき────
「待てよ」という声が掛かり、真理は声のする方に顔を向けた。
──貴裕だった。両手を腰に当て真理を見つめている。
「なに? なんか用?」
「そろそろ、儀式の続きだ。皐月の調教はまた後でじっくりさせてやるよ」
皐月の髪から手を離し、真理は不敵な笑みを浮かべながら貴裕に答える。

「なに? わたしに命令する気? ふふ、身の程知らずね。今のわたしは誰の命令も受けないわ」
貴裕と一也は真理の言葉を聞き、顔を見合わせて苦笑する。
「まったく……少しパワーが授かったと思ったら、勘違いしやがって……」
「仮腹のおまえに本来の力がコントロールできるわけないだろう」

「へぇ〜、じゃあやる?」
真理はそう言って破邪の鞭を構える。
「ふん。貴裕、僕にやらせろよ」
そう言って一也は、一歩前に歩み出ると真理と対峙した。

「あらあら、僕ちゃんが相手? 言っておくけどこの前みたいにはいかないよ」
「ふふふ、そうだろうねぇ……」
その言葉が終わらないうちに、真理は一也に向け鞭を放った。

ビシィィィ!! ビシィィィ!!
破邪の鞭が一也の身体を打ち据える。彼は抵抗もしないまま、ただ真理の鞭を受け続けるだけだった。

86 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:49:54

「どう? 反撃できないの?」
真理はそう言いながらも、破邪の鞭の攻撃を緩めようとはしない。
「ほら! 謝るなら今の内よ!!」
と────
彼女が打ち据えた鞭の先端を、一也はいとも簡単に右手で受け止めた。
「な……!?」
驚く真理の顔を見ながら一也は薄笑いを浮べながら口を開く。

「これが、MAX? くくく……やっぱり、仮腹じゃこんなもんか」
「なんですって!!」
その瞬間、一也の身体から信じられないほどの邪気が溢れ出した。
驚愕の表情で少年を見つめる真理。ほとんど意識を失い掛けていた皐月も、
あまりに強大な力を感じそちらの方に顔を向けた。

「くくく、儀式の前に仮腹を壊しちゃいけないから、半分の力に抑えておくよ」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」
勝負は一瞬で決した。真理は一也がひと睨みしただけで、その身体を吹き飛ばされてしまったのである。

倒れ込む真理の元へ近づく一也。
先ほど真理が皐月にしたように、髪を掴みあげると彼女の顔を覗き込んだ。
「わかったか? お前はただの仮腹なんだよ。身の程をわきまえな!」
「は、はひ……。も、申し訳ありません……」
「ふふふ、じゃあ、儀式の第二幕を始めようか? 貴裕、準備いいのか?」
「ふふ、いつでもOKさ」

だめだ……もう完全にやつらは……いや、やつが復活する。どうすれば……
皐月はなんとかしなければと思いつつも、次第に意識が遠くなっていった。



「ぐはぁぁぁぁぁ!!! 助けて! 苦しい!! 助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
どれくらいの時間がたったのだろう。
皐月は地獄から湧き出るような苦悶のうめき声を聞き、目を覚ました。
いったい何事が……?
そう思った彼女の目に飛び込んできたのは、全裸で横たわる真理の姿だった。
だが、その姿はあまりにも異様だ。

(なに……? どういうこと……?)
皐月が彼女の姿を異様だと感じたのは他でもない。真理のお腹がパンパンに膨れ上がっていたからだ。
そうまるで妊婦のように……
苦悶のうめきは真理のものだったのだ。

───仮腹
皐月はこの言葉を思い出した。
あのお腹の中には魔のモノ……いや、やつの三分の一がいるということだ。

出産──まさか……
では、いったいどうするつもりなのだろう。腹を引き裂き取り出すとでもいうのか……?

「目が覚めたんだねぇ、皐月」貴裕が意識を取り戻した彼女を見とめ言った。
「丁度、今からいいところだよ。僕達が完全に復活するところを見ておきな」
彼は皐月の元へと歩み寄ってくる。特に拘束されているわけでもないし、退魔戦士の力を封じる、
例の首輪も嵌められていない。抵抗しようと思えばできる状態である。
だが、まるで蛇に睨まれた蛙のように、身体が動かせない。恐怖に身体が打ち震えている。
こんなことは、生まれて初めてのことだった。

「あの娘……真理ちゃんをどうするつもりなの?」
かろうじてこの言葉だけが発せられた。
「どうって……。ふふふ、あのお腹のことかい? 言っただろ。器を替えるって。
今から入れ替えるのさ。おい! 一也。器の入場だ」
「OK」
一也はそう答えひとりの少年を連れ出してきた。衣服は身に着けていない。全裸である。
貴裕や一也と同年齢くらいの子供。どう見ても普通の人間だ。
ただ、その顔はまるで能面をかぶっているかのように、無表情だった。

87 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:50:47

「あ、あの子に移し替えるつもりなの……?」
「皐月……あの子なんて他人行儀な呼び方するなよ。よく見てごらん。知ってる顔だろ?」
「えっ?」
皐月はその少年の顔を見つめる。確かにどこかで見たことのある顔だった。
誰……? 実家の近所の子供……いや、違う。そうではない、どちらかと言うと面影が……まさか!! 
「うそ……。り、涼ちゃん?」

「ピンポ〜ン! 正解だよ。いとこの涼でした。この三日間でここまで大きくなったんだよ。」
皐月はもう言葉も出なかった。
ついこの間まで赤ん坊だった涼が、十一、二歳の少年の姿で目の前に現れたのだから。
しかも、これから真理のお腹の中にいる、あの魔物の入る器となるという。
貴裕と涼。ふたりの孫は揃ってやつに取り込まれてしまうというのか。

「やめて……。お願い、涼まで……涼にまで……」
「そうはいかないんだよ。おい、一也。頼むぞ」
貴裕に促され一也は涼を真理の近くへと連れて行く。涼はまだ若いしかし充分に反り返っている
自分のペニスを握り締め、真理の女唇に向け挿入し始めていった。

「はあぁぁン……だっ、だめぇ!! やめてぇ!!」
真理は激しく抵抗をしている。
皐月は思った。おそらく彼女は処女なのだろう。まさか、こんな形で純潔を奪われることになろうとは、
思ってもみなかったに違いない。

だが、そんな状況にもかかわらず、真理は涼が腰を送るたびに徐々に官能を高ぶらせているようだ。
さらに、あれほど膨らんでいた彼女の腹部は、どんどん小さくなってきている。
うめき声は喘ぎへと変わり、その表情も快感に酔う女のそれへと変化していた。

“器”の交換がなされようとしている。
涼の表情は挿入当初の能面のようなものではなく、しだいに醜悪なものに変化していたし、
真理から感じられるあの禍々しい邪気が、徐々に失われているのがわかった。

器の交換が済めば、彼女はまた正気に戻るかもしれない。
そうすれば、彼女だけでも脱出させ、やつの復活を有子たちに知らせ、対策を講じることもできる。
そう、あの封印を解けば対抗できる可能性がある。

お願い──正気に戻って……
皐月は一縷の希望を託し、そう願うのだった。

88 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:56:04

「あふああン……あはああん……」
真理は涼のストロークにあわせ腰をくねらせていた。その美しい足を少年の腰へと絡ませ、
艶かしい喘ぎを漏らしている。

「はああン……凄い……凄いぃぃ!!」
今まで感じたことのない快感が身体中を支配していた。
挿入された時点では、まだ子供のペニスであった涼の物が、今では子宮すら突き破るのではないか、
と思うほど長大になっている。
その化け物のように巨大な肉塊を膣口から出し入れされる度に、臓物をえぐり出されるような
錯覚に陥ってしまう。だが、その感覚が全身を蕩けさせるほどの官能を与えてくるのも確かだった。

真理の胎内にいた異常とも言える闇のパワーの源は、すでに彼女から涼へと完全に移っていた。
あれほど膨らんでいたお腹が、元通りになっているのがその証拠だ。
しかし、一度こじ開けられた心の闇の部分はまだ閉じてはいなかった。それどころか
涼と交わる事によって、さらに真理の心を侵食していくのだ。
真理の清純で高貴な心は、深く暗い闇に喰らい尽くされていく。

(消える……あたし……消えちゃう……)
真理は自分の意識が深い水底へと沈んでいくような錯覚に陥っていた。
妬み、嫉み、欲望、欺瞞、傲慢────
そんな普段は心の奥底へとしまい込んでいる筈の醜いものが、
彼女の心のすべてを支配しようとしていた。

湧き起こる快美感。襲いくる醜悪な自分自身の心の闇。
真理はわずかに残った理性という盾で、かろうじて正気を保っていた。
だが、それは儚く脆いものだった。なにか少しのきっかけがあればすぐに瓦解する、
弱々しい盾であった。

「どうしたの? お姉ちゃん。気持ちいいんでしょ? 正直になりなよ。
抵抗してもしかたないじゃない。僕のすべてを受け入れてよ。
快感に身をまかせていればいいんだから」
快感に……身をまかせれば……いい……
甘くささやく少年の言葉は、真理の心の深層に響き渡る。

ピシッという音が聞こえた気がした。彼女を守る最後の砦、理性という盾が壊れた音だった。
(ああ……そうよ。この快感に勝るものはないわ……受け入れる……すべてを)

───闇が真理のすべてを覆い尽くした。
退魔戦士として魔と戦ってきた少女の、高貴で清純だった心は彼女の内から消え去ったのだ。

「はうン……涼さまぁ……もっと、もっと激しく犯してください。あたしは……貴方さま方の物です。
小泉真理は、涼さま、貴裕さま、一也さまの忠実な下僕……いいえ、卑しい奴隷です」
真理は涼と、濃厚にディープキスを始め、積極的に舌を絡ませていく。
その表情からは愛らしい美少女の面影は消え去り、ただ快楽を屠るだけのいやらしい牝の顔へと
変貌していた。

真理を打ち付ける涼のストーロークが、一段と激しくなってきた。
舌を絡ませ唾液を啜り、二本の腕を涼の首へと回している。
これから注がれるであろう涼のエキスを一滴残らず受け入れようと、
全身をのたうたせながら、おねだりをする。
「ああ、ああああ……あ、あ、りょ、涼さま、涼さまぁぁぁ……ください。
真理に、真理の膣内(なか)に、注ぎ込んでくださいぃぃぃぃぃ!!!」

その言葉が合図となったかのように、涼の肉塊から大量の白濁したエキスが真理の子宮へと
注ぎ込まれていった。
「くはぁはああああああああんんんん!!!」
真理は絶頂を極める嬌声を発しながら、そのすべての汚汁を受け止めていく。


その瞬間───『退魔戦士 小泉真理』という少女は死んだ。
そこには悪魔の下僕と成り下がった『魔少女』がいるだけだった───

89 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:56:39

****************************************

放課後、有子は地学準備室にいた。
明日の授業の下準備に……というのは表向きのことで、実際は少し休憩をしようと思ってここに来た、
というのが本音だった。

週が開け月曜日になったが騒ぎはおさまらず、TVでも新聞でもこの三日間連日のように
“学校内での猟奇殺人”として真剣に、はたまた面白おかしく取り上げられていた。
有子たちもマスコミや保護者への対応、生徒達の心のケアなどに奔走し、肉体的にも
精神的にも疲れきっていた。

特に生徒たちが受けた精神的ショックも計り知れないものがあった。
一応、通常通り授業は再開されたものの、一部の生徒が登校してこなかったのは
無理からぬことだった。

学内に棲む殺人鬼の仕業だとか、悪霊の仕業だとか不安を煽るような噂が飛び交う。
結局、しばらくは短縮授業とし、部活動なども禁止された。生徒たちを早めに帰宅させることで、
安全を確保しようということになったのだ。とにかく犯人が特定されるまでは───と

「一週間か……」
有子はつぶやいた。皐月と涼がさらわれてから、丁度一週間が過ぎた。
状況は良くなるどころかさらに酷くなっている。
貴裕たちの狙いはまるで掴めていないし、またも生徒たちが犠牲になってしまった。
真理も行方不明になり、さらに貴裕と同等の力を持つ魔物の存在までいるようだ。

(お母さん……どうすればいいの……)
有子は頭を抱えた。今まともに戦えるのは自分だけである。だが、敵はあまりにも強大過ぎた。
正面からぶつかって勝てる相手ではない──打つ手はないのか……?

「はうっ……ン……ま、また……」
この一週間というもの、常に有子を悩ませているあの身体の疼きが、また突然湧き起こった。
授業中でなかったのは幸いだったが、なんといっても学校内である。
こんな場所で自慰にふけっている姿をもしも誰かに見られでもしたら……
だが、我慢できない。下半身から愛液がどろどろと滲み始めているのがわかる。
有子は準備室のドアに鍵をかけると、椅子に座り自らを慰め始めた。

震えながら股間へと手を伸ばしていく。
このわずかな時間で、クロッチの部分はすでに恥ずかしいほど濡れそぼっている。
有子はパンティを脱ぐと右手を使ってその部分を愛でる。
大粒の真珠大に膨れ上がった肉豆を摘み上げ、刺激を与えていく。

「はあっふン……」
ブラウスのボタンを外し、左手をブラジャーの中へ差し入れ胸を揉み上げる。
さすがに学内へバイブを持ち込むわけにもいかず、今日は所持していない。
だが、指だけでは到底満足できようはずもなかった。有子はなにか挿入できるものはないかと、
目を泳がせる。しかし、手頃なものはなかった。
なんとか指だけでイクしかない。有子はそう思いさらに激しく指を動かしていった。

「あン……はあン……」
甘い喘ぎを漏らしつつ自慰にふける。宙を舞うような快感が、有子を支配していた。
その為、背後に立つ人の気配に気づくのが一瞬遅れてしまったのである。

「ふふふ……」
女のふくみ笑いが聞こえた。
えっ! と有子は後ろを振り向く。ドアに鍵は掛けた。いったい誰?
「ごめんねぇ。邪魔しちゃったぁ〜?」
そこには小泉真理が、嘲るような笑みをたたえ立っていた。

90 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:57:11

「あ、ああ……ま、真理ちゃん……」
「ふふふ、いいよ。続けたら? 堪えられないんでしょ」
「ち、違うの……こ、これは……」
突然のことに言い訳もできない。実際、オナニーをしていたのだから、否定のしようがないのだが、
十五以上も年下の、しかも知り合いの女の子に見られてよい姿ではない。

有子は椅子から立ち上がり、乱れた衣服を整える。
「ふふ、今更なにやっても遅いよ。足元にパンツが落ちてるじゃん」
真理はそう言いながら有子に近づき、股間へと手を伸ばす。
「あふっ……真理ちゃん……なにを」

真理は股間から手を抜くと、濡れそぼった自分の指を見つめ満足そうに笑った。
「くくく。なにこれ? べチョべチョじゃん。まったく母娘そろって変態なんだね」
母娘そろって──?
有子は真理のその言葉に、それはどういう意味? と尋ねた。
もちろん、母とは皐月のことを差しているに違いない。いったいどういうことなのか?

「どういう意味もなにも、聞いたとおりの意味だよ。皐月も今ごろは貴裕さまたちや、
魔物相手に腰振っておねだりの真っ最中だし、娘のあんたは学校でオナニー。
誰がどう見ても変態母娘だよね」
「真理ちゃん……貴裕さまって……」

気が動転していて気づかなかったが、目の前にいる少女はいつもの可憐で明るい真理ではない。
濃いメイクをほどこし、見下すように笑うその顔は、妖艶な──ひと言でいうとまさしく
“魔女”という表現がぴったりだった。しかも、彼女からは貴裕ほどではないにしろ、
かなり強力な闇の力が発せられているのが感じられるのだ。

「うふん。今日は挨拶に来たんだよ、有子。わたしあの方たちの物になったの。
これからは敵同士ね。うふっ、皐月にも近いうちに挨拶に来させるわ」
真理のその言葉を聞いて、有子は背筋に怖気を感じた。
つまり、真理も皐月も闇へ堕ちた、ということか? 
いけない──なんとか真理だけでも元に戻さねば……

「転身!!」
そう叫び、バトルスーツを身にまとい、破邪の剣を呼び出し構えを取る有子。
なんとしても闇から救い出さねば……。幸い貴裕とは違い魔物に憑依されている、
というわけではなさそうだ。然るべき処置を施せば正気に戻せるはず。
有子はそう考えながら真理と対峙した。

「なに? やるの。ふふ、今日は挨拶だけのつもりだったけど、
そっちがその気ならやるしかないわね」
真理が両手を前にかざすと強力な邪気が彼女を包み込んでいった。
その場に現れたのは、黒いハイレグのボンデージ衣装のようなものを着た真理の姿だった。

91 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:57:49

「じゃあ、相手してあげよっか。でも、まともに戦えるの? まだ、お股が疼いて
しかたないんじゃない?」
真理の言うとおりだった。先ほどの中途半端な自慰行為で、身体の疼きはどうしようもないほど、
高ぶっている状態である。

内腿を伝い滴り落ちる愛液。息が荒くなり、立っているのも困難な状況だ。
今すぐにでもさっきの続きをしたいくらいだった。はっきり言って戦えるような状態ではない。
だが、今ここで真理を正気に戻さねば、もう二度と彼女を救う事ができなくなるのではないか?
有子はそんな強迫観念にかられ、必死になって襲いくる官能の波に抗っていた。

「ま、真理ちゃん……必ず元に戻してあげる……わ……」
「生意気ね。そんな状態で、勝てるわけないでしょ!!」
言うが早いか、真理は一気に間合いを詰め、有子のボディに膝蹴りを喰らわせる。
「ぐはっ!!」

狭い地学準備室。こんなところで戦うには、武器の類はかえって邪魔になるだけだ。
おそらく真理はそう考え、破邪の鞭を使わず肉弾戦に持ち込んできたのだろう。
本来は有子もそうしたかった。だが、ただ倒せばいいという真理とは違い、
有子の場合は彼女を浄化するという目的がある。その為には、破邪の剣は必要不可欠なのだ。
それでなくとも最悪の体調なのである。
そこにさらに足枷をされたようなもので、どう見ても形勢は真理有利と言うしかなかった。

なんとか逆転を狙おうとするのだが、浄化の呪文を唱えようとしても精神集中ができず、
反撃の糸口さえ見つからない。
いいように真理にぶちのめされ、ついには仰向けに倒されてしまう。
そして真理に馬乗りに圧し掛かられ、いわゆるマウントポジションを取られる格好になってしまった。

(くっ……なんてこと。いくらなんでもこんなに簡単に……)
苦戦はすると思っていたが、今までの真理ならこの体調でもなんとか勝てるはずだった。
だが、今の真理はかつての彼女とは違う。スピードも技のキレも、そして狡猾さも。

「うふふ、勝負あったって感じ? 貴裕さまにあんたには手を出すなって言われてるから、
これくらいで勘弁してあげるわ」
真理は有子の頬をペチペチ叩きながら、ニヤリと笑い破邪の鞭を取り出した。
「で、オナニーの邪魔しちゃったお詫びに、ちゃんと最後までイカせてあげるわ。
感謝してよね!!」
真理はそう言うと鞭の柄の部分を有子の膣穴に向け埋没させていく。

すぶっ……ずぶぶっっ……

淫水が溢れ返る有子の蜜壷は、その柄の部分をやすやすと受け入れていく。
「いやぁ!! やめ、やめてぇぇ!!」
「なにがやめて!よ。こんなに太い鞭の柄をすんなり咥え込んじゃってるくせに!!」
真理は残酷に笑いながら、挿入した鞭の柄をゆっくりと出し入れする。

「だめっ……いや、やめてぇ……ふうン、ああうはあン……」
有子の口から甘い吐息が漏れ始める。全身の力が抜け、もう真理のされるがままだ。
彼女が柄を出し入れする動きに合わせ、いやらしく腰をくねらせてしまう。

「うふふ、感じてるの? 有子。ほんとにいやらしいんだから」
そんな真理の羞恥を煽る言葉にも反応できず、ただ快楽に身をまかせる有子。
意識下では抵抗を試みようとする気持ちもあるのだが、いかんせん迫り来る快感の渦には
抗えないのだ。

92 退魔戦士 有子:2006/01/14(土) 22:58:32

「どう? いいの? 答えなよ!!」
「ああ……言えない……そんなこと言えない……」
「強情な女。言わないなら、引っこ抜いちゃうよ!」
「あうっ……だ、だめっ……抜か、抜かないで……」
こんなところで抜かれてしまったら、気が狂ってしまうかもしれない。
イカせて欲しい……。有子の頭の中にはこれしかなかった。

「じゃあ、素直に言うの。どう、気持ちいいの?」
「あふう……き、気持ちいいです……」
「有子は淫乱なのねぇ?」
「はあん……ゆ、有子は淫乱ですぅ……」
「うふふ、よく言えたわ。じゃあ、イカせてあげる」

真理は柄のピストン運動をさらに激しくしていく。
「ああああふうはかぁふあぁぁぁあぁああああああ!!!!!!」
「ほら! イきなさい!! 自分の子供みたいな年の女に惨めにイカされちゃえぇぇぇ!!!」
「あはうあぁぁ……だめぇ! いやぁ……ぁぁぁぁはああああンンンん」
わけのわからない嬌声を上げつつ、有子は絶頂に達した。
かつての仲間、それも自分とは十五以上も年下の少女にイカされ、無様な姿を晒してしまったのだ。

「きゃははは、現役ナンバーワンの退魔戦士 永井有子も形無しね。じゃ、今日のところは
これくらいにしといてあげる。また、遊んだげるね」
真理はぐったりとする有子を見下ろし嘲笑う。そして思い出したようにこう続けた。
「そうそう、貴裕さまからの伝言よ。『これから、本格的に攻撃を開始するよ。ママ』
ということだから……じゃ、しっかりね。有子ママさん。くくくくくく」

真理は押し殺したような笑いを残し、その場から立ち去った。
精も魂も尽き果て横たわる有子は、その姿を呆然と見つめるだけだった。

エピソード3 『ママ……』(前編) 終わり

93退魔戦士 有子:2006/02/03(金) 00:02:16

             エピソード3 『ママ……』(後編)

自宅に辿り着いた有子は、自室に入るとその身をベッドへとばたんと投げ出した。
疲れきっていた。肉体的にも精神的にも……
はっきり言って状況は絶望的である。強大な敵。闇に堕ちた真理。そしておそらく母・皐月までも……
さらにこの一週間自身を悩ませているあの激しい肉体の疼き。せめてこれだけでもなんとかしないと、
今日のように戦いにすらならない。

いったい原因は何なのだ? 有子は思い当たる事を考えてみた。
初めてこのような状態になったのは───皐月と涼がさらわれた翌日、つまり先週の火曜日のことである。
一条家に現れた魔物を倒す際に、なにか欲情するような成分を含んだ体液でも浴びたのだろうか?

だが、あのときはバトルスーツに身を固めていた。仮にその手のものを浴びたとしても、
すぐに浄化してくれるはずである。
むろん、かなり強力なものであれば浄化も効かないのだろうが、あの場にいた魔物のレベルからして
それは考えにくかった。

では、なんだ? それ以外で考えられる要因はあったのか?
月曜日──火曜日──
(隆二おじさん……)
何かしら普段と変った要因があるとすれば、月曜の夜にやってきた佐原隆二だけだった。
だが───

「まさかね……あの人が──隆二おじさんが……」
有子は懸命にその考えを否定しようとした。第一隆二がどうやってわたしの身体にそのようなものを
仕掛けるというのか? 彼には身体さえ触れられた覚えはない。

食事───確かにこのところ隆二の作るものを食べていた。だが、それは火曜日の夜からである。
身体に変調が起こったのは、その前からだ。食事のセンも消えた。
「なにか他に原因があるはずだわ……」
あまりに静かだと変な事を考えてしまうものだ。
有子はベッドから身体を起こし、テレビでも見ようとリモコンを探した。

リモコンはテレビの上に置いてあった。有子は立ち上がるとリモコンを取りにいく。
ふと見慣れないものがテレビの横に付いているのに気づいた。
小さなものではあったが、注意して見なければ気づかないというほどでもない。
おそらく、単に見過ごしていたのだろう。

有子はその物体を注視してみる。
(えっ……カメラ?)
どうやら、CCDカメラとかいうもののようだ。以前学校の女子トイレに備え付けられていたことがあり、
問題になったことがある。
盗撮? いったい誰が……

先々週の土曜日に模様替えをしたときには、こんなものはなかった。それは間違いない。
貴裕か? いや違う。あの日は模様替えをした後、貴裕とともに外出した。
その後急にあの子はおかしくなったのだ。だから、貴裕は模様替えした後、この家には帰って来ていない。

すると……
やはり、隆二か? 考えてみれば車の中にあんなバイブが置いてあったのも不思議だ。
確証はないがかなりの高い確率で、隆二がやった事なのではないか? そんな疑念が湧いてくる。
そう言えばこの三日間隆二と顔を合わせていない。もちろん、自分が忙しかったせいもあるが、
朝も姿を見なかった。どこかへ出かけていたのか? いや、そもそもここへ帰ってきていたのだろうか?

94退魔戦士 有子:2006/02/03(金) 00:03:44

と────
階下でガタンという音がするのが聞こえた。
誰かいるのか? 隆二?

有子はゴクンと唾を飲み部屋を出ると、階段を下りて行った。


階段を下り、音のする部屋へと向う。なにやらごそごそという物音が聞こえてくる。
リビング──ここから音が聞こえる。
有子はなにかあってもすぐに転身ができるようにとブレスを確認した。
ゆっくりとドアを開いていく。
中は真っ暗だ。だが、ときおり『ミミミミ……』という聞きなれない音が聞こえてくる。

「誰かいるの?」
有子はそう呼びかける。
玄関の鍵は閉めた。後から入ってくるとすれば、鍵を持っている隆二以外には考えられない。
もちろん魔物の類なら物理的な錠など関係はないが……

有子が目を凝らしてみると、部屋の隅になにか人影が確認できた。よくはわからないが、
人間の形をしている。
後ろ向きになって背中を丸めるように座っているようだ。
「隆二さんなの?」
有子は部屋の明かりを点けようと、スイッチに手を伸ばした。

彼女がスイッチを入れるのと、その人物が振り返るのはほぼ同時だった。
明かりが点る。その人物の顔がはっきりとわかった。
隆二だった。だが、その顔は有子のよく知っている佐原隆二ではなかった。
頬はげっそりとやせ落ち、目はひどく落ち窪んでいる。体格のよかったあの身体は、
見るも無残にガリガリにやせ細っている。

「な、なに……?」
これは異常だ。いったい何があったというのか?
有子があっけにとられ変わり果てた隆二の姿を見ていると彼が口を開いた。
「ゆ……うこ…ミ…待ってた…ミ…ぜぇ……」
搾り出すような異様な声でつぶやく。ゆっくりと有子のもとへと近づいてきた。

いけない……有子は思った。隆二から感じる怪しい気が、どんどん大きくなっている。
「転身!!」
バトルスーツをまとい、破邪の剣を出す。迫ってくる隆二と相対する。

「な、に…ミ…やるのかい。ゆ…うこ…ミ…ちゃん……」
完全に普通の状態ではない。操られているのか? 何かに憑依されたか?
油断なく隆二の方を見つめ、距離を保つ有子。
と、そのとき隆二が一気に間合いを詰めてきた。

「きゃっ!!」
隆二はいきなり有子に対して蹴りを入れてきた。
左腕でかろうじてブロックしたものの、かなりの激痛が走る。
元々隆二は武芸全般をこなす事から、皐月のボディガードを任されたようなものだ。
格闘においては有子の敵うような相手ではない。

(因縁を断たないと……)
格闘では勝ち目がない。なんとかして魔物と分離させ正気に戻さねば。
そう考えている間にも、隆二は有子に向って攻撃を仕掛けてくる。
有子は破邪の剣を構えた。

95退魔戦士 有子:2006/02/03(金) 00:05:01

「破邪の剣よ! この者と魔のモノとの因縁を断て! 斬!!」
剣が袈裟懸けに打ち下ろされる。
もちろん、断ったのは因縁であって、物理的に隆二の身体が切断されるわけではない。
この程度の気を発する魔物なら、楽に隆二と分離できるはずだ。
しかし───

「なんだ? 痛くも…ミ…痒くもないぞ…ミ…」
隆二は涼しい顔をして不気味な笑みを浮かべる。
そんな……破邪の剣が効かない?
いや、そんなはずはない。これはおそらく分離ができないのだ。
何者かに操られたり、憑依している状態ではない。
ということは……

考えられる可能性は、目の前にいるのは隆二ではなく、魔物そのものであるということだった。
だが、邪気と共に確かに隆二のものと思える気も感じられる。ごく僅かではあるが……
残された手段は浄化するしかないのだが、果たしてそれで隆二が正気に戻るのか?
そもそもなぜこんな状態になってしまったのか。それがわからねば、下手をすると隆二自身が
消えてなくなる可能性もあった。

「おら!! そこだぁぁぁ!!」
隆二は有子に体当たりをかました。一瞬の隙を突かれ有子はまともにその攻撃を喰らってしまう。
「しまっ……ぐふぁ!!」
壁に押付けられ、両手を万歳の格好で掴まれてしまった。
「くっ……や、やめて……放して……」

「きへへへ……有子ちゃん…ミ…おとなしくしなよ…ミ…子供だと思ってた有子ちゃんも
なかなか成熟したいい女になったじゃないか…ミ…たっぷり拝ませてもらったよ。
オナニーしてるところも、そのムチムチのボディも…ミ…。若い頃の皐月にも負けてないぜぇ」
やはり……あのカメラを設置したのは隆二か。では夜毎していた自慰行為も覗かれていたということだ。
そして、おそらく自分を苦しめているあの身体の疼きも、隆二が仕組んだことなのだろう。

「やっぱり隆二さんの仕業だったのね……いったい、わたしに何をしたの!」
「くふふふふ…ミ…さあてね」
隆二は左手で有子の両手首を掴み、右手を彼女の股間へと滑り込ませた。
「やっ、やめて。隆二さん……」
「くはははは…ミ…有子ちゃん。俺は…ミ…あんたのおむつも…ミ…代えてやったことがあるんだぜ。
どんなにいやらしい身体になったのか、テレビ画面じゃなくじかに楽しませてもらおうか」

隆二の野太い指がパンティをかき分け、直接その部分へと侵入してくる。さらには舌を伸ばし、
べろべろと顔面を舐めしゃぶり始めた。
「いや! いやぁぁ!!」
鼻梁、耳朶、そして首筋へと、ねばりつくように濡れた舌が這い回る。ナメクジが肌の上をうごめくような
おぞましい感触に有子は寒気を感じる。

「ひひひひ…ミ…ほら、もうこんなに…ミ…濡れてきたぞ」
隆二は右手を股間から抜き出し、べっとりと濡れた指を有子の眼前に差し出す。
「や、やめて……見たくない!」
昼間の興奮がまだ残っているのだろうか。少し触れられただけでも敏感に反応してしまうのだ。

(くっ……お願い。おじさん正気に戻って……)
有子は淫猥な笑みを浮かべ自分の身体を蹂躙する隆二を見つめる。
「なっ……」
ふと隆二の落ち窪んだ目に、奇怪なものを見つける。見間違いか……だが、確かに……
眼球のすきまから極小さな虫のようなものの姿が見えたのだ。
まさか───隆二は蟲を植え付けられたのでは……

96退魔戦士 有子:2006/02/03(金) 00:06:16

とすれば──淫蟲……
そう考えればすべてに辻褄が合う。自分の異様な身体の疼きも、破邪の剣で因縁が断てなかったことも……
だが、もしそうならすでに隆二は隆二でなくなっている。植え付けられて一週間の間に、
蟲は身体の中身を食らい尽くし、今は皮膚だけが残されている状態のはずだ。
仮に残っているとしても脳髄がわずかにあるかどうかというところだろう。

「なんて、なんてこと……」
隆二を救う手立てはもうない。すでに彼は存在しなくなっているのだから……
「許さない……許さないわ……」
「きひひひ、何を…ミ…言ってる。今から…ミ…おまえのオマ○コをこいつで…ミ…串刺しにして
ぐちゃぐちゃに…ミ…かきまわしてやる」
隆二はそう言って勃起した肉塊を取り出すと、有子のパンティを脱がしにかかる。

「こ、このぉぉぉぉぉ!!!」

ガキッィィ!!

「ぐはぁぁ!」
有子は思い切り頭突きをかました。一瞬ひるんだ隆二にさらに前蹴りを喰らわせる。

バギィィィ!

弾き飛ばされる隆二。淫蟲により肉体をほとんど喰らい尽くされたためか、羽根のような軽さだ。

「や、やり…ミ…やがっ…ミ…たなぁ…ミ…」
有子は破邪の剣を身構え、立ち上がってくる隆二……いや、かつて隆二だったものを睨みつける。
「よくも……、よくもおじさんを……隆二さんを……」
そのとき、隆二の身体に異変が起こった。ズボッという音がして、蜘蛛の脚のようなものが背中から
突き出てきたのだ。

「なっ!!」
成長した淫蟲……。もう完全に隆二は喰らい尽くされたようだ。おそらく、脳髄さえも……
ずるずると隆二の皮だけが剥がれ落ちていく。現れたのは六本の脚を持つ巨大な淫蟲の成虫だった。

淫蟲は口から液体を発射する。
「くっ!」
有子はすんでのところでかわすことができた。おそらくこの液体が自身を悩ませていた疼きの原因だろう。
淫蟲の体液はいわゆる媚薬に近い効果をもつと母から聞いたことがある。

バトルスーツを装着しているので浴びる程度なら問題はないが、体内に注入されたり
性器などに塗り込められると大変なことになる。
そうか、隆二を使ってわたしの下着に塗り込んでいたのか……おそらくその可能性が一番高い。

「隆二さんの仇よ……」
有子は破邪の剣を握り締めると、呪文を唱え始めた。
淫蟲が迫る。
もうあと数センチだ。
「闇から来たりしモノ、消え去れ!! 滅!!!」

97退魔戦士 有子:2006/02/03(金) 00:07:03

有子は剣を突き刺した。
雷が走る。淫蟲はジュウジュウという音を出しながら、溶けてなくなっていく。
やがて、その姿は完全に消え去った。隆二の皮膚とともに……

「くふっ……お、おじさん……」
有子の目からは涙が溢れていた。長年母を守り助けてくれた男性(ひと)。
いや母だけではない自分も祐美もどれだけ助けて貰ったことか……。
ある意味では父以上に近い存在の人だった……。
その人がなぜ……よりにもよってこんな最期を迎えねばならないのか……?
有子は怒りで叫び出したい心境だった。

そのとき──
「くくく、ありゃりゃ……、遅かったか。ママ、隆二殺っちゃったんだ」
貴裕の声だ。有子はその方へと振り向く。
「貴裕! いえ、化け物!! わたしはおまえを許さない!」
「あれあれ、威勢のいいことで……そろそろ隆二が暴走する頃だろうから助けに来てあげたのに。
化け物とはひどいなぁ」
「よくもぬけぬけと……隆二に蟲を植え付けたのはいったい誰!」

貴裕は有子の言葉に涼しい顔で答えた。
「僕だけど……くくくく……この一週間ママのオナニーで楽しませてもらったよ」
「下衆な……」
「ところでさぁ」貴裕はにやにやと笑いながら言った。「真理から聞いてない? そろそろ本格的に
攻撃開始するよ、ってさ」

確かに真理は去り際にそのようなことを言っていた。だが、こいつはいったい何を言いたいのだ。
「聞いたわ。だから何?」
「こんなところで油売ってていいのかなぁって思っただけさ。攻撃の先はママだけじゃないんだよ」
「それはどういう……はっ……祐美」
「ふふふ、病院に並みの魔物でも倒せる奴っていたっけ?」

なんということだ。今になってなぜ祐美を狙う……
「ほら、急がなきゃ。ひひひひひひひ」
貴裕の笑い声を背中に受けながら、有子は慌てて飛び出していく。
間に合って……
そう願いながら───

98退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:46:25

祐美が寝入ったのを見届けると、百合恵は病院内にある自分の個室へと向った。
この一週間で肉体的にはずいぶん回復してきているものの、やはり精神的ショックからか
完全に立ち直るまでにはまだ時間がかかりそうだった。
特に涼を連れ去られたことは精神的にきつかったようで、最初のうちは夜中に狂ったように
叫んでいた。
このところ、叫び声をあげるようなことはなくなったが、眠っているときなどは「涼、涼……」と
言いながら、うなされていることもしばしばであった。

部屋に戻りインスタントコーヒーをすする。
昼間、有子から聞いた話では、行方不明だった真理が敵として現れたという。もしかすると皐月までが
敵側になって現れるかもしれない、とまで話していた。
(どうすればいいの……)
やはり、あの封印を解くしか方法はないのかもしれない。
だが、あのとき有子が言ったように、果たして誰があれを扱えるというのだろうか?

では──戦力の補強? 
現在まともに戦えるとすれば有子だけである。操の到着はいつになるかわからないし、
祐美の回復を待っている時間はない。
残るふたりの退魔戦士に召集をかけるしかないのだろうか……。

「お父さま……」
百合恵は今年の四月に亡くなった前当主である父源一郎を思い出す。
厳しい父だった。もちろん、将来一条家の当主となる百合恵の為を思ってのことだったのだろうが、
早くに母親を亡くした百合恵にとっては、暖かく包み込んでくれる親の愛というものに飢えていたのも
事実だった。

百合恵は源一郎に誉めてもらいたいが為だけに、一生懸命勉強をした。
よくやったな、と父に誉めてもらったときなどは、うれしくて涙が溢れたほどであった。
まだ、父は死ぬような年齢ではなかった。急性心不全だった。
確かに少し心臓は悪かったが、あまりにも急だった。

父が生きていたならどうするだろう。有子が言ったようにあの封印を解くのは、やはり危険すぎる。
百合恵としては、戦力を補強するより他には考えあたらなかった。
そのとき、彼女のブレスに通信が入る。
病院内では携帯の使用が禁止なので、連絡はブレスを使うようにしている。
昼間は他人の目もあり、こちらから連絡するときは外に出て携帯を使うこともあったが、
向こうからの緊急連絡は、昼間でもブレスを使っていた。むろん、診察中や手術中は外しているが……

「有子? どうしたの」
『百合恵! 貴裕が祐美を狙ってるわ!』
「なんですって!」
『今わたしもそっちに向かっているところなの! お願い、わたしが着くまで祐美を……祐美を守って!』

なんということか……今になってなぜ祐美を狙うのだ。あのとき──涼や皐月を連れ去ったときに
一緒に連れて行かなかったのに、今になって……
だが、そんなことを考えていても埒があかない。とにかく有子が到着するまで、祐美を守らねば……
百合恵は悲壮な決意で祐美の病室へと向かった。

99退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:48:05

病室の前に着いた。中からは特に怪しい物音もしない。
「転身!」
百合恵はバトルスーツを身にまとう。
有子たちほどではないが、百合恵自身にも僅かながら、退魔戦士としての素養がある。
スーツを装着することによって、少しでも力をアップさせようと思ったのだ。

百合恵は気を集中させる。中からは邪気の類も感じられない。
よかった──まだ、敵は来ていないようだ。有子早く来て……お願い。
一体や二体の魔物なら、なんとか有子が来るまでくらいなら食い止められるかもしれないが、
それ以上になればお手上げである。百合恵の力ではどうすることもできないだろう。

百合恵はそう思いながらも祐美の眠る病室のドアを開けた。
特に変わりはない。祐美はすやすやと寝息を立てている。
しかし、油断はできない。やつらは来るとなれば一瞬で現れてくるのだから。

と──
怪しい邪気を感じた。とてつもない、という程の気ではないが、かなりの数のようだ。
「き、来た……」
百合恵は息を呑んだ。緊張で全身が震える。もちろん百合恵にとっては初めての実戦と言っても
よかった。
「は、破邪の盾……」
そう言って百合恵は自らの主戦武具を呼び出す。

破邪の盾……その名のとおり武具というよりは防具である。元々、素養的にはごく僅かしか力を
持っていない百合恵としては、戦うというよりも敵から身を守ることが大事だった。
一条家の当主として敵に捕らえられるわけにはいかないのだ。
百合恵は盾を構え、祐美の眠るベッドの脇へと向かう。とにかく、有子が到着するまで
攻撃を防ぐしか手はなかった。

天井からどろりとしたヘドロのような液体が垂れ落ちてくる。床に落ちたそれは見る間にひと形へと、
その姿を変えていった。
「ひっ……」
おぞましい化け物が次から次へと現れてくるのを目の当たりにして、
百合恵は悲鳴を上げそうになるのをかろうじて堪えた。

病室内に異臭が立ち込める。魔物が放つその臭気だけで、気を失いそうになるくらいだ。
「ひ、光の障壁!」
破邪の盾から百合恵と祐美を包み込むように、光輝くシールドが展開された。
これは言わば“狭範囲の結界”である。もちろん、もっと範囲を広げることも可能だが、
その分結界の力は弱まる。これ以上範囲を広げるわけにはいかない。
これだけの数の魔物相手で、果たしてどれくらいの時間防ぎきることができるのか?
百合恵は盾を握り締め、有子の到着を願うしかなかった。

魔物たちが近づいてくる。
ぬめぬめとしたその身体を目にするだけで吐き気をもよおすほどだ。
数体の魔物が光の壁に体当たりをかましてくる。
「ぐふっ!!」
衝撃が百合恵の身体に伝わる。今のところは堪えていられるが、果たしていつまでもつだろうか?

シールドの防御力をアップさせるため、少しでも範囲を狭めようと祐美とできるだけ密着した。
だが、魔物たちはかまわず攻撃を仕掛けてくる。跳ね返されても、次から次へとぶつかってくるのだ。
(くっ……だ、だめっ……もたない……)

ビギギィィィィ!!

「ひっ!」
シールドの中に魔物の腕が侵入してきた。
百合恵は再度精神を集中して、シールドのパワーをアップさせる。
「ギィィヒィィ!!」
シールド内に侵入した魔物の腕が、パワーが上がることによって切断される。
切断されたその腕はジュウジュウという音を伴って消滅していった。

100退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:53:48

なんとか持ち直したが、次に侵入を許せば回復させることは無理だろう。
(だめ……も、もうこれ以上は……。有子……はやく!)
「グアァァァァァァ!!!」
一旦シールドが弱まったのを見て、魔物たちは雄叫びを上げながら総攻撃を開始した。

次々に体当たりをしてくる魔物たち。百合恵の額から汗が滲んでくる。
はっきり言ってとっくに限界は超えていた。百合恵の精神力も体力も、そして破邪の盾そのものも……
「あう! だめ! もう、もうだめ!!」
ピシィィィ!!
ついに破邪の盾自体が魔物たちのプレッシャーに負け、縦にひび割れていった。
「あぁぁ!」
同時に盾から展開していた“光の障壁”はその力を失い、収縮し消え去ってしまった。

邪魔な壁が消え去り、魔物たちは波のように百合恵たちに襲い掛かってきた。
「い、いやぁぁぁぁぁ!! 有子! 有子ぉぉぉぉ!!」
もう百合恵にはどうすることもできない。祐美をかばい抱きしめる。
どろりとした魔物のおぞましい手が彼女の身体に触れた。
「きゃぁぁぁぁ!!」
気が狂いそうだ。ここで死んでしまうのか……?

「破邪の剣ぃぃぃぃ!!」
有子の声が病室に響き閃光が走った。
「邪気英断!!」
その声に呼応するかのように、閃光は光の剣となり魔物たちを一瞬で切断し、浄化消滅していく。

「有子!」
やはり、彼女の能力は凄まじい。あれだけいた魔物が一瞬で消滅してしまったのだから。
「百合恵! 大丈夫!?」
「大丈夫よ……ギリギリ持ちこたえられたみたいね……」
「まだよ! まだ来るわ!」
「えっ?」

有子の言ったとおりだった。再び天井から、ドロリとしたものが滴り落ち、魔物へと変化していく。
しかも、その数たるや先ほどの比ではない。このままではおそらく病室内が魔物だらけになってしまう。

有子は現れる魔物を次から次へと浄化し、消滅させていく。魔物のレベルから言えば雑魚と言ってよい。
しかし、あまりにも数が……そしてそれらは際限なく襲ってくる。
いかな有子といえ、先ほどの集団攻撃呪文のような大技を、そうそう連続では出せないようだ。

「百合恵! 上よ!!」
有子の声にはっとなって上を見上げる百合恵。なんと天井からあのドロドロした液状物体が、
垂れ落ちようとしていた。
「きゃぁぁぁぁぁ!!」

「邪気英断!!」
閃光が光の刃と化す。病室の魔物たちは瞬時にして切断され無へと帰していく。
誰? 有子の放ったものではない。
百合恵は光の刃の先を見る。そこには黒いバトルスーツに身を包み、大きな鎌を携えたひとりの
女がたたずんでいた。

101退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:57:22

「操!!」
有子が叫びその女の元へと駆け寄る。
黒木操──現役の退魔戦士としては、有子と双璧を成す実力者だ。
スレンダーなスタイルをしているが、黒いバトルスーツの胸の部分を押し上げる隆起は、
有子にも劣らない。
ミニスカートから伸びる脚線美。肩甲骨まで届くストレートの黒髪。
細く刈り込んだ眉と涼しげな瞳。筋のとおった鼻梁。
まさしく“クールビューティ”と呼ぶにふさわしい雰囲気だ。

「遅くなった」
操は表情を変えずに言った。
まったく無愛想なんだから……有子は彼女を見つめそう思った。
「とにかく、助かったわ。ありがとう」
「礼を言われる筋合いではない。退魔戦士としての使命をまっとうしたまでだ」
操の言葉にやれやれといった感じで顔を見合す有子と百合恵。思わず苦笑いをしてしまう。

「ところで……」と有子は操に尋ねた。「その武器だけど……」
そこまで言いかけてはっとなる有子。操も険しい表情になった。
「なるほど、こいつか……有子の息子を支配しているというのは……」
「ええ……」
凄まじい邪気が病室内に充満する。間違いなく貴裕のものだ。

「くくくく。操さんを呼んだの? トップレベルの退魔戦士そろい踏みってわけだね」
天井から貴裕は逆さまの体勢で現れそう言う。楽しくて仕方がないという表情だ。
「祐美姉ェ貰っていくよ」
「そうはさせないわ」
剣と大鎌を構え貴裕と対峙する有子と操。
これ以上やつの好きにさせるわけにはいかない。なんとしても祐美を守らねば……


「へ〜ぇ、やるの? 僕に勝てるとでも思ってるのかな?」
貴裕は天井から床へと降り、ふたりを見つめながら言う。
確かにこいつの力は凄まじい。自分ひとりでは勝てるとは思えない。しかし、今は違う。
操という力強い味方がいるのだ。
貴裕もまだ、退魔戦士ふたりを相手に戦ったことはないはずだ。
操とふたりならやつを倒せないまでも、祐美を守ることならできるかもしれない。

「くくく、ママと操さん相手だからねぇ。敬意を表していつもよりパワーを上げるよ」
なっ……パワーを上げる? それはいったいどういうこと……?
有子がそう思っている間にも、貴裕の気はどんどん上がっていく。初めて公園で相対したときの
二倍以上のパワーを感じる。

「ほう……おもしろいな。力を自由に変えられるのか?」
操はまるで表情を変えずに淡々としゃべる。貴裕のこのパワーを恐れていないようだ。
「有子。この程度ならわたしひとりで充分だ」
「えっ……?」
「へ〜、なんか余裕だねぇ。どこからそんな自信が湧いてくるのかな?」
貴裕の言うのも尤もなことだ。確かに操は強いが、こいつの今出しているパワーは桁違いである。
有子自身も問いたかった。その自信は何に裏打ちされたものなのか、と……

「やってみればわかることだ。まだパワーを上げられるなら、上げておいた方がいいぞ」
「くくく、なるほどねぇ……でも」貴裕は唇を吊り上げ言った。「その冗談は笑えないよ!」
貴裕の腹部から例の触手が無数に出現した。公園で見た数、スピードをはるかに凌駕している。
その触手は操を目掛け攻撃を仕掛けてきた。

102退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:58:10

だめ! よけられるはずがない。有子はそう思い、操に向かって迫りくる触手を攻撃しようとした。
が──
操は手に持った鎌をくるりと一回転させたかと思うと、その大鎌を触手に向け打ち振るった。

ブチブチブチッ!!!!

「なっ!!」
有子が驚いたのも無理はない。
かわすのが精一杯だったあの触手を、操は一撃ですべて切断してしまったのだ。

驚いたのは有子だけではなかった。貴裕もまた信じられないという風に操を見つめている。
「……なるほど……その武具だな……」
貴裕は彼女の持つ大鎌を見、そう言った。
「ふふふ、想定外だったよ。仕方ない、出直すとするか」
貴裕はそう言うと、かき消すようにその場から消え去っていった。


貴裕の気が完全に消えたことを確認した三人は、祐美の病室に結界を張ると、
今後のことを話し合うため百合恵の個室へと向かった。
部屋に入ると百合恵はまず操の持つ武具のことを尋ねた。
確かにひと目見たときから、いつも彼女が持っている“破邪の鎌”とはなにかしら違う気を
発していたことには気づいていた。しかし、ここまでの力を持つ武具だとは思わなかったし、
こんな武具の存在自体聞いたことがなかった。
有子もそう思ったからこそあのとき「その武器だけど……」と尋ねかけたのだろう。

「これは、“斬魔の鎌”だ」と操は言った。「前当主は百合恵にもまだ話していなかったのか……?」
百合恵は知らなかったわ、と言って首を横に振る。
「では、知っているのは黒木の者だけだろう」
「どういうこと?」
ということは皐月さんもこの武具の存在を知らなかったのだろうか? 百合恵はそう思いながら、
操の次の言葉を待つ。

「元々黒木の一族は、退魔戦士の武具を作っていた……」
そう言って操は話し始めた。
どうやら、この斬魔の武具は破邪の武具の前に作られたものらしい。あまりにも強力な力を持つため、
誰にでも扱える代物ではなかったようだ。

そこで破邪の武具が作られたのだが、ある程度の力を持つ者は斬魔の武具を使用しなくても
それで充分に戦えたのだ。
いつしか斬魔系の武具はその存在価値を無くし、黒木の一族の元で保管されることになったらしい。

「じゃあ、これが使われたことは今までなかった、ということなの?」
「いや、一度あるようだ」操は百合恵の問いに答える。「一条家に封印してある例の最強武具を
使用する前に使われたらしい。だが、その時の敵はこれでも倒せなかった。だからあれを使ったようだ」

操は有子の方を向くと一振りの太刀を投げ渡した。
「有子、おまえの得物として使え。“斬魔の太刀”だ」
有子は太刀を受け取ると、鞘から本身を抜き取る。
「どうだ?」
「凄いとしか言いようがないわ……身体が震えるほどよ……」

「斬魔の武具は使用者の能力によってその力を変えるといってもいい。
一定レベルの能力者でなければ、破邪の武具以下の力しか出さない。現役ではわたしと有子、
あとは小泉くらいならある程度の力を出すかもしれないが……小泉はどうした?」
操の問いかけに実は……と真理が闇に堕ち、敵として現れたことを語る。

103退魔戦士 有子:2006/03/01(水) 00:58:53

「そうか……」
百合恵は操が真理を妹のように可愛がっていたことを思い出した。平静を装ってはいるが、
自分たち以上に辛いだろう。
「だ、大丈夫よ。この武具さえあればきっとやつらは倒せるわ。真理ちゃんも皐月さんも、
それに貴裕くんだって救い出せるわよ」
「そうね……救い出さなきゃ……」
「百合恵。茜さんたちにも召集をかけた方がいい。今は少しでも戦力が欲しいところだ」
操の言葉にうなずく百合恵。
その時──

「来た!」
「さっきと少し違うな……」
「とにかく急ぎましょ」
三人は部屋を飛び出し祐美の病室へと向かった。


病室からは禍禍しいまでの邪気が溢れかえっていた。有子と操の張った結界を破ったのだ。
並みの魔物のものでないことは、百合恵にもわかった。
病室のドアを開ける。室内に突風が吹き荒れている。
ふと窓の方に目をやると、そこには祐美を抱えたひとりの少年の姿があった。

「誰!?」
有子が問い掛ける。その少年はふふふ、と笑いながら言った。
「ママは僕と一緒にいたいんだってさ」
ママ……? 祐美ちゃんのことをママと呼ぶって……まさか……
その思いは有子も同じだったようだ。
「まさか……涼……ちゃん……」

「ふふふ、そうだよ。大きくなったでしょ。ママはね、僕と一緒に行くんだ。そうだよね」
涼の言葉にこくりとうなずく祐美。涼は舌を伸ばし、祐美の唇を奪う。お互いに舌を絡ませあい、
唾液を啜りあっている。
涼は祐美から口を離すと有子たちの方を向き言った。
「じゃあ、そういうことだから。またね」
言うが早いか涼は祐美を抱えたまま、窓からその身を躍らせ飛び降りていった。

「操! 追うわよ」
「うむ!」
ふたりは涼のあとを追い、窓から飛び出していく。

ひとり残った百合恵はその場にがくりと膝をつく。
無理もなかった。ただでさえ疲れているというのに、慣れない戦闘までこなしたのである。
力も抜けようというものだ。さらには折角守った祐美まで捕らえられてしまった。
なにもできない自分に、言いようのない無力感を覚えてしまう。
と──

「くくくくく……」
背中から子供の笑い声が聞こえた。振り向く百合恵。そこには一也がいた。
「あ、あ……なんで……?」
百合恵は少年の顔を見、驚愕の表情でそう言った。
一也は薄笑いを浮かべながら彼女のもとへと近づいてくる。
そしてこう口を開いた。

「ふふふ、久しぶりだね……ママ……」


         エピソード3 「ママ……」後編     終わり

104退魔戦士 有子:2006/06/18(日) 20:57:01

Intermission 2
              「陥落」

「ああ〜ン……か、感じる……もっと、もっと激しく突いてください!!」
艶やかな黒髪を振り乱し、朱に染まった雪肌を妖しくのたうたせながら、皐月は四つん這いの体勢で
背後から醜悪な剛直を受け入れていた。涎を垂らし白目を剥きつつ、ただただ肉欲に溺れていた。
彼女を貫く肉棒の主は涼だ。口の端をいやらしく吊り上げ、激しく腰を送り続けている。

「ふふふ、どうだい、実の孫──それもついこの間までは赤ん坊だった孫のチ×ポの味は?」
「はふあぁン……さ、最高ですわ。一也さま……オ、オマ×コいい!! アハァアアン」
羞恥の欠片もない言葉を発しながら、皐月は目の前の快楽に身を任せている。

「くくく、またイクのか? 皐月。まったくこんな淫乱な女の孫だとは、自分が恥ずかしいよ」
そんな孫の自分を見下すような言葉にも、「はい、皐月は淫乱女です。オチ×ポが欲しくて堪らないただの変態です」と言いながら
涼のストロークに合わせるように、自ら腰をくねらせる。

「しかし、邪淫の呪法を封印していても、これだけ乱れるなんて……つい三日前が嘘みたいだね。
そうだろ、皐月?」
一也の言うとおり、今の皐月はあの忌まわしい邪淫魔法を封印された状態だ。
つまり、彼女が感じている淫欲も、臆面もなく発している言葉の数々も、すべて素の皐月が感じ、発しているものなのである。

あの日──小泉真理が闇に堕ちたあの日から今日までの三日間、皐月は今までに無い絶望と恥辱を味わった。
それは女に生まれたこと、さらには生きていることすら後悔せずにはいられない程の恥獄であった。

「あはああンンン……もう、もうだめ……イク! イきますぅぅぅぅぅ!!!」
激しいストロークとともに、皐月は嬌声を上げながら果てていく。その膣内に実の孫の精をしっかりと受け止めながら……

がっくりとその身を横たえハァハァと息をする皐月。そこへドアが開き、真理が入ってきた。
「あらあら、この女またイキまくってるの? まったく淫乱女には敵わないわねぇ」
妖艶な笑みを見せつつ、皐月の前に立ち彼女の髪を鷲摑みにする。そのまま頭を持ち上げると、彼女に顔を近づけ言った。

「さっき有子に会ってきたわ。あんたに似てドスケベねぇ、教室でオナニーしてたわよ。ふふふ、ちゃんとわたしも協力して
最後までイカせてあげたけどね」
ドミナの如きコスチュームに身を包み、ケバケバしいメイクを施した姿は、かつての彼女を知るものからすれば信じられない──
いや、ひと目で真理だとわかる人間が何人いるだろうか、というほど変わり果てた姿だった。

「おい、無駄口叩いてんじゃないよ真理。俺たちへの挨拶が先だろうが」
涼の言葉に媚びる様な表情を浮かべつつ、真理は言った。
「ああん……申し訳ありません。一也さま、涼さま」
真理は先ほど皐月を突き上げていた、涼の肉棒へと口唇奉仕を開始する。
たっぷりと唾液を絡ませ愛しげに、舐めあげていく。

「ふふふ、僕はこいつの尻の穴でも使わせてもらうか」
一也はゆっくり立ち上がると、皐月の背後へと回りこみ肉付きの良い尻を抱え込むと、いきり立った屹立を、
彼女のアヌスへとあてがう。

「ああン……ゆ、許して……お、お尻は辛いんです……」
「くくく、よく言うよ。一番感じる場所のくせして」
一也の肉棒が皐月の尻穴を引き裂くようにねじ込まれていく。
「はぎぃぃぃ!! あふぁはあぁっぁ……か、感じる……た、堪らない……」

いったいこの三日間で何度肛門を蹂躙されたことだろう。
すでにそこは、通常の女の部分以上の快感を得ることのできる場所となっていた。
(ああ……こんなところで気をやるような女になってしまった……)
絶望と恥辱。そして“三島皐月”としてのプライドすら破壊しつくした三日間。
皐月は迫りくる快感の波に耐えながら、忌むべき恥獄の三日間を思い返していた。

105退魔戦士 有子:2006/07/09(日) 22:30:19

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・


「ようやくお目覚め?」
気がつくと目の前に小泉真理の顔がアップで迫っていた。

一瞬、状況が把握出来なかった。
悪い夢を見ていた気がする。
目の前にいる少女が、成長した我が孫“涼”とまぐわい、あの災厄を復活させてしまった。
あまつさえ、彼女自身も闇に支配され、“魔少女”として甦った。
皐月はすべてが悪夢であったと思いたかった。

だが、自分を覗き込む少女の妖艶な顔を見ると、それが現実のことであったということを
痛感せずにはいられない。

「ま、真理ちゃん……」
皐月は呟く。元の少女であってくれることを祈りながら……
だが、彼女のそんな願いは真理の発した言葉で瓦解する。

「皐月。これからは、わたしの事は“真理さま”って呼ぶのよ。あんたはここでは最下層の女。
低級な魔物以下の牝なんだからね。
それと、これからあんたの躾けはわたしとこのおじさんでする事になったから」
皐月が目を移すと、そこには隆二が淫猥な笑みを浮かべ立っていた。
「りゅ、隆二……」
「ひゃひゃひゃひゃ、ようやく正式にてめぇの躾け係になれたぜ。楽しみだなぁ、皐月」
隆二は淫猥な笑みを浮かべながら皐月の傍らへと近づく。バトルスーツはズタボロになっており
彼女は半裸状態である。背後から手を回し、むき出しのふくらみを揉み始めた。

「や、やめて……」
「くくく、お前のこのでけぇ胸を遠慮なく揉みまくりたかったんだよ。散々亭主とオマ×コしときながら、
貞淑そうな面しやがって。単なる淫乱牝だってことを、よおく判らせてやるからな」
「おじさん、ぐずぐずしてないでさっさと向こうの部屋へ連れて行こうよ。こういう気位の高い女が
無様に泣き叫ぶところが早く見たいのよ」

真理の言葉に隆二はそうだな、と呟きながら皐月に首輪を嵌める。
そこから伸びる鎖を掴むと、乱暴に引きずり歩き始めた。

「ほら、さっさと歩け。四つん這いだ。徹底的に弄んでやるぜ。ひひひひ」
「あははははは」

隆二と真理の二人は下品に大笑いをしながら、皐月を連れ出すのだった。

106退魔戦士 有子:2006/11/15(水) 23:51:37

********

「ほら、さっさと入んな!」
隆二が皐月の首根っこを押さえつけるようにして、彼女の身体を部屋の中へ投げ入れた。
おまけとばかりに真理は、皐月の肉厚のある尻を蹴り上げ、げらげらと笑いを浮かべる。

薄暗い部屋。ひんやりとした空気とかび臭い匂いが、しばらくここを使用していないことを物語っている。
「おじさん、明かり点けてよ」
真理に言われた隆二はライターに火を点けると、壁にかかっていた松明にその火を移した。
「まだまだ暗いな。とは言ってもあんまり明るすぎてもあれだが」
そう言いながら壁にかかっている十数個の松明へ次々と火を点けていく。

しだいに部屋の全貌が見え始めた。
洋館にふさわしく部屋全体が石造りだ。綺麗な正方形をした石床が、市松模様に敷き詰めてある。
壁面も同様で隙間無く石が埋め込まれている状態だ。窓も無い。完全に密閉された部屋のようである。
シンプルな部屋の作りではあるが、そこには異様な雰囲気を醸し出している器具類が雑然と並べてあった。

(拷問の器具ね……)
すべての器具を知っているわけではないが、西洋の魔女狩りに使われていたようなものや、時代劇などでも
目にしたことのある道具もあり、おそらくこれらを使って肉体的苦痛を味わわされるであろうことは、
容易に判断できた。

(ふん、見くびられたものね)
肉体的にいくら責められようと、屈するようなことは有り得ない。
人間である以上痛みを感じないわけはないが、悪魔に屈服するわけにはいかないのだ。
とにかく、早くここを脱出して有子たちに、貴裕たちを支配している奴の正体を知らせなければならない。
強大な敵ではあるが倒せないわけではない。現にかつては封印することができたのだ。

そして、この隆二と真理も救わねばならない。
特に隆二は蟲を植え付けられており、事は急を要する。
早くしかるべき処理をしなければ、取り返しのつかないことになってしまう。
問題はいつ隆二が蟲を植え付けられたのか? ということだ。

自分が捕らえられ、魔に魅入られた隆二にレイプ同然に犯されたのが、月曜日だった。
おそらく植え付けられたのは、あの後だろう。いったいあれからどれくらいの日数が経ったのか?
時間の感覚が麻痺し正確な日にちがわからない。
二、三日しか経っていない気もするし、一週間以上が経過している気もする。
だが、もし一週間以上の日数が経過しているとすれば、すでに隆二は蟲に喰らい尽くされている可能性が高い。
そこまでは経っていないということだろう。


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