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( ^ω^)は伝説になるようです
98
:
名無しさん
:2019/10/12(土) 19:37:57 ID:cE8bF/rYO
自分が撃墜した例の船はどうなったのだろう。残骸を見かけなかったとツンはジョルジュに訊ねてみた。
_
( ゚∀゚)「船の残骸? いや、見かけなかったけれどそれが何か?」
ξ゚⊿゚)ξ「私の村を襲いに来た奴らなのよ。私が返り討ちにしてやったけれど、しぶとい連中だから念の為確認しておかないと」
_
( ゚∀゚)「はぁ、あんた若いのに苦労してるんだなぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「いや歳はそう変わらないでしょ。あんた幾つ?」
_
( ゚∀゚)「幾つだと思う?」
ξ゚⊿゚)ξ「意外と歳食ってるわけ? じゃあ三十台半ば〜四十台前半ってとこかしら」
_
( ゚∀゚)「ブーツ! 大ハズレ〜wwww
こう見えても1000歳越えてまーすwwwwwww」
ξ゚⊿゚)ξ「なん……だと……」
99
:
名無しさん
:2019/10/12(土) 20:12:16 ID:cE8bF/rYO
作者の健忘録を兼ねたここまでのまとめ
●これってどんな話?
「壁」とよばれるクソデカイ構造物の中を、ブーンとその仲間が旅する話です
●ざっくり粗筋を教えて!
登山家であるブーンが、冒頭で出逢ったヒロイン・クーの治療法を求めて壁の上層部にいる賢者「ハイ・フロスガー」を探すのが主な目的。
旅の途中、クーのいたずらで転移装置に巻き込まれた一行は、「マタギ」と呼ばれる狩人の少女・ツンとワタナベに出会い、彼女らの集落へ案内される。
ところがその晩、村が襲撃者に襲われ混乱の最中ツンが谷底に落とされてしまった。
ツンは「博物館」と呼ばれる場所で目覚め、そこで怪しげな男、ジョルジュから過去、この壁の正体である星間移民船の中で起こったとある事件を知る。←いまここ
100
:
名無しさん
:2019/10/27(日) 06:46:20 ID:UPvSraSwO
想定外な答にあんぐりと口を開ける一方、みごと騙してやったとばかりにゲラゲラと腹を抱えてジョルジュは笑っている。
_
( ゚∀゚)「やーいやーい!! 騙されてやんのーwww」
ξ゚⊿゚)ξ「若作りしたジジイに馬鹿にされるのもなんだなぁ……」
_
( ゚∀゚)「いやジジイじゃねぇし唯のアンドロイドだし」
ξ゚⊿゚)ξ「……先にそれを言いなさいよ紛らわしいわね」
_
( ゚∀゚)「いやだってからかった方が絶対に面白いじゃん?」
ξ;ー⊿ー)ξ「……アンタを作った奴に文句を言えないのが尚更悔しいわ……まぁどうでもいいけど」
_
( ゚∀゚)「うん。俺こういう仕様だから諦めてくれ」
ξ;ー⊿ー)ξ「わかったわかった。分かったからさっさと出口まで案内して。
あたし用事があるから急いで帰らないといけないのよ」
_
( ゚∀゚)「ん?そうなのか?」
なんなら途中まで送ってゆくぞ、とジョルジュは気さくに訊ねてきた。
101
:
名無しさん
:2019/11/06(水) 17:51:32 ID:CZWYLs8gO
ξ゚⊿゚)ξ「本当?助かるわ」
_
( ゚∀゚)「よっし。任せてくれ。そうと決まれば早速ブリッジへ向かうぞ」
ジョルジュは壁に触れ、船内を貫くエレベーターを呼び出した。
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ〜。中々にハイテクな造りね〜」
博物館内のシンプルな外壁に比べて、ここはやけにメカメカしい。自分でも機械を時々いじるせいか、剥き出しの基盤を眺めたり、他にはどんな設備があるか訊ねるなど、ツンは興味深々だ。
102
:
名無しさん
:2019/11/06(水) 18:05:11 ID:CZWYLs8gO
_
( ゚∀゚)「ま、実際は見かけ倒しなんだけれどな。なにせ俺が造られる以前から動いてたっー話だし。老朽化が激しくて修理も大変さ」
_
( ゚∀゚)「お、言ってる側から補修箇所発見だ。悪りぃけどちょっと待ってて貰えるかい?」
ジョルジュはエレベーターを停め、工具箱を取り出した。
ξ゚⊿゚)ξ「手伝う?」
_
( ゚∀゚)「いや、板取り替えるだけだから一人で十分だ。すぐに戻るよ」
彼は扉を開け、ライトを片手に暗闇の中に降りていった。
103
:
名無しさん
:2019/11/06(水) 19:46:04 ID:CZWYLs8gO
ξ゚⊿゚)ξ「いや、こんな半端なとこで待たされても……」
扉は開いたままだ。
上下に広がる空間は音もなく、実に閑散としている。
ツンは退屈しのぎに、ジョルジュが降りていった暗闇の方を覗き込んでみた。
ξ゚⊿゚)ξ「ねーぇ、ほんとに手伝わなくても大丈夫ー?」
彼のライトはずいぶん先の方まで降りていて、もう声のとどかない距離にいるみたいだ。
ξー⊿ー)ξ「はぁ、なんだかなぁ」
そう小さくため息をこぼしてみた。
急に沢山の事が起こりすぎて頭が疲れている。少し休んでいようと目を閉じ、壁に寄りかかった。
ξー⊿ー)ξ(お、この壁暖房が効いる)
じんわり背中から伝わってくる熱が気持ちいい。
104
:
名無しさん
:2019/11/06(水) 21:17:24 ID:CZWYLs8gO
こりゃあいいわ、と身を預けながらツンは暫し考えごとに耽ってみる。
ξー⊿ー)ξ(……村に戻れたとしてももう何も残っては居ないだろな)
また一から資材を探さねばならないし、それに負傷者を手当てするための薬品や食料、なによりも水。加え燃料。ありとあらゆる物資が不足していることは容易に想像できる。
ξ゚⊿゚)ξ(私に出来ることは狩りと探索……。そうだ!
ジョルジュに頼めば物資を分けてくれるんじゃないかしら。それに輸送も出来ればより復興がはかどるわ!)
せっかくの機会を逃す手はない。
我ながら名案が浮かんだと、ツンは直ぐ様ジョルジュを呼び寄せようと再び穴の方へ首を向けた。
ξ;>⊿<)ξ「ぐ!?」
と、その時突然――――。
急に闇の中から何者かの腕が伸びてきて、ツンは喉をつかまれた。
105
:
名無しさん
:2019/11/07(木) 06:52:58 ID:uplnIymsO
振りほどこうにも、万力のよう強い力で拘束され、彼女は身動きがとれない。
ξ;>⊿゚)ξ(何奴!?)
気道をふさがれもがきながらも、ツンは薄目で襲撃者の姿を捕えた。
l从・∀・ノ!リ人
ξ;>⊿゚)ξ(……子供!?)
無邪気な笑みを浮かべたそれは幼女の姿をしている。
l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者の仇なのじゃ!」
ξ;>⊿゚)ξ「兄……者?」
106
:
名無しさん
:2019/11/07(木) 13:08:04 ID:uplnIymsO
絞り出すようにそう問うと、返答の代わりに益々力を強めてきた。見た目と裏腹になんという凶悪な力か。
l从・∀・ノ!リ人「このまま頸椎をへしおってやるのじゃ!」
ぞっとしない事を言う。
ξ;>⊿<)ξ「うあ……ああああ……」
ツンは酸欠状態に陥り手を出すことが叶わない。目玉がむき出しにになる。口元から泡がこぼれた。
ガゴン!と派手な音を立て肩から銃が滑り落ちた。邪魔なそれを少女は外へと蹴り飛ばした。
真下で作業中のジョルジュのすぐ脇を掠め落ちていった。
_
Σ(;゚∀゚)「うおっ!?」
咄嗟にそれを躱しジョルジュは真上を見上げる。
_
(#゚∀゚)「バッカ野郎!危ねぇじゃねぇか!!」
一体なんのつもりだと抗議を叫ぶが、ツンからの返事がない。
107
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 06:40:43 ID:D6UZQF7MO
_
(#゚∀゚)「おぉい! ごめん、とか怪我はない?とか言うことあるだろ!!」
何をやってるんだと痺れを切らしたジョルジュは一旦作業の手を止め、ツンの下へケーブルをよじ昇った。
見上げた視線の先。彼のライトにエレベーターの底が照らされている。
ふと、ジョルジュはわずかな違和感に気付いた。
……箱、揺れていないか?
108
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 06:52:15 ID:D6UZQF7MO
その証拠にケーブルもまたやや揺れている。ツンの身に何か起こったのだ。
_
(;゚∀゚)「おい、嬢ちゃん!」
ようやく元の位置へたどり着いた瞬間、彼は目にした。小柄な幼女がツンの首を絞め、今にも殺さんと残忍な笑みを浮かべているところを。
_
(;゚∀゚)「おい、ガキンチョ! 何やってんだ貴様ッ!」
109
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 08:24:13 ID:D6UZQF7MO
怒号をあげ踏み込んだジョルジュが引き剥がそうとする。
l从#・∀・ノ!リ人「邪魔なのじゃっ!」
そこへ振り返りざま、少女から放たれた裏拳が彼の顔面を襲う。
_
( ゚Д゚)・;'.、「カハッ!」
思いきり直撃を喰らった。
衝撃をまともに浴び、上体が仰け反る。殺しきれない勢いのあまり、頬の人工皮膚がビリリと破けた。
_,
( /д#)「痛ってェ!」
たたらを踏みながらそれでもなんとかドアの縁に指をかけ、ジョルジュは落下を逃れる。
_
( ゚∀#)「てめぇッ!」
彼の人工知能が少女を脅威と見なし、強制排除すべく戦闘プログラムが発動する。
「Ураааааааа! 」
110
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 09:59:23 ID:D6UZQF7MO
ボウ!と彼の豊かな髪の毛が暴発的に伸び、そのまま全身を取り巻いた。
『griffon!』
彼は叫ぶ。発光する彼の金髪が漆黒の翼を造り、その背に風を蓄えジョルジュは突撃する。
『ヴォォォォォォォォォラアア゛ア゛ア゛ア゛ッッ――!!』
腹部のど真ん中めがけて抜き手を放った。
l从;・∀・ノ!リ人「じゃッ?!」
相手――妹者は慌てて緊急回避――避けきれない。
肋骨を砕かれる。更には脇腹も抉られ、内壁に叩き付けられた。
_
(#゚∀゚)「まだ終わりじゃねぇゾッ!」
獰猛に吼えるジョルジュは回し蹴りを放った。妹者の首筋に決まり激しく脳を揺らす。
_
( ゚∀゚)「まだ! まだ! まだまだまだまだ!」
回復の隙を与えず一気に無力化するつもりだ。ヘッドバッドを幾度も叩き込むべくジョルジュの口の端に笑みが零れる。
妹者は脳震盪を起こし動けない。
111
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 10:26:15 ID:D6UZQF7MO
ツンはその間に素早く拘束を逃れた。
ξ>⊿<)ξ「ウッ! えほっ! ケホッ!」
流石に苦しかったらしく何度もえずく。
_
( ゚∀゚)「オラ!これでトドメだッ!」
最後に一層大きく頭を振りかぶって、ジョルジュは仕留めにかかろうとする。ぴくりと妹者の体が動いた。
l从・∀・ノ!リ人「嫌じゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ξ;゚⊿゚)ξ「っ!?」
妹者は渾身の絶叫を発した。
突如、割れんばかりの大音量が二人の鼓膜に襲い掛かる。
虚をつかれたせいで、思わずジョルジュの腕が止まった。妹者はそれを見逃さない。
112
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 11:27:45 ID:D6UZQF7MO
最後に一層大きく頭を振りかぶって、ジョルジュは仕留めにかかろうとする。ぴくりと妹者の体が動いた。
l从・∀・ノ!リ人「嫌じゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ξ;゚ ゚)ξ「っ!?」
妹者は渾身の絶叫を発した。
突如、割れんばかりの大音量が二人の鼓膜に襲い掛かる。
虚をつかれたせいで、思わずジョルジュの腕が止まった。妹者はそれを見逃さない。
_
(;゚∀゚)「うおっ!?」
かば、と跳ね起き妹者は素早くジョルジュの腹を蹴りとばす。
相手の反応が更に遅れ半歩分の間合いが開いた。
「あっ!?」
額を朱に染めつつも、妹者はその彼の腕をかいぐくり逃走を図ろうとした。
l从・∀・ノ!リ人「次に会った時は必ず殺してやるのじゃ!」
捨て台詞を残し彼女は宙へ身を躍らせた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ま、待て!」
ツンが慌ててその背を追おうとした時にはもうどこにも姿がない。 _
( ゚∀゚)「畜生……逃げられた」
ジョルジュは悔しそうに顔を歪ませた。きっと先ほど彼が見付けた穴から外へ逃げていったのた。
ξ゚⊿゚)ξ「あいつ兄者の仇って言ってたわね。流石族の生き残りか。
ごめん……関係ないあんたまで変なのに巻き込んじゃった……」
ツンは申し訳なさそうにしおらしくそう言う。
_
( ゚∀゚)「なに、気にするなって」
ジョルジュはわしゃわしゃと強引に彼女の髪をかき混ぜた。
ξ゚⊿゚)ξ「ごめん……」
_
( ゚∀゚)「だから何度も言わせるなよ。気にしてねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「……この後付きまとわれるわよ?」
_
( ゚∀゚)「なに。余裕で返り討ちにしてやんよ」
カカ、と自信たっぷりに言い放ち、相手を励ますべくジョルジュはツンの細い背を叩いた。
113
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 11:31:25 ID:D6UZQF7MO
log3_end
遅筆ですまねぇデス
114
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 12:11:31 ID:RuzKxDRA0
乙!
115
:
名無しさん
:2019/11/08(金) 13:12:43 ID:D6UZQF7MO
脳内設定裏話
・ジョルジュを変身させたのは絶対に人形の国を読んだ影響。アバラは未読です
・ツンのスピアガンの元ネタはBLAME!に登場した電基漁師の銛撃ち銃。
クッソカッコいいデザインなので重力子放射線射出装置より好きです。
・方舟の外側は小説家・飛浩隆作品の「ラギッド・ガール」より「蜘蛛の王」の冒頭場面を意識しながら書いてます。
内側はもろBLAME!ですね。
ちゃんとそれっぽい雰囲気が出せてれば良いのですが。
・流石族の船はマトリックスに登場したホバークラフトみたいな感じでおねげーします
・続きはよかけや→「無理言うな」
116
:
名無しさん
:2019/11/09(土) 20:53:44 ID:l4u8w3jI0
otsu
117
:
名無しさん
:2019/11/09(土) 22:35:08 ID:4c1lQf76O
■CAST
( ^ω^)
name:ブーン
profile:この世界きっての実力派登山家。
「壁」とよばれる超巨大建造物を攻略中にクーと出会い、彼女を救う方法を求め行動を共にする。
('A`)
name:ドクオ
profile:自立型AI。
超古代文明の遺物であり、マスターはブーン。基本は蛇型をしており、状況に応じて鞭、バルーン等様々な形態に変形できる。
川 ゚ -゚)
name:クー
profile:壁の麓にあるヴィップ村出身の技術者。
とある遺物に両親を殺され、自身はその時受けた呪いにより命を脅かされている。自らの治療法を求めハイ・フロスガーと呼ばれる賢者を捜している。
118
:
名無しさん
:2019/11/09(土) 22:48:56 ID:4c1lQf76O
ξ゚⊿゚)ξ
name:ツン
profile:壁内奥地に暮らす「マタギ」と呼ばれる狩人一族の少女。
村を襲撃された際に行方不明となり、現在は故郷へ帰るべくジョルジュと行動を共にしている。
从'ー'从
name:ワタナベ
profile:マタギ一族の新米ハンター。
ツンとバディを組み行動しているが、自身のおっとりした性格が常にトラブルを招いている模様。
( ,'3 )
name:荒巻
profile:ワタナベの祖父。
村で蕎麦屋を営んでいる。
119
:
名無しさん
:2019/11/09(土) 23:00:09 ID:4c1lQf76O
_
( ゚∀゚)
name:ジョルジュ
profile:アンドロイド。
ツンが保護された「博物館」の館長を努めており、性格は極めて陽気。
戦闘プログラム「グリフォン」を搭載しており、妹者と交戦した際は凶戦士さながらの活躍を見せた。
l从・∀・ノ!リ人
name:妹者
profile:ツンの村を襲った盗賊「流石族」の生き残りの少女。ツンに殺された兄の復讐を果たすべく命を狙っている。
120
:
名無しさん
:2019/11/10(日) 21:18:34 ID:2OrCnVUQO
催促され慌てて持ち主へと銃を返す。
ξ゚⊿゚)ξ「ふう……これ背負うと肩が凝るのよね」
くすんだ金色の髪をした少女は、そうこぼしながらスリングを腕に通し、軽々と肩に担いだ。華奢な見た目に反して相当鍛えられているようだった。
「さて」軽く手の埃を払った後で、彼女は向き直りブーンを見上げた。
ξ゚⊿゚)ξ「聞きたいこと」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「聞きたいことがあるんでしょ。さっき言ってた」
( ^ω^)「ああそれね、えっと……実は連れが行方不明になってしまったんだお。歳は二十歳くらいで、身長は君よりちょっと上かな? 全体的に無表情な感じで……長い黒髪が印象的な女の子なんだけれど――」
川 ゚ -゚)「お前の目は節穴か」
Σ(;^ω^)「ノウわァっ!」
突然背中から声が聞こえた。
ぎょっとして振り返ってみれば、そこには今まさに探しているその人がいたではないか。
121
:
名無しさん
:2019/11/10(日) 21:20:04 ID:2OrCnVUQO
>>120
レス間違いです。申し訳ない
122
:
名無しさん
:2019/12/01(日) 10:09:49 ID:9qsUOe32O
■log.4
ドシュ!と勢いよく銃口から射出された銛が、垂直な坑(あな)へ吸い込まれてゆく。
銛の先端部には結わえられたワイヤー。極細の超強化繊維でこしらわれたそれは、ブーンが手にしていたリールをカラカラ勢いよく回し、やがてピタリと停まった。
ぐい、とそれを胸元へ引っ張ってみて、強度を確める。
( ^ω^)「よし」
現在地の床に突き刺した杭に、それらを結わえ付け、腰に吊るしたハーネスとも連結する。
从;'ー'从「……うっひゃあ〜。
これ、先が見えないくらい深いんですけど本当に大丈夫なのぉ?」
降下の支度を整えているブーンにワタナベが恐々と訊ねた。
('∀`)「なんだよ? ひょっとして怖じ気付いちまったか?」
ニヒルな笑みを覗かせ、いひひとからかう様訊ねたのはドクオだ。
( ^ω^)「今からツンさんを捜しに行くというのにそんなんじゃ持たないお」
やれやれと肩を竦め、「それじゃ!」とブーンは我先に宙へと身を踊らせた。
(;^ω^)「うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおマジ怖ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
从;ー;从「もうやだ帰りたい」
('A`)「ダメです行きなさい」
123
:
名無しさん
:2019/12/01(日) 10:23:56 ID:9qsUOe32O
川 ゚ -゚)「ほら、先がつかえているんだぞさっさと行ってくれ」
村人から渡されたザックを背負い、クーは躊躇するワタナベを急かそうとする。
从;'ー'从「いやいやいやいや無理!絶対無理!ほらほらブーンさんだってあんなに叫んでいたし!」
川 ゚ -゚)「埒があきませんな」
( 'A`)「それな」
中々跳ぼうともしない臆病者にしびれを切らして、「よっしゃ今から三秒以内に跳ばないとお前紐無しバンジーの刑な?」と二人は異口同音脅した。
わぁ、君達はとっても鬼畜なフレンズなんだね!
すごーい!(白目)
124
:
名無しさん
:2019/12/01(日) 12:41:19 ID:9qsUOe32O
高速で落下してゆく恐怖に身がすくむ。
それでも眼は閉じなかったのは、これまで散々落とされてきたが故の慣れがあった所為だろうか。
とにもかくにも、全員が無事に着地できた事でいくらか耐性が付いた。
なにせ、一度の降下で数キロメートルの距離を稼げるのだから歩くより遥かに効率がいい。体力及び食糧の温存にも繋がるのだ。
始めこそ渋って皆の手を焼かせていたワタナベも、数回これを繰り返す内に恐怖は薄れ、最後の方には周囲を観察する余裕さえ生まれていた。
そうして、間もなくワイヤーの予備が尽きそうになりかけた頃、彼女が船の残骸を見付けたのである。
125
:
名無しさん
:2019/12/01(日) 16:30:14 ID:9qsUOe32O
ちょうど栗のイガみたいに中央からぱっくりと割れた状態で、流石族の船は谷底に墜落していた。
激突の衝撃はすさまじかったらしく、周囲には真っ黒に焦げたままの部品が無数に散乱している。
从;'⊿'从「ツンちゃん!」
彼女の安否を確めるべく、駆け足でワタナベはその現場へと向かった。
墜落から数日が経ち、船を覆っていた火は粗方消えているものの、まだ微かな余熱と異臭が漂っている。
川;゚ -゚)「おいナベ!迂闊に近付くな!」
まだ敵が潜んでいるかも知れないんだぞ、と警告を発しながらクーも用心し後を追った。
从;'⊿'从「ツンちゃん!ツンちゃーん!」
忠告も耳に入らず、一心不乱にワタナベは友の名を呼ぶが一切反応は帰ってこない。
瓦礫を次々と退かす。
居ない。
ドクオを呼び彼に生体反応がないか調べてもらう。――ここには反応なし。
从;'⊿'从「そんな……」
不安に襲われ、いつもは能天気な彼女がその表情を曇らせた。
126
:
名無しさん
:2019/12/01(日) 16:58:47 ID:9qsUOe32O
もっとも、だからといって彼女が死んだと決め付けるのは早計だ。
( ^ω^)「あんなに元気な人がそう簡単に死ぬとは思えないお」
と、励ますようにこれはブーンの弁。
川 ゚ -゚)「私も同意見だ。
なぁ、君達はいつも襲撃には備えているんだろ? だったら装備の中に脱出用の何かも入っているんじゃないのか?」
ワタナベのスーツを指差しクーはそう訊ねた。
「えっ?」と一瞬小首を傾げたあと、あ!と何かを思い出したように彼女は声をあげた。
从'ー'从「ああ!あった!そういやあったよ!うん!
あのね、私達のスーツには緊急脱出用にパラシュートが備えられているの」
ほらここだよ、とワタナベは首のうしろにあるスーツの膨らみを指差しそう説明する。
('A`)「なるほど。そりゃあんな開けた空間で暮らしてるんだからいつ滑落してもおかしくはないしな。当然そんな便利なものがあるなら使わない手はないよな」
川 ゚ -゚)「ウム。蕎麦屋のじいさんも言ってたぞ。
あいつは優秀な戦士だそうだからな。多分、そいつで脱出する事も容易い筈だ」
从'ー'从「それじゃあ……」
曇りかけていたワタナベの瞳に光が射す。
( ^ω^)「よし!みんなで手分けしてパラシュートを探すお!
きっとツンさんは生きている!」
応!と皆が威勢よくそれに応えた。
127
:
名無しさん
:2019/12/02(月) 05:55:35 ID:JQTxot4YO
パラシュートが切り離された際に、その帆からはビーコンの機能を果す特殊な粒子が放たれるらしい。
('A`)「なるほど。そしてその粒子が付着している箇所を辿ればツンのいる場所が分かるって訳か」
ワタナベの説明を受けた後にドクオは自らをクーの持つ地図端末と繋ぎ、マップを作製しつつ捜索を始めた。
川 ゚ -゚)「ドクオは本当に便利だなぉ。なぁブーン、こいつ私に譲ってくれないか?」
( ^ω^)「だが断る」
川 ゚ -゚)「どうせそう言うと思ったよ」
( ^ω^)「なぜ聞いたし」
川 ゚ -゚)「知ってるかい。私は諦めの悪い女なんだ」
(;^ω^)「えぇ……」
何処までが本気か解らない性格をしているクーにちょっと警戒しつつ、雑談を交えて結果を待つ。
(ーAー)「…………。ん、よし!判ったぞ!」
数分後にドクオは地図を完成させた。
('A`)「ここからもう少し下に氷の層がある。ツンはそこに居るみたいだ」
最後の信号を目当てに、彼らは移動を始めた。
128
:
名無しさん
:2019/12/02(月) 06:34:28 ID:JQTxot4YO
開放的だった空間がやがて狭まり、密をなすように変わってくる。
ハニカム構造の壁を伝い無数のパイプがそれを貫き、あるいは取り巻き。そうして埋まれた隙間を縫うようにブーン達は次の層を目指す。
足下の配管には錆が浮き、その上にはうっすらともう既に雪が積もっている。
川 > -<)「ふぇーっくし!」
寒さに弱いのか先程からクーはくしゃみをしてばかりだ。
生憎紙を切らしている為に直接鼻に詰め物をして誤魔化しているが、それでも一向に鼻水が出るものだからたまったものではない。
川 > -<)「ううっ!寒いぞなんだここは。鼻だけでなく顔全体が凍ってしまいそうだ!」
絶えず白い息を吐きぶるぶると震えながら皆の後を追う。
(*'A`)「いやー。ここ快適だわぁ……」
一方そんな彼女とは正反対に心地良さそうに雪の上を進むのはドクオ。熱に弱い精密な電子機械には打ってつけの環境であった。
川 > -<)「アタイ、どっくんの事好きだけど今だけは嫌いになりそう……」
(*'A`)「ごめんよー。ほんとにごめんよークー子ー」
なんぞこれ。
( ´ω`)「突っ込む気力も涌かない位クソ寒いからさっさと先行くおー……」
正直ドクオが恨めしいと思いつつも、口に出さないのは彼の優しさか。
129
:
名無しさん
:2019/12/02(月) 22:03:06 ID:kgVooRCI0
支援
130
:
名無しさん
:2019/12/03(火) 09:40:54 ID:B11kpN3YO
ああ、寒いさむいと文句を垂れつつも、ようやく目的地の手前まで辿り着いたブーンの目の前には、頑丈そうな造りの隔壁が待ち構えていた。
( ^ω^)「やれそうかお?」
('A`)「ああ。任せろ」
ドクオのバーナーでそれを焼き切る。
( ^ω^)「よし、押せ!」
重量のあるそれを、全員で体重をかけて倒すと――
川 > -<)「くぅ……?!」
ドスン、と倒れたのと同時、突如強烈な光が眼を射した。
从*'ー'从「わぁ……!」
おもわず閉じてしまった瞳を恐る恐る開いた時、そこに広がる光景にワタナベの口から感動の声がこぼれた。
空。
一面雪模様の大地の上に、産まれて始めてみる真っ青な空が広がっていたのである。
131
:
名無しさん
:2019/12/03(火) 10:45:43 ID:B11kpN3YO
川 ゚ -゚)「え……?」
( ^ω^)「……まさか、外に出れたの?」
連れの少女が感動している一方、大人組の二人は想定すらしていなかった所為で驚き固まっていた。
ドクオはブーンの肩に登りズームで観察、そして観測を始める。
('A`)「……いやはやこいつはたまげたな……」
――現在値・標高6207メートル。座標は北緯52度26分。西経239度41分――
('A`)「要するに完全に外の世界って事だよ」
雄大な景色を視野に収めながら、そう仲間達へドクオは告げた。
132
:
名無しさん
:2019/12/03(火) 11:24:21 ID:B11kpN3YO
( ^ω^)「マジデスカーエース」
('A`)「マジデスヨーエース」
( ^ω^)「じゃあ、地球寄ってく?」
('∀`)「イイねー」
川; ゚ -゚)「まてまてお前ら一体どこへ向かおうとしているのだ?」
ボケてる場合じゃないぞ、と珍しくクーから突っ込みを受け、二人はきりりと顔を引き締める。
( ^ω^)「フム……ひょっとしてここは壁の『目玉』じゃないのかお?」
真面目な表情に戻るやブーンは、ドクオに告げられた座標に思い当たる節がある模様だ。
从'ー'从「目玉?」
とワタナベはそれに首を傾げる。
( ^ω^)「ああ、ナベちゃんは知らなくても当然だおね。
えっとね、僕達下界の方から壁を見上げると途中に大きな穴が見える箇所があるんだお」
そう。丁度それは壁の外壁を貫いてさながら目の様に存在を主張しているのだ。
川 ゚ -゚)「ほら。あの盛り上がってる山の辺りに陽が射すとそこだけ光って、ちょうど目玉っぽく見えるんだ」
中々見応えのあるものだぞ、とクーは自慢げにそう説明する。
从'ー'从「へぇぇ……この旅が終わったらいつか見てみたいな! 勿論ツンちゃんも誘って!」
弾む声で言う純粋な少女に皆は目を綻ばす。
川 ゚ ー゚)「ロリコン。ダメ。絶対」
おいお前ヨダレ垂れてんぞ。
133
:
名無しさん
:2019/12/03(火) 11:32:28 ID:B11kpN3YO
log.4_end
次回、
(-@∀@)「ワイの出番や!」
貴様は端役だけどな!
辿り着いたのは氷の世界。
遺物発掘現場にて物語は大きく動き始める。ご期待下さい。
134
:
名無しさん
:2019/12/04(水) 19:20:27 ID:WzY81AVU0
otu
135
:
名無しさん
:2019/12/04(水) 19:35:33 ID:.OijqPRUO
■log.5
グラン・コフィン。
『偉大なる棺桶』の名を持つその船は、前世紀に建造された浮遊戦艦であり、またラウンジ国当代皇帝・オサムの居城でもある。
クリムゾンレッドの船体に施された彫金の装飾が、陽光を浴び燦然と輝いている。
船底の一部に亀裂が走り、巨大なランディング・ギアが姿を覗かせた。
全長500メートルを誇る豪奢な船は今、『壁』の発掘現場へ向け降下を始めていた。
136
:
名無しさん
:2019/12/05(木) 06:55:25 ID:A/KDcTqgO
*(‘‘)*「アサピー教授。まもなく陛下がお見えになります」
(-@∀@)「おや、もうそんな時間ですか」
助手の少女に呼び掛けられ、アサピーと呼ばれた痩身の男は書き物の手を止めた。
遺跡発掘調査隊の最高責任者である彼は考古学の権威であり、その手腕を買われて現在は『目玉』付近の大規模な発掘を任されているのだ。
崩落事故により下肢を失った彼の生活には、どうしても介助が必要となり義足を装着してもらう。
(-@∀@)「いつも悪いね。ヘリカル君」
*(‘‘)*「お気になさらず。さ、どうぞ」
接続完了と同時に脳波を感知して関節がガシャカジャと動く。
(-@∀@)「うーん。いつも見てるけどやっぱり不格好だねぇ……これは」
姿勢の安定のため彼が選んだのは二足ではなく四足歩行の義足だ。
*(‘‘)*「もう二本足せば完全に虫ですよね。それ」
(-@∀@)「こないだ陛下に会った時キモいな、って真顔で言われて凹んだ」
*(;´`)*「陛下ェ……」
――あの人時々きっつい事言うよね、と複雑な表情を浮かべながら二人は基地の外へと出た。吐息が真っ白に変わりたちまち頬が凍った。
137
:
名無しさん
:2019/12/07(土) 17:07:05 ID:O4w5503wO
黒のサーコートを羽織った複数の衛士を率いて、オサムは船を降りてきた。
その膚は蝋人形の様に白く、生気を感じさせぬ異様な存在感と赤い瞳が強烈な畏怖を感じさせる。
アサピーもまたその例に漏れず、緊張を強いられながらこちらへ来るのを待った。
( ΦωΦ)「陛下の御前である。頭を垂れよ」
護衛の騎士がよく通る声で皆に命ず。
厳粛な空気に促され、慌ただしく作業員たちは頭を下げてゆく。
【+ 】ゞ゚)「……フム」
鋭利な瞳のままそれらを一瞥し、
【+ 】ゞ゚)「よい。面を上げよ」
皇帝オサムの第一声が響いた。
138
:
名無しさん
:2019/12/08(日) 15:59:05 ID:itEctgJIO
皇帝の許可が降り、アサピーは恐る恐る頭を上げる。
(;-@∀@)「御機嫌麗しゅう御座います、皇帝陛下。
本日は陛下自らお出で頂き、恐悦至極でございます――」
【+ 】ゞ゚)「フン、相変わらずつまらぬ世辞だな」
皮肉たっぷりにオサムは鼻息を溢し、それから「あれの作業はどうなっている」と顎をしゃくり訊ねた。
(;-@∀@)「は、はい」
アサピーは彼の視線を辿り、背後の巨大な氷壁の方へ振り返る。
高さ140メートル超にも及ぶ櫓の奥では、『聖柩(アーク)』と呼ばれる遺物の発掘が現在も行われていた。
139
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 06:27:04 ID:5xMJ9FX.O
(-@∀@)「現在の作業進行具合は全体の約七割、といったところです。このまま順調に進めば来年の春までには完了するかと。ですが――」
【+ 】ゞ゚)「何か問題が?」。
(-@∀@)「はい。最近作業員らが奇妙な夢にうなされるそうで……」
【+ 】ゞ゚)「夢?」
(-@∀@)「ええ。なんでも毎晩夢の中に一人の女が現れるそうで、その女が言うには我々はいずれ剥がされるとかなんとか……」
――剥がされる?
『剥がされる』とはこれまた妙な表現だ。
【+ 】ゞ゚)(何かの警告、あるいは予言の類か……?)
140
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 07:07:13 ID:5xMJ9FX.O
「ふむ……」
アサピーの説明にオサムは少し考える素振りを見せ、側近の一人に意見を求めた。
【+ 】ゞ゚)「ロマネスク、お前はどう思う?」
( ΦωΦ)「は。聖柩(アーク)は壁内すべての遺物に関する情報が記されているとの事ですが、もしやするとそれ自体に何らかの力が秘められているのやも知れませんな」
【+ 】ゞ゚)「……うむ。それは俺も考えたぞ。
しかし“剥がされる”とは一体どういう意味だ?」
( ΦωΦ)「史書に由れば、我々人類の祖先はこの方舟を用い星々の彼方からやってきたそうですが、なにせ途方もない時間がかかっています。祖先と我々で異なる進化を遂げたという場合もあるのではないでしょうか?」
【+ 】ゞ゚)「ほう……。すると聖柩は、いずれ我々に何らかの生物的変化をもたらす物だと?」
( ΦωΦ)「これだけ巨大な遺物です。相当大掛かりな仕掛けが施されているとみて、まず間違いは無いでしょうな」
【+ 】ゞ゚)「フウム……進化、か……」
141
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 12:36:29 ID:5xMJ9FX.O
オサムは考える。
もし、ロマネスクの予想が本当の物だとしたらそれによって徒に混乱を招くのは避けるべきだろうか……?
――いや、しかし聖柩もまた機械である事に変わりはない。
制御が可能であれば、それを利用して世界を手中に治める事も可能だ。
【+ 】ゞ゚)「アサピーよ。聖柩が仮にロマネスクの言う通りのものだったとして、貴様がそれを制御することは可能か?」
皇帝に問われ、アサピーは渋面を作りながらそれに答えた。
(-@∀@)「なにぶん不確定要素が多すぎて正直解らないというのが本音です。ですが――」
( ΦωΦ)「ぬ? 教授殿に何かお考えが?」
(-@∀@)「ええ。私がこれまでに調べたところ、どうやら壁内にはハイ・フロスガーと呼ばれる賢者の住まう場所があるそうで」
(-@∀@)「先ずはそこに通じる通路を探しましょう。船内にはそれの手懸かりとなる『博物館』があるようです。博物館は定期的に壁内を循環しているらしく、丁度今から追いかければ間に合うと思えます」
( ΦωΦ)「ほう!」
陰気な見た目と裏腹に中々有能であるな、とロマネスクは心中アサピーの評価を上書きした。
142
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 12:42:46 ID:5xMJ9FX.O
>>141
誤:心中→正:胸中 に訂正
143
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 13:42:35 ID:5xMJ9FX.O
【+ 】ゞ゚)「成程。古の賢者に教えを乞うか……」
悪くない、とオサムはアサピーの提案に口の端を持ち上げた。
(-@∀@)「しかし懸念が一つあります。果たして我々の要求を聞き入れてくれますかどうか……」
【+ 】ゞ゚)「なに。そこは騙すなり脅すなり幾らでもやり方はあるだろう。なぁ、ロマネスク?」
( ΦωΦ)「は。仰せのままに――」
忠臣は恭しく頭を下げる。
【+ 】ゞ゚)「よし。これで方針は決まったぞ。
ロマネスク、ハイ・フロスガー捜索の件は貴様に一任する。速やかに兵を編成し壁内へ向かえ」
( ΦωΦ)「御意」
一礼し、彼は船内へと戻って行く。
【+ 】ゞ゚)「そしてアサピー教授、お主は引き続き発掘の指揮を……と行きたいところであるが、このままではどうなるか不安だな。発掘は一旦中止としよう。
代わりにロマネスクに同行し道案内を頼みたい。可能か?」
(-@∀@)「はい。謹んでお受け致します」
【+ 】ゞ゚)「頼んだぞ」
(さて、この判断は吉と出るか凶と出るか……)
野心に燃える皇帝の視線の先で、巨大な遺物は不気味に沈黙を保っていた。
144
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 14:03:46 ID:5xMJ9FX.O
log.5_end
ようやく物語の全容が見えてきたってばよ(遅い)
145
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 15:04:34 ID:D8tLHZH20
乙!
盛り上がって参りました
146
:
名無しさん
:2019/12/09(月) 19:43:56 ID:5xMJ9FX.O
>>143
誤:教えを乞う→正:教えを請う
の間違いです
次回。傷付いた妹者に接触する女の目的とは――
147
:
名無しさん
:2020/03/29(日) 11:52:42 ID:vwSZhU8M0
初めて見たけど良スレじゃないか、なんでこんなに読者レスが少ないんだ
148
:
名無しさん
:2020/04/06(月) 16:49:11 ID:a2GCLT4k0
>>147
作者が遅筆な上に難しい語彙も多いので、さほど期待されてないからだと思います。
149
:
名無しさん
:2020/04/06(月) 20:22:38 ID:kBl9HVac0
確かに書きためして一気に投下した方がウケはいいよね
面白いしエタる作者も少なく無い中続いてるから応援してるぜ
150
:
名無しさん
:2020/04/23(木) 13:49:02 ID:TkqJgLUY0
作者です。先日スマホデビューしたまでは良かっのですが、なんとフリック入力非対応な機種を選んでしまったがために長文を打つ作業がまったくはかどらす、創作に支障をきたしております。もうやだ
151
:
名無しさん
:2020/04/23(木) 21:00:01 ID:BT3RUwLc0
■log.6
流出。
流れ出るものは、己の紅い血。
溢れ出るものは、敗北の苦い血。
出血多量で妹者の命は途絶えようとしている。
家族の復讐を果たさんと忍び込んだ博物館(ミュージアム)内で、彼女は思わぬ返り討ちに遭い、深手を負って逃走した。
意識が朦朧とするまま彼女は壁外へと迷い込み、やがて雪原の上で倒れてしまった。
152
:
名無しさん
:2020/04/24(金) 06:34:11 ID:5t.ICgSs0
ーーーーーーーー
ガリガリガリガリガリガリ……
( ´_ゝ`)「森とォー。泉にーぃ♪
かぁくぉーぉ〜、まれてぇ〜。
静かに〜ぃ、眠ぅゥる〜ゥ」
(´<_` )「ブル〜♪」
( ´_ゝ`)「ブルゥ〜ハワ〜ァああイ♪」
(´<_`;)「……君には失望したよ」
( ´_ゝ`)「だから……結婚、しよ?」
(´<_`♯)「ねぇよ(真顔)」
( ´_ゝ`)「えぇ……(困惑顔)」
( ´_ゝ`)「よし分かった。
じゃあ僕と恋の有酸素運動、しよ?」
(´<_`♯)「膿サンキューだよクソ蛆野郎」
( ´_ゝ`)「だがそこがいい(かっこはあと)」
(´<_` )「ちょっと母者呼んでくる」
| ^o^ |「やめろくださいしんでしまいます」
(´<_` )「だがそこがいい(かっこ突撃ラブはあと)」
| ;^o^ | 「nan……dato……」
なんぞこれ
153
:
名無しさん
:2020/04/24(金) 17:14:27 ID:CklVuEaU0
(こっちが聞きたい!)
154
:
名無しさん
:2020/04/26(日) 06:32:42 ID:hmKa92rk0
( ´_ゝ`) ニップマスター小百合ちゃん!
ニップマスター小百合ちゃん!
ニップマスター小百合ちゃん
ハァ〜 ズンドコズンドコ!
ハァ〜 ズンドコズンドコ!
(´<_` )可及的速やかにケツ移動!
可及的速やかにケツ移動!
嵐のような戯れにケツ移動!
そして輝くウルトラソウッ!
155
:
名無しさん
:2020/04/26(日) 07:33:38 ID:hmKa92rk0
〜〜(m´Д`)m
たすけてくれよ〜
ジョン陀遊
ズンドコズンドコズンドコズンドコ
反町隆史☆失職万雷!
ハァ〜 ズンドコズンドコズンドコズンドコ
ズンドコズンドコズンドコズンドコ
小柳ルミ子☆全力損壊!
( ´_ゝ`)「確定申告☆やっといて!」
ハァ〜 ズンドコズンドコズンドコズンドコ
ズンドコズンドコズンドコズンドコ
( ´_ゝ`)「必殺!捨て子財団の集団的自衛権発動ッッッッッッッッ。」
今日からザリカニ投法!
お父さんザリカニ投法!
乳母捨て山のッッ!主!
つまり!これは!
岡村隆史!
怒るでしかし!
怒っちゃイヤーン!
ポリネシアンバゴーン!
大神官!大神官!(,,^Д^)大神官を讃えろ〜〜
( ФωФ)「以上、正しいマヨネーズの作り方でした」
156
:
名無しさん
:2020/04/28(火) 10:23:43 ID:924Q14eo0
ーーーー少女は悪夢にうなさている
l从;×_×ノ!リ「………う〜ん、う〜ん………」
重体の身である妹者の記憶は混濁しており、夢の中では死んだはずの兄が意味不明な漫才を繰り拡げている。
l从;×_×ノ!リ「………先生、バナナは哺乳類ですか?」
( ´_ゝ`)「俺の中ではそうとも言う」
l从;×_×ノ!リ「………先生、インドメタシンは豊島園の親戚ですか?」
( ´_ゝ`)「いいえ違います。田中君のおばあちゃんの入れ歯はイエスタデイワンスモアかつシュビドゥワ〜〜です」
なるほど、わからん
157
:
名無しさん
:2020/05/12(火) 19:19:37 ID:l3Xujbt20
つまんね
158
:
名無しさん
:2020/05/16(土) 13:44:06 ID:RTXBgn/k0
ふさふさの尻尾がゆらゆらと
159
:
名無しさん
:2020/05/16(土) 18:05:51 ID:4yRP3q/Q0
うわごとを繰り返す妹者の傍らで、それを観察する若い娘がいた。
ふふっ、と彼女が微笑をうかべる。
栗色の瞳は優しく孤を描き、慈愛に満ちたその手は豊かな毛並みで覆われている。
「ご機嫌だなぁ。レモナ」
彼女の機嫌を損なわせる、粗野な呼びかけが背後から響いた。
レモナと呼ばれた獣人の娘は肩越しに振り返る。
|゚ノ ^∀^)「お静かに、ハイン。この娘が目を覚ましてしまいます」
そう言いレモナはそっと人差し指を立てる仕草を見せた。
从 ゚∀从「ご修身だねェ……」
相手はやれやれと首を振る。
「どうせくたばっちまうんだろ?そいつ。
面倒な事になる前にさっさと捨てちまえよ」
160
:
名無しさん
:2020/05/18(月) 07:47:12 ID:HcOEw6Vs0
甲斐甲斐しく少女の介護をするレモナに呆れて、同僚のハインはやれやれと首を振った。
いちおう説得は試みたものの、この強情なケモノ娘は貸す耳など持つまい。
从 ;-∀从「……全く、こんな所で油売ってるとまた料理長(チーフ)にどやされるぞ」
二人は帝国の艦内で働く料理人なのだ。
つい先日、食料庫の中で彼女たちは倒れていた妹者を発見した。
从 ゚∀从「……密航者かよ?」
少女は全身傷だらけの姿で倒れていた。封を開けた瓶や箱が幾つか散乱しており、いつからかそこに忍び込んでいた事が見てとれる。
161
:
名無しさん
:2020/05/19(火) 07:48:59 ID:LG3mZwX60
不味いものを見つけちまったと、途端にハインは顔をしかめた。
艦内の規則は厳格に定められており、不審者を発見した場合は即通報の後、大概は拷問あるいは殺傷処分にされるのだ。
从; ゚∀从「どうするよ……」
そう不安げに意見を求めたところ、意外にもレモナの決断は素早かった。
|゚ノ ^∀^)「助けてあげましょう」
从; ゚∀从「なっ!?おま……」
人として当然の事ですわ、と言うや否や、レモナは軽々と少女を抱き上げ、そのまま倉庫の奥へと歩いてゆく。
162
:
名無しさん
:2020/05/19(火) 07:53:39 ID:LG3mZwX60
呆気にとられるハインを余所に、彼女はドアの前を塞ぐ油の缶を退かす。鍵を開けた。
|゚ノ ^∀^)「ここなら……ね?」
そこは普段滅多に使われる事のない、予備の空き部屋だ。
中は雑然としており、いつ使うのかも分からない怪しい調味料やら、壊れた寸胴鍋やらが無造作に積み重ねられている。
从 ゚∀从「なぁ、ここってーー」
ふとハインは、何時だったか同僚が話していたとある噂を思い出した。
|゚ノ ^∀^)「ーー自殺した女の霊画が出るって例の話でしょう?
まぁ、真相はこっそりやらしい事をする殿方が偽装の為にこしらた唯の作り話なのですけれど」
从 ゚∀从「あーなる……。って、なんでお前そんなこと知ってんだ?」
|゚ノ ^∀^)「そこは企業秘密ですわ」
从 ゚∀从「……見かけに寄らずエッチなんだな、お前……」
|゚ノ ^∀^)「さて、何のことやら?」
163
:
名無しさん
:2020/05/19(火) 08:59:49 ID:mNZdZr.o0
白々しくとぼけながらも、レモナは部屋の奥に古びたソファーを発見し、その上に少女を寝かせた。
相手の傷の具合を確かめる。
|゚ノ; ^∀^)「想像以上ですわ……」
レモナが言葉に詰まる。
素人目にもこれは危険な状態だ。
从 ゚∀从「医療ポッドが使えたらな……」
ふと、耳慣れない単語をハインが発した。「なにかツテが?」とレモナは聞き返す。
从; ゚∀从「あーー……あるにはあるんだか……結構ヤバい橋だぞ。
あまりお薦めは出来ねぇなあ…」
ハインは何故か小声になる。
管理者に纏わる恐ろしい記憶を思い出し、トラウマに駆られた彼女は本気で身震いしていた。
164
:
名無しさん
:2020/06/27(土) 13:06:26 ID:taxjAx260
時間が惜しい。
レモナはハインの先導に従い、艦内中層にある研究室(ラボルーム)へと忍び込んだ。
ちょうど医務室の反対側に覗くこの部屋では、日々怪しげな実験が行われている。
素人にはまったく解らない奇妙な機械があちこちに置かれていた。
それに加えて、なんらかの大型動物が現在解剖されている様子であり、マスク無しではとてもいられない強烈なアンモニア臭が二人の鼻を歪ませる。
从 ゚∀从「全く酷い臭いだなこりゃ」
毒づきながら物影を這って進み、ようやくお目当ての機械の前にたどり着く。
「急げ」
抱き抱えていた少女をその中へ横たわらせ、ハインは蓋を閉めた。容器の脇に覗くコンソールを手早く操作してゆく。
165
:
名無しさん
:2020/06/27(土) 16:20:22 ID:MNJu.LlA0
支援
166
:
名無しさん
:2020/06/27(土) 20:44:11 ID:taxjAx260
設定を終え、あとは開始ボタンを押せば薬液が容器の内部を満たしてゆくーーはずだった。
从; ゚∀从「……あれ?」
突然動きを止めた機械を前に、ハインは首を傾げる。
|゚ノ ^∀^)「……故障ですか?」
从; ゚∀从「い、いや?
確かこの手順で合ってるはずだぜ。
おかしいな?どこか操作間違えたかーー」
様子を尋ねてきたレモナに焦りを滲ませ、ハインは慌ててリセットをかけようとした。
ーーと、その時
167
:
名無しさん
:2020/06/27(土) 20:52:44 ID:taxjAx260
カツ、と二人の背後で何者かの足音が聞こえた。
Σ从; ゚∀从
ぎくりとして、慌てて手を止めハインはそちらへ振り返ろうとする。
/ ゚、。 /
一人の男性と目が合った。白衣を着て、一目で科学者と分かるが異様に鋭い眼をしている。
/ ゚、。 /「おや」
喩えるならばそれは猛禽類の瞳だ。
微妙に片眉をはね上げ、男は不審者の顔を直視するや「これはこれは……」と不敵に口元を歪ませた。
/ ゚、。 /「お前の顔を見たことがあるぞ」
静かな足取りで男は近づき、「おお、そうだ!」と彼女の直前で足を停める。
無造作に髪を掻き上げ、じっと吸い込むような瞳でハインの顔を眺めた。
/ ゚、。 /「思い出したぞ。誰かと思えば何時ぞやの密航者だな?貴様は」
168
:
名無しさん
:2020/06/27(土) 21:56:10 ID:taxjAx260
男の名はダイオードと言う。彼が口を開くや否や、ハインは恐怖に駆られ手の平が震えていた。
/ ゚、。 /「おお、怯えている。
どうした?私が恐いのか?心外だな。どうやらお前は私の事を誤解しているようだがーー」
从# ∀从「……ッ。黙れッーー!!」
突如、相手の口を塞ぐ勢いでハインが大声を発した。
「テメェは……テメェだけはッ……」
わななく口ぶりのまま眼を血走らせ、ハインは男の首を締め上げようとする。
/ ゚、。 /「フン」
意図も容易くその腕を払いのけ、今度はダイオードが逆に捻り上げた。
/ ゚、。 /「なんだ?無粋な奴だな貴様は。暴力はいかんぞ暴力は。そう親に教わらなかったのか?」
从# ∀从「テメェがそれを言うかーー」
細腕に似合わぬ膂力で右腕がギシギシと軋む。ぐうう、と食いしばる歯の隙間から苦悶を洩らしながらも、ハインはダイオードの責めに懸命に堪える。額へ脂汗が滲み始める。
/ ゚、。 /「ほう……頑丈な奴だ。お前の父親もこれ位頑丈であればな」
从# ゚∀从「壊した張本人が何をほざいていやがる!」
娘の命と引換にハインの父親は実験の素体にされ命を落としたのだ。一緒にいた兄弟もまた行方不明である。
/ ゚、。 /「フム、素体は男性より女性の方が定着率が高くてな。
どうだ?貴様も命乞いの代わりに私の素晴らしい研究に力を貸してみないか?」
从;# ∀从「ふっざ…けんなこのキチガイ野郎がっーー」
169
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 06:29:56 ID:OOWNd1bk0
/ ゚、。 /「残念だ」
振りほどくことも叶わず歯軋りを見せるハインに対し、表情一つも変えずダイオードは益々力を込めた。流石にこれ以上は耐えられなくなり、ギャア!と鋭い悲鳴が零れる。
|゚ノ; ^∀^)「……」
同僚の窮地を救わんと今まさにレモナが飛び出す直前だった。
ポッドの扉が開いた。
/ ゚、。 /「ぬ?」
ダイオードの視線が一瞬そちらを捉える。
/ ゚、。 /「何だ? その子を助けるつもりだったのか?」
ほう、と興味深そうに喉元を呻らせ、ダイオードは妹者へ近づく。
170
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 06:37:17 ID:OOWNd1bk0
>>169
最後:喉を唸らせ、に訂正
171
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 11:15:55 ID:OOWNd1bk0
ほう、と興味深そうに喉を唸らせ、ダイオードは妹者へ近づく。そしてやや前屈みの姿勢を取ると、彼女の脈を取った。
/ ゚、。 /「フム、これは驚いた……この状態でまだ生きているとはな」
从# ゚∀从「おい糞ヤロウッッ!そいつに触んなーーグフッ」
/ ゚、。 /「君の意見は求めていない」
顔面へ肘打ちを喰らわせハインを黙らせると、ダイオードは暫し考え込む仕草を見せ次にレモナの方へ向いた。
|゚ノ ;^∀^)「 ひっ」
/ ゚、。 /「この娘は?」
後ずさろうとしたレモナだがポッドの所為で阻まれる。
/ ゚、。 /「もう一度だけ聞こう。この娘は?」
強引に髪を掴み彼女を脅しながら、情報を聞き出そうとする男にレモナは本気で怯えた。
172
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 15:15:36 ID:OOWNd1bk0
|゚ノ ;^∀^)「つ、つい先ほどく偶然見つけた女の子ですわ……」
/ ゚、。 /「ほう?」
怖々と供述したレモナの発言にダイオードは興味を示した。
/ ゚、。 /「つまりは不審者と云う事なのかな? これはこれは興味深い……」
またもや少女の方へ視線を移す。
从; #∀从 「おい、お前……」
/ ゚、。 /「助けたいか?」
相手の発言を遮るように突然ダイオードは訊ねた。
从;# ∀从 「なに……」
/ ゚、。 /「助けたいか?と聞いているのだ」
不敵に彼は口の端を歪めながら問う。
|゚ノ ;^∀^)「貴方……いったい何を……」
/ ゚、。 /「助けてやっても良い、と言っているのだよ」
从 ゚∀从「聞くな! レモナ!
どうせ碌でもない事に決まっている!」
ずきずきと痛む頬を押さえながらハインは叫ぶ。
/ ゚、。 /「だがしかし君達ではポッドは直せない? 違うか?」
ズバリ弱味を握られ二人はぐ、と喉を詰まらせる他無かった。
/ ゚、。 /「おお、幼気な少女よ。お前は運がいい……」
不敵に笑う狂った男を前にレモナとハインは立ち竦む他無かった。
運命は奇妙な方向に転がり始めたのだ。
173
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 15:21:28 ID:OOWNd1bk0
log.6_end
Dr.stoneのゼノみたいなキャラを意識しながら書いてみましたとさ、てへぺろ
174
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 16:08:15 ID:OOWNd1bk0
log.6_end
追う者と追われる者。
暗雲立ち込める中、物語は再びブーン達の視点へーー
175
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 16:09:44 ID:OOWNd1bk0
■log.7
滝を。登ってゆく。
轟々と流れ落ちてゆく水は、その圧倒的な質量のせいで大瀑布と呼ぶに相応しい。
最早雨と言って差し支えのない大量の水しぶきを浴びて、全身ずぶ濡れとなりながらブーン達は滝の傍を歩いていた。行方不明となったツンにはまだ見付からない。
川 ゚ -゚)「安西先生、河童が欲しいです……」
着るものがびしょびしょになっていた所為でそう不満が漏れるのは仕方がない。
ブーンに至っては早々に諦め今は上半身裸だ。
( ^ω^)「イヤンエッチ-!」
川 ゚ -゚)「……ピザがそういうボケをかますとアレだな……問答無用でくり抜きたくなるな……くり貫きたくな……」
(; ^ω^)「ちょっ!?痛い痛い痛い痛い痛いやめて!
その枝どっから持ってきたんだお?!
あと発言の後半部分が恐い! ナベちゃんの銃をこっちに向けちゃらめェェェェェェェェェェ!!!」
从'ー'从「全くキモいですな」
('A`)「甚だ同意ですな」
結論。ピザに人権は無ぇ。
(; ^ω^)「ぇぇ…」
川 ゚ -゚)「乳首こっちに向けんなもぎ取るぞ」
176
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 16:40:28 ID:OOWNd1bk0
相も変わらずクーはこんな調子である。
(; ´ω`)「もうやだ。ほんと疲れるおこの人……」
ブーンはげんなりしながら滑る足下を行く。
ここは外壁とその内側を走る巨大水路の中間地点に当たり、水の浸食作用もあって岩盤が削り取られているのだ。
そうして作られた溝穴をブーンは選び、一行は上を目指している。
途中出逢った旅人から貴重な情報を得ていた。
(,,^Д^)「お、あんたらひょっとして博物館を目指しているのかい?
さっき物騒な連中がそいつを追い掛けて行くのを見たからーー」
('A`)「博物館?」
聞き慣れない単語がここでも出て来た。
(,,^Д^)「おや? 知らないのかい。博物館ってのはその名の通りこの壁のあらゆる歴史が収められた貴重な文化遺産なんだせ」
物知りな若者は気さくにそう教えてくれたのだ。
( ^ω^)「歴史か……」
ブーンはこの情報に強い興味を惹かれた。
川 ゚ -゚)「ひょっとしたら……」
クーも同じ事を考えていたらしく互いに顔を見合わす。
177
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 18:02:34 ID:OOWNd1bk0
ハイ・フロスガーの事が何か分かるかも知れない。ーー二人の脳裏にそんな期待が閃いたのである。
ここ暫くは騒動に巻き込まれていた所為で中間せざるを得なかったが、彼らは本来の目的をまだ忘れた訳ではない。
……どうする?
そわそわする気持ちを抑えながらもブーンは意見を訊ねた。
勿論ツンの捜索も疎かには出来ない事柄だ。
決め手はクーの体調次第。
川 ゚ -゚)「私はーー」
別に問題ないぞ、とそう言いかけた時、急に彼女は眩暈を覚えて足下がふらついた。
(; ^ω^)「おおっと!?」
慌ててブーンが体を支える。
(; ^ω^)「なんだおクー?
具合が悪いのなら無理せず言って構わないのに」
川; ゚ -゚)「あ、ああ御免。すまない……ちょっと疲れていたのかな?」
ブーンの肩を借り起き上がろうとするクーの息が乱れていた。
(;'A`)「おいクー、お前本当に大丈夫か? 顔青ざめているようにも見えるんだが……」
川; ゚ -゚)「はっはっは。ドクオ氏そんな御冗談を」
从;'ー'从「クーさん本当に無理しない方が……」
腰が重い。膝に力が入らない。
クーは無理やり笑顔を作ろうとするのだが体が言うことを聞いてくれないのだ。
川; - _-)「みんな、悪い。ちょっと休ませて貰えないか……」
明らかに不調な顔色を忍ばせクーはそのまま膝を着いた。
(;'A`)「おい……」
予想だにしない悪事に見舞われ、どうしようかと焦りを滲ませた一行の遠くで、一発の閃光が空を賑わせた。
178
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 20:47:40 ID:OOWNd1bk0
>>177
時間軸に矛盾があったので一部修正
→しばらくして、途中出逢った旅人から一行は貴重な情報を得た。
179
:
名無しさん
:2020/06/28(日) 21:17:34 ID:4htOwbq20
支援
180
:
名無しさん
:2020/06/29(月) 13:17:53 ID:lpZ88rg60
中空を貫く蒼い一閃は、闇を眩く染めそのまま岩石へ命中した。
(`・ω・´)「第一射。命中。続けて第二射に移ります」
( ゚∋゚)「宜しい、やれ」
鳥頭の艦長が命じるや、船体の側面に覗く荷電粒子砲はチャージを終え、凄まじい威力の光を放つ。
一直線に伸びる光は前方の森めがけ放たれていた。そこは浮遊岩石と植物が密を成す特殊環境だ。
岩場に絡む蔦が焼き切られ、揚力を失った巨石が音を立て崩落してゆく。
それは真下にいたジョルジュが操る船ーー『博物館』の装甲を叩き、少なからずダメージを与えていた。
_
(; ゚∀゚)「チイッ!」
折しもブリッジにて仮眠の最中であった彼は、忽ち襲撃に叩き起こされた。
_
( ゚∀゚)「ぽぽ、緊急回避!」
(*‘ω‘ *)「アイサー、だっぽ!」
操縦を担当する白いイタチに似た生き物に命じると、彼女は手早く舵を切り船体を横転。巨大なカタツムリを模した『博物館』は側面のノズルを吹かせ、そのまま滑るように速度を強めた。
(*‘ω‘ *)「装甲修復まで0227秒。館長、デコイを使うっぽ?」
_
( ゚∀゚)「気休めにしかならないだろうがやってくれ。空にして構わねぇからよ」
(*‘ω‘ *)「了解。命あっての物種だっーーぽ!」
181
:
名無しさん
:2020/06/29(月) 17:47:53 ID:mz7lLho20
許可を得たぽっぽは防御兵器を作動。ランチャーの蓋が開き、円筒形の物体が複数射出される。
木々の合間を縫い敵艦めがけて飛行するそれは、突如爆発しておびただしい量の煙を撒き散らした。
敵艦のモニターに一斉にノイズが走る。
(`・ω・´)「ジャミング弾か!」
正確には、電子機器を攪乱させるVXスモーク弾だ。
(;*゚ー゚)「目標、ロストしました!」
白濁したままの画面を前にオペレーターは狼狽える。
( ゚∋゚)「慌てるな。まだ近くにいる」
( ФωФ)「これはいよいよ我々の出番であるな」
既に戦闘服に身を包み、降下艇を駐機させていたロマネスクは静かに述べた。射出用のレールに吊された機体は騎士団専用に改造が施されている。
<ヽ`∀´>「一番槍はウリが貰うニダ」
ノパ⊿゚)「よぉぉぉおおし! 腕が鳴るぜ!」
(-_-)「……」
(#゚;;-゚)「お仕事……がんばる」
( ´∀`)「やべぇうんこしたい」
血気盛んな彼の部下達がにわかに騒ぎ出す頃、ブリッジより出撃の合図が下った。
( ФωФ)「宜しい、参る!」
電磁カタパルトに火が点る。
音速で射出されてゆく機体はまさしく弾丸そのものだ。
(・∀ ・)「超ーーー気持ちいぃーーー!」
機影はたちまち見えなくなる。
( ´∀`)「あっ」
そして奴の括約筋は当然崩壊した。
182
:
名無しさん
:2020/06/29(月) 19:44:53 ID:y0TUni8g0
ないたぁぁってぇぇ〜♪
なにもかわらないっていわれるけどぉぉ〜
だれだあってぇぇ
そんなつもりでなくんじゃないよね
なぁぁやんだってしかたない
あいじゃーすきゃん こんとろー ざ たああいむ
このなぁあがいらんうぇいからあーおーぞーらへ ていくおぉーふ♪
たいむ・うぃーる・てぇぇる
じかんがたてばバレる
辛い…(アーッ)
だから そんなあせらなくたっていい(大嘘)
たいむ・うぃーる・てぇぇる
じかんがたてばバレる
T☆U☆R☆A☆I (アーッ)
明日へ〜のず〜るい近道は〜ないよ〜(断言)
(;´∀`)なん…だと…
なん…だと…
なん(ry
ーー余談だが、後に彼は仲間達から「ミスターブラウン」と呼ばれる事を強要されたそうな。
ふーん、エッチじゃん?
183
:
名無しさん
:2020/06/30(火) 10:31:04 ID:PzglXj/A0
■log.8
風防越しに風を感じる。気圧の調整されたコックピット内でそれは錯覚に過ぎなかったが、流線型の機体は確かに気流を押し分けて目標へ近づいているのだ。
ノパ⊿゚)「居た!」
先行するヒートの機体が目標を捉えた。
(・∀ ・)「ヒューっ! 想像していたよりも大分デカいね!
ロマの旦那、こりゃ久々に狩り甲斐のある獲物ですよ」
古参のまたんきは既に軽口を叩きながらも威嚇射撃を開始している。
( <●><●>)「迂闊に近づくのは愚策である事は解っています」
( ФωФ)「各機、フォーメーションを崩すな」
<ヽ`∀´>「団長は慎重過ぎるニダ。虎穴に入らずんば虎児を得ず、と……」
『ブレイク!ブレイク!』
おわぁ!? と仰天し慌ててロールしたニダーのすぐ真横を銃弾が通り過ぎてゆく。
ノパ⊿゚)「油断!」
<ヽ;`∀´>「す、すまないニダ姐副長。やっぱり正攻法が一番ニダね」
ノパ⊿゚)「遅れるなよ?」
短い叱咤を飛ばし、尾翼に炎を描いたヒートの機体は上昇してゆく。
彼女のマニューバは実に滑らかだ。邪魔な浮遊石の合間を巧みにすり抜け、敵の攻撃を回避した次の瞬間にはもう機首を反転させている。
ノパ⊿゚)「レーダーロック」
ーーファイア!
紅蓮の炎が敵影の横っ腹に突き刺さった。
(・∀ ・)「グレイト!」
184
:
名無しさん
:2020/06/30(火) 11:57:51 ID:wlM3BYTo0
腹の底を揺るがすような、とは正にこういう振動の事を指すのだろう。
実際にはそこまで柔な船ではないが、衝撃の勢いに飲まれてブリッジ内の面子はよろめいた。
(*‘ω‘ *)「右舷に被弾!これ不味いっぽ!」
先程落石のダメージを受けた箇所にもろ、だ。
_
(; ゚∀゚)「見りゃ分かるよそんなん! くっそ、どうにか逃がしてくれないものかね」
(*‘ω‘ *)「白旗は無駄だと思うっぽ」
_
(; ゚∀゚)「だろうね!」
窮地で言葉も投げ遣りなものに変わってきている。
185
:
名無しさん
:2020/06/30(火) 12:20:18 ID:Wfy48f7Q0
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと!!」
慌てて駆け込むままに扉が開き、ツンが現れた。
ξ;゚⊿゚)ξ「何が起きてるの?!
また襲撃!?」
おう、と返答ざまにまた衝撃。
(;*‘ω‘ *)「ぽ!?」
踏ん張りが効かずぽっぽが床の上を転げ落ちる。咄嗟に首根っこを掴みそのままツンは胸に抱え上げだ。
ξ゚⊿゚)ξ「ぽぽちゃん、怪我は無い?」
(;*‘ω‘ *)「客人ありがとうだっぽ……」
小動物を抱き抱えたまま「どうするの」とツンは指示を仰ぐ。
_
( ゚∀゚)「敵さんの数が多い。こりゃ逃げるしかあるめぇよ」
ξ゚⊿゚)ξ「当てはあるの?」
_
( ゚∀゚)+ 「無い!」
ξ ̄⊿ ̄;)!!「少しは期待をさせろようおぃぃ!?」
_
( ゚∀゚)「だからスリルを楽しむんだよ!!」
勇ましくいい放った後ジョルジュはモニターに視線を走らせる。
(*‘ω‘ *)「館長、被弾箇所はどうするんだっぽ?」
_
( ゚∀゚)「どうせ使い物にならねぇ区画だ。いっそ切り離しちまえ」
(*‘ω‘ *)「ラジャー」
命に従い炸薬を作動。
(*‘ω‘ *)「二ブロック纏めて吹き飛ばすっぽ!」
_
( ゚∀゚)「いいね!派手にやろうぜ」
186
:
名無しさん
:2020/06/30(火) 17:54:40 ID:6Sstz5eA0
電気信管が起爆。連結部のボルトが吹き飛び、それによって支えを失った二部屋が爆音と共に廃棄された。
(#゚;;-゚)「嗚呼、もったいない……」
朦朦と立ちこめる煙を遠眼に見つめながら、団員のでぃは呟く。
(-_-)「何?でぃさんあんなの欲しいの?」
同乗するヒッキーは訊ねる。
(#゚;;-゚)「だってウチらの個室より絶対広いでしょ」
(;-_-)「いや……あれ別に住む所じゃ無いと思うけど…………」
ノパ⊿゚)「オラオラ新米!雑談する暇あったらとっとと追い掛けろ!」
パージを終え速力を上げた目標の船が、距離を開き巨石の陰に隠れていったのだ。
バン、と下方向に伸びる無数の小枝が風防に当たり視界を遮っている。
(・∀ ・)「敵も中々やりますねぇ。小細工が鬱陶しくてちょっちイラッ、と来ますわ!」
( ФωФ)「ヒート。奴の脚を止めたい。可能であるか?」
ノパ⊿゚)「よぉぉぉおおし!任せろ!」
187
:
名無しさん
:2020/06/30(火) 18:04:05 ID:6Sstz5eA0
>>186
訂正
バン、と下方向に伸びる無数の小枝が風防に当たり視界を遮ってくる。
188
:
名無しさん
:2020/07/01(水) 14:19:04 ID:7JSCET3k0
自信満々に言い放つや、ヒートはスロットルを全開。そのまま藪の中へ突っ込んだ。
ノパ⊿゚)「うおおおおおお邪魔だ邪魔だああああああ!!」
機銃を惜しみなく使い障害物を薙ぎ払う。
(・∀ ・)「ハハッ!相変わらず副長はやり方が豪快でいいね」
しかし視界が開けた事で皆もやりやすくなったのだ。
<ヽ`∀´>「姐御。お供するニダ!」
彼女の撃ち漏らしをカバーするように後続のニダーも連射開始。障害物が粉々に打ち砕かれ粉塵が流れてゆく。
ノパ⊿゚)「おう!ナイスアシストだニダー。このままママから離れんなよ?」
<ヽ`∀´>「合点承知の助!」
右へ。
左へ。
浮遊する巨大障害物を回避するべく絶えず翼を振る。急激なバンクの合間にも襲い来る対空射撃をも躱し、二重螺旋を描いて二機は飛行。息の合ったコンビネーションを見せる。
_
(# ゚∀゚)「チックショー!全然当たんねぇぞ何だよあいつらの動きは!?」
迎撃用の銃座に跨がるジョルジュは脅威に舌打ちを零した。
これまでにも博物館が敵から襲撃を受ける事は何度もあったが、今回の敵は全く規模が違う。
ξ;゚⊿゚)ξ「ねぇ、こないだみたいに変身してどうにか出来ないの?」
一緒に応戦するツンは早口まみれに問う。
_
(; ゚∀゚)「そりゃちょいと無理ってもんだせ嬢ちゃん、幾ら俺でも空なんか飛べねぇよ!」
189
:
名無しさん
:2020/07/01(水) 20:40:18 ID:NULZqCLI0
これまでにも博物館が襲撃を受ける事は数回あったが、今回の敵は全く規模が違う。
ξ;゚⊿゚)ξ「ねぇ、こないだみたいに変身してどうにか出来ないの?」
一緒に応戦するツンは早口まみれに問う。
_
(; ゚∀゚)「そりゃちょいと無理ってもんだせ嬢ちゃん、幾ら俺でも空なんか飛べねぇよ!」
ξ;゚⊿<)ξ「だって翼生えてたじゃん!」
_
(; ゚∀゚)「ありゃ飾りみたいなもんだよ! 兎に角無理なものは無理なんですぅ!!」
ジョルジュはきっぱりと言い切る。いよいよ余裕が無い。
敵影はすぐ間近へと迫っている。
190
:
名無しさん
:2020/07/01(水) 20:43:23 ID:NULZqCLI0
_
(; ゚∀゚)「こなくそぉぉオオオオ!!!!!!!!!!!!」
射角限界まで砲を下げ弾幕を張る。
必死に撃ちまくり、少しでも敵を遠ざけようと試みても、それすら見透かしていたのか敵機はその下へ潜り込み機銃をばら撒いてきた。
ξ;>⊿<)ξ「ひゃっ!?」
ジャック・ナイフ。超接近した機影が頭上を掠めた。
ノパ⊿゚)「真っ赤なサンタさんからプレゼントだぜ!」
ヒートは容赦なくそこへ爆弾を落としてゆく。
( ФωФ)「ヒート。破壊は程々に留めておくのである」
ノパ⊿゚)「解っているよ団長。けどやれる時にやれる事はきちんとやっとかないとなぁーー」
これで仕上げだ!と最後に放った一発が動力部を直撃した。
_
(; ゚∀゚)「「「〜〜〜!?!!!!!!!!!!ッ」」」
ξ;>⊿<)ξ
(;*‘ω‘ *)
ずずん、と重たい衝撃が船全体を包みツン達は卒然となる。
何処かで爆音が聞こえた。
一拍遅れで部屋が軋み船底が急激に傾き始めた。
(;*‘ω‘ *)「ヤバい!舵が!!」
ヒートが狙っていたのはこの船の反重力推進機関ーー巨体を浮かせ、飛行にも作用する最重要部品だ。当然そこを失えば船は動けなくなる。
周囲の重力場に引かれ博物館(ミュージアム)は岩盤に衝突する。
側壁がゴリゴリと擦られ、座礁した後遂には動きを止めてしまったのだ。
( ФωФ)「これでチェック・メイトであるな」
上空を旋回しつつ目標の完全な沈黙を確かめると、 部下を率いロマネスクは降下していった。
191
:
名無しさん
:2020/07/01(水) 20:46:55 ID:NULZqCLI0
log.8_end
うんこの人の出番なし
192
:
名無しさん
:2020/07/01(水) 22:04:57 ID:q1O3X89M0
otsu
193
:
名無しさん
:2020/07/02(木) 20:53:26 ID:xZe4d9mE0
■log.9
_
(メ ゚∀゚)「いっ、てぇ……」
横転しかけた船内のブリッジにて、ジョルジュは起き上がる。激突寸前ツン達を庇う様に覆い被さっていた為、二人に目立った傷はなくどうにか無事のようだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「あー……ビックリしたぁ」
それでも腰を打ったらしくそこを擦りながら遅れて立ち上がり、周囲を見回すツン。
窓が突き破られ破片やその他諸々が周囲に散乱している。砕けた細かな砂等も一緒に混じっていて、相当これは酷い有様だ。
(;*‘ω‘ *)「二人共大丈夫っぽ?」
_
(メ ゚∀゚)「おう、まぁなんとかな……」
しかしよりによって直撃かよ、と先の攻撃を思い返しながらジョルジュはそちらの方を向く。
ξ;゚⊿゚)ξ「一体全体なんなのよ?」
_
(; ゚∀゚)「そりゃこっちが知りたい位だよ。……ま、兎に角無駄話をさせて貰える余裕は無さそうだ」
ーーすぐに来るぞ、とジョルジュが警戒を促した。
ξ゚⊿゚)ξ「分かっている」
その意図を読み取りツンは速やかに行動を開始した。
_
( ゚∀゚)「そのナイフ1本だけじゃ心許ないだろ。ぽっぽ、武器庫開けられるか?
可能なら案内してってやってくれ」
(*‘ω‘ *)「了解、ねーちゃん着いてくるっぽ」
194
:
名無しさん
:2020/09/25(金) 13:21:56 ID:1VU/OdPI0
漏水している。
爆撃の被害は館内の配水管にも及んでおり、噴出した水のせいで通路はどこも水浸しの有様だ。
階段伝いに2層降りた頃には、もう膝下まで水に浸かっており、ツンはざぶざぶと水をかき分けながら目的地を目指していた。
敵に警戒しつつも廊下の角を幾つか曲がり、やがて彼女は目的地へ到着した。
「ここだっぽ」
ひらり。肩から降りたぽっぽが指差す先には、なるほど厳重そうな扉が待ちかまえている。
ξ゚⊿゚)ξ「人気は?」
中をのぞき込みつつ訊ねた。
(*‘ω‘ *)「大丈夫。ここはそう易々とは開けられない場所だっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「おお……」
照明が点った。中へ踏みこむなり、倉庫内の壁一面を埋め尽くす無数の兵器のヘ踏み込むなり量にツンは圧倒された。
ξ゚⊿゚)ξ「スッゴいじゃんこれ!
なにこれ? ジョルジュが集めたの?」
(*‘ω‘ *)「館長は収集癖があるから。
まぁ伊達に博物館を名乗ってはいないーー伏せろ!!」
突然ぽっぽは警告を促した。
「誰か入ってきたっぽ」
195
:
名無しさん
:2020/09/25(金) 17:38:42 ID:kJXZuN360
声をひそめ、ぽっぽは後方へ視線をうながす。
閉じたはずの強化シャッターが持ち上げられ、見慣れぬ格好をした黒ずくめの男たちがこちらへ踏み込もうとしている。
ξ゚⊿゚)ξ「……物騒な連中のお出ましね」
ちょっと早すぎない?と小声で感想をこぼしつつ、素早くツンは物陰に滑り込み身を隠した。
ちょうど目の前にある戸棚に何丁かの拳銃が置かれている。
威力は心細いが何も持たないよりはまだましか。
ξ゚⊿゚)ξ「これ借りるわよ!」
ポリマーフレーム製の一丁を引っ掴み、銃把の底へマガジンを差し込みバッテリーを接続させた。
196
:
名無しさん
:2020/09/25(金) 18:23:06 ID:kJXZuN360
(;*‘ω‘ *)「あ。ソイツはちょっとーーーー」
《キィィィィィィィィィィィィィィィィンンーーーー》
■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■
[stand-by]
■■■■■■■■■■■■■■■
突然。ツンの握る銃が震え始め、鋭い超音波を発した。
(;・∀ ・)「うおっ!何だコレ」
黒ずくめの侵入者達は虚を突かれ耳鳴りの痛みに足をとめる。
ξ;゚⊿゚)ξ「な」
インジケーターランプの光が青から緑ーーそして白に変わり、銃口がスパークする。
(;*‘ω‘ *)「ぼ、暴発するっぽ-!!」
慌てふためきぽっぽは咄嗟にこう叫ぶ。
「とりあえずぶっ放せ!」
197
:
名無しさん
:2020/09/25(金) 20:44:55 ID:UJELZmD60
銃口内の光は膨れ上がり、それを抑える術など誰にもわからない。
ξ;>⊿<)ξ「ひぃっ」
なにかとんでもない物をどうやら掴んでしまったみたいだ。
どう対処したら良いのかわからず、そしてツンの指先は突発的にその引き金を引く。
光が、
(;・∀ ・)
<ヽ`∀´>
(;-_-)
( <●><●>)
その進行を阻む
あらゆる存在を飲み込んだーーーー
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