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退魔戦士 有子

22退魔戦士 有子:2005/10/03(月) 23:20:21

「ふふふ、気を失っちゃったよ」貴裕はそう言って今度は祐美の方を見る。「放っておいて
ごめんね。今度は祐美姉ェの番だけど、そろそろ僕は帰るよ。じゃあ、今日の目的のもの
をもらっとくね」
触手が祐美に向かって伸びていき、彼女が抱きかかえる涼を奪い取ってしまう。
「あぁぁぁ!!り、涼!涼!」
最愛の息子を奪われ狂ったように叫ぶ祐美。

「涼はもらっていくよ。そうだ、祐美姉ェのお相手はこいつらにしてもらうよ」
貴裕がそう言って指を鳴らすと、さきほど皐月が倒したはずの魔物たちがムクムクと起き
上がってくる。
「じゃあ、こいつらと楽しんでね。クククク…ハハハハハハハハ……」
貴裕はそう高笑いをし、涼と皐月を連れていずこともなく消えていった。

「涼!りょうぉぉぉぉぉぉぉ!!」
我が子の名を叫ぶ祐美のまわりを魔物たちが取り囲んでいく。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!たすけ…助けてぇェェェェェ!!」
逃げ惑う祐美を捕まえると、魔物たちは着ている衣服を剥ぎ取ってしまう。
「あぐはぁ、ぐふふうッ……」
穴という穴に剛棒をねじ込まれ、苦しさに嗚咽する祐美。

「破邪の剣!」
「破邪の鞭!」
その時ようやく有子と真理がドアを開け、入ってきた。ふたりは自分の必殺武器で魔物たちを
なぎ倒していく。

すべてを片付けると、放心状態で倒れこむ祐美を抱き起こす。
「祐美!祐美!しっかりして!!」
姉の到着を知った祐美は、気が狂ったように叫びつづけた。
「涼が!涼が!お母さんが!!姉さんもうダメよ!あんなのに勝てない!!わたしたち
みんなやられちゃうのよぉぉぉぉ!!」
「落ち着いて!落ち着くのよ!祐美!」

発狂寸前の妹を抱きしめながら有子は思った。
(涼を連れて行くなんて……貴裕を支配している魔物はいったいなにをしようとしているの……)
奴の目的はわからなかったが、漠然と背筋に冷たいものが走っていく有子だった……

                         エピソード1『皐月』終


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