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【イベントC】永劫を超越せし異能都市【LV5】

43ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/10(水) 22:43:08 ID:uLx5Owos0
>>42
「なんだ、キミはまだ、理解できて居なかったのか」
上弦の話を聞き終えればゆっくりと手が引いていく。
やれやれ、と溜息。上弦の言葉は響かなかったのだろうか。
お互いの手は届く、そんな距離に居るのに、どちらともが攻撃を始めようとしない。
『殺し合いの場』には少々、不釣合いな光景だった。

「愛の鞭、だ……。
 いきなりそんな物を持ち出すんだ。馬鹿にするのも許してはくれないか?」
フッ。と鼻で笑って軽くあしらって。
「何がしたいのかわからない。か……考えてもみなよ。
 僕は彼女を受け継いだ。この身体は僕の物だ……もう、ゼオラの物じゃない。
 同一時間上に同じ人間は存在できない……そうだろう?
 僕が居れば、未来の彼女は消えてしまう運命なんだ。
 二者択一だよ。これが、僕を殺さなければ彼女が消えてしまう原理。
 僕を殺さなければ……キミの大好きな、ゼオラが消えてしまうんだよ。そんな僕に、愛などと……」
上弦に対して、理解の悪い子どもを説くみたくなんども繰り返して。締めた結論は嘲笑うかのような瞳。

「どうだ、本気でかかってくる気にになったかい?
 折角、この姿を始めて見せたんだ……その拳、当てられるように頑張ってくれよ?」
アハハ。と楽しげに笑いながら風を巻き起こす。
一瞬の間に黄金の翼で後方に飛び去ってしまう。
追う追われるが逆転し、今度はこちらが距離を取る。

44上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/16(火) 01:32:33 ID:Lgf4Je6A0
>>43
「ふ、君が誰であろうと大人として子供には教育というものをしてあげないといけないからな・・・
 聞けば栄光などと大層な事を言う・・・その割には今の君は随分と小さいじゃないか?」

距離を取った少女に歩きながら近寄っていく、走ることもなく乗り物を練成する訳でもなく
何を考えているのか、口からは少女を小馬鹿にする言葉が紡がれて

「ほら、”ゼオラ”?急いで逃げないと君の勝利はないぞ?
 私は屋敷のゼオラの為に最強の戦士となったからね?君のその短い腕で・・・小さな体で・・・私を倒せるかね?」

男は歩く、しかしただ歩いてるだけなのにどんどんと距離を縮めてくる
速度も何も変わらないし、走っても乗り物にも乗っていない・・・気付けば距離が縮まっているのだ

45ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/16(火) 02:14:22 ID:uLx5Owos0
>>44
「本当。面倒だな、キミは……。
 キミが本気を出してくれないと、楽しめないじゃないか。
 だからこんなにも煽って、楽しませてあげているというのに」
浮かぶ笑み。けれど瞳は寂しげで。
やはり攻撃の手は無い。しかしながら、言葉同士での牽制は続く。

四枚の黄金の翼をはためかせ、ゆっくりと後退するウルスラグナ。
離しただけ追ってくる。きっと離さなければ追いもしないのだろう。
そう遠くないうちに屋敷へとたどり着き、正面の門で佇んでいたゼオラの元へとたどり着いてしまう。
「いくら強がっても無駄だろうからね、正直に行こう。
 そろそろ、だよ。僕は飽きてしまいそうだ、キミに。
 だからだ、尋ねようと思う。どうしたらキミはやる気になってくれる?」
門に背を預け身体を傾ける黒衣の少女の頭を優しく撫でながら。

46上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/20(土) 09:43:20 ID:Lgf4Je6A0
>>45
「・・・・・・」

黒い少女を撫でる白い少女、それを男は歩を進めながら眺めていた
仮面で隠れているが、いやの上からでも優しさを浮かべた瞳がわかってしまう

「そうだなぁ・・・逃げ回る女の子を捕まえるにはたまには押すよりも引くほうがいいと聞くからね・・・
 君が私に向かってくるようにしたかったんだが・・・」

『まぁ、そこまで言うならそろそろ必死になってもいいな・・・』

男の姿は白い少女の眼に映っている、少し離れたところでこちらに向かって歩いてきている・・・

しかし・・・急に声は前方からではなく、白い少女の真後ろから聞こえてきて・・・
少女は後ろを振り向かなくては気付かないだろうが、もし第三者がいるのならば気付くだろう
少女の前方に男が一人・・・そして真後ろに全く同じ姿の男が立っているのだ

「君は勘違いしているようだが・・・私は最初からいままでずっとやる気だった・・・
 私がやる気のない人間に見えたかい?ゼオラを守るために動く私が?
 言っただろう?拳骨してやると」

今までにない声---否 声色はいつもと変わらぬ優しいままなのだ
しかし、その言葉から伝わる正体不明の威圧、恐怖・・・白い少女にはわかるだろうか?

その言葉を耳元で囁いた瞬間、男の腕は眼にも止まらぬ速度で振るわれる・・・
握り拳はそのまま白い少女の脳天に向かう

47ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/20(土) 16:13:36 ID:uLx5Owos0
>>46
「後ろ……ッ?」
声、気配、上弦が姿を現すと同時に認識する。
しかしそれは既に手遅れ、翼を翻し振り向いたときには既に拳は振り下ろされていた。
黄金の翼が揺らめいて消える。少女の顔が苦痛にゆがみ、地面へと落ちる。
叩き付けられて跳ねる……その瞬間、黄金の翼は復活し強力な風で上弦を弾き飛ばしてしまう。

「フン……僕も少し調子に乗っていたようだ。
 この力に慢心しすぎたようだね……キミの本気が見られてうれしいよ。
 その心に酬いよう……本気を出す。ゼオラ、僕に力を貸してくれ……!」
微かに浮かぶ少女は腕を組み、小さく頷くと溜息をつく。
差し出したゼオラの手をとると身を屈めじっと見つめあい―――――


「さぁ行こう、ゼオラ。
 キミの未來と僕の過去……無くした物を埋め合わせるんだ」

――――手を離す。飛び上がると闇と化したゼオラがそれに追従する。
漆黒の炎を再び巻き上がらせる。その火力は初めとはくらべものにならないほど高く、竜巻のようで。
そこにゼオラの闇が加わり激しさはより一層に。空に暴威の如く荒ぶる黒点が浮かび。
その漆黒の中で少女は炎に身を包まれていく。


「勝利とは、完全なる虚無の先にこそ!!」


衣服を焼き払いその身にも黒い炎の文様を刻み込んだ少女の姿。
黒い少女、ゼオラを取り込んでその片目を金に、かすかに柴色に色づいた髪を漆黒の暴風で靡かせる。
両手には純白。光で金に輝く巨大な鎌が一対。振りかざせば漆黒の炎が燻る。

背中から大きく伸びた煉獄の炎の翼にて詰め寄って。
上空から上弦目がけて両手の大鎌を強く、強く振り下ろす!

48上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/06/21(日) 23:12:36 ID:Lgf4Je6A0
>>47
「んー、たった一発食らわせるのにここまで時間を稼ぎ、結構無理をしてしまったな」

風に吹き飛ばされながら男は二人の少女が交わるのを見ていて、いつの間にか男は一人に戻り
身を翻し着陸する、空を見上げて新たな少女の姿を確認する

「やれやれ・・・まさかゼオラが相手に協力するとは予想外であったな・・・全く、そこまで仲がいいなら共存出来そうなものだがな
 全く、二回目の変身とはやってくれる」

新たな姿・・・それは少女達の真の姿なのかはわからない、この勝負は勝つべきか負けるべきか・・・今の姿を見て少し迷う
まぁ、とにかく・・・少しばかりセクシーな少女達を眺めて楽しもうか・・・いや真面目に戦うか・・・
男は少しだけ疲れた様子でため息を吐く・・・自分の努力は徒労に終わるかもしれないと、二人の様子を見て思う

「あまり頑張り過ぎると体調を崩してしまうが・・・まぁ今回は諦めようか・・・」

その瞬間少女の鎌が男に迫る、早い・・・男にはそれを避ける方法はない
ならばやることは一つ・・・防御だ

壁は効果はない、消されてしまうだろう
だったら自分の体で防ぐのみ、両腕にマナの力を流して構成を変化させる
鎌の斬撃を防ぐために金属に、炎を防ぐために水の力を付与、耐性を持った両手で鎌を受け止める

49ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/06/27(土) 15:49:45 ID:uLx5Owos0
>>48
「何を……僕とゼオラは親友さ。
 心さえ分かり合える……不思議に思っていたが、今は全てに納得がいく」
ゼオラと、その身体を受け継いだウルス。
二人分の精神を取り込んだ身体は力が溢れオーラの様なものとして彼女に纏われていた。
今、メインの彼女たちとなっているのはウルスの方だ。
蠢く闇を周囲に舞わせる少女の髪は白く瞳は紅い。
鎌を振りかざし肉薄した表情は豊かで、今は戦闘の楽しみを最大限に感じているようだった。

「これが『僕達』の力さ……そのままではこの腕、斬れてしまうぞ?」
左手の鎌を押し付けたまま、右腕を振り上げ打ち付ける。
なんども、何度も。次第にそれを受けるたび上弦の腕にも負担がかかってくるはずだ。
思うようにマナの変換ができなくなる。マナが破壊されているからだと気づくのはそう遅くないだろう。
生命のみに拘らず、全てを相対的に殺してしまう。ゼオラの持つ破壊の力。

50上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/05(日) 00:52:56 ID:Lgf4Je6A0
>>49
「ふふん、君こそそんなに私に近づいていいのかな?」

保険はかけてある、男は腕を鎌に押し付けたまま少女に急接近する事に躊躇しない
いつの間にか男が手にしていたのは透き通った緑色の液体が詰まった硝子玉だ両手で、計二つのそれを男は少女に接近しながら握り砕く
詰まっていた液体はすぐに弾け跳び、男の拳には風の力が宿る

「さっきまでの君の力は私の能力を無効化するものだ、しかし錬金釜で作り出したアイテムはどうかな?これは私の異能とは無関係・・・さぁ!」

そのまま男はまるで弓を引くように両腕を引き、地面を踏みしめる
ほんの一瞬静止したかに見えた瞬間、両の拳を同時に突き出す、双掌打とも呼ばれるその技は男が得意とする掌底を用いる攻撃方の一つだ
風の力で威力・速度ともに上昇する攻撃を避けるのは難しいだろう
しかし、風の力はおまけだ・・・男の狙いはまだ他にもある

51ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/06(月) 01:32:31 ID:6NPEA0ts0
>>50
「ッ……水……いや、風か?
 だが、なんであっても! 僕達の力を舐めるな!」
雄々しく叫ぶ少女。それと同時に波動が沸き起こる。
これも能力を打ち消す作用を持った白の少女の特殊能力だが、さきほどのそれとは毛色が違った。
黒の少女の持つ破壊の力との相互作用で上弦の放ったアイテムの効力すら殺ぎ落とす。
掌底に込められた風の力は弱められたが、細く軽い少女の身体は遠くへ飛んでいく。

黄金の翼を生やし空中で体勢を立て直せば上弦を睨みつける。
右手の鎌を回す、その背後で闇が渦巻き新たな魔力を生み出していた。
「ゼオラ……こういうことか?」
発した魔術は上弦に対抗してか、風。
ゼオラの魔術は独特な色遣いが特徴だったが、この風の魔術もそう。
漆黒の炎、柴色の雷、翠色の氷……そして、銀色の風。
渦巻く闇が口を開くと突風が吹き荒れ瞬く間に景色が銀に染まっていく。
他の色、他の術に漏れず風もまた破壊の因子を含んでいて、銀に靡けば長閑な風景は焼かれ、上弦の身体をも蝕むだろう。
「そして……こうだッ!」
右手の大鎌が風に乗り回転を増す。
それを振りかぶり投げつけると漆黒の炎を纏った純白の軌跡が銀の風に乗って迫ってくる。

52上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/08(水) 15:13:39 ID:Lgf4Je6A0
>>51
「チぃッ!アイテムも駄目か・・・私の戦闘が次々に封じられていくな」

ちらりと周りを見渡せば先ほどまでとは全く異質の空気、男はそれがすぐに少女の魔力のものだと気付くが

「ただの風では無いようだな・・・全く・・・容赦なしじゃないか」

男は苦笑いを浮かべて横に駆け出す、能力とアイテムの効果は消されてしまう
唯一効果があったのは自らの体から繰り出される物理攻撃のみ
しかし一撃だけでは効果的に相手にダメージを与えたのかはわからない

「しかし・・・能力、アイテム効果の発動自体は出来るようだな」

そんな事を考えていると、少女が大きな鎌を投げつけてくる
こちらの防御は無効化されるので意味は無い、しかし当たってしまったなら致命的なダメージを受けてしまうだろう

「まだ、出来るかわからないが・・・やるしかないか!」

もうこれしか防ぐ、もとい避ける方法は無い
目の前に鎌が迫る瞬間、男の体を切り裂こうとするその刹那
男は懐から色とりどりに輝く綺麗な硝子輪を取り出す、それが確認できたと思った瞬間、男の姿はパッタリと消えてしまっていた。

53ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/22(水) 00:28:31 ID:a98rLMMM0
>>52
錬金術で作り出したアイテムの力も、無効まではいかなかったが弱まってしまう。
上弦にとって錬金術の生徒でもあるゼオらの知識が超常的な力を解析し、ウルスの力で弱めるに至っていた。
それゆえに、ダメージを与えたもののそれで決着をつけるには及ばずに、再び身を翻せば黄金の翼をはためかせる。

「今、また一つ、僕達は同じになれた……。
 キミのお蔭だよ。キミの知識が僕達を結びつかせた。
 さぁ……もう一歩踏み出そう、ゼオラ。そして、キミへ……今度こそ、これで終わりさ」

詩を紡ぐかのように軽やかに、発した言葉は内に存在するもう一人の自分へと。そして向かうキミへと。
時間を掛け、行動を起こすことにより受け継いだウルスの肉体にゼオラの精神が回帰しつつあった。
今、上弦の目の前にあり口を開き、腕を掲げ、黄金の翼を輝かせるのは白の少女。
しかし、彼女の纏う漆黒の風、死のオーラ、戦いへの欲動と溢れ出る凶刃にも匹敵する意思は何度も感じたゼオラの物だった。
その二つが互いに融合し、完全な一つへと重なり合い、より新たな姿を生むために輝きを漏らす。

投げ出した鎌に対し懐に手を伸ばすその動向。
何かしらの兆候を見空いた少女達は光の中から手を伸ばした。
その指先を指揮棒のように差し出せば、黄金の背後から闇が溢れだし数多の漆黒で塗り固められた武器が目がけて振ってゆく。
僅か一瞬でも遅れれば大鎌と共に無数の闇に身体を喰われていたのだろう。
闇が晴れ、その中に男はいない。逃げられたのだと理解すると吐いた溜息は黄金の羽ばたきに流される。

「やってみるといい、キミの全てを掛けて……僕の命を、勝利を、奪って見せてくれ」

54上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/07/26(日) 22:46:44 ID:Lgf4Je6A0
>>53
『君に触ってみてわかったんだが、どうにも君は・・・君たちはお互いを高め合う様な状態になっているようだね』

空間が震えるかのように錯覚する程の奇妙な響きで男の声が聞こえる
それは遠くから聞こえているようにも思えるし、目の前で語りかけてくるようにも聞こえた。

『小細工は無意味なのかも知れないと思った。だから・・・』

その瞬間、少女の背後で何かが破れるような音が響く
背後にあるのは大きな亀裂と裂かれたような穴が無数、不思議なのはそれの全てが地面ではなく空間に存在したこと
そして不気味なのはその空間の奥から、亀裂から新たに空間を突き破り
男の姿・・・否、男を見たならばもっとも印象に残る存在・・・仮面が現れたのだ
仮面は不規則に動きながら少女の周りを付かず離れず漂う
それらは少女の能力では消せはしない、特異な存在だった

そして少女の背後、すぐ後ろ、耳元で囁くように男の声が聞こえた

「ゴリ押しで行かせてもらう」

逆立ったミント色の髪を風に靡かせ、切れ長の瑠璃・・・ではなく、かといって瑠璃と紫水晶でもない
真っ赤な・・・輝く真紅の瞳を持つ男が少女のすぐ後に・・・空に立つように存在していた

55ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/07/27(月) 00:25:19 ID:a98rLMMM0
>>54
上弦が背後に回り超えろ掛けると同時に、少女達を覆っていた光が発散する。
音に気付き、振り返る……上弦にも匹敵する背丈、幾度とも戦いに身を投じた経験が作る凛々しい顔立ちは正しく白の少女の物。
それなのに、浮かべれた表情は彼女が見せたことのない、触れるだけで崩れそうなほど儚げな……上弦がよく知る黒の顔。
「いいよ……それで」
至近距離で相対する上弦の頬に手を当てて発した呟くような声もまた黒の物。
顔、声。真逆に見えた彼女たちは、やはり同じ名を冠する少女達。

儚げな瞳は色を変えた。
金と紅。彼女達の一つ一つを取りあわせたオッドアイへと変化していた。
その双眸が一瞬、細く歪められたかと思えば、一閃。
暗殺を得意とする黒らしく、鋭い蹴りが横から迫ろうとしてきている。

56上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/08/09(日) 01:16:53 ID:Lgf4Je6A0
>>55
「全く、私は君達のその顔に弱いんだ・・・そんな君達を傷付ける事になるとは
モテる男は辛いねぇ・・・」

頬を撫でられ、いつも通りの優しい笑みを浮かべる男・・・軽口までいつものように発する
しかし、それもここまで・・・少女が瞳の色を変えたならば、男の表情も優しさから一変・・・その鋭い目つきに相応しい謹厳であるが威圧の表情を浮かべる

少女の鋭い蹴りを、男は深く考えず手のひらで掴むような形で受け止める
この蹴りに何か仕掛けが在ろうと無かろうと、関係ないとでも言うように少女の足首を掴む

「・・・まず飛ぶのは禁止だ」

その後、少女に強烈な引力が襲い掛かる
天から地面へ叩きつけるような強烈な衝撃、どう加速したのかもわからない程の速度で地に向かい少女を引き摺り落とそうとする男
天からの重力、男からの引力・・・その二つが合わさり少女に負荷がかかる、男の目的はこのまま少女を地面に叩きつけることだ

57ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/08/10(月) 22:46:54 ID:QdUT3/Ew0
>>56
振り抜いた脚は剣の一撃に及ぶ鋭さ。
ゼオラも蹴りを使ってはいたがこの威力は白の技によるものだ。
しかし彼女どちらともパワーの扱いは苦手。
掌は切り傷を作り血を流すが、それにさえ耐えれば難なくと掴めるだろう。

強大な力に身を捕らわれる。
二人ごと地面に落ちる。足を掴まれたまま。
黒の少女の顔は皺一つ浮かべずに瞳を投げ続ける……いつも通りだ。
その彼女が、何の保証もないままただ掴まるわけがないのは、上弦が一番知っているはずだ。
地面が迫る最中、近付くに連れて大きくなっていく影が突如変形し大口を開けた。
牙は無く、二人を待ち受けるだけ。しかし飲み込んだのは少女のみ。
地面より下に落ちていった身体はすぐさま闇に消えて見えなくなる。
その直後。黒い地面が湧き上がり上弦を飲み込もうと迫った。
周囲の視界を奪い闇一色に包まれる……目、耳、どちらとも信用が置けない深黒、無音の世界。
闇に囚われるその背後から、迫る蹴りが背中を穿こうと繰り出される。

58上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/08/16(日) 22:02:37 ID:Lgf4Je6A0
>>57
「・・・ふふふふふ・・・クククク・・・・はは、はぁーっはっはっはッは!!」

攻撃は不発、それだけに終わらず自分が闇に飲み込まれてしまう
思えば男は少女の闇は見たことはあっても飲み込まれると言う経験は初めての事だ・・・
しかし男は楽しそうに笑っている、いつもの優しい笑いとは違う、ともすれば邪悪な印象を受ける笑い声だ

「ちゃんと足は拭いたかな?何も見えなくても攻撃する手はあるぞ!」

男は闇に飲まれて隙だらけであるにもかかわらず、一切身を守ろうとしない
攻撃されようがされないが今の男には関係ない、とにかく自分の攻撃で相手にダメージを与えることに専念する
宣言どおりゴリ押しだ

「今私は新しいアイテムを考えたぞ・・・単純で誰でも思いつくアイテムだ、仮に・・・マジックミサイルとでも言っておこうか
 名前は後で誰かに考えてもらうさ」

そう言った男の手には緑色の光球が在った、先ほどまでの硝子玉に液体という形状とは違う
緑色の光が本体、光そのものが硝子玉になったようにも見えるし、実体が無いかのようにも見える

「こいつは今、私の血に反応する・・・もちろん、とある女の子に付いた私の血にだけだがなぁ!!
 ハハハハハハ!!!」

男が笑い声を上げて光を握り潰し、それを千切るかのように両腕を広げる
その瞬間、男の周りから無数の光の矢・・・否、光の杭が弾ける様に広がった、隙間の出来ないほどの杭の物量
その物量は男の周りを広がった後、少女の足目掛けてまるで光の帯のように向かっていく

59ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/08/17(月) 22:25:35 ID:l3ehZJ6I0
>>58
無限にも、無にも感じられる漆黒の中。
一寸先は闇という言葉を一寸の狂い無く現した空間。
上弦の創り出した対抗策。闇への導は無数の光となって背後へと飛んだ。
眩く闇を切り裂き突き進む光。その先には純白の衣を纏った少女。

「チッ……!!」

避けられない。
そう本能で察してからは切り替える。
黄金の翼を瞬時に展開する。飛ぶことはできないがその羽ばたきで瞬間的に加速する。
闇の中で閃光が走り乱れ炸裂する。導の杭を受けながらも少女は止まらない。

「ならば望み通りだ、相手してやるッ!!」

急加速した光の翼の中に突き出された拳。
杭で身を裂き朱を交えながらも食らいつこうとする。

60上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/09/17(木) 01:31:49 ID:Lgf4Je6A0
>>59
光は男の背後へ、攻撃と共に男を導く光の帯、男は振り返る
真紅の瞳の光跡が細く揺らめく、それはゆっくりとした動作に見えたが、実際には一瞬・・・暗闇で戦うべき存在を見つけ出した男の顔は笑っていた

「ハハハハハハハハハ!!いいぞ!来い!来い!来い来い来い来いッ!!!!」

男は急加速する少女を見ると両手を広げ胸を張る、避けられないのか避けないのか、男は眼前に迫る拳を前に動かない
いや、もう既に少女の拳は男を捕らえている、間違いなく男の胸へと拳は届いた
このまま男の体を貫く事も出来る、第三者が居たとすれば全員が全員そう確信し、信じたであろうその結末・・・・空間に何かが砕ける音が響き渡った
その正体はなんなのか・・・今知る術は、空から舞い落ちる白い謎の欠片のみ、しかし今少女が向き合うべきは・・・

「君は撃たれ強いタイプだったか?ゼオラと合体・・・とでもいうのかな?とにかくそれをしたら防御力が下がってるかと思っていたが・・・ゴリ押しは苦手な分野じゃないかな?」

少女を見下ろし、右手には深蒼の光 左手には真紅の光を携えた男だ
ともすれば最高と謳われる魔術師すら上回る程の魔力の奔流
かつて男の愛娘は会う人々全員に語って聞かせたことがある自慢話
娘が父を愛するあまりの妄想話・与太話・膨張話だと誰もが冗談半分に聞き流すその話

『お父様の錬金術は真理すら凌駕するのですわよ!』

61ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/09/22(火) 20:21:04 ID:l3ehZJ6I0
>>60
突き上げた拳は確実に。上弦の胸を捉え砕いた。そのはずだった。
砕く瞬間まで、確かな感触を得ていたものは一瞬のうちに空虚に変わる。
ハズレだ。途端にそう脳内が理解し、無数の輝きの欠片が降り注いでくる出どころへと、目を向けた。

「ほぅ、今度はキミが細工をする番か。
 キレイだよ……だけどその輝きに、意味はあるのかな?」

何かが起ころうとしている。起こそうとしている。それは肌を刺す感覚で伝わってくる。
大地の震え、風の羽ばたき。事象の元素を操ることに特化した男が、目の前に居る。
しかしながら、一歩たりとも引かず竦まず。一歩前にすら出て見せて。

「なんだっていい。キミはゼオラに……僕に勝てない」

62上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/10/22(木) 01:50:48 ID:AI3ZH5Wo0
>>61
「勝てはしないか・・・まぁ確かにそうかもしれないな、私と君では相性が悪過ぎる、でも可愛い女の子に頑張れと言われたら頑張らないといけないじゃないか?
 それに、私が思うに君が私に勝つのも難しいと思うよ?」

パラパラと白い破片が地に・・・といっても暗闇で地面なんかわからないが、そこに落ちる
両手の深蒼と真紅の光をゆらゆらと暗闇に彷徨わせながら男は口を開く

「私の力は源素を扱う力だ、それは敵の武器だって怪光線だって場合によっては該当する
 幸いこの暗闇だ、闇の源素は潤沢・・・私の能力的には闇素と呼ぶね
 先ほどの草原にだって、木素・水素・風素・光素・土素・幻素等々いっぱいだ・・・それら全てが私の力になる・・・わかるかい?君の体だって大雑把に分類すると火素・闇素・命素で出来ているんだ・・・さっきの握手でわかったよ?」

もっとも、わからないこともたくさんあると男は苦笑する

「さて、今から私はそれら全てを無理矢理自分の力と換えてマナのエネルギーとして一気に放出するとしよう
 全てのエネルギーを放出する真紅の光・・・そしてこの蒼い光は全てのエネルギーを優しく包み込み、再び力に変える・・・つまりこうすると・・・」

言い終えるか否か、男は拍手するかのように一度、パンッと手を合わせた
その瞬間、火か水か、風か土か・・・闇か光か、それとも別の何かか・・・
属性などわからない、何が襲い掛かってきたのかわからない、これはマナなのか解らない
恐怖か安堵か・・・希望か絶望か・・・その全てか、とにかく正体不明の衝撃が広がる、爆発が広がる、マナが広がる、エネルギーが広がる

「真紅から生まれた力は深蒼に包まれ新たな力となる・・・永久機関、その名は『ウロボロス』
 君が私の力をどこまで奪える?この永久無限に生まれ続けるマナの力を?」

何度も何度も爆発は広がっていく、永久に広がり続ける
逃げても無限に、防いでも無限に・・・何度も何度も強大な力の波が少女に襲い掛かる
周囲に響くのは破壊の音、陶器が割れるかのような美しくとも不安な音色

63ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/10/27(火) 01:08:48 ID:l3ehZJ6I0
>>62

「フフ……全く。キミも退かないね。
 なら、キミと僕で、この戦いの果てという真実を証明しようか」

大渦の如く沸き起こる闇の中心に立つ真紅の瞳の持ち主は、ただ一心で男を見つめる。
視線と向かう先を同じくした拳が強く握られると、手のひらから眩い白金の光が溢れだす。

「ありがとう……ゼオラ。
 あとは、僕のすべてを、見ていてくれ……」

完全を形作っていたうちの漆黒が抜け落ちていく。
周囲に広がる闇から湧き出るようにして傍らに添っていたゼオラは、ウルスの言葉に頷き消える。
真紅と深蒼が景色を揺らがせても、純白の一点は揺らぐことなく視線を貫き。
やがて拳から溢れた光が一閃の輝きを生む。


「奔れ<The Order>不滅の神聖<Amesha Spenta>!!!」


一筋の光芒は狙いを定め、視界の先へと弾け飛ぶ。
幾重にも繰り返され、失われも、衰えもしない円環。

「これが僕の力のすべてさ……これで、終わりにしよう」

その解答は、不滅。

64上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2015/11/26(木) 23:31:46 ID:AI3ZH5Wo0
>>63
「ははははは!だって退けないだろ?ゼオラが消えるんだ、そして君も私に自分を殺すように言った
 ゼオラが消えることを望んでいても、君が生きたいと思っていても、私は頼まれたら断れない性格なのでね・・・」

依然として周囲に響く陶器が連続で割れるような破壊音
広がるマナの激流、その中心にいる男のコートは激しく揺れる
全身がマナと一体化したかのように所々に炎のような揺らぎが生じる

「さて、君の奥の手はなんだ?なんにせよ・・・これが最後のぶつかり合いだ!」

男の発するは全体へ向けた無限に増え続けるエネルギーフィールド
少女が放つのは一転集中型の光の一線・・・真逆の性質、ともすれば同じ性質の力がぶつかり合う

65ウルスラグナ=アドヴァルド:2015/12/01(火) 23:21:34 ID:VOn/yaUY0
>>64
「そうだ、僕は生きたい。僕には、まだやらなければならないことがある。
 しかし、ゼオラも同じことを思っているはずだ。彼女の心はただ悲哀それだけではない。
 二者択一だよ。その取捨選択を、キミに尋ねてみた。キミの答えを、聞き出したかった」

空間を歪ませすべてを呑み込もうとする円環、無限。
その、絶対を、永遠を、感じさせるような感覚には、身に覚えがあった。
触れ合った心が、引き継いだ身体が、それをよく覚えていた。

捧げた一筋の光が、爆ぜる。
言葉に嘘偽りはなく、光が力全てを物語る。
瞬く間に全てを無にきす彼女の力。その力の集合体が放出された物。

全ては、何事もなかったかのように。
お互いの全てがぶつかり合う寸前との差異は、視界に輝きが散りばめられていることだけだった。

「ご苦労。これで、終わりにしよう」

散りばめられた輝きに、全ての終わりを悟った少女が浮かべた笑みは、晴れやかだった。

662:『血に濡れた涙』:2016/03/26(土) 22:25:00 ID:p1won6CY0
>>326
「ふっ…!
やられた…本命は…!
避けろ防人!!」

振り向いて叫ぶが間に合うか。
ウォーリアは囮ならば、本命は――!

防人の背後から長剣の一閃が迫る――っ!

67防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/27(日) 00:41:07 ID:NugK2bM60
>>66
「本命…
 それは一体…!」
涙音は、彼の声を聞き、
何処かへ逃げようと足を踏み込ませる…

が、僅かに遅い。

バシュッ

「あっ…がっ…!!」
少し前に踏み出したところで、
背中に鋭い一閃が刻まれる。

「あうっ…!」
激痛で悲鳴を上げた涙音は、
進みきれずに地面に倒れ込む。

「……いつの…まにっ……」
背中には浅くない赤い傷跡が刻まれている。
起き上がる暇は…有るのだろうか。

682:『血に濡れた涙』:2016/03/27(日) 14:21:02 ID:iCQU7WVA0
>>67
防人の怪我を見て不味いと思ったが、しぶといこいつら相手には…!!
どうする、どうする、どうする……!
無我夢中に、思考が状況を変えることに固まる。
掌に小さな欠片のようなものが感じられる。
封じていた俺の『能力(ペルソナ)』――。

「――ロキ!こいつらを止めろォッ!!」

嘲笑うように、歓喜に震えるように。
慇懃無礼に、狡猾な笑みを浮かべた触手にまみれた悪魔が、
その手を伸ばし、現れ――総てを氷に変えた。

ウォーリアも、後から現れた本命すらも一瞬のうちに凍りついてしまった。
震える体で防人に駆け寄り。

「生きてるか…?」

69防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/27(日) 14:45:15 ID:NugK2bM60
>>68
「……う…?」
突然周囲に発生した冷たい大気を感じ…
ふと顔を上げるとあらゆるものが氷へと変わった。

「敵が……凍って……?
 あっ…いたっ……!」
動こうとすれば背中の傷が痛む。
駆け寄ってきた彼の顔を見て。

「え、ええ……なんとか生きてますよ…
 うっかり…してしまいました…ね」
なんとかゆっくりと起き上がる。
周囲がどうなったのか。それが気になる。

702:『血に濡れた涙』:2016/03/28(月) 23:26:43 ID:p1won6CY0
>>69
「動くな、傷が開く。
ロキ!」

後ろに立つ悪魔に告げると、ロキは手を伸ばし――。
不思議な輝きが防人を包む、光が傷を塞ぐと。
完治ではないが、痛みと血が止まっていた。

「これで動くくらいは出来るだろ。……っ」

頭にノイズのような異音が走る。
意図的に封じてきた蓋が開き、何かが飛び出そうとする。
それを抑えるように、自制を働かせる。
――凍らせたくらいじゃ死にそうにない、倒すにはもっと攻撃力がいる…‥!

71防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/28(月) 23:38:29 ID:EZkhChXg0
>>70
「うっ……はぁ……
 なんだかちょっと調子が治りました…」
彼が使った魔神の力…
そのおかげでどうにか立ち上がれるほどには傷が治る。
が……

「…だ、大丈夫…ですか?
 なんだか、つらそう……ですけど…」
不安そうに彼の様子を見るが、
しかし、周囲の様子もまだまだ安心はできない。

「…どうしましょうか。
 凍らせただけで倒せるといいんですけど…」
と、凍りついた敵にじっと鉄砲を向け続ける。

722:『血に濡れた涙』:2016/03/28(月) 23:41:56 ID:p1won6CY0
>>71
「トドメはさしたいが…追っ手が来る。
いまので気づかれた、移動、しないと…っ!」

そう言って立ち上がり、ロキを戻す。
氷はしばらくは残るだろう。
…遠くから足音が聞こえる。追手の可能性が高い。

矢野達の救援は望めない、どうにか逃げ延びなければ。

73防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/28(月) 23:59:03 ID:EZkhChXg0
>>72
「なるほど…
 厄介ですね…
 ここは敵を倒すより…
 逃げるのを優先しましょうか」
そう言ってつぐみは周囲の音に気を配る。

「とりあえず…
 音のする方からはなれましょうか…」
と言って彼の背中を押しながら、音のする方とは
別の方向へと足早に進み始める。
相手はこちらの動きを読んでいるだろうか?
不安に思うが、今は逃げるしかない

742:『血に濡れた涙』:2016/03/29(火) 22:17:48 ID:p1won6CY0
>>73
「すまん……結局助けられた。
『悪魔』の野郎も迫ってるってのに……」

押されながら考える。
誰の差金かしらないが、碌なやつじゃないだろう。
だがペルソナの負担が少ない、本来安定していない俺のは、
こっちじゃ使うだけでも骨がきしむのだ。それが吐き気程度なのは――何故だ?

「防人、ここ最近のニュースで一番話題になったのって、なんだ?
俺住居ないから知らないんだよ、教えてくれ」

75防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/29(火) 22:44:46 ID:EZkhChXg0
>>74
「…悪魔…ですか…
 先ほどの輩のことですか?
 狙われたのは私なんでしょうか…
 それともあなたの方…」
少し心配を感じながら周囲を確認する。
一応今は周囲に敵がいない……はずである。

「最近のニュースですか…
 最近は、なんとか騎士団とかいうテロリストまがいの連中が
 あちこちで騒ぎを起こしたり、或いはドラゴンが現れたりとか
 そういうふうな話はありましたけどねー…
 …少なくともニュースではその…なんとか抜きと言うのは聞いたことがない…
 気がします。」

76焔 リンネ:2016/03/30(水) 00:13:46 ID:VOn/yaUY0
―――――っ、と。と……」

丁度二人の目の前に飛び出してくる人影。
彼女の背後はただ壁であり、他に人が居る訳でもない。
なのに足元をふらつかせながら出てきたと思えば周囲を見渡し、溜息を吐いた。

暗がりの中で二人の様子を伺う素振りを見せていたが、そっと歩み寄ってきた。
だが、警戒心は未だ持ち合わせているのだろう。
暗がりから身を晒すだけで、それ以上は近づこうとせず、彼女の手にはナイフが見えた。

「ええ、と。
 一つ、質問をさせてください。ここが何処だか、わかりますか?」
姿を現したのは鶫よりも幼い少女だった。
似たデザインの制服から中等部の所属だということが解るだろう。
灰色の髪を揺らめかせ、返答を伺う。うつむき加減な顔からは朱色の瞳が覗いていた。

772:『血に濡れた涙』:2016/03/30(水) 21:55:28 ID:p1won6CY0
>>75>>76
「異能都市第三区画の路地裏……だったか。
……誰だ、あんた」

回復した体を起こし、相手を見る。
服装は前に見た真由子と同じか、歳下だな。
向こうも警戒している、解くのは任せるか。

「……危険な目に会いたくなかったら、
大通りに出ろ、今日は危ない」

ナイフを警戒しながら、周囲に探知を張る。
…何かが近づいてきている・・・?

78防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/30(水) 22:11:54 ID:EZkhChXg0
>>76-77
「ふぅ……
 この辺りは、あっちの方に行けば大通りに出られますけど…」
と言って大通りの方向の道を指差す。

「私たちはそのほうが…
 っと?」
少女の姿を確認し、軽く首を傾げた。

「えっと、あなたは…
 うちの学校の人ですか…
 この辺は危ないから離れたほうがいいと思いますが…」
と、彼女を心配そうな顔で見つめながら
声をかける。

普通の人だったらどうしようとも考えているが…

しかし
「ふー…こんな時に誰か来たらどうしましょうね…」
と言ってあたりを見回す。
鶫は流石に気配察知などは出来ないらしく、
足音から判断する他ない。

79焔 リンネ:2016/03/30(水) 22:41:43 ID:VOn/yaUY0
>>77>>78

「……ありがとうございます」
双方から回答が得られ、その二つを組み合わせれば満足たる情報になった。
実は、『歪み』に押し出されるようにしてこの場へと流れ着いたのだが、それを語るまでもなく。
少女は灰色の髪を揺さぶり一礼すると踵を返し暗がりに消えようとし―――――足を止めた。

「先に言っておきますが、私に戦闘能力はありませんので……」
観念したように溜息を付きながらさらに半回転すると二人の方へと寄って来る。
間を縫うように抜けていくと最後尾に立ち、ともに暗がりを見つめる立場となった。
「構えてください――――来ますよ」

802:『血に濡れた涙』:2016/03/31(木) 21:53:43 ID:p1won6CY0
>>79 78
リンネがそういった瞬間、雄叫びのような声とともに。
吹き飛ばされてきた、その人物は。
防人にとっては何時か見た、天沢にとっては見たくもない、リンネにとっては初めての。
――あの着物の少女だった。

「――とっ!中々しぶといな、あいつら。
もう10回はやったはずだけど、まだ死なないのか」

少女の後に現れたのは、犬のような狼のような獣。
但し、あちこちに腐食が見られ、さながらゾンビのようだ。
少女を見た天沢は、嫌な顔を見たように。

「香音…?」

小さく、少女のものと思われる名前を呼ぶ。

81防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/31(木) 22:17:29 ID:EZkhChXg0
>>79-80
「ん……えっ!?」
リンネの言葉と同時に何かが飛んで来る。
着物の少女の姿だ…

「あれ…あなたまでなんでここに…?」
そしてその前にいるのは…

「……香音さん…ですか」
と言いつつ、目の前の気味の悪い獣の姿を見る。
「また…大物が現れましたね。
 …こいつを倒さなきゃいけないんじゃないですか?」
と言って再び身構える。
両手に力を保持したまま、その獣の様子を注意深く見る

82焔 リンネ:2016/03/31(木) 23:16:28 ID:VOn/yaUY0
>>80>>81

やはり『視た』通りだ。
双方共に、彼女と面識があるようだが再開を喜ぶものではない。
特に天沢の忽然とした呟きに深い因縁を感じながら、自衛用のナイフを構える。

和平で終わらないことは感じていたし、これも視た以上確定事項。
鼻を刺す腐臭を堪えながらさらに一歩、下がる。

832:『血に濡れた涙』:2016/03/31(木) 23:51:50 ID:p1won6CY0
>>82
「ん?ああ、天沢か。
久しぶり、高校以来だっけ?悪いけど、おっと。
言いたいことは後で聞くから、取り敢えず手伝ってくれよ」
「体力があったらそうする…時間はかけられないぞ、
俺も追われてるし、怪我人がいる」

天沢の言葉に香音はふーんと、興味ないようにつぶやくと。
飛びかかってきた犬を高そうなブーツを履いた足で蹴り飛ばし。
素早くナイフを投擲し、突き刺す。
一瞬、死んだように止まるが、すぐさまナイフが抜け、立ち上がる。

「ち、やっぱり普通に殺すのは無理かな」
「リンネは下がっとけ、防人はいけるか?」

天沢は血に濡れた腹部から赤い剣を取り出すと、二人に告げた。

84防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/03/31(木) 23:56:56 ID:EZkhChXg0
>>82-83
「ふぅ…リンネさん。
 ここはおまかせを…」
と言ってぐっと拳を握りしめた。
彼女の目は闘志に溢れている。

「いけますよ。おふたりとも…
 それに、さっきの戦いで分かりましたが…」
と言ってぐっと両手のエネルギーを高める。

「こういう相手には多分…
 私の能力が有効そうですし…!」
と言って、先ほど持っていた鉄砲に力を込め
弾丸をいくつも打ち込んでいく。

85焔 リンネ:2016/04/01(金) 00:19:13 ID:SrMYpqxs0
>>83>>84

歩みだす一瞬で視えたのはここまでだ。
これ以上のことは解らないし、今すぐに視る余裕もない。
「……最低限の事はやれるつもりです」
こういう場面でも、自然と恐怖感は湧かない。
記憶を持ちながらにして戦闘スキルと度胸だけは持ち合わせていた。
その中でも尤もな教訓は「侮るなかれ」ということ。眼のお蔭もあってか強く刻み込まれていた。

しかし、ナイフを突き刺してもダメージが通った様子はない。
恐らくと言わずとも、あの狂犬には痛みを与えるだけのただの攻撃は通用しない。
以前、アイリスには隠しておけと言われたが、右手の内で灰色の炎が燻る。

862:『血に濡れた涙』:2016/04/01(金) 21:18:30 ID:p1won6CY0
>>84
2つ弾丸を受けたゾンビ犬は大きく怯むが、素早く狙いを防人に絞るように。
その胴体からまるで大蛇のような触手を生やし、襲わせていく。
触手を生やすと共に、まるで筋肉が肥大化していくように大きく、巨大になってゆく。

「おいおい…此奴何処のキメラだよ」
「悪魔の仕業だろ…!効いてるんだが、近づけるかこれ!」

刀剣を使って切断していくが切っても切っても再生している。
奴もさっきのダメージか、動かず確実にこちらの動きを止めることに注力している。
その時、苛立ちを感じたのか、香音は前に進んで。

「――ペルソナ」

青白い炎とともに、言霊を紡いだ。

87防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/01(金) 22:20:26 ID:93haM6P.0
>>85-86
「むう…
 一発でやろうと思ったんですが…」
と、敵の動きを見て首を傾げたところで…

「一体何何ですか…
 この無茶苦茶な…」
ゾンビ犬はどんどんと巨大化を開始した。
そして自分の方へ向けてヘビのように触手が伸びていく

「ち、近づくなんて流石にちょっと…」
敵はこちらに凄まじい勢いで迫ってくる。
逃げようにも逃げられず、鉄砲の弾丸も俊敏な触手の動きにかわされる。
更に触手はいくら斬られても再生を続け

バシュッ!!
「ぐっ…!!まずいっ…!」
鉄砲を構えていた鶫の両手を縛るように巻き付いてきた。
(四肢を拘束されたら…
 戦う手段が…!)
彼女の能力はあくまで物質の性質を高めるだけ。
腕力も脚力も上がるわけではないのだ。

88焔 リンネ:2016/04/01(金) 22:38:10 ID:SrMYpqxs0
>>86>>87

リンネは渦中に居ながらも安息を迎えることができていた。
香音の呼ばれた少女と青年が攻撃を仕掛け犬の動きを削ぐ。
犬は制服――確か、同じ学園の高等部の物―――の少女に狙いを絞ったかのような動きを見せる。

考えていた。
全身が腐敗を始めている割には知能を持つ生物。
今はじっくりと耐え、巨大化と回復に掛ける時間を稼いでいるのだろう。
銃弾を撃ち込んでも、刀剣を突き刺しても再生する相手に対抗するには……。

「犬に舐められるのは、愛情表現の方だけにしてほしいな……」
危険度が低いと判断されたからか、リンネに及ぶ攻撃は無い。
それが読み取れると身体が落ち着き、思考が冴えていく。
鶫の元へ走り寄ると拘束する触手に掴みかかり、手元で燻る灰で炙り、ナイフで裂く。
その一方で、目を閉じ瞼の裏の未來へと意識を馳せていた……次は――――『視える』。

892:『血に濡れた涙』:2016/04/02(土) 23:15:33 ID:p1won6CY0
>>88
「――ムサシ、とっとと切れ」

青白い炎とともに、周囲の触手を次々に切り裂く。
動きを読みきっているように、二天一流の技は冴え渡る。
天沢を置いていくようにゆっくりと迫っていく。
その雰囲気はこいつに時間をかけていられないとでも言いたげであった。

「香音!」
「うるさいな、解ってるよ。
どうせ切っても死なないし、内から爆発させなきゃならないんだろ。
オレじゃな出来無いっていうのはわかるさ、だから前に出てるんだろ」

見れば、目前の脅威に対応するためかほぼすべての触手が向かっている。
だが、防人を離そうとしないのはそれが自身を殺すとわかっているからだろう。
しかし――誰かがこの出来過ぎた状況に、違和感を感じるだろうか?

90防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/02(土) 23:36:30 ID:.LY5OmZY0
>>88-89
「うっ……!あっ…っと!」
ナイフで触手を切り裂かれたことによって
ひとまずは両手は自由になったが…

「うう…ありがとうございま…
 って…!」
今度は数で押すかのように触手が彼女に殺到する。
これでは対応しきれない…!

「嫌ですよもぅ!!
 私は触手に好かれたくはないです!」
自分が一番の脅威だと思われてるんだろうか?
と思ったが、それ以上のことを考える暇などない。
ひとまず避けようと一気に足を踏み込もうとするが

「あっ…痛っ…!」
急な動きに対応しきれないのだろうか。
背中の傷が急に痛み、動きが鈍る

「…こっ…のぉ!」
それでも敵に向けて力を込めた弾丸を放つ。
程なく触手は鶫を捕縛してしまいそうだ。

91焔 リンネ:2016/04/03(日) 00:17:27 ID:SrMYpqxs0
>>89>>90

鶫に伸びる触手の量が増していく。
一つ掴み切り裂いて、また一つと繰り返していくが増える速度を超すことができない。
……ただ、リンネは刃を振るう内に疑問を浮かべた。

余りにも他がノーマークすぎる。
リンネ自身はともかく、前線の二人さえも無視しているのは疑問だ。
犬の思考回路がそれまでと言えばそれまでなのだろうが、何かが気にかかる。
「罠、か……? 最悪の場合は……」
この身を犠牲にしてでも視る。
何度破壊されても蘇る力がこの時ばかりは後押しする要因になった。
周囲の視界をシャットダウンして、脳裏に意識を集中させる。
犬がこのままリンネを捉えないのであれば、未来を視、この状況を声に出し伝えるだろう。

922:『血に濡れた涙』:2016/04/03(日) 19:48:43 ID:p1won6CY0
>>91
夜に血塗れの鎧が光る。
明らかに異質で異常な、存在そのものにズレすら感じるもの。
2mはあろうと言う巨体が彼らの背後に迫っていた。
歩幅はゆるく、一歩一歩ゆっくりと。

「血液武装、刀剣投射――!」

防人に襲いかかる触手を血から生成した刀剣が切り裂く。
精神の疲労はあるが、肉体は十全に動くのは幸運だったのだろう。
素早く触手と弾丸のルート状の障害物を排除していた。
だが相手はそれでも対処する。

咆哮とともに弾丸は触手の壁に阻まれる。
しかし受けた事自体が失敗か、受けた触手の数本がエネルギーを受けてか。
『砂』に変じていった。

「やっぱり内側からしか効果はないってことか。
矢野達もよくこんなの相手にしてるよ」

香音は軽業師のように壁を蹴りながら迫る触手をナイフとペルソナを持って断つ。
疲労を感じていないように動きの速度が変わっていない。
その姿は華奢な少女のような姿には似つかわしくなかった。

93防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/03(日) 20:38:12 ID:.LY5OmZY0
>>91-92
「うっと……流石に今のはまずかったですね…
 でも…」
少女の放つ血液の刃がどうにか拘束されずに済んでいる。
敵の本体が見えてきた気がする。

「一瞬のすきを突いてみるしかないですね…」
今度は一気に力を溜め込み始める…
一気に本体である巨剣に向けての一撃を放とうとしているようだ。

「皆さん……!もう少しだけお願いします!
 ……ここで一気に破壊力を高めます!」
彼女の持っていた鉄砲に一気に力が集まり始める。
次で決めるつもりで居るようだ。

94焔 リンネ:2016/04/03(日) 22:32:54 ID:SrMYpqxs0
>>92

こちらへと延びる触手の数が減ってきていた。
気づけば、血濡れの鎧武者が刃を振り回し鶫へのルートを阻んでいた。

「砂……」
腐食したまま動き回るのもそうだが、切れた触手が砂に変貌するのも疑問だった。
その一方で、前衛の彼らは何かを知っているらしく。
「わかりました。手伝いましょう」
口の端を歪める直前で、鶫の声に振り返った。
彼女のガードを務めながらもう少しだけ様子を見ておこうと。

952:『血に濡れた涙』:2016/04/05(火) 22:44:54 ID:p1won6CY0
>>93 94
戦う防人たちの遠い後ろ。
月夜に照らされた何かが迫っていた。
ゆっくりと、確実に歩を進めて。

「お前いつの間に俺の能力を…!」
「コピーとパクリはオレの得意技だぜ?
ま、お前ほど上手くないよ。応用はさっぱりだし」

と、次の瞬間。
ゾンビ犬はいきなり駆け出す、それを押しとどめるは血塗れの鬼武者、ムサシ。
しかし距離を詰められ、防人に触手が迫っていく!
何よりリンネにあたっては不味い!香音はそう考えカバーに回ろうとするが――!

「Set――!血液防御、血の壁だッ!!!」

ぐちゃりと言う音共に血液が撒き散らされ忽ち壁のように立ちふさがる。
触手は壁を突き抜けるが、抜けた途端に血に絡め取られるように止められてしまう。
天沢がいつの間にかリンネ達の前に立ちふさがり、手を真っ赤に染めていた。
灰色のパーカーも血で濡れているように見え、大怪我を追っているように錯覚してしまう。

96防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/07(木) 20:38:06 ID:RG4c/hWA0
>>94-95
「…ん、誰か居る……んでしょうか?」
と思って辺りを見回すと…
新たな侵入者が!?

「あなたは一体……っと!?
 あぶなっ…」
すぐさま触手はまた自分へと迫っていく。
だが突然目の前に血液の壁が現れ…


「……んー……
 と、止まりましたけど…
 一体何をしたんですか?」
突然のことで目を白黒させている鶫。
…天沢が大怪我を負っている…様に見えるのを見て


「ちょっ……大丈夫ですか!?
 あなたは下がったほうが……」
と、心配して駆け寄って行く

97焔 リンネ:2016/04/07(木) 23:06:56 ID:SrMYpqxs0
>>95>>96

何かが来る。
数秒後の未来がリンネの脳裏に浮かび上がっていた。

凝固した血液の壁。
食い止められる触手。
そして、血濡れの天沢。

「あなたは……っ!」
実際に見えた光景に目を見開き、灰色の炎を手に新手へと目を移す。
しかし、遅れて見えてきた数秒前の未来に、リンネの血は急速に冷めて行く。
「血を、被っただけですか」
新手に敵意が無いことも悟ると口調は落ち着き、灰色の炎もゆっくりと収まっていく……。

982:『血に濡れた涙』:2016/04/07(木) 23:17:08 ID:p1won6CY0
>>97
「…犬じゃあ不足か。
まあ、良いね……あの人達のはまた何れ、貰うことにしよう」

遠くから迫っていた影は小さく呟くと、闇に姿を消す。
呟きは彼らには聞こえず、残されたのは残したゾンビ犬のみ。

「だが、まあ――最後くらい、報いをあげようか」

――――――――――


「被ったんじゃねえよ、正真正銘、俺の血だ。
悪いが俺は自分が触れた血液しか制御はできないんでね」

血に濡れたまま天沢はつぶやく。
ゾンビ犬から目を離さず、息を荒くして。
その横に香音が飛び下がってきた。

「やっぱアイツ、斬るじゃダメだな。
オレの苦手な相手だ」
「……決め手はやっぱ防人か、やれるか?」

そう、天沢は聞く。
短い間しかいないが、彼の眼は信頼に満ちていた。

99防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/08(金) 19:33:42 ID:RG4c/hWA0
>>97-98
「…ん……誰かいたような気がしますね…
 一体何が……」
と、何かが現れたような、そんな気配を感じたが…
どうも今はそれどころではなさそうだ。


「流石にやばいんじゃ……
 そんなたくさんの血液を使ったら…」
彼が貧血になるんじゃないかと思いながら、
しかしそれでもゾンビ犬はこちらを狙ってくるようだ。

「…分かりました。
 まぁ、今一番有効なのは私のしかなさそうですし…」
と言って彼女は一気に鉄砲へと力を込めた。
防御のために制服にまとわせていた分も解除し、
急速に力が高まる。

「触手じゃなく…
 あの犬そのものを撃ち抜けば仕留められるでしょう!
 本体を一直線で狙えば、一撃でいけます!」
と言って…ゾンビ犬に狙いを定める。

「皆さん……!
 あとは触手を払って下さい!
 …これで……!」
じっとゾンビ犬の身体そのものを狙い……

「おしまいに!!」
引き金を引いた。
鉄砲からはすさまじい破壊力の
光をまとった弾丸が射出される!

100焔 リンネ:2016/04/10(日) 00:19:15 ID:SrMYpqxs0
>>98>>99

燻る灰色の焔を見つめる。
一度注意を受けたのに、湧き上がる感情に乗せられ無意識に発現させてしまった。
血の壁の内側に居られるおかげか、冷静になった頭で溜息を吐いた。
「私の命は……」

見渡せば、防人と呼ばれた先輩が何かの準備をしているようだった。
全容までは知らないが、それで蹴りをつけるつもりだろうことを推測すると、傍観に回ることにした……。

1012:『血に濡れた涙』:2016/04/11(月) 21:41:46 ID:p1won6CY0
>>99-100
銃弾を受けたゾンビ犬は一瞬身を震わせると、
徐々に各部が砂に変わっていく。
天沢はそれを見届けている、警戒しながら。
一方香音は興味をなくしたようにペルソナを収め、壁に刺さった短刀を抜く。

「…これで、終わり、か?」

天沢は静かにつぶやきながら、違和感がしていた。

102防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/12(火) 15:52:46 ID:1ooJISTE0
>>100-101
「っと……ふう……」
銃弾がまともに命中して…
 どうやら……ゾンビ犬は今度こそ完全に撃破した……
んだろう、恐らく…

「いやー…これで終わり…でしょう?
 疲れましたし…
 ようやく終わりってカンジ……ですね。」
ふう、と溜息をついて額の汗を拭う

「うーむ…
 これ以上ここにいても危なそう……なきがしますけど…
 また事務所にお世話になっても…」
彼女は、疲れのせいなのか違和感を感じないでいる。
普段なら感じることが出来たかもしれないが…

103焔 リンネ:2016/04/12(火) 22:36:44 ID:SrMYpqxs0
>>101>>102

鶫の放った銃弾が命中し、粉々に砕け散る犬。
あれだけ強固だった割にその終わりはかなり、あっけない気がした。

「……」
まぁ、自分はただの通りすがりだ。
奇妙な体験が一つ、増えただけだと思うことにする。
闘いの緊張で張った身体を伸ばす少女は、既に帰宅時間の方が気になっていた。

1042:『血に濡れた涙』:2016/04/12(火) 23:03:34 ID:p1won6CY0
>>102-103
「――ッ!ロキィッ!」

違和感の正体が解った、これは。
抜き取るための――ッ!!
とんでもない最後っ屁を仕掛けてきやがった!!

防人に迫る魔手をロキは凍らせていくが、
間に合うだろうか、何より――まさかもう手遅れだというのか

//けっかはおまかせ

105防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/12(火) 23:53:28 ID:5lsL1n/w0
>>103-104
「……ん…?
 一体何が……」
と、ゾンビ犬……らしきものはこちらに向けて何かを仕掛けて来たらしい。
凍りついたおかげでその魔手が僅かに見え

「危ないっ……!」
回避しようと右へ…しかし

「……っ…!」
僅かにその魔手は右胸をえぐって、
能力を少しずつだけ抜いていく。

「っ…うっ…!」
急に力が抜けた感覚を覚えた鶫は、
足がもつれて倒れ込みそうだ。
速やかに魔手を留めることしか、能力を守る方法はないが…
しかし、力が抜けてしまう…

//誰かに奪われる…

106焔 リンネ:2016/04/13(水) 00:43:11 ID:SrMYpqxs0
>>104>>105

「……ッ!!」
何が起こったのか理解できないでいた。
ただ、最後の最後で、何故『視る』ことをしなかったのか、それを悔いるので精一杯だった。

突然の冷気―――彼が呼び出した、ムサシと呼ばれた鎧武者と同等の物なのだろう―――に覆われて正体不明の力が輪郭を露わにする。
その手に捕まれた鶫に外相は見えないが、急に衰え、身体が振れる。
思わず駆け寄り、地面に落ちるよりも早く抱き留める。そしてゆっくりと身体を伸ばす。
彼女から何かを吸い取り続ける腕から守る方法は――――ある。
灰色の炎を使い、鶫の時間を戻せば、何が起こっているのかを知る必要もなくすべて元通りになる

筈。
――――もう人に能力を話さないほうが良い。
嘗て世話になった賢人の忠告が残る。

何も、できないでいた。

1072:『血に濡れた涙』:2016/04/13(水) 22:22:44 ID:p1won6CY0
>>105
「やられた…!おいかの――」

振り向くと香音はもうすでに居なかった。
…恐らくさっきのを見て位置の予測を立て、飛んでいったか。
無鉄砲というか、勝手というか…。

「防人!防人!
俺は見えるか、腕は動くか!
落ち着いて自分の体をゆっくり動かせ!
意識をハッキリ保て!身を任せると『連れて行かれるぞ』!」

必死に、駆け寄って抱きかかえて呼びかける。
必要なら手を出す必要もあるだろう。
最悪ならば――無理矢理にでも無意識の扉を『開ける』事も。

この場で全てを無くすよりもきっと――。

108防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/14(木) 16:48:55 ID:UMfFsOZ20
>>106-107
「あっ……ぐっ……
 はっ……」
抱きかかえられた鶫の目は虚ろになっている。

「う…うう…あま…さわ……さ…
 い、今なにが……
 あっ…うっ……」
彼女は見当違いの場所へ手を伸ばす。
意識が危なくなっているのだろうか

「はぁ…今…
 なにが起きて…
 いや…それより…
 今私はどうなって…
 力が…でない…すごく…寒い…んです…
 あっ…」
どうにか意識を保っているが、
力を抜き取られた影響なのか
まるで力を出せない。凍えるかのように身体が震えている。
このままでは意識を手放しかねない状況だ。

1092:『血に濡れた涙』:2016/04/15(金) 23:01:45 ID:p1won6CY0
>>108
手を握って呼びかける。
だが顔色は悪くなる一方だ、このままでは持っていかれる――。
彼女にとってこれが正しいのか、それはわからない。
だが今彼女の欠けた何かを補えるとするならば。

それは彼女の『自分』にしか成し得ない――。

「防人!
一つだけ聞くから意識を俺に向けてよく聞け。
――お前は悪魔から魂を奪い取る勇気はあるか?」

呼びかけるのは耳ではなく心へ。
顔を近づけ目をまっすぐに見る。

110防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/15(金) 23:14:10 ID:UMfFsOZ20
>>109
「……う……そこにいる…んですか……?
 何を行ってるんで……す?」
うつろな目をしながら握り返す手は弱々しい。
どうにか意識を保っている状態だ…
更に彼の声が遠くに聞こえてくる…
まるで海の底に落ちるかのような。

しかし…
彼が問いかける言葉だけははっきりと聞こえた

「あ…くま…?
 …たましい………」
その言葉に奥底に沈んだ意識が戻り始める。

「わ…たし……は……」
天沢が握っていた手が少しだけ強くなる

「…まもらなきゃ………
 その…ためなら……わたしは……

  あくまなんかに……
   まけたく……ない……!」
か細く、しかしはっきりと彼女は答えた。
負けたくないという思いがにじみ出てくる

1112:『血に濡れた涙』:2016/04/17(日) 08:39:53 ID:p1won6CY0
>>110
――それは心を開き
――――それは心を武器とし
―――――――それは心を削り
―――――――――己が心を護る。

「解った、チャンスはくれてやる。
後は、お前しだいだ」

心なしか、ロキが笑った気がした。
防人も自分のおもちゃにする気なのだろうか。
だがそれでも、この子はきっと大丈夫だと信じるしか無い――。

答えとともに青白い炎が天沢から防人へと移っていく。

「…リンネ、ここから動くぞ。
リンネは逃げるアテはあるか?」

防人を抱き上げながら立って、聞く。

――――――――――――――――

防人の心の奥。
黒洞々とした闇が広がる心の深淵。
防人しか認知できない場所に『余所者』が立っている。
顔は見えない、だが、話しかけるのを待っている。

112防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/17(日) 20:22:24 ID:P7sVSCJo0
>>111
「……チャン………す…?」
彼の言葉を聞いて、意識は確かにはっきりした…と思った。

…やがて、その意識は奥底に入り込んでいく…



――――――――――――――――

…そこは鶫の心の奥底。
光も刺さない真っ黒な闇の中
深淵。


「……?」
ふと、そこで鶫は意識を取り戻した。
「ここは…
 あの、おふたりとも、
 どこに行ったんですかー?」
声は闇の中へ消えていく。

「何でしょうここは……すごく寒いです…」
肌寒いという感覚を覚える。
これは仄暗い深遠であるからなのか…

「あ…あれ?」
しかし、しばらく辺りを見回していた彼女の近くに
『誰か』がいる。

「あの…すいません。
 いま私は…どこに居るんでしょう?」
事態をよく飲み込めていない鶫は、そこにいた人物へ声をかけた。


何気なしにその人物へと声をかける。

113焔 リンネ:2016/04/18(月) 22:42:45 ID:SrMYpqxs0
>>111

肩を落とす少女。
それだけでなく、全身の力を抜いてしまっていた。
「私は……」
膝に乗せていた鶫を抱き上げられても、顔が上を向くことは無い。

この力は、何のために。どうして。誰のために。

――――もう人に能力を話さないほうが良い。

もう一度、脳裏に言葉が響く。
言いつけを守って、口を閉じて、灰色の炎を封じ込めた。
力を知られることが怖かった。何のために、この力を持っているのかが理解できなかった。
死の淵に追いやられた鶫を見て、可能性にも掛け無かった瞬間。少女は気付いてしまった。

それこそ、何のために。

「……大丈夫です、帰れます」

目を瞑っている間、ぼんやりと浮かんだビジョンを頼りに、路地裏の闇に紛れていく……。

1142:『血に濡れた涙』:2016/04/19(火) 23:29:14 ID:p1won6CY0
>>112 113
「解った、気をつけろよ…」

リンネが消えた先を見る。
…気のせいか、意図的に彼女を避けていなかったか?
彼女は一般人だと思っていたが、俺は勘違いをしているのかもしれない――。

「…今はそれより、逃げないと、な…。
くそっ、あの音は追手か。悪いな防人、ちょっと揺れるぞ…!」

背中に背負って、俺は走る。

――――――――
影は声を聞くと、ゆっくりと歩み寄ってきて。
顔を見れば、まるでデスマスクを半分にしたような奇妙な仮面をつけていた。
感情や人間性を感じない顔、しろすぎる肌。
だが、ここではそれが自然にすら思えるほど、調和が取れていた。

「ここは人の心の深淵。
虚無の向こう側、或いは始まりの闇。
――そして、答えを求める愚者たちが訪れる場所」

平坦な、しかしよく通る声がそう告げる。
よく見れば男の格好は、インバネスコートを着たようなふうに見える。
しかし、服装は服というよりも、何かが寄生しているようにも見える。

「問おう、愚者よ――」

黒い男は双眸をまっすぐに防人に向けて。

「――――お前は、何者だ?」

問を投げかけた。

115防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/20(水) 00:21:12 ID:P7sVSCJo0
>>114
鶫の意識は失われているようだ。
彼の狙い通りならば奥底にまで入りこんだのだろう。
後は鶫次第となるかもしれない。

――――――――
「……妙な格好をしていますね。」

その男は奇妙な風体をしているが、
しかしながらこの闇のような世界では似つかわしいものである。
そして、彼が言うには…。

「心の深淵…?
 …虚無…?
 あの世ではない…みたいですね」
嫌な汗が鶫から滲み始める。
段々と何があったのかをはっきりと思い出し始めたのだ。

「…そうだった…
 たしかあの時私は…
 急に何かの攻撃を受けて…。っ!?」
不意にあの時の寒気が蘇ってくる。

「愚者…と言われるのは心外ですが…
 まぁ、自己紹介は…大事ですからね」
額の汗を拭い答える。

「…私は防人鶫…千夜学園の高等部1年…
 今は学生寮ぐらしで、病院に入院中の姉がいて…
 一人暮らし…です。」
と言って手のひらを見る。

「……他に何か聞きたいことがあれば…」

1162:『血に濡れた涙』:2016/04/20(水) 01:04:48 ID:p1won6CY0
>>115
「いや、結構。
――どうやら予定外の来訪者のようだ。
だがたしかに君にはここに訪れた資格がある」

少し考えこむように黙りこむと。
再び双眸は防人を見つる、その雰囲気は先程の不明確さとは違う。
なにか大きな、人の原型意識のような。大きなモノを感じさせる。
人一人では圧倒的にもサイズが違う、形が違う。
そして何かを感じたのか。

「そうか、君は答えに至った少年の導きを受けたか」

そう呟くと、片手を差し出し、広げる。
そこにはカードが一枚。然し、何の絵柄も書かれてはいなかった。

117防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/20(水) 21:40:24 ID:P7sVSCJo0
>>116
「……資格…ですか?」
未だに状況が飲み込めない。
だが、何となく分かることは…

「……あなたは何か……
 不思議な人…だってのはわかりますけど…
 いや…人なのか……どうか」
妙な顔をしながら目の前にいる人をじっと見る。
そして…

「少年ってのは…あの、天沢さんのことを言ってるんですか?
 …導き…というのはよくわからないですけど、たしか…」
そう言って軽く虚空を見上げる。

「あの人が何かしたあとでここに来たのは間違いない…です。」
改めて目の前の人に顔を向ければ、そこには何も書かれていないカードが

「…このカードは…一体何なのでしょうか…?」

1182:『血に濡れた涙』:2016/04/20(水) 22:15:33 ID:p1won6CY0
>>117
「君が人と思えば人なのだろう。
そういうものだ、ワタシは」

虚空を見上げる防人を見ながら。
変らず平坦に。

「そうだ、理想や夢…思い込み、一筋の光に縋り、
影を受け入れ克服したと思うことで逃げることをせず、
『夢物語に逃げず無常な世界と向き合ったうえで、
なおこの世界を愛し、戦って生き続けることが出来るか――』
それに答えを示し――再び0から旅路を始めたもの。
世界に至り、愚者へと進んだ者」

差し出したカードを問う声に、
男は少し、感情が入ったような声で。

「それはアルカナを示す22枚のカードの一枚。
防人鶫、君のアルカナの旅路が何処から始まったのかを示す物。
そして……人間が誰しも持っている力の象徴。」

119防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/20(水) 22:56:08 ID:P7sVSCJo0
>>118
「まぁ…
 じゃあ人…ということで」
相変わらず良くわからなそうな顔で答える。
とはいえ、彼?の言葉は不思議とするすると入ってくる。

「……
 ……なるほど…
 ……あの人は、
 世界を救った人……ですかねー。」
ひとまず、天沢裕太のことを思い出し、
改めて関心しているようだ。

「アルカナ?……
 たしかそれってタロットカードの…
 マジシャンとか…ワールドとか…
 アレのことですか?…旅路…?
 …アルカナは、人生そのもの…ってことですか?」

鶫も、タロットカードの話はかじった程度にはしっているが、
深い意味まで知ってはいない。
一体どんな話なのか…と、より一層その差し出したカードに視線を注ぐ。

「…何か、書いてあると………?」

1202:『血に濡れた涙』:2016/04/20(水) 23:14:50 ID:p1won6CY0
>>119
「だが、名乗らないのも失礼だろう。
ワタシはそう、クエスチョンとでも名乗ろうか」

クエスチョン――そう名乗った男は差し出したカードをさして。

「そう、タロットが示す22のアルカナ。
それは0から始まった人間が登るセフィロトの樹。
死すらも乗り越え、やがて世界へと至る高みへと登る道。
人の集合的原型意識を元とする力のカタチ。」

受け取り給え、と言うように。
手元へと腕を伸ばす。

「そこに描かれるのは君の旅路。
だが旅路は進むもの、それに縛られることなかれ」

不意にカードが輝くと、そこに絵が描かれていく――。

//アルカナはお任せ

121防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/20(水) 23:21:05 ID:P7sVSCJo0
>>120
「クエスチョン…ですか。
 なるほど…ひとまずよろしくお願いします。」
と言ってうなずき、

「………即ち、人そのもの、ですか」
アルカナの深い意味を知り、どこか覚悟をするような目をする。

「私の旅路…
 それは一体…」
手にとった無地のカードが、絵を描き出す。

それは、誰かが吊るされたような姿の絵となっている。
まるで自分が逆さ吊りにされたかのような絵である。

「えーっとこれは…」
これが意味するのは、12番目のアルカナ
それが彼女の旅路であり、力の片鱗ということだろう

1222:『血に濡れた涙』:2016/04/21(木) 00:05:46 ID:p1won6CY0
>>121
「そう、ヒューマニズム。
人間であるということ、人間にして人間の次へと進むこと。
即ち『超人』へといたる道筋をアルカナは示す。
だが多くの人間にとってそれはいずれ外れる道となる。
影との戦いを立ち止まり、やがて背を向けていく――安易な安らぎと、目を背けたい現実に因って。」

そう語る男の瞳はそれでも人間は高みへ進むだろう、と。
まるで断定するような眼をしていた。
逆境においてもなおも輝きを消さぬものがいる限り、人間は進み続けると。

「12番、刑死者。
忍耐、試練、或いは犠牲。
過去と向き合う事、耐え難き苦痛を耐えぬく事。
――苦痛を伴おうとも、世界を見つめ目を背けない意志を持つ。
失った何かと正しく向き合うことは、それの本質を見極める上で重要となるだろう。
そして、そのアルカナと君の心が繋がる、それがペルソナとなる」

カードは輝き、やがて円となり炎となり。
防人を包み込むように燃え上がる。
防人の目の前に現れた、人でない何か。
顔に当たる部分には仮面のような意匠が付けられている。
それは防人を見つめると。

「――――」

防人にしか理解できないような声で、名乗った。

//ペルソナもお任せ

123防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/21(木) 00:30:16 ID:P7sVSCJo0
>>122
「超人へと…至る……」
彼の言葉を聞いて、頷いた。
道を踏み外せばどうなるか…
それはなんとなく察することが出来る。

…そして彼女を指す言葉、それは
忍耐、試練、犠牲…
彼女はその身に傷を負い、それによって自信の能力が高まっていく。
まさしくそれは忍耐であり、苦痛を伴う試練であり、
そして痛みという犠牲と引き換えに強くなる力なのだ。

「そう……それが私…
 そして……」

彼女はゆっくりと顔を上げる。

我は汝、汝は我――

    我は汝の心の海より出でしもの――

       火を齎す者

        プロメテウス――

炎に包まれ、激しく腹部――肝臓に位置する場所にエネルギーが流動する
そのような姿が浮かぶ。

「っ…!
 くっ……」
同時に彼女の同様の部分もまるで烈火のように熱くなり始める。
苦しげな顔を浮かべながらも、じっとそれを見つめる。

1242:『血に濡れた涙』:2016/04/22(金) 22:09:19 ID:p1won6CY0
>>123
「かの少年は何度も倒れ、裏切られ、
そしてやり直しを選ぶ機会を与えられた。
だがそれでも、受け入れて先へ進み続けた――
アルカナを通じ、未来という高みを、人間の絆を信じて。」

クエスチョンが語るとともに、プロメテウスは。
その口を開く。

「我は何時の心の海より生じたもの――。
汝を慈しみ、知恵を与えることこそ我が役目。
我が授けし炎は力に屈せぬ不屈の魂と心得よ!」

高らかにプロメテウスはその見の炎を燃え上がらせ告げる。
ふと輝くと、その身は再び防人の手元のカードとなる。

そこには、刑死者を示す文字とともに。
『神の焔を授けし者 プロメテウス』と、
名前とともに姿が描かれている。

125防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/23(土) 00:00:57 ID:P7sVSCJo0
>>124
「人の絆……未来……
 …どんな、事があったのかまではわからなくとも…
 それが……!」
クエスチョンの語る言葉を聞いて、
彼女はゆっくりと顔を上げる。
その身体の中で燃え上がる炎をぐっとこらえ…

「私の力…そして魂……
 私があなたで……あなたが……私……!」
そう言って大きくうなずいた。

「私の力となって……!!」
そう言うとともに、
手元のカードへと、その姿は変わっていった。
…新たな力…プロメテウス…

「新しい力が…私の中に……」
いつの間にか焼きつくしそうなほどの体のうちの炎は治まって、
その手の中に僅かな熱を帯びたカードが残るのみとなっていた。

1262:『血に濡れた涙』:2016/04/23(土) 21:46:58 ID:p1won6CY0
>>125
「さて、ではお別れの時間だ。
最後に聞きたいことがあれば聞くと良い。」

クエスチョンはその様子を見ながら、告げる。

127防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/23(土) 22:16:52 ID:P7sVSCJo0
>>126
「お別れ…
 そういえば、元の場所に戻るにはどうしたらいいんでしょう……」
ふと、心配そうな顔であたりを見回す。

「…質問ですか…
 まぁ、発動の仕方くらいは…聞いてもいいでしょうかね?」

1282:『血に濡れた涙』:2016/04/23(土) 23:00:33 ID:p1won6CY0
>>127
「時期になれば戻される。
ああそうだ、渡すものがあったか」

クエスチョンは手を開くと、不思議な蝶のような鍵が現れ。
ゆっくりと防人へ向かっていく。

「それは月の蝶の鍵だ。
何れ必要になる時が来るだろう、持っておくがいい。
その力の使い方も、使わなければならなくなれば自ずと見えるだろう」

129防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/23(土) 23:14:48 ID:P7sVSCJo0
>>128
「つまりこのままにしてれば戻れるわけですねー…
 わかりました…っと?」
どうやら彼女はひと安心したようだ…
直後、蝶のような鍵が現れ、自分の方に来る。

「…これは…おしゃれな鍵ですけど…
 一体どんなふうに使うんでしょうね…」
とりあえずその鍵を手に取り、首を傾げる。
じっとそれを見た後で

「いつか、使う日が来る…ですか。
 …分かりました。まぁ…
 その時が来たら、頑張って使ってみます」
と言ってうなずいた。

「…ひとまず、「敵」と戦わなきゃいけないって感じですし…
 前向きに考えて行きます。」
両手をぐっと握り、ちょっと決心したかのように答える

1302:『血に濡れた涙』:2016/04/25(月) 22:07:59 ID:p1won6CY0
>>129
「次にあうときはきっと私ではないだろうが、
忘れるな、旅とは歩み続けるものだ。今よりも明日へ――」

言葉の途中で、まるで吸い込まれるようにクエスチョンから防人は離されていく。
その姿を、遠くからよく見れば――。
まるで、天沢と瓜二つのように感じるほど、姿が似ていた――。

――――――――――――
「映司!悪い、この子頼む!」
「ハァ!?またかお前!いいけどお前どうすんだ!
いたるところでお前探して公安局走り回ってるぞ!」
「だから俺は今からまた逃げるんだよ!
奴の尻尾は掴んだ、後は見つけてケリつけるだけだ!」

ソファに防人を寝かすと、素早く身を翻して。
その場から立ち去ろうとしている。

131防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/25(月) 22:25:14 ID:fiIg3ak20
>>130
「…分かりました…
 えっと…ふむ」
彼の言葉をしっかりと噛みしめる。

「今よりも明日…ですか…
 確かに、今よりも明日が良き日であることが…
 人間にとって一番大切なことですね」
同意するかのように一人頷く。そして…

「…あの人は一体……まるで…
 あの人のような」
と、不思議そうな顔で首を傾げた…

「…ん?」
ふと顔を上げると…
外から何か声が聞こえてきたような気がした

――――――――――――――――

「………ん……」
先程まで意識を失っていた鶫は、
少し動きを見せる。

1322:『血に濡れた涙』:2016/04/25(月) 22:32:30 ID:p1won6CY0
>>131
「とにかく、その子は『目覚めた』ばっかりなんだ。
もしかしたらしばらくおきないかもしれない」
「それは分かる、だけどな……お前このこの了承は取ったのか?」
「……あの場では仕方がなかったんだ」

なにやら二人の男性がいいあいしている。
どうやら防人に関わることのようだ。

133防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/25(月) 22:48:49 ID:fiIg3ak20
>>132
「………………………」
意識が混濁していて身体が少し思うように動かない。
しかし、それでも声ははっきりと聞こえて、
二人の男性の声が交差する。

(あ…………ここ…は…)
どこか見たことがある天井を眺めながら、納得する。
自分はまた、ここに来ることになったのだろうと。

(何の…話をしてるん……だろう)
と、意識を会話に集中させる。
意識を失う前に感じていた冷たさは今はあまり感じられない。
同時に、自分の心の奥底に、温かい力を感じた。

1342:『血に濡れた涙』:2016/04/25(月) 23:04:23 ID:p1won6CY0
>>133
「お前、ペルソナが扱いを間違えたら、
心を破壊するものだって、解ってるだろ!」
「解ってるよ!俺が一番良く知ってるさ。
でも大丈夫だ、あの子はペルソナに負けない…!」

天沢は映二にはっきりと言い切っていた。
短い間しかいなかったが、彼女の痛みに耐える強さを信じきっている眼だった。

「……はー…どうして俺の周りにはこういう奴が多いんだ…」

映二は頭を抱えながら言うと、頬を叩いて。
覚悟を決めたように。

「解った、この子は任せろ。
起きてからも無茶はさせない」
「すまない!助かる!」

そう言うと、防人の方へ天沢は駆け寄る。

135防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/25(月) 23:11:50 ID:fiIg3ak20
>>134
(扱いを間違えたら…危ない…)
彼らの話を聞く限りでは
どうやら危ない力…ということらしい。

(…しょうがない…
 これも…私の不注意が原因……)
だからといって彼を責める気などさらさら無い。
自分はそれを受け入れた。
後はどう向き合うかなのだと感じた。

(……こっちに…きた…)
声を出そうとするが…
「ん…う……」
まるで寝言のようにはっきりと声を出せなかった。
意識を取り戻したばかりだからなのだろうか。

「う……」
…体を動かすのもまだ億劫な感じがする…
それでも、周りから見れば、意識があるように見えるかもしれない。

1362:『血に濡れた涙』:2016/04/26(火) 22:07:28 ID:iCQU7WVA0
>>135
防人に耳打ちにするように静かに。
耳元で天沢は話しかける。

「鶫。
ペルソナの力に惑わされるな。
お前はお前のために、護りたいものを護り、
自分が出来ることをやればいい。
――じゃ!映二!頼むな!」
「へいへい…さっさといけよ、ルディアが帰ってくる」

映二はパーマがかった髪をかきあげると。
気合を入れるように頬を叩いた。
天沢も、窓を開き隣のビルへと飛び移っていった――。

137防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/26(火) 23:07:09 ID:fiIg3ak20
>>136
(……自分ができることですか……)
心の中でそう答えると

「……ん……」
僅かにうなずいて答える。
そろそろ体を動かせる所まで来たかもしれない…と思う。

「…うう…」
段々と身体の重さが消えていく感じがした。
そろそろ動ける…だろうか

1382:『血に濡れた涙』:2016/04/26(火) 23:54:22 ID:p1won6CY0
>>137
「起きたか。しばらく動かないほうがいいぞ。
体はだるいし気持ちは沈んでるし、何より疲れたろ」

映二はそう言うと、立ち上がってキッチンへ歩いて行く。
包丁の音や火をかける音がする。
料理をしているようだ。

「まあ、しばらく休め。
明日になれば体も満足に動く」

139防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/04/27(水) 00:17:21 ID:fiIg3ak20
>>138
「あー…ん……起きました……」
まだ彼女の声は気だるい雰囲気だ。
疲れが大きそうだ。

「そう………ですね…
 今日は………満足には…無理です……」
ソファに座り込んだまま空を見上げる。

「またしても……すいません……
 お世話になって…しまいまして……」
それは単なる疲れではない、と鶫は感じていた。

(力が……だいぶ奪われた……)
そう考えると、彼女は改めてため息を付いた。

「…これからどうするか…明日考えます……」

1402:『血に濡れた涙』:2016/05/01(日) 11:34:00 ID:p1won6CY0
>>139
「おう、寝とけ寝とけ。
もうすぐ帰ってくる奴の言うことは聞いとけよ。
俺は少し出るんでな」

そう言うと、帽子をかぶりコートを羽織って。
扉を開けて出て行った。

間も無く、防人は自分の力と向き合うことになるだろう。
もっとも恐ろしいか、それとも最も手強いカタチで――。

//了
ありがとうございました

141防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2016/05/01(日) 23:29:24 ID:zRcK1b2o0
>>140
「わかりました……
 あなたも…お気をつけ……て」
そう言って彼の背中を見送ると、
疲れたように目を閉じた。

彼女がこれから向き合う己の力…
それは希望なのか破滅への道なのか…
それは彼女次第である。

//どうもありがとうございました〜。
//今後も期待していきます。

142にじ ◆6xc12amlNk:2016/05/08(日) 22:01:26 ID:qgZ7ENks0
>>65
「そうか!そうかそうかそうか!!君はまだ生きていたいか!ゼオラもまだ消えたくないか!!」

白い少女の発言を聞いた男は不適な笑みを浮かべる。
知らぬ者が見ると邪悪を感じさせる表情だった。ともすれば嘲笑うかのような
だが、その男を知る者が見るその表情は違う。
優しさを感じさせる表情、あるいはすぐにでも男から離れて距離を取りたくなる、そんな表情

つまり、街中でよく見る男の表情
何かを不意に思い付いて、すぐに試そうとする表情だった

「君の力を元素として定義する…名前は何でも良い、仮に無の元素とするよ
私の力は元素を操る力…わかるかな?」

男の操る元素は名ばかりは元素というが、実際はマナを基本とした属性を操る力なのだ
炎素 木素 金素 風素 闇素 などと言った属性を元素として定義し、それらを意のままに操る能力
もともとは物質を元素へと還元し、自分の力源、材料として扱う力だったがそれらを鍛練していく内にその領域まで練り上げた
今回もその応用のひとつだ…要するに少女の力をあるひとつの元素として、属性として、マナとして操ろうとする魂胆だ

「君私の力通じないなら、逆に君の力を利用する、それで君にダメージを与えられずとも、私も君の力を掌握しダメージを受けない
さて、うまくいくと良いが」

143上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/08(日) 22:44:23 ID:qgZ7ENks0
>>142
名前間違ってるやんけ!

144ウルスラグナ=アドヴァルド:2016/05/09(月) 02:11:37 ID:SrMYpqxs0
>>142

虹と真紅の双眸を結ぶ景色は黄金に包まれていた。
その色の出所は、彼女の持つ力、彼女自身の。その双方の色が込められて居た。
彼女の持つ力。全てを無効にする能力を構成するのは無の元素と呼ぶに相応しいだろう。
彼女自身の力。英雄神<ウルスラグナ>の名を持つに違わない黄金色のオーラは神聖と呼べるだろう。

その両方を一つにした光が爆ぜる。
無に帰す神の威光が、全てを、元通りに。


輝きが収束するその後に残っていたのは、ただ一人の少女ははにかみながら手を差し出した。
「あぁ、疲れたよ。……戻ろうじゃないか、ゼオラの元に」

145上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/09(月) 23:33:48 ID:qgZ7ENks0
>>144
「……」

光が収まると男は周りを見回し、何も起きない事を確認する
しばらくすると男は目頭を押す仕草を見せ、どこからか取り出した仮面を身に付ける

「そうだな、私もかなり疲れたよ…これはどう言った結果なのかな?」

仮面を着けたあとに続けて取り出した液体
それを一飲みすると深く息を吐く
手を差しのべる白い少女に近付き、その手を握った

146ウルスラグナ=アドヴァルド:2016/05/10(火) 14:26:08 ID:SzqF3BEc0
>>145

「答えははっきりと。
 しかし、そこに結果は存在しないさ」
握り返された手に微笑みを強める。

「今、此処には二通りの未来が存在する。
 ……まさか、それがひとつしかない。なんてことは無いだろう。
 確定的ではあるが、これも想定、僕の思想の一つでしかないのだから」

「ともかく、その限定を無視して。
 ……僕は、キミの声が聞きたかった。
 そして一度、キミの力を見てみたかっただけさ」

そう語る内に屋敷の前まで戻ってきていた。
見上げると、窓際から外へと視線を馳せる彼女の姿が見える。

「やはり見覚えもあるわけだ。この景色には」

147上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/10(火) 19:39:58 ID:qgZ7ENks0
>>146
「ふむ……なんともまぁ……いや、何も言わないでおくよ、君が満足したならそれでいいさ」

屋敷の前にたどり着き、男は一連の出来事が終わったのかと軽く息をつく
白い少女は満足気だし、見上げれば彼女が存在する
もう心配することは無い筈だ、男は笑って二人の少女を眺めていた

「さて、君はこれからどうするんだい?」

148ウルスラグナ=アドヴァルド:2016/05/10(火) 21:59:16 ID:SrMYpqxs0
>>147

「……何か?」
振り返った少女の瞳は訝しんで歪められていた。
男の口振りに不満さを抱いているのがありありと。

「どう、って……。
 では逆に聞こう。キミはこれからどうするつもりかな?」

149上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/11(水) 22:55:59 ID:qgZ7ENks0
>>148
「いやいや、すまないなんでもないさ
最近は独り言が多くてね、気を悪くしたのなら謝るよ」

少女が振り向くと両手を振りながらなんでもないと否定する仮面を付けているのでもう表情は口元しかわからないが

「私はこれから何をしたいか?そうだな……まずは少し休みたいな、本気を出したせいでヘロヘロさ……
あとは家で妻や娘…マナ達とイチャイチャしたいかな?ゼオラももふもふしたいな!」

さっきまでの男はもういない、そこにいるのはただ仮面を付けた変人だけだった

150ウルスラグナ=アドヴァルド:2016/05/11(水) 23:19:55 ID:SrMYpqxs0
>>149

「本当かい?
 ……まぁ、無用な詮索だと思って止めておくよ」
仮面のせいだろうか。
視線は晴れずに見つめ続けて。

「先に上がっているといい。僕は少し汗を流したいかな」
戦闘の名残で、汗の滴る前髪を抓みながら。
館へと踏み入ると、先に階段を上がるように促した。

151上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/11(水) 23:58:42 ID:qgZ7ENks0
>>150
「ははは、なんでもないなんでもない!
じゃあ、私はお言葉に甘えて先に入らせてもらうよ!」

わざとらしく指パッチンして、そう答え屋敷に入っていく男、もし仮面が無ければウインクしていたのが見えていただろう

152ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/12(木) 00:20:06 ID:SrMYpqxs0
>>151

ゼオラの屋敷の頂上では、二人が思い思いの時間を過ごしている。
黒黒いドレスを纏ったゼオラは窓枠に腰かけたまま、外の景色に顔を向けていた。
初めと同じように、カップのコーヒーを嗜む少女時代のゼオラが男に気付くと、目線を向けた。
「……お疲れさま」

153上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/12(木) 20:24:33 ID:qgZ7ENks0
>>152
「ああ、お疲れさま……全く酷いじゃないかゼオラ、あの子に加勢するなんて」

大袈裟な動きで腕を手招きの様な動作で上から下へと降り下ろしながら近くの椅子に座る

「こっちは苦手な戦闘にてんてこ舞いだったてのに、君もそう思うだろ?」

椅子に座ったまま大人の方のゼオラに同意を求め

154ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/12(木) 23:16:23 ID:SrMYpqxs0
>>153

「……ひどくない」
向かいの椅子に腰を下ろす上弦にチラリと視線を向ける。
そして一言だけ返したと思えば、また口を閉じる。

「―――、」
会話に応じようとしていたのか、頭の中に声のような物が流れてくる。
音よりも小さく、意志よりも薄い。生命の灯火とも呼べる反応。
風に乗ってきた、花のつぼみを手に取れば、ぎゅっと握りしめて。
開けば花びらの命を増幅させて、一人の少女の形を作る。
『でーもぉ、カッコよかったよぉ?』
ゼオラと同じデザインの、桃色の衣装を着こんだユリウスが、口を開く。

155上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/13(金) 01:01:25 ID:qgZ7ENks0
>>154
「そうか、酷くないか…中々サディスティックな所があるね」

唯一見える口元だけが男の表情を察する道具だ
口元は白い歯を見せている、おそらくニヤニヤした笑みだろう

突如として出現した少女に驚くことなく、男は手をパタパタと振りながら挨拶を交わす

「やぁユリウス、元気かい?
君の言う通りさ、格好良かっただろう?何事にも真剣な男は格好良いのさ……まぁ、私はいつも格好いいけどね!?」

キュピーンと仮面と歯が光った気がする
親指を立ててサムズアップして見せる男は三人に対してそんなことを言ってアピール

156ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/13(金) 08:35:57 ID:CC9nA6W60
>>155

「……別に」
相変わらずの口数の少なさで、返す言葉はやはり一言。
視線すら向けなくなってしまえば、カップの中に写る自分と向き合うのみで。

『わ��っ!』
無邪気に駆け寄ってきたユリウスは、どこまでも止まる素振りを見せなくて。
ドン。
当たり前のように突撃してきて、椅子の上の男へと跳び乗ってくる。
向かい合うようにして膝上に座れば、マスクをペタペタと触りながら笑いかける。
『えへへぇ��』

157上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/13(金) 21:39:46 ID:qgZ7ENks0
>>156
「相変わらず寡黙だね、まぁ君はそこが魅力だよね、ユリウスは逆におっとっと!」

ユリウスは元気が魅力だと言おうとしたら、そのまま突っ込んでくるので反射的に受け止め

「まったく、君はいつも甘えんぼうだね?まぁ格好いい私に甘えたいのはわかるさ、娘もいつも抱き付いてくるよ」

仮面をペタペタされながら、男はユリウスの頭を撫で

158ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/13(金) 22:27:09 ID:SrMYpqxs0
>>157

『ん〜、だって気持ちいんだもん?』
撫でる手を嬉しそうに迎え入れるユリウス。
身体を寄せると抱き付いて、胸に頭を擦り付けて甘えてた。

「……」
顔を上げ、その様子を眺めるゼオラ。
金の瞳その後ゆっくりと横に逸れ、窓の外を向いた。

159上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/14(土) 00:36:21 ID:qgZ7ENks0
>>158
「気持ちいいか、ならば存分に撫でてあげよう!よぉーしよしよしよし」

痛くないし髪も絡まないそんな加減をしながらワシャワシャと頭を撫で
撫でながらふとゼオラを見て、釣られて窓に目をやる

160ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/14(土) 02:10:53 ID:SrMYpqxs0
>>159

『〜♪ だーいすきっ』
花の妖精に違わぬ心地よい香りを漂わせながら、頭を差し出し。
視線の先を同じにしていたゼオラは、ふと、反対側のドアへと向けた。

丁度その時、ドアが開かれて純白の衣に身を包んだ少女が現れた。
目が合ったゼオラに軽く微笑みかけると、首元のタオルで髪を撫でながらその隣へと歩んでいく。
「相変わらず、仲が良さそうだね」
ユリウスの物とはまた違い、科学的だが良い香りを漂わせながら微笑んだ。

161上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/14(土) 04:32:32 ID:qgZ7ENks0
>>160
「ふふ、ユリウスは元気な所が魅力だね…おっととこのままじゃあ二人が嫉妬しちゃうかな?ははは」

そんな軽口を叩けば不意に扉が開き、白い少女が帰ってくる
それを片手を上げて向かえる

「やぁおかえり、もちろん、私達は仲良しさ!」

162ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/14(土) 19:33:23 ID:SrMYpqxs0
>>161

優しい表情のまま二人を見つめて、
手持ち無沙汰の右手で、柴色の髪を擽る。
見上げた少女と顔を合わせれば、その頬に左手を差し向ける。
「あぁ、今日も可愛いね、ゼオラ」
思わず、目線を背ける黒衣の少女の姿をも堪能した後、椅子に座るもう一人の男へと向き直る。

「それは良いことだ。
 ……ところで、僕達に聞きたい事はあるかい?
 何、僕のわがままに付き合ってくれた礼のような物だと思ってくれて構わないよ」

163上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/14(土) 21:39:35 ID:qgZ7ENks0
>>162
「ほら、見てみなユリウス……あれが女たらしだよ、気を付けるんだぞ?」

ニヤニヤしながら二人の様子を見て、冗談混じりにユリウスに注意を促し

「しかしなぁ、聞きたいことと言ってもなぁ何から聞けば良いのか……」

ん〜と唸ってから、何処ともつかない場所を眺め

164ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/14(土) 23:35:33 ID:SrMYpqxs0
>>163

『きゃーっ、こわーい』
上弦に抱き付きながら、ウルスをニヤニヤとした笑顔で煽る。
呆れた表情で溜息をつくと、ゼオラから離れると思いきや手を伸ばし、頭頂のシルクハットを奪った。
「だが、ゼオラも別に嫌がってはないだろう?」
微かに朱に染まる頬を見逃すわけないと言いたげに抓んで。

「この際、何からでも」
男の視線が外れればユリウスへと向いて、目が合えば微笑みかける。

165上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/15(日) 01:18:36 ID:qgZ7ENks0
>>164
「ラブラブだね、てっきりゼオラはレラみたいな子が好きだと思っていたが……私の時も無反応だし……そう言うのがタイプか……」

この男、こう言うのが好きである
ニヤニヤ顔(と言っても口元だけしか見えないが)を浮かべ聞きたいことを考えるが

「今思えば……長い付き合いだと思っていたが私は君達の事を何も知らないな、だから何かをピンポイントで聞くことなど出来ないよ、なんでも良い…逆に何を話してくれるのか聞きたいよ」

ユリウスを膝から下ろしながらそう言うと、足を組んでそこに肘を付く

166ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/15(日) 01:50:01 ID:SrMYpqxs0
>>165

「……うるさい」
頬に掛かった手を跳ねのけると顔を背けてしまう。
ウルスは軽く頭を撫でてから、小さなシルクハットを返した。

「では、改めて僕の自己紹介を……まずは名前だね。
 ウルスラグナと呼んでくれて構わないが、これは正確には正しくなくてね。
 というのも、僕こそがこのゼオラ=アドヴァルドという少女の未來の姿だからさ」

167上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/15(日) 07:28:16 ID:qgZ7ENks0
>>166
「あーらら、もうちょっと見ていたかったのに……」

誰に聞かせる事もなく、男はそう呟く
まぁおふざけはここまでと言うように、白い少女の話に耳を傾けて

「なるほどな、ウルスラグナ……もしかしてなんだけども、君はそこのゼオラ…ああ、大きな方ね。
そのゼオラと分裂した姿とかじゃないよね?」

いや、なんか二人とも雰囲気が似てなさすぎると付け加え

168ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/15(日) 08:50:05 ID:9lZplNhQ0
>>167

「……さぁ、どうだろうね。
 ついでだから、彼女について僕が聞いたことの説明もしておこうか」
男への返答の一言目は曖昧なもので。
「今、正しければゼオラ=アドヴァルドは18歳。
 彼女の年齢はそれから10年先だということが解った」
内容の中心人物へ、視線の先を同じにする。
当の本人は、掌に生み出した珠状の小さな闇の塊を幾つか漂わせているだけ。
「それが僕にとっての未来にもなるかどうかまでははっきりとはしていない。
 しかしながら、僕個人の意見を言わせてもらうならば……こうはなりたくないものだね」

169上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/15(日) 21:07:48 ID:qgZ7ENks0
>>168
「つまり、28歳か……まだ私より若いな、いやそもそも見た目も若々しいよな」

小さなゼオラと大きなゼオラ、そしてウルスラグナを見ながら腕を組む

「うむ、自分と同じ存在にそんな辛辣なことを言うとはね……何か理由はあるのかい?
とりあえず、続きを聞かせてくれるかい?」

170ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/15(日) 22:23:52 ID:SrMYpqxs0
>>169

「僕にはやるべきことがある。
 元の持ち主と雖も、この身体を返すわけには行かないのさ」
全身を白で固めた姿には、彼女が彼女であることの証が込められていて。
その中で煌めく真紅の左手は、双眸と共にトレードマークとして存在していた。

「まぁ……それほど気にしてはいないさ。
 彼女はどうやら、単にこの世界の時間を伸ばしただけの存在でないらしい。
 要するに、別の未来からということさ。恐れるならば、気づく前に何かが起こる前だと思うしね」
窓際のゼオラの姿を眺めながら、足を運んでいく。
頭に手を触れ、微笑めば。少女時代のゼオラよりも長く伸びた柴色の髪を撫でて行った。

171上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/16(月) 23:14:08 ID:qgZ7ENks0
>>170
「ん?その肉体、別の人間の物なのか?聞けば聞くほど謎が増えるな君達は……」

次々と語られる新事実に男は思考を巡らせる
足を組んだまま腕を伸ばし、ユリウスの頬をムニムニ

「あれって、一応同一人物同士なんだよな……セルフか……しかし、別の未来か……」

ここには無い何かを見つめるような表情のまま、男は呟いた

172ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/16(月) 23:34:04 ID:SrMYpqxs0
>>171

「この身体が、ゼオラの物さ。
 死した肉体が何故か再び血を巡らせ、僕の意識が芽生えた……やはり、謎だがね」
幼くして命を落としたゼオラ=アドヴァルドという少女。
その肉体は他の人間に受け継がれ、魂は仮初の肉体を得て再び巡り合ったということ。

頬をムニムニされたユリウスは気付いたように微笑むと見上げてくる。
目を合わせると笑みを一層強めて両手を伸ばし、抱き付きをせがんでくる。

「別の、10年後の未来からやってきた人間からの言葉だ。
 彼らにしても、この瞳は、何処の先を向いているのかは知りえないそうだがね……」
少女時代の姿から、20年の飛躍を得たゼオラの顎に手を当てて。
目隠し越しに無理矢理目を合わせるが、フッと息を吐いてあきらめたように戻ってくる。
「困った姫様だ……」
ザ・キザな笑み。

173上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/17(火) 00:45:12 ID:qgZ7ENks0
>>172
「なるほどな、君の体が本来のゼオラの体…魂は別物って事で良いのか?」

声は真剣そのもの、しかし一連の動きは真剣なのかどうなのか解り難く
両手を伸ばすユリウスの腋下に手を入れて持ち上げ、再び膝に座らせる

「この子の、ユリウスの事も何か知っているかい?って言うか君はさっきから何をしているんだい?」

ユリウスの頭を撫でながら、キザな笑いを浮かべるウルスラグナに問い掛け
様子見に大人ゼオラといつものゼオラを交互に見て

174ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/17(火) 01:24:51 ID:SrMYpqxs0
>>173

「疑問はそこさ」
尋ね口調の上弦に指を突き出し。
「僕の魂はどこから来たのか。
 それが解らない限りは真の意味で僕が誰なのかはっきりとしない」
至って彼女は真剣なのだろう。真紅の瞳は鋭くなる。
彼女が得た名前は、環境・精神、色々な物に影響を及ぼしているようだ。
「だが、おぼろげだがヒントのような物は思い出しつつあってね」
足掛かりに過ぎないがそれを手に入れたことは、安らぎにもつながったらしくて、転じて浮かべられた笑みは柔和。

上弦の手が伸びてくるとわくわくした表情を見せ。
視界が高く昇るときゃっきゃと喜んでみせたが、膝の上に戻ると一気に不服そうな顔に。
『ぎゅってしてほし〜の!』
「……僕かい? キミなら解るはずだが。
 このゼオラの姿に心惹かれたのも、因果を知るとまた必然だったのかな、って」
顎に乗せた手を頬、うなじへと持っていき後ろ髪を優しく書き撫でる。
指先を透けて通る柴色の髪を見つめて、過ぎ去れば拳を握る。
「その子については彼らも知らなかったよ。
 勿論僕も、そこのゼオラですら、名前に心当たりは無い」
話を振られると、上弦の対面に座っていた少女は無口にシルクハットを揺らすのみ。

175上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/17(火) 12:02:04 ID:qgZ7ENks0
>>174
「確かに、ゼオラ小さくても謎の魅力あるし、大きなゼオラも妖艶な魅力があるね…
しかしウルスラグナ、ちょっとキザ過ぎる気が……」

まるで若い頃の自分を思い出すとこぼし
それでも進展はあったのだと聞くと、興味深そうに息を吐き

「君の望む真実が近付いてきたって訳か……いいね、私も錬金術師としてその気持ちは理解できるさ
しかしユリウスは謎のままか…ユリウス、君は何かわかるかな?」

ウルスラグナに真実を追い求める者として共感を覚えると同時に、不満そうなユリウスに気付き
質問をしながらモフモフ

176ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/17(火) 15:35:59 ID:SrMYpqxs0
>>175

「この身体が僕の物でないとしても、僕らしくありたい。それだけのことさ」
二人のゼオラの中間に位置する彼女は、幼さと大人加減を共有する頃の筈で。
顔の作りは二人と相違ないものだが、自信に溢れた雰囲気・表情は間違いなく彼女特有のものだ。

「望むかどうかで言えば、まだハッキリとはしていない。
 真実を受け入れるかどうか。その前に知ることからさ。
 ……錬金術師。そういえば未来から来ていた人物の一人が、キミに会いたがっていたよ」
キーワードだったのだろう。唐突にそんな事を言い出した。

『んー、わかんないっ。
 でもね、ユリウスはおねーちゃんとずっといっしょに居れるだけでいいよ?』
モフモフを嬉しそうに受け入れながら上弦の手を上から握り返す。

177上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/18(水) 01:18:26 ID:qgZ7ENks0
>>176
「そうか、まぁ私としては見ていると楽しくはあるから特に問題はないんだけどね
ゼオラ照れるなんて滅多に見れないからね、ふふ」

ウルスラグナと二人のゼオラ顔を見渡し、先程の事を思い出しでもしたのか、唯一見える口元は楽しそうに形を変えていて

「それに、ユリウスも言っていた通り、君達には一緒に居て、いつも仲良くしていてもらいたいからね」

握り返すユリウスの手を男が見ると、一瞬だけ……確認できるか出来ないかの本当に一瞬だけ、キラキラと光る物が手の周りを一周

男は心の中でだけ オマジナイさ と呟く

光の正体はなんて事の無い、似たような物は幾数千と存在する他愛の無い物
幸運の御守りとかパワーストーンとか、願いが叶う石とか、そんな眉唾物のアイテム(錬金術士版)をバレずに、まるで手品のように使っただけである

「さてと、それで?私に会いたい人だって?それとも錬金術士なら誰でも良いのか?」

男は最近出不精であるため、必要がなければ娘を向かわせる事だろう

178ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/18(水) 14:52:43 ID:10jV87xA0
>>177

「フフ、案外かわいいところもあるんだよね」
視線の向く先は異なる未来から、辿ってきた過去の少女へと。
視線を向けられた側は逃れるかのように上弦の方へ。
しかし、上機嫌そうに歪む口元を見れば、期限悪そうに頬が膨らむ。

『♪』
輝きなど気づく素振りも見せず、抱き抱えられるとそれだけで嬉しそうで。
キラキラを漂わせながら微笑む姿は、何時もよりも愛らしく。

「あぁ、それについての詳細は知らないよ。
 ただ呆然とキミを探しているといっていただけさ。
 特段、焦る様子も無さそうだったから気にする必要はないと思うよ」

179上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/18(水) 23:01:12 ID:qgZ7ENks0
>>178
「………そうか、急いではいないか…だったら、私が今度出掛けるときにでも探してみるかな
君が先にまたその人達に会ったときは、私が会おうとしてると伝えてくれ」

そう答えて、男は視線を再び少女達に移す

普段は無表情なゼオラが見せるいつもと違った表情、先程まで戦っていたウルスラグナが見せるキザな笑い、いつも自分に甘えてくるユリウスの愛らしい姿、そしていつもと変わらぬ大人ゼオラの佇まい

男にとってとての喜ばしい空間が出来上がっており、自然と笑ってしまうのだ

「ははは、どうしたゼオラ?頬なんて膨らませて?綺麗な顔が可愛らしくなってるぞ?」

ユリウスを抱き抱え、ゼオラにそう問い掛ける、オマジナイアイテムの光はもう消えている

180ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/19(木) 00:34:51 ID:SrMYpqxs0
>>179

「その時はただの偶然だろうね。まぁ覚えておくよ。
 ……そうだ。その序に、人探しをもう一人引き受けてはくれないか?」
変わらず外を眺め続けるゼオラの元から、3人の座るテーブルの方へと戻ってくる。
人探しというワードに釣られてやってきたらしく、その足取りは急いていた。
「いや何、キミにとっても気になる話ではないのかと思って」
よく似た四人を見つめる上弦に視線を向けて、観察する顔は悪戯っ気の強い子どもの表情で。
「さて、次いでの序だ。キミにもう一つ問題といこう。
 そもそも、だよ。僕とゼオラの繋がりは理解していたと思うが、足りないとは思わないかい?」
テーブルに肘をつき、椅子に座るゼオラと目線を同じにして視線を投げる。

「……」
不満も受け入れられないゼオラは諦めたらしく、頬が窄み元通り。

181上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/19(木) 17:16:28 ID:qgZ7ENks0
>>180
「なんだい、どうしたんだいゼオラ?ちゃんと言わないと分からないぞ〜?
まぁ、やはり君はいつもの表情が似合うよ」

別に意地悪をしている訳では無いのだが、仮面で表情が隠れている為、そう見えるのだろう
余裕があればゼオラに構ってあげたいのが本心だが、男はウルスラグナの話に集中する事にした
この子達の助けになるならと言う気持ちだが、仮面で隠れた顔からは伝わることはないのだろう

「さて、それで人探しか……どんな人かな?
まさかその、ここに足りない人物を探して連れてこいって事かな?」

また真面目な話だ、男はユリウスをいつでも膝から降りられるように開放する

182ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/19(木) 17:36:52 ID:8zjPTCxc0
>>181

「むっ……」
おどけた口調に微かな呟き。不足した音でも怒りの片鱗が見え。
テーブルの下。上弦の影を操り腕を作り出せば足首を掴んで握る。
言外に口を止めようとした、その手段は直接的。

「連れてこいとは言わないさ。序で構わないよ。
 僕達も探しているんだが、ヒントが少なくてね。
 実質手探りなのさ。単純に人は多いほうがいい……それだけさ」
雰囲気を読み取り、膝から降りていくユリウス。
窓際に寄っていけば、『姉』の手に導かれて彼女の膝上に。
「彼女が都市にいること。
 8歳から13歳の内であること。
 何かしらの特殊な能力を持っていること。これだけしか解らない」
示して立てた三本指は、どれも弱々しく握り拳へと戻っていった。

183上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/19(木) 23:38:49 ID:qgZ7ENks0
>>182
ユリウスが大人ゼオラのもとに辿り着いたのを見届けてから、男は口を開いた

「ついでね、それくらいなら言われなくても協力しようじゃないか
そう都合よくいくかはわからないが、こういう話を聞くと意外に」

184上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/19(木) 23:45:10 ID:qgZ7ENks0
>>183ミスった

>>182
ユリウスが大人ゼオラのもとに辿り着いたのを見届けてから、男は口を開いた

「ついでね、それくらいなら言われなくても協力しようじゃないか
そう都合よくいくかはわからないが、こういう話を聞くと意外と簡単に見つかるかも知れないからね」

ウルスラグナの話を聞き、能力が悪い働きをしなければなと付け加え
その依頼というか頼みを引き受ける、男自身も気になっていることだったから

「さてと、ではどうするか……」

話を続ける最中、男は自身の足を掴む影に視線を落とす
しばらくその様子を眺めてから、ウルスラグナに話を中断するといったジェスチャーを行ってから、立ち上がる
足を掴まれているから動けるかわからないが、ゼオラの近くに寄ろうとしているようだ
先にゼオラの機嫌を直そうと考えたのだ

185ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/20(金) 00:42:25 ID:SrMYpqxs0
>>184

話の転換。上弦の持ち出した待ったに潔く了承のサイン。
テーブルから肘を離し、さらに一歩身を引くと上弦を通した。

「……なに」
飽くまでも痛みだけで動き出すのを制御する程拘束力はなく。
難なく振り切れば、普段と変わらぬ表情のゼオラが見上げる。
いつも通りの口調と雰囲気。無愛想な様はいつも怒っている様にも見える。

186上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/20(金) 01:20:56 ID:qgZ7ENks0
>>185

ウルスラグナに無言のまま手の動きだけで感謝と謝罪を送り、ゼオラの近くに立つ
男は身長が高いため、ゼオラの座る椅子の背もたれに手をかけ、身を屈めて視線を合わせる

「ふふん、ちょっと君の機嫌を直しに来たよ、私に何か言いたいんじゃないかな?」

先程までとは違い、意地悪な雰囲気は存在せず、優しい声が発せられる
いつもは無口な少女はクールな立ち振舞い故に不満があっても特にリアクションはしなかったと記憶していたが、今回は直接的な行動をしたため男は少し気になった

「ほら、今なら私にしか聞こえないよ?」

仮面の男が優しい声色でそう言うと、指を一本立てる、何かしたようだが別に気にする必要はないだろう

187ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/20(金) 01:55:40 ID:SrMYpqxs0
>>186

「別に……」
結んだ口を微かに開けば、抑揚のない声が返るのみ。
金の瞳は逸らされて、マスクの奥から落ちていく。
「……興味ない」

188上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/20(金) 14:51:32 ID:qgZ7ENks0
>>187
「わかったわかった!わかったよゼオラ、謝るよ、意地悪してごめん!機嫌直してくれよ、な?」

頑固なのかなんなのか、頑なになってしまった少女を解きほぐす為に謝る
ゼオラの手を握って仮面越しに目を合わせようとしてみる

189ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/20(金) 15:49:08 ID://Xu7/RM0
>>188

「うるさい……」
ぽふ。と胸に頭を預けていく。
呟きはほぼ無音で、それこそ上弦にしか届かないくらいで。
見上げる金の瞳は再びマスクの奥を捉え。
「……。……わかってない」

190上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/20(金) 19:33:44 ID:qgZ7ENks0
>>189
「あぁなんてこった、事は意外に大きなものだったのか」

胸に預けられた頭を撫でながら、どうするか考える
この少女の不満の原因はなんだろう?
ウルスラグナとの一連の流れを楽しんで見ていたからだろうか?それとも

「あ、もしかして私の仮面の中がみたいのかな?違う?君の機嫌を取るためになんでもしてあげるよ?」

最終手段、なんでもするを使う事にした男は着け始めてから人前では外す事の無い仮面すら外す心構えをゼオラに示す

191ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/20(金) 21:40:08 ID://Xu7/RM0
>>190

伸びた手は、マスクに触れる。
人肌と違い、固く、冷たい金属に、白くか細い手が触れる。
「……違う」


『ん? なぁーに、おねーちゃん?』
窓際で遠くを見つめていた女は、唐突に腕の中の少女を抱く力を強めた。
珍しい。彼女からのアピールに首を傾げたが、少女は微笑んで受け取った。
逆に、積極的に応えていく少女は女の顔を見上げ、手を伸ばして顔に触れようとしていた。

192上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/21(土) 00:05:20 ID:qgZ7ENks0
>>191
「……?」

仮面に触れられながら、ちらりと大人ゼオラとユリウスの様子を見て
まさかとは思うが、これか?とでも言うかのように体をゼオラに向け

「ユリウスが羨ましくなったのかな?全然、君なら私はいつでも大歓迎だよ?」

思い当たることはなんでも行動して試してみるのが男の信条だ
両腕を広げて目を合わせてみる

193ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/21(土) 01:01:45 ID:SrMYpqxs0
>>192

騒がしく目を向けられれば、
無言のままそっと目線を逸らして。

差し出された身体と腕には、
素直に従って重なっていく。

どれほどこうしていただろうか。
音もなく黒、白、桃の三人は部屋を離れていて。気付けば二人。

194上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/21(土) 01:23:28 ID:qgZ7ENks0
>>193
「珍しいねゼオラ、君が素直に私の腕の中に来るなんて」

ユリウスにしたように優しくもふもふ、戦闘終わりにウルスラグナに言っていた事が叶う

気付けば、みんな席を外している
ゼオラも恥ずかしがる事はないだろうと男は考える

「機嫌は直ったかい?」

195ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/21(土) 01:34:00 ID:SrMYpqxs0
>>194

「別に……」
どういう風の吹き回しか。それは感じさせない。
何故なら少女は空虚で、無言だから。
空洞に思えた心は寂しさを覚えたのか、上弦にすり寄ってきて。
ガラス玉に思えた瞳は、愛しく見えたのか頭を擦り付ける。
「……まだ」

196上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/21(土) 07:35:23 ID:qgZ7ENks0
>>195
「そうか、だったら機嫌が直るまでこのままでいないとね」

少女を持ち上げ、男は椅子に座る
そのまま、またもふもふを始めたのは長期戦を考えての事だった
頭を撫でながら男は口を開く

「別に寂しがる必要はないさ、君が寂しく感じる事があれば直ぐにみんなが助けてくれるよ
私だって君が寂しい思いをする前に君の所に飛んでくるさ」

197ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/21(土) 11:50:55 ID:.x0kYX0I0
>>196

「うん……」
身を預け、男の腕に包まれていく。
続く言葉に返答は無く、ただ静かに収まっているだけ。
見れば、少女は微睡み始めその瞳は閉じかけていた。

198上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/21(土) 23:32:06 ID:qgZ7ENks0
>>197
「おっと……」

会話を続けようとするが、微睡み始めた少女に気付き言葉を切り
何も喋らずにその表情を見つめて一人で小さく呟く

「安心感を与える事が出来たかな?」

199ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/22(日) 00:16:34 ID:SrMYpqxs0
>>198

少女の身体は酷く軽く、人の重みを感じさせず。
冷たく、人の温もりを感じさせず。動かず、生命であると感じさせない。
まさに人形。今の姿もだが、ゼオラ=アドヴァルドそのものを形容するに相応しい言葉。
しかしながら、その吐息は安らぎから出たものに違いなく。


どたどたどた。
全くの静寂を保っていた空間に、激しく床を鳴らす音。
なにやら誰かが廊下を走っていて、次第に大きくなる音はこの部屋が目的だと告げていた。

ばん! どんどんどんどんどん……ごんっ。
勢い余ってか扉に激突し、後ろから続く足音もその勢いに飲まれて連鎖する。
最後に少し大きな音が続けば、また静寂が返ってくる。

「……ん、っ、ぅう……」
眠りに入ったばかりの少女がうめきをあげる。
外の様子を見に行くか、このまま少女を起こさずに居るかは上弦の自由だろう。

200上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/22(日) 23:03:30 ID:qgZ7ENks0
>>199
「……」

少女を抱き抱えながら男は騒がしい音を聞く
腕の中の少女の表情は安らかであり、自分の近くで安心してくれたのだと思うよ頬が緩む
しかし、聞こえてくる騒音は少女の安らぎをもしかしたら邪魔してしまうようなもので

「全く、何事だ? ウルスラグナ達が騒いでいるのか?」

少女を抱き抱えたまま静かに立ち上がり、辺りを見回して、確か天蓋付きのベッドがあったような
無いなら男の得意な瞬間錬成で作り出すだけだが

どちらにせよ、男はゆっくりと少女をベッドに寝かせ、毛布をかけると頭を優しく撫でる

「ちょっと行ってくるよ……」

パチンと振り向き様に小さな硝子玉を砕くと水色の光がキラキラと広がって消えていく
少女の眠りを妨げないよう、防音効果のある何かを使った様だ

「さてと…」

息混じりの声を出すと、歩き出し扉を開けた

201ゼオラ=アドヴァルド:2016/05/23(月) 00:36:55 ID:SrMYpqxs0
>>200

天蓋付きのベッドは上弦の見知らぬ間に部屋から失われていた。
今、この部屋にあるのは上弦達の座っていた椅子とテーブルのセットのみ。
……娘ならばその所在は知っているだろう。
レラの家に運び込まれているあのベッドはここから持ち出されたものである。

作り出されたベッドに乗せられたゼオラも、物音に気付いていて、眠気の遠ざかった目を擦る。
身体を起こそうとしたが、優しく撫でられる頭を心地よく感じて、素直にベッドに身を預け再び目を閉じた。


扉の前では、見覚えのある赤い塊ががっていた。
よくよく見れば、それはアリスとその従者たちの群れだということが解るだろう。
「なんで扉が閉まってるのよ!」
先頭を走っていた結果後から続いた従者達に埋もれたアリスの声が響いてくる。
その従者たち塊の一番上には彼らを下敷きにする形で赤い服を纏った見覚えのない闇色の髪の少女が蹲っている。

202上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/23(月) 23:15:58 ID:qgZ7ENks0
>>201
「……」

仮面に隠れた表情は全くわからないが、もし仮面が無かったならば男の露骨に嫌そうな顔が見えた事だろう

いきなりこんな集団で屋敷に踏み込んでくるとは何が目的なのか……それにウルスラグナ達は何をしているのか、色々考えては見たが一番最初に言わなければならないことがある

「扉はいつも閉まっているよ、だから自分で開けなきゃいけないんだよ」

203アリス=ジャバウォッキー:2016/05/24(火) 00:06:44 ID:SrMYpqxs0
>>202

従者たちがクッションになって一番ダメージ軽かった頂点の少女が動き始めた。
山から下りると慣れた手つきで一人ずつ従者を掴んで崩していく。
その内、赤いドレスに包まれた手が山を掻き分けて出てくると、それを掴んで引き抜いた。
「ご苦労」
胸に抱えられたまま一言口にすると今度は上弦を向いて。
「……なによ、その顔」
目敏く指摘してくるアリスの顔こそ不機嫌そうで。
その陰で意識を取り戻し始めた従者たちが扉を開けると部屋の中に入っていこうとする。

204上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/24(火) 20:37:30 ID:q0xOa4pA0
>>203

「いや、待て 今この部屋には入れない……というか入ったら駄目だ」

扉の前に立ちはだかり、アリスを始め従者達にそう告げる
アリスと従者のリーダーだろうか?その二人に仮面越しの視線を向け

「そもそも、何か用があったのか?残念ながら今あの子は睡眠中なんだよ」

205アリスと赤の従者達:2016/05/24(火) 22:03:56 ID:SrMYpqxs0
>>204

「どうして?」
闇色の髪をした少女に抱えられていたアリスが、上弦の言葉に不満そうな顔を浮かべる。
しかし、続けられた理由に残念そうな顔を見せた。

「そう……せっかく遊びに来たのに、残念ね。
 ……それと、もういいわ。降ろしてちょうだい」
抱えられていた腕を二度、叩きながら後ろの少女へと向けた。
言いつけられた側は膝を曲げると、腰まで伸びた長い髪を地面に垂れさせながらアリスを優しく床に着地させた。
彼女はレラやゼオラ、ウルスラグナ達と同じくらいの年齢に見える。身体は細いがアリスを抱えている間一切口を開くことなく、表情も何一つ変えることは無かった。
「じゃあ、代わりの案を考えないといけないわね」

206上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/24(火) 23:59:58 ID:qgZ7ENks0
>>205
「……君達が聞き分けのいい集団で助かったよ、こんな集団でなんて少し驚いたがね」

一歩前に歩み出ると後ろ手で扉を閉める
アリスと闇色の少女、そして奥に控える従者を眺めて心の中で思う

こんなに友達がいるなら寂しくないだろうな

遊びに来たという言葉を信じながら、男は唯一見える口で笑った
さて、この集団はこのあとどうするのだろうか

「あまり騒がないでくれよ?やっと機嫌を取り戻してくれたんだから」

207アリスと赤の従者達:2016/05/25(水) 01:28:23 ID:SrMYpqxs0
>>206

「だって私は赤の女王ですもの。従者や騎士は必要よ?」
赤い燕尾服で揃った、同じ風貌の少年達が誇らしげに並ぶ。
以前は完全に同一だった彼らだったが、今は何パターンかに別れていた。
羽根飾りのついた帽子に、弓矢を携えた物や、
他より裾の長い燕尾に、レイピアを腰に差しているものなどが居た。

「ねぇ、あなたは何かない?」
提案を尋ねられた傍らの少女は、少し首をかしげてから小さく横に振った。
序に発せられた言葉は「別に」という小さく抑揚に乏しい声。
「うーん。そうねぇ……あなた。私たちはどうやって遊べばいいと思う?」
困り果てた様子のアリスは、上弦にそう尋ねる。

208上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/25(水) 23:10:53 ID:qgZ7ENks0
>>207
「なるほどな、赤の女王ね……私の知っている物語だと赤の女王って敵キャラだった気がするな」

君は敵キャラなの?と言うように視線を向けて
その後は誇らしげに立つ少年達に視線を移し、眺めながら問いについて考える
この人数ならなんだって出来そうなものだが

「野球……?」

209アリスと赤の従者達:2016/05/26(木) 00:12:52 ID:SrMYpqxs0
>>208

「私は物語の全て。だって女王ですもの」
頭頂の王冠で、金の囲いの中にある真っ赤で大きな宝石がキラキラと輝く。
それを魅せつけるようにぐっと胸を張った。
「……というか、あなた、今日はずいぶんと辛口ね?
 私って、何か悪さをしたかしら……嫌われるようなことをした覚えはないのだけれど」
今度は一転して弱気な口調になると、騎士と呼ばれた少女の後ろに隠れながら。
従者もそれに群がるように集まってきて、足元を埋め尽くされた少女は硬い表情の眉を微かに顰めさせた。

210上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/26(木) 00:43:49 ID:qgZ7ENks0
>>209
辛口と言われ、意外そうな表情を浮かべてアリスの顔を見て

「そうかな?さっきの戦いの熱が残っているのかな?それとも君達が部屋の前で騒いでるからかな?
逆に君は今日は大人しいね?私の記憶が正しければ君はもっと唯我独尊な性格で私が何を言おうが突っ走るような子だった気がしたが、まぁ気分を害したなら謝るよ、すまないね」

レラに負けず劣らずアリスは自信家でわがままな我が道をいく少女だったと男は記憶していた
しかし、従者に囲まれる少女を見ていると自分の記憶違いだったかと疑問を持ち、仮面越しの額を指先で二回叩いた

211アリスと赤の従者達:2016/05/26(木) 02:11:50 ID:SrMYpqxs0
>>210

「だって今のあなた、怖いもの……」
少女の後ろに隠れるアリスは、顔だけを覗かせる。
闇色の瞳を持つ少女と共に、視線が向けられるのは上弦の瞳。
胸一つ抜けた少女からの瞳は、とある者からの物と同じく空虚に見えて、意志を感じて。
次の瞬間、従者たちを掻き分け一歩踏み出せば、物言わぬままマスクにへと手を伸ばす。

212上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/26(木) 10:19:13 ID:qgZ7ENks0
>>211
「怖い……?私が!?」

ショックそうな表情、まさか久しぶりにそんな事を言われるとは思ってなかった
この男、今も昔も子供好き(中身は何歳でも構わない)である、そんな彼が少女からそんな事を言われてしまうとは、かなりのダメージである

「は、HAHAHAHAHA!ほ、ほら怖くないよ
?私だよ〜?、あ!仮面は取っちゃ駄目だ!」

仮面に手を伸ばされるが、手でガード
男自身、仮面は取ってと言われれば取るのだが、彼の目付きは鋭く、余計怖がらせるかと考える

213アリスと赤の従者たち:2016/05/26(木) 14:06:42 ID:0qSjiB160
>>212


おどけた様子の上弦に、アリスも普段の調子を取り戻し。
素早く少女の背中から飛び乗り、肩車の形になって。
「いきなさい! あのマスクを奪うのよ!」
防がれた少女の手が、上弦の腕を掴み。
細く、華奢な筈の身体からは想像できない怪力で抵抗を制してきて。
防御が手薄になったところで、アリスの手がマスクへと伸びる!

214上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/26(木) 20:27:43 ID:qgZ7ENks0
>>213
「いや、だから仮面を取ると余計……ぬぅっ!?」

なんだこのパワー……!?
男は一瞬の事に驚きの表情を浮かべる、自分が戦闘で疲れたから力が入らない訳では無さそうだ
受け流すのは容易いが、男は現在扉の前にいる
前には少女二人に従者の少年多数、下がれば黒い少女の睡眠を邪魔しかねないし、受け流せば誰かに怪我をさせるかもしれない
そうなったらさらに怖がられてしまうことだろう

「クッ!狙いはこの仮面か!でも仮面を取ったらまた怖がられてしまうだろうに!だから一旦落ち着いてくれ」

下がらず進まず、その場で停止するように闇色の少女の怪力を受け止めようと必死の抵抗
仮面は無防備なのですぐに取れるだろう

215アリスと赤の従者達:2016/05/27(金) 00:24:30 ID:SrMYpqxs0
>>214

闇色の瞳で上弦を見つめたままの少女。
顰めていた眉も平常に戻り、上弦を制している間も一切動かず。
人形ではないことは明らか。見た目では見つけきれないが、人ならざる者であることもまた、明らかだった。
「もらったわっ!」
真下の少女の優性に好色を浮かべたアリス。
二人重なれば上弦が長身と雖も、容易に届く高さになっていて。
完全無防備となったマスク目がけて手を伸ばすとついに取り去った。
露わになった瞳を見つめると、アリスはにんまりと笑みを浮かべた。
「そうね。こっちの方が私はお気に入りよ?」

216上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/27(金) 22:27:41 ID:qgZ7ENks0
>>215
仮面を取った男の瞳は紫水晶……ではなく
瑠璃色の瞳がそこにはあった、アリスは知らぬことだが、先程の戦闘で力を使い過ぎた故に紫水晶から瑠璃色に戻っていた

「こ、これで満足かい?余計に怖がると思ったが気に入ってくれてるようで何よりだよ
こんな事せずとも言えば取ってあげたものを……それより」

闇色の少女のパワーを前に男は動かぬよう抵抗するので精一杯だった、今でも限界以上の力で耐えているが、そろそろ力尽きそうである

「満足したのならこの子に退くよう言ってくれないか?私の体力がもたない……!ぬぅ……」

力一杯抵抗しているため目付きは相当怖いことになっている

217アリスと赤の従者達:2016/05/27(金) 22:50:22 ID:SrMYpqxs0
>>216

「もちろんよ。
 あなた、目つきは怖いかもしれないけれど、
 その目が優しいこと、わたしは知っているもの」
ぴょん。と少女の肩を飛び降りるとマスク越しに上弦を見上げて、マスク無しで上弦を見て。
アリスは関係ないようだが、背後の少年従者たちは目つきがより険しくなった上弦に少しばかり精神ダメージを受けているようだ……。

目の前の闇の瞳も歪まずに。
瑠璃の瞳を見つめていたが、アリスが肩から降りていくと手を離す。
「ごめん。痛く、ない?」
抑揚に乏しい声で、目線は掴んでいた手首に下ろされながら。

218上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/28(土) 00:16:12 ID:qgZ7ENks0
>>217
「ふぅ、いやありがとう…私は大丈夫さ、君が手加減をしてくれたお陰だよ」

自分の鋭い目を間近で見て無反応な闇色の少女に驚きを見せながら、素直に礼を言う
自身の手首を撫でながら問題が無い事も告げる

「いやぁしかし、そこまで言われてしまうと流石の私もニヤけてしまうな……
今日の君は優しいね?最初に警戒して損したよ
おっと、少年達もすまなかったね?安心してくれ、私は悪い錬金術士じゃないよ?」

アリスに目を合わせながら、ニヤけながら礼を言うと、少年達に向き直り、ウインクと指パッチン

219アリスと赤の従者達:2016/05/28(土) 00:30:11 ID:SrMYpqxs0
>>218

「なら、良かった」
そう、平坦な口調で告げる。
アリスの連れてきた新たなる従者、闇色の瞳をした少女。
変わらず崩れない表情で案ずるような仕草。
穏やかな意志こそ感じさせるものの、感情として表立たない表情。
瞳と同じく闇色の艶のある長い髪、華奢な身体。やはり、全てが、似ていた。

「もう一つ、親切ついでにあなたを幸せにしてあげるわ。
 だから、このキレイなマスク、少し借りてもいいかしら?
 大丈夫。あなたが起きたころには枕元に返してあげるから」
奪い取った上弦のマスクと指先に乗せてクルクルと回したり、
背後に並ぶ従者たちの一人の顔に被せてみたりして遊びながら。
少年従者達も親し気なアリスと和やかな上弦の雰囲気に馴染んだのか普段通りの柔らかさを取り戻した。

220上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/05/28(土) 15:19:34 ID:qgZ7ENks0
>>219
「私の仮面を?変わってるね、まぁすぐに返ってくるなら問題はないさ、私の目も今は問題ないみたいだからね」

幸せにという言葉に少し期待を抱きながら快く貸し出しを許可する
代わりの仮面も持っていることを考えると特に貸し出しを渋る必要は無い

「しかし、アリス……この女の子、従者のリーダーかな?似ているね?」

闇色の少女をみたがらアリスにそう問いかけると、ちらりと自分の背後の扉に視線を移し

「君、名前は?」

221アリスと赤の従者達:2016/06/02(木) 09:27:00 ID:SrMYpqxs0
>>220

「その子は私の騎士よ」
赤の礼装に身を包んだ少女は再び上弦と目を合わせる。
背後に並ぶ少年兵士たちと衣装は基本は相違ないが、
豪奢な装飾が追加されていることから、彼女の立場は上弦の思う通りだろう。

「僕は、柊宇都綾」
相応に年齢を重ねているからか、かの少女よりもはっきりとした喋り口。
整然とした立ち居振る舞いは騎士と呼ばれるにふさわしいものであった。

貸し出しの許しを得たマスクを兵士の一人に預けると彼らを帰るように促していく。
その背を見送ると、上弦に向き直った。
「さて、ゼオラが休んでるんじゃ仕方ないし私は帰るわ
 またあなたのお店に遊びに行かせてちょうだい」
「何かあったら、また」
別れの言葉を告げ、アリスも踵を返していくと、騎士の少女は頭を下げてそれに続いた。

222上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/03(金) 02:33:55 ID:qgZ7ENks0
>>221
「そうか、君達が一緒にいるなら私の予想通りだったとしても安心かな?」

アリスの紹介で闇色の少女に応えるように自己紹介をする

「私は上弦…錬金術師をしているよ、君の主人……でいいのかな?アリスとは長い付き合い……だと思うよ」

滅多に会わないが、知り合ったのはかなり前の話だ
それでも親しく接してくれてるアリスは仲の良い人物なのだと男は答え

「ああ、いつだって来ると良いさ、場所はわかるかい?
その時には娘を紹介するよ、またね」

おとなしく帰って行くアリス達が、ゼオラを大切に想っていると言う考えは確信に代わり、男は安心してアリスと騎士団を見送った

「あの三人もしっかりした騎士ならなぁ……」

アリスと騎士団の後ろ姿を眺めながら、自分の屋敷にいるダメな騎士三人組を思い出し、苦笑を浮かべるのだった

223上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/12(日) 22:03:41 ID:qgZ7ENks0
「さて、騒がしい子達も帰ったことだし、私も帰るとするか、さすがに戦闘で体力を使いすぎた」

首に手をあて、グリグリと首を動かしため息をつく
そうだ、帰る前に挨拶をしておかなくては、そう考えた男は踵を反して扉を開く

「しかし、他の子達はどこに行ったのか……」

扉をくぐりながらそうこぼし、とりあえず部屋に戻って見ようと考えたのだった

224ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/12(日) 23:12:02 ID:SrMYpqxs0
>>223

去る間際に創りだした天蓋付きのベッドに眠った少女。
挨拶の為に上弦が近づくと身体を起こし、目を擦る。
いつも以上に眠たげな眼でぼっと見つめていて。
「なに?」
と、返す。

225上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/13(月) 02:45:29 ID:qgZ7ENks0
>>224
「ゼオラにお客さんだったよ、アリスだった
君が寝ているからと言ったら大人しく帰っていったよ」

部屋を出るまでは仮面を着けていた男が戻ってくると仮面をしていない
それからは相手が大人しくはしていなかったという事は察せてしまう

「私もそろそり帰って休もうかと思ってね、挨拶に来たよ
寝ていたらウルスラグナ達に任せてそのまま帰るつもりだったんだが、いないからどうしようかと考えていてね」

226ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/14(火) 00:31:09 ID:SrMYpqxs0
>>225

「……そう」
アリスについて、興味なさげに一言下しただけの少女の瞳が揺れる。
見上げた視界から仮面が無くなっていることに気が付くと、首を微かに傾けた。
重なっていた毛布を剥ぐと、ベッドからも降りて上弦の元へ寄ってくる。
「……帰る」

227上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/14(火) 03:00:08 ID:qgZ7ENks0
>226
「君は相変わらずクールな女の子だね?」

アリス達の反応を想像しながら、微笑みながらそう言うと、近寄ってくる少女に目線を合わせる
帰ると言った少女にふと疑問を抱く

「君の家ってここじゃなかったっけ?最近物忘れが多くてね、まぁそれなら一緒に行くかい?」

少女に手を差し伸べながらそう言うと、さっきまで仮面で隠れていた笑顔がしっかりと確認出来る

228ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/14(火) 23:09:21 ID:HvhVTp8o0
>>227

「べつに……」
黒と赤。二人の少女の対比は記憶に焼き付いていることだろう。
アプローチを仕掛けるアリスに対して、ゼオラはいつも静かに返す。
少し不憫にも見える光景だが、本人達はそういう物だと思って受け入れられているのだ。

「……引っ越した。レラの家」
この、ゼオラの部屋から更に生活感が抜けた原因だった。

まだこの都市へやってくるよりも前の話。
初めて上弦と出会った頃のように、二人は再び同居を始めていた。

229上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/15(水) 01:32:56 ID:qgZ7ENks0
>>228
「まぁ、君もアリスも仲が良いのはハッキリとわかるから気にしないさ」

さっきのアリスの反応も、今のゼオラの反応も、仲が良い者同士特有の匂いを感じ取る事が出来る

「レラの家か……そうか!そうかそうか!」

レラの家と聞き、男の声が少し大きくなる
一言一言口にする度に嬉しそうにテンションが上がっているのがわかる

「ふふふふ、君達が相変わらずの仲良しで良かったよ、君達が仲良しだと私も嬉しいからね
さて、だったら早く帰らないとね?私がしっかりと送り届けてあげよう!」

230ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/15(水) 01:49:39 ID:SrMYpqxs0
>>229

「……ふふ」
元気を取り戻す男の声に、ゼオラは声だけで笑い。
差し伸べられた手を取りさらに、ぐっ。と突き出した。
「もっと」

231上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/15(水) 23:32:34 ID:qgZ7ENks0
>>230
「お?やっと笑ったね!久しぶりに君の笑い声を聞いたよ
このまま楽しく帰ろうじゃないか!」

男は勝手にテンションが上がって歩き出そうとするが、手を取る少女の発言に足を止めて少女を見る

「ん?ゼオラ、もっとって、何をだい?」

232ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/16(木) 02:35:56 ID:SrMYpqxs0
>>231

上弦に並ぶように歩いていたが、
止まると同じように足を止め顔を見合わせて。
尋ねる上弦をよそに一人先行したと思えば前に立ちふさがるようにして向かい合う。
「ん……」
片手じゃあ物足りないアピール。
今度は両手を伸ばして、催促する。
その目は伏せられて、気恥ずかしそう。

233上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/16(木) 03:40:43 ID:qgZ7ENks0
>>232
「……」
自分の前に立ちふさがり、両腕を伸ばす少女を黙って見ていると、ああと何かを察し
少女に近付き、抱き締めるようにして頭を撫でると、そのまま持ち上げ、お姫様抱っこを行う

「これでいいかな?」

嬉しそうに笑うその顔は優しく、少女が素直に物を言ってくれたのが嬉しいようで

234ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/17(金) 00:57:30 ID:SrMYpqxs0
>>233

見た目以上に軽い身体は簡単に持ち上がり。
腕の中に収まると思った以上に華奢で小柄。

すっぽりと腕の中に収まると肩に手を掛け身体を起こしてきて、
マスクが無くなった顔を至近距離で見つめようと顔をあげ、ペタペタと頬を触っていた。

235上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/17(金) 23:19:26 ID:bDVjUUZI0
>>234
「うむ、君はやっぱり軽いね、これならこのままずっと歩いていられそうだ」

帰りまで抱き上げたままでも問題ない事を少女に伝え、近づく顔に微笑みかける
そしてそのまま前を向いて歩き出すのだが、少女が自分の頬に触れると不思議そうに尋ねる

「ユリウスも仮面越しによくそれをやるね?ゼオラがこう言うことするとは意外だったよ
まぁ、私は嬉しいから好きなだけ良いぞ」

ペタペタ触られるのが心地いいのか、くすぐったいのか、白い歯を見せて笑い

236ゼオラ=アドヴァルド:2016/06/23(木) 00:58:53 ID:SrMYpqxs0
>>235

「……別に」
ユリウスの名を出されるたが興味なさげに一言だけ口にして。
しかし言動は逆に、身を乗り出して上弦の視界を奪うほど。
じっと、何も映さない暗い瞳が上弦の瞳を捉えたまま。
さらに近寄ればこつん。と額と鼻先がぶつかるまでに。

数秒の後、そっと離れていくと静かに腕の中に戻っていった。

237上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/06/26(日) 23:00:29 ID:qgZ7ENks0
>>236
「そうか…」

特に何も言わぬクールな少女にお約束感を感じで少し笑ってそう受け答え
一時的に戻った瑠璃色の瞳で少女の瞳を見つめ返し、そのまま額が触れるのを受け入れる

「さて、じゃあそろそろ行くとするか!」

少女が離れ、腕の中に戻るとそれを見て変わらぬ微笑みを浮かべる
そして今度こそ男は少女を抱えたまま歩き出した

238ゼオラ=アドヴァルド:2016/07/15(金) 00:29:46 ID:8AT6droo0
>>237

「うん」
今までの変貌はどこへやら。
普段と何一つ変わらない答え。
動かないところをみると、まだ上弦の腕の中に納まるつもりらしい。


//このまま締めでも、レラハウスにの中もやってもいいですよ!

239上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2016/07/19(火) 11:56:07 ID:qgZ7ENks0
>>238
「よし、このままレラハウスに出発だ!」

屋敷を出て草原を越え、夜の都市を少女を抱えて闊歩する
その姿はとても楽しそうで、見る者は怪しんだり怪しまなかったり、でも怪しんだり
しかし怪しまれるのはいつもの事、男は気にせず、逆にいつもより嬉しそうにレラハウスに歩を進める

「ん〜!この帰路は楽しいものになりそうだ!」

この後、アウテリートとレラにその姿を目撃され大変なことになった

240レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/27(月) 22:42:50 ID:jJ1k1Sfg0
レラ=バニッシュは暇を持て余していた。
尤も、レラという人間は暇という者を嫌う人間なので問題は無い。
もっと言えば、暇という者は極力愛する人間故に、こうして謳歌しているのだ。

昼下がりのレラハウス。
昼食で腹ごなしを済ませた身体にて午後を如何に過ごすか考える。
テーブルに広げたままの機械の球体を弄ろうにも、満腹感が邪魔して気分が乗らず。
午後一をソファに横になるところからスタートするのであった。

こんなときに何度か呼び出した、数少ない友人の存在を思い出す。
ふと、後頭部に感じる傍らの存在を目にかけ、読んでみるのも一興か、と連絡を付けてみるのであった。
文面はいつも通り簡素に「暇。遊びに来い」とだけ。

241アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/27(月) 23:35:08 ID:3Xd28DNY0
>>240
連絡を終えてもレラのもとに返事はない
しかし数分後の事、外から騒がしい音が聞こえ始めた
耳障りで不快なという訳ではないが、普段なら外から絶対に聞こえるはずのない音がどんどん近付いてくる、音の正体は音楽だ
音楽と一緒に足音がトコトコ、次いでノックの音がコンコンと聞こえてきた
しかし、ノックの返事を待たずに大きな衝撃音と共に白い影が飛び込んでくる

〜♪〜♪
『あ・な・たは一体誰なの♪』

ドアを突き破り現れた少女は短いスカートを翻しながらポーズを決め、ひとさし指を横にちょいちょい動かしてレラにウィンクをプレゼント、ハートのエフェクトがレラに向けて移動していく

『わ・た・しの名〜前はアウテリート♪錬金術士の女の子よ♪』

ウィンクをした後はクルクル回ってまたポーズ、ミニスカートから見える太股とかなり長いニーハイの絶対領域が惜しげもなく晒す
彼女の名前はアウテリート、凄く可愛い錬金術士である、以上

『魔法の道具をつ・く・る♪不思議な力を持〜っているの♪魔法はぁみんな〜♪私のお友達〜♪』

腕をブンブン、足をカツカツ、スカートをヒラヒラと舞わせて踊る少女は凄く可愛い、美少女である
最後にクルクル回りながら少女はレラに近寄ってくる、それはもう急接近である。
顔がくっつかんばかりの急接近を行うと、眩しい笑顔でまた指をちょいちょい動かす

『あ・な・たは一体誰なの♪』

242レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/28(火) 00:14:59 ID:jJ1k1Sfg0
>>241

返事の無さを気にするまでもなく、日当たりの良さに微睡み始めていて。
意識を取り戻したのは耳に届いてくる軽快な音楽からだった。
「この喧しさと厚かましさ……」
目を擦り自力で微睡みから目覚めようとしたところ、ドアの騒音によって飛び起きる。
寝起きの呆けた頭のままアウテリートのダンスををぼーっと見つめる瞳は普段よか幾分丸く。
軽快な音楽を口ずさみながら軽やかなステップを刻み可愛さを振りまくアウテリートを前に、次第に目の鋭さが戻ってきて。
最後に急接近したアウテリートと目を向かい合わせる頃には眉間にしわを寄せる普段通りの表情が戻ってきて。
「うっわいわ」
ロングTシャツの裾で口元を拭いながら可愛らしい眉間を突いた。

243アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/28(火) 00:31:05 ID:3Xd28DNY0
>>242
「ひゃんっ!あらやだ私(わたくし)とした事が、はしたない声を出してしまいましたわ、でぇもレラは今の声で興奮してしまいましたわよねぇ?
いいんですのよ!恥ずかしがらずに私に想いを伝えてくださっても!さぁ!可愛いって思ってますわね?さぁ!さぁ!」

眉間をつかれても怯むことはなく 、むしろさらにグイグイと顔を近付け、ただでさえ近いのに、少女は一言一言にオーバーな動きを付け加えてくるのでかなり鬱陶しいもとい可愛い

「あらあら、よだれ垂れてましてよ?は!?まさか暇という口実で私を呼び出して何か如何わしいことを考えていますのね!?ぐへへ!お嬢様め何もしらずにまんまとやって来たな!って感じですのね!?
ダメダメ駄目ですわ!私にはお父様が!え?そんなに私は魅力的?困りますわ〜!私はお父様一筋ですのよ!」

244レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/28(火) 01:07:08 ID:jJ1k1Sfg0
>>243

「あぁ。そうかもな。可愛いかもしれん」
アウテリートの望む言葉を口にするが、口調はワードとは真逆に淡泊で。
適当加減がありありと伝わるような、むしろ、わざと醸して流してしまおうとか、そんな風。
「そういうのは教育に悪い。やめろ」
そういう彼女の隣。膝枕をして微睡んでいた相手が隣に居た。
かの少女は二人を不可思議そうに見つめてから、レラのシャツの裾を引っ張る。
『レラ、だれ?』
「ん、こいつはだな……」
傍らの、レラの見た目上の年齢と釣り合う少女に対しては優しい視線、言葉を投げかける。
口を閉ざしてアウテリートの方に目を向けて、続く言葉に悩む様子……。

245アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/28(火) 08:34:48 ID:3Xd28DNY0
>>244
「あらぁ〜!今日は素直なことですわねレラ?もぉ〜言われなくても私が好きってわかってますわよ〜?本当にツンデレさんですこと!」

適当だろうが淡白だろうが一切気にせず瞼をパチパチさせながらレラの頬を指でグリグリ
ウィンクするたびにハートのエフェクトや星のエフェクトが産み出されていく

「あらぁ〜!可愛らしい子ですわね!私はアウテリート♪レラの片想いの相手ですわよぉ!はぁ私って罪な女ですわね……」

さて、レラをひたすら弄くったあとに膝元にいるもう一人の少女に気付く
誰と聞かれ、レラがどう答えようか考えあぐねているとそれを遮るかのようにお嬢様が口を開きドンドン話を広げ始める

「そう、私はアウテリート!その美しさ、可愛さから同性にまで愛されてしまう魔性の女、神は私に二物いや三物……いいえ!七物くらい与えてしまったのですね……
可愛さ、錬金術の才能、妖艶さ……魔性……可愛さ……可愛さ、あと可愛さ!
あぁ〜!なんて罪な女♪」

246レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/28(火) 21:47:44 ID:jJ1k1Sfg0
>>245

「あぁ……」
レラの意図すら跳ねのけるアウテリートの勢いに返す言葉も見つからず、気の抜けた相討ちを返すのみ。
ずい、と寄った分だけ頭を下げるがソファに阻まれて退路を封じられたところで頬が指先に捕まってしまう。
ハートや星を間近え受け続けるレラは寝起きにも関わらず疲れ切った顔をしていた。

首元の黒いスカーフが特徴的な黄色い髪の少女はそんな二人をぼーっと見つめている。
瞳こそ柔和だが、表情は硬く微塵も変化を露わさずお嬢様の独り舞台をじっと見たままで。
レラがため息に合わせて身体を傾けると黄色いワンピースの裾を捲り、レギンスに包まれた太腿に頭を乗せてやった。
『アウテリート、可愛い?』
「やっぱ間違ったか……頭痛くなってきた」
そう。膝枕してもらっていたのはレラの方なのだ。

247アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/28(火) 22:18:49 ID:3Xd28DNY0
>>246
「そう!私は可愛いアウテリート!いい子ですわね、良くできました!全くレラったらこの子を少しは見習いなさいな、アウテリート好き好き〜(はーと)さん、はい!」

黄色い少女の無表情なんてなんのその、アウテリートはそんなことを気にするお嬢様ではない、でも初対面で何もしないほど無礼でもない
いたいけな少女を侍らせ、膝枕なんてさせるレラを訝しげに一瞥すると

「レラ、あなたがロリコンだってことは知っていますわ、でもまずはその子を私に紹介してくださいな、その子だって私のような超絶美少女が目の前に現れたら恐縮してしまいますわよ?それに暇だというから来て差し上げたのに、随分楽しそうじゃありませんこと?
私はレラの友達なので安心していいんですのよぉ〜?」

レラに用件を尋ねてぷんすこすれば、直ぐ様輝く笑顔を黄色い少女に向けて安心するように優しく声をかける

248レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/28(火) 23:09:32 ID:jJ1k1Sfg0
>>247

『アウテリート、好き好き』
今度は疑問符を付けることなく完璧に復唱する。
抑揚に乏しく、感情の籠らない機械的な返答だが、こういう返答には慣れたものだろう。
「誰がだロリコンだ、全く……ん、おぉっ?」
黄色と黒の膝の上。閉じていた目を反論の為に目を開けて。
眼前に飛び込んできた煽りカットのアウテリートの迫力に思わず感嘆の声が漏れる。
寝転がったまま、眼前に広がる胸元を見つめながら(一応その奥の顔に向かって話しているつもりで)口にする。
「コイツは栖狩ビィ。
 世話役が捌けていてな。子守りに丁度いいと思ってお前を呼んだ」
『ビィ、アウテリート、♪』

249アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/28(火) 23:32:12 ID:3Xd28DNY0
>>248
「はぁ〜!可愛らしいですわぁ!私の母性が満たされていきましてよ!それに比べてレラ、貴方と来たら……胸を見すぎでしてよ?ほぉら、ビィ?レラのスケベ!さんはい!」

世話役を自分に任せようとしたということは、黄色い少女ビィは世話が必要な証拠ということだろうか、それなのにそんな子に膝枕をさせて、しかも胸をガン見しているレラに呆れたように、そして少しお灸を据えるため、なんだか変なことをビィに吹き込み

250レラ=バニッシュ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/28(火) 23:59:55 ID:jJ1k1Sfg0
>>249

『レラ、すけべ……?』
「お。おい! 何を教え込んでるんだ!」
思わずアウテリートの下から抜け出し、ビィと反対側のソファの縁から顔を出す。
因みに、レラの力では肩を押しても退かせそうになかったからである。かしこい。

「それに、別に見たかったからじゃない!
 お前のそれがデカすぎて邪魔なだけだ!」
普段自分のペースから下りないレラも、アウテリートと一緒に居る時だけは狂わせて。
声を荒げながらの様子は、慌てている様子が明らか。
「変なことを吹き込むな! 僕が怒られるんだぞ!?」

251アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/29(水) 00:31:37 ID:3Xd28DNY0
>>250
「ふん、私は大きすぎる訳じゃありませんわよ?"大きめ"ですわ、そんなに私の胸が気になりまして?貴方も結構立派なもんでしてよ?ビィ?レラは胸が好き、さんはい!」

怒られるのが嫌なら最初から自分でお世話をしなさいなとレラを叱るかのように言葉を投げ掛けると、またもやレラを反省させるために変なことを吹き込んで

「いいですこと?レラ、お世話を人に押し付けちゃいけませんのよ?こぉんなんに可愛らしいのに……っていうか貴方暇って言ってましたわね!?やっぱりどう考えても暇じゃないですわ!ビィ?レラのサボリ魔!さんはい!」

252レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/29(水) 01:00:44 ID:jJ1k1Sfg0
>>251

「わー! もういい!」
ビィを抱え込むと口を押え復唱させるのを阻止。
いつも以上の焦り様は、ビィへの悪影響を真に恐れているらしかった。
それでも、やはりというかアウテリートの真意は伝わらずに。一息つけばビィを手放しアウテリートに押し付ける。

「僕も押し付けられたんだがな。
 貴様が言ればビィも丁度暇をしないと思ってな。
 そんなに可愛いなら任せてやる。適任だろうが」
『レラ、さぼりま?』
不満そうな悪態を吐きながら呼吸を取り戻してソファにふんぞり返る。
長袖の裾を引かれても取り繕う気もないし、サボリ魔は訂正しないらしい。

253アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/29(水) 22:38:04 ID:3Xd28DNY0
>>252
「ビィに悪影響を与えたくないなら貴方もしっかりとしなさいな、開き直っちゃって…」

腰に手を当て、ため息混じりに言葉を溢せば視線はレラとビィを交互に捉えてしばらく思案
その後、時間を置いて再びため息混じりに仕方ありませんわとでも言うように頭を振ると大きな縦ロールが揺れた
アウテリートのシャンプーだろうか、良い香りが一瞬だけ鼻を掠める

「まぁいいでしょう!私ほどの完璧美少女となれば面倒見も素晴らしいのは当然、今日は私が二人の保護者でしてよ!おーほっほっほっほ!」

二人の保護者、ビィは勿論の事だが何故かレラもカウントされている

254レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/29(水) 23:34:42 ID:jJ1k1Sfg0
>>253

アウテリートの一挙手一投足を見つめる赤色の瞳。
黄色の髪をくゆらせる、黒いスカーフの少女栖狩ビィ。
小さな身体からわかる通り、まだ幼いらしく、外見だけならばレラと同じ程度。
尤も、ずれているのはレラの方で、むしろアウテリートと並ぶ程なのだが。
そんなレラは小さな腕を伸ばしテーブルの上に広がった小さな機械のパーツ群を掌で押しのけ、その奥のお菓子が乗った皿を手繰り寄せる。
指先でチョコレートを抓み口元に運びながら気だるそうにアウテリートを眺めていた。
「……お前、そういえば幾つだ」
ふと、何の気なしに尋ねる。
ビィもクッキーを手に取りながらレラとは反対側のソファの淵に身を寄せる。アウテリートのスペースを確保したようだ。

255アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/30(木) 00:25:57 ID:3Xd28DNY0
>>254
「私?私は花も恥じらう16歳ですわ!若い!可愛い!セクシー!三拍子揃った完璧錬金術士ですわね!」

スペースが空いたのを目にすると、厚意を素直に受け取り、空いたスペースに座る、ビィとレラに挟まれる形だがお嬢様なら喜んでいるだろう
間に座れば衣類や身体、髪から良い匂いがふわりと香り

「とは言え、お世話って何をすればいいのかしら?私こう見えてのお嬢様ですの、お世話される事に慣れていても、する方はあまり慣れてませんわ」

256レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/30(木) 01:08:44 ID:jJ1k1Sfg0
>>255

「は?」
半分だけ齧ったチョコレートの残りが手から落ちる。
胸元を転がり、太腿の間にできたロングTシャツのくぼみに落ちるまで動かず。
正直、同じくらいだと思ってた18歳。なんとも言えず口を噤む。
思わず横に座したアウテリートのつま先からロールの先までを眺め、ひざ元のチョコを拾い上げてから咳き込んだ。

その間にビィは席を立ち、キッチンの方へ向かっていく。
黄色いワンピースの背は大きく開いていて、そこからは光を取り込んでキラキラと輝く者が伸びていた。翅だ。
「僕に聞くな。
 お前が普段付き添いにしてもらってることでもやってやれ。……そういえば今日は居ないようだが」
基本的にメイド執事たちとは折り合いが悪いレラ。
彼ら無しでアウテリート単独で、というのに物珍しさを感じながら、どこか安心を覚えていた。
「アイツもアイツで色々と希薄だろうからな。その点も扱いは得意だろう?」
キッチンから三人分のコップとジュースのボトルを持ってくるビィを一瞥してから、横目でアウテリートを捉えた。

257アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/30(木) 21:45:11 ID:3Xd28DNY0
>>256
「なんですの?人をジロジロと……は、さては変なこと考えてますわね!?やっぱりそれが狙いだったんじゃありませんの!」

自分の身体を抱き締めるように腕を回し、レラに引いたように距離を置く、軽蔑の眼差しを向けてはいるが、なんだか眼がキラキラしているようで、そんなことをやっているとビィの背中がお嬢様の視界にはいる

「あらぁ?はね?妖精みたいなやつが生えてますわね?はねの生えた子が喜ぶようなお世話……うむむむ〜」

ビィが何者なのか、どうやって二人をお世話しようかと考えているお嬢様
そんなお嬢様をいつも取り巻いている召使い達がどこにいるかと言うと

レラハウス周辺に身を隠すかのように様子を見ていた
防衛システム的なものがあるのかはわからないが、間違いなくそこにいた

焦げ茶色の髪の少女のメイド長、木のマナで上弦が若い頃から兄妹で一緒にいた子だ

橙色に燃える髪に角を持つ執事、火のマナ
実際に髪は燃え移らぬ不思議な火で出来ており 、色んな意味で個性豊かなアウテリートのお付きの中でかなりの常識人だ

三人の鎧騎士、本来は上弦を討ち取り昇進を狙っていた三人組だがあまりにも弱すぎて所属していた組織からは忘れ去られるは半ば追放状態だはで散々である
でも何故か上弦の屋敷でアウテリートのボディガードとして雇ってもらってるよ!良かったね!
そして最後に人語を話す三頭の馬
真っ白で美しき鬣に角、見る者の心を奪う大きな翼、見た目は大変美しいが喋り方が非常に残念な白馬

他の二頭とは二回りほども体が大きく、爛々と光る真っ赤な眼は見るものを恐怖させ、まるで闇がそのまま馬の姿で現れたかのような、めっちゃ丁寧で腰の低い黒馬

暗闇でも光輝く体毛、まさに黄金の光をその身に纏い、全ての悪を瞬く間に浄化……出来そうな筋トレ趣味の金馬

この面々が草むらの中で息を潜めてレラハウスを見守っていた

258レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/30(木) 22:33:38 ID:jJ1k1Sfg0
>>257

「デカいな……」
多くを語ることはせず、アウテリートのおふざけに乗ることも無く。
ただ一言だけを返す口調は感慨深そうに。何処か恨めしさすら。
……単にレラが小さ過ぎるだけなのだが、勿論禁句。

テーブルの上には漆黒に輝く鋼鉄に覆われた小さな機械が置かれていた。
未だ完成品では無いらしく、回路部が剥き出しになっていて、パーツらしきものが大量に散らばっている。
ビィは三人分のコップとジュースのボトルをテーブルの隅に置くと、それらのパーツを慎重そうに手に取りテーブル脇の箱に収納していく。
そうしてテーブルが片づいてから、三人分のオレンジジュースを注いで回っていた。
レラは彼女から受け取る前に、優しく頭を撫でてやる。
その仕草はレラにとっては不自然さすら見受けられるような、慣れた手つき。
続いてアウテリートの前にも現れてコップを差し出すと微かな笑みを浮かべた。
表情には乏しいながらも、変化自体はしっかりと感じられる訳で、その笑みには人懐っこさすら。

「ん……?」
何かを感じ取ったのか、表情を曇らせるレラ。
背もたれに身体を預けた状態で大きく息を吸い込んだ。
次には逆に、ゆっくりと長い時間を掛けて息を吐き続けていく。
その20秒ほどの間……レラの瞳が不自然な煌きを見せて、その末にため息を吐いてソファの肘掛けに身を流れさせた。
特に何かが起こった訳では無いが、空気が震えたような感覚がアウテリートを襲うだろう。
ビィは的確にレラの方を見つめ、首を傾げていた。

259アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/31(金) 00:01:45 ID:3Xd28DNY0
>>258
「でかい?あ、やっぱり私の胸を見てますわね!あぁ〜やっぱりそう言う目で私を!?いけませんわ!私にはお父様が!……あらビィ、ありがとう…なんて親切な子なのかしら」

相変わらずそっち方面で騒ぐお嬢様だが、ビィが戻ってくるとスッと姿勢を整えカップを受け取り
ビィの頭を撫でるレラを目の当たりにすると、押し付けられたなど、なんだかんだ言っての仲良しなんだなと微笑ましく思い、嬉そうな表情のままカップに口をつける

「私も撫でてあげますわよぉ〜!ほら、よしよし!ん?レラ、何かありましたの?」

ビィの頭に手を伸ばしながら、レラが何かしていることを感じ取り、不思議そうに尋ねる

260レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/03/31(金) 00:46:51 ID:jJ1k1Sfg0
>>259

レラの周りの16歳と言えば、緑髪のツインテールがもう一人思い浮かぶ。
川堀アミルという彼女もよくちょっかいを掛けてくるレラの悩みの種の一つ。
「うるさい。何でもない」
アミルもまた、程々に大きかったことを思い出し、不貞腐れていた。

今、視線はレラハウスの庭へと向かっていた。
誰が整えたのか芝は丁寧に狩り揃えられていて、整備は行き届いている様子。
尤も、引き篭もりのレラと陽を嫌うゼオラが住人なので庭が使われた形跡は無く少々寂しい空間となっている。
「いや、特には……」
実は、先ほどの深呼吸で『周囲の状況を偵察していた。
身体を襲った揺さぶられるような感覚はレラのサイコパワーが人の感覚を働きかけた結果によるもの。
放出した『感覚』の戻り方で周囲を探った結果、メイドや執事、馬の存在に気付いたがためのため息。
しかも、たまたま庭に潜んでいた物陰を見つけてしまい、視ないふりをして視線を屋内に戻していく。
ビィとアウテリートのやり取りを見つめ、今度は安堵したような息を吐いでひじ掛けに仰向けに凭れた。
「……カーテン、閉めるか」

261アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/03/31(金) 23:16:24 ID:3Xd28DNY0
>>260
「あ、もしかしてレラ貴方…自分の体が小さいのがお悩みなんですの?」

アウテリート、この少女は人の気にしていることをズバリと言ってしまう、別に悪気があるわけではないのだ、アウテリートにとってはレラの体の小ささなど特に気にする事でも無いだけで……本人からしたら大問題だろうが

「今のレラだって可愛いですわよ!私が保証してあげましてよ!ほら!証拠に!チューしてあげましてよぉ〜!カーテンなんて閉めなくて良いですわ!見せつけてやるんですのよ!ほら、ビィもレラをおさえなさいな!」

ガシッとビィの頭を撫でていた手を素早くレラの頭に移し、しかも両手でしっかりとホールド
ん〜と声を出しながらわざとらしくゆっくりと顔を近付けていき、この少女…自分で自分を美少女と言えるほどの美少女である
そこらの女の子より群を抜いて可愛いのは事実だが、こんなとんでもないことをおっ始める困ったちゃんでもある

262レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/01(土) 00:03:30 ID:jJ1k1Sfg0
>>261

レラという少女は控えめに言っても小さい。
何故かどうしてか、物心ついた時から一切成長しなくなっていた。
ゼオラが細く、長い体型であることも災いして、何かと比べて辟易することも多い135cm。
現に、12歳であるビィ(141cm)と比べても見劣りする。年相応にみられることは決してないだろう。

元々、人前には出る方ではなく、四足の機械に乗ったまま外出することも多かったのだが、
最近では様々な事情から露出の機会も多くなり『この外見』を厄介に思っていたのは確かだった。
「あぁっ!?」
それだけに、アウテリートの発言は確信を突く物で。
思わず身を乗り出して牙を剥き、殴りかかろうとしたところ真正面から捉えられてしまう。
じたばたと抵抗するが、生粋のもやしなので相変わらず抑え込むのは容易。
「むがっ!? おいっ……おいっ? 冗談じゃないぞ!」
なんだか前にもこんなことがあったような。
触れたような触れてないのか、詳細は思い出したくもないがその時の感覚はなんとなく残っている。
顔を背け逃げようにも、手足は取られているので限界というものがあるだろう。
さらに、ビィはことの重要性を理解していないのか、二人をそわそわと見つめているだけ。

263アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/01(土) 22:55:02 ID:3Xd28DNY0
>>262
「ん〜!さぁさぁ!私の愛を受け取りなさいな〜♪逃げ場なんてありませんのよ?ほら、女の子同士だからノーカンだって前にも言いましたわよね?ハァ…ハァ…!」

アウテリートの顔が近付くにつれて、シャンプーの良い香りがレラを包み込み
お嬢様は抵抗できないレラに遠慮など一切する気など無く
外の召使いが止めてくれるかと思いきや、まさかの外でシートを敷いてお茶会を始めちゃっており
いよいよ、アウテリートの顔が、唇がレラと数センチ……そして次の瞬間

「チュ〜(はーと)」

なんと本当にレラにキスをしてしまった……と思いきや、なんだか感触がおかしい
柔らかいことは柔らかいがなんだか甘い、苺味だ

「んっふっふ〜!驚きました?レラも女の子ですわね〜!私は本気でしても良かったんですわよ?でもビィが見ているし……ね?」

レラの唇に触れていたのはアウテリートが手に持っていたお菓子…グミである
駄菓子屋によくあるアレだ
思えばアウテリートの父親もどこからともなくお菓子を取り出して来る人物だった
意味深な台詞を吐けば何度も見たハートエフェクトを発生させるウィンク

264レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/02(日) 00:28:48 ID:jJ1k1Sfg0
>>263

「ノーカンとかノーカンじゃないとかそういう問題じゃないだろ!?
 お前本気か? 本当に本気かっ!? うわあああぁぁっ!?」
言葉通り信じられないといった顔を浮かべ顔を引きつらせる。
逃れようとしながらも美少女が迫り見つめあうと頬が赤らみを帯び始め。
数センチを切ると観念したのか目を閉じて受け入れるような素振りすら。

「んっ……ん?」
直前まであれだけ抵抗していたのが嘘のように、可愛らしい声を漏らして静かに受け入れた。
……が、その違和感に気付くとそっと身を開けてネタばらしを目にすると顔の朱が一瞬で増して。
「お、お前っ……騙したなっ……!?」
気が動転しているのと恥ずかしさからか口が回らずに、頑張った結果精一杯の言葉で返す。

265アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/02(日) 10:41:23 ID:3Xd28DNY0
>>264
「おーほっほっほ!まぁまぁ!レラったら真っ赤でございますわねぇ♪なんて可愛いのかしら!ビィもほら、ちゅー!」

顔を真っ赤にして怒るレラをおちょくりながら、ビィにもグミをピタッとくっ付ける
チラっと流し目をレラに向けるとまた楽しそうにクスクス笑い

「うふふ、ほらビィ、レラ可愛いっと言ってごらんなさい!楽しいですわよ?」

現在お嬢様絶賛煽り中、しかし忘れてはならない……このお嬢様は誰も見ていなかったらマジでやっていた可能性があると言うことを

266レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/02(日) 16:46:49 ID:jJ1k1Sfg0
>>265

『んーっ……♪』
アウテリートに習うように唇を差し出して。
グミを受け取ると真っ赤な紅玉のような瞳を緩やかに曲げ、口元も楽し気な吐息を口ずさむ。

「お前は! いつもいつも……! ぐぬぬ……っ!」
全身で露わにした怒り堪えることに必死らしく。
ソファの上で涙を浮かべながらプルプルしているのはとてもかわいい。

『レラ、かわいい』
「……ッ!! アウテリート、貴様ぁ……!」
ビィの言葉も重なると悶えも重なって。
お嬢様を睨みつけながらビィに頭を撫でられている。

267アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/02(日) 23:27:20 ID:3Xd28DNY0
>>266
「あら〜!なんて良い光景なのでしょうか!たまりませんわね!まぁまぁそんなに怒っちゃ嫌ですわ〜♪」

まぁまぁと両手をチョロチョロ振ってレラをなだめるが、今の光景がアウテリートには眼復過ぎてついついにやけてしまう

「これで今日来た甲斐がありましたわ!そう!これがお世話なんですのね!可愛い子を可愛がり交流を育む……あぁなんて尊いのかしら!」

色々めちゃくちゃにした感じはあったが、暇な一日を吹っ飛ばすくらいの衝撃は与えられたのでは無いだろうか
アウテリートはうふうふ笑ったまま二人の様子を眺める

268レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/03(月) 00:08:37 ID:jJ1k1Sfg0
>>267

「貴様ァ……!!」
時間も立って興奮もドキドキも収まってきて。
怒りのみが後に残るとカラダを起こして。
普段からずっと怒っている分か、その迫力は小ささにそぐわないもの。

「そ・ん・な・ワ・ケ・が・あ・る・か!」
身の危険も顧みず飛びかかって来てアウテリートに掴みかかった!
上手く跳びつくことが出来ればそのままソファに押し倒して馬乗りになる! ビィはジュースを飲んでいる!
「もうガマンならん!
 貴様がビィの前だと言ったが、僕は容赦せんぞ!」
転生の悪辣さを覗かせて両手の指先を手鳴らしと言わんばかりに蠢かせながら一息ついて。

269アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/05(水) 00:01:22 ID:3Xd28DNY0
>>268
「あ、ちょっと!いやん、もう…強引ですわね?」

隙をつかれたお嬢様は簡単に押し倒されてしまうが意外と余裕タップリ
翡翠色の髪を広げわざとらしいクネクネした動きをしてからパチパチと目配せ
腰に手を当てながらめちゃくちゃ誘っているが怒り心頭レラには火に油である

「ビィ、見ちゃ駄目ですわ〜!まだ早いですわよ!レラがもう飢えた狼みたいになっちゃって!あぁ〜!これはいけませんわ〜♪」

なんだか嬉しそうではあるがビィにはまだまだ早い光景だと判断
どういう意味にせよ見てはいけないと念押し

270レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/07(金) 02:07:51 ID:jJ1k1Sfg0
>>269

「フフ……いままで、今日だけでなく!
 散々やってくれたなぁ……? 良い眺めだぞ、アウテリート」
国の秩序を取り締まる立場とはとてもじゃないが思えない笑み。
いつも以上に外道感あふれた表情で見下ろす様子はやけに充実して居るように見える。
それもそのはず。アウテリートにはなんだかんだ普段からやられっぱなしだったのだ。
仕返しのタイミングを前に、その中越姦に浸っているらしく勿体ぶってみたり。

「さぁて、そろそろ好きにさせてもらうと―――」
上から見下ろされることになるアウテリートの姿を十分に堪能したのか。
見せつけてた両方の指先を迷わず落とそうとした――――その瞬間のことであった。

『……ただいま』

自由の効かない耳にもドアが開いた音と、その後に聞こえた聞きなれたか弱い声が伝わるだろう。
傍らで二人の光景を眺めるビィと同じく、抑揚に乏しく声量の貧しいもの。
アウテリートにとっては聞きなれたダウナーボイスが、どんな感情を届けるのか。
『何、してるの……?』
「ぜ、ゼオラ……い、いや! 違うんだ、これは!」
レラにとっては恐怖でしかないらしく。衣服に掛かりかけた手w即座に跳ね上げて無実を示そうとする。
ただ、ゼオラの『先ほどまで微塵も感じられなかった気配』はレラの方へ一直線に……。

271アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/09(日) 00:36:07 ID:3Xd28DNY0
>>270
「んふふ…良いんですのよ遠慮しなくて!さぁ!貴方の爛れた愛を私にぶつけなさいな!受け止めてあげますわよ!」

押し倒されても余裕の表情、むしろ色っぽく誘っているようにも見えるが、上に乗られて身動きが取れないのも事実
レラが散々優越感に浸りながら自分を見下ろしてるのを見るとなんだかゾクゾクとしてきた
ついにレラがその手を衣服にかけて来た瞬間、アウテリートの脳内には小さなレラが何をする気なんだろうか?という好奇心が生まれたが、聞こえてきたダウナーな声、アウテリートにとっては可愛らしいとしか言えない声が聞こえる

「……あら?これって…………ニヤリッ」

すぐにレラが手を引っ込めて言い訳に口を震わせるのを見て、アウテリートはお嬢様特有の邪悪に満ちた、それでいて可愛らしいニヤニヤ小悪魔スマイルを浮かべて

「…うぅ……ぐすんっ……わ、私……レラ汚されてしまいましたわ……」

シュババッとスカートや胸元を自ら乱すと、よよよと泣き崩れる演技を行う
むしろ汚したのはアウテリートの方だが

272レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/11(火) 00:05:10 ID:jJ1k1Sfg0
>>271

足音は音もなく。けれど隠しようがない気配は一直線に。
それもまた一つの想いなのかもしれない。けれども向けられた側は焦るばかりで。
こういうとき、素直になれないのがレラの悪い所だったりする。
ゼオラと向き合えずに弁解の言葉を未だ口にするが、アウテリートの訴えにゼオラの表情がほんの僅かに眉を顰める。
彼女にとっての変化はそれで充分でることを知るレラだからこそ。猶更の言い訳が必要なもののアウテリートの行動に驚きを隠せないのか。
「えっ? えっ!?」
ただただの焦りと混乱で普段の聡明さは欠片もなくあたふたとするだけ。
アウテリートに対するツッコミよりも迫るゼオラの威圧が勝っているらしく。
最早目を合わせることもできずに、最後に頼っろうとして視線を向けたのは下に敷いたアウテリートで。

273アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/12(水) 00:27:15 ID:3Xd28DNY0
>>272
「……あら?……ん〜?」

最初は事を面白がって見ていたが、レラがあまりにもあたふたするもので、なんだか様子がおかしいのでは?とレラとゼオラの表情を交互に見比べて様子を探っていた
そんな折りにレラが自分に視線を向けてくる、助けを求めているのだろうか?
ゼオラが酷いことをするとは思えないが、事実レラはどうにも様子がおかしい
今のレラの姿を見てるとどうにもやるせない気持ちになってしまう、アウテリートは悪戯っ子ではあるが根は優しい子だ

「ふぅ……仕方ありませんわね……ゼオラ!
今のは冗談ですわ!ちょっと悪戯し過ぎて怒られていた所でしたの、変なことはしてませんわ!」

さっきまではわざと抵抗しなかったのか、簡単に起き上がると両手をパタパタ振りながら先程のは冗談で、何も変なことはしていない、だから怒らないでと弁明する。

274レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/17(月) 02:43:17 ID:jJ1k1Sfg0
>>273

音はない。しかし確実に近づいてくるのが解る。
意志を見せることのないゼオラだが、レラの怯えようを介してただならない感じが伝わってくる。
一方で、レラという人物は武器やマシンを持たない生身の状態ではほぼ脅威が無く。
最近、脳波を介した超能力を身に付けはしたがゼオラとの力の差が覆るようなものではないとわかるはず。
「うぐぅ」と小さく、切羽詰まったような声を上げたと思えばアウテリートにしがみ付き助けを求めて。
『? そう……』
ただの悪戯であると認識したゼオラの手が降りると周囲に張りつめていた緊張のような空気管がっふっと消え失せる。
それによって難を逃れたと判断すれば胸の中で安堵した溜息を吐くレラ。元々この状況を作ったのもアウテリートなのだが。

275アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/04/26(水) 01:11:12 ID:3Xd28DNY0
>>274
「全く…これに懲りたら傲慢ちきな態度は止めるんでしてよ?」

しがみつくレラの頭をなでなで、自分の事を棚にあげて何故かレラに注意の言葉を告げるが、表情だけは慈愛に満ちているのが腹立たしい、でも可愛い

「おほほほほ!今の私は母性の塊ですわね!さぁ!ビィもゼオラも私の所にいらっしゃいな!今なら私の優しい抱擁がプレゼントされましてよぉ♪」

レラを自分の大きめな胸に埋めさせながら、まだまだ貪欲にも二人の少女に手招き
ちなみにこのお嬢様、凄く良い匂いがする

276レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/04/27(木) 00:42:33 ID:bju5L4WA0
>>275

「誰が傲慢ちきな物か。僕の当然の権利だぞ」
アウテリートへの反論に一瞬で普段の雰囲気を取り戻す。
ただ、取り戻したのは雰囲気だけで身体はしがみ付いたまま胸に顔を埋めたまま喋るのでちょっとくすぐったい。

『ビィ、いく』
「ん……」
寡黙で細身な少女二人。
似通った顔つき、同じガラス玉のような瞳をしていても、纏う雰囲気だけは正反対。
口元を目一杯嬉しそうに歪めレラとの間に潜り込もうとするビィと、端の方からそっと身を寄せてくるゼオラ。

277アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/05/17(水) 01:24:37 ID:3Xd28DNY0
>>276
「おひょ〜!胸にレラ、お腹にビィ!そして傍らにはゼオラ!こ、これはたまりませんわ〜!もうみんな愛してあげちゃいますわ♪」

この中で一番大人っぽいのが恐らく、多分アウテリートだが、こう言う所はやべーやつである
でもやっぱり優しく三人を包み込む少女は母性に満ちていた

「んふふ〜、満足いくまで良いですわよ?このまま一緒に寝ちゃっても良いですわよ!おほほほほほ!」

色々と騒がしい出来事はあったが 、結果的にレラがアウテリートを呼び出した事は正解だっただろうか、それは四人だけが知っている

278レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/05/18(木) 23:10:16 ID:jMrRCTK60
>>277

「おい、僕の話を……ふん、まあいいだろう」
見た目三人ともランドセルを背負うのが似合うような歳に見えるが、
両端の二人はアウテリートより二歳も年上。しかもレラの方が激しい甘えっぷり。
レラの胸の下、二人のお腹に頭を寄せてはしゃぐビイを優しく撫でて受け止めながら、レラ自身もアウテリートに顔を擦り付ける。
そして、傍らのゼオラがそっと身を寄せてくる。目を向ければ見詰め返す瞳があった……。

279アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/06/14(水) 22:18:02 ID:3Xd28DNY0
>>278
「全く、レラが一番甘えんぼなんて、正直予想通りでしたけど実際に見るとなんとも言えませんわね……
貴方一応リーダーの立場ですのよね?」

そんなことは言ってもしっかりとレラの頭を撫でて甘やかしまくっているお嬢様がそこにいた

レラを母性で包んでいると、不意にゼオラも寄り添ってくるので、いつでもウェルカムと言うように視線を向ける
自分を見つめるゼオラの瞳に、お嬢様の角度によって色が異なる虹色の瞳が向き合う

280レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/06/15(木) 00:30:18 ID:jMrRCTK60
>>279

「フン……。
 今はビィの目もあるからな。この程度にしておいてやる」
指摘されると急に身体を逃してソファの反対側に凭れる。顔真っ赤。
撫でられた頭を手櫛で整え、アウテリートの感触を消し去ろうとしていた。

代わりにゼオラとビィが左右を挟み、幼さの強い瞳を向ける。
「『……♪』」

281アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/17(月) 19:42:10 ID:3Xd28DNY0
>>280
「あら、もういいんですの?まぁ、顔真っ赤にしちゃって……またいつでもしてあげてもいいんですのよ?二人っきりの時とか……ね?」

自分から離れるのを確認するともう満足なのかと質問をぶつけるが、顔を真っ赤にして髪を整えるレラを見た瞬間、また好きな時に相手をしてあげると告げる
そう、また相手をすると言った瞬間、ほんの一瞬だけ、アウテリートの表情が変わる
見る者によってはどう見えるか
獲物を狙う狩人か、妖艶な魅力を放つ魔性の存在か、そんな表情を一瞬だけ見せて

「はぁ〜ん、可愛い子が私をサンドイッチしてますわぁ〜!これは辛抱たまらん!ってやつですわよねぇ〜!!」

二つの瞳を向けられるお嬢様はもう、興奮収まらぬ感じで二人を抱き寄せる
気分はもうハーレムである

282レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/07/17(月) 23:02:19 ID:jMrRCTK60
>>281

手串の隙間から返事の為に視線を向ける。
その瞬間に垣間見えてしまった表情に背筋がしびれるような感覚を覚える。
「……一応、覚えておいてやる」
立ちすくむような数秒な間の後、徐に席を立ち。
アウテリートから遠ざかるようにわざわざソファを周りこんで隣の部屋へ逃げるように消えていく。
「程々に遊んだら帰るんだぞ」

抱き寄せられて両脇に抱え込まれる少女二人。
どこまでもよく似た二人は問題点もやはり同じ。
「『……?』」
何もしゃべらない。

283アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/18(火) 00:02:15 ID:3Xd28DNY0
>>282
「もう、わかってますわよ!自分から呼んだくせに……それよりも、あぁ〜!この二人の柔らかさと言ったらなんてことでしょう!抱き枕にして寝たいですわ〜!」

むーっと少しだけ不満気に頬を膨らませながらレラを見送る
見送った後はゼオラとビィの体温を味わう事を邪魔をするものなどいない静かな空間が出来上がる
最初はおーっほっほっほ!と笑い続けたアウテリートだが、二人とも口数が少ない事に気付く、または思い出すとどうしたものかと二人を交互に見て
その際でも肩に回した手をチョロチョロと腰に当てようと邪心はいっぱいである

284レラ=バニッシュ&栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/07/18(火) 00:23:05 ID:jMrRCTK60
>>283

「『?』」
アウテリートの邪心には気づく素振りも見せず。
若しくは、気づいているのかもしれないが顔には出ずに。
左右から金と黄の双眸を見つめ上げられるばかりでいたが。
ふと、金目の少女ゼオラの方がこくりと首をもたげた。
「んぅ……」
と声のような吐息を漏らして、アウテリートに身を寄せてくる。

285アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/19(水) 00:32:27 ID:3Xd28DNY0
>>284
「もう少し…もう少しで可愛い女の子の細い腰に…ぬぅ…ッ!」

そろそろ腰に手を当てられる、そう邪悪な野望が成就する直前に突如として少女がもたれ掛かって来るものだから驚いた
静かな空間を壊さないよう極力声を下げての吐息混じりの声を上げてしまう
バレたか?怒られちゃう?そんなことを考えていたがどうやらそういう事では無いらしい

「あら?あらあら?ゼオラ?…もしかして寝ちゃいましたの?」

ビィとゼオラを交互に見るともたれ掛かって来たのはゼオラの方らしい、吐息混じりの可愛らしい声から察するに、寝てしまったのだろうか?それは聞いてみないとわからない
もし寝てたら起こさないように、起きていたなら聞こえるように、上手く声量を調整してビィとゼオラに問いかける

286ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/07/20(木) 21:49:02 ID:jMrRCTK60
>>285

「ん……ねむい」
すりすりと横から身を寄せてくるゼオラ。
闇夜を好むゼオラにとって今の時間は眠い時間。
同じようにビィも横並びで身を寄せてきて首を傾げる。
『ぜおら、ねむい?』

287アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/20(木) 22:51:47 ID:3Xd28DNY0
>>286
「あら、眠いんですの?じゃあほら、私が膝枕してあげますわ、お父様もお母様も、マナ達も私の膝枕でイチコロでしてよ?ほらほら、遠慮なさらずに!」

ミニスカートとニーハイの間に生まれた絶対領域!長めのニーハイと短いスカート!
膝枕をしたらなんと!仰向けなら後頭部!横向きなら頬で直接!お嬢様の白くて美しいスベスベなふとももに触れることが出来るぞ!

「ビィは大丈夫でして?二人とも小さいから同時でも私はよろしくてよ?」

288ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/07/21(金) 00:08:02 ID:jMrRCTK60
>>287

「ねる……」
アウテリートの手から離れると太腿に身体を預ける。
ミニスカートとニーハイの間の絶対領域に顔を起き、頬と太腿をすり合わせる。
見上げる表情は微かに安らいでいるように見えた。

『ビィ、ねむくない』
傍らの黄目の少女はテーブルのオレンジジュースのカップを持ち上げながらどこか自慢げに答えた。

289アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/23(日) 00:12:06 ID:3Xd28DNY0
>>288
「あ゛〜!ふとももにゼオラの頬の感触がたまりませんわ゛ぁ〜……っといけないいけない、お淑やかにお淑やかにっと」

普通は膝枕をされたほうがリアクションを取るとは思うが、ゼオラの反応の少なさをお嬢様は知っている
しかしそれを抜きにしても何故かお嬢様の方が逆に膝枕をすることに喜んでいた
垂れそうになった涎をずずっと吸い込み、もはや手遅れであるが精一杯取り繕いながらゼオラの頭、オデコよりに手を添えて安心して眠れるように撫でる

ゼオラを撫でながら自信満々のビィに視線を移し、くすくすと優しく笑いかける

「あらあら、ビィは大人なんですのね?」

別にゼオラを子供扱いしているわけでは無いが、ビィが何故か誇らしげなので褒めることに

290ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/07/23(日) 02:56:51 ID:jMrRCTK60
>>289

「うるさい」
アウテリートの一人はしゃぎようにs両目がパチリと空いて。
流石のゼオラも口を開き一言示して、またパチリ。
『ビィ、はやねはやおき』
その一方で褒められたビィは嬉しそうに頬を緩める。
ゼオラと違い、硬いながらも幾分か表情の変化はあるようで。

「子どもじゃないけど」
対照的に子ども扱い去れたと思ったのか、またパチリと開いた目がアウテリートを見詰めている……。

291アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/07/25(火) 01:26:57 ID:3Xd28DNY0
>>290
「そう、健康的な生活をしてビィも私の様なナイスバディになるんですのよ?」

表情の豊か(ゼオラ比)なビィにうんうん早寝早起きは大事だと同意を示しながら自分の様に成長してもらいたいと願うお嬢様

やはりと言うか、騒いでいるため膝枕中のゼオラに注意を受けてしまう
しかも子供扱いをしたと勘違いされてしまう始末

「もう、貴方が立派なレディだってわかっていますわよ…まぁ胸は私の方が立派ですけど!ほら、疲れているのでしょ?静かにするからもうお休みなさいな」

ゼオラは一人前のレディだと理解していると、勘違いを弁明、しかし一部自慢のようなおちょくりが入って
それに突っ込まれぬように、ゼオラの頭を撫で、オデコから優しく目蓋の上に掌を置く
お嬢様からは花の様なとても良い匂いがして、恐らくゼオラをリラックスさせるだろう
少なくともお嬢様に膝枕をしてもらったマナ達は皆一様に、一連の動作で心地よい微睡みに誘われる

292ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/08/01(火) 02:00:19 ID:jMrRCTK60
>>291

「ないすばでぃ?」
色々と疎そうなビィにはやはりというかわからなかったようで。
ぱちぱちと瞬きを繰り返しながらも首を傾げるばかりでいた。

微かな表情の変化、それは眉を顰める抗議のような目でいて。
それを見るに、きっと弁解の言葉にも納得していないのだろう。
「……うざっ」
胸の話をした途端にはたから見ても解るまでの不機嫌さを醸し出す。
ただ、手のひらで撫でるように優しく、瞼を覆えば目線が通ることもなくなり。
一見、変化を感じられることはなかったが、次第に呼吸の音が聞こえ始める。
普段は物音を何一つとして立てないゼオラが、安らいでいる証拠なのだろう。

293アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/10/14(土) 22:05:17 ID:8ypaOhOo0
>>292
「んふふ…可愛らしいこと…ゼオラ、ゆっくりとお休みなさいな」

やはりお嬢様、母親譲りなのかそれともマナ達と関わる内に培ったものなのか、安らぐ呼吸音に耳をすませて柔らかく微笑み
ビィに視線を移して人差し指を自身の口許に添える

「ナイスバディと言うのは私の事でしてよ?ちなみにレラのはどちらかと言えばマニアックなので一緒にしてはいけませんわよ?」

膝元のゼオラを起こさぬよう、静かにゆっくりとした口調でビィの疑問に答え
でも、この話はおしまいと付け加えてビィとゼオラの様子を見守る

294ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/10/15(日) 02:22:41 ID:hCYAXhNw0
>>293

眠りに入ったゼオラは呼吸音すら耳に届かない。
直接触れた太腿から、息づいている振動や微かな重みを感じ取ることはできる。
普段、無である少女の確かな存在がしっかりと伝わっている。

「レラ、まにあっく、ぅ……?」
今一ピンと来ていないような返しの言葉。
少し目線を落として咥えた人差し指を見つめながら、小さく唸る様子からもまた知らない単語だったことが伺える。
「かわひら、聞く」
ないすばでぃとまにあっく。おしまいと言われたので彼女も持ち越すことにした。
……この選択が後ほど(レラに)大きな波乱を生むことになるのだが、ビィがそれに気づくことは無さそうだった。

295アウテリート ◆6xc12amlNk:2017/10/15(日) 23:35:18 ID:8ypaOhOo0
>>294
「そうですわね、今度じっくり聞くんですのよ?可能であればレラも一緒にね?」
(…なんか楽しそうな事になりそうですわね)

心の中で若干邪悪な事を考えながら、ゼオラの頭を撫でながらビィが質問する事を後押し、きっとなんだか騒がしいことになってしまうだろうが、今はこの空間を楽しもう
まだまだ時間はある、この空間、空気はしばらくの間は続くだろう、アウテリートは今日ここに誘ってくれたレラに心の中で感謝するのだった

296ゼオラ=アドヴァルド & 栖狩ビィ / レラの暇がちな昼下がり:2017/10/18(水) 01:28:01 ID:hCYAXhNw0
―――数時間後

「あぁ、身体が硬い……」
重々しく開くドア、それに似通った足取りで部屋へと戻ってきたレラ。
部屋へと逃げ籠ったはいいが、レラの私室にベッドやソファといった身体を休められるような物はない。
結局、作業用の椅子で仮眠を取ったのだが、それが良くなかったというのは起きてすぐに理解できた。
両手を上げ背筋を伸ばせば幼く瑞々しい身体に反して骨がはじける音が響き、淀んだうめき声まで。
なんとかソファまでたどり着けば崩れ落ち、突っ伏してまた呻く。
「アウテリートめ……」


さらに時間がたって。
また落ちくぼんでいたレラの意識が、玄関のノブが回る音で取り戻された。
ぱた、ぱた。足音が聞こえてくれば、その聞きなれたリズムに裂いた意識を緩めて迎え入れる。
ただ、いつもより踏む音が強く聞こえるのは、頭をソファに預けているからか。
違和感を覚えはしたが、悠長に構えていたレラ……が、違和感は間違いでなかったらしい。
揺り起こされて、目を開く。その先に映る河平という人間は予想通りだったが、顔つきが妙に硬い。
「レラ。あなた、ビィに何を吹き込んだのでしょう?」
「んぁ……?」
「先ほど、私に訪ねてきたのですが。
 不在の間、一緒に居てもらっていた間に、何をしていたのですか?」
首を前後に振られれば、流石に意識が鮮明になっていく。
が、どこまで行っても河平の質問を察することが出来ず、当然答えも見つからず押し黙るのみ。
ただ一点、読み取れたのは、河平の笑みは口こそ歪めど目は不動……すなわち、怒っている。
程なく、言外に突きつけられるプレッシャーに急かされた脳が、ただ一言「まずい」という結論を出した。
ビィと河平間のやり取りは想像できない。それこそが邪悪の根源だ。
すっぽかして眠り耽っていたとは口が裂けても言えない、それはビィと河平間のやり取りを肯定するハメになる。
レラとビィとの空白の時間。その埋め合わせをした『彼女』の影響が、河平のこの表情を作り出したのだと気づくには、そう時間は掛からなかった。
(アウテリートめ……!!)

297魁<さきがけ>:2018/04/28(土) 03:03:34 ID:4f1Ss7Xw0
ふと思い至り、女はかつての都市を訪れた。
何時訪れても其処は夜。夜で無くてはいけない区域。夜でなくては生きてはいけないこの体。
そう、彼女は永劫を生きる吸血鬼。
とはいえ、生きた年月は見た目相応、人と変わらぬ新参者。

月影の下、人気のない公園。
彼女はひとりブランコに座る。風紀風情は様になる。錆びた金属の奏でる音が心地よい。
過去を振り返り、脳裏に描かれる思い出。
止めどなく溢れるノスタルジイ。この小さな体には収まりきらないほどのジュブナイル。
学友は元気かしら?
ご近所さんは健在かしら?
今はただ――そんなことばかりを想起している。
出会いと別れを繰り返し、たまには足跡をたどってみる。
それもまた、歴史のひとつとして刻まれるのだろう。

「閑話休題(それはさておき)――」

今宵は風が、気持ち良いな、など。

298黒沢小百合:2018/04/30(月) 22:05:27 ID:ikac95mQ0
>>297

「懐かしい顔ですね。」

ふと、背後から声がかけられた。
完璧に仕立てられた黒いスーツ、夜風になびく長く艶やかな黒髪。
そして、切れ長の瞳を持つ長身の女。

都市機構の中枢を支える生きた歯車たる存在、黒沢小百合その人であった。

299:2018/06/14(木) 02:13:28 ID:4f1Ss7Xw0
>>298
「懐かしい、か。時間というのは残酷なモノ。
 過ぎ去った時は、新たな出会いに塗り潰されて消えていく
 経済成長に起因する都市開発は郷里の面影を排し、思い出は心の中にだけ残っていく
 それはあまりに辛すぎると思わない――小百合さん?」


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