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昔桃子やベリの学園小説書いてた者だけど〜新狼

1 1 :2015/07/24(金) 02:21:01
狼の本スレが落ちたときのために立てておきます
本スレでの誤字脱字等のミスも補完してここに置いておきます

本スレ
昔桃子やベリのエロ小説、じゃなくて学園小説書いてた者だけど久しぶりにばくわら世代あたりを中心に書きたくなった
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1437026233/

550 1 :2018/05/18(金) 02:34:20
てから、稲場さんの方を向き直り、

ってのはただの削除ミス。お恥ずかしい

551 1 :2018/05/18(金) 02:49:30
そんなやりとりがしばらく続いてから、
「ちいたん、本当はどうしたの? 何か用だった?」と稲場さんが聞いた。

「用ってわけじゃないけど…。ちょっと心配で見に来たの」
「心配って、何が?」
「あ、いや…、その…」と言うと、知沙希ちゃんはチラリと俺の方を見た。

「俺、席外そうか?」と俺が言うと、
「あ、いや、そんな、いいんです…」と知沙希ちゃんは慌てたように言ってから、
「ダンス部の先輩たちが、まなかんと○○さんのこと、面白おかしく噂してたから、ちょっと心配になって…」ともじもじしたような仕草をした。

「噂って、どんな噂?」と稲場さんが口を尖らして聞くと、
知沙希ちゃんは「『まなかんがきっと何かあざといことしてるんじゃないか』って噂だよ!」と、相変わらずの赤い顔で答えた。

552 1 :2018/05/18(金) 03:02:42
(そうか、他の女の子たちがそんなこと噂してるのか)と俺は思った。
(他の女の子たちがみんなそう言うってことは、稲場さん、やっぱりあざといんだろうな)と思うと、俺はちょっと吹き出しそうな気持ちになった。

でも、そのあざといという感じは、きっとあくまで女の子から見た感じなのだろう。男の俺からすれば、稲場さんの甲斐甲斐しい感じというのは、たまらなく可愛いとしかいいようのないものだった。

553 名無し募集中。。。 :2018/05/20(日) 12:19:58
ちぃかわええ

554 1 :2018/05/29(火) 00:22:23
俺のそんな思いとは裏腹に、稲場さんはちょっと怒ったように口をとがらせて、
「みんな酷い! 勝手にそんな無責任な噂話なんかして…」とつぶやいてから、
「ね?」と俺を上目遣いに見上げて同意を求めるように問いかけてきた。

俺は反射的に「は、はい…」と答えたけれど…。
(そういう稲場さんだって、前には鞘師が俺を好きとか、宮本が俺を好きとか、無責任な噂話してたじゃねえか)
と思い出すとちょっと可笑しくなってきた。

それと同時に、あのときの、別に隠れて覗いていたわけじゃないけど、偶然見てしまった稲場さんの下着姿をまたもや思い出して、
知沙希ちゃんの前だというのに、再び下半身が熱くなってくる俺だった。

555 1 :2018/05/29(火) 00:35:58
「いちおう、それを教えにきただけだから。いろいろ気をつけてよ、まなかん。あっ! それと、ちゃんと遅れず時間通り全体練習にこないと、きっとまたみんなにいろいろ言われるよ」

知沙希ちゃんは早口でそう言い終えると、「じゃあ、また後でね」と、くるっと背を向けて小走りに去って行った。

俺と稲場さんは思わず顔を見合わせた。

「はあ…」と、俺はため息をついた。
(女の子ばかりのサークルというのは、面倒くさいものだな)と俺はあらためて思った。

女の中に男が一人なんて、やっぱりそんなに良いことばかりであるわけがない。
鞘師の熱意にほだされて残留してしまったダンス部だけど、(やっぱり辞めた方が良かったのでは)と、俺は少し後悔した。

俺がそんなことを考えているとは思いもしていない感じで、稲場さんは、
「知沙希ちゃん、あんな憎まれ口きいてたけど、本当は結構いい子なんだよ。今のもきっと心配してきてくれたんだろうし」と、俺の耳元で囁くように言った。

556 1 :2018/06/02(土) 00:58:48
「は、はあ…」といったん答えてから俺は、「知沙希ちゃんと稲場さんはどういう関係なんですか?」と、残っていたサンドイッチをつまみながら聞いた。

「どういう関係ってほどの関係じゃないんだけど…、ダンス部入ってから知り合って…、気が合うっていうのか、妹みたいで可愛くて」と、稲場さんは笑った。

それから稲場さんは俺の目を覗き込むように見上げて、「知沙希ちゃん、可愛いでしょ?」と意味ありげに聞いてきた。

俺は一瞬、サンドイッチを吹き出しそうになったけど、この場合、何と答えればいいのか良く分からなかった。
とりあえず、「は、はあ。確かに可愛いですね…」と相槌を打つと、稲場さんは、「ダメよ、そうやっていろんな女の子に色目遣ってちゃ」と、釘を指すように言ってから、ポン、と俺の膝を叩いた。

稲場さんは冗談のつもりでいったのかもしれないけど…。

ここ数日の自分のフラフラとした行動を思い出して、何気に俺は落ち込んだ。

「俺…、やっぱそういう風に見えますかね…?」
「えっ…、何? マジレス?」
稲場さんは困ったような顔をして俺を見上げた。

557 1 :2018/06/02(土) 01:14:13
「やっぱ俺って…、女の子だけが目当てでこの部に入って、いろんな女の子に色目遣ってるって思われてるのかな…って」

俺がそういうと、稲場さんは「そ…、そんなことないよぉ! でも…」と口を濁した。
「でも?」
「女の子ばかりの部だから…。女の子って噂話とか好きだし、いろいろ言う子もいるのは仕方ないよ」と声を潜めて言った。

俺はまたしても…、当の稲場さんと高木さんたちが着替えをしながら俺の噂をしていたのを覗いてしまったときのことを思い出して、頭がカッと熱くなった。

「俺は鞘師に色目を遣ってるってことになってるんですか? それとも宮本にですか?」

558 1 :2018/06/02(土) 01:38:47
一瞬ムキになって聞いてしまった俺に、
稲場さんは「…どうしたの?」と驚いたように目を丸くしてから、
「誰かにそんなこと言われたの? 鞘師さんがどうとか、佳林ちゃんがどうとか、そんな噂、まなかは聞いたこともないけど」
と、ぬけぬけと言い出した。

俺が二の句を継げずにいると、
「○○クンは同級生とか下級生より…、年上の女の子の方が合っているんじゃないかなあ…」と、稲場さんは上目遣いで俺を見た。

「えっ?」
雅さんや山木さん、そして舞さんとのここ数日の出来事を思い出して、俺は少し焦った。

そんな俺の気持ちには気づかぬように、稲場さんは「○○クンは確か写真部だったよね?」と聞いてきた。
「は、はい」
「写真部に山木梨沙ちゃんっているでしょ?」
「えっ? あ…、いるっていうか、いたって言うか…」
「梨沙ちゃんとか、○○クンには向いているんじゃないかなあ。○○クン、甘えん坊みたいだから、梨沙ちゃんみたいなお姉さんタイプが似合ってるよ」

俺はそのまま固まった。
(この人、俺と山木さんのこと、何か知ってるのか? それともただの偶然か?)

559 名無し募集中。。。 :2018/06/04(月) 00:04:36
まなかんこわいなぁ。笑

560 1 :2018/06/06(水) 01:44:00
背中に冷や汗が流れ出すのを俺は感じていた。

このまま黙っていたら、山木さんに振られた時のことを思い出して、また不覚にも涙が出そうな気がした。
慌てた俺は、弾かれたように早口で話し出した。

「でも、山木さん、確か彼氏がいたはずですよ」
そんなことを言って韜晦しようとした俺に、すかさず稲場さんが返してきた。
「あ…、それ、もう別れてるはず」
「え?」
「東京のK大に行った彼氏のことでしょ? それもう別れたって聞いたよ。梨沙ちゃん、振られたんだってさ」

俺は完全にフリーズした。
俺が山木さんを抱いて、まだ昨日の今日なのだ。
そして山木さんが彼氏に振られたって言うのも、夏休みに入ってからのごく最近の話なのだ。

なぜ稲場さんがそんなことまで知っているのだろう…。

561 1 :2018/06/06(水) 01:55:43
俺が口もきけなくなって完全に固まっていると、
「あれ、もしかして梨沙ちゃんのこと本当に好きだった?」と、稲場さんがからかうように俺の目を覗き込んできた。

俺はうろたえながらも、(そう聞くってことは、稲場さん、まだ俺と山木さんがセックスしたことまでは知らないのだろう…)と一応判断した。
(とはいえ、山木さんが彼氏と別れたことまでもう知っているのだから、山木さんと稲場さんには相当深いつながりがあるのだろう。だとすれば、いずれ俺とのことが知られるのも時間の問題かもしれないな)
俺は半分涙目になりながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。

「ねえ…、大丈夫? 遠くなんか見つめて…」
稲場さんの言葉で俺は我に返った。

562 1 :2018/06/06(水) 02:07:45
「あ、はい。い、いえ、別に…」
しどろもどろになった俺に、稲場さんは「本当に図星だったみたいだね。びっくり…」と、少し呆れたような口調で聞いてきた。

「そんなに好きならさ…、アタックすればいいじゃん」と稲場さん。
「い、いや…、俺と山木さんはそんなんじゃなくて…」
「あれ? もしかしてもうアタックしたことあったとか?」
「…」
「あのね、一度くらい断られたからって諦めちゃだめなんだよ」
「え?」
「梨沙ちゃんみたいな子って、ああ見えて押しに弱かったりするんだから」
「…」
「女の子なんて、勉強ができるからって、しっかりしてるとは限らないんだよ」

(稲場さん、何を言いたいのだろう? もしかして稲場さんと山木さんって、それほど仲がいいわけでもないのかな…)

563 名無し募集中。。。 :2018/06/09(土) 00:00:31
いいね!

564 1 :2018/06/10(日) 03:56:17
俺の気のせいかもしれんけど、稲場さんの口調の中に、何となく山木さんをディスっているようなニュアンスを感じて、警戒する俺であった。

そんな俺の気持ちには全く気づかぬ風に、稲場さんは「ねえ、もし本当に梨沙ちゃんのことがそんなに好きだったら、まなかから梨沙ちゃんに伝えてあげようか?」と、俺の目を上目遣いに覗き込んでくるのであった。

昨日、俺は山木さんにハッキリと振られているのだ。
この上、稲場さん経由でそんな未練がましいことを伝えてもらったりしたら、決定的に軽蔑されるだけに決まっている。

「そ、そういうのやめてください。だいたい俺、山木さんのことなんて、別に好きでもなんでもないし」
俺はしどろもどろになりながら、早口で言った。

565 1 :2018/06/10(日) 04:09:55
「そうなの?」
丸い目をして稲場さんが俺の目を覗き込んできた。

「そ、そうですよ」と反射的に答える俺。

稲場さんは、「ふーん。そっか…。まなかの考え過ぎだったのかな…」と考え込むような仕草をしてから、
「梨沙ちゃんがダメなら、竹内さんとかどう? あっ、それとも紗友希ちゃんの方がいいかな?」と、またニヤニヤしながら俺の顔を見上げてきた。

「そんな…、俺、そんなこと…」
「イヤなの?」
「イヤとかじゃないですけど…」
「けど?」
「そんな、俺、誰でもいいなんて風には…」
「じゃあさ…、まなかはどう?」
「えっ?」

不意に真剣な顔で俺を見上げる稲場さんだった。

566 名無し募集中。。。 :2018/06/11(月) 01:46:33
ワッフルワッフル

567 1 :2018/06/11(月) 02:19:10
(稲場さん、そんなこと言って、俺をからかってるのか…)
俺は思わず五クりと唾をのみ込んで、稲場さんを見つめ返したけど、稲場さんの真剣なまなざしにぶつかって、つい目を逸らした。

(それとも…、この人、もしかして本気で俺に告っているのか…?)
俺は自分の心臓がドキドキと早鐘を打つのを感じていた。

俺を見上げる稲場さんの表情は、さっきまでのお姉さんぶったものとは違って、一人のか弱い乙女のようにしか見えなかった。

(もし稲場さんが、真剣に言ってくれているのなら、この俺も真剣に答えないといけないに違いない…)と俺は思った。

稲場さんとは正直言ってこれまであまり接点がなかったけど…。
今日のこの数時間のやりとりで、俺の心が大きく稲場さんに惹かれだしているのも、認めざるを得ない事実だったのだ。

「お、俺は…」

568 名無し募集中。。。 :2018/06/13(水) 23:10:52
まなかんルートキターーーーー

569 1 :2018/06/14(木) 00:36:23
俺は深呼吸をしてから稲場さんの目をもう一度見つめた。

そして思い切って、「俺…、稲場さんみたいな人、す、好…」と言いかけた時、
稲場さんは「えっ、冗談だよ冗談! ○○クンって、ホント、マジレッサーなんだね(笑)」と、慌てたように早口で言った。

俺があっけにとられていると、稲場さんは顔を赤くして、
「ちょっと、○○クンが冗談通じないから、まなかも何か熱っくなってきた」と言って、両手の掌でパタパタと自分の顔を扇ぐような仕草をした。

570 1 :2018/06/14(木) 00:52:28
そんなふうに言って稲場さんはケラケラと笑った。

俺はからかわれていたと分かってカッとする気持ちと、冗談だと知ってホッとした気持ちと、稲場さんをモノにできなくてがっかりしたような気持ちが綯い交ぜになった、不思議な気持ちになっていた。

ただ一つハッキリしているのは、稲場さんとの会話は俺には刺激的で心地よいものだということだった。俺は目の前のこの可愛い先輩のことを数時間前よりも確実に好きになりつつあった。

571 名無し募集中。。。 :2018/06/14(木) 10:33:07
このタイミングでまなかんとは素晴らしい

572 名無し募集中。。。 :2018/06/14(木) 23:33:38
まったくだ

573 1 :2018/06/15(金) 01:00:41
3年もダラダラ続けているといろんなことがあるなあ(笑)

574 名無し募集中。。。 :2018/06/19(火) 00:49:07
地震大丈夫?

575 1 :2018/06/22(金) 01:29:58
ボクは東日本なので大丈夫ですが関西の方は心配ですね

576 1 :2018/06/22(金) 01:43:44
俺がそんなことをぼんやり考えていると、
稲場さんが「あっ、いけない! もうこんな時間。早くいかないと練習に遅れちゃう」と叫んだ。

壁の時計を見ると、集合時間までもうあと1、2分しか残っていなかった。
俺が「早く片付けて行きましょう!」と言うと、稲場さんは「そだね。遅れたりしたら、みんなにいろいろ根も葉もないこと言われちゃうかもしれないしね」と言って、上目遣いに俺を見上げてきた。

どう答えればいいのか分からないまま、「は、はあ…」と生返事をしながら、俺が弁当の包みを片付けていると、稲場さんが「コホン、コホン」と咳をした。

「?」と俺が振り向くと、稲場さんは口を押えて「コホン、コホン」ともう二回咳をした。

「どうしたんですか? 夏風邪ですか?」と俺が聞くと、稲場さんは「そ、そうかも。でも大丈夫…」と慌てたように返事をした。

(ずいぶん苦しそうな咳だな…)と俺は一瞬思ったけれど、「早く行こう!」と稲場さんが俺の袖を引っ張ってきたので、慌てて一緒に教室を飛び出した。

577 名無し募集中。。。 :2018/07/03(火) 22:29:55
まってるよ!

578 名無し募集中。。。 :2018/07/17(火) 20:43:42
待機チュゥ

579 1 :2018/07/18(水) 02:17:37
走り出した稲場さんの後を追って、俺も廊下に飛び出した。

稲場さんの足は思ったよりも速く、俺は一瞬置いていかれそうになって、ちょっと焦った。
(ちょ…、女の子に負けられるかよ…)
俺は本気になって走り出すと、「お先に!」と稲場さんを追い抜いて、廊下の角を曲がった。

しばらくムキになって走り続けてから、(稲場さん、追いついてきてるかな?)と思って振り返ると、そこに稲場さんの姿はなかった。

(あれ…?)
俺はしばらくその場に立ち止まって稲場さんを待ったけど、何秒経っても稲場さんは現れなかった。

580 1 :2018/07/18(水) 02:28:30
段々不安になってきた俺は、恐る恐る廊下を戻ってみた。

元来た角を曲がると、そこに稲場さんがしゃがみこんでいた。

「稲場さん!どうしたんですか!?」
稲場さんは胸を押さえて「コホン、コホン」と咳をし続けているようだった。

「えっ? 稲場さん、どうしたの!?」
俺はびっくりして、思わず自分もしゃがみこんだ。
稲場さんは(大丈夫)といいたげに、俺を制するように片手を挙げかけたけど、咳は収まるばかりか、むしろ強くなる一方のように見えた。

(ど、どうすりゃいいんだ!?)
俺は一瞬パニックになりかけたけど、俺がうろたえたら稲場さんが余計に混乱するだろうと思って、危ういところで踏みとどまった。

「大丈夫? 落ち着いて…」
俺は自分に言い聞かせるように言いながら、稲場さんを抱くようにして背中をさすった。
稲場さんは無言でコクンと頷いたけど、咳が収まる気配はなかった。

581 1 :2018/07/18(水) 02:40:21
(ちくしょう!どうすりゃいいんだ!)
俺は半ば稲場さんを強く抱きしめるような体勢になりながら、稲場さんの背中をさすり続けていた。

その時、向こうの方から誰かがつかつかと歩いてきて、俺の前で止まる気配がした。

見上げると、そこに宮本佳林が立っていた。

「呆れた…。本っ当に誰でもいいんだね…」
そんなことを言いかけた宮本に、俺は強い口調で「いいところに来た! 宮本! 手伝ってくれ!」と強い口調で声をかけた。

「えっ?」
一瞬、理解しかねるような顔を浮かべた宮本だけど、稲場さんが「コホン、コホン」と苦しそうに咳をし続けているのに気が付くと、「う、うん!」と声を上げて、駆け寄ってきた。

582 1 :2018/07/18(水) 02:50:50
宮本は俺と稲場さんの間に割って入ると、「稲場さん、気持ちを楽にして」と、冷静な口調で言いながら稲場さんの背中をゆっくりさすった。

俺が小声で「宮本、救急車呼んだ方がいいかな…?」と聞くと、宮本はそれには答えず、「稲場さん、薬か何か持ってませんか?」と落ち着いた声で聞いた。

稲場さんは苦しそうに咳をしながら、「家庭科、準備室の…、袋の中…」と途切れ途切れに答えた。

俺は「いま持ってくる!」と叫んで慌てて駆け出した。

583 1 :2018/07/19(木) 03:01:05
俺は急いで家庭科準備室へ走って、さっき見た稲場さんのセーラー服がはいった袋をつかむと、すぐにまたとって返した。

「稲場さん! この袋だよね!?」と言って、俺が袋の中身を引っ張り出すと、稲場さんのセーラー服だけでなく、ブラジャーとか下着までもが出てきてしまった。

真っ赤な顔をして、慌ててそれを隠そうとする稲場さん。
「バカ!」と宮本が俺の背中を叩いた。

稲場さんは、下の方に入っていたポーチの中から、吸入薬のようなものを取りだして吸い込んだ。
ようやく稲場さんの咳が収まってきて、俺と宮本は顔を見合わせてホッとした。

584 名無し募集中。。。 :2018/07/21(土) 03:00:30
新作ありがと!!

585 名無し募集中。。。 :2018/07/21(土) 03:50:10
http://nazr.in/11AJ

586 1 :2018/08/03(金) 03:06:20
稲場さんの様子が少し落ち着いてきたので、俺は「稲場さん、とりあえず保健室にでも行きませんか」と提案したけれど、
宮本が「今夏休みだし、確か保険の先生いないよ」と、覆い被せるように言ってきた。

俺が黙っていると、稲場さんは「私、病院に行ってくるから、○○クンたちは練習行ってよ」と、力なく笑った。

俺と宮本は顔を見合わせた。(でも、稲場さんを1人きりにしても大丈夫なのだろうか…)と、俺は不安になってきた。

587 1 :2018/08/04(土) 02:48:15
「じゃ…、じゃあ、俺か宮本が病院に付き添いますよ。あっ、その前に清水先生に報告しといた方がいいか。俺、ちょっと話してきます」と、走り出そうとした俺を、稲場さんは「待って!」と引き留めた。

「えっ?」
「清水先生には黙っていて。お願い!」
「で、でも…」
「お願い。今は黙っていて」
「そういうわけにも…」
「明日まなかが自分で先生に説明するから…。清水先生とは約束があって…、どっちみちきちんと自分で話をしなきゃならないから…」
「約束?」
「お願い…。今はそれ以上聞かないで」

稲場さんは泣きそうな顔をしてそれだけ言うと黙り込んだ。

俺と宮本は思わず顔を見合わせた。
すると宮本は「わかりました。それじゃとにかく一緒に病院に行きましょう」と、稲場さんを促した。
「俺も行く!」と俺は慌てて後を追った。

1人で部の練習に戻ったところで、いろいろみんなに聞かれるだろうし、聞かれたところで「清水先生には黙っていて」との稲場さんの頼みに従えば、俺は皆にも説明するわけにはいかなくなるのだ。

つまり、病院に着いていく以外の選択肢は、俺にも宮本にもなかったのだ。

588 1 :2018/08/04(土) 03:00:18
稲場さんを挟み込むように、俺と宮本が両側について、3人で校舎を出た。
稲場さんは途中で何度か「ゴホンゴホン」と咳がぶり返してきたようだった。俺は焦ってきたけど、学校の前まで来たところで折よくタクシーが走ってきたので手を挙げて止めた。

タクシーに乗り込むと「××病院までお願いします」と、稲場さんが駅前通りにある古い内科医院の名を告げた。

3人ほとんど無言のままで、タクシーは走って行った。

589 名無し募集中。。。 :2018/08/07(火) 01:19:24
すごい心配や

590 名無し募集中。。。 :2018/08/29(水) 02:11:55
待機

591 1 :2018/08/29(水) 02:15:31
タクシーを降りて、目の前の病院の看板を見ると「痛井病院」と書いてあって、俺は「ああ、この病院か」とようやく思い出した。
車中でも稲場さんがその病院名を告げたのを聞いていた筈だったのに、俺も動転していたのかピンと来ていなかったのだ。

午後の病院は静かだった。

3人で玄関から入ったところで、ベテラン風の看護師さんとばったり出くわした。

看護師さんが「あら、まなかちゃんじゃない? もしかして、また発作起きちゃった?」
と心配そうに聞くと、稲場さんはコクンと頷いた。

「待ってて。今先生呼んでくるから…」と優しく言いかけた看護師さんだったけど、何かに気付いたように突然、稲場さんの左腕をつかむと、「あなた、まだこんなことやってるの?」と厳しい口調で言いながら、稲場さんの肘あたりに巻かれていたベージュのサポーターをめくりあげた。

何がどうなっているのか、俺の位置からは何も見えなかったけど、稲場さんは慌てたように腕を隠して「ごめんなさい…」と消え入りそうな声でつぶやいた。

592 1 :2018/08/29(水) 02:24:28
稲場さんは、その看護師さんに促されるように診察室へと入っていった。

俺と宮本が待合室の長椅子に腰を下ろした時、向こうの廊下から不機嫌そうな顔をした工藤静香似の女医さんがつかつかと歩いてきて、診察室に入っていった。

俺と宮本は顔を見合わせた。

宮本は小声で「ねえ、○○クン、見た?」と不安そうな顔で聞いてきた。

「何を?」
「稲場さんの腕…」
「いや、俺の位置からは見えなかったけど…」
「私、見ちゃったんだけど、いっぱい切り傷がついてた…」
「えっ…?」

593 1 :2018/08/31(金) 02:14:00
俺と宮本はそのまま無言になった。

しばらくしてから俺が「稲場さんが喘息だったなんて知らなかったな…。やっぱりそのことで悩んでいたりしたのかな…」と言うと、
宮本は「私は薄々は知ってたけど…。でもリスカとかまではちょっと…」と言いかけて、また黙りこんだ。

「うーん…」と俺がため息をつくと、宮本は「でも○○クン、やっぱり男の子だししっかりしてるね。○○クンがてきぱきしてたから安心した。私だけだったらたぶん動転して何もできなかった」と、俺を上目遣いで見上げながら言い出した。

「へ? いやいや。俺こそ動転しちゃって、たまたま宮本が来てくれたから良かったものの、俺一人じゃどうなっていたことか…」と、俺は慌てて答えた。そして、それは本当に俺の正直な気持ちだったのだ。

594 1 :2018/08/31(金) 02:24:58
俺がそう言うと、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、宮本は俺の手の上に、そっと自分の手のひらを重ねてきた。

(えっ?)
突然心臓がドキドキと鳴りだす俺。
「稲場さん、大丈夫だよね?」と心細そうに俺を見上げる宮本。
「お、おう…」とあいまいな返事をするしかない俺。

すると宮本は、真っ赤な顔をしながら話し出した。
「○○クン、今朝はゴメン。私がどうかしてた」
「えっ?」
「○○クンとうえむーがあんまり仲良さそうだったから、私、ヤキモチ焼いてたのかもしれない」
「…。」

595 名無し募集中。。。 :2018/09/05(水) 21:35:07
待ってました!ありがと!

596 名無し募集中。。。 :2018/09/06(木) 02:31:31
痛井病院とか
こりゃまた古いな

597 名無し募集中。。。 :2018/09/06(木) 21:52:41
ハロモニかw

598 名無し募集中。。。 :2018/09/13(木) 22:03:02
飯田みたいなヤブ医者じゃ治るものも治らない

599 1 :2018/09/14(金) 22:28:49
宮本の手のひらはすべすべしていて、それでいてしっとりと湿っていて、思いの外ひんやりとした体温が、俺の手の甲に伝わってきた。おれは全身の神経を手の甲に集中して、宮本の体温を感じたいと思った。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、宮本はやがて俺の手の甲をそっと握ってきた。俺は少し逡巡した後、もう一方の手を宮本の手の上に重ねたいと思った。

意を決して俺がそうしようとした瞬間に、診察室のドアがガチャリと開いた。慌てたように宮本が俺から手を離した。

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