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川 ゚ -゚)普通の恋の物語のようです
1
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:20:11 ID:nh13zq7M0
アノヒトノスベテヲテニイレタイ
2
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:20:44 ID:nh13zq7M0
さて、諸君。私は気になる人がいる。
彼の事を考えるだけで胸が高鳴り、彼の顔を直視してると体温が上昇し、彼が私に話しかけてくれると顔が緩むのを抑えなければならなく、
そして彼が他の女と話していると、ついその女を………
おっと何でもない。
それで私は考えたんだ。
この気持ちは何なのだろうかと……
3
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:21:16 ID:nh13zq7M0
おっと……自己紹介が遅れたな。
私の名前は素直空。
あだ名はクーだよろしく頼む。まあ、何をよろしく頼むのかはよくわからないがな。
それで私はヴィップ大学に通う学生だ。
今は親元を離れ一人暮らしをしているのだが、これが中々大変でな……
今までは家事などは分担してやっていたのだが、一人になると全て自分でやらなければならない。
つい億劫になっても誰もやってはくれないのだ………
ただ私も女だ。
身だしなみは気を付けるし、第一自分の部屋が汚いというのはどうにも許せない。
別に誰かを家に呼ぶわけでは無いが、その辺りはしっかりしておきたいのだ。
そして……もし………もしもだが、彼を私の家に連れて来る事が出来た時、部屋が汚くて失望されるのだけはゴメンだからな。
彼に、私の全てを………
4
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:23:05 ID:nh13zq7M0
おっとまた話しが逸れたな…まあ、あれだ。部屋を綺麗に保っておけば気分も晴れやかになるのではないのだろうかって事だ。
それに物が散乱していたら、必要な物をすぐに使えない可能性もあるだろう?
必要な物は何処に置いてあるのかをちゃんと把握しておく。これは結構重要な事だ。実践しておいて損はないぞ?
そう…必要なモノはな………
さて、私だけの話をしていても話が進まないな。
それじゃあ、君達にも彼の事を教えてあげよう。
……間違っても彼の事を………いや。なんでも無いんだ。気にしないでくれ。
彼の名前は欝田毒男。
私と同じ大学で同じ学年だ。
一応ヴィップ大学はそれなりの所ではあるから頭はそれなりに良い。
顔は人によると覇気がないだの元気が足りないだの言われてるが……そんな事は無いだろう?
なあ?
そうだろう?
5
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:23:33 ID:nh13zq7M0
……まあ、彼の事はまだよくわからないだろうからもう少し詳しく説明していこう。
そうすれば、なぜ私が彼が気になるのかを理解して貰えるだろうからな。
身長は私よりやや大きいぐらいだな。ヒールを履けば同じ位になるだろうな。
体重は大分やせ型なんだよな……私がちゃんと栄養がある物を食べさせてやりたいものだが……
別に私はがっしりした男が好みなわけでは無いので気にはしないがな。
趣味はゲームとかなのだろうな。彼と友人…勿論男だ。と一緒に携帯型のゲーム機を持って遊んでいるのを目にする事が多い。
後、スマホで何かをしている姿をよく目にする。
ゲーム好きの彼だが、講義は真面目に受けているのだ。
…当り前だろうって?
それがな…昔はどうかはわからないが最近は大学生となると講義は出るだけで何とかなる物もあるのだ。
講義に出れば卒業に必要な単位が貰える。だから出るだけ出て、後は知った事じゃない。って奴も多いんだ。
まあ…全ての講義がそう言う訳でも無いんだけどな。
だが、彼はどんなつまらない講義だろうと決してサボろうとはしなかった。
一度気になって彼に聞いたことがあるんだ。
そしたら彼は
('A`)「だって、折角大変な思いをしてまでここに入って、それなのにわざわざ高い学費まで払わされてるんだよ?
だったらサボろうなんて考えは思い浮かばないと思うんだ。
俺達は何かを学ぼうと思ってここに入って来たんだから。」
6
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:23:56 ID:nh13zq7M0
……わかっている。
わかっているさ。こんな人はそうそういないだろうと。
そう。彼はくそ真面目なんだ。
確か言い分は分かるが……大学生になったら羽目を外したくなるだろう?
今まで大変な思いをして合格して入ったのだ、遊びたくもなるだろう?
しかし彼はそんな風に気を緩めず今でも頑張っているんだ。
尊敬に値するだろう?
何?
真面目過ぎる男はつまらなくないかだと?
……わかってないな。
確かにつまらなく感じる人もいるのだろうが、彼は違う。
自慢じゃないが私は容姿は悪いとは一度たりとも言われた事は無い。
告白も何度もされた事がある。
しかし、どうにも付き合おうという気持ちが起こらなかったのだ。
どいつもこいつも私の顔や体目当ての奴しか来ないし、罰ゲームだか何だか知らないがヘラヘラ笑ってた奴もいた。
そんな奴と何が悲しくて恋人同士なってやろうと思えるのだろうか……
体から始まる恋もあるとか言うが、興味もない奴に体を開く気にもならん。
そのせいで同性愛者ではないのかと言う噂が流れていたようだが、私は男に興味が無い訳では無い。
私にだって選ぶ権利はあると思うんだ。
そのせいで誰とも付き合えず一人寂しく生きて行ってしまったのなら自分のせいだと諦めるさ。
しかし、私は出会ったのだ!
自分の全てを捧げても良いと思える相手に!!
7
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:24:29 ID:nh13zq7M0
それが彼…ドクオと言ったわけだ。
ドクオとの出会いは、入学時のガイダンスの時だった。
たまたま隣の席に座っていて最初は私も冴えない顔の男がいるな程度の印象だった。
わざわざ話しかけようとも思わなかったしな。
ドクオの方からも私に話しかけようとはしてこなかったさ。
まあ、入学そうそう異性に話しかけるよりは同姓に話しかけた方が気が楽だろうからな。
私には一緒に入った友人がいなく一人だったからな、どうしたものかと考えていたのさ。
その点彼は、友人がいたらしくガイダンスが終わったら友人がやって来て楽しく話していた。
一人でいてもしょうがないのでその日はさっさと家に帰る事にして、その場を去ったんだ。
そしたら次の日、結構厄介な事になってしまってな……
何故だか知らないが、私達の大学はグループワークに力を入れるとか言い出して、
社会に出れば初対面の人とも一緒に仕事をしなくちゃならないから、勝手に決めておいたから課題に取り組めとか言い出してな……
本当に困ったものさ。
残念な事に私は愛想が良い方じゃあないからな、初対面の人には大抵冷たく思われてしまうらしい。
それでも決まってしまった事だからやるしかないと思ってな、自己紹介を始めたんだ。
('A`)「鬱田毒男です。よろしくお願いします」
川 ゚ -゚)「素直空です。よろしくお願いします」
8
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:24:55 ID:nh13zq7M0
……自己紹介なのに随分味気無いって?
仕方ないだろう……こう言うのは苦手なんだ。
いきなり色々言ったって覚えきれないんだから、名前だけ覚えてもらえばいいんだ。
他にも四人程いたが特に仲良くなったわけでもないし、今でも親交があるわけではないから省略だ。
ドクオと私が出会った。
それを覚えてくれればいい。
それでグループワークだがな……それは酷いものだったさ。
大学に入ったばかりだから調子に乗った奴がいてな……
早々に口説かれたものさ。
鬱陶しいから適当にあしらってやったらへそを曲げてな。
手伝わないとか言い出してな、相手にする時間も惜しいから無視して進めていたら、
他の女がリーダーになったつもりだか何だか知らないが謝れだの一緒にやらなきゃ意味ないだの綺麗事ばかり言って来てな、腹が立ったものさ。
ああいう自分が全て正しいと思い込んでる奴は本当に迷惑だ。
そんな事があったから雰囲気は最悪でな、
各自バラバラにやる事にしたのさ。
それでも一人では出来ない事があったから誰かに声をかけなければと思いかけたのが……
そうドクオだったという訳さ。
9
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:25:23 ID:nh13zq7M0
川 ゚ -゚)「あ〜えっと……鬱田君………だったかな?」
('A`)「あ……ハイ。鬱田です。素直さんでしたよね? どうしました?」
うむ。彼は最初は私に敬語を使って来たのだ。
何? 私がドクオの事を苗字で呼んでるだと?
……初対面の相手を名前で呼ぶほどフレンドリーな女では無いのだ私は。
川 ゚ -゚)「すまないが、少し手伝ってくれないか? 他の奴は私を目の敵にしていてな。手伝ってはくれないだろうからな」
(;'A`)「ああ…確かにあの人達、素直さんにだけ冷たいですね……」
('A`)「分かりました。自分でよければお手伝いしましょう」
この時彼と話していて気になったのだが、私と目を合わせようとしなかったのだ。
彼も私の事を避けているのかと思ったのだが……しばらく話していて分かったんだ
女慣れをしていないのだろうと言う事が。
正直に言うとその方が楽ではあったんだ。また調子に乗って勘違いして口説かれるよりもよっぽどな。
そうして二人だけでやる事にしたのだが、なかなか彼も頭が良くてな
私が手こずっていた物をスラスラ解いて行ったのさ。
…………流石に私もこんな程度では好意を持たんぞ?
ただ、覚えておいて損は無いだろうと思っただけだ。
………本当だぞ?
私はそんなに軽い女ではない。
むしろ身持ちは固いんだぞ?
10
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:25:57 ID:nh13zq7M0
話しがズレたな………まあいい。
それで彼と一緒に課題に取り組んで行き、発表まで何とか漕ぎつけられたんだ。
まあ、発表と言っても大した事はしていない。
流石に大学入ってすぐの私達に難し過ぎる事はさせなかったさ。
そして発表になったのだが、まあ酷い出来だったよ。
内容は私達二人は一緒にしておいたが、他の四人はバラバラ
結局何を発表しているのか訳が解らないと言った所さ。
発表が終わったらいきなり説教と来たものさ……
ちゃんと話し合ったのかだの、これじゃあ社会に出れないだの。
私としては知った事では無かったのだが、わざわざ前に立たせて説教するなんて、
小学生じゃあ無いんだからとは思ったがな。
私に敵意を向けていたその他の四人はどうでも良かったのだが、ドクオには悪いとは思ったさ。
川 ゚ -゚)「すまないな。鬱田君。私のせいで君まで下らない晒し物にしてしまって」
(;'A`)「いや。あの四人を上手く宥めて協力させられなかった自分も悪いんで……」
川 ;゚ -゚)「しかしだな……」
と押し問答を続けていると、いつの間にか他の人達……と言っても私達は最後から二番目だったがな、
の発表が終わったらしく講義の終わりを告げる鐘の音が鳴っていた。
最後にもう一度だけ詫びを入れようとドクオに声をかけようとしたのだが、
私よりも先に声をかけていた人物がいた。
11
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:26:40 ID:nh13zq7M0
( ^ω^)「おいす〜ドクオ。随分と怒られていたおね〜」
(´・ω・`)「まさか前に立ったまま説教するなんてね。大学生になったのに子供みたいな事をさせるんだね」
ちょっとデ……ゲフンゲフン! ちょっとふくよかな男性と垂れた眉が特徴的な男性がドクオに話しかけていた。
(;'A`)「全く……茶化すなよ。」
( ^ω^)「でも、どうしたんだお? この位の発表で躓くドクオじゃないお?」
(;'A`)「まあ…ちょっとな……」
この二人はドクオの友達なのだろうと思い、他人の私がいても仕方が無いだろうと思い席を立ち離れようとすると
(´・ω・`)「あっ! すいません。ちょっといいですか?」
川 ゚ -゚)「……私を呼んでいると受け取っていいのだろうか?」
(´・ω・`)「はい。あなたです」
川 ゚ -゚)「何だろうか?」
別にわざわざ話しかけられるとは思っていなかったので少々驚いたが、
警戒する相手でもないし話位は聞いても良いかなと思ったのだ。
(;´・ω・`)「あ…っとその……」
何故か言葉を選んでいるようだが、さっきまでの話の流れ的に、
私達の発表があそこまで酷かった理由でも聞きたいのだろうな。
川 ゚ -゚)「さっきの発表の事だろうか?」
(;´・ω・`)「はい。そうです」
やはり予想した通りだったか。
まあ、確かにちゃんとしていれば大して躓くようなものでは無かったし、疑問に思うのも当然だろうな。
( ^ω^)「君もドクオと一緒のグループだったお? だから、どうしてああなったのか知ってるかお?」
別に隠す必要もないし、正直に全てを話してしまおう。
彼らに嫌われようとも知った事でもないしな。
12
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:27:13 ID:nh13zq7M0
川 ゚ -゚)「ああ。知っている」
( ^ω^)「良かったら教えてくれないかお?」
川 ゚ -゚)「簡単な話だ。私が原因でこうなった。ただそれだけの事だ」
(;'A`)「素直さん!?」
(´・ω・`)「……詳しく教えてもらっても?」
鬱田君は驚き、垂れた眉の男性はただの興味本位で聞いて来てはいないような真剣な顔をしていた。
だから私は全てを包み隠さず話した。
下らない男が口説いて来た事、リーダー気取りの女が騒ぎ立てた事、そのせいでグループ内の空気が悪くなった事。
(;´・ω・`)「それって……ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっとあんた達! 何寄ってたかってその人を囲んでるのよ!」」
垂れた眉の男性が何かを言おうとしたらそんな威勢の良い声が聞こえて来た。
何事かと思ってそちらを向いてみると、
金色に染めた髪を縦に巻いた、ツリ目の女性がこちらを見ていた。
女の私から見てもなかなかの美人だと思ったよ。
ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン! いないと思ったら三人してその女の人に何してんのよ!?」
(; ^ω^)「お…お…ちょっと待つおツン……別に話を聞かせて貰っているだけだお………」
この怒鳴り込んできた女性はツンと言う名前…なのか?
そしてこのぽっちゃりした男性はブーンと言う名前…か?
それとも二人共あだ名か?
从'ー'从「ふぇぇ〜ツンちゃん。その人が困ってるからまずはお話を聞こうよ〜」
なんかまた増えた。
今度はフワフワした感じの茶髪の女性が来た。
……一部分が私よりもデカいとわかるぐらいデカい。
……………クソウ
ξ;゚⊿゚)ξ「そ……それもそうね」
ξ゚⊿゚)ξ「コホン。失礼したわ。大丈夫? こいつらに何かされてない?」
ふむ? 彼女は私を心配して来てくれたのか?
別にこの位なんでも無いのだが、正義感が強いのか?
13
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:27:45 ID:nh13zq7M0
川 ゚ -゚)「うむ。別に何もされてはいないぞ」
(; ^ω^)「そ…そうだお。ツン。ボク達はちょっとこの人にさっきの発表について聞いていたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「さっきのって…」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ! あなたドクオと一緒に発表していた人ね!」
このツンと呼ばれた女性は鬱田君と知り合いなんだな。
と言う事は他の四人とも面識はあるのか?
川 ゚ -゚)「ああ。素直空と言う」
取りあえず名乗っておいた。
別に仲良くしよとは思ってなかったのだが名前がわからないと面倒だからな。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ…ああ。ごめんなさい。名前を言ってなかったわね」
ξ゚⊿゚)ξ「あたしは津出麗華って言うの」
从'ー'从「ワタシは渡辺綾香って言うのよろしくね〜」
( ^ω^)「ボクは内藤ホライゾンだお。よろしくだお」
(´・ω・`)「僕は垂眉諸歩って言う者です。よかったらよろしくお願いします」
それぞれ名前を名乗ってくれたのだが、
ツンと言うのはあだ名だろうと言うのはわかったが……
ホライゾンと言う名前は彼はハーフなのか?
川 ゚ -゚)「よろしく。しかし、内藤君の名はホライゾンと言のか。ハーフなのか?」
私の言葉で内藤君と私以外がドッと笑い出した。
何かおかしな事を言ってしまっただろうか?
ξ゚ー゚)ξ「違う違う。ブーンの名前は地平線って書いてホライゾンって読むの。ハーフじゃないわよ」
( ^ω^)「よく間違えられるお」
何と随分と珍しい名前を付けられたものだな。
…しかし何故それがブーンと言うあだ名になるんだ?
気になって聞いてみたところ……
ξ゚ー゚)ξ「昔、こいつがブーンって両手を広げながら走ってたからそんなあだ名が付けられたのよ」
子供のころのあだ名は適当な物が多いからな。
それを大人になってまで呼ばれるのはそれ程仲が良いという事だな。
14
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:28:39 ID:nh13zq7M0
(´・ω・`)「悪いんだけど、話を戻させてもらっても良いかな?」
おっと随分と脱線してしまった。
彼が何かを言おうとして津出さんが乱入して来たからな。
ξ゚⊿゚)ξ「そうだった! それで、素直さんを囲って何やってたのよ!?」
(´・ω・`)「さっきも言ったけど、ドクオ達の発表があまりにも酷かったから理由を聞いていたんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「それで理由は何だったのよ?」
さっき説明した事を新しく来た二人にも同じようにした。
そしたら津出さんがもの凄く激怒した。
ξ#゚⊿゚)ξ「はぁ!? 何その下らない理由!! 巻き込まれた二人が迷惑なだけじゃないの!!」
(;'A`)「いや…纏められなかった俺も悪いわけで……」
さっきまでずっと黙っていた鬱田君がおずおずと自分が悪いみたいな事を言うと、
四人が別に悪くない。
と言い切ってくれていた。
……いい友達なんだな。
そんな仲の良い五人の輪を乱すのも悪いなと思い話を切り上げ帰ろうとしたら
从'ー'从「あれれ〜もう帰っちゃうの〜?」
川 ゚ -゚)「うむ」
ξ゚⊿゚)ξ「素直さん。この後予定ある?」
別に予定があって帰ろうとした訳では無く、
ただ仲の良い彼らの間に他人の私がいるのもどうかと思っただけなのがな……
15
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:29:11 ID:nh13zq7M0
川 ゚ -゚)「いや、特には……」
ξ゚⊿゚)ξ「だったら、この後みんなで何処かに行かない?」
川 ;゚ -゚)「しかしだな……」
ξ゚⊿゚)ξ「いいじゃない。別に予定は無いんでしょ?」
う〜む…思っていたよりも強引な性格をしているんだな……
気が強い事は最初から分かってはいたが……
さて、誘ってくれるのは嬉しいがどうしたものかな?
(;'A`)「つ…ツン。素直さんが困ってるじゃないか。」
ξ;゚⊿゚)ξ「あれ? 困らせちゃった?」
川 ;゚ -゚)「困った……という訳では無いのだが……」
(´・ω・`)「ん…あれかな? 僕達に遠慮してるのかな?」
垂眉君に考えていた事を当てられ少なからず動揺してしまった。
…これでもポーカーフェイスには自信があるのだが、そんなに分かりやすい態度をとっていただろうか?
ξ;゚⊿゚)ξ「なんで遠慮なんかするのよ?」
(´・ω・`)「そりゃあいきなり仲良し五人組が現れて一緒に行きましょ。
なんて言われても遠慮するでしょ普通」
ξ゚⊿゚)ξ「なんだ。そんな事気にしてたの。素直さんと仲良くなりたいのよ」
(;'A`)「いきなり言われても困ると思うんだけど……」
('A`)「後、多分だけど、大学に入ってすぐに口説かれたものだから、男の俺達がいると警戒しちゃうんじゃないか?」
別に最初からみんなに対しては特に警戒はしていないのだが、
口を出すとまた話が脱線しそうだから黙っていよう。
从'ー'从「ふぇぇ〜大丈夫だよ〜」
从'ー'从「ドクオ君以外はみんな恋人がいるから〜」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
(;'A`)「残念ながら……」
ふむ。だとしたら、女性としての危険は減ったと考えても良いのかな?
16
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:29:45 ID:nh13zq7M0
…そうだな。折角誘ってくれているんだ。断るのも失礼だ。
学生の内の友人は大切にしろとよく聞くからな。
仲良くしておいてもいいだろう。
寂しい大学生活を送りたくはないしな。
川 ゚ -゚)「有り難い事に、熱心に誘ってくれているんだ。私も一緒に連れて行って貰おうかな」
ξ*゚⊿゚)ξ「そう来なくっちゃ!」
川 ゚ -゚)「まあ、つまらない女かもしれないが、よろしく頼む津出さん」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん。あたしの事はツンって呼んで。友達にはそう呼んで貰ってるから」
川 ゚ ー゚)「そうか。よろしくツン」
ξ゚ー゚)ξ「こっちこそ」
( ^ω^)「ボクはブーンって呼んでくれお!」
(´・ω・`)「じゃあ、僕はショボンで」
从'ー'从「ワタシは好きに呼んでね〜」
(;'A`)「お…俺も好きに呼んでください」
ふむ? 鬱田君だけは距離があるのか?
一番最初に知り合ったから、少しは距離を縮んでるとは思ったのだが。
( ^ω^)「ドクオの事はドクオって呼んであげてお」
川 ゚ -゚)「よろしく頼むドクオ君」
(´・ω・`)「別に君付けしなくていいよ。ドクオはただ女性にあんまり免疫がなくて上がってるだけだから」
从'ー'从「ワタシと初めて会った時もこんな感じだったもんね〜」
(´・ω・`)「まあ、素直さん美人だもんね」
ξ゚⊿゚)ξ「全くよね。女のあたしから見てもかなりの美人だわ」
川 ゚ ー゚)「ありがとう。二人だって美人だけどな」
ξ*゚⊿゚)ξ「あ…ありがと」
从^ー^从「ありがとね〜」
皆して容姿を褒めるという変な状況になってしまったが、悪い気はしないので良しとしよう。
17
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:31:26 ID:nh13zq7M0
( ^ω^)「ドクオも美人と一緒のグループになったって喜んでたおね」
(;*'A`)「ぶ…ブーン!」
川 ゚ ー゚)「ふふ。まあ、容姿を褒められて悪い気はしないさ」
まあ、人を見た眼でしか判断しない奴には興味はないがな。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、素直さんにも何かあだ名とかないの?」
川 ゚ -゚)「別に特にこれと言ったものはないな」
( ^ω^)「それじゃあ、空って名前でクールな美人さんだから、略してクーって呼ぶお!」
クールね…
昔はよく冷めただの無表情だの言われていたからそんな風に言われるとはな。
ξ゚⊿゚)ξ「いいじゃない。じゃあ、今からクーって呼ばせてもらうわね!」
川 ゚ ー゚)「ああ。よろしく」
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ、そろそろ移動しましょ!」
(* ^ω^)「最初はみんなでご飯を食べようお! 仲良くなるには一緒に食べるのが一番だお!」
(´・ω・`)「いいね。それじゃ近くをちょっと探してみようか」
从;'ー'从「あれれ〜学食に行かないのかな〜?」
発表は散々だったが、それはむしろ良かったのかもしれないな。
失敗したおかげで彼女らと出会えたのだから。
怪我の功名とはよく言ったものだ。
18
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:32:11 ID:nh13zq7M0
(;'A`)「す…素直さん」
川 ゚ -゚)「クーでいいぞ」
(;'A`)「クー……さん」
川 ゚ -゚)「さんもいらないよ」
(;'A`)「良かったの? 迷惑じゃないかな?」
川 ゚ ー゚)「大丈夫さ。むしろ助かっているくらいさ」
('A`)「どうして?」
川 ゚ -゚)「入ってすぐに素敵な友人が五人も出来たんだ。
大学には一人で入ったから正直心細い所もあったからな」
('A`)「そうだったんだ…」
川 ゚ ー゚)「ああ。だから、これからよろしく頼むよドクオ」
('∀`)「こちらこそよろしく……クー」
これが私とドクオ、そしてツン達との出会いだった。
ドクオも最初はこんな感じでな、私に遠慮していると言うか、気を使ってる感じだったんだ。
私もこの時は別にドクオの事を特にどうとは思ってはいなかったのさ。
ただ、グループが一緒だっただけ。
そして少し頭が良い真面目な人と言う印象しかなかったのさ。
しかし、これが運命と言うものだったのだな。
私が彼と出会う。
これこそが、私にとって最高の運命と言う事だったのだ!
残念ながらこの時の私はそんな事は知りもしなかったがな。
19
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:32:36 ID:nh13zq7M0
ドクオ達と仲良くなりしばらく経った。
彼らがいつ知り合ったのか聞いてみたところ、
ツンとブーンが幼馴染で子供の頃からの関係で、
そこからショボンとワタナベが中学の時に知り合い、
最後に高校でドクオと出会ったという訳だ。
20
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:33:06 ID:nh13zq7M0
因みに今は実家暮らしなのか一人暮らしなのか聞いたら、
ツンとワタナベとブーンが実家暮らしでショボンとドクオが一人暮らしと言う事だった。
実家暮らしの三人は近くに家があるわけでは無いのだが、女の一人暮らしは危険だからと親に反対されたらしく渋々実家から通っているらしい。
私は別に危険だのなんだので反対はされなかったのだがな………
まあいい。
それでブーンはツンが実家から通うなら自分も一緒に通うという事で実家にしたらしい。
まあ、私にはわからなかったが、恋人とはなるべく一緒にいたいものなのだろうな。
…ん? 言ってなかったか?
ブーンとツンは恋人同士だぞ。
ショボンとワタナベにもそれぞれ違う大学に行った恋人がいるらしい。
因みにドクオはいないらしい。
勿体無いと思わないか?
私?
私の事は前に言っただろう?
……うるさいな。どうせ私は恋人いない歴=年齢だよ。
いいんだよ。
素敵な人に出会ったのだから気にする事は無いんだよ。
正直に言えば最初は、ドクオの事なんて別に何とも思っていなかったんだ。
ただ、今まで会った男とは違うような気がした。
私に近寄って来る男なんて外面だけ取り繕った中身のない男ばかりだったからな。
……もしかしたら違う奴もいたのかもしれないが、そんな事はもうどうでいい。
過ぎ去った事を振り返ってもきりがないからな。
だがまあ、そう言った奴は大学に行っても沸くものでな。
結構また変な男が近寄ってくるものだからどう対応しようか迷っていたんだ。
あいにく今までは頼れる男友達というものが存在しなくてな、誰かに恋人のフリをしてくれなんて事は頼めなかったんだ。
大学に入ってやっと出来たあの三人が初めての男友達という訳さ。
彼らに頼んでもよかったのだが、仲の良い彼らに亀裂が入ってしまう可能性もあったから、遠慮していたんだ。
21
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:33:30 ID:nh13zq7M0
よく言うだろう?
恋人が他の異性と仲良くしているのを見て勘違いして仲が悪くなってしまうと言う事を。
恋は盲目とはよく言ったものでな、自分の恋人には異性とは仲良くして欲しくないのだよ自分だけを見て欲しいものなのだよ。
私は知らなかったがな!
しかしまあ、中にはしつこい男もいてだな……あんまりにもしつこいものだからキツイ言葉をおみまいしてやった訳だ。
そしたらそいつが激高してしまってな、掴みかかられて殴られそうになった訳だ。
全く下らない男だ、顔が良いだけで女がついて行くと勘違いしている典型的な男だったよ。
私も黙って殴られてやる性格じゃあないんでね、抵抗しようとしたら救世主が現れたってわけだ。
まさかそんなドラマチックな展開が私に起こるとは思わなかったよ。
「その手を放せ!!」
誰が来たって?
……そんなの分かり切っているだろう?
「なんだてめえは?」
(#'A`)「その人の友人だ!!」
22
:
◆bEtoll2Vds
:2017/08/22(火) 20:34:25 ID:nh13zq7M0
そう、ドクオさ。
正直意外だったよ。
私が出会った男はこういう場面に出くわすと見て見ぬふりをして関わろうとしなかったからな。
だから誰かが止めに入るなんて毛ほども思っていなかったのさ。
「はぁ? 友人つってもただの他人だろ。わざわざ痛い目にあいたいのかよ」
(#'A`)「他人じゃない! 友人だって言ってるだろ!!」
ドクオは決して体格がいい方では無い。
多分喧嘩もほとんどした事が無いのだろう。
だから本当は怖かったんじゃなかったのかな。
「はん。女の前だからってかっこつけてんじゃねぇよ!」
私の胸倉から手を放し、ドクオの元へ歩いて行く。
ドクオはそいつから目を逸らさずに真っすぐ見据えていた。
しかし、よく見ると少し震えているようだった。
「おいおい。ビビってんのか? 勇ましく出て来た割には情けない奴だ…な!」
(;゚A゚)「がっ!」
川 ;゚ -゚)「ドクオ!!」
その糞野郎が私のドクオの顔面を殴り付けやがったんだ!
…え? 私のじゃないって?
……話を続けるぞ!!
その時の私は色々な感情が湧き出て来た。
ドクオが殴られた事への驚き、殴った野郎への怒り、私のせいでドクオが殴られてしまった事への悲しみ。
だが、一番大きくなったのは怒りだった。
川 #゚ -゚)「お前!!!!」
「なんだ怒ったのか? こんな情けない奴のどこが良いんだ? 俺だったらお前を満足させてやれるぜ?」
私の体をなめまわすように見てくる。
こんな屑なんかに私の友人が殴られたというのか?
私がさっさとしていれば殴られる必要なんてなかったんじゃないか?
「なんだ? 友達が殴られるのを見てビビっちまったか?
だったら俺が優しく慰めてやるよ」
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